JP2002270086A - 電界電子エミッター及びディスプレー装置 - Google Patents

電界電子エミッター及びディスプレー装置

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JP2002270086A
JP2002270086A JP2001113256A JP2001113256A JP2002270086A JP 2002270086 A JP2002270086 A JP 2002270086A JP 2001113256 A JP2001113256 A JP 2001113256A JP 2001113256 A JP2001113256 A JP 2001113256A JP 2002270086 A JP2002270086 A JP 2002270086A
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路軍 潘
Akio Harada
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/02Details
    • H01J61/025Associated optical elements

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンナノチューブより優れた電界放出特
性を有する新規なナノ物質の素材を発見し、この素材を
電界電子エミッターとして利用する。 【解決手段】 本発明に係る電界電子エミッター9は、
カーボンナノコイル8を電界電子源とすることを特徴と
している。この電界電子エミッター9の第1構造は、カ
ーボンナノコイル8の成長触媒からなる触媒基板46
と、この触媒基板46に成長させたカーボンナノコイル
8から構成される。この触媒の具体例として、インジウ
ム・スズ酸化物からなるITO基板6aと、このITO
基板6aの上に形成された鉄被膜6bがある。また、電
界電子エミッター9の第2構造は、基板6cと、この基
板6cの上に導電ペースト6dを介して固着されたカー
ボンナノコイル8から構成される。さらに、この電界電
子エミッター9と、この電界電子エミッターに電界を印
加する制御回路Cと、電界放出された電子の照射で発光
する発光体層10からディスプレー装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーボンナノコイル
(CNCとも云う)の電界放出特性の発見に基づいてな
された電界電子エミッターに関し、更に詳細にはカーボ
ンナノコイルを陰極にして電界を印加することにより電
子を放出させ、この電子を発光体に衝突させて任意パタ
ーンに発光させる電界電子エミッター及びこれを用いた
ディスプレー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電界電子エミッターとして、モリ
ブデンやシリコンなどの微小な円錐状突起からなるマイ
クロエミッターが知られていた。これらのマイクロエミ
ッターは半導体微細加工技術を用いて基板上に形成され
た多数の円錐状突起から構成され、電界の印加に基づく
トンネル現象により電子を放出する冷陰極電子エミッタ
ーである。近年ではナノサイエンスの勃興により、マイ
クロエミッターよりも更に微小なナノエミッターの出現
が期待されていた。
【0003】このような中で、1995年になりカーボ
ンナノチューブが電界放出特性を有することが発見され
た。カーボンナノチューブは断面直径がナノサイズで、
軸長がナノサイズからミクロンサイズにわたる高アスペ
クト比を有する素材であり、電界放出エミッターとして
は好適の素材である。
【0004】カーボンナノチューブ電界電子エミッター
の開発は急速に進展し、この電界電子エミッターを用い
て蛍光表示管が試作された。更に、1999年にはこの
電界電子エミッターを用いたディスプレー装置が発表さ
れ、カーボンナノチューブの電界放出特性の優秀性が示
されるに到った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カーボンナノチューブ
を電界電子エミッターとして利用する発想により最初の
ナノエミッターが出現した。しかし、カーボンナノチュ
ーブエミッターには二つの問題点がある。これらの問題
はカーボンナノチューブの製造方法と密接に絡んでいる
から、製造方法の説明をした後、エミッターとして用い
る場合の欠点を説明する。
【0006】カーボンナノチューブの製造には現在二つ
が知られている。第1の方法は、炭素棒を電極としてア
ーク放電させ、その放電堆積物としてカーボンナノチュ
ーブを回収する方法である。カーボンナノチューブが最
初に発見されたのもこの方法であった。第2の方法は、
触媒基板の上に有機ガスを流通させ、触媒基板の上にカ
ーボンナノチューブをCVD法で成長させる方法であ
る。
【0007】これらの製造方法には次のような欠点が存
在する。第1の欠点は、アーク放電法によるカーボンナ
ノチューブの生成効率がそれほど高くないことである。
つまり、アーク放電法で製造される放電堆積物の中には
カーボンナノチューブ以外に、カーボンナノ粒子など他
の構造の炭素物質がかなり含まれている。従ってこの放
電堆積物からカーボンナノチューブを精製するという余
分な工程が必要となる。
【0008】第2の欠点は、触媒基板上にカーボンナノ
チューブがかなりの高密度で成長することである。言い
換えると、カーボンナノチューブが触媒上に隙間なく林
立するように成長するから、この触媒基板をそのままエ
ミッターとして用いると、個々のカーボンナノチューブ
の先端に尖鋭的に集中する電気力線が少なくなる。つま
り、カーボンナノチューブ先端に作用する電界強度が低
下するため、電界放出電流が小さくなる欠点がある。
【0009】これらの問題点を打開するには、カーボン
ナノチューブを高効率に生成させたり、触媒基板上にカ
ーボンナノチューブを比較的に低密度で成長させる新規
な製造方法を開発する必要がある。しかし、このような
新規な製造法は未だに発見されていない。もう一つの打
開方法は、電界放出特性を発揮する全く新規な素材、特
にナノ物質の素材を発見することである。本発明者等は
この第2の道、即ち新規なナノ物質素材を発見する方法
を選択した。
【0010】従って、本発明は、電界放出特性を有する
新規なナノ物質の素材を発見し、この素材を電界電子エ
ミッターとして利用することを目的とする。また、この
素材を比較的低密度で高効率に生成できるとともに、カ
ーボンナノチューブに劣らない良好な電圧電流特性及び
安定な電流持続性を示す新規な素材を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、カー
ボンナノコイルに電界を印加して電子を放出させること
を特徴とする電界電子エミッターである。
【0012】請求項2の発明は、カーボンナノコイルの
成長触媒からなる触媒基板と、この触媒基板に成長させ
たカーボンナノコイルから構成され、このカーボンナノ
コイルに電界を印加して電子を放出させることを特徴と
する電界電子エミッターである。
【0013】請求項3の発明は、前記成長触媒がインジ
ウム・スズ・鉄系触媒である請求項2に記載の電界電子
エミッターである。
【0014】請求項4の発明は、前記インジウム・スズ
・鉄系触媒が、インジウム・スズ酸化物からなるITO
基板と、このITO基板の上に形成された鉄被膜からな
る請求項3に記載の電界電子エミッターである。
【0015】請求項5の発明は、基板と、この基板の上
に導電ペーストを介して固着されたカーボンナノコイル
から構成され、このカーボンナノコイルに電界を印加し
て電子を放出させることを特徴とする電界電子エミッタ
ーである。
【0016】請求項6の発明は、請求項1、2、3、4
又は5に記載の電界電子エミッターと、この電界電子エ
ミッターに電界を印加する制御回路と、電界放出された
電子の照射で発光する発光体とから構成されることを特
徴とするディスプレー装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者等はカーボンナノチュー
ブに代わる電界電子エミッターの新素材を鋭意研究する
中で、高アスペクト比を有するナノサイズ物質としてカ
ーボンナノコイルを注目するに到った。特に、本発明者
等がインジウム・スズ・鉄系触媒を用いて95%以上の
高収率でカーボンナノコイルを量産することに成功して
から、カーボンナノコイルの電界放出特性の優秀性を認
識するようになった。
【0018】1991年にカーボンナノチューブが発見
されたのに続き、1994年にアメリンクス等い(Am
elinckx,X.B.Zhang,D.Berna
erts,X.F.Zhang,V.Ivanov a
nd J.B.Nagy,SCIENCE,265(1
994)635)がカーボンナノコイルの生成に成功し
た。カーボンナノコイルはグラファイト構造であること
が解明されたが、そのコイル収率は僅かであった。
【0019】1999年にリー等(W.Li,S.Xi
e,W.Liu,R.Zhao,Y.Zhang,W.
Zhou and G.Wang,J.Materia
lSci.,34(1999)2745)は、新たにカ
ーボンナノコイルの生成に成功した。彼らは、グラファ
イトシートの外周に鉄粒子を被覆した触媒を中央に置
き、この触媒近傍をニクロム線で700℃に加熱しなが
ら、体積で10%のアセチレンと90%の窒素の混合ガ
スを流通させて、触媒上にカーボンナノコイルを生成さ
せた。最小のコイル直径は約12nmと極めて小さかっ
たが、依然としてコイル収率は小さく、工業生産に利用
できるものではなかった。
【0020】1999年12月になり、本発明者等はイ
ンジウム酸化物とスズ酸化物の混合物からなるITO基
板の上に鉄被膜を形成した触媒を創案した。この触媒を
700℃に加熱してアセチレンガスとヘリウムガスの混
合ガスを導入したところ、鉄皮膜上に95%以上の収率
でカーボンナノコイルが生成することを発見するに到
り、その内容を特願平11−377363号として開示
した。
【0021】この大量生成されたカーボンナノコイルの
電界放出特性を測定したところ、従来から知られていた
カーボンナノチューブ以上の特性を示すことを発見し、
本特許出願に到ったものである。
【0022】カーボンナノコイルが高い電界放出電流を
示す理由には、二つのことが考えられる。第1に、カー
ボンナノコイルは主としてカーボンナノチューブがラセ
ン旋回して形成されるから、隣接するカーボンナノコイ
ル同士が旋回できる余裕のある間隙を有して成長するた
め、カーボンナノチューブよりも成長密度が小さくな
る。その結果、電界強度が高くなり、放出電流が大きく
なる傾向がある。
【0023】第2に、カーボンナノコイルの電界電子
は、両端の2点から放出されるだけでなく、ラセンを描
く中間点からも放出される。ラセンを描くカーボンナノ
チューブの側面に尖鋭な領域があれば、その尖鋭な先端
が放出点となりやすい。従来の直立したカーボンナノチ
ューブでは、周面は比較的滑らかで尖鋭な領域が少ない
ため、両端の2点が電界電子の放出点となる。従って、
カーボンナノコイルの方が多くの放出点を有するため、
放出電流が大きくなると考えられる。
【0024】以上のことから、カーボンナノコイルの方
がカーボンナノチューブよりも電界電子エミッタとして
有効な素材であると考えられる。同時に、この電界電子
エミッタを用いてディスプレーを構成すれば、放出電流
をより大きくできるため、高輝度で安定性に優れたディ
スプレー装置を実現できる。
【0025】以下に、本発明に係る電界電子エミッター
及びディスプレー装置の実施形態を図面に従って詳細に
説明する。
【0026】図1は本発明に係る電界電子エミッタを用
いたディスプレー装置の概略断面図である。ディスプレ
ー装置2において、陰極となる電極4の上に配置された
電界電子エミッター9は電子銃の役割を有し、この電界
電子エミッター9はカーボンナノコイル8を導電性基板
6の上に配置して構成されている。
【0027】電界電子エミッター9の対面側には、電子
衝撃により発光する蛍光体などからなる発光体層10、
光が透過する電極12、光を外部に導出するガラス板な
どの透明基板14が配置されている。両側は壁体16に
より囲繞され、ディスプレー装置2の内部空間22は、
電子が発光体層10に到達できる程度の真空に設定され
ている。
【0028】ここで、電極12と透明基板14の間に発
光体層10を配置してもよい。この場合には、電極12
は透明である必要はなく、電子が電極12に到達したと
きに発光体層10が発光するように構成されておればよ
い。このように構成しておけば、光は透明基板14から
外部に到達し、外部の看者がディスプレー装置2からの
発光を視認できる。
【0029】電極4と透明電極12の間には、内部空間
22に電界を形成する制御回路Cが設けられ、この実施
形態では制御回路Cは可変直流電源18と電流計20か
ら構成されている。エミッターからは電子が放出される
から、電極4が陰極、透明電極12が陽極となるように
極構成される。
【0030】図2は本発明に係る電界電子エミッターの
第1実施形態の概略構成図である。この電界電子エミッ
ター9は、導電性基板6として触媒基板を利用してい
る。この触媒基板は、インジウム酸化物とスズ酸化物の
混合物であるITO基板6aと、この上に形成された鉄
被膜6bから構成されている。
【0031】この触媒基板は本発明者等によって発見さ
れたもので、後述するように、この触媒基板上に有機性
ガスを気相分解させると、カーボンナノコイル8が高密
度に生成される。しかも、触媒表面の電子顕微鏡観察か
ら、生成しているカーボンナノコイルは堆積したカーボ
ン量の95%以上を占めており、極めて高収率でカーボ
ンナノコイルが生成していることが分かる。
【0032】この触媒基板をそのまま電界電子エミッタ
ー9として使用してもよいし、任意形状に加工して使用
してもよい。また、カーボンナノコイル8は鉄被膜6b
の全面に成長するから、鉄被膜6bを所望の形状にして
おけば、この鉄被膜6bの形状通りの電子ビームが形成
される。
【0033】図3は図1のディスプレー装置の発光パタ
ーンである。この発光パターンは横幅1.5mm、縦長
3.5mmの矩形状で、電界電子がこの形状で発光体層
10に衝突していると考えられる。
【0034】図4は本発明に係る電界電子エミッターの
電界放出電流と印加電圧の関係図である。印加電圧が1
80V以上で、放出電流が急増し、600V付近では1
mA程度に到達していることが分かり、電界電子エミッ
ターとして十分に実用化できる水準に達している。
【0035】図5は本発明に係る電界電子エミッターの
電界放出電流と時間の関係図である。放出電流は250
分に亘ってほとんど変動せず、電界電子エミッターとし
てカーボンナノコイルが十分な安定性を有することを実
証している。従って、図4及び図5の特性から、カーボ
ンナノコイルはカーボンナノチューブと同程度又はそれ
以上の電界放出特性を有することが分かる。
【0036】図6は図2に示される電界電子エミッター
の製造工程図である。この製造装置30は大気圧下に置
かれたフローリアクターであり、反応室32はクォーツ
チューブ34で囲まれている。クォーツチューブ34の
中央部の外周にはチューブ状のヒータ36が配置され、
反応室4の中央は等温領域38に設定されている。この
等温領域38の中に支持板42を置き、この支持板42
の上をカーボンナノコイル8の成長領域40とする。
【0037】図7は成長領域の拡大図である。支持板4
2の上にガラス基板44が載置され、このガラス基板4
4の上に触媒基板46、即ち鉄被膜6bを形成したIT
O基板6aを配置する。このITO基板6aはインジウ
ムースズ酸化物薄膜で、その膜厚Tは任意に調整できる
が、この例では300nmである。このITO基板6a
の表面に、シャドウマスクを通して真空蒸着により鉄被
膜6bが形成され、この膜厚tは15nmである。シャ
ドウマスクは1.5mmX3.5mmの矩形開口部を1
mmのピッチで複数形成されており、その大きさに対応
した鉄被膜6bが形成される。
【0038】上述では、鉄被膜を真空蒸着で形成した
が、イオンプレーティング法・スパッタリング法等のP
VD法(物理的気相成長法)、化学メッキ・電気メッキ
等のメッキ法、他のCVD法(化学的気相成長法)など
も鉄被膜の形成に利用できる。
【0039】まず、クォーツチューブ34内にヘリウム
ガスを充填し、成長領域40の温度を毎分15℃の昇温
速度で700℃まで上昇させた。このヘリウムガスは反
応室内で金属が酸化されるのを防止するために導入され
た。700℃に到達した後、ヘリウムの1/3がアセチ
レンで置換され、ヘリウムとアセチレンの混合ガスの全
流量が260sccmになるように調整された。反応時
間は約1時間に設定され、その後、アセチレンを遮断し
てヘリウムだけをフローさせ、このヘリウム雰囲気中で
成長領域40は室温にまでゆっくりと冷却された。
【0040】図8は触媒基板表面の電子顕微鏡像であ
る。鉄被膜6bのサイズは、幅Wは1.5mm、縦Lは
3.5mmであり、鉄被膜6bの間隔Mは1mmであ
る。前述したように、これらのサイズはシャドウマスク
によって自在に形成される。
【0041】図9は鉄被膜上に成長したカーボンナノコ
イルの電子顕微鏡像である。無数のカーボンナノコイル
が成長していることが分かる。炭素原子の堆積量とコイ
ル生成量から判断してコイル収率は95%と推定され、
この製造方法が極めて高効率であることを示している。
このカーボンナノコイルが本発明に係る電界電子エミッ
タとして利用される。
【0042】図10は電界電子エミッターの他の実施形
態の断面構成図である。導電性基板6は導電体6cと導
電ペースト6dから構成されている。この導電ペースト
6dの中に多数のカーボンナノコイル8が上端を露出し
て埋設されている。カーボンナノコイルの中間部が露出
している場合でも、その中間部から電界電子が放出され
る。導電体6cと導電ペースト6dを電極にして、カー
ボンナノコイル8に電界を印加する。
【0043】図11は図10の電界電子エミッターの製
造方法である。まず、事前に図6の方法で大量生成した
カーボンナノコイルを触媒から削り落として別の容器に
蓄積しておく。(1)のように容器50の中に導電ペー
スト6dを堆積し、この中にカーボンナノコイル8を投
入して混ぜる。
【0044】(2)のようにカーボンナノコイル8を混
ぜ込んだ導電ペースト6dを導電体6cの上に塗着す
る。この段階で、カーボンナノコイル8の上端が導電ペ
ースト表面から突出していればこの露出上端から電界電
子を放出でき、電界電子エミッターとして作用する。カ
ーボンナノコイル8の両端が埋設されていても中間部が
露出していれば、この中間部から電界電子が放出され
る。
【0045】導電ペーストの表面を少し除去すると、
(3)のようにカーボンナノコイル8の上端の多数がペ
ースト表面から露出するようになり、高性能の電界電子
エミッターが完成する。中間部を露出させてもよいこと
は云うまでもない。カーボンナノコイルは強度及び曲げ
弾性が大きいので、ペースト表面が除去されてもカーボ
ンナノコイルが切断されたり、欠けたりすることはな
い。
【0046】図12は図10の電界電子エミッターの他
の製造方法である。まず、(1)のように導電体6cの
上に導電ペースト6dを塗着する。この導電ペースト6
dの表面にカーボンナノコイル8を矢印b方向にパラパ
ラと堆積させる。その結果、(2)のようにカーボンナ
ノコイル8が導電ペースト6dに突き刺さった状態とな
り、電界電子エミッターができあがる。
【0047】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における
種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含
することは云うまでもない。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、カーボンナノ
コイルを電界電子エミッターとして使用するから、良好
な電圧電流特性や電流安定性を有した電界電子エミッタ
ーを提供でき、また耐久性が高いので長寿命の電界電子
エミッターを提供できる。
【0049】請求項2の発明によれば、カーボンナノコ
イルを成長させた触媒基板を電界電子エミッターとして
使用できるから、触媒形状により電流放射形状を任意に
調整でき、しかもカーボンナノコイルが強固に触媒基板
に固着しており、触媒基板とカーボンナノコイルとの導
通性が良好であるから、電界印加性に優れた電界電子エ
ミッターを提供できる。
【0050】請求項3の発明によれば、成長触媒として
インジウム・スズ・鉄系触媒を用いたから、カーボンナ
ノコイルを高密度に密植成長させることができ、高い放
出電流密度を実現できる。
【0051】請求項4の発明によれば、インジウム・ス
ズ・鉄系触媒を、インジウム・スズ酸化物からなるIT
O基板と、このITO基板の上に形成された鉄被膜から
構成するから、カーボンナノコイルを再現性よく成長さ
せることができ、品質性の揃った高電流源の電界電子エ
ミッターを提供できる。
【0052】請求項5の発明によれば、基板の上に導電
ペーストを介してカーボンナノコイルを固着させて電界
電子エミッターを構成するから、カーボンナノコイルの
密度を調整して電流密度を可変できる電界電子エミッタ
ーを提供できる。
【0053】請求項6の発明によれば、カーボンナノコ
イルを用いた電界電子エミッターと制御回路と発光体を
組み込んでディスプレー装置を構成したから、高電流密
度に基づく高発光強度のディスプレー装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電界電子エミッタを用いたディス
プレー装置の概略断面図である。
【図2】本発明に係る電界電子エミッターの第1実施形
態の概略構成図である。
【図3】図1のディスプレー装置の発光パターンであ
る。
【図4】本発明に係る電界電子エミッターの電界放出電
流と印加電圧の関係図である。
【図5】本発明に係る電界電子エミッターの電界放出電
流と時間の関係図である。
【図6】図2に示される電界電子エミッターの製造工程
図である。
【図7】成長領域の拡大図である。
【図8】触媒基板表面の電子顕微鏡像である。
【図9】鉄被膜上に成長したカーボンナノコイルの電子
顕微鏡像である。
【図10】電界電子エミッターの他の実施形態の断面構
成図である。
【図11】図10の電界電子エミッターの製造方法であ
る。
【図12】図10の電界電子エミッターの他の製造方法
である。
【符号の説明】 2・・・ディスプレー装置 4・・・電極 6・・・導電性基板 6a・・ITO基板 6b・・鉄被膜 6c・・導電体 6d・・導電ペースト 30・・製造装置 32・・反応室 34・・クォーツチューブ 36・・ヒータ 38・・等温領域 40・・成長領域 42・・支持板 44・・ガラス基板 46・・触媒基板 50・・容器 C・・・制御回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 29/04 B01J 23/82 M 31/12 (72)発明者 潘 路軍 大阪府堺市新金岡町4−6−12−308 (72)発明者 原田 昭雄 大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 大研化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BB04A BB04B BC18A BC18B BC22A BC22B BC66A BC66B CD10 DA05 EA11 FA01 FA02 FB02 5C031 DD17 5C036 EE01 EE19 EF01 EF06 EF09 EG02 EG12 EH11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンナノコイルに電界を印加して電
    子を放出させることを特徴とする電界電子エミッター。
  2. 【請求項2】 カーボンナノコイルの成長触媒からなる
    触媒基板と、この触媒基板に成長させたカーボンナノコ
    イルから構成され、このカーボンナノコイルに電界を印
    加して電子を放出させることを特徴とする電界電子エミ
    ッター。
  3. 【請求項3】 前記成長触媒がインジウム・スズ・鉄系
    触媒である請求項2に記載の電界電子エミッター。
  4. 【請求項4】 前記インジウム・スズ・鉄系触媒は、イ
    ンジウム・スズ酸化物からなるITO基板と、このIT
    O基板の上に形成された鉄被膜からなる請求項3に記載
    の電界電子エミッター。
  5. 【請求項5】 基板と、この基板の上に導電ペーストを
    介して固着されたカーボンナノコイルから構成され、こ
    のカーボンナノコイルに電界を印加して電子を放出させ
    ることを特徴とする電界電子エミッター。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5に記載の電
    界電子エミッターと、この電界電子エミッターに電界を
    印加する制御回路と、電界放出された電子の照射で発光
    する発光体とから構成されることを特徴とするディスプ
    レー装置。
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