JP2002299184A - 電解コンデンサ用陽極素子、これを用いた電解コンデンサ、電解コンデンサ用陽極素子の製造方法、及び成形体素子の製造装置 - Google Patents

電解コンデンサ用陽極素子、これを用いた電解コンデンサ、電解コンデンサ用陽極素子の製造方法、及び成形体素子の製造装置

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JP2002299184A
JP2002299184A JP2001098359A JP2001098359A JP2002299184A JP 2002299184 A JP2002299184 A JP 2002299184A JP 2001098359 A JP2001098359 A JP 2001098359A JP 2001098359 A JP2001098359 A JP 2001098359A JP 2002299184 A JP2002299184 A JP 2002299184A
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Wataru Suenaga
渉 末永
Minoru Moriyama
稔 森山
Akiko Miyamoto
昭子 宮本
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Kojundo Kagaku Kenkyusho KK
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Kojundo Kagaku Kenkyusho KK
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/008Terminals
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    • H01G9/004Details
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では製造が困難であった薄形で高性
能な電解コンデンサ用陽極素子とそれを用いた電解コン
デンサ、およびその製造方法の提供。 【解決手段】 表面に剥離層を有する剥離性基体上に形
成した弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有する成形
体2,4を基体から剥離し、少なくとも一部を扁平にし
た弁作用金属からなるリード線3の該扁平部分3aを間
に挟んで重ね合わせ、加圧して成形体素子5を形成し、
次いで該成形体素子を焼結する得ることを特徴とする電
解コンデンサ用陽極素子、それを用いた電解コンデン
サ、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンタル等の弁作
用金属を用いた電解コンデンサ用陽極素子、これを用い
た電解コンデンサ、電解コンデンサ用陽極素子の製造方
法、および成形体素子の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、表面実装デバイスの小型化技術が
飛躍的に進歩し、携帯電話、パソコン、デジタルカメラ
など、電子機器における部品基板への実装技術が高密度
化している。こうした中、電子部品であるコンデンサ素
子においても、その小型化、大容量化の要求に対して、
種々研究がなされている。現在一般に使用されているコ
ンデンサ素子としては、積層セラミックコンデンサ、ア
ルミ電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサ等がその
主流となっているが、特に小型大容量化が可能である特
長を有するタンタル電解コンデンサについて、盛んに研
究がなされている。タンタル金属と同じような特長を有
する材料としては、いわゆる弁作用金属として、アルミ
ニウム、ニオブ、チタン等の金属類の材料があげられる
が、耐熱性、誘電体皮膜形成性の点において、タンタル
金属は高い需要を得ている。
【0003】前記の弁作用金属粉末、例えばタンタルを
用いた電解コンデンサの製造方法としては、通常、陽極
金属としてタンタルを使用し、バインダーとしての役割
を担う樹脂とタンタル金属粉末とを金型に投入し、これ
らを加圧加工してチップ化した素子を作製する。このと
きタンタル金属粉末の粒子径、充填密度にばらつきが生
じると、得られるコンデンサの電気特性に影響を及ぼす
ことになるため、上記材料の充填、加圧条件等は厳重に
管理しなければならない。このように作製されたチップ
化素子には、陽極端子となる部品(通常はタンタルリー
ド線)を設ける。このリード線は通常、金型内に植立さ
れてタンタル金属粉末を加圧成形することにより固定さ
れる。上記工程により得られた素子は、真空中において
高温加熱処理することにより、素子中の不要な樹脂を蒸
発除去する工程を経る。この工程により、タンタル金属
粉末間に存在していた樹脂が蒸発除去され、かつ、タン
タル金属粉末同士の接触点における溶着により、多孔質
体の形態をなすタンタル電解コンデンサ用陽極素子が得
られる。このようにして得られたタンタル電解コンデン
サ用陽極素子を電解液槽中に入れ、所定の直流電圧を加
えて化成処理を行ってタンタル金属粉末表面に酸化タン
タル皮膜を形成させた後、該皮膜の上に二酸化マンガン
又は、機能性高分子の固体電解質皮膜を形成させる。こ
の後、さらにカーボン、銀ペースト陰極層処理を施して
樹脂外装して、最終的なタンタル電解コンデンサを得
る。
【0004】近年、電解コンデンサにおける小型化、薄
型化の要求に対し、コンデンサの寸法をより一層小型化
するための研究が進められている。このように薄型化を
することによって、低い等価直列抵抗(ESR)も実現
でき、高周波特性も大幅に向上させることができる。さ
らにコンデンサを小型大容量化するために、粒径の小さ
い高CV粉末を用いたときでも、素子が薄いため固体電
解質溶液の浸透が容易で高い容量引き出し率を維持する
ことができる。このために、コンデンサに埋設する部分
を扁平化した扁平リード線を使用して、コンデンサを薄
型化する技術が提案されている。特公平7−58672
号公報、実開昭59−187129号公報、実開昭57
−138330号公報および特開平4−164309号
公報には、扁平な埋込み部分を有するリード線を用いる
ことによって薄形化した固体電解コンデンサが開示され
ている。薄形コンデンサを提供するための別な方法とし
て、特開昭53−99456号公報には、弁作用金属粉
末を板状に成形、焼結した多孔質焼結体に、リード線を
接合するために切欠部を設け、該焼結体の切欠部にリー
ド線を接続固定する電解コンデンサの製造方法が開示さ
れている。さらに別な方法として、特開昭56−830
22号公報には、電極用金属の粉末と可塑性樹脂からな
るバインダとを混合してシートを形成し、このシートに
リード線を接合し、脱バインダ処理をした後、焼結する
電解コンデンサ用電極の製造方法が開示されている。該
公報には、重畳したシート間にリード線を挿入するこ
と、シートにリード線挿入用の孔または条溝を設けるこ
とが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術のうち、扁平リード線を用いる方法は、金属
粉末とバインダーとの混合物を型に充填し、リード線を
挿入した後、加圧成形し、焼結して焼結素子(電解コン
デンサ用陽極素子)を製造していたため、薄形の陽極素
子を製造する場合、金属粉末とバインダーとの混合物
(通常は粉末)を金型の狭い隙間内に均一な充填密度で
該混合物を充填すること、及び金型内に該混合物ととも
にリード線を挿入することが難しく、薄形化には限界が
あった。従って、極めて薄い、例えば厚さ0.4mm以
下の高性能な電解コンデンサを、高い生産性で製造する
ことは困難であった。さらに、扁平リード線は、扁平化
した部分の機械強度が弱く、折れ曲がり易いので、金型
に充填された混合物に植立するためにこの扁平リード線
を挿入することは極めて困難である。さらに、扁平リー
ド線を金型内に挿入した状態で、混合物を金型に充填し
ようとすると、扁平リード線が邪魔になって混合物をう
まく充填することができず、薄形の電解コンデンサを生
産する場合、生産性及び歩留まりが極端に悪くなるとい
う問題があった。
【0006】また前述した従来技術のうち、多孔質焼結
体に、リード線を接合するための切欠部を設ける方法
(特開昭53−99456号公報参照)は、製造工程が
繁雑となり、生産性が悪いという問題があった。さら
に、多孔質焼結体の一部に設けた切欠部にリード線を挿
入して接続固定する方法では、多孔質焼結体とリード線
の接続部分が小さいために接合強度が弱く、多孔質焼結
体とリード線の接続が十分でないため、LC特性が悪化
する問題があった。また切欠部を大きくすると、多孔質
焼結体の機械強度が弱くなり、割れの発生を招く問題が
ある。
【0007】また、前述した従来技術のうち、特開昭5
6−83022号公報に開示された方法は、電極用金属
の粉末と可塑性樹脂からなるバインダとを混合してシー
トを形成し、重畳したシート間に円形断面のリード線を
挿入し、焼結して電解コンデンサ用陽極素子を製造す
る。また前記公報においては、シートに孔または条溝を
設け、この孔または条溝にリード線を挿入することが開
示されている。この方法では、円形断面のリード線を用
いていることによって、焼結前のシートとリード線との
密着性が弱く、製造しにくい問題があった。また焼結後
もリード線と焼結体との接合強度が弱く、焼結体からリ
ード線が抜出し易い問題があった。さらに、リード線と
焼結体との接合状態が悪く、特に製造過程或いは製造後
に振動や衝撃が加わると、リード線と焼結体との電気的
接続が不十分な部分を生じ易く、製品の特性にばらつき
を生じやすい問題があった。また、陽極素子内に円形断
面のリード線を埋設した構造であるため、この素子に外
圧が加わると、応力が素子のリード線埋設部分に集中
し、割れやクラックを生じやすい問題がある。また前記
公報では良好な形状の陽極素子を得るため、シートに孔
または条溝を設け、この孔または条溝に円形断面のリー
ド線を挿入することが記載されている。しかしながら、
薄いシートに孔または条溝を形成するのは困難である
し、シートに条溝を形成すると、その部分のシート厚は
極めて薄くなり、その条溝形成部分からシートが容易に
切れやすくなる問題がある。従って、この従来技術にあ
っては、高品質な薄形の電解コンデンサを歩留まり良く
製造することが困難であり、また得られた電解コンデン
サは機械強度が弱いという問題があった。
【0008】このように、薄型の電解コンデンサ用陽極
素子については、焼結用の成形体素子の形成に関し、金
型を用いる従来の方法では、材料充填の点で難点があ
る。また、弁作用金属粉とバインダー樹脂とからなるシ
ート状の成形体から、該成形体素子を形成する従来の方
法では、薄片状の成形体とリード線との結合が困難で、
結合の密着性、結合部の機械的強度に問題点を有してい
る。従って、薄型の電解コンデンサ用陽極素子について
は未だ、これらの問題を解決した生産性のよい製造方法
は見出されていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術では
製造が困難であった薄形で高性能な電解コンデンサ用陽
極素子とそれを用いた電解コンデンサ、およびその製造
方法を提供することを目的としている。
【0010】前記目的を達成するために、本発明は、表
面に剥離層を有する剥離性基体上に形成した弁作用金属
粉末とバインダー樹脂を含有するシート状あるいは薄片
状成形体を基体から剥離し、少なくとも一部を扁平にし
た弁作用金属からなるリード線の該扁平部分を間に挟ん
で重ね合わせ、加圧して成形体素子を形成し、次いで該
成形体素子を焼結する工程を含むことを特徴とする電解
コンデンサ用陽極素子の製造方法を提供する。本製造方
法において、前記成形体は、弁作用金属粉末とバインダ
ー樹脂と溶剤とを混合して得られる金属粉末分散液を、
前記剥離性基体上に塗布し、あるいは印刷して塗布物あ
るいは印刷物とし、該基体より塗布層あるいは印刷層を
剥離して形成して良い。本製造方法において、前記剥離
層はポリビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチ
ラール樹脂、アクリル樹脂からなる群から選択される少
なくとも1種を含有するものが好ましい。本製造方法に
おいて、少なくとも一方の前記成形体の剥離面を扁平リ
ード線の扁平部分と接するように重ね合わせて成形体素
子を形成して良い。本製造方法において、雄型が摺動可
能に挿入される貫通孔と該貫通孔に連通するリード線挿
入用の切欠とを有する雌型と、前記貫通孔の両側から該
孔内に挿入された一対の雄型とを有する装置を用い、次
の各工程: a)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
前記成形体を打ち抜き、雌型内に位置した他方の雄型の
先端に移動させる工程、 b)他方の雄型の先端にある打ち抜かれた成形体に、前
記切欠から挿入した前記扁平リード線の扁平部分を配置
する工程、 c)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
もう一つの前記成形体を打ち抜き、他方の雄型の先端に
ある打ち抜かれた成形体に押し付け、成形体素子を形成
する工程、 d)雌型内から該成形体素子を取り出す工程、 を順次行うことによって前記成形体素子を作製すること
ができる。本製造方法において、雄型が摺動可能に挿入
される貫通孔と前記成形体を該貫通孔内に打ち抜き可能
に挿入する挿入口とを有し、該貫通孔を同軸としてそれ
ぞれの一方の端面を密着・離間可能に保持されてなる一
対の雌型と、それぞれの雌型のもう一方の端面から該貫
通孔内に挿入された一対の雄型とを有する装置を用い、
次の各工程: a)それぞれの雌型を離間させ、前記挿入口からそれぞ
れ前記成形体を前記貫通孔内に挿入すると共に、それぞ
れの雌型の間に前記扁平リード線を、前記貫通孔に扁平
部分が位置するように配する工程、 b)それぞれの雌型の端面を密着し、扁平リード線を固
定する工程、 c)両方の雄型を扁平リード線に向けて移動させて、そ
れぞれの雄型で前記成形体を打ち抜いて扁平リード線を
挟んで押圧し、成形体素子を形成する工程、 d)雌型と雄型とをそれぞれ離間させ、成形体素子を取
り出す工程、 を順次行うことによって前記成形体素子を作製すること
ができる。
【0011】また本発明は、雄型が摺動可能に挿入され
る貫通孔を有する雌型と、該貫通孔内に挿入される雄型
とを用いて、弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有す
る膜状成形体を、雌型内部へと打ち抜き、打ち抜かれた
複数の成形体を、雌型内部で少なくとも一部を扁平にし
た弁作用金属からなるリード線を挟んで圧着して成形体
素子を形成し、次いで該成形体素子を焼結することを特
徴とする電解コンデンサ用陽極素子の製造方法を提供す
る。
【0012】また本発明は、雄型が摺動可能に挿入され
る貫通孔と該貫通孔に連通するリード線挿入用の切欠と
を有する雌型と、前記貫通孔の両側から該孔内に挿入さ
れた一対の雄型とを有する装置を用い、次の各工程: a)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有するシート状あ
るいは薄片状成形体を打ち抜き、雌型内に位置した他方
の雄型の先端に移動させる工程、 b)他方の雄型の先端にある打ち抜かれた成形体に、前
記切欠から挿入した少なくとも一部を扁平にした弁作用
金属からなる扁平リード線の扁平部分を配置する工程、 c)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
もう一つの前記成形体を打ち抜き、他方の雄型の先端に
ある打ち抜かれた成形体に押し付け、成形体素子を形成
する工程、 d)雌型内から該成形体素子を取り出す工程、 を順次行うことによって成形体素子を作製し、次いで該
成形体素子を焼結することを特徴とする電解コンデンサ
用陽極素子の製造方法を提供する。
【0013】また本発明は、雄型が摺動可能に挿入され
る貫通孔と、弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有す
るシート状あるいは薄片状成形体を該貫通孔内に打ち抜
き可能に挿入する挿入口とを有し、該貫通孔を同軸とし
てそれぞれの一方の端面を密着・離間可能に保持されて
なる一対の雌型と、それぞれの雌型のもう一方の端面か
ら該貫通孔内に挿入された一対の雄型とを有する装置を
用い、次の各工程: a)それぞれの雌型を離間させ、前記挿入口からそれぞ
れ前記成形体を前記貫通孔内に挿入すると共に、それぞ
れの雌型の間に扁平リード線を、前記貫通孔に扁平部分
が位置するように配する工程、 b)それぞれの雌型の端面を密着し、扁平リード線を固
定する工程、 c)両方の雄型を扁平リード線に向けて移動させて、そ
れぞれの雄型で前記成形体を打ち抜いて扁平リード線を
挟んで押圧し、成形体素子を形成する工程、 d)雌型と雄型とをそれぞれ離間させ、成形体素子を取
り出す工程、 を順次行うことによって前記成形体素子を作製し、次い
で該成形体素子を焼結することを特徴とする電解コンデ
ンサ用陽極素子の製造方法を提供する。
【0014】さらに本発明は、雄型が摺動可能に挿入さ
れる貫通孔と該貫通孔に連通するリード線挿入用の切欠
とを有する雌型と、前記貫通孔の両側から該孔内に挿入
された一対の雄型とを有し、次の各工程: a)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
弁作用金属粉末とバインダーとを含むシート状あるいは
薄片状成形体を打ち抜き、雌型内に位置した他方の雄型
の先端に移動させる工程、 b)前記切欠から、弁作用金属からなる少なくとも一部
に扁平部分を形成した扁平リード線を挿入し、他方の雄
型の先端にある打ち抜かれた成形体に、該リード線の扁
平部分を配置する工程、 c)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
もう一つの前記成形体を打ち抜き、他方の雄型の先端に
ある打ち抜かれた成形体に押し付け、成形体素子を形成
する工程、 d)雌型内から成形体素子を取り出す工程、 を順次行うことによって成形体素子を作製することを特
徴とする成形体素子の製造装置を提供する。
【0015】また本発明は、雄型が摺動可能に挿入され
る貫通孔と、弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有す
るシート状あるいは薄片状成形体を該貫通孔内に打ち抜
き可能に挿入する挿入口とを有し、該貫通孔を同軸とし
てそれぞれの一方の端面を密着・離間可能に保持されて
なる一対の雌型と、それぞれの雌型のもう一方の端面か
ら該貫通孔内に挿入された一対の雄型とを有する装置を
用い、次の各工程: a)それぞれの雌型を離間させ、前記挿入口からそれぞ
れ前記成形体を前記貫通孔内に挿入すると共に、それぞ
れの雌型の間に扁平リード線を、前記貫通孔に扁平部分
が位置するように配する工程、 b)それぞれの雌型の端面を密着し、扁平リード線を固
定する工程、 c)両方の雄型を扁平リード線に向けて移動させて、そ
れぞれの雄型で前記成形体を打ち抜いて扁平リード線を
挟んで押圧し、成形体素子を形成する工程、 d)雌型と雄型とをそれぞれ離間させ、成形体素子を取
り出す工程、 を順次行うことによって成形体素子を作製することを特
徴とする成形体素子の製造装置を提供する。
【0016】また本発明は、少なくとも一部を扁平にし
た弁作用金属からなるリード線と、該リード線の扁平部
分を層間に挟んだ積層構造をなして該リード線を固定し
ている弁作用金属の多孔質焼結体片とを有し、且つ積層
面の少なくとも一方側の空孔率が、積層面の垂直方向外
方側の空孔率よりも大きいことを特徴とする電解コンデ
ンサ用陽極素子を提供する。さらに本発明は、前述した
電解コンデンサ用陽極素子の製造方法によって得られた
電解コンデンサ用陽極素子を提供する。また本発明は、
これらの電解コンデンサ用陽極素子を含む電解コンデン
サを提供する。
【0017】本発明は、表面に剥離層を有する剥離性基
体上に形成した弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有
するシート状あるいは薄片状成形体を基体から剥離し、
少なくとも一部を扁平にした弁作用金属からなるリード
線の該扁平部分を間に挟んで重ね合わせ、加圧して成形
体素子を形成し、次いで該成形体素子を焼結することに
よって電解コンデンサ用陽極素子を得るものなので、従
来の粉末をプレス成形する電解コンデンサ製造プロセス
では高い生産性での製造が困難だった極めて薄い電解コ
ンデンサを提供することができる。これによって等価直
列抵抗(ESR)を下げることができ、良好な高周波特
性を得ることができる。従って、高CV粉末を使っての
大容量化、低ESR化を実現することができる。また本
発明の電解コンデンサ用陽極素子は、特に、成形体の樹
脂リッチな剥離面を扁平リード線の扁平部分と接するよ
うに重ね合わせて成形体素子を形成することによって、
各成形体同士、および各成形体と扁平リード線との密着
性が良好となり、製造が容易となる。さらに、この成形
体素子を焼結して得られる電解コンデンサ用陽極素子
は、弁作用金属粉末焼結体中に扁平リード線の扁平部分
が埋入された構造であるため、焼結体と扁平リード線と
の接合強度が高く、リード線の抜出が生じないととも
に、リード線と焼結体との電気的接続状態が良好とな
り、LC特性の良い電解コンデンサを得ることができ
る。さらに通常の円形断面のリード線を用いたものより
も外圧に対する安定性に優れ、特にリード線埋入部分に
生じ易かった割れやクラックの発生を防ぐことができ
る。また、本発明によれば、扁平リード線を用い、これ
をシート間に挟んで焼結し、陽極素子を形成するので、
焼結体やシートにリード線埋設用の切欠や溝を形成しな
くても、扁平リード線が焼結体の所定位置に正確に埋設
された陽極素子を形成できるので、焼結体やシートにリ
ード線埋設用の切欠や溝を形成する余分な工程を省くこ
とができ、切欠や溝に沿ったシートの切れを生じること
がなく、極めて薄い均一なシートの形成が可能となり、
より一層薄形の陽極素子の製造が可能となる。また、本
発明による陽極素子は、成形体の樹脂リッチな剥離面を
扁平リード線の扁平部分と接するように重ね合わせて形
成した成形体素子を焼結する結果として、成形体の安定
した接合が可能になるとともに、積層面の少なくとも一
方側の空孔率が、積層面と垂直方向外方側の空孔率より
も大きい多孔質焼結体を有するものなので、この陽極素
子を固体電解質溶液に浸漬する際、多孔質焼結体の外表
面に加え、空孔率が大きい層間の界面から固体電解質溶
液の浸透が生じ、該溶液を多孔質焼結体内に十分含浸さ
せることができ、その結果高い容量引き出し率を得るこ
とができる。本発明の製造方法は、シート状、もしくは
薄片状成形体を雌型内へと打ち抜いて、雌型内でリード
線を挟んで圧着し、成形体素子を形成する方法であるた
め、圧着時に打ち抜いた薄片状成形体の位置合わせが不
要である。しかも薄片状成形体の打ち抜きと、該成形体
をリード線を挟んで圧着する工程が、同一装置の近接し
た領域で行えるので、工程にかかる時間が短く、装置の
小型化も可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。本発明による電解コンデンサ用陽極
素子の製造方法は、表面に剥離層を有する剥離性基体上
に形成した弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有する
シート状あるいは薄片状成形体を基体から剥離し、少な
くとも一部を扁平にした弁作用金属からなるリード線の
該扁平部分を間に挟んで重ね合わせ、加圧して成形体素
子を形成し、次いで該成形体素子を焼結する工程を含む
ことを特徴とし、好ましくは次の工程を備える: (1)弁作用金属粉末とバインダー樹脂と溶剤とを混合
して金属粉末分散液を得る工程; (2)表面に剥離層を有する剥離性基体上に該金属粉末
分散液を塗布し、弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含
有するシート状あるいは薄片状成形体を形成する工程; (3)該成形体を基体から剥離し、少なくとも一部を扁
平にした弁作用金属からなるリード線の該扁平部分を間
に挟んで重ね合わせ、加圧して成形体素子を形成する工
程; (4)該成形体素子を焼結して電解コンデンサ用陽極素
子を形成する工程。 なお、前記工程(1)〜(4)は本発明方法の好適な一
形態を示すに過ぎず、本発明方法は、これらの工程のみ
に限定されるものではなく、適宜に変更が可能である。
【0019】本発明において成形体素子とは、弁作用金
属粉末とバインダー樹脂を含有するシート状もしくは薄
片状成形体を、弁作用金属からなるリード線を挟んで接
合した、電解コンデンサ用陽極素子の製造工程における
中間製造品であって、焼結工程にかける前のものをい
う。
【0020】前記弁作用金属粉末としては、タンタル、
アルミニウム、ニオブ、チタンなどの弁作用金属の粉末
を用いることができる。これらの弁作用金属の中でも、
タンタル、ニオブが好適であり、特に好ましくはタンタ
ルが用いられる。本形態による陽極素子の製造方法(以
下、本製造方法という)では、弁作用金属としてタンタ
ルを用いたタンタル電解コンデンサ用陽極素子の製造に
本発明を適用した場合を例として、以下の説明を行う。
【0021】工程(1):金属粉末分散液の調製 本製造方法では、まず、タンタル金属粉末、バインダ
ー、さらに溶剤、及び必要に応じて添加剤を混合、分散
し、金属粉末分散液を作製する。タンタル電解コンデン
サの焼結体製造用に用いるタンタル金属粉末の純度は、
99.5%以上のものが好ましく、またその平均粒径は
0.01〜5.0μmであることが好ましく、特に0.
01〜1.0μmであることが好ましい。
【0022】本製造方法で使用するバインダー樹脂とし
ては、水または溶剤可溶性バインダー樹脂を用いること
ができる。好適なバインダー樹脂としては、例えば、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
ブチラール樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、尿素
樹脂、酢酸ビニルエマルジョン、ポリウレタン樹脂、ポ
リ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アル
キド樹脂、ニトロセルロース樹脂、天然樹脂などが挙げ
られる。これらの樹脂は単独で、あるいは2種類以上を
混合して利用することができる。前記バインダー樹脂の
使用量は、タンタル金属粉末100質量部あたり0.0
1〜30質量部の範囲が好ましく、0.01〜15質量
部の範囲が特に好ましい。
【0023】使用する溶剤としては、水、あるいはメタ
ノール、IPA、ジエチレングリコール等のアルコール
類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メ
チルエチルケトン、イソホロン等のケトン類、N,N−
ジメチルホルムアミド等のアミド類、酢酸エチル等のエ
ステル類、ジオキサン等のエーテル類、塩化メチル等の
塩素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの溶剤は、単独で又は2種類以上混合して用いて
も良い。溶剤の使用量は、金属粉末分散液を適当な基体
表面に塗布あるいは印刷する工程がスムーズに実行でき
る程度に設定される。
【0024】また、使用する金属粉末分散液には、前記
金属粉末、バインダー及び溶剤の他に、該金属粉末分散
液を適当な基体表面に塗布あるいは印刷するために好適
な物性とし、金属粉末の分散あるいは流動性を安定に保
つために適当な各種添加剤を配合することができる。好
適な添加剤としては、例えばフタル酸エステル、燐酸エ
ステル、脂肪酸エステル等の分散剤、グリコール類等の
可塑剤、低沸点アルコール、シリコーン系或いは非シリ
コーン系等の消泡剤、シランカップリング剤、チタンカ
ップリング剤、ソルスパーズ、4級アンモニウム塩等の
分散剤など必要に応じて適宜使用しても良い。これらの
添加剤の使用量は、タンタル金属粉末100質量部当た
り0.01〜5.0質量部の範囲が好ましい。
【0025】タンタル金属粉末、溶剤、溶剤可溶性バイ
ンダー樹脂、および適宜使用しても良い分散剤は、すべ
て同時に、またはそれぞれ順次投入して、各種の混練・
分散機を用いて分散することで、適当な基体表面に塗布
或いは印刷することが容易なタンタル金属粉末分散液を
作製することができる。混練・分散にあたっては、撹拌
機、二本ロール、三本ロール等のロール型混練機、縦型
ニーダー、加圧ニーダー、プラネタリーミキサー等の羽
根型混練機、ボール型回転ミル、サンドミル、アトライ
ター等の分散機、超音波分散機、ナノマイザー等が使用
できる。
【0026】この金属粉末分散液の配合比率を例示すれ
ば、例えば、タンタル金属粉末100質量部に対して、
バインダーが0.01〜30質量部、好ましくは0.0
1〜15質量部、溶剤が5〜160質量部、添加剤が0
〜5質量部とされる。また金属粉末分散液の粘度は0.
1〜1000Pa・sec、好ましくは0.1〜100
Pa・sec程度とされる。
【0027】工程(2):シート状成形体の形成 次に、前記金属分散液を剥離性基体上に塗布しあるいは
印刷してシート状成形体(塗布物あるいは印刷物)を形
成する。金属分散液を剥離層を有する剥離性基体上に塗
布しあるいは印刷した後、乾燥することによって、該基
体上に塗布あるいは印刷された金属分散液中の溶剤が揮
散し、剥離性基体上には金属粉末とバインダー(溶剤が
残っていても良い)からなる薄いシート状成形体が残
る。
【0028】基体として使用できる材料としては、例え
ばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
リ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、
ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリビニルアルコ
ールフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム、ポリカーボネートフィルム、ナイロンフィル
ム、ポリスチレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合
体フィルム、エチレンビニル共重合体フィルム等からな
るプラスチックフィルムまたはシート;若しくはアルミ
ニウムなどの金属シート;紙、含浸紙;これらの各材料
からなる複合体が挙げられ、これら以外の材料であって
も、必要な強度、構成等を備えていれば、特に制限なく
使用できる。特に好ましくは、PETフィルムが用いら
れる。
【0029】剥離層に用いる樹脂は、ポリビニルアルコ
ール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹
脂、アクリル樹脂が好適に使用できる。またこれらの樹
脂は、金属粉末の分散液に適用する樹脂と相溶すること
が、剥離層と金属粉末層とが接着し易くなるので好まし
い。これらの樹脂は、金属粉と併存して焼結されたとき
に、完全に燃焼する傾向があり、残留炭素の少ない多孔
質金属焼結体を形成する。樹脂層の厚さは1μm〜20
μmの範囲が好ましく、特に、1μm〜10μmの範囲
が焼結後の残留炭素量が少なく、塗膜の強度を適度に持
たせるので好ましい。
【0030】剥離層を設けた剥離性基体を作製するに
は、種々の塗布方法により形成することができる。塗布
する方法は、例えば、公知のロール塗布方法等、具体的
には、エアードクターコート、ブレードコート、ロッド
コート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイ
ズコート、含浸コート、リバースロールコート、トラン
スファーロールコート、グラビアコート、キスコート、
キャストコート、スプレイコート等により基体上に剥離
層を形成することができる。
【0031】前記金属粉末分散液は、種々の塗布方法に
よって前記剥離性基体に塗布し、シート状成形体を形成
することができる。例えば、公知のロール塗布方法等、
具体的には、エアードクターコート、ブレードコート、
ロッドコート、押し出しコート、エアーナイフコート、
スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、
トランスファーロールコート、グラビアコート、キスコ
ート、キャストコート、スプレイコート等により剥離性
基体上にシートを形成することができる。
【0032】また、各種印刷方法を適用することも可能
である。具体的には、孔版印刷法、凹版印刷法、平版印
刷法などを用いて基体上に所定の大きさに塗布物を印刷
することができる。特に、孔版印刷方法は、シート状成
形体の形状を所望の形状、例えば直方体状の形状、円柱
状の形状、或いは櫛の歯形状のように、種々の形状に形
成することができるので好ましい。また、シートの厚さ
は、タンタル電解コンデンサとして要求される所望の静
電容量により適宜設定することが可能であり、乾燥前の
塗布物(印刷物)の厚さ(湿時厚さ)は数μm〜300
μmの範囲とし得る。
【0033】前記金属粉末分散液を前記剥離性基体の表
面に塗布若しくは印刷し、好ましくは40〜70℃程度
の熱風で乾燥し、該分散液中の溶剤を揮散することによ
って、基体上にシート状成形体が得られる。このシート
状成形体は、利用する樹脂によっては容易に剥離できる
ものもあるが、剥離層を設けると多くの樹脂で安定した
剥離が可能となる。基体から剥離した面(剥離面)は、
その反対面側に比べ、樹脂が多い状態になる。そのた
め、この剥離面は、反対面よりも接着性が強く、2枚の
シート状成形体を重ね合わせる際に、少なくとも一方の
剥離面を他方のシート状成形体に貼り付けること、好ま
しくは両方の剥離面を重ね合わせることによって、シー
ト状成形体同士を強固に接合することができる。
【0034】工程(3):成形体素子の形成 次に、前述の通り作製し、基体から剥離したシート状成
形体を用い、図1に示すように、シート状成形体2上に
扁平リード線3の扁平部分3aを置き、更に別な成形体
4を重ね合わせ、必要に応じて適当な加圧処理を施して
2枚のシート状成形体2,4と扁平リード線3とを密着
させることによって、成形体素子5を形成する。なお、
一枚の幅広シートを半分に折り曲げ、その間に扁平リー
ド線3を挟み込んで成形体素子を形成しても良い。
【0035】前記扁平リード線は、弁作用金属、例えば
タンタルからなり、少なくとも陽極素子へ埋入する部分
もしくは全体が扁平に形成されている。この扁平リード
線は、タンタル線の少なくとも一部を加圧成形して扁平
化することで作製される。扁平リード線の扁平部分の厚
さと幅は、製造する陽極素子の厚み、リード線強度など
を勘案して適宜設定し得るが、好ましくは成形体の厚さ
の5〜50%の厚さに扁平化することが好ましく、10
〜20%の厚さに扁平化することがより好ましい。リー
ド線の扁平化加工には、ロール加工法や加圧加工法等を
用いることができる。また成形体内に埋入するリード線
の長さは、成形体の長さの5〜95%が好ましい。また
リード線の成形体の扁平部分は成形体を超えて、その外
側にまで続いていることが好ましい。このように扁平部
分を設定することにより、陽極素子を作製した時に、扁
平部分が焼結体の内側のみならず外側にまで連続した構
造となる。このためリード線の柔軟性が増し、リード線
にかかる力が直接接合部分に加わらないため、リード線
と焼結体との接合部分にかかる応力が小さくなり、タン
タル金属粉の表面に形成された皮膜が破壊されることが
ない。なお、扁平部分を断続的に形成したり、扁平部分
の扁平化率を長手方向で変化させること、或いは扁平面
の角度を変えた部分を形成しても良い。
【0036】この成形体素子5を作製するための好まし
い装置と製造方法の例を、次に説明する。
【0037】・工程(3)−A:成形体素子の製造方法
(1) 図2は、好適な成形体素子の製造方法の第1の例を工程
順に説明するための概略図である。この例においては、
雄型20A,20Bが摺動可能に挿入される貫通孔21
と、該貫通孔21に連通するリード線挿入用の切欠22
とを有する雌型23と、前記貫通孔21の両側から該孔
内に挿入された一対の雄型20A,20Bとを有する製
造装置を用いる。 そして次の各工程: a)一方の雄型20Aによって貫通孔21を覆うように
配されたシート状成形体1を打ち抜き、雌型23内に位
置した他方の雄型20Bの先端に移動させる工程(図2
(a),(b)参照)、 b)切欠22から、扁平リード線3を挿入し、他方の雄
型20Bの先端にある打ち抜かれた成形体(成形体2)
に、リード線3の扁平部分3aを配置する工程(図2
(c)参照)、 c)一方の雄型20Aによって貫通孔21を覆うように
配されたシート状成形体6から成形体4を打ち抜き、他
方の雄型20Bの先端にある打ち抜かれた成形体2と加
圧して、成形体素子5を形成する工程(図2(d),
(e)参照)、及び d)雌型23内から成形体素子5を取り出す工程(図2
(f)参照)、 を順次行うことによって成形体素子を作製する。
【0038】前記製造装置に供給されるシート状成形体
1,6は、大型の、例えば成形体素子5の長さ或いは幅
寸法と同じ幅寸法を有する長尺帯状体として作製し、該
製造装置に供給し、雄型20Aによって打ち抜くこと
で、所望寸法の成形体素子5の成形体2,4とすること
ができる。また、切欠22から挿入される扁平リード線
3は、図示略の加圧機によって先端部を扁平化した後で
雌型23内に挿入される。図2(e)に示すように、扁
平リード線3の扁平部分3aを挟んで2枚の成形体2,
4を重ね合わせ、両方の雄型20A,20B間で加圧す
る際、少なくとも一方の成形体2,4の樹脂リッチな剥
離面を重ね合わせるので、成形体の接合は容易となる。
【0039】・工程(3)−B:成形体素子の製造方法
(2) 図2は、好適な成形体素子の製造方法の第2の例を工程
順に説明するための概略図である。この例においては、
雄型30A,30Bが摺動可能に挿入される貫通孔31
と、シート状成形体1,6を貫通孔31内に挿入可能な
挿入口34A,34Bとを有し、それぞれの端面が密着
・離間可能とされた一対の雌型32A,32Bを有する
雌型ユニット33と、それぞれの雌型32A,32Bの
貫通孔31内に挿入された一対の雄型30A,30Bと
を有する製造装置を用いる。また扁平リード線3は、雌
型33の中央の上方に昇降自在に設けられたホルダー3
5に、引き出し可能に保持されており、その先端は図示
略の加圧機等によって扁平化されるようになっている。
【0040】そして次の各工程: a)それぞれの雌型32A,32Bを離間させ、挿入口
34A,34Bからそれぞれシート状成形体1,6を貫
通孔31内に挿入すると共に、それぞれの雌型32A,
32Bの間に扁平リード線3を、貫通孔31に扁平部分
3aが位置するように配する工程(図3(a)参照)、 b)雌型32A,32Bの端面を密着し、扁平リード線
3を固定する工程(図3(b)参照)、 c)両方の雄型30A,30Bを扁平リード線3に向け
て移動させて、それぞれの雄型30A,30Bでシート
状成形体1,6を打ち抜いて扁平リード線3を挟んで押
圧し、成形体素子5を形成する工程(図3(c)参
照)、 d)雌型32A,32Bと雄型30A,30Bとをそれ
ぞれ離間して成形体素子5を取り出す工程(図3(d)
〜(h)参照)、 を順次行うことによって成形体素子5を作製する。
【0041】前記製造装置に供給されるシート状成形体
1,6は、大型の、例えば成形体素子5の長さ或いは幅
寸法と同じ幅寸法を有する長尺帯状体として作製し、該
製造装置に供給し、雄型30A,30Bによって打ち抜
くことで、所望寸法の成形体素子5の成形体2,4とす
ることができる。図3(c)に示すように、扁平リード
線3の扁平部分3aを挟んで2枚の成形体2,4を重ね
合わせ、両方の雄型30A,30B間で加圧する際、少
なくとも一方の成形体2,4の樹脂リッチな剥離面を重
ね合わせるので、成形体の接合は容易となる。
【0042】前記工程d)は、さらに次のサブ工程(i)
〜(v)を含めることができる: (i)雌型32A,32Bを開き(雄型30A,30Bは
閉じたまま)、扁平リード線3をホルダー35から引き
出して長さを調節する(図3(d)参照)。 (ii)雄型30A,30Bを開き、それぞれの雄型30
A,30Bは、先端が挿入口34A,34Bの後方に位
置させる。形成された成形体素子5は、リード線3に吊
り下げられた状態となる(図3(e)参照)。 (iii)ホルダー35の上昇により、成形体素子5を雌型
33内から取り出す(図3(f)参照)。 (iv)リード線3を適当な長さで切断し、成形体素子5を
ホルダー35から切り取る(図3(g)参照)。 (v)次の工程(a)に備え、リード線3の先端部を図示
略の加圧機で扁平化する(図3(h)参照)。
【0043】これらの成形体素子の製造方法(1),
(2)によって、図1に示すように、タンタル金属粉末
とバインダーとを含む2枚の成形体2,4間に、タンタ
ルからなる扁平リード線3の扁平部分3aが挟まれた薄
い直方体をなす成形体素子5が得られる。なお、成形体
素子5の形状は、直方体に限定されることなく、雄型2
0A,20B,30A,30Bと貫通孔21,31の形
状を変えることによって、平面視円形、楕円形、多角形
状等の成形体素子を作製することもできる。
【0044】前述した成形体素子の製造方法において、
少なくとも一方の成形体(2又は4)、より好ましくは
両方の成形体2,4の樹脂リッチな剥離面同士を重ね合
わせることによって、成形体2,4同士および成形体
2,4と扁平リード線3の扁平部分3aとを強固に接着
することができ、強度的に優れた成形体素子5が得られ
るとともに、使用樹脂の種類と量によっては樹脂リッチ
な剥離面が前記製造装置のいずれかの不必要な面に接着
し、製造工程をストップさせる可能性もあるところ、そ
のような危険性を未然に防ぐことができる。
【0045】工程(4):焼結 次いで、このようにして得られた成形体素子5を、必要
であれば適宜乾燥し、次いで真空中で約300〜600
℃の熱処理工程によって有機物質(バインダー)の除去
を行い、さらに約10〜30分間、約1200〜160
0℃の高温加熱処理(焼結)を行い、タンタル金属粉末
同士およびタンタル金属粉末と扁平リード線3とを融着
させることにより、図4に示す通り、薄形直方体形状の
タンタル多孔質焼結体7内に、扁平リード線3の扁平部
分3aが埋入された構造のタンタル電解コンデンサ用陽
極素子8が得られる。このようにして得られたタンタル
電解コンデンサ用陽極素子8は、タンタル多孔質焼結体
7と扁平リード線3とが強固に接合された状態となる。
【0046】前記タンタル電解コンデンサ用陽極素子8
を用いて、タンタル電解コンデンサを製造するには、該
陽極素子8を電解液槽に入れ、該陽極素子8に所定の直
流電圧を加えて化成処理を施すことにより、該陽極素子
8の表面に酸化タンタル皮膜を形成させる。そして、酸
化皮膜の形成後、さらにその上に二酸化マンガン皮膜又
は、機能性高分子皮膜の固体電解質を形成する。
【0047】前述のようにして得られた酸化タンタル皮
膜・二酸化マンガン皮膜又は機能性高分子皮膜を形成し
たコンデンサ用陽極素子11は、カーボン(グラファイ
ト)層、銀ペースト層を形成し、例えば図5に示すよう
に、コンデンサ素子11の表面に陰極端子12の一端側
を半田14で接合するとともに、扁平リード線3の先端
部分を陽極端子13にスポット溶接(溶接部を符号15
で示す)によって接合した後、例えば樹脂成形加工によ
り、あるいは、樹脂溶液中に浸漬させて形成させるなど
して樹脂外装16を施し、タンタル電解コンデンサ10
とする。
【0048】本発明の電解コンデンサ用陽極素子の一つ
の形態は、前述した通りの工程、すなわち、表面に剥離
層を有する剥離性基体上に形成した弁作用金属粉末とバ
インダー樹脂を含有するシート状あるいは薄片状成形体
を基体から剥離し、少なくとも一部を扁平にした弁作用
金属からなるリード線の該扁平部分を間に挟んで重ね合
わせ、加圧して成形体素子を形成し、次いで該成形体素
子を焼結することで得られる。本発明の電解コンデンサ
用陽極素子の他の形態は、少なくとも一部を扁平にした
弁作用金属からなるリード線と、該リード線の扁平部分
を層間に挟んだ積層構造をなして該リード線を固定して
いる弁作用金属の多孔質焼結体片とを有し、且つ該多孔
質焼結体片は、積層面の少なくとも一方側の空孔率が、
積層面と垂直方向外方側の空孔率よりも大きいことを特
徴としている。
【0049】多孔質焼結体片7は、その焼結前の成形体
である成形体素子5を焼結する際に、含有されているバ
インダーが消失することによって空孔を生じる。前述し
た通り、本製造方法では、シート状成形体1,6を形成
する際に剥離性基体を用い、得られるシート状成形体
1,6の剥離面は、他の部分に比べて樹脂リッチな状態
となっている。そして、成形体素子5を製造する際に、
この樹脂リッチな剥離面を扁平リード線3の扁平部分3
aを挟んで他方のシート状成形体と重ね合わせ、より好
ましくは双方の成形体2,4の剥離面同士を重ね合わせ
て成形体素子5とし、これを焼結することによって、得
られる多孔質焼結体片7は、積層面の少なくとも一方側
の空孔率が、積層面の垂直方向外方側の空孔率よりも大
きくなる。その結果、この陽極素子8を固体電解質溶液
に浸漬する際、多孔質焼結体片7の外表面に加え、空孔
率が大きい層間の界面から固体電解質溶液の浸透が生
じ、該溶液を多孔質焼結体片7内に十分含浸させること
ができ、その結果高い容量引き出し率を得ることができ
る。
【0050】剥離面が樹脂リッチな状態となるのは、基
体の剥離層からの樹脂の転移もあるが、主として基体上
に形成された未乾燥の成形体中の樹脂が、重力で下方に
移動するためと考えられる。したがってシート状成形体
を形成した基体に剥離層がない場合でも、やはり成形体
の剥離面が樹脂リッチとなっており、成形体素子の接合
を良好とするために、少なくとも一方の成形体の剥離面
を内側にして積層することが好ましいことに変わりはな
い。
【0051】
【実施例】以下、実施例を記すが、この実施例は、本発
明の一例を具体的に示す単なる例示に過ぎず、本発明は
この実施例に限定されるものではない。
【0052】(実施例)平均1次粒子径0.5μm、静
電容量が80000CV/gのタンタル金属粉50g、
バインダー樹脂としてアクリル樹脂「BR−88」(三
菱レイヨン(株)製)5g、メチルエチルケトン50
g、および3mm径のスチールボール100gを50c
cのポリ瓶に入れて混合し、振とう機(ペイントコンデ
ィショナー)を用いて1時間分散して、タンタル金属粉
末分散液を得た。
【0053】厚さが50μmのPETフィルム上にアク
リル樹脂「BR−88」(三菱レイヨン(株)製)の溶
液を#16のワイヤバーにて展色し、厚さ3μmの剥離
層を設けた。次に、剥離層を設けたPETフィルム上に
タンタル金属粉末分散液を250μmの深さのアプリケ
ータにて展色し、厚さ150μmのタンタル金属粉末分
散液の乾燥塗膜を得た。この乾燥塗膜のPETを剥離し
た後、得られたシート状成形体を図2に示す装置を用い
て、3.6×4.4mmの大きさに打ち抜いて、扁平リ
ード線(直径0.15mmの円形断面のリード線の先端
部を厚さ30μm、幅0.3mmに加圧加工した)の扁
平部分を挟んで重ね合わせ、図1に示す形状の成形体素
子5を作製した。この時、両方の成形体2,4の剥離面
を重ね合わせた。
【0054】次に、成形体素子5を6.6×10-3Pa
(5×10-5torr)の真空中で350℃に昇温して
90分間加熱処理し、有機物質(バインダー)の分解・
除去を行い、さらに1300℃、20分間の焼結処理を
行って、図4に示すように、薄形直方体形状のタンタル
多孔質焼結体7内に、扁平リード線3の扁平部分3aが
埋入された構造のタンタル電解コンデンサ用陽極素子8
を得た。
【0055】この陽極素子を、燐酸溶液中で直流電圧2
0Vを印加して陽極化成を行い、その電気特性をEIA
J RC−2361Aに従って測定し、性能を調べた。
結果は表1に示す。
【0056】(比較例1)実施例で用いたと同じタンタ
ル粉末100gに、バインダとしてアクリル樹脂(BR
−88)(三菱レイヨン(株)製)5gをトルエンに溶
解した溶媒を作成してタンタル粉末に噴霧して、撹拌混
合しながら乾燥して成形用試料とした。得られた成形用
試料を金型に充填し、実施例と同様に加圧成形、焼結処
理を行い、タンタル電解コンデンサ用陽極素子を得た。
この素子に前記実施例に記したと同じ化成処理を施した
後、その電気性能を測定した。その結果は実施例の結果
とともに表1に示す。
【0057】(比較例2) タンタル電解コンデンサ
用陽極素子の薄型化をはかり、その特性を上げるため、
比較例1で用いたものよりさらに薄い金型を用いる以外
は比較例1と同様の方法で、0.3mm厚の陽極素子の
作製を試みたが、この場合には、金型内に調合粉末を充
填することが困難となり、リード線を金型の中央に植立
させることもできず、作製することができなかった。陽
極素子の厚さが0.6mm以下となると通常の製造ライ
ンでは生産することが困難であることが判った。
【0058】(比較例3)実施例において使用した扁平
リード線に代えて、扁平部分を形成しない円形断面のタ
ンタルリード線(直径0.15mm)を用いた以外は実
施例と同様にして、タンタル電解コンデンサ用陽極素子
を作製した。円形断面のリード線を用いると、2枚のシ
ートの間にこのリード線を挟んで、加圧成形すると、リ
ード線が当たる部分のシートが割れて、側面にリード線
が露出してしまい、良好な電解コンデンサ用陽極素子を
作ることが困難であった。
【0059】(比較例4)実施例で用いたと同じタンタ
ル粉末と、扁平リード線とを用い、扁平リード線を用い
た従来の陽極素子の製造を試みた。この場合には、扁平
リード線を粉末中に挿入することが出来ず、成形できな
かった。
【0060】実施例と比較例1でそれぞれ作製したタン
タル電解コンデンサについて測定した電気性能を次の表
1にまとめた。
【表1】
【0061】表1からわかるように、本発明による実施
例のタンタル電解コンデンサは、乾燥粉末を用いた場合
と同等以上の特性であることが分かる。一方扁平リード
線を用い、金型を使用する従来の製造方法で製造した比
較例1においては、実施例のように薄い固体電解コンデ
ンサ用陽極素子を製造することが困難であり、1ヶずつ
成形することしかできず、量産性はない。
【0062】
【発明の効果】本発明は、表面に剥離層を有する剥離性
基体上に形成した弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含
有するシート状あるいは薄片状成形体を基体から剥離
し、少なくとも一部を扁平にした弁作用金属からなるリ
ード線の該扁平部分を間に挟んで重ね合わせ、加圧して
成形体素子を形成し、次いで該成形体素子を焼結するこ
とによって電解コンデンサ用陽極素子を得るものなの
で、従来の粉末をプレス成形する電解コンデンサ製造プ
ロセスでは高い生産性での製造が困難だった極めて薄
い、例えば厚さ0.6mm以下の、特に厚さ0.4mm
以下の高性能な電解コンデンサを提供することができ
る。これによって等価直列抵抗(ESR)を下げること
ができ、良好な高周波特性を得ることができる。従っ
て、高CV粉末を使っての大容量化、低ESR化を実現
することができる。また本発明の電解コンデンサ用陽極
素子は、弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有するシ
ート状あるいは薄片状成形体を、少なくとも一部を扁平
にした弁作用金属からなるリード線の該扁平部分を間に
挟んで重ね合わせ、加圧して成形体素子を形成し、次い
で該成形体素子を焼結して得るものなので、特に、成形
体の樹脂リッチな剥離面を扁平リード線の扁平部分と接
するように重ね合わせて成形体素子を形成することによ
って、各成形体同士、および各成形体と同士および拡成
形体と扁平リード線との密着性が良好となり、製造が容
易となる。さらに、この成形体素子を焼結して得られる
電解コンデンサ用陽極素子は、弁作用金属粉末焼結体中
に扁平リード線の扁平部分が埋入された構造であるた
め、焼結体と扁平リード線との接合強度が高く、リード
線の抜出が生じないとともに、リード線と焼結体との電
気的接続状態が良好となり、LC特性の良い電解コンデ
ンサを得ることができる。また、本発明の電解コンデン
サ用陽極素子は、弁作用金属粉末焼結体中に扁平リード
線の扁平部分が埋入された構造であるため、円形断面の
リード線を用いたものよりも外圧に対する安定性に優
れ、特にリード線埋入部分に生じ易かった割れやクラッ
クの発生を防ぐことができる。また、本発明によれば、
扁平リード線を用い、これをシート間に挟んで焼結し、
陽極素子を形成するので、焼結体やシートにリード線埋
設用の切欠や溝を形成しなくても、扁平リード線が焼結
体の所定位置に正確に埋設された陽極素子を形成できる
ので、焼結体やシートにリード線埋設用の切欠や溝を形
成する余分な工程を省くことができる。また、焼結前の
シートにリード線埋設用の切欠や溝を形成する必要が無
いので、切欠や溝に沿ったシートの切れを生じることが
なく、極めて薄い均一なシートの形成が可能となり、よ
り一層薄形の陽極素子の製造が可能となる。また、本発
明による陽極素子は、成形体の樹脂リッチな剥離面を扁
平リード線の扁平部分と接するように重ね合わせて形成
した成形体素子を焼結する結果として、成形体の安定し
た接合が可能になるとともに、積層面の少なくとも一方
側の空孔率が、積層面と垂直方向外方側の空孔率よりも
大きい多孔質焼結体を有するものなので、この陽極素子
を固体電解質溶液に浸漬する際、多孔質焼結体の外表面
に加え、空孔率が大きい層間の界面から固体電解質溶液
の浸透が生じ、該溶液を多孔質焼結体内に十分含浸させ
ることができ、その結果高い容量引き出し率を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電解コンデンサ用陽極素子の製
造方法の一例を説明するための図であり、扁平リード線
を2枚のシート間に挟んで得られる成形体素子の斜視図
である。
【図2】 本発明に係る成形体素子の製造方法の一例を
工程順に示す概略図である。
【図3】 本発明に係る成形体素子の製造方法の他の例
を工程順に示す概略図である。
【図4】 成形体素子を焼結して得られる電解コンデン
サ用陽極素子の斜視図である。
【図5】 本発明に係る電解コンデンサを例示する概略
図である。
【符号の説明】
1,6 シート状成形体(シート状あるいは薄片状成形
体) 2,4 成形体(打ち抜かれた成形体) 3 扁平リード線 3a 扁平部分 5 成形体素子 7 タンタル多孔質焼結体 8 タンタル電解コンデンサ用陽極素子 10 タンタル電解コンデンサ 11 コンデンサ素子 20A,20B 雄型 21 貫通孔 22 切欠 23 雌型 30A,30B 雄型 31 貫通孔 32A,32B 雌型 33 雌型ユニット 34A,34B 挿入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森山 稔 東京都東村山市久米川町5−30−1 株式 会社高純度物質研究所内 (72)発明者 宮本 昭子 東京都東村山市久米川町5−30−1 株式 会社高純度物質研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に剥離層を有する剥離性基体上に形
    成した弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有するシー
    ト状あるいは薄片状成形体を基体から剥離し、少なくと
    も一部を扁平にした弁作用金属からなるリード線の該扁
    平部分を間に挟んで重ね合わせ、加圧して成形体素子を
    形成し、次いで該成形体素子を焼結する工程を含むこと
    を特徴とする電解コンデンサ用陽極素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記成形体が、弁作用金属粉末とバイン
    ダー樹脂と溶剤とを混合して得られる金属粉末分散液
    を、前記剥離性基体上に塗布し、あるいは印刷して塗布
    物あるいは印刷物とし、該基体より塗布層あるいは印刷
    層を剥離して形成されることを特徴とする請求項1に記
    載の電解コンデンサ用陽極素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記剥離層がポリビニル樹脂、ポリビニ
    ルアセタール樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂から
    なる群から選択される少なくとも1種を含有することを
    特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサ用
    陽極素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方の前記成形体の剥離面を
    扁平リード線の扁平部分と接するように重ね合わせて成
    形体素子を形成することを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか1項に記載の電解コンデンサ用陽極素子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 雄型が摺動可能に挿入される貫通孔と該
    貫通孔に連通するリード線挿入用の切欠とを有する雌型
    と、前記貫通孔の両側から該孔内に挿入された一対の雄
    型とを有する装置を用い、次の各工程: a)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
    前記成形体を打ち抜き、雌型内に位置した他方の雄型の
    先端に移動させる工程、 b)他方の雄型の先端にある打ち抜かれた成形体に、前
    記切欠から挿入した前記扁平リード線の扁平部分を配置
    する工程、 c)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
    もう一つの前記成形体を打ち抜き、他方の雄型の先端に
    ある打ち抜かれた成形体に押し付け、成形体素子を形成
    する工程、 d)雌型内から該成形体素子を取り出す工程、 を順次行うことによって前記成形体素子を作製すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電
    解コンデンサ用陽極素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 雄型が摺動可能に挿入される貫通孔と前
    記成形体を該貫通孔内に打ち抜き可能に挿入する挿入口
    とを有し、該貫通孔を同軸としてそれぞれの一方の端面
    を密着・離間可能に保持されてなる一対の雌型と、それ
    ぞれの雌型のもう一方の端面から該貫通孔内に挿入され
    た一対の雄型とを有する装置を用い、次の各工程: a)それぞれの雌型を離間させ、前記挿入口からそれぞ
    れ前記成形体を前記貫通孔内に挿入すると共に、それぞ
    れの雌型の間に前記扁平リード線を、前記貫通孔に扁平
    部分が位置するように配する工程、 b)それぞれの雌型の端面を密着し、扁平リード線を固
    定する工程、 c)両方の雄型を扁平リード線に向けて移動させて、そ
    れぞれの雄型で前記成形体を打ち抜いて扁平リード線を
    挟んで押圧し、成形体素子を形成する工程、 d)雌型と雄型とをそれぞれ離間させ、成形体素子を取
    り出す工程、 を順次行うことによって前記成形体素子を作製すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電
    解コンデンサ用陽極素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 雄型が摺動可能に挿入される貫通孔を有
    する雌型と、該貫通孔内に挿入される雄型とを用いて、
    弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有する膜状成形体
    を、雌型内部へと打ち抜き、打ち抜かれた複数の成形体
    を、雌型内部で少なくとも一部を扁平にした弁作用金属
    からなるリード線を挟んで圧着して成形体素子を形成
    し、次いで該成形体素子を焼結することを特徴とする電
    解コンデンサ用陽極素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 雄型が摺動可能に挿入される貫通孔と該
    貫通孔に連通するリード線挿入用の切欠とを有する雌型
    と、前記貫通孔の両側から該孔内に挿入された一対の雄
    型とを有する装置を用い、次の各工程: a)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
    弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有するシート状あ
    るいは薄片状成形体を打ち抜き、雌型内に位置した他方
    の雄型の先端に移動させる工程、 b)他方の雄型の先端にある打ち抜かれた成形体に、前
    記切欠から挿入した少なくとも一部を扁平にした弁作用
    金属からなる扁平リード線の扁平部分を配置する工程、 c)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
    もう一つの前記成形体を打ち抜き、他方の雄型の先端に
    ある打ち抜かれた成形体に押し付け、成形体素子を形成
    する工程、 d)雌型内から該成形体素子を取り出す工程、 を順次行うことによって成形体素子を作製し、次いで該
    成形体素子を焼結することを特徴とする電解コンデンサ
    用陽極素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 雄型が摺動可能に挿入される貫通孔と、
    弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有するシート状あ
    るいは薄片状成形体を該貫通孔内に打ち抜き可能に挿入
    する挿入口とを有し、該貫通孔を同軸としてそれぞれの
    一方の端面を密着・離間可能に保持されてなる一対の雌
    型と、それぞれの雌型のもう一方の端面から該貫通孔内
    に挿入された一対の雄型とを有する装置を用い、次の各
    工程: a)それぞれの雌型を離間させ、前記挿入口からそれぞ
    れ前記成形体を前記貫通孔内に挿入すると共に、それぞ
    れの雌型の間に扁平リード線を、前記貫通孔に扁平部分
    が位置するように配する工程、 b)それぞれの雌型の端面を密着し、扁平リード線を固
    定する工程、 c)両方の雄型を扁平リード線に向けて移動させて、そ
    れぞれの雄型で前記成形体を打ち抜いて扁平リード線を
    挟んで押圧し、成形体素子を形成する工程、 d)雌型と雄型とをそれぞれ離間させ、成形体素子を取
    り出す工程、 を順次行うことによって前記成形体素子を作製し、次い
    で該成形体素子を焼結することを特徴とする電解コンデ
    ンサ用陽極素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 雄型が摺動可能に挿入される貫通孔と
    該貫通孔に連通するリード線挿入用の切欠とを有する雌
    型と、前記貫通孔の両側から該孔内に挿入された一対の
    雄型とを有し、次の各工程: a)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
    弁作用金属粉末とバインダーとを含むシート状あるいは
    薄片状成形体を打ち抜き、雌型内に位置した他方の雄型
    の先端に移動させる工程、 b)前記切欠から、弁作用金属からなる少なくとも一部
    に扁平部分を形成した扁平リード線を挿入し、他方の雄
    型の先端にある打ち抜かれた成形体に、該リード線の扁
    平部分を配置する工程、 c)一方の雄型によって該貫通孔を覆うように配された
    もう一つの前記成形体を打ち抜き、他方の雄型の先端に
    ある打ち抜かれた成形体に押し付け、成形体素子を形成
    する工程、 d)雌型内から成形体素子を取り出す工程、 を順次行うことによって成形体素子を作製することを特
    徴とする成形体素子の製造装置。
  11. 【請求項11】 雄型が摺動可能に挿入される貫通孔
    と、弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有するシート
    状あるいは薄片状成形体を該貫通孔内に打ち抜き可能に
    挿入する挿入口とを有し、該貫通孔を同軸としてそれぞ
    れの一方の端面を密着・離間可能に保持されてなる一対
    の雌型と、それぞれの雌型のもう一方の端面から該貫通
    孔内に挿入された一対の雄型とを有する装置を用い、次
    の各工程: a)それぞれの雌型を離間させ、前記挿入口からそれぞ
    れ前記成形体を前記貫通孔内に挿入すると共に、それぞ
    れの雌型の間に扁平リード線を、前記貫通孔に扁平部分
    が位置するように配する工程、 b)それぞれの雌型の端面を密着し、扁平リード線を固
    定する工程、 c)両方の雄型を扁平リード線に向けて移動させて、そ
    れぞれの雄型で前記成形体を打ち抜いて扁平リード線を
    挟んで押圧し、成形体素子を形成する工程、 d)雌型と雄型とをそれぞれ離間させ、成形体素子を取
    り出す工程、 を順次行うことによって成形体素子を作製することを特
    徴とする成形体素子の製造装置。
  12. 【請求項12】 少なくとも一部を扁平にした弁作用金
    属からなるリード線と、該リード線の扁平部分を層間に
    挟んだ積層構造をなして該リード線を固定している弁作
    用金属の多孔質焼結体片とを有し、且つ積層面の少なく
    とも一方側の空孔率が、積層面の垂直方向外方側の空孔
    率よりも大きいことを特徴とする電解コンデンサ用陽極
    素子。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至9のいずれか1項に記載
    の製造方法によって得られた電解コンデンサ用陽極素
    子。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の電解コンデンサ用
    陽極素子を含む電解コンデンサ。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の電解コンデンサ用
    陽極素子を含む電解コンデンサ。
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