JP2002293903A - 環状ポリエステルオリゴマーの製造方法、およびポリエステルの製造方法 - Google Patents

環状ポリエステルオリゴマーの製造方法、およびポリエステルの製造方法

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JP2002293903A
JP2002293903A JP2001092794A JP2001092794A JP2002293903A JP 2002293903 A JP2002293903 A JP 2002293903A JP 2001092794 A JP2001092794 A JP 2001092794A JP 2001092794 A JP2001092794 A JP 2001092794A JP 2002293903 A JP2002293903 A JP 2002293903A
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Keisuke Honda
圭介 本田
Tomoko Ichikawa
智子 市川
Masatoshi Aoyama
雅俊 青山
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高重合度ポリエステルの製造において、従来公
知の製造方法に比べ、経済性が高められた環状ポリエス
テルオリゴマーの製造方法。 【解決手段】環状ポリエステルオリゴマーの製造におい
て、ジカルボン酸とジオールとのエステル化反応を行う
際のジオール成分/ジカルボン酸成分の仕込みモル比が
1.0〜1.6となる範囲にある直鎖状ポリエステルオ
リゴマーを用いることを特徴とする環状ポリエステルオ
リゴマーの製造方法。更に、得られた環状ポリエステル
オリゴマーを開環重合して、ポリエステルを製造する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジカルボン酸とジ
オールとのエステル化反応から得られる直鎖状ポリエス
テルオリゴマーを用いた環状ポリエステルオリゴマーの
経済的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは、その優れた性質のゆえ
に、繊維用、フィルム用、ボトル用をはじめ広く種々の
分野で用いられている。なかでもポリアルキレンテレフ
タレ−トは機械的強度、化学特性、寸法安定性等に優
れ、好適に使用されている。また、その中でも、例えば
産業資材用途の繊維には高い強度が要求されており、ポ
リアルキレンテレフタレートを高分子量化することによ
って繊維強度を向上させる方法が提案されている。
【0003】一般にポリアルキレンテレフタレートは、
テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とアルキ
レングリコールから製造されるが、高分子量のポリマー
を製造する商業的なプロセスでは、溶融重合を行った
後、固相重合により高重合度化する方法が広く用いられ
ている。しかしながら、固相重合により高重合度化する
方法は以下に述べるような幾つかの好ましくない特性を
有している。
【0004】例えば、固相重合を行うにはポリエステル
チップの乾燥工程等の設備上のコストアップが大きく、
また、チップの滞留時間が長いことから、その生産性を
大きく改善することが求められている。
【0005】このような課題に対して、例えばWO96
/22319号公報では、溶融状態にある重合度5〜3
5のポリエチレンテレフタレートプレポリマーを、12
0〜210℃で冷却し、ペレット化と同時に結晶化させ
るか、または、重合度5〜35のペレット状の非晶質ポ
リエチレンテレフタレートプレポリマーを120〜21
0℃に急速に加熱して結晶化させたポリエチレンテレフ
タレートプレポリマーを230〜240℃で固相重合を
行う方法が提案されている。これにより、溶融重縮合工
程を省略して固相重合を行うことで、設備費の低減を提
案している。しかし、溶融重縮合を省略することによる
設備費の低減にはなっているものの、ポリエチレンテレ
フタレートを高重合度化させるためには、固相重合工程
にてかなりの反応時間を有するため、従来の生産性を改
善するには不十分である。
【0006】一方、環状ポリエステルオリゴマーを用い
た開環重合反応が注目を集めている。例えば、マクロモ
レキューズ(ブルネル、31(4782)、1998)
(Macromolecules(Daniel J. Brunelle, 31(4782), 199
8))に掲載されている環状ポリエステルオリゴマーの開
環重合に関して、極めて短時間に高重合度化したポリマ
ーが得られることを報告している。該報告においては、
ジオールと塩化テレフタロイルを原料に用いて立体障害
のないアミン触媒存在下で縮合させることによって環状
ポリエステルオリゴマーが調製されている。しかし、ア
ミン触媒及び塩化テレフタロイルのような腐食性の酸塩
化物を用いる従来法は、環境面で不利な塩化物を要求す
ると共に、副生物のアミン塩の形成に関わって高価な再
循環段階を要求するので好ましくない。
【0007】また、特開平8−225633号公報に提
案されている大環状ポリエステルオリゴマーは、低粘度
を示し、緻密な繊維性プレフォームに容易に含浸し得る
ことから複合材用のマトリクスとして注目されている。
また、大環状ポリエステルオリゴマーは、得られるポリ
マーよりもかなり低い温度で溶融し重合することから、
溶融流れ、重合及び結晶化が等温的に生起し得るので、
熱的なリサイクルに要求される時間、経費及び工具が少
なくて済むことが挙げられている。しかしながら、環状
ポリエステルオリゴマーの原料となる直鎖状ポリエステ
ルオリゴマーの原料合成に関して、ジメチルテレフタレ
ートとブタンジオールが開示されているに過ぎず、高価
な原料であるジメチルテレフタレートを用いることは、
固相重合を用いた従来技術の経済性及び生産性を改善す
るには不十分である。また、ジメチルテレフタレートを
原料に用いた場合、ジオール成分/ジカルボン酸誘導体
成分の仕込みモル比を1.6よりも低くすると反応性が
低下するため好ましくない。一方、仕込みモル比を1.
6よりも高くすると得られる直鎖状ポリエステルオリゴ
マーの平均重合度は低下するため、好ましい平均重合度
まで到達するためには過剰のジオールを除去する必要が
あり、結局生産性が低下し、経済的に好ましくない。
【0008】また、特開平9−296036号公報に提
案されている大環状ポリエステルオリゴマーの製造方法
は、直鎖状のポリエステルを酸素も水も実質的に含まな
い有機溶剤及び解重合触媒と接触させることによって直
鎖状ポリエステルを解重合して生成せしめるものであ
る。しかし、従来公知のアミン触媒及び塩化テレフタロ
イルのような腐食性の酸塩化物を用いていないことから
環境面で有利であるものの、直鎖状ポリエステルを解重
合することにより環状ポリエステルオリゴマーを得る方
法では、反応制御が困難となり、安定的に生産するため
には付帯する設備費が必要となり、経済性を改善するに
は不十分である。
【0009】上記のような背景から、高重合度ポリエス
テルを経済的に得ることが求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
環状ポリエステルオリゴマーの合成における欠点を解消
して、経済的な環状ポリエステルオリゴマーの製造方法
を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ジカルボン酸とジオールとのエステル化反応を仕込
みモル比(ジオール成分/ジカルボン酸成分)1.0〜
1.6で行い、直鎖状ポリエステルオリゴマーを得て、
該直鎖状ポリエステルオリゴマーから環状ポリエステル
オリゴマー、およびポリエステルを製造する方法により
達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のエステル化反応に用いる
ジカルボン酸成分として、具体的にはテレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフ
ェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられ
る。また、ジオール成分として、エチレングリコール、
プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0013】本発明で得られるポリエステルとして、具
体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシ
クロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ポリエチ
レン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−
4,4’−ジカルボキシレートなどが挙げられる。なか
でも汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、または主としてポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートからなるポリエステル共重合体において好適
である。
【0014】本発明で得られるポリエステルは、繊維、
フィルム、ボトル等の成形品として用いることが可能な
ものであれば特に限定はない。
【0015】また、これらのポリエステルには、共重合
成分としてアジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フ
タル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸等のジカル
ボン酸およびそのエステル形成性誘導体、ポリエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレング
リコール等のジオキシ化合物、p−(β−オキシエトキ
シ)安息香酸、乳酸等のオキシカルボン酸およびそのエ
ステル形成性誘導体等を共重合してもよい。
【0016】本発明のエステル化反応の仕込みモル比
(ジオール成分/ジカルボン酸成分)は1.0〜1.6と
することが必要である。ここで、ジオール成分/ジカル
ボン酸成分の仕込みモル比が1.0より低い場合はエス
テル化反応が時間が長くなることから生産性が低下し好
ましくない。一方、仕込みモル比が1.6より高い場合
には、エステル化反応により得られる直鎖状ポリエステ
ルオリゴマーの平均重合度が低くなり、高重合度ポリエ
ステルを提供する環状ポリエステルオリゴマーは得られ
ない。また、好ましい平均重合度にするためには、過剰
なジオール成分を除去する工程が必要となるため、結局
生産性が低下する。ジオール成分/ジカルボン酸成分の
仕込みモル比は、より好ましくは1.1〜1.5、さら
に好ましくは1.25〜1.40である。
【0017】本発明の環状ポリエステルオリゴマーの製
造方法において、直鎖状ポリエステルオリゴマーが連続
重合プロセスで得られることが好ましい。ここで、連続
重合プロセスとは、従来公知のエステル化反応槽、予備
重合槽及び最終重合槽の3槽以上からなるものであり、
エステル化反応が実質的に終了するエステル化反応槽を
経由した直鎖状ポリエステルオリゴマーであり、その後
の予備重合槽を経由した直鎖状ポリエステルオリゴマー
でもよい。ここで、予備重合槽における重縮合反応の方
法は、従来公知のいずれの方法を適用しても良く、例え
ば、反応物を昇温するとともに減圧して脱離してくるジ
オール成分及びその他の副生物等を除去しながら所定の
重合度まで高める方法や、反応系を減圧にする代わりに
不活性ガスを吹き込み、重合度を高める方法等を適用す
ることができる。
【0018】また、本発明の直鎖状ポリエステルオリゴ
マーの平均重合度は2〜30であることが好ましく、よ
り好ましくは2〜10であり、さらに好ましくは2.5
〜4.0である。好ましい直鎖状ポリエステルオリゴマ
ーを得るためには、連続重合プロセスにおけるエステル
化反応槽を経由したものを用いることがより好ましい。
かかる連続重合プロセスに関しては、従来既知の溶融重
縮合工程を行う連続重合装置において、エステル化反応
槽と予備重合槽との間の反応物移液配管に分岐管を設置
しておき、ギアポンプ等にて移液量を制御する方法でも
良い。
【0019】本発明においては、直鎖状ポリエステルオ
リゴマーを生成するまでの任意の時点で反応系へエステ
ル化触媒を添加せしめることで、さらにエステル化反応
の反応速度を向上させることができる。具体的なエステ
ル化触媒の化合物としては、従来公知の種々の物を用い
ることができ、特にエステル化触媒能を有することが知
られているスズ化合物及び/またはチタン化合物が好ま
しい。なお、直鎖状ポリエステルオリゴマーを生成する
までの任意の時点とは、ジカルボン酸とジオールのスラ
リー調製時及びエステル化反応工程における任意の時点
を指す。
【0020】スズ化合物としては、ジブチルスズオキシ
ド、塩化第一スズ、オクチル酸スズ、ラウリル酸スズ、
モノブチルヒドロキシスズオキシド等が挙げられる。こ
れらスズ化合物には、複数のスズ化合物分子が会合した
り、若干の変化を伴ってオリゴマー化したものも含むこ
とができる。
【0021】また、チタン化合物としては、テトラブチ
ルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ
ステアリルチタネート、シュウ酸チタニルカリウム、シ
ュウ酸チタニルリチウム等が挙げられる。特にその中で
も、チタン化合物を主たる金属元素とする複合酸化物及
びチタン化合物を主たる金属元素とするキレート剤含有
化合物が好ましい。ここで、チタン化合物を主たる金属
元素とする複合酸化物とは、例えばチタンアルコキシド
化合物と、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ゲル
マニウム等のアルコキシド化合物から配位化学ゾル・ゲ
ル法により製造されるが、特に限定されるものではな
い。また、チタン化合物を主たる金属元素とするキレー
ト剤含有化合物とは、例えばエチレンジアミン4酢酸、
ヒドロキシエチルイミノ2酢酸、ジエチレントリアミン
5酢酸、トリエチレンテトラミン6酢酸、クエン酸、マ
レイン酸またはこれらの混合物等のキレート剤を含有す
るチタン化合物であるが、特に限定されるものではな
い。
【0022】なお、エステル化触媒の添加量は、得られ
るポリマーに対して金属重量で、0.0001重量%〜
0.2重量%であることが、エステル化反応の反応速度
及び最終的に得られるポリマーの色調の点から好まし
く、0.0005重量%〜0.1重量%であることがさ
らに好ましい。
【0023】本発明の特定の直鎖状ポリエステルオリゴ
マーを用いれば、環状ポリエステルオリゴマーの製造方
法に関しては、従来公知の方法にて行っても良く、特に
限定されない。
【0024】例えば、ポリマーレターズ(ハンブ、5
(1057)、1967)(PolymerLetters(F. Lynn H
amb, 5(1057), 1967))に掲載されている環状ポリエス
テルオリゴマーの合成方法において、溶媒としてα−メ
チルナフタレンを、環化触媒としてテトライソプロピル
チタネートを用いることを報告している。また、特開平
8−225633号公報では、溶媒としてオルト−、メ
タ−またはパラ−テルフェニル等のような炭化水素を、
環化触媒として有機スズ化合物、及びまたはテトラブチ
ルチタネートのようなテトラアルコキシチタネート等を
用いることを提案している。よって、本発明にて用いら
れる溶媒としては、α−メチルナフタレン、オルト−、
メタ−またはパラ−テルフェニル等のような炭化水素を
用いれば良く、環化触媒としては有機スズ化合物、及び
またはテトラアルコキシチタネート等を用いれば良く、
特に限定されるものではない。また、環化触媒の添加量
は、得られるポリマーに対して金属重量で、0.01重
量%〜2重量%であることが、環化反応の反応速度及び
経済性の点から好ましく、0.1重量%〜1重量%であ
ることがさらに好ましい。
【0025】本発明の製造方法により得られる環状ポリ
エステルオリゴマーは、実質的に純粋であり、純度60
%以上である。
【0026】本発明の環状ポリエステルオリゴマーを用
いた開環重合によりポリエステルを製造するに際して、
環状ポリエステルオリゴマーを環状ポリエステルオリゴ
マー用触媒と接触せしめても良く、特に限定されない。
【0027】例えば、米国特許第5039783号公
報、第5214158号公報及び第5231161号公
報に記載されている各種の有機スズ化合物及びチタネー
トエステルを環状ポリエステルオリゴマー用触媒として
用いても良く、特開平8−253573号公報にて提案
されている、ジ−(1−ブチル)−2,2−ジメチルプ
ロパン−1,3−ジオキシチタネート、ビス(2,2−
ジメチル−1,3−プロピレン)チタネートまたは1−
(1−ブトキシ)−4−メチル−2,6,7−トリオキ
サ−1−チタナビシクロ[2.2.2]オクタンのような
環状チタン触媒を環状ポリエステルオリゴマー用触媒と
して用いても良い。また、マクロモレキューズ(ヨー
ク、33(3594)、2000)(Macromolecules(J
i H. Youk, 33(3594), 2000))に記載されているアンチ
モン化合物及びビスマス化合物を環状ポリエステルオリ
ゴマー用触媒として用いても良く、特に限定されない。
【0028】また、環状ポリエステルオリゴマー用触媒
の添加量は、得られるポリマーに対して金属重量で、
0.0001重量%〜1重量%であることが、開環重合
の反応速度及び生成するポリマーの重合度の点から好ま
しく、0.001重量%〜0.3重量%であることがさ
らに好ましい。
【0029】本発明の環状ポリエステルオリゴマーを環
状ポリエステルオリゴマー用触媒と接触させる際には、
160〜320℃の温度が好ましく、環状ポリエステル
オリゴマーの溶解性を高めるため、溶融状態にある熱可
塑性ポリマーと混合し、重合を行っても良い。熱可塑性
ポリマーとしては、付加重合系であるポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル
等、重縮合系であるポリアミド、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキシド等、重付加系であ
るポリウレタン等、開環重合系であるポリアセタール等
があり、その中でもポリエステルが好ましい。特にその
中でも汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、または主としてポリエチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートからなるポリエステル共重合体が好まし
い。
【0030】また、溶融状態にある熱可塑性ポリマーが
連続重合プロセスの予備重合槽または最終重合槽を経由
したポリマーである場合には、該重合槽と開環重合反応
槽の間の反応物移液配管に静的混合装置を設置してお
き、該装置の直前に分岐管を通じて環状ポリエステルオ
リゴマーを供給する等の方法が好ましい。また、連続重
合プロセスにおける最終重合槽を経由しチップ化した熱
可塑性ポリマーまたは既存のチップ化した熱可塑性ポリ
マーと環状ポリエステルオリゴマーを押出機にて溶融混
合しても良い。ここで、押出機は特に限定されるもので
はないが、従来公知のものとして、1軸型混練機、2軸
型混練機、ベント付き混練機等が挙げられる。
【0031】本発明において、耐熱性の向上や色調の改
善を目的として、最終的に得られるポリエステルに対し
て任意の時点で、従来公知のリン化合物やコバルト化合
物を添加しても良い。また、本発明において、必要に応
じて公知の化合物、例えば艶消しのための無機粒子、酸
化防止剤、断熱材、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を添
加、含有しても良い。
【0032】上記したように、本発明は、ジカルボン酸
とジオールとのエステル化反応を行う際のジオール成分
/ジカルボン酸成分の仕込みモル比が1.0〜1.6と
なる範囲にある直鎖状ポリエステルオリゴマーを環状ポ
リエステルオリゴマーの製造に用いることで、従来公知
の固相重合プロセスや開環重合プロセスよりも経済的に
高重合度ポリエステルを得ることが可能となる。
【0033】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測
定した。 (1)ポリマーの固有粘度[η] オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定し
た。 (2)直鎖状ポリエステルオリゴマーの平均重合度 液体クロマトグラフにおいて、予め同定した各重合度の
低重合体ピーク面積の比率(UV吸収基準:%)から算
出した。
【0034】実施例1 主として第1エステル化反応槽、第2エステル化反応槽
及び重縮合反応槽の3つの反応槽からなる連続重合装置
において、予めテレフタル酸16.6重量部とエチレン
グリコール8.2重量部を撹拌、調製したスラリーを2
3.8重量部/時の供給速度で第1エステル化反応槽に
供給した。第1エステル化反応槽での平均滞留時間は3
時間50分、反応温度250℃、反応圧力1.013×
105Paであり、得られる反応物の平均重合度は3.
0であった。この直鎖状ポリエステルオリゴマーを製造
する工程を工程1とする。
【0035】この反応物を連続的に抜き出し、環状オリ
ゴマー合成の反応槽に送液した。この反応槽では、溶媒
としてα−メチルナフタレンを、触媒としてテトライソ
プロピルチタネートを用いた。該反応槽の平均滞留時間
は50分であった。得られた反応物を溶媒除去槽に送液
し、α−メチルナフタレンを除去した後、続いて固体析
出槽に送液し、ヘキサンを添加することで、溶媒中に含
まれる反応物を析出させた。得られた混合物を、遠心分
離・流動床式乾燥機を経由することで、ヘキサンから分
離し、環状ポリエステルオリゴマーを得た。この環状ポ
リエステルオリゴマーを製造する工程を工程2とする。
【0036】さらに、この反応物を連続的に抜き出し、
別途製造したポリエチレンテレフタレートチップを混合
比がオリゴマー/ポリマー=80/20となるように2
軸押出機に供給した。なお、2軸押出機に、開環重合触
媒としてテトライソプロピルチタネートを添加した。こ
の2軸押出機の平均滞留時間は10分であり、得られた
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は1.31であ
った。この開環重合によりポリエステルを製造する工程
を工程3とする。
【0037】実施例2 主として第1エステル化反応槽、第2エステル化反応槽
及び重縮合反応槽の3つの反応槽からなる連続重合装置
において、予めテレフタル酸16.6重量部とエチレン
グリコール8.2重量部にチタンEDTA(エチレンジ
アミン4酢酸)錯体を含有するエチレングリコール液を
最終的に得られるポリエステルに対し、0.002重量
部を加えた混合物(ジオール成分/ジカルボン酸成分の
仕込みモル比=1.25)を撹拌、調製したスラリーを
用い、工程2おける溶媒、工程3におけるオリゴマー/
ポリマー混合比、ポリマー及び触媒の種類を変更する以
外は実施例1と同様にしてポリマーを重合した。得られ
たポリマーの固有粘度は1.21であり、経済性に優れ
た時間内にポリマーを製造することができた。
【0038】実施例3 出発原料としてブチレングリコール及びテレフタル酸を
用い、反応溶媒、触媒等を変更する以外は実施例1と同
様にしてポリマーを重合した。得られたポリマーの固有
粘度は1.18であり、経済性に優れた時間内にポリマ
ーを製造することができた。
【0039】実施例4 出発原料としてプロピレングリコール及びテレフタル酸
を用い、反応溶媒、触媒等を変更する以外は実施例1と
同様にしてポリマーを重合した。得られたポリマーの固
有粘度は1.05であり、経済性に優れた時間内にポリ
マーを製造することができた。
【0040】比較例1 本発明外の仕込みモル比にてエステル化反応を行ったた
め、最終的に得られるポリマーの重合度は低いものとな
った。
【0041】比較例2 本発明外の仕込みモル比、出発原料であるブチレングリ
コール及びジメチルテレフタレートを用いて得られた直
鎖状ポリエステルオリゴマーは平均重合度が低く、また
塩化テレフタロイルを用いて環状ポリエステルオリゴマ
ーを製造したが、副生物の影響により、連続運転での生
産性は大きく低下した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の環状ポリエステルオリゴマーの
製造方法により、従来公知の製造方法に比べ、より経済
的に高重合度ポリエステルを得ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AD01 AE01 AE02 AE03 BA02 BA03 BA04 BA05 BA09 BA10 BD06A BD07A BF09 BF25 CA02 CA06 CA09 CB04A CB05A CB06A CC05A CD03 EA05 EB04A JA061 JB043 JB131 JB171 JC751 JF321 JF371 KB02 KB05 KD01 KE03 KE05 KE07 KE09 LA02 LA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸成分とジオール成分とのエス
    テル化反応を仕込みモル比(ジオール成分/ジカルボン
    酸成分)1.0〜1.6で行い、直鎖状ポリエステルオ
    リゴマーを得て、該直鎖状ポリエステルオリゴマーから
    環状ポリエステルオリゴマーを製造する方法。
  2. 【請求項2】直鎖状ポリエステルオリゴマーの平均重合
    度が2〜30であることを特徴とする請求項1記載の環
    状ポリエステルオリゴマーの製造方法。
  3. 【請求項3】エステル化反応を行うジオール成分が、主
    として、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタ
    ンジオールから選ばれる少なくとも1種である請求項1
    または2記載の環状ポリエステルオリゴマーの製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項記載の環状ポ
    リエステルオリゴマーを環状ポリエステルオリゴマー用
    触媒と接触せしめて開環重合してポリエステルを製造す
    る方法。
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