JP2002265560A - 新規なエポキシ化合物およびこのものを用いた活性エネルギー線硬化型エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

新規なエポキシ化合物およびこのものを用いた活性エネルギー線硬化型エポキシ樹脂組成物

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JP2002265560A
JP2002265560A JP2001063033A JP2001063033A JP2002265560A JP 2002265560 A JP2002265560 A JP 2002265560A JP 2001063033 A JP2001063033 A JP 2001063033A JP 2001063033 A JP2001063033 A JP 2001063033A JP 2002265560 A JP2002265560 A JP 2002265560A
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Hideyuki Maruyama
英之 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シクロヘキサノール基を含む化合物のグリシジ
ルエーテル化方法であり、従来の製造方法に比べて塩素
含有成分の量が比較的少なく、無色透明で、かつ耐熱
性、機械的強度、強靭性などが改良され、腐食や外観が
問題となる用途にも用いることができ、かつ接着性に優
れるため、腐食が問題となる電気・電子用の接着剤や注
型剤、封止剤、積層板などの用途にも用いることができ
るようなエポキシ化合物の製造法およびその方法で製造
された安価なエポキシ化合物に光カチオン重合開始剤を
含む活性エネルギー線を利用した硬化性組成物提供す
る。 【解決手段】シクロヘキサノール基を含む化合物にエピ
クロルヒドリンを付加させクロルヒドリン体にする反応
で、反応温度を途中で変化させることにより副生成物で
ある塩素含有成分の生成を抑制し、生成物が含有する塩
素成分が0.5〜1.5%にする。上記方法で得られた
エポキシ樹脂に光カチオン重合開始剤を添加し、活性エ
ネルギー線を照射して光硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシクロヘキサノール基を
持つ化合物から合成されたエポキシ化合物およびこの新
規のエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂を用い、活性エ
ネルギー線を照射して硬化させたエポキシ樹脂組成物に
関するものである。さらに詳しくは、一般式1
【化1】 で表されるシクロヘキサノール基を持つ化合物とエピク
ロルヒドリンを用いて、一般式2
【化2】 で表されるエポキシ化合物の製造を行い、製品中の塩素
成分を少なくした新規のエポキシ化合物およびこのエポ
キシ化合物を含むエポキシ樹脂を用いて活性エネルギー
線にて光硬化したエポキシ樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にエポキシ樹脂は、接着性、機械特
性、耐熱性、耐薬品性、電気特性などの優れた特徴によ
り、接着剤、塗料、土木建築材料、電気・電子部品材料
や絶縁材料などに幅広く使用されている。この中でも電
気・電子部品の分野では、従来から電気絶縁材料として
エポキシ樹脂は多く用いられているが、最近は性能とコ
ストの両面で、より厳しい要求が電気メーカーより出さ
れる傾向が強くなってきている。また、最近の記録材料
に求められる性能として、エポキシ樹脂もより短時間で
接着性能を発揮する材料を求められる傾向も強い。この
経緯より活性エネルギー線で硬化可能であり、そして性
能とコストの両面で満足できるエポキシ樹脂が強く求め
られてきた。この一連の傾向の中で、耐候性に優れた特
徴をもつエポキシ樹脂として、水素化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂が最近注目されてきている。この樹脂は
芳香環を含まないという構造をもつため、紫外領域での
光の吸収がほとんどなく、光が継続的に当たったときの
黄変(汎用ビスA型エポキシ樹脂に見られる外観が黄色
く着色する)現象がほとんど起こらないといった特徴を
もっている。また、光や電磁波をエネルギーとして利用
する塗料やコーティング剤および接着剤などの分野での
利用が最近注目されてきており、実使用可能な性能とコ
ストをあわせ持った材料の開発が非常に期待されてい
る。
【0003】しかし、従来のこのシクロヘキサノール基
を有するタイプのエポキシ樹脂は汎用の液状ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂と同様の製造方法で合成が試みら
れてきたが、この方法では副生成物である塩素を含有し
た成分の量が多くなるという欠点がある。それゆえ、腐
食による信頼性などの面より電気・電子分野などでの使
用が困難なものしか得られてこなかった。
【0004】そのため、塩素成分を少なくするための従
来に存在しない合成方法として、現在、汎用の液状ビス
フェノールA型エポキシ樹脂を原料とし、このエポキシ
樹脂のエポキシ基を保護しながら芳香環の不飽和結合に
直接水素添加を行い、エポキシ化合物とする方法が存在
する。しかし、この合成法では、製造装置のスケールが
小さく、高価な触媒の使用することから、得られる製品
が高価なものとなり、工業的な実使用は限定されたもの
となっている。
【0005】以上のことより、シクロヘキサノール基を
グリシジルエーテル化した化合物、例えば水素化ビスフ
ェノールAエポキシ樹脂の製造法としては、塩素含有成
分が多いもの(以下、高塩素品と略す)と塩素含有成分
が非常に少ないもの(以下、低塩素品と略す)の2種類
があるが、品質的に実用に検討できるレベルのものとし
ては、高価な低塩素品だけであったが、このものはコス
ト面などからみて、実使用上では困難である。
【0006】これら2種類、すなわち高塩素品と低塩素
品の塩素含有成分の差は非常に大きい。電気・電子用途
では塩素含有成分が極めて少なくなければならない場合
も存在するが、それほど高くなければ良いという場合も
存在する。後者の場合、高塩素品は用いることは難しい
が、低塩素品を用いると採算性等の面で採用できない場
合も存在する。
【0007】これらの状況より、より安価で製造の容易
な高塩素品と低塩素品の間に位置する中程度の塩素含有
成分をもつ水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂が必
要とされる場合が多くあり、それに対応したエポキシ樹
脂が開発されていないというのが現状であった。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、シクロヘキサ
ノール基を持つ化合物のグリシジルエーテル化に際し、
従来の汎用ビスフェノールA型樹脂の製法と異なり、エ
ピクロルヒドリンの付加反応時の反応温度を厳密に制御
することにより、従来品よりはるかに塩素成分の含有率
が低く、無色透明で着色がないエポキシ化合物が得られ
る製造法を見出した。従来の製法で得られた製品も光硬
化性を有するが、塩素成分を多く含むため金属板上で硬
化させると金属に腐食が起こるため長期信頼性において
欠点があった。しかし、本製法で得られたエポキシ樹脂
は前述の金属腐食が起こさず、接着剤やコーティング剤
として充分な性能を発揮する。なお、本発明での付加反
応とは水酸基に対しエピクロルヒドリンが反応してクロ
ルヒドリン体が生成する反応のことを言う。
【0009】上記の製造法で得られたエポキシ化合物に
活性エネルギー線を照射すると、熱硬化より格段に速く
硬化するので、光硬化性樹脂の特徴である速硬性を充分
に示した。また、硬化物としての性能では、耐候性、耐
熱性、密着性、強靱性、耐水性などに優れた性能を持
ち、かつ無色であり、外観が問題となる塗料、コーティ
ング剤などの分野や速硬性が要求される接着剤分野など
にも有用なものとなることを見出し、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明は、シクロヘキサノール基を
持つ化合物
【化1】とエピクロルヒドリンとの反応において、反応
温度等の製造条件を厳しく管理することにより製造した
新規のエポキシ化合物、およびこのエポキシ化合物を含
むエポキシ樹脂を用いて活性エネルギー線で硬化させた
エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の細部構成と作用】本発明におけるシクロヘキサ
ノール基を持つ化合物の二級水酸基をグリシジルエーテ
ル化する反応条件としては、以下のようである。撹拌
機、温度計、コンデンサー、窒素導入管を備えた反応装
置にシクロヘキサノール基を持つ化合物(以下、二級水
酸基化合物と略す)を仕込み、次に溶剤を添加し、さら
にルイス酸触媒を添加する。次に内温を90〜120℃
に調節したのち、エピクロルヒドリンを二級水酸基化合
物の当量数の0.2〜0.6倍量を滴下しながら添加す
る。反応中に外観が白濁溶液から無色透明液体に変化し
た時点で、内温を、50〜85℃、に下げてエピクロル
ヒドリンを二級水酸基化合物の当量数の0.2〜0.5
倍量を滴下しながら添加する。この付加反応時での全エ
ピクロルヒドリン量としては二級水酸基化合物当量に対
し0.75倍量以下とする。その後、アルカリ金属水酸
化物水溶液を加え、反応させる。反応後、生成した食
塩、および未反応のアルカリ金属水酸化物を濾過または
水洗によって除去する。その後、アルカリ金属水酸化物
による二次的な処理、イオン除去のためのさらなる水
洗、脱溶媒等の一般的な精製工程を経ることにより、二
級水酸基がグリシジルエーテル化されたエポキシ化合物
が得られる。この方法で製造されたエポキシ化合物は、
従来の製法では3〜5%の塩素成分しか得られなかった
のにくらべ、塩素含有量が0.5〜1.5%と少ない塩
素成分の物が得られる。
【0012】本発明に用いられるシクロヘキサノール基
を持つ化合物とは、主としてフェノール性水酸基を持つ
化合物を水素添加により還元して得られる。具体的には
水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF、水
素化ビスフェノールAD、水素化フェノールノボラッ
ク、水素化クレゾールノボラック、水素化ナフタレンジ
オール、水素化レゾルシン、水素化ビフェノール、水素
化トラメチルビフェノール、水素化トリスフェノールメ
タンなどである。なお、これらの化合物中には、一級ア
ルコール性水酸基(以下単に一級水酸基と略す)を含ん
でいてもよく、本製造法において一級水酸基は二級水酸
基と同時にグリシジルエーテル化され、いずれもエポキ
シ樹脂として用いた場合の有効成分となる。
【0013】本発明におけるルイス酸触媒としては三酸
化硫黄、二酸化硫黄、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、
三塩化アルミニウム、三塩化鉄、四塩化スズなどであ
り、特に好ましくは四塩化スズである。
【0014】本発明におけるアルカリ金属水酸化物とし
ては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどであり、またアルカリ土類金属水酸化物とは、水
酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが例示されるが、
好ましくは上記のアルカリ金属水酸化物であり、特に好
ましくは水酸化ナトリウムである。
【0015】本発明において、二級水酸基化合物に対し
てのエピクロルヒドリンの付加反応時に途中から温度を
下げることにより、主として電気・電子用途向で問題と
なる副生成物である塩素含有成分の割合を下げることが
できる。この反応機構としては、まず付加反応初期は原
料を溶媒に極力溶解させるために高温で反応させること
がより均一な反応を起こさせるために必要である。そし
て、反応が進み反応液が均一になった後に温度を下げる
と、付加反応の反応速度を下げることになり、局所的な
エピクロルヒドリンの多重付加反応が起きることを抑え
ているため、塩素含有成分が低減することが可能とな
る。
【0016】かくして得られた本発明のエポキシ化合物
をエポキシ樹脂として硬化させたものは、耐候性、耐熱
性、密着性、耐水性、機械的強度などの諸物性が良好で
あり、様々な分野に利用が可能である。特に、無色で耐
候性に優れているという特徴を活かして塗料、コーティ
ング剤などの用途や、塩素含有成分の含有量が少ないと
いう特徴を活かして、腐食が問題となる電気・電子用の
接着剤、注型剤、封止剤や積層板などの用途にも用いる
ことが可能である。
【0017】本発明により製造されたエポキシ化合物を
含む活性エネルギー線を利用した硬化性組成物は活性エ
ネルギー線を照射することにより活性化され、光カチオ
ン重合開始物質を発生して、比較的低エネルギーで、重
合が開始する。光カチオン重合を開始させるために、必
須成分として光カチオン重合開始剤が含有される。
【0018】活性エネルギー線とは特に限定されるもの
ではないが、例えばマイクロ波、赤外線、可視光、紫外
線、X線、γ線、電子線等が挙げられ、好ましくはその
中でも簡便に使用できる紫外線が使用される。
【0019】上記の紫外線は、特に限定されるものでは
ないが、好ましくは水銀灯、特に好ましくは高圧水銀灯
が使用される。
【0020】上記光カチオン重合開始剤は、イオン性光
発生タイプであっても良いし、非イオン性光発生タイプ
であっても良い。
【0021】上記非イオン性光酸発生タイプの光カチオ
ン重合開始剤としては、特に限定されるものではない
が、例えば、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウ
ム塩等のオニウム塩や、鉄−アレン錯体等の有機金属錯
体類等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が使
用される。
【0022】上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン
重合開始剤の具体例としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキ
シエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフ
ィド ビスヘキサフルオロフォスフェート、ビス[4−
(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスル
ホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロア
ンチモネート)等が挙げられ、これらの1種もしくは2
種以上が使用される。また、2種類以上の光カチオン重
合開始剤を併用する場合、有効活性波長の異なる2種類
以上の光カチオン重合開始材を用いて多段階硬化をさせ
ても良い。
【0023】本発明により製造されたエポキシ化合物1
00部に対する上記光カチオン重合開始剤の配合量は特
に限定されるものではないが、0.1〜10部が好まし
い。
【0024】なお、上記硬化性組成物には、本発明によ
り製造されたエポキシ化合物を必須とするが、単体使用
に限定されるものではなく、他種類のグリシジルエーテ
ル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物およびオキ
セタン化合物等を混合しても良い。
【0025】以下、本発明の詳細を合成例及び実施例に
より具体的に説明する。ただし、本発明はその要旨を越
えない限りにおいて、以下の実施例に制約されるもので
はない。
【0026】
【合成例1】撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素導入
管を備えた1Lの四つ口フラスコに、水素化ビスフェノ
ールAを125g(1水酸基当量)、トルエン374g
を仕込む。次に、ルイス酸として四塩化スズを2g添加
する。それから、内温を110℃に合わせた後に、エピ
クロルヒドリン69g(0.75mol)を滴下する。
途中、溶液が白濁状態から無色透明状態に変化した後、
内温を70℃まで下げ、残りのエピクロルヒドリンを全
て滴下する。次に内温を60℃に合わせたのち、20%
水酸化ナトリウム240g(1.2mol)を添加し、
同温度で2時間反応させた。反応後、分液ロートにて水
層を分離し、油層側を再度四つ口フラスコに戻し、60
℃で20%NaOH50gを添加し、2時間反応させ
る。再度分液ロートで水層を分離し、さらに蒸留水10
0gで2回水洗、分液操作を繰り返し、油層側よりトル
エンをロータリーエバポレーターで減圧留去すると15
7gの無色透明の液状樹脂が得られた。このもののエポ
キシ当量は254g/eq、全塩素は0.7%、ガスク
ロマトグラフィー分析による反応率は90%であった。
【0027】
【合成例2】撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素導入
管、滴下ロートを備えた1Lの四つ口フラスコに、水素
化ビスフェノールAを125g(1水酸基当量)、トル
エン375g、三フッ化ホウ素エーテル錯塩2gを仕込
む。内温を100℃に加熱し、エピクロルヒドリン69
g(0.75mol)を滴下する。途中、溶液が白濁状
態から無色透明状態に変化した後、内温を60℃まで下
げ、残りのエピクロルヒドリンを全て滴下する。その
後、同温度で20%NaOH240g(1.2mol)
を添加し、2時間反応させる。分液ロートにて水層を分
離し、油層側を再度四つ口フラスコに戻し、60℃で2
0%NaOH50gを添加し、2時間反応させる。再度
分液ロートで水層を分離し、さらに蒸留水100gで2
回水洗、分液操作を繰り返し、油層側よりトルエンをロ
ータリーエバポレーターで減圧留去すると160gの無
色透明の液状樹脂が得られた。このもののエポキシ当量
は257g/eq、全塩素は1.1%、ガスクロマトグ
ラフィー分析による反応率は91%であった。
【0028】
【比較合成例1】撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素
導入管、滴下ロートを備えた1Lの四つ口フラスコに、
水素化ビスフェノールAを125g(1水酸基当量)、
トルエン375g、三フッ化ホウ素エーテル錯塩0.5
gを仕込む。60℃に加熱し、滴下ロートよりエピクロ
ルヒドリン102g(1.1mol)を1時間かけて滴
下し、同温度で30分熟成する。その後、同温度で20
%NaOH240g(1.20mol)を添加し、2時
間反応させる。分液ロートにて水層を分離し、油層側を
再度四つ口フラスコに戻し、60℃で20%NaOH1
20gを添加し、2時間反応させる。再度分液ロートで
水層を分離し、さらに蒸留水100gで2回水洗、分液
操作を繰り返し、油層側よりトルエンをロータリーエバ
ポレーターで減圧留去すると185gの粘稠液体が得ら
れた。このもののエポキシ当量は225g/eq、全塩
素は3.5%、ガードナー色数法により色数を測定する
とガードナー1以下であり、反応率は85%であった。
【0029】
【硬化実施例】表1のような割合で、合成例1、合成例
2、比較合成例1で得られた水素化ビスフェノールA型
エポキシ化合物などに光カチオン重合開始剤としてビス
[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニ
ルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフル
オロフォスフェート(旭電化工業(株)製「アデカオプト
マーsp−150」)を添加する。この配合樹脂を次の
ように硬化した。すなわち、前処理としてアセトンで洗
浄したアルミニウム板(150×25×0.3mm)に
配合樹脂を膜厚100μmとなるよう塗布した後に、高
圧水銀灯(コールドミラー付き、ランプ出力80W/c
m)を用い、紫外線を200〜400mj/cm照射
した。このようにして得られた試験片を以下の方法で物
性評価を行った。
【0030】 高熱多湿試験・・・硬化した試験片を8
5℃、相対湿度(RH)95%の恒温恒湿器で1000
時間の耐久性試験を行った結果、アルミニウム板の腐食
を目視で行った。アルミニウム板に腐食が見られないと
きを○と評価し、腐食が若干見られるときを△と評価
し、腐食が見られるときを×と評価した。 硬化物の外観・・・目視により判定した。着色少ない
(淡黄色)ときを○と評価し、著しい着色(黒褐色)が
あるときを×と評価した。 せん断引張強度試験・・・JIS K 6850「引張
りせん断接着強さ」に準じて測定した。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】シクロヘキサノール基を含むエポキシ樹
脂に対して、本発明の製造法を用いることにより、無色
透明で、効率良く、しかも安価に、シクロヘキサノール
基のグリシジルエーテル化が達成できる。この製造法に
よって得られたエポキシ樹脂は紫外光などによる光硬化
性を有し、耐熱性、密着性、機械的強度、強靭性、耐水
性などの諸性能に優れ、かつ外観が良好である。それゆ
え、塗料、コーティング剤、接着剤などの分野で無溶剤
化が可能となり公害対策・労働環境対策・省エネルギー
対策にも有用である。さらに、光硬化は熱硬化よりも硬
化速度が速いため高生産性を期待できる。また、塩素含
有成分の含有量が少ないため、腐食が問題となる電気・
電子用の接着剤、注型剤、封止剤や積層板などの用途に
用いることが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式1の化合物とエピクロルヒドリンか
    ら合成される一般式2で表されるエポキシ化合物であ
    り、生成物が含有する全塩素成分が0.5〜1.5%の
    範囲にある新規なエポキシ化合物。 一般式1 【化1】 (Rは水素原子またはC1〜5のアルキル基、a、bは
    1〜4の自然数、Yは1〜10のアルキレン基、アルキ
    リデン基または直接結合を示す。)で表されるシクロヘ
    キサノール基を持つ化合物 一般式2 【化2】 (nは0〜10、G、Gは水素原子又はグリシジル
    基を示す。但し、G、G共に水素原子であることは
    ない)
  2. 【請求項2】請求項1に記載されたエポキシ化合物を含
    むエポキシ樹脂100重量部に対し、光カチオン重合開始
    剤0.1〜10部を加えた混合樹脂を使用し、活性エネ
    ルギー線を照射して硬化させた光硬化性エポキシ樹脂組
    成物。
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