JP2002335597A - 複合スピーカー - Google Patents

複合スピーカー

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JP2002335597A
JP2002335597A JP2001139375A JP2001139375A JP2002335597A JP 2002335597 A JP2002335597 A JP 2002335597A JP 2001139375 A JP2001139375 A JP 2001139375A JP 2001139375 A JP2001139375 A JP 2001139375A JP 2002335597 A JP2002335597 A JP 2002335597A
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Kazumi Miyamoto
一美 宮本
Masahito Furuya
正仁 古屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯電話等に用いる電気−音響変換器で、小
型化のためにスピーカーとレシーバーを一体に構成した
ものは、１個の磁石で２個の磁路を励磁するので、ボイ
スコイルを配置する磁気ギャップの磁束密度が小さく、
音量が制限された。これを解決して音量を上げる。 【解決手段】 従来、磁石３相当の円環状の磁石１個だ
けを用いていたが、ポールピース４の凹部に円板状の磁
石１３を追加する。トッププレートＡ（１４）の外周と
ポールピース４の凹部の内周の間の磁気ギャップ１６
と、ポールピース４のセンターポール４ｂ外周とトップ
プレートＢ（１５）内周の間の磁気ギャップ１７が形成
されるが、これらはそれぞれ１個ずつの磁石で励磁され
ることになって磁束密度が増す。これでボイスコイル
Ａ、Ｂ（５、７）の駆動力が増大し、音量が上がる。磁
石１３を配置する凹部は従来使われてなかった空所であ
り、変換器の寸法は増えない。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の移動
体通信機に組み込まれ、電気信号を音響に変換して、あ
るいは着信音を生じ、あるいは伝送される音声を再生す
る複合スピーカーに関する。
【０００２】
【従来の技術】携帯電話等は、ブザー音やメロディ音を
発して使用者に着信を知らせるスピーカー機能と、音声
を伝えるレシーバー機能を持つ。スピーカーは楽音の再
生が主なので特性が広帯域、例えば２０Ｈｚ〜２０ｋＨ
ｚであり、レシーバーは音声の再生が主なので狭帯域、
例えば３００Ｈｚ〜３、４ｋＨｚであるという違いがあ
るが、機器によっては小型化のために、スピーカーとレ
シーバーをそれぞれ設けることをせず、これらを複合さ
せて１個にパッケージしたものがある。図２にそのよう
な複合スピーカー・レシーバーの一例の断面図を示し、
１はフレームでヨーク２を保持し、ヨーク２の下面に円
環状の磁石３を接合し、磁石３の下面にポールピース４
のフランジ４ａを接合してある。
【０００３】上側に振動板Ａ（６）、下側に振動板Ｂ
（８）があって、振動板Ａ、Ｂ（６、８）にはそれぞれ
ボイスコイルＡ（５）とボイスコイルＢ（７）が固定し
てある。フレーム１の上面と下面にプロテクタＡ（９）
とプロテクタＢ（１０）が取り付けてあり、プロテクタ
Ａ、Ｂ（９、１０）にはそれぞれいくつかの放音穴が開
けてある。また、フレーム１には適宜バックホール１ａ
が設けてある。
【０００４】ヨーク２と磁石３とポールピース４により
２箇所に磁気ギャップができて磁界を生じる。一つはヨ
ーク２の中央の穴の内周とポールピース４のセンターポ
ール４ｂの上端部外周の間の磁気ギャップ１１であり、
もう一つはヨーク２の外周の円筒部の内周とポールピー
ス４のフランジ４ａの外周の間の磁気ギャップ１２であ
って、磁気ギャップ１１には振動板Ａ（６）のボイスコ
イルＡ（５）が位置し、磁気ギャップ１２には振動板Ｂ
（８）のボイスコイルＢ（７）が位置している。
【０００５】このように構成してボイスコイルＡ（５）
またはボイスコイルＢ（７）に信号電流を供給すると、
磁気ギャップの磁界との電磁作用で、ボイスコイルＡ、
Ｂ（５、７）が固定されている振動板Ａ、Ｂ（６、８）
は振動して音響や音声を発生し、例えばボイスコイルＡ
（５）と振動板Ａ（６）はレシーバーになり、ボイスコ
イルＢ（７）と振動板Ｂ（８）はスピーカーになる。も
ちろんスピーカーとレシーバーの割り振りを逆にするこ
ともできる。こうして１個のフレーム１中にスピーカー
とレシーバーが複合して形成される。このような複合ス
ピーカー・レシーバーの例は特開平１１−２５２６８３
号などに見られる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】磁気ギャップ中のボイ
スコイルが受ける駆動力は次式で表される。 コイル駆動力Ｆ＝ＢＬｉ Ｂ：磁束密度、Ｌ：有効コイル長、ｉ：コイル電流 しかし上記の複合スピーカー・レシーバーでは磁石３か
ら出る磁束が２分されて磁気ギャップ１１と１２を通る
ので、磁束が１個の磁気ギャップに集中する場合に比し
て磁束密度Ｂが半減し、コイル駆動力Ｆが小さくなって
発生する音の音圧が下がる。本発明はこの問題を解決し
て、装置の寸法を増したりすることなく、１個のフレー
ムに、例えばスピーカーとレシーバーなど２組の音源を
複合的に収容して、それぞれ十分な音量を出せるように
した構造を提案する。
【０００７】ただし、本発明は２組の音源の組み合わせ
をスピーカーとレシーバーに限定するものでなく、主旨
は１個のフレームに２個のスピーカーを納めた複合スピ
ーカーである。レシーバーもまたスピーカーの１種であ
り、従来例のようなスピーカーとレシーバーの組み合わ
せは、本発明において可能な種々の実施形態のうち、２
個のスピーカーのうち１個をレシーバーにしたものに当
る。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来例のセン
ターポール４ｂが中空で、ポールピース４が全体として
皿状であることに着目し、この皿状の凹部に第２の磁石
を配置する。すでにある磁石３が円環状なのに対し、新
しく設ける磁石は円板状である。これに加えてヨークな
ど磁路の構成部材を若干変形し、新たに磁性材のトップ
プレートを追加するなどして、２箇所に磁気ギャップを
形成する。
【０００９】磁石の合計体積が増えたので起磁力が増
し、磁気ギャップの磁束密度Ｂが増加してコイル駆動力
Ｆが大きくなる。換言すれば二つの磁気ギャップは１個
の磁石の磁束を分け合うのでなく、それぞれ１個の磁石
で励磁される。これにより本発明の複合スピーカーは、
スピーカーやレシーバーをそれぞれ単独でフレーム中に
収容したのと同等の音量を生じるものになる。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施形
態を説明する。図１にて、１はフレームであってポール
ピース４を保持し、ポールピース４のフランジ４ａの下
面に円環状の磁石３を接合し、磁石３の下面にトッププ
レートＢ（１５）を接合してある。ポールピース４のセ
ンターポール４ｂは中空で上側に皿状の凹部があり、こ
の凹部に円板状の第２の磁石１３を接合する。そして磁
石１３の上面にはトッププレートＡ（１４）が接合して
ある。
【００１１】上側に振動板Ａ（６）、下側に振動板Ｂ
（８）があって、振動板Ａ、Ｂ（６、８）にはそれぞれ
ボイスコイルＡ（５）とボイスコイルＢ（７）が固定し
てある。フレーム１の上面と下面にプロテクタＡ（９）
とプロテクタＢ（１０）が取り付けてあり、プロテクタ
Ａ、Ｂ（９、１０）にはそれぞれいくつかの放音穴があ
けてある。また、フレーム１には横穴のバックホール１
ａが設けてあり、バックホール１ａは紙面に垂直な縦の
平面における断面が方形あるいは蒲鉾型などであって、
図示は省くが、実施形態を平面的に見た場合、半径方向
に放射状に適宜設けてある。
【００１２】２個の磁石３、１３とポールピース４とト
ッププレートＡ、Ｂ（１４、１５）により２組の磁気回
路が形成され、２箇所に磁気ギャップができて磁界を生
じる。一つはトッププレート１４の外周とポールピース
４のセンターポール４ｂの凹部の内周の間の磁気ギャッ
プ１６であり、もう一つはセンターポール４ｂの外周と
トッププレートＢ（１５）の穴の内周の間の磁気ギャッ
プ１７であって、磁気ギャップ１６には振動板Ａ（６）
のボイスコイルＡ（５）が位置し、磁気ギャップ１７に
は振動板Ｂ（８）のボイスコイルＢ（７）が位置する。
【００１３】この実施形態の動作は先の従来例と同様
で、ボイスコイルＡ（５）またはボイスコイルＢ（７）
に信号電流を供給すると、磁気ギャップ１６、１７の磁
界との電磁作用で、ボイスコイルＡ、Ｂ（５、７）が固
定された振動板Ａ、Ｂ（６、８）は振動して、それぞれ
音響や音声を発生する。従来例との大きな違いは磁石を
２個用いていることで、磁気ギャップ１６には磁石１３
が起磁力を与え、磁気ギャップ１７には磁石３が起磁力
を与えるのであり、従来のように１個の磁石の起磁力で
２箇所の磁気ギャップを励磁していたのに比べると、磁
気ギャップの磁束密度が大幅に増加し、コイルの駆動力
が増して十分な音量を生じるようになる。
【００１４】なお、以上の説明で、磁気回路を構成する
部材は機能が複合しているため、名称が必ずしも適切で
なくなっているものがある。例えばポールピース４は磁
気ギャップ１７の形成に関してはポールピースがふさわ
しいが、磁気ギャップ１６の形成に関してはむしろヨー
クであるといえる。これに関連して若干考察すれば、次
のことが分かる。
【００１５】前述のように、磁石３はポールピース４お
よびトッププレートＢ（１５）とともに一つの磁気回路
を形成して、磁気ギャップ１７に磁界を生じている。こ
れは円環状の磁石３が磁気ギャップ１７の外側にあっ
て、いわゆる外磁型の磁気回路である。一方、磁石１３
はポールピース４およびトッププレートＡ（１４）とと
もに別の磁気回路を形成して、磁気ギャップ１６に磁界
を生じている。これは円板状の磁石１３が磁気ギャップ
１６の内側にあって、いわゆる内磁型の磁気回路であ
る。この場合、ポールピース４のフランジ４ａは内磁型
の磁気回路の形成には不要であり、部材４はポールピー
スというよりはヨークと呼ぶのが自然である。すなわち
本発明は本質的に、外磁型の磁気回路を構成するポール
ピースと、内磁型の磁気回路を構成するヨークを４とい
う共通の単一部品にすることにより、外磁型と内磁型の
二つの磁気回路を組み合わせて１個のフレームに納めた
ものである。
【００１６】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば１個のフレーム中に２個の音源、例えばスピー
カーとレシーバーを収容する構成において、従来よりも
磁石を１個増設して外磁型の磁気回路と内磁型の磁気回
路を組み合わせることにより、２箇所の磁気ギャップが
それぞれ１個ずつの磁石で励磁されることになって、磁
気ギャップの磁束密度が従来よりも大幅に増大し、従来
と同等の駆動電流でボイスコイルの駆動力を増して音量
を上げることができる。逆に従来と同程度の音量を保つ
のであれば、電流を小さくできて消費電力の節約にな
る。
【００１７】あるいはスピーカーとレシーバーを組み合
わせるのでなく２個ともスピーカーにし、周波数帯域を
ずらして分担させれば、１個のスピーカーでは望めない
広帯域の特性を持つ良質な複合スピーカーが得られる。
磁石を増設するのは従来は空所となっていた場所である
から装置の寸法が増えることはない。このように本発明
によって小型、高性能で廉価な複合スピーカーが実現す
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態の断面図である。
【図２】従来の複合スピーカー・レシーバーの断面図で
ある。
【符号の説明】
１ フレーム ２ ヨーク ３、１３ 磁石 ４ ポールピース ４ａ フランジ ４ｂ センターポール ５ ボイスコイルＡ ６ 振動板Ａ ７ ボイスコイルＢ ８ 振動板Ｂ ９ プロテクタＡ １０ プロテクタＢ １１、１２、１６、１７ 磁気ギャップ １４ トッププレートＡ １５ トッププレートＢ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5D012 BB03 BB05 CA09 DA03 DA04 GA04 5D018 AC10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 円環状の磁石を含む外磁型磁気回路およ
    び円板状の磁石を含む内磁型磁気回路と、 これら２組の磁気回路のそれぞれによって駆動される計
    ２組のボイスコイルつき振動板をフレームに納め、 外磁型の磁気回路のポールピースと内磁型の磁気回路の
    ヨークを共通の単一部品で形成したことを特徴とする複
    合スピーカー。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の複合スピーカーにおい
    て、 一方のボイスコイルは外磁型磁気回路の円環状の磁石の
    トッププレート内周とポールピースのセンターポールの
    先端部外周の作る磁気ギャップに位置し、 もう一方のボイスコイルは内磁型磁気回路の円板状の磁
    石のトッププレート外周とポールピースの円筒状センタ
    ーポールのフランジ側内周の作る磁気ギャップに位置す
    ることを特徴とする複合スピーカー。
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