JP2002324732A - 電解コンデンサ及び該コンデンサの材料並びにその製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ及び該コンデンサの材料並びにその製造方法

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JP2002324732A
JP2002324732A JP2001125979A JP2001125979A JP2002324732A JP 2002324732 A JP2002324732 A JP 2002324732A JP 2001125979 A JP2001125979 A JP 2001125979A JP 2001125979 A JP2001125979 A JP 2001125979A JP 2002324732 A JP2002324732 A JP 2002324732A
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electrolytic capacitor
polymer
electrolyte
separator
vinylacetamide
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JP2001125979A
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Masataka Takeuchi
正隆 武内
Tetsuo Wada
哲夫 和田
Teruhito Oota
暉人 太田
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘度の低い電解液を用いて、液の蒸発、飛
散、漏出を防止したコンデンサの電気抵抗の小さな、コ
ンデンサの容量が大きいアルミニウム電解コンデンサの
提供。 【解決手段】 高分子固体電解質に、ゲル化性の親水性
重合体、アミド構造を有する繰り返し構造単位を含む重
合体、特にN−ビニルアミド構造を有する化合物を重合
することにより得られる親水性重合体を用いることによ
り、電解質塩や電解液との親和性、相溶性が大きく、高
イオン伝導性で、高分子量で安定性に優れた高分子固体
電解質が得られることを見出し、これを使用すること
で、粘度の低い電解液を用いて、しかも缶体の内部でゲ
ル化させることで、液の蒸発、漏出を防止し、電気抵抗
の小さなアルミニウム電解コンデンサが容易に製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は親水性重合体を含む
電解コンデンサ用高分子固体電解質及びこれを用いた電
解コンデンサ用セパレータ、電解コンデンサ並びにその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、例えばアルミニウム
電解コンデンサでは、一般に表面をエッチング処理して
表面積を増やした陰極アルミニウム箔、同じくエッチン
グ処理し、さらに化成処理により誘電皮膜を形成した陽
極アルミニウム箔、セパレータとしての隔離紙、電解質
溶液(電解質、溶媒等)、アルミニウムケースおよびゴ
ムもしくは樹脂製の蓋体より構成される。アルミニウム
陽極箔は、容量を確保するために、非常に微細なエッチ
ング処理が施され、有効表面積を増大させている。電解
液は、アルミニウム箔を腐食しないためにpHが中性に
近いこと、コンデンサの電気抵抗を下げるため良好なイ
オン導電体であること、液の漏出や蒸散を防ぐために蒸
気圧が低く、かつ粘度の高い液体で有ることが要求され
る。一般には、硼酸や燐酸あるいは有機酸などの弱酸を
アンモニア、アミンなどの弱塩基で中和した水溶液に、
エチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコール
を加えて煮沸し、水分を減少させたものを用いる。水の
代わりにジメチルホルムアミドなどの有機溶媒が用いら
れる場合もある。
【0003】製法は、一般に陽極と陰極のアルミニウム
箔の間に隔離紙を挟んで巻回し、アルミニウムケースに
装填したのち、電解液を加えて隔離紙に含浸させ、蓋体
により封缶することにより作製される。粘度の高い液体
を微細にエッチングされた電極の微細孔(エッチングピ
ット)にまで十分含浸させるのは、困難であり、そのた
めに、製造工程においては、真空装置、遠心加圧装置な
どを用いるのが一般的である。
【0004】また、電解コンデンサ用電解液に添加され
る高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンオキシド等が使用され検討されている。例えば、特開
平1−248509号公報では、電解コンデンサ用電解
液に水溶性高分子として、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキシドを添加することで電解液のガス発生量
を少なくした電解液を、特開平4−350918号公報
では、ポリビニルアルコール誘導体を電解コンデンサ用
電解液に添加することで耐電圧特性を向上させた電解液
を開示している。しかし、これらに用いる高分子は水溶
性高分子であり、粘度の高い、電解質を含んだ電解液で
のイオン伝導度が十分でなく、電解液との親和性・相溶
性や電解液の酸性またはアルカリ性に対する安定性に問
題がある。
【0005】また、例えば、特開昭59−145517
号公報では、ヒドロキシ・エチルセルロース等のゲル化
剤を用いたアルミニウム電解コンデンサが記載されてい
るが、ゲル化した電解質の均一性、電極箔表面のエッチ
ングピットでの電解質の密着性で問題があり、特開平1
0−116754号公報では熱処理してゲル状電解質を
形成させる熱可塑性エラストマーの記載がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電解液の漏出、蒸発、
飛散防止のためには、粘度はなるべく高い方が良いが、
一般に電解質の電気伝導率は電解液の粘度の上昇ととも
に低下し、コンデンサの電気抵抗が増加する。また電解
液が電極の微細孔へ十分に含浸しないと、電解質が電極
箔に密着していない分、有効に使われずにコンデンサの
容量が低下する。従って、粘度の高い電解液をセパレー
タや電極の微細孔に含浸させるために、真空装置や遠心
加圧装置などの設備が必要になり,生産性が低下するこ
とも避けられなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、高分子固体電解質
として、ゲル化性の親水性重合体(ゲル化性を有すると
は、液状から溶媒に不溶なゲル状に変化した状態を取る
ことができることである。)、アミド(または酸アミ
ド)構造を有する繰り返し構造単位を含む重合体、例え
ば、N−ビニルアミド構造を有する化合物(N−ビニル
アミド化合物ともいう)を重合することにより得られる
重合体を用いることにより、電解質塩や電解液との親和
性、相溶性が大きく、高イオン伝導性で、高分子量で安
定性に優れた高分子固体電解質が得られることを見出し
た。該親水性重合体は、水その他の溶媒に対して膨潤ま
たは吸収するものであってもよく、水その他の溶媒に対
して優れた吸収能を有し、系内にイオンが共存する液体
に対する吸収率が高いものが好ましい。また、該親水性
重合体は、通常溶媒に用いられる水−アルコール系のみ
ならず、ジメチルホルムアミドなどの非水溶媒とも優れ
た相溶性を示す。上記高分子固体電解質を用いることに
より、イオン伝導度が高い、粘度の低い電解液が作製で
き、液の蒸発、漏出が少ない電気抵抗の小さな電解コン
デンサが容易に製造できることを確認した。
【0008】さらに、N−ビニルアミド構造を有する化
合物を缶体の内部で重合、またはゲル化させることで、
液の蒸発、漏出が少ない電気抵抗の小さな電解コンデン
サを製造できることを確認した。
【0009】すなわち、本発明は、以下の電解コンデン
サ及び該コンデンサの材料並びにその製造方法を提供す
る。
【0010】1)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極
体との間に高分子固体電解質層が形成された電解コンデ
ンサに用いる高分子固体電解質において、ゲル化性の親
水性重合体を含むことを特徴とする電解コンデンサ用高
分子固体電解質、 2)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体との間に高
分子固体電解質層が形成された電解コンデンサに用いる
高分子固体電解質において、アミド構造を有する繰り返
し構造単位を含む重合体を含むものであることを特徴と
する電解コンデンサ用高分子固体電解質、 3)アミド構造を有する繰り返し構造単位が、一般式
(1)
【化5】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
以上10以下のアルキル基を表す。アルキル基の鎖中に
は任意にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合
を含んでもよい。)で表される構造単位である前記2)
に記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質、 4)アミド構造を有する繰り返し構造単位を含む重合体
が、一般式(2)
【化6】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
以上10以下のアルキル基を表す。アルキル基の鎖中に
は任意にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合
を含んでもよい。)で表されるN−ビニルアミド構造を
有する化合物の重合体であることを特徴とする前記2)
に記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質、 5)アミド構造を有する繰り返し構造単位を含む重合体
が、N−ビニルアセトアミドの重合体であることを特徴
とする前記2)に記載の電解コンデンサ用高分子固体電
解質、 6)アミド構造を有する繰り返し構造単位を含む重合体
が、N−ビニルアセトアミドを架橋した三次元架橋体で
あることを特徴とする前記2)に記載の電解コンデンサ
用高分子固体電解質、 7)アミド構造を有する繰り返し構造単位を含む重合体
が、N−ビニルアセトアミドの二価基を含む三次元架橋
体であることを特徴とする前記2)に記載の電解コンデ
ンサ用高分子固体電解質、 8)N−ビニルアセトアミドの重合体が、ポリ−N−ビ
ニルアセトアミド、N−ビニルアセトアミド/アクリル
酸ナトリウム共重合体、N−ビニルアセトアミド/酢酸
ビニル共重合体、N−ビニルアセトアミド/アクリルア
ミド共重合体からなる群から選ばれた少なくともひとつ
であることを特徴とする前記5)に記載の電解コンデン
サ用高分子固体電解質、 9)N−ビニルアセトアミドの二価基を含む三次元架橋
体が、ポリ−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルアセ
トアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体、N−ビニル
アセトアミド/酢酸ビニル共重合体、N−ビニルアセト
アミド/アクリルアミド共重合体からなる群から選ばれ
た少なくともひとつを架橋したものである前記7)に記
載の電解コンデンサ用高分子固体電解質、 10)アミド構造を有する繰り返し構造単位を含む重合
体の質量平均分子量が、5000以上であることを特徴
とする前記2)乃至9)のいずれかひとつに記載の電解
コンデンサ用高分子固体電解質、 11)電解液を含む前記1)乃至10)のいずれかひと
つに記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質、 12)電解液が、溶媒として水を含むことを特徴とする
前記11)に記載の電解コンデンサ用高分子固体電解
質、 13)電解液が、溶媒としてアルコールを含むことを特
徴とする前記11)に記載の電解コンデンサ用高分子固
体電解質、 14)電解液が、非水溶媒であることを特徴とする前記
11)記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質、 15)電解液が、電解質としてホウ酸、リン酸、ヘテロ
ポリ酸、鎖式モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、
鎖式ジカルボン酸、環式ジカルボン酸、鎖式トリカルボ
ン酸のアンモニウム塩あるいはアルカリ塩からなる群か
ら選ばれた少なくともひとつを含むことを特徴とする前
記11)乃至14)のいずれかひとつに記載の電解コン
デンサ用高分子固体電解質、
【0011】16)前記1)乃至15)のいずれかひと
つに記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質が、多孔
質のセパレータに含まれることを特徴とする電解コンデ
ンサ用セパレータ、 17)前記1)乃至15)のいずれかひとつに記載の電
解コンデンサ用高分子固体電解質が、多孔質のセパレー
タに担持されていることを特徴とする電解コンデンサ用
セパレータ、 18)多孔質のセパレータが、植物繊維または/及び合
成樹脂繊維からなることを特徴とする前記16)または
17)に記載の電解コンデンサ用セパレータ、 19)植物繊維が、マニラ麻の繊維、エスパルト繊維、
ヘンプ繊維、木材パルプからなる群から選ばれた少なく
ともひとつであることを特徴とする前記18)に記載の
電解コンデンサ用セパレータ、 20)合成樹脂繊維が、ポリプロピレン繊維、ビニロン
繊維、レーヨン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル
繊維からなる群から選ばれた少なくともひとつであるこ
とを特徴とする前記18)に記載の電解コンデンサ用セ
パレータ、 21)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体との間
に、前記1)乃至15)のいずれかひとつに記載の電解
コンデンサ用高分子固体電解質を設けてなるコンデンサ
素子を有することを特徴とする電解コンデンサ、 22)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体との間
に、前記16)乃至20)のいずれかひとつに記載の電
解コンデンサ用セパレータを介在してなるコンデンサ素
子を有することを特徴とする電解コンデンサ、 23)誘電体酸化皮膜を有する陽極体が、誘電体酸化皮
膜を有する弁作用金属である前記21)または22)に
記載の電解コンデンサ、 24)弁作用金属が、アルミニウム、タンタル、ニオ
ブ、チタンおよびこれらの合金からなる群から選ばれる
少なくともひとつであることを特徴とする前記23)に
記載の電解コンデンサ、
【0012】25)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰
極体との間に、前記1)乃至15)のいずれかひとつに
記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質を挟持するこ
とを特徴とする電解コンデンサの製造方法、 26)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体との間
に、前記16)乃至20)のいずれかひとつに記載の電
解コンデンサ用セパレータを介在したコンデンサ素子
に、電解液を含浸させることを特徴とする電解コンデン
サの製造方法、 27)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体との間
に、前記1)乃至15)のいずれかひとつに記載の電解
コンデンサ用高分子固体電解質を挟持して巻回すること
を特徴とする電解コンデンサの製造方法、 28)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体との間
に、前記16)乃至20)のいずれかひとつに記載の電
解コンデンサ用セパレータを介在して巻回したコンデン
サ素子に、電解液を含浸させることを特徴とする電解コ
ンデンサの製造方法、 29)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体との間
に、一般式(2)
【化7】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
以上10以下のアルキル基を表す。アルキル基の鎖中に
は任意にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合
を含んでもよい。)で表されるN−ビニルアミド構造を
有する化合物を含む溶液を設けて、重合させることを特
徴とする電解コンデンサの製造方法、および 30)誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体との間に
多孔質のセパレータを介在したコンデンサ素子に、一般
式(2)
【化8】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
以上10以下のアルキル基を表す。アルキル基の鎖中に
は任意にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合
を含んでもよい。)で表されるN−ビニルアミド構造を
有する化合物を含む溶液をセパレータに含浸させ、重合
させることを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】(1)重合体 本発明の高分子固体電解質に用いられる重合体として
は、アミド構造を有する繰り返し構造単位を含む重合体
が好ましいが、重合体(高分子)としては一般式(1)
【化9】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
以上10以下、好ましくは1以上6以下のアルキル基を
表す。アルキル基の鎖中には任意にエーテル結合、チオ
エーテル結合、アミド結合を含んでもよい。)で表され
るアミド構造を有する繰り返し構造単位を含む重合体が
さらに好ましい。アミド構造を有する繰り返し構造単位
を含む重合体は電解質塩を高濃度で含む水溶液と安定に
相溶し、その状態で高いイオン伝導性を有することがわ
かった。R1,R2の有用な例は、水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2
−メチルプロピル基、t−ブチル基、メトキシメチル基
であり、さらにR1が水素原子、R2がメチル基またはエ
チル基が好ましい。
【0014】また、N−ビニルアミド構造を有する化合
物が一般式(2)
【化10】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
以上10以下、好ましくは1以上6以下のアルキル基を
表す。アルキル基の鎖中には任意にエーテル結合、チオ
エーテル結合、アミド結合を含んでもよい。)で表され
る化合物であり、該化合物を重合させた重合体が好適に
用いられる。R1、R2の有用な例は、水素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、2−メチルプロピル基、t−ブチル基、メトキシメ
チル基であり、さらにR1が水素原子、R2がメチル基ま
たはエチル基が好ましい。
【0015】その中でN−ビニルアセトアミド(一般式
(2)において、R1=H、R2=CH 3の場合)の重合体
は、酸、アルカリ等のpH(水素イオン濃度)に関係な
く水溶液を安定に吸収することができるので高分子固体
電解質に好適に用いられる。またN−ビニルアセトアミ
ドは他の多官能性重合性化合物と共重合することにより
三次元架橋体となり、このN−ビニルアセトアミドの三
次元架橋体は高濃度電解質塩溶液を約10倍以上吸収す
ることができ、その場合の機械的強度も良好で、酸、ア
ルカリや高温でも安定でありさらに好適に用いられる。
【0016】本発明において、N−ビニルアミドの重合
体とは、N−ビニルアミド単独重合体およびN−ビニル
アミド共重合体をいう。N−ビニルアミドと共重合可能
なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸またはその塩、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸(イソ)プロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチ
ル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシアル
キレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリル酸系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸またはその塩、N−イソプロピル(メタ)アク
リルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー;酢酸
ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル等のビニルエステル
系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、p−メトキシスチレン、m−クロロスチレ
ン等のスチレン系モノマー;メチルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル等のビニ
ルエーテル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸ま
たはその塩、フマル酸またはその塩、マレイン酸ジメチ
ルエステル、フマル酸ジエチルエステル等のジカルボン
酸系モノマー;アリルアルコール、アリルフェニルーテ
ル、アリルアセテート等のアリル系モノマー等の他、
(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、エチレン、プロ
ピレン等のモノマーを例示することができる。また、上
記例示モノマーを二種類以上組み合わせて共重合するこ
とも可能である。これら、共重合可能なモノマーの使用
割合は、本発明の目的性能をそこなわない程度、概ね6
0質量%以下、好ましくは40質量%以下、さらに好ま
しくは30質量%以下である。
【0017】本発明において使用される重合体を製造す
る方法としては、従来公知のいかなる方法でもよく、例
えば水、メタノール、エタノール、その他の有機溶剤あ
るいはその混合液を溶媒として、アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン
−2−イル)プロパン]塩酸塩、2,2’−アゾビス−
2−アミジノプロパン塩酸塩等のアゾ系化合物、t−ブ
チルパーオキシサイド、過酸化水素、t−アミルパーオ
キサイド、クミルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、プロピオニルパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、シクロヘキシルハイドロパーオキ
サイド、テトラリンハイドロパーオキサイド等の過酸化
物、過硫酸塩と有機アミンとを組み合わせたレドックス
系開始剤等のラジカル重合開始剤を用いて重合させるこ
とができるが、好ましくはアゾ系化合物を開始剤として
重合するのが望ましい。重合開始温度は用いる開始剤の
種類によっても異なるが、通常は0〜100℃、好まし
くは0〜50℃の範囲である。反応は窒素ガス、アルゴ
ンガス等の不活性雰囲気下で行ってもよい。
【0018】本発明において、N−ビニルアミドの三次
元架橋体は、1分子内に重合性二重結合を2個以上もつ
架橋剤の存在下でN−ビニルアミド(と上記他のコモノ
マーと)を重合架橋したもの、または、未架橋である前
駆共重合体を予め製造し、共重合体中の官能基と反応し
化学結合を形成する架橋剤と反応させる方法、放射線、
過酸化物等で架橋する方法などにより製造されたもので
ある。ここで架橋する際に使用する1分子内に重合性二
重結合を2個以上もつ架橋剤としては、テトラアリルオ
キシエタン、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテ
ル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメ
チロールプロパントリアリルエーテル、エチレングリコ
ールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリル
エーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、
ジアリルエーテル、単糖類、二糖類、多糖類、セルロー
スなどの水酸基を1分子内に2個以上有する化合物から
誘導されるポリアリルエーテル;トリメリット酸トリア
リル、クエン酸トリアリル、シュウ酸ジアリル、コハク
酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マレイン酸ジアリル
等の1分子中にカルボキシル基を2個以上有する化合物
から誘導されるポリアリルエステル;ジアリルアミン、
トリアリルイソシアヌレートなどの1分子内にアリル基
を2個以上有する化合物;シュウ酸ジビニル、マロン酸
ジビニル、コハク酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、ア
ジピン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フマル酸ジビ
ニル、クエン酸トリビニルなどの1分子内にビニルエス
テル構造を2個以上有する化合物;N,N’−ブチレン
ビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N’−ジアセチ
ル−N,N’−ジビニル−1,4−ビスアミノメチルシ
クロヘキサンなどのビス(N−ビニルカルボン酸アミ
ド)化合物;N,N'−メチレンビスアクリルアミド、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート等の複数個のアクリルアミド構
造や(メタ)アクリル基を有する化合物;ジビニルベン
ゼン、ジビニルエーテル、(メタ)アクリル酸アリル等
のあらゆる公知の架橋剤が使用可能である。また、これ
らの架橋剤は一種または二種以上用いることもできる。
上記架橋剤の使用量は、N−ビニルアミドを含む重合性
モノマー全量に対して概ね10質量%以下、好ましくは
8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下である。
【0019】未架橋である前駆共重合体中の官能基(例
えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等)と反応し
て化学結合を生成し得る架橋剤としては、その官能基に
応じて、ポリグリシジルエーテル、ポリイソシアネー
ト、ポリアミン、ポリオール、ポリカルボン酸などが挙
げられる。これらの架橋剤の使用量は、通常、架橋物前
駆共重合体質量を基準として、重合体:架橋剤の比が質
量比で90:10〜99.999:0.001の範囲が
好ましく、95:5〜99.995:0.005の範囲
がより好ましい。
【0020】本発明の高分子固体電解質中に用いられる
重合体の分子量は質量平均分子量として5000以上で
あり、5000以上1000万以下が好ましく、さらに
は1万以上500万以下がより好ましい。分子量が50
00未満だと、電解質や溶媒の吸収量が少なく、また機
械的強度も小さくなり好ましくない。分子量が1000
万を超えると、電極やセパレータ等と複合しにくくなり
好ましくない。本発明の高分子固体電解質中に用いられ
る重合体の使用量は他の材料(電解質塩、溶媒、無機微
粒子等)が目的に応じた量に吸収できればよく、一般的
には1質量%以上95質量%以下であり、3質量%以上
90質量%以下が好ましく、さらに5〜85質量%が好
ましい。
【0021】本発明のN−ビニルアセトアミドの重合体
の具体例としては昭和電工製のポリ−N−ビニルアセト
アミドが挙げられ、例えば架橋タイプのNA−150
F、NA−010F、NA−010S、非架橋タイプの
GE−191、GE−191LH、GE−191L、G
E−191LL、GE−191L34、及び、GE−1
67、GE−167L、GE−163LM(アクリル酸
ナトリウム共重合体)、及び、XGC−330(酢酸ビ
ニル共重合体)、及び、XGC−265(アクリルアミ
ド共重合体)等が挙げられる。
【0022】(2)電解質 本発明の高分子固体電解質中の重合体と複合させる電解
質の種類は特に限定されるものではなく、電解コンデン
サの電解液に通常用いられるものであれば特に限定され
ない。本発明のアミド構造を有する繰り返し構造単位を
含む重合体は前述したように電解質を高濃度で含む水溶
液を安定に吸収することができ、酸/アルカリにも安定
であるので、アルミニウムの酸化膜、水酸化膜に対する
化学的作用が弱い微酸性(約pH4〜7)においても電
解質とも容易に複合することができる。
【0023】例えば、電解質として、ホウ酸、リン酸、
亜リン酸、次亜リン酸等の無機酸;ケイタングステン
酸、ケイモリブテン酸、リンタングステン酸、リンモリ
ブテン酸等のヘテロポリ酸;フェノール、クレゾール、
トリニトロフェノール等のフェノール性水酸基を持つ有
機酸;スルファニル酸、アミド硫酸等のスルホン酸基を
持つ有機酸;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、アクリル
酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、グルコン酸、
オクタン酸、ドデシル酸、パルミチン酸、オレイン酸、
ステアリン酸等の鎖式モノカルボン酸;安息香酸、パラ
ニトロ安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、N−メ
チルアントラニル酸、没食子酸、ジフェニル酢酸等の芳
香族モノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバチン酸、デカンジカルボン酸等の一般式HOO
C(CH2)mCOOH(mは1以上30以下の整数)
で表せる鎖式ジカルボン酸;シュウ酸、タルトロン酸、
フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、酒石
酸等の鎖式ジカルボン酸;フタル酸、ニトロフタル酸、
テトラヒドロフタル酸等の環式ジカルボン酸;クエン
酸、トリカルバリル酸等のトリカルボン酸のアンモニウ
ム塩あるいはアルカリ塩が用いられる。
【0024】アルカリ塩としては、アルカリとしてNa
OH、LiOH、LiClO4、KOH、KHCO3、K
2CO3、Na243・10H2O等を上記の無機酸、有
機酸類に作用させ塩の形で用いるか、アンモニウム塩と
しては、NH3、NH4OH、モノエチルアミン、モノエ
タノールアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミ
ン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、トリエチル
アミン、トリエタノールアミン、ジ−n−プロピルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、ナフチレンジアミン、モ
ルホリン、ベンジルアミン、ヘキサメチレンテトラミン
等のアミンを上記の無機酸、有機酸類に作用させた塩の
形で用いる。中でも、ホウ酸、リン酸、フタル酸、マレ
イン酸、サリチル酸、安息香酸の3級若しくは4級アン
モニウム塩が良く使用される。
【0025】また、上記の無機酸、有機酸類は、アルカ
リ性を示す化合物で中和され、微酸性で使用される場合
は、酸にアルカリ性を示す化合物を加えるだけでなく、
中和塩を初めから使用して、そのpH値を酸またはアル
カリ性を示す化合物で調整して使用してもよい。
【0026】本発明の高分子固体電解質中に用いられる
電解質の使用量は他の材料(重合体、溶媒、無機フィラ
ー等)と混合し系内で解離ができ、イオン伝導度が極端
に低下しない範囲であればよく、一般的には0.1質量
%以上80質量%以下であり、1質量%以上60質量%
以下が好ましい。電解質が80質量%以上の比率で存在
すると、イオンの移動が大きく阻害され、逆に0.1質
量%以下の比率では、イオンの絶対量が不足となってイ
オン伝導度が小さくなる。
【0027】(3)溶媒 電解質を溶解し、本発明の重合体とゲル化を生成できる
もの、または重合体と親和性・相溶性を示すものであれ
ば特に限定されないが、例えばプロピルアルコール、ブ
チルアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコー
ル等の一価アルコール;エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、2,5−ヘキシレングリコール、3,4−ヘ
キシレングリコール、フェニルグリコール等の二価アル
コール;グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5
−トリオール等の三価アルコール;ヘキシトール等の六
価アルコール;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエ
ーテル等のエーテル;ホルムアミド、N−メチルホルム
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホ
ルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホス
ホリルアミド等のアミド;ジメチルスルホキシド、スル
ホラン等の含硫黄化合物;メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のジアルキルケトン;エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、2−
メトキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等
の環状エーテル;エチレンカーボネート、プロピレンカ
ーボネート等のカーボネート;γ−ブチロラクトン;N
−メチルピロリドン;アセトニトリル、ニトロメタン、
水が挙げられる。
【0028】中でも、水、二価以上の多価アルコール、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチ
レングリコール、エチレングリコールモノアルキルエー
テル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロ
ラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニト
リル、ニトロメタン、N−メチルピロリドン、テトラヒ
ドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオ
キソランおよび2−メトキシテトラヒドロフラン等を好
ましく用いることができる。これら溶媒は、単独で用い
ても2種以上混合して使用してもよい。
【0029】(4)セパレータ アミド構造を有する高分子の三次元架橋体は、電解液を
吸収した状態で、ゲル化を生成し、相当の機械的強度を
有するので、それ自体がセパレータとして機能しうる。
しかしながら、製造工程における物理的、化学的作用に
耐え生産性を向上するためには補強が必要な場合があ
る。
【0030】また、非架橋体あるいは未架橋である前駆
共重合体を架橋剤と反応させてゲル化剤として用いる場
合は、形成された高分子固体電解質をセパレータに含ま
せることが好ましく、さらにセパレータに担持させるこ
とが好ましい。担持とは、担体であるセパレータを支持
体として、高分子固体電解質を吸着、固着、接着等によ
って保持することである。担持させる方法としては、非
架橋のN−ビニルアミド(共)重合体の水または/及び
有機溶媒溶液、または、未架橋である前駆共重合体と架
橋剤の水または/及び有機溶媒溶液を用いて、目的にあ
った方法でセパレータにコーティングするか、または、
溶液中にセパレータをディッピングした後、これを乾燥
して水または/及び有機溶剤を除去する方法が一般的で
ある。例えば、グラビアコーター、ナイフコーター、ロ
ーラーコーター、転写式コーター、スプレーコーター、
インクジェット式コーターなどのコーティング方法を用
いることができる。未架橋である前駆共重合体と架橋剤
とを反応させてセパレータに担持させる場合には、必要
に応じて重合開始剤または/及び加熱することで重合ま
たは架橋反応を促進することが可能である。また、セパ
レータとして合成樹脂繊維を用いる場合には、N−ビニ
ルアミド(共)重合体の溶媒として水のみを用いるよ
り、適量のアルコール等の親水性有機溶媒を水に混ぜて
用いるか、有機溶媒を用いた方が、セパレータに対する
濡れ性を改善でき、セパレータ内部まで十分にN−ビニ
ルアミド(共)重合体を含浸させることが出来る。
【0031】さらには、電解質を溶解した電解液そのも
のにN−ビニルアミド(共)重合体を添加し、溶解また
は吸収させたものをセパレータに担持させて、そのまま
陽極箔、陰極箔との間に挟み込むことも可能である。セ
パレータに高分子固体電解質を含ませる方法としては、
上記の担持させる方法の他に、例えばセパレータを作製
する際に繊維と一所に混合し、混抄してシート状物を得
ることもできる。
【0032】本発明の電解コンデンサに用いるセパレー
タの種類は、特に限定する必要はなく、従来通り電解液
との相性、開口度、機械的強度などを考慮して選択する
ことができる。セパレータには、植物繊維を原料とする
ものと、合成樹脂を原料とするものとがある。植物繊維
を原料とするものとしては、木材パルプからなるクラフ
ト紙等と、非木材パルプからなるマニラ麻紙、エスパル
ト繊維紙、ヘンプ繊維紙等がある。また、合成樹脂を原
料とするものとしては、ポリプロピレン、ビニロン、レ
ーヨン、ポリエチレン、ポリエステル等の繊維がある。
【0033】セパレータとしては、電解コンデンサに通
常用いられるセルロース、リグニンを主成分とする隔離
紙、さらに開口度の高い合成樹脂の不織布、または木材
パルプ、非木材パルプ、合成樹脂繊維を混抄したシート
状物を使用することもできる。例えば、隔離紙では、密
度0.4〜0.7g/cm3、厚み30〜60μmのク
ラフト紙が使用できる。
【0034】(5)無機微粒子 以上、本発明の高分子固体電解質の主な構成成分を列挙
したが、本発明の目的を損なわない限り、他の成分を添
加することも可能である。例えば、各種無機微粒子を添
加した複合電解質として使用でき、水溶液保持性や熱安
定性が改善され、耐久性、安全性、信頼性が改善され
る。また、場合によっては、無機微粒子と電解質塩、重
合体との相互作用により、逆にイオン伝導度、移動度が
増加することもある。使用する無機微粒子としては非電
子伝導性、電気化学的に安定なものが選ばれる。またイ
オン伝導性で有ればさらに好ましい。具体的にはα、
β、γ−アルミナ、シリカ等のイオン伝導性または非電
導性セラミックス微粒子が挙げられる。複合電解質の電
解液保持性向上や固体系での強度の観点から、無機微粒
子は一次粒子が凝集した二次粒子構造をもつものが好ま
しい。このような構造を持つ無機微粒子の具体例として
はアエロジル(登録商標;日本アエロジル(株)製)の
ようなシリカ超微粒子、アルミナ超微粒子が挙げられ、
安定性、複合効率からアルミナ超微粒子がさらに好まし
い。
【0035】電解質中の電解質含有液の保有量を多く
し、イオン伝導性、移動度を増加させるという目的で
は、無機微粒子の比表面積はできるだけ大きいことが好
ましく、BET法で約5m2/g以上が好ましく、約5
0m2/g以上がさらに好ましい。このような無機微粒
子のサイズとしては、高分子固体電解質の構成成分と混
合できれば特に限定はないが、平均粒径としては0.0
1μm〜100μm程度が好ましく、0.01μm〜2
0μm程度がさらに好ましい。また、形状としては球
形、卵形、立方体状、直方体状、円筒ないし棒状等の種
々の形状のものを用いることができる。無機微粒子の添
加量は多すぎると電解質のイオン伝導性低下、粘度増
大、強度低下等の問題を生じる。従って好ましい添加量
としては、電解質に対して50質量%程度以下が好まし
く、0.1〜30質量%程度の範囲が好ましく、0.1
〜20質量%程度の範囲がさらに好ましい。本発明の電
解コンデンサを製造するには、電極体として、アルミニ
ウム、タンタル、ニオブ、チタンの単体金属またはこれ
らの合金等の弁作用金属が好ましく、形状としては箔
状、板状、焼結体等が用いられる。電極体として例え
ば、アルミニウム箔を用いる場合は、表面積を拡大する
ために、電気化学的にエッチングして、エッチングピッ
トと呼ばれる微細孔を形成させた電極箔を、リン酸アン
モニウム、ホウ酸アンモニウム等の液中で電気化学的
に、定格電圧で酸化アルミニウムの誘電体の形成を行
う。
【0036】所定の大きさに裁断された誘電体酸化皮膜
を有するアルミニウム陽極箔およびエッチング処理され
たアルミニウム陰極箔の間に、電解紙、不織布等のセパ
レータを挟持し、巻回して形成された円筒形のコンデン
サ素子に本発明の高分子固体電解質を含有する電解液を
含浸したものをアルミニウム合金製の円筒状ケースに収
納し、端子を引き出し、蓋をして密封して電解コンデン
サを得ることができる。また、本発明に用いる高分子固
体電解質は、前駆(共)重合体を含む溶液をアルミニウ
ム陽極箔とアルミニウム陰極箔との間に挟み、重合させ
ることでゲル状として形成することができる。この重合
体を製造する方法は、前述の重合開始剤、重合条件を参
考にして行うことができる。なお、この際セパレータを
電極間に介在させることもある。
【0037】さらに、コンデンサ素子は巻回型でなく、
箔を積層させたものや長尺状の箔をつづら折りにした扁
平型などでも製造できる。
【0038】
【実施例】以下に本発明について代表的な例を示し、さ
らに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単
なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるも
のではない。
【0039】(1)試験品試作 未架橋のN−ビニルアセトアミド/アクリル酸アンモニ
ウム共重合体(モノマー質量比率:7/3、平均質量分
子量30万)の水溶液に、架橋剤としてエチレングリコ
ールジグリシジルエーテルを、ポリマー中のカルボキシ
ル基4モルに対して架橋剤中のエポキシ基が1モルにな
るように添加した。これを厚み50μmのポリオレフィ
ン製不織布に含ませた状態で、100℃ 3時間加熱し
て架橋を行い、その後、相対湿度75%、25℃の恒温
恒湿器に6時間放置して、架橋タイプのN−ビニルアセ
トアミド/アクリル酸アンモニウム共重合体のフィルム
を製造した。
【0040】幅24mm、長さ1300mmの酸化アル
ミニウム皮膜を有する陽極用アルミニウム化成箔と陰極
用エッチングアルミニウム箔とを用意し、先のN−ビニ
ルアセトアミド/アクリル酸アンモニウム共重合体のフ
ィルムと交互に重ねて手で巻回した。その後エチレング
リコール80質量%、アジピン酸アンモニウム10質量
%、水10質量%、リン酸150ppm(質量百万分
率)の混合液に30分浸して、該フィルムに十分吸収さ
せ、かつ両極の細孔部に液を浸透させて,アルミニウム
合金製の缶体に収納、封缶し、エージング処理をした
後、特性を測定し、その結果を表1に示した。
【0041】(2)対照品試作 N−ビニルアセトアミド/アクリル酸アンモニウム共重
合体のフィルムを用いない以外は、試験品と同種、同形
状の陽極箔、陰極箔をポリオレフィン不織布と挟んで自
動加締巻取機で巻回し真空含浸装置付全自動組立機を用
いて電解液と共に缶体に納めた。電解液の組成は試験品
と同じものを用いた。試験品と同様のエージング処理を
行い、特性を測定し、その結果を表1に示した。
【0042】
【表1】 なお、ESRはコンデンサの内部抵抗の大きさを示す等
価直列抵抗の略で100KHzの値である。また。容量
とESRの値は全サンプルの平均値である。
【0043】実施例2 (1)試験品試作 未架橋のN−ビニルアセトアミド単独重合体(平均質量
分子量3万)の40質量%水溶液を、厚み50μmのポ
リオレフィン製不織布に含ませた状態で、100℃、2
時間加熱乾燥を行い、その後、相対湿度75%、25℃
の恒温恒湿器に6時間放置して、未架橋タイプのN−ビ
ニルアセトアミド単独重合体のフィルムを製造した。
【0044】幅24mm、長さ1300mmの陽極用ア
ルミニウム化成箔と陰極用エッチングアルミニウム箔と
を用意し、先のN−ビニルアセトアミド単独重合体のフ
ィルムと交互に重ねて手で巻回した。その後エチレング
リコール80質量%、アジピン酸アンモニウム10質量
%、水10質量%、リン酸150ppm(質量百万分
率)の混合液に30分浸して、該フィルムに十分吸収さ
せ、かつ両極の細孔部に液を浸透させて,アルミニウム
製の缶体に収納、封缶し、エージング処理をした後、特
性を測定し、その結果を表2に示した。
【0045】(2)対照品試作 N−ビニルアセトアミド単独重合体のフィルムを用いな
い以外は、試験品と同種、同形状の陽極箔、陰極箔をポ
リオレフィン製不織布と挟んで自動加締巻取機で巻回し
真空含浸装置付全自動組立機を用いて電解液と共に缶体
に納めた。電解液の組成は試験品と同じものを用いた。
試験品と同様のエージング処理を行い、特性を測定し、
その結果を表2に示した。
【0046】
【表2】 なお、ESRはコンデンサの内部抵抗の大きさを示す等
価直列抵抗の略で100KHzの値である。また。容量
とESRの値は全サンプルの平均値である。
【0047】実施例3 (1)試験品試作 厚み50μm、空孔率約80%のポリプロピレン製不織
布に、エチレングリコール80質量%、アジピン酸アン
モニウム10質量%、水10質量%、リン酸150pp
m(質量百万分率)の混合液を含浸させた後、昭和電工
製PNVA(登録商標:商品名NA−150F、架橋
型、平均粒径53μm以下)を電解液に対して3質量%
添加して約2時間放置することにより、電解液をゲル化
させ、不織布に含浸した高分子ゲル電解質膜を作製し
た。
【0048】幅24mm、長さ1300mmの陽極用ア
ルミニウム化成箔と陰極用エッチングアルミニウム箔と
を用意し、先の不織布に含浸した高分子電解質膜と交互
に重ねて手で注意深く巻回した。その後エチレングリコ
ール80質量%、アジピン酸アンモニウム10質量%、
水10質量%、リン酸150ppm(質量百万分率)の
混合液に30分浸して、両極の微細孔に液を浸透させ
て,アルミニウム製の缶体に収納、封缶し、エージング
処理をした後、特性を測定し、その結果を表3に示し
た。
【0049】(2)対照品試作 試験品と同種、同形状の陽極箔、陰極箔をポリプロピレ
ン製不織布と挟んで自動加締巻取機で巻回し真空含浸装
置付全自動組立機を用いて電解液と共に缶体に納めた。
電解液の組成は試験品と同じものを用いた。試験品と同
様のエージング処理を行い、特性を測定し、その結果を
表3に示した。
【0050】
【表3】 なお、ESRはコンデンサの内部抵抗の大きさを示す等
価直列抵抗の略で100KHzの値である。また。容量
とESRの値は全サンプルの平均値である。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明において、高分子
固体電解質に、ゲル化性の親水性重合体、アミド構造を
有する繰り返し構造単位を含む重合体、例えばN−ビニ
ルアミド構造を有する化合物を重合することにより得ら
れる重合体を用いることにより、電解液(電解質、溶
媒)との親和性または相溶性が大きく、安定性に優れた
高分子固体電解質が得られる。N−ビニルアミド構造を
有する化合物の重合体のうち、N−ビニルアセトアミド
を重合して得られるポリ−N−ビニルアセトアミドを含
有する高分子固体電解質を用いることで、粘度の低い電
解液を得ることができ、これを用いることで、電解液の
蒸発、液漏れが少ない電気抵抗の小さな電解コンデンサ
を容易に製造できる。また、N−ビニルアミド構造を有
する化合物を缶体の内部で重合させ、重合体を得ること
で、電解液の蒸発、液漏れが少ない電気抵抗の小さな電
解コンデンサを容易に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/56 H01G 9/02 331G H01G 9/00 331E 9/24 A (72)発明者 太田 暉人 東京都港区芝大門一丁目13番9号 昭和電 工株式会社内 Fターム(参考) 4J011 CA01 CA03 CA08 CA09 CC02 CC04 4J100 AA02Q AA03Q AB02Q AB03Q AB04Q AB07Q AB08Q AC03Q AD03Q AE02Q AE03Q AE09Q AE18Q AE64R AE71R AE77R AG02Q AG04Q AG10Q AG63R AG64R AG69R AJ02Q AJ09Q AK01Q AK08Q AK18Q AK32Q AL03Q AL04Q AL08Q AL09Q AL34Q AL62R AL66R AL92R AM02Q AM15Q AM17Q AM19Q AM21Q AM24R AN04P AN13R AN14R AQ20R BA02P BA02R BA03Q BA03R BA05Q BA08Q BA08R BA13P BA14P BA14R BA35P BA51P BA56Q BA63R BA67R BC04R BC43Q BC43R CA01 CA04 CA23 CA31 DA37 FA17 HA53 HC36 HE21 JA45

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体と
    の間に高分子固体電解質層が形成された電解コンデンサ
    に用いる高分子固体電解質において、ゲル化性の親水性
    重合体を含むことを特徴とする電解コンデンサ用高分子
    固体電解質。
  2. 【請求項2】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体と
    の間に高分子固体電解質層が形成された電解コンデンサ
    に用いる高分子固体電解質において、アミド構造を有す
    る繰り返し構造単位を含む重合体を含むものであること
    を特徴とする電解コンデンサ用高分子固体電解質。
  3. 【請求項3】アミド構造を有する繰り返し構造単位が、
    一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
    以上10以下のアルキル基を表す。アルキル基の鎖中に
    は任意にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合
    を含んでもよい。)で表される構造単位である請求項2
    に記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質。
  4. 【請求項4】アミド構造を有する繰り返し構造単位を含
    む重合体が、一般式(2) 【化2】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
    以上10以下のアルキル基を表す。アルキル基の鎖中に
    は任意にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合
    を含んでもよい。)で表されるN−ビニルアミド構造を
    有する化合物の重合体であることを特徴とする請求項2
    に記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質。
  5. 【請求項5】アミド構造を有する繰り返し構造単位を含
    む重合体が、N−ビニルアセトアミドの重合体であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサ用高分
    子固体電解質。
  6. 【請求項6】アミド構造を有する繰り返し構造単位を含
    む重合体が、N−ビニルアセトアミドを架橋した三次元
    架橋体であることを特徴とする請求項2に記載の電解コ
    ンデンサ用高分子固体電解質。
  7. 【請求項7】アミド構造を有する繰り返し構造単位を含
    む重合体が、N−ビニルアセトアミドの二価基を含む三
    次元架橋体であることを特徴とする請求項2に記載の電
    解コンデンサ用高分子固体電解質。
  8. 【請求項8】N−ビニルアセトアミドの重合体が、ポリ
    −N−ビニルアセトアミド、N−ビニルアセトアミド/
    アクリル酸ナトリウム共重合体、N−ビニルアセトアミ
    ド/酢酸ビニル共重合体、N−ビニルアセトアミド/ア
    クリルアミド共重合体からなる群から選ばれた少なくと
    もひとつであることを特徴とする請求項5に記載の電解
    コンデンサ用高分子固体電解質。
  9. 【請求項9】N−ビニルアセトアミドの二価基を含む三
    次元架橋体が、ポリ−N−ビニルアセトアミド、N−ビ
    ニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体、N
    −ビニルアセトアミド/酢酸ビニル共重合体、N−ビニ
    ルアセトアミド/アクリルアミド共重合体からなる群か
    ら選ばれた少なくともひとつを架橋したものである請求
    項7に記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質。
  10. 【請求項10】アミド構造を有する繰り返し構造単位を
    含む重合体の質量平均分子量が、5000以上であるこ
    とを特徴とする請求項2乃至9のいずれかひとつに記載
    の電解コンデンサ用高分子固体電解質。
  11. 【請求項11】電解液を含む請求項1乃至10のいずれ
    かひとつに記載の電解コンデンサ用高分子固体電解質。
  12. 【請求項12】電解液が、溶媒として水を含むことを特
    徴とする請求項11に記載の電解コンデンサ用高分子固
    体電解質。
  13. 【請求項13】電解液が、溶媒としてアルコールを含む
    ことを特徴とする請求項11に記載の電解コンデンサ用
    高分子固体電解質。
  14. 【請求項14】電解液が、非水溶媒であることを特徴と
    する請求項11記載の電解コンデンサ用高分子固体電解
    質。
  15. 【請求項15】電解液が、電解質としてホウ酸、リン
    酸、ヘテロポリ酸、鎖式モノカルボン酸、芳香族モノカ
    ルボン酸、鎖式ジカルボン酸、環式ジカルボン酸、鎖式
    トリカルボン酸のアンモニウム塩あるいはアルカリ塩か
    らなる群から選ばれた少なくともひとつを含むことを特
    徴とする請求項11乃至14のいずれかひとつに記載の
    電解コンデンサ用高分子固体電解質。
  16. 【請求項16】請求項1乃至15のいずれかひとつに記
    載の電解コンデンサ用高分子固体電解質が、多孔質のセ
    パレータに含まれることを特徴とする電解コンデンサ用
    セパレータ。
  17. 【請求項17】請求項1乃至15のいずれかひとつに記
    載の電解コンデンサ用高分子固体電解質が、多孔質のセ
    パレータに担持されていることを特徴とする電解コンデ
    ンサ用セパレータ。
  18. 【請求項18】多孔質のセパレータが、植物繊維または
    /及び合成樹脂繊維からなることを特徴とする請求項1
    6または17に記載の電解コンデンサ用セパレータ。
  19. 【請求項19】植物繊維が、マニラ麻の繊維、エスパル
    ト繊維、ヘンプ繊維、木材パルプからなる群から選ばれ
    た少なくともひとつであることを特徴とする請求項18
    に記載の電解コンデンサ用セパレータ。
  20. 【請求項20】合成樹脂繊維が、ポリプロピレン繊維、
    ビニロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレン繊維、ポリ
    エステル繊維からなる群から選ばれた少なくともひとつ
    であることを特徴とする請求項18に記載の電解コンデ
    ンサ用セパレータ。
  21. 【請求項21】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体
    との間に、請求項1乃至15のいずれかひとつに記載の
    電解コンデンサ用高分子固体電解質を設けてなるコンデ
    ンサ素子を有することを特徴とする電解コンデンサ。
  22. 【請求項22】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体
    との間に、請求項16乃至20のいずれかひとつに記載
    の電解コンデンサ用セパレータを介在してなるコンデン
    サ素子を有することを特徴とする電解コンデンサ。
  23. 【請求項23】誘電体酸化皮膜を有する陽極体が、誘電
    体酸化皮膜を有する弁作用金属である請求項21または
    22に記載の電解コンデンサ。
  24. 【請求項24】弁作用金属が、アルミニウム、タンタ
    ル、ニオブ、チタンおよびこれらの合金からなる群から
    選ばれる少なくともひとつであることを特徴とする請求
    項23に記載の電解コンデンサ。
  25. 【請求項25】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体
    との間に、請求項1乃至15のいずれかひとつに記載の
    電解コンデンサ用高分子固体電解質を挟持することを特
    徴とする電解コンデンサの製造方法。
  26. 【請求項26】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体
    との間に、請求項16乃至20のいずれかひとつに記載
    の電解コンデンサ用セパレータを介在したコンデンサ素
    子に、電解液を含浸させることを特徴とする電解コンデ
    ンサの製造方法。
  27. 【請求項27】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体
    との間に、請求項1乃至15のいずれかひとつに記載の
    電解コンデンサ用高分子固体電解質を挟持して巻回する
    ことを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
  28. 【請求項28】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体
    との間に、請求項16乃至20のいずれかひとつに記載
    の電解コンデンサ用セパレータを介在して巻回したコン
    デンサ素子に、電解液を含浸させることを特徴とする電
    解コンデンサの製造方法。
  29. 【請求項29】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体
    との間に、一般式(2) 【化3】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
    以上10以下のアルキル基を表す。アルキル基の鎖中に
    は任意にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合
    を含んでもよい。)で表されるN−ビニルアミド構造を
    有する化合物を含む溶液を設けて、重合させることを特
    徴とする電解コンデンサの製造方法。
  30. 【請求項30】誘電体酸化皮膜を有する陽極体と陰極体
    との間に多孔質のセパレータを介在したコンデンサ素子
    に、一般式(2) 【化4】 (式中、R1、R2は各々独立に水素原子または炭素数1
    以上10以下のアルキル基を表す。アルキル基の鎖中に
    は任意にエーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合
    を含んでもよい。)で表されるN−ビニルアミド構造を
    有する化合物を含む溶液をセパレータに含浸させ、重合
    させることを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
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