JP2002305338A - 垂直通電型磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、および磁気記録再生装置 - Google Patents

垂直通電型磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、および磁気記録再生装置

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JP2002305338A JP2001398384A JP2001398384A JP2002305338A JP 2002305338 A JP2002305338 A JP 2002305338A JP 2001398384 A JP2001398384 A JP 2001398384A JP 2001398384 A JP2001398384 A JP 2001398384A JP 2002305338 A JP2002305338 A JP 2002305338A
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雅幸 高岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直通電磁界の影響を低減させることができ
る垂直通電型磁気抵抗効果素子を含む磁気ヘッドを提供
する。 【解決手段】 磁気抵抗効果膜(1)と、磁気抵抗効果
膜(1)の膜面に垂直に電流を通電するように配置され
た電極(2)と、磁気抵抗効果膜(1)の近傍に形成さ
れ、磁気抵抗効果膜(1)に所定方向のバイアス磁界を
付与するバイアス印加膜(3)とを具備し、磁気抵抗効
果膜(1)の信号磁束が流入する側において、バイアス
印加膜(3)の磁界の方向と前記電流により発生する磁
界の方向とが実質的に反平行となっている。媒体磁束が
センサー感磁部へ流入する部分でバイアス磁界とセンス
電流磁界が打ち消す方向に働くため、この部分での透磁
率の低下を抑制することができ、センサーの感度を高め
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は垂直通電型磁気抵抗
効果素子、垂直通電型磁気抵抗効果素子を含む磁気ヘッ
ド、およびこの磁気ヘッドを搭載した磁気記録再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置などの磁気記
録装置では急速に小型・高密度化が進んでおり、今後さ
らに高密度化されることが見込まれている。磁気記録に
おいて高密度化を達成するには、記録トラック幅を狭く
して記録トラック密度を高めるとともに、長手方向の記
録密度すなわち線記録密度を高める必要がある。
【0003】しかし、面内の長手記録方式では記録密度
が高くなるにつれ反磁界が大きくなり、再生出力の低下
を招くとともに安定な記録が行えなくなるという問題点
がある。これらの問題点を改善するために垂直記録方式
が提案されている。垂直記録方式は記録媒体を膜面と垂
直方向に磁化して記録するものであり、長手記録方式と
比較して、記録密度を高めても反磁界の影響が少なく再
生出力の低下などが抑制される。
【0004】従来、長手記録方式、垂直記録方式とも
に、媒体信号の再生には誘導型ヘッドが用いられてきた
が、誘導型ヘッドでは高密度化に伴い記録トラック幅が
狭くなり記録された磁化の大きさが小さくなると、十分
な再生信号出力が得られなくなる。そこで、記録された
磁化の大きさが小さくなっても十分な再生信号出力が得
られるように、異方性磁気抵抗効果(AMR)を用いた
再生感度の高いAMRヘッドが開発され、シールド型再
生ヘッドとして用いられるようになった。最近では、巨
大磁気抵抗効果(GMR)を応用した、より感度の高い
スピンバルブ型GMRヘッドが用いられるようになって
いる。
【0005】また、さらに高い再生感度が期待されるト
ンネル磁気抵抗効果(TMR)やCPP(Current Perpe
ndicular to the Plane)−GMR素子を用いた磁気ヘッ
ドの開発と実用化のための研究も進められている。これ
らの素子では膜面に垂直方向にセンス電流が流される。
CPP−GMR素子は、例えば特開平10-55512
号公報および米国特許第5,668,688号公報に開
示されている。このように再生感度の高い磁気ヘッドが
開発され、それらを用いることによって、記録ビットサ
イズがごく小さくなっても記録信号の再生が可能になっ
てきた。
【0006】記録トラックの線記録密度を高めるために
は、磁気ヘッドのギャップを狭くする必要がある。従来
の磁気抵抗効果を用いた磁気ヘッドでは1対のシールド
間の間隔で規定されるヘッドギャップ内に磁気抵抗効果
素子を形成している。AMRヘッドでもスピンバルブG
MRヘッドでも、磁気抵抗効果素子の厚さとして30n
m程度を必要とし、シールドとの絶縁を考慮するとシー
ルド間の間隔として100nm程度を必要とする。この
ように従来の磁気ヘッドにおいては、ヘッドギャップを
狭めることができる限度は100nm程度であり、線記
録密度を高める上で大きな制約が生じている。こうした
背景から、狭ギャップ化に対応するために、媒体対向面
側にフラックスガイドを形成し、センサー部を媒体対向
面から後退させて形成する構造が提案されている。特
に、CPP−GMR素子では、シールド間にGMR素子
と上下一対の電極を設置する必要があり、これらの厚さ
が狭ギャップ化に対して大きな制約となっている。そこ
で、CPP−GMR素子で狭ギャップ化に対応するため
には、媒体対向面側にフラックスガイドを形成して電極
部分を媒体対向面から後退させ、媒体対向面においてシ
ールド間に薄いフラックスガイドのみが配置されるよう
にすることが有効である。
【0007】磁気抵抗効果膜におけるバルクハウゼンノ
イズ(Barkhausen noise)を抑制するためには、磁気抵
抗効果膜の両端にバイアス膜を設置してバイアス磁界を
印加することが有効である。しかし、本発明者らは、記
録密度向上のために狭トラック化が進むにつれ、バイア
ス膜間の距離を狭くすると、磁気抵抗効果膜にバイアス
磁界が強くかかりすぎて磁化反転が困難になるため素子
の感度が低下するという問題が生ずることを見出した。
【0008】また、従来の膜面内にセンス電流を通電す
るCIP(Current In Plane)−GMR素子では、センス
電流が作り出す電流磁界、ピン層からフリー層への静磁
結合磁界、およびピン層−フリー層間の層間結合磁界と
いう3つの磁界のバランスを取ることで動作点を決めて
いた。しかし、膜面に垂直にセンス電流を通電する素子
では、センス電流磁界が電流中心に対し円形に加わるた
め、上述した動作点の設計手法が使えなくなる。しか
も、センス電流磁界はセンス電流を供給する電極のエッ
ジ部で最も強くかかるために、センサー感磁部である電
極下部の磁気抵抗効果膜への媒体磁束の流入が妨げら
れ、センサーの感度が低下する。
【0009】これらの問題は前述した特開平10−55
512号公報および米国特許第5,668,688号の
いずれにも示唆されておらず、これらの文献に開示され
ている構成では十分な解決が困難な課題である。
【0010】上述したセンス電流磁界によって媒体磁束
の流入が阻害されるという問題は、記録密度が高まるほ
どすなわちセンサーである磁気抵抗効果素子および電極
のサイズが小さくなるほど顕著になる。例えば、100
Gbpsiを越える記録密度に対応するために、電極の
サイズを1μm□以下にすると、電極下部の磁気抵抗効
果膜への媒体磁束の流入が妨げられる。特に電極のサイ
ズが小さい場合、ある程度の出力を得るためには大きな
センス電流を通電する必要があるので、上述の問題点が
顕著になる。
【0011】実際に、(電極サイズ、GMR膜サイズ)
が、それぞれ(0.5μm□、1.2μm□)、(0.
3μm□、0.7μm□)、(0.2μm□、0.5μ
m□)、(0.1μm□、0.3μm□)である4種類
のCPP−GMR素子を作製し、5mAのセンス電流を
通電して、センス電流磁界が加わった状態でのGMR膜
の磁束密度分布を調べた。その結果、(電極サイズ、G
MR膜サイズ)が(0.5μm□、1.2μm□)であ
るCPP−GMR素子ではGMR膜の磁束密度は十分小
さかったが、電極サイズが小さくなるにつれて、他の領
域に比べて電極のエッジ部において、GMR膜の磁束密
度が顕著に強くなることが認められた。図22に、電極
サイズと、電極のエッジ部におけるGMR膜の最大磁束
密度との関係を示す。また、図23に、(電極サイズ、
GMR膜サイズ)が(0.1μm□、0.3μm□)で
あるCPP−GMR素子について、センス電流の大きさ
と電極のエッジ部におけるGMR膜の最大磁束密度との
関係を示す。
【0012】これらの結果を総合的に判断して、電極サ
イズが0.3μm□以下でセンス電流値が1mA以上の
場合、特に0.1μm□以下でセンス電流値が3mA以
上の場合には、電極下部への媒体磁束の流入が妨げられ
ないような対策をとり、センサーの感度を上げることが
必要になる。
【0013】また、ハードディスクなどの磁気記憶装置
では高記録密度化が進むにつれ磁気ヘッドと記憶媒体と
の距離である浮上量が徐々に低下している。このような
浮上量の低下は、記憶媒体のわずかな突起にヘッドが衝
突する確率が高まることを意味し、実際TA(Thermal A
sperity)ノイズが問題となっている。したがって、磁気
抵抗効果素子が直接媒体対向面に露出しないように、ヨ
ークを介して磁束を磁気抵抗効果素子に引き込むヨーク
型のヘッド構造を採用することが好ましい。ヨーク型磁
気ヘッドのうちでも、磁気抵抗効果素子をその膜面が媒
体対向面と平行するように設ける水平ヨーク型磁気ヘッ
ドは、磁気抵抗効果素子全体を媒体近くに設置すること
ができるため有利である。こうしたヨーク型磁気ヘッド
においても、強いバイアス磁界が印加されたり、強いセ
ンス電流磁界が印加されたりすると、センサーの感度が
低下するという問題があり、センサーの感度を上げるこ
とが必要になる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、垂直
通電磁界およびバイアス磁界の影響を低減して感度を上
げることができる垂直通電型磁気抵抗効果素子、この垂
直通電型磁気抵抗効果素子を含む磁気ヘッド、およびこ
の磁気ヘッドを搭載した磁気記録再生装置を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様に係る垂
直通電型磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、前記
磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直な方向に電流を通電
可能とする一対の電極と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に
対して平行な方向にバイアス磁界を付与するバイアス印
加膜とを具備し、前記磁気抵抗効果膜における信号磁束
の流入部分の近傍で、前記バイアス印加膜の磁界の方向
と前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直な方向に通電
される電流により発生する磁界の方向とが実質的に反平
行となることを特徴とする。
【0016】本発明の他の態様に係る垂直通電型磁気抵
抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜
の膜面に対して垂直な方向に電流を通電可能とする一対
の電極と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して平行な方
向にバイアス磁界を付与するバイアス印加膜と、前記磁
気抵抗効果膜における信号磁束の流入部分の近傍に信号
磁束を前記磁気抵抗効果膜に導くよう設けられた磁性層
とを具備し、前記磁性層において前記バイアス印加膜の
磁界の方向と前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直な
方向に通電される電流により発生する磁界の方向とが実
質的に反平行となることを特徴とする。
【0017】上記の磁気抵抗効果膜の信号磁束が流入す
る側に設けられた磁性層は、信号磁束を磁気抵抗効果膜
へ導入するフラックスガイドとして機能する。この磁性
層は、磁気抵抗効果膜全体でもよいし、磁気抵抗効果膜
のうちフリー層を媒体対向面側に延長して形成された磁
性層でもよいし、磁気抵抗効果膜とは別に設けたNiF
eなどの軟磁性層でもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】磁気抵抗効果膜はTMR膜であっ
てもCPP−GMR膜であってもよい。CPP−GMR
膜に含まれるGMR膜としては、例えば2層の強磁性層
の間に導電性の非磁性中間層を挟んだ構造を有するもの
が挙げられる。この構造では、一方の強磁性層は例えば
反強磁性層を積層することにより磁化が固着された磁化
固着層(ピン層)として、他方の強磁性層は外部磁界に
より磁化が自由に回転する磁化自由層(フリー層)とし
て機能する。なお、これらの層に加えて、下地層、保護
層などを設けてもよい。
【0019】バイアス印加膜としては、CoPtなどの
硬質磁性膜や、PtMn、IrMnなどの反強磁性膜を
用いることができる。磁気抵抗効果膜の膜面に沿って所
定の方向にバイアス磁界を印加するように、磁気抵抗効
果膜の両側に一対のバイアス印加膜が設けられる。バイ
アス印加膜は、磁気抵抗効果膜の両側に隣接して設置し
てもよいし、磁気抵抗効果膜の両側の下または上に設置
してもよいし、磁気抵抗効果膜の両側の一部にオーバー
ラップさせるように設置してもよい。これらの設置方法
はバイアス印加膜の磁気特性や膜厚に応じて、最適なバ
イアス磁界が磁気抵抗効果膜にかかるような組み合わせ
で選ぶことが望ましい。
【0020】磁気抵抗効果膜の膜面に対してほぼ垂直な
方向に電流を通電するように、磁気抵抗効果膜の上下に
一対の電極が設けられる。電極はCuなどの導電膜で形
成してもよく、また磁気抵抗効果膜のフリー層以外の部
分、例えば保護膜、反強磁性膜、ピン層の部分を電極と
して用いてもよい。これらの電極は、磁気抵抗効果膜の
中央部に、磁気抵抗効果膜の両側に設けられたバイアス
印加膜から離し、かつ媒体対向面から後退するように設
けることが好ましい。このように電極を設けると、電極
と媒体対向面との間に存在する磁気抵抗効果膜はフラッ
クスガイドとして機能する。なお、上述したように、フ
ラックスガイドは、媒体対向面側へ延長して形成された
フリー層の一部でもよいし、磁気抵抗効果膜とは別に設
けた軟磁性層でもよい。このようにして磁気抵抗効果膜
の上下に設置された電極は、ピラー形状をなしており、
バイアス印加膜近傍にあり強いバイアス磁界を受けて感
度が低くなる領域を避けて感度の高い領域の磁気抵抗効
果膜にのみセンス電流を絞って通電することができる。
このため、磁気抵抗効果膜としてGMR膜を用いた場合
に、その膜内の電流分布を最適にするのに有利である。
なお、ほぼ同じ大きさの電極を磁気抵抗効果膜の上下に
位置ずれなく形成することは困難なので、どちらか一方
の電極を他方の電極に比べ広くすることで位置ずれ誤差
の影響を軽減することが好ましい。
【0021】フラックスガイドとする磁性層を磁気抵抗
効果膜と別に設ける場合、この磁性層は、磁気抵抗効果
膜のフリー層に接する構成となることが好ましいが、フ
リー層に磁束を導入可能であればこの構成に限定される
ものではない。例えばフリー層とフラックスガイドとし
ての磁性層とが接触していなくともよく、これらの間に
非磁性の薄い密着層などを介してもよい。
【0022】また、フラックスガイドとしての磁性層
は、バイアス印加膜に接する構成となることが好ましい
が、バイアス印加膜がこの磁性層の端部で磁化が安定す
る程度に十分なバイアス磁界を印加可能であれば、この
構成に限定されるものではない。例えばバイアス印加膜
とフラックスガイドしての磁性層とが接触していなくと
もよく、これらの間に非磁性の薄い密着膜などを介して
もよい。
【0023】バイアス印加膜はフラックスガイドを含む
磁気抵抗効果膜の両側に設けることが好ましい。この場
合、フラックスガイドの媒体対向面側の端部を、バイア
ス印加膜の媒体対向面側の端部と同一平面上となるよう
に形成してもよい。また、フラックスガイドの媒体対向
面側の端部の一部を、バイアス印加膜の媒体対向面側の
端部よりも媒体側へ突出するように形成してもよい。
【0024】本実施形態の垂直通電型磁気抵抗効果素子
では、信号磁束がセンサー感磁部へ流入する側におい
て、バイアス印加膜の磁界と磁気抵抗効果膜の膜面に垂
直に通電されるセンス電流磁界とが実質的に反平行とな
り、互いに打ち消す方向に働く。このため、磁気抵抗効
果膜の信号磁束がセンサー感磁部へ流入する側の透磁率
を高めることができ、磁気抵抗効果素子の最適な動作点
を得ることができ、センサーの感度を高めることができ
る。なお、バイアス磁界とセンス電流磁界は必ずしも完
全に打ち消す必要はなく、むしろ信号磁束流入側に弱い
バイアス磁界をかけて単磁区化を図れば、バルクハウゼ
ンノイズを抑制することもできる。このように、媒体対
向面側においてセンス電流磁界とバイアス磁界とが反平
行となるようにし、それぞれの磁界を適切に設定すれ
ば、出力向上とバルクハウゼンノイズ抑制という2つの
効果を両立させることができる。
【0025】また、フラックスガイドの媒体対向面側の
端部と、バイアス印加膜の媒体対向面側の端部とが、同
一平面上となるように形成されている場合には、フラッ
クスガイドにおいてバイアス磁界が安定になるうえに、
製造工程も簡単になるという利点がある。
【0026】本実施形態は、高記録密度化に対応するた
めに、電極を小さくし、センス電流値を大きくした場合
に、特に有効である。具体的には、電極サイズが0.3
μm□以下でセンス電流値が1mA以上の場合、特に
0.1μm□以下でセンス電流値が3mA以上の場合
に、顕著な効果が得られる。
【0027】センス電流Iは、磁気抵抗効果膜の信号磁
束が流入する側でバイアス磁界の方向に対して実質的に
反平行なセンス電流磁界が発生するように通電する場合
を+方向とした場合、0<I<20mAの範囲に設定す
ることが好ましい。この条件を満たしていれば、出力向
上とバルクハウゼンノイズ抑制の両立が可能となる。こ
のとき、センス電流磁界強度をバイアス磁界強度に対抗
できるようにするのが好ましいが、センス電流が大きす
ぎると素子の発熱が問題となる。これらの観点から、セ
ンス電流Iを3≦I≦15mAの範囲に設定することが
より好ましい。
【0028】他の実施形態の垂直通電型磁気抵抗効果素
子において、磁気抵抗効果膜は信号磁束に対する対向面
の長さが信号磁束に対する対向面からの奥行よりも大き
くしてもよい。この場合、磁気抵抗効果膜に形状異方性
磁界が付与され、磁気抵抗効果膜の磁化が長手方向に安
定になる。また、センス電流磁界、バイアス磁界および
形状異方性磁界が印加されるので、磁気抵抗効果膜の透
磁率を高めて最適動作点を安定して得られるようになる
とともに、磁気抵抗効果膜の単磁区化も容易になり、結
果として感度を高めることができる。
【0029】さらに他の実施形態の垂直通電型磁気抵抗
効果素子において、電極は信号磁束に対する対向面の長
さが信号磁束に対する対向面からの奥行よりも大きくし
てもよい。この場合、センス電流磁界が直線的になり、
上記の効果が安定に得られるようになる。
【0030】上記のような垂直通電型磁気抵抗効果素子
は、これを挟むように形成された1対の磁気シールドと
組み合わせて、シールド型ヘッドに適用することができ
る。この場合、磁気抵抗効果膜の媒体対向面側にフラッ
クスガイドを設け、媒体対向面ではシールド間にフラッ
クスガイドのみが配置されるようにし、媒体対向面側で
バイアス磁界と磁気抵抗効果膜の膜面に垂直に通電され
るセンス電流により発生する磁界とが実質的に反平行と
なるようにする。
【0031】上記のような垂直通電型磁気抵抗効果素子
は、信号磁束が導入される磁気ヨークと組み合わせてヨ
ーク型ヘッドに適用することもできる。例えば、水平ヨ
ーク型の場合、電極をギャップ直上からずらしてヨーク
上などの実質的に不感部になる部分に対応する位置に配
置し、ギャップ直上の最も感度の高い磁気抵抗効果膜の
部分でバイアス磁界の方向と膜面に垂直に通電されるセ
ンス電流により発生する磁界の方向が実質的に反平行と
なるようにすればよい。
【0032】さらに他の実施形態においては、磁気記録
媒体と、上記のような磁気ヘッドとを有する磁気記録再
生装置も提供される。この磁気記録再生装置を用いて磁
気記録を再生する際には、磁気記録媒体からの信号磁束
が流入する側で、バイアス印加膜の磁界の方向と磁気抵
抗効果膜の膜面に垂直に通電されるセンス電流により発
生する磁界の方向とが実質的に反平行となるようにセン
ス電流を通電する。
【0033】以下、本発明の実施形態について図面を参
照しながら説明する。図1は一実施形態に係る垂直通電
型磁気抵抗効果素子の平面図である。この図において、
下側が媒体対向面となる。磁気抵抗効果膜1としてはト
ンネル接合型磁気抵抗効果膜(TMR膜)またはCPP
−GMR膜が用いられており、紙面に直交する方向に膜
が積層されている。磁気抵抗効果膜1の上下には、Cu
からなる電極2が形成されている。磁気抵抗効果膜1の
両側にCoPtからなるバイアス印加膜3、3が配置さ
れている。
【0034】図2にTMR膜の例を示す。図2のTMR
膜は、Taからなる下地層21、PtMnからなる反強
磁性層22、CoFe/Ru/CoFeの三層膜からな
る磁化固着層(ピン層)23、AlOxからなるトンネ
ル接合層24、CoFe/NiFeの二層膜からなる磁
化自由層(フリー層)25およびTaからなる保護層2
6を積層した構造を有する。
【0035】図3にCPP−GMR膜の例を示す。図3
のCPP−GMR膜は、Taからなる下地層31、Pt
Mnからなる反強磁性層32、CoFe/Ru/CoF
eの三層膜からなる磁化固着層(ピン層)33、Cuか
らなる非磁性中間層(スペーサー層)34、CoFe/
NiFeの二層膜からなる磁化自由層(フリー層)35
およびTaからなる保護層36を積層した構造を有す
る。
【0036】なお、TMR膜またはCPP−GMR膜の
各層の積層順序は図2または図3と逆になっていてもよ
い。また、TMR膜またはCPP−GMR膜は、フリー
層を中心としてピン層が上下対称に設けられたデュアル
型となっていてもよい。
【0037】図4は図1の垂直通電型磁気抵抗効果素子
の断面図である。この図に示されるように、バイアス印
加膜3、3は、磁気抵抗効果膜1の両側に隣接して設置
されている。なお、バイアス印加膜は、図5または図6
に示すような仕方で配置してもよい。図5はバイアス印
加膜3、3に磁気抵抗効果膜1をオーバーラップさせた
場合を示している。図6は磁気抵抗効果膜1の上にバイ
アス印加膜3、3を設置した場合を示している。
【0038】バイアス印加膜3、3としてCoPtのよ
うな硬質磁性膜を用いる場合は図4または図5の構造が
望ましい。バイアス印加膜3、3としてPtMnのよう
な反強磁性膜を用いる場合には図5または図6の構造が
望ましい。
【0039】図1に示したように、CoPtからなるバ
イアス印加膜3、3の着磁方向は図の左向きの方向に設
定されている。センス電流は電極2に対して紙面の下か
ら上向きに磁気抵抗効果膜1の膜面に垂直に通電され、
電極2を中心として図の矢印で示す方向にセンス電流磁
界が発生する。この結果、媒体からの信号磁束が流入す
る媒体対向面側で、バイアス印加膜3の磁界の方向と磁
気抵抗効果膜1の膜面に垂直に通電される電流により発
生する磁界の方向とが実質的に反平行となる。このよう
に、媒体対向面側でバイアス磁界とセンス電流磁界が互
いに打ち消す方向に働くので、磁気抵抗効果膜1の信号
磁束がセンサー感磁部へ流入する側の透磁率の低下を抑
制できる。また、媒体磁束が、センス電流磁界によって
妨げられることなく、感磁部である電極直下の磁気抵抗
効果膜に流入するので感度を維持することができる。一
方、媒体対向面と反対側では両者の磁界が重なり合うた
め強いバイアス磁界が加わり、その部分での透磁率が低
下する。しかし、この部分は感磁部でもなく媒体磁束の
吸い込みにも寄与しないので問題とならない。
【0040】図7は他の実施形態に係る垂直通電型磁気
抵抗効果素子の平面図である。図7の素子は、バイアス
印加膜3を磁気抵抗効果膜1の媒体対向面よりも後退し
て設けた以外は、図1と同様な構造を有する。
【0041】この構造では、例えばバイアス膜間の距離
が狭い場合のようにバイアス膜からの磁界が強すぎると
きに、適度な大きさの磁界を磁気抵抗効果膜1の媒体対
向面側にかけることが可能になる。
【0042】図8および図9はそれぞれ他の実施形態に
係る垂直通電型磁気抵抗効果素子の平面図である。図8
の素子は、媒体対向面と反対側で電極2と重なっていな
い磁気抵抗効果膜1の部分をなくした以外は図1と同様
な構造を有する。また、図9の素子は、媒体対向面と反
対側で電極2と重なっていない磁気抵抗効果膜1の部分
をなくした以外は図7と同様な構造を有する。
【0043】図8または図9の素子では、媒体対向面と
反対側においてバイアス磁界とセンス電流磁界が重なり
合って透磁率が低下して磁化が動きにくくなる部分をな
くしているので、その部分の影響により他の部分の磁化
が動きにくくなるのを防ぐことができ、全体として感度
の低下を防止できる。
【0044】図10は他の実施形態に係る垂直通電型磁
気抵抗効果素子の平面図である。この素子における磁気
抵抗効果膜1は、媒体対向面に沿う長さが媒体対向面か
らの奥行よりも大きく、媒体対向面に沿って横長の形状
となっている以外は図8と同様な構造を有する。この場
合、磁気抵抗効果膜1に横方向の形状異方性を付与する
ことができ、バイアス印加膜3、3からのバイアス磁界
に異方性磁界を加えることができるので、磁気抵抗効果
膜1を容易に単磁区化することができる。
【0045】図11および図12はそれぞれ他の実施形
態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子の平面図である。
図11の素子は、バイアス印加膜3を磁気抵抗効果膜1
の媒体対向面よりも後退して設けた以外は、図10と同
様な構造を有する。図12の素子は、媒体対向面側の磁
気抵抗効果素子1の突出部分の幅を電極2とほぼ同程度
の幅にしている以外は図11と同様な構造を有する。
【0046】これらの構造では、磁気抵抗効果膜にバイ
アス磁界とともに形状異方性磁界を加えて磁気抵抗効果
膜を単磁区化しやすくするとともに、例えばバイアス膜
間の距離が狭い場合のようにバイアス膜からの磁界が強
すぎるときに適度な大きさの磁界を磁気抵抗効果膜1の
媒体対向面側にかけることが可能になる。
【0047】図13は他の実施形態に係る垂直通電型磁
気抵抗効果素子の平面図である。図13の素子における
電極2は、媒体対向面に沿う長さが媒体対向面からの奥
行よりも大きく、媒体対向面に沿って横長の形状となっ
ている以外は図1と同様な構造を有する。
【0048】この構造では、媒体対向面側でのセンス電
流磁界の直線性が良好になり、バイアス磁界との相殺効
果が向上する。したがって、媒体対向面側の磁気抵抗効
果膜1のバイアス制御がより容易になる。
【0049】図14および図15はそれぞれ他の実施形
態に係る垂直通電型磁気抵抗効果素子の平面図である。
図14の素子は、バイアス印加膜3を磁気抵抗効果膜1
の媒体対向面よりも後退して設けた以外は、図13と同
様な構造を有する。図15の素子は、媒体対向面側の磁
気抵抗効果素子1の突出部分の幅を電極2とほぼ同程度
の幅にしている以外は図14と同様な構造を有する。
【0050】これらの構造では、媒体対向面側でのセン
ス電流磁界の直線性が良好になりバイアス磁界との相殺
効果が向上するともに、例えばバイアス膜間の距離が狭
い場合のようにバイアス膜からの磁界が強すぎるときに
適度な大きさの磁界を磁気抵抗効果膜1の媒体対向面側
にかけることが可能になる。したがって、媒体対向面側
の磁気抵抗効果膜1のバイアス制御がより一層容易にな
る。
【0051】さらに図15のように、媒体対向面側の磁
気抵抗効果素子1の突出部分の幅を電極2とほぼ同程度
の幅にすると、磁気抵抗効果膜1に横方向の形状異方性
を付与できる。したがって、バイアス磁界に形状異方性
磁界を加えることができ、磁気抵抗効果膜をさらに容易
に単磁区化することができる。
【0052】図1および図7〜図15に示した磁気抵抗
効果素子の構造のうちでは、図1、図8、図10および
図13のように、磁気抵抗効果膜1の媒体対向面側の端
部と、バイアス印加膜3の媒体対向面側の端部とが、同
一平面上となっていることが好ましい。この場合、磁気
抵抗効果膜1の媒体対向面側においてバイアス磁界が安
定になるうえに、製造工程も簡単になるという効果が得
られる。
【0053】また、図1、図8、図10および図13で
は、磁気抵抗効果膜1の一部をフラックスガイドとして
用いており、フラックスガイド部分の厚さは他の部分の
磁気抵抗効果膜1の厚さと等しくなっている。一方、図
16に示すように、磁気抵抗効果膜1と媒体対向面との
間に、例えばNiFeなどからなる軟磁性層11を設け
てフラックスガイドを形成し、軟磁性層11の媒体対向
面側の端部と、バイアス印加膜3の媒体対向面側の端部
とが、同一平面上となるようにしてもよい。なお、図1
6に示すフラックスガイドは、磁気抵抗効果膜1のフリ
ー層のみを媒体対向面側に延長して形成してもよい。こ
の場合にも、磁気抵抗効果膜1の媒体対向面側において
バイアス磁界が安定になるうえに、新たな層を形成する
工程を要しないことから製造工程も簡単になるという効
果が得られる。また、上記のようにフラックスガイドを
磁気抵抗効果膜1とは別に設けられた磁性層または磁気
抵抗効果膜1のフリー層の一部で形成すれば、フラック
スガイドをより薄くできるので、狭ギャップ化に有利で
ある。
【0054】図17は一実施形態に係るシールド型磁気
ヘッドの斜視図である。この図において、下側が媒体対
向面となる。磁気抵抗効果膜1の上下には、Cuからな
る電極2が形成されている。磁気抵抗効果膜1の両側に
CoPtからなるバイアス印加膜3、3が配置されてい
る。この磁気抵抗効果素子は図1と同様な構造を有す
る。さらに、電極2に接してNiFeからなる磁気シー
ルド4が配置されている。なお、この図では、片側の磁
気シールドは図示を省略している。
【0055】図18は図17のシールド型磁気ヘッドを
媒体対向面から見た平面図である。磁気抵抗効果膜1の
上下には電極2、2が形成されている。磁気抵抗効果膜
1の両側にはバイアス印加膜3、3が配置されている。
これらの部材は一対のシールド4、4間にAl23など
からなる絶縁膜6によって絶縁された状態で挟まれてい
る。この実施形態では、磁気シールド4は通電リードを
兼ねるものとして形成されている。
【0056】このシールド型磁気ヘッドでは、媒体対向
面側でCoPtからなるバイアス印加膜3の着磁方向と
センス電流磁界が相殺されるように、センス電流の通電
方向が決められている。したがって、媒体磁束が、セン
ス電流磁界に妨げられることなく、感磁部である電極2
直下の磁気抵抗効果膜1に流入するので、シールド型磁
気ヘッドの感度を維持することができる。
【0057】なお、図1、図7乃至図15では、電極2
の媒体対向面側の端面が磁気抵抗効果膜1の媒体対向面
側の端面より後退した例を示した。しかし、原理的に磁
気抵抗効果膜の信号磁束が流入する側でバイアス磁界の
方向とセンス電流磁界の方向とが実質的に反平行になっ
ていればよいので、これらの例に限らず、電極2の媒体
対向面側の端面が磁気抵抗効果膜1の端面と同一面ある
いはそれよりも媒体よりに形成された形態も本発明に含
まれる。
【0058】図19は一実施形態に係る水平ヨーク型磁
気ヘッドの斜視図である。この図において、下側が媒体
対向面となる。磁気抵抗効果膜1の上には、Cuからな
る電極2が形成されている。磁気抵抗効果膜1の両側に
CoPtからなるバイアス印加膜3、3が配置されてい
る。さらに、磁気抵抗効果膜1の下側には、磁気ギャッ
プを規定するNiFeからなる磁気ヨーク5が形成され
ている。電極2は磁気ヨーク5のギャップの真上からず
れた位置に形成されており、磁気ヨーク5のギャップの
真上に磁気抵抗効果膜1が位置している。電極2の下側
に位置する磁気ヨーク5は他方の電極として機能する。
【0059】この水平ヨーク型磁気ヘッドでは、磁気ヨ
ーク5のギャップの真上に位置する磁気抵抗効果膜1の
部分で、媒体対向面側でCoPtからなるバイアス印加
膜3の着磁方向とセンス電流磁界が相殺されるように、
センス電流の通電方向が決められている。したがって、
媒体磁束が、センス電流磁界に妨げられることなく、感
磁部である磁気抵抗効果膜1に流入するので、水平ヨー
ク型磁気ヘッドの感度を維持することができる。
【0060】図20は他の実施形態に係る水平ヨーク型
磁気ヘッドの斜視図である。図20の水平ヨーク型磁気
ヘッドは、磁気ヨーク5の磁気ギャップの真上からずれ
た位置に、磁気ギャップに対して対称的な位置に2つの
電極2、2を形成している以外は図19と同様な構造を
有する。また、図示は省略しているが、磁気ヨーク5の
磁気ギャップ先端部分は磁気抵抗効果膜よりも導電率の
高いCuで埋められている。この水平ヨーク型磁気ヘッ
ドでは、センス電流は一方の電極2から、磁気抵抗効果
膜1、磁気ヨーク5、磁気ギャップ部のCu、磁気ヨー
ク5、磁気抵抗効果膜1を通り、他方の電極2へと流れ
る。
【0061】この水平ヨーク型磁気ヘッドでも、磁気ヨ
ーク5のギャップの真上に位置する磁気抵抗効果膜1の
部分で、媒体対向面側でCoPtからなるバイアス印加
膜3の着磁方向とセンス電流磁界が相殺されるように、
センス電流の通電方向が決められている。したがって、
媒体磁束が、センス電流磁界に妨げられることなく、感
磁部である磁気抵抗効果膜1に流入するので、水平ヨー
ク型磁気ヘッドの感度を維持することができる。
【0062】次に、本発明に係る磁気ヘッドを搭載した
磁気ヘッドアセンブリ、およびこの磁気ヘッドアセンブ
リを搭載した磁気ディスク装置について説明する。
【0063】図21(a)はCPP−GMRヘッドを搭
載した磁気ヘッドアセンブリの斜視図である。アクチュ
エータアーム201は、磁気ディスク装置内の固定軸に
固定されるための穴が設けられ、図示しない駆動コイル
を保持するボビン部等を有する。アクチュエータアーム
201の一端にはサスペンション202が固定されてい
る。サスペンション202の先端にはCPP−GMRヘ
ッドを搭載したヘッドスライダ203が取り付けられて
いる。また、サスペンション202には信号の書き込み
および読み取り用のリード線204が配線され、このリ
ード線204の一端はヘッドスライダ203に組み込ま
れたCPP−GMRヘッドの各電極に接続され、リード
線204の他端は電極パッド205に接続されている。
【0064】図21(b)は図21(a)に示す磁気ヘ
ッドアセンブリを搭載した磁気ディスク装置の内部構造
を示す斜視図である。磁気ディスク211はスピンドル
212に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制
御信号に応答する図示しないモータにより回転する。ア
クチュエータアーム201は固定軸213に固定され、
サスペンション202およびその先端のヘッドスライダ
203を支持している。磁気ディスク211が回転する
と、ヘッドスライダ203の媒体対向面は磁気ディスク
211の表面から所定量浮上した状態で保持され、情報
の記録再生を行う。アクチュエータアーム201の基端
にはリニアモータの1種であるボイスコイルモータ21
4が設けられている。ボイスコイルモータ214はアク
チュエータアーム201のボビン部に巻き上げられた図
示しない駆動コイルとこのコイルを挟み込むように対向
して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気
回路とから構成される。アクチュエータアーム201は
固定軸213の上下2個所に設けられた図示しないボー
ルベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ2
14により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0065】本発明の種々の実施形態に係る磁気抵抗効
果素子は長手磁気記録方式だけでなく垂直磁気記録方式
の磁気ヘッドまたは磁気記録再生装置にも適用すること
ができ、同様の効果を得ることができる。磁気記録再生
装置は固定式の記録媒体を備えたものでもよく、記録媒
体がリムーバブルなものでもよい。
【0066】本発明の種々の実施形態に係る磁気抵抗効
果素子は、磁気的に情報を書き換え可能なMRAM(Ma
gnetic Random Access Memory)にも適用することがで
き、同様の効果を得ることができる。
【0067】その他、上述した実施形態に基づいて当業
者が適宜設計変更して実施しうるすべての磁気抵抗効果
素子、磁気ヘッドおよび磁気記憶再生装置も同様に本発
明の範囲に属する。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、垂
直通電磁界の影響を低減させることができる垂直通電型
磁気抵抗効果素子、この垂直通電型磁気抵抗効果素子を
含む磁気ヘッド、およびこの磁気ヘッドを搭載した磁気
記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面図。
【図2】TMR膜からなる磁気抵抗効果膜の断面図。
【図3】CPP−GMR膜からなる磁気抵抗効果膜の断
面図。
【図4】一実施形態に係る磁気抵抗効果素子の断面図。
【図5】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の断面
図。
【図6】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の断面
図。
【図7】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図8】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図9】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図10】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図11】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図12】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図13】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図14】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図15】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図16】他の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の平面
図。
【図17】一実施形態に係るシールド型ヘッドの斜視
図。
【図18】図17のシールド型ヘッドを媒体対向面から
見た平面図。
【図19】一実施形態に係る水平ヨーク型ヘッドの斜視
図。
【図20】他の実施形態に係る水平ヨーク型ヘッドの斜
視図。
【図21】一実施形態に係る磁気ヘッドアセンブリの斜
視図、および磁気ディスク装置の内部構造を示す斜視
図。
【図22】電極サイズと電極のエッジ部において磁気抵
抗効果膜にかかる最大磁束密度との関係を示す図。
【図23】センス電流の大きさと電極のエッジ部におい
て磁気抵抗効果膜にかかる最大磁束密度との関係を示す
図。
【符号の説明】 1…磁気抵抗効果膜 2…電極 3…バイアス印加膜 4…磁気シールド 5…磁気ヨーク 6…絶縁膜 11…軟磁性層 21…下地層 22…反強磁性層 23…磁化固着層(ピン層) 24…トンネル接合層 25…磁化自由層(フリー層) 26…保護層 31…下地層 32…反強磁性層 33…磁化固着層(ピン層) 34…非磁性中間層(スペーサー層) 35…磁化自由層(フリー層) 36…保護層 201…アクチュエータアーム 202…サスペンション 203…ヘッドスライダ 204…リード線 205…電極パッド 211…磁気ディスク 212…スピンドル 213…固定軸 214…ボイスコイルモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 将寿 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 館山 公一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 2G017 AC01 AC07 AC09 AD55 AD63 AD65 5D034 BA04 BA06 BA08 BA12 CA04 CA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜
    の膜面に対して垂直な方向に電流を通電可能とする一対
    の電極と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して平行な方
    向にバイアス磁界を付与するバイアス印加膜とを具備
    し、前記磁気抵抗効果膜における信号磁束の流入部分の
    近傍で、前記バイアス印加膜の磁界の方向と前記磁気抵
    抗効果膜の膜面に対して垂直な方向に通電される電流に
    より発生する磁界の方向とが実質的に反平行となること
    を特徴とする垂直通電型磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜
    の膜面に対して垂直な方向に電流を通電可能とする一対
    の電極と、前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して平行な方
    向にバイアス磁界を付与するバイアス印加膜と、前記磁
    気抵抗効果膜における信号磁束の流入部分の近傍に信号
    磁束を前記磁気抵抗効果膜に導くよう設けられた磁性層
    とを具備し、前記磁性層において前記バイアス印加膜の
    磁界の方向と前記磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直な
    方向に通電される電流により発生する磁界の方向とが実
    質的に反平行となることを特徴とする垂直通電型磁気抵
    抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記磁気抵抗効果膜の媒体対向面側の端
    部と、前記バイアス印加膜の媒体対向面側の端部とが、
    同一平面上となるように形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の垂直通電型磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 前記磁性層の媒体対向面側の端部と、前
    記バイアス印加膜の媒体対向面側の端部とが、同一平面
    上となるように形成されていることを特徴とする請求項
    2に記載の垂直通電型磁気抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】 前記磁気抵抗効果膜が、2層の強磁性層
    の間に非磁性導電層を挟んだ構造を有することを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気抵抗効果
    素子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の垂
    直通電型磁気抵抗効果素子を備える磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 磁気記録媒体と、請求項6に記載の磁気
    ヘッドとを具備したことを特徴とする磁気記録再生装
    置。
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