JP2002313353A - 電池の液漏れ検知シートおよび液漏れ検知機能付き電池 - Google Patents

電池の液漏れ検知シートおよび液漏れ検知機能付き電池

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JP2002313353A
JP2002313353A JP2001114530A JP2001114530A JP2002313353A JP 2002313353 A JP2002313353 A JP 2002313353A JP 2001114530 A JP2001114530 A JP 2001114530A JP 2001114530 A JP2001114530 A JP 2001114530A JP 2002313353 A JP2002313353 A JP 2002313353A
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battery
sheet
absorbing
leakage detection
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Yoshimasa Amakawa
良正 天川
Mitsuhiro Sueda
光弘 末田
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Nissho Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電池の液漏れを簡単且つ確実に検知する。 【解決手段】 漏洩性のある電池材料が封入された電池
の表面に配置されて電池の液漏れを検知するシート30
であって、液漏れ検知シート30は吸液性材料からなる
基材36と、基材の表面に配置され吸液によって外観が
変化する吸液検知部34とを備える。電池が液漏れを起
こすと吸液性基材36に吸収され、更に吸液検知部34
の外観が変化し、電池の液漏れを簡単且つ確実に知るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池の液漏れ検知
シートおよび液漏れ検知機能付き電池に関し、詳しく
は、各種電池に設けられ、電池に封入された電池材料が
容器の外部に漏れてきたときにそれを検知する液漏れ検
知シートと、このような液漏れ検知シートが設けられ液
漏れ検知機能が付与された電池とを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】電池の一般的な構造は、金属容器の内部
に電極材料や電解液が収容された状態で金属容器が封止
されている。金属容器の外面が一方の電極として機能
し、他方の電極になる金属端子が、金属容器と絶縁され
た状態で、その一端が外部に露出し他端が内部の電極材
料に接続された状態で配置される。電極および電解液の
材料の違いや配置構造によって、電池の種類あるいは呼
び方に違いがある。電池には、大きく分けて、充電用の
2次電池と充電しない1次電池とに分けられる。近年、
携帯機器などの電源として普及している2次電池にリチ
ウムイオン電池がある。
【0003】電解液は、流動性の高い液体の状態で容器
に収容されているほか、ゼリー状のものであったり、紙
等に含浸された状態であったりする。何れの場合も、電
解液が容器から外部に漏れ出る可能性がある。電解液の
漏れは、電池を収容した機器に悪影響を与えたり、環境
や使用者に悪影響を与えたりする。厳重な密封構造に設
計されている電池でも、製造工程において、わずかでは
あるが液漏れを起こす不良品が発生する。製造直後は問
題がなくても、その後の取り扱い条件や経時変化で、液
漏れを起こすこともある。従来、電池の製造工程では、
作業員が電池の表面や容器部材の継目を目視観察して、
液漏れの発生を検査していた。電池の表面を画像撮影し
て画像処理によって液漏れを検知するなど、専用の検査
装置を使用する場合もある。特開2000−26888
4号公報には、電池の容器全体またはその一部を、液漏
れが発生したときに導電率が変化するセンサ機能を有す
る積層体で構成しておく技術が示されている。積層体に
検知回路を接続することで、警告ランプや警告ブザーで
液漏れを告知する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来における
液漏れの検知技術のうち、目視による観察では、容器材
料の継目などに発生する微量の液漏れを検知することは
難しい。よほど熟練した作業者が時間をかけて検査しな
ければ、液漏れを見落とす心配がある。前記したような
特別な検査装置を使用すれば、十分な精度で液漏れの検
知は可能であるかも知れないが、そのためには多大な設
備および作業工数がかかり、経済的負担が大きい。ま
た、例えば、製造ラインを流れる大量の電池製品を全数
検査するのは、生産性を大きく阻害し実用的ではない。
【0005】そこで、本発明の課題は、前記したような
電池の液漏れを簡単且つ確実に検知することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる電池の液
漏れ検知シートは、漏洩性のある電池材料が封入された
電池の表面に配置されて電池の液漏れを検知するシート
であって、吸液性材料からなる吸液性基材と、吸液性基
材の表面に配置され吸液によって外観が変化する吸液検
知部とを備える。 〔電 池〕液漏れの可能性がある各種の電池に適用でき
る。一般的な電池の分類として、充放電を繰り返すこと
ができる2次電池と、通常は充電しない1次電池とがあ
り、何れの電池にも適用できる。
【0007】電池を構成する電極および電解質の材料の
違いによって各種の電池があり、具体的には、2次電池
として、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッ
ケルカドミウム電池、ポリマー電池などが挙げられる。
1次電池として、マンガン乾電池、アルカリ電池、リチ
ウム電池、水銀電池などが挙げられる。電池の基本構造
は、正負の電極材料および電解質材料と容器とを備え
る。電極の一方は容器の金属部分で兼用することもでき
る。電解質材料は、通常液体であり、電解液と呼ばれ
る。電解液は、通常の液体のままで使用されるほか、ゼ
リー状に調整されたものや、紙や不織布などの繊維材料
や多孔質材料に含浸させたものも使用できる。電解液に
は、電解質材料に加えて、溶媒や粘度調整剤や安定剤な
どの添加剤が配合される場合がある。本発明では、電解
質材料を含む電解液など、電池に封入される漏洩性を有
する材料を総称して、漏洩性を有する電池材料あるいは
漏洩性電池材料と呼ぶ。
【0008】漏洩性電池材料には、揮発性を有する材料
が含まれる場合がある。腐蝕性を有する材料もある。有
色材料および透明材料がある。 〔容器〕通常の電池における容器材料および構造が採用
される。容器の材料は、アルミニウムや鉄などの耐腐蝕
性金属、合成樹脂、ガラス、セラミック、紙などがあ
る。複数の材料の複合体であっても良い。容器は、電解
液や電極材料を収容する開口を備えた容器本体と、容器
本体の開口を塞ぐ蓋材とを有する。容器本体および蓋材
が、電極構造の一部を構成する場合がある。容器は通
常、容器本体と蓋材との2部材から組み立てられるが、
容器本体または蓋材が、さらに複数の部材で構成される
場合もある。
【0009】電極端子は、電池の外部に一部が露出し
て、外部回路へ接続される。電極端子は、容器本体や蓋
材と兼用することもできるし、別部品で構成された電極
端子を容器本体や蓋材に組み込む場合もある。電極端子
と周囲の部材とを電気的に絶縁する絶縁材が配置される
場合もある。容器や電極端子など、電池を構成する各部
材同士の継目は、ガスケットやパッキンあるいは接着
剤、溶接などの手段で封止される。 〔吸液性基材〕液漏れ検知シートの基本構造である。吸
液性材料で構成される。吸液性とは、前記した漏洩性電
池材料に対する吸収性を意味する。漏洩性電池材料が水
性液の場合は吸水性を意味する。
【0010】吸液性材料として、紙、布、不織布、多孔
質樹脂シート、塗工膜などが挙げられる。これら複数の
材料の複合体であってもよい。吸収した漏洩性電池材料
が迅速に拡がっていく吸収拡散性に優れた材料が好まし
い。例えば、吸い取り紙の材料が使用できる。吸液検知
部が吸液溶解性印刷パターンで構成される場合、吸液溶
解性印刷インクの印刷性が良い材料が好ましい。吸液性
基材の厚みは、機械的強度や耐久性が十分にあれば、出
来るだけ薄いほうが漏洩物質の吸液検知部への到達が速
くなり、電池の外形が増大することも少ない。通常、
0.1〜1.0mmの範囲に設定できる。
【0011】吸液性基材は、電池からの漏洩物質と接触
する個所から吸液検知部へと至る経路が吸液性を有して
いれば、それ以外の一部に吸液性のない部分があっても
構わない。吸液性基材の色を、吸液検知部における吸液
時の外観変化が明瞭になるように設定しておくことが好
ましい。電池から漏洩して吸液性基材に吸収される物質
の色と明瞭に異なる色であれば、液漏れを迅速かつ明瞭
に検知することができる。この場合、吸液性基材そのも
のが吸液検知部としても機能する。透明な吸液性基材を
使用することもできる。
【0012】吸液性基材の材料が、電池からの漏洩物質
を吸収保持できるものであれば、大量の漏洩物質が発生
しても、吸液性基材の内部で保持して、電池の周辺機器
に拡がったり、作業者の手を汚したりすることを防ぐこ
とができる。そのために、例えば、高吸収性紙を使用し
たり、吸水性ポリマーなどの高吸収性物質を吸液性基材
に担持させておいたりすることができる。 〔吸液検知部〕吸液性基材の表面に配置されて、吸液性
基材の吸液によって外観が変化する機能を有していれ
ば、各種の化学的作用あるいは物理的作用、電気的作用
で外観変化を起こすものが用いられる。
【0013】外観変化は、色の変化、形の変化、膨張や
凹凸発生などが含まれる。色と形の両方など、複数の要
素が変化するものでも勿論構わない。外観変化が目視で
観察できる程度に大きいものが好ましいが、画像検査や
センサなどの測定装置で検知可能な程度の外観変化であ
っても良い。例えば、漏洩性電池材料が明確な有色材料
であり、吸液性基材が無色すなわち白色の材料であれ
ば、漏洩性電池材料を吸収した個所の吸液性基材が周囲
の部分と明確な色の違いが生じるので、吸液性基材その
ものを吸液検知部として利用できる。
【0014】吸液検知部は、液漏れ検知シートの全面に
一様に配置していてもよいし、液漏れ検知に必要な個所
のみに配置しておいてもよい。例えば、漏洩物質は液漏
れ検知シートの周縁部分から吸液性基材に浸透するの
で、吸液性基材の周縁近くに吸液検知部を配置しておく
のが有効である。吸液検知部の外観変化は、漏洩液が蒸
発したり固化したりした後でも、外観変化が元に戻らな
い非可逆性を有するものであれば、液漏れの発生を確実
に記録することができる。 <吸液溶解性インク>吸液検知部として、吸液溶解性イ
ンクによる印刷パターンが採用できる。吸液溶解性イン
クは、通常のインクと同様に吸液性基材に対する印刷が
可能であるとともに、印刷後に吸液したときに溶解し
て、滲みや外形の崩れ、吸液性基材への浸透拡散などを
起こし、印刷パターンが外観的に変化する。色の変化を
起こすものでもよい。具体的には、各種の印刷インクが
使用できる。
【0015】吸液溶解性インクの印刷パターンは、吸液
時に、目視によって明確に確認できる大きな外観変化を
起こさせることができる。検査作業の非熟練者や消費者
にも液漏れを検知することを可能にできる。吸液溶解性
インクの印刷パターンとして、比較的単純な線や点の集
合のほか、記号や文字、抽象図形、具象物の形状などが
採用できる。印刷パターンが、製品種別や製品番号など
の製品情報の表示を兼ねることもできる。印刷パターン
の厚みは、吸液時に十分な外観変化が生じるだけのイン
クが保持できればよい。印刷パターンが厚すぎると、液
漏れ検知シート全体の厚みが増えてしまう。
【0016】吸液溶解性インクを複数色用いて、複数の
色と形とを組み合わせた外観変化が生じるようにして、
液漏れ判定を容易にすることもできる。吸液溶解性イン
クを、基材の全面に一様に塗布しておき、吸液によって
変色などの外観変化が生じるようにしておくこともでき
る。 〔透明絶縁材層〕吸液検知部の表面を透明絶縁材層で覆
うことができる。透明絶縁材層は、吸液検知部の機械的
保護と、電池構造における絶縁機能を果たすことができ
る。液漏れ検知シートの表面の電気的絶縁性を高めるこ
とで、液漏れ検知シートが配置された電池構造部分の表
面絶縁性が高まる。電池の一方の電極になる容器と他方
の電極になる電極端子との間に液漏れ検知シートを配置
すれば、両電極間の絶縁性を向上できる。
【0017】透明絶縁材層としては、吸液時における吸
液検知部の外観変化の視認性を損なわなければ、通常の
電気技術分野で使用されている各種の透明絶縁材料が使
用できる。上記機能を損なわなければ、半透明であった
り、部分的に不透明部分が存在していたりしても構わな
い。透明絶縁材層の材料として、PET、PPE、PP
S、PMMA、PVC、PE、PP、などの合成樹脂フ
ィルム、シートあるいは塗工剤などが使用できる。透明
絶縁材層の厚みは、絶縁性や保護性などの目的とする機
能が十分に発揮できるように設定される。
【0018】透明絶縁材層は、吸液性基材または吸液検
知部の表面に、接着剤や熱接着などの手段で積層一体化
することができる。 〔粘着剤層〕液漏れ検知シートを電池に取り付ける際に
利用できる。吸液性基材の裏面に粘着剤層を備えた液漏
れ検知シートは、電池の表面に貼着することで固定でき
る。粘着剤層の材料は、通常の粘着シート材料や貼着シ
ートと同様ものが使用できる。電気的絶縁性のある材料
が使用できる。吸液性のある材料であれば、電池の表面
から粘着剤層を通じて吸液性基材および吸液検知部へ
と、漏洩物質を速やかに移行させることができる。粘着
剤層として、粘着剤を塗布した両面粘着シートを用いる
こともできる。
【0019】粘着剤層の厚みは、十分な接合力を発揮で
きればよい。粘着剤層は、吸液性基材の裏面全体に設け
ておいてもよいし、部分的に設けておいてもよい。粘着
剤層が部分的に設けられてあれば、粘着剤層がない部分
では吸液性基材の裏面が直接に電池表面に隣接して配置
されることになり、漏洩物質の吸収、延いては、吸液検
知部における液漏れ検知が迅速に行える。粘着剤層の配
置として、点状や線状のパターンを、間隔をあけて多数
配置しておくことができる。格子状や渦巻状なども採用
できる。粘着剤層を、吸液性基材の周縁よりも内側に配
置し、吸液性基材の周縁に裏面の露出部分を設けておく
ことができる。吸液性基材の周縁で裏面が露出していれ
ば、電池の構成部材の継目などから漏れ出てくる漏洩物
質が、前記継目に隣接して配置された吸液性基材の周縁
から効率的に吸液される。
【0020】粘着剤層の露出面に剥離シートを仮貼着し
ておけば、使用時まで粘着剤層を保護しておける。使用
時には剥離シートは剥がせばよい。 〔液漏れ検知シート〕前記した各層を積層して構成する
ことができる。液漏れ検知シートの全体厚みは、目的の
機能が発揮できれば、出来るだけ薄いほうが、電池の外
形に、はみ出したり突出したりし難い。通常、0.1〜
1.0mmの範囲に設定できる。液漏れ検知シートの形
状は、電池の外形のうち、液漏れを検知すべき個所の配
置構造に合わせて設定される。通常は、電池の外形を構
成する複数の部材同士の継目に隣接して、液漏れ検知シ
ートの周縁が配置されるのが好ましい。前記継目が液漏
れ検知シートで覆われていても、継目からの漏洩物質が
吸液性基材から吸液検知部へと移行できるようになって
いればよい。
【0021】また、液漏れ検知シートは、電池を検査し
たり使用したりしているときに、作業者や消費者が視認
可能な位置に配置しておく。液漏れが発生し易く検査も
行い易い場所として、電池の外形に突出する電極端子の
周辺、蓋体の表面などがある。蓋材の表面全体に液漏れ
検知シートを配置し、液漏れ検知シートの周縁を、容器
本体と蓋材との継目および蓋材と電極端子との継目に配
置しておくことができる。液漏れ検知シートは、電池の
複数個所に配置しておくこともできる。液漏れ検知シー
トを電池の外表面に密着した状態で貼り付けておけば、
電池からの液漏れを迅速に検知できる。液漏れ検知シー
トの貼り付けは、各種の接着剤や粘着剤のほか、ステー
プラーやピンなどの止め金具も使用できる。嵌合や係合
などの機械的固定も採用できる。液漏れ検知シートの上
を、透明なガラスや樹脂板で覆い、覆った透明板を、電
池に固定することもできる。液漏れ検知シートに前記粘
着剤層が設けられていれば、取り付け作業が容易であ
る。
【0022】
【発明の実施形態】図1に示す実施形態は、角形のリチ
ウムイオン2次電池に液漏れ検知機能を付与した場合で
ある。 〔電池の基本構造〕電池Bは、薄い直方体形状をなす電
池容器10を有する。電池容器10の外郭構造は、アル
ミニウム板材などをプレス成形して作製された箱状の容
器本体12と、容器本体12の上面開口を塞ぐ金属製の
蓋板14とで構成される。蓋板14の中央には、電極端
子16が配置されている。電極端子16と蓋板14との
間には、絶縁性樹脂などからなる絶縁隔離材18を有す
る。
【0023】電極端子16の下端は、電池容器10の内
部で、電池機能部20と電気的に接続されている。電池
機能部20は、シート状の電極材料やセパレータ、絶縁
材などの積層体からなり、電解液が含浸されていたり、
容器本体12に溜められた電解液中に電池機能部20が
漬かった状態になっていたりする。電解液は、通常、水
系の溶液あるいは分散液であるが、有機溶媒が含まれる
こともある。電解液は、配合成分が有する色で着色され
た状態である。電池機能部20の一端は電極端子16と
接続され、他端は容器本体12と接続されている。その
結果、電池Bの外面で、電極端子16と容器本体12と
を外部回路に接続することで、電気を取り出したり、充
電したりすることができる。
【0024】〔液漏れ検知シート〕電池Bの蓋体14の
外表面に、液漏れ検知シート30が貼り付けられてい
る。図1(b)に示すように、液漏れ検知シート30は、
容器本体12の上縁内周と、電極端子16の外周との間
を埋める矩形環状をなしている。液漏れ検知シート30
の外周縁が、容器本体12と蓋体14との継目に隣接し
て配置され、液漏れ検知シート30の内周縁が、電極端
子16と絶縁隔離材18との継目に配置され、絶縁隔離
材18と蓋体14の継目は液漏れ検知シート30で覆わ
れている。図1(a)および図2に示すように、液漏れ検
知シート30は、蓋体14の表面に隣接する側から、粘
着剤層38、吸液性基材36、吸液溶解性印刷パターン
34、接着剤層33および透明絶縁材層32が積層され
ている。
【0025】吸液性基材36は、吸水性紙からなる。吸
液溶解性印刷パターン34は、吸液性を有する通常の印
刷インクで印刷されている。透明絶縁材層32は、PE
Tフィルムからなる。接着剤層33および粘着剤層38
は、紙や樹脂材料に対する通常の接着剤および粘着剤で
形成されている。図1(b)に示すように、吸液溶解性印
刷パターン34のパターン形状は、縦横の格子線状をな
している。図中、斜線部分が印刷インクの存在個所であ
る。図2に示すように、液漏れ検知シート30におい
て、吸液性基材36の裏面は全体に粘着剤層38が塗工
されているが、内外周の端縁については、吸液性基材3
6が直接に外部に露出している。図1(a)の使用状態で
は、吸液性基材36の内外周端縁の露出部分が、電池容
器10を構成する各部材12〜18同士の継目個所に隣
接して配置される。
【0026】〔液漏れ検知機能〕上記のような構造の電
池Bは、製造工程において、容器本体12への電池機能
部20や電解液の充填が終了し、容器本体12の開口
を、電極端子16や絶縁隔離材18を有する蓋体14で
塞いで、電池Bの基本的構造を完成したあと、蓋体14
の表面に液漏れ検知シート30を貼着する。その後、電
池Bを出荷するまでの間に、充放電試験などの各種機能
試験や環境試験を実施したり、出荷前検査を行ったりす
る。この間の取り扱い中に、電池Bの内部から電解液な
どが漏れ出してくることがある。特に、充放電試験で
は、電池Bの内部圧力が大きく増減するため、電池容器
10の密封性が低下していたり局部的な欠陥があったり
した場合には、各部材同士の継目から液漏れが発生し易
い。
【0027】電池容器10からの漏れ出した物質は、液
漏れ検知シート30の吸液性基材36に吸収され、吸液
性基材36の内部に拡がる。吸液性基材36の内部に拡
がった漏洩物質が、吸液溶解性印刷パターン34に接触
すると、吸液溶解性印刷パターン34が溶解して、パタ
ーン形状の輪郭が崩れたり、吸液溶解性印刷インクが吸
液性基材36に溶け込んで拡がったりする。このような
吸液溶解性印刷パターン34の外観変化を、目視で観察
すれば、電池Bの液漏れ発生を迅速かつ確実に検知でき
る。吸液溶解性印刷パターン34の外観変化は、吸液性
基材36に吸収された漏洩物質の量や拡がりと、吸液溶
解性印刷パターン34そのものの拡散によって、広い範
囲で、しかも、パターン形状の崩れや滲みなどにより明
確にあらわれるので、それほど熟練を要さずとも、簡単
に液漏れの有無を判定することができる。
【0028】出荷前に、液漏れが発見された電池Bは、
廃棄されたり、再生処理に送られたりする。液漏れがな
いことが確認された電池Bは出荷される。出荷後、流通
や保管に供されている間に、液漏れが発生した場合に
も、液漏れ検知シート30を観察するだけで、迅速かつ
確実に液漏れが発見できる。流通過程における作業者
が、液漏れ検査について熟練していなくても、吸液溶解
性印刷パターン34の外観変化は容易に確認することが
できる。さらに、電池Bが消費者に販売されて使用して
いるうちに発生する液漏れも、使用機器の電池入れを定
期的に開いてみれば、技術的知識に乏しい一般消費者で
も、容易に液漏れを発見することができる。
【0029】〔液漏れ検知シートの具体例〕液漏れ検知
シートの具体的仕様を例示する。 外形:29mm×4mmの矩形状。中央に8.2mm×
3mmの矩形孔。使用時の全体厚み0.308mm。 透明絶縁材層:PET樹脂シート(東レ社製)。厚み
0.188mm。 吸液溶解性印刷パターン:印刷用インク(東洋インキ社
製、絵具インキ「紅」)による印刷。
【0030】図1(b)の格子状パターン。 吸液性基材:吸湿性ポリアクリル系樹脂シート(市販
品)にアクリル系溶剤型粘着剤層を形成した。上記仕様
で製造された液漏れ検知シートを、製造工程で電池容器
の封入が完了した電池〔角形リチウムイオン電池〕の上
面に貼着した。その後の製造工程や試験工程で液漏れの
検知が可能であるか否かを検証した。予め、液漏れを起
こす不良品を作製しておき、良品とともに試験に供した
ところ、不良品の場合には、液漏れ検知シートの吸液溶
解性印刷パターンが滲んで広い範囲が印刷インクで着色
された状態になり、液漏れを明確に視認することができ
た。
【0031】〔吸液性基材裏面の露出部〕図3に示す液
漏れ検知シート30は、基本的な構造は前記実施形態と
共通しているが、吸液性基材36の裏面に露出部分を設
けている。図3(b)に示すように、吸液性基材36の裏
面のうち、外周縁および内周縁の一定幅について、粘着
剤層38を設けず、吸液性基材36の裏面を直接に露出
37させている。図3(a)に示すように、吸液性基材3
6の内外周それぞれに、矩形枠状の露出部37が設けら
れている。図3(b)に示すように、吸液溶解性印刷パタ
ーン34は、複数本の点線状パターンが並列に複数本並
んでいる。
【0032】このような構造の液漏れ検知シート30
を、前記図1の電池Bに取り付けておく。吸液性基材3
6の裏面のうち大部分は粘着剤層38で覆われているの
で、液漏れ検知シート30の蓋体14への貼着作業は何
ら支障もなく行える。電池Bの取り扱い中に液漏れ検知
シート30が剥がれる心配もない。電池容器10に液漏
れが発生すると、漏洩物質は電池容器10の表面に沿っ
て拡がり、吸液性基材36の裏面露出部37に接触し、
直ちに吸収される。吸収された漏洩物質が吸液溶解性印
刷パターン34に接触して、吸液溶解性印刷パターン3
4の外観変化を起こし、液漏れが検知されるのは、前記
同様である。
【0033】上記実施形態では、吸液性基材36の端面
だけでなく、裏面露出部37から迅速な吸液が行われる
ので、比較的少量の液漏れが発生しただけでも、迅速で
確実な液漏れ発見が可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明にかかる電池の液漏れ検知シート
は、電池の容器を構成する部材の継目に隣接させて配置
しておけば、容器部材の継目から外部に漏れる電池材料
が、液漏れ検知シートの吸液性基材に吸収され、吸液性
基材の内部に急速に拡がる。吸液性基材に吸収されて拡
がった漏洩物質は、吸液検知部に作用して、広い範囲に
目視可能な外観変化を生じさせる。その結果、高精度の
検知装置を使用したり、熟練した作業者が時間をかけて
検査したりしなくても、電池材料の漏れが簡単かつ確実
に検知できる。
【0035】電池の外面に薄い液漏れ検知シートを設け
るだけなので、電池の外形が大きくなったり重量が増大
したりすることはなく、電池自体の機能には何ら悪影響
を与えない。電池の製造コストを大幅に増大させること
もない。液漏れ検知シートが設けられた電池は、電池の
製造工程中あるいは完成後の検査における液漏れ検知に
加えて、流通販売および購入者の使用環境における液漏
れの発生をも検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表す電池の一部断面図
(a)および上面図(b)
【図2】 液漏れ検知シートの一部拡大断面図
【図3】 別の実施形態を表す液漏れ検知シートの平面
図(a)および一部拡大断面図(b)
【符号の説明】
10 電池容器 12 容器本体 14 蓋体 16 電極端子 18 絶縁隔離材 20 電池機能部 30 液漏れ検知シート 32 透明絶縁材層 33 接着剤層 34 吸液溶解性印刷パターン 36 吸液性基材 38 粘着剤層 B 電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H025 AA00 BB12 MM03 5H030 AA06 FF51 FF66 FF67 FF69

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】漏洩性のある電池材料が封入された電池の
    表面に配置されて電池の液漏れを検知するシートであっ
    て、 吸液性材料からなる基材と、基材の表面に配置され吸液
    によって外観が変化する吸液検知部とを備える電池の液
    漏れ検知シート。
  2. 【請求項2】前記吸液性基材が、紙、布、不織布、多孔
    質樹脂シート、塗工膜からなる群から選ばれた何れか1
    種の層を含む請求項2に記載の電池の液漏れ検知シー
    ト。
  3. 【請求項3】前記吸液検知部が、吸液溶解性インクによ
    る印刷パターンを有する請求項1または2に記載の電池
    の液漏れ検知シート。
  4. 【請求項4】前記吸液検知部の表面を覆う透明絶縁材層
    をさらに備える請求項1〜3の何れかに記載の電池の液
    漏れ検知シート。
  5. 【請求項5】前記透明絶縁材層が、PET、PPE、P
    PS、PMMA、PVC、PE、PPからなる群から選
    ばれた何れか1種の樹脂層を含む請求項1〜4の何れか
    に記載の電池の液漏れ検知シート。
  6. 【請求項6】前記吸液性基材の裏面に、粘着剤層をさら
    に備える請求項1〜5の何れかに記載の電池の液漏れ検
    知シート。
  7. 【請求項7】前記粘着剤層が、前記吸液性基材の周縁よ
    りも内側に配置され、前記吸液性基材の周縁に裏面の露
    出部分を有する請求項6に記載の電池の液漏れ検知シー
    ト。
  8. 【請求項8】複数の部材から組み立てられた容器に、漏
    洩性を有する電池材料が封入されてなる電池であって、 前記容器の表面に、容器を構成する複数の部材同士の継
    目に隣接して、請求項1〜7の何れかに記載の液漏れ検
    知シートが、前記吸液検知部を視認可能に配置されてい
    る液漏れ検知機能付き電池。
  9. 【請求項9】前記容器が、前記電池材料が収容され一面
    が開口する容器本体と、容器本体の開口を塞ぐ蓋材と、
    蓋材を貫通して配置された電極端子とを備え、 前記液漏れ検知シートが前記蓋材の表面に配置され、 前記液漏れ検知シートの周縁が、前記容器本体と蓋材と
    の継目および蓋材と電極端子との継目に配置されている
    請求項8に記載の液漏れ検知機能付き電池。
  10. 【請求項10】前記容器に封入された漏洩性のある電池
    材料が有色であり、 前記吸液性基材が無色であり、 前記吸液検知部が、前記有色の電池材料を吸液して着色
    する前記無色の吸液性基材である請求項9に記載の液漏
    れ検知機能付き電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005135771A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Sanyo Electric Co Ltd パック電池
CN103682505A (zh) * 2012-09-07 2014-03-26 罗伯特·博世有限公司 具有密封性监控的蓄能器

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