JP2002338522A - 2−アルキル−2−アダマンチルα−トリフルオロメチルアクリレートの製造方法 - Google Patents

2−アルキル−2−アダマンチルα−トリフルオロメチルアクリレートの製造方法

Info

Publication number
JP2002338522A
JP2002338522A JP2001143075A JP2001143075A JP2002338522A JP 2002338522 A JP2002338522 A JP 2002338522A JP 2001143075 A JP2001143075 A JP 2001143075A JP 2001143075 A JP2001143075 A JP 2001143075A JP 2002338522 A JP2002338522 A JP 2002338522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
adamantyl
adamantanol
acid chloride
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001143075A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Sato
藤 勝 之 佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Mektron KK
Original Assignee
Nippon Mektron KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Mektron KK filed Critical Nippon Mektron KK
Priority to JP2001143075A priority Critical patent/JP2002338522A/ja
Publication of JP2002338522A publication Critical patent/JP2002338522A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 α−トリフルオロメチルアクリル酸クロ
ライド中に溶存する酸性ガスをあらかじめ脱気した後、
もしくは超音波照射下で、2−アルキル−2−アダマン
タノールと塩基の存在下において溶媒中で接触させ、反
応を行うことにより2−アルキル−2−アダマンチル
α−トリフルオロメチルアクリレートを製造する。 【効果】 本発明の製造方法によれば、2−アルキル−
2−アダマンチルα−トリフルオロメチルアクリレート
の製造の際に、一般的な塩基存在下での反応で多量に副
生する2−アルキレンアダマンタンの生成を激減させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、2−アルキル−2−アダ
マンチル α−トリフルオロメチルアクリレートの製造
方法に関する。さらに詳しくは、容易に重合可能な不飽
和結合を有し、熱的安定性、化学的安定性、良好な光学
特性、さらには界面活性特性を有し、種々の産業分野に
おける化学原料として有用である2−アルキル−2−ア
ダマンチル α−トリフルオロメチルアクリレートを高
純度で製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般に種々のカルボン酸第3級ア
ルキルエステルは、第3級アミンなどの塩基の存在下に
おいて、適当なカルボン酸クロライドと第3級アルキル
アルコールを接触させ、反応を行うことによって製造さ
れる。かかるカルボン酸第3級アルキルエステルの1つ
であるアクリル酸誘導体およびアダマンタン骨格を有す
る誘導体からなるエステル(以下、アダマンチルアクリ
レート類という。)は、容易に重合可能な不飽和結合を
有し、熱的安定性、化学的安定性、良好な光学特性、さ
らには界面活性特性を有することから、化学増幅型レジ
スト原料をはじめ、種々の産業分野における化学原料と
して有用であることが知られている。特にトリフルオロ
メチル置換基を有するアダマンチルアクリレート類を構
成単位とするレジスト樹脂は、トリフルオロメチル置換
基の存在により、主鎖の電子密度が低くなり、放射線の
露光による主鎖の分解が起こりやすくなるため、化学増
幅型レジストとして有用であることが特開平9-43848号
公報に記載されている。
【0003】しかし、従来のアダマンチルアクリレート
類の製造方法では、エステル化反応の際に不純物が多量
に副生するため、カラム精製や蒸留などの精製操作が必
要となり、カラム精製では時間を要するため効率的でな
く、また、蒸留による精製では系内の極微量の酸分が触
媒となりアダマンチルアクリレート類の酸解離を促進
し、収率を大きく低下させてしまうという問題点があっ
た。また、特開2000-309558号公報には、非フッ素系
(メタ)アクリル酸ハライドと2−アダマンタノール類
とから2−アダマンチル(メタ)アクリレート類を生成
し、活性炭を用いた吸着除去により精製する方法が記載
されている。
【0004】しかし、この方法によりトリフルオロメチ
ル置換基を有するアダマンチルアクリレート類、たとえ
ば2−アルキル−2−アダマンチル α−トリフルオロ
メチルアクリレートを製造しようとすると、2−アルキ
ル−2−アダマンタノールから見掛け上脱水した、また
は2−アルキル−2−アダマンチル α−トリフルオロ
メチルアクリレートの酸解離によって生成した下記一般
式[II]
【0005】
【化2】
【0006】(式[II]中R'はHまたはC1〜C5の飽和炭化
水素)のような2−アルキレンアダマンタンの生成が大
部分となり、2−アルキル−2−アダマンチル α−ト
リフルオロメチルアクリレートがほとんど得られないと
いう問題があった。本発明者らは、上記の従来技術に伴
う問題を解決すべく、鋭意研究の結果、α−トリフルオ
ロメチルアクリル酸クロライドをあらかじめ脱気して用
いるか、または超音波照射下で2−アルキル−2−アダ
マンタノールと接触させ、反応を行うことにより、α−
トリフルオロメチルアクリル酸クロライド中に溶存する
酸性ガスを除去し、副生物である2−アルキレンアダマ
ンタンの生成を抑制しながら容易に2−アルキル−2−
アダマンチル α−トリフルオロメチルアクリレートを
製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、蒸留精製を行うことなく、副
生物の少ない高純度の2−アルキル−2−アダマンチル
α−トリフルオロメチルアクリレートを容易に製造す
ることができる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る2−アルキル−2−アダマ
ンチル α−トリフルオロメチルアクリレートの製造方
法は、α−トリフルオロメチルアクリル酸クロライド
と、一般式[I]
【0009】
【化3】
【0010】(式[I]中Rは、C1〜C6の飽和炭化水素)で
表される、2−アルキル−2−アダマンタノールとを塩
基の存在下で接触させることを特徴とする。本発明の製
造方法においては、酸性ガスを脱気したα−トリフルオ
ロメチルアクリル酸クロライドを用いることが好まし
い。前記酸性ガスの脱気には、超音波を用いることが好
ましい。
【0011】また、本発明の製造方法においては、前記
α−トリフルオロメチルアクリル酸クロライドと、前記
2−アルキル−2−アダマンタノールとを超音波照射下
で接触させることも好ましい。さらに本発明の製造方法
においては、前記一般式[I]で表される2−アルキル
−2−アダマンタノールが、2−メチル−2−アダマン
タノールであることが好ましい。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明は、2−アルキル−2−アダマンチル
α−トリフルオロメチルアクリレートの製造方法であっ
て、α−トリフルオロメチルアクリル酸クロライド中に
溶存する酸性ガスをあらかじめ脱気した後、もしくは超
音波照射下で、2−アルキル−2−アダマンタノールと
塩基の存在下において溶媒中で接触させ、反応を行うこ
とにより2−アルキル−2−アダマンチル α−トリフ
ルオロメチルアクリレートを製造する。
【0013】本発明で用いられるα−トリフルオロメチ
ルアクリル酸クロライドは、α−トリフルオロメチルア
クリル酸と、塩化チオニル、オキサリルクロライド、ベ
ンゾイルクロライド、三塩化リンなどの一般的な塩素化
剤とを反応させることによって容易に得られ、さらに蒸
留することで、高純度のα−トリフルオロメチルアクリ
ル酸クロライドを容易に得ることができる。
【0014】また、本発明で用いられる2−アルキル−
2−アダマンタノールは、下記一般式[I]
【0015】
【化4】
【0016】(式[I]中Rは、C1〜C6の飽和炭化水素)で
表され、具体的には2−メチル−2−アダマンタノー
ル、2−エチル−2−アダマンタノール、2−プロピル
−2−アダマンタノール、2−ブチル−2−アダマンタ
ノール、2−ペンチル−2−アダマンタノール、2−ヘ
キシル−2−アダマンタノールなどが挙げられる。これ
らのうちでは、2−メチル−2−アダマンタノール、2
−エチル−2−アダマンタノールが反応性の点から好ま
しく用いられる。
【0017】前記α−トリフルオロメチルアクリル酸ク
ロライドと前記一般式[I]で表される2−アルキル−
2−アダマンタノールとのモル比は、好ましくは、0.9
〜2.0の範囲、より好ましくは、1.0〜1.3の範囲にある
ことが望ましい。本発明の製造方法におけるエステル化
反応では、α−トリフルオロメチルアクリル酸クロライ
ドに前処理として超音波を照射し、α−トリフルオロメ
チルアクリル酸クロライド中に溶存する塩化水素などの
酸性ガスを系外に除去するなど、あらかじめ酸性ガスを
脱気したα−トリフルオロメチルアクリル酸クロライド
を用いて反応を行うか、あるいはこのような前処理を行
わない場合には、超音波照射下でα−トリフルオロメチ
ルアクリル酸クロライドと2−アルキル−2−アダマン
タノールとを塩基の存在下で接触させ、α−トリフルオ
ロメチルアクリル酸クロライド中の酸性ガスを脱気しつ
つ反応を行うことが好ましい。
【0018】なお、前処理として超音波を照射してα−
トリフルオロメチルアクリル酸クロライド中の酸性ガス
を脱気した後、さらにこのα−トリフルオロメチルアク
リル酸クロライドを用いて、超音波照射下で2−アルキ
ル−2−アダマンタノールと塩基の存在下で反応させる
こともできる。このようなα−トリフルオロメチルアク
リル酸クロライド中の酸性ガスの脱気は、超音波を照射
することによって行うことが好ましい。また、窒素、ヘ
リウム、アルゴンなどの不活性ガスをバブリングするこ
とによっても可能である。なお、α−トリフルオロメチ
ルアクリル酸クロライド中の酸性ガスの脱気に使用する
超音波および反応中に照射する超音波は、市販の超音波
洗浄機を用いることにより得ることができ、周波数25〜
40kHzのものが好ましい。このようにしてα−トリフル
オロメチルアクリル酸クロライド中の酸性ガスを脱気す
ること、特に超音波を用いて脱気することで、副生物で
ある2−アルキレンアダマンタンの生成を有効に抑制す
ることができる。
【0019】反応に用いられる溶媒としては、たとえば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル
系、塩化メチレン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素
系、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系のよう
な有機溶剤が挙げられる。このような溶媒は、2−アル
キル−2−アダマンタノールの濃度が0.05〜5モル/リッ
トルの範囲となるように用いることが好ましく、さらに
0.3〜1.0モル/リットルの範囲となるように用いること
がより好ましい。また、溶媒中に水が存在するとα−ト
リフルオロメチルアクリル酸クロライドが加水分解を起
こすため、溶媒中の含水率は好ましくは500ppm以下、よ
り好ましくは100ppm以下になるように脱水して用いるこ
とが望ましい。
【0020】また、反応中に発生する塩化水素を除くた
めの塩基(以下、受酸剤ともいう。)を併用することも
できる。たとえばトリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミンなどの脂肪族第三級アミン、ピリ
ジン、N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミン、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩
などが挙げられ、特にトリエチルアミンが好ましく用い
られる。
【0021】これらの塩基を用いる場合は、α−トリフ
ルオロメチルアクリル酸クロライドに対して、該塩基を
好ましくは1〜5モル倍、より好ましくは1.3〜1.7モル倍
で用いることが望ましい。以下に、本発明に係る2−ア
ルキル−2−アダマンチル α−トリフルオロメチルア
クリレートの製造方法について、より具体的に説明す
る。
【0022】反応は、乾燥した不活性ガス雰囲気下で、
溶媒、受酸剤、2−アルキル−2−アダマンタノールを
混合した溶液を、内温が好ましくは-20〜30℃、さらに
好ましくは-5〜20℃となるように、α−トリフルオロメ
チルアクリル酸クロライドを滴下することによって行わ
れることが望ましい。その際、前記の前処理により酸性
ガスを脱気したα−トリフルオロメチルアクリル酸クロ
ライドを用いるか、あるいは超音波照射下でα−トリフ
ルオロメチルアクリル酸クロライドと2−アルキル−2
−アダマンタノールとの反応を行うことができる。ま
た、前記の前処理により酸性ガスを脱気したα−トリフ
ルオロメチルアクリル酸クロライドを用いて、超音波照
射下で2−アルキル−2−アダマンタノールとの反応を
行うこともできる。
【0023】反応後、生成した塩酸塩またはアルカリ金
属塩化物を濾過し、除去した後、通常、酸クロライドを
用いた場合と同様に中和、水洗、脱水、濃縮などの後処
理を経て得られた粗生成物は、n−ヘキサン、シクロヘ
キサンなどの非極性有機溶媒に好ましくは20〜200重量/
体積%となるように溶解させ、この溶液に活性炭を粗生
成物に対し、好ましくは0.05〜0.5重量部、さらに好ま
しくは0.1〜0.2重量部添加し、さらに、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素
塩、または酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛な
どの金属酸化物を少量添加し、充分混合した後、活性炭
を濾過助剤及びシリカゲルを濾紙上に敷いた吸引または
加圧濾過装置で濾過し、濾液を濃縮することによって副
生物である2−アルキレンアダマンタン含有量の少ない
2−アルキル−2−アダマンチルα−トリフルオロメチ
ルアクリレートを得ることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、2−アルキ
ル−2−アダマンチル α−トリフルオロメチルアクリ
レートの製造の際に、一般的な塩基存在下での反応で多
量に副生する2−アルキレンアダマンタンの生成を激減
させることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例で使用した超音波洗浄機
は、シャープ社製UT-204型(周波数39kHz)であり、目
的とする生成物および副生物はガスクロマトグラフィー
(以下、GCという。)を用いて定量した。
【0026】
【合成例1】<α−トリフルオロメチルアクリル酸クロ
ライドの合成>マグネット撹拌装置、冷却器、温度計を
備えた1リットルガラス反応器に、α−トリフルオロメ
チルアクリル酸 500g(3.56モル)、塩化チオニル 780g
(6.56モル)を仕込んだ後、マントルヒーターにて100℃
で、約7時間、加熱還流した。反応混合物を、内径30mm
のオールダーショウ10段精留塔を用いて蒸留精製するこ
とによって、純度97%の塩化チオニルを含まないα−ト
リフルオロメチルアクリル酸クロライド260gを得た。α
−トリフルオロメチルアクリル酸換算の収率は46モル%
であった。
【0027】ここで得られた純度97%のα−トリフルオ
ロメチルアクリル酸クロライドを、以下の実施例1〜3
および比較例1に用いた。
【0028】
【実施例 1】<2−メチル−2−アダマンチル α−トリ
フルオロメチルアクリレートの製造>撹拌装置、温度
計、コンデンサ、滴下ロートを備えた5Lガラス反応器
に、2−メチル−2−アダマンタノール 186g(1.12モ
ル)、トリエチルアミン 170g(1.68モル)、塩化メチレン
2.9Lを仕込み、反応器を0℃に冷却した後、内温が10℃
以下となるように制御しながら、あらかじめ超音波洗浄
機で約30分脱気処理したα−トリフルオロメチルアクリ
ル酸クロライド 179g(1.12モル)を滴下した。そのま
ま、約30分撹拌を継続し、さらに室温で約1時間撹拌し
た。反応液を濾過した後、濾液を飽和重曹水、水、飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。さ
らに、45℃で1mmHgまで減圧濃縮し、オイル状液体320g
を得た。GC分析の結果、2−メチル−2−アダマンチル
α−トリフルオロメチルアクリレートが77GC%、2−メ
チレンアダマンタンが1GC%であった(本明細書において
GC%とは、GC測定における単純面積百分率をいう)。
【0029】さらに、得られた粗生成物をヘキサン300m
lに溶解し、活性炭40gを加えて約2時間撹拌した後、濾
過助剤及びシリカゲルを敷いた減圧濾過器で濾過を行っ
た。これを5回繰り返した後、2−メチル−2−アダマ
ンチル α−トリフルオロメチルアクリレート 96GC%、
2−メチレンアダマンタン 2GC%の淡黄色液体236gを得
た。この時の収率は、α−トリフルオロメチルアクリル
酸クロライド換算で70モル%であった。
【0030】
【実施例 2】<2−メチル−2−アダマンチル α−トリ
フルオロメチルアクリレートの製造>温度計、コンデン
サ、滴下ロートを備えた200mlガラス反応器に、2−メ
チル−2−アダマンタノール 4.7g(28.3ミリモル)、ト
リエチルアミン 4.3g(42.5ミリモル)、塩化メチレン 70
mlを仕込み、内温が20℃以下になるように制御しながら
α−トリフルオロメチルアクリル酸クロライド 4.5g(2
8.0ミリモル)を、超音波照射下で滴下した。そのまま、
約30分超音波を照射し続けた。反応液を濾過した後、濾
液を飽和重曹水、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。さらに、45℃で1mmHgまで減圧
濃縮し、オイル状液体9.5gを得た。GC分析の結果、2−
メチル−2−アダマンチル α−トリフルオロメチルア
クリレートが75GC%、2−メチレンアダマンタンが1GC%
であった。この時の収率は、α−トリフルオロメチルア
クリル酸クロライド換算で87モル%であった。
【0031】
【実施例 3】<2−エチル−2−アダマンチル α−トリ
フルオロメチルアクリレートの製造>温度計、コンデン
サ、滴下ロートを備えた200mlガラス反応器に、2−エ
チル−2−アダマンタノール 5.1g(28.3ミリモル)、ト
リエチルアミン 4.3g(42.5ミリモル)、塩化メチレン 70
mlを仕込み、反応器を0℃に冷却した後、内温が10℃以
下となるように制御しながら、あらかじめ超音波洗浄機
で約30分脱気処理したα−トリフルオロメチルアクリル
酸クロライド 4.5g(28.0ミリモル)を滴下した。そのま
ま、約30分超音波を照射し続けた。反応液を濾過した
後、濾液を飽和重曹水、水、飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。さらに、45℃で1mmHgま
で減圧濃縮し、オイル状液体9.2gを得た。GC分析の結
果、2−エチル−2−アダマンチル α−トリフルオロ
メチルアクリレートが72GC%、2−エチリデンアダマン
タンが1GC%であった。この時の収率は、α−トリフルオ
ロメチルアクリル酸クロライド換算で80モル%であっ
た。
【0032】
【比較例 1】撹拌子、温度計、コンデンサ、滴下ロート
を備えた200mlガラス反応器に、2−メチル−2−アダ
マンタノール 4.5g(28.3ミリモル)、トリエチルアミン
4.3g(42.5ミリモル)、塩化メチレン 70mlを仕込み、反
応器を0℃に冷却した後、内温が10℃以下となるように
制御しながら、α−トリフルオロメチルアクリル酸クロ
ライド 4.5g(27.7ミリモル)を滴下した。そのまま、約3
0分撹拌を継続し、さらに室温で約1時間撹拌した。反応
液を濾過した後、濾液を飽和重曹水、水、飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。さらに、45
℃で1mmHgまで減圧濃縮し、オイル状液体5.7gを得た。G
C分析の結果、2−メチル−2−アダマンチル α−トリ
フルオロメチルアクリレートが38GC%、2−メチレンア
ダマンタンが32GC%であった。この時の収率はα−トリ
フルオロメチルアクリル酸クロライド換算で27モル%で
あった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−トリフルオロメチルアクリル酸クロラ
    イドと、一般式[I] 【化1】 (式[I]中Rは、C1〜C6の飽和炭化水素)で表される2−
    アルキル−2−アダマンタノールとを塩基の存在下で接
    触させることを特徴とする2−アルキル−2−アダマン
    チル α−トリフルオロメチルアクリレートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】酸性ガスを脱気したα−トリフルオロメチ
    ルアクリル酸クロライドを用いることを特徴とする請求
    項1に記載の2−アルキル−2−アダマンチル α−トリ
    フルオロメチルアクリレートの製造方法。
  3. 【請求項3】前記酸性ガスの脱気に超音波を用いること
    を特徴とする請求項2に記載の2−アルキル−2−アダ
    マンチル α−トリフルオロメチルアクリレートの製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記α−トリフルオロメチルアクリル酸ク
    ロライドと、前記2−アルキル−2−アダマンタノール
    とを超音波照射下で接触させることを特徴とする請求項
    1に記載の2−アルキル−2−アダマンチル α−トリフ
    ルオロメチルアクリレートの製造方法。
  5. 【請求項5】前記一般式[I]で表される2−アルキル
    −2−アダマンタノールが、2−メチル−2−アダマン
    タノールであることを特徴とする請求項1に記載の2−
    メチル−2−アダマンチル α−トリフルオロメチルア
    クリレートの製造方法。
JP2001143075A 2001-05-14 2001-05-14 2−アルキル−2−アダマンチルα−トリフルオロメチルアクリレートの製造方法 Pending JP2002338522A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001143075A JP2002338522A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 2−アルキル−2−アダマンチルα−トリフルオロメチルアクリレートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001143075A JP2002338522A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 2−アルキル−2−アダマンチルα−トリフルオロメチルアクリレートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002338522A true JP2002338522A (ja) 2002-11-27

Family

ID=18989273

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001143075A Pending JP2002338522A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 2−アルキル−2−アダマンチルα−トリフルオロメチルアクリレートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002338522A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005112824A (ja) * 2003-10-10 2005-04-28 Daicel Chem Ind Ltd フッ素原子含有重合性アダマンタン誘導体とその製造法、及び高分子化合物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005112824A (ja) * 2003-10-10 2005-04-28 Daicel Chem Ind Ltd フッ素原子含有重合性アダマンタン誘導体とその製造法、及び高分子化合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000229911A (ja) 2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法
JP4429754B2 (ja) アダマンタン誘導体及びその製造方法
JP4646389B2 (ja) 第3級アルコールエステルの製造方法
JP4790290B2 (ja) アダマンタン誘導体及びその製造方法
JP2000309558A (ja) 2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法
JP4866517B2 (ja) (メタ)アクリル酸無水物の製造方法および(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JP2007308463A (ja) 2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートの製造方法
JP2002338522A (ja) 2−アルキル−2−アダマンチルα−トリフルオロメチルアクリレートの製造方法
JP5036932B2 (ja) 第3級アルコールエステルの製造法
JP4916051B2 (ja) (メタ)アクリル酸クロリドおよびその製造方法
JPWO2005123653A1 (ja) フルオロアダマンタン誘導体
JP2002088018A (ja) (メタ)アクリル酸エステルの製造方法
KR100857957B1 (ko) (메트)아크릴산 무수물의 제조방법 및 (메트)아크릴산에스테르의 제조방법
JP4065689B2 (ja) 2−アダマンタノンの製造方法
JP2001233833A (ja) 8−アルキル−8−トリシクロデカニル5−ノルボルネン−2−カルボキシレート及びその製造方法
JP5018067B2 (ja) 含フッ素アルカンエステル類の製造方法
JP2004091402A (ja) アダマンチルアクリレート類の製造方法
WO2005100304A1 (ja) アダマンタン誘導体及びその製造方法
JP3396097B2 (ja) 4−イソプロピルシクロヘキサンカルボン酸エステル誘導体の製法
JP2598488B2 (ja) 不飽和カルボン酸アミドの製造方法
JP2000344758A (ja) (メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JP2009256307A (ja) 不飽和カルボン酸アダマンチルエステル及びその製造法
JP2004315464A (ja) アダマンチルアクリレート類の製造方法
JPH082850B2 (ja) 不飽和カルボン酸アミドの製造方法
JP2024044904A (ja) α-ハロゲノアクリル酸フェニルエステル類の製造方法