JP2002341101A - 光学材料用組成物、光学材料、その製造方法、並びにそれを用いた液晶表示装置および発光ダイオード - Google Patents

光学材料用組成物、光学材料、その製造方法、並びにそれを用いた液晶表示装置および発光ダイオード

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JP2002341101A
JP2002341101A JP2002045381A JP2002045381A JP2002341101A JP 2002341101 A JP2002341101 A JP 2002341101A JP 2002045381 A JP2002045381 A JP 2002045381A JP 2002045381 A JP2002045381 A JP 2002045381A JP 2002341101 A JP2002341101 A JP 2002341101A
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Masafumi Kuramoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的透明性が高く、光劣化が少なく、強靭
性を有する光学材料用組成物、光学材料、その製造方
法、並びにそれを用いた液晶表示装置および発光ダイオ
ードを提供することである。 【解決手段】 (A)SiH基と反応性を有する炭素−
炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機
化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を
含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、及
び(D)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合
を1分子中に1個含有する化合物を必須成分として光学
材料用組成物とすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学材料に関するも
のであり、更に詳しくは光学的透明性が高く、強靭性を
有する光学材料用組成物、光学材料、その製造方法、並
びにそれを用いた液晶表示装置および発光ダイオードに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置用をはじめとする光学材料
としては、複屈折率が低く、光弾性係数が小さく、光学
的透明性の高い材料が使用される。また、液晶表示装置
用等の材料の場合には、製造プロセス上使用する材料に
は高い耐熱性が必要である。こういった要求を満足する
材料として従来ガラス等が使用されてきた。
【0003】液晶表示装置用をはじめとする光学材料は
薄いフィルム状あるいは細いチューブやロッド状で多く
使用されるが、近年の市場要求に従い、より薄いフィル
ム状、あるいはより細いチューブまたはロッド状での使
用が必要になってきている。しかし、従来使用されてき
たガラスは強度的に脆い性質を有しているため、使用範
囲に限界が生じてきている。
【0004】強靭性のある材料としては高分子材料があ
るが、例えば熱可塑性樹脂の場合は、一般に高い耐熱性
を発現させるために芳香族骨格を導入すると、複屈折率
が高くなり光弾性係数が大きくなるため、高い耐熱性と
光学的性能の両立が困難である。
【0005】熱硬化性樹脂の場合は、従来知られている
熱硬化性樹脂は一般に着色しており、光学材料用途には
向かない。さらに、一般に極性を有しており光学的性能
発現にも不利である。そこで、例えば発光ダイオードの
封止材用途では、特殊な熱硬化性樹脂として、酸無水物
系硬化剤を用いる透明エポキシ樹脂が広く用いられてき
た。しかし、かかる透明エポキシ樹脂においても、樹脂
の吸水率が高いために耐湿耐久性が低い、あるいは、特
に低波長の光に対する光線透過性が低いために耐光耐久
性が低い、あるいは光劣化により着色するという欠点を
有していた。
【0006】また、熱硬化性樹脂は一般に脆く、硬化物
あるいは硬化物を用いて作成した製品に熱衝撃を加えた
場合に割れ、はがれなどが生じるという問題があった。
一方、耐光耐久性が高く、柔軟性がある被覆材として、
シリコーン樹脂が使用されているが、一般に軟質であり
表面タック性を有しているため、実装する際に発光面に
異物が付着したり実装用器具により発光面が損傷を受け
るという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、光学的透明性が高く、光劣化が少なく、強靭性を有
し、実装する際に発光面に異物が付着したり実装用器具
により発光面が損傷を受けるという問題が生じない、光
学材料用組成物、光学材料、その製造方法、およびそれ
を用いた液晶表示装置および発光ダイオードを提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに本発明者らは鋭意研究の結果、SiH基と反応性を
有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個
含有する有機化合物と、1分子中に少なくとも2個のS
iH基を含有するケイ素化合物と、ヒドロシリル化触媒
と、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1
分子中に1個含有する化合物とを必須成分として光学材
料用組成物とすることにより、上記課題を解決できるこ
とを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、(A)SiH基と反
応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくと
も2個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくと
も2個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒド
ロシリル化触媒、及び(D)SiH基と反応性を有する
炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物、
を必須成分として含有することを特徴とする光学材料用
組成物(請求項1)であり、(A)成分が、SiH基と
反応性を有するビニル基を1分子中に少なくとも1個含
有する有機化合物であることを特徴とする請求項1記載
の光学材料用組成物(請求項2)であり、(A)成分
が、SiH基と反応性を有するアリル基を1分子中に少
なくとも1個含有する有機化合物であることを特徴とす
る請求項1記載の光学材料用組成物(請求項3)であ
り、(A)成分が、1,2−ポリブタジエン、ビニルシ
クロヘキセン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジ
エン、ジビニルビフェニル、またはビスフェノールAジ
アリルエーテルであることを特徴とする請求項1記載の
光学材料用組成物(請求項4)であり、(A)成分が、
トリアリルイソシアヌレート、またはトリビニルシクロ
ヘキサンであることを特徴とする請求項1記載の光学材
料用組成物(請求項5)であり、(D)成分の90℃に
おける蒸気圧が100kPa以下であることを特徴とす
る請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学材料用組
成物(請求項6)であり、(D)成分の数平均分子量が
500以上であることを特徴とする請求項1乃至6のい
ずれか一項に記載の光学材料用組成物(請求項7)であ
り、光学材料が液晶用フィルムである請求項1乃至7の
いずれか一項に記載の光学材料用組成物(請求項8)で
あり、光学材料が液晶用プラスチックセルである請求項
1乃至7のいずれか一項に記載の光学材料用組成物(請
求項9)であり、光学材料が発光ダイオードの封止材で
ある請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学材料用
組成物(請求項10)であり、請求項1乃至10のいず
れか一項に記載の光学材料用組成物をあらかじめ混合
し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二
重結合とSiH基の一部または全部を反応させることに
よって硬化させてなる光学材料(請求項11)であり、
請求項1乃至10にいずれか一項に記載の光学材料用組
成物をあらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性
を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全
部を反応させることによる請求項11に記載の光学材料
を製造する方法(請求項12)であり、請求項11に記
載の光学材料を用いた液晶表示装置(請求項13)であ
り、請求項11に記載の光学材料を用いた発光ダイオー
ド(請求項14)である。
【0010】また、本発明は、(A)SiH基と反応性
を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2
個含有する有機化合物、(B)1分子中に少なくとも2
個のSiH基を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシ
リル化触媒、及び(D)SiH基と反応性を有する炭素
−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物、を必
須成分として含有する硬化性組成物を用いて発光素子が
被覆された発光ダイオード(請求項15)であり、
(A)成分は、SiH基と反応性を有するビニル基を1
分子中に少なくとも1個含有する有機化合物であること
を特徴とする請求項15記の発光ダイオード(請求項1
6)であり、(A)成分は、SiH基と反応性を有する
アリル基を1分子中に少なくとも1個含有する有機化合
物であることを特徴とする請求項15記載の発光ダイオ
ード(請求項17)であり、(A)成分は、1,2−ポ
リブタジエン、ビニルシクロヘキセン、シクロペンタジ
エン、ジシクロペンタジエン、ジビニルビフェニル、ま
たはビスフェノールAジアリルエーテルであることを特
徴とする請求項15記載の発光ダイオード(請求項1
8)であり、(A)成分は、トリアリルイソシアヌレー
ト、またはトリビニルシクロヘキサンであることを特徴
とする請求項15記載の発光ダイオード(請求項19)
であり、(D)成分の90℃における蒸気圧は、100
kPa以下であることを特徴とする請求項15乃至19
のいずれか一項に記載の発光ダイオード(請求項20)
であり、(D)成分の数平均分子量は、500以下であ
ることを特徴とする請求項15乃至20のいずれか一項
に記載の発光ダイオード(請求項21)であり、前記硬
化性組成物は、前記発光素子を被覆する前にあらかじめ
混合されて組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−
炭素二重結合とSiH基の一部または全部が反応してい
ることを特徴とする請求項15乃至21のいずれか一項
に記載の発光ダイオード(請求項22)であり、前記硬
化性組成物から得られる透光性封止材は、前記発光素子
から発光される光の一部を吸収しより長波長の蛍光を発
光することが可能な蛍光体を含有する第一の層と、該第
一の層より透光性の高い第二の層とからなることを特徴
とする請求項15乃至22のいずれか一項に記載の発光
ダイオード(請求項23)であり、前記発光素子は少な
くとも発光層が可視光を発光する窒化物半導体であると
共に、前記蛍光体は、Y、Lu、Sc、La、Gd及び
Smからなる群より選択される少なくとも1つの元素
と、Al、Ga及びInからなる群より選択される少な
くとも1つの元素とを有するセリウムで付活されたガー
ネット系蛍光体であることを特徴とする請求項23に記
載の発光ダイオード(請求項24)であり、(A)Si
H基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に
少なくとも2個含有する有機化合物、(B)1分子中に
少なくとも2個のSiH基を含有するケイ素化合物、
(C)ヒドロシリル化触媒、及び(D)SiH基と反応
性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に1個含有す
る化合物、を必須成分として含有する硬化性組成物を用
いて発光素子が被覆された発光ダイオードの製造方法で
あって、前記硬化性組成物は、前記発光素子を被覆する
前にあらかじめ混合されて組成物中のSiH基と反応性
を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全
部が反応していることを特徴とする発光ダイオードの製
造方法(請求項25)であり、前記硬化性組成物に、前
記発光素子から発光される光の一部を吸収してより長波
長の蛍光を発光することが可能な蛍光体を添加し混合分
散したものにて、前記発光素子を封止することを特徴と
する請求項25に記載の発光ダイオードの製造方法(請
求項26)である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】まず、本発明における(A)成分について
説明する。(A)成分はSiH基と反応性を有する炭素
−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有
機化合物であれば特に限定されない。有機化合物として
はポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシロ
キサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン単
位(Si−O−Si)を含むものではなく、構成元素と
してC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むものであ
ることが好ましい。シロキサン単位を含むものの場合
は、ガス透過性やはじきの問題がある。
【0013】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在
してもよい。
【0014】(A)成分の有機化合物は、有機重合体系
の化合物と有機単量体系化合物に分類できる。
【0015】有機重合体系化合物としては例えば、ポリ
エーテル系、ポリエステル系、ポリアリレート系、ポリ
カーボネート系、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系、
ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド系、フェノール
−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂系)、ポリイミ
ド系の化合物を用いることができる。
【0016】また有機単量体系化合物としては例えば、
フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレ
ン等の芳香族炭化水素系;直鎖系、脂環系等の脂肪族炭
化水素系;複素環系の化合物およびこれらの混合物等が
挙げられる。
【0017】(A)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一
般式(I)
【0018】
【化1】
【0019】(式中Rは水素原子あるいはメチル基を
表す。)で示される基が反応性の点から好適である。ま
た、原料の入手の容易さからは、
【0020】
【化2】
【0021】で示される基が特に好ましい。
【0022】(A)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合としては、下記一般式(II)
【0023】
【化3】
【0024】(式中Rは水素原子あるいはメチル基を
表す。)で示される脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高
いという点から好適である。また、原料の入手の容易さ
からは、
【0025】
【化4】
【0026】で示される脂環式の基が特に好ましい。
【0027】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合は(A)成分の骨格部分に直接結合していてもよ
く、2価以上の置換基を介して共有結合していても良
い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基
であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、
N、O、S、ハロゲンのみを含むものが好ましい。これ
らの置換基の例としては、
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】が挙げられる。また、これらの2価以上の
置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2
価以上の置換基を構成していてもよい。
【0031】以上のような骨格部分に共有結合する基の
例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリ
ル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオ
キシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリル
フェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキ
シ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4
−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)
エチル基、2,2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル
基、3−アリルオキシ−2,2−ビス(アリルオキシメ
チル)プロピル基、
【0032】
【化7】
【0033】が挙げられる。
【0034】(A)成分の具体的な例としては、ジアリ
ルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプ
ロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリア
リルエーテル、1,1,2,2−テトラアリロキシエタ
ン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2,4−
トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン類(純度
50〜100%のもの、好ましくは純度80〜100%
のもの)、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペ
ニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、お
よびそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン
(1,2比率10〜100%のもの、好ましくは1,2
比率50〜100%のもの)、ノボラックフェノールの
アリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】の他、従来公知のエポキシ樹脂のグリシジ
ル基をアリル基に置き換えたもの等が挙げられる。
【0038】(A)成分としては、上記のように骨格部
分と炭素−炭素二重結合とに分けて表現しがたい、低分
子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化
合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オク
タジエン、デカジエン等の脂肪族鎖状ポリエン化合物
系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロ
オクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペン
タジエン、ノルボルナジエン等の脂肪族環状ポリエン化
合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン
等の置換脂肪族環状オレフィン化合物系等が挙げられ
る。
【0039】上記した(A)成分としては、耐熱性をよ
り向上し得るという観点から、SiH基と反応性を有す
る炭素−炭素二重結合を(A)成分1gあたり0.00
1mol以上含有するものであればよいが、さらに、1
gあたり0.005mol以上含有するものが好まし
く、0.008mol以上含有するものが特に好まし
い。
【0040】(A)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり少なく
とも2個あればよいが、力学強度をより向上したい場合
には2を越えることが好ましく、3個以上であることが
より好ましい。(A)成分のSiH基と反応性を有する
炭素−炭素二重結合の数が1分子当たり1個以下の場合
は、(B)成分と反応してもグラフト構造となるのみで
架橋構造とならない。
【0041】(A)成分としては、他の成分との均一な
混合、および良好な作業性を得るためには100℃以下
の温度において流動性があるものが好ましく、線状でも
枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はないが、50
〜100,000の任意のものが好適に使用できる。分
子量が100,000以上では一般に原料が高粘度とな
り作業性に劣るとともに、炭素−炭素二重結合とSiH
基との反応による架橋の効果が発現し難い。
【0042】また、(A)成分としては、着色特に黄変
の抑制の観点からフェノール性水酸基および/あるいは
フェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が
少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あ
るいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含
まないものがより好ましい。本発明におけるフェノール
性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸
基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェ
ノール性水酸基の水素原子がメチル基、エチル基等のア
ルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセ
トキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
【0043】また複屈折率が低い、光弾性係数が低い等
のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好で
あるという観点からは、芳香環の(A)成分中の成分重
量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量
%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものが
さらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を
含まないものである。
【0044】得られる硬化物の着色性および光学特性か
ら、(A)成分としてはビニルシクロヘキセン、ジシク
ロペンタジエン、トリアリルイソシアヌレート、2,2
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジ
アリルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサ
ンが好ましく、トリアリルイソシアヌレート、2,2−
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジア
リルエーテル、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン
が特に好ましい。
【0045】次に、(B)成分であるSiH基を有する
化合物について説明する。
【0046】本発明に使用できるSiH基を有する化合
物については特に制限がなく、例えば国際公開WO96
/15194に記載される化合物で、1分子中に少なく
とも2個のSiH基を有するもの等が使用できる。
【0047】これらのうち、入手性の面からは、1分子
中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状、及び/又
は、環状ポリオルガノシロキサンが好ましく、(A)成
分との相溶性が良いという観点から、さらに、下記一般
式(III)
【0048】
【化10】
【0049】(式中、Rは炭素数1〜6の有機基を表
し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中
に少なくとも2個のSiH基を有する環状ポリオルガノ
シロキサンが好ましい。なお、一般式(III)で表さ
れる化合物中の置換基Rは、C、H、Oから構成され
るものであることが好ましく、炭化水素基であることが
より好ましい。
【0050】また、前記(A)成分と良好な相溶性を有
するという観点からは、鎖状、及び/又は、環状ポリオ
ルガノシロキサンと、炭素−炭素二重結合を有する有機
化合物から選ばれた1種以上の化合物(以降(E)成分
と称する)との反応物も好ましい。この場合、反応物の
(A)成分との相溶性をさらに高めるために、反応物か
ら未反応のシロキサン類等を脱揮等により除去したもの
を用いることもできる。
【0051】(E)成分はSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも1個含有する
有機化合物であって、前記(A)成分と同じ説明のもの
も使用できる。(E)成分の有機化合物は、(A)成分
の有機化合物と同じであってもよく、異なっていてもよ
い。また単独もしくは2種以上のものを混合して用いる
ことが可能である。(B)成分の(A)成分に対する相
溶性を高くしたい場合には、(E)成分は(A)成分と
同一のものが好ましい。
【0052】(E)成分の有機化合物と反応させる鎖
状、及び/又は、環状ポリオルガノシロキサンとして
は、工業的入手性および反応させる場合の反応性が良好
であるという観点からは、1,3,5,7−テトラメチ
ルシクロテトラシロキサンが好ましい。
【0053】(B)成分としても(A)成分と同様に、
着色特に黄変の抑制の観点からフェノール性水酸基およ
び/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合
物の含有量が少ないものが好ましく、フェノール性水酸
基および/あるいはフェノール性水酸基の誘導体を有す
る化合物を含まないものがより好ましい。本発明におけ
るフェノール性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、
アントラセン環等に例示される芳香族炭化水素核に直接
結合した水酸基を示し、フェノール性水酸基の誘導体と
は上述のフェノール性水酸基の水素原子がメチル基、エ
チル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケ
ニル基、アセトキシ基等のアシル基等により置換された
基を示す。
【0054】また複屈折率が低い、光弾性係数が低い等
のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好で
あるという観点からは、芳香環の(B)成分中の成分重
量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量
%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものが
さらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を
含まないものである。
【0055】光学特性が良好であるという観点からより
好ましい(B)成分としては、1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサンとビニルシクロヘキセン
の反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサンとジシクロペンタジエンの反応物、1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトリア
リルイソシアヌレートの反応物、1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサンと2,2−ビス(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジアリルエーテ
ルの反応物、1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサンと1,2,4−トリビニルシクロヘキサン
の反応物が挙げられ、特に好ましい(B)成分として
は、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サンとトリアリルイソシアヌレートの反応物、1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンと2,2
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジ
アリルエーテルの反応物、1,3,5,7−テトラメチ
ルシクロテトラシロキサンと1,2,4−トリビニルシ
クロヘキサンの反応物等が挙げられる。
【0056】上記したような(A)成分と(B)成分の
混合比率は、必要な強度を失わない限りは特に限定され
ないが、(B)成分中のSiH基の数(Y)の(A)成
分中の炭素−炭素二重結合の数(X)に対する比が、
2.0≧Y/X≧0.9であることが好ましく、1.8
≧Y/X≧1.0がより好ましい。2.0<Y/Xの場
合は、十分な硬化性が得られず、充分な強度が得られな
い場合があり、Y/X<0.9の場合は炭素−炭素二重
結合が過剰となり着色の原因となり得る。
【0057】次に(C)成分であるヒドロシリル化触媒
について説明する。
【0058】ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリ
ル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例え
ば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック
等の担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩
化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯
体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH=C
(PPh、Pt(CH=CH
)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt
(ViMeSiOSiMeVi)、Pt[(Me
ViSiO))、白金−ホスフィン錯体(例え
ば、Pt(PPh、Pt(PBu)、白金
−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)
、Pt[P(OBu))(式中、Meはメチル
基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル
基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジ
クロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触
媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第31
59601号および3159662号明細書中に記載さ
れた白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lam
oreaux)の米国特許第3220972号明細書中
に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さら
に、モディック(Modic)の米国特許第35169
46号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合
体も本発明において有用である。
【0059】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh)、RhCl、RhAl
、RuCl、IrCl、FeCl、AlC
、PdCl・2HO、NiCl、TiC
、等が挙げられる。
【0060】これらの中では、触媒活性の点から塩化白
金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン
錯体等が好ましい。また、これらの触媒は単独で使用し
てもよく、2種以上併用してもよい。
【0061】触媒の添加量は特に限定されないが、十分
な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低
く抑えるために、SiH基1モルに対して、10−8
10 モルの範囲が好ましく、より好ましくは、10
−6〜10−2モルの範囲である。
【0062】また、上記触媒には助触媒を併用すること
が可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリ
ン系化合物、ジメチルマレエート等の1,2−ジエステ
ル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン
等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫
黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が
挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、触
媒1モルに対して、10 −2〜10モルの範囲が好ま
しく、より好ましくは10−1〜10モルの範囲であ
る。
【0063】さらに本発明の組成物の保存安定性を改良
する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の
反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することが
できる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有
する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素
含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げら
れ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合
を含有する化合物として、プロパルギルアルコール類、
エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類等が例示さ
れる。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフ
ィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフ
ォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示され
る。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン
類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾ
ール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示され
る。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級ア
ルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン
等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第
一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。
有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、
ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安
息香酸t−ブチル等が例示される。
【0064】これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良
好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾ
ール、チアゾール、ジメチルマレエート、3−ヒドロキ
シ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
【0065】硬化遅延剤の添加量は、使用するヒドロシ
リル化触媒1molに対し、10−1〜10モルの範
囲が好ましく、より好ましくは1〜50モルの範囲であ
る。
【0066】次に、(D)成分について説明する。
【0067】(D)成分はSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合を1分子中に1個含有する化合物であ
れば特に限定されないが、(A)成分及び/又は(B)
成分との相溶性がよいという点においては、化合物とし
てはポリシロキサン−有機ブロックコポリマーやポリシ
ロキサン−有機グラフトコポリマーのようなシロキサン
単位(Si−O−Si)を含むものではない、有機化合
物が好ましく、構成元素としてC、H、N、O、S、ハ
ロゲンのみを含むものであることがより好ましい。
【0068】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在
してもよい。
【0069】(D)成分の化合物は、重合体系の化合物
と単量体系化合物に分類できる。
【0070】重合体系化合物としては例えば、ポリシロ
キサン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアリ
レート系、ポリカーボネート系、飽和炭化水素系、不飽
和炭化水素系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミド
系、フェノール−ホルムアルデヒド系(フェノール樹脂
系)、ポリイミド系の化合物を用いることができる。
【0071】また単量体系化合物としては例えば、フェ
ノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレン等
の芳香族炭化水素系;直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水
素系;複素環系の化合物、シリコン系の化合物およびこ
れらの混合物等が挙げられる。
【0072】(D)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一
般式(I)
【0073】
【化11】
【0074】(式中Rは水素原子あるいはメチル基を
表す。)で示される基が反応性の点から好適である。ま
た、原料の入手の容易さからは、
【0075】
【化12】
【0076】で示される基が特に好ましい。
【0077】(D)成分のSiH基と反応性を有する炭
素−炭素二重結合としては、下記一般式(II)
【0078】
【化13】
【0079】(式中Rは水素原子あるいはメチル基を
表す。)で示される脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高
いという点から好適である。また、原料の入手の容易さ
からは、
【0080】
【化14】
【0081】で示される脂環式の基が特に好ましい。
【0082】SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重
結合は(D)成分の骨格部分に直接結合していてもよ
く、2価以上の置換基を介して共有結合していても良
い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基
であれば特に限定されないが、(D)成分の(A)成分
及び/又は(B)成分との相溶性がよくなりやすいとい
う点においては、構成元素としてC、H、N、O、S、
ハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の
例としては、
【0083】
【化15】
【0084】
【化16】
【0085】が挙げられる。また、これらの2価以上の
置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2
価以上の置換基を構成していてもよい。
【0086】以上のような骨格部分に共有結合する基の
例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリ
ル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオ
キシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリル
フェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキ
シ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4
−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)
エチル基、2,2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル
基、3−アリルオキシ−2,2−ビス(アリルオキシメ
チル)プロピル基、
【0087】
【化17】
【0088】が挙げられる。
【0089】(D)成分の具体的な例としては、プロペ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘ
プテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−
ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニアレ
ンなどのような直鎖状脂肪族炭化水素系αオレフィン
類;ノルボルネンなどのような環状脂肪族炭化水素系化
合物類;スチレン、αメチルスチレン、インデンなどの
ような芳香族炭化水素系化合物;アルキルアリルエーテ
ル、アリルフェニルエーテルなどのアリルエーテル類;
モノアリルジベンジルイソシアヌレート、モノアリルジ
グリシジルイソシアヌレートなどの置換イソシアヌレー
ト類;ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリフェニルシランなどのシリコン化合物
などが挙げられる。さらに、片末端アリル化ポリエチレ
ンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピレンオキサイ
ドなどのポリエーテル系樹脂;片末端アリル化ポリイソ
ブチレンなどの炭化水素系樹脂;片末端アリル化ポリブ
チルアクリレート、片末端アリル化ポリメチルメタクリ
レートなどのアクリル系樹脂;などの片末端にアリル基
を有するポリマーあるいはオリゴマー類なども挙げるこ
とができる。
【0090】(D)成分としては、他の成分との均一な
混合、および良好な作業性を得るためには100℃以下
の温度において流動性があるものが好ましい。
【0091】構造は線状でも枝分かれ状でもよく、分子
量は特に制約はないが、得られる硬化物が強靭になりや
すいという点においては、数平均分子量が300以上で
あることが好ましく、500以上であることがより好ま
しく、1000以上であることがさらに好ましく、50
00以上であることが最も好ましい。逆に組成物の粘度
が低くなりやすく成形性が良好となりやすいという点に
おいては、数平均分子量は100000以下であること
が好ましく、10000以下であることがより好まし
く、5000以下であることがさらに好ましく、100
0以下であることが最も好ましい。分子量分布も特に制
限ないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となり
やすいという点においては、分子量分布が3以下である
ことが好ましく、2以下であることがより好ましく、
1.5以下であることがさらに好ましい。数平均分子量
及び分子量分布はゲルろ過クロマトグラフィー(GP
C)を用いて、屈折率(RI)により検出を行い、得ら
れたデータをポリスチレン標準品のデータを基準として
解析したポリスチレン換算分子量として求めることがで
きる。
【0092】また、(D)成分としては、着色特に黄変
の抑制の観点からフェノール性水酸基および/あるいは
フェノール性水酸基の誘導体を有する化合物の含有量が
少ないものが好ましく、フェノール性水酸基および/あ
るいはフェノール性水酸基の誘導体を有する化合物を含
まないものがより好ましい。本発明におけるフェノール
性水酸基とはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン
環等に例示される芳香族炭化水素核に直接結合した水酸
基を示し、フェノール性水酸基の誘導体とは上述のフェ
ノール性水酸基の水素原子がメチル基、エチル基等のア
ルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、アセ
トキシ基等のアシル基等により置換された基を示す。
【0093】また複屈折率が低い、光弾性係数が低い等
のように光学特性が良好であるとともに耐候性が良好で
あるという観点からは、芳香環の(D)成分中の成分重
量比が50重量%以下であるものが好ましく、40重量
%以下のものがより好ましく、30重量%以下のものが
さらに好ましい。最も好ましいのは芳香族炭化水素環を
含まないものである。
【0094】(D)成分のガラス転移温度が存在する場
合はこれについても特に限定はなく種々のものが用いら
れるが、得られる硬化物が強靭となりやすいという点に
おいては、ガラス点移転温度は100℃以下であること
が好ましく、50℃以下であることがより好ましく、0
℃以下であることがさらに好ましい。好ましい樹脂の例
としてはポリブチルアクリレート樹脂などが挙げられ
る。逆に得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点に
おいては、ガラス転移温度は100℃以上であることが
好ましく、120℃以上であることがより好ましく、1
50℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上
であることが最も好ましい。ガラス転移温度は粘弾性測
定においてtanδが極大を示す温度として求めること
ができる。
【0095】(D)成分としてはその他の架橋性基を有
していてもよい。この場合の架橋性基としては、エポキ
シ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシ
ル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシ
シリル基などが挙げられる。得られる硬化物の耐熱性が
高くなりやすいという点においては、架橋性基を平均し
て1分子中に1個以上有していることが好ましい。
【0096】上記のような(D)成分としては単一のも
のを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いて
もよい。
【0097】(D)成分の配合量としては特に限定はな
いが、組成物全体の5〜50重量%が好ましく、5〜2
0重量%がさらに好ましい。少ないと得られる硬化物が
脆くなりやすいし、多いと耐熱性(高温での弾性率)が
低くなりやすい。官能基数で言うと、(A)成分中のS
iH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数をM、
(D)成分中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二
重結合の数をNとしたとき、0.01<(N/M)<
0.5であることが好ましく、0.01<(N/M)<
0.2であることがより好ましい。少ないと得られる硬
化物が脆くなりやすいし、多いと耐熱性(高温での弾性
率)が低くなりやすい。
【0098】(D)成分としては目的とする光の透過率
が80%以上であるものが好ましい。この場合目的とす
る光とは用途によって異なるが、例えば用途が液晶表示
装置のような表示装置の場合は目的とする光は可視光で
あり、用途が発光ダイオードの場合は発光素子から発せ
られる光である。(D)成分の光の透過率は厚さ1mm
相当での光の透過率であり、分光光度計などの従来公知
の方法によって測定することによって求められる。
【0099】(D)成分の屈折率としては、(A)成
分、(B)成分、および(C)成分からなる硬化性組成
物を硬化させた硬化物の屈折率との差が±0.05以下
であることが好ましい。屈折率はアッベ屈折計によって
測定することによって求められる。
【0100】(D)成分は(A)成分及び/又は(B)
成分に溶かして均一な状態として混合してもよいが、
(A)成分に混合するほうが好ましい。(B)成分と混
合すると貯蔵安定性が低下しやすい。
【0101】成形時のボイドの問題が少なく成形性が良
好となりやすいという点においては、(D)成分として
は、90℃における蒸気圧が100kPa以下であるこ
とが好ましく、50kPa以下であることがより好まし
く、10kPa以下であることがさらに好ましく、1k
Pa以下であることが最も好ましい。蒸気圧はオスマー
の気液平衡測定装置を用いて測定することができる。
【0102】本発明の組成物としては上記したように各
種組み合わせのものが使用できるが、耐熱性が良好であ
るという観点から、組成物を硬化させて得られる硬化物
のTgが50℃以上となるものが好ましく、100℃以
上となるものがさらに好ましく、150℃以上となるも
のが特に好ましい。
【0103】本発明の組成物をそのままフィルムなどに
成形することも可能であるが、該組成物を有機溶剤に溶
解してワニスとすることも可能である。使用できる溶剤
は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、
ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水
素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メ
チルエチルケトンなどのケトン系溶媒、クロロホルム、
塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン
系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上
の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、
トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルムが好まし
い。使用する溶媒量は、用いる(A)成分1gに対し、
0〜10mLの範囲で用いるのが好ましく、0.5〜5
mLの範囲で用いるのがさらに好ましく、1〜3mLの
範囲で用いるのが特に好ましい。使用量が少ないと、低
粘度化などの溶媒を用いることの効果が得られにくく、
また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラッ
クなどの問題となり易く、またコスト的にも不利になり
工業的利用価値が低下する。
【0104】本発明の組成物には、その他、老化防止
剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難
燃剤、界面活性剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止
剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、酸化
防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線
遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金
属不活性化剤、物性調整剤などを本発明の目的および効
果を損なわない範囲において添加することができる。な
お、カップリング剤としては例えばシランカップリング
剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子
中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素
基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定
されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性
の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソ
シアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバ
メート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好まし
く、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリ
ル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素
基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ま
しく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリ
ル基が特に好ましい。好ましいシランカップリング剤と
しては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有する
アルコキシシラン類;3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロ
キシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルト
リメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシ
ラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアル
コキシシラン類が例示できる。
【0105】本発明の組成物には必要に応じて無機フィ
ラーを添加してもよい。無機フィラーを添加すると、組
成物の流動性の防止、材料の高強度化に効果がある。無
機フィラーとしては光学特性を低下させない、微粒子状
のものが好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶
融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカや疎水性
超微粉シリカ、タルク、硫酸バリウム等を挙げることが
できる。
【0106】フィラーを添加する方法としては、例えば
アルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラ
ン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマー
や、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、ア
シロキシド、ハロゲン化物等を、本発明の組成物に添加
して、組成物中あるいは組成物の部分反応物中で反応さ
せ、組成物中で無機フィラーを生成させる方法も挙げる
ことができる。
【0107】また更に、本発明の組成物の特性を改質す
る目的で、種々の熱硬化性樹脂を添加することも可能で
ある。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シアナー
ト樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹
脂等が例示されるがこれに限定されるものではない。こ
れらのうち、透明性が高く接着性等の実用特性に優れる
という観点から、透明エポキシ樹脂が好ましい。
【0108】透明エポキシ樹脂としては、例えばビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4
−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセン
ジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキ
サン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパン
ジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジル
イソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌ
レート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等の
エポキシ樹脂を、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無
水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物等の脂肪族
酸無水物で硬化させるものが挙げられる。これらのエポ
キシ樹脂あるいは硬化剤はそれぞれ単独で用いても、複
数のものを組み合わせてもよい。
【0109】さらに、本発明の組成物には種々の発光ダ
イオード特性改善のための添加剤を添加してもよい。添
加剤としては例えば、発光素子からの光を吸収してより
長波長の蛍光を出す、セリウムで付活されたイットリウ
ム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体等の蛍光体や、
特定の波長を吸収するブルーイング剤等の着色剤、光を
拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、シリ
カ、石英ガラス等の酸化ケイ素、タルク、炭酸カルシウ
ム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂等のような各種無機あるいは有機拡散材、ガ
ラス、アルミノシリケート等の金属酸化物、窒化アルミ
ニウム、窒化ボロン等の金属窒化物等の熱伝導性フィラ
ー等を挙げることができる。
【0110】発光ダイオード特性改善のための添加剤は
均一に含有させても良いし、含有量に傾斜を付けて含有
させてもよい。この様なフィラー含有樹脂部は発光面前
面のモールド部材用の樹脂を型に流した後、引き続い
て、フィラーを含有させた樹脂を流し発光面後方のモー
ルド部材として形成させることができる。また、モール
ド部材形成後リード端子を表裏両面からテープを張り付
けることによって覆い、この状態でリードフレーム全体
をフィラー含有樹脂を溜めたタンク内に発光ダイオード
のモールド部材の下半分を浸漬した後、引き上げて乾燥
させフィラー含有樹脂部を形成させても良い。
【0111】本発明で言う光学材料とは、可視光、赤外
線、紫外線、X線、レーザーなどの光をその材料中を通
過させる用途に用いる材料一般を示す。
【0112】より具体的には、液晶ディスプレイ分野に
おける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位
相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィ
ルムなどの液晶用フィルムなどの液晶表示装置周辺材料
である。また、次世代フラットパネルディスプレイとし
て期待されるカラーPDP(プラズマディスプレイ)の
封止材、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジ
ング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材
料、接着剤;また発光ダイオード表示装置に使用される
発光素子のモールド材、発光ダイオードの封止材、前面
ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤;
またプラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイに
おける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位
相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィ
ルム;また有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディ
スプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラ
ス代替材料、接着剤;またフィールドエミッションディ
スプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガ
ラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤であ
る。
【0113】光記録分野では、VD(ビデオディス
ク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−
R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディス
ク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレ
ンズ、保護フィルム、封止材、接着剤などである。
【0114】光学機器分野では、スチールカメラのレン
ズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、
ファインダーカバー、受光センサー部である。また、ビ
デオカメラの撮影レンズ、ファインダーである。またプ
ロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封
止材、接着剤などである。光センシング機器のレンズ用
材料、封止材、接着剤、フィルムなどである。
【0115】光部品分野では、光通信システムでの光ス
イッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の
封止材、接着剤などである。光コネクタ周辺の光ファイ
バー材料、フェルール、封止材、接着剤などである。光
受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、発光素子の
封止材、接着剤などである。光電子集積回路(OEI
C)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材、
接着剤などである。
【0116】光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ
用照明・ライトガイドなど、工業用途のセンサー類、表
示・標識類など、また通信インフラ用および家庭内のデ
ジタル機器接続用の光ファイバーである。
【0117】半導体集積回路周辺材料では、LSI、超
LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材
料である。
【0118】自動車・輸送機分野では、自動車用のラン
プリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕
コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部
品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキ
オイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、
内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動
車ランプ、ガラス代替品である。また、鉄道車輌用の複
層ガラスである。また、航空機の構造材の靭性付与剤、
エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コ
ートである。
【0119】建築分野では、内装・加工用材料、電気カ
バー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池
周辺材料である。農業用では、ハウス被覆用フィルムで
ある。
【0120】次世代の光・電子機能有機材料としては、
有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素
子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素
子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素
子の封止材、接着剤などである。
【0121】本発明の光学材料用組成物は、あらかじめ
混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭
素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させるこ
とによって硬化させて光学材料とすることができる。
【0122】(A)成分、(B)成分、(C)成分の混
合の方法としては、各種方法をとることができるが、
(A)成分に(C)成分を混合したものと、(B)成分
を混合する方法が好ましい。(A)成分、(B)成分の
混合物に(C)成分を混合する方法だと反応の制御が困
難である。(B)成分に(C)成分を混合したものに
(A)成分を混合する方法をとる場合は、(C)成分の
存在下では(B)成分が環境中の水分と反応性を有する
ため、貯蔵中などに変質することもある。なお、(D)
成分については(A)成分、(B)成分のいずれか又は
両方に混合しておいてもよいが、(B)成分と混合する
と貯蔵安定性が低下しやすいため(A)成分に混合する
ほうが好ましい。具体的には、(A)成分に(C)成
分、(D)成分を混合したものと、(B)成分を混合す
ることが好ましい。
【0123】組成物を反応させて硬化させる場合におい
て、(A)、(B)、(C)、(D)各成分の必要量を
一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反
応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混
合した後反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用に
より組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ
化)させてから成形などの処理を行いさらに硬化させる
方法をとることもできる。これらの方法によれば成形時
の粘度調整が容易となる。
【0124】硬化させる方法としては、単に混合するだ
けで反応させることもできるし、加熱して反応させるこ
ともできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得
られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好
ましい。
【0125】反応温度としては種々設定できるが、例え
ば30〜300℃の温度が適用でき、100〜250℃
がより好ましく、150〜200℃がさらに好ましい。
反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長
くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやす
い。
【0126】反応は一定の温度で行ってもよいが、必要
に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよ
い。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温
度を上昇させながら反応させた方が、歪のない均一な硬
化物が得られやすいので好ましい。
【0127】反応時間も種々設定できるが、高温短時間
で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方
が、歪のない均一な硬化物が得られやすいので好まし
い。
【0128】反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、
常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもでき
る。発生する揮発分を除きやすいという点においては、
減圧状態で反応させることが好ましい。
【0129】硬化させて得られる光学材料の形状も用途
に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えば
フィルム状、シート状、チューブ状、ロッド状、塗膜
状、バルク状などの形状とすることができる。
【0130】成形する方法も従来の熱硬化性樹脂の成形
方法をはじめとして種々の方法をとることができる。例
えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー
成形法、コーティング法、RIM法などの成形方法を適
用することができる。成形型は研磨ガラス、硬質ステン
レス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフ
タレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用する
ことができる。また、成形型との離型性を向上させるた
めポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレン
フィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用する
ことができる。
【0131】成形時に必要に応じ各種処理を施すことも
できる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のため
に組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧な
どにより脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する
処理などを適用することもできる。
【0132】本発明の光学材料を用いて液晶表示装置を
製造することができる。
【0133】この場合、本発明の光学材料を液晶用プラ
スチックセル、偏光板、位相差板、偏光子保護フィルム
などの液晶用フィルムとして使用し、通常の方法によっ
て液晶表示装置を製造すればよい。
【0134】本発明の光学材料を用いて発光ダイオード
を製造することができる。この場合、発光ダイオードは
上記したような硬化性組成物によって発光素子を被覆す
ることによって製造することができる。
【0135】この場合発光素子とは、特に限定なく従来
公知の発光ダイオードに用いられる発光素子を用いるこ
とができる。このような発光素子としては、例えば、M
OCVD法、HDVPE法、液相成長法といった各種方
法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファ
ー層を設けた基板上に半導体材料を積層して作成したも
のが挙げられる。この場合の基板としては、各種材料を
用いることができるが、例えばサファイア、スピネル、
SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。
これらのうち、結晶性の良好なGaNを容易に形成で
き、工業的利用価値が高いという観点からは、サファイ
アを用いることが好ましい。
【0136】積層される半導体材料としては、GaA
s、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaIn
P、GaN、InN、AlN、InGaN、InGaA
lN、SiC等が挙げられる。これらのうち、高輝度が
得られるという観点からは、窒化物系化合物半導体(I
GaAlN)が好ましい。このような材料には
付活剤等を含んでいてもよい。
【0137】発光素子の構造としては、MIS接合、p
n接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合やダ
ブルへテロ構造等が挙げられる。また、単一あるいは多
重量子井戸構造とすることもできる。
【0138】発光素子はパッシベーション層を設けてい
てもよいし、設けなくてもよい。
【0139】発光素子には従来知られている方法によっ
て電極を形成することができる。
【0140】発光素子上の電極は種々の方法でリード端
子等と電気接続できる。電気接続部材としては、発光素
子の電極とのオーミック性機械的接続性等が良いものが
好ましく、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウムや
それらの合金等を用いたボンディングワイヤーが挙げら
れる。また、銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂で
充填した導電性接着剤等を用いることもできる。これら
のうち、作業性が良好であるという観点からは、アルミ
ニウム線或いは金線を用いることが好ましい。
【0141】上記のようにして発光素子が得られるが、
本発明の発光ダイオードにおいては発光素子の光度とし
ては垂直方向の光度が1cd以上であれば任意のものを
用いることができるが、垂直方向の光度が2cd以上の
発光素子を用いた場合により本発明の効果が顕著であ
り、3cd以上の発光素子を用いた場合にさらに本発明
の効果が顕著である。
【0142】発光素子の発光出力としては特に限定なく
任意のものを用いることができるが、20mAにおいて
1mW以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果が顕
著であり、20mAにおいて4mW以上の発光素子を用
いた場合により本発明の効果が顕著であり、20mAに
おいて5mW以上の発光素子を用いた場合にさらに本発
明の効果が顕著である。
【0143】発光素子の発光波長は紫外域から赤外域ま
で種々のものを用いることができるが、主発光ピーク波
長が550nm以下のものを用いた場合に特に本発明の
効果が顕著である。
【0144】用いる発光素子は一種類で単色発光させて
も良いし、複数用いて単色或いは多色発光させても良
い。
【0145】本発明の発光ダイオードに用いられるリー
ド端子としては、ボンディングワイヤー等の電気接続部
材との密着性、電気伝導性等が良好なものが好ましく、
リード端子の電気抵抗としては、300μΩ−cm以下
が好ましく、より好ましくは3μΩ−cm以下である。
これらのリード端子材料としては、例えば、鉄、銅、鉄
入り銅、錫入り銅や、これらに銀、ニッケル等をメッキ
したもの等が挙げられる。これらのリード端子は良好な
光の広がりを得るために適宜光沢度を調整してもよい。
【0146】本発明の発光ダイオードは上記したような
硬化性組成物によって発光素子を被覆することによって
製造することができるが、この場合被覆とは、上記発光
素子を直接封止するものに限らず、間接的に被覆する場
合も含む。具体的には、発光素子を本発明の硬化性組成
物で直接従来用いられる種々の方法で封止してもよい
し、従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ア
クリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂やガ
ラスで発光素子を封止した後に、その上あるいは周囲を
本発明の硬化性組成物で被覆してもよい。また、発光素
子を本発明の硬化性組成物で封止した後、従来用いられ
るエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリ
ア樹脂、イミド樹脂等でモールディングしてもよい。以
上のような方法によって屈折率や比重の差によりレンズ
効果等の種々の効果をもたせることも可能である。
【0147】封止の方法としても各種方法を適用するこ
とができる。例えば、底部に発光素子を配置させたカッ
プ、キャビティ、パッケージ凹部等に液状の硬化性組成
物をディスペンサーその他の方法にて注入して加熱等に
より硬化させてもよいし、固体状あるいは高粘度液状の
硬化性組成物を加熱する等して流動させ同様にパッケー
ジ凹部等に注入してさらに加熱する等して硬化させても
よい。この場合のパッケージは種々の材料を用いて作成
することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリ
フェニレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂等を挙げることができ
る。また、モールド型枠中に硬化性組成物をあらかじめ
注入し、そこに発光素子が固定されたリードフレーム等
を浸漬した後硬化させる方法も適用することができる
し、発光素子を挿入した型枠中にディスペンサーによる
注入、トランスファー成形、射出成形等により硬化性組
成物による封止層を成形、硬化させてもよい。さらに、
単に液状または流動状態とした硬化性組成物を発光素子
上に滴下あるいはコーティングして硬化させてもよい。
あるいは、発光素子上に孔版印刷、スクリーン印刷、あ
るいはマスクを介して塗布すること等により硬化性組成
物を成形させて硬化させることもできる。その他、あら
かじめ板状、あるいはレンズ形状等に部分硬化あるいは
硬化させた硬化性組成物を発光素子上に固定する方法に
よってもよい。さらには、発光素子をリード端子やパッ
ケージに固定するダイボンド剤として用いることもでき
るし、発光素子上のパッシベーション膜として用いるこ
ともできる。また、パッケージ基板として用いることも
できる。
【0148】被覆部分の形状も特に限定されず種々の形
状をとることができる。例えば、レンズ形状、板状、薄
膜状、特開平6−244458記載の形状等が挙げられ
る。これらの形状は硬化性組成物を成形硬化させること
によって形成してもよいし、硬化性組成物を硬化した後
に後加工により形成してもよい。
【0149】本発明の発光ダイオードは、種々のタイプ
とすることができ、例えば、ランプタイプ、SMDタイ
プ、チップタイプ等いずれのタイプでもよい。SMDタ
イプ、チップタイプのパッケージ基板としては、種々の
ものが用いられ、例えば、エポキシ樹脂、BTレジン、
セラミック等が挙げられる。
【0150】その他、本発明の発光ダイオードには従来
公知の種々の方式が適用できる。例えば、発光素子背面
に光を反射あるいは集光する層を設ける方式、封止樹脂
の黄変に対応して補色着色部を底部に形成させる方式、
主発光ピークより短波長の光を吸収する薄膜を発光素子
上に設ける方式、発光素子を軟質あるいは液状の封止材
で封止した後周囲を硬質材料でモールディングする方
式、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出
す蛍光体を含む材料で発光素子を封止した後周囲をモー
ルディングする方式、蛍光体を含む材料をあらかじめ成
形してから発光素子とともにモールドする方式、特開平
6−244458に記載のとおりモールディング材を特
殊形状として発光効率を高める方式、輝度むらを低減さ
せるためにパッケージを2段状の凹部とする方式、発光
ダイオードを貫通孔に挿入して固定する方式、発光素子
表面に主発光波長より短い波長の光を吸収する薄膜を形
成する方式、発光素子をはんだバンプ等を用いたフリッ
プチップ接続等によってリード部材等と接続して基板方
向から光を取出す方式、等を挙げることができる。
【0151】本発明の発光ダイオードは従来公知の各種
の用途に用いることができる。具体的には、例えばバッ
クライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号
灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレ
イ、装飾、各種ライト等を挙げることができる。
【0152】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明は以下によって限定されるものではない。 (合成例1)200mLの二口フラスコに、磁気攪拌
子、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン50
g、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金と
して3wt%含有)11.3μL、トリアリルイソシア
ヌレート5.0g、1,3,5,7−テトラメチルシク
ロテトラシロキサン37.04gを加えて、90℃のオ
イルバス中で30分加温、攪拌した。さらに130℃の
オイルバス中で2時間加熱還流させた。1−エチニル−
1−シクロヘキサノール176mgを加えた。未反応の
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
およびトルエンを減圧留去した。H−NMRによりこ
のものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシ
ロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレー
トと反応したもの(部分反応物Aと称す)であることが
わかった。 (実施例1)トリアリルイソシアヌレート2.5gと、
合成例1で合成した部分反応物A3.0gと、数平均分
子量2500で、90℃において1kPa以下の蒸気圧
を有する片末端アリル化ポリブチルアクリレート1.1
gとをカップ中で混合し、硬化性組成物とした。合成例
1で示したように部分反応物Aは本発明の(C)成分と
しての白金ビニルシロキサン錯体を含有している。この
ものを、2枚のガラス板に0.5mm厚みのシリコーン
ゴムシートをスペーサーとしてはさみこんで作成したセ
ルに流し、90℃/16時間、100℃/1時間、12
0℃/1時間、150℃/10時間加熱を行い無色透明
のシート状硬化物を得た。得られた硬化物は硬質で表面
タックを有しないものであった。 (比較例)ポリブチルアクリレートを用いなかった以外
は実施例と同様にして無色透明のシート状硬化物を得
た。得られた硬化物は硬質で表面タックを有しないもの
であった。 (測定例1)実施例1および比較例で作成した硬化物を
用いてJISK6911に準じた方法で曲げ試験を行っ
たところ、比較例で作成した硬化物は試験中に破断した
が、実施例で作成した硬化物は破断しなかった。実施例
の硬化物が強靭性が高いことがわかる。 (測定例2)実施例1で作成した硬化物をスガ試験機S
X120型キセノンウェザーメーター(ブラックパネル
温度63℃、照射2時間中降雨18分)にて70時間照
射して硬化物の状態を目視で観察した。硬化物は黄変が
みられず、無色透明の状態を保った。 (実施例2)実施例1のようにして作成したシート状硬
化物を適当な形状に切断し、キャンタイプ用の金属キャ
ップに設けた光透過用窓の部分に固定する。一方で、M
OCVD(有機金属気相成長)法によりサファイア基板
上に形成した、SiとZnがドープされたInGaN活
性層をn型とp型のAlGaNクラッド層で挟んだダブ
ルへテロ構造の発光素子を用意する。続いて、この発光
素子をキャンタイプ用の金属のステムに載置した後、p
電極、n電極をそれぞれのリードにAu線でワイヤーボ
ンディングする。これを上記のキャンタイプ用の金属キ
ャップで気密封止する。この様にしてキャンタイプの発
光ダイオードを作成することができる。 (実施例3)洗浄したサファイア基板上にMOCVD
(有機金属気相成長)法により、アンドープの窒化物半
導体であるn型GaN層、Siドープのn型電極が形成
されn型コンタクト層となるGaN層、アンドープの窒
化物半導体であるn型GaN層、次に発光層を構成する
バリア層となるGaN層、井戸層を構成するInGaN
層、バリア層となるGaN層(量子井戸構造)、発光層
上にMgがドープされたp型クラッド層としてAlGa
N層、Mgがドープされたp型コンタクト層であるGa
N層を順次積層させる。エッチングによりサファイア基
板上の窒化物半導体に同一面側で、pn各コンタクト層
表面を露出させる。各コンタクト層上に、スパッタリン
グ法を用いてAlを蒸着し、正負各電極をそれぞれ形成
させる。出来上がった半導体ウエハーをスクライブライ
ンを引いた後、外力により分割させ発光素子を形成させ
る。
【0153】表面に銀でメッキされた鉄入り銅から構成
されるマウントリードのカップ底面上に、ダイボンド樹
脂としてエポキシ樹脂組成物を利用して上記発光素子を
ダイボンドする。これを170℃で75分加熱しエポキ
シ樹脂組成物を硬化させ発光素子を固定する。次に、発
光素子の正負各電極と、マウントリード及びインナーリ
ードとをAu線によりワイヤーボンディングさせ電気的
導通を取る。
【0154】実施例1と同様にして調製した硬化性組成
物を砲弾型の型枠であるキャスティングケース内に注入
させる。上記の発光素子がカップ内に配置されたマウン
トリード及びインナーリードの一部をキャスティングケ
ース内に挿入し100℃1時間の初期硬化を行う。キャ
スティングケースから発光ダイオードを抜き出し、窒素
雰囲気下において120℃1時間で硬化を行う。これに
より砲弾型等のランプタイプの発光ダイオードを作成す
ることができる。 (実施例4)実施例3に記載の方法で硬化性組成物およ
び発光素子を作成する。
【0155】エッチングにより一対の銅箔パターンをガ
ラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード
電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂
を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光
素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワ
イヤボンディングし電気的導通を取る。基板上にマスク
兼側壁として貫通孔があいたガラスエポキシ樹脂をエポ
キシ樹脂により固定配置させる。この状態で真空装置内
に配置させると共に発光素子が配置されたガラスエポキ
シ樹脂基板上に硬化性組成物をディスペンスし、貫通孔
を利用したキャビティ内に硬化性組成物を充填する。こ
の状態で、100℃1時間、さらに150℃1時間硬化
させる。各発光ダイオードチップごとに分割させること
でチップタイプ発光ダイオードを作成することができ
る。 (実施例5)実施例3に記載の方法で硬化性組成物およ
び発光素子を作成する。
【0156】インサート成形によりPPS樹脂を用いて
チップタイプ発光ダイオードのパッケージを形成させ
る。パッケージ内は、発光素子が配される開口部を備
え、銀メッキした銅板を外部電極として配置させる。パ
ッケージ内部で発光素子をエポキシ樹脂を用いてダイボ
ンドして固定する。導電性ワイヤーであるAu線を発光
素子の各電極とパッケージに設けられた各外部電極とに
それぞれワイヤーボンディングし電気的に接続させる。
パッケージ開口部内にモールド部材として硬化性組成物
を充填する。この状態で、100℃1時間、さらに15
0℃1時間硬化させる。この様にして、チップタイプ発
光ダイオードを作成することができる。 (実施例6)実施例3に記載の方法で硬化性組成物およ
び発光素子を作成する。
【0157】硬化性組成物を90℃30分加熱してBス
テージ化する。
【0158】エッチングにより一対の銅箔パターンをガ
ラスエポキシ樹脂上に形成させることによって、リード
電極を持った基板を形成する。発光素子をエポキシ樹脂
を用いてガラスエポキシ樹脂上にダイボンドする。発光
素子の各電極と、各リード電極とをそれぞれAu線でワ
イヤボンディングし電気的導通を取る。上記Bステージ
化した硬化性組成物を用いてトランスファー成形により
発光素子およびリード電極の一部を封止する。SMDタ
イプの発光ダイオードを作成することができる。
【0159】(実施例7)実施例2と同様に順次積層さ
れた窒化物半導体において、RIE(反応性イオンエッ
チング)装置でp型窒化物半導体層側からエッチングを
行い、負電極が形成されるn型コンタクト層の表面を露
出させる。次に、最上層にあるp型コンタクト層上のほ
ぼ全面にリフトオフ法によりNi/Auを膜厚60/2
00Åにて積層し、オーミック接触が良好で且つ優れた
透過性を有する第一の正電極を形成する。また、上記透
光性第一の正電極上の一部にAuを膜厚1μm積層し、
正極側ボンディング部となる第二の正電極を形成する。
【0160】一方、エッチングにより露出されたn型コ
ンタクト層の表面にそれぞれターゲットを変えてスパッ
タリングによりW/Al/W/Auを膜厚200Å/2
000Å/2000Å/3000Åとなるよう積層し、
不要なレジスト膜を除去させ負電極を形成し、LED素
子とする。これにより、アニーリングを行わなくとも良
好なオーミック接触を有する負電極が形成される。ま
た、負電極はボンディング部となるが、上記構成により
強い機械的強度を有するため、安定して駆動することが
可能なLED素子が得られる。
【0161】次に、パターニングにより、各電極のボン
ディング部のみを露出させ素子表面全体に接してSiO
からなる絶縁性無機化合物層を連続的に形成し、LE
D素子とする。上記絶縁性無機化合物層は少なくとも短
絡を防止できるように形成されていればよく、上記正電
極と上記負電極の間の半導体層上面に設けられていれば
よい。このように絶縁性無機化合物層を設けることは、
小型化された発光素子を信頼性高く実装するにあたり非
常に重要である。絶縁性無機化合物層の材料は、少なく
とも絶縁性であれば良く、例えばSiO、TiO
Al、Si 等からなる単層又は複数層を用
いることができる。
【0162】また、本実施例では、上記絶縁性無機化合
物層を発光素子の端面まで連続して設けている。これに
より、基板の削られた端面及び露出面を高温高湿から保
護することができ、厳しい環境条件下での長期間使用に
際しても高い信頼性を維持することが可能な発光素子が
得られる。また、サファイア基板や窒化ガリウムと直接
接して設けられる絶縁性無機化合物層は、それぞれ接す
る部材と近い熱膨張係数を有することが好ましく、これ
により更に信頼性を高めることができる。ちなみに、各
材料の熱膨張係数は、サファイア基板が7.5〜8.5
×10−6/k、窒化ガリウムが3.2〜5.6×10
−6/k、二酸化珪素が0.3〜0.5×10−6
k、窒化シリコンが2.5〜3.0×10−6/kであ
る。
【0163】本実施例で使用する発光素子は、発光層で
発光された光の多くは上下の層との境界面にて全反射さ
れ、発光端部から光密度高く発光する傾向にある。この
ような発光素子を直接樹脂にて被覆すると、これらに発
光素子からの光や熱が集中するため、隣接する樹脂部が
局所的に著しく劣化される。これが起因となり、発光ダ
イオードに色調変化や信頼性低下が生じると考えられ
る。そこで本実施例では、絶縁性無機化合物層を表面に
有する発光素子を、上記絶縁性無機化合物層と比較的密
着性が高い傾向にあり且つ耐光性及び耐熱性に優れた本
発明の硬化性組成物にて直接被覆することにより、上記
発光領域端部から発光される光を効率よく外部へ取り出
し、界面における劣化を抑制し、信頼性の高い発光装置
を提供する。
【0164】また、上記発光端部とは、発光層及びn型
コンタクト層端部を示す。そこで、これらの端部に設け
られる絶縁性無機化合物層は、n型コンタクト層として
よく用いられるGaNよりも屈折率が小さい無機物にて
構成することが好ましい。これにより、硬化性組成物の
劣化を抑制することができる。更に、前記絶縁性無機化
合物を、例えば、発光素子の発光端部に直接接する第一
の層としてSiOを、該第一の層に接して該第一の層
よりも屈折率の大きい第二の層としてTiOを積層し
たTiO/SiOや、TiO/MgF等の2層
構造や、SiO/Al/SiOのように絶縁膜と金
属の積層によって形成した3層構造からなる光学多層膜
を設けることにより、反射性を持たせることもできる。
複数層の場合、膜厚は5000Å以上5μm以下が好ま
しく、1μm以上3μm以下がより好ましい。
【0165】また、無機化合物層を表面に有する発光素
子を直接本発明の硬化性組成物にて被覆する場合、光屈
折や熱膨張を考慮し、上記無機化合物層は珪素を含有す
るものが好ましい。珪素を含有する無機化合物層とは、
前記無機化合物中に少なくとも珪素が含有されていれば
特に限定されず、具体的には、SiO、SiN、Si
ON、及びSiH等からなる無機化合物層が挙げられ
る。また、珪素を含有する無機化合物層を設けこの無機
化合物層を本発明の硬化性組成物にて直接被覆すると、
他の無機化合物層を設けた場合と比較して信頼性が向上
し、高温高湿等の環境条件下においても高い信頼性及び
光学特性を維持することができる傾向にある。この理由
は定かでないが、珪素を含有する無機化合物層が本発明
の硬化性組成物と親和性が良く密着性の高い界面を形成
し、水分や外気の侵入が抑制されているためだと考えら
れる。
【0166】上記のように形成されたLED素子を有す
るウエハをスクライブ可能な基板厚まで研磨工程によっ
て削り、基板面が粘着シートに接触するように粘着シー
ト上に載置し、スクライブ工程によってチップ状に分割
する。分割されたLEDチップを実施例5と同様のパッ
ケージ内部に同様の方法にて固定し、Au線によりワイ
ヤーボンディングさせ電気的に接続させる。
【0167】また、蛍光体は、Y、Gd、Ceの希土類
元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈さ
せた。これを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アル
ミニウムを混合して混合原料を得る。これにフラックス
としてフッ化アルミニウムを混合して坩堝に詰め、空気
中1400℃の温度で3時間焼成して焼成品を得る。焼
成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後
に篩を通して形成させる。形成された(Y0.6Gd
0.4Al12:Ce蛍光物質25重量部、実
施例1記載の方法にて得られた硬化性組成物100重量
部を十分攪拌させてなる混合溶液にて、上記パッケージ
内の発光素子を被覆し第一の層を形成する。次に、実施
例1記載の方法にて得られた硬化性組成物よりも(D)
成分の少ない第二の硬化性組成物にて前記第一の層上に
第二の層を形成する。このようにして得られた発光ダイ
オードは、前記発光素子上に、前記蛍光体を含有する第
一の層と前記蛍光体を含まない第二の層とが順に積層さ
れた封止材を有している。
【0168】一般に、蛍光体を含有する第一の層上に、
該第一の層より透光性の高い第二の層(第一の層より蛍
光体の含有量が少ない、又は、蛍光体を含有しない層)
を積層する場合、これらの界面に熱応力が集中する傾向
にある。そこで本実施例では、本発明の硬化性組成物が
上記(D)成分を調整することで容易に架橋密度を調整
することが可能であることに着目し、蛍光体を含有する
第一の層に使用する硬化性組成物の(D)成分含有量
を、蛍光体を含有しない第二の層に使用する硬化性組成
物における(D)成分含有量よりも多くすることによ
り、第一の層に蛍光体を配合することによる剛性化を和
らげることができる。(D)成分の含有量は、前記第一
の層の蛍光体含有後の塗布液と前記第二の層の塗布液と
が同様の柔軟性を有する程度にそれぞれ調整されること
が好ましい。これにより、表面の機械的強度を維持しつ
つ耐熱性に優れた発光ダイオードを形成することができ
る。このように、本発明は、光学特性に影響を与えるこ
となく信頼性を高めることができる。
【0169】また本発明の発光ダイオードは、Pbを有
していない、高融点値を有する導電部材にて実装して
も、色度変動や信頼性低下を生じないため、環境に優し
い表示装置を実現することができる。
【0170】また、本発明の封止材は、熱応力における
柔軟性を有する硬化物である。従来、熱応力に柔軟性を
有する樹脂として、ゴム状弾性樹脂、ゲル樹脂等が知ら
れているが、これらの樹脂は架橋密度が低い又は架橋構
造を有さないので機械的強度が弱く、またタック性を有
するため異物が付着しやすい等の問題点を有しており、
最表面部となる発光面として形成するには不向きであっ
た。これに対し本発明の硬化性組成物は、異物を付着し
たり実装用器具にて損傷を受ける恐れがない。このよう
に本発明は、本発明の硬化性組成物を用いることによ
り、発光素子及びワイヤ部分の被覆部材と発光装置の表
面部となる発光面の部材を一体成形することができ、量
産性及び作業性に優れた発光ダイオードを得ることがで
きる。また、太陽光に対しても優れた耐光性を有するた
め、屋外用表示基板に実装されても発光面は変色されず
良好な信頼性を維持することができる。
【0171】本発明では、各構成部材に無機蛍光物質や
有機蛍光物質等、種々の蛍光物質を含有させることが出
来る。このような蛍光物質の一例として、無機蛍光体で
ある希土類元素を含有する蛍光体がある。希土類元素含
有蛍光体として、具体的には、Y、Lu、Sc、La、
Gd及びSmからなる群より選択される少なくとも1つ
の元素と、Al、Ga及びInからなる群より選択され
る少なくとも1つの元素とを有するざくろ石型蛍光体が
挙げられる。特に、セリウムで付活されたイットリウム
・アルミニウム酸化物系蛍光体が好ましく、所望に応じ
てCeに加えTb、Cu、Ag、Au、Fe、Cr、N
d、Dy、Ni、Ti、Eu、及びPr等を含有させる
ことも可能である。また、本発明の封止部材に、上記発
光素子の光の一部を吸収し他の波長の光を発光すること
が可能で且つ表面に上記硬化性組成物と共通な無機元素
が含有する物質をコーティングされた無機蛍光物質を添
加すると、これらの界面は化学結合等により良好な密着
性を有する傾向にある。また、上記蛍光物質は上記構成
とすることにより上記硬化性組成物中にて良好に分散し
た状態で固着される。これにより、上記無機蛍光物質の
光吸収率及び光取り出し効率が向上され高輝度で均一に
発光することが可能な色変換型発光ダイオードが得られ
る。
【0172】(実施例8)実施例7と同様の方法にて、
パッケージ内に発光素子を載置しワイヤにて電気的接続
を取る。ここでパッケージの開口部を除く表面にレジス
ト膜を形成する。このようにLEDチップが載置された
パッケージを純水が入った容器内に配置させる。
【0173】他方、粒子状蛍光体は、Y、Gd、Ceの
希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で
共沈させる。これを焼成して得られる共沈酸化物と、酸
化アルミニウムと混合して混合原料を得る。これにフラ
ックスとしてフッ化アルミニウムを混合して坩堝に詰
め、空気中1400℃の温度で3時間焼成して焼成品を
得る。焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾
燥、最後に篩を通して(Y 0.8Gd0.2Al
12:Ce蛍光体を形成する。こうして得られた蛍光
物質をSiOゾル中に分散させてなる混合溶液を形成
する。
【0174】次に、酢酸でpHを5.0に調整した後、
直ちにパッケージが配置された容器中に上記混合溶液を
一挙に注入する。静置後(Y0.8Gd0.2Al
:Ce蛍光体はパッケージの開口部及び発光素
子上に沈降する。容器内の廃液を除去しLEDチップ上
に粒子状蛍光体が堆積したパッケージを120℃で乾燥
させる。
【0175】次に、容器から発光ダイオードを取り出し
て発光ダイオードの非発光部に付着した粒子状蛍光体を
レジストマスクごと除去する。こうして得られた発光ダ
イオードは、LEDチップ上とパッケージ底面との膜厚
が共に約40μmと略等しい無機化合物層を有する。さ
らに、LEDチップや粒子状蛍光体を外部応力、太陽
光、水分及び塵埃などから保護する目的で、無機化合物
層が形成されたパッケージ開口部内にモールド部材とし
て実施例1と同様に調製された硬化性組成物を充填し、
150℃にて5時間硬化させる。
【0176】こうして得られた発光ダイオードは、耐久
性に優れ且つ他の部材との線膨張係数差が緩和された封
止部材にて構成されているため、厳しい環境下での使用
や長時間の使用に際しても色ズレや色むらが生じること
なく、優れた信頼性を有している。
【0177】
【発明の効果】本発明の組成物から製造した材料は、光
学的透明性が高く、光劣化が少なく、強靭性を有し、か
つ、硬質であり表面タック性を有さない光学材料に適し
た材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1333 500 G02F 1/1333 500 1/1335 1/1335 H01L 33/00 H01L 33/00 N (72)発明者 津村 学 大阪府摂津市鳥飼西5丁目2−23浩然寮A 101 (72)発明者 坂本 晴美 大阪府摂津市鳥飼和道1丁目8−28サニー コート401号室 (72)発明者 藤田 雅幸 大阪府摂津市鳥飼西5丁目5−32−102 (72)発明者 蔵本 雅史 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 (72)発明者 三木 倫英 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H090 JB03 JB05 2H091 FA08X FA08Z FA11X FB02 GA16 LA12 LA20 4J002 AC04X BB20Y BC01X BG04X BG04Y CC03X CC03Y CC09X CF00X CF00Y CF16X CF16Y CG00X CG00Y CH00X CH00Y CH05Y CH07X CL00X CL00Y CM04X CM04Y CP03Y CP04W DA116 DD006 DD076 DE016 EA017 EA019 EA027 EA029 EA047 EA049 ED027 ED029 ED057 EH007 EH147 EJ019 EJ027 EJ037 EU187 EU197 EU199 EW016 EW066 EX019 EX038 EX039 EZ006 FB296 FD010 FD150 FD156 FD200 GJ01 GJ02 GL00 GN00 GP00 GQ00 5F041 AA34 AA43 AA44 CA40 DA43 EE25

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)SiH基と反応性を有する炭素−
    炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機
    化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基を
    含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、及
    び(D)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合
    を1分子中に1個含有する化合物、を必須成分として含
    有することを特徴とする光学材料用組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、SiH基と反応性を有す
    るビニル基を1分子中に少なくとも1個含有する有機化
    合物であることを特徴とする請求項1記載の光学材料用
    組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分が、SiH基と反応性を有す
    るアリル基を1分子中に少なくとも1個含有する有機化
    合物であることを特徴とする請求項1記載の光学材料用
    組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分が、1,2−ポリブタジエ
    ン、ビニルシクロヘキセン、シクロペンタジエン、ジシ
    クロペンタジエン、ジビニルビフェニル、またはビスフ
    ェノールAジアリルエーテルであることを特徴とする請
    求項1記載の光学材料用組成物。
  5. 【請求項5】 (A)成分が、トリアリルイソシアヌレ
    ート、またはトリビニルシクロヘキサンであることを特
    徴とする請求項1記載の光学材料用組成物。
  6. 【請求項6】 (D)成分の90℃における蒸気圧が1
    00kPa以下であることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれか一項に記載の光学材料用組成物。
  7. 【請求項7】 (D)成分の数平均分子量が500以上
    であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項
    に記載の光学材料用組成物。
  8. 【請求項8】 光学材料が液晶用フィルムである請求項
    1乃至7のいずれか一項に記載の光学材料用組成物。
  9. 【請求項9】 光学材料が液晶用プラスチックセルであ
    る請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学材料用組
    成物。
  10. 【請求項10】 光学材料が発光ダイオードの封止材で
    ある請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学材料用
    組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか一項に記
    載の光学材料用組成物をあらかじめ混合し、組成物中の
    SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH
    基の一部または全部を反応させることによって硬化させ
    てなる光学材料。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10にいずれか一項に記
    載の光学材料用組成物をあらかじめ混合し、組成物中の
    SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH
    基の一部または全部を反応させることによる請求項11
    に記載の光学材料を製造する方法。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の光学材料を用いた
    液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の光学材料を用いた
    発光ダイオード。
  15. 【請求項15】 (A)SiH基と反応性を有する炭素
    −炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有
    機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基
    を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、
    及び(D)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結
    合を1分子中に1個含有する化合物、を必須成分として
    含有する硬化性組成物を用いて発光素子が被覆された発
    光ダイオード。
  16. 【請求項16】 (A)成分は、SiH基と反応性を有
    するビニル基を1分子中に少なくとも1個含有する有機
    化合物であることを特徴とする請求項15記の発光ダイ
    オード。
  17. 【請求項17】 (A)成分は、SiH基と反応性を有
    するアリル基を1分子中に少なくとも1個含有する有機
    化合物であることを特徴とする請求項15記載の発光ダ
    イオード。
  18. 【請求項18】 (A)成分は、1,2−ポリブタジエ
    ン、ビニルシクロヘキセン、シクロペンタジエン、ジシ
    クロペンタジエン、ジビニルビフェニル、またはビスフ
    ェノールAジアリルエーテルであることを特徴とする請
    求項15記載の発光ダイオード。
  19. 【請求項19】 (A)成分は、トリアリルイソシアヌ
    レート、またはトリビニルシクロヘキサンであることを
    特徴とする請求項15記載の発光ダイオード。
  20. 【請求項20】 (D)成分の90℃における蒸気圧
    は、100kPa以下であることを特徴とする請求項1
    5乃至19のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
  21. 【請求項21】 (D)成分の数平均分子量は、500
    以下であることを特徴とする請求項15乃至20のいず
    れか一項に記載の発光ダイオード。
  22. 【請求項22】 前記硬化性組成物は、前記発光素子を
    被覆する前にあらかじめ混合されて組成物中のSiH基
    と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部
    または全部が反応していることを特徴とする請求項15
    乃至21のいずれか一項に記載の発光ダイオード。
  23. 【請求項23】 前記硬化性組成物から得られる透光性
    封止材は、前記発光素子から発光される光の一部を吸収
    しより長波長の蛍光を発光することが可能な蛍光体を含
    有する第一の層と、該第一の層より透光性の高い第二の
    層とからなることを特徴とする請求項15乃至22のい
    ずれか一項に記載の発光ダイオード。
  24. 【請求項24】 前記発光素子は少なくとも発光層が可
    視光を発光する窒化物半導体であると共に、前記蛍光体
    は、Y、Lu、Sc、La、Gd及びSmからなる群よ
    り選択される少なくとも1つの元素と、Al、Ga及び
    Inからなる群より選択される少なくとも1つの元素と
    を有するセリウムで付活されたガーネット系蛍光体であ
    ることを特徴とする請求項23に記載の発光ダイオー
    ド。
  25. 【請求項25】 (A)SiH基と反応性を有する炭素
    −炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有
    機化合物、(B)1分子中に少なくとも2個のSiH基
    を含有するケイ素化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、
    及び(D)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結
    合を1分子中に1個含有する化合物、を必須成分として
    含有する硬化性組成物を用いて発光素子が被覆された発
    光ダイオードの製造方法であって、前記硬化性組成物
    は、前記発光素子を被覆する前にあらかじめ混合されて
    組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結
    合とSiH基の一部または全部が反応していることを特
    徴とする発光ダイオードの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記硬化性組成物に、前記発光素子か
    ら発光される光の一部を吸収してより長波長の蛍光を発
    光することが可能な蛍光体を添加し混合分散したものに
    て、前記発光素子を封止することを特徴とする請求項2
    5に記載の発光ダイオードの製造方法。
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