JP2014229593A - アルカリ蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で、放電出力特性が良好であり、また高温耐久性に優れたアルカリ蓄電池を提供する。【解決手段】本発明の一実施形態のアルカリ蓄電池は、水素吸蔵合金負極として、Laを主要希土類元素とする一般式(LaxLny)1一zMgzNit−uTu(T:Al、Co、Mn、Znから選択され、LnはLa以外の希土類元素及びYから選択された少なくとも1種であり、x>y、0.09≰z≰0.14、3.65≰t≰3.80、0.05≰u≰0.25)であって、六方晶系(2H)のA5B19型構造と、三方晶系(3R)のA5B19型構造と、A2B7型構造とを含み、2H系のA5B19型結晶構造のCu−Kα線による粉末X線回折強度ピークは、3R系のA5B19型結晶構造のもの及びA2B7型構造のものよりも大きいものを使用している。【選択図】図2

Description

本発明は、水素吸蔵合金負極を用いたアルカリ蓄電池に関する。
ニッケル水素蓄電池等のアルカリ蓄電池では、正極の極板容量に対し、負極の極板容量が高くなるように設計されている。これは負極において、過充電時の水素発生を防止するための充電リザーブと、過放電時の酸素発生を防止するための放電リザーブを確保するためである。一方、充放電の繰り返しなどにより、電池内材料(正極・負極材料、その他の材料)が酸化されると放電リザーブが増加/充電リザーブが減少する。加えて負極合金の酸化劣化によっても充電リザーブは減少し、最終的に充電リザーブが枯渇すると、過充電時に負極から水素が発生し、ガス圧上昇にともなうリークによりセパレータが保持する電解液が枯渇して充放電ができなくなる。
放電リザーブ量の蓄積量制御のための水素吸蔵合金の高耐久化及び高容量化の観点から、A2B7型結晶構造やA5B19型結晶構造を有するMg含有水素吸蔵合金が検討されている(下記特許文献1〜3参照)。A2B7型結晶構造の水素吸蔵合金は、AB2型結晶構造とAB5型結晶構造とが2層を周期として重なり合った例えばCeNi型の六方晶系(2H)の結晶構造のものが知られている。A5B19型結晶構造の水素吸蔵合金は、AB2型結晶構造とAB5型結晶構造とが3層を周期として積み重なった例えばCeCo19型の三方晶系(3R)の結晶構造のものと、AB2型結晶構造とAB5型結晶構造とが2層を周期として重なり合った例えばPrCo19型の六方晶系(2H)の結晶構造のものとが知られている。
A2B7型結晶構造の水素吸蔵合金は、水素の吸蔵・放出のサイクル寿命特性を向上させることができるが、大電流放電特性(アシスト出力)が不十分であって、従来の範囲を超えた高出力用途としては満足いく特性が得られない。A5B19型結晶構造の水素吸蔵合金は、単位結晶格子当たりのニッケル比率を増加させることができ、水素分子の吸着及び水素原子への解離を促進する活性点を増加させることが可能となるが、金属原子間の隙間が小さくなって水素吸蔵圧が上昇する。そのため、A5B19型結晶構造の水素吸蔵合金を大電流の充放電用途に用いると、水素吸蔵合金の微粉化が加速されて耐久性が低下する。
なお、従来の水素吸蔵合金負極を用いたアルカリ蓄電池では、出力特性(水素吸蔵圧が高いと有利)と回生特性(水素吸蔵圧が低いと有利)の両立のため、40℃、H/M=0.5における水素吸蔵圧が0.020MPa以上、0.055MPa以下のものが多く用いられている。
特開2008−084649号公報 特開2009−176712号公報 特開2011−127177号公報
水素吸蔵合金負極を用いたアルカリ蓄電池をハイブリッド自動車(HEV、PHEV)や電気自動車(EV)等の電源として用いるには、出力特性や回生特性だけでなく、多数の電池を用いる必要上、コストダウンが求められている。近年、磁石用途で用いられるNdなどの希土類元素については、価格が高騰しており、その使用量削減が必要となり、比較的安価なLaへの置換えが検討されている。しかし、水素吸蔵合金中のLaの添加量を単純に増加させていくと、水素吸蔵圧が低下するため、水素吸蔵合金負極を用いたアルカリ蓄電池では出力特性の低下が顕著となる。
また、水素吸蔵合金負極を用いたアルカリ蓄電池をHEV、PHEVやEV用途に用いるには、低温での高率放電性(例えば−10℃で5It以上の放電性)が求められるだけでなく、エンジンなどの付近で高温放置されるため、耐高温特性も要求される。
本発明の一態様のアルカリ蓄電池は、
水素吸蔵合金を主成分とする水素吸蔵合金負極と、
水酸化ニッケルを主成分とするニッケル正極と、
セパレータとからなる電極群をアルカリ電解液とともに外装缶内に備えたアルカリ蓄電池であって、
前記水素吸蔵合金は、Laを主要希土類元素とする一般式(LaLn1一zMgNit−u(T:Al、Co、Mn、Znから選択され、LnはLa以外の希土類元素及びYから選択された少なくとも1種であり、x>y、0.09≦z≦0.14、3.65≦t≦3.80、0.05≦u≦0.25)であって、六方晶系(2H)のA5B19型結晶構造のものと、三方晶系(3R)のA5B19型結晶構造のものと、A2B7型結晶構造のものとを含み、
前記六方晶系(2H)のA5B19型結晶構造のもののCu−Kα線による粉末X線回折強度ピークは、前記三方晶系(3R)のA5B19型結晶構造のもの及びA2B7型結晶構造のものよりも大きいものとされている。
本発明のアルカリ蓄電池によれば、負極の水素吸蔵合金中に安価なLaを特定量で含み、かつ、特定の結晶構造のものを含むものとしたことにより、従来の水素吸蔵合金負極を用いたアルカリ蓄電池と比較して、安価でありながら、放電出力特性が向上し、また高温耐久性も同等以上となる。なお、水素吸蔵合金中のLa以外の希土類元素Lnとしては、Sm、Gd、Yの少なくとも1種を主要成分として含むことが好ましい。
各種実験例で使用したニッケル水素蓄電池の縦断面図である。 LaSm系水素吸蔵合金の粉末X線回折チャートである。 LaNd系水素吸蔵合金の粉末X線回折チャートである。
以下、本発明を実施するための形態について,各種実験例により詳細に説明する。ただし、以下に示す各種実験例は、本発明の技術思想を理解するために例示するものであって、本発明をこの実施形態に特定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
[水素吸蔵合金の調製]
金属元素を所定のモル比となるように混合した後、これらの混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉に投入して溶解させ、これを金型に注入して凝固させ、下記表1に示す組成を有する実験例1〜5の鋳塊状態のLaSm系水素吸蔵合金及び表2に示す組成を有する実験例6〜8の鋳塊状態のLaNd系水素吸蔵合金を調製した。これらの水素吸蔵合金の組成は、一般式(LaLn1一zMgNit−uAl(Ln=Sm又はNd)で表される。
次いで、得られた各水素吸蔵合金について、DSC(示差走査熱量計)を用いて融点(Tm)を測定した。その後、各水素吸蔵合金について、それらの融点(Tm)より低い所定温度、例えば1025℃(実験例1〜5)又は1020℃(実験例6〜8)で、所定時間、例えば10時間、熱処理を行った。この後、これらの各水素吸蔵合金の塊を粗粉砕した後、不活性ガス雰囲気中で機械的に粉砕し、体積累積頻度50%での粒径(D50)が25μmの実験例1〜8に係る水素吸蔵合金粉末を調製した。
次いで、Cu−Kα管をX線源とするX線回折測定装置を用いる粉末X線回折法により、実験例1〜8に係る水素吸蔵合金粉末の結晶構造の同定を行った。この場合、スキャンスピード1°/min、管電圧40kV、管電流300mA、スキャンステップ1°、測定角度20〜50θ/degでX線回折測定を行った。実験例1〜5に係る水素吸蔵合金粉末の粉末X線回折チャートを図2に、実験例6〜8に係る水素吸蔵合金粉末の粉末X線回折チャートを図3に、それぞれ示した。
三方晶系(3R)のA5B19型結晶構造、六方晶系(2H)のA5B19型結晶構造、A2B7型結晶構造は、それぞれ、2θ=31.4°〜31.7°、32.1°〜32.4°、32.7°〜33.0°のピークより同定した。図2及び図3に示したチャートから、実験例1〜8のいずれの水素吸蔵合金においても、A2B7型結晶構造とA5B19型結晶構造が存在することが確認された。また、A5B19型結晶構造の六方晶系(2H)と三方晶系(3R)のピーク強度について、A2B7型結晶構造のピーク強度を100%とした際の相対値(%)を、実験例1〜5の測定結果については表1に、実験例6〜8の測定結果については表2に、それぞれ示した。
次いで、実験例1〜8のそれぞれの水素吸歳合金粉末を、例えば80℃で水素吸蔵放出を5回繰り返して活性化させた後、これらを40℃の雰囲気下で、水素吸蔵量(H/M)が0.5、0.7のときの解離圧を水素平衡圧として、JIS H7201(1991)「水素吸蔵合金の圧力一組成等温線(PCT曲線)の測定方法」に基づいて、水素吸蔵圧及びその傾きを測定した。水素吸蔵圧の傾きは、以下の計算式により求めた。
傾き=Log(吸蔵圧(H/M=0.7)/吸蔵圧(H/M=0.5))
/(0.7−0.5)
実験例1〜5の測定結果を表1に、実験例6〜8の測定結果を表2に、それぞれ示した。
Figure 2014229593
Figure 2014229593
図2に示した結果から、LaSm系のA5B19型結晶構造については、実験例1の水素吸蔵合金では六方晶系(2H)が主であったが、実験例2〜5の水素吸蔵合金では三方晶系(3R)が主であることが確認された。同様に、図3に示した結果から、LaNd系のA5B19型結晶構造については、実験例6の水素吸蔵合金では六方晶系(2H)が主であったが、実験例7及び8の水素吸蔵合金では三方晶系(3R)が主であることが確認された。
また、表1に示した結果から、実験例2〜5では、水素吸蔵合金中のLaの添加量が増大するにしたがって水素吸蔵合金の平衡圧が低下しているが、実験例1では、水素吸蔵合金中のLaの添加量が最も多いにもかかわらず、水素吸蔵合金の平衡圧が実験例2のものよりも大きくなっていることがわかる。同じく、表2に示した結果から、実験例7及び8では、水素吸蔵合金中のLaの添加量が増大するにしたがって水素吸蔵合金の平衡圧が低下しているが、実験例6では、水素吸蔵合金中のLaの添加量が最も多いにもかかわらず、水素吸蔵合金の平衡圧は実験例7のものとほぼ同等の結果が得られていることがわかる。このことは、水素吸蔵合金は、六方晶系(2H)のA5B19型結晶構造を有するものとすることにより、水素吸蔵合金の平衡圧が上昇し、水素吸蔵合金中のLaの添加量の増加による平衡圧力低下分が緩和されることを示すものと考えられる。
ただし、Laは水素との結合強度が強いため、Laの添加量の増加により吸蔵されるが放出されない不可逆水素が増加することが想定される。しかしながら、車載用途などでは、完全放電を行なわないため、問題とならない。なお、六方晶系(2H)のA5B19型結晶構造は、水素吸蔵合金の組成を特定するほか、熱処理条件等の製造条件を調整することで含有させることができる。
実験例1〜8では、LnとしてSm及びNdを用いた例を示した。Lnとしては、La以外の希土類元素及びYから選択された少なくとも1種を採用することができるが、水素吸蔵合金の微粉化抑制の観点から、Nd、Sm、Gd、Pr、Yなどの元素が望ましい。さらに、Lnとしては、Laの添加量の増加による平衡圧が低下することから、平衡圧を上昇させる効果が大きいSm、Y、Gdなどの希土類元素が望ましい。なお、水素吸蔵合金中のLaの添加量はLnよりも多量、すなわち上記の水素吸蔵合金組成の一般式において、x>yなるようにすることが好ましい。
Mg添加量は、多すぎると微粉化及びMg成分の溶解が加速し、少なすぎると結晶構造が不安定(Mgを含まないAB5型結晶構造の生成が顕著)となり、水素吸蔵特性が安定しない(吸蔵カーブの2段化など)。水素吸蔵特性を安定させるためには、A5B19型結晶構造を安定的に構築する必要があるため、Mg量及び希土類元素(La+Ln)量の合計(A)と、Ni及び添加元素(T)量の合計(B)との量論比(B/A)を所定の範囲にコントロールする必要がある。A2B7型結晶構造は存在しても問題ないが、B/Aが少なすぎるとAB2やAB3型結晶構造が、多すぎるとAB5型結晶構造が混在しやすくなる。AB2やAB3型結晶構造、AB5型結晶構造が混在した場合においては、サイクルに伴う微粉化が顕著となる。
車載用途においては、いつでもアシスト(放電)できるようにするため、SOC(充電状態:State of Charge)50%以上の充電状態で保持されており、そういった高SOCの状況で大きな出力特性が望まれる。同じく、放電に伴ってSOCが低下した際には、回生充電により即座にSOC位置を回復することが必要であり、大きな回生出力特性も必要となる。このような観点から、高SOC領域では電池電圧が高く、低SOC領域では電池電圧が低いほうが望ましいため、水素吸蔵曲線(PCTカーブ)は、H/M=0.5〜0.7での傾きが0.7以上3.0以下であることが望ましく、A5B19型結晶構造とA2B7型結晶構造からなる範囲にB/Aをコントロールすることが必要である。以上の点を考慮すると、0.09≦z≦0.14、3.65≦t≦3.80とすることが好ましい。
実験例1〜8では、T成分としてAlを用いた例を示したが、他に、Co、Mn又はZnを用いることができる。T成分の添加量は、少なすぎると結晶構造の安定性及び水素吸蔵量の面で不利となり、多すぎるとT成分の溶解の影響が顕著となるので、0.05≦u≦0.25とすることが好ましい。
[ニッケル水素蓄電池の特性測定]
上述のようにして調製された実験例1〜8の各水素吸蔵合金を用い、以下に示すようにしてニッケル水素蓄電池を作製し、高温放置試験及び出力特性の測定を行った。
(水素吸蔵合金負極の作製)
上述した実験例1〜8の各水素吸蔵合金粉末と水溶性結着剤、熱可塑性エラストマー及び炭素系導電剤を混合・混練して水素吸蔵合金スラリーを調製した。水溶性結着剤としては、0.1質量%のCMC(カルボキシメチルセルロース)の水溶液を使用した。熱可塑性エラストマーとしては、スチレンブタジエンラテックス(SBR)を使用した。炭素系導電剤としては、ケッチエンブラックを使用した。
上述のようにして作製した水素吸蔵合金スラリーを、ニッケルメッキを施した軟鋼材製の多孔性基板(パンチングメタル)からなる負極用導電性芯体に、所定の充填密度(例えば、5.2g/cm)となるように塗着、乾燥させた後、所定の厚みになるように圧延した。この後、所定の寸法になるように切断して、実験例1〜8のそれぞれに対応する水素吸蔵合金負極をそれぞれ作製した。
(ニッケル正極の作製)
多孔度が約85%の多孔性ニッケル焼結基板を比重が1.75の硝酸ニッケル、硝酸コバルト及び硝酸亜鉛の混合水溶液に浸漬し、多孔性ニッケル焼結基板の細孔内にニッケル塩、コバルト塩及び亜鉛塩を保持させた。この後、この多孔性ニッケル焼結基板を25質量%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液中に浸漬し、ニッケル塩、コバルト塩および亜鉛塩をそれぞれ水酸化ニッケル、水酸化コバルトおよび水酸化亜鉛に転換させた。次いで、充分に水洗してアルカリ溶液を除去した後、乾燥し、多孔性ニッケル焼結基板の細孔内に水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を充填した。このような活物質充填操作を所定回数(例えば6回)繰り返して、多孔性焼結基板の細孔内に水酸化ニッケルを主体とする活物質を充填密度が2.5g/cmになるように充填した。
次いで、水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質が充填された多孔性ニッケル焼結基板を、硝酸ニッケル及び硝酸イットリウムの混合水溶液に浸漬し、極板表面にニッケル塩及びイットリウム塩を保持させ、この後、この多孔性ニッケル焼結基板を25質量%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液中に浸漬し、ニッケル塩及びイットリウム塩をそれぞれ水酸化ニッケルおよび水酸化イットリウムに転換させた。次いで、充分に水洗してアルカリ溶液を除去した後、乾燥し、所定の寸法に切断してニッケル正極を作製した。
(アルカリ電解液の調製)
アルカリ電解液は、30質量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液に、水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化リチウム(LiOH)を所定のモル比となるよう調製した混合水溶液に対し、タングステン酸ナトリウムをタングステン換算でアルカリ電解液1gあたり20mgとなるように添加したものを使用した。
(ニッケル水素蓄電池の作製)
上述のように作製された水素吸蔵合金負極とニッケル正極とを用い、これらの間に、スルフォン化処理されたポリプロピレン繊維を含む不織布からなるセパレータを介在させて渦巻状に巻回して渦巻状電極群を作製した。このスルフォン化処理されたポリプロピレン繊維は、アンモニア吸着能を有している。このようにして作製された渦巻状電極群の下部こは水素吸蔵合金負極の芯体露出部が露出しており、その上部にはニッケル正極の芯体露出部が露出している。次いで、得られた渦巻状電極群の下端面に露出する芯体露出部に負極集電体を溶接するとともに、渦巻状電極群の上端面に露出するニッケル正極の芯体露出部の上に正極集電体を溶接して、電極体とした。
得られた電極体を鉄にニッケルメッキを施した有底筒状の外装缶(底面の外面は負極外部端子となる)内に収納した後、負極集電体を外装缶の内底面に溶接した。正極集電体より延出する集電リード部を正極端子を兼ねるとともに外周部に絶縁ガスケットが装着された封口体の底部を構成する封口体に溶接した。なお、封口体には正極キャップが設けられていて、この正極キャップ内に所定の圧力になると変形する弁体とスプリングよりなる圧力弁が配置されている。
次いで、外装缶の上部外周部に環状溝部を形成した後、アルカリ電解液を注液し、外装缶の上部に形成された環状溝部の上に封口体の外周部に装着された絶縁ガスケットを載置した。この後、外装缶の開口端縁をかしめ、外装缶内に上記アルカリ電解液を電池容量あたり2.5g/Ah注入し、実験例1〜8のそれぞれに対応するニッケル水素蓄電池を作製した。
このようにして作製されたニッケル水素蓄電池10の具体的構成を図1を用いて説明する。ニッケル水素蓄電池10は、上述のようにして作製されたニッケル正極11と、水素吸蔵合金負極12とがセパレータ13とを介して互いに絶縁された状態で巻き回された巻回電極体14を有している。ニッケル正極11は、ニッケルめっき鋼板製のパンチングメタルからなる正極芯体15の両面に形成された多孔質ニッケル焼結体内に、水酸化ニッケルを主成分とし、水酸化コバルト等が添加された正極活物質16が充填された構成を有している。水素吸蔵合金負極12は、ニッケルメッキした軟鋼材製のパンチングメタルからなる負極芯体18の両面に負極活物質としての水素吸蔵合金粉末を有する負極合剤層19が形成されている。
巻回電極体14の下部には負極芯体18に負極集電体20が抵抗溶接されており、巻回電極体14の上部には正極芯体15に正極集電体21が抵抗溶接されている。巻回電極体14は、鉄にニッケルメッキを施した有底円筒形の金属製の外装缶22内に挿入されており、負極集電体20と外装缶22の底部との間はスポット溶接されている。
外装缶22の開放端側には、鉄にニッケルメッキを施した封口体23が、ガスケット24を介して外装缶22とは電気的に絶縁された状態で、カシメ固定されている。正極集電体21は、封口体23に溶接されて電気的に接続されている。正極集電体21の中央部には開口25が設けられており、この開口25には弁体26が開口25を塞ぐように配置されている。
また、封口体23の上面には、開口25の周囲を覆い、かつ、弁体26とは一定距離だけ隔てた状態となるように、正極キャップ27が設けられている。正極キャップ27には、適宜ガス抜き孔(図示省略)が設けられている。正極キャップ27の内面と弁体26との間にはバネ28が設けられており、弁体26はバネ28によって封口体23の開口25を塞ぐように押圧されている。この弁体26は外装缶22の内部の圧力が高くなった際に、内部の圧力を逃がす安全弁としての機能を有している。
(ニッケル水素蓄電池の活性化)
上述のようにして作製された実験例1〜8に対応するそれぞれの円筒状ニッケル水素蓄電池を、それぞれ25℃に維持された恒温槽中で、1Itの充電電流でSOCが120%となるまで充電し、次いで、70℃に維持された恒温槽中で24時間放置した後、45℃に維持された恒温槽中で、1Itの放電電流で電池電圧が0.3Vになるまで放電させた。この充放電サイクルを1サイクルとして2サイクル繰り返して、電池を活性化した。
次いで、活性化された実験例1〜8に対応するそれぞれの円筒状ニッケル水素蓄電池に対して、25℃に維持された恒温槽中で、0.5Itの定電流でSOCが120%となるまで充電し、1時間放置した後、1Itの放電電流で電池電圧が0.9Vになるまで放電させた。この充放電サイクルを3サイクル繰り返した。
(高温放置試験)
水素吸蔵合金の耐食性を調べるために、以下の評価を実施した。上述のようにして活性化した実験例1〜8のそれぞれに対応する円筒形ニッケル水素蓄電池の電池質量を測定した後、25℃の温度雰囲気で1Itの充電電流でSOCの80%まで充電した後、80℃の温度雰囲気で1週間放置させた。次いで、25℃の温度雰囲気下で1Itの放電電流で、電池電圧が0.9Vになるまで放電させた。このような充電放置を6回(実験例1〜5)又は5回(実験例6〜8)繰り返した。
(出力特性評価)
80℃の温度雰囲気での放置前及び放置後の実験例1〜8のそれぞれに対応する円筒形ニッケル水素蓄電池の低温出力特性評価を以下のように測定した。上述のようにして活性化した実験例1〜8のそれぞれに対応する円筒形ニッケル水素蓄電池を25℃の温度雰囲気で1Itの充電電流でSOCの50%まで充電した後、−10℃の温度雰囲気で3時間休止させた。次いで、−10℃の温度雰囲気で、以下に示す所定の充電レートで20秒間充電させた後、−10℃の温度雰囲気で30分間休止させた。この後、−10℃の温度雰囲気で、以下に示す所定の放電レートで10秒間放電させた後、−10℃の温度雰囲気で30分間休止させた。このような−10℃の温度雰囲気での所定の充電レートでの20秒間充電、30分の休止、所定の放電レートで10秒間放電、一10℃の温度雰囲気での30分の休止を繰り返した。
この場合、所定の充電レートは0.8It−1.7It−2.5It−3.31t−4.21tの順で充電電流を増加させ、所定の放電レートは、1.7It−3.3It−5.0It−6.7It−8.3Itの順で放電電流を増加させるものであり、各放電レートで10秒間経過時点での各電池の電池電圧(V)を放電レート毎に測定した。次いで、測定した10秒間経過時点での各電池の電池電圧(V)を放電レート毎の放電電流値に対して2次元プロットし、電池電圧と放電電流値の関係を示す近似曲線を求め、近似曲線における0.9V時の放電電流値をSOC50%出力特性として求めた。実験例1〜5のLaSm系の測定結果は、実験例1の測定結果を100とした相対値で表3の「初期」の欄に示し、実験例6〜8のLaNd系は実験例6の測定結果を100とした相対値で表4の「初期」の欄に示した。
次いで、高温放置後の実験例1〜8のそれぞれに対応する円筒形ニッケル水素蓄電池について、上記の場合と同様にして、SOC50%出力特性を求めた。実験例1〜5のLaSm系の測定結果は実験例1の測定結果を100とした相対値で表3の「劣化後」の欄に示し、実験例6〜8のLaNd系は実験例6の測定結果を100とした相対値で表4の「劣化後」の欄に示した。
なお、表3及び表4の「初期×劣化後」の欄は、「初期」の出力特性及び「劣化後」の出力特性を総合的に勘案するため、「初期」の測定結果と「劣化後」の測定結果の積について、実験例1〜5のLaSm系の測定結果は実験例1の測定結果を100とした相対値で表3に示し、実験例6〜8のLaNd系は実験例6の測定結果を100とした相対値で表4に示したものである。
Figure 2014229593
Figure 2014229593
これらの表3及び表4に示した結果から明らかなように、実験例1及び実験例6に対応するニッケル水素蓄電池においては、実験例2〜5ないし実験例7、8に対応するニッケル水素蓄電池よりもLa添加量が多い(コスト安価)にもかかわらず、初期特性の低下が抑制され、また、劣化後(高温放置後)においても充放電特性の優位性を保っており、初期と劣化後の特性バランスに優れていることが確認できた。特に、実験例1に対応するニッケル水素蓄電池においては、実施例2のものに対し、よりLa添加量を増大させることが可能となっており、コスト面でも優位であることが明らかである。
10…ニッケル水素蓄電池 11…ニッケル正極 12…水素吸蔵合金負極
13…セパレータ 14…巻回電極体 15…正極芯体
16…正極活物質 18…負極芯体 19…負極合剤層
20…負極集電体 21…正極集電体 22…外装缶
23…封口体 24…ガスケット 25…開口
26…弁体 27…正極キャップ 28…バネ

Claims (2)

  1. 水素吸蔵合金を主成分とする水素吸蔵合金負極と、
    水酸化ニッケルを主成分とするニッケル正極と、
    セパレータとからなる電極群をアルカリ電解液とともに外装缶内に備えたアルカリ蓄電池であって、
    前記水素吸蔵合金は、Laを主要希土類元素とする一般式(LaLn1一zMgNit−u(T:Al、Co、Mn、Znから選択され、LnはLa以外の希土類元素及びYから選択された少なくとも1種であり、x>y、0.09≦z≦0.14、3.65≦t≦3.80、0.05≦u≦0.25)であって、六方晶系(2H)のA5B19型結晶構造のものと、三方晶系(3R)のA5B19型結晶構造のものと、A2B7型結晶構造のものとを含み、
    前記六方晶系(2H)のA5B19型結晶構造のもののCu−Kα線による粉末X線回折強度ピークは、前記三方晶系(3R)のA5B19型結晶構造のもの及びA2B7型結晶構造のものよりも大きい、
    アルカリ蓄電池。
  2. 前記Lnは、Sm、Gd、Yの少なくとも1種を主要成分として含む、請求項1に記載のアルカリ蓄電池。
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