JP2002265921A - 水性マスチック型接着剤組成物 - Google Patents

水性マスチック型接着剤組成物

Info

Publication number
JP2002265921A
JP2002265921A JP2001073367A JP2001073367A JP2002265921A JP 2002265921 A JP2002265921 A JP 2002265921A JP 2001073367 A JP2001073367 A JP 2001073367A JP 2001073367 A JP2001073367 A JP 2001073367A JP 2002265921 A JP2002265921 A JP 2002265921A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive composition
weight
aqueous
type adhesive
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001073367A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikumasa Nasu
育雅 那須
Kazuaki Yamazaki
一昭 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konishi Co Ltd
Original Assignee
Konishi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konishi Co Ltd filed Critical Konishi Co Ltd
Priority to JP2001073367A priority Critical patent/JP2002265921A/ja
Publication of JP2002265921A publication Critical patent/JP2002265921A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤に由来する危険性、環境問題が全て
解決され、且つ溶剤系マスチック型接着剤に比肩する初
期の収まり性を維持しつつ、優れた接着性、耐水性を発
現するノンVOC型水性マスチック型接着剤を提供する
こと。 【解決手段】 (A)分子内にグリシジル基を含有する
ポリマー水分散液に対し、(B)二酸化ケイ素を50〜
100重量%含有する無機粉末充填剤を配合してなる水
性マスチック型接着剤組成物であって、その不揮発分が
60〜90重量%、粘度が200〜1000Pa・ s 、構
造粘性指数が1.5〜3.0の範囲にあることを特徴と
する水性マスチック型接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、初期収まり性、耐
水性、広範囲な接着性を備えた水性マスチック型接着剤
に関する。本発明は揮発性有機化合物を含有しない、い
わゆるノンVOC型水性マスチック型接着剤として好適
である。
【0002】
【従来の技術】高粘度でペースト状のレオロジー特性を
有し、初期の収まり性(大略、被着体の初期接着時のズ
レ、タレを生じない特性をいい、正確には後の段落番号
(0023)において規定される性能をいう。)の優れ
たマスチック型接着剤は、溶剤系接着剤に限られてい
た。これを水性型接着剤にすれば、優れた初期の収まり
性は得られず、接着性能においても耐水性の低下、接着
範囲の限定など、溶剤系マスチック型接着剤の特性は著
しく低下する。しかし溶剤マスチック型接着剤は、優れ
た特性を有しながら、有機溶剤に由来する危険・有害性
を持つことから、産業界から水性化の強い要望がある。
まして、環境問題、シックハウス問題軽減化などの健康
住宅志向から、揮発性有機化合物(Volatile Organic
Compounds)の削減は、接着剤業界において、重要な課
題であるが、この優れた作業性を与えるマスチック型接
着剤では、水性化に至っていない。さらに水性マスチッ
ク型接着剤が実現されていない状況から、有機溶剤、可
塑剤など揮発性有機化合物を全く含有しない水性マスチ
ック型接着剤などは極めて困難な課題といわざるを得な
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶剤系マスチック型接
着剤の作業特性であるハンドリング性が良く、タレを生
じず、被着体の初期接着時のズレ、タレを生じない特
性、すなわち初期の収まり性を維持しつつ、溶剤系マス
チック型接着剤の持つ広範囲の被着体に対する幅広い接
着性、耐水接着性を発現する水性マスチック型接着剤を
開発することであり、さらには揮発性有機化合物を含有
しない、所謂ノンVOC型水性マスチック型接着剤を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、接着剤の
バックボーンポリマーの選択とその水性化技術によるポ
リマー水分散液の探査、そのポリマー水分散液に相互作
用を与える充填剤の選定、粘性付与技術を多面的、か
つ、総合的に研究開発をおこない、ある特定範囲の配合
技術が、これを可能とすることを発見した。そして、さ
らに研究を重ねたところ、本発明品には、多目的水性接
着剤で日常的におこなわれてきた少量の有機溶剤、可塑
剤など揮発性有機化合物を全く配合しなくとも、優れた
水性マスチック型接着剤、すなわち、いわゆるノンVO
C型水性マスチック型接着剤を開発し、本発明を完成さ
せた。
【0005】以下、具体的に本発明の技術手段を説明す
る。請求項1の発明は、(A)分子内にグリシジル基を
含有するポリマー水分散液に対し、(B)二酸化ケイ素
を50〜100重量%含有する無機粉末充填剤を配合し
てなる水性マスチック型接着剤組成物であって、その不
揮発分が60〜90重量%、粘度が200〜1000Pa
・ s 、構造粘性指数が1.5〜3.0の範囲にあること
を特徴とする水性マスチック型接着剤組成物に関する。
この構成成分の配合と、レオロジー特性を規定すること
で基本的な初期収まり性と耐水性が付与された水性マス
チック型接着剤を得ることができる。(A)と(B)の
配合だけで、不揮発分、粘度、構造粘性指数が上記範囲
であれば、本発明の水性マスチック型接着剤組成物とな
る。
【0006】請求項2の発明は、上記接着剤組成物にお
いて、(A)のポリマー分/(B)の無機粉末充填剤の
配合重量比が100/20〜100/200の範囲にあ
ることを特徴とする請求項1に記載の水性マスチック型
接着剤組成物に関する。この配合割合が、初期の収まり
性と耐水性が最良の範囲である。請求項3の発明は、上
記接着剤組成物において、(A)のポリマー分が、グリ
シジル基含有重合性モノマー/スチレンモノマー、C1
〜20の(メタ)アクリレート、脂肪酸ビニルエステル
から選択された一種以上の重合性モノマーの重量比が5
/500〜150/500の範囲の重合体であることを
特徴とする請求項1または請求項2に記載の水性マスチ
ック型接着剤組成物に関する。
【0007】(A)分子内にグリシジル基を含有するポ
リマー水分散液のポリマーがこの範囲であれば、高度の
耐水性、金属、プラスチック、セメント材料、木材など
広範囲の被着体に優れた接着性を付与する。請求項4の
発明は、上記接着剤組成物において、(B)の無機粉末
充填剤が、粒度分布で270メッシュ通過分が70〜1
00重量%の珪砂(珪石粉)を使用することを特徴とす
る請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水性マス
チック型接着剤組成物に関する。 (B)二酸化ケイ素を50〜100重量%含有する無機
粉末充填剤がこの範囲の珪砂を使用した場合、初期収ま
り性と耐水性が最良となる。
【0008】請求項5の発明は、上記接着剤組成物にお
いて、粘性改良剤としてヒドロキシエチルセルロース
(HEC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシセ
ルロース(CMC)から選択した一種以上を使用するこ
とを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
載の水性マスチック型接着剤組成物に関する。請求項1
〜4の発明に、上記の粘性改良剤を使用した場合、初期
の収まり性が最良の結果となる。この技術手段は、不揮
発分が60〜80重量%、粘度が200〜1000Pa・
s 、構造粘性指数が1.5〜3.0の範囲のレオロジー
特性を得るための最良の方法である。
【0009】請求項6の発明は、上記接着剤組成物にお
いて、揮発性有機化合物を含有しないことを特徴とする
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水性マスチ
ック型接着剤組成物に関する。すなわち、請求項1〜請
求項5のいずれか1項に記載の水性マスチック型接着剤
組成物は、基本的に揮発性有機化合物を含有することな
く、溶剤系マスチック型接着剤と同等優れた初期の収ま
り性、耐水性を与える。特に、請求項3の発明に示した
ポリマーを用いた場合、揮発性有機化合物を含有させる
ことなく、高度の耐水性、金属、プラスチック、セメン
ト材料、木材など広範囲の被着体に優れた接着性を付与
することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、(A)分子内にグリシ
ジル基を含有するポリマー水分散液に対し、(B)二酸
化ケイ素を50〜100重量%含有する無機粉末充填剤
を配合してなる水性マスチック型接着剤組成物であっ
て、そのレオロジー特性として、その不揮発分が60〜
90重量%、好ましくは70〜85重量%、より好まし
くは70〜80重量%、粘度が200〜1000Pa・ s
、好ましくは200〜500Pa・s 、より好ましくは2
50〜400Pa・ s 、構造粘性指数が1.5〜3.0、
好ましくは1.7〜2.7、より好ましくは1.5〜
2.5の範囲にあることを特徴とする。
【0011】最初に、本発明における(A)分子内にグ
リシジル基を含有するポリマー水分散液を説明する。
(A)分子内にグリシジル基を含有するポリマー水分散
液とは、通常分子内にグリシジル基を有する不飽和単量
体(モノマー)と他の重合性不飽和単量体(モノマー)
を乳化共重合する手段によって得られるものである。通
常は、このような乳化共重合により得られたポリマー水
分散液に、(B)二酸化ケイ素を50〜100重量%、
好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜
100重量%含有する無機粉末充填剤を配合後、混練加
工する。
【0012】この場合、重合釜を用いてポリマー水分散
液を得て、その釜に無機粉末充填剤を直接配合してもよ
く、一旦得られたポリマー水分散液を水性加工釜に移送
し、無機粉末充填剤を配合後、混練加工してもよい。さ
らに重合用乳化水溶液に無機粉末充填剤を配合後、乳化
共重合をおこなってもよい。これら方法の中で、本発明
が高粘度であることから、一旦得られたポリマー水分散
液を水性加工釜に移送し、無機粉末充填剤を配合後、混
練加工する方法が、製造効率がよく好ましい。
【0013】(A)のポリマー分/(B)の配合重量比
は100/20〜100/200、好ましくは100/
30〜100/100、より好ましくは100/40〜
100/70の範囲が配合安定性、接着性能、経済性の
バランスの理由で良い。(B)の配合重量比が20未満
の場合、所望の不揮発分を得ることが困難となり初期の
収まり性を維持するのが困難となり、また充填剤の重量
比が減ることにより経済的に不利となる。また、この重
量比が200を超える場合、充填剤の配合が困難とな
り、また充填剤量が過剰となり接着性能に影響がでる。
【0014】続いて本発明のグリシジル基の含有量を説
明する。本発明の(A)分子内にグリシジル基を含有す
るポリマー水分散液を得る場合、共重合ポリマーにおい
て、グリシジル基の含有量はポリマー当たり1〜20重
量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜
7重量%に設計するのが耐水性と配合安定性を得る上で
好ましい。1 重量%未満の場合、耐水接着性、広範囲の
被着体に対する接着性が劣り、20重量%を超える場
合、ポリマー分散液の安定性が損なわれ、かつ粗粒子等
の発生、または異常増粘しやすくなる。グリシジル基を
有する不飽和単量体(モノマー)とは、分子内にグリシ
ジル基を有する重合性化合物である。具体的には、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリ
シジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルが例
示できる。
【0015】そのグリシジル基を有する不飽和単量体に
共重合可能なモノマーとしては、アルキル基の炭素数が
1から20までのアクリル酸アルキルエステル類(例え
ば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2エチルヘキシル等)、アルキル基の炭素数が1から2
0までのメタクリル酸アルキルエステル類(例えば、メ
タアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアク
リル酸ブチル、メタアクリル酸2エチルヘキシル等)、
脂肪酸の炭素数が1から10までの脂肪酸ビニル(例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸
ビニル等)、スチレン、ジエン系モノマー(例えば、ク
ロロプレン、ブタジエン、イソプレン等)、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタアクリル酸、マ
レイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル等が用い
られる。
【0016】グリシジル基を有する不飽和単量体に共重
合可能なモノマーを乳化重合するための重合開始剤とし
ては、例えば、過酸化水素、ベンゾイルパーオキシド等
の有機過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、アゾビスイソブチロニトリルな
どを使用できる。これらの開始剤は、酒石酸、ロンガリ
ット、重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などの還元
剤と組み合わせて、レドックス系開始剤として用いるこ
ともできる。重合開始剤の使用量は、単量体の総量(グ
リシジル基を有する不飽和単量体及び該不飽和単量体以
外の重合性不飽和単量体)100重量部に対して、例え
ば0.05〜2重量部程度である。また、レドックス系
開始剤を用いる際の還元剤の使用量は、前記開始剤の種
類等に応じて適宜設定できる。なお、連鎖移動剤とし
て、ドデシルメルカプタン等を系内に添加してもよい。
【0017】また、本発明の乳化重合に使用される乳化
剤は、(B)との関係から、ノニオン型界面活性剤、ア
ニオン型界面活性剤を1 種以上選択して使用するが、特
にアニオン型において、スチレンスルホン酸ソーダを代
表とする反応性界面活性剤の使用は、耐水性、接着性が
優れるため好ましい。なお、乳化剤の配合量は、モノマ
ー全量に対して0.1〜10重量%である。0.1重量
%未満の場合、乳化剤不足により粗粒子の発生、異常増
粘、ときによってはゲル化を招き、10重量%を超える
と耐水性、接着性が低下する。
【0018】このうち、乳化重合をおこなうに際し、
(A)のポリマー分が、グリシジル基含有重合性モノマ
ー/スチレンモノマー、C1〜20の(メタ)アクリレ
ート、脂肪酸ビニルエステルから選択された一種以上の
重合性モノマーの重量比が5/500〜150/50
0、好ましくは10/500〜100/500、より好
ましくは20/500〜50/500の範囲の重合体と
なるようにすることが接着性能、耐水性、経済性のバラ
ンスの理由で良い。(B)無機粉末充填剤とは、二酸化
ケイ素を50〜100重量%、好ましくは70〜100
重量%、より好ましくは90〜100重量%含有するも
のであり、具体的には、ホワイトカーボン、シリカ、珪
砂(珪石粉)、アエロジル、珪藻土が例示でき、これら
を1 種以上選択して配合することができる。
【0019】もし、50重量%未満の場合、分子内にグ
リシジル基を含有するポリマー水分散液との混合性が困
難となり、本発明のレオロジー特性が得がたく、水分に
よる混合性の改善を試みた場合、本発明の不揮発分が得
られない。さらに二酸化ケイ素の含有量が高いほど化学
的安定性に優れ、高度な耐水性が得られ、50重量%未
満となれば著しく耐水性は低下する。特に(B)が、粒
度分布で270メッシュ通過分が70〜100重量%の
珪砂(珪石粉)を選択した場合、均質混合が容易とな
り、高不揮発分の状態でも、粗粒子を発生することな
く、本発明のレオロジー特性を得やすくなり、耐水性が
もっとも優れる。
【0020】本発明のレオロジー特性とは、粘度値と構
造粘性を意味する。本発明の粘度とは、ブルックフィー
ルド型粘度計(B 型粘度計)を用いて、23℃にて10
回転値をもって示す。 本発明の構造粘性指数(TI)
とは、B 型粘度計を用いて10回転値と4回転値を測定
し、4回転値/10回転値の比率を小数点下二桁で四捨
五入した値を指標とする。不揮発分の測定は、JIS
K6828に準拠して、105℃にて1時間放置後の減
量した重量/元の重量を百分率で示した指数である。こ
れらレオロジー特性は、(A)/(B)の配合で、その
不揮発分が60〜90重量%、粘度が200〜1000
Pa・ s 、構造粘性指数が1.5〜3.0の範囲にするこ
とが可能であれば、それでよいが、初期の収まり性をさ
らに改善するためには粘性改良剤の配合が好ましい。
【0021】これらの粘性改良剤は、ヒドロキシエチル
セルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、カ
ルボキシセルロース(CMC)から選択した一種以上を
使用することが、良好な初期の収まり性を与えるため好
ましく、その配合量はポリマー水分散液100重量部に
対し、0.3〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量
部、より好ましくは0.5〜1重量部とすることが増粘
性と耐水性の理由で良い。0.3重量部未満の場合、初
期の収まり性は低下傾向となり、5重量部を超える場
合、水溶性高分子の多量添加による耐水接着性が低下傾
向となる。なお、この粘性改良剤は、乳化重合の際、水
相中に溶解させておいてもよい。
【0022】本発明の接着剤組成物はノンVOC型水性
マスチック型接着剤組成物を目指すため、エマルジョン
に一般的に使用する有機溶剤、高沸点有機溶剤、可塑剤
を配合する必要はないが、各種改質剤の希釈剤として意
図せずVOCを含有する場合もある。従って、これらの
配合を妨げるものではない。他の配合成分は、目的に応
じて、顔料、染料、防腐剤、消泡剤、防錆剤、小麦粉、
コーンスターチなどを適宜配合することができる。
【0023】以下に実施例および比較例を記載して本発
明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。尚、以下の実施例、比較例で得ら
れた水性マスチック型接着剤組成物の「初期の収まり
性」、「耐水性」、「接着性」、「配合安定性」は次の
方法で評価された。 「初期の収まり性」JIS A5537木レンガ用JI
Sのずれ試験に準拠して試験を行った。木レンガに接着
剤を塗布後、スペーサー(0.8mm鋼線)を置き、前
後に動かしながらスレートに接着する。直ちに鉛直に固
定し、72時間後に木レンガがずれ落ちた長さを測定す
る。初期の収まり性の良否は、ズレの発生で評価した。 ○:0mm △:0mmより大きく5mmより小さい ×:5mm以上 以上において、本発明の実用範囲は○以上とする。 「耐水接着性」2.5cm×4cmに切断した厚さ10mmの
カバ(広葉樹材)と6cm×6cmに切断した厚さ5mmのス
レートを用意する。カバに接着剤を塗布後、スペーサー
(0.8mm鋼線)を置き、前後に動かしながらスレー
トに接着する。接着して5 日間養生後水に24時間浸漬
する。このテストピースを濡れたまま、単軸引張り試験
による接着強さの測定をデジタルフォースゲージにて引
っ張り試験を行った( 引っ張り速度5mm/min、n=5 、単
位:N/mm2)
【0024】「接着性」難接着とされるステンレススチ
ール板を被着体として選択した。JAI 11金属ノン
スリップ用接着剤に準拠して引っ張り割裂接着強さの試
験を行った。SUS304に接着剤を塗布後、スペーサー
(0.8mm鋼線)を置き、前後に動かしながらスレー
トに接着して、5日間養生後に、引っ張り割裂試験を行
った。接着強さは、割裂初期の最大強度である(引っ張
り速度5mm/min、n=5 、単位:N/25mm) 「配合安定性」配合安定性は、均質混合の可否を評価し
た。 ○:粗粒子などを発生させることなく接着剤の配合が行
える △:多少の粗粒子の発生があるが塗布可能な接着剤が得
られる ×:接着剤の配合時に粗粒子の発生、急激な増粘が起こ
り塗布可能な接着剤が得られない 以上において、本発明の実用範囲は○以上とする。
【0025】(実施例1)還流管付きフラスコの中に水
25.4重量部、アニオン型界面活性剤(アルキルジフェニ
ルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、有効成分=30
%)0.1 重量部、過硫酸カリウム0.01重量部を仕込み8
0℃に調整する。別の撹拌羽根付きフラスコに水19.5重
量部、アニオン型界面活性剤(アルキルジフェニルエー
テルジスルフォン酸ナトリウム、有効成分=30%)1
重量部、スチレンスルホン酸ソーダ1 重量部、ノニオン
型界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
HLB=16.0)0.5 重量部を仕込み、撹拌により溶
解して、乳化剤水溶液を調製する。
【0026】ビーカーにグリシジルメタクリレート(GM
A)3重量部、メタクリル酸-iso- ブチル(i-BMA)30 重量
部、アクリル酸2 エチル- ヘキシル(2EHA)20重量部の混
合物をつくり、これを先ほどの乳化剤水溶液に徐々に添
加してモノマーエマルジョンを作成する。このモノマー
エマルジョンを還流管付きフラスコに2時間かけて滴下
し重合する。その際、重合開始剤として過硫酸カリウム
1 重量部(10% 水溶液)を使用する。こうして出来たエ
マルジョンは不揮発分が55.9%、pH が5.8 であった。
このエマルジョン100 重量部に、混合補助剤としてアニ
オン型界面活性剤1.5重量部、POE-POP 縮合物1.5 重量
部、粘性改良剤としてメチルセルロース(MC)0.65重量
部、粒度分布で270メッシュ通過分が70〜100重
量%の珪砂を50重量部配合した。こうして出来た水性マ
スチック型接着剤組成物は不揮発分が71.0%、粘度が29
6Pa ・ s 、構造粘性指数が2.2 であった。この水性マス
チック型接着剤組成物について、上記した「初期収まり
性」、「耐水接着性」、「接着性」、「配合安定性」を
評価し、下記表1に示す結果を得た。尚、「耐水接着
性」、「接着性」については、夫々カッコ内に「kgf
/cm2」単位、「kgf/2.5cm」の数字を併記
した。(以下の実施例、比較例において同じである。)
【0027】(実施例2)実施例1のモノマー組成をグ
リシジルメタクリレート(GMA)3重量部、スチレン(St)25
重量部、アクリル酸2 エチル- ヘキシル(2EHA)25重量部
に変更した他は実施例1と全く同様に行い、下記表1に
示す結果を得た。 (実施例3)実施例1のモノマー組成をグリシジルメタ
クリレート(GMA)3重量部、スチレン(St)22重量部、バー
サチック酸ビニルエステル( シェル化学製、商品名:Veo
Va9:)3重量部、アクリル酸2 エチル- ヘキシル(2EHA)25
重量部に変更した他は実施例1と全く同様に行い、下記
表1に示す結果を得た。 (実施例4)実施例1のメチルセルロース(MC)をヒドロ
キシエチルセルロース(HEC) 1重量部に変更した他は実
施例1と全く同様に行い、下記表1に示す結果を得た。 (実施例5)実施例1の充填剤をクレー(二酸化ケイ素
82.0重量%)50重量部に変更した他は実施例1と
全く同様に行い、下記表1に示す結果を得た。 (実施例6)実施例1の充填剤をタルク(二酸化ケイ素
60.0重量%)50重量部に変更した他は実施例1と
全く同様に行い、下記表1に示す結果を得た。
【0028】(比較例1)実施例1のモノマー組成をメ
タクリル酸i-ブチル(i-BMA)30 重量部、アクリル酸2 エ
チル- ヘキシル(2EHA)20重量部に変更した他は実施例1
と全く同様に行い、下記表1に示す結果を得た。 (比較例2)実施例1の充填剤を重質炭酸カルシウム(
重炭) 50重量部に変更した他は実施例1と全く同様に
行い、下記表1に示す結果を得た。
【0029】(比較例3)実施例1のメチルセルロース
(MC)をアルカリ膨潤型増粘剤(ローム・アンド・ハース
・ジャパン株式会社製、商品名:プライマルASE60)
1重量部(不揮発分換算)に変更した他は実施例1と
全く同様に行った。得られた混合物は大きな粗粒子を含
み、粘度上昇が著しいため、粘度ならびに構造粘性指数
を測定するのが困難な状態であった。また、その状態か
ら被着体への塗布は困難であり、各種測定は行わなかっ
た。 (比較例4)実施例1のメチルセルロースをウレタン会
合型増粘剤(旭電化工業株式会社製、商品名:アデカノー
ルUH420) 1重量部(不揮発分換算)に変更した他
は実施例1と全く同様に行い、下記表1に示す結果を得
た。以上において、本発明の実用範囲は○以上とする。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】この発明によれば、有機溶剤に由来する
危険性、環境問題が全て解決され、且つ溶剤系マスチッ
ク型接着剤に比肩する初期の収まり性を維持しつつ、優
れた接着性、耐水性を発現するノンVOC型水性マスチ
ック型接着剤を提供することができるので、今後社会に
果たす役割は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 103/18 C09J 103/18 125/08 125/08 131/00 131/00 133/04 133/04 Fターム(参考) 4J040 BA082 DB041 DE001 DF041 DF051 GA11 HA306 JA03 JB09 KA03 KA25 KA42 LA06 LA07 4J100 AB02P AC03P AC04P AE09Q AE18Q AG02P AG04P AJ02P AL03P AL04P AL04R AL05P AL10Q AL34P AL36P AS02P AS03P AS07P BC54Q CA04 CA05 DA55 FA03 FA20 JA03 JA45

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内にグリシジル基を含有する
    ポリマー水分散液に対し、(B)二酸化ケイ素を50〜
    100重量%含有する無機粉末充填剤を配合してなる水
    性マスチック型接着剤組成物であって、その不揮発分が
    60〜90重量%、粘度が200〜1000Pa・ s 、構
    造粘性指数が1.5〜3.0の範囲にあることを特徴と
    する水性マスチック型接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 上記接着剤組成物において、(A)のポ
    リマー分/(B)の無機粉末充填剤の配合重量比が10
    0/20〜100/200の範囲にあることを特徴とす
    る請求項1に記載の水性マスチック型接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 上記接着剤組成物において、(A)のポ
    リマー分が、グリシジル基含有重合性モノマー/スチレ
    ンモノマー、C1〜20の(メタ)アクリレート、脂肪
    酸ビニルエステルから選択された一種以上の重合性モノ
    マーの重量比が5/500〜150/500の範囲の重
    合体であることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の水性マスチック型接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 上記接着剤組成物において、(B)の無
    機粉末充填剤が、粒度分布で270メッシュ通過分が7
    0〜100重量%の珪砂(珪石粉)を使用することを特
    徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水
    性マスチック型接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 上記接着剤組成物において、粘性改良剤
    としてヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチル
    セルロース(MC)、カルボキシセルロース(CMC)
    から選択した一種以上を使用することを特徴とする請求
    項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水性マスチック
    型接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 上記接着剤組成物において、揮発性有機
    化合物を含有しないことを特徴とする請求項1〜請求項
    5のいずれか1項に記載の水性マスチック型接着剤組成
    物。
JP2001073367A 2001-03-15 2001-03-15 水性マスチック型接着剤組成物 Pending JP2002265921A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001073367A JP2002265921A (ja) 2001-03-15 2001-03-15 水性マスチック型接着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001073367A JP2002265921A (ja) 2001-03-15 2001-03-15 水性マスチック型接着剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002265921A true JP2002265921A (ja) 2002-09-18

Family

ID=18930806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001073367A Pending JP2002265921A (ja) 2001-03-15 2001-03-15 水性マスチック型接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002265921A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005113128A (ja) * 2003-09-16 2005-04-28 Jsr Corp 粘着剤組成物とその製造方法および粘着性物品
JP2012214580A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Dainippon Toryo Co Ltd 接着剤組成物及びその製造方法
WO2013147085A1 (ja) * 2012-03-29 2013-10-03 日本合成化学工業株式会社 エマルジョン型粘着剤組成物および粘着シート類
CN104194688A (zh) * 2014-09-04 2014-12-10 中山荣思东数码科技有限公司 一种多次可移水性丙烯酸酯压敏胶及其制备方法和应用
CN109575840A (zh) * 2018-11-15 2019-04-05 江门市蓝羽建筑粘合剂实业有限公司 一种无缝墙/壁布胶及其制备方法
CN110003822A (zh) * 2019-04-30 2019-07-12 浙江华硕科技股份有限公司 一种墙纸用环保胶水及其制备方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5034076B1 (ja) * 1969-08-14 1975-11-05
JPS60212432A (ja) * 1984-04-06 1985-10-24 Otsuka Chem Co Ltd 合成樹脂成型品と多孔質芯材との接着方法
JPH0489881A (ja) * 1990-08-01 1992-03-24 Daicel Chem Ind Ltd 水性エマルジョンとそれを用いた接着剤組成物
JPH07502058A (ja) * 1991-12-03 1995-03-02 ローム アンド ハース カンパニー 水性分散体の製造方法
JPH08100165A (ja) * 1994-08-01 1996-04-16 Toray Ind Inc ゴム・繊維用接着剤組成物、ゴム補強用合成繊維および繊維補強ゴム構造物
JPH09255935A (ja) * 1996-03-25 1997-09-30 Tokai Rubber Ind Ltd 絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤
JPH10287854A (ja) * 1997-04-14 1998-10-27 Nippon Aerojiru Kk 接着性樹脂組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5034076B1 (ja) * 1969-08-14 1975-11-05
JPS60212432A (ja) * 1984-04-06 1985-10-24 Otsuka Chem Co Ltd 合成樹脂成型品と多孔質芯材との接着方法
JPH0489881A (ja) * 1990-08-01 1992-03-24 Daicel Chem Ind Ltd 水性エマルジョンとそれを用いた接着剤組成物
JPH07502058A (ja) * 1991-12-03 1995-03-02 ローム アンド ハース カンパニー 水性分散体の製造方法
JPH08100165A (ja) * 1994-08-01 1996-04-16 Toray Ind Inc ゴム・繊維用接着剤組成物、ゴム補強用合成繊維および繊維補強ゴム構造物
JPH09255935A (ja) * 1996-03-25 1997-09-30 Tokai Rubber Ind Ltd 絶縁テープ用難燃化熱可塑性接着剤
JPH10287854A (ja) * 1997-04-14 1998-10-27 Nippon Aerojiru Kk 接着性樹脂組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005113128A (ja) * 2003-09-16 2005-04-28 Jsr Corp 粘着剤組成物とその製造方法および粘着性物品
JP2012214580A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Dainippon Toryo Co Ltd 接着剤組成物及びその製造方法
WO2013147085A1 (ja) * 2012-03-29 2013-10-03 日本合成化学工業株式会社 エマルジョン型粘着剤組成物および粘着シート類
CN104194688A (zh) * 2014-09-04 2014-12-10 中山荣思东数码科技有限公司 一种多次可移水性丙烯酸酯压敏胶及其制备方法和应用
CN109575840A (zh) * 2018-11-15 2019-04-05 江门市蓝羽建筑粘合剂实业有限公司 一种无缝墙/壁布胶及其制备方法
CN110003822A (zh) * 2019-04-30 2019-07-12 浙江华硕科技股份有限公司 一种墙纸用环保胶水及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2015283028B2 (en) A dispersion of (meth)acrylate copolymer containing a hydroxyalkyl (meth)acrylate functional monomer unit for flexible cementitious waterproofing materials
JP4306943B2 (ja) エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン組成物
US9777166B2 (en) Plasticizer free caulks and sealants comprising waterborne acrylic polymeric composites and methods for making the same
JP3969561B2 (ja) 改良されたポリマー組成物
WO2000049054A1 (fr) Procede de production d'emulsion de resine d'acetate de vinyle et d'adhesif a base d'eau
JP2002265921A (ja) 水性マスチック型接着剤組成物
JP2008024843A (ja) 内外装塗料用アクリル系共重合体エマルジョン、該エマルジョンを含有する内外装塗料用被覆組成物、及びパテ組成物
AU2013397705B2 (en) Hydrophobic alkali soluble emulsion thickener
JP2006225662A (ja) 水性分散液の製造法
WO2012070311A1 (ja) 接着剤組成物及びその製造方法
JP2017119737A (ja) 合成樹脂エマルジョンの製造方法、および該製造方法により得られる合成樹脂エマルジョンを用いてなるポリマーセメント組成物、ならびにポリマーセメント組成物を用いてなる塗膜防水材
JP5715867B2 (ja) 接着剤組成物
JPH11199825A (ja) 水性シーラー組成物
JPH0525914B2 (ja)
JP2000313867A (ja) 水系感圧接着剤組成物
BR112018010907B1 (pt) Polímero de emulsão aquosa de múltiplos estágios, e, composição aquosa de revestimento
JP2021134235A (ja) アクリル樹脂エマルジョン
JP5111726B2 (ja) 共重合体エマルジョンおよび塗料用組成物
JP2000191876A (ja) シリコ―ン系水性エマルジョン型樹脂組成物並びにその水性エマルジョン型接着剤及び水性パテ
JP4094119B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JP2735455B2 (ja) 水性粘接着剤組成物
JP5043912B2 (ja) 水性被覆組成物
JP2928349B2 (ja) 水性エマルジョンとそれを用いた接着剤組成物
JP7163012B2 (ja) パテ用樹脂組成物
JP3432065B2 (ja) エチレン−脂肪酸ビニル系樹脂エマルジョンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110705