JP2002268135A - 投射型カラー表示装置 - Google Patents

投射型カラー表示装置

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JP2002268135A
JP2002268135A JP2001064070A JP2001064070A JP2002268135A JP 2002268135 A JP2002268135 A JP 2002268135A JP 2001064070 A JP2001064070 A JP 2001064070A JP 2001064070 A JP2001064070 A JP 2001064070A JP 2002268135 A JP2002268135 A JP 2002268135A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源の構成を改良することにより、装置の小
型・軽量化、および低価格化を図ることのできる投射型
カラー表示装置を提供すること。 【解決手段】 投射型カラー表示装置のライトバルブ9
25G、925Bに用いた液晶パネル100では、コス
トが高くても色むら対策を優先して第2の保護基板10
2として第2の透明基板10と同一材質の石英基板を用
い、かつ、光入射側でも、コストが高くても色むら対策
を優先して第1の保護基板101として第1の透明基板
80と同一材質の高耐熱ガラスを用いる。一方、赤色光
用のライトバルブ925Bでは、コストを重視して第1
の保護基板101として第1の透明基板80と異なる無
アルカリガラスを用い、かつ、光出射側でも第2の保護
基板102として第2の透明基板10と異なる材質の無
アルカリガラスを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各色光を色光毎に
電気光学パネルで光変調した後、合成して投射する投射
型カラー表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルなどといった電気光学パネル
をライトバルブとして用いた投射型カラー表示装置で
は、赤色光、緑色光、青色光などといった色光を色光毎
に液晶パネル(ライトバルブ)で光変調した後、色合成
光学系によって合成し、この合成した光を投射光学系に
よってスクリーンなどに拡大投射する。従って、投射型
カラー表示装置では、各色光に対応する3枚の液晶パネ
ルが用いられるが、これらいずれの液晶パネルも基本的
には、図2に示すように、第1の透明基板80と第2の
透明基板10との間に液晶層50などの電気光学物質の
層が保持されている。ここで、第1の透明基板80とし
ては、例えば、50℃における熱膨張係数が約−6×1
-7/℃の高耐熱ガラスが使用され、第2の透明基板1
0としては、例えば、熱膨張係数が約5.8×10-7
℃石英基板が使用されている。
【0003】ここで、投射型カラー表示装置では、光源
からの光を液晶パネル100の液晶層50に焦点がおか
れるように集光させている。このため、焦点位置である
液晶層50から、例えば、基板厚み分に相当する約1m
m以下しか離れていない、第1の透明基板80の外側表
面、あるいは第2の透明基板10の外側表面に付いた傷
や塵は焦点距離範囲内に位置することになって、フォー
カス状態となる。その結果、10μm〜20μm程度の
小さな傷や塵も投射画像に映し出され、表示品位が低下
してしまう。
【0004】このような問題を回避することを目的に、
液晶パネル100には、光が入射する方の第1の透明基
板80の外側表面に、50℃における熱膨張係数が約3
7×10-7/℃の無アルカリガラスなどからなる透明な
第1の保護基板101が貼り付け、光が出射する方の第
2の透明基板10の外側表面にも、無アルカリガラスな
どからなる透明な第2の保護基板102が貼り付けた構
成が案出されている。このような構成によれば、第1の
透明基板80の外側表面、および第2の透明基板10の
外側表面に傷や塵が付くのを防止することができる。ま
た、第1の保護基板101および第2の保護基板102
として厚さが約1mm以上のものを用いれば、第1の保
護基板101の外側表面、および第2の保護基板102
の外側表面に傷や塵がついても、これらは確実に焦点距
離範囲外に位置することになってデフォーカス状態とな
るので、表示の品位が低下することはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱膨張
係数の大きな無アルカリガラスからなる第1の保護基板
101および第2の保護基板102を、熱膨張係数の小
さな高耐熱ガラスからなる第1の透明基板80、および
熱膨張係数の小さな石英基板からなる第2の透明基板1
0に貼り付けた構成では、投射型カラー表示装置におい
て色むらが発生する。色むらとは、投射型カラー表示装
置においてラスター画面をスクリーン1200上に投射
表示したときのスクリーン1200上の色差のことであ
る。
【0006】このような色むらが発生する理由は、以下
のとおりである。投射型カラー表示装置では光源からの
強い光が液晶パネル100に照射されるため、液晶パネ
ル100はかなり温度上昇するが、このような温度上昇
が起こったとき、無アルカリガラスからかる第1の保護
基板101と高耐熱ガラスからなる第1の透明基板80
との間、および無アルカリガラスからかる第2の保護基
板102と石英基板からなる第2の透明基板10との間
で熱膨張の度合いに差があり、液晶パネル100に歪み
が発生する。その結果、液晶パネル100を通る光にお
いて位相差が生じる結果、色むらが発生するのである。
【0007】また、図7(A)に、投射画像の中央の輝
度を「0」とし、その他の領域の輝度が中央に対して8
0%〜90%の場合に「−1」、70%〜80%の場合
に「−2」、70%〜80%の場合に「−3」とする一
方、輝度が中央に対して110%〜120%の場合に
「+1」、120%〜130%の場合に「+2」、13
0%〜140%の場合に「+3」とランク付けしたと
き、従来の投射型カラー表示装置では、輝度が−3〜+
3のランクにまでばらつく。
【0008】そこで、第1の保護基板101として、第
1の透明基板80と同様、高耐熱ガラスを用い、第2の
保護基板80として、第2の透明基板10と同様、石英
基板を用いる構成が考えられる。このような構成によれ
ば、液晶パネル100が温度上昇しても、第1の保護基
板101と第1の透明基板80との間、および第2の保
護基板102と第2の透明基板10との間で熱膨張の度
合いが等しいため、電気光学パネルに歪みが発生しない
ので、色むらの発生を防止することができる。また、図
7(B)に示すように、輝度のばらつきも−3〜+2に
抑えることができる。
【0009】しかしながら、第1の保護基板101およ
び第2の保護基板102として、高耐熱ガラスや石英基
板を用いた場合には、これらの基板が高価であり、か
つ、投射型カラー表示装置では、各色に対応する複数枚
の電気光学パネルが使用されているので、投射型カラー
表示装置のコストが大幅に上昇してしまうという問題点
がある。
【0010】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生
を防止することのできる投射型カラー表示装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る投射型カラー表示装置では、所定の色
光のそれぞれを光変調して出射する複数枚の電気光学パ
ネルと、該複数枚の電気光学パネルから出射された各変
調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学
系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有
し、前記複数枚の電気光学パネルのいずれにおいても、
第1の透明基板と第2の透明基板との間に電気光学物質
が保持されているとともに、光が入射する方の前記第1
の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が貼り
付けられ、光が出射する方の第2の透明基板の外側表面
には透明な第2の保護基板が貼り付けられた投射型カラ
ー表示装置において、前記複数枚の電気光学パネルの少
なくとも1枚は、光入射側に前記第1の透明基板と前記
第1の保護基板に異なる材質の基板を用いた第1のパネ
ル構造を備え、前記複数枚の電気光学パネルの少なくと
も1枚は、光出射側に前記第2の透明基板と前記第2の
保護基板に同一材質の基板を用いた第2のパネル構造を
備えていることを特徴とする。
【0012】本発明では、投射型カラー表示装置で発生
する色むらについて更なる検討を行い、この検討により
得られた知見に基づき、各電気光学パネルにおける光入
射側での前記第1の透明基板と前記第1の保護基板との
材質的な組合わせ、光出射側での前記第2の透明基板と
前記第2の保護基板との材質的な組合わせ、および電気
光学パネルで変調を行う色光の種類など、色むらの原因
となりやすい要素部分では、コストが高くても色むら対
策を優先して保護基板として透明基板と同一材質の基板
を用い、色むらの原因となりにくい部分では、コストを
重視して保護基板として透明基板と異なる材質の基板を
用いる。このため、保護基板として透明基板と同一材質
の基板を用いることに起因するコストアップを最小限に
止めながら、色むらの発生を効果的に防止することがで
きる。
【0013】本発明において、前記第1の透明基板と前
記第2の透明基板とについては同一材質のものを用いて
もよいが、前記第1の透明基板と前記第2の透明基板に
ついても材質面からコストを抑えるという観点から、前
記第1の透明基板と前記第2の透明基板について異なる
材質の基板を用いてもよい。これらいずれの場合でも、
透明基板と異なる材質の基板を、前記第1のパネル構造
に用いられた前記保護基板として用いることが好まし
い。
【0014】例えば、前記第1の透明基板としては、0
℃〜70℃の温度範囲内における熱膨張係数が−10×
10-7〜10×10-7/℃の高耐熱ガラスを用い、前記
第2の透明基板としては石英基板を用い、前記第1のパ
ネル構造に用いられる前記保護基板としては、安価であ
るが熱膨張係数の大きい無アルカリガラスを用いてもよ
い。このような基板の中では、石英基板が最も高価で、
次が高耐熱ガラスであり、無アルカリガラスが最も安価
である。従って、光入射側において前記第1の透明基板
と前記第1の保護基板に異なる材質の基板を用いた第1
のパネル構造とは、前記第1の透明基板に高耐熱ガラス
を用い、前記第1の保護基板に無アルカリガラスを用い
た低コスト対応の構造といえる。また、光出射側におい
て前記第2の透明基板と前記第2の保護基板に同一材質
の基板を用いた第2のパネル構造とは、前記第2の透明
基板に石英基板を用い、前記第2の保護基板にも石英基
板を用いた色むら対応の構造といえる。
【0015】本願発明者が行った検討において、まず、
各電気光学パネルについて光入射側と光出射側とを比較
すると、いずれの電気光学パネルにおいても、光入射側
より光出射側での温度上昇が大きく、それによって発生
した歪みが色むらを発生させるという知見を得た。この
ような知見に基づいて、本発明では、前記複数枚の電気
光学パネルはいずれも、光出射側に前記第2のパネル構
造を備え、かつ、光入射側に前記第1のパネル構造を備
えていることが好ましい。
【0016】本発明において、前記複数の電気光学パネ
ルは、例えば、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネ
ルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青
色光を変調する青色光用電気光学パネルとからなり、こ
れらいずれの電気光学パネルでも、光出射側には、色む
ら対策を重視した前記第2のパネル構造を備え、かつ、
光入射側には、コストを重視した前記第1のパネル構造
を備えていることが好ましい。
【0017】また、本願発明者が行った実験によれば、
前記複数の電気光学パネルとして、赤色光を変調する赤
色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電
気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パ
ネルとを用いた場合、これらの電気光学パネルのうち、
色差の面では、緑色光用電気光学パネルで大きなずれが
発生するという知見を得た。また、人の視覚によれば、
赤色光、緑色光、青色光のうち、青色光が最も色むらと
して感じやすいという知見を得た。
【0018】従って、本発明において、前記複数の電気
光学パネルとして、赤色光を変調する赤色光用電気光学
パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネル
と、青色光を変調する青色光用電気光学パネルとを用い
た場合には、前記緑色光用電気光学パネルには、光出射
側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側でも
前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に同一材質の
基板が用いられた電気光学パネルを用い、前記赤色光用
電気光学パネルおよび前記青色光用電気光学パネルに
は、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、かつ、光
出射側でも、前記第2の保護基板として、当該電気光学
パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質の基板が
用いた電気光学パネルを用いることが好ましい。
【0019】また、人の視覚による色むらを感じにくく
する手段としては、前記青色光用電気光学パネルには光
出射側に前記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側
でも前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に同一材
質の基板が用いられた電気光学パネルを用い、前記赤色
光用電気光学パネルおよび前記緑色光用電気光学パネル
には、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、かつ、
光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該電気光
学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質の基板
が用いた電気光学パネルを用いることが好ましい。
【0020】さらに、前記緑色光用電気光学パネルおよ
び前記青色光用電気光学パネルには、光出射側に前記第
2のパネル構造を備え、かつ、光入射側でも前記第1の
透明基板と前記第1の保護基板に同一材質の基板が用い
られた電気光学パネルを用い、前記赤色光用電気光学パ
ネルには、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、か
つ、光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該電
気光学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質の
基板が用いた電気光学パネルを用いることがより好まし
い。
【0021】本発明において、前記電気光学パネルは、
前記電気光学物質として液晶が用いられた液晶パネルで
ある。
【0022】本発明に係る構成は、以下のように規定す
ることもできる。すなわち、本発明では、赤色光を変調
する赤色光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色
光用電気光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気
光学パネルと、前記各電気光学パネルから出射された各
変調光を合成して出射する色合成光学系と、該色合成光
学系から出射された合成光を投射する投射光学系とを有
し、前記各電気光学パネルは、入射側の第1の透明基板
と出射側の第2の透明基板との間に電気光学物質が保持
されているとともに、前記第1の透明基板の外側表面に
は透明な第1の保護基板が設けられ、前記第2の透明基
板の外側表面には透明な第2の保護基板が設けられた投
射型カラー表示装置においては、前記第2の保護基板
は、前記第1の保護基板と比較して温度に対する歪の耐
性が高い基板で構成されていることを特徴とする。この
ように、温度上昇が大きい光出射側の第2の保護基板に
ついては、コストより色むら対策を優先して歪に対する
耐性の高い基板を用い、温度上昇が比較的小さい光入射
側の第1の保護基板については、コストを重視して歪に
対する耐性は比較的低いが安価な基板を使用すれば、コ
ストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生を
確実に防止することができる。
【0023】また、本発明では、赤色光を変調する赤色
光用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気
光学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネ
ルと、前記各電気光学パネルから出射された各変調光を
合成して出射する色合成光学系と、該色合成光学系から
出射された合成光を投射する投射光学系とを有し、前記
各電気光学パネルは、入射側の第1の透明基板と出射側
の第2の透明基板との間に電気光学物質が保持されてい
るとともに、前記第1の透明基板の外側表面には透明な
第1の保護基板が設けられ、前記第2の透明基板の外側
表面には透明な第2の保護基板が設けられた投射型カラ
ー表示装置において、前記緑色光用電気光学パネルに用
いられている前記第1の保護基板および前記第2の保護
基板は、少なくとも前記赤色光用電気光学パネルに用い
られている前記第1の保護基板および前記第2の保護基
板と比較して温度に対する歪の耐性が高い基板で構成さ
れていることを特徴とする。このように、色むらの原因
となりやすい緑色光用電気光学パネルについては第1の
保護基板および第2の保護基板として、コストより色む
ら対策を優先して歪に対する耐性の高い基板を用い、比
較的色むらの原因となりにくい赤色光用電気光学パネル
については第1の保護基板および第2の保護基板とし
て、コストを重視して歪に対する耐性は比較的低いが安
価な基板を使用すれば、コストの上昇を必要最小限に止
めた構成で色むらの発生を確実に防止することができ
る。
【0024】本発明では、赤色光を変調する赤色光用電
気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パ
ネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネルと、
前記各電気光学パネルから出射された各変調光を合成し
て出射する色合成光学系と、該色合成光学系から出射さ
れた合成光を投射する投射光学系とを有し、前記各電気
光学パネルは、入射側の第1の透明基板と出射側の第2
の透明基板との間に電気光学物質が保持されているとと
もに、前記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の
保護基板が設けられ、前記第2の透明基板の外側表面に
は透明な第2の保護基板が設けられた投射型カラー表示
装置において、前記青色光用電気光学パネルに用いられ
ている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板
は、少なくとも前記赤色光用電気光学パネルに用いられ
ている前記第1の保護基板および前記第2の保護基板と
比較して温度に対する歪の耐性が高い基板で構成されて
いることを特徴とする。このように、人が色むらと感じ
やすい青色光用電気光学パネルについては第1の保護基
板および第2の保護基板として、コストより色むら対策
を優先して歪に対する耐性の高い基板を用い、比較的人
が色むらと感じにくい赤色光用電気光学パネルについて
は第1の保護基板および第2の保護基板として、コスト
を重視して歪に対する耐性は比較的低いが安価な基板を
使用すれば、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で
色むらの発生を確実に防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の実施の
形態を説明する。なお、各実施形態を説明するにあたっ
て、各実施形態で共通な構成を説明しておく。
【0026】[全体構成]図1は、投射型カラー表示装
置の光学系の構成を示す説明図である。
【0027】図1に示すように、投射型カラー表示装置
1100は、まず、光源装置920と、均一照明光学系
923と、均一照明光学系923から出射される光束W
を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光に色分離する
色分離光学系924と、青色光束Bを対応するライトバ
ルブ925Bに導く導光系927とを備えている。さら
に、色分離光学系924、および導光系927により色
分離された各色光束R、G、Bを変調する変調手段とし
ての3つの液晶装置からなるライトバルブ925R、9
25G、925Bと、変調された後の色光束を再合成す
る色合成光学系としての色合成プリズム910と、合成
された光束をスクリーン1200に拡大投射する投射光
学系としての投射レンズユニット906とを備えてい
る。
【0028】均一照明光学系923は、2つのレンズ板
921、922と反射ミラー931を備えており、反射
ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が
直交する状態に配置されている。均一照明光学系923
の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリク
ス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源
装置920から出射された光束は、第1のレンズ板92
1の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。
そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の
矩形レンズによって3つのライトバルブ925R、92
5G、925B付近で重畳される。従って、均一照明光
学系923を用いることにより、光源装置920が出射
光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合で
も、3つのライトバルブ925R、925G、925B
を均一な照明光で照明することが可能となる。
【0029】各色分離光学系924は、青緑反射ダイク
ロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー
942と、反射ミラー943から構成される。まず、青
緑反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに
含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射
され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向か
う。赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の
反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出
射部944からプリズムユニット910の側に出射され
る。
【0030】次に、緑反射ダイクロイックミラー942
において、青緑反射ダイクロイックミラー941におい
て反射された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束G
のみが直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945か
ら色合成光学系の側に出射される。緑反射ダイクロイッ
クミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの
出射部946から導光系927の側に出射される。本例
では、均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離
光学系924における各色光束の出射部944、94
5、946までの距離がほぼ等しくなるように設定され
ている。
【0031】色分離光学系924の赤色、緑色光束R、
Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光
レンズ951、952が配置されている。したがって、
各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これら
の集光レンズ951、952に入射して平行化される。
【0032】このように平行化された赤色、緑色光束
R、Gは、ライトバルブ925R、925Gに入射して
変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。す
なわち、これらの液晶装置は、画像情報に応じてスイッ
チング制御されて、これにより、ここを通過する各色光
の変調が行われる。一方、青色光束Bは、導光系927
を介して対応するライトバルブ925Bに導かれ、ここ
において、同様に画像情報に応じて変調が施される。
尚、本例のライトバルブ925R、925G、925B
は、それぞれさらに入射側偏光手段960R、960
G、960Bと、出射側偏光手段961R、961G、
961Bと、これらの間に配置された液晶装置962
R、962G、962Bとからなる液晶ライトバルブで
ある。
【0033】導光系927は、青色光束Bの出射部94
6の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射
ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの
反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、ライト
バルブ925Bの手前側に配置した集光レンズ953と
から構成されている。集光レンズ946から出射された
青色光束Bは、導光系927を介して液晶装置962B
に導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、
光束Wの出射部から各液晶装置962R、962G、9
62Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したが
って、青色光束の光量損失が最も多くなる、しかし、導
光系927を介在させることにより、光量損失を抑制す
ることができる。
【0034】各ライトバルブ925R、925G、92
5Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成
プリズム910に入射され、ここで合成される。そし
て、この色合成プリズム910によって合成された光が
投射レンズユニット906を介して所定の位置にあるス
クリーン1200に拡大投射されるようになっている。
【0035】(ライトバルブの構成)図2は、投射型カ
ラー表示装置において、ライトバルブとして使用される
液晶パネルの構造を模式的に示す断面図である。
【0036】投射型カラー表示装置1100において、
各ライトバルブ925R、925G、925Bを構成す
る液晶パネル(電気光学パネル)は、いずれも、図2に
示すように、対向基板としての第1の透明基板80と、
第1の透明基板80に対向配置されたアクティブマトリ
クス基板としての第2の透明基板10と、両基板を所定
の間隙を介して貼りあわすために基板の周縁部にそって
配置されたシール53と、両基板間に挟持された液晶層
50(電気光学物質の層)とを備えている。
【0037】第1の透明基板80は、液晶層50に接す
る内側表面と、この内側表面とは反対側に位置する外側
表面とを有している。第2の透明基板10も、液晶層5
0に接する内側表面と、この内側表面とは反対側の外側
表面とを有する。
【0038】本形態の液晶パネル100では、第1の透
明基板80、および第2の透明基板10のそれぞれ外側
表面に対して、透明な第1の保護基板101、および透
明な第2の保護基板102が接着などの方法で貼り合わ
されている。そして、この液晶パネル100は、第1の
透明基板80側に光源からの分光が入射されるように、
投射型カラー表示装置に配置される。従って、第1の保
護基板101および第1の透明基板80が光入射側であ
り、第2の保護基板102および第2の透明基板10が
光出射側である。
【0039】本形態において、第2の透明基板10は、
厚さ1.2mmの石英基板であり、この石英基板の50
℃における熱膨張係数は、約5.8×10-7/℃であ
る。この第2の透明基板10の内側表面には、図示を省
略するが、互いに交差して配置される複数の走査線、お
よび複数のデータ線と、交差部毎に配置されたスイッチ
ング素子、および画素電極とが形成されている。
【0040】一方、第1の透明基板80は、厚さ1.1
mmのネオセラム(商品名、日本電気硝子製)であり、
このネオセラムは、0℃〜380℃における熱膨張係数
が約−6.0×10-7/℃の特性を有する高耐熱ガラス
である。また、ライトバルブ925R、925G、92
5Bの動作保証は通常0℃〜75℃であり、この温度範
囲内におけるネオセラムの熱膨張係数は、−10×10
-7〜10×10-7/℃の範囲内におさまるほど小さい値
である。また、ネオセラムは、約400nm以上の波長
光に対する光透過率は約90%であり、約400nm付
近からそれ以下の波長に対する光透過率は急激に減少
し、波長340nmの付近ではほぼ光透過率は0となる
特性を有しているので、光源からの紫外線を液晶層50
に照射されるのを防止するのに有効である。本実施形態
では、第1の透明基板80に遮光層が設けられることに
より、光源からの光が直接スイッチング素子に入射され
ず、スイッチング素子の誤動作を防止できる。更に、透
明基板101により、液晶配向膜50を劣化させる紫外
線の入射を制御することができる。
【0041】このように構成した液晶パネル100にお
いて、第1の保護基板101および第2の保護基板10
2の材質については、各実施形態において後述するとお
り、ネオセラムなどといった高耐熱ガラス、石英基板、
あるいは無アルカリガラスが使用される。ここで、高耐
熱ガラスの50℃における熱膨張係数は、約−6×10
-7/℃、石英基板の50℃における熱膨張係数は、約
5.8×10-7/℃と小さいが、高価である。これに対
して、無アルカリガラスは安価であるが、50℃におけ
る熱膨張係数は、約37×10-7/℃と大きい。
【0042】本形態において使用される第1の保護基板
101および第2の保護基板102の厚さは、約1.1
mmである。従って、第1の保護基板101および第2
の保護基板102は、第1の透明基板80の外側表面、
および第2の透明基板10の外側表面に傷が塵が付くの
を防止するとともに、第1の保護基板101の外側表
面、および第2の保護基板102の外側表面に傷や塵が
ついても、投射型カラー表示装置1100において、こ
れらの傷や塵は、確実に焦点距離範囲外に位置すること
になってデフォーカス状態となるので、投射型カラー表
示装置1100からの投射画像の品位が低下することは
ない。
【0043】[実施の形態1]図3は、本発明の実施の
形態1に係る投射型カラー表示装置1100において、
ライトバルブ925R、925G、925Bに使用され
た液晶パネル100の構造を模式的に示す説明図であ
る。
【0044】投射型カラー表示装置1100では、3枚
の液晶パネル100がそれぞれ、各色光束R、G、Bを
変調する赤色光用ライトバルブ925R、緑色光用ライ
トバルブ925G、および青色光用ライトバルブ925
Bとして使用される。
【0045】このようなライトバルブ925R、925
G、925Bを構成するにあたって、本形態では、投射
型カラー表示装置1100で発生する色むらについて更
なる検討を行い、この検討において、各ライトバルブ9
25R、925G、925Bに用いた液晶パネル100
の光入射側と光出射側とを比較すると、いずれの液晶パ
ネル100においても、光入射側より光出射側での温度
上昇が大きく、それによって発生した歪みが色むらを発
生させるという知見を得た。
【0046】このような知見に基づいて、本形態では、
図3に示すように、ライトバルブ925R、925G、
925Bのいずれに用いた液晶パネル100において
も、色むらの原因となりにくい光入射側では、コストを
重視して第1の保護基板101として第1の透明基板8
0と異なる材質の無アルカリガラスを用いた第1のパネ
ル構造100Aを採用し、色むらの原因となりやすい光
出射側では、コストが高くても色むら対策を優先して第
2の保護基板102として第2の透明基板10と同一材
質の石英基板を用いた第2のパネル構造100Bを採用
する。
【0047】すなわち、本形態では、ライトバルブ92
5R、925G、925Bのいずれに用いた液晶パネル
100においても、温度上昇が大きい光出射側の第2の
保護基板102については、コストより色むら対策を優
先して、熱による歪に対する耐性の高い石英基板を用
い、温度上昇が比較的小さい光入射側の第1の保護基板
101については、コストを重視して、熱による歪に対
する耐性は比較的低いが安価な無アルカリガラス基板を
使用する。
【0048】このように、本形態では、コストが高くて
も色むら対策を優先して第2のパネル構造100Bと、
コストを重視した第1のパネル構造100Aとを効果的
に配置したので、コストの上昇を必要最小限に止めた構
成で色むらの発生を確実に防止することができる。
【0049】[実施の形態2]図4は、本発明の実施の
形態2に係る投射型カラー表示装置1100において、
ライトバルブ925R、925G、925Bに使用され
た液晶パネル100の構造を模式的に示す説明図であ
る。
【0050】本願発明者が行った実験によれば、赤色光
用、緑色光用、青色光のライトバルブ925R、925
G、925Bに用いた液晶パネル100において略同一
の歪みがあった時、緑色光用のライトバルブ925Gで
特に大きな、画面内での輝度差が発生するという知見を
得た。
【0051】すなわち、液晶パネル100において、第
1の透明基板80と第2の透明基板10を変化させた場
合の色差Δu′v′を計測したところ、表1に示す結果
が得られた。ここでいう色差Δu′v′とは、ラスタ画
面をスクリーン1200上に投射し、スクリーン120
0上の最も色の異なる2点を選び、この2点のCIE1
976USC表色系の色座標(u1、v1)、(u2、
v2)を求め、色差Δu′v′=((u1−u2)2
(v1−v2)21/2を導き出す。従って、色差Δu′
v′が大きいほど、色むらの度合いが大きく、色差Δ
u′v′が小さいほど、色むらの度合いが小さいといえ
る。
【0052】
【表1】
【0053】この検討では、表1に示すように、ライト
バルブ925R、925G、925Bの液晶パネル10
0において、第1の透明基板80と第2の透明基板10
との間隔をそれぞれ3.08μm、3.04μm、3.
10μmを標準状態とし、ライトバルブ925Rの液晶
パネル100において、第1の透明基板80と第2の透
明基板10との間隔を3.11μm、3.17μm(フ
ラット状態)、2.53μm、2.49μm(中央が薄
い状態)、3.29μm、3.22μm(中央が厚い状
態)としても、色差Δu′v′は0.003〜0.01
0である。
【0054】ライトバルブ925R、925G、925
Bの液晶パネル100において、第1の透明基板80と
第2の透明基板10との間隔をそれぞれ3.08μm、
3.04μm、3.10μmを標準状態とし、ライトバ
ルブ925Gの液晶パネル100において、第1の透明
基板80と第2の透明基板10との間隔を3.14μ
m、3.18μm(フラット状態)、2.47μm、
2.55μm(中央が薄い状態)、3.38μm、3.
40μm(中央が厚い状態)とした場合には、色差Δ
u′v′は0.002〜0.043である。
【0055】ライトバルブ925R、925G、925
Bの液晶パネル100において、第1の透明基板80と
第2の透明基板10との間隔をそれぞれ3.10μm、
3.04μm、3.08μmを標準状態とし、ライトバ
ルブ925Bの液晶パネル100において、第1の透明
基板80と第2の透明基板10との間隔を3.11μ
m、3.17μm(フラット状態)、2.53μm、
2.49μm(中央が薄い状態)、3.29μm、3.
22μm(中央が厚い状態)とした場合には、色差Δ
u′v′は0.009〜0.049である。
【0056】さらに、同様な実験を繰り返した結果、歪
みが画面内での輝度差に及ぼす影響は、影響が大きいも
のから並べると、緑色光用のライトバルブ925G、青
色光用のライトバルブ925B、赤色光用のライトバル
ブ925Rの順であった。
【0057】そこで、本形態では、図4に示すように、
緑色光用のライトバルブ925Gに用いた液晶パネル1
00では、光出射側に対して、コストが高くても色むら
対策を優先して第2の保護基板102として第2の透明
基板10と同一材質の石英基板を用いた第2のパネル構
造100Bを採用し、かつ、光入射側でも、コストが高
くても色むら対策を優先して第1の保護基板101とし
て第1の透明基板80と同一材質の高耐熱ガラスを用い
る。
【0058】これに対して、赤色光用、青色光用のライ
トバルブ925R、925Bでは、光入射側に対しては
コストを重視して第1の保護基板101として第1の透
明基板80と異なる無アルカリガラスを用いた第1のパ
ネル構造100Aを採用し、かつ、光出射側でも、コス
トを重視して第2の保護基板102として第2の透明基
板10と異なる材質の無アルカリガラスを用る。
【0059】すなわち、最も色むらの原因となりやすい
緑色光用のライトバルブ925Gについては第1の保護
基板101および第2の保護基板102として、コスト
より色むら対策を優先して、熱による歪に対する耐性の
高い高耐熱ガラス基板や石英基板を用い、比較的色むら
の原因となりにくい赤色光用、青色光用のライトバルブ
925R、925Bについては第1の保護基板101お
よび第2の保護基板102として、コストを重視して、
熱による歪に対する耐性は比較的低いが安価な無アルカ
リガラス基板を使用する。
【0060】このように、本形態では、特定の色光に対
応する液晶パネル100では、色むら対策を優先して行
い、他の液晶パネル100ではコスト低減を積極的に図
るなど、各種材質の保護基板を効果的に配置したため、
コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生
を確実に防止することができる。
【0061】また、本形態によれば、色むらに加えて、
輝度のばらつきも抑えることができる。すなわち、投射
画像の中央の輝度を「0」とし、その他の領域の輝度が
中央に対して80%〜90%の場合に「−1」、70%
〜80%の場合に「−2」、70%〜80%の場合に
「−3」とする一方、輝度が中央に対して110%〜1
20%の場合に「+1」、120%〜130%の場合に
「+2」、130%〜140%の場合に「+3」とラン
ク付けしたとき、本形態によれば、図7(C)に示すよ
うに、輝度のばらつきを−3〜+1に抑えることができ
る。
【0062】[実施の形態3]図5は、本発明の実施の
形態3に係る投射型カラー表示装置1100において、
ライトバルブ925R、925G、925Bに使用され
た液晶パネル100の構造を模式的に示す説明図であ
る。
【0063】本願発明者が行った実験によれば、赤色光
用、緑色光用、青色光のうち、青色光が色むらとして視
認されやすいという知見から、本形態では、図5に示す
ように、青色光用のライトバルブ925Bに用いた液晶
パネル100では、光出射側に対して、コストが高くて
も色むら対策を優先して第2の保護基板102として第
2の透明基板10と同一材質の石英基板を用いた第2の
パネル構造100Bを採用し、かつ、光入射側でも、コ
ストが高くても色むら対策を優先して第1の保護基板1
01として第1の透明基板80と同一材質の高耐熱ガラ
スを用いる。
【0064】これに対して、赤色光用、緑色光用のライ
トバルブ925R、925Gでは、光入射側に対しては
コストを重視して第1の保護基板101として第1の透
明基板80と異なる無アルカリガラスを用いた第1のパ
ネル構造100Aを採用し、かつ、光出射側でも、コス
トを重視して第2の保護基板102として第2の透明基
板10と異なる材質の無アルカリガラスを用いる。
【0065】すなわち、人が色むらといちばん感じやす
い青色光用のライトバルブ925Bについては第1の保
護基板101および第2の保護基板102として、コス
トより色むら対策を優先して、熱による歪に対する耐性
の高い高耐熱ガラス基板や石英基板を用い、人が色むら
と比較的感じにくい赤色光用、緑色光用のライトバルブ
925R、925Gについては第1の保護基板101お
よび第2の保護基板102として、コストを重視して、
熱による歪に対する耐性は比較的低いが安価な無アルカ
リガラス基板を使用する。
【0066】このように、本形態では、特定の色光に対
応する液晶パネル100では、色むら対策を優先して行
い、他の液晶パネル100ではコスト低減を積極的に図
るなど、各種材質の保護基板を効果的に配置したため、
コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生
を確実に防止することができる。
【0067】[実施の形態4]実施の形態2、3に係る
構成を組み合わせて、図6に示すように構成してもよ
い。
【0068】図6は、本発明の実施の形態4に係る投射
型カラー表示装置1100において、ライトバルブ92
5R、925G、925Bに使用された液晶パネル10
0の構造を模式的に示す説明図である。
【0069】本形態では、図6に示すように、緑色光
用、青色光用のライトバルブ925G、925Bに用い
た液晶パネル100では、光出射側に対して、コストが
高くても色むら対策を優先して第2の保護基板102と
して第2の透明基板10と同一材質の石英基板を用いた
第2のパネル構造100Bを採用し、かつ、光入射側で
も、コストが高くても色むら対策を優先して第1の保護
基板101として第1の透明基板80と同一材質の高耐
熱ガラスを用いる。
【0070】これに対して、赤色光用のライトバルブ9
25Rでは、光入射側に対してはコストを重視して第1
の保護基板101として第1の透明基板80と異なる無
アルカリガラスを用いた第1のパネル構造100Aを採
用し、かつ、光出射側でも、コストを重視して第2の保
護基板102として第2の透明基板10と異なる材質の
無アルカリガラスを用いる。
【0071】すなわち、色むらの原因となりやすい緑色
光用、青色光用のライトバルブ925G、925Bにつ
いては第1の保護基板101および第2の保護基板10
2として、コストより色むら対策を優先して、熱による
歪に対する耐性の高い高耐熱ガラス基板や石英基板を用
い、比較的色むらの原因となりにくい赤色光用のライト
バルブ925Rについては第1の保護基板101および
第2の保護基板102として、コストを重視して、熱に
よる歪に対する耐性は比較的低いが安価な無アルカリガ
ラス基板を使用する。
【0072】このように、本形態では、特定の色光に対
応する液晶パネル100では、色むら対策を優先して行
い、他の液晶パネル100ではコスト低減を積極的に図
るなど、各種材質の保護基板を効果的に配置したため、
コストの上昇を必要最小限に止めた構成で色むらの発生
を確実に防止することができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る投射
型カラー表示装置では、コストが高くても色むら対策を
優先した構造と、コストを重視した構造とを効果的に配
置したので、コストの上昇を必要最小限に止めた構成で
色むらの発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】投射型カラー表示装置の光学系の構成を示す説
明図である。
【図2】投射型カラー表示装置において、ライトバルブ
として使用される液晶パネルの構造を模式的に示す断面
図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る投射型カラー表示
装置において、ライトバルブに使用された液晶パネルの
構造を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る投射型カラー表示
装置において、ライトバルブに使用された液晶パネルの
構造を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る投射型カラー表示
装置において、ライトバルブに使用された液晶パネルの
構造を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る投射型カラー表示
装置において、ライトバルブに使用された液晶パネルの
構造を模式的に示す説明図である。
【図7】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、従来の投
射型カラー表示装置、別の従来の投射型カラー表示装
置、および本発明を適用した投射型カラー表示装置での
輝度むらを示す説明図である。
【符号の説明】
10 第2の透明基板 50 液晶層(電気光学物質の層) 80 第1の透明基板 100 液晶パネル(電気光学パネル) 100A 第1のパネル構造 100B 第2のパネル構造 101 第1の保護基板 102 第2の保護基板 925R、925G、925B ライトバルブ
フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 EA14 EA15 EA19 MA04 MA20 2H089 HA17 HA40 JA10 QA06 QA11 QA16 UA05 2H091 FA05X FA05Z FA14Z FA26X FA29Z FA41Z FD11 LA04 LA11 LA12 LA15 LA18 MA07 5C060 BC05 EA01 GA02 GB02 HC10 HC19 HC21

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の色光のそれぞれを光変調して出射
    する複数枚の電気光学パネルと、該複数枚の電気光学パ
    ネルから出射された各変調光を合成して出射する色合成
    光学系と、該色合成光学系から出射された合成光を投射
    する投射光学系とを有し、前記複数枚の電気光学パネル
    のいずれにおいても、第1の透明基板と第2の透明基板
    との間に電気光学物質が保持されているとともに、光が
    入射する方の前記第1の透明基板の外側表面には透明な
    第1の保護基板が貼り付けられ、光が出射する方の第2
    の透明基板の外側表面には透明な第2の保護基板が貼り
    付けられた投射型カラー表示装置において、 前記複数枚の電気光学パネルの少なくとも1枚は、光入
    射側に前記第1の透明基板と前記第1の保護基板に異な
    る材質の基板を用いた第1のパネル構造を備え、 前記複数枚の電気光学パネルの少なくとも1枚は、光出
    射側に前記第2の透明基板と前記第2の保護基板に同一
    材質の基板を用いた第2のパネル構造を備えていること
    を特徴とする投射型カラー表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1の透明基
    板、前記第2の透明基板、および前記第1のパネル構造
    に用いられた前記保護基板は、互いに材質が異なること
    を特徴とする投射型カラー表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記第1の透明基板
    は、0℃〜70℃の温度範囲内における熱膨張係数が−
    10×10-7〜10×10-7/℃の高耐熱ガラスからな
    り、前記第2の透明基板は石英基板からなり、前記第1
    のパネル構造に用いられた前記保護基板は無アルカリガ
    ラスであることを特徴とする投射型カラー表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記複数枚の電気光学パネルはいずれも、光出射側に前
    記第2のパネル構造を備え、かつ、光入射側に前記第1
    のパネル構造を備えていることを特徴とする投射型カラ
    ー表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記複数の電気光学
    パネルは、赤色光を変調する赤色光用電気光学パネル
    と、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青色
    光を変調する青色光用電気光学パネルとからなることを
    特徴とする投射型カラー表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記複数の電気光学パネルは、赤色光を変調する赤色光
    用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光
    学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネル
    とからなり、 前記緑色光用電気光学パネルは、光出射側に前記第2の
    パネル構造を備え、かつ、光入射側でも前記第1の透明
    基板と前記第1の保護基板に同一材質の基板が用いら
    れ、 前記赤色光用電気光学パネルおよび前記青色光用電気光
    学パネルは、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、
    かつ、光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該
    電気光学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質
    の基板が用いられていることを特徴とする投射型カラー
    表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記複数の電気光学パネルは、赤色光を変調する赤色光
    用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光
    学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネル
    とからなり、 前記青色光用電気光学パネルは、光出射側に前記第2の
    パネル構造を備え、かつ、光入射側でも前記第1の透明
    基板と前記第1の保護基板に同一材質の基板が用いら
    れ、 前記赤色光用電気光学パネルおよび前記緑色光用電気光
    学パネルは、光入射側に前記第1のパネル構造を備え、
    かつ、光出射側でも、前記第2の保護基板として、当該
    電気光学パネルに用いた前記第1の保護基板と同一材質
    の基板が用いられていることを特徴とする投射型カラー
    表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記複数の電気光学パネルは、赤色光を変調する赤色光
    用電気光学パネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光
    学パネルと、青色光を変調する青色光用電気光学パネル
    とからなり、 前記緑色光用電気光学パネルおよび前記青色光用光学パ
    ネルは、いずれも光出射側に前記第2のパネル構造を備
    え、かつ、光入射側でも前記第1の透明基板と前記第1
    の保護基板に同一材質の基板が用いられ、 前記赤色光用電気光学パネルは、光入射側に前記第1の
    パネル構造を備え、かつ、光出射側でも、前記第2の保
    護基板として、当該電気光学パネルに用いた前記第1の
    保護基板と同一材質の基板が用いられていることを特徴
    とする投射型カラー表示装置。
  9. 【請求項9】 赤色光を変調する赤色光用電気光学パネ
    ルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、青
    色光を変調する青色光用電気光学パネルと、前記各電気
    光学パネルから出射された各変調光を合成して出射する
    色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成光
    を投射する投射光学系とを有し、前記各電気光学パネル
    は、入射側の第1の透明基板と出射側の第2の透明基板
    との間に電気光学物質が保持されているとともに、前記
    第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板が
    設けられ、前記第2の透明基板の外側表面には透明な第
    2の保護基板が設けられた投射型カラー表示装置におい
    て、 前記第2の保護基板は、前記第1の保護基板と比較して
    温度に対する歪の耐性が高い基板で構成されていること
    を特徴とする投射型カラー表示装置。
  10. 【請求項10】 赤色光を変調する赤色光用電気光学パ
    ネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、
    青色光を変調する青色光用電気光学パネルと、前記各電
    気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射す
    る色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成
    光を投射する投射光学系とを有し、前記各電気光学パネ
    ルは、入射側の第1の透明基板と出射側の第2の透明基
    板との間に電気光学物質が保持されているとともに、前
    記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板
    が設けられ、前記第2の透明基板の外側表面には透明な
    第2の保護基板が設けられた投射型カラー表示装置にお
    いて、 前記緑色光用電気光学パネルに用いられている前記第1
    の保護基板および前記第2の保護基板は、少なくとも前
    記赤色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の
    保護基板および前記第2の保護基板と比較して温度に対
    する歪の耐性が高い基板で構成されていることを特徴と
    する投射型カラー表示装置。
  11. 【請求項11】 赤色光を変調する赤色光用電気光学パ
    ネルと、緑色光を変調する緑色光用電気光学パネルと、
    青色光を変調する青色光用電気光学パネルと、前記各電
    気光学パネルから出射された各変調光を合成して出射す
    る色合成光学系と、該色合成光学系から出射された合成
    光を投射する投射光学系とを有し、前記各電気光学パネ
    ルは、入射側の第1の透明基板と出射側の第2の透明基
    板との間に電気光学物質が保持されているとともに、前
    記第1の透明基板の外側表面には透明な第1の保護基板
    が設けられ、前記第2の透明基板の外側表面には透明な
    第2の保護基板が設けられた投射型カラー表示装置にお
    いて、 前記青色光用電気光学パネルに用いられている前記第1
    の保護基板および前記第2の保護基板は、少なくとも前
    記赤色光用電気光学パネルに用いられている前記第1の
    保護基板および前記第2の保護基板と比較して温度に対
    する歪の耐性が高い基板で構成されていることを特徴と
    する投射型カラー表示装置。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかにおい
    て、前記電気光学物質は、液晶であることを特徴とする
    投射型カラー表示装置。
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JP2007233069A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Sony Corp 投射型液晶表示装置

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