JP2002289253A - アルカリ蓄電池の製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池の製造方法

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倍太 尾内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル寿命を低下させることなく、高率放
電特性を向上させることができる活性化方法を提案し
て、放電性およびサイクル寿命に優れたアルカリ蓄電池
を提供する。 【解決手段】 平均粒径が50〜120μmで組成式が
MmaNibCocAldMne(但し、c/aが0.5以
上)で表される水素吸蔵合金を含有する負極と、正極
と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池を組み立
てた後、初回に行う充放電を、負極の容量に対して少な
くとも0.6It以上の充電レートで電池容量の60%
以上を充電した後、放電させる活性化工程を備えてい
る。これにより、平均粒径が小さくて反応表面積が大き
い合金粒子になるとともに、この合金粒子に多数のクラ
ックが存在することとなり、水素吸蔵合金粒子に多くの
活性面が出現して、高率放電を行っても放電特性が低下
することを抑制できるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル−水素蓄電
池などのアルカリ蓄電池に係り、特に、ニッケル−水素
蓄電池の負極に備えられた水素吸蔵合金の活性化に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の市場拡大に伴って、電動工具、ア
シスト自転車、電気自動車等の用途が拡大し、ニッケル
−水素蓄電池の大型化、高容量化、ハイパワー化への需
要、要望が高まった。この種のニッケル−水素蓄電池
は、電池組立直後においては、充分な電池性能を確保す
ることができず、例えば、室温で充放電するような活性
化処理を必要とする。しかしながら、単にこのような活
性化処理を施しただけでは、低温や高率での放電におい
て充分な放電容量や作動電圧が得られないという問題が
あった。
【0003】また、水素吸蔵合金は本来極めて活性であ
るが、外装缶に組み込んで密閉するまでに空気中に放置
されたり、製造工程中に加温されるなどによって酸化さ
れ、強固な酸化膜が合金表面に形成されて極めて不活性
になる。この酸化膜は、活性化処理の充放電の繰り返し
により、部分的に破壊されたり、合金自身にクラックが
生じて、新たな合金が表面に露出することにより、活性
化が進むとともに、電池の活性度も徐々に高くなる。ま
た、水素吸蔵合金の粒径は、小さいものと比較して大き
いものの方が酸化を受けがたい。反面、電池を組み立て
た後においては、粒径の大きい水素吸蔵合金は、反応面
積の低下によって作動電圧が低下するため、低温や高率
での放電に適さないという問題があった。
【0004】このような背景にあって、比較的平均粒径
の大きい水素吸蔵合金を用いて負極を作製し、活性化工
程の充放電で水素吸蔵合金にクラックを生じさせて、平
均粒径を50μm以下にしたニッケル−水素蓄電池が特
許第2994731号公報にて提案されるようになっ
た。この特許第2994731号公報にて提案されたニ
ッケル−水素蓄電池においては、比較的平均粒径の大き
い水素吸蔵合金を用いているため、電極製造時まで水素
吸蔵合金が酸化されがたく、また、電池の組立後におい
ても酸化を受けることが少ない。このため、活性化終了
後の水素吸蔵合金の酸化は抑制されており、サイクル寿
命に有利となる。
【0005】また、活性化工程の充放電で水素吸蔵合金
にクラックを生じさせ、平均粒径を50μm以下に調整
して、水素吸蔵合金の反応面積を増大させるとともに、
活性な合金表面を露出させているため、負極の反応性が
向上して、放電に有利となる。さらに、上記特許第29
94731号公報においては、活性化処理における充電
後の放電を30〜80℃の温度雰囲気で行うようにして
いるため、水素吸蔵合金にクラックが生じ易くなって、
さらに平均粒径が小さい水素吸蔵合金が得られるように
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許第
2994731号公報にて提案された活性化方法にあっ
ては、充放電サイクル寿命に問題を生じないものの、活
性化後の水素吸蔵合金の反応面積が不充分であることに
起因して、高率放電(大電流放電)時の作動電圧が低
く、場合によっては放電不能になるという問題を生じ
た。本発明は上記問題を解決するためになされたもので
あって、サイクル寿命を低下させることなく、高率放電
特性を向上させることができる活性化方法を提案して、
放電性およびサイクル寿命に優れたアルカリ蓄電池を提
供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するため、本発明は、平均粒径が50μm
以上、120μm以下で組成式がMmaNibCocAld
Mne(但し、c/aが0.5以上)で表される水素吸
蔵合金を含有する負極と、正極と、アルカリ電解液とを
備えたアルカリ蓄電池を組み立てた後、充放電を行って
アルカリ蓄電池を活性化する活性化工程を備えたアルカ
リ蓄電池の製造方法であって、この活性化工程におい
て、初回に行う充放電を、前記負極の容量に対して少な
くとも0.6It以上の充電レートで電池容量の60%
以上を充電した後、放電させるようにしたことを特徴と
する。
【0008】このように、初回に行う充放電を、負極の
容量に対して少なくとも0.6It以上の充電レートで
電池容量の60%以上を充電した後、放電させるように
して活性化を行うと、活性化工程の初回の充電におい
て、水素吸蔵合金粒子にクラックが生じるとともに、合
金粒子が割れて小さな粒径となり、このものを放電させ
ることにより、さらに微細化される。これにより、平均
粒径が50〜120μmの合金粒子が、平均粒径は20
〜45μmの合金粒子になるとともに、この合金粒子に
多数のクラックが存在することとなる。この結果、水素
吸蔵合金粒子に多数の活性面が出現して反応面積が増大
するため、高率放電を行っても放電特性が低下すること
を抑制できるようになる。
【0009】この場合、活性化工程の初回の充電での高
率充電レートが負極容量に対して0.6It未満である
と、水素吸蔵合金粒子の反応面積が不充分になって高率
放電特性が低下するため、高率充電レートは負極容量に
対して0.6It以上にする必要がある。また、活性化
工程の初回の充電を30℃より高温の温度雰囲気で行う
と、電池温度が上昇して液漏れを生じるため、活性化工
程での充電は30℃以下の温度雰囲気で行うのが望まし
い。
【0010】また、水素吸蔵合金の耐食性を向上させる
ためにコバルトを添加した、組成式がMmaNibCoc
AldMneで表される水素吸蔵合金を用いる場合、コバ
ルトの添加量(c/a)が減少すると水素吸蔵合金の耐
食性が低下するため、活性化終了後に水素吸蔵合金の酸
化が進行してサイクル寿命が低下する。このため、水素
吸蔵合金にある程度以上のコバルト量を添加する必要が
ある。そこで、実験を行った結果、コバルトの添加量
(c/a)が0.5以上であれば耐食性が向上し、サイ
クル寿命の低下を抑制できることが明らかになった。こ
のため、コバルトの添加量(c/a)は0.5以上とす
るのが望ましい。
【0011】また、初回の充電後の放電を30℃〜80
℃の温度雰囲気とすることにより、負極活性度をさらに
向上させることが可能となる。これは、水素吸蔵合金の
水素放出反応(放電反応)が吸熱反応であるため、高温
下で放電を行うことにより、放電反応が円滑に、かつ効
率的に行われ、この円滑な水素の放出が行われるとき
に、水素吸蔵合金粒子にクラックが生じやすくなり、水
素吸蔵合金粒子の反応面積が増大するためである。
【0012】さらに、初回の放電後の開路電圧を1.1
5V以上で1.25V以下にすることで、正極に含まれ
るコバルト化合物の還元が抑制されて、高次コバルト化
合物を安定化させることが可能となり、高温下でのサイ
クル容量の劣化を抑制することが可能となる。なお、初
回の放電後の開路電圧を1.15V以上に調整する方法
としては、アルカリ蓄電池に定電流を印加しながら放電
を行い、放電時間を調節して放電量を調節する方法、も
しくは、アルカリ蓄電池の正負極端子に抵抗を含む回路
を接続して放電を行い、放電時間を調節して放電量を調
節する方法が適用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をニッケル−水素
蓄電池に適用した場合の一実施の形態を説明する。な
お、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施する
ことができる。
【0014】1.水素吸蔵合金負極の作製 ミッシュメタル(Mm:希土類元素の混合物)、ニッケ
ル、コバルト、アルミニウム、およびマンガンを1.
0:3.6:0.6:0.2:0.6の比率で混合し、
この混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉で誘導
加熱して合金溶湯となす。この合金溶湯を公知の方法で
鋳型に流し込み、冷却して、組成式がMm 1.0Ni3.6
0.6Al0.2Mn0.6で表される水素吸蔵合金のインゴ
ットを作製した。
【0015】この水素吸蔵合金インゴットを機械的に粗
粉砕した後、不活性ガス雰囲気中で平均粒子径が約90
μmになるまで機械的に粉砕した。このようにして作製
した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド等の結
着剤と、適量の水を加えて混合して水素吸蔵合金スラリ
ーを作製した。このスラリーをパンチングメタルからな
る活物質保持体の両面に、圧延後の活物質密度が所定量
になるように塗着した後、乾燥、圧延を行った後、所定
寸法に切断して水素吸蔵合金負極を作製した。
【0016】2.ニッケル正極の作製 硫酸コバルト粉末を水に溶かした水溶液に水酸化ニッケ
ル粉末を投入し、ついで、水酸化ナトリウム水溶液を撹
拌しながら滴下して液のpHを調整した後、撹拌した。
ついで、生成された沈殿物を濾別し、水洗し、室温(約
25℃)で真空乾燥して、水酸化ニッケル粒子の表面に
水酸化コバルトの被覆層が形成された粉末を得た。得ら
れた粉末と水酸化ナトリウム水溶液とを混合し、空気中
にて加熱処理した後、水洗、乾燥して、水酸化ニッケル
粒子の表面にナトリウム含有コバルト化合物の高導電性
被覆層が形成された水酸化ニッケル粉末を得た。
【0017】ついで、得られた水酸化ニッケル粉末を主
成分とし、これに少量の水酸化コバルトを添加した活物
質粉末100質量部と、0.2質量%のヒドロキシプロ
ピルセルロース水溶液40質量部と、60質量%のPT
FEディスパージョン液1質量部とを添加混合して活物
質スラリーを作製した。このようにして作製した活物質
スラリーを、多孔度が97%で、厚みが約1.5mmの
ニッケル発泡体(この発泡体は三次元的に連続した網状
骨格を備えている)からなる金属多孔体(活物質保持
体)に充填した。ついで、乾燥させた後、厚みが0.7
mmになるまで圧延した後、所定寸法に切断し、正極リ
ードを溶接してニッケル正極を作製した。
【0018】3.ニッケル−水素電池の作製 ついで、上述のように作製したニッケル正極と、上述の
ように作製した水素吸蔵合金負極とをポリプロピレン製
不織布からなるセパレータ(厚みが約0.15mmのも
の)を介して渦巻状に卷回して渦巻状電極群を作製し
た。このように作製した渦巻状電極群の負極の端部に負
極集電体を接続するとともに、ニッケル正極の端部と正
極集電体とを接続して電極体を作製した。ついで、電極
体を有底円筒形の金属外装缶内に挿入し、負極集電体を
金属製外装缶の底部にスポット溶接した後、正極集電体
から延出するリード板を封口体の底部に溶接した。
【0019】この後、金属外装缶内に7.0mol/l
のアルカリ電解液(水酸化リチウム(LiOH)1.0
mol/lと水酸化ナトリウム(NaOH)1.0mo
l/lと水酸化カリウム(KOH)5.0mol/lを
含有した水溶液)を注入し、封口体を封口ガスケットを
介して外装缶の開口部にかしめて封口した。これによ
り、公称容量が2000mAhで、容量比が2.0(正
極容量が2000mAhで、負極容量は4000mA
h)の円筒形ニッケル−水素蓄電池を作製した。
【0020】4.活性化方法 (1)電池A 上述のようにして作製したニッケル−水素蓄電池を用い
て、まず、室温(約25℃)の温度雰囲気で、200m
A(正極容量に対して0.1It[なお、It(mA)
は定格容量(mAh)/1h(時間)で表される数値で
ある、以下においても同様である]で、負極容量に対し
て0.05It)の充電々流で60分充電(公称容量の
10%)し、2400mA(正極容量に対して1.2I
tで、負極容量に対して0.6It)の充電々流で35
分間ハイレート充電(公称容量の70%)し、200m
A(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で120分充電(公称容量の
20%)して、初回充電を終了させた。この後、60℃
の温度雰囲気で1時間休止した後、定電流を印加して、
60℃の温度雰囲気で400mA(0.2It)の放電
々流で放電させた。この場合、放電終止後30分経過し
た後の開路電圧が1.15〜1.25Vになるように放
電時間を調整して放電量を調整した。このように充放電
を行って活性化したニッケル−水素蓄電池を電池Aとし
た。
【0021】(2)電池B 上述のようにして作製したニッケル−水素蓄電池を用い
て、まず、室温(約25℃)の温度雰囲気で、200m
A(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で60分充電(公称容量の1
0%)し、2800mA(正極容量に対して1.4It
で、負極容量に対して0.7It)の充電々流で30分
間ハイレート充電(公称容量の70%)し、200mA
(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で120分充電(公称容量の
20%)して、初回充電を終了させた。この後、60℃
の温度雰囲気で1時間休止した後、定電流を印加して、
60℃の温度雰囲気で400mA(0.2It)の放電
々流で放電させた。この場合、放電終止後30分経過し
た後の開路電圧が1.15〜1.25Vになるように放
電時間を調整して放電量を調整した。このように充放電
を行って活性化したニッケル−水素蓄電池を電池Bとし
た。
【0022】(3)電池C 上述のようにして作製したニッケル−水素蓄電池を用い
て、まず、室温(約25℃)の温度雰囲気で、200m
A(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で60分充電(公称容量の1
0%)し、3600mA(正極容量に対して1.8It
で、負極容量に対して0.9It)の充電々流で23分
間ハイレート充電(公称容量の70%)し、200mA
(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で120分充電(公称容量の
20%)して、初回充電を終了させた。この後、60℃
の温度雰囲気で1時間休止した後、定電流を印加して、
60℃の温度雰囲気で400mA(0.2It)の放電
々流で放電させた。この場合、放電終止後30分経過し
た後の開路電圧が1.15〜1.25Vになるように放
電時間を調整して放電量を調整した。このように充放電
を行って活性化したニッケル−水素蓄電池を電池Cとし
た。
【0023】(4)電池S 上述のようにして作製したニッケル−水素蓄電池を用い
て、まず、室温(約25℃)の温度雰囲気で、200m
A(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で1000分充電(公称容量
の100%)して、初回充電を終了させた。この後、6
0℃の温度雰囲気で1時間休止した後、定電流を印加し
て、60℃の温度雰囲気で400mA(0.2It)の
放電々流で放電させた。この場合、放電終止後30分経
過した後の開路電圧が1.15〜1.25Vになるよう
に放電時間を調整して放電量を調整した。このように充
放電を行って活性化したニッケル−水素蓄電池を電池S
とした。
【0024】(6)電池T 上述のようにして作製したニッケル−水素蓄電池を用い
て、まず、室温(約25℃)の温度雰囲気で、200m
A(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で60分充電(公称容量の1
0%)し、1000mA(正極容量に対して0.5It
で、負極容量に対して0.25It)の充電々流で84
分間ハイレート充電(公称容量の70%)し、200m
A(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で120分充電(公称容量の
20%)して、初回充電を終了させた。この後、60℃
の温度雰囲気で1時間休止した後、定電流を印加して、
60℃の温度雰囲気で400mA(0.2It)の放電
々流で放電させた。この場合、放電終止後30分経過し
た後の開路電圧が1.15〜1.25Vになるように放
電時間を調整して放電量を調整した。このように充放電
を行って活性化したニッケル−水素蓄電池を電池Tとし
た。
【0025】(7)電池U 上述のようにして作製したニッケル−水素蓄電池を用い
て、まず、室温(約25℃)の温度雰囲気で、200m
A(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で60分充電(公称容量の1
0%)し、2000mA(正極容量に対して1.0It
で、負極容量に対して0.5It)の充電々流で42分
間ハイレート充電(公称容量の70%)し、200mA
(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対して
0.05It)の充電々流で120分充電(公称容量の
20%)して、初回充電を終了させた。この後、60℃
の温度雰囲気で1時間休止した後、定電流を印加して、
60℃の温度雰囲気で400mA(0.2It)の放電
々流で放電させた。この場合、放電終止後30分経過し
た後の開路電圧が1.15〜1.25Vになるように放
電時間を調整して放電量を調整した。このように充放電
を行って活性化したニッケル−水素蓄電池を電池Uとし
た。
【0026】5.電池試験 (1)高率放電特性の測定 上述のようにして活性化した各電池A〜CおよびS〜U
を用い、室温(約25℃)の温度雰囲気で、2000m
A(1It)の充電々流で正極が完全に充電された後に
生じる電池電圧の低下(−ΔV)が10mVになるまで
充電し、1時間休止した後、30000mA(15I
t)の放電々流で、終止電圧が0.6Vになるまで放電
させるという高率放電を行い、このときの作動電圧(3
0A放電時の作動電圧)を求めると下記の表1に示すよ
うな結果が得られた。
【0027】また、上述のようにして活性化した各電池
A〜CおよびS〜Uを用い、室温(約25℃)の温度雰
囲気で、2000mA(1It)の充電々流で−ΔVが
10mVになるまで充電し、1時間休止した後、400
00mA(20It)の放電々流で、終止電圧が0.6
Vになるまで放電させるという高率放電を行い、このと
きの作動電圧(40A放電時の作動電圧)を求めると下
記の表1に示すような結果が得られた。
【0028】(2)高温サイクル寿命試験 ついで、上述のようにして活性化した各電池A〜Cおよ
びS〜Uを用い、室温(約25℃)の温度雰囲気で、2
000mA(1It)の充電々流で充電を行い、−ΔV
が10mVになるまで充電した後、1時間休止し、15
000mA(7.5It)の放電々流で電池電圧が0.
6Vに達するまでまで放電させ、1時間休止するという
−ΔVサイクル試験を行い、放電容量が−ΔVサイクル
の初期容量の60%に達した時点で寿命と判定する高率
サイクル寿命試験を行って、各電池A〜CおよびS〜U
のサイクル寿命を求めると下記の表1に示すような結果
が得られた。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1の結果から明らかなように、充電
レートが負極容量に対して0.6It以上の高率で充電
して活性化した電池A,B,Cは、30Aあるいは40
Aという高率で放電させても作動電圧がそれほど低下し
ないことが分かる。一方、充電レートが負極容量に対し
て0.6It未満で充電して活性化した電池S,T,U
は、30Aあるいは40Aという高率で放電させると、
作動電圧が低下したり、放電初期に終止電圧(0.6
V)以下に達して放電不能になることが分かる。これ
は、初回の充電レートを負極容量に対して0.6It以
上の高率で充電すると、水素吸蔵合金粒子により多くの
クラックが生じて水素吸蔵合金粒子の反応面積が増大
し、高率放電時の作動電圧の低下を抑制できたためと考
えられる。ここで、初回の充電レートを高くすることで
水素吸蔵合金粒子により多くのクラックが生じ易い理由
としては、高率充電することにより、水素吸蔵合金粒子
の相変化(体積変化)が急激に生じてクラックが生じや
すくなったと考えられる。
【0031】一方、サイクル寿命については、初回の充
電レートを負極容量に対して、0.05Itから0.9
Itの間で変化させても、サイクル寿命は約500サイ
クルを維持していることが分かる。このことから、充電
レートが負極容量に対して0.6It以上の高率で充電
してサイクル寿命に悪影響を与えることなく、高率放電
特性を向上させることができるということができる。な
お、初回の充電レートを負極容量に対して1.2It以
上にすると、電池温度が急激に上昇してガスを発生し、
電池内圧が上昇して電解液の漏洩を生じる可能性が高く
なるため、初回の充電レートを負極容量に対して1.0
It未満に規制することが望ましい。
【0032】6.活性化時の高率充電による充電量の検
討 ついで、活性化時の高率充電による充電量について検討
した。 (1)電池D ここで、上述のようにして作製したニッケル−水素蓄電
池を用いて、まず、室温(約25℃)の温度雰囲気で、
200mA(正極容量に対して0.1Itで、負極容量
に対して0.05It)の充電々流で60分充電(公称
容量の10%)し、2800mA(正極容量に対して
1.4Itで、負極容量に対して0.7It)の充電々
流で25分間ハイレート充電(公称容量の60%)し、
200mA(正極容量に対して0.1Itで、負極容量
に対して0.05It)の充電々流で120分充電(公
称容量の20%)して、初回充電を終了させた。この
後、60℃の温度雰囲気で1時間休止した後、定電流を
印加して、60℃の温度雰囲気で400mA(0.2I
t)の放電々流で放電させて活性化したニッケル−水素
蓄電池を電池Dとした。
【0033】(2)電池V 一方、上述のようにして作製したニッケル−水素蓄電池
を用いて、まず、室温(約25℃)の温度雰囲気で、2
00mA(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に
対して0.05It)の充電々流で60分充電(公称容
量の10%)し、2800mA(正極容量に対して1.
4Itで、負極容量に対して0.7It)の充電々流で
21分間ハイレート充電(公称容量の50%)し、20
0mA(正極容量に対して0.1Itで、負極容量に対
して0.05It)の充電々流で120分充電(公称容
量の20%)して、初回充電を終了させた。この後、6
0℃の温度雰囲気で1時間休止した後、定電流を印加し
て、60℃の温度雰囲気で400mA(0.2It)の
放電々流で放電させて活性化したニッケル−水素蓄電池
を電池Vとした。
【0034】ついで、これらの電池D,Vを用いて上述
と同様の試験を行って、30A放電時の作動電圧および
40A放電時の作動電圧を求めるとともに、サイクル寿
命を求めると下記の表2に示すような結果が得られた。
なお、下記の表2においては、上述した電池Bの結果も
併せて示している。
【0035】
【表2】
【0036】上記表2の結果から明らかなように、活性
化時の高率充電による充電量を公称容量に対して50%
とした電池Vにあっては、30A放電時に作動電圧が大
幅に低下し、また40A放電時には放電初期に終止電圧
(0.6V)以下に達して放電不能になったことが分か
る。これは、充電量が少ないと初回充電時に水素吸蔵合
金粒子に生じるクラック量が少なく、水素吸蔵合金粒子
の反応表面積が不充分であるためと考えられる。一方、
充電量を公称容量に対して60%以上とした電池B,D
にあっては、30A放電時および40A放電時に作動電
圧がそれほど低下しないことが分かる。このことから、
活性化時の高率充電による充電量は60%以上にするの
が好ましいということができる。
【0037】7.活性化時の温度雰囲気の検討 ここで、上述のようにして作製したニッケル−水素蓄電
池を用いて、上述した電池Bと同様の条件で充放電して
活性化するに際して、充電温度雰囲気(周囲温度)のみ
を30℃にして充電を行って活性化して作製したニッケ
ル−水素蓄電池を電池Eとし、また、充電温度雰囲気
(周囲温度)のみを40℃にして充電を行って活性化し
て作製したニッケル−水素蓄電池を電池Wとした。この
後、これらの電池E,Wを用いて上述と同様の試験を行
って、30A放電時の作動電圧および40A放電時の作
動電圧を求めるとともに、サイクル寿命を求めると下記
の表3に示すような結果が得られた。なお、下記の表3
においては、上述した電池Bの結果も併せて示してい
る。
【0038】
【表3】
【0039】上記表3の結果から明らかなように、活性
化工程で初回の充電を40℃の温度雰囲気中で高率充電
した電池Wにあっては、初回充電後に電解液が漏液(リ
ーク)していることが分かった。これは、40℃程度の
高温雰囲気中で高率充電すると、電池温度が上昇して水
素ガスが水素吸蔵合金内に吸蔵されにくくなって、電池
内に水素ガスが充満したことに起因して、電解液が漏液
(リーク)したと考えられる。一方、初回の充電を25
℃あるいは30℃の温度雰囲気中で高率充電した電池
B,Eにあっては、活性化工程で漏液(リーク)の発生
は認められず、30A放電時および40A放電時の作動
電圧、サイクル寿命も充分なレベルにあることが分か
る。このことから、活性化工程での初回の充電は30℃
以下の温度雰囲気(周囲温度)で行うのが好ましいとい
うことができる。
【0040】8.水素吸蔵合金の平均粒径の検討 ついで、水素吸蔵合金の平均粒径について検討した。 (1)電池F 上述と同様に、組成式がMm1.0Ni3.6Co0.6Al0.2
Mn0.6で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製し
た後、この水素吸蔵合金インゴットを機械的に粗粉砕し
た後、不活性ガス雰囲気中で平均粒子径が約50μmに
なるまで機械的に粉砕した。このようにして作製した水
素吸蔵合金粉末を用いて、上述と同様に水素吸蔵合金負
極を作製した後、上述と同様にニッケル−水素蓄電池を
作製した。ついで、このニッケル−水素蓄電池を用い
て、上述の電池Bと同様の条件で活性化して電池Fを作
製した。なお、活性化後の電池Fを解体して水素吸蔵合
金の平均粒径を測定したところ、活性化後の水素吸蔵合
金の平均粒径は20μmであった。
【0041】(2)電池G 上述と同様に、組成式がMm1.0Ni3.6Co0.6Al0.2
Mn0.6で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製し
た後、この水素吸蔵合金インゴットを機械的に粗粉砕し
た後、不活性ガス雰囲気中で平均粒子径が約120μm
になるまで機械的に粉砕した。このようにして作製した
水素吸蔵合金粉末を用いて、上述と同様に水素吸蔵合金
負極を作製した後、上述と同様にニッケル−水素蓄電池
を作製した。ついで、このニッケル−水素蓄電池を用い
て、上述の電池Bと同様の条件で活性化して電池Gを作
製した。なお、活性化後の電池Gを解体して水素吸蔵合
金の平均粒径を測定したところ、活性化後の水素吸蔵合
金の平均粒径は45μmであった。
【0042】(3)電池X 上述と同様に、組成式がMm1.0Ni3.6Co0.6Al0.2
Mn0.6で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製し
た後、この水素吸蔵合金インゴットを機械的に粗粉砕し
た後、不活性ガス雰囲気中で平均粒子径が約30μmに
なるまで機械的に粉砕した。このようにして作製した水
素吸蔵合金粉末を用いて、上述と同様に水素吸蔵合金負
極を作製した後、上述と同様にニッケル−水素蓄電池を
作製した。ついで、このニッケル−水素蓄電池を用い
て、上述の電池Bと同様の条件で活性化して電池Xを作
製した。なお、活性化後の電池Xを解体して水素吸蔵合
金の平均粒径を測定したところ、活性化後の水素吸蔵合
金の平均粒径は7μmであった。
【0043】(4)電池Y 上述と同様に、組成式がMm1.0Ni3.6Co0.6Al0.2
Mn0.6で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製し
た後、この水素吸蔵合金インゴットを機械的に粗粉砕し
た後、不活性ガス雰囲気中で平均粒子径が約150μm
になるまで機械的に粉砕した。このようにして作製した
水素吸蔵合金粉末を用いて、上述と同様に水素吸蔵合金
負極を作製した後、上述と同様にニッケル−水素蓄電池
を作製した。ついで、このニッケル−水素蓄電池を用い
て、上述の電池Bと同様の条件で活性化して電池Yを作
製した。なお、活性化後の電池Yを解体して水素吸蔵合
金の平均粒径を測定したところ、活性化後の水素吸蔵合
金の平均粒径は50μmであった。
【0044】ついで、これらの電池F,G,X,Yを用
いて、上述と同様の試験を行って、30A放電時の作動
電圧および40A放電時の作動電圧を求めるとともに、
サイクル寿命を求めると下記の表4に示すような結果が
得られた。なお、下記の表4においては、上述した電池
Bの結果(活性化後の電池Bを解体して水素吸蔵合金の
平均粒径を測定したところ、活性化後の水素吸蔵合金の
平均粒径は35μmであった)も併せて示している。
【0045】
【表4】
【0046】上記表4の結果から明らかなように、平均
粒径が30μmの水素吸蔵合金を使用した電池Xにあっ
ては、30A放電時および40A放電時の作動電圧は問
題が生じないものの、サイクル寿命が350サイクル
(回)で短寿命であることが分かる。これは、平均粒径
が30μmという比較的平均粒径が小さい水素吸蔵合金
を使用したことにより、活性化前から水素吸蔵合金の表
面積が大きいことから、極板製造時までに水素吸蔵合金
が酸化を受ける可能性が高いとともに、活性化工程にお
いても水素吸蔵合金が酸化を受け易く、結果的に、活性
化終了後の水素吸蔵合金は酸化が進行した状態となって
サイクル寿命が低下したと考えられる。
【0047】また、平均粒径が150μmの水素吸蔵合
金を使用した電池Yにあっては、サイクル寿命は問題が
生じないものの、30A放電時の作動電圧は極端に低下
し、40A放電時においては放電不能であることが分か
る。これは、平均粒径が150μmという平均粒径が大
きい水素吸蔵合金を使用したことにより、活性化後であ
っても水素吸蔵合金の平均粒径は50μmと大きいた
め、反応表面積が不十分であったためと考えられる。
【0048】一方、平均粒径が50〜120μmの水素
吸蔵合金を使用した電池B,F,Gにあっては、サイク
ル寿命、30A放電時および40A放電時の作動電圧が
向上していることが分かる。これは、平均粒径が50〜
120μmの範囲であると、活性化により平均粒径が2
0〜45μmに小さくなるとともに、水素吸蔵合金に多
くのクラックが生じて水素吸蔵合金の表面積が大きくな
り、反応面積が増大して高率放電特性が向上したと考え
られる。これらのことから、本発明の充放電による活性
化条件においては、平均粒径が50〜120μmの水素
吸蔵合金を使用するのが望ましいということができる。
【0049】9.水素吸蔵合金のコバルト量の検討 ついで、水素吸蔵合金のコバルト量について検討した。 (1)電池H 上述と同様に、組成式がMm1.0Ni3.4Co0.8Al0.2
Mn0.6で表される水素吸蔵合金(MmaNibCocAl
dMneで表した場合のコバルト量(c/a)が0.8の
もの)のインゴットを作製した後、この水素吸蔵合金イ
ンゴットを機械的に粗粉砕した後、不活性ガス雰囲気中
で平均粒子径が約90μmになるまで機械的に粉砕し
た。このようにして作製した水素吸蔵合金粉末を用い
て、上述と同様に水素吸蔵合金負極を作製した後、上述
と同様にニッケル−水素蓄電池を作製した。ついで、こ
のニッケル−水素蓄電池を用いて、上述の電池Bと同様
の条件で活性化して電池Hを作製した。
【0050】(2)電池I 上述と同様に、組成式がMm1.0Ni3.7Co0.5Al0.2
Mn0.6で表される水素吸蔵合金(MmaNibCocAl
dMneで表した場合のコバルト量(c/a)が0.5の
もの)のインゴットを作製した後、この水素吸蔵合金イ
ンゴットを機械的に粗粉砕した後、不活性ガス雰囲気中
で平均粒子径が約90μmになるまで機械的に粉砕し
た。このようにして作製した水素吸蔵合金粉末を用い
て、上述と同様に水素吸蔵合金負極を作製した後、上述
と同様にニッケル−水素蓄電池を作製した。ついで、こ
のニッケル−水素蓄電池を用いて、上述の電池Bと同様
の条件で活性化して電池Iを作製した。
【0051】(3)電池Z 上述と同様に、組成式がMm1.0Ni3.8Co0.4Al0.2
Mn0.6で表される水素吸蔵合金(MmaNibCocAl
dMneで表した場合のコバルト量(c/a)が0.4の
もの)のインゴットを作製した後、この水素吸蔵合金イ
ンゴットを機械的に粗粉砕した後、不活性ガス雰囲気中
で平均粒子径が約90μmになるまで機械的に粉砕し
た。このようにして作製した水素吸蔵合金粉末を用い
て、上述と同様に水素吸蔵合金負極を作製した後、上述
と同様にニッケル−水素蓄電池を作製した。ついで、こ
のニッケル−水素蓄電池を用いて、上述の電池Bと同様
の条件で活性化して電池Zを作製した。
【0052】ついで、これらの電池H,I,Zを用い
て、上述と同様の試験を行って、30A放電時の作動電
圧および40A放電時の作動電圧を求めるとともに、サ
イクル寿命を求めると下記の表5に示すような結果が得
られた。なお、下記の表5においては、上述した電池B
(MmaNibCocAldMneで表した場合のコバルト
量(c/a)が0.6の水素吸蔵合金(Mm1.0Ni3.6
Co0.6Al0.2Mn0.6)を使用したもの)の結果も併
せて示している。
【0053】
【表5】
【0054】上記表5の結果から明らかなように、コバ
ルト量(c/a)が0.4の水素吸蔵合金を使用した電
池Zにあっては、30A放電時および40A放電時の作
動電圧は問題が生じないものの、サイクル寿命が380
サイクル(回)で短寿命であることが分かる。これは、
コバルト量(c/a)を低下させたことで、水素吸蔵合
金の耐食性が低下し、活性化終了後の水素吸蔵合金は酸
化が進行した状態となってサイクル寿命が低下したと考
えられる。
【0055】一方、コバルト量(c/a)が0.5の水
素吸蔵合金を使用した電池I、コバルト量(c/a)が
0.6の水素吸蔵合金を使用した電池Bおよびコバルト
量(c/a)が0.8の水素吸蔵合金を使用した電池H
にあっては、サイクル寿命の低下が抑制されていること
が分かる。これは、コバルト量(c/a)を0.5以上
添加した水素吸蔵合金は耐食性が向上するためである。
また、このときの30A放電時および40A放電時の作
動電圧にも問題はない。これらのことから、本発明の充
放電による活性化条件においては、コバルト量(c/
a)を0.5以上添加した水素吸蔵合金を使用するのが
望ましいということができる。
【0056】なお、初回の充電後の放電については雰囲
気温度を30℃〜80℃とすることにより、負極活性度
をさらに向上させることが可能となる。これは、水素吸
蔵合金の水素放出反応(放電反応)が吸熱反応であるた
め、高温下で放電を行うことにより、放電反応が円滑
に、かつ効率的に行われ、この円滑な水素の放出が行わ
れるときに、水素吸蔵合金粒子にクラックが生じやすく
なり、水素吸蔵合金粒子の反応面積が増大するためであ
る。
【0057】一方、高温サイクルによる容量劣化に対し
ては、初回充放電後の開路電圧が1.15〜1.25V
になるように放電量を調整することが有効である。この
ように放電量を調整することで初回の充電により正極中
に生成された高次コバルト化合物が還元されることがな
く、コバルト錯イオンも生成されないため、導電ネット
ワークに欠損が生じることがない。これにより、コバル
ト化合物の還元が抑制されて、高次コバルト化合物を安
定化させることが可能となり、高温下でのサイクル容量
の劣化を抑制することが可能となる。このため、初回充
電後に放電を行うに際しては、高温(30℃以上80℃
以下)下で放電した後、30分経過後の開路電圧が1.
15〜1.25V以上となるように放電量を調整するの
が望ましい。
【0058】上述したように、本発明においては、高率
充電レートで全充電量の少なくとも60%以上を充電し
た後、放電させるようにして活性化を行うようにしてい
るので、活性化工程の初回の充電において、水素吸蔵合
金粒子にクラックが生じるとともに、合金粒子が割れて
小さな粒径となり、このものを放電させることにより、
さらに微細化される。これにより、平均粒径が50〜1
20μmの合金粒子が、平均粒径は20〜45μmの合
金粒子になるとともに、この合金粒子に多数のクラック
が存在することとなる。この結果、水素吸蔵合金粒子に
多数の活性面が出現して反応面積が増大するため、高率
放電を行っても放電特性が低下することを抑制できるよ
うになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長江 輝人 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 武江 正夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 尾内 倍太 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H028 BB10 EE01 EE05 EE10 HH01 HH05 HH08 HH10 5H050 AA02 AA07 BA14 CA03 CB16 DA02 DA03 EA02 FA04 GA15 GA18 GA22 HA05 HA14 HA18 HA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が50μm以上、120μm以
    下で組成式がMmaNibCocAldMne(但し、c/
    aが0.5以上)で表される水素吸蔵合金を含有する負
    極と、正極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電
    池を組み立てた後、充放電を行って前記アルカリ蓄電池
    を活性化する活性化工程を備えたアルカリ蓄電池の製造
    方法であって、 前記活性化工程において、初回に行う充放電を、前記負
    極の容量に対して少なくとも0.6It以上の充電レー
    トで電池容量の60%以上を充電した後、放電させるよ
    うにしたことを特徴とするアルカリ蓄電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記活性化工程での充電を30℃以下の
    温度雰囲気で行うようしたことを特徴とする請求項1に
    記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記活性化工程後の水素吸蔵合金の平均
    粒径は20μm以上で45μm以下であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のアルカリ蓄電池の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記活性化工程における放電を30℃以
    上80℃以下の温度雰囲気で行うようにしたことを特徴
    とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のアルカ
    リ蓄電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記活性化工程において、初回の放電後
    の開路電圧が1.15V以上で1.25V以下になるよ
    うに放電させる放電工程を備えるようにしたことを特徴
    とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のアルカ
    リ蓄電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記正極は表面にナトリウム含有コバル
    ト化合物の高導電性被覆層が形成された水酸化ニッケル
    粉末を正極活物質として備えていることを特徴とする請
    求項1から請求項5のいずれかに記載のアルカリ蓄電池
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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