JP2002340177A - 変速比無限大無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

変速比無限大無段変速機の変速制御装置

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JP2002340177A JP2001150429A JP2001150429A JP2002340177A JP 2002340177 A JP2002340177 A JP 2002340177A JP 2001150429 A JP2001150429 A JP 2001150429A JP 2001150429 A JP2001150429 A JP 2001150429A JP 2002340177 A JP2002340177 A JP 2002340177A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力循環モードおよび直結モード間の切り換
えを伴うマニュアル変速からクラッチの掛け換え制御お
よびCVT変速制御の同時制御をなくす。 【解決手段】 モード切り換えが必要となる回転同期点
(RSP)にはマニュアル変速段を設定せず、回転同期
点(RSP)の前後におけるモードの異なった相互に隣
り合う一対のマニュアル変速段(第3速、第4速)をそ
れぞれ、無段変速機(CVT)の同じ変速比icvt34
のもとで達成されるよう設定する。故に当該相互に隣り
合った一対のマニュアル変速段間での変速に際し、当該
モード切り換えのためのクラッチの掛け換えのみで所定
のマニュアル変速を行わせることができて、無段変速機
構の変速制御は不要である。従ってマニュアル変速に際
し、クラッチの掛け換え制御と無段変速機構の変速制御
との同時制御が要求されることがなくなり、制御が煩雑
になるのを防止し得ると共に、滑らかな変速制御を容易
に実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変速比無限大無段
変速機の変速制御装置、特に、マニュアル変速モードで
の変速が好適に行われるようにした変速制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】変速比無限大無段変速機(以下、IVT
とも言う)は通常、例えば特開平11−63203号公
報に記載され、図36に示すごとくトロイダル型無段変
速機やVベルト式無段変速機などの無段変速機構(以
下、CVTとも言う)aと遊星歯車組bとの組み合わせ
により構成する。そして遊星歯車組bの3要素の1つ
(第1要素:図36ではキャリア)に一定変速機構cお
よびロークラッチdを経て無段変速機構aへの入力回転
を伝達することにより、遊星歯車組bの他の1要素(第
2要素:図36ではサンギヤ)を経て無段変速機構aの
出力回転メンバより入力回転メンバに動力を循環させつ
つ、この循環動力を遊星歯車組aの残りの1要素(第3
要素:図36ではリングギヤ)から取り出して出力回転
となし(動力循環モード)、上記のロークラッチdを解
放してその代わりにハイクラッチeを締結することによ
り、このハイクラッチeを経て無段変速機構aの出力回
転メンバからの無段変速機構動力を直接取り出す(CV
T直結モード)よう構成するのが普通である。
【0003】かかる構成において変速比無限大無段変速
機の変速比(入力回転数Nin/出力回転数Nout)
は、該変速比の逆数である変速比無限大無段変速機(I
VT)の速度比Et(Nout/Nin)と無段変速機
構(CVT)aの変速比icvtとの関係として例示し
た図2のごとく、無段変速機構aの変速比icvtによ
り変速制御され得る。
【0004】更に付言するに、ロークラッチdおよびハ
イクラッチeの締結・解放切り換えにより行う動力循環
モードと直結モードとの間の伝動モード切り換えは、両
クラッチの駆動側回転メンバの回転数と被動側回転メン
バの回転数とが一致するモード切り換え(回転)同期点
RSPにおいて実行するが、IVT速度比Etがこの回
転同期点RSPよりも低速側の速度比にされる動力循環
モードでは無段変速機構aの変速比を中立点GNP対応
の変速比にすることで、遊星歯車組bの第3要素(リン
グギヤ)へ伝わる回転を0にして変速比無限大無段変速
機の出力回転数Noutが0になり、伝動経路が機械的
に結合されたままの状態でIVT変速比(変速機入力回
転数/変速機出力回転数)が無限大(IVT速度比Et
が0)の状態を作り出すことができ、停車が可能であ
る。
【0005】この動力循環モードで無段変速機構aが、
遊星歯車組bの第3要素(リングギヤ)への回転を0に
するような変速比(中立点GNP)よりも高速(ハイ)
側変速比である時は、変速比無限大無段変速機の出力回
転が逆向きとなって後退走行を可能にし、無段変速機構
aの変速比icvtが当該変速比(中立点GNP)より
も低速(ロー)側変速比であるほど、変速比無限大無段
変速機の出力回転が正転方向の回転数を増大されて前進
走行を可能にする。この前進走行中、無段変速機構aの
変速比icvtが上記低速側の或る変速比(回転同期点
RSP)になると、動力循環モードにおいて遊星歯車組
eの第2および第3要素の回転数(ハイクラッチの駆動
側および被駆動側回転メンバの回転数)が相互に一致
し、この時にハイクラッチeを油圧の供給により締結す
ると共にロークラッチdを油圧の排除により解放するこ
とで、理論上ショックなしに動力循環モードから直結モ
ードに切り換えることができる。この直結モードでは、
無段変速機構aのみによる変速が変速比無限大無段変速
機の変速に反映されることとなる。
【0006】なお、逆に直結モードから動力循環モード
への切り換えに際しても、上記の回転同期点RSPにお
いてロークラッチdの駆動側および被駆動側回転メンバ
の回転数が相互に一致し、この時にロークラッチdを締
結すると共にハイクラッチeを解放することで、理論上
ショックなしに当該モード切り換えを行うことができ
る。
【0007】一方で上記の変速比無限大無段変速機にマ
ニュアル変速モードを設定するに際しては従来、例えば
特開2000−193077号公報に記載のごとく、そして図2に
示すように、回転同期点(RSP)における変速比に或
るマニュアル変速段(例えばマニュアル第2速)を割り
当て、その前後に低速段であるマニュアル第1速や、高
速段であるマニュアル第3速、第4速、第5速を順次に
割り当てるのが一般的であった。なおこの割り当てに際
しては、隣り合う変速段間における段間比を各社の一定
のルール(各社のノウハウ)に基づいて決定し、回転同
期点(RSP)に割り当てたマニュアル変速段(マニュ
アル第2速)を基準にしてこの段間比となるようその他
のマニュアル変速段を設定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のごとく
回転同期点(RSP)にマニュアル変速段(マニュアル
第2速)を割り当てる従来の構成では、何れにしても以
下の理由から当該マニュアル変速段へのまたは当該マニ
ュアル変速段からの変速制御が困難になることを確かめ
た。
【0009】つまり、回転同期点(RSP)においては
前記したところから明らかなようにロークラッチdおよ
びハイクラッチeの何れが締結していても、また双方が
締結していても問題になることがなく、従ってマニュア
ル第2速の選択は、ロークラッチdのみが締結している
場合と、ハイクラッチeのみが締結している場合と、こ
れらの双方が締結している場合との3態様が考えられ
る。
【0010】ロークラッチdのみの締結でマニュアル第
2速を選択する場合について考察するに、この場合マニ
ュアル第1速とマニュアル第2速との間における変速
は、ロークラッチdが締結状態を保つため、無段変速機
構aの変速制御のみで足りる。しかしマニュアル第2速
とマニュアル第3速との間における変速は、ロークラッ
チdを解放、締結切り換えすると共にハイクラッチeを
締結、解放切り換えする必要があるほかに、無段変速機
構aの変速制御も必要であって、クラッチの掛け換え制
御と無段変速機構aの変速制御との同時制御が要求され
る。
【0011】次にハイクラッチeのみの締結でマニュア
ル第2速を選択する場合について考察するに、この場合
マニュアル第2速とマニュアル第3速との間における変
速は、ハイクラッチeが締結状態を保つため、無段変速
機構aの変速制御のみで足りる。しかしマニュアル第1
速とマニュアル第2速との間における変速は、ロークラ
ッチdを解放、締結切り換えすると共にハイクラッチe
を締結、解放切り換えする必要があるほかに、無段変速
機構aの変速制御も必要であって、クラッチの掛け換え
制御と無段変速機構aの変速制御との同時制御が要求さ
れる。
【0012】更にロークラッチdおよびハイクラッチe
の双方の締結でマニュアル第2速を選択する場合につい
て考察するに、この場合マニュアル第1速とマニュアル
第2速との間における変速は、ハイクラッチeを締結、
解放切り換えするほかに無段変速機構aを変速制御する
必要があり、またマニュアル第2速とマニュアル第3速
との間における変速は、ロークラッチdを解放、締結切
り換えするほかに無段変速機構aを変速制御する必要が
あり、何れの変速に当たってもクラッチの掛け換え制御
と無段変速機構aの変速制御との同時制御が要求され
る。
【0013】かようにクラッチの掛け換え制御と無段変
速機構aの変速制御との同時制御を行う必要がある時
は、一方の制御の進行状態をモニタしながら他方の制御
を進行させることが必要となり、制御が煩雑になるだけ
でなく、滑らかな変速制御を実現するのが極めて困難に
なるという問題がある。
【0014】請求項1に記載の第1発明は、上記のよう
なクラッチの掛け換え制御と無段変速機構の変速制御と
の同時制御が不要になるマニュアル変速を可能にした変
速比無限大無段変速機の変速制御装置を提案し、もって
上記の懸念を払拭することを目的とする。
【0015】請求項2に記載の第2発明は、Vベルト式
無段変速機やトロイダル型無段変速機と同様の手法でマ
ニュアル変速段を設定して、無限大変速比の分だけ幅広
い変速レンジでのマニュアル変速を可能にした変速比無
限大無段変速機の変速制御装置を提案することを目的と
する。
【0016】請求項3に記載の第3発明は、第1発明の
ようなマニュアル変速でありながら、変速応答を任意に
設定し得るようにした変速比無限大無段変速機の変速制
御装置を提案することを目的とする。
【0017】請求項4に記載の第4発明は、第3発明の
作用効果に加えて変速ショック軽減効果をも発生させ得
るようにした変速比無限大無段変速機の変速制御装置を
提案することを目的とする。
【0018】請求項5に記載の第5発明は、第4発明の
変速ショック軽減効果が一層顕著になるようにした変速
比無限大無段変速機の変速制御装置を提案することを目
的とする。
【0019】請求項6に記載の第5発明は、第4発明と
は別の構成で同様の変速ショック軽減効果が達成される
ようにした変速比無限大無段変速機の変速制御装置を提
案することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による変速比無限大無段変速機の変速制御装
置は、変速比を無段階に変化させ得る無段変速機構およ
び遊星歯車組の組み合わせになり、原動機から無段変速
機構への入力回転をロークラッチの締結により遊星歯車
組の1要素に伝達する時、該遊星歯車組の他の1要素を
経て無段変速機構の出力回転メンバより入力回転メンバ
に動力を循環させつつ、この循環動力を前記遊星歯車組
の残りの1要素から取り出す動力循環モードが選択さ
れ、前記ロークラッチを解放してハイクラッチを締結す
る時、このハイクラッチを経て無段変速機構の出力回転
メンバから動力を直接取り出すことができる直結モード
が選択され、マニュアル変速モードでは、前記無段変速
機構の変速制御と、所要に応じた前記動力循環モードお
よび直結モード間でのモード切り換えとにより、予め設
定しておいた複数のマニュアル変速段への変速が可能と
なるようにした変速比無限大無段変速機において、前記
モードが異なる相互に隣り合った一対のマニュアル変速
段をそれぞれ、無段変速機構の同じ変速比のもとで達成
されるよう設定したことを特徴とするものである。
【0021】第2発明による変速比無限大無段変速機の
変速制御装置は、上記第1発明において、残りのマニュ
アル変速段間における段間比が前記隣り合った一対のマ
ニュアル変速段間における段間比とほぼ同じ関係になる
よう残りのマニュアル変速段を設定したことを特徴とす
るものである。
【0022】第3発明による変速比無限大無段変速機の
変速制御装置は、第1発明または第2発明において、前
記隣り合った一対のマニュアル変速段間における変速
を、前記ロークラッチおよびハイクラッチの締結進行制
御および解放進行制御により、所定の変速応答で進行さ
せるよう構成したことを特徴とするものである。
【0023】第4発明による変速比無限大無段変速機の
変速制御装置は、上記第3発明において、前記隣り合っ
た一対のマニュアル変速段間での変速時に、前記原動機
からの出力トルクを変速ショック対策用に補正するよう
構成したことを特徴とするものである。
【0024】第5発明による変速比無限大無段変速機の
変速制御装置は、上記第4発明において、前記ロークラ
ッチおよびハイクラッチの締結進行制御および解放進行
制御による回転変化に応じ、前記原動機出力トルクの補
正量を決定するよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0025】第6発明による変速比無限大無段変速機の
変速制御装置は、前記第3発明において、前記隣り合っ
た一対のマニュアル変速段間での変速時に、前記無段変
速機構の変速比をモード切り換え同期点方向へ補正する
よう構成したことを特徴とするものである。
【0026】
【発明の効果】変速比無限大無段変速機は、ロークラッ
チの締結時これを経て、原動機から無段変速機構への入
力回転が遊星歯車組の1要素に伝達され、同遊星歯車組
の他の1要素を経て無段変速機構の出力回転メンバより
入力回転メンバに動力を循環させつつ、この循環動力を
遊星歯車組の残りの1要素から取り出すことができ、動
力循環モードで動力伝達を行うことができる。なお、ロ
ークラッチを解放してハイクラッチを締結する時は、ハ
イクラッチを経て無段変速機構の出力回転メンバから動
力が直接取り出され、直結モードで動力伝達を行うこと
ができる。
【0027】一方マニュアル変速モードで変速比無限大
無段変速機は、無段変速機構の変速制御と、所要に応じ
た動力循環モードおよび直結モード間でのモード切り換
えとにより、予め設定しておいた複数のマニュアル変速
段への変速を行う。
【0028】ところで第1発明においては、上記モード
が異なる相互に隣り合った一対のマニュアル変速段をそ
れぞれ、無段変速機構の同じ変速比のもとで達成される
よう設定したため、当該相互に隣り合った一対のマニュ
アル変速段間での変速に際しても、上記モード切り換え
のためのロークラッチおよびハイクラッチの締結、解放
切り換えのみで所定のマニュアル変速を行わせることが
できて、無段変速機構の変速制御は不要である。従って
マニュアル変速に際し、クラッチの掛け換え制御と無段
変速機構の変速制御との同時制御が要求されることがな
くなり、制御が煩雑になるのを防止し得ると共に、滑ら
かな変速制御を容易に実現することができる。
【0029】第2発明においては、残りのマニュアル変
速段間における段間比が上記隣り合った一対のマニュア
ル変速段間における段間比とほぼ同じ関係になるよう残
りのマニュアル変速段を設定したため、Vベルト式無段
変速機やトロイダル型無段変速機と同様の手法でマニュ
アル変速段を設定して、無限大変速比の分だけ幅広い変
速レンジでのマニュアル変速を実現可能である。
【0030】第3発明においては、上記隣り合った一対
のマニュアル変速段間における変速を、ロークラッチお
よびハイクラッチの締結進行制御および解放進行制御に
より、所定の変速応答で進行させるため、第1発明のよ
うなマニュアル変速でありながら、変速応答を任意に設
定することができて大いに有利である。
【0031】第4発明においては、上記隣り合った一対
のマニュアル変速段間での変速時に、原動機からの出力
トルクを変速ショック対策用に補正するため、第3発明
の作用効果に加えて、変速時間を長くすることなく変速
ショックを軽減させることができる。
【0032】第5発明においては、前記ロークラッチお
よびハイクラッチの締結進行制御および解放進行制御に
よる回転変化に応じ、第4発明における原動機出力トル
クの補正量を決定するため、イナーシャフェーズ前後で
の原動機トルク補正量を変速ショックの大きさにマッチ
させることができて第4発明の作用効果を一層顕著なも
のにすることが可能となり、他のマニュアル変速段間に
おける無段変速機構の変速比制御によるマニュアル変速
と同等の滑らかな変速フィーリングを実現させることが
できる。
【0033】第6発明においては、上記隣り合った一対
のマニュアル変速段間での変速時に、無段変速機構の変
速比をモード切り換え同期点方向へ補正するため、当該
変速を司るロークラッチおよびハイクラッチの締結、解
放容量を低減してショックの小さな変速を実現すること
が可能となり、もって第4発明とは別の構成で同様の変
速ショック軽減効果を達成させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる変速制御装置を具えた変速比無限大無段変速機
を示す。この変速比無限大無段変速機(IVT)は、エ
ンジンを横置きに搭載したフロントエンジン・フロント
ホイールドライブ車(FF車)用のトランスアクスルと
して構成したもので、原動機としてのエンジンENGか
ら動力を伝達される入力軸1上に配したトロイダル型無
段変速機構2と、これに平行に配置した出力軸3上の遊
星歯車組4とを主たる構成要素とする。
【0035】トロイダル型無段変速機構2は、2個のト
ロイダル伝動ユニット5,6、つまり、フロント側トロ
イダル伝動ユニット5およびリヤ側トロイダル伝動ユニ
ット6を主たる構成要素とし、これらトロイダル伝動ユ
ニット5,6はそれぞれ、入力軸1に一体回転するよう
嵌合させた入力ディスク7と、これら入力ディスク間で
入力軸1上に回転自在に支持した出力ディスク8と、対
応する入出力ディスク7,8間で動力伝達を行うパワー
ローラ9とにより構成する。
【0036】パワーローラ9はトロイダル伝動ユニット
5,6ごとに2個ずつ設け、これらを入力軸1を挟んで
その両側に対向配置すると共に、図示せざる個々のトラ
ニオンにピボットシャフト11を介して回転自在に支持
し、トラニオンを後で詳述する変速制御のため図示せざ
るピストンによりトラニオン軸線方向(図1の図面直角
方向)にストローク可能とする。
【0037】図1において、エンジンENGから入力軸
1に伝達されたエンジン回転は両入力ディスク7に達
し、入力ディスク7へのエンジン回転(変速機入力回
転)はパワーローラ9を介し出力ディスク8に伝達され
て、両出力ディスク8に固設したCVT出力歯車12か
ら取り出される。かかる伝動中、上記のピストンにより
トラニオンを同期してパワーローラ回転軸線と直交する
トラニオン軸線(首振り軸線)の方向に同位相でストロ
ークさせ、パワーローラ回転軸線が入出力ディスク7,
8の回転軸線と交差した平衡位置(非変速位置)から、
パワーローラ回転軸線が入出力ディスク7,8の回転軸
線からオフセットした変速位置にすると、パワーローラ
9が回転分力により首振り軸線の周りに同期して同位相
で傾転される。これにより、入出力ディスク7,8に対
するパワーローラ9の接触軌跡円半径が連続的に変化
し、入出力ディスク7,8間の伝動比(CVT変速比i
cvt)を無段階に変化させることができる。
【0038】なお、この変速に当たってトラニオンを上
記のごとくストロークさせるためのピストン両側圧は、
図3に示すコントロールバルブボディー21内のステッ
プモータ(変速アクチュエータ)22が指令CVT変速
比icvtoに対応した位置にストロークして図示せざ
る変速制御弁を中立位置から作動させることにより生じ
させる。そして当該ピストン両側圧間の差圧による変速
進行状態をサーボ系により上記の変速制御弁にフィード
バックし、CVT変速比icvtが指令CVT変速比i
cvtoになったところで変速制御弁を中立位置に戻し
て、パワーローラ9を上記オフセットが0の非変速位置
に戻すことにより、CVT変速比icvtを当該指令変
速比icvtoに維持することができる。
【0039】次いで、図1の出力軸3上に設ける遊星歯
車組4と、上記したトロイダル型無段変速機構2との関
連構成を説明する。遊星歯車組4のエンジンに近い前側
に動力循環クラッチとしてのロークラッチ31を隣接配
置し、遊星歯車組4のエンジンから遠い後側に歯車32
および無段変速機構(CVT)直結クラッチとしてのハ
イクラッチ33を順次隣接配置する。歯車32は出力軸
3上に回転自在に支持し、この歯車32とCVT出力歯
車12との間にアイドラギヤ34を噛合させる。
【0040】遊星歯車組4はサンギヤ4sと、キャリア
4cと、リングギヤ4rとよりなる単純遊星歯車組と
し、サンギヤ4sを出力軸3上に回転自在に支持して歯
車32に結合する。キャリア4cは、入力軸1への変速
機入力回転が一定変速比の減速歯車組35およびローク
ラッチ31を経て入力されるようにし、リングギヤ4r
は出力軸3に結合し、歯車32をハイクラッチ33によ
り出力軸3に結合可能とする。そして、出力軸3にファ
イナルドライブギヤ組36を介してディファレンシャル
ギヤ装置37を駆動結合する。
【0041】上記の構成とした図1に示す変速比無限大
無段変速機IVTの作用を次に説明する。図3に示すコ
ントロールバルブボディー21内にはステップモータ2
2の他に、ロークラッチ31の締結・解放を司るローク
ラッチソレノイド24およびハイクラッチ33の締結・
解放を司るハイクラッチソレノイド25を具え、ローク
ラッチソレノイド24はON時にロークラッチ圧の発生
によりロークラッチ31を締結し、ハイクラッチソレノ
イド25はON時にハイクラッチ圧の発生によりハイク
ラッチ33を締結するものとする。
【0042】ロークラッチソレノイド24のONにより
ロークラッチ31を締結し、ハイクラッチソレノイド2
5のOFFによりハイクラッチ33を解放すると、入力
軸1への変速機入力回転が減速歯車組35およびローク
ラッチ31を経て遊星歯車組4のキャリア4cに伝達さ
れる。キャリア4cに伝達された変速機入力回転はサン
ギヤ4sおよびリングギヤ4rに分配され、サンギヤ4
sに至った回転は歯車32、アイドラギヤ34およびC
VT出力歯車12を経て両トロイダル伝動ユニット5,
6の出力ディスク8から入力ディスク7および入力軸1
に循環され、この循環動力をリングギヤ4rから出力軸
3に伝達する動力循環モードでの動力伝達が可能にな
る。
【0043】ロークラッチソレノイド24のOFFによ
りロークラッチ31を解放し、ハイクラッチソレノイド
25のONによりハイクラッチ33を締結すると、入力
軸1から両トロイダル伝動ユニット5,6の入力ディス
ク7、パワーローラ9、および出力ディスク8を経由し
てCVT出力歯車12、アイドラギヤ34および歯車3
2に達したトロイダル型無段変速機構2の出力回転がハ
イクラッチ33を経て出力軸3に達することとなり、ト
ロイダル型無段変速機構2の出力回転を直接出力軸3よ
り取り出すCVT直結モードでの動力伝達が可能とな
る。出力軸3への回転は、ファイナルドライブギヤ組3
6およびディファレンシャルギヤ装置37を経て図示せ
ざる駆動輪に達し、車両を走行させる。
【0044】動力循環モードでは図2に示すように、ト
ロイダル型無段変速機構2のCVT変速比icvtを中
立点GNPに対応した変速比にしてリングギヤ4r(出
力軸3)への回転が0になるようにすることで、変速比
無限大無段変速機の出力回転Noutが0になり、伝動
経路が機械的に結合されたままの状態で変速比無限大無
段変速機のIVT速度比(IVT変速比の逆数)Et
(変速機出力回転数Nout/変速機入力回転数Ni
n)が0(IVT変速比Nin/Noutが無限大)の
状態(停車状態)を作り出すことができる。そして、こ
の動力循環モードでトロイダル型無段変速機構2がリン
グギヤ4r(出力軸3)への回転を0にするような変速
比(中立点GNP)よりも高速(ハイ)側変速比である
時は、変速比無限大無段変速機の出力回転数Noutが
逆向きとなって後退走行(Rレンジ)を可能にし、トロ
イダル型無段変速機構2のCVT変速比icvtが当該
変速比(中立点GNP)よりも低速(ロー)側変速比で
あるほど、変速比無限大無段変速機の出力回転数Nou
tが正転方向の回転数を増大されて前進走行(Dレン
ジ)を可能にする。
【0045】従って、トロイダル型無段変速機構2のC
VT変速比icvtが上記低速側の或る変速比になる
と、動力循環モードにおいてサンギヤ4sおよびリング
ギヤ4rの回転数(ハイクラッチ33の駆動側および被
駆動側回転メンバの回転数)が相互に一致し(図2に回
転同期点RSPとして示す)、この時にハイクラッチ3
3を油圧の供給により締結すると共にロークラッチ31
を油圧の排除により解放することで、理論上ショックな
しに動力循環モードから直結モードに切り換えることが
できる。この直結モードでは、図2に示すようにトロイ
ダル型無段変速機構2のCVT変速比icvtを回転同
期点RSPよりも高速側変速比にするほど変速比無限大
無段変速機の出力回転数Noutが正転方向の回転数を
更に増大されて前進走行(Dレンジ)での高速前進が可
能になる。
【0046】なお、上記とは逆に直結モードから動力循
環モードへの切り換えに際しても、上記の回転同期点R
SPにおいてロークラッチ31の駆動側および被駆動側
回転メンバの回転数が相互に一致し、この時にロークラ
ッチ31を締結すると共にハイクラッチ33を解放する
ことで、理論上ショックなしに当該モード切り換えを行
うことができる。
【0047】ステップモータ22の駆動制御、ロークラ
ッチソレノイド24のON,OFF制御、およびハイク
ラッチソレノイド25のON,OFF制御は、図3に示
す変速機コントローラ41によりこれらを実行し、変速
機コントローラ41には入力軸1の回転数Ninを検出
する入力回転センサ42(図1参照)からの信号と、出
力軸3の回転数Noutを検出するIVT出力回転セン
サ43(図1参照)からの信号と、トロイダル型無段変
速機構2の出力回転数Ncvtを検出するCVT出力回
転センサ44(図1参照)からの信号と、エンジンスロ
ットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ45
からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ46か
らの信号を入力すると共に、セレクタレバーにより運転
者が選択した後退走行(R)レンジ、中立(N)レン
ジ、前進走行(D)レンジ、エンジンブレーキ(L)レ
ンジに係わる選択レンジ信号と、同じくセレクタレバー
により運転者が選択したマニュアル変速(M)レンジ、
当該レンジで運転者がセレクタレバーにより指令するア
ップシフト(UP)指令およびダウンシフト(DN)指
令に係わるマニュアル信号とを入力する。
【0048】なお変速機コントローラ41は、エンジン
コントローラ47との間で必要情報を交換し得るよう通
信可能とし、変速機コントローラ41からエンジンコン
トローラ47へはIVT制御モードを伝達し、エンジン
コントローラ47から変速機コントローラ41へはトル
ク補正許可信号を伝達する。
【0049】図3の変速機コントローラ41は、上記し
た各種入力情報をもとに図4に示す制御プログラムを、
例えば10msec毎の定時割り込みにより繰り返し実
行して、本発明による変速制御を含む変速比無限大無段
変速機(IVT)の変速制御を以下のごとくに遂行す
る。まず、ステップSlで上記各種入力情報を読み込
み、次に、ステップS2でレンジ信号から現在の選択レ
ンジが後退走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進
走行(D)レンジ、エンジンブレーキ(L)レンジ、マ
ニュアル変速(M)レンジのどれかを判定する。なお選
択レンジがNレンジのときは、ロークラッチ31および
ハイクラッチ33の締結を行わないで停車状態を達成
し、R,Dレンジのときは、ロークラッチ31を締結し
た動力循環モードで中立点GNP(図2参照)を保つこ
とにより停車状態を達成するものとする。
【0050】次のステップS3では図5に示すサブルー
チンの実行により、先ずステップS17において、変速
機入力回転数NinとCVT出力回転数Ncvtの比
(Nin/Ncvt)である実CVT変速比icvtを
演算し、次いでステップS18において、変速機出力回
転数Noutと変速機入力回転数Ninとの比(Nout/N
in)である実IVT速度比Etを算出し、更にステッ
プS19において、変速機入力回転数Ninと変速機出
力回転数Noutとの比(Nin/Nout)である実IVT
変速比iIVTを算出する。
【0051】図4のステップS4においては、変速比無
限大無段変速機の伝動モードが動力循環モード、CVT
直結モード、モード切り換え中のいずれであるかを判定
し、伝動モードが動力循環モードならSFTMODEに
1をセットし、直結モードならSFTMODEに3をセ
ットし、モード切り換え中ならSFTMODEに2をセ
ットする。この伝動モード判定処理は図6に示す如きも
ので、先ずステップS21において選択レンジがNレン
ジであるか否かを判定し、Nレンジ以外であれば制御を
ステップS22に、またNレンジであれば制御をステッ
プS23に進める。Nレンジ以外で実行されるステップ
S22では、D,L,MレンジまたはRレンジになって
から、つまり走行レンジになってから所定時間以上が経
過したか否かを判定し、所定時間を経過していなければ
ステップS24で、このことを示すようにSFTMOD
Eに5をセットしてNレンジ→Dレンジ制御またはNレ
ンジ→Rレンジ制御に設定し、サブルーチンを終了す
る。ステップS22で走行レンジになってから所定時間
以上が経過したと判定する場合、ステップS25以後の
後述する制御を実行する。
【0052】ステップS21でNレンジと判定した時に
選択されるステップS23では、選択レンジがNレンジ
になってから所定時間以上が経過したか否かを判定し、
所定時間が経過していなければステップS26で、この
ことを示すようにSFTMODEに6をセットしてDレ
ンジ→Nレンジ制御またはRレンジ→Nレンジ制御に設
定した後サブルーチンを終了し、Nレンジになってから
所定時間以上が経過している場合、ステップS27でこ
のことを示すようにSFTMODEに0をセットしてN
レンジ制御に設定した後サブルーチンを終了する。
【0053】ステップS22でD,L,Mレンジまたは
Rレンジになってから所定時間が経過したと判定する場
合ステップS25において、現在のスロットル開度TV
Oおよび変速機出力回転数Nout(車速VSP)のもと
で定常的な目標とすべき到達入力回転数DSRREV
を、図7のサブルーチンにより求める。図7のステップ
S41ではMレンジか否かをチェックし、Mレンジでな
ければステップS42において、選択レンジに応じた変
速マップを選択する。次いでステップS43において、
選択マップ(Dレンジの場合につき代表的に示すと図8
に例示するような変速マップ)に基づきスロットル開度
TVOおよび変速機出力回転数Nout(車速VSP)か
ら到達入力回転数DSRREVを検索により求める。そ
してステップS44で、Mレンジ用の変速モード(Mモ
ード)開始時のためのイニシャライズフラグ(Mモード
イニシャライズフラグ)をクリアしておく。
【0054】ステップS41でMレンジと判定する時は
ステップS45において、上記のMモードイニシャライ
ズフラグがセットされているか否かにより、Mモードの
イニシャライズが終了しているか否かを判定し、終了し
ていなければステップS46で当該Mモードのイニシャ
ライズを終了すると共に、ステップS47で当該終了を
示すようにMモードイニシャライズフラグをセットす
る。ステップS46でのイニシャライズに際しては、先
ず例えば図9のごとくに割り当てたマニュアル変速段
(第1速〜第6速)マップを基に変速機出力回転数Nou
t(車速VSP)からマニュアル変速段ごとの変速機入
力回転数Ninの到達値を検索し、次にこれらのうち前回
の到達入力回転数DSRREVに最も近い値に対応した
マニュアル変速段を目標マニュアル変速段SFTPOS
と定める。
【0055】ここで、図9のごとくに割り当てたマニュ
アル変速段(第1速〜第6速)について付言するに、図
10のごとくモード切り換え(回転)同期点(RSP)
に対応した変速比にはマニュアル変速段を設定せず、当
該同期点相当変速比近辺に設定すべき相互に隣り合った
一対のマニュアル変速段(図示例では第3速、第4速)
をそれぞれ、トロイダル型無段変速機構2の同じ変速比
cvt34のもとで達成されるよう設定する。この
際、当該隣り合った一対のマニュアル変速段(第3速、
第4速)間の段間比は、要求される運転性能や燃費性能
に応じて通常通りに決定すること勿論である。そして、
その他のマニュアル変速段(第1速、第2速、第5速、
第6速)については、上記隣り合った一対のマニュアル
変速段(第3速、第4速)間における段間比とほぼ同じ
関係(例えば等比級数)になるよう設定する。
【0056】なお、マニュアル変速段の割り当てに当た
っては図9のものに限らず、図11に示すように図9の
場合よりもクロスレシオとなるよう(図11の二点鎖線
は図9の第6速に相当する)マニュアル変速段を設定し
たり、或いは図12に示すように、同期点相当変速比近
辺における相互に隣り合った一対のマニュアル変速段を
第4速および第5速とし、高速側のマニュアル変速段が
ワイドレシオとなるよう(図12の二点鎖線は図9の第
6速に相当する)マニュアル変速段を設定することがで
きる。
【0057】以上のようなMモードのイニシャライズが
終了した後は、図7のステップS48においてマニュア
ル変速のアップシフト(UP)信号が発生したか否かを
(運転者がアップシフト指令を行ったか否かを)、また
ステップS49においてマニュアル変速のダウンシフト
(DN)信号が発生したか否かを(運転者がダウンシフ
ト指令を行ったか否かを)チェックする。アップシフト
指令もダウンシフト指令もなければステップS56にお
いて、ステップS46で初期化した時の目標マニュアル
変速段SFTPOS(第1速〜第6速)に対応したマッ
プを図9から選択し、この選択マップをもとに変速機出
力回転数Nout(車速VSP)から到達入力回転数DS
RREVを検索して求める。
【0058】ところで、ステップS48においてマニュ
アル変速のアップシフト(UP)信号が発生したと判定
する時は、ステップS50において目標マニュアル変速
段SFTPOSを1段高速側のマニュアル変速段(SF
TPOS+1)とし、ステップS51でこれが最高速段
である第6速になった(SFTPOS>6)と判定した
以後はステップS52でSFTPOS=6にする。一方
で、ステップS49においてマニュアル変速のダウンシ
フト(DN)信号が発生したと判定する時は、ステップ
S53において目標マニュアル変速段SFTPOSを1
段低速側のマニュアル変速段(SFTPOS−1)と
し、ステップS54でこれが最低速段である第1速にな
った(SFTPOS<1)と判定した以後はステップS
55でSFTPOS=1にする。以上のようにアップシ
フト指令やダウンシフト指令で目標マニュアル変速段S
FTPOSが更新された時はステップS56において、
ステップS50,S52,S53,S55で決定された
目標マニュアル変速段SFTPOS(第1速〜第6速)
に対応したマップを図9から選択し、この選択マップを
もとに変速機出力回転数Nout(車速VSP)から到達
入力回転数DSRREVを検索して求める。
【0059】上記により選択レンジごとの到達入力回転
数DSRREVが求められた後は、図6のステップS2
8において、図13のごとくに、この到達入力回転数D
SRREVを変速機出力回転数Noutで除算して変速
比無限大無段変速機の定常的な目標である到達IVT変
速比DIVTRTOを求めると共に、その逆数である到
達IVT速度比INVDIVTRTOをもとめる。
【0060】次いで図6のステップS29において、こ
れら到達IVT変速比DIVTRTOおよび到達IVT
速度比INVDIVTRTOを所定時定数のフィルター
に通して過渡的な目標である時々刻々の目標IVT変速
比IVTRTOおよびその逆数である目標IVT速度比
INVIVTRTOを求める。
【0061】上記ステップS29で行われる目標IVT
変速比IVTRTOおよび目標IVT速度比INVIV
TRTOの演算は、図14に示すサブルーチンにより以
下の如くに行われる。まず最初のステップで、スロット
ル開度TVOや車速VSPなどの運転状態に基づいて、
図示しないマップや関数等から、到達IVT変速比DI
VTRTOおよび到達IVT速度比INVDIVTRT
Oをどのような変速応答で達成するかを定めるための変
速時定数TgTMを演算する。次のステップでは、到達
IVT変速比DIVTRTOと前回の目標IVT変速比
IVTRTOとの偏差に上記の変速時定数TgTMを乗
じたものから、次のようにして目標IVT変速比IVT
RTOを演算する。 IVTRTO=IVTRTO+TgTM(DIVTRT0 −IVTRTO) 次のステップでは、同様にして目標IVT変速比の逆数
である目標IVT速度比INVIVTRTOを、 INVIVTRTO =INVIVTRTO+TgTM×(INVDIVTRT0−INVIVTR
TO ) により演算する。なお、上記変速時定数TgTMは1次
のローパスフィルタで構成されるが、2次などのローパ
スフィルタであってもよい。
【0062】上記のようにして求めた目標IVT変速比
の逆数である目標IVT速度比INVIVTRTOは、
図2に示すIVT速度比Etの目標値であり、この目標
値を決定した後に図6のステップS30で、図2のマッ
プをもとに目標IVT速度比INVIVTRTO(IV
T速度比Etの目標値)から目標CVT変速比RATI
O0を検索して求める。
【0063】以上のようにして図6のステップS30で
目標CVT変速比RATIO0を検索した後は、同図の
ステップS31において前記したSFTMODEをもと
に伝動モードの判定が行われる。つまりステップS31
では、現在の伝動モードがSFTMODE=1(動力循
環モード)か、SFTMODE=3(直結モード)のい
ずれであるかを判定し、判定結果に応じて動力循環モー
ドならステップS32に制御を進め、直結モードなら制
御をステップS33に進める。
【0064】動力循環モード(SFTMODE=1)の
ときは、図2から明らかなように動力循環モードから直
結モードへの切り換え(アップシフト)が発生し得るた
め、ステップS32で図15に示すようにして、当該切
り換えを行うべきアップシフト判定用の変速機出力回転
数を求める。図15においては先ず、MレンジかMレン
ジ以外かをチェックし、Mレンジ意外なら、Dレンジ用
変速パターンを示す図17に表記するごとくに定めたア
ップシフト線αを選択し、Mレンジなら、Mレンジ用変
速パターンを示す図18に表記するごとくに定めたアッ
プシフト線γを選択し、当該選択したアップシフト線α
またはγをもとに到達入力回転数DSRREVからモー
ド切り換えアップシフト判定用の判定出力回転数を検索
する。
【0065】上記のようにモード切り換えアップシフト
判定出力回転数を求めた後は、図6のステップS34で
変速機出力回転数Noutが、このモード切り換えアッ
プシフト判定出力回転数以上となったか否かを判定す
る。変速機出力回転数Noutがこのモード切り換えア
ップシフト判定出力回転数以上になると、モード切り換
えを行う領域に入っているため、ステップS35でこの
こと(モード切り換え中)を示すようにSFTMODE
を2に変更すると共にSFTフラグを1(アップシフ
ト)にセットしてサブルーチンを終了する。なおSFT
フラグは、1のときに動力循環モードから直結モードへ
のアップシフトを示し、2のときに直結モードから動力
循環モードへのダウンシフトを示し、0のときには伝動
モード(SFTMODE)の維持を示すものとする。
【0066】一方、ステップS34で変速機出力回転数
Noutがアップシフト判定出力回転数未満と判定する
場合には、動力循環モードから直結モードへのモード切
り換えを指令する領域に入っていないため、モード切り
換え不要としてそのままサブルーチンを終了する。
【0067】ステップS31でSFTMODE=3(直
結モード)と判定する時に選択されるステップS33で
は、図2から明らかなように直結モードから動力循環モ
ードへの切り換え(ダウンシフト)が発生し得るため、
図16に示すようにして、当該切り換えを行うべきダウ
ンシフト判定用の変速機出力回転数を求める。図16に
おいては先ず、MレンジかMレンジ以外かをチェック
し、Mレンジ意外なら、Dレンジ用変速パターンを示す
図17に表記するごとくに定めたダウンシフト線βを選
択し、Mレンジなら、Mレンジ用変速パターンを示す図
18に表記するごとくに定めたアップシフト線δを選択
し、当該選択したダウンシフト線βまたはδをもとに到
達入力回転数DSRREVからモード切り換えダウンシ
フト判定用の判定出力回転数を検索する。
【0068】上記のようにモード切り換えダウンシフト
判定出力回転数を求めた後は、図6のステップS36で
変速機出力回転数Noutが、このモード切り換えダウ
ンシフト判定出力回転数未満になったか否かを判定す
る。変速機出力回転数Noutがこのモード切り換えダ
ウンシフト判定出力回転数未満になると、モード切り換
えを行う領域に入っているため、ステップS37でこの
こと(モード切り換え中)を示すようにSFTMODE
を2に変更すると共にSFTフラグを2(ダウンシフ
ト)にセットしてサブルーチンを終了する。
【0069】一方、ステップS36で変速機出力回転数
Noutがダウンシフト判定出力回転数以上と判定する
場合には、直結モードから動力循環モードへのモード切
り換えを指令する領域に入っていないため、モード切り
換え不要としてそのままサブルーチンを終了する。
【0070】以上のごとく図6、図7、および図13〜
図16に基づいて図5のステップS4が実行された後
は、同図のステップS5において前記のSFTMODE
が1か、2か、3か、それ以外かにより、伝動モードが
動力循環モード(SFTMODE=1)か、モード切り
換え中(SFTMODE=2)か、直結モード(SFT
MODE=3)か、それ以外のいずれであるかを判定す
る。動力循環モードなら制御をステップS6に進めて動
力循環モード制御を行い、モード切り換え中なら制御を
ステップS8に進めてモード切り換え制御を行い、直結
モードなら制御をステップS7に進めて直結モード制御
を行い、これら以外なら制御をステップS9に進めて対
応するその他の制御を行う。
【0071】図4のステップS6における動力循環モー
ド制御は図19に示すごときもので、先ずステップS6
1において、目標ロークラッチ圧を最大値に、また目標
ハイクラッチ圧を最低値にして、ロークラッチ31の締
結を指令すると共にハイクラッチ33の解放を指令す
る。次のステップS62ではCVT比制御モードを判定
し、このCVT比制御モードは通常制御の時0にされ、
CVT変速比を保持する時1にされ、通常制御への遷移
中2にされ、モード切り換え中の通常制御時3にされる
ものとする。
【0072】ステップS62でCVT比制御モードが0
または3であると判定される時、ステップS63におい
て、最終目標CVT変速比RATIO1に図6のステッ
プS30で求めた目標CVT変速比RATIO0をセッ
トする。ステップS62でCVT比制御モードが1また
は2であると判定される時、ステップS64において、
最終目標CVT変速比RATIO1を所定時定数TgT
MSFTのローパスフィルターに通して、RATIO1
=RATIO1+TgTMSFT(RATIO0−RA
TIO1)を求める。
【0073】次いでステップS65において、最終目標
CVT変速比RATIO1および目標CVT変速比RA
TIO0間における偏差の絶対値が所定値未満になった
か否かをチェックし、未満になったところでステップS
66においてCVT比制御モードを0にすることにより
ステップS62がステップS63を選択するようにな
す。以上のようにステップS63またはステップS64
で最終目標CVT変速比RATIO1を求めた後はステ
ップS67において、CVT変速比フィードバック補償
量FBRTOを図20のようにして求める。
【0074】図20では、先ず最終目標CVT変速比R
ATIO1と実CVT変速比icv との偏差errを
求め、次いでこの偏差errに比例定数KP(運転条件
に応じて任意に与え得る)を掛けて求めた比例制御分
と、偏差errに積分定数KI(運転条件に応じて任意
に与え得る)を掛けて求めた積分制御分IntgRとの
和値をもってCVT変速比フィードバック補償量FBR
TOとする。図19のステップS68では、最終目標C
VT変速比RATIO1にCVT変速比フィードバック
補償量FBRTOを加算して指令CVT変速比i
cvt0とする。
【0075】図4のステップS7における直結モード制
御は図21に示すごときもので、先ずステップS71に
おいて、目標ロークラッチ圧を最低値に、また目標ハイ
クラッチ圧を最大値にして、ロークラッチ31の解放を
指令すると共にハイクラッチ33の締結を指令する。次
のステップS72ではCVT比制御モードを判定し、C
VT比制御モードが0または3であると判定される時、
ステップS73において、最終目標CVT変速比RAT
IO1に図6のステップS30で求めた目標CVT変速
比RATIO0をセットする。ステップS72でCVT
比制御モードが1または2であると判定される時、ステ
ップS74において、最終目標CVT変速比RATIO
1を所定時定数TgTMSFTのローパスフィルターに
通して、RATIO1=RATIO1+TgTMSFT
(RATIO0−RATIO1)を求める。
【0076】次いでステップS75において、最終目標
CVT変速比RATIO1および目標CVT変速比RA
TIO0間における偏差の絶対値が所定値未満になった
か否かをチェックし、未満になったところでステップS
76においてCVT比制御モードを0にすることにより
ステップS72がステップS73を選択するようにな
す。以上のようにステップS73またはステップS74
で最終目標CVT変速比RATIO1を求めた後はステ
ップS77において、CVT変速比フィードバック補償
量FBRTOを図20につき前述したように求め、ステ
ップS78で、最終目標CVT変速比RATIO1にC
VT変速比フィードバック補償量FBRTOを加算して
指令CVT変速比icvt0とする。
【0077】図4のステップS8におけるモード切り換
え制御は図22に示すごときもので、先ずステップS8
1において、当該モード切り換えに際して行うべきイニ
シャライズが終了しているか否かを判定し、終了してい
ないと判定する時ステップS82において変速タイマを
クリアすると共にCVT比制御モードを0にし、終了し
ていると判定する時ステップS82をスキップする。次
のステップS83では、モード切り換え制御が開始され
てから所定時間が経過したか否かをチェックし、所定時
間が経過するまでの間は制御をステップS84〜ステッ
プS90に進める。
【0078】ステップS84では、図23のようにし
て、目標IVT変速比IVTRTOから最終目標CVT
変速比RATIO1を算出する。つまり図23のステッ
プS111において、最終目標CVT変速比RATIO
1が所定値RATIOA以上か否かをチェックし、ステ
ップS112でCVT比制御モードを判別する。ステッ
プS11で最終目標CVT変速比RATIO1が所定値
RATIOA以上でないと判別するか、若しくはステッ
プS112でCVT比制御モードが3であると判定する
時は、ステップS113において最終目標CVT変速比
RATIO1に、図6のステップS30で求めた目標C
VT変速比RATIO0をセットする。
【0079】ステップS11で最終目標CVT変速比R
ATIO1が所定値RATIOA以上であると判別し、
且つステップS112でCVT比制御モードが0である
と判定する時、ステップS114において到達IVT変
速比の逆数INVDIVTRTOから図2のマップをも
とに到達CVT変速比DRATIOを検索する。そして
ステップS115で、最終目標CVT変速比RATIO
1が到達CVT変速比DRATIO以上であるか否かを
チェックし、以上になるまでステップS113において
最終目標CVT変速比RATIO1に目標CVT変速比
RATIO0をセットする。ステップS115で、最終
目標CVT変速比RATIO1が到達CVT変速比DR
ATIO以上になったと判定する時、ステップS116
でCVT比制御モードを1にする。
【0080】なお本実施の形態においては、Mレンジで
の伝動モード切り換えを含むマニュアル変速段間ではR
ATIO1=RATIO0になるよう設定しておき、マ
ニュアル変速のアップシフト(US)信号やダウンシフ
ト(DN)信号が発生した時は直ちにこの判断がなされ
るものとする。
【0081】ステップS112でCVT比制御モードが
1であると判定する時、制御をそのまま終了させること
により、モード切り換え中はCVT変速比が最終目標C
VT変速比RATIO1を保持されるようにする。ステ
ップS112でCVT比制御モードが2であると判定す
る時、ステップS117において、最終目標CVT変速
比RATIO1を所定時定数TgTMSFTのローパス
フィルターに通して、RATIO1=RATIO1+T
gTMSFT(RATIO0−RATIO1)を求め
る。
【0082】次いでステップS118において、最終目
標CVT変速比RATIO1および目標CVT変速比R
ATIO0間における偏差の絶対値が所定値未満になっ
たか否かをチェックし、未満になったところでステップ
S119においてCVT比制御モードを3にすることに
よりステップS112がステップS113を選択するよ
うになす。以上のようにステップS113またはステッ
プS117で最終目標CVT変速比RATIO1を求め
た後は、図22のステップS85において、前記のSF
Tフラグが1か否かにより動力循環モードから直結モー
ドへのアップシフトか逆に直結モードから動力循環モー
ドへのダウンシフトかを判定する。
【0083】アップシフトである場合ステップS86に
おいて、アップシフトのシークエンスに従ってロークラ
ッチ圧の計算を行うと共にハイクラッチ圧の計算を行
い、ダウンシフトである場合ステップS87においてダ
ウンシフトのシークエンスに従ってロークラッチ圧の計
算を行うと共にハイクラッチ圧の計算を行う。なお、ア
ップシフト時におけるクラッチ圧の計算とダウンシフト
時におけるクラッチ圧の計算とは、ロークラッチおよび
ハイクラッチの締結、解放が逆転するのみで、同様な手
順によることから、ここではクラッチ圧の計算をアップ
シフト時について図24により詳述する。
【0084】図24のステップS121においては、C
VT変速比icvtおよび周知の方法で算出しておいた
変速機入力トルクから、ロークラッチ圧マップに基づき
ロークラッチ圧指令値を算出し、次のステップS122
では、CVT変速比icvtおよび周知の方法で算出し
ておいた変速機入力トルクから、ハイクラッチ圧マップ
に基づきハイクラッチ圧指令値を算出する。次いでステ
ップS123〜ステップS126において、変速タイマ
が順次に大きいUP所定値1未満か、UP所定値2未満
か、UP所定値3未満か、UP所定値4未満かどうかを
判定する。
【0085】変速タイマがUP所定値1未満である間は
ステップS127において、ロークラッチ圧指令値を、
ロークラッチ圧マップから算出されたロークラッチ圧に
クラッチ内部のリターンスプリング力に対向する圧力で
あるLCsprを足した圧とし、次いでステップS12
8においてハイクラッチ圧指令値をプリチャージ圧であ
る所定値HCprchに保持し、その後ステップS12
9でIVT比制御モードを1にする。ここでIVT比制
御モードは、通常制御時0にされ、モード切り換え開始
時1にされ、イナーシャフェーズ中2にされ、イナーシ
ャフェーズ終了時3にされるものとする。
【0086】変速タイマがUP所定値2未満である間は
ステップS130において、ロークラッチ圧指令値をス
テップS127と同様に、ロークラッチ圧マップから算
出されたロークラッチ圧にクラッチ内部のリターンスプ
リング力に対向する圧力であるLCsprを足した圧と
し、次いでステップS131においてハイクラッチ圧指
令値をハイクラッチ内部におけるリターンスプリング力
に対向する圧である所定値HCsprに贈圧する。
【0087】変速タイマがUP所定値3未満である間は
ステップS132において、締結ゲイン1を変速タイマ
値からUP所定値2を差し引いた差値と、UP所定値3
からUP所定値2を差し引いた差値との比により求める
と共に、締結ゲイン2を1と締結ゲイン1との差値とす
る。次いでステップS133において、ロークラッチ圧
を以下の演算、 ロークラッチ圧=所定値LCspr+ロークラッチ圧×
締結ゲイン2 により求める。ここでロークラッチ圧は、ロークラッチ
圧マップから算出したロークラッチ圧に1よりも小さい
値である締結ゲイン2を掛けることで低下されることと
なる。次にステップS134で、ハイクラッチ圧を以下
の演算、 ハイクラッチ圧=所定値HCspr+(ハイクラッチ圧
+所定値)×締結ゲイン1 により求める。ここで(ハイクラッチ圧+所定値)にお
ける所定値は、イナーシャフェーズで回転変化を生じさ
せるための余裕分で、車速VSPやスロットル開度TV
Oに応じて適宜に与える。そしてステップS135にお
いて、詳しくは図25につき後述するがハイクラッチ圧
指令値のフィードバック量計算を行う。
【0088】変速タイマがUP所定値4未満である間は
ステップS136において、ロークラッチ圧指令値を所
定値LCsprに保持し、次いでステップS137にお
いてIVT比制御モードを2にした後、制御をステップ
S134、ステップS135に進める。変速タイマがU
P所定値4以上になったらステップS138において、
ロークラッチ圧指令値を最低値にし、次いでステップS
139においてハイクラッチ圧指令値を前回計算値と所
定値HCdeltaとの和値とする。
【0089】図24のステップS135で行うハイクラ
ッチ圧指令値のフィードバック量計算は図25に示すご
ときもので、先ずステップS141において、図26の
マップをもとに最終目標CVT変速比RATIO1から
変速前IVT変速比IVTRATIOAを求め、更にス
テップS142において、図27のマップをもとに最終
目標CVT変速比RATIO1から変速後IVT変速比
IVTRATIOBを求める。次にステップS143に
おいて、IVT比制御モードが1か否かによりモード切
り換えが開始されているか否かをチェックする。
【0090】IVT比制御モードが1であれば、ステッ
プS144において変速前IVT変速比IVTRATI
OAおよび目標IVT変速比IVTRTO間の差の絶対
値|IVTRATIOA−IVTRTO|がイナーシャ
フェーズ開始判定のための所定値以上か否かによりイナ
ーシャフェーズが開始されたか否かを判定する。イナー
シャフェーズ開始と判定する時ステップS145におい
て、このことを示すようにIVT比制御モードを2にす
る。イナーシャフェーズが未だ開始されていなければス
テップS146において、IVT変速タイマをクリア
し、次いでステップS147において、ハイクラッチ圧
のフィードバック量PRSFBを0にリセットすると共
に積分値PRSINTGを0にリセットする。
【0091】ステップS144でイナーシャフェーズ開
始と判定し、ステップS145でIVT比制御モードを
2にした後は、ステップS149において、最終目標I
VT変速比IVTRTO1を、IVTRTO1=〔IV
TRATIOA+(IVTRATIOB−IVTRAT
IOA)〕/〔目標変速時間×IVT変速タイマ〕によ
り求め、次いでステップS150において、最終目標I
VT変速比IVTRTO1と目標変速比IVTRTOと
の偏差ierr(=IVTRTO1−IVTRTO)を
求める。なお目標変速時間は、スロットル開度TVOや
車速VSP等の運転条件から自由に与えることができ
る。
【0092】ステップS151では、ハイクラッチ圧の
フィードバック量PRSFBを以下のようにして求め
る。先ず、上記の変速比偏差ierrおよび積分ゲイン
KIivtから積分項PRSINTGをPRSINTG
=PRSINTG+ierr×KIivtにより求め、
次いで比例ゲインKPitvを用いてハイクラッチ圧フ
ィードバック量PRSFBをPRSFB=ierr×K
Pitv+PRSFBを求める。更にステップS152
でハイクラッチ圧を、当該フィードバック量PRSFB
だけ嵩上げし、ステップS153でIVT変速タイマを
更新する。
【0093】ステップS143でIVT比制御モードが
1でないと判別する時は、ステップS148において、
変速後IVT変速比IVTRATIOBおよび目標IV
T変速比IVTRTO間の差の絶対値|IVTRATI
OB−IVTRTO|がイナーシャフェーズ終了判定の
ための所定値未満か否かによりイナーシャフェーズが終
了したか否かを判定する。終了前のイナーシャフェーズ
中であれば、上記したステップS149〜ステップS1
53の処理を引き続いて実行する。
【0094】ステップS148でイナーシャフェーズ終
了と判定する時は、ステップS154において変速タイ
マをUP所定値4とし、次いでステップS155におい
てCVT比制御モードを2とし、更にステップS156
においてIVT比制御モードを3とする。
【0095】以上のように図24および図25で(図2
2のステップS86で)アップシフトシークエンスに従
った目標ロークラッチ圧および目標ハイクラッチ圧の決
定後、若しくは図22のステップS87でダウンシフト
シークエンスに従った目標ロークラッチ圧および目標ハ
イクラッチ圧の決定後は、図22のステップS88にお
いて変速タイマの更新を行い、次いでステップS89に
おいて、図20につき前述したようにしてCVT変速比
フィードバック補償量FBRTOを算出し、更にステッ
プS90において、前記の目標CVT変速比RATIO
0に上記CVT変速比フィードバック補償量を加算して
FBRTO指令CVT変速比icv t0を求める。
【0096】図22のステップS83でモード切り換え
制御の開始から所定時間が経過したと判定する時は、変
速終了処理のために先ずステップS91で前記のSFT
フラグが1か否かによりアップシフトかダウンシフトか
を判定する。アップシフト判定時はステップS92でロ
ークラッチ圧を最低値に指令すると共にハイクラッチ圧
を最高値に指令した後、ステップS93でSFTMOD
Eを3にすると共にSFTフラグを0にする。一方でダ
ウンシフト判定時はステップS94でロークラッチ圧を
最高値に指令すると共にハイクラッチ圧を最低値に指令
した後、ステップS95でSFTMODEを1にすると
共にSFTフラグを0にする。
【0097】以上のようにロークラッチ圧およびハイク
ラッチ圧を限界値に指令した後はステップS96におい
てイニシャライズ終了フラグをクリアし、次いでステッ
プS97においてIVT比制御モードを0にし、これら
により次回のモード切り換えに備える。
【0098】図4のステップS6、またはステップS
7、或いはステップS8で前記したごとくに指令CVT
変速比icvto、目標ロークラッチ圧、および目標ハ
イクラッチ圧を求めた後は、ステップS10〜S12に
おいてこれらの目標を実現するための信号を出力する。
ステップS10においては、図28のようにして、図2
9のマップを基に指令CVT変速比icvtoを達成す
るためのステップモータ22の目標駆動位置(目標ステ
ップ数)を求める。次にステップS11で、図30のよ
うにして、目標ロークラッチ圧および目標ハイクラッチ
圧を実現するためのロークラッチソレノイド24および
ハイクラッチソレノイド25の駆動デューティを図31
のマップに基づき算出する。そしてステップS12にお
いて、ステップモータ22を上記の目標駆動位置(目標
ステップ数)となるよう駆動すると共に、上記のデュー
ティ比に応じロークラッチソレノイド24およびハイク
ラッチソレノイド25を駆動する。
【0099】ステップS13においては、エンジンコン
トローラ47へ前記のIVT比制御モードを送信し、エ
ンジンコントローラ47はIVT比制御モードに応じ
て、IVT比制御モード=1の時タイマ制御下で徐々に
エンジンのトルクダウン量を増大し、IVT比制御モー
ド=2の時エンジンのトルクダウン量を最大にし、IV
T比制御モード=3の時タイマ制御下で徐々にエンジン
のトルクダウン量を0にする。かかるエンジンのトルク
ダウンにより、アップシフトモード切り換え時における
所定の変速ショック軽減が行われるが、ダウンシフト時
のように変速ショックの軽減に際しては逆にエンジンの
トルクアップが要求されることもある。
【0100】上記した実施の形態になる変速比無限大無
段変速機の変速制御装置に係わる動作タイムチャートを
図32に例示する。図32は、Mレンジ第3速(SFT
POS=3)が選択された動力循環モード(SFTMO
DE=1)での走行中、瞬時t1にアップシフト(U
P)指令が発生してMレンジ第4速(SFTPOS=
4)が指令され、直結モード(SFTMODE=3)へ
のモード切り換え(SFTMODE=2)によるMレン
ジ第3速からMレンジ第4速へのアップシフトが行われ
る場合の動作タイムチャートである。当該マニュアル変
速段間での変速時は、図10につき前述したごとくCV
T変速比が同じであるように第3速および第4速が設定
されているため、最終目標CVT変速比RATIO1は
図10のicvt34に保持される。但し目標CVT変
速比RATIO0は、自動変速レンジの目標値であるか
らIVT速度比INVIVTRTO0に応じて変化す
る。
【0101】動力循環モード(SFTMODE=1)か
ら直結モード(SFTMODE=3)へのモード切り換
え(SFTMODE=2)によるMレンジ第3速からM
レンジ第4速へのアップシフトは、当該モード切り換え
を司るロークラッチ31の締結→解放切り換え(ローク
ラッチ圧の図示する低下)、およびハイクラッチ33の
解放→締結切り換え(ハイクラッチ圧の図示する上昇)
により遂行される。これらクラッチの状態切り換えに起
因して発生するイナーシャフェーズの開始が瞬時t2に
検知されると、最終目標IVT変速比IVTRATIO
1が算出されるようになり、これが達成されるようにハ
イクラッチ圧のフィードバック制御が図示のごとくに行
われる。そして、イナーシャフェーズの終了が検知され
る瞬時t3にハイクラッチ圧のフィードバック制御が終
了し、以後はハイクラッチ圧を一定の勾配で上昇させる
ランプ制御に移行し、変速制御終了瞬時t4にハイクラ
ッチ圧を最高値にする。
【0102】上記アップシフトの進行につれてIVT比
制御モードは0→1→2→3のように順次変化し、これ
を受けてエンジンコントローラ47はIVT比制御モー
ドに応じ図示のごとく、IVT比制御モード=1の時タ
イマ制御下で徐々にエンジンのトルクダウン量を増大
し、IVT比制御モード=2の時エンジンのトルクダウ
ン量を最大にし、IVT比制御モード=3の時タイマ制
御下で徐々にエンジンのトルクダウン量を0にする。こ
れにより、当該トルクダウンを行わなかった場合におけ
る二点鎖線で示す変速機出力軸トルク波形との比較から
明らかなように、変速時間を長引かせることなく変速シ
ョックを大幅に軽減することができる。
【0103】上記した実施の形態によれば、マニュアル
変速段の設定に際し、モード切り換えが必要となる回転
同期点(RSP)にはマニュアル変速段を設定せず、図
10に示すごとくモード切り換えが必要となる回転同期
点(RSP)の近辺に設定する必要がある、相互に隣り
合った一対のマニュアル変速段(図10では第3速、第
4速)をそれぞれ、同じCVT変速比icvt34のも
とで達成されるよう設定したため、当該相互に隣り合っ
た一対のマニュアル変速段間での変速に際しても、当該
モード切り換えのためのロークラッチ31およびハイク
ラッチ33の締結、解放切り換えのみで所定のマニュア
ル変速を行わせることができて、トロイダル型無段変速
機構の変速制御は不要である。従ってマニュアル変速に
際し、クラッチの掛け換え制御と無段変速機構の変速制
御との同時制御が要求されることがなくなり、制御が煩
雑になるのを防止し得ると共に、滑らかな変速制御を容
易に実現することができる。
【0104】しかも、かかるマニュアル変速段の設定方
式によれば以下の作用効果をも奏し得る。つまり、マニ
ュアル変速段を第2図に示すように設定する従来の方式
では、つまりモード切り換えが必要となる回転同期点
(RSP)にマニュアル変速段を設定するのでは、この
回転同期点(RSP)が変速比無限大無段変速機の構成
で決まってしまうことから、これを基準にして要求段間
比となるよう設定する必要がある各マニュアル変速段の
変速比が少なからず拘束されて、動力性能などの要求に
鑑み各マニュアル変速段の変速比をある方向へずらそう
としても実現できないことが多い。これに対し本実施の
形態におけるように、モード切り換えが必要となる回転
同期点(RSP)の近辺に設定する必要があって、相互
に隣り合った一対のマニュアル変速段(図10の第3
速、第4速)をそれぞれ、同じCVT変速比icvt
34のもとで達成されるよう設定する場合、上記のよう
な拘束が若干幅を持ったものになって緩和され、マニュ
アル変速段の設定に関する自由度を高くすることができ
る。
【0105】また本実施の形態においては、上記隣り合
った一対のマニュアル変速段(第3速および第4速)間
以外の残りのマニュアル変速段間における段間比が上記
隣り合った一対のマニュアル変速段間における段間比と
ほぼ同じ関係になるよう残りのマニュアル変速段を設定
したため、Vベルト式無段変速機やトロイダル型無段変
速機と同様の手法でマニュアル変速段を設定して、無限
大変速比の分だけ幅広い変速レンジでのマニュアル変速
を実現可能である。
【0106】本実施の形態においては更に、上記隣り合
った一対のマニュアル変速段(第3速、第4速)間にお
ける変速を、ロークラッチ31およびハイクラッチ33
の前記した締結進行制御および解放進行制御により、所
定の変速応答で進行させるため、マニュアル変速であり
ながら、変速応答を任意に設定することができて大いに
有利である。
【0107】また本実施の形態においては、上記隣り合
った一対のマニュアル変速段間での変速時に、エンジン
出力トルクを変速ショック対策用に補正するため、クラ
ッチの掛け換えのみによるモード切り換え変速であって
も、変速時間を長くすることなく変速ショックを軽減さ
せることができる。しかも当該エンジン出力トルクの補
正量を決定するに際し、ロークラッチおよびハイクラッ
チの締結進行制御および解放進行制御による回転変化に
応じてこれを決定するため、イナーシャフェーズ前後で
のエンジン出力トルク補正量を変速ショックの大きさに
マッチさせることができて上記の作用効果を一層顕著な
ものにすることが可能となり、他のマニュアル変速段間
のCVT比制御によるマニュアル変速と同等の滑らかな
変速フィーリングを実現させることができる。
【0108】図33は本発明の他の実施の形態を示し、
本実施の形態においては図23におけるサブルーチンに
ステップS120を追加する。ステップS120は、ス
テップS112でCVT比制御モードが1であると判定
するモード切り換え中に実行されるもので、前記した実
施の形態においてはこのとき制御をそのまま終了させる
ことによりモード切り換え中CVT変速比を最終目標C
VT変速比RATIO1に保持するようにしたが、本実
施の形態においてはステップS120で最終目標CVT
変速比RATIO1を補正するようになす。
【0109】この補正は図34に示すようにして行い、
時定数がTgTMHOSのローパスフィルターを用いて
最終目標CVT変速比RATIO1を目標CVT変速比
RATIO0による補正を加え、 RATIO1=RATIO1+TgTMHOS×(RA
TIO0−RATIO1) のようなものとする。この場合、最終目標CVT変速比
RATIO1が隣り合った一対のマニュアル第3速およ
び第4速間での変速時にモード切り換え同期点(RS
P)方向へ補正されることとなり、当該変速を司るロー
クラッチおよびハイクラッチの締結、解放容量を低減し
てショックの小さな変速を実現することが可能になる。
【0110】本実施の形態におけるマニュアル変速の動
作タイムチャートを図35に示す。図35は、図32と
同じマニュアル変速を行った場合の動作を示し、モード
切り換え中に最終目標CVT変速比RATIO1が図示
のごとくモード切り換え同期点(RSP)方向へ補正さ
れ、これに伴い回転変化量も小さくなるのでエンジント
ルクダウン量が、図32のトルク波形を移記した二点鎖
線との比較から明らかなように小さくなる。また、最終
目標CVT変速比RATIO1の上記補正に伴い目標ロ
ークラッチ圧および目標ハイクラッチ圧がそれぞれ、図
32の油圧波形を移記した二点鎖線との比較から明らか
なように低下され、変速機出力軸トルクも、図32のト
ルク波形を移記した二点鎖線との比較から明らかなよう
に滑らかにされてショックを小さなものにすることがで
きる。
【0111】なおトロイダル型無段変速機構2の変速制
御に際しては、パワーローラ9を回転自在に支持した部
材(トラニオン)の変形を主たる原因として、更にガタ
が加わって生じた、パワーローラとパワーローラ支持部
材との間におけるオフセット方向相対変位が外乱となっ
て、変速制御系へのフィードバック量を、本来フィード
バックすべき量に対して狂わしてしまう、所謂トルクシ
フトを生じ、変速精度の低下を生ずる知られている。そ
こでトルクシフトによる変速制御への影響を回避するた
めに通常、変速アクチュエータ(ステップモータ22)
の操作量を少なくとも、指令変速比icvt に対応す
る基準操作量と、トルクシフトを補償するための予め定
めたトルクシフト補償操作量との和で決定する。
【0112】変速比無限大無段変速機(IVT)におい
ては、動力循環モードと直結モードの2つのモードを有
し、同じ車両前進時であっても動力循環モードと直結モ
ードとで、トロイダル型無段変速機構2に流れるトルク
の方向が逆になり、それに伴いトルクシフトも逆方向に
生じるため、トルクシフト補償によるアクチュエータ操
作方向も逆にする必要がある。従って本発明においては
図示しなかったが、回転同期点(RSP)を挟んでその
両側に設定したマニュアル第3速と第4速とで、CVT
比を同一値に維持するために、上記トルクシフト補償量
分のアクチュエータ操作量を逆方向にすることは言うま
でもない。
【0113】なお上記実施の形態においては何れの場合
も、無段変速機構がトロイダル型無段変速機構2である
場合について説明したが、無段変速機構がVベルト式無
段変速機構である場合においても本発明は同様の考え方
により適用して同様の作用効果を奏し得ることことは言
うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる変速制御装置を
具えた変速比無限大無段変速機の伝動系を示す略線図で
ある。
【図2】 同変速比無限大無段変速機の変速制御特性
を、その速度比と無段変速機構の変速比との関係として
示した線図である。
【図3】 同変速比無限大無段変速機の変速制御系を示
すシステム図である。
【図4】 同変速制御系における変速機コントローラが
実行する変速制御プログラムの全体を示すフローチャー
トである。
【図5】 同変速制御プログラム内における変速比演算
処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図6】 同変速制御プログラム内における伝動モード
判別処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図7】 同伝動モード判別処理における目標入力回転
数演算処理のサブルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図8】 変速比無限大無段変速機のDレンジにおける
変速パターン図である。
【図9】 変速比無限大無段変速機のMレンジにおける
変速パターン図である。
【図10】 図9のMレンジ用変速パターンにおけるマ
ニュアル変速段を、図2と同じ変速比無限大無段変速機
の速度比と無段変速機構の変速比との関係マップ上に表
示して示した線図である。
【図11】 図9のMレンジ用変速パターンよりもクロ
スレシオにマニュアル変速段を設定した場合におけるM
レンジ用変速パターンを示す線図である。
【図12】 回転同期点の両側にマニュアル第4速と第
5速とを割り振った場合におけるMレンジ用変速パター
ンを示す線図である。
【図13】 図6の伝動モード判別プログラム内におけ
る到達IVT変速比および速度比算出処理を示すサブル
ーチンのフローチャートである。
【図14】 図6の伝動モード判別プログラム内におけ
る目標IVT変速比および速度比算出処理を示すサブル
ーチンのフローチャートである。
【図15】 図6の伝動モード判別プログラム内におけ
るアップシフト判定用変速機出力回転数算出処理を示す
サブルーチンのフローチャートである。
【図16】 図6の伝動モード判別プログラム内におけ
るダウンシフトシフト判定用変速機出力回転数算出処理
を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図17】 Dレンジでのアップシフト判定用変速機出
力回転数およびダウンシフトシフト判定用変速機出力回
転数を示す線図である。
【図18】 Mレンジでのアップシフト判定用変速機出
力回転数およびダウンシフトシフト判定用変速機出力回
転数を示す線図である。
【図19】 図4の変速制御プログラム内における動力
循環モード制御に係わるサブルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図20】 同動力循環モード制御における変速比フィ
ードバック補償量算出処理を示すサブルーチンのフロー
チャートである。
【図21】 図4の変速制御プログラム内における直結
モード制御に係わるサブルーチンを示すフローチャート
である。
【図22】 図4の変速制御プログラム内におけるモー
ド切り換え制御を示すサブルーチンのフローチャートで
ある。
【図23】 同モード切り換え制御における最終目標C
VT変速比の算出処理を示すサブルーチンのフローチャ
ートである。
【図24】 同モード切り換え制御におけるアップシフ
ト時クラッチ圧計算処理を示すサブルーチンのフローチ
ャートである。
【図25】 同アップシフト時クラッチ圧計算プログラ
ムにおけるハイクラッチ圧フィードバック量計算処理を
示すフローチャートである。
【図26】 同ハイクラッチ圧フィードバック量計算処
理において変速前IVT変速比を求めるのに用いた変速
比関係線図である。
【図27】 同ハイクラッチ圧フィードバック量計算処
理において変速後IVT変速比を求めるのに用いた変速
比関係線図である。
【図28】 図4の変速制御プログラム内におけるステ
ップモータ駆動位置算出処理を示すサブルーチンのフロ
ーチャートである。
【図29】 指令CVT変速比を実現するためのステッ
プモータ目標駆動位置を示す線図である。
【図30】 図4の変速制御プログラム内におけるソレ
ノイド駆動デューティ算出処理を示すサブルーチンのフ
ローチャートである。
【図31】 クラッチ目標油圧を実現するためのソレノ
イド駆動デューティを示す線図である。
【図32】 図4〜図31の変速制御によるマニュアル
変速動作タイムチャートである。
【図33】 本発明の他の実施の形態になる変速制御装
置を示す、図23と同様なフローチャートである。
【図34】 同実施の形態において最終目標CVT変速
比を補正する処理を示すサブルーチンのフローチャート
である。
【図35】 同実施の形態におけるマニュアル変速の動
作タイムチャートである。
【図36】 従来の変速比無限大無段変速機の動力伝達
経路を模式的に示す概略線図である。
【符号の説明】
ENG エンジン(原動機) 1 入力軸 2 トロイダル型無段変速機構 3 出力軸 4 遊星歯車組 5 トロイダル伝動ユニット 6 トロイダル伝動ユニット 7 入力ディスク 8 出力ディスク 9 パワーローラ 11 ピボットシャフト 12 CVT出力歯車 21 コントロールバルブボディー 22 ステップモータ(変速アクチュエータ) 24 ロークラッチソレノイド 25 ハイクラッチソレノイド 31 ロークラッチ 32 歯車 33 ハイクラッチ 34 アイドラギヤ 35 減速歯車組 36 ファイナルドライブギヤ組 37 ディファレンシャルギヤ装置 41 変速機コントローラ 42 変速機入力回転センサ 43 変速機出力回転センサ 44 CVT出力回転センサ 45 スロットル開度センサ 46 車速センサ 47 エンジンコントローラ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年5月23日(2001.5.2
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23
【補正方法】変更
【補正内容】
【図23】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/00 F02D 29/00 H // F16H 59:06 F16H 59:06 63:06 63:06 Fターム(参考) 3D041 AA53 AC06 AC19 AD02 AD04 AD31 AD51 AE03 AE17 AE31 AF01 3G093 AA06 BA03 CB08 DA06 DB01 DB05 DB11 DB23 EA02 EB02 EB03 FA04 FA10 3J552 MA29 NA01 NB01 PA02 RA28 SB08 UA08 VA32 VA37 VA62 VA68 VB01 VC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速比を無段階に変化させ得る無段変速
    機構および遊星歯車組の組み合わせになり、 原動機から無段変速機構への入力回転をロークラッチの
    締結により遊星歯車組の1要素に伝達する時、該遊星歯
    車組の他の1要素を経て無段変速機構の出力回転メンバ
    より入力回転メンバに動力を循環させつつ、この循環動
    力を前記遊星歯車組の残りの1要素から取り出す動力循
    環モードが選択され、 前記ロークラッチを解放してハイクラッチを締結する
    時、このハイクラッチを経て無段変速機構の出力回転メ
    ンバから動力を直接取り出すことができる直結モードが
    選択され、 マニュアル変速モードでは、前記無段変速機構の変速制
    御と、所要に応じた前記動力循環モードおよび直結モー
    ド間でのモード切り換えとにより、予め設定しておいた
    複数のマニュアル変速段への変速が可能となるようにし
    た変速比無限大無段変速機において、 前記モードが異なる相互に隣り合った一対のマニュアル
    変速段をそれぞれ、無段変速機構の同じ変速比のもとで
    達成されるよう設定したことを特徴とする変速比無限大
    無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、残りのマニュアル変
    速段間における段間比が前記隣り合った一対のマニュア
    ル変速段間における段間比とほぼ同じ関係になるよう残
    りのマニュアル変速段を設定したことを特徴とする変速
    比無限大無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記隣り合
    った一対のマニュアル変速段間における変速を、前記ロ
    ークラッチおよびハイクラッチの締結進行制御および解
    放進行制御により、所定の変速応答で進行させるよう構
    成したことを特徴とする変速比無限大無段変速機の変速
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記隣り合った一対
    のマニュアル変速段間での変速時に、前記原動機からの
    出力トルクを変速ショック対策用に補正するよう構成し
    たことを特徴とする変速比無限大無段変速機の変速制御
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記ロークラッチお
    よびハイクラッチの締結進行制御および解放進行制御に
    よる回転変化に応じ、前記原動機出力トルクの補正量を
    決定するよう構成したことを特徴とする変速比無限大無
    段変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、前記隣り合った一対
    のマニュアル変速段間での変速時に、前記無段変速機構
    の変速比をモード切り換え同期点方向へ補正するよう構
    成したことを特徴とする変速比無限大無段変速機の変速
    制御装置。
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