JP2002293975A - 発泡性熱可塑性エラストマー組成物およびその用途 - Google Patents

発泡性熱可塑性エラストマー組成物およびその用途

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JP2002293975A JP2001097103A JP2001097103A JP2002293975A JP 2002293975 A JP2002293975 A JP 2002293975A JP 2001097103 A JP2001097103 A JP 2001097103A JP 2001097103 A JP2001097103 A JP 2001097103A JP 2002293975 A JP2002293975 A JP 2002293975A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の発泡性熱可塑性エラストマー組成
物は、少なくともエチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体(A)およびポリオレフィン樹
脂(B)を、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つ
SiH基含有化合物(C)の存在下に、動的に熱処理す
ることにより得られる熱可塑性エラストマー組成物
(I)と、発泡剤(II)とを含有してなる。本発明の熱
可塑性エラストマー発泡体は、上記組成物を加熱して得
られ、その発泡倍率は、1.3倍以上である。本発明の
自動車用部品、電器部品および建築用部品は、上記発泡
体からなる。 【効果】本発明によれば、高発泡倍率で、表面肌に優れ
るとともに、耐圧縮永久歪み性にも優れる熱可塑性エラ
ストマー発泡体を簡便かつ低コストに調製できる発泡性
熱可塑性エラストマー組成物、およびその発泡体を提供
できる。また、本発明の自動車用部品、電器部品および
建築用部品は、表面肌および耐圧縮永久歪み性に優れて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、発泡性熱可塑性エラスト
マー組成物、およびその組成物からなる熱可塑性エラス
トマー発泡体、ならびにその発泡体からなる自動車用部
品、電器部品、建築用部品などの用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来よりエラストマーの発泡体を
製造する方法として、天然ゴムあるいは合成ゴムに加硫
剤と発泡剤を混練した後、この混練物を所定の形状に成
型して加熱することにより加熱と発泡を行なってエラス
トマーの発泡体を得るという方法が知られている。
【0003】しかしながら、上記のような方法では、連
続押出しで上記ゴムを所定の形状に成型する場合、予め
配合物をゴムにバッチ的に練り込んで混練物を得る工程
を、連続押出しする前に行なう必要があり、またこの混
練物を押出機に供給し易くするため、予め混練物をリボ
ン状に成型する工程を、連続押出しする前に行なう必要
がある。このように上記のような方法では、製造工程が
複雑であり、しかも、加硫および発泡工程にかなりの時
間を要することから工業的生産上不利である。
【0004】このような問題を解決する方法として、軟
質オレフィン系プラスチック、たとえばエチレン・酢酸
ビニル共重合体、低密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂
を用いる方法が既に知られている。このような軟質オレ
フィン系プラスチックを用いる方法によれば、上述の工
程を省略することができる。しかしながら、軟質オレフ
ィン系プラスチックは、基本的に、ゴムに比べて耐熱性
に劣るため、得られる発泡体の用途が大きく制限される
という問題がある。
【0005】一方、軟質オレフィン系プラスチックと加
硫ゴムの中間の性能を示す材料としてオレフィン系共重
合体ゴムとオレフィン系プラスチックとからなる部分架
橋された組成物が熱可塑性エラストマーとして使用でき
ることは、たとえば特開昭48−26838号公報、特
開昭54−112967号公報により公知である。しか
しながら、これらの熱可塑性エラストマーにおいては、
オレフィン系プラスチック成分は、ペルオキシドの存在
下で動的に熱処理した時に分解し溶融時の張力が劣るた
め、脱泡し易く、発泡倍率の高い発泡体が得られず、ま
た、脱泡による肌荒れが顕著であるという問題がある。
【0006】このような問題を低減するために、部分的
に架橋された熱可塑性エラストマー組成物に、メルトフ
ローレートの低いポリオレフィン樹脂(オレフィン系プ
ラスチック(B))を添加したり、あるいは長鎖分岐型
のポリプロピレンを添加することが提案されている(特
開平9−143297号公報、特開平9−296063
号公報)。
【0007】しかしながら、最近では、オレフィン系熱
可塑性エラストマー発泡体は、更なる高発泡倍率化、更
なる表面肌の改善が強く望まれている。また、自動車の
シール部品として使用する場合、低へたり性、すなわち
耐圧縮永久歪み性の向上が大きな課題として残されてい
る。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、高発泡倍率で、
表面肌に優れるとともに、耐圧縮永久歪み性にも優れる
熱可塑性エラストマー発泡体を簡便かつ低コストに調製
することができる発泡性熱可塑性エラストマー組成物、
およびその発泡体、ならびにその発泡体からなる自動車
用部品、電器部品、建築用部品を提供することを目的と
している。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る発泡性熱可塑性エラストマ
ー組成物は、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンと非共役ポリエンとからなる、グラフト変性され
ていてもよいエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A)40〜90重量部、およ
びポリオレフィン樹脂(B)60〜10重量部[成分
(A)と成分(B)との合計量は100重量部である]
を、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基
含有化合物(C)の存在下に、動的に熱処理することに
より得られる熱可塑性エラストマー組成物(I)と、発
泡剤(II)とを含有してなることを特徴としている。
【0010】前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体ゴム(A)としては、下記一般
式[I]または[II]で表わされる少なくとも一種の末
端ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単
位を有することが好ましい。
【0011】
【化3】
【0012】[式中、nは0ないし10の整数であり、
1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアル
キル基である。]
【0013】
【化4】
【0014】[式中、R3は水素原子または炭素原子数
1〜10のアルキル基である]。前記熱可塑性エラスト
マー組成物(I)は、前記SiH基含有化合物(C)お
よび触媒(D)の存在下に、前記エチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およ
びポリオレフィン樹脂(B)を、動的に熱処理すること
により得られるものであってもよい。
【0015】前記ポリオレフィン樹脂(B)としては、
ポリプロピレン系樹脂であって、プロピレン単独重合体
またはプロピレンと、エチレンもしくは炭素原子数4〜
20のα- オレフィンとからなるプロピレン・α- オレ
フィン共重合体が好ましく用いられる。特に前記ポリプ
ロピレン系樹脂が、沸騰ヘプタン不溶部のアイソタクチ
ック・ペンタッド分率が0.955以上で、かつ、沸騰
ヘプタン可溶部の含有量が9重量%以下であることが好
ましい。
【0016】前記発泡剤(II)としては、熱分解型発泡
剤および物理発泡剤が望ましい。本発明に係る熱可塑性
エラストマー発泡体は、上記の、本発明に係る発泡性熱
可塑性エラストマー組成物を加熱して得られることを特
徴としている。本発明に係る熱可塑性エラストマー発泡
体は、発泡倍率が1.3倍以上、通常は2〜10倍であ
ることが望ましい。
【0017】本発明に係る自動車用部品、電器部品およ
び建築用部品は、上記のような、本発明に係る熱可塑性
エラストマー発泡体からなることを特徴としている。
【0018】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る発泡性熱可塑
性エラストマー組成物およびその用途について具体的に
説明する。本発明に係る発泡性熱可塑性エラストマー組
成物は、熱可塑性エラストマー組成物(I)、発泡剤
(II)、および任意にオレフィン系プラスチック(II
I)を含有している。
【0019】熱可塑性エラストマー組成物(I) 本発明で用いられる熱可塑性エラストマー組成物(I)
は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダ
ム共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン樹脂(B)
を、SiH基含有化合物(C)および必要に応じ触媒
(D)の存在下に、動的に熱処理することにより得られ
る。この共重合体ゴム(A)は、架橋されている。
【0020】[エチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A)]本発明で用いられる
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20
のα- オレフィンと、非共役ポリエンとのランダム共重
合体である。このような炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、
4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オ
クテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセ
ン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、
1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エ
イコセン、9-メチル-1- デセン、11- メチル-1- ドデセ
ン、12- エチル-1- テトラデセンなどが挙げられる。中
でも、炭素原子数3〜10のα- オレフィンが好まし
く、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ンなどが好ましく用いられる。これらのα- オレフィン
は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0021】本発明で用いられる非共役ポリエンは、下
記の一般式[I]または[II]で表わされる末端ビニル
基含有ノルボルネン化合物である。
【0022】
【化5】
【0023】一般式[I]において、nは0ないし10
の整数であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜1
0のアルキル基であり、R1の炭素原子数1〜10のア
ルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル
基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペ
ンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基などが挙げられる。
【0024】R2は水素原子または炭素原子数1〜5の
アルキル基である。R2の炭素原子数1〜5のアルキル
基の具体例としては、上記R1の具体例のうち、炭素原
子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
【0025】
【化6】
【0026】一般式[II]において、R3は水素原子ま
たは炭素原子数1〜10のアルキル基である。R3のア
ルキル基の具体例としては、上記R1のアルキル基の具
体例と同じアルキル基を挙げることができる。上記一般
式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物
としては、具体的には、5-メチレン-2- ノルボルネン、
5-ビニル-2- ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2- ノ
ルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-
(2-メチル-2- プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(4-
ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-メチル-3- ブテ
ニル)-2- ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2- ノル
ボルネン、5-(4-メチル-4- ペンテニル)-2- ノルボル
ネン、5-(3-エチル-3- ブテニル)-2- ノルボルネン、
5-(6-ヘプテニル)-2- ノルボルネン、5-(5-メチル-5
- ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(4-エチル-4- ペ
ンテニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2-
ノルボルネン、5-(6-メチル-6- ヘプテニル)-2- ノル
ボルネン、5-(5-エチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボル
ネンなど挙げられる。このなかでも、5-ビニル-2- ノル
ボルネン、5-メチレン-2- ノルボルネン、5-(2-プロペ
ニル)-2- ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2- ノルボ
ルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(5-
ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(6-ヘプテニル)-2
- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2- ノルボルネン
が好ましい。これらのノルボルネン化合物は、単独で、
あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0027】上記ノルボルネン化合物たとえば5-ビニル
-2- ノルボルネンの他に、本発明の目的とする物性を損
なわない範囲で、以下に示す非共役ポリエンを併用する
こともできる。このような非共役ポリエンとしては、具
体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4- ヘキサジ
エン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘ
キサジエン、4,5-ジメチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチ
ル-1,6- オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテ
トラヒドロインデン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、
5-イソプロピリデン-2- ノルボルネン、5-ビニリデン-2
- ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役
ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-
エチリデン-3- イソプロピリデン-5- ノルボルネン、2-
プロペニル-2,2- ノルボルナジエン等のトリエンなどが
挙げられる。
【0028】上記のような諸成分からなるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A)
は、以下のような特性を有している。 (i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィン
とのモル比(エチレン/α- オレフィン) エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)は、(a)エチレンで導かれる単位と
(b)炭素原子数3〜20のα- オレフィン(以下、単
にα- オレフィンということがある)から導かれる単位
とを、40/60〜95/5、好ましくは50/50〜
90/10、好ましくは55/45〜85/15、特に
好ましくは60/40〜80/20のモル比[(a)/
(b)]で含有している。
【0029】このモル比が上記範囲内にあると、耐熱老
化性、強度特性および耐圧縮永久歪み性に優れるととも
に、耐寒性に優れた発泡体を調製することができる発泡
性熱可塑性エラストマー組成物が得られる。 (ii)ヨウ素価 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)のヨウ素価は、0.5〜50(g/100
g)、好ましくは0.8〜40(g/100g)、さらに好ましく
は1〜30(g/100g)、特に好ましくは1.5〜25(g/1
00g)である。
【0030】このヨウ素価が上記範囲内にあると、有効
網目鎖密度の高い熱可塑性エラストマー組成物が得ら
れ、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、耐環境劣化性
(=耐熱老化性)に優れた発泡体を調製することができ
る発泡性熱可塑性エラストマー組成物が得られる。ヨウ
素価が50を超えると、コスト的に不利になるので好ま
しくない。 (iii)極限粘度 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)の135℃デカリン中で測定した極限
粘度[η]は、0.3〜10dl/g、通常は0.5〜
10dl/g、好ましくは0.6〜8dl/g、さらに
好ましくは0.7〜6dl/g、特に好ましくは0.8
〜5dl/g、最も好ましくは3〜5dl/gであるこ
とが望ましい。
【0031】この極限粘度[η]が上記範囲内にある
と、強度特性および耐圧縮永久歪み性に優れた発泡体を
調製することができる発泡性熱可塑性エラストマー組成
物が得られる。 (iv)分子量分布(Mw/Mn) エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)のGPCにより測定した分子量分布
(Mw/Mn)は、通常3〜100、好ましくは5〜7
5、さらに好ましくは10〜60、特に好ましくは20
〜50である。
【0032】この分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲
内にあると、加工性に優れるとともに、強度特性に優れ
た発泡体を調製することができる発泡性熱可塑性エラス
トマー組成物が得られる。 (v)有効網目鎖密度(ν)[架橋密度の指標] エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)100gに対し、ジクミルパーオキサ
イド0.01モルを用い、170℃で10分間プレス架
橋したときの有効網目鎖密度(ν)が1.5×1020
/cm3以上、好ましく1.8×1020個/cm3以上、
さらに好ましくは2.0×1020個/cm3以上であ
る。
【0033】この有効網目鎖密度(ν)が1.5×10
20個/cm3以上であると、耐圧縮永久歪み性に優れた
発泡体を提供できる発泡性熱可塑性エラストマー組成物
が得られる。 (vi)Log(γ2/γ1)/ν エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)は、100℃でのメルトフローカーブ
から求めた、ずり応力0.4×106dyn/cm2を示
すときのずり速度γ1とずり応力2.4×106dyn/
cm2を示すときのずり速度γ2との比γ2/γ1と、前記
有効網目鎖密度(ν)との比が、一般式[III] 0.04×10-19 ≦ Log(γ2/γ1)/ν ≦ 0.20×10-19 ・・・[III] で表わされる関係を満足している。
【0034】エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A)は、Log(γ2/γ1)と
有効網目鎖密度(ν)との比[Log(γ2/γ1)/
ν]が0.04×10-19 〜0.20×10-19、好ま
しくは0.042×10-19〜0.19×10-19、さら
に好ましくは0.050×10-19〜0.18×10-19
である。
【0035】この比[Log(γ2/γ1)/ν]が上記
範囲内にあると、成形性に優れるとともに、強度特性お
よび耐圧縮永久歪み性に優れた発泡体を提供できる発泡
性熱可塑性エラストマー組成物が得られる。さらに、次
の特性を有していることが好ましい。 (vii)動的粘弾性測定器より求めた分岐指数 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)の動的粘弾性測定器より求めた分岐指
数は、5〜35、好ましくは10〜35、さらに好まし
くは15〜30、特に好ましくは20〜30である。こ
の分岐指数の値が上記範囲内にあると、動的架橋時の流
動性が向上し、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A)が細かく分散するた
め、外観に優れる発泡体を調製できる発泡性熱可塑性エ
ラストマー組成物が得られる。
【0036】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、
下記化合物(H)および(I)を主成分として含有する
触媒の存在下に、重合温度30〜60℃、特に30〜5
9℃、重合圧力4〜12kgf/cm2、特に5〜8k
gf/cm2、非共役ポリエンとエチレンとの供給量の
モル比(非共役ポリエン/エチレン)0.01〜0.2
の条件で、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンと、上記一般式[I]または[II]で表わされる
末端ビニル基含有ノルボルネン化合物とをランダム共重
合することにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中
で行なうのが好ましい。(H)VO(OR)n3-n(式
中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、
nは0または1〜3の整数である)で表わされる可溶性
バナジウム化合物、またはVX4(Xはハロゲン原子で
ある)で表わされるバナジウム化合物。
【0037】上記可溶性バナジウム化合物(H)は、重
合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、具体的
には、一般式 VO(OR)aXbまたはV(OR)c
Xd(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦
b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3
≦c+d≦4)で表わされるバナジウム化合物、あるい
はこれらの電子供与体付加物を代表例として挙げること
ができる。
【0038】より具体的には、VOCl3 、VO(OC
25)Cl2 、VO(OC252Cl、VO(O−iso
-C37)Cl2、VO(O−n-C49)Cl2、VO
(OC253、VOBr3、VCl4 、VOCl3、V
O(O−n-C493、VCl3・2OC612OHなど
を例示することができる。 (I)R'mAlX'3-m(R’は炭化水素基であり、X’
はハロゲン原子であり、mは1〜3である)で表わされ
る有機アルミニウム化合物。
【0039】上記有機アルミニウム化合物(I)として
は、具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリ
アルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルア
ルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエ
トキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のア
ルキルアルミニウムセスキアルコキシド;R1 0.5Al
(OR10.5 などで表わされる平均組成を有する部分
的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチ
ルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアル
ミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキ
ハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルア
ルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド
等のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハ
ロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミ
ニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジ
アルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジ
ヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキ
ルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化された
アルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシク
ロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチル
アルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキ
シ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなど
を挙げることができる。
【0040】本発明において、上記化合物(H)のう
ち、VOCl3で表わされる可溶性バナジウム化合物
と、上記化合物(I)のうち、Al(OC252Cl
/Al2(OC253Cl3のブレンド物(ブレンド比
は1/5以上)を触媒成分として使用すると、ソックス
レー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、メ
ッシュ:325)後の不溶解分が1%以下であるエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
ゴム(A)が得られるので好ましい。
【0041】また、上記共重合の際に使用する触媒とし
て、いわゆるメタロセン触媒たとえば特開平9−405
86号公報に記載されているメタロセン触媒を用いても
差し支えない。また、本発明で用いられるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)は、極性モノマーたとえば不飽和カルボン酸また
はその誘導体(たとえば酸無水物、エステル)でグラフ
ト変性されていてもよい。
【0042】このような不飽和カルボン酸としては、具
体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカル
ボン酸などが挙げられる。不飽和カルボンの酸無水物と
しては、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ビ
シクロ(2,2,1) ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボン酸無
水物などが挙げられる。これらの中でも、無水マレイン
酸が好ましい。
【0043】不飽和カルボン酸エステルとしては、具体
的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレ
イン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメ
チル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テ
トラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ(2,2,1) ヘプ
ト-2- エン-5,6- ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられ
る。これらの中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チルが好ましい。
【0044】上記の不飽和カルボン酸等のグラフト変性
剤(グラフトモノマー)は、それぞれ単独または2種以
上の組み合わせで使用されるが、何れの場合も前述した
グラフト変性前のエチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴム100g当たり、0.1モル以下の
グラフト量にするのがよい。上記のようなグラフト量が
上記範囲にあるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A)を用いると、耐油性、
耐寒性に優れた発泡体を提供し得る、成形性に優れた発
泡性熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0045】グラフト変性したエチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、前
述した未変性のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エン共重合体ゴムと不飽和カルボン酸またはその誘導体
とを、ラジカル開始剤の存在下に反応させることにより
得ることができる。このグラフト反応は溶液にして行な
うこともできるし、溶融状態で行なってもよい。溶融状
態でグラフト反応を行なう場合には、押出機の中で連続
的に行なうことが最も効率的であり、好ましい。
【0046】グラフト反応に使用されるラジカル開始剤
としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t
- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,
3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオ
キサイド、ジ-t- アミルパーオキサイド、t-ブチルヒド
ロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-
ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’- ビス(t-ブチ
ルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン等のジアルキ
ルパーオキサイド類;t-ブチルパーオキシアセテート、
t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキ
シピバレート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチ
ルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベ
ンゾエート、ジ-t- ブチルパーオキシフタレート等のパ
ーオキシエステル類;ジシクロヘキサノンパーオキサイ
ド等のケトンパーオキサイド類;およびこれらの混合物
などが挙げられる。中でも半減期1分を与える温度が1
30〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、
特に、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキ
サイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシ
クロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-
アミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド
などの有機過酸化物が好ましい。
【0047】また、不飽和カルボン酸またはその誘導体
(たとえば酸無水物、エステル)以外の極性モノマーと
しては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基
含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン
性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル
化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。本発明において
は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダ
ム共重合体ゴム(A)として、予め後述の軟化剤を配合
した油展エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンラ
ンダム共重合体ゴム(A)を用いることができる。
【0048】上記のようなエチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
ゴム(A)とポリオレフィン系樹脂(B)との合計量1
00重量部に対して、40〜90重量部、好ましくは5
0〜85重量部、さらに好ましくは60〜85重量部の
割合で用いられる。ただし、成分(A)が油展ゴムであ
る場合、油展した軟化剤の量は除くものとする。ヒドロ
シリル化反応性に優れ、動的架橋速度の速いエチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)を上記割合で用いると、簡便な工程で、成形性、
耐熱性および耐圧縮永久歪み性の良好な熱可塑性エラス
トマー組成物(I)を高速で生産することができる。
【0049】[ポリオレフィン樹脂(B)]本発明で用
いられるポリオレフィン樹脂(B)としては、たとえ
ば、以下のような単独重合体または共重合体が挙げられ
る。 (1)プロピレン単独重合体 (2)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体 (3)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのブロック共重合体 (4)1-ブテン単独重合体 (5)1-ブテンと10モル%以下の他のα- オレフィン
とのランダム共重合体 (6)4-メチル-1- ペンテン単独重合体 (7)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα
- オレフィンとのランダム共重合体 上記のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-
ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。上記のポリオ
レフィン樹脂(B)の中でも、プロピレン単独重合体
と、プロピレン含量が50モル%以上のプロピレン・α
- オレフィン共重合体のポリプロピレン系樹脂が好まし
く、中でも、アイソタクチックポリプロピレン、プロピ
レン・α- オレフィン共重合体、たとえばプロピレン・
エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、プ
ロピレン・1-ヘキセン共重合体、プロピレン・4-メチル
-1- ペンテン共重合体などが特に好ましい。
【0050】これらのポリプロピレン系樹脂は、沸騰ヘ
プタン不溶部のアイソタクチック・ペンタッド分率が
0.955以上で、かつ、沸騰ヘプタン可溶部の含有量
が9重量%以下であることが好ましい。ポリオレフィン
樹脂(B)のメルトフローレート(ASTM D−12
38−65T,230℃、2.16kg荷重)は、5〜
80g/10分、特に5〜20g/10分の範囲にある
ことが好ましい。
【0051】本発明においては、ポリオレフィン樹脂
(B)は、組成物の流動性の向上、および耐熱性を向上
させる役割をもつ。上記ポリオレフィン樹脂(B)は、
上述したエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンラ
ンダム共重合体ゴム(A)とポリオレフィン樹脂(B)
との合計量100重量部に対して、60〜10重量部、
好ましくは50〜15重量部、さらに好ましくは40〜
15重量部の割合で用いられる。ポリオレフィン樹脂
(B)を上記割合で用いると、柔軟性に優れた発泡体を
提供し得る、流動性が良好な発泡性熱可塑性エラストマ
ー組成物が得られる。
【0052】SiH基含有化合物(C) 本発明で用いられるSiH基含有化合物(C)は、エチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合
体ゴム(A)と反応し、架橋剤、ヒドロシリル化反応剤
として作用する。このSiH基含有化合物(C)は、そ
の分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例え
ば線状、環状、分岐状構造あるいは三次元網目状構造の
樹脂状物などでも使用可能であるが、1分子中に少なく
とも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に直結した
水素原子、すなわちSiH基を含んでいることが必要で
ある。
【0053】このようなSiH基含有化合物(C)とし
ては、通常、下記の一般組成式 R4 bcSiO(4-b-c)/2 で表わされる化合物を使用することができる。上記一般
組成式において、R4は、脂肪族不飽和結合を除く、炭
素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の置換または
非置換の1価炭化水素基であり、このような1価炭化水
素基としては、前記R1に例示したアルキル基の他に、
フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基たとえばトリフ
ロロプロピル基を例示することができる。中でも、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロ
プロピル基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好
ましい。
【0054】また、bは、0≦b<3、好ましくは0.
6<b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であ
り、cは、0<c≦3、好ましくは0.002≦c<
2、特に好ましくは0.01≦c≦1であり、かつ、b
+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦
2.7である。このSiH基含有化合物(C)は、1分
子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に
好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個
のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体
的には、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-
テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8-ペン
タメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴ
マー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハ
イドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチル
シロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジ
ェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封
鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端
シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロ
ジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイ
ドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分
子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチ
ルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R4 2(H)
SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなり、任意にR4 3
SiO1/2単位、R4 2SiO2/2単位、R4(H)SiO2/2
単位、(H)SiO3/2またはR4SiO3/2単位を含み得
るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
【0055】分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メ
チルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば
下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基
の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル
基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙
げられる。 (CH3)3SiO-(-SiH(CH3)-O-)d-Si(CH3)3 [式中のdは2以上の整数である。] 分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキ
サン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体として
は、下式で示される化合物、さらには下式においてメチ
ル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニ
ル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが
挙げられる。 (CH3)3SiO-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(C
3)-O-)f-Si(CH3)3 [式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数で
ある。] 分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポ
リシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合
物、さらには下式においてメチル基の一部または全部を
エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピ
ル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0056】HOSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O
-)2-Si(CH3)2OH 分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メ
チルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たと
えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチ
ル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニ
ル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが
挙げられる。
【0057】HOSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)
e-(-SiH(CH3)-O-)f--Si(CH3)2OH [式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数で
ある。]分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ
基封鎖ジメチルポリシロキサンとしては、たとえば下式
で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一
部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、ト
リフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられ
る。
【0058】HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-
Si(CH3)2H [式中のeは1以上の整数である。] 分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メ
チルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば
下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基
の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル
基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙
げられる。
【0059】HSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)e
-Si(CH3)2H [式中のeは1以上の整数である。] 分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジ
メチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共
重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さら
には下式においてメチル基の一部または全部をエチル
基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等
で置換した化合物などが挙げられる。
【0060】HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-
(-SiH(CH3)-O-)h--Si(CH3)2H [式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数であ
る。] このような化合物は、公知の方法により製造することが
でき、たとえばオクタメチルシクロテトラシロキサンお
よび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、
末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,
3-ジハイドロ-1,1,3,3- テトラメチルジシロキサンなど
の、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロ
ジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在
下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させるこ
とによって容易に得ることができる。
【0061】SiH基含有化合物(C)は、エチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、0.01〜100重量
部、好ましくは0.01〜50重量部、より好ましくは
0.05〜25重量部、さらに好ましくは0.05〜1
5重量部、さらにより好ましくは0.05〜5重量部、
特に好ましくは0.1〜5重量部、最も好ましくは0.
2〜5重量部の割合で用いられる。SiH基含有化合物
(C)を上記範囲内の割合で用いると、耐圧縮永久歪み
性に優れるとともに、強度特性、押出時の耐ダイス汚れ
性(ダイスへの汚れ堆積物)に優れた成形体を形成でき
る熱可塑性エラストマー組成物が得られる。100重量
部を超える割合でSiH基含有化合物(C)を用いる
と、コスト的に不利になるので好ましくない。
【0062】また、エチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の架橋に関与する
脂肪族不飽和基に対するSiH基の割合(SiH基/脂
肪族不飽和基)は、0.02〜20、さらには0.05
〜10、特に0.07〜5であることが好ましい。触媒(D) 本発明で任意成分として用いられる触媒(D)は、付加
反応触媒であり、上記エチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)成分のアルケニ
ル基と、SiH基含有化合物(C)のSiH基との付加
反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するもの
であれば特に制限はなく、たとえば白金系触媒、パラジ
ウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族元素よりなる付
加反応触媒(周期律表8族金属、8族金属錯体、8族金
属化合物等の8族金属系触媒)を挙げることができ、中
でも、白金系触媒が好ましい。
【0063】白金系触媒は、通常、付加硬化型の硬化に
使用される公知のものでよく、たとえば米国特許第2,
970,150号明細書に記載の微粉末金属白金触媒、
米国特許第2,823,218号明細書に記載の塩化白
金酸触媒、米国特許第3,159,601号公報明細書
および米国特許第159,662号明細書に記載の白金
と炭化水素との錯化合物、米国特許第3,516,94
6号明細書に記載の塩化白金酸とオレフィンとの錯化合
物、米国特許第3,775,452号明細書および米国
特許第3,814,780号明細書に記載の白金とビニ
ルシロキサンとの錯化合物などが挙げられる。より具体
的には、白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、白金−オ
レフィン錯体、白金−アルコール錯体、あるいはアルミ
ナ、シリカ等の担体に白金を担持させたものなどが挙げ
られる。
【0064】上記パラジウム系触媒は、パラジウム、パ
ラジウム化合物、塩化パラジウム酸等からなり、また、
上記ロジウム系触媒は、ロジウム、ロジウム化合物、塩
化ロジウム酸等からなる。上記以外の触媒(D)として
は、ルイス酸、コバルトカルボニルなどが挙げられる。
【0065】触媒(D)は、Pt金属として、エチレン
・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴ
ム(A)に対して、0.1〜100,000重量pp
m、通常0.1〜10,000重量ppm、好ましくは
0.2〜1,000重量ppm、より好ましくは0.5
〜500重量ppm、さらに好ましくは0.1〜100
重量ppm、特に好ましくは1〜30ppmの割合で用
いられる。
【0066】上記範囲内の割合で触媒(D)を用いる
と、動的架橋密度が適度で強度特性および耐圧縮永久歪
み性に優れる発泡体を形成できる発泡性熱可塑性エラス
トマー組成物が得られる。100,000重量ppmを
超える割合で触媒(D)を用いると、コスト的に不利に
なるので好ましくない。 [その他の成分]本発明で用いられる熱可塑性エラスト
マー組成物(I)は、エチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、ポリオレフィ
ン樹脂(B)、SiH基含有化合物(C)および触媒
(D)の他に、非架橋型ゴム状物質(E)を含んでいて
もよい。
【0067】この非架橋型ゴム状物質(E)は、SiH
基含有化合物(C)と混合し、加熱下で混練しても架橋
せず、流動性が低下しない炭化水素系のゴム状物質であ
り、具体的には、ポリイソブチレン、ブチルゴム、プロ
ピレン含量が55モル%以上のプロピレン・エチレン共
重合体ゴム、プロピレン・1-ブテン共重合体ゴムなどが
挙げられる。これらの内では、ポリイソブチレン、ブチ
ルゴムが性能および取扱い上好ましい。特にムーニー粘
度[ML(1+4)100℃]が60以下であるポリイ
ソブチレン、ブチルゴムが、組成物の流動性を改善する
点で好ましい。
【0068】なお、本発明において「架橋する」とは、
重合体をSiH基含有化合物(C)と熱反応させた際に
生じる分解反応と架橋反応の競争反応において、架橋反
応が多い結果、組成物中の重合体の見かけの分子量が増
大する現象をいい、また、「分解する」とは、分解反応
が多い結果、重合体の見かけの分子量が減少する反応現
象をいう。
【0069】上記の非架橋型ゴム状物質(E)は、必要
に応じて、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
ランダム共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン樹脂
(B)の合計量100重量部に対して、5〜100重量
部、好ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。ま
た、本発明で用いられる発泡性熱可塑性エラストマー組
成物は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンラ
ンダム共重合体ゴム(A)、ポリオレフィン樹脂(B)
および非架橋型ゴム状物質(E)の他に、鉱物油系軟化
剤(F)を含んでいてもよい。
【0070】このような鉱物油系軟化剤(F)として
は、通常ゴムをロール加工する際ゴムの分子間力を弱
め、加工を容易にするとともにカーブンブラック、ホワ
イトカーボン等の分散を助け、あるいは加硫ゴムの硬度
を低下せしめて柔軟性を増す目的で使用されている高沸
点の石油留分が挙げられる。この石油留分は、パラフィ
ン系、ナフテン系、あるいは芳香族系等に区分されてい
る。
【0071】この鉱物油系軟化剤(F)は、エチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)およびポリオレフィン樹脂(B)の合計量100
重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは5〜8
0重量部、さらに好ましくは20〜40重量部の割合で
用いられる。上記のような割合で鉱物油系軟化剤(F)
を用いると、発泡体の耐熱性、引張特性等の物性を低下
させることなく、発泡性熱可塑性エラストマー組成物の
流動性を十分に改善することができる。
【0072】本発明においては、上記鉱物油系軟化剤
(F)の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要
に応じて、他の軟化剤を用いることができる。本発明に
おいて必要に応じて用いられる鉱物油系軟化剤(F)以
外の軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤が適
当であり、具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラ
フィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリ
プロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等の
合成石油系物質;コールタール、コールタールピッチ等
のコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大
豆油、椰子油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウ
バロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、12- 水酸化ステアリン酸、モンタ
ン酸、オレイン酸、エルカ酸等の脂肪酸またはその金属
塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポ
リプロピレン等の合成高分子;ジオクチルフタレート、
ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエス
テル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、
液状ポリブタジエンまたはその変性物あるいは水添物、
液状チオコールなどが挙げられる。
【0073】さらに、本発明で用いられる熱可塑性エラ
ストマー組成物(I)中に、必要に応じて、従来公知の
耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、帯電防止剤、充
填剤、着色剤、滑剤、反応抑制剤(G)など添加剤を、
本発明の目的を損なわない範囲で配合することができ
る。本発明で触媒(D)とともに任意成分として用いら
れる反応抑制剤(G)としては、ベンゾトリアゾール、
エチニル基含有アルコール(たとえばエチニルシクロヘ
キサノール等)、アクリロニトリル、アミド化合物(た
とえばN,N-ジアリルアセトアミド、N,N-ジアリルベンズ
アミド、N,N,N',N'-テトラアリル-o-フタル酸ジアミ
ド、N,N,N',N'-テトラアリル-m-フタル酸ジアミド、N,
N,N',N'-テトラアリル-p-フタル酸ジアミド等)、イオ
ウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン化
合物(たとえばトリフェノールホスフィン、トリフェニ
ルホスフィン等)、スズ、スズ化合物、テトラメチルテ
トラビニルシクロテトラシロキサン、ビニルメチルポリ
シロキサン、ビニルフェニルポリシロキサン、ハイドロ
パーオキサイド等の有機過酸化物などが挙げられる。
【0074】反応抑制剤(G)は、エチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)1
00重量部に対して、0〜50重量部、通常0.000
1〜25重量部、好ましくは0.001〜15重量部、
より好ましくは0.001〜10重量部、さらに好まし
くは0.01〜5重量部、特に好ましくは0.05〜1
重量部の割合で用いられる。
【0075】50重量部以下の割合で反応抑制剤(G)
を用いると、動的架橋速度を制御することができるた
め、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダ
ム共重合体ゴム(A)とポリオレフィン樹脂(B)の構
造制御が容易となり、エチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)を細かく分散さ
せた外観に優れる成形体を調製できる熱可塑性エラスト
マー組成物が得られる。50重量部を超える割合で反応
抑制剤(G)を用いると、コスト的に不利になるので好
ましくない。
【0076】[熱可塑性エラストマー組成物(I)の調
製方法]本発明で用いられる熱可塑性エラストマー組成
物(I)は、上述したエチレン・α- オレフィン・非共
役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、ポリオレフ
ィン樹脂(B)と、必要に応じ非架橋型ゴム状物質
(E)、鉱物油系軟化剤(F)等とを含有するブレンド
物を、SiH基含有化合物(C)および必要に応じ触媒
(D)、反応抑制剤(G)の存在下で、動的に熱処理す
ることにより得ることができる。
【0077】上記の「動的に熱処理する」とは、上記の
ような各成分を融解状態で混練することをいう。動的な
熱処理は、解放型のミキシングロール、非解放型のバン
バリーミキサー、ニーダー、一軸または二軸押出機、連
続ミキサーなどの混練装置を用いて行なわれるが、非開
放型の混練装置中で行なうことが好ましい。これらの中
でも特に、二軸押出機を用いることが好ましい。また、
動的な熱処理は、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気
下で行なうことが好ましい。
【0078】また、混練温度は、通常150〜280
℃、好ましくは、170〜240℃であり、混練時間
は、1〜20分間、好ましくは1〜5分間である。ま
た、混練の際に加えられる剪断力は、通常、剪断速度で
10〜104 sec-1、好ましくは102 〜104 se
-1の範囲内で決定される。本発明において動的熱処理
を行なう際の好ましい方法としては、たとえば以下の第
1および第2の方法が挙げられる。 (1)第1の方法 まず、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンラン
ダム共重合体(A)、ポリオレフィン樹脂(B)、Si
H基含有化合物(C)、および必要に応じて非架橋型ゴ
ム状物質(E)、鉱物油系軟化剤(F)等をバンバリー
ミキサーに代表されるバッチ式ミキサーで混練した後、
シート化し、カッティングすることにより角ペレットを
調製する。次いで、その角ペレットを触媒と高速ミキサ
ーなどで撹拌混合し、得られた混合物を二軸押出機にフ
ィードする。さらに、この押出機の第2フィード口から
適当な溶媒に溶解させた触媒(D)、反応抑制剤(G)
を必要に応じて供給し、二軸押出機内で動的熱処理する
ことにより動的架橋を行なう。 (2)第2の方法 まず、軟化剤が予め油展されていてもよいペレット状の
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)、ペレット状のポリオレフィン樹脂
(B)、SiH基含有化合物(C)、および必要に応じ
てペレット状の非架橋型ゴム状物質(E)を高速ミキサ
ーで撹拌混合し、二軸押出機のメイン供給口からフィー
ドする。さらに、この押出機の第2のフィード口から、
適当な溶媒に溶解させた触媒(D)、反応抑制剤(G)
を必要に応じてフィードし、押出機内で動的熱処理する
ことにより動的架橋を行なう。さらに、必要に応じて、
第3のフィード口から鉱物油系軟化剤(F)をフィード
してもよい。
【0079】上記のようにしてエチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)が動的
架橋された熱可塑性エラストマー組成物(I)が得られ
る。なお、本発明において、熱可塑性エラストマー組成
物(I)が動的架橋された度合いは、下記の方法で測定
したゲル含量で表わすことができ、ゲル含量が10重量
%以上、好ましくは20重量%以上、特に好ましくは3
0重量%以上であることが望ましい。 [ゲル含量の測定法]熱可塑性エラストマー組成物の試
料を約100mg秤量し、これを0.5mm×0.5m
m×0.5mmの細片に裁断し、次いで、得られた細片
を密閉容器中にて30mlのシクロヘキサンに、23℃
で48時間浸漬する。
【0080】次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温
で72時間以上、恒量になるまで乾燥する。この乾燥残
渣の重量から、ポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶
性成分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減
じた値を、「補正された最終重量(Y)」とする。
【0081】一方、試料の重量から、ポリマー成分以外
のシクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重
量、およびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成
分(繊維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた
値を、「補正された初期重量(X)」とする。ここに、
ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)は、次の式で求め
られる。
【0082】ゲル含量[重量%]=[補正された最終重
量(Y)/補正された初期重量(X)]×100発泡剤(II) 本発明で用いられる発泡剤(II)としては、従来公知の
各種発泡剤が好ましく用いられる。
【0083】従来公知の発泡剤は、化学発泡剤と物理発
泡剤とに大別することができるが、第1の好ましい発泡
剤は、物理発泡剤(発泡時に化学反応を必ずしも伴わな
い発泡剤)である。物理発泡剤としては、有機系物理発
泡剤と無機系物理発泡剤があるが、ともに好ましく用い
られる。
【0084】有機系物理発泡剤としては、プロパン、ブ
タン、ペンタン、ヘキサン等の各種脂肪族炭化水素類;
ジクロルエタン、ジクロルメタン等の各種塩化炭化水素
類;フロン等の各種フッ化塩化炭化水素類が特に好まし
い。また、無機系物理発泡剤としては、空気、炭酸ガ
ス、窒素、水などが特に好ましい。また、化学発泡剤で
あっても、熱分解型の化学発泡剤は、本発明の第2の好
ましい発泡剤として用いることができる。熱分解型の化
学発泡剤としては、有機系のもの、無機系のもの、共に
好ましく用いられる。
【0085】有機系の熱分解型発泡剤としては、アゾ化
合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバ
ジド化合物、アジド化合物、トリアゾール化合物などが
好ましく用いられる。また、無機系の熱分解型発泡剤と
しては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等
の重炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭
酸塩、亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩、水素化合物な
どが好ましく用いられる。
【0086】上記各種発泡剤の中で、実用上特に好まし
い発泡剤として、炭酸水素ナトリウム、1,1-アゾビス
(1-アセトキシ-1- フェニルエタン)、ジメチル-2,2'-
アゾビスブチレート、2,2'- アゾビス(2,4,4-トリメチ
ルペンタン)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カル
ボニトリル)、2,2'-アゾビス[N-(2-カルボキシエチ
ル)-2-メチル-プロピオンアミジン]、水、炭酸ガス、
炭化水素を挙げることができる。また、水、炭酸ガスお
よび炭化水素から選ばれる少なくとも1種を樹脂カプセ
ル化した発泡剤も、実用上特に好ましい発泡剤である。
【0087】本発明においては、反応型の化学発泡剤の
使用を排除するものではなく、第3の発泡剤として反応
型の化学発泡剤を適宜使用することができる。たとえば
イソシアネート化合物、重炭酸ナトリウムと酸とを組み
合わせた発泡剤、過酸化水素とイースト菌とを組み合わ
せた発泡剤、亜鉛粉末と酸とを組み合わせた発泡剤等の
各種反応型発泡剤を、本発明に使用することができる。
【0088】本発明においては、発泡剤(II)の架橋ト
ルク保持率は、通常5%以上、好ましくは10%以上、
より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以
上、さらにより好ましくは40%以上、特に好ましくは
50%以上、最も好ましくは60%以上であることが望
ましい。この架橋トルク保持率は、下記のようにして発
泡剤配合後のゴム配合物の架橋トルクME2と発泡剤配合
前のゴム配合物の架橋トルクME1を測定し、下式より算
出することができる。
【0089】 架橋トルク保持率(%)=(ME2 /ME1 )×100 <発泡剤配合前のゴム配合物の架橋トルクME1>後述の
製造例1で得られた油展エチレン・プロピレン・5-ビニ
ル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)1
00重量部と、FEF級カーボンブラック[旭カーボン
(株)製、商品名 旭#60G]100重量部と、パラ
フィン系オイル[出光興産(株)製、商品名 PW−3
80]35重量部と、架橋剤として(CH3)3SiO−
[−SiH(CH3)−O−]6−[−Si(CH3)2−O−]1
[−Si(C66)2−O−]1−Si(CH3)3 4重量部と、
触媒として塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶
液0.075重量部と、反応抑制剤として1-エチニル-1
-シクロヘキサノール0.05重量部とを、JIS K
6395(1997年)のA1法に従って混練する。こ
の混練手順は、上記ゴム(A−1)にカーボンブラッ
ク、パラフィン系オイルを加え、次いで、加硫促進剤お
よびイオウの代わりに架橋剤を加え、これらの成分がゴ
ムに全量混ざるのを確認した後、反応抑制剤を加えゴム
(A−1)に全量混ざるのを確認し、次いで、触媒を加
えてゴム(A−1)に全量混ざるのを確認後、A1法に
従い混練した。
【0090】次いで、上記のようにして得られた混練物
の架橋トルクを、JIS K6300(1994年)に
従い、160℃で測定する。このようにして測定した架
橋トルクが、発泡剤配合前のゴム配合物の架橋トルクM
E1である。 <発泡剤配合後のゴム配合物の架橋トルクME2>後述の
製造例1で得られた油展エチレン・プロピレン・5-ビニ
ル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)1
00gと、FEF級カーボンブラック[旭カーボン
(株)製、商品名 旭#60G]100gと、パラフィ
ン系オイル[出光興産(株)製、商品名 PW−38
0]35gと、架橋剤として(CH3)3SiO−[−SiH
(CH3)−O−]6−[−Si(CH3)2−O−]1−[−Si(C
66)2−O−]1−Si(CH3)3 4gと、触媒として塩化
白金酸の2%イソプロピルアルコール溶液0.075g
と、反応抑制剤として1-エチニル-1-シクロヘキサノー
ル0.05gと、各種発泡剤(発泡剤の種類によりその
配合量は異なるが、いずれも上記ゴム(A−1)100
gに対して0.01モルの割合で添加される。)とを、
JIS K6395(1997年)のA1法に従って混
練する。この混練手順は、上記ゴム(A−1)にカーボ
ンブラック、パラフィン系オイルを加え、次いで、加硫
促進剤およびイオウの代わりに架橋剤を加え、これらの
成分がゴムに全量混ざるのを確認した後、発泡剤を加え
ゴム(A−1)に全量混ざるのを確認し、次いで、反応
抑制剤を加えゴム(A−1)に全量混ざるのを確認し、
次いで、触媒を加えてゴム(A−1)に全量混ざるのを
確認後、A1法に従い混練した。
【0091】次いで、上記のようにして得られた混練物
の架橋トルクを、JIS K6300(1994年)に
従い、160℃で測定する。このようにして測定した架
橋トルクが、発泡剤配合後のゴム配合物の架橋トルクM
E2である。また本発明においては、発泡剤(II)の分子
量、1分子中の窒素原子数、および1分子中の硫黄原子
数が、下式 [(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子
数)2]/分子量 ≦ 0.18 を満たしていることが望ましい。
【0092】この式の左辺の値は、好ましくは0.15
以下、より好ましくは0.10以下、さらに好ましくは
0.05以下、特に好ましくは0.02以下、最も好ま
しくは0.01以下である。これらの発泡剤(II)は、
熱可塑性エラストマー組成物(I)100重量部または
熱可塑性エラストマー組成物(I)と後述のオレフィン
系プラスチック(III)との合計量100重量部に対し
て、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の
割合で用いられる。
【0093】また、必要に応じて発泡助剤を加えること
もでき、発泡助剤としては、亜鉛、カルシウム、鉛、
鉄、バリウム等の金属化合物、サリチル酸、フタル酸、
ステアリン酸等の有機酸、あるいは尿素またはその誘導
体などが用いられる。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の
低下、分解促進、気泡の均一化などの働きを示す。発泡
助剤の添加が動的熱処理の前、または動的熱処理の際で
ある場合には、ヒドロシリル化反応を阻害しない種類お
よび量の発泡助剤とすることが好ましい。
【0094】オレフィン系プラスチック(III) 本発明で必要に応じて用いられるオレフィン系プラスチ
ック(III)は、炭素原子数が2〜20のα- オレフィ
ンの含有量が50〜100モル%である単独重合体ある
いは共重合体であって、具体的には、以下のような単独
重合体または共重合体が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα- オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレート等のビニルモ
ノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα- オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1-ブテン単独重合体 (7)1-ブテンと10モル%以下の他のα- オレフィン
とのランダム共重合体 (8)4-メチル-1- ペンテン単独重合体 (9)4-メチル-1- ペンテンと20モル%以下の他のα
- オレフィンとのランダム共重合体 上記のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレ
ン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1- ペンテン、1-
ヘキセン、1-オクテンなどが挙げられる。
【0095】上記のオレフィン系プラスチックの中で
も、プロピレン単独重合体と、プロピレン含量が50モ
ル%以上のプロピレン・α- オレフィン共重合体が特に
好ましい。上記のようなオレフィン系プラスチック(II
I)は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。
【0096】オレフィン系プラスチック(III)は、メ
ルトフローレート(MFR;ASTM D1238,230℃、2.16k
g荷重)が好ましくは0.01〜2g/10分、さらに
好ましくは0.02〜2g/10分の範囲にある。上記
のようなメルトフローレートを有するオレフィン系プラ
スチック(III)を用いると、得られる発泡性熱可塑性
エラストマー組成物のメルトテンションを向上させこと
ができ、高発泡倍率の発泡体を得ることができる。
【0097】オレフィン系プラスチック(III)は、前
記熱可塑性エラストマー組成物(I)100重量部に対
して、0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部の割
合で用いられる。上記のような割合でオレフィン系プラ
スチック(III)を用いると、柔軟性に優れた高発泡倍
率の発泡体が得られるため好ましい。また、本発明にお
いては、オレフィン系プラスチック(III)は、熱可塑
性エラストマー組成物(I)を調製した後、添加しても
よいし、熱可塑性エラストマー組成物(I)の調製の際
に予め添加されていてもよい。
【0098】その他の成分 本発明においては、発泡性熱可塑性エラストマー組成物
中に、必要に応じて、公知の充填剤、耐熱安定剤、老化
防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワッ
クス等の滑剤、顔料、染料、核剤、難燃剤、ブロッキン
グ防止剤などの各種添加剤を、本発明の目的を損なわな
い範囲で、添加することができる。各種添加剤の添加が
動的熱処理の前、または動的熱処理の際である場合に
は、ヒドロシリル化反応を阻害しない種類および量の各
種添加剤を用いることが望ましい。
【0099】上記充填剤としては、通常ゴムに使用され
る充填剤が適当であり、具体的には、炭酸カルシウム、
珪酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、
けいそう土、雲母粉、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸
アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二
硫化モリブデン、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルー
ン、グラファイト、アルミナなどが挙げられる。
【0100】これらの充填剤は、熱可塑性エラストマー
組成物(I)100重量部または熱可塑性エラストマー
組成物(I)とオレフィン系プラスチック(III)との
合計量100重量部に対して、0〜40重量部、好まし
くは1〜30重量部の割合で用いられる。また、本発明
において必要に応じて用いられる公知の耐熱安定剤、老
化防止剤、耐候安定剤としては、フェノール系、サルフ
ァイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、ア
ミン系安定剤などが挙げられる。
【0101】熱可塑性エラストマー発泡体の調製 本発明に係る熱可塑性エラストマー発泡体を調製する第
一の方法においては、まず、エチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、ポリオ
レフィン樹脂(B)等の各成分を特定の割合で配合した
混合物を、SiH基含有化合物(C)および必要に応じ
触媒(D)、反応抑制剤(G)の存在下で動的に熱処理
して熱可塑性エラストマー組成物(I)を調製する。こ
の組成物(I)の調製方法の詳細は、既に上述した通り
である。
【0102】次に、上記のようにして得られた熱可塑性
エラストマー組成物(I)に、発泡剤(II)および必要
に応じオレフィン系プラスチック(III)を上述した特
定の割合で、および必要であれば更に発泡助剤、湿潤剤
等の配合物を配合し、発泡性熱可塑性エラストマー組成
物を調製する。ここで、発泡剤(II)とオレフィン系プ
ラスチック(III)は別々に混合してもよく、まず熱可
塑性エラストマー組成物(I)にオレフィン系プラスチ
ック(III)を配合し、その後発泡剤(II)を混合する
ことができるし、またこの混合の順序を逆にしてもよ
い。
【0103】熱可塑性エラストマー組成物(I)、熱分
解型の発泡剤(II)および必要に応じオレフィン系プラ
スチック(III)を配合する際の方法としては、たとえ
ば熱可塑性エラストマー組成物(I)のペレット、発泡
剤(II)および必要に応じオレフィン系プラスチック
(III)を一旦タンブラー型ブラベンダー、V型ブラベ
ンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混
練した後、必要であれば解放型のミキシングロールや非
解放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続
ミキサー等で混練する方法を挙げることができる。
【0104】本発明に係る熱可塑性エラストマー発泡体
を調製する第一の方法においては、第1の好ましい発泡
剤である物理発泡剤、第2の好ましい発泡剤である熱分
解型の化学発泡剤、および第3の発泡剤である反応型の
化学発泡剤のいずれをも、好適に用いることができる。
本発明に係る熱可塑性エラストマー発泡体を調製する第
二の方法においては、必須成分である発泡剤(II)を、
熱可塑性エラストマー組成物(I)の調製、すなわち動
的熱処理の前、または動的熱処理の際に配合する。
【0105】動的熱処理の前に発泡剤(II)を配合する
場合には、少なくとも、エチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、ポリオレフ
ィン樹脂(B)および発泡剤(II)を特定の割合で予め
混合し、SiH基含有化合物(C)および必要に応じ触
媒(D)、反応抑制剤(G)の存在下で動的熱処理を行
なう。この結果、熱可塑性エラストマー組成物(I)と
発泡剤(II)とを含んでなる発泡性熱可塑性エラストマ
ー組成物が調製される。オレフィン系プラスチック(II
I)、各種配合剤、等の任意成分は、動的熱処理の前、
動的熱処理の際、または動的熱処理の後に、適宜添加す
ることができる。
【0106】動的熱処理の際に発泡剤(II)を配合する
場合には、少なくとも、エチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびポリオ
レフィン樹脂(B)を特定の割合で配合した混合物を、
SiH基含有化合物(C)および必要に応じ触媒
(D)、反応抑制剤(G)の存在下で動的に熱処理して
熱可塑性エラストマー組成物(I)を調製する。この動
的熱処理の際に、同時に特定割合の発泡剤(II)を配合
する。この結果、熱可塑性エラストマー組成物(I)と
発泡剤(II)とを含んでなる発泡性熱可塑性エラストマ
ー組成物が調製される。オレフィン系プラスチック(II
I)、各種配合剤、等の任意成分は、動的熱処理の前、
動的熱処理の際、または動的熱処理の後に、適宜添加す
ることができる。
【0107】動的熱処理の方法の詳細は、既に述べたと
おりである。第二の方法においては、動的熱処理におい
て発泡剤(II)が存在するので、ヒドロシリル化反応を
阻害しない発泡剤の使用が好ましい。すなわち、発泡剤
(II)としては、第1の好ましい発泡剤である物理発泡
剤、および/または、第2の好ましい発泡剤である熱分
解型の化学発泡剤が好適に用いられる。また、第3の発
泡剤である反応型の化学発泡剤であっても、架橋トルク
が10%以上のものは、第二の方法において好ましく用
いることができる。
【0108】耐候安定剤、耐熱安定剤、老化防止剤、着
色剤等は、ヒドロシリル化反応を阻害しない範囲で、前
記工程のいずれの段階において配合してもよい。次に、
上記のようにして得られた発泡性熱可塑性エラストマー
組成物から発泡体を調製する方法としては、従来より発
泡成形品を得るために用いられている押出成形、プレス
成形、射出成形、カレンダー成形等の各種の成形方法を
採用することができる。
【0109】押出成形方法により発泡体を調製する方法
としては、たとえば上述した発泡性熱可塑性エラストマ
ー組成物を押出機で溶融し、ダイから押し出すとともに
発泡させて発泡体を成形したり、あるいは押出機中で発
泡させた組成物をダイから押し出して発泡体を成形する
方法がある。押出時の樹脂温度は110〜250℃の範
囲が好ましい。
【0110】また、プレス成形方法により発泡体を調製
する方法としては、たとえば上述した発泡性熱可塑性エ
ラストマー組成物のペレットをプレス成形機の加熱した
金型内に挿入し、型圧をかけながら、もしくは型圧をか
けることなく、組成物を溶融させた後発泡せしめて発泡
体を成形する方法がある。金型の温度は110〜250
℃の範囲が好ましい。
【0111】射出成形方法により発泡体を調製する方法
としては、たとえば上述した発泡性熱可塑性エラストマ
ー組成物を射出成形機で加熱溶融した後、ノズル先端部
で発泡せしめるようして金型内に射出し、発泡体を成形
する方法がある。射出時の樹脂温度は110〜250℃
の範囲が好ましい。また、発泡剤(II)として二酸化炭
素または水を用いる場合、これらは、熱可塑性エラスト
マー組成物(I)と必要に応じて用いられるオレフィン
系プラスチック(III)の合計量100重量部に対し
て、0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量
部、さらに好ましくは0.2〜20重量部の割合で用い
られる。二酸化炭素または水の使用量が0.1重量部未
満では充分な発泡倍率が得られず、また30重量部を超
えると、二酸化炭素または水の膨張力が大きいため、発
泡体表面が水膨れ状になり、外観不良になり易い。
【0112】二酸化炭素または水は、成形機中で溶融し
た熱可塑性エラストマー組成物(I)中、あるいは熱可
塑性エラストマー組成物(I)とオレフィン系プラスチ
ック(III)との混合物中に添加され、混合される。さ
らに二酸化炭素を用いる場合には、溶融した熱可塑性エ
ラストマー組成物(I)、あるいは熱可塑性エラストマ
ー組成物(I)とオレフィン系プラスチック(III)と
の混合物への溶解性、浸透性、拡散性の点から、成形機
内部で超臨界状態になっていることが好ましい。超臨界
状態とは、温度および圧力が、それぞれ臨界温度および
臨界圧力よりも大である状態をいう。臨界温度および臨
界圧力については、「岩波 理化学辞典第5版」の第3
05頁(発行所(株)岩波書店)等に記載されている。
【0113】成形機中の溶融した熱可塑性エラストマー
組成物(I)中、あるいは熱可塑性エラストマー組成物
(I)とオレフィン系プラスチック(III)との混合物
中に、これらの発泡剤を添加する方法としては、たとえ
ば気体状態の二酸化炭素または水を直接あるいは加圧し
た状態で注入する方法、液体状態の二酸化炭素をプラン
ジャーポンプ等で添加する方法などが挙げられる。
【0114】また、二酸化炭素を用いる場合には、必要
に応じて熱分解型の発泡剤や無機微粉末などの発泡核剤
を併せて用いることも有効である。上記のような方法に
より得られた熱可塑性エラストマー発泡体は、発泡倍率
が1.3倍以上、通常2〜10倍である。本発明に係る
自動車用部品、電器部品および建築用部品は、上記のよ
うな熱可塑性エラストマー発泡体からなっている。
【0115】本発明に係る熱可塑性エラストマー発泡体
の用途としては、たとえば、インスツルメントパネル表
皮、ドア表皮、インスツルメントパネル表皮やドア表皮
の裏打ち発泡体、ドアトリム、ピラー、コンソールボッ
クス、ステアリングホイール、ギアレバー、エアーボッ
クス、ダッシュボード、取り替え式座席シート、デフガ
ーニッシュ、カールトップガーニッシュ、天井材、ウェ
ザーストリップスポンジ、トランクルームの内張り、エ
ンジンルームの内張り、バンパー、フェンダー、ボンネ
ットの表層、サイドシールド、クッション等の自動車部
品;ハンドルの握り、ヘルメットの内側、座席、レーシ
ングスーツの表層等の二輪部品;マウス、キーボード、
OAハウジング、マウスパッド、デスクマット、ヘッド
ホーン、電卓、電話の受話器、PHS、その他の携帯電
話等の筐体等のOA機器関連の部品・製品;システム手
帳、財布、ノート、ファイル、バッグ、便座、ペンシ
ル、ボールペン、万年筆、カーペット、包丁の柄、植木
鋏のグリップ等の雑貨;草履、下駄、スリッパ、靴底、
サンダル等の履物;電線被覆、コネクター、キャップ、
プラグ等の電機部品;止水板、シールスポンジ、騒音防
止壁等の土木資材;ゴルフクラブのグリップ、野球バッ
トグリップ、テニスラケットグリップ、水泳用フィン、
水中眼鏡等のレジャー用品;ガスケット、防水布、ガー
デンホース、ベルト、工業用パッキン等の工業用雑品な
どが挙げられる。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、高発泡倍率で、表面肌
に優れるとともに、耐圧縮永久歪み性にも優れる熱可塑
性エラストマー発泡体を簡便かつ低コストに調製するこ
とができる発泡性熱可塑性エラストマー組成物、および
その発泡体を提供することができる。
【0117】本発明に係る熱可塑性エラストマー発泡体
は、動的架橋時にパーオキサイドを用いた場合のよう
に、たとえばポリプロピレンが分解することが無いた
め、発泡倍率が高く、さらに発泡倍率が2倍以上という
高発泡でも脱泡による肌荒れがなく、柔軟な感触があ
る。しかも、その発泡体の構成成分であるエチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)部が部分的に架橋されているため、耐熱性、引張
特性、柔軟性、耐候性、反発弾性等のゴム的性質が優れ
ており、また、加硫ゴムに較べ、リサイクルにも適して
いる。
【0118】本発明によれば、上記のような効果を有す
る熱可塑性エラストマー発泡体を簡略化した工程で生産
性よく製造することができる。また、本発明に係る自動
車用部品、電器部品および建築用部品は、上記のような
効果を有する発泡体からなるので、表面肌および耐圧縮
永久歪み性に優れている。
【0119】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例で用いた共重合体ゴムの組
成、ヨウ素価、極限粘度[η]、分子量分布(Mw/M
n)、γ2/γ1、有効網目鎖密度(ν)、γ2/γ1と有
効網目鎖密度(架橋密度の指標)との関係は、次のよう
な方法で測定ないし求めた。 (1)共重合体ゴムの組成 共重合体ゴムの組成は、13C−NMR法で測定した。 (2)共重合体ゴムのヨウ素価 共重合体ゴムのヨウ素価は、滴定法により求めた。 (3)極限粘度[η] 共重合体ゴムの極限粘度[η]は、135#Cデカリン中
で測定した。 (4)分子量分布(Mw/Mn) 共重合体ゴムの分子量分布は、GPCにより求めた重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)で表わした。GPCには、カラムに東ソー
(株)製のGMH−HT、GMH−HTLを用い、溶媒
にはオルソジクロロベンゼンを用いた。 (5)γ2/γ1 共重合体ゴムの100℃でのメルトフローカーブを求
め、ずり応力0.4×106dyn/cm2を示すときの
ずり速度γ1とずり応力2.4×106dyn/cm2
示すときのずり速度γ2との比(γ2/γ1)を求めた。
【0120】L/D=60mm/3mm (6)有効網目鎖密度(ν) JIS K 6258(1993年)に従い、トルエン
に37℃×72時間浸漬させ、Flory-Rehnerの式より有
効網目鎖密度を算出した。
【0121】
【数1】
【0122】υR :膨潤した架橋ゴム中における膨潤し
た純ゴムの容積(純ゴム容積+吸収した溶剤の容積)に
対する純ゴムの容積分率 μ :ゴム−溶剤間の相互作用定数=0.49 V0 :溶剤の分子容 ν(個/cm3) :有効網目鎖密度。純ゴム1cm3中の
有効網目鎖の数。
【0123】サンプルの作製:共重合体ゴム100gに
対し、ジクミルパーオキサイド0.01モルを添加し、
混練温度50℃で8インチロールオープンロールを用い
て、日本ゴム協会標準規格(SRIS)に記載の方法に
より混練を行ない、得られた混練物を170℃で10分
間プレス架橋してサンプルを作製した。 (7)γ2/γ1と有効網目鎖密度(架橋密度の指標)と
の関係 Log(γ2/γ1)/νを計算により求めた。 (8)分岐指数 長鎖分岐を有しないEPR(分子量の異なる4サンプ
ル)について動的粘弾性試験機を用いて複素粘性率η*
の周波数分散を測定した。
【0124】0.01rad/secと8rad/se
cのときの複素粘性率η* を求め、複素粘性率η
1L *(0.01rad/sec)を縦軸に、複素粘性率η
2L *(8rad/sec)を横軸にプロットし、基準ライ
ンを作成し、そのラインの延長線上にあるη2L *=1×
103/Pa・s のときのη1L0 *を測定した。次に、対象
サンプルについても同様に、0.01rad/secと
8rad/secのときの複素粘性率η* を求め、複素
粘性率η1B *(0.01rad/sec)を縦軸に、複素
粘性率η2B *(8rad/sec)を横軸にプロットす
る。このプロットは基準ラインよりも大きな値となり、
長鎖分岐が多いほど基準ラインよりも大きく離れてい
く。
【0125】次に、このプロットの上を通るように基準
ラインを平行移動させ、複素粘性率η2 *=1×103/P
a・sとの交点η1B0 *を測定した。上記のようにして測定
したη1L0 *およびη1B0 *の値を下式に適用し、分岐指数
を算出した。 分岐指数=(logη1L0 * − logη1B0 *)×10 上記測定条件は、次の通りである。 ・基準サンプル:4種類のEPR 三井化学(株)製、タフマーP−0280、P−048
0、P−0680、P−0880(商品名) ・動的粘弾性試験機(RDS):Rheometric
s社 ・サンプル:2mmシートを直径25mmの円状に打ち
抜いて使用。 ・温 度 :190#C ・歪み率 :1% ・周波数依存:0.001〜500rad/sec また、実施例における発泡体の成形および基礎物性の評
価は、以下の方法により行った。 (試験方法) (1)押出成形 下記の装置条件でチューブ状発泡体および平板状発泡体
を押出成形した。
【0126】成形機:40mmφ押出機[東芝機械
(株)製] シリンダー最高温度:200℃ ダイ温度:150℃ ダイ:ストレートダイ ・チューブ状発泡体:ダイ/コア=12.5mm/1
0.0mm ・平板状発泡体:縦/横=2mm/15mm 引き取り速度:8m/分 (2)基本物性 上記(1)押出成形法によって得たチューブ状発泡体お
よび平板状発泡体から試験片を切削し、発泡倍率を下記
の方法により求めるとともに、これらの発泡体の外観、
感触および発泡の均一性を下記の方法により評価した。
【0127】a)発泡倍率:未発泡品の密度0.88g
/cm3を、発泡体の見かけ密度で除した値を発泡倍率
とした。 b)発泡体外観(表面肌):脱泡による表面の凹凸の有
無について観察し、発泡体の外観の評価を次の5段階で
評価した。表面が殆ど平滑なものを5、表面の凹凸が散
在するものを3、表面が脱泡により著しく荒れているも
のを1とし、表面の状態が5と3の中間にあるものを
4、表面の状態が3と1の中間にあるものを2で示し
た。
【0128】c)感触:チューブ状の発泡体を押してみ
て加硫ゴムスポンジライクな柔軟な感触が得られたもの
を5、樹脂ライクな硬い感触が得られたものを1とし、
その中間の感触が得られたものを柔軟な感触が得られた
ものからそれぞれ4、3、2で示した。
【0129】d)発泡の均一性:発泡体の切断面を目視
観察し、泡の大きさと形のバラツキで評価した。泡の大
きさと形が共に極めて均一なものを◎とし、泡がつなが
って大きくなった泡や、泡中のガスが抜けて偏平形状と
なったりして泡の大きさと形が共に極めてバラツキの大
きいものを×とし、中間のものを○、△の順序で示し
た。
【0130】
【製造例1】[油展エチレン・プロピレン・5-ビニル-2
- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)の製
造]攪拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステ
ンレス製重合器(攪拌回転数=250rpm)を用い
て、連続的にエチレンとプロピレンと5-ビニル-2- ノル
ボルネンとの三元共重合を行なった。重合器側部より液
相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを3.7k
g、プロピレンを12kg、5-ビニル-2- ノルボルネン
を240gの速度で、また水素を20リットル、触媒と
してVOCl3を22ミリモル、Al(Et)2Clを2
2ミリモル、Al(Et)1.5 Cl1.5を22ミリモル
の速度で連続的に供給した。
【0131】以上に述べたような条件で共重合反応を行
なうと、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボル
ネンランダム共重合体ゴムが均一な溶液状態で得られ
た。その後、重合器下部から連続的に抜き出した重合溶
液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止さ
せ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から
分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行なった。
【0132】次いで、この共重合体ゴム(A−1)に、
軟化剤[商品名 PW−380、出光興産(株)]を配
合し、ペレタイザー付き押出機を用い、油展エチレン・
プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合
体ゴム(A−1)のペレットを得た。上記のようにして
得られた油展エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノル
ボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)の物性を第1
表に示す。
【0133】
【製造例2】製造例1において、重合条件を表1の通り
に変えることにより、異なる性状の油展エチレン・プロ
ピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネンランダム共重合
体ゴム(A−2)のペレットを得た。得られた共重合体
ゴム(A−2)の物性を第1表に示す。
【0134】
【表1】
【0135】
【製造例3】[ポリプロピレン樹脂(PP−10)の製
造]撹拌機と滴下ロートを備えた300ml容量の四つ
口フラスコ内の空気を充分にアルゴンで置換し、そのフ
ラスコ内に、四塩化チタン10ml、トルエン100m
l、次いで、ジ-n-ブチルエーテル15.5mlを加
え、この溶液を25℃に保った。
【0136】その後、ジエチルアルミニウムクロリド
5.7mlとトルエン15mlを滴下ロートに仕込み、
この溶液を30分間かけて前記フラスコ中に滴下した。
滴下終了後、得られた反応液を更に25℃で2.5時
間、撹拌した。このようにして得られた液状反応生成物
のTi4+とTi3+の含有量を測定したところ、Ti3+
けが100%(仕込み四塩化チタンのモルに対して)検
出され、還元の完結が確認された。
【0137】さらに30分間撹拌した後、2.3gのヨ
ウ素を溶液に加え、反応溶液の温度を100℃まで1時
間で上昇させ、さらに1時間100℃で撹拌した。分
離、洗浄、減圧乾燥して14.5gの固体三塩化チタン
触媒が得られた。この固体三塩化チタン触媒の組成は、
アルミニウム含有量0.72重量%(塩化アルミニウム
換算)、ジ-n-ブチルエーテル含有量8.7重量%、ヨ
ウ素含有量0.65重量%であり、この触媒の比表面積
は、5m2/gであった。
【0138】内容積200リットルの撹拌機付き重合器
内の空気を充分にプロピレンで置換した後、液化プロピ
レン60kg、ジエチルアルミニウムクロリド60g、
上記固体三塩化チタン触媒1.1gを送入し、水素の存
在下65℃で4時間撹拌した。その後、イソブタノール
0.5リットルおよびプロピレンオキシド0.5リット
ルが入った200リットル内容積のオートクレーブに重
合スラリーを移送し、65℃で30分間撹拌し、静置後
上澄み液を抜き出した。続いて液化プロピレン60kg
を送入し、65℃で30分間撹拌し、静置後上澄み液を
抜き出した。この操作を3回繰り返した後、乾燥して粉
末重合体を得た。
【0139】次いで、得られた粉末重合体にフェノール
系酸化防止剤を0.2重量%添加し、直径65mmのス
クリューを有する造粒機でシリンダー温度230℃で造
粒し、ペレット状のポリプロピレン樹脂(PP−10)
を得た。このポリプロピレン樹脂(PP−10)は、メ
ルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)
が2.0g/10分、沸騰ヘプタン不溶部のアイソタク
チック・ペンタッド分率が0.965、沸騰ヘプタン可
溶部の含有量が6.8重量%であった。
【0140】
【実施例1】製造例1で得られたエチレン・プロピレン
・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(A−1)7
0重量部と、製造例3で得られたポリプロピレン樹脂
(PP−10)30重量部と、不飽和度が0.5%、ム
ーニー粘度[ML(1+4)100℃]が40であるブ
チルゴム(以下、IIR(E)と略す)30重量部と、
ナフテン系プロセスオイル[以下、オイル(F)と略
す;商品名 PW−380、出光興産(株)製]50重
量部と、(CH3)3SiO−[−SiH(CH3)−O−]6
[−Si(CH3)2−O−]1−[−Si(C66)2−O−]1
Si(CH3)30.5重量部と、触媒として塩化白金酸の
2%イソプロピルアルコール溶液0.1重量部と、1-エ
チニル-1-ヘキサノール(反応抑制剤)0.1重量部
と、トリフェノールホスフィン0.025重量部とを、
バンバリーミキサーにより窒素雰囲気下、180℃で5
分間混練した後、シーティングロールに通し、シートカ
ッターによりペレットを製造した。
【0141】次いで、上記のようにして得られたペレッ
トを、押出機を用いて窒素雰囲気下210℃で溶融混練
し押出して動的な熱処理を行ない、ゲル含量が58%で
ある熱可塑性エラストマー組成物(I−1)を得た。次
いで、上記のようにして得られた熱可塑性エラストマー
組成物(I−1)100重量部と、アゾジカルボンアミ
ド[ADCA;架橋トルク保持率=62%、[(1分子中
の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子数)2]/分子量
=0.136、永和化成工業(株)製、商品名 ビニホ
ールAC#3]1.5重量部とを、タンブラーブレンダ
ーにより混合した後、得られた発泡性熱可塑性エラスト
マー組成物を前記(1)の方法により押出成形し、得ら
れた発泡体の評価を上述した方法に従って行なった。
【0142】結果を第2表に示す。
【0143】
【実施例2】実施例1において、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(A−1)、
ポリプロピレン樹脂(PP−10)およびIIR(E)
の配合量をそれぞれ85重量部、15重量部、0重量部
に変更した以外は、実施例1と同様にして、ゲル含量が
74%の熱可塑性エラストマー組成物(I−2)を調製
した。
【0144】以下、この熱可塑性エラストマー組成物
(I−2)を用いて、実施例1と同様にして、発泡性熱
可塑性エラストマー組成物、さらにはその発泡体を調製
し、その発泡体の評価を実施例1と同様に行なった。結
果を第2表に示す。
【0145】
【実施例3】油展エチレン・プロピレン・5-ビニル-2-
ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)のペレッ
ト70重量部、ポリプロピレン樹脂(PP−10)のペ
レット30重量部、(CH3)3SiO−[−SiH(CH3)
−O−]6−[−Si(CH3)2−O−]1−[−Si(C66)2
−O−]1−Si(CH3)3 0.5重量部、1-エチニル-1-
シクロヘキサノール0.1重量部、およびトリフェノー
ルホスフィン0.025重量部を、ヘンシェルミキサー
で均一に混合した後、以下の二軸押出機のフィード口に
60kg/時間の割合でフィードした。さらに、触媒と
して塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶液を第
5バレルの液体注入ノズルから60kg/時間、オイル
(F)を第9バレルの液体注入ノズルから12kg/時
間の割合でそれぞれフィードし、動的架橋法によってオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物(I−3)のペ
レットを作製した。
【0146】押出機:東芝機械(株)製二軸押出機(品
番TEM−50A)、L/D=44 設定温度:B1/B2/B3/B4/B5/B6/B7/B8/B9/B10
/B11/B12/D=140/140/160/160/170/180/200/200/220
/220/220/220/220(℃) スクリュー回転数:300rpm [発泡体の調製]図1に示す装置すなわち、連続可塑化
装置としてスクリュー径40mmの第1押出機1とスク
リュー径50mmの第2押出機5を有するタンデム型の
押出機を使用し、第2押出機5の先端には、実施例1と
同一のダイスを装着した。図1中の符号9は、熱可塑性
エラストマー組成物(I−3)を供給するホッパー、符
号6は、第1押出機1から第2押出機5に熱可塑性エラ
ストマー組成物(I−3)を移送するライン、符号11
はマンドレルである。
【0147】発泡剤である二酸化炭素添加部は、第1押
出機1の中央付近に設けた。二酸化炭素は、サイホン式
の液化二酸化炭素ボンベ2を使用し、液相部分から直接
取り出せるようにした。液化二酸化炭素ボンベ2からプ
ランジャーポンプ3までの流路を冷媒循環器12を用い
て、−12℃に調節したエチレングリコール水溶液で冷
却し、二酸化炭素を液体状態でプランジャーポンプ3ま
で注入できるようにした。
【0148】次に、注入した液状二酸化炭素を7kg/
時間となるようプランジャーポンプ3を制御し、プラン
ジャーポンプ3の吐出圧力を30MPaとなるよう保圧
弁4にて調整した。次に、保圧弁4から第1押出機1の
二酸化炭素添加部までのラインを50℃となるようにヒ
ーター13で加熱し、二酸化炭素を第1押出機1内の溶
融した熱可塑性エラストマー組成物(I−3)に添加し
た。このときの添加部の溶融樹脂圧力は20MPaであ
った。つまり、この溶融した熱可塑性エラストマー組成
物(I−3)に溶解する直前の二酸化炭素は、温度が5
0℃以上、圧力が20MPaである超臨界状態であっ
た。このようにして、超臨界状態の二酸化炭素を流量計
14で測定しながら、溶融した熱可塑性エラストマー組
成物(I−3)100重量部に対して2重量部の割合で
第1押出機1内に添加し、スクリュー10で均一に混合
させた。
【0149】次に、この溶融した熱可塑性エラストマー
組成物(I−3)を第2押出機5へ送り、樹脂温度を1
88℃に調整し、7kg/時間の押出量でダイス7より
押し出し、発泡体8を得た。このときのダイス7の圧力
は8MPaであった。得られた発泡体8の評価を上述し
た方法に従って行なった。結果を第2表に示す。
【0150】
【比較例1】エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-
ノルボルネン共重合体ゴム(A−2)70重量部と、実
施例1と同じポリプロピレン樹脂(PP−10)30重
量部と、実施例1と同じブチルゴム(IIR(E))3
0重量部と、実施例1と同じオイル(F)50重量部と
を、バンバリーミキサーにより窒素雰囲気下、180℃
で5分間混練した後、シーティングロールに通し、シー
トカッターによりペレットを製造した。
【0151】次いで、上記のようにして得られたペレッ
ト180重量部と、有機過酸化物として1,3-ビス(tert
- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.3重量
部をジビニルベンゼン0.5重量部に溶解分散させた溶
液とをタンブラーブレンダーにより混合し、この溶液を
ペレット表面に均一に付着させた。次いで、このペレッ
トを、押出機を用いて窒素雰囲気下210℃で押し出し
て動的な熱処理を行ない、ゲル含量が32%である部分
架橋熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0152】上記のようにして得られた部分架橋熱可塑
性エラストマー組成物100重量部と、メルトフローレ
ート(ASTM-D-1238-65T,230℃、2.16kg荷重)が0.3
g/10分、密度が0.91g/cm3であるポリプロ
ピレン(以下、PP20(OP)と略す)5重量部と、
アゾジカルボンアミド(ADCA)1.5重量部とを、
タンブラーブレンダーにより混合した後、得られた発泡
性熱可塑性エラストマー組成物を前記(1)の方法によ
り押出成形し、得られた発泡体の評価を上述した方法に
従って行なった。
【0153】結果を第2表に示す。
【0154】
【比較例2】比較例1において、エチレン・プロピレン
・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(A−
2)、PP−10(B)およびIIR(E)の配合量を
それぞれ85重量部、15重量部、0重量部とした以外
は、比較例1と同様にして、ゲル含量が48%の部分架
橋熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0155】以下、この組成物を用い、比較例1と同様
にして、発泡性熱可塑性エラストマー組成物、さらには
その発泡体を調製し、その発泡体の評価を比較例1と同
様に行なった。結果を第2表に示す。
【0156】
【比較例3】比較例1において、PP20(OP)を用
いなかった以外は、比較例1と同様にして、発泡性熱可
塑性エラストマー組成物、さらにはその発泡体を調製
し、その発泡体の評価を比較例1と同様に行なった。結
果を第2表に示す。
【0157】
【比較例4】比較例1において、エチレン・プロピレン
・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム(A−
2)、PP−10(B)およびをIIR(E)の配合量
をそれぞれ85重量部、15重量部、0重量部とした以
外は、比較例1と同様にして、ゲル含量が48%の部分
架橋熱可塑性エラストマー組成物を調製した。
【0158】次いで、比較例1において、この組成物を
用い、PP20(OP)を用いなかった以外は、比較例
1と同様にして、発泡性熱可塑性エラストマー組成物、
さらにはその発泡体を調製し、その発泡体の評価を比較
例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0159】
【比較例5】実施例3において、(CH3)3SiO−[−
SiH(CH3)−O−]6−[−Si(CH 3)2−O−]1−[−
Si(C66)2−O−]1−Si(CH3)3 、1-エチニル-1-
シクロヘキサノールおよび塩化白金酸の2%イソプロピ
ルアルコール溶液を使用せずに、有機過酸化物である1,
3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン0.3重量部とジビニルベンゼン0.5重量部を用い
た以外は、実施例3と同様にして、ゲル含量が55%の
部分架橋熱可塑性エラストマー組成物を調製した。
【0160】以下、この組成物を用いて、実施例3と同
様にして、発泡性熱可塑性エラストマー組成物、さらに
はその発泡体を調製し、その発泡体の評価を実施例3と
同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0161】
【実施例4】実施例1において、発泡剤ADCAの代わ
りにバリウムアゾジカルボキシレート[架橋トルク保持
率=85%、[(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の
硫黄原子数)2]/分子量=0.016]1.5重量部を
用い、バンバリーミキサーで直接160℃で5分間混練
した以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第2表
に示す。また、得られた熱可塑性エラストマー組成物の
ゲル含量は48%であった。
【0162】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例3の発泡体調製において使用し
たタンデム型の押出機を含む装置の模式図である。
【符号の説明】
1 ・・・・・・ 第1押出機 2 ・・・・・・ サイホン式の液化二酸化炭素ボンベ 3 ・・・・・・ プランジャーポンプ 4 ・・・・・・ 保圧弁 5 ・・・・・・ 第2押出機 6 ・・・・・・ 移送ライン 7 ・・・・・・ ダイス 8 ・・・・・・ 発泡体 9 ・・・・・・ ホッパー 10 ・・・・ スクリュー 11 ・・・・ マンドレル 12 ・・・・ 冷媒循環器 13 ・・・・ ヒーター 14 ・・・・ 流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 5/541 5/541 C08L 23/08 C08L 23/08 23/10 23/10 (72)発明者 川 崎 雅 昭 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 Fターム(参考) 4F070 AA12 AA13 AA15 AA16 AB09 AB11 AB16 AC32 AC33 AC45 AC52 AC74 AC75 AE08 AE12 AE30 FA03 GA01 GA06 GB08 4F074 AA15D AA17 AA24 AA25 BA13 BA32 BA33 BA34 BA35 BA36 BA37 BA39 BA40 BA42 BA45 BA48 BA53 CA22 CA24 CA26 CB52 DA02 DA35 DA45 DA47 DA48 DA59 4J002 BB00X BB05W BB11X BB12X BB14X BB15W BB15X CP033 DA048 DA058 DA067 EC018 EK008 EN008 EP008 ET008 EU178 EV008 EW008 EX036 FD020 FD146 FD203 FD207 FD208 FD320 GL00 GN00 GQ00 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q AA21Q AS15R AU21R BC27R CA05 CA23 DA04 DA09 DA31 FA08 FA19 JA00 JA43 JA57 JA67

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレ
    フィンと非共役ポリエンとからなる、グラフト変性され
    ていてもよいエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
    ンランダム共重合体ゴム(A)40〜90重量部、およ
    びポリオレフィン樹脂(B)60〜10重量部[成分
    (A)と成分(B)との合計量は100重量部である]
    を、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基
    含有化合物(C)の存在下に、動的に熱処理することに
    より得られる熱可塑性エラストマー組成物(I)と、 発泡剤(II)とを含有してなることを特徴とする熱可塑
    性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
    リエンランダム共重合体ゴム(A)が、下記一般式
    [I]または[II]で表わされる少なくとも一種の末端
    ビニル基含有ノルボルネン化合物から導かれる構成単位
    を有することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物; 【化1】 [式中、nは0ないし10の整数であり、 R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
    であり、 R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基で
    ある]、 【化2】 [式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のア
    ルキル基である]。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性エラストマー組成物(I)
    が、前記SiH基含有化合物(C)および触媒(D)の
    存在下に、前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
    エンランダム共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン
    樹脂(B)を、動的に熱処理することにより得られるも
    のであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】前記の動的な熱処理が、反応抑制剤(G)
    の存在下で行われることを特徴とする請求項3に記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】前記ポリオレフィン樹脂(B)が、ポリプ
    ロピレン系樹脂であって、プロピレン単独重合体または
    プロピレンと、エチレンもしくは炭素原子数4〜20の
    α-オレフィンとからなるプロピレン・α- オレフィン
    共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】前記ポリプロピレン系樹脂が、沸騰ヘプタ
    ン不溶部のアイソタクチック・ペンタッド分率が0.9
    55以上で、かつ、沸騰ヘプタン可溶部の含有量が9重
    量%以下であることを特徴とする請求項5に記載の熱可
    塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】前記発泡剤(II)が、熱分解型発泡剤また
    は物理発泡剤であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 【請求項8】前記発泡剤(II)の架橋トルク保持率が5
    %以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  9. 【請求項9】前記発泡剤(II)の分子量、1分子中の窒
    素原子数、および1分子中の硫黄原子数が、下式 [(1分子中の窒素原子数)2+(1分子中の硫黄原子
    数)2]/分子量 ≦ 0.18 を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載の熱可塑性エラストマー組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の熱可塑
    性エラストマー組成物を加熱して得られることを特徴と
    する熱可塑性エラストマー発泡体。
  11. 【請求項11】発泡倍率が1.3倍以上であることを特
    徴とする請求項10に記載の熱可塑性エラストマー発泡
    体。
  12. 【請求項12】請求項10または11に記載の熱可塑性
    エラストマー発泡体からなることを特徴とする自動車用
    部品。
  13. 【請求項13】請求項10または11に記載の熱可塑性
    エラストマー発泡体からなることを特徴とする電器部
    品。
  14. 【請求項14】請求項10または11に記載の熱可塑性
    エラストマー発泡体からなることを特徴とする建築用部
    品。
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