JP2002339320A - 防音壁 - Google Patents

防音壁

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JP2002339320A
JP2002339320A JP2001148165A JP2001148165A JP2002339320A JP 2002339320 A JP2002339320 A JP 2002339320A JP 2001148165 A JP2001148165 A JP 2001148165A JP 2001148165 A JP2001148165 A JP 2001148165A JP 2002339320 A JP2002339320 A JP 2002339320A
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公夫 三谷
Hiroshi Ochi
寛 越智
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄道高架橋等の大きな振動を伴う箇所につい
ても、防音性能を低下させることのない、軽量構成の採
用が可能な防音壁を提供する。 【解決手段】 鉄道軌道、道路などに設置される防音壁
において、防音部と建築物躯体への取付部とを有し、防
音壁内における防音部から建築物躯体までの間に(防音
部および建築物躯体を除く。)、他の部分よりも弾性率
または剛性の低い部分が存在することを特徴とする防音
壁。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道軌道、道路な
どに設置される防音壁の構造に関するものであり、特に
優れた防音性能を有する防音壁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道軌道、道路などに設置される
防音壁には、その防音性能を確保するために、コンクリ
ート等の比較的重い素材が用いられてきた。特に、騒音
だけでなく大きな振動の発生を伴う、鉄道高架橋等に設
置する防音壁については、そのほとんどがコンクリート
製、もしくは鉄製支柱にコンクリートパネルを取り付け
たものであった。
【0003】最近になって、主として施工性向上の観点
から、軽量な防音壁の需要が高まり、コンクリートに限
らず、プラスチックなどの軽量な素材を用いた防音壁が
開発されつつある。しかし、特に鉄道高架橋等に設置す
る防音壁については、車両通過時に発生する振動によ
り、防音壁が軽量であると共振しやすくなり、その共振
により防音性能が低下する可能性があるため、軽量な防
音壁を採用することが難しかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、特に鉄道高架橋等の大きな振動を伴う箇所について
も、防音性能を低下させることのない、軽量構成の採用
が可能な防音壁を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る防音壁は、鉄道軌道、道路などに設置
される防音壁において、防音部と建築物躯体への取付部
とを有し、防音壁内における防音部から建築物躯体まで
の間に(防音部および建築物躯体を除く。)、他の部分
よりも弾性率または剛性の低い部分が存在することを特
徴とするものからなる。
【0006】上記他の部分よりも弾性率または剛性の低
い部分とは、防音壁内に防音壁構成部分の一部として設
けられるものであり、防音壁と建築物躯体との間に設け
られる通常の防振ゴムなどの防振部材あるいは振動吸収
部材とは異なるものである。すなわち、本発明に係る防
音壁は鉄道軌道、道路などに対し屋外に設けられるもの
であるので、通常の単なる防振ゴム等を使用すると雨や
日光に曝されて経年劣化により十分に長い耐用年数が期
待できないため、十分に長い耐用年数を確保できる防音
壁構成部分の一部として、上記他の部分よりも弾性率ま
たは剛性の低い部分が設けられる。
【0007】上述の他の部分よりも弾性率または剛性の
低い部分は、防音部を支える柱体または該柱体を建築物
躯体に固定する取付部の一部分として構成することがで
きる。また、他の部分よりも弾性率または剛性の低い部
分は、防音部を支える柱体と、柱体を建築物躯体に固定
する取付部との間に設けられることもできる。さらに、
他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分は、建築物
躯体への取付部と建築物躯体との間に設けられた、防音
壁の一構成部材として構成することもできる。
【0008】この他の部分よりも弾性率または剛性の低
い部分は、次のような特性を備えていることが好まし
い。たとえば、他の部分よりも弾性率または剛性の低い
部分に対して、その部分よりも防音部側にある部分の総
重量の10倍の荷重を負荷したときに、他の部分よりも
弾性率または剛性の低い部分の最大変形量が1mm以上
であることが好ましい。
【0009】すなわち、防音壁そのものを、バネに支え
られた質点と考えると、その質点バネ系の固有振動数f
は、 f=1/2π×√(K/M) K:バネ定数 M:質量 となる。これより、 K=(2πf)2 ×M となり、バネ定数Kを、上式で得られる値よりも小さく
(軟らかく)すれば、fを超える振動数の振動は、質点
に伝わりにくいものと考えられる。そして、fを、人間
の耳障りな音にならない50Hzとすると、 K=10万×M となる。ここで、単位をSI系からkg、mmに読み替
えると、 10万×M(N/m)=10×M(kgf/mm) となり、これは、自重の10倍の荷重を負荷した場合、
1mm変形するバネに相当する。したがって、前述の如
く、他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分よりも
防音部側にある部分の総重量の10倍の荷重を負荷した
ときに、他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分の
最大変形量が1mm以上であると、優れた防振効果が得
られ、それによって優れた防音効果が得られることにな
る。
【0010】また、より具体的には、他の部分よりも弾
性率または剛性の低い部分は、厚さ6mm以下の金属製
単板で形成することができる。また、他の部分よりも弾
性率または剛性の低い部分は、厚さ10mm以下の繊維
強化プラスチック製単板で形成することもできる。
【0011】すなわち、他の部分よりも弾性率または剛
性の低い部分は、各種の方法によって形成できる。たと
えば、他の部分よりも軟らかい材質(たとえば、スチー
ルに対してアルミ、金属に対して繊維強化プラスチック
(FRP)、FRPに対してはゴムなど)を用いること
により、この部分を構成できる。また、他の部分よりも
形状的に軟らかくする(たとえば、厚さを薄くする、サ
ンドイッチ構成を単板にするなど)ことにより、この部
分を構成することもできる。また、FRPの場合には、
強化繊維の配向を変更したり(たとえば、0°配向を4
5°配向に変更)や強化繊維の含有量を変更することに
よって、他の部分よりも弾性率または剛性の低くするこ
とが可能である。これらのいずれの手法を用いても差し
支えない。特にこの部分をFRPで構成する場合には、
強化繊維の配向を工夫することにより、強度を落とすこ
となく剛性を落とすことができるので、風圧に耐えなけ
ればならない防音壁の場合には、理想的なものを実現で
きる可能性が高い。
【0012】本発明における防音部は特に限定されず、
コンクリート製や金属製、繊維強化プラスチック製のも
ののいずれでもよい。防音壁全体の軽量性を重視する場
合には、とくに繊維強化プラスチックを用いて構成した
ものが好ましい。たとえば、少なくとも防音部が、心材
と心材の両面側に位置する繊維強化プラスチック製のス
キン材とで構成されていることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の防音壁の望まし
い実施の形態について、実施例に基づいて説明する。
【0014】
【実施例】実施例1 図1および図2は、本発明の実施例1に係る防音壁の斜
視図で、図1は正面側から見た図、図2はその背面側か
ら見た図である。実際の設置に際しては図の防音壁1を
複数個水平方向や上下方向に併設して連続した防音壁を
構成する。いずれの側を車輌の通行側にするかはその用
途や設置場所によるが、鉄道車輌の場合は通常、背面側
を車輌の通行側にする。
【0015】本実施例では、防音壁1は、防音部2と、
柱体3と、取付部4とで構成され、これらが一体的に成
形されている。本実施例においては、取付部4は防音部
2の下部に設けられている。ただし、設置場所によって
は、防音部2の左右または上部であってもよく、このよ
うな態様も本発明に含まれる。
【0016】防音部2は、騒音の拡散防止と保線作業員
の転落防止とを達成するための平面形状に形成されてお
り、かつ、複数の防音部2を連接できるよう、矩形状に
形成されている。断面構造は、図1に示すように、中心
に位置する心材2dと、その両面側に位置するスキン材
2a、2bと、両スキン材2a、2bをつなぐリブ2c
とからなり、これらは一体成形されている。防音部2の
外形寸法は、用途にもよるが、鉄道高架橋における高欄
として使用する場合は、縦寸法Hが500〜3000m
m、好ましくは1000〜2000mm、横寸法(幅)
Wは1体で最大25m位まで実現可能であり(それ以上
になると、寸法的に運搬が難しくなる。)、比較的小型
のものを連接する場合、横寸法Wが500〜2000m
m、厚さTが10〜100mmの各範囲内であること
が、騒音の拡散防止と保線作業員の転落防止の観点上好
ましい。横寸法Wが比較的大きい場合には、防音部2の
少なくとも一部を、高架橋などのカーブに沿って湾曲し
た湾曲部に形成し、防音壁として曲面部を有するものに
構成することもできる。
【0017】心材2dは、防音とともに、曲げ剛性確保
のためのスペーサの役割をするものであり、その材質と
しては、例えば30倍発泡の硬質ウレタン発泡体等の軽
量の材料を用いることが好ましいが、その他木材、ハニ
カム材としてもよい。また、防音効果を高めるために振
動減衰効果の高い材料を選択する等、特殊な機能を付加
するための材料を用いてもよい。心材2dの好ましい厚
さt1 は8〜98mmの範囲であり、より好ましくは3
0〜70mmの範囲内である。
【0018】スキン材2a、2bは、本発明の防音壁の
外表面を構成するもので、繊維強化プラスチックで構成
されている。強化繊維としては、例えばガラス繊維、炭
素繊維、アラミド繊維等が挙げられ、その繊度は100
〜2000dtexの範囲内のものが好ましいが、小片
の落下防止等の観点からは200〜1000dtexが
より好ましい。また、マトリクス樹脂としては、例え
ば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエ
ステル樹脂等が挙げられるが、小片の落下防止の観点か
らはエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。強化繊維の体
積含有率Vfとしては、15〜60%が好ましく、30
〜50%がより好ましい。また、防音部2の全厚さT
と、各スキン材2a、2bの厚さt2 との比T:t2
しては、5:1〜50:1の範囲内にあることが好まし
い。この範囲を超えてスキン材2a、2bの厚さt2
厚くなると、本発明の防音壁の特徴である軽量性が損な
われる。また、逆にスキン材2a、2bがこの範囲より
も薄くなると、防音壁に必要な主として台風時等の風圧
に対する強度が十分に発現できなくなるおそれがある。
とくに軽量性を確保するためには、柱体3と取付部4を
除く、防音部2の単位面積あたりの重量が、10〜60
kg/m2 の範囲内にあることが好ましい。
【0019】また、難燃性を重視する場合には、スキン
材2a、2bを形成する繊維強化プラスチックのマトリ
クス樹脂として高難燃性の樹脂、たとえばフェノール樹
脂を用いることも可能である。
【0020】柱体3は、防音部2の両側を支持するもの
で、その構成は本実施例では前述の防音部と同様、中心
部の心材3bとこれを包囲する繊維強化プラスチックか
らなるスキン材3aとで構成されている。本実施例で
は、柱体3は、その外形形状が防音部2の上下方向に沿
って先細になるように形成されており、防音部2と一体
的に成形されている。なお、柱体3は、防音部2に強度
を要する場合に必要に応じて設けるものであるが、例え
ば台風シーズン時のように相当の風圧に耐えるには、防
音部2のスキン材2a、2bの内部に、炭素繊維強化プ
ラスチックからなる層を少なくともスキン材に対する厚
さ比で5%以上含むことが望ましい。また、さらに強化
するためには、柱体3のスキン材3aも同様に炭素繊維
強化プラスチックからなる層を少なくともスキン材に対
する厚さ比で5%以上含むことが望ましい。また、風圧
に対する防音壁のたわみや共振を防ぐ必要があるが、そ
の場合には、防音部や柱体部におけるスキン材2a、2
bやスキン材3aの強化繊維の種類や量、マトリクス樹
脂の種類を適宜設計することで両部材の曲げ剛性を高く
することができる。
【0021】このような構造を採用することにより、防
音部2には柱体3間の幅方向のみに強度と剛性を持た
せ、柱体部には鉛直方向にのみ強度と剛性を持たせれば
よくなり、繊維強化プラスチック特有の材料異方性を利
用した、強度・剛性上無駄な材料を使用しない設計が可
能となり、さらなる軽量化を実現することができる。
【0022】このように、面体としての防音部2には主
として横(幅)方向に強度と剛性を持たせればよいの
で、防音部2の繊維強化プラスチック製スキン材2a、
2bが、たとえば、柱体3の延在方向に対して60°以
上の傾きを持つ方向に延びる連続強化繊維を含むことが
好ましい。また、リブ2cについても、面体としての防
音部2には主として横(幅)方向に強度と剛性を持たせ
ればよいので、リブ2cの少なくとも一部が、たとえ
ば、柱体3の延在方向に対して60°以上の傾きを持つ
方向に延設されていることが好ましい。
【0023】取付部4は、本実施例では、側面形状が三
角形状のものに形成されており、ケミカルアンカー5
a、金属プレート5b、ナット5cなどで建築物躯体6
に固定されるが、要はコンクリート面や金属面などの躯
体にボルト、ナット類などの適当な締結金具で固定され
ればよいので、その固定手段、形状、材質、寸法などに
は限定されない。
【0024】このような本実施例に係る防音壁1では、
まず、軽量化が可能となる。すなわち、防音部2と柱体
3とが繊維強化プラスチックからなるスキン材を用いて
構成されているので、コンクリートや鉄等の一般的な金
属に比べて比強度が高く、防音壁用パネルとしての必要
な強度を持たせることと大幅な軽量化を図ることがで
き、重機類などの専用架設装置を用いずとも高所への設
置を容易にできる。
【0025】そして、本実施例においては、防音壁1内
における防音部2から建築物躯体6までの間に設けられ
る、他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分7は、
繊維強化プラスチック製の取付部4のアンカー5aの挿
通部分、つまり、取付部4の一部として、あるいは、取
付部4と建築物躯体6との間に設けられる部分として、
形成されている。この他の部分よりも弾性率または剛性
の低い部分7は、本実施例では、厚さ6mmのガラス繊
維強化プラスチック製の単板に構成されている。
【0026】この他の部分よりも弾性率または剛性の低
い部分7が、振動の防止や振動による騒音発生の防止に
対し有効に作用するには、つまり、振動を有効に吸収す
るかあるいは振動伝播経路を有効に遮断するには、その
低い弾性率または剛性を発現させるために変形を許容で
きるように固定されていなければならない。このこと、
および、この他の部分よりも弾性率または剛性の低い部
分7による効果を確認するために、以下のような試験を
行った。
【0027】図3に示すように、上記防音壁1を、加振
装置の加振テーブル11上に固定し、加振時に防音壁1
に伝達されてくる振動を、防音部2の上端部近傍に取り
付けた加速度ピックアップ12により、振動周波数(H
z)に対する加速度(G)として測定した。
【0028】まず、図4に示すように(図4は防音壁1
を図2の矢印A方向から観た防音壁部分を示してい
る。)、防音壁1の他の部分よりも弾性率または剛性の
低い部分7を完全に加振テーブル11の上面に密着させ
て固定したところ、振動周波数(Hz)に対する加速度
(G)の特性は図5に示すようになった。この固定方法
では、他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分7が
完全に加振テーブル11の上面に密着固定されているの
で、部分7の独自の変形は許容されず、したがって、本
発明で意図した、部分7の弱い弾性率または剛性の特性
は発揮されていない。この場合、図5に示すように、軽
量の防音壁1は、種々の周波数域で共振し、とくに20
0Hz〜300Hzの領域内でいくつかの共振点を有し
ており、優れた防音効果を発現しにくくなっていること
がわかる。
【0029】次に、図6に示すように、防音壁1の他の
部分よりも弾性率または剛性の低い部分7を、スペーサ
13を介在させて加振テーブル11の上面から浮かせた
状態で固定し、部分7の変形を許容してその低い弾性率
または剛性を発現可能にして測定したところ、振動周波
数(Hz)に対する加速度(G)の特性は図7に示すよ
うになった。この場合、図7に示すように、軽量の防音
壁1であっても、加振テーブル11からの振動は、他の
部分よりも弾性率または剛性の低い部分7により効果的
に吸収あるいは遮断され、共振の発生がほとんど完全に
防止されて、防音部2における振動はきわめて小さく抑
えられていることがわかる。つまり、防音壁1内に、こ
のような他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分7
が存在することにより、軽量の防音壁1であっても共振
が効率よく抑えられ、所望の防音効果を発現させること
が可能とされていることがわかる。
【0030】このように、本発明では、防音壁内の建築
物躯体から防音部に至るまでの経路に、他の部分よりも
弾性率または剛性の低い部分を存在させることにより、
きわめて有効に共振の発生を防止でき、その結果、防音
部に設計的に意図した所望の性能を発揮させることが可
能になる。
【0031】実施例2 図8〜図12は、本発明の実施例2に係る防音壁および
それを用いた試験を示している。図8は、一つの防音壁
21を示しており、本実施例においては、防音部22
は、平板状のパネルに構成されており、該防音部22は
前述の図1に示したような、心材と心材の両面側に位置
するスキン材とのサンドイッチ構造を有している。この
防音部22に、金属製の柱体23、本実施例では肉厚2
mmのSUS製のパイプからなる柱体23が、防音部2
2と一体的に設けられている。柱体23は防音部22の
下方まで延び、この延設部分が建築物躯体への取付部2
4に構成されている。防音部22内にリブを設ける場合
には、柱体23の延在方向25に対して60°以上の傾
きを持つ方向26に延設されることが好ましい。また、
防音部22の繊維強化プラスチック製スキン材は、柱体
23の延在方向25に対して60°以上の傾きを持つ方
向に延びる連続強化繊維を含むことが好ましい。
【0032】このような防音壁21を、図9に示すよう
に、鉄道高架橋27の防音壁として複数連接した。高架
橋27の側面に対し、高架橋27の側面に設けたアンカ
ーボルト28を用い、図10、図11にも示すようにス
ペーサ29を介在させて取付部24を浮かせた状態でナ
ット30により固定した。また、取付部24の外面側に
は高架橋27の側面を覆うカバー31を設け、アンカー
ボルト32、ナット33により固定した。高架橋27の
トラフ部34の鉄道側にはバラスト35が敷設されてい
るが、反対側のトラフ部34と防音壁21との間は空間
が形成されてしまうので、保線作業等のためにこの空間
を埋めるべく、適当な充填ブロック36が介装されてい
る。
【0033】このような構成の防音壁21では、とくに
図9、図11に示すように、肉厚2mmのSUS製のパ
イプからなる柱体23が高架橋27の側面に対し浮かせ
た状態で固定されているので、図11の矢印で示すよう
に、薄いSUS製の板状体からなる柱体23の高架橋2
7側部分の変形が許容され、この部分が、本発明で言
う、他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分37と
なる。高架橋27と防音部22との間に、この他の部分
よりも弾性率または剛性の低い部分37が存在すること
により、高架橋27の振動は防音部22にはきわめて伝
わりにくくなり、防音部22による意図した所望の防音
効果が良好に発揮される。
【0034】この効果を確認するために、図12に示す
ように、既存のコンクリートブロック製の防音壁を撤去
した後、上記防音壁21を、その頂部の高さが側道41
から6mの高さになるように、かつ、鉄道中心から2m
の位置に配設し、民家42のそばの、側道41上で防音
壁21設置位置から4m離れた場所で、地上1mの位置
にて、マイク43により騒音レベルを測定した。その結
果、コンクリートブロック製防音壁撤去前の状態での騒
音レベル72dBに対して、2dB改善の70dBとい
う測定値を得た。ちなみに、騒音レベルを2dB改善す
ることは、一般には非常に難しいと考えられている。
【0035】実施例3(設計例) 実際の試験は行わなかったが、本発明に係る防音壁は図
13に示すように構成することも可能である。すなわ
ち、図11に示した構造に比べ、建築物躯体51から防
音壁の柱体52の反建築物躯体側に位置する板体部分5
3まで延びる段付アンカーボルト54を設け、該板体部
分53をナット55を用いて固定する構造とすることも
できる。この板体部分53を、本発明で言う、他の部分
よりも弾性率または剛性の低い部分に構成することによ
り、図11に示したのと同様の作用、効果を得ることが
可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防音壁に
よれば、防音壁内に他の部分よりも弾性率または剛性の
低い部分を存在させることにより、鉄道高架橋等からの
振動を適切に遮断して防音部に伝わらないようにするこ
とができ、特に鉄道高架橋等の大きな振動を伴う箇所に
ついても、軽量構成の防音壁でありながら優れた防音性
能を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る防音壁の正面方向から
見た場合の斜視図である。
【図2】図1の防音壁を背面方向から見た場合の斜視図
である。
【図3】図1の防音壁を加振テーブル上に固定した試験
状態を示す斜視図である。
【図4】図3の試験において防音壁を直接加振テーブル
上に固定した状態を示す、防音壁を図2のA方向から見
た部分断面図である。
【図5】図4の状態における試験結果を示す特性図であ
る。
【図6】図3の試験において防音壁をスペーサにより浮
かして加振テーブル上に固定した状態を示す、防音壁を
図2のA方向から見た部分断面図である。
【図7】図6の状態における試験結果を示す特性図であ
る。
【図8】本発明の実施例2に係る防音壁の斜視図であ
る。
【図9】図8の防音壁を鉄道高架橋に取り付けた状態を
示す断面図である。
【図10】図9における柱体部の取付方法を示す分解斜
視図である。
【図11】図10の取付方法により取り付けられた部分
の断面図である。
【図12】実施例2における試験の様子を示す概略断面
図である。
【図13】本発明の実施例3に係る防音壁の部分断面図
である。
【符号の説明】
1 防音壁 2 防音部 2a、2b スキン材 2c リブ 2d 心材 3 柱体(部) 3a 柱体部のスキン材 3b 柱体部の心材 4 取付部 5a ケミカルアンカー 5b 金属プレート 5c ナット 6 建築物躯体 7 他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分 11 加振テーブル 12 加速度ピックアップ 13 スペーサ 21 防音壁 22 防音部 23 柱体 24 取付部 27 高架橋 28 アンカーボルト 29 スペーサ 30 ナット 31 カバー 32 アンカーボルト 33 ナット 34 トラフ部 35 バラスト 36 充填ブロック 37 他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分 41 側道 42 民家 43 マイク 51 建築物躯体 52 防音壁の柱体 53 他の部分よりも弾性率または剛性の低い部分とし
ての板体部分 54 段付アンカーボルト 55 ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三谷 公夫 大阪府大阪市北区芝田一丁目16番1号 阪 急電鉄株式会社内 (72)発明者 越智 寛 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515番地 東 レ株式会社愛媛工場内 (72)発明者 吉村 康輔 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 2D001 AA01 BA02 BB01 CA01 CB01 CC02 CD02 5D061 AA06 AA16 AA22 BB21 CC01 DD06 DD07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道軌道、道路などに設置される防音壁
    において、防音部と建築物躯体への取付部とを有し、防
    音壁内における防音部から建築物躯体までの間に(防音
    部および建築物躯体を除く。)、他の部分よりも弾性率
    または剛性の低い部分が存在することを特徴とする防音
    壁。
  2. 【請求項2】 他の部分よりも弾性率または剛性の低い
    部分が、防音部を支える柱体または該柱体を建築物躯体
    に固定する取付部の一部分であることを特徴とする、請
    求項1に記載の防音壁。
  3. 【請求項3】 他の部分よりも弾性率または剛性の低い
    部分が、防音部を支える柱体と、柱体を建築物躯体に固
    定する取付部との間に設けられていることを特徴とす
    る、請求項1に記載の防音壁。
  4. 【請求項4】 他の部分よりも弾性率または剛性の低い
    部分が、建築物躯体への取付部と建築物躯体との間に設
    けられた、防音壁の一構成部材からなることを特徴とす
    る、請求項1に記載の防音壁。
  5. 【請求項5】 他の部分よりも弾性率または剛性の低い
    部分に対して、その部分よりも防音部側にある部分の総
    重量の10倍の荷重を負荷したときに、他の部分よりも
    弾性率または剛性の低い部分の最大変形量が1mm以上
    であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記
    載の防音壁。
  6. 【請求項6】 他の部分よりも弾性率または剛性の低い
    部分が、厚さ6mm以下の金属製単板で形成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の防
    音壁。
  7. 【請求項7】 他の部分よりも弾性率または剛性の低い
    部分が、厚さ10mm以下の繊維強化プラスチック製単
    板で形成されていることを特徴とする、請求項1〜5の
    いずれかに記載の防音壁。
  8. 【請求項8】 少なくとも防音部が、心材と心材の両面
    側に位置する繊維強化プラスチック製のスキン材とで構
    成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれ
    かに記載の防音壁。
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