JP2002289092A - ガス放電型表示装置の製造方法 - Google Patents

ガス放電型表示装置の製造方法

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JP2002289092A
JP2002289092A JP2001086456A JP2001086456A JP2002289092A JP 2002289092 A JP2002289092 A JP 2002289092A JP 2001086456 A JP2001086456 A JP 2001086456A JP 2001086456 A JP2001086456 A JP 2001086456A JP 2002289092 A JP2002289092 A JP 2002289092A
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JP
Japan
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green sheet
laminating
firing
electrodes
gas discharge
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JP2001086456A
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Hiroshi Watanabe
拓 渡邉
Masaki Aoki
正樹 青木
Kazuya Hasegawa
和也 長谷川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリーンシートを用いて誘電体層や隔壁下地
層或は隔壁を形成する上で、工程が簡素で、焼成時に多
くのエネルギを要することなく、形成される誘電体層な
どに気泡が生じるのを抑制することのできるガス放電型
表示装置の製造方法を提供する。 【解決手段】誘電体層13を形成する工程は、減圧雰囲
気にした密閉室103内で第1グリーンシート110を
ラミネートする第1ラミネートステップ、第2グリーン
シート120をラミネートする第2ラミネートステップ
及びラミネートされた第1グリーンシート110及び第
2グリーンシート120を焼成する焼成ステップからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルをはじめとするガス放電型表示装置の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガス放電型表示装置として代表的なプラ
ズマディスプレイパネル(以下、PDPと記載する。)
は、例えば次のように製造される。前面ガラス基板に表
示電極を形成し、その上に誘電体ガラスからなる誘電体
層及び保護膜を形成する。
【0003】一方、背面ガラス基板上にアドレス電極を
形成し、その上に隔壁下地層を兼ねる誘電体層を形成
し、更にその上に隔壁を形成する。そして隔壁の間に、
各色蛍光体ペーストを塗布し焼成してペースト内の樹脂
成分等を除去することにより各色蛍光体層(R,G,
B)を形成する。蛍光体焼成後、前面ガラス基板または
背面ガラス基板の外周部に封着用ガラスフリットを塗布
して封着ガラス層を形成し、両基板を重ね合わせて加熱
することによって封着する。そして、内部空間を排気し
た後に放電ガスを封入する。
【0004】ところで、誘電体層を形成する方法として
は、誘電体ガラス材料を含むペーストを、スクリーン印
刷法或はダイコート法で塗布して、塗布膜を焼成する方
法が従来から広く用いられているが、その他に誘電材料
を含有するグリーンシートをラミネートして焼成する方
法も知られている。誘電体層を形成する際に、印刷法や
ダイコート法を用いる場合とグリーンシート法を用いる
場合とを比較すると、印刷法やダイコート法の場合は、
塗布工程・乾燥工程・焼成工程と3段階の工程が必要で
あるのに対して、グリーンシート法は、ラミネート工程
・焼成工程と2段階の工程で済むので簡便である。ま
た、グリーンシート法の方が膜厚が均一な誘電体層を形
成しやすいし、ペーストと比べるとグリーンシートの方
が保管も容易である。
【0005】また、隔壁を形成する方法としては、ガラ
スペーストを所定のピッチで塗布し焼成する方法が知ら
れているが、この他に、隔壁材料を含むグリーンシート
をラミネートして、サンドブラストで不要部分を取り除
くと共に焼成することによって隔壁を形成する方法も知
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電極が
形成された基板上において、電極エッジ部には段差があ
るため、この上を覆ってグリーンシートをラミネートす
る際に、当該エッジ部に空気を巻き込みやすい。そし
て、空気が巻き込まれると、形成される誘電体層や隔壁
において、電極との間に気泡が生じるため、耐圧不良や
放電光の透過率減衰といった問題も生じる。
【0007】このような課題に対して、例えば、特開平
11−65481号公報に開示されているように、基板
に予め液状もしくは半液状の誘電体材料を塗布してお
き、誘電性グリーンシートをラミネートする技術もあ
り、気泡発生を抑えるのに有効であるが、この場合、流
動性の誘電体材料を塗布する工程が必要となるので、工
程の簡素さが失われる。
【0008】一方、グリーンシートにおける可塑剤含有
量を多くして柔軟性を高めることによっても気泡発生を
抑えることは可能と考えられるが、可塑剤を多く含有さ
せると焼成時にそれを焼失させるのに多くの時間とエネ
ルギが必要となる。本発明は、これらの課題に鑑み、グ
リーンシートを用いて誘電体層や隔壁下地層或は隔壁を
形成する上で、工程が簡素で、焼成時に多くのエネルギ
を要することなく、形成される誘電体層などに気泡が生
じるのを抑制することのできるガス放電型表示装置の製
造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明におけるガス放電型表示装置の製造方法で
は、電極が設けられた基材上に、グリーンシートを、当
該電極を蔽うように積層する積層ステップと、積層され
たグリーンシートを焼成する焼成ステップとからなる誘
電体層、隔壁下地層或は隔壁を形成する工程において、
積層ステップを減圧雰囲気下で行うこととした。
【0010】また、積層ステップにおいて、グリーンシ
ートを複数回積層する場合には、複数回積層する中で少
なくとも最初にグリーンシートを積層する際に、減圧雰
囲気下で行うこととした。このように、積層ステップを
減圧雰囲気下で行えば、仮に、電極が設けられた基材上
にグリーンシートを積層する際に空気を巻き込んだとし
ても、大気圧雰囲気下に戻したときには、巻き込まれた
空気の体積が減少するので、形成される誘電体層、隔壁
下地層或は隔壁に気泡が生じるのを抑制することができ
る。
【0011】ここで、十分な効果を得るために、減圧雰
囲気の圧力を、大気圧に対して1/10以下とすること
が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明のガス放
電型表示装置の製造方法について、交流面放電型PDP
の製造方法を例にとって説明する。図1は、本実施形態
にかかる交流面放電型PDPを示す斜視図であって、こ
のPDPは次のように製造される。
【0013】(全体的な製造方法について)前面ガラス
基板11に、感光性銀ペーストを塗布し、露光・現像・
焼成して表示電極12を形成し、その上に誘電体ガラス
からなる誘電体層13及び保護膜14を形成する。一
方、背面ガラス基板21上に、銀ペーストを塗布・焼成
してアドレス電極22を形成し、その上に誘電体層23
を形成し、更にその上に隔壁24を形成する。そして隔
壁24の間に、各色蛍光体ペーストを塗布し、500℃
程度で焼成してペースト内の樹脂成分等を除去すること
により各色蛍光体層25(R,G,B)を形成する。
【0014】蛍光体焼成後、前面ガラス基板11または
背面ガラス基板21の外周部に封着用ガラスフリットを
塗布して封着ガラス層を形成し、両基板を重ね合わせて
加熱することによって封着する。そして、内部空間30
を排気した後に放電ガスを封入する。なお、誘電体層2
3は、その上に隔壁を形成するための下地層としての役
割も果している。また、誘電体層23には、誘電体ガラ
スの他に白色顔料である酸化チタンが含まれており、可
視光を反射する反射層としての役割も果している。
【0015】(誘電体層13及び誘電体層23を形成す
る方法について)誘電体層13及び誘電体層23は、基
本的に、基板上に電極を蔽うように、誘電体ガラスを含
むグリーンシートを減圧雰囲気下でラミネートし、ラミ
ネートされたグリーンシートを焼成することによって形
成する。以下、表示電極12が形成された前面ガラス基
板11上に誘電体層13を形成する方法について詳述す
るが、アドレス電極22が形成された背面ガラス基板2
1上に誘電体層23を形成する方法もこれと同様であ
る。
【0016】誘電体層13を形成する工程は、図2
(a)に示すように第1グリーンシート110をラミネ
ートする第1ラミネートステップ、図2(b)に示すよ
うに第2グリーンシート120をラミネートする第2ラ
ミネートステップ及び図2(c)に示すようにラミネー
トされた第1グリーンシート110及び第2グリーンシ
ート120を焼成する焼成ステップの3つのステップか
らなる。
【0017】(第1グリーンシート及び第2グリーンシ
ートについての説明)先ず、第1ラミネートステップで
用いる第1グリーンシート110及び第2ラミネートス
テップで用いる第2グリーンシート120について説明
する。この第1グリーンシート110及び第2グリーン
シート120は、従来から使用されているグリーンシー
トと同様の組成であって、ガラス粉末,熱可塑性樹脂,
可塑剤が混合された混合物がシート状に成形されたもの
である。
【0018】ガラス粉末は、誘電体層を形成する主要成
分であって、PbO−B23−SiO2系の他に、Pb
O−B23−SiO2−ZnO系、PbO−B23−S
iO2−ZnO−(BaO+CaO)系、ZnO−Bi2
3−B23−SiO2−(CaO+SrO+BaO)系
なども用いることができ、これらを混合して用いても良
い。
【0019】熱可塑性樹脂は、シート状に形成すると共
にラミネート加工できるようにするために用いられる。
ポリブチルメタアクリレート樹脂の他に、ポリメチルメ
タアクリレート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチ
ルセルロース樹脂なども用いることができ、これらを混
合して用いても良い。可塑剤は、シートに柔軟性を付与
する役割を果すものであって、ジオクチルフタレートの
他に、ブチルベンジルフタレート、ジイソオクチルフタ
レート、ジカプリルフタレート、ジブチルフタレートな
ども用いることができ、これらを混合して用いても良
い。
【0020】ここで、使用するガラス粉末の種類、熱可
塑性樹脂の種類、可塑剤の種類について、第1グリーン
シート110と第2グリーンシート120とで別々の種
類のものを用いてもよいが、ここでは、同じ種類のもの
を用い、具体的には、誘電体ガラスは、組成がPbO−
23−SiO2で軟化点が560℃のものを用い、熱
可塑性樹脂としてはポリブチルメタアクリレート樹脂を
用い、可塑剤としてはジオクチルフタレートを用いるこ
ととする。
【0021】(各ステップについての説明) 第1ラミネートステップ:このステップでは、表示電極
12が形成された前面ガラス基板11上に、減圧雰囲気
下で第1グリーンシート110をラミネートする。具体
的には、図2に示すようなラミネート装置を用いて行
う。
【0022】このラミネート装置は、1対のラミネータ
ローラ101・102が、密閉室103の中に収納され
て構成され、この密閉室103内は真空ポンプ104で
減圧雰囲気にできるようになっている。なお、図示はし
ていないが、密閉室103内では第1グリーンシートが
ロール状に巻かれており、そこから第1グリーンシート
110が供給されるようになっている。また、真空ポン
プ104としては、工業的に一般に使用される真空ポン
プ、例えばロータリ真空ポンプを用いればよい。
【0023】そして、表示電極12が形成された前面ガ
ラス基板11を80℃〜120℃に加熱し、これを、密
閉室103内に入れ、密閉室103を減圧雰囲気にし
て、第1グリーンシート110を重ね合せながら、1対
のラミネータローラ101・102間を速度1m/分で
通過させることによって圧力2.5kg/cm2で押圧
する。
【0024】第2ラミネートステップ:図2(b)は、
この第2ラミネートの様子を示す図である。この第2ラ
ミネートでは、第1グリーンシート110がラミネート
された前面ガラス基板11上に、第2グリーンシート1
20をラミネートする。具体的には、第1ラミネートス
テップと同様であって、第1グリーンシート110がラ
ミネートされた前面ガラス基板11を加熱し、図2
(b)に示すように、これに第2グリーンシート120
を重ね合せながら、1対のラミネータローラ101・1
02間を通過させることによって押圧する。
【0025】この第2ラミネートステップは、大気圧下
で行うこととするが、第1ラミネートステップと同様に
減圧雰囲気下で行っても良い。 焼成ステップ:図2(c)は、焼成の様子を示す図であ
る。第1グリーンシート110,第2グリーンシート1
20がラミネートされた前面ガラス基板11を、空気中
で加熱することによって焼成する。
【0026】この焼成温度は、第1グリーンシートに含
まれる誘電体ガラスの軟化点及び第2グリーンシートに
含まれる誘電体ガラスの軟化点のいずれよりも高い温度
とし、焼成時間は、グリーンシート中の樹脂成分が焼失
するのに十分な時間とする。グリーンシートに含まれる
誘電体ガラスの軟化点が550℃であれば、例えば、焼
成温度570℃で10分間焼成する。
【0027】このように焼成することによって、第1グ
リーンシート110及び第2グリーンシート120中の
樹脂成分が焼失すると共に誘電体ガラスが焼結し、図2
(d)に示すように誘電体層13が形成される。なお、
この焼成ステップにおいてグリーンシートは収縮するの
で、誘電体層13の膜厚は、通常、第1,第2グリーン
シートの合計膜厚の半分程度となる。この点を考慮し
て、例えば、誘電体層13の膜厚を30μmに設定する
場合、使用する第1グリーンシート110の膜厚と第2
グリーンシート120の膜厚の合計が60μm程度にな
るように設定する。
【0028】(効果についての説明)上記のような誘電
体層13の形成方法によれば、以下に説明するように、
工程が比較的簡素で、焼成時に多くのエネルギを要する
こともなく、且つ空気を巻き込むことによって誘電体層
に気泡が生じるのを抑制することができる。図3は、従
来の一般的なグリーンシート法で誘電体層313を形成
する工程を示す図である。
【0029】この場合、(a)のように表示電極12を
形成した前面ガラス基板11上に、誘電材料を主成分と
するグリーンシート310をラミネートし、(b)のよ
うに焼成することによって、(c)のように誘電体層1
3が形成されるが、表示電極12のエッジ部12aには
表示電極12の厚み分だけ段差があるので、(a)に示
すように、グリーンシート310をラミネートするとき
に、この部分に空気が巻き込まれて隙間ができやすい。
【0030】そして、このように巻き込まれた空気は、
(b)に示す焼成時においても外に抜けにくいにので、
形成された誘電体層313においても気泡310aとし
て残ることになる。ここで、例えばグリーンシート31
0の可塑剤の含有量を多く設定することによって、その
柔軟性を高めておけば、空気が巻き込まれるのを抑える
ことは可能であるが、このように可塑剤含有量を高めた
場合、焼成時に多くの時間とエネルギが必要となる。
【0031】これに対して、本実施形態の誘電体層形成
方法では、第1ラミネートステップを減圧雰囲気下で行
っているので、仮に、表示電極12が設けられた前面ガ
ラス基板11に第1グリーンシート110を積層する際
に空気を巻き込んだとしても、大気圧雰囲気下に戻した
ときにはその体積が減少するので、気泡発生が抑えられ
る。
【0032】また、第2ラミネートステップで第2グリ
ーンシート120をラミネートする際には、既に電極上
には第1グリーンシート110が覆われており、第1グ
リーンシート110の表面には段差があっても緩やかな
ので、大気圧下で行っても、空気は巻き込まれない。よ
って、この方法で形成される誘電体層13は、気泡が生
じにくい。
【0033】また、第1グリーンシート110及び第2
グリーンシート120も、従来から使用されているグリ
ーンシートと組成が同様のものを用いても、充分に効果
を得ることができ、その点、実用的である。また、装置
的にも、従来のラミネート装置に対して真空雰囲気を形
成する装置を加えるだけでよく、装置的な負担は比較的
少なく済む。
【0034】(減圧度、グリーンシート組成などについ
ての考察、並びに変形例)第1ラミネートステップにお
いて、密閉室103を減圧する程度に関しては、十分な
気泡発生抑制効果を得るには、大気圧に対して1/10
以下までする必要があると考えられる。また、できるだ
け高真空にする方が高い効果が得られるが、通常用いら
れる真空ポンプで達成できる真空度を考慮すると、10
0Pa〜1000Pa程度まで減圧とすることが好まし
いと考えられる。
【0035】また、気泡抑制効果をより向上させるため
に、第1グリーンシート110における可塑剤の配合比
率を、第2グリーンシート120における可塑剤の配合
比率よりも大きく設定することによって、第1グリーン
シート110の柔軟性が大きくなるように調整すること
も好ましい。これは、第1グリーンシート110の柔軟
性を大きくすることによって、第1ラミネートステップ
において空気が巻き込まれるのを防ぎ、且つ第2グリー
ンシート120における可塑剤含有量を比較的低く抑え
ることにより、グリーンシート全体に含まれる可塑剤含
有量が低く抑えられ、焼成時に多くの時間とエネルギが
消費されるのを抑えられるからである。なお、この場
合、第2グリーンシート120の膜厚を、第1グリーン
シート110の膜厚より大きく設定することによって、
グリーンシート全体に含まれる可塑剤含有量をより低減
できる。
【0036】上記の説明では、第1ラミネートステップ
及び第2ラミネートステップと、2度のラミネートを行
ったが、先ず、上記の第1グリーンシート110と第2
グリーンシート120とをラミネートして積層グリーン
シートを作製し、電極が形成されたガラス基板に、この
積層グリーンシートを減圧雰囲気下でラミネートして
も、同様に実施することができ、同様の効果を奏する。
【0037】また、上記の説明では、複数枚のグリーン
シート(第1グリーンシート及び第2グリーンシートの
2枚)を用いたが、電極が形成されたガラス基板上に、
グリーンシートを1枚だけラミネートする場合において
も、それを減圧雰囲気下で行えば、通常の大気圧下で行
う場合と比べて気泡発生抑制効果が得られる。 (焼成時の雰囲気についての考察)焼成工程は、焼成炉
内で行うが、焼成炉の内部に、酸素やドライエアーを強
制的に流し込んで、焼成時に酸素が十分に含まれている
雰囲気を形成することが好ましい。
【0038】この理由は、次の通りである。一般的に
は、昇温時においてグリーンシート中の有機物が大部分
が燃焼されるものの、酸素が不足した雰囲気では、有機
物の燃焼が不十分となり、有機物やカーボンが残存した
り炉の内壁にタールが付着したりすることがある。これ
に対して、焼成時において酸素が十分に含まれている雰
囲気を形成すると、有機物の燃焼が促進され、焼成後の
誘電体層に有機物やカーボンが残存したりしにくくな
り、その結果、耐電圧の高い誘電体層を形成することが
できる。また、焼成炉の内壁に付着するタールを低減で
きるので、焼成炉の管理も容易となる。
【0039】なお、焼成炉に流す酸素やドライエアの流
量は、焼成炉の大きさによる。また、酸素やドライエア
ーは、常温〜可塑剤の燃焼完了温度(本実施形態では5
50℃)の温度雰囲気のときだけ流通させ、燃焼完了温
度を越える範囲では流通させないようにする方が無駄が
なく好ましい。また、焼成炉内を大気圧より高い圧力に
加圧した状態で、酸素やドライエアを送り込むと、酸素
分圧を高めることができる。従って、燃焼反応が促進さ
れ、焼成後の誘電体層中に残存する有機物やカーボンを
低減する効果が高められる。 〔実施の形態2〕上記実施の形態1では、誘電体層を形
成する場合について説明したが、本実施の形態では、隔
壁を形成する場合について説明する。
【0040】即ち、従来から、隔壁材料を含有するグリ
ーンシートをラミネートし、サンドブラストによって不
要な部分を除去し、焼成することによって隔壁を形成す
る方法が知られているが、この隔壁材料を含有するグリ
ーンシートをラミネートする際にも、上記実施の形態1
で説明した方法は適用できる。そして、この場合、工程
が比較的簡素で、焼成時に多くのエネルギを要すること
なく、且つ空気が巻き込まれて隔壁層に気泡が生じるの
を抑制することができる。
【0041】以下、この隔壁形成方法について具体的に
説明する。先ず、実施の形態1で説明したのと同様の方
法で、図4(a)に示すように、アドレス電極22が形
成された背面ガラス基板21上に、第1グリーンシート
210及び第2グリーンシート220をラミネートす
る。この第1グリーンシート210及び第2グリーンシ
ート220は、上記実施の形態で用いた第1グリーンシ
ート110及び第2グリーンシート120と同様、隔壁
剤材料粉末,熱可塑性樹脂,可塑剤などを混合し、シー
ト状に成形したものであるが、隔壁材料粉末には、ガラ
ス粉末の他に、アルミナからなるフィラー粉末(骨
材)、酸化チタン(TiO2)からなる顔料粉末も添加
されている。
【0042】そして、第1グリーンシート210は、可
塑剤含有量を大きく設定して柔軟性を高めてあり、第2
グリーンシート220は、第1グリーンシート210よ
りも可塑剤含有量を小さく設定している。なお、使用す
る第1グリーンシート210及び第2グリーンシート2
20の合計厚さは、形成しようとする隔壁の高さに合わ
せて設定する。通常、隔壁高さは誘電体層と比べるとか
なり大きいので、この合計厚さは、実施形態1,2で用
いた第1グリーンシート110及び第2グリーンシート
120の合計厚さよりもかなり大きく設定することにな
る。
【0043】但し、全体の可塑剤含有量をできるだけ低
く抑えるために、第1グリーンシート210の厚さは、
第1グリーンシート110と同様にできるだけ薄く設定
し、第2グリーンシート120を厚めに設定することが
好ましい。次に、図4(b)に示すように、上記のよう
にラミネートしたグリーンシート210,220の上
に、感光性ドライフィルムレジスト(以下、DFRと称
する。)をラミネートすることによって被覆膜230を
形成し、この被覆膜230上に、隔壁パターンに相当す
る部分だけを覆うフォトマスク240を載せ、紫外線光
(UV光)を照射して露光を行う。
【0044】次に、1%炭酸ナトリウム水溶液の現像液
を使用して現像を行い、現像後直ちに水洗する。これに
よって、図4(c)に示すように、被覆膜230は、U
V照射された部分が除去され、隔壁パターンに相当する
部分だけが残る。上記のように被覆膜230をパターン
形成した後、グリーンシート210,220をサンドブ
ラスト加工することによって不要な部分を削り取る。
【0045】具体的には、図4(d)に示すように、ブ
ラストノズル250から研磨材(例えばガラスビーズ
材)251を噴射しながら、このブラストノズル250
を、図中白抜矢印で示すように、被覆膜230表面に沿
って全体にわたって走査させる。これによって、グリー
ンシート210,220に対して、被覆膜230が除か
れた領域だけにブラスト加工が施されて削り取られる。
【0046】尚、このブラスト加工する深さについて
は、図では、第1グリーンシート210と第2グリーン
シート220との境界付近まで削っているが、もっと浅
くグリーンシート220の途中まで削ってもよいし、更
に深く第1グリーンシート210に侵入するまで削って
もよい。上記のようにブラスト加工した後の背面ガラス
基板21を、剥離液(例えば5%水酸化ナトリウム水溶
液)に浸漬することによって、被覆膜230を剥離す
る。図4(e)は、このようにしてグリーンシート21
0,220が隔壁形状にパターニングされた様子(焼成
前隔壁層)を示している。
【0047】次に、焼成ステップにおいて、被覆膜を剥
離した後の背面ガラス基板21を、ピーク温度が隔壁材
料中のガラス粉末の軟化温度より若干高い温度(約55
0℃)となるようにプロファイル形成された焼成炉内で
加熱する。これによって、パターニングされたグリーン
シート210,220(焼成前隔壁層)中の隔壁材料が
焼結され、図4(f)に示すように隔壁層224が形成
される。
【0048】なお、このように形成された隔壁層224
は、図1における誘電体層23と隔壁24とを合せたも
のに相当する。以上の本実施形態の隔壁形成法によれ
ば、ラミネート時にアドレス電極22のエッジ部に空気
が巻き込まれにくく、且つ、焼成時に多くのエネルギを
要することもない。
【0049】なお、本実施の形態では、隔壁形状を形成
するのにサンドブラスト法を用いる例を示したが、感光
性のグリーンシートを用いてフォトリソ法で隔壁形状を
形成した場合も、同様に実施することができる。また、
実施の形態1で説明した減圧度、グリーンシート組成な
どについての考察、変形例、焼成時の雰囲気についての
考察は、本実施の形態でもそのまま適用できる。 (その他の事項)上記実施の形態では、焼成温度につい
て、ガラス材料の軟化点よりも10℃程度高い温度で焼
成することとしたが、ガラス材料の軟化点よりも100
℃程度高い温度で焼成すると、焼成時に膜から空気が抜
けやすいので、気泡を更に低減できるものと期待でき
る。但しこの場合、焼成炉における消費エネルギが大き
くなり焼成時間も多く必要となる。
【0050】上記実施の形態では、交流面放電型PDP
を例にとって説明したが、本発明は、対向放電型PD
P、直流型PDPなどにも適用できる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、電極が
設けられた基材上に、グリーンシートを、当該電極を蔽
うように積層する積層ステップと、積層されたグリーン
シートを焼成する焼成ステップとからなる誘電体層、隔
壁下地層或は隔壁を形成する工程において、積層ステッ
プを減圧雰囲気下で行う、或は、積層ステップにおい
て、グリーンシートを複数回積層する場合には、複数回
積層する中で少なくとも最初にグリーンシートを積層す
る際に、減圧雰囲気下で行うことによって、形成される
誘電体層、隔壁下地層或は隔壁に気泡が生じるのを抑制
することを可能とした。
【0052】特に、この製法を誘電体層形成に用いれ
ば、耐電圧の高い誘電体層を比較的容易に形成すること
ができる点で有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる交流型PDPの斜視図であ
る。
【図2】実施の形態1にかかる誘電体形成方法を示す図
である。
【図3】従来のグリーンシート法による誘電体層形成方
法を示す図である。
【図4】実施の形態2にかかる誘電体形成方法を示す図
である。
【符号の説明】
11 前面ガラス基板 12 表示電極 13 誘電体層 14 保護膜 21 背面ガラス基板 22 アドレス電極 23 誘電体層 24 隔壁 101,102 ラミネータローラ 103 密閉室 104 真空ポンプ 110,210 第1グリーンシート 120,220 第2グリーシート 224 隔壁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 和也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C027 AA05 AA09 5C040 GD09 GF19 JA09 JA17 JA22 JA28 LA17 MA23 MA26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極が設けられた基材上に、誘電材料を
    含むグリーンシートを、当該電極を蔽うように積層する
    積層ステップと、積層されたグリーンシートを焼成する
    焼成ステップとからなる誘電体層形成工程を備えるガス
    放電型表示装置の製造方法であって、 前記積層ステップを、減圧雰囲気下で行うことを特徴と
    するガス放電型表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 電極が設けられた基材上に、誘電材料を
    含むグリーンシートを、当該電極を蔽うように複数回積
    層する積層ステップと、 積層されたグリーンシートを焼成する焼成ステップとか
    らなる誘電体層形成工程を備えるガス放電型表示装置の
    製造方法であって、 前記積層ステップでは、 グリーンシートを複数回積層する中で少なくとも最初に
    グリーンシートを積層する際に、減圧雰囲気下で行うこ
    とを特徴とするガス放電型表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 電極が設けられた基材上に、隔壁下地材
    料を含むグリーンシートを、当該電極を蔽うように積層
    する積層ステップと、積層されたグリーンシートを焼成
    する焼成ステップとからなる誘電下地層形成工程を備え
    るガス放電型表示装置の製造方法であって、 前記積層ステップを、減圧雰囲気下で行うことを特徴と
    するガス放電型表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 電極が設けられた基材上に、隔壁下地材
    料を含むグリーンシートを、当該電極を蔽うように複数
    回積層する積層ステップと、 積層されたグリーンシートを焼成する焼成ステップとか
    らなる隔壁下地層形成工程を備えるガス放電型表示装置
    の製造方法であって、 前記積層ステップでは、 グリーンシートを複数回積層する中で少なくとも最初に
    グリーンシートを積層する際に、減圧雰囲気下で行うこ
    とを特徴とするガス放電型表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 電極が設けられた基材上に、隔壁材料を
    含むグリーンシートを、当該電極を蔽うように積層する
    積層ステップと、積層されたグリーンシートにおける不
    要部分を除去する除去ステップと、積層されたグリーン
    シートを焼成する焼成ステップとからなる隔壁形成工程
    を備えるガス放電型表示装置の製造方法であって、 前記積層ステップを、減圧雰囲気下で行うことを特徴と
    するガス放電型表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 電極が設けられた基材上に、隔壁材料を
    含むグリーンシートを、当該電極を蔽うように複数回積
    層する積層ステップと、積層されたグリーンシートにお
    ける不要部分を除去する除去ステップと、積層されたグ
    リーンシートを焼成する焼成ステップとからなる隔壁形
    成工程を備えるガス放電型表示装置の製造方法であっ
    て、 前記積層ステップでは、 グリーンシートを複数回積層する中で少なくとも最初に
    グリーンシートを積層する際に、減圧雰囲気下で行うこ
    とを特徴とするガス放電型表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記積層ステップにおける減圧雰囲気の
    圧力は、 大気圧に対して1/10以下であることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか1項に記載のガス放電型表示装置
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼成ステップでは、 大気中よりも酸素が多く含まれる雰囲気中で焼成するこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガ
    ス放電型表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記焼成ステップでは、 乾燥空気中で焼成することを特徴とする請求項1〜7の
    いずれか1項に記載のガス放電型表示装置の製造方法。
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