JP2002308918A - ビニル系単量体のラジカル重合用反応抑制剤及びそれを用いたビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

ビニル系単量体のラジカル重合用反応抑制剤及びそれを用いたビニル系重合体の製造方法

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Ryuichi Saito
隆一 斎藤
Tadashi Amano
正 天野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寒冷時に反応抑制剤の仕込み操作を行っても
反応抑制剤の固化や配管の閉塞等の問題を起こすことの
ないビニル系単量体のラジカル重合用反応抑制剤及びそ
れを使用するビニル系重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、Rは炭素原子数8〜10の直鎖アルキル基であ
る。]で表される化合物を有するビニル系単量体のラジ
カル重合用反応抑制剤。ラジカル反応によるビニル系単
量体の重合において、この反応抑制剤を重合系に添加す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル系単量体の
ラジカル重合用反応抑制剤及びそれを用いたビニル系重
合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビニル系単量体のラジカル重合反
応において、反応抑制剤(反応禁止剤とも称される)を
重合系中に添加することが行われており、反応抑制剤と
して、フェノール系化合物、イオウ化合物、N−オキシ
ド化合物、リン化合物、不飽和炭化水素化合物などが知
られている。これらの中でフェノール系化合物として
は、例えば2,2−ジ−(4′−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、t−ブ
チルヒドロキシアニソール、n−オクタデシル−3−(4
−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオ
ネート、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチ
ルハイドロキノン、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチ
ル−6−t−ブチル)フェノール、3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシトルエン、2,2′−メチレン−ビス−
(4−エチル−6−t−ブチル)フェノール、トリエチレ
ングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリ
スリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、t−ブチ
ルカテコール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル)−m
−クレゾール、トコフェロールなどが知られている。
【0003】これらの反応抑制剤は、重合開始前に重合
系中へ添加することによって、生成重合体中のフィッシ
ュアイを減少させるため(特開昭48-49990号公報、特公
昭60-50366号公報)、また重合反応の途中で添加してヒ
ートキックを抑制するため、あるいは重合反応の終了時
に添加して後重合を防止したり、熱履歴による抗初期着
色性の悪化を防止するため(米国特許No.3642756明細
書、特開昭57-185302号公報、同62-503号公報)などの目
的で使用される。また、異常反応時における緊急反応停
止剤としても用いられている。 この中でも特に2,2−ジ−(4′−ヒドロキシフェニル)
プロパンは反応抑制能力に優れ、得られる重合体の品質
が良好であり、重合器へのスケール付着量が小さい等の
理由から重合反応の終了時に用いられてきた。
【0004】しかし、2,2−ジ−(4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンは常温で固体でありメタノール等の有機
溶剤に溶解させて使用しなければ仕込みラインから重合
器への仕込み操作は困難である。この方法では有機溶剤
を使用しているため、作業者が蒸気を吸入し身体的な障
害を引き起こすばかりでなく、環境汚染の原因にもな
る。
【0005】また、2,2−ジ−(4′−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンに代わって特公平7-113041号公報には、反
応抑制剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−sec−ブチルフ
ェノールが開示されている。これは常温で液体であるた
め溶剤を使用せずに仕込みラインから重合器への仕込み
操作が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の2,6−
ジ−t−ブチル−4−sec−ブチルフェノールは凝固点が1
8〜20℃であるため、外気温が低温、つまり10℃以下で
使用する場合には過冷却状態となり、その結果、反応抑
制剤が結晶化し易くなり、仕込み用の配管が閉塞するこ
とがある。そのため、外気温が低温である時に仕込みラ
インから重合器へ仕込む操作を行う場合、メタノール等
の有機溶剤に溶解して使用しなければならず、作業者の
身体的な障害、環境汚染等の問題への対応としては不十
分である。
【0007】また、寒冷時に反応抑制剤が固化して仕込
み配管が閉塞するような場合に、仕込み配管を加熱する
ことで固化した反応抑制剤を融解して配管の閉塞を防止
する措置が取られているが、加熱の仕方が激しい場合、
反応抑制剤が熱分解によって、反応抑制能力が低下した
り、反応抑制剤が着色して得られる重合体が着色したり
する恐れがあった。また、作業性を考えても加熱装置設
備などで加熱操作が煩雑となる恐れがあった。
【0008】そこで、本発明の課題は、寒冷時に反応抑
制剤の仕込み操作を行っても反応抑制剤の固化や配管の
閉塞等の問題を起こすことのないビニル系単量体のラジ
カル重合用反応抑制剤及びそれを用いたビニル系重合体
の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、後述するビニル系単量体のラジカル重合用の
反応抑制剤は、上記課題を解決するものであるとの知見
を得、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、第一に、下記一般式
(1)
【0011】
【化3】
【0012】[式中、Rは炭素原子数8〜10の直鎖アル
キル基である。]で表される化合物を有することを特徴
とするビニル系単量体のラジカル重合用反応抑制剤を提
供する。
【0013】また、第二に、ラジカル反応によるビニル
系単量体の重合において、下記一般式(1)
【0014】
【化4】
【0015】[式中、Rは炭素原子数8〜10の直鎖アル
キル基である。]で表される反応抑制剤を重合系に添加
することを特徴とするビニル系重合体の製造方法を提供
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。
【0017】本発明のビニル系単量体のラジカル重合用
反応抑制剤は上記一般式(1)[式中、Rは炭素原子数8
〜10の直鎖アルキル基である。]で表される化合物を有
するものであり、一般式(1)で表される化合物の中で
特にRがn−ノニル基である2,6−ジ−tert−ブチル−4−
n−ノニルフェノールが好ましい。
【0018】本発明の反応抑制剤は、融点が−30℃未満
であり、2,6−ジ−t−ブチル−4−sec−ブチルフェノー
ルに比べて低いので、寒冷時、つまり外気温が10℃以下
でも過冷却状態にはなりにくく、結晶化せずに液体のま
まの状態が保たれる。そのため寒冷時においても反応抑
制剤の仕込み用配管が閉塞することがない。したがっ
て、メタノール、トルエンなどの有機溶剤を使用せず
に、かつ仕込み配管の加熱を行う必要なく反応抑制剤を
重合系中に投入することが可能である。
【0019】本発明の反応抑制剤は、ビニル系単量体の
ラジカル重合反応に用いられる。ビニル系単量体として
は、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等
のハロゲン化ビニル又はハロゲン化ビニリデン;アクリ
ル酸エステル、例えばメチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレー
ト、シアノエチルアクリレート等の少なくとも1個の末
端基CH2=C<を有する重合性オレフィン系モノマー;ビ
ニルアセテート;メチルメタアクリレート、ブチルメタ
アクリレート等のメタアクリル酸のエステル;α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等を含む
スチレン及びスチレン誘導体;ビニルナフタレン;ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン等を含むジオレフィ
ン;及びこれらのモノマーと他の共重合可能なオレフィ
ンモノマーとの混合物;並びに公知の他の重合性オレフ
ィンモノマーが挙げられる。
【0020】本発明の反応抑制剤は、ビニル系単量体の
ラジカル重合反応であれば、その重合形式によらず適用
することができ、例えば懸濁重合、乳化重合、塊状重
合、微細懸濁重合などいずれの重合形式の重合において
も用いることができる。
【0021】反応抑制剤は、その使用目的に応じて、重
合の開始前、重合中及び重合終了期のうち少なくても1
つの段階において重合系に添加され、その添加量は、一
般に、ビニル系単量体100重量部当たり0.0005〜0.5重量
部程度である。さらに具体的には、生成重合体フィッシ
ュアイを減少させる目的で重合開始前に添加する場合に
は、ビニル系単量体100重量部当たり反応抑制剤0.0005
〜0.005重量部が好ましい。この場合は水性媒体を予め
加温して仕込む場合に有効である。所定の重合転化率に
達した時点で重合反応を終了させ、その後の後重合を防
止する目的で重合終了期に添加する場合には、仕込んだ
ビニル系単量体100重量部当たり反応抑制剤0.005〜0.05
重量部が好ましい。さらにまた、緊急時に重合反応を完
全に停止させる目的で、反応抑制剤を重合系中へ添加す
る場合は、仕込んだビニル系単量体100重量部当たり反
応抑制剤0.2〜0.5重量部が好ましい。
【0022】本発明の反応抑制剤を重合系中へ添加する
方法は、原液のまま直接、重合系へ投入することが本発
明の意義に合致するため好ましいが、重合形式に応じて
適宜選択することができる。例えば本発明の反応抑制剤
をメタノール、トルエンなどの溶剤によって溶解、希釈
して投入してもよいし、乳化剤、懸濁剤などを用いて、
反応抑制剤を水に分散させて懸濁液を調製し、これを重
合系に投入して添加してもよい。
【0023】次に、本発明のビニル系重合体の製造方法
を懸濁重合の場合について説明する。
【0024】水性媒体中における懸濁重合は、公知の重
合開始剤及び分散剤の存在下において、0〜100℃の温度
で通常行われ、特に30〜70℃とすることが好ましい。こ
こで用いられる分散剤及び重合開始剤は特に限定され
ず、従来ビニル系単量体の重合に使用されているものが
用いられる。分散剤としては、例えばメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど
の水溶性セルロースエーテル、水溶性および油溶性の部
分鹸化ポリビニルアルコール、アクリル酸重合体、ゼラ
チンなどの水溶性ポリマー、ソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレ
ート、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコ
ポリマーなどの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリン
オレート、ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤な
どが挙げられ、これらは一種単独で使用しても二種以上
を組み合わせて使用してもよい。これら分散剤の使用量
は特に限定されず、通常、単量体100重量部に対し0.01
〜5重量部用いられている。
【0025】また、重合開始剤としては、例えばジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパ
ーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート化合
物、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパ
ーオキシピパレート、t−ヘキシルパーオキシピパレー
ト、α−クミルパーオキシネオデカネート、2,4,4−ト
リメチルペンチル−2−パーオキシ−2−ネオデカネート
などのパーエステル化合物、アセチルシクロヘキシルス
ルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2
−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシ
ドなどの過酸化物、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビス(4−メトキシ)−2,4−ジメチルバレ
ロニトリルなどのアゾ化合物;さらには過硫酸アンモニ
ウム、過酸化水素などが挙げられ、これらは一種単独で
使用しても二種以上を組み合わせて使用してもよい。こ
れら重合開始剤の使用量は特に限定されず、通常、単量
体100重量部に対し0.01〜1重量部である。
【0026】水性媒体中における懸濁重合の他の条件、
例えば重合器への水性媒体の仕込み脱気方法、ビニル単
量体、場合によっては他のコモノマー、分散剤、重合開
始剤などの仕込み方法、これらの仕込み割合などは特に
限定されず、通常行われる条件でよく、重合系には必要
に応じてビニル系単量体の重合に適宜使用される重合度
調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防
止剤、抗酸化剤、スケール付着防止剤などを添加するこ
とも任意である。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0028】実施例1 内容積2000Lの撹拌機及びジャケット付の重合器に脱イ
オン水を800kg、分散剤として部分鹸化ポリビニルアル
コールを210g、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを
80g仕込んだ。次いで、重合器内圧が0.013MPaになるま
で脱気した後、塩化ビニル単量体を720kg仕込んだ。撹
拌しながらジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート
300g、t−ブチルパーオキシネオデカネート130g、クミ
ルパーオキシネオデカネート30gを圧入し、同時にジャ
ケットに熱水を通じて57℃まで昇温させた後、その温度
を保ちながら重合させた。
【0029】重合器内圧が0.6MPaに低下した時点で反応
抑制剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ノニルフ
ェノール100gを仕込みラインから添加し、未反応単量体
を回収したのち、反応混合物であるスラリーを重合器内
から取り出し、遠心分離器で脱水した。その脱水ケーキ
をバッチ式流動乾燥機で70℃、3時間乾燥して製品とし
た。その時の外気温は5℃前後であった。
【0030】実施例2 外気温5℃前後の時、実施例1と同様な方法で塩化ビニ
ル単量体の重合を行った後、重合器内圧が0.6MPaに低下
した時点で反応抑制剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4
−n−ノニルフェノール150gを仕込みラインから添加し
た後、実施例1と同様な方法で製品を得た。
【0031】比較例1 外気温5℃前後の時、実施例1と同様な方法で塩化ビニ
ル単量体の重合を行った後、重合器内圧が0.6MPaに低下
した時点で反応抑制剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−s
ec−ブチルフェノール100gをメタノール500gで希釈して
仕込みラインから添加した後、実施例1と同様な方法で
製品を得た。
【0032】比較例2 外気温5℃前後の時、実施例1と同様な方法で塩化ビニ
ル単量体の重合を行った後、重合器内圧が0.6MPaに低下
した時点で反応抑制剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−s
ec−ブチルフェノール100gをメタノールで希釈せずに仕
込みラインから添加を試みたが、2,6−ジ−t−ブチル−
4−sec−ブチルフェノールが固化したため仕込み配管が
閉塞して仕込むことができなかった。その後、未反応単
量体を回収した後、実施例1と同様な方法で製品を得
た。
【0033】得られた各製品について下記のようにして
物性、特性の評価を行った。結果を表1に示す。 (嵩比重)JIS K-6721に準拠して測定した。 (可塑剤吸収量)内径25mm、深さ85mmのアルミニウム合
金製容器の底にグラスファイバーを詰め、これに試料樹
脂10gを採取して投入する。これにDOP(ジオクチルフタ
レート)15ccを加え、30分間放置してDOPを十分間浸透
させる。その後、1500Gの加速度で過剰のDOPを遠心分離
し、樹脂に吸着されたDOP量を求め、樹脂100g当たりの
値で表した。
【0034】(可塑剤吸収性)塩化ビニル重合体400gを
プラベンダー社製プラスチコーダーのプラネタリーミキ
サー(ジャケット温度:83℃)に投入し、60r.p.m.で混
練しながら4分間加熱した後、DOP200gを添加した。DOP
の添加時から、プラネタリーミキサーの混練トルクが最
小になるまでの時間をドライアップ時間とし、可塑剤吸
収性の指標とした。
【0035】(抗初期着色性)塩化ビニル重合体100gに
スズ系安定剤1.5g、DOP50gを配合し、2本ロールミルを
用いて160℃5分間混練した後、厚さ0.8mmのシートを成
形した。次に、このシートを裁断して重ね、4×4×1.5c
mの型枠に入れて160℃、6.5〜7MPaで加熱、加圧成形し
た測定試料を作成した。この測定試料について、光電色
差計(日本電色工業(株)製)を用いてJIS-Z8730(198
0)に記載のハンター色差計において明度指数Lを求め、a
値、b値を測定した。また測定結果に基づいて下記内容
で抗初期着色性を評価した。 ○:良好 ×:不良
【0036】 上記配合処方に従って調製した配合物を6ロールを用い
て140℃で5分間混練した後、幅15cm×厚さ0.22mmのシー
トに成形した。得られたシートの全面について透明粒子
数を計数し、これをロールフィッシュアイとした。
【0037】
【表1】
【0038】A:2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ノニル
フェノール B:2,6−ジ−t−ブチル−4−sec−ブチルフェノール
【0039】表1の結果より、本発明の製造方法によれ
ば寒冷時でも反応抑制剤の仕込み用配管を閉塞させるこ
となく、反応抑制剤を原液のまま重合器に投入すること
ができ、従来の方法と比較して品質の劣らない塩化ビニ
ル系重合体を製造できることが確認された。
【0040】
【発明の効果】本発明のビニル系単量体のラジカル重合
用反応抑制剤を用いれば、また本発明のビニル系重合体
の製造方法によれば、寒冷時でも有機溶剤による希釈等
の作業を行わなくても、仕込み配管を閉塞させることな
く反応抑制剤を重合器に投入することができ、従来の方
法と比較して品質の劣らない塩化ビニル系重合体を製造
することができる。特に、外気温が10℃以下の場合にお
いて本発明の方法は効果的である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 NA03 NB03 4J100 AB00P AB03P AB04P AB08P AC03P AC04P AC12P AG04P AL03P AL04P AL08P AS02P AS03P AS07P BA40P CA01 FA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、Rは炭素原子数8〜10の直鎖アルキル基であ
    る。]で表される化合物を有することを特徴とするビニ
    ル系単量体のラジカル重合用反応抑制剤。
  2. 【請求項2】 反応抑制剤が2,6−ジ−tert−ブチル−4
    −n−ノニルフェノールである請求項1に記載のビニル
    系単量体のラジカル重合用反応抑制剤。
  3. 【請求項3】 ラジカル反応によるビニル系単量体の重
    合において、下記一般式(1) 【化2】 [式中、Rは炭素原子数8〜10の直鎖アルキル基であ
    る。]で表される反応抑制剤を重合系に添加することを
    特徴とするビニル系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ビニル系単量体が塩化ビニルである請求
    項3に記載のビニル系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応抑制剤が2,6−ジ−tert−ブチル−4
    −n−ノニルフェノールである請求項3に記載のビニル
    系重合体の製造方法。
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