JP2002264696A - 自動車内装品表皮層の成形方法 - Google Patents

自動車内装品表皮層の成形方法

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JP2002264696A
JP2002264696A JP2001062529A JP2001062529A JP2002264696A JP 2002264696 A JP2002264696 A JP 2002264696A JP 2001062529 A JP2001062529 A JP 2001062529A JP 2001062529 A JP2001062529 A JP 2001062529A JP 2002264696 A JP2002264696 A JP 2002264696A
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JP2001062529A
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Tatsuhiro Ueno
樹広 上野
Hiroshi Suyama
博史 須山
Tatsuo Yamada
達夫 山田
Kenichi Furuta
剣一 古田
Akira Nakajima
明 中島
Ryoichi Katayama
良一 片山
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Tokai Chemical Industries Ltd
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Tokai Chemical Industries Ltd
Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッグカバー部を有する自動車内装品におけ
る表皮層をスプレー成形により成形するに際して、レリ
ーフラインやレーザー加工によらずに第二脆弱線部の形
成が可能な自動車内装品表皮層の成形方法を提供するこ
と。 【解決手段】 エアバッグカバー部を有し、垂直断面が
基材層及び表皮層を含む自動車内装品における表皮層を
スプレー成形により成形する方法。エアバッグカバー部
のテアラインが前記基材層に形成される第一脆弱線部と
表皮層に形成される第二脆弱線部とで構成されている。
表皮本体層35、36を表皮層成形金型29を用いてス
プレー成形するに際して、複数段のスプレー工程により
継ぎ目38を発生させて第二脆弱線部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、エアバッグカバー部を有し、垂
直断面が基材層及び表皮層を含む自動車内装品における
表皮層をスプレー成形により成形する方法に関する。
【0002】以下、本明細書においては、エアバッグカ
バー部を備えた自動車内装品として主としてエアバッグ
装着タイプのインストルメントパネル(以下「インパ
ネ」と略称する。)を例に採り説明するが、その他、サ
イドドア、ピラー、フロント・バックシート等において
エアバッグを装着する場合も同様である。
【0003】
【背景技術】昨今、インパネにおいてはエアバッグ装置
が標準装備されるようになってきている。
【0004】そして、インパネとして、垂直断面が基材
(芯材)層及び表皮層を含み両層の間に発泡層を形成し
た実体的に三層構成のものがある(特表平10−50
0366号、特開平11−321519号、特開2
000−280847の公報等)。基材層と表皮層との
間に、発泡層を形成するのは、主として触感性向上等の
見地からである。
【0005】上記構成の表皮層は、生産性の見地から、
スラッシュ成形(上記公報、)スプレー成形(上記
公報)等で成形することがある。これらの成形法は、
表皮層を成形後、同一金型を使用して表皮層に連続する
層を成形可能であるためである。
【0006】上記スラッシュ成形は、材料的にPVC
(ポリ塩化ビニル)が主流であるが、環境的見地から将
来的に使用が制限される傾向にある。このため、環境的
に問題の少ないないし実質的に問題の無いポリウレタン
やさらにはオレフィン系熱可塑性エラストマー(TP
O)等への移行が必然的である。また、低コストなスプ
レー成形が着目されつつある。
【0007】他方、インパネのエアバッグカバー部に
は、エアバッグ作動時に、バッグドア部が開(蝶番付け
ドア的に)となるようにテアラインを設ける。このテア
ラインは、基材層に形成する第一脆弱線部(例えば、破
断溝やミシン目)と表皮層に形成する第二脆弱線部(通
常、レリーフライン(浮き彫り溝))とで構成してい
た。
【0008】表皮層に第二脆弱線部を形成するのは、表
皮層を感触(手触り)の見地から破断伸びの大きなエラ
ストマー材料(200%以上、望ましくは400%以上
で形成するためである。表皮層に第二脆弱線部を形成し
ないと、エアバッグ作動時に、基材層の第一脆弱線部が
迅速に破断しても表皮層が迅速に破断しないためであ
る。すなわち、所定量以上伸びた後に破断して、結果的
に、バッグドアの開時間にバラツキが発生するおそれが
ある。
【0009】そして、意匠性向上の見地からエアバッグ
用蓋体部付きエアバッグカバ−部(以下単に「バッグカ
バー部」という。)を有する自動車内装品(特にインパ
ネのエアバッグカバー部)のレリーフライン(浮き彫り
溝)レス化の要請が強まりつつある。
【0010】このため、上記浮き彫り溝の代替として、
該表皮層の裏面からレーザー加工等を施して第二脆弱線
部を形成する技術が公知である(特開2000−280
847等公報参照)。
【0011】しかし、上記レーザー加工は、設備投資費
用、ランニングコスト等が嵩み、結果的に製品のコスト
アップにつながる。
【0012】本発明は、上記にかんがみて、バッグカバ
ー部を有し、垂直断面が基材層及び表皮層を含む自動車
内装品における表皮層をスプレー成形により成形するに
際して、レリーフラインやレーザー加工によらずに第二
脆弱線部の形成が可能な自動車内装品表皮層の成形方法
を提供することを目的とする。
【0013】
【発明の開示】本発明の自動車内装品表皮層の成形方法
は、上記目的(課題)を下記各構成により解決するもの
である。
【0014】本発明の一つは、バッグカバー部を有し、
垂直断面が基材層及び表皮層を含む自動車内装品におけ
る表皮層をスプレー成形により成形する方法であって、
バッグカバー部のテアラインが基材層に形成される第一
脆弱線部と表皮層に形成される第二脆弱線部とで構成さ
れ、スプレー成形に際して、複数段のスプレー工程によ
り継ぎ目を発生させて第二脆弱線部を形成することを特
徴とする。
【0015】本発明の他の一つは、バッグカバー部を有
し、垂直断面が基材層及び表皮層を含む自動車内装品に
おける表皮層をスプレー成形により成形する方法であっ
て、、バッグカバー部のテアラインが基材層に形成され
る第一脆弱線部と表皮層に形成される第二脆弱線部とで
構成され、スプレー成形に際して、表皮層の未硬化時に
溝部を附形して第二脆弱線部を形成することを特徴とす
る。
【0016】本発明のさらに他の一つは、バッグカバー
部を有し、垂直断面が基材層及び表皮層を含む自動車内
装品における表皮層をスプレー成形により成形する方法
であって、バッグカバー部のテアラインが基材層に形成
される第一脆弱線部と表皮層に形成される第二脆弱線部
とで構成され、スプレー成形に際して、切り欠き部又は
脆弱処理部を備えたシート状補強材を埋設させて成形を
行なって、第二脆弱線部を形成することを特徴とする。
【0017】上記いずれの発明も、バッグカバー部を有
し、垂直断面が基材層及び表皮層を含む自動車内装品に
おける表皮層をスプレー成形により成形するに際して、
レリーフラインやレーザー加工によらずに第二脆弱線部
の形成が可能となる。
【0018】すなわち、表皮層における第二脆弱線部
は、継ぎ目、溝部又は非補強部(補強材の脆弱処理部)
により同時又は同時的に容易に形成できる。したがっ
て、第二脆弱線部の形成を、レリーフラインレス仕様と
しても、レーザー加工等の特別な装置も必要としない。
【0019】
【発明を実施するための最良の形態】本発明の自動車内
装品表皮層の成形方法の各態様を、自動車内装品とし
て、図1〜2に示すようなインパネ10を例にとり説明
する。
【0020】インパネ10は、図例の如く、バッグカバ
ー部12を有し、垂直断面が基材層13及び表皮層14
を含むものであり、両層13、14の間は発泡層(クッ
ション層)16が介在している。なお、同様な三層構成
のものが、特開平11−321519号・特開2000
−280847公報等に記載されている。
【0021】バッグカバー部12のテアライン17は、
基材層13に形成される第一脆弱線部19と表皮層14
に形成される第二脆弱線部21とで構成されている。な
お、テアライン17は、バッグドア部18、18は両開
き(観音開き)であるため平面H字形である(図1参
照)。
【0022】ここで基材層13の第一脆弱線部19は、
テアライン17の対応する部位の切り欠き溝(V字形
溝)で形成されている。なお、バッグドア部(以下単に
「ドア部」という。)18、18は、観音開きであるた
め、第一脆弱線部19のH字形の上下両端間には、回動
容易なようにヒンジ溝22が形成されている。
【0023】また、基材層13は、基材層本体部13a
と基材層バッグカバー部13bとが融着一体化された構
成である。
【0024】そして、基材層13は、裏面側に前・後取
付け壁23、25を備え、後取付け壁25は、三角板補
強リブ27を介してベース壁部25aが基材層13裏面
に一体化され、取付け部25bがインテグラルヒンジ部
25cを介して形成されている。型抜き方向の関係から
である。
【0025】ここで、通常、基材層バッグカバー部13
bはバッグドア部18の回転柔軟性及び低温柔軟性を担
保するために、基材層本体部13aに比して、相対的に
軟質の材料で形成する。例えば、基材層本体部13aを
繊維強化ポリプロピレン(PPF)で形成した場合、基
材層バッグカバー部13bは、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー(TPO)で形成する。
【0026】(1) 本発明の一つに係る表皮層の成形方法
は、上記構成のインパネ10の表皮層14(14A、1
4B)をスプレー成形するに際して、複数段のスプレー
工程により継ぎ目(ウェルド)38を発生させて第二脆
弱線部21(図2参照)を形成するものである。
【0027】ここで、スプレー成形とは、二液形ウレタ
ン等の表皮層形成材をノズル等を利用して成形型の附形
面にスプレーして層成形体(レイアー)を成形する方法
のことである(特表平10−500366号等公報参
照)。
【0028】上記表皮層14は、具体的には、図3に示
すようなH字形の第二脆弱線部21を形成する場合、図
4に示す工程を経て容易にかつ確実に製造できる。
【0029】ここで、ドア部側を覆う第一マスク治具3
2、32及びインパネ本体部側を覆う第二マスク治具3
3を用意する。
【0030】ただし、板状のマスキング治具を使用する
場合、第二脆弱線部21は、閉じたいわゆる囲繞線とな
る(図例では日字形)。第一マスク治具32、32の大
きさは、ヒンジ部と合致させるものとしてもよいが、図
例では、ドアヒンジ部Hを越えて形成してある。ヒンジ
部Hを越えて形成すると、ヒンジ部で表皮が破断するの
を確実に防ぐことができる。
【0031】まず、前工程として、表皮層14の、すな
わちインパネ10の意匠性及び耐久性を向上させるた
め、表皮層14の最表面側に意匠/保護塗膜28を絵付
け成形法(in-mold decorating)を適用して形成する。
意匠/保護塗膜28は、表皮層成形金型29に、意匠/
保護塗料をスプレー塗布することにより形成する。
【0032】この意匠/保護塗膜(意匠/保護層)28
を形成する前工程は、必然的ではないが、第二脆弱線部
21を構成する継ぎ目を隠蔽するために通常行なう。意
匠/保護層28の層厚は、約10〜30μm、望ましく
は20μm前後とする。薄過ぎては、継ぎ目の隠蔽作用
を奏し難く、厚すぎると、エラストマー材(高分子弾性
体)で形成する表皮本体層35、36のソフト感が阻害
されるおそれがある。
【0033】塗料としては、表皮本体層35に対して密
着性の良好なポリマーをベースとするものを使用する。
すなわち、表皮本体層35の形成材料に対応させて、ポ
リオレフィン系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、
ポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系、塩素化P
E等の塗料が使用可能である。
【0034】続いて、上記意匠/保護層28の裏面側
(図4では下側)にインパネ本体側の第一表皮本体層3
5及びドア部側の第二表皮本体層36、36の成形を行
なう。
【0035】スプレー成形第一工程として、第二脆弱線
部21の形成部位(テアライン17の対応部位)に、マ
スク境界が合致するように、第一マスク治具32、32
によりドア部側をマスキングし、非マスキング部にスプ
レー成形によりパネル本体側の第一表皮本体層35を成
形する。
【0036】スプレー成形第二工程として、第一工程で
成形した第一表皮本体層35が半硬化ないし硬化させた
後、第二マスク治具33でパネル本体側をマスキングし
た状態で、第一マスク治具32の一方を除去して、非マ
スキング部にスプレー成形によりドア側の一方の第二表
皮本体層36を成形する。
【0037】スプレー成形第三工程として、第二工程で
成形した第二表皮本体層36が半硬化ないし硬化させた
後、第二表皮本体層36を第二工程で除去しておいた第
一マスク治具32でマスキングした状態(第二マスク治
具33でパネル本体側をマスキングしたまま)で、他方
の第一マスク治具32を除去して、非マスキング部にス
プレー成形によりドア側の他方の第二表皮本体層36を
成形する。そして、マスク治具32、33を除去して、
全ての表皮本体層35、36を硬化させる。
【0038】なお、表皮本体層のスプレー成形材料とし
て、ポリウレタンを使用する場合は、加熱硬化条件は、
例えば、50〜70℃、望ましくは60℃前後とする。
【0039】ここで、第二表皮本体層36、36の各ス
プレー成形時期を調節することにより、継ぎ目の結合状
態が調節可能である。すなわち、第一表皮本体層35が
半硬化状態で第二表皮本体層36、36をスプレー成形
すると、継ぎ目の結合(融着強度)が強く、同じく完全
硬化状態でスプレー成形すると、継ぎ目の結合(融着強
度)が弱い。要求される継ぎ目の設定結合強度(表皮層
の要求破断性能)に応じて、適宜選択する。
【0040】なお、上記において、継ぎ目を融着させな
いようにする場合には、第一表皮本体層35をスプレー
成形後、少なくとも第一表皮本体層35の継ぎ目形成端
面に離型剤を塗布する工程を経て、第二表皮本体層3
6、36をスプレー成形する。
【0041】なお、第二表皮本体層(ドア部側)36、
36を先に交互にスプレー成形して、第一表皮本体層
(本体部側)35を後から成形しても勿論よい。
【0042】上記第一・第二マスク治具32・33の材
質としては、マスキング可能なものなら特に限定されな
いが、意匠/保護塗膜28が半乾き状態であっても、意
匠/保護塗膜28に対して粘着しないものを使用するこ
とが望ましい。例えば、PP、PE等の非極性プラスチ
ック等が使用可能である。
【0043】上記第一・第二表皮本体層35、36のス
プレー成形材料は、異種のエラストマー材であってもよ
いが、通常、同一のエラストマー材を使用する。例え
ば、スプレー成形に適しているポリウレタン材料を使用
するが、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリ塩化
ビニル系、ポリエステル系、ポリアミド系、塩素化PE
等エラストマーのプレポリマー等が使用可能である。ポ
リウレタンを使用しない場合は、環境の見地及び軽量化
の見地からポリオレフィン系エラストマーが特に好まし
い。なお、第一表皮本体層35と第二表皮本体層36・
36の成形材料を異種材料とした場合は、適切な材料を
選択することにより相互の継ぎ目の結合強度(接合強
度)を調整することもできる。
【0044】上記各表皮本体層35、36の膜厚は、約
0.6〜1.0mm、望ましくは0.8mm前後とする。薄
過ぎては、十分なソフト触感を得難く、厚すぎると相対
的に発泡層の厚みが薄くなり、インパネ全体として重量
増大につながる。
【0045】また、第一・第二マスク治具は、図5
(A)、(B) に示す如く、端縁部を表皮層(表皮本体層)
35A(35B)の薄肉化が可能な形状としてもよい。
なお、図5では要部(継ぎ目部位)のみを示す。
【0046】図5では、第一マスク治具32A(又は3
2B)の端縁部裏側が、意匠/保護塗膜28との接触側
で、直角に一部が切り欠かれている。この第一マスク治
具32A(又は32B)でマスキングを行って第一表皮
本体層形成材をスプレー塗布すると、第一表皮本体層形
成材は、流動して第一マスク治具32Aの切り欠き部分
にまで侵入し硬化する。そのため第一表皮本体層35A
(又は35B)の継ぎ目(第二脆弱線部)38A(又は
38B)付近には薄肉部分が形成される。
【0047】続いて、薄肉部分の全体(図5(A))又は一
部(図5(B))をマスキング可能な突起を端縁部に設けた
第二マスク治具33A(又は33B)を使用して第二表
皮層形成材をスプレー塗布することにより薄肉部を有す
る第二表皮本体層36A(又は36B)を形成すること
ができる。
【0048】上記の如く、第一マスク治具32A(又は
32B)及び第二マスク治具33A(又は33B)を使
用すれば、表皮本体層35、36の成形と同時に第二脆
弱線部(継ぎ目)21近傍の第一表皮本体層35に薄肉
部を形成することができ、表皮層14の第二脆弱線部2
1における破断性(引裂性)がより確保しやすくなり、
結果的にバッグドア部における開き特性を向上させるこ
とができる。
【0049】そして、薄肉部を形成した場合の第一表皮
本体層35A(又は35B)における薄肉部35a(又
は35b)の厚みは、表皮層14A(又は14B)に要
求される破断性能(バッグ展開性能及び発泡層に対する
バリア性)に応じて適宜設定する。
【0050】なお、第一・第二マスク治具の形状は、図
示のものに限定されず、第一表皮本体層に薄肉部を形成
可能であれば、その他、様々な形状のものを使用するこ
とができる。
【0051】例えば、テアラインに対応した平面H字形
の薄肉壁体(立体マスク治具)を意匠/保護層又は金型
キャビティ面の上にセットした状態で、表皮本体層(又
は表皮層)をスプレー成形する。そして、表皮本体層
(又は表皮層)にまだ流動性が残っている未硬化状態
で、立体マスク治具を除去すれば、立体マスク治具で形
成されていた隙間を閉じるように表皮本体層(又は表皮
層)材が近接融着して継ぎ目からなる第二脆弱線部が形
成される。
【0052】(2) 他の本発明に係る表皮層の成形方法
は、インパネ10の表皮層114(又は114A)をス
プレー成形するに際して、表皮層114(又は114
A)の未硬化時に溝部40(又は40A)を附形して第
二脆弱線部21を形成するものである。
【0053】溝部40(又は40A)附形の手段として
は、図6に示す如く、凸状押圧治具42を用いる方法、
及び、熱風、冷風(又は水)等の表皮層すなわち表皮本
体層37Aの硬化を促進させる流体を流体噴射器44か
ら局部噴射する方法等がある。
【0054】なお、凸条押圧治具の温度及び流体噴射手
段に使用する流体の種類及び温度は、表皮層形成材の種
類に応じて変える。すなわち、表皮層形成材が、熱硬化
性ポリマーベースの場合は、加熱した凸条押圧治具や熱
風又は硬化性薬剤(例えば、ポリウレタンの場合活性水
素化合物)を、熱可塑性ポリマーベースの場合は、冷却
した凸条押圧治具や冷風(又は水)を使用して、迅速に
溝形状を固定化することが望ましい。
【0055】また、上記手段以外に、超音波、高周波等
を使用することも可能であるが、これらは、装置が高価
となる。
【0056】本形態において、形成する表皮層37の溝
部40は、通常、連続的(線状)とするが、断続的(ミ
シン目状)でもよい。また、溝部(凹部)40・40A
の断面形状は、図例の如くV字形に限られず、U字形、
矩形状などでもよい。
【0057】熱風の温度としては、表皮層形成材をウレ
タン材とする場合は、約50〜100℃、望ましくは7
0℃とする。
【0058】溝部40(40A)の深さは、前述同様、
表皮層に要求される破断性能(バッグ展開性能及び発泡
層に対するバリア性)に応じて適宜設定する。
【0059】(3) さらに他の本発明に係る表皮層の成形
方法は、図8に示す如く、上記構成のインパネ10の表
皮層214をスプレー成形するに際して、脆弱処理部
(U字形切り欠き部)48を備えたシート状補強材46
を埋設させて成形を行なって、第二脆弱線部を形成する
ものである。
【0060】すなわち、脆弱処理部48を形成したシー
ト状補強部材46(図9) を意匠/保護塗膜28を形成
した表皮層成形金型29に載置し、該補強部材46を載
置した状態で表皮層形成材をスプレー成形して表皮本体
層39を形成したものである。
【0061】図例は、バッグドア部が片開きの例とした
もので、切り欠き部48は平面略U字形となっている。
【0062】なお、脆弱処理部の態様は、上記切り欠き
部48に限られない。例えば、シート体(可撓性板)又
はネット体に、テアライン形状に対応させた切れ目部位
ないし熱劣化部位、脆弱逢着部位を形成してもよい。
【0063】そして、上記表皮層14等をスプレー成形
した後、従来と同様、図示しないが、表皮層が残存した
ままの(離型されていない)表皮層成形金型29を雌型
とし、基材層の成形に使用し基材層が残存したままの
(離型されていない)基材層成形金型を雄型として、型
閉じた後、発泡層材料を射出成形して、図2に示すよう
な、基本的に基材層13、発泡層16及び表皮層14か
らなるインパネ10を製造する。
【0064】上記インパネ10は、エアバッグ装置Mを
組み付け、実車に装着して使用する。
【0065】エアバッグ装置Mは、基本的には、エアバ
ッグ52と、該エアバッグ52に膨張ガスを流入させる
インフレータ54と、それらの部材を一体化させるバッ
グケース56とからなる。バッグケース56は、インフ
レータ54を保持し、エアバッグ52内に膨張ガス流入
をガイドするディフューザ缶58が一体化されている。
【0066】そして、バッグケース56の前・後壁56
a、56bに、基材層13の裏面に形成された前・後取
付け壁23、25を挿入係合させて、エアバッグ装置ア
センブリとし、図示しないブラケットを介して車体(実
車)に装着する。
【0067】そして、車体に所定値以上の衝撃荷重が作
用すると、バッグカバー部12のテアライン17が下記
の如く破断して、ドア部が開いてエアバッグが迅速に膨
張/展開する。
【0068】まず、エアバッグ本体52が膨張により、
基材層13を裏側(下部)から押圧する。この際、基材
層13のV字形切り欠きが形成された第一脆弱線部19
に応力が集中して、第一脆弱線部19形成部位が破断
後、発泡層16においては第二脆弱線部21底部との距
離が最短の部位(最小断面部位)に応力が集中して、縦
方向に亀裂線が第二脆弱線部21(継ぎ目又は溝部等)
の先端部位に向かって走る。そして、該亀裂線の先端が
表皮層14(表皮本体層35、36)の第二脆弱線部2
1に達すると、今度は、上記表皮層14の第二脆弱線部
21は、他の表皮層14に比して脆弱であるため応力が
集中して、表皮層14の伸び量が本来の破断伸び率
(%)に達するはるか前に表皮層14が破断する(引き
裂かれる)。したがって、レリーフラインがなくても、
レーザー等により特別な後処理による脆弱線部を形成し
なくても、表皮層が伸びてバッグドア部の完全な開状態
が遅延するようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を適用する自動車内装品の一例で
あるインパネ(インストルメントパネル)を示す斜視図
【図2】図1における2−2線要部断面図
【図3】本発明の一つに係る自動車内装品表皮層の成形
方法におけるマスク治具の配置関係を示す平面モデル図
【図4】同じくマスク治具により表皮層に継ぎ目からな
る第二脆弱線部を形成する場合の工程端面図(図3の4
−4線位置)
【図5】他のマスク治具を使用した場合の第二脆弱線部
を形成する場合の工程断面図(継ぎ目位置部位のみ)
【図6】表皮層に溝部からなる第二脆弱線部を構成する
溝部を凸状押圧治具を使用して形成する場合のモデル断
面図
【図7】同じく第二脆弱線部を構成する溝部を流体の局
部噴射により形成する場合のモデル断面図
【図8】表皮層に第二脆弱線部を脆弱処理部を備えたシ
ート状補強材を使用して形成した場合のモデル断面図
【図9】図8におけるシート状補強材のモデル平面図
【符号の説明】
12 インストルメントパネル(自動車内装品) 14、14A、14B、114、114A、214 表
皮層 19 第一脆弱線部 21 第二脆弱線部 28 意匠/保護層(意匠/保護塗膜) 32 第一マスク治具 33 第二マスク治具 35、35A、35B 第一表皮本体層 36、36A、36B 第二表皮本体層 38 継ぎ目 40 溝部 42 凸状押圧治具 44 流体噴射器 46 シート状補強材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 41/22 B29C 41/22 B29L 31:58 B29L 31:58 (72)発明者 須山 博史 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 山田 達夫 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 古田 剣一 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 中島 明 岐阜県可児郡御嵩町御嵩2192−30 東海化 成工業株式会社内 (72)発明者 片山 良一 岐阜県可児郡御嵩町御嵩2192−30 東海化 成工業株式会社内 Fターム(参考) 3D044 BA11 BB01 BC03 BC13 3D054 AA14 BB09 BB23 FF02 FF17 FF18 4F205 AD11 AF10 AG21 AH25 AH26 GA05 GB01 GB13 GB19 GB27 GC04 GF03 GF25 GF46 GN11

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグカバー部を有し、垂直断面が
    基材層及び表皮層を含む自動車内装品における表皮層を
    スプレー成形により成形する方法であって、、前記エア
    バッグカバー部のテアラインが前記基材層に形成される
    第一脆弱線部と前記表皮層に形成される第二脆弱線部と
    で構成され、 前記スプレー成形に際して、複数段のスプレー工程によ
    り継ぎ目を発生させて前記第二脆弱線部を形成すること
    を特徴とする自動車内装品表皮層の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記スプレー工程をマスキング治具を用
    いて行なうことを特徴とする請求項1記載の自動車内装
    品表皮層の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記第二脆弱線部に沿って溝部を形成す
    ることを特徴とする請求項2記載の自動車内装品表皮層
    の成形方法。
  4. 【請求項4】 前記スプレー成形に絵付け成形法(in-m
    old decorating)を適用することを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の自動車内装品表皮層の成形方法。
  5. 【請求項5】 前記継ぎ目を発生させる複数段のスプレ
    ー工程の間で、継ぎ目形成端面に離型剤を塗布する工程
    を経ることを特徴とする請求項1 記載の自動車内装品表
    皮層の成形方法。
  6. 【請求項6】 エアバッグカバー部を有し、垂直断面が
    基材層及び表皮層を含む自動車内装品における表皮層を
    スプレー成形により成形する方法であって、、前記エア
    バッグカバー部のテアラインが前記基材層に形成される
    第一脆弱線部と前記表皮層に形成される第二脆弱線部と
    で構成され、 前記スプレー成形に際して、前記表皮層の未硬化時に溝
    部を附形して前記第二脆弱線部を形成することを特徴と
    する自動車内装品表皮層の成形方法。
  7. 【請求項7】 前記溝部の附形を凸条押圧治具を使用し
    て行なうことを特徴とする請求項6記載の自動車内装品
    表皮層の成形方法。
  8. 【請求項8】 前記溝部の附形を、前記表皮層の硬化を
    促進させる流体を局部噴射して行なうことを特徴とする
    請求項7記載の自動車内装品表皮層の成形方法。
  9. 【請求項9】 前記スプレー成形に絵付け成形法を適用
    することを特徴とする請求項6、7又は8記載の自動車
    内装品表皮層の成形方法。
  10. 【請求項10】 エアバッグカバー部を有し、垂直断面
    が基材層及び表皮層を含む自動車内装品における表皮層
    をスプレー成形により成形する方法であって、、前記エ
    アバッグカバー部のテアラインが前記基材層に形成され
    る第一脆弱線部と前記表皮層に形成される第二脆弱線部
    とで構成され、 前記スプレー成形に際して、脆弱処理部を備えたシート
    状補強材を埋設させて成形を行なって、前記第二脆弱線
    部を形成することを特徴とする自動車内装品表皮層の成
    形方法。
  11. 【請求項11】 エアバッグカバー部を備え、該エアバ
    ッグカバー部の表皮層が内装品本体部の表皮層も含めて
    スプレー成形により一体成形されている自動車内装品に
    おいて、 前記エアバッグカバー部の表皮層がテアライン(破断予
    定部)に対応した継ぎ目を備えていることを特徴とする
    自動車内装品。
  12. 【請求項12】 前記自動車内装品が表皮層、基材(芯
    材)層、及び該基材層と前記表皮層との間に配される発
    泡層とを備えたものであることを特徴とする請求項11
    記載の自動車内装品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008284653A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Nakata Coating Co Ltd エアバッグ破断溝形成装置及び内装部材の製造方法
JP2009248610A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Kanto Auto Works Ltd エアバッグドア支持構造

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