JP2002272852A - 脳動脈用カテーテルおよびカテーテル器具 - Google Patents

脳動脈用カテーテルおよびカテーテル器具

Info

Publication number
JP2002272852A
JP2002272852A JP2002001779A JP2002001779A JP2002272852A JP 2002272852 A JP2002272852 A JP 2002272852A JP 2002001779 A JP2002001779 A JP 2002001779A JP 2002001779 A JP2002001779 A JP 2002001779A JP 2002272852 A JP2002272852 A JP 2002272852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catheter
distal end
coil
layer
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002001779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3944395B2 (ja
Inventor
Naofumi Okajima
直文 岡島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2002001779A priority Critical patent/JP3944395B2/ja
Publication of JP2002272852A publication Critical patent/JP2002272852A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3944395B2 publication Critical patent/JP3944395B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Endoscopes (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】操作性に優れて、特に耐キンク性や、トルク伝
達性が優れている脳動脈用カテーテルを提供する。 【解決手段】カテーテル1は、ルーメン20を有するカ
テーテル本体1aを備える。カテーテル本体1aの先端
部4は、カテーテル1の軸方向に延び、巻かれた形状を
有する金属平板コイル8a,8bと、金属平板コイル8
a,8bの外側に設けられ、金属平板コイル8a,8b
よりも先端側に延長した、比較的柔軟な外層14と、先
端部4の先端側に設けられ、少なくとも外層14の金属
平板コイル8a,8bよりも先端側に延長した部分で形
成された最先端部4Aと、最先端部4Aに設けられ、金
属平板コイル8a,8bより先端側に配置されたX線造
影部材4cとからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管内手術、制ガン剤
治療等の超選択的注入および血管造影等に用いられるカ
テーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、外科手術を行わず、経皮的に血管
内にカテーテルを挿入して血管病変の治療を行う血管内
手術が盛んになっている。このような手技においては、
カテーテルを複雑に蛇行して分枝の多い細い血管の特定
の部位に選択的に挿入しなければならない。
【0003】例えば、脳血管等に見られる動脈瘤や動静
脈奇形腫瘍に対し施される塞栓術と呼ばれる血管内手術
では、細いカテーテルの先端を脳内の患部またはその近
傍まで選択的に挿入して、カテーテルの先端から、シア
ノアクリレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体
のジメチルスルホキシド溶液等の液状の塞栓物質や、ポ
リビニルアルコールの顆粒等の粒状の塞栓物質、または
コイルを注入する。このように細い血管への液状塞栓物
質の注入や薬剤の投与および造影剤の注入には、それに
応じた細径のカテーテルが用いられる。
【0004】従って、このような細径のカテーテルに
は、通常のカテーテルに要求される化学的および生物学
的安全性に加えて、細く複雑なパターンの血管に迅速か
つ確実な選択性をもって挿入し得る操作性が要求され
る。更には、前述した塞栓物質を注入するために、耐薬
品性、特にジメチルスルホキシド等の溶剤に接触したと
きに変質しない耐溶剤性が要求される。
【0005】また、カテーテルの上記操作性について詳
述すると、血管内を挿通させるために術者の押し込む力
がカテーテルの基端側から先端側に確実に伝達され得
る、いわゆる押し込み性と、カテーテルの基端側にて加
えられた回転力が先端側に確実に伝達され得るトルク伝
達性と、曲がった血管内を予め挿入されたガイドワイヤ
ーに沿って円滑にかつ血管内壁を損傷することなく進み
得る追従性と、目的部位までカテーテル先端が到達し、
ガイドワイヤーを引き抜いた後でも、血管の湾曲や屈曲
した部位でカテーテルに折れ曲がりが生じない耐キンク
性が必要とされる。さらに、これらの性質をカテーテル
に付与する最大のファクターの1つとして、カテーテル
の外表面の潤滑性が必要とされる。
【0006】このようなカテーテルの要求性能に関し
て、押し込み性および追従性を付与するための従来技術
としては、比較的硬質な内管と、この内管の外面を覆い
かつ内管の先端より突出した部分を有する比較的柔軟な
外管で構成された、本体部が二重管構造のカテーテルが
開発され、提案されている。
【0007】例えば、実表昭60−500013号公報
では、内管にポリアミドを外管にウレタンを用いて、か
つ内管の先端部分はその内径が漸増するようにテーパ状
に形成されたカテーテルが開示されている。しかしなが
らこのカテーテルは外管がウレタン製であるため耐溶剤
性に乏しく、塞栓術に用いるカテーテルには適さない。
また、この考案ではポリアミドとウレタンの二重管部分
からウレタンの一重管部分に移行する境界部において、
剛性が急激に変化するため、カテーテル本体に折れ曲が
りを生じる可能性がある。特に、ウレタンの一重管部分
においては、外径および内径が一定であり、剛性が先端
に向かって漸減していないため、二重管から一重管に移
行する境界部に応力が集中して、折れ曲がりの原因にな
っており、また追従性も劣っている。
【0008】米国特許第4636346号明細書では、
三重管構造の主要部とそれより先端方向に延長された二
重管構造の先端部を有するガイディングカテーテルが開
示されている。このカテーテルは、主要部の三重管のう
ち内管と外管の間の管が比較的剛性を有するものである
が、当該剛性のある管が無い先端部において、トルク伝
達性と耐キンク性が要求するレベルまで達していない。
【0009】さらに、特開昭57−173065号公報
では、内側にらせん巻ワイヤを用いたカテーテルが開示
されている。このカテーテルは、ほぼ全長にわたり延び
ているチューブと、そのチューブの途中で終端している
らせん巻ワイヤとからなる。しかし、このカテーテルは
らせん巻ワイヤがカテーテル内腔に露出しているので、
塞栓物質のつまりや引っ掛かりを起こす可能性を有して
おり、さらにガイドワイヤーの引っ掛かりを起こす可能
性もないとは言えないので、使用時には慎重に操作する
必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は新規なカテーテルを提供することにある。すなわち、
操作性に優れたカテーテルを提供することにある。特
に、耐キンク性に優れたカテーテルを提供することにあ
る。また、トルク伝達性に優れたカテーテルを提供する
ことにある。さらに、追従性に優れたカテーテルを提供
することにある。さらに、押し込み性に優れたカテーテ
ルを提供することにある。また、耐薬品性に優れたカテ
ーテルを提供することにある。さらに、脳血管治療に優
れたカテーテルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】これらの本発明の目的
は、先端と基端を有するカテーテル本体と、該先端と該
基端との間に延びるルーメンとを備える脳動脈用カテー
テルであって、該カテーテル本体の先端部は、a)該カ
テーテルの軸方向に延び、巻かれた形状を有する金属平
板コイルと、b)該金属平板コイルの外側に設けられ、
該金属平板コイルよりも先端側に延長した、比較的柔軟
な外層または外管と、c)該先端部の先端側に設けら
れ、少なくとも前記外層または外管の前記金属平板コイ
ルよりも先端側に延長した部分で形成された最先端部
と、d)該最先端部に設けられ、前記金属平板コイルよ
り先端側に配置されたX線造影部材と、を有しているこ
とを特徴とする脳動脈用カテーテルによって達成され
る。
【0012】前記カテーテル本体は、前記先端部よりも
基端側に本体部を有しており、前記金属平板コイルは、
前記本体部から前記先端部まで延在していることが好ま
しい。前記外層または外管は、比較的柔軟な管状体から
構成されていることが好ましい。前記外層または外管
は、前記金属平板コイルの表面に柔軟な材料を被覆して
形成されていることが好ましい。前記カテーテルはさら
に、前記金属平板コイルの内側に設けられた、比較的柔
軟な内層または内管を有していることが好ましい。前記
内層または内管は、前記金属平板コイルよりも先端側に
延長し、前記最先端部を形成していることが好ましい。
前記カテーテルはさらに、前記金属平板コイルの内側に
設けられた内層を有していることが好ましい。前記カテ
ーテル本体は、前記先端部よりも基端側に本体部を有し
ており、前記カテーテルの外径は、前記本体部、前記先
端部および前記最先端部の順で小さくなることが好まし
い。前記外層または外管の表面には親水性潤滑層が設け
られていることが好ましい。
【0013】また、本発明の脳動脈用カテーテルは、該
カテーテルを挿通可能なルーメンを有するガイディング
カテーテルの先端から突出した状態で、該カテーテルの
前記ルーメンに挿通されたガイドワイヤーに沿って目的
血管まで挿入され得る、ガイディングカテーテルおよび
ガイドワイヤと共に用いられるカテーテルである。
【0014】また、本発明は、上述した脳動脈用カテー
テルと、該カテーテルの前記ルーメン内に挿入され得る
ガイドワイヤーとから構成されるカテーテル器具であ
る。
【0015】本発明の脳動脈用カテーテルの構成につい
て説明すると、比較的柔軟な内層は、カテーテルのほぼ
全体を通して延びていることが好ましいが、途中におい
て別部材を接続してもかまわない。例えばカテーテルの
先端部において、より一層柔軟であることが求められる
の場合には、先端部内層を本体部内層よりも柔軟な材料
にて形成して、接続してもよい。さらに、本体部を硬質
な材料にてチューブ状に押出成形して、本体部と先端部
の境界部分においては、徐々に軟質な材料の混合比を増
加させながら押出成形しつづけ、先端部にあたる部分で
は軟質な材料のみで押し出しをすることによって得られ
るチューブ、すなわち本体部が硬質材料で先端部が軟質
材料で境界部分においては先端方向に軟質材料の割合が
増加するような一体成形されたチューブを用いることも
可能である。
【0016】内層の内部にはルーメンとなっており、ガ
イドワイヤーや薬液、塞栓剤等が通ることが可能な空間
を備えている。ルーメン径、すなわち内層の内径は本体
部から先端部にかけて、ほぼ同一であることが好ましい
が、先端部の内層の内径は、先端部の外層の外径と共に
先端方向に徐々に小さくすることも可能である。また、
内層の厚みは先端部と本体部でほぼ同一でかまわない
が、先端部を薄くすることは柔軟性が増加するので好ま
しい。
【0017】内層の材質は、内部に通る薬剤に影響され
ない、いわゆる耐薬品性に優れていることが好ましい。
特に、塞栓術に用いられるカテーテルでは、塞栓物質に
DMSO、エタノール、シアノアクリレート等の溶剤が
含有されている場合もあるので、耐溶剤性を備えている
ことが好ましい。また、金属弾性芯材の先端に設けられ
たX線造影性コイルと芯材表面に被覆されたフッ素系被
覆材とからなるガイドワイヤーや、金属弾性芯材の表面
に被覆されたプラスチック被覆材と、被覆材表面に固定
された親水性潤滑層とからなるガイドワイヤーなどのガ
イドワイヤーが内層内部のルーメンに挿通される際の摺
動性を向上させるたり、塞栓物質がコイルの場合にその
通過を容易にするために、摺動性の良い平滑な材料にて
形成することが好ましい。内層の材料としては、柔軟性
とともに耐薬品性と摺動性を満足するものが好ましく、
例えばフッ素系エラストマー等の軟質フッ素樹脂、線状
低密度ポリエチレン(LLDPE)及び変成ポリオレフ
ィンを用いることができる。内層の内表面に摺動性を向
上させるために、親水性処理を施すことが好ましい。親
水性処理は、水膨潤性化合物を内層に直接またはバイン
ダーによって固定することが可能である。また、親水性
処理は、親水性と疎水性のブロックコポリマーを内層に
固定することも可能である。
【0018】中間層は、カテーテルの本体部においては
剛性層とコイル層で構成され、先端部においてはコイル
層で構成される。また、中間層は、カテーテルの本体部
においては剛性層で構成され、剛性層の先端側より先端
部にかけてコイル層が延びるように構成される。さらに
中間層は、所定の剛性を保持したコイル層によって本体
部から先端部にかけて設けられていても良い。
【0019】中間層は内層の外側に設けられており、さ
らに後述する外層の内側に設けられている。コイル層と
剛性層はどちらが内側でも良い。中間層は、実用的にト
ルク伝達性や押し込み性が良好であれば内層や外層に接
着される必要は必ずしもないが、先端と基端を接着する
とトルク伝達性や押し込み性が良好になる。
【0020】剛性層は比較的高い剛性を有してなるもの
で、カテーテルの軸方向および横方向の剛性を向上さ
せ、手元での押し込み力を先端部に伝える押し込み性を
向上させるために設けられる。内層や外層に相応の剛性
を有するものを用いる場合は、剛性層を省略することも
可能である。剛性層の厚みは、軸方向でほぼ同一で、剛
性層の先端にて先端方向に薄くなるようにしても良い。
また、剛性層の先端にて螺旋状スリットを入れても良
い。その螺旋状スリットは先端方向にスリットのピッチ
が小さくなるようにするのが好ましい。又、剛性層の先
端にて軸方向に複数本スリットを入れても良い。
【0021】剛性層の材料としては、カテーテルの軸方
向および横方向の剛性を向上させ、手元での押し込み力
を先端部に伝える押し込み性を備えるものであれば、特
に限定はされないが、プラスチック系ではポリイミド、
液晶ポリマーなどが用いられる。ステンレス(SUS3
04)のパイプやメッシュ編組体等の金属層として構成
しても良い。さらに、金属コイルの外表面を編組体で覆
って該コイルの自由度をある程度抑えて剛性層としても
よい。
【0022】コイル層は、トルク伝達性と耐キンク性を
備えるために設けられたものであり、さらに押し込み性
も向上させる。コイル層は少なくとも前記剛性層の先端
からカテーテルの先端部にまで延長されている。カテー
テル本体部から先端部までコイル層が延在していてもか
まわない。このように剛性層の先端(終端)と先の部分
にかけてコイル層が設けられていることにより、剛性の
落差を補強してキンクを防止できる。さらに、剛性層の
先端部分が肉薄化されているとより一層耐キンク性が向
上する。コイル層はカテーテルの最先端の手前で終端し
ており、その先はカテーテルで最も柔軟な部分とするこ
とが好ましい。
【0023】コイル層は、互いに逆方向に巻かれた二層
コイルであることが好ましいが、一層のコイルでもかま
わない。コイルは断面長方形の平板コイルであることが
好ましいが、断面円形のコイルでもかまわない。コイル
の巻ピッチはカテーテルの本体部と先端部で同一でもよ
いが、一部分ピッチを変えることは可能である。ここ
で、ピッチと言うのはコイル巾(素線断面が円形の場合
はその径、長方形の場合は長辺の距離)とコイル隙間を
合わせた距離のことを指す。例えば、本体部を先端部よ
りも小さいコイル隙間のコイルを用いるか、大きいコイ
ル巾のコイルを用いることにより本体部の方が高剛性に
なる。また先端方向において前記剛性層の終端を過ぎて
からコイル隙間を大きくするか、コイル巾を小さくする
ことにより、本体部から先端部における柔軟性を3段階
4段階と言うように段階的若しくは連続的変えることが
できる。
【0024】また、二層コイルの場合、内層のコイルと
外層のコイルの柔軟性を変えることも可能である。柔軟
性を変える手段としては、コイルの厚みを変えることや
コイル自身の材質を変えることが挙げられる。内層のコ
イルと外層のコイルのを変えることも可能である。カテ
ーテルの本体部において二層のコイルであるものが、先
端部において内層若しくは外層のコイルが一方のコイル
の途中で終端することも可能である。これは多段階の柔
軟性を実現する。本発明に用いられるコイルは、ステン
レス(SUS304)、超弾性等の金属製や、PET、
ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネートのプラスチ
ック製が好適である。 外層は、比較的柔軟な管状体か
ら構成される。また、内層や中間層の表面に柔軟性な材
料を被覆して形成して外層としてもかまわない。また、
比較的高剛性樹脂製の本体部と比較的低剛性樹脂製の先
端部と、高剛性樹脂と低剛性樹脂の混合比が連続的に変
化する移行部を有して、本体部・移行部・先端部が一体
成形されてなるチューブを用いても良い。また、高剛性
チューブと低剛性チューブをその間の剛性のチューブに
て接合したものでも良い。さらに、高剛性チューブと低
剛性チューブを数mm〜十数mmにかけて重ね合わせて
接合したものでもよい。この場合、本体部にあたる高剛
性チューブの先端方向は徐々に薄くなり、それに対して
先端部にあたる低剛性チューブは徐々に厚くなるように
重ね合わせて接合することが、剛性の変化が緩やかでか
つ接合面積が大きく取れる点で好ましい。外層は、内層
や中間層の表面にポリオレフィン系等の収縮チューブに
より収縮させて形成してもかまわない。外層は生体適合
性の良好な、特に抗血栓性の良好な材料にて形成される
ことが好ましい。
【0025】外層の表面には、親水性潤滑層を設けるこ
とが好ましい。この潤滑層は単なる被覆でも良いが、実
用に耐える程度に固定されていることが好ましい。外層
の表面にはさらに高い生体適合性を備えるような処理を
施すことが好ましい。生体適合性としては、抗血栓性が
必要であり、ヘパリン溶液のコーテイングやヘパリンボ
ンディングが好ましい。すなわち、外管表面にヘパリン
が固定されていることが好ましい。さらに外管材料に血
栓溶解剤を混合して押出成形して外管としてカテーテル
を構成すると、カテーテル使用時に血栓溶解剤が徐放す
るので好ましい。また、外層の表面には、親水性潤滑層
として親水性化合物ブロックと疎水性化合物ブロックの
ブロック共重合体を固定すると、潤滑性とともに抗血栓
性も向上するので好ましい。この親水性化合物は水膨潤
性化合物であることが好ましい。このような共重合体と
しては、ポリグリシジルメタクリレート(PGMA)ー
ジメチルアクリルアミド(DMAA)のブロック共重合
が好ましい。
【0026】前記先端部の先端側に最も柔軟な最先端部
を設けることが好ましい。最先端部は、外層と内層の二
層で形成されることが好ましいが、より柔軟な先端部材
を融着、接着等の固定をしても良い。また、最先端部は
外層のみの一層にて形成することでも可能である。最先
端部は、外径が減少したくびれ部を備えることが好まし
い。最先端部には、X線造影部材を設けることが好まし
い。X線造影部材は金や白金の線材をコイル状に巻き付
けるか埋め込むことが、最先端部の位置がカテーテル手
技中に判明して望ましい。
【0027】前記剛性層の終端からその先端側にかけて
のカテーテル自体の剛性の急激な変化を防止する別の手
段を設けても良い。すなわち、キンク防止チューブを該
当箇所に設けることによりキンク防止に効果が期待でき
る。
【0028】本発明の脳動脈用カテーテルを脳動脈瘤を
塞栓する脳血管治療(脳動脈瘤塞栓術)について簡単に
説明する。
【0029】まず、本発明のカテーテルが挿通可能なル
ーメンを有するガイディングカテーテルを、大腿動脈か
ら大動脈を経て内頸、外頸あるいは椎骨動脈まで挿入し
て留置する。ガイディングカテーテルの内面は、親水性
コーティングがされていている。次に、金属弾性芯材と
その表面に被覆されたプラスチック被覆材と、該被覆材
表面に固定された親水性潤滑層とからなるガイドワイヤ
ーや、金属弾性芯材と該芯材の先端に設けられたX線造
影性コイルと、芯材表面に被覆されたフッ素系被覆材と
からなるガイドワイヤなどを挿入・セットした本発明の
カテーテルを、ガイディングカテーテルのルーメンに沿
わて、ガイディングカテーテルの先端から突出した後
は、本発明のカテーテルと前記ガイドワイヤで目的血管
まで挿入していく。途中、血管分岐に至った時には、目
的血管に選択挿入するようガイドワイヤを先導させて、
その後カテーテルを押し込む。ガイドワイヤに沿って挿
入しにくい場合は、カテーテルの手元を回転させて、そ
の回転をカテーテル先端部まで伝達させてながら押し込
んで、目的血管まで進める。目的血管に存在する脳動脈
瘤を上流側からカテーテルからの造影剤によってX線透
視下で確認する。脳動脈の微細で複雑に入り組んだ血管
を導入・通過するのに可能な柔軟性を本発明のカテーテ
ルの先端部は備えている。湾曲・屈曲した血管でもコイ
ルがカテーテル先端部に設けられているので、キンクせ
ずにガイドワイヤに沿って容易に進むことができる。目
的部位まで到達したら、脳動脈瘤内にカテーテルの先端
部を挿入して、微小コイルなどの塞栓物質を導入する。
導入が完了したらカテーテルを抜去する。
【0030】
【実施例】以下、本発明のカテーテルの実施例を図面を
使って説明する。図1は本発明のカテーテルの第1の実
施例の全体図である。本実施例のカテーテル1は、本体
部2と先端部4からなるカテーテル本体1aとカテーテ
ル本体1aの基端に設けられたハブ11からなる。先端
部4の先端は開口部4aを有しており、開口部4aから
ハブ11の基端11aまで連通している。ガイドワイヤ
ー50が開口部4aより突出している。カテーテル1は
全長1500mmで、先端部4の長さは200mm、本
体部2は1300mmである。
【0031】図2は、カテーテル1の部分断面図であ
る。図2に示すとおり、カテーテル1には、比較的柔軟
な内層6と、内層6の外側に設けられたコイル層8と比
較的高い剛性を有する剛性層10とからなる中間層12
と、中間層12の外側に設けられた比較的柔軟な外層1
4から構成された本体部2と、内層6と中間層12のコ
イル層8と外層14から構成された先端部4とからな
る。
【0032】外層14の外表面には潤滑層16が設けら
れており、潤滑層16により親水性が付与されて血管と
の摺動性が向上する。さらに、潤滑層16にはヘパリン
溶液が被覆されていることにより抗血栓性が向上してい
る。
【0033】内層6は、本体部2から先端部4まで延び
て設けられ、内部空間はルーメン20として開口部4a
からハブ11の基端11aまで連通している。内層6は
内管にて構成されて、ほぼ均一の内外径を備えており、
ガイドワイヤーや薬液、塞栓剤等が通ることが可能とし
ている。内層6の材質は、フッ素系エラストマーが用い
られているので、耐薬品性、特に耐溶剤性に優れてお
り、塞栓材料やガイドワイヤの挿通性や摺動性が良好と
なる。
【0034】中間層12は、カテーテル1の本体部2に
おいては剛性層10とコイル層8で構成され、先端部4
においてはコイル層8で構成される。中間層12は内層
6の外側に設けられており、さらに後述する外層14の
内側に設けられている。コイル層8の外側に剛性層10
が設けられている。中間層12は、その先端と基端を外
層14や内層6に接着するとトルク伝達性や押し込み性
の他、耐圧性が良好になる。
【0035】剛性層10は比較的高い剛性を有してなる
チューブであり、カテーテルの剛性を向上させ、手元で
の押し込み力を先端部4に伝える押し込み性を向上させ
るために設けられる。剛性層10の厚みは、軸方向でほ
ぼ同一で、剛性層の先端10aにて先端方向に薄くなっ
ている。このことによりキンクを防止できる。剛性層1
0の材料としてはポリイミドが用いられている。剛性層
10が備わる本体部2は押し込み性(プッシャビリティ
ー)が良好になる。
【0036】コイル層8は本体部2から先端部4まで延
在している。コイル層8は、トルク伝達性と耐キンク性
を備えるために設けられたものであり、さらに押し込み
性も向上させる。剛性層10の先端(終端)10aとそ
の先の部分にかけてコイル層8が設けられていることに
より、剛性の落差を補強してキンクを防止できる。コイ
ル層8は、互いに逆方向に巻かれた二層コイルである。
この二層コイルは、内コイル8aと外コイル8bによる
二重コイルからなる。内コイル8aが右巻きの場合、外
コイル8bは左巻きに巻かれている。内コイル8aと外
コイル8bは共に断面ほぼ長方形の平板コイルであり、
ピッチは両コイルとも0.12mmで、コイル隙間は
0.02mmである。内コイル8aと外コイル8bは、
軸方向に対して約80度の方向に互いに逆方向に巻かれ
ている。両コイルの厚みは約0.01mmである。内コ
イル8aと外コイル8bは、ステンレス(SUS30
4)によって形成されている。
【0037】外層14は、比較的柔軟な管状体から構成
される。外層14は、内層6や中間層12の表面にポリ
オレフィン系等の収縮チューブにより収縮させて形成さ
れているので、外層14を容易に形成することが可能と
なる。また、外コイル8bなどのコイルの膨れやたわみ
を押さえられて、中間層12が固定できるのでトルク伝
達性や押し込み性が向上する。
【0038】外層14の表面には、親水性潤滑層16を
設けられている。この潤滑層16は実用に耐える程度に
固定されて、血管挿入の際に含水して血管内壁との摩擦
抵抗を低減して、曲がりくねった末梢血管にまで比較的
容易に導入可能となる。親水性潤滑層としては、外層の
材料にもよるが、本実施例の外層14は変成ポリオレフ
ィンで形成されており、ポリグリシジルメタクリレート
(PGMA)ージメチルアクリルアミド(DMAA)の
ブロック共重合である親水性化合物ブロックと疎水性化
合物ブロックのブロック共重合体が固定されている。該
ブロック共重合体の親水性化合物は水膨潤性化合物であ
るので潤滑性に優れて、親水/疎水のミクロドメイン構
造をなしているので抗血栓性も期待できる。 先端部
4の先端側には最も柔軟な最先端部4Aが設けられてい
る。最先端部4Aは、外層14と内層6の二層で形成さ
れる。最先端部4Aの軸方向の長さは約3.0mmであ
る。最先端部4Aには白金の線材をコイル状に巻いたX
線造影部材4cが設けられているので、カテーテル1の
最先端部4Aの位置がX線透視下において明確に確認で
きる。最先端部4Aにはルーメン20が開口する開口部
4aを有する。
【0039】カテーテル1の外径は、本体部2が最も太
く、最先端部4Aが最も細く、先端部4がその中間の細
さである。例えば、本体部2の外径は約0.92mm、
先端部4の外径は約0.80mm、最先端部4Aの外径
は約0.72mmである。
【0040】本発明のカテーテルの第2の実施例は、基
本的に図1で示される第1の実施例と同じく、本体部2
と先端部4からなるカテーテル本体1aとカテーテル本
体1aの基端に設けられたハブ11からなる。先端部4
の先端は開口部4aを有しており、開口部4aからハブ
11の基端11aまで連通している。
【0041】図3は、本発明のカテーテルの第2の実施
例の部分断面図である。図4に示すとおり、カテーテル
1は、比較的柔軟な内層6と、内層6の外側に設けられ
た金属層である金属管30と金属管30の先端部30a
付近から先端方向に延びるコイル層8と、比較的柔軟な
外層14から構成された本体部2と、本体部2から延び
る内層6とコイル層8と本体部2から延びる外層14か
ら構成された先端部4と、先端部4から延びる内層6と
外層14の二層からなる最先端部4Aとから構成され
る。
【0042】比較的柔軟な内層6は、カテーテルのほぼ
全体を通してルーメン20を形成している管状体であ
り、ガイドワイヤーや薬液、塞栓剤等が通ることが可能
な空間を備えている。ルーメン径、すなわち内層の内径
は本体部から先端部にかけて、ほぼ同一であり、挿入物
の通過を容易にしている。内層6の材質は、内部に通る
薬剤に影響されない、いわゆる耐薬品性に優れているこ
とが好ましく、特に塞栓術に用いられるカテーテルで
は、塞栓物質にDMSO、エタノール、ジアノアクリレ
ート等の溶剤が含有されている場合があるので、耐溶剤
性を備えていることが好ましい。ガイドワイヤーが内層
内部のルーメンに挿通される際の摺動性を向上させるた
り、塞栓物質がコイルの場合にその通過を容易にするた
めに、摺動性の良い平滑な材料にて形成することが好ま
しいので、内層の材料としては、柔軟性とともに耐薬品
性と摺動性を満足するものが好ましいので、軟質フッ素
樹脂製薄肉チューブを用いている。
【0043】金属層である金属管30は後述する外層1
4と比較して高い剛性を有してなるもので、カテーテル
の軸方向および横方向の剛性を向上させ、手元での押し
込み力を先端部に伝える押し込み性を向上させるために
設けられる。さらに、金属管30は弾性域が広く、曲げ
応力に対して通常の使用において塑性変形しにくい、若
しくはほとんど塑性変形しないものである。金属管30
の厚みは、軸方向でほぼ同一で、金属管30の先端部3
0aにおいて先端方向に薄くなっている。また、金属管
30の先端部30aは螺旋状スリット30cが設けられ
ている。螺旋状スリット30cが設けられているの軸方
向の長さは150mm程度である。螺旋状スリット30
cは先端方向にスリットのピッチが小さくなり、徐々に
先端の剛性が低下しているので、キンク防止に効果があ
る。金属管30はステンレス(SUS304)のパイプ
である。金属層としては金属管のほかにメッシュ編組体
等の構成しても良い。
【0044】コイル層8は、トルク伝達性と耐キンク性
を備えるために設けられたものであり、さらに押し込み
性も向上させる。コイル層8は金属管30の先端部30
aを基端としてカテーテルの先端部4にまで延長されて
いる。このように金属管30の先端部(終端)30aと
その先の部分にかけてコイル層8が設けられていること
により、剛性の落差を補強して応力の集中を拡散してキ
ンクを防止できる。ガイドワイヤー挿入中にはガイドワ
イヤーが当該箇所のカテーテルのキンクによって前進も
後退もできなくなるようなことが生じない。コイル層8
は、互いに逆方向に巻かれた二層コイルである。この二
層コイルは、内コイル8aと外コイル8bによる二重コ
イルからなる。内コイル8aと外コイル8bは共に断面
長方形の平板コイルであり、ピッチは両コイルとも約
0.12mmで、コイル隙間は約0.02mmである。
コイル層8は、互いに逆方向に巻かれた二層コイルであ
る。内コイル8aと外コイル8bは、軸方向に対して約
80度の方向に互いに逆方向に巻かれている。両コイル
の厚みは0.02mmである。内コイル8aと外コイル
8bは、ステンレス(SUS304)によって形成され
ている。なお、金属管30の先端部30aとコイル層8
が重なっている部分の軸方向の長さは2mm程度であ
る。コイル層8は、カテーテル1の外側に極端に大きな
膨らみを作らないように、重なって部分を薄く形成して
もよい。または、内コイル8aの基端をずらして、金属
管30の先端と内コイル8aの基端の中間の位置に外コ
イル8bの基端を設けてもよい。さらにいる金属管30
の螺旋状スリット30cが設けられている部分の全長の
約1/3の長さ先端側より先にコイル層8の基端が始ま
って重なっていることが好ましい。
【0045】外層14は、比較的柔軟な管状体から構成
される。外層14の表面には、親水性潤滑層16が設け
られている。潤滑層16は含水可能な高分子を外層14
の表面に固定しており、大動脈を挿通するガイディング
カテーテルのルーメンや比較的鋭角な血管分枝の選択、
湾曲・屈曲した末梢血管の導入などで低摩擦で、手元で
の回転・押し込みが自在に先端部4に伝わる。
【0046】カテーテル1の先端部4の先端側には、カ
テーテル全体でもっとも柔軟な最先端部4Aが設けられ
ている。この最先端部4Aは、外層14と内層6の二層
で形成される。最先端部4Aにはルーメン20が開口す
る開口部4aを有する。最先端部4Aは、外径が減少し
たくびれ部4bを開口部4aよりも基端側に備えている
ので、最先端部4Aの方向が容易に変えられて、血管分
岐や動脈瘤での挿入方向の選択の幅が広がる。最先端部
4Aには、白金の線材をコイル状に巻き付けたX線造影
部材4cが設けられている。
【0047】図4は、本発明のカテ−テルの第3実施例
を示す部分断面図である。カテ−テル1は、本体部2と
先端部4からなる。本体部2から先端部4へ一体的に延
びる内管36と、比較的硬質な本体領域34aと比較的
軟質な先端領域34bを有する管34と、内管36と管
34の間に設けられた軸方向に延びるコイル38とから
なる。
【0048】内管36の内部はル−メン20であり、ガ
イドワイヤ−や薬液が通る通路である。ル−メン20は
カテ−テル1の先端部4において先端方向に行くに従っ
て、小径になっている。内管36の厚みは本体部2と先
端部4でほぼ同じになっている。内管36は、先端から
基端まで同一材料で構成されており、挿入する血管の湾
曲に追従しやすく、血管に影響の少ない柔軟性を備えた
材料にて形成されている。
【0049】内管36の外側にはコイル38が巻設され
ている。コイル38は、ステンレスの平板金属コイルで
あり、ピッチ0.12mmでコイル隙間0.02mmで
ある。平板コイルの断面形状は長方形であり、縦(厚
み)約0.01mm,横(コイル巾)約0.1mmであ
る。コイル38は、本体部2から先端部4へ一体的に延
びており、内管36の先端とほぼ同じ部位で終端となっ
ている。コイル38の内径は、内管36の外径に従って
先端方向に行くにつれて小径になっている。コイル38
は、本体部2において後述する管34の比較的硬質な本
体領域34aと相まって押し込み性を補強して、先端部
4ではトルク伝達とル−メンの潰れを防止している。
【0050】管34は、コイル38の外側と密着して設
けられて、軸方向には比較的硬質な本体領域34aと比
較的軟質な先端領域34bを有する。本体領域34aと
先端領域34bは接続部34cで接続されている。接続
部34cは、本体領域34aがテ−パ状に縮径して、そ
の表面より被覆するように先端領域34bが融着してい
る。接続部34cにおける厚みや外径は、本体領域34
aや先端領域34bと同じようになっている。比較的硬
質な本体領域34aは、カテ−テル1の本体部2に相当
して、本体部2に剛性を与えて押し込みを容易にする。
比較的軟質な先端領域34bは、先端部4に相当して、
湾曲した血管や鋭角に分岐した血管を挿通・留置する場
合にガイドワイヤーの追従性が優れる。前記した接続部
34cは剛性が急激に変化しないように重ね合わせて接
続されているので、急激な物性変化が少なくてキンクし
にくいが、前記したコイル38が本体領域34aと先端
領域34bにかけて、その内面に設けられているので、
より一層キンクしにくくなっている。さらに、本体領域
34aと先端領域34bの間に、中間の柔軟性を有する
管を各々接続することでも、キンクをしにくくなる。先
端部4における管34の外径は、先端に向かって小さく
なっているので、脳などの複雑で細径な血管の挿入に適
している。
【0051】本体部2では、外側より外管である管34
の比較的硬質な本体領域34a、中間層であるコイル3
8、および内層である柔軟な内管36によって構成され
ている。先端部4では、外側より外管である管34の比
較的軟質な先端領域34b、中間層であるコイル38、
および内層である柔軟な内管36によって構成されてい
る。
【0052】先端部4の先端側には最先端部4Aが隣合
っており、先端部4の管34の比較的軟質な先端領域3
4bが延長しており、コイル38は最先端部4Aの手前
で終わっており、コイル38の先端が最先端部4Aの基
端4bと隣り合っている。内管36の先端は、最先端部
4Aの手前で終わっており、コイル38の先端が最先端
部4Aの基端4dと隣り合っており、最先端部4Aにお
けるル−メン20の径は、隣合う内管36のル−メン2
0の径と段差なくほぼ同一である。最先端部4Aはル−
メン20が開口する開口部4aを備える。最先端部4A
には、X線造影用の白金コイル4cが埋め込まれてい
て、最先端部4Aの位置をX線造影で確認できる。最先
端部4Aを比較的柔軟な材料にて環状に形成して、先端
部4に融着してもよい。
【0053】図5は、本発明のカテ−テルの第4実施例
を示す部分断面図である。カテ−テル1は、本体部2と
先端部4からなる。本体部2から先端部4へ一体的に延
びる内管46と、比較的硬質なコイル48aと比較的軟
質なコイル48bと、外管44とからなる。
【0054】内管36の内部はル−メン20であり、ガ
イドワイヤ−や薬液等が通る通路である。ル−メン20
はカテ−テル1の本体部2と先端部4においてほぼ同一
の径となっている。内管36の厚みは本体部2と先端部
4でほぼ同じになっている。内管36は、先端から基端
まで同一材料で構成されており、挿入する血管の湾曲に
追従しやすく血管に影響の少ない柔軟性を備えた材料に
て形成されている。
【0055】内管36の本体部2にあたる部分の外側に
は比較的硬質なコイル48aが巻設されている。コイル
48aは、ステンレスの平板金属コイルであり、ピッチ
約0.12mmでコイル隙間約0.02mmである。平
板コイルの断面形状は長方形であり、縦(厚み)約0.
01mm,横(コイル巾)約0.1mmである。コイル
48aは、本体部2に剛性を付与するために設けられて
おり、カテ−テル1の途中で終わって先端まで延びてい
ない。コイル48aの先端ではピッチを小さくして剛性
を順次変化させている。コイル48aの外側にはコイル
48bが設けられている。外コイルであるコイル48b
は、内コイルであるコイル48aよりも、剛性が小さ
い。剛性をコイル48aとコイル48aで変えるために
は、コイル材料を硬質なものと軟質なものにする方法、
ピッチを大きくして硬さを出して、ピッチを小さくして
柔らかくする方法、コイルの厚さを大きくして硬くし
て、薄くして柔らかくする方法、剛性を付与できる平板
コイルと、当該コイルよりも柔軟な断面円形状のコイル
とする方法などがあり、これらの方法の一つもしくはそ
れ以上を組み合わせて用いることが可能である。 外コ
イル48bと内コイル48aでは、その巻方向が逆にな
っている。コイル48bはコイル48aの先端を越えて
先端部4に延びている。先端部4のコイル48bは、比
較的軟質であるので、湾曲する血管の挿入・留置や鋭角
な血管分岐の選択において、ガイドワイヤ−の追従性が
良くて、つぶれには強い。外コイル48bは同一材料で
先端から基端まで構成されているが、目的に応じて別部
材のコイルを軸方向に並べても良い。例えば、内コイル
48aの先端側でのキンクのしやすさを補うために、外
コイル48bの剛性を内コイル48aと同等か、それ以
下として、外コイル48bを内コイル48aの先端を越
えて先端部4に延ばす。先端部4における外コイル48
bの先端側は、比較的柔軟な別部材のコイルを連接する
ことで、内コイル48aの先端でのキンクを防止しなが
ら、先端部4の柔軟性を確保できる。コイル48aはコ
イル48bの内側に密着して設けられているが、比較的
硬質なコイル48aが比較的軟質なコイル48bの外側
に設けられていても良い。
【0056】外管44は、コイル48aやコイル48b
の外装されており、コイルの移動を柔軟性を失わない程
度に密着して固定している。外管44の外径は、後述す
る被覆部材を併せて、カテ−テル1の外径であり、外管
44の厚みが軸方向でほぼ同一であることから、コイル
48aとコイル48bが重なった部分は最も大きく、次
にコイル48bだけになる部分はよりそれより小さく、
後述する最先端部4Aは、最も小さい。外管44は比較
的柔軟な材料で構成されており、さらにその表面には潤
滑性を付与する含水性高分子が被覆されている。また、
その表面には抗血栓性を示す被覆材が被覆されている。
【0057】先端部4の最先端には最先端部4Aとし
て、コイル48bは、その手前で終端しており、柔軟な
外管44と内管46によって構成されている。最先端部
4Aはカテ−テル1のなかで最も柔軟な部分であり、非
常にデリケ−トな血管内膜を傷つける危険性を減少させ
て、かつ湾曲・屈曲した血管に挿通されたガイドワイヤ
の追従性も高くなる。最先端部4Aの内管46には白金
コイル4cが巻かれており、最先端部4aの位置をX線
造影で確認できる。
【0058】図6は、本発明のカテ−テルの参考例を示
す部分断面図である。カテ−テル1は、本体部2と先端
部4からなる。本体部2から先端部4へ一体的に延びる
内管56と、金属コイル58aと編組体(ブレード線)
53と、外管54とからなる。
【0059】内管36の内部はル−メン20であり、ガ
イドワイヤ−や薬液等が通る通路である。ル−メン20
はカテ−テル1の本体部2と先端部4においてほぼ同一
の径となっている。内管56の厚みは本体部2と先端部
4でほぼ同じになっている。内管56は、先端から基端
まで同一材料で構成されており、挿入する血管の湾曲に
追従しやすく、血管に影響の少ない柔軟性を備えた材料
にて形成されている。
【0060】内管56の本体部2にあたる部分の外側に
は金属コイル58が巻設されている。金属コイル58
は、ステンレスの平板金属コイルであり、ピッチ約0.
12mmでコイル隙間約0.02mmである。平板コイ
ルの断面形状は長方形であり、縦(厚み)約0.01m
m,横(コイル巾)約0.1mmである。金属コイル5
8は、本体部2にトルク伝達性と耐キンク性を付与する
ために設けられており、カテ−テル1の途中で終わって
先端まで延びていない。
【0061】金属コイル58の外側には編組体53が設
けられている。編組体53はコイル58の先端を越えて
先端部4に延びている。編組体53はほぼカテーテル1
の先端から基端まで連続して設けられている。本体部2
の編組体53は金属コイル58の自由度を抑制して剛性
を高くする。先端部4の編組体53は、曲げ応力におい
て比較的低剛性であるので、湾曲する血管の挿入・留置
や鋭角な血管分岐の選択において、ガイドワイヤ−の追
従性が良くて、つぶれには強い。 外管54は、編組体
53や金属コイル58に外装されており、コイルの移動
を柔軟性を失わない程度に密着して固定している。外管
54の外径は、後述する被覆部材を併せて、カテ−テル
1の外径であり、外管54の厚みが軸方向でほぼ同一で
あることから、編組体53とコイル58の重なった部分
である本体部2は最も大きく、次に編組体53と内管5
6,外管54になる先端部4はよりそれより小さく、後
述する最先端部4Aは、最も小さい。外管54は比較的
柔軟な材料で構成されており、さらにその表面には潤滑
性を付与する含水性高分子が被覆されている。また、そ
の表面には抗血栓性を示す被覆材が被覆されている。
【0062】先端部4の最先端には最先端部4Aとし
て、編組体53は、その手前で終端しており、柔軟な外
管54と内管56によって構成されている。最先端部4
Aはカテ−テル1のなかで最も柔軟な部分であり、非常
にデリケ−トな血管内膜を傷つける危険性を減少させ
て、かつ湾曲・屈曲した血管に挿通されたガイドワイヤ
の追従性も高くなる。最先端部4Aの内管56には白金
コイル4cが巻かれており、最先端部4aの位置をX線
造影で確認できる。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の脳動脈用
カテーテルは、先端と基端を有するカテーテル本体と、
該先端と該基端との間に延びるルーメンとを備えるカテ
ーテルであって、該カテーテル本体の先端部は、a)該
カテーテルの軸方向に延び、巻かれた形状を有する金属
平板コイルと、b)該金属平板コイルの外側に設けら
れ、該金属平板コイルよりも先端側に延長した、比較的
柔軟な外層または外管と、c)該先端部の先端側に設け
られ、少なくとも前記外層または外管の前記金属平板コ
イルよりも先端側に延長した部分で形成された最先端部
と、d)該最先端部に設けられ、前記金属平板コイルよ
り先端側に配置されたX線造影部材とを有していること
を特徴とするので、操作性に優れて、特に耐キンク性
や、トルク伝達性が優れている。さらに、押し込み性や
耐薬品性が向上しているので、脳血管治療において操作
性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカテーテルの全体図である。
【図2】本発明のカテーテルの第1の実施例の部分断面
図である。
【図3】本発明のカテーテルの第2の実施例の部分断面
図である。
【図4】本発明のカテーテルの第3の実施例の部分断面
図である。
【図5】本発明のカテーテルの第4の実施例の部分断面
図である。
【図6】本発明のカテーテルの参考例の部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 :カテーテル 2 :本体部 4 :先端部 6 :内層 8 :コイル層 10 :剛性層 12 :中間層 14 :外層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端と基端を有するカテーテル本体と、
    該先端と該基端との間に延びるルーメンとを備える脳動
    脈用カテーテルであって、 該カテーテル本体の先端部は、 a)該カテーテルの軸方向に延び、巻かれた形状を有す
    る金属平板コイルと、 b)該金属平板コイルの外側に設けられ、該金属平板コ
    イルよりも先端側に延長した、比較的柔軟な外層または
    外管と、 c)該先端部の先端側に設けられ、少なくとも前記外層
    または外管の前記金属平板コイルよりも先端側に延長し
    た部分で形成された最先端部と、 d)該最先端部に設けられ、前記金属平板コイルより先
    端側に配置されたX線造影部材と、を有していることを
    特徴とする脳動脈用カテーテル。
  2. 【請求項2】 前記カテーテル本体は、前記先端部より
    も基端側に本体部を有しており、前記金属平板コイル
    は、前記本体部から前記先端部まで延在している請求項
    1に記載の脳動脈用カテーテル。
  3. 【請求項3】 前記外層または外管は、比較的柔軟な管
    状体から構成されている請求項1又は2に記載の脳動脈
    用カテーテル。
  4. 【請求項4】 前記外層または外管は、柔軟な材料を被
    覆して形成されている請求項1又は2のいずれかに記載
    の脳動脈用カテーテル。
  5. 【請求項5】 前記カテーテルはさらに、前記金属平板
    コイルの内側に設けられた、比較的柔軟な内層または内
    管を有している請求項1ないし4のいずれかに記載の脳
    動脈用カテーテル。
  6. 【請求項6】 前記内層または内管は前記金属平板コイ
    ルよりも先端側に延長し、前記最先端部を形成している
    請求項5に記載の脳動脈用カテーテル。
  7. 【請求項7】 前記カテーテル本体は、前記先端部より
    も基端側に本体部を有しており、前記カテーテルの外径
    は、前記本体部、前記先端部および前記最先端部の順で
    小さくなる請求項1ないし6のいずれかに記載の脳動脈
    用カテーテル。
  8. 【請求項8】 前記外層または外管の表面には親水性潤
    滑層が設けられている請求項1ないし7のいずれかに記
    載の脳動脈用カテーテル。
  9. 【請求項9】 前記カテーテルは、該カテーテルを挿通
    可能なルーメンを有するガイディングカテーテルの先端
    から突出した状態で、該カテーテルの前記ルーメンに挿
    通されたガイドワイヤーに沿って目的血管まで挿入され
    得る、ガイディングカテーテルおよびガイドワイヤと共
    に用いられるカテーテルである請求項1ないし8のいず
    れかに記載の脳動脈用カテーテル。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    脳動脈用カテーテルと、該カテーテルの前記ルーメン内
    に挿入され得るガイドワイヤーとから構成されるカテー
    テル器具。
JP2002001779A 2002-01-08 2002-01-08 脳動脈用カテーテルおよびカテーテル器具 Expired - Lifetime JP3944395B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002001779A JP3944395B2 (ja) 2002-01-08 2002-01-08 脳動脈用カテーテルおよびカテーテル器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002001779A JP3944395B2 (ja) 2002-01-08 2002-01-08 脳動脈用カテーテルおよびカテーテル器具

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5325610A Division JPH07178176A (ja) 1993-12-24 1993-12-24 カテーテル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002272852A true JP2002272852A (ja) 2002-09-24
JP3944395B2 JP3944395B2 (ja) 2007-07-11

Family

ID=19190654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002001779A Expired - Lifetime JP3944395B2 (ja) 2002-01-08 2002-01-08 脳動脈用カテーテルおよびカテーテル器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3944395B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004154195A (ja) * 2002-11-01 2004-06-03 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd カテーテル
JP2005058304A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Terumo Corp イントロデューサーシース
WO2010067875A1 (ja) * 2008-12-11 2010-06-17 株式会社カネカ 医療用チューブ
WO2017135131A1 (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 テルモ株式会社 カテーテル
CN108433853A (zh) * 2018-04-09 2018-08-24 浙江巴泰医疗科技有限公司 一种新型多强度多密度鞘管

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004154195A (ja) * 2002-11-01 2004-06-03 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd カテーテル
JP4501337B2 (ja) * 2002-11-01 2010-07-14 株式会社カネカ カテーテル
JP2005058304A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Terumo Corp イントロデューサーシース
WO2010067875A1 (ja) * 2008-12-11 2010-06-17 株式会社カネカ 医療用チューブ
WO2017135131A1 (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 テルモ株式会社 カテーテル
JPWO2017135131A1 (ja) * 2016-02-05 2018-11-29 テルモ株式会社 カテーテル
US20180344975A1 (en) * 2016-02-05 2018-12-06 Terumo Kabushiki Kaisha Catheter
US10994094B2 (en) * 2016-02-05 2021-05-04 Terumo Kabushiki Kaisha Catheter
US11890428B2 (en) 2016-02-05 2024-02-06 Terumo Kabushiki Kaisha Catheter
CN108433853A (zh) * 2018-04-09 2018-08-24 浙江巴泰医疗科技有限公司 一种新型多强度多密度鞘管

Also Published As

Publication number Publication date
JP3944395B2 (ja) 2007-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07178176A (ja) カテーテル
US11596768B2 (en) Flexible tip catheter
US5951539A (en) Optimized high performance multiple coil spiral-wound vascular catheter
JP3915862B2 (ja) カテーテル
US5569200A (en) Vascular catheter
US6171296B1 (en) Flow directed catheter
JP5075632B2 (ja) 予め形状化された遠位先端部を有するカテーテル
EP2624905B1 (en) Distal access aspiration guide catheter
US8926560B2 (en) Distal access balloon guide catheter
JP4544526B2 (ja) カテーテル
JP2934319B2 (ja) ねじれ耐性の遠位先端部を有するカテーテル
US6152912A (en) Optimized high performance spiral-wound vascular catheter
EP2695634B1 (en) Catheter
JP6840759B2 (ja) カテーテルシャフトならびに関連する装置、システム、及び方法
US20110082443A1 (en) Elongate Medical Device with Continuous Reinforcement Member
JP2016172059A (ja) 補助的可変支持体を備える非円形内側ルーメン誘導カテーテル
JP2012531224A (ja) マイクロカテーテル
EP3347078B1 (en) Polymeric catheter shaft with reinforcement
JP2006314623A (ja) カテーテル
JP7155269B2 (ja) 案内伸長カテーテル
WO2006090707A1 (ja) カテーテル
JP2015533555A (ja) 可変的に強化された伸長医療器具の製造方法
JP2022037184A (ja) 医療用長尺体および医療器具セット
JP2006230442A (ja) ガイディングカテーテル
JP3944395B2 (ja) 脳動脈用カテーテルおよびカテーテル器具

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040226

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040419

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20040528

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061026

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100413

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120413

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120413

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140413

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term