JP2002307519A - アクリルフィルムの製造方法 - Google Patents

アクリルフィルムの製造方法

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JP2002307519A
JP2002307519A JP2001115818A JP2001115818A JP2002307519A JP 2002307519 A JP2002307519 A JP 2002307519A JP 2001115818 A JP2001115818 A JP 2001115818A JP 2001115818 A JP2001115818 A JP 2001115818A JP 2002307519 A JP2002307519 A JP 2002307519A
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polymer
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thermoplastic polymer
powder
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JP2001115818A
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Junichi Abe
純一 阿部
Hideyuki Fujii
秀幸 藤井
Kazuhiko Nakagawa
和彦 中川
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な品質のアクリルフィルムを、押出成形
により低コストで製造できる方法を提供すること。 【解決手段】 アクリル樹脂を主成分とする平均粒子径
が500μm以上の粉体(A)と下記熱可塑性重合体
(B)を単軸押出機に供給し、混練、押し出すことによ
りフィルム状に成形することを特徴とするアクリルフィ
ルムの製造方法。 熱可塑性重合体(B) メチルメタクリレート単位を主成分とし、還元粘度(重
合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25
℃で測定)が0.2〜2l/gである重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製膜性、外観の優
れたアクリルフィルムを、押出成形により低コストで製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリルフィルムは、通常、単軸押出機
を用いた溶融押出法により製造されている。ここで原材
料として押出機に供給されるのは、通常、ペレットであ
る。
【0003】このペレットの代わりに、乳化重合や懸濁
重合によって工業的に得た粒子径の小さな粉体を使用す
ると押出機への安定供給が困難となり、均一な厚みを持
つフィルムを製造できない。さらに、フィルムに光学的
な歪みが生じやすく、また混練不足となりやすいため、
フィッシュアイが発生しやすい。
【0004】この単軸押出機の代わりに二軸押出機を使
用すると、押出機への原材料の供給は比較的安定し易い
が、ダイ部分にまでフィルム製造に必要な昇圧ができ
ず、溶融した樹脂のダイへの供給が定量的でないので、
安定したフィルム製造が行なえない。
【0005】以上のことから、先に述べたようにアクリ
ルフィルムはペレットを原材料として単軸押出機を用い
た溶融押出法により製造されているが、ペレットを原材
料とするということは、まずその前に樹脂材料からペレ
ットを製造する工程が必要になるということである。こ
のペレットの製造は、通常は樹脂材料を押出機等でペレ
ット状に造粒することにより行なわれている。すなわ
ち、ペレットを原材料とすると、アクリルフィルムの製
造に当たり、少なくともペレット製造工程が追加される
ことになり、その分、設備費、人件費、梱包費、輸送
費、エネルギー等の点でコストがかかることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な品質のアクリルフィルムを、押出成形により低コスト
で製造できる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリル樹脂
を主成分とする平均粒子径が500μm以上の粉体
(A)と下記熱可塑性重合体(B)からなる組成物を単
軸押出機に供給し、混練、押し出すことによりフィルム
状に成形することを特徴とするアクリルフィルムの製造
方法にある。
【0008】熱可塑性重合体(B) メチルメタクリレート単位を主成分とし、還元粘度(重
合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25
℃で測定)が0.2〜2l/gである重合体。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0010】本発明で用いるアクリル樹脂は、特に限定
されないが、製造時や後加工時の加工性やハンドリング
性、意匠性、深み感から、柔軟性、透明性に富んだもの
が好ましい。例えば、特公昭62−19309号公報、
同63−20459号公報、特開昭63−77963号
公報などに記載されているアクリル樹脂系の多層構造重
合体やその組成物を用いることができる。
【0011】具体的にはアクリル樹脂として、アルキル
アクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートを
含む単量体とグラフト交叉剤とを用いて得た最内層重合
体、アルキルアクリレートおよび必要に応じて多官能性
単量体を含む単量体とグラフト交叉剤とを用いて得た架
橋弾性重合体(中間層)、ならびに、アルキルメタクリ
レートを含む単量体を用いて得た最外層重合体を基本構
造単位としたアクリル樹脂系多層構造重合体等を用いる
ことができる。このアクリル樹脂系多層構造重合体は一
種を単独で用いてもよいし、二種以上の多層構造重合体
を併用してもよいし、他の樹脂と併用してもよい。
【0012】また、アクリル酸エステルと架橋性単量体
とを含む単量体から得た弾性共重合体の存在下にメタク
リル酸エステルを含む単量体を重合して得たアクリル樹
脂系多層構造重合体(ゴム含有重合体)を用いることも
できる。このこのアクリル樹脂系多層構造重合体も一種
を単独で用いてもよいし、二種以上の多層構造重合体を
併用してもよいし、他の樹脂と併用してもよい。
【0013】本発明においては、このようなアクリル樹
脂を、粉体のまま原材料として用いる。したがって、従
来技術のようなペレット製造工程を省略でき、低コスト
化を実現できる。
【0014】ただし、この粉体(A)は、平均粒子径が
500μm以上でなければならない。この平均粒子径が
500μm未満の場合は、押出機への供給が不安定とな
り、均一な厚みを持つアクリルフィルムを安定して製造
することができない。また、平均粒子径が大きくても製
造上の問題はなく、粒子径の上限は特に規定されない。
ただし、粒子径の大きな粉体は製造することが困難であ
る。また、篩別することで大きな粒子を得ることは可能
であるが、加工コストがかかる。
【0015】この平均粒子径は、筒井理化学器械株式会
社製、M−2型ミクロ形電磁振動ふるい器で30分間篩
別して算出した値である。
【0016】これら特定の平均粒子径を有するアクリル
樹脂系多層構造重合体等のアクリル樹脂は、市販品とし
ても入手可能である。
【0017】本発明に用いられる熱可塑性重合体(B)
は、メチルメタクリレート単位を主成分とする。
【0018】その還元粘度(重合体0.1gをクロロホ
ルム100mlに溶解し、25℃で測定)は0.2〜2
l/gである。
【0019】この熱可塑性重合体(B)は、フィッシュ
アイの発生抑制に対し重要な役割を示す成分(加工助
剤)である。この熱可塑性重合体の還元粘度は重要であ
る。この還元粘度が0.2l/g以上であることは、得
られるアクリルフィルムのフィッシュアイ発生抑制の点
で必要であり、一方2l/gを超えた範囲では逆に熱可
塑性重合体(B)の分散不良に由来するフィッシュアイ
が多発するため好ましくない。特に好ましい熱可塑性重
合体(B)の還元粘度は0.2〜1.2l/gの範囲であ
る。
【0020】熱可塑性重合体(B)において、メチルメ
タクリレート単位の含有量は、熱可塑性重合体(B)中
50質量%以上であることが好ましい。
【0021】熱可塑性重合体(B)は、メチルメタクリ
レートと共重合可能なビニル単量体を共重合成分として
含むことができる。その含有量は熱可塑性重合体(B)
中50質量%未満であることが好ましい。
【0022】本発明で使用する熱可塑性重合体(B)に
おいて、メチルメタクリレートと共重合可能なビニル系
単量体として、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合
物、メチルメタクリレート以外のアルキル(メタ)アク
リレート等を使用することができる。芳香族ビニル化合
物としては、スチレン、α−置換スチレン、核置換スチ
レンおよびその誘導体、例えばα−メチルスチレン、ク
ロルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0023】ビニルシアン化合物としてはアクリロニト
リル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0024】メチルメタクリレート以外のアルキル(メ
タ)アクリレートとしては、ブチルメタクリレート、ブ
チルアクリレート等が挙げられる。
【0025】本発明で使用する熱可塑性重合体(B)
は、乳化重合法で得ることが好ましい。また、熱可塑性
重合体(B)の乳化ラテックスを回収する方法は特に限
定されない。具体的には塩析または酸析凝固、あるいは
噴霧乾燥、凍結乾燥等の方法が挙げられ、粉末状で回収
することができる。
【0026】本発明においては、アクリル樹脂を主成分
とする平均粒子径が500μm以上の粉体(A)に熱可
塑性重合体(B)を配合することによって、溶融粘度が
向上するため成形性が向上し、フィッシュアイの少ない
フィルムを得ることができる。 熱可塑性重合体(B)
の配合量は粉体(A)100質量部に対し0.1〜20
質量部が好ましい。熱可塑性重合体(B)が0.1質量
部未満の場合、フィッシュアイ発生抑制の効果が不十分
になる傾向にあり、20質量部以上の場合、溶融粘度が
上がりフィルム成形性が低下する傾向にある。
【0027】さらには、下限が1質量部、上限が5質量
部であることが好ましい。
【0028】本発明の熱可塑性重合体(B)を単軸押出
機に供給する方法としては、特に限定されるものでな
く、熱可塑性重合体(B)を、アクリル樹脂を主成分と
する平均粒子径500μm以上の粉体(A)とともに定
量的に単軸押出機に供給することで得られるアクリルフ
ィルムのフィッシュアイ数を抑制することができる。
【0029】熱可塑性重合体(B)の単軸押出機への供
給の具体例としては、乳化重合あるいは懸濁重合等によ
り製造した熱可塑性重合体(B)を、アクリル樹脂を主
成分とする平均粒子径500μm以上の粉体(A)とと
もに計量、混合して供給する方法、熱可塑性重合体
(B)を含むマスターバッチペレットを、アクリル樹脂
を主成分とする平均粒子径500μm以上の粉体(A)
とともに計量、混合して供給する方法が挙げられる。こ
のうち特に熱可塑性重合体(B)を含むマスターバッチ
ペレットを原材料として用いる方法では、得られるアク
リルフィルムの光学的な歪みの発生を抑制することが可
能であり、より好ましい方法である。
【0030】なお、ここでいう光学的な歪みとは、フィ
ルム表面およびフィルム内部に生じるスジ状、あるいは
年輪状のゆらぎをいう。アクリルフィルムにおける光学
的な歪みは、例えば「機能性フィルムの技術と応用」
[(株)シーエムシー、昭和57年7月30日発行]1
28頁に記載のように、フィルムを窓ガラスに貼り合わ
せして使用する窓用ガラスとして用いる場合にガラスを
通してみた外界の像の歪みとして現れ、外部の明視性の
観点から重要となる。一般にフィルムの光学的な歪みは
上記文献にも記載のように数値的評価は困難であるが、
フィルムを特定の角度から通してみた外界像の歪みの大
小により評価することができる。
【0031】またマスターバッチペレットは、アクリル
樹脂と熱可塑性重合体(B)の混練押出により製造する
ことができる。混練押出には通常単軸押出機あるいは二
軸押出機を用いることができる。マスターバッチペレッ
ト中の熱可塑性重合体(B)の含有量は、アクリル樹脂
100質量部に対し0.1〜30質量部であることが好
ましい。熱可塑性重合体(B)が0.1質量部未満の場
合、熱可塑性重合体(B)を含むマスターバッチペレッ
トを原材料として用いる方法で得られるアクリルフィル
ム中の熱可塑性重合体(B)の量が不十分となるため、
フィッシュアイ発生抑制の効果が不十分になる傾向にあ
り、30質量部を越える場合、溶融粘度が上がるためマ
スターバッチペレットの混練性が低下し、これを原材料
として用いて製造したアクリルフィルムの光沢が低下す
る傾向にある。
【0032】なお、マスターバッチペレット製造に使用
するアクリル樹脂は特に限定されるものではないが、ア
クリルフィルムを製造する際に使用する前述のアクリル
樹脂を主成分とする平均粒子径500μm以上の粉体
(A)の使用が好ましい。
【0033】また、マスターバッチペレット中には、本
発明の方法で得られるアクリルフィルムに各種特性を付
与するための配合剤、例えば安定剤、紫外線吸収剤、加
工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、着色
剤、艶消し剤、離型剤および抗菌剤等を配合することが
できる。
【0034】また、マスターバッチペレットを用いる場
合のその添加量は、特に限定されるものではないが、マ
スターバッチペレットが添加されるアクリル樹脂100
質量部に対し1質量以上であることが好ましい。マスタ
ーバッチペレットが1質量部未満の場合、アクリルフィ
ルムに光学的な歪みが生じる傾向にある。さらに好まし
くは5質量部以上、さらに好ましくは7質量部以上であ
る。また、マスターバッチペレットの添加量が多い場
合、賦形にかかるコスト、エネルギーがともに大きくな
る欠点を有するので、できるだけ少なくすることが望ま
しい。
【0035】本発明においては、アクリル樹脂を主成分
とする平均粒子径500μm以上の粉体(A)を乾燥機
で水分率0.3%以下に乾燥することが望ましい。アク
リル樹脂には吸湿性が有り、水分率が0.3%を超える
と、フィルム製造時に発泡やメヤニの発生、ダイライン
などの欠陥が生じる傾向にある。この粉体の水分率は、
粉体10gを120℃で恒量に達するまで加熱し、質量
減少により算出した値である。
【0036】乾燥方法は、特に限定されず、除湿エア乾
燥、熱風乾燥、真空乾燥、電磁波による乾燥等が挙げら
れる。上記各乾燥法のうち、除湿エア乾燥以外の乾燥法
は、通常、複数の乾燥機を使用したバッチ乾燥方法をと
るので、連続して乾燥することは困難である。一方、除
湿エア乾燥は、連続的に乾燥できるので連続生産に有利
であり、設備スペース、設備コスト等の点で好ましい。
また、乾燥機の排出部には、ロータリーバルブやブリッ
ジブレイカーを設置することが好ましい。
【0037】図1は、乾燥エアを用いた連続除湿乾燥機
を例示する模式的断面図である。この連続除湿乾燥機1
は、装置本体の乾燥エア導入側に設けられたエアヒータ
ー2と、サイクロン3と、吸引ブロア側に連通する原料
吸引ホッパー4とを有し、さらに、原料排出側(計量混
合機側)にはブリッジブレイカー5およびロータリーバ
ルブ6が設けられている。このような乾燥機1を使用す
ることにより、良好な連続乾燥を行なうことができる。
【0038】以上説明したような乾燥工程により、アク
リル樹脂を主成分とする平均粒子径500μm以上の粉
体(A)の水分率を0.3%以下にしてから、これを単
軸押出機に供給し、混練し、押出すことによりフィルム
状に成形する。
【0039】この押出成形工程は、供給された粉体を溶
融混練し、フィルム状に押出成形する方法であればよ
く、例えば、Tダイ法、インフレーション法など、従来
より知られる各種の溶融押出成形法を用いることができ
る。特に製造安定性の点から、Tダイ法が好ましい。ま
た、単軸押出機としては、特に限定されないが、混練性
を考慮したスクリュフォーメーションを選ぶことが好ま
しい。
【0040】このアクリルフィルムの製造の際には、ア
クリル樹脂を主成分とする平均粒子径500μm以上の
粉体(A)、熱可塑性重合体(B)以外に、必要に応じ
て、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、
滑剤、加工助剤、艶消し剤、染料、顔料など、従来より
知られる各種の添加剤を添加できる。
【0041】添加剤を用いる場合は、乾燥工程で乾燥し
た粉体を添加剤と共に計量、混合して、単軸押出機に供
給し、押出成形工程を行なうことが好ましい。使用する
自動計量混合装置は、オフラインでもインラインでもよ
い。ただし、インライン化された自動計量混合装置を用
いると、人手によるコストがかからず、安定して連続生
産でき、しかも混合物をストックしておくためのバッフ
ァタンクも不要なので設備スペースや設備コストの点で
有利である。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。なお、下記実施例における部数および%
はすべて質量基準である。
【0043】実施例に用いる略号は以下のとおりであ
る。
【0044】 SFS :ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム MMA :メチルメタクリレート MA :メチルアクリレート BA :n−ブチルアクリレート BD :1,3ブチレンジメタクリレート AMA :アリルメタクリレート St :スチレン n−OM:n−オクチルメルカプタン t−BH:t−ブチルハイドロパーオキサイド 乳化剤(1):モノ(ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル)リン酸40%とジ(ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル)リン酸60%混合物の水酸化ナ
トリウム部分中和物[商品名:フォスファノールLO5
29〈東邦化学(株)製〉] (調製例1)アクリル樹脂系重合体(X)の調製 アクリル樹脂系重合体(X)は以下の条件で作製した。
【0045】冷却器付き重合容器内にイオン交換水25
0部を投入し70℃に昇温した後、イオン交換水5部に
対して、SFS0.48部、硫酸第一鉄0.4ppm、
EDTA1.2ppmを加えた混合物を一括投入する。窒
素下で撹拌後、MMA1.6部、BA8部、BD0.4
部、AMA0.1部、CHP0.04部および乳化剤
(1)1.3部からなる混合物を仕込み、60分間反応
を継続させ最内層重合体(A)の重合を完結した。続い
てMMA1.5部、BA22.5部、BD1.0部、A
MA0.25部からなる架橋弾性重合体(B)を形成す
る単量体混合物を60分間で添加し重合して二層架橋ゴ
ム弾性体を得た。この場合該重合体(B)の形成に対し
て用いたCHPの量は当該単量体混合物に対して0.0
5質量%であった。
【0046】続いて中間層(D)としてMMA5部、B
A5部、AMA0.1部、およびCHP0.02部の混
合物を反応させ、最後に最外層重合体(C)として、M
MA52.25部、BA2.75部、n−OM0.19
部、 およびt−BH0.08部からなる単量体混合物
を反応させ最外層重合体(C)を形成し、アクリル樹脂
系重合体(X)のラテックスを得た。得られたラテック
スを硫酸マグネシウム水溶液で凝固した後、ポリマーに
対し20倍量の純水で洗浄、脱水、乾燥を行いアクリル
樹脂系重合体(X)の粉末を得た。
【0047】評価方法は下記のように行った。
【0048】1. フィルムフィッシュアイ数 アク
リルフィルム1m2中のフィッシュアイ数を、高速・高
機能表面欠陥検査装置LSC−100(三菱レイヨン
(株)製)で、光の透過率が75%以下となる1画素
(0.4mm×0.5mm)以上の数を測定。
【0049】2. フィルム光学歪み アクリルフィ
ルムを45度の角度で通して見た時に外界の像の歪みが
小さい時を○、歪みがやや大きい時を△、歪みが大きい
時を×とした。
【0050】<実施例1>アクリル樹脂(B)として、
調製例(1)で得られた粉体状のアクリル樹脂系重合体
(X)を篩別し、平均粒子径650μmの粉体状アクリ
ル樹脂系重合体(X)を得た。この粉体状アクリル樹脂
系重合体を、図1に示したブリッジブレイカー5および
ロータリーバルブ6を設けた連続除湿乾燥機[田中鉄工
(株)製、トライアングル]を用い、80℃の乾燥エア
を供給し、粉体の乾燥機内での滞在時間が3時間以上に
なるようにして乾燥した。乾燥後の粉体の水分率は0.
2%であった。
【0051】次に、自動計量混合装置[タマキ(株)
製、オートブレンダー]を用い、該重合体を100部、
熱可塑性重合体(B)として三菱レイヨン(株)製メタ
ブレンP−551A(商品名、還元粘度:0.375l
/g)を3部、紫外線吸収剤としてチバガイギー(株)
製のチヌビンP(商品名)を2部、抗酸化剤として旭電
化工業(株)製アデカスタブAO−50(商品名)を
0.3部用い、自動計量混合装置[タマキ(株)製、オ
ートブレンダー]で混合した。
【0052】この混合物を、1000mm幅Tダイ付き
単軸押出機[日本製鋼所(株)製、P−65]に供給
し、混練し、Tダイより押出し、平均厚み50μmの膜
厚が均一なアクリルフィルムを得た。この際の押出条件
は、シリンダー設定温度220℃、Tダイ設定温度23
0℃、スクリュー回転数30rpm、引き取り速度30
m/時とした。
【0053】このときのフィルムフィッシュアイ数、フ
ィルム光学歪みの結果を表1に示す。
【0054】<実施例2>アクリル樹脂(A)として、
調製例(1)で得られた粉体状のアクリル樹脂系重合体
(X)を篩別し、平均粒子径800μmの粉体状アクリ
ル樹脂系重合体(X)を得た。このアクリル樹脂系重合
体(X)100部、と実施例1で使用した熱可塑性重合
体(B)を3部、紫外線吸収剤として旭電化工業(株)
製のアデカスタブLA−31(商品名)を2部、HAL
Sとして旭電化工業(株)製アデカスタブLA−57
(商品名)を0.5部、抗酸化剤として旭電化工業
(株)製アデカスタブAO−50(商品名)を0.3部
用いたこと以外は実施例1と同様の方法(乾燥後の粉体
の水分率0.2%)で、平均厚み50μmの膜厚が均一
なアクリルフィルムを得た。
【0055】このときのフィルムフィッシュアイ数、フ
ィルム光学歪みの結果を表1に示す。
【0056】<実施例3>実施例1で使用した粉体状ア
クリル樹脂系重合体(X)100部と実施例1で使用し
た熱可塑性重合体(B)20部、実施例1で使用した抗
酸化剤1部を二軸押出機[日本製鋼所(株)製、TEX
−44]を用いマスターバッチペレットを得た。この際
の押出条件は、シリンダー設定温度220℃、ダイス設
定温度230℃、スクリュー回転数30rpm、引き取
り速度30m/時とした。
【0057】この得られたペレット20部と実施例1で
使用したアクリル樹脂系重合体(X)100部、実施例
2で使用した紫外線吸収剤を3部、およびHALSを
0.5部混合し、実施例1と同様の方法(乾燥後の粉体
の水分率0.2%)で、平均厚み50μmの膜厚が均一
なアクリルフィルムを得た。
【0058】このときのフィルムフィッシュアイ数、フ
ィルム光学歪みの結果を表1に示す。
【0059】<実施例4>実施例3で使用したマスター
バッチペレット20部、実施例1で使用したアクリル樹
脂系重合体(X)100部、紫外線吸収剤としてチバガ
イギー(株)製のチヌビン1577(商品名)を2部混
合し、実施例1と同様の方法(乾燥後の粉体の水分率
0.2%)で、平均厚み50μmの膜厚が均一なアクリ
ルフィルムを得た。
【0060】このときのフィルムフィッシュアイ数、フ
ィルム光学歪みの結果を表1に示す。
【0061】<比較例1>実施例1で使用した粉体状ア
クリル樹脂系重合体(X)を100部、実施例1で使用
した紫外線吸収剤を2部、抗酸化剤を0.3部用いたこ
と以外は、実施例1と同様の方法(乾燥後の粉体の水分
率0.2%)で、平均厚み50μmの膜厚が均一なアク
リルフィルムを得た。
【0062】このときのフィルムフィッシュアイ数、フ
ィルム光学歪みの結果を表1に示す。
【0063】<比較例2>実施例1で使用した粉体状ア
クリル樹脂系重合体(X)を篩別し、平均粒子径450
μmの粉体を得た。この粉体100部、実施例1で使用
した熱可塑性重合体(B)を3部、実施例3で使用した
紫外線吸収剤を2部、実施例1で使用した抗酸化剤を
0.3部用いたこと以外は、実施例1と同様の方法(乾
燥後の粉体の水分率0.2%)で、平均厚み50μmの
アクリルフィルムの製造を試みたが、膜厚が均一なアク
リルフィルムが得られず、以降の評価ができなかった。 <比較例3>実施例1で使用した粉体状アクリル樹脂系
重合体(X)と実施例1で使用した抗酸化剤1部を二軸
押出機[日本製鋼所(株)製、TEX−44]を用い実
施例4と同様の方法でペレットを得た。
【0064】この得られたペレット20部と実施例1で
使用したアクリル樹脂系重合体100部、実施例2で使
用した紫外線吸収剤を3部およびHALSを0.5部用
いて混合し、実施例1と同様の方法(乾燥後の粉体の水
分率0.2%)で、平均厚み50μmの膜厚が均一なア
クリルフィルムを得た。
【0065】このときのフィルムフィッシュアイ数、フ
ィルム光学歪みの結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアクリル
フィルムの製造方法によれば、フィッシュアイの数が少
なく、膜厚が均一で高品質のアクリルフィルムを従来知
られているペレットを原材料とした製造法に比べ安価に
製造することができる。さらに、特定の熱可塑性重合を
含むマスターバッチペレットを使用することによって、
得られるフィルムの光学歪みを抑制することができ、各
種光学特性が必要となる分野に使用することができ、光
学用フィルムを高品質かつ安価に製造する方法として工
業的に利用価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾燥エアを用いた連続除湿乾燥機を例示する模
式的断面図である。
【符号の説明】
1 乾燥機 2 エアヒーター 3 サイクロン 4 原料吸引ホッパー 5 ブリッジブレイカー 6 ロータリーバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 33:00 B29K 33:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F070 AA32 AB08 AB09 AC83 AE13 FA01 FA17 FB03 FC05 4F071 AA33 AA77 AA88 AD02 AF29 BA01 BB06 BC01 4F207 AA21 AB02 AB06 AB07 AB11 AB12 AB14 AC08 AG01 KA01 KA17 KL84 4J002 BG062 BN121 FA081 GP00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂を主成分とする平均粒子径
    が500μm以上の粉体(A)と下記熱可塑性重合体
    (B)を単軸押出機に供給し、混練、押し出すことによ
    りフィルム状に成形することを特徴とするアクリルフィ
    ルムの製造方法。 熱可塑性重合体(B) メチルメタクリレート単位を主成分とし、還元粘度(重
    合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解し、25
    ℃で測定)が0.2〜2l/gである重合体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、熱可塑性重合体
    (B)を粉体(A)とのマスターバッチペレットとして
    単軸押出機に供給することを特徴とするアクリルフィル
    ムの製造方法。
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