JP2002329581A - 電界発光素子 - Google Patents

電界発光素子

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JP2002329581A
JP2002329581A JP2001133984A JP2001133984A JP2002329581A JP 2002329581 A JP2002329581 A JP 2002329581A JP 2001133984 A JP2001133984 A JP 2001133984A JP 2001133984 A JP2001133984 A JP 2001133984A JP 2002329581 A JP2002329581 A JP 2002329581A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 電界発光性粉粒体を含有する誘電体が発
光層として層状に形成された電界発光素子において、該
誘電体が、(a)シアノアルキル基と脂肪族不飽和結合
を有する一価炭化水素基とを含有するオルガノポリシロ
キサン、(b)シアノアルキル基含有オルガノハイドロ
ジェンポリシロキサン、及び(c)白金族金属系触媒を
含有する高誘電付加型硬化性バインダー組成物の硬化物
からなることを特徴とする電界発光素子。 【効果】 本発明の電界発光素子は、誘電率が高く、吸
湿量の少ない高誘電付加型硬化性バインダー組成物に電
界発光性粉粒体を分散させた発光体層で作られているの
で、輝度が高い、温度による輝度の変化が少ない、長時
間点灯していても輝度の低下が小さい、耐衝撃性に優れ
る、フレキシビリティに富んでいる、熱分解温度が高
い、耐熱性に優れているという有利性が得られる。従っ
てこの発光体素子は各種液晶ディスプレイのバックライ
トとしては勿論のこと、面発光体として広く適用し得る
という工業的有利性をもつものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界発光素子、特
には電界発光性粉粒体を含有する誘電体を発光層とす
る、輝度が高く、寿命特性に優れ、しかも均一な発光を
与える分散型電界発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電界発光素子は、発光層の構成様式によ
り分散型と薄膜型とに分けられる。これらは従来の発光
素子とは異なり、少ない消費電力にて平面発光を与える
という特色を有し、近年各種光源及び表示パネルとして
急速に注目を集めてきている。特に分散型の電界発光素
子においては、製造方法が容易であること、安価である
こと、任意の形状の素子が製造可能なこと等の有利点を
生かして液晶表示バックライト、案内灯及び常夜灯等と
しての応用が開始されている状況である。
【0003】従来、このような分散型の電界発光素子
は、CdS、ZnS、ZnSe、ZnSiO、BN、S
iC等の電界発光性粉粒体を誘電体物質中に分散させた
ものを一方の電極基板上に薄膜状に塗布し、これに他の
電極基板を加熱圧着等の手段で接着させてなるものが知
られており、誘電体物質としては誘電率の大きいものほ
ど高輝度を与えることが明らかとなっている。
【0004】而して、これらの誘電体物質としては、一
般にシアノエチルセルロース、シアノエチルスターチ、
シアノエチルプルラン等の多糖類のシアノエチル化物、
シアノエチルヒドロキシエチルセルロース、シアノエチ
ルグリセロールプルラン等の多糖誘導体のシアノエチル
化物、シアノエチルポリビニルアルコール等のポリオー
ル類のシアノエチル化物、及びフッ化ビニリデン等のフ
ッ素樹脂のような誘電率の高い高分子物質が使用されて
いるが、上記に示した物質は、種々の欠点を有してお
り、電界発光性粉粒体の誘電体としては必ずしも完全に
満足できるものではなかった。
【0005】即ち、多糖類及び多糖誘導体のシアノエチ
ル化物やシアノエチルポリビニルアルコールにおいて
は、共通する欠点として吸湿率が大きいことがあり、電
界発光素子の誘電体として用いた場合、その大きい吸湿
量のために発光性粉粒体を劣化させてしまい素子として
の寿命を短くする。
【0006】また、シアノエチルセルロース、シアノエ
チルスターチは、電極基板との接着性に劣るため、これ
を使用した場合には、電極と発光層との間に空隙が発生
したり、使用中に電極と発光層とが部分的に剥離するこ
とがあり、電界発光素子の特性である均一な発光が損な
われてしまう不利がある。接着性を可塑剤の添加により
改良することも試みられてはいるが、その場合には、誘
電率の低下による輝度の減少や発光体の寿命が短くなる
欠点が生じる。
【0007】なお、シアノエチルヒドロキシセルロー
ス、シアノエチルグリセロールプルラン及びシアノエチ
ルポリビニルアルコールは、誘電率の温度による変化が
大きく、それを用いた素子の使用温度範囲が限定される
場合がある。
【0008】一方、フッ化ビニリデン等のフッ素樹脂
は、吸湿性も小さく、また誘電率の温度変化も少ない利
点を有するが、誘電率が多糖類及び多糖誘導体のシアノ
エチル化物に比べて約半分しかなく、輝度が低下する欠
点を有している。
【0009】特公平8−6087号公報には、シアノア
ルキル基含有オルガノポリシロキサンを主成分とする有
機高誘電体が提案されているが、これは半固体或いは固
体状物質であり、皮膜形成するには取り扱いが面倒であ
る。また、吸湿性の改善が不十分であり、電界発光素子
の寿命が短いという欠点を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、電界発光素子に使用する誘電体に
おいて、高分子誘電体として、誘電率が高く、誘電正接
が小さいという優れた電気特性を示し、かつ吸湿性が小
さく、フィルム形成能が良好な高誘電付加型硬化性バイ
ンダー組成物の硬化物を用いることにより、輝度の高
い、寿命特性に優れた、しかも均一な発光を与える分散
型電界発光素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、電界発光性粉
粒体を含有する誘電体が発光層として層状に形成された
電界発光素子において、該誘電体を、(a)脂肪族不飽
和結合を有する一価炭化水素基とシアノアルキル基とを
含有するオルガノポリシロキサン、(b)シアノアルキ
ル基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン、及び(c)白金族金属系触媒を含有する高誘電付加
型硬化性バインダー組成物の硬化物からなるものとする
ことにより、誘電率が高く、誘電正接が小さいという優
れた電気特性を示し、かつ吸湿性が小さく、フィルム形
成能が良好な誘電体となり得ることを知見し、更にこの
誘電体を用いることにより、輝度が高く、寿命特性に優
れ、しかも均一な発光を与える分散型電界発光素子が得
られることを見出し、本発明をなすに至ったものであ
る。
【0012】従って、本発明は、電界発光性粉粒体を含
有する誘電体が発光層として層状に形成された電界発光
素子において、該誘電体が、(a)シアノアルキル基と
脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素基とを含有する
オルガノポリシロキサン、(b)シアノアルキル基含有
オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び(c)白
金族金属系触媒を含有する高誘電付加型硬化性バインダ
ー組成物の硬化物からなることを特徴とする電界発光素
子を提供する。
【0013】この場合、上記誘電体が、(a)下記平均
組成式(I) R1 a2 b3 cSiO(4-a-b-c)/2 (I) (式中、R1は炭素数3〜5のシアノアルキル基、R2
炭素数2〜6の脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素
基、R3は炭素数1〜10のR1、R2以外の一価炭化水
素基、aは0.2〜0.95、bは0.05〜0.7、
cは0.05〜1.0、a+b+cは1.05〜1.9
である。)で示されるシアノアルキル基と脂肪族不飽和
結合を有する一価炭化水素基とを含有するオルガノポリ
シロキサン、(b)下記平均組成式(II) R4 k5 m6 nSiO(4-k-m-n)/2 (II) (式中、R4は炭素数3〜5のシアノアルキル基、R5
水素原子、R6は炭素数1〜10のR4以外の一価炭化水
素基、kは0.2〜0.7、mは0.2〜0.7、nは
1.0〜1.6、k+m+nは2.0〜2.3であ
る。)で示されるシアノアルキル基を含有するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサン、及び(c)白金族金属
系触媒を含有する高誘電付加型硬化性バインダー組成物
の硬化物からなるものであると、更に好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の電界発光素子は、(a)シアノアルキル
基と脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素基とを含有
するオルガノポリシロキサン、(b)シアノアルキル基
含有オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び
(c)白金族金属系触媒を含有する高誘電付加型硬化性
バインダー組成物の硬化物からなる誘電体中に電界発光
性粉粒体を含有したものが発光層として層状に形成され
たものであることを特徴とする。
【0015】本発明の誘電体となり得る高誘電付加型硬
化性バインダー組成物には、ニトリル基の存在が不可欠
であり、このバインダー組成物に用いられる(a)成分
のオルガノポリシロキサン及び(b)成分のオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンには、構造単位中にシアノ
アルキル基を含有していることが必要である。これは、
極性の高いニトリル基が電界中において配向分極するこ
とにより、誘電率が向上するためであると考えられる。
【0016】高誘電付加型硬化性バインダー組成物の
(a)成分である脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水
素基とシアノアルキル基とを含有するオルガノポリシロ
キサンとしては、下記平均組成式(I)で示されるもの
であることが好ましい。
【0017】 R1 a2 b3 cSiO(4-a-b-c)/2 (I) (式中、R1は炭素数3〜5のシアノアルキル基、R2
炭素数2〜6の脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素
基、R3は炭素数1〜10のR1、R2以外の一価炭化水
素基、aは0.2〜0.95、bは0.05〜0.7、
cは0.05〜1.0、a+b+cは1.05〜1.9
である。)
【0018】上記式中、R1で示される炭素数3〜5の
シアノアルキル基としては、例えばシアノエチル基、シ
アノプロピル基、シアノブチル基、2−シアノプロピル
基、2−シアノブチル基、3−シアノブチル基、2−メ
チル−2−シアノプロピル基等を挙げることができ、シ
アノエチル基が好ましい。
【0019】R2で示される炭素数2〜6の脂肪族不飽
和結合を有する一価炭化水素基としては、例えばビニル
基、アリル基等のアルケニル基などを挙げることがで
き、ビニル基が好ましい。
【0020】R3はR1、R2以外の炭素数1〜10、好
ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であ
り、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等の
アリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラル
キル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3
−トリフルオロプロピル基、1,1,1−トリフルオロ
ヘキシル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン置換一
価炭化水素基などが挙げられ、これらの中でもメチル基
が好ましい。
【0021】前記平均組成式(I)中のシアノアルキル
基の含量であるaは、0.2〜0.95、好ましくは
0.3〜0.6である。シアノアルキル基含量が少なす
ぎるとポリマー中のニトリル基の濃度が下がってしま
い、それに伴って誘電率も低下してしまうおそれがあ
る。また、シアノアルキル基含量が多すぎると相対的に
脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素基の量bが低下
することとなり、硬化性が不十分となる場合がある。
【0022】脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素基
の含量であるbは、0.05〜0.7、好ましくは0.
3〜0.6である。脂肪族不飽和結合を有する一価炭化
水素基含量が少なすぎると硬化性が不十分となる場合が
ある。また、含量が多すぎると相対的にシアノアルキル
基の含量aが低下することとなり、よってポリマー中の
ニトリル基の濃度が下がってしまい、それに伴って誘電
率も低下してしまう場合がある。
【0023】R1、R2を除く非置換又は置換の一価炭化
水素基の含量であるcは、あまり大きすぎるとシアノア
ルキル基含有量或いは脂肪族不飽和結合を有する一価炭
化水素基含有量が少なくなるおそれがあるため、0.0
5〜1.0、好ましくは0.6〜0.9である。
【0024】前記平均組成式(I)中のシアノアルキル
基、脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素基及び上記
1、R2を除く非置換又は置換の一価炭化水素基の総和
である(a+b+c)は、1.05〜1.9、好ましく
は1.5〜1.8の範囲である。この範囲未満である
と、オルガノポリシロキサンは非常に脆い樹脂状となる
場合があり、また上記範囲を超えると、バインダー組成
物の硬化が不良となり、フィルム成形が困難となってし
まうおそれがある。
【0025】本発明の平均組成式(I)で示される脂肪
族不飽和結合を有する一価炭化水素基とシアノアルキル
基とを含有するオルガノポリシロキサンを得るには、特
殊な方法に限定されるものではなく、一般的なポリシロ
キサンの合成法によればよく、具体的には、シアノアル
キル基を有するシランと脂肪族不飽和結合を有する一価
炭化水素基を含有するシランとを加水分解して得られた
シロキサンを重合するか、又は脱アルコール反応、脱水
反応等の縮合反応により、目的物を得ることができる。
【0026】ここで、本発明の脂肪族不飽和結合を有す
る一価炭化水素基とシアノアルキル基とを含有するオル
ガノポリシロキサンの原料となるシランとしては、更に
加水分解可能な官能基が1個以上ケイ素原子に直接結合
していることが好ましく、加水分解可能な官能基として
は、ハロゲン、OR、OCOR又はNRR’(ここで、
R、R’は水素原子又はアルキル基を示す。)等が挙げ
られる。
【0027】上記R、R’で示されるアルキル基として
は、炭素数1〜8、特に1〜6のものが好ましく、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基
等が挙げられる。
【0028】上記原料となるシランとして具体的には、
シアノアルキル基を含有するシラン原料として、シアノ
エチルジメチルクロロシラン、シアノプロピルジエチル
メトキシシラン、シアノエチルジメチルアセトキシシラ
ン、ジシアノエチルメチルメトキシシラン等の1官能性
シラン;シアノエチルクロルメチルジクロロシラン、シ
アノエチルメチルジメトキシシラン、シアノエチルトリ
フルオロプロピルジエトキシシラン、シアノプロピルフ
ェニルジアミノシラン等の2官能性シラン;シアノエチ
ルトリエトキシシラン、シアノブチルトリメトキシシラ
ン等の3官能性シランが挙げられる。
【0029】また、脂肪族不飽和結合を有する一価炭化
水素基を含有するシラン原料として、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニル
メチルジクロロシラン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン等のシランが挙げられる。
【0030】更に、シアノアルキル基及び脂肪族不飽和
結合を含有する一価炭化水素基を含まないシラン原料と
して、1官能性としては、トリメチルクロロシラン、ト
リメチルメトキシシラン、トリエチルアミノシラン、ヘ
キサメチルジシラザン等が、2官能性としては、ジメチ
ルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジ
フェニルジクロロシラン、トリフルオロプロピルジクロ
ロシラン、ジメチルジメトキシシラン、クロルメチルジ
エトキシシラン等が、3官能性としては、メチルトリク
ロロシラン、トリメトキシシラン、クロルメチルトリメ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、トリフル
オロプロピルトリメトキシシラン等が、4官能性として
は、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン等が例示される。
【0031】また、出発原料としては、上記に示した単
量体の他に、単量体より得られるプレポリマーを使用す
ることも可能である。
【0032】上記オルガノポリシロキサンの合成におい
ては、必要に応じて各種反応触媒及び溶媒を加えてもよ
く、これは、従来より周知の方法により行うことができ
る。
【0033】なお、(a)成分中にシラノール基が残存
していると、(c)成分の白金族金属系触媒の作用によ
り(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン
との間で脱水素反応が進行し、発泡することがあるの
で、(a)成分中のシラノール基をヘキサメチルジシラ
ザン等のシリル化剤であらかじめキャップしておくこと
が好ましい。
【0034】上記脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水
素基とシアノアルキル基とを含有するオルガノポリシロ
キサンの重合度は、1,000〜60,000であるこ
とが好ましく、特に2,000〜20,000であるこ
とが好ましい。
【0035】また、上記脂肪族不飽和結合を有する一価
炭化水素基とシアノアルキル基とを含有するオルガノポ
リシロキサンは、液状であることが好ましい。特に、こ
のオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、5
00〜40,000cP(センチポイズ)であることが
好ましく、特に1,000〜20,000cPであるこ
とが好ましい。なお、固体状の場合は溶剤に溶解して使
用することができる。
【0036】次に、高誘電付加型硬化性バインダー組成
物の(b)成分であるシアノアルキル基を含有するオル
ガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均
組成式(II)で示されるものであることが好ましい。
【0037】 R4 k5 m6 nSiO(4-k-m-n)/2 (II) (式中、R4は炭素数3〜5のシアノアルキル基、R5
水素原子、R6は炭素数1〜10のR4以外の一価炭化水
素基、kは0.2〜0.7、mは0.2〜0.7、nは
1.0〜1.6、k+m+nは2.0〜2.3であ
る。)
【0038】R4で示される炭素数3〜5のシアノアル
キル基としては、R1と同様のものが例示され、例えば
シアノエチル基、シアノプロピル基、シアノブチル基、
2−シアノプロピル基、2−シアノブチル基、3−シア
ノブチル基、2−メチル−2−シアノプロピル基等を挙
げることができ、シアノエチル基が好ましい。
【0039】R6はR4以外の炭素数1〜10、好ましく
は1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、好
ましくは脂肪族不飽和結合を含有しないもの、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル
基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等の
アラルキル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基、1,1,1−トリフ
ルオロヘキシル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン
置換一価炭化水素基などを挙げることができ、これらの
中でも好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、フ
ェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0040】前記平均組成式(II)中のシアノアルキ
ル基の含量であるkは、0.2〜0.7、好ましくは
0.4〜0.6である。シアノアルキル基含量が少なす
ぎるとポリマー中のニトリル基の濃度が下がってしま
い、それに伴って誘電率も低下してしまうおそれがあ
る。また、(a)成分の脂肪族不飽和結合を有する一価
炭化水素基とシアノアルキル基とを含有するオルガノポ
リシロキサンとの相溶性が悪くなり、硬化性が不十分と
なったり、均一な硬化物が得られなくなったりする場合
がある。また、シアノアルキル基含量が多すぎると相対
的に水素原子(SiH基)の含量であるmが低下するこ
ととなり、硬化性が不十分となるおそれがある。
【0041】水素原子(SiH基)の含量であるmは、
0.2〜0.7、好ましくは0.3〜0.6である。含
量がこの範囲未満であると硬化性が不十分となる場合が
ある。また、含量がこの範囲を超えると相対的にシアノ
アルキル基の含量kが低下することとなり、よってポリ
マー中のニトリル基の濃度が下がってしまい、それに伴
って誘電率も低下してしまう場合がある。更に、バイン
ダー組成物に水素ガスによる発泡現象が起きてしまう場
合がある。
【0042】R4を除く非置換又は置換の一価炭化水素
基の含量であるnは、あまり大きすぎるとシアノアルキ
ル基含有量或いは水素原子(SiH基)含有量が少なく
なるおそれがあるため、1.0〜1.6、好ましくは
1.0〜1.2である。
【0043】前記平均組成式(II)中のシアノアルキ
ル基、水素原子(SiH基)及びシアノアルキル基以外
の一価炭化水素基の総和である(k+m+n)は、2.
0〜2.3、好ましくは2.0〜2.1の範囲である。
この範囲未満では、オルガノハイドロジェンポリシロキ
サンの経時安定性が悪くなる場合があり、また硬化物が
非常に脆くなるおそれがあり実用的ではなく、上記範囲
を超えると、バインダー組成物の硬化が不十分となり、
フィルム成形が困難となってしまうおそれがある。
【0044】本発明の平均組成式(II)で示されるシ
アノアルキル基を含有するオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンを得るには、特殊な方法に限定されるもので
はなく、一般的なオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンの合成法によればよく、例えば硫酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸等の強酸存在下、シアノアルキル基含有
オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンとの平衡化反応によって目的物を得ることが
できる。なお、平衡化の際、ヘキサメチルジシロキサン
等の末端基となる化合物を添加すると、その種類、量に
より末端官能基の種類や重合度を調節することができ
る。
【0045】ここで、シアノアルキル基含有オルガノハ
イドロジェンポリシロキサンの原料となるシランとして
は、更に加水分解可能な官能基が1個以上ケイ素原子に
直接結合していることが好ましく、加水分解可能な官能
基としては、ハロゲン、OR、OCOR又はNRR’
(ここで、R、R’は上記と同様である。)等が挙げら
れる。
【0046】原料となるシランとして具体的には、シア
ノアルキル基を含有するシラン原料として、シアノエチ
ルジメチルクロロシラン、シアノプロピルジエチルメト
キシシラン、シアノエチルジメチルアセトキシシラン、
ジシアノエチルメチルメトキシシラン等の1官能性シラ
ン;シアノエチルクロルメチルジクロロシラン、シアノ
エチルメチルジメトキシシラン、シアノエチルトリフル
オロプロピルジエトキシシラン、シアノプロピルフェニ
ルジアミノシラン等の2官能性シラン;シアノエチルト
リエトキシシラン、シアノブチルトリメトキシシラン等
の3官能性シランが挙げられるが、2官能性シランが好
ましい。なお、平衡化反応には、上記に示した単量体よ
り得られるプレポリマーを使用することが好ましい。
【0047】また、SiH基を含有するシラン原料(オ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン)として、メチル
ハイドロジェンシリコーンオイル、テトラメチルテトラ
シロキサン等が挙げられる。
【0048】末端基となる化合物としては、ヘキサメチ
ルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン等が挙げら
れる。更に、必要に応じてオクタメチルテトラシロキサ
ン等のオルガノポリシロキサン環状体を用いてもよい。
【0049】上記シアノアルキル基を含有するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンの重合度は、1,000
〜150,000であることが好ましく、特に10,0
00〜100,000であることが好ましい。
【0050】また、上記シアノアルキル基を含有するオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における
粘度は、300〜50,000cP(センチポイズ)で
あることが好ましく、特に500〜10,000cPで
あることが好ましい。
【0051】(b)成分の配合量は、(a)成分中のア
ルケニル基等の脂肪族不飽和結合1個に対して(b)成
分中のケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)が
0.5〜4個、特に0.7〜1.2個となるようにする
ことが好ましい。このSiH基が少なすぎると硬化物の
硬度が低くなることがあり、多すぎると水素ガスによる
発泡現象が起きてしまうことがある。
【0052】高誘電付加型硬化性バインダー組成物の
(c)成分である白金族金属系触媒としては、通常ハイ
ドロサイレーションに使用されている公知のものでよ
く、具体的には、白金又は白金化合物を用いることがで
きる。ここで白金化合物としては、例えば塩化白金酸、
塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコール
との反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応
物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物な
どが挙げられる。
【0053】白金族金属系触媒の使用量は、触媒量であ
り、所望の硬化速度に応じて適宜調節すればよいが、経
済的見地或いは良好な硬化性を得るためには、(a)成
分及び(b)成分の合計量に対して白金族金属換算で1
〜10,000ppm、特に1,000〜7,000p
pmとすることが好ましい。
【0054】本発明のバインダー組成物には、必要に応
じて反応制御剤、補強剤、添加剤(顔料、離型剤、耐熱
剤、流動性調節剤、沈降防止剤、接着性向上剤、熱伝導
性充填剤、電気導電性充填剤)、希釈剤等を本発明の目
的を損なわない範囲で混合することも可能である。
【0055】本発明のバインダー組成物は、上記した
(a)〜(c)成分、及び必要に応じてその他の任意成
分を、常温で均一に混合することにより得られ、これは
常法により製造することができる。
【0056】このようにして得られたバインダー組成物
は、液状であることが好ましく、25℃における粘度が
300〜40,000cP(センチポイズ)、特に50
0〜20,000cPの範囲であることが好ましい。
【0057】本発明のバインダー組成物は、好ましくは
100℃以上、より好ましくは100〜150℃の温度
で、好ましくは10〜90分加熱することにより硬化さ
せることができる。なお、一般には(c)成分の使用量
が多いほど速やかに硬化し得る。
【0058】本発明の高誘電付加型硬化性バインダー組
成物は、無溶媒でも液状とすることができ、比較的粘度
が低いため取り扱いが容易である点、硬化性を持つ点で
優れ、また、この硬化物は高誘電率を有し、誘電損失が
小さい点、体積抵抗が低い点、フィルム形成性に優れ、
強靭で透明な皮膜を与える点、他のシアノエチル化ポリ
マーに比べて吸湿量が小さい点、熱分解温度が高く耐熱
性に優れる点等の特徴を有している。
【0059】本発明の電界発光素子を構成する電界発光
性粉粒体としては、従来より公知のものを用いることが
でき、具体的にはCdS、ZnS、ZnSe、ZnSi
O、BN、SiC等の蛍光体物質、或いはZnSを母体
材料とし、活性剤として銅、マンガン、アルミニウム、
臭素、塩素及びヨウ素等を添加して焼成したものなどが
例示される。これらは電界発光素子とした場合の発光特
性から、平均粒径が50μm以下、特に10〜40μm
である粉粒体を用いることが好ましい。また、長寿命化
のために、既存の蛍光体の表面を金属酸化物等により被
覆防湿処理したものを使用することが好ましい。
【0060】上記電界発光性粉粒体の添加量は、上記バ
インダー組成物1重量部に対して0.5重量部未満では
発光層中の電界発光性粉粒体の濃度が小さすぎて素子に
した場合輝度が低下するおそれがあり、また5重量部よ
り多いと電界発光性粉粒体の分散が困難になるおそれが
あることから、上記バインダー組成物1重量部に対して
0.5〜5重量部、特に1〜4重量部の範囲が好まし
い。
【0061】本発明の電界発光素子は、誘電体としての
上記バインダー組成物中に上記した電界発光性粉粒体を
分散配合した発光層用ペーストを発光層として層状に形
成させるものである。
【0062】ここで、発光層用ペーストは、電界発光性
粉粒体をバインダー組成物へ分散配合したものであり、
上記バインダー組成物に上記電界発光性粉粒体を無溶媒
下で添加することにより得ることができる。また、アセ
トン、4−メチル−2−ペンタノン、N,N’−ジメチ
ルホルムアミド、ニトロメタン、アセトニトリル、N−
メチル−2−ピロリドンなどの溶剤の1種、又は2種以
上の混合液に上記バインダー組成物を溶解した後、この
液中に電界発光性粉粒体を添加することにより、発光層
用ペーストを得ることもできる。なお、この発光層用ペ
ースト調製時、各種の高誘電率物質、強誘電体、半導体
酸化物などを配合することは任意とされる。
【0063】上記のようにして得られたバインダー組成
物に電界発光性粉粒体が分散された発光層用ペースト
は、発光体層形成に供されるものであり、この発光体層
としては、例えば、ポリエステルフィルム上に透明導電
膜として酸化インジウムを被覆した導電膜の上に、この
発光層用ペーストをスクリーン印刷法などで厚さ約10
〜70μmに塗布し、加熱硬化させることによって作製
することができる。
【0064】また、この発光体層を用いて電界発光素子
を作製する方法としては、例えば、導電膜上に形成した
上記発光体層の上に、常法により絶縁反射層を積層した
後、更にこの絶縁反射層上にスクリーン印刷法を用いて
銀ペーストを印刷、乾燥して背面電極を作製し、次いで
この導電膜と背面電極に電極端子となるリード線を取り
付けることにより、電界発光素子を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】本発明の電界発光素子は、誘電率が高
く、吸湿量の少ない高誘電付加型硬化性バインダー組成
物に電界発光性粉粒体を分散させた発光体層で作られて
いるので、輝度が高い、温度による輝度の変化が少な
い、長時間点灯していても輝度の低下が小さい、耐衝撃
性に優れる、フレキシビリティに富んでいる、熱分解温
度が高い、耐熱性に優れているという有利性が得られ
る。従ってこの発光体素子は各種液晶ディスプレイのバ
ックライトとしては勿論のこと、面発光体として広く適
用し得るという工業的有利性をもつものである。
【0066】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0067】[実施例1](a)成分の合成 撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた1リットルのガラ
ス製反応器に水230g及び36%塩酸水0.2gを入
れ、撹拌下にシアノエチルトリエトキシシラン119.
4g(0.55モル)、シアノエチルメチルジメトキシ
シラン8.0g(0.05モル)及びビニルメチルジメ
トキシシラン52.8g(0.4モル)の混合物を投入
した。加熱して60〜70℃に保ち、3時間加水分解し
た後、反応器にエステルアダプターを取り付け、生成し
たアルコール106gを留去した。冷却した後、メチル
イソブチルケトン250gを添加して水層を分液により
除去し、水100gで2回水洗して中性にした。有機層
から減圧ストリップにより水及びメチルイソブチルケト
ンを留去した。ここで得られたレジンは、ケイ素原子結
合OH(シラノール)を10wt%含んでいた。このレ
ジンをテトラヒドロフラン250gに溶解し、撹拌機、
還流冷却器、温度計を備えた1リットルのガラス製反応
器に入れ、ヘキサメチルジシラザン56.4g(0.3
5モル)を投入した後、加熱して60〜70℃で3時間
反応させた。テトラヒドロフラン及び未反応のヘキサメ
チルジシラザンを減圧ストリップにより留去し、オルガ
ノポリシロキサン101gを得た。このオルガノポリシ
ロキサンは下記平均組成式(1)で示されるものであ
り、各成分の組成及び粘度は表1に示されるものであっ
た。 R1 a2 b3 cSiO(4-a-b-c)/2 (1) (R1はシアノエチル基、R2はビニル基、R3はメチル
基である。)
【0068】(b)成分の合成 1)プレポリマーの合成 撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた1リ
ットルのガラス製反応器にシアノエチルメチルジメトキ
シシラン640.8g(4.0モル)を入れ、撹拌下、
0.1N塩酸水300gを室温で滴下ロートにて0.5
時間かけて滴下した。これを加熱して60〜70℃に保
ち、3時間加水分解した。冷却した後、メチルイソブチ
ルケトン750gを添加して、水層を分液により除去
し、水300gで2回水洗して中性にした。有機層から
減圧ストリップにより水及びメチルイソブチルケトンを
留去し、プレポリマー448gを得た。 2)(b)成分の合成 撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた0.5リットルの
ガラス製反応器に上記プレポリマー81.4g、メチル
ハイドロジェンシリコーンオイル34.7g及びヘキサ
メチルジシロキサン2.9gを入れ、撹拌下でメタンス
ルホン酸3.6gを添加し、室温で20時間平衡化反応
を行った。水1.4gを添加して2時間反応させた後、
炭酸水素ナトリウム36gで中和し、更にメチルイソブ
チルケトン140g及び硫酸ナトリウム36gを添加し
た後、塩を濾別した。濾液から減圧ストリップによりメ
チルイソブチルケトンを留去し、オルガノハイドロジェ
ンポリシロキサン104gを得た。このオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンは下記平均組成式(2)で示さ
れるものであり、各成分の組成及び粘度は表1に示され
るものであった。 R4 k5 m6 nSiO(4-k-m-n)/2 (2) (R4はシアノエチル基、R5は水素原子、R6はメチル
基である。)
【0069】バインダー組成物の調製 (a)成分中のビニル基1個に対して(b)成分中のケ
イ素原子に直結した水素原子が0.77個となるよう
に、上記(a)成分15g、(b)成分7.8g及び反
応制御剤サーフィノール61(日信化学工業(株)製)
0.075gとを混合した後、塩化白金酸の0.5%ト
ルエン溶液0.075gを添加し、均一に混合して組成
物を得た。
【0070】硬化物の作製 このバインダー組成物をポリカーボネート樹脂板に塗布
し、100℃で30分付加硬化した後、フィルム及び基
板の外観を調べた。また、バインダー組成物を100m
m角、深さ2mmの型に流し込んだ後、100℃で30
分付加硬化し、厚さ1mmの硬化フィルムを得た。これ
を用いて、以下の方法で物性を測定した。結果を表1に
示す。
【0071】物性測定法 i)誘電特性 誘電体損自動測定装置TR−1100形、恒温槽TO−
19B形(安藤電気(株)製)を用いて、25℃、1M
Hzの条件にて静電容量及びコンダクタンスを測定し
た。これから誘電率及び誘電正接を計算により求めた。 ii)体積抵抗 R8340A ULTRA HIGH RESISTA
NCE METER、SAMPLE AHAMBER
MODEL TR42((株)アドバンテスト製)を用
いて体積抵抗を測定した。 iii)吸湿量 生成物をあらかじめ120℃、2時間乾燥させ、その試
料を25℃、75%RHの恒湿槽に1週間放置し、その
重量変化より吸湿量を求めた。 iv)熱分解温度 10℃/minの昇温速度、空気気流下条件で示差熱重
量分析を行い、重量減少が開始する温度をもって熱分解
温度を求めた。
【0072】電界発光素子の作製 上記バインダー組成物に平均粒径が30μmの蛍光体粉
末(ZnS:Cu)#723(GTEシルバニア社製)
をバインダー組成物重量の3.2倍量加え、均一に分散
して発光層用ペーストとし、また、バインダー組成物に
平均粒径1.4μmのチタン酸バリウム粉末をバインダ
ー組成物重量の4.7倍量加え、均一に分散して絶縁反
射用ペーストを調製した。次に、透明導電性フィルム:
エレクリスタ300C(日東電工社製、商品名)の導電
面側に給電線として銀ペーストをスクリーン印刷法によ
り印刷、乾燥し、りん青銅よりなるリード電極を取り付
けた後、この給電線印刷面にスクリーン印刷法によって
上記の発光層用ペーストを印刷し、乾燥させた。その
後、同層上に同じくスクリーン印刷法によって絶縁反射
層用ペーストを印刷し、乾燥して絶縁反射層を形成し
た。得られた層の厚さは、発光層が約55μm、絶縁反
射層が約24μmであった。更に、絶縁反射層上にスク
リーン印刷法により銀ペーストを印刷、乾燥し、背面電
極を作製した。この背面電極にリード電極を取り付けた
後、積層素子全体にポリクロロトリフルオロエチレンよ
りなる防湿シート:ELシーラー4810N−R(日東
電工社製、商品名)をロールラミネータにより圧着封止
し、分散型電界発光素子を得た。この発光素子の特性を
表3に示した。
【0073】[実施例2](b)成分の合成 実施例1におけるプレポリマー及びメチルハイドロジェ
ンシリコーンオイルの量をそれぞれ79g、31.4g
とし、ヘキサメチルジシロキサンの代わりにテトラメチ
ルテトラシクロシロキサン9.3gを用いた以外は、実
施例1と同様にしてオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン113gを得た。このオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは上記平均組成式(2)で示されるものであ
り、各成分の組成及び粘度は表1に示されるものであっ
た。
【0074】バインダー組成物の調製及びこの硬化物の
物性測定 実施例1の(a)成分15g、上記(b)成分6.8g
を用いた以外は、実施例1と同様にしてバインダー組成
物を調製し、硬化フィルムを得、この物性を測定した。
結果を表1に併記する。
【0075】電界発光素子の作製 上記バインダー組成物を用いて、実施例1と同様にして
電界発光素子を作製した。この発光素子の特性を表3に
示した。
【0076】[実施例3](a)成分の合成 実施例1におけるシアノエチルトリエトキシシラン、シ
アノエチルメチルジメトキシシラン及びビニルメチルジ
メトキシシランの量をそれぞれ86.8g(0.4モ
ル)、0g、79.2g(0.6モル)とした以外は、
実施例1と同様にしてオルガノポリシロキサン98gを
得た。このオルガノポリシロキサンは上記平均組成式
(1)で示されるものであり、各成分の組成及び粘度は
表1に示されるものであった。
【0077】バインダー組成物の調製及びこの硬化物の
物性測定 上記(a)成分15g、実施例2の(b)成分9.9g
を用いた以外は、実施例1と同様にしてバインダー組成
物を調製し、硬化フィルムを得、この物性を測定した。
結果を表1に併記する。
【0078】電界発光素子の作製 上記バインダー組成物を用いて、実施例1と同様にして
電界発光素子を作製した。この発光素子の特性を表3に
示した。
【0079】[実施例4](a)成分の合成 実施例1におけるシアノエチルトリエトキシシラン、シ
アノエチルメチルジメトキシシラン及びビニルメチルジ
メトキシシランの量をそれぞれ21.7g(0.1モ
ル)、0g、118.8g(0.9モル)とした以外
は、実施例1と同様にしてオルガノポリシロキサン99
gを得た。このオルガノポリシロキサンは上記平均組成
式(1)で示されるものであり、各成分の組成及び粘度
は表2に示されるものであった。
【0080】バインダー組成物の調製及びこの硬化物の
物性測定 上記(a)成分15g、実施例1の(b)成分21.9
gを用いた以外は、実施例1と同様にしてバインダー組
成物を調製し、硬化フィルムを得、この物性を測定し
た。結果を表2に併記する。
【0081】電界発光素子の作製 上記バインダー組成物を用いて、実施例1と同様にして
電界発光素子を作製した。この発光素子の特性を表3に
示した。
【0082】[比較例1、2]特公平8−6087号公報
に基づいて合成したシアノエチルオルガノポリシロキサ
ン(比較例1)及びシアノエチルセルロース(TEL
SYSTEMS INC製、アクリロセル)(比較例
2)は、半固体又は固体のため、アセトンに溶解したも
のを使用して実施例1と同様にフィルムを作成し、評価
を行った。結果を表2に示す。
【0083】電界発光素子の作製 上記各バインダー組成物を用いて、実施例1と同様にし
て電界発光素子を作製した。これらの発光素子の特性を
表3に示した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】 *1:100V、400Hzでの初期輝度 *2:40℃、90%RHでの輝度半減期
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/22 H05B 33/22 Z Fターム(参考) 3K007 AB02 AB06 AB11 AB13 AB18 CA06 CB01 DA04 EA03 4H001 CA01 XA05 XA06 XA07 XA08 XA14 XA16 XA30 XA34 XA48 YA29 4J002 CP09W CP14X GP00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界発光性粉粒体を含有する誘電体が発
    光層として層状に形成された電界発光素子において、該
    誘電体が、(a)シアノアルキル基と脂肪族不飽和結合
    を有する一価炭化水素基とを含有するオルガノポリシロ
    キサン、(b)シアノアルキル基含有オルガノハイドロ
    ジェンポリシロキサン、及び(c)白金族金属系触媒を
    含有する高誘電付加型硬化性バインダー組成物の硬化物
    からなることを特徴とする電界発光素子。
  2. 【請求項2】 誘電体が、(a)下記平均組成式(I) R1 a2 b3 cSiO(4-a-b-c)/2 (I) (式中、R1は炭素数3〜5のシアノアルキル基、R2
    炭素数2〜6の脂肪族不飽和結合を有する一価炭化水素
    基、R3は炭素数1〜10のR1、R2以外の一価炭化水
    素基、aは0.2〜0.95、bは0.05〜0.7、
    cは0.05〜1.0、a+b+cは1.05〜1.9
    である。)で示されるシアノアルキル基と脂肪族不飽和
    結合を有する一価炭化水素基とを含有するオルガノポリ
    シロキサン、(b)下記平均組成式(II) R4 k5 m6 nSiO(4-k-m-n)/2 (II) (式中、R4は炭素数3〜5のシアノアルキル基、R5
    水素原子、R6は炭素数1〜10のR4以外の一価炭化水
    素基、kは0.2〜0.7、mは0.2〜0.7、nは
    1.0〜1.6、k+m+nは2.0〜2.3であ
    る。)で示されるシアノアルキル基を含有するオルガノ
    ハイドロジェンポリシロキサン、及び(c)白金族金属
    系触媒を含有する高誘電付加型硬化性バインダー組成物
    の硬化物からなることを特徴とする請求項1記載の電界
    発光素子。
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