JP2002264033A - 電動工具 - Google Patents

電動工具

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JP2002264033A
JP2002264033A JP2001058808A JP2001058808A JP2002264033A JP 2002264033 A JP2002264033 A JP 2002264033A JP 2001058808 A JP2001058808 A JP 2001058808A JP 2001058808 A JP2001058808 A JP 2001058808A JP 2002264033 A JP2002264033 A JP 2002264033A
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carrier
internal gear
torque
planetary gear
steel ball
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JP2001058808A
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Katsuyasu Ito
勝康 伊藤
Manabu Sugimoto
学 杉本
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Makita Corp
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Makita Corp
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ねじ締めを行うスクリュウドライバにおい
て、減速装置として遊星歯車装置を用い、ねじ締めが設
定トルクに達した時点で動力を遮断し、また電動モータ
への電源供給を遮断するクラッチ機構を備えた電動工具
において、設定トルク到達後クラッチが空転してねじ締
めトルクがばらつく問題があった。本発明では安定した
トルクでねじを締め付けることができるスクリュウドラ
イバを提供する。 【解決手段】 遊星歯車装置30のインターナルギヤ3
4を出力側に用いるインターナルギア出力方式を採用
し、設定トルク時にキャリア33を空転させる構成とす
る。キャリア33の空転速度は低いのでキャリア出力方
式のインターナルギヤよりも少ない空転角度で停止させ
ることができ、これにより締め過ぎをなくすことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば電気ドリ
ルや電動ねじ締め機(スクリュウドライバ)等の電動工
具であって、電動モータの出力を遊星歯車装置により減
速して出力軸に伝達する電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば上記スクリュウドライバは、電動
モータを駆動源とし、その出力を遊星歯車装置を介して
減速して出力軸に伝達し、該出力軸の先端に装着したド
ライバビットの回転によりねじ締めを行う構成となって
いる。また、この種の電動工具は、出力軸に付加される
外部トルク(ねじ締めトルク)を検知して設定トルクに
達した時点(ねじ締め完了時点)で動力を遮断するため
のクラッチ機構を内蔵している。さらに、このクラッチ
機構の作動を検知して電動モータへの電源の供給を遮断
する構成を備えたものも提供されている。
【0003】このような遊星歯車装置およびクラッチ機
構を内蔵した電動工具において、従来、クラッチ機構
は、遊星歯車装置のキャリアに出力軸を固定し、インタ
ーナルギヤ(内歯歯車)をねじ締め途中では固定させ、
出力軸に付加される外部トルクが設定トルクに達した時
点で、このインターナルギヤを回転(空転)させること
により動力を遮断する構成となっていた。すなわち、従
来のクラッチ機構は、インターナルギヤに対してばね付
勢した鋼球を押し付けるとともに、該インターナルギヤ
に設けた係合突部に該鋼球を係合させてインターナルギ
ヤの空転を阻止する一方、キャリア側が停止することに
よりインターナルギヤに付加される回転力が鋼球のばね
付勢力に勝ると、インターナルギヤは鋼球をばね付勢力
に抗して押し下げつつ回転し、これにより動力を遮断す
る構成となっていた。このことから、クラッチ機構の設
定トルク(ねじ締めトルク)は、鋼球のばね付勢力を変
化させて、鋼球の係合突部に対する乗り越え易さを変化
させることにより予め任意に設定できるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、
遊星歯車装置のキャリア側を出力側に用いる構成となっ
ていたためインターナルギヤの回転数(空転角度)が比
較的大きく、そのため電動モータへの電源供給が遮断さ
れた後においても、該電動モータの惰性により回転する
角度が大きく、場合によってはインターナルギヤが空転
する間に一旦係合突部から外れた鋼球が別の係合突部に
再び係合してしまう現象が発生していた。この場合に
は、鋼球が係合突部に係合した段階でインターナルギヤ
の空転が再びロックされ、これにより瞬間的にキャリア
を経て出力軸に再びねじ締め力が付加され、その結果ね
じの締め付けトルクにバラツキを生ずる問題があった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたもので、設定
トルク到達後の応答性に優れたクラッチ機構を備えた電
動工具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、前
記各請求項に記載した構成の電動工具とした。請求項1
記載の電動工具によれば、出力軸に設定トルク(ねじ締
め抵抗等)が付加されると(設定トルク到達時)、キャ
リアが空転してインターナルギヤの回転動作が停止し、
これにより出力軸への動力が遮断される。ここで、上記
のように設定トルク到達時にキャリアを空転させて動力
を遮断する構成(インターナルギヤ出力)の場合と、従
来のようにインターナルギヤを空転させて動力を遮断す
る構成(キャリア出力)を比較すると、出力軸の回転数
(従来構成におけるキャリアの回転数と、請求項1記載
の構成におけるインターナルギヤの回転数)が同じであ
れば、遊星歯車装置の特性よりキャリアの回転数の方が
インターナルギヤの回転数よりも小さいから、クラッチ
作動時におけるキャリアの空転角度はインターナルギヤ
の空転角度よりも小さい。このことから、請求項1記載
の構成(インターナル出力)によれば、動力遮断後、鋼
球がキャリアに設けた係合突部に再び係合する頻度を低
下させることができ、これによりクラッチ機構の応答性
を高めることができる。クラッチ機構の応答性が高まれ
ば、例えばスクリュウドライバにおいて、締め付けトル
クのバラツキを少なくして、安定した締め付けトルクで
ねじ締めを行うことができるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図1〜
図6に基づいて説明する。本実施形態では、電動工具の
一例としてスクリュウドライバ1を例示する。図1は、
このスクリュウドライバ1を示している。このスクリュ
ウドライバ1は、本体ハウジング2の後部に駆動源とし
ての電動モータ3を内蔵している。この電動モータ3
は、ハンドル部の基部に配置したトリガ形式のスイッチ
9を引き操作することにより起動させることができる。
この電動モータ3の出力は、3列の遊星歯車装置10,
20,30を経て減速され、出力軸4に伝達される。第
1段遊星歯車装置10のサンギヤ11が電動モータ3の
出力軸に取り付けられている。サンギヤ11は、4個の
遊星歯車12〜12に噛み合わされている。この遊星歯
車12〜12は、それぞれキャリア13に回転可能に支
持されて、インターナルギヤ14に噛み合わされてい
る。インターナルギヤ14は、本体ハウジング2に固定
した保持スリーブ8の内周側に固定されている。
【0007】第1段遊星歯車装置10のキャリア13の
中心には第2段遊星歯車装置20のサンギヤ21が一体
に設けられている。このサンギヤ21は、4個の遊星歯
車22〜22に噛み合わされている。この4個の遊星歯
車22〜22は、それぞれキャリア23に回転可能に支
持されて、インターナルギヤ24に噛み合わされてい
る。このインターナルギヤ24も上記保持スリーブ8の
内周側に固定されている。本例の場合、第1段遊星歯車
装置10のインターナルギヤ14と第2段遊星歯車装置
20のインターナルギヤ24は一体に形成されており、
一体として保持スリーブ8の内周側に固定されている。
第2段遊星歯車装置20のキャリア23の中心には、第
3段遊星歯車装置30のサンギヤ31が一体に形成され
ている。このサンギヤ31は、4個の遊星歯車32〜3
2に噛み合わされている。この4個の遊星歯車32〜3
2は、キャリア33にそれぞれ回転可能に支持されてい
る。このキャリア33は、本体ハウジング2の前部に配
置したギヤケース5の内周側に回転可能に支持されてい
る。このキャリア33と前記保持スリーブ8の端部との
間には、受けプレート6と3個の鋼球7〜7が挟み込ま
れており、これにより当該キャリア33が回転可能に支
持されている。ギヤケース5は、本体ハウジング2に対
して固定されている。
【0008】第3段遊星歯車装置30の遊星歯車32〜
32は、インターナルギヤ34に噛み合わされている。
インターナルギヤ34は、軸受け35を介してギヤケー
ス5の内周側に回転可能に支持されている。このインタ
ーナルギヤ34の前面に出力軸4が同軸に取り付けられ
ている。この出力軸4も、上記軸受け35および軸受け
36を介してギヤケース5に回転可能に支持されてい
る。この出力軸4は、本体ハウジング2の前面から突き
出されており、この突き出し部分にはドライバビット
(図示省略)を装着するためのビット取り付け装置37
が設けられている。このビット取り付け装置37につい
ては、従来構成に比して特に変更を要しないので説明を
省略する。以上のように構成した第1段〜第3段遊星歯
車装置10,20,30を経て電動モータ3の出力が減
速されて出力軸4に伝達される。第3段遊星歯車装置3
0には、出力軸4に一定の外部トルクが付加された時点
で動力を遮断するクラッチ機構40が付設されている。
このクラッチ機構40は、第3段遊星歯車装置30のキ
ャリア33に対向して配置されたクラッチリング41
と、該クラッチリング41とキャリア33との間に挟み
込まれた3個の鋼球42〜42と、作動プレート43と
軸方向に移動可能に設けた調整リング44と、該調整リ
ング44と作動プレート43との間に介装した圧縮ばね
45を備えている。
【0009】図2に示すようにキャリア33の前面周縁
には、係合突部33a〜33aが周方向三等分の位置に
設けられている。図3に示すように各係合突部33a
は、クラッチリング41側に突き出す状態に形成されて
いる。一方、図4に示すようにクラッチリング41の後
面には、上記3個の鋼球42〜42を収容する凹部41
a〜41aが周方向3等分の位置に形成されている。各
凹部41a内に1個の鋼球42が転動可能に収容されて
いる。図5に示すように各凹部41aの片側には傾斜面
が形成されている。この傾斜面上を転動することによ
り、鋼球42が当該凹部41aからはみ出る方向に変位
できるようになっている。鋼球42が各凹部41aから
はみ出る方向に変位することにより、クラッチリング4
1がキャリア33から遠ざかる方向に平行移動する。こ
の様子が図6に示されているが、これについては後述す
る。
【0010】クラッチリング41の前面には、作動脚部
41b〜41bが周方向三等分の位置に前方(図1にお
い左方)へ突き出すように設けられている。各作動脚部
41bはギヤケース5の挿通孔を経て該ギヤケース5か
ら前方へ突き出されている。これによりクラッチリング
41は、ギヤケース5に対して機長方向(図1において
左右方向)に平行移動可能かつ軸回りには回転不能に支
持されている。ギヤケース5から突き出された各作動脚
部41bは、ギヤケース5のボス部5aに機長方向に平
行移動可能に設けた作動プレート43に突き当てられて
いる。作動プレート43の平行移動は圧縮ばね45に抗
してなされる。作動プレート43には、作動アーム43
aが一体に設けられている。作動アーム43の前面側
(図1において左側)には小型のスイッチ46が配置さ
れている。作動プレート43が図1において左方へ平行
移動することにより作動アーム43aが同方向に移動す
ると、このスイッチ46のボタン46aが押されて当該
スイッチ46がオフになる。このスイッチ46は、電動
モータ3に電源を供給するための電源回路に組み込まれ
ている。従って、このスイッチ46がオフすると、電源
回路が遮断されて電動モータ3が停止する。
【0011】ギヤケース5の前側にはねじ軸部5bが設
けられている。このねじ軸部5bの内周側に出力軸4が
軸受け35,36を介して回転可能に支持されている。
このねじ軸部5bには、前記調整リング44が噛み合わ
されている。この調整リング44の前面には脚部44a
〜44aが設けられており、各脚部44aは、本体ハウ
ジング2の前面に回転可能に取り付けたフロントカバー
2aに挿通されている。このため、使用者はフロントカ
バー2aを回転させることによりこの調整リング44を
回転させることができる。上記したように調整リング4
4は、ギヤケース5のねじ軸部5bに噛み合わされてい
るので、回転させると機長方向へ平行移動する。調整リ
ング44を機長方向へ移動させることにより、圧縮ばね
45の付勢力を変化させることができ、これによりクラ
ッチ機構40を作動させて動力を遮断するための設定ト
ルクを調整することができる。クラッチ機構40の作動
状態については後述する。
【0012】以上のように構成した本実施形態のスクリ
ュウドライバ1によれば、トリガ形式のスイッチ9を引
き操作して電動モータ3を起動させると、その出力が第
1段遊星歯車装置10および第2段遊星歯車装置20を
経て第3段遊星歯車装置30に伝達される。第3段遊星
歯車装置30のキャリア33は、出力軸4に付加される
外部トルク(ねじ締め抵抗)が設定トルクに達しないね
じ締め初期段階では回転しない。すなわち、キャリア3
3には、圧縮ばね45で付勢されたクラッチリング41
が押し付けられている。クラッチリング41の後面には
3箇所の凹部41a〜41aが設けられており、これら
には鋼球42が1個ずつ嵌り込んでいる。従って、3個
の鋼球42〜42は、圧縮ばね45の付勢力によりキャ
リア33との間に挟み込まれている。一方、キャリア3
3の前面には3箇所の係合突部33a〜33aが形成さ
れている。この各係合突部33aに鋼球42が1個ずつ
係合することによりキャリア33の空転が阻止されてい
る。キャリア33が空転するためには、各係合突部33
aが鋼球42を圧縮ばね45に抗して図1において左方
へ押し下げて乗り越える(鋼球42に対する係合が外れ
る)必要がある。従って、キャリア33に付加される回
転方向の外力が、圧縮ばね45に抗して鋼球42〜42
を押し下げるに足る力であるときに該キャリア33は空
転する。
【0013】上記したようにねじ締め抵抗が小さいねじ
締め初期段階では、キャリア33が空転しないのでイン
ターナルギヤ34が回転し、従って出力軸4が回転して
ねじ締めが続行される。この段階におけるクラッチ機構
40の様子が図6(A)に示されている。この状態で
は、各係合突部33aが鋼球42を乗り越えることがで
きないので、圧縮ばね45の付勢力によりキャリア33
とクラッチリング41との間の間隔が最も小さい状態に
保持されている。このことは、鋼球42が凹部41aの
最も深い部位に位置していることからも明確に理解され
る。出力軸4に付加されるねじ締め抵抗(外部トルク)
は、インターナルギヤ34を経て常時キャリア33に付
加される。従って、ねじ締めの進行によりねじ締め抵抗
が設定トルクに達すると、これがキャリア33を回転さ
せるための力(回転力)として作用し、この回転力によ
りキャリア33は、各鋼球42を図において下側へ押し
下げつつ係合突部33aが該各鋼球42を乗り越えるこ
とにより空転を開始する。遊星歯車機構の特性より、キ
ャリア33が空転するとインターナルギヤ34が停止
し、従って出力軸4が停止してねじ締めが停止する。
【0014】図6(B)〜(E)には、各係合突部33
aが鋼球42を乗り越える様子が示されている。図6
(B)に示すように係合突部33aが鋼球42を乗り越
える際には、鋼球42が凹部41aの傾斜面を上る方向
に移動する。図6(C)、図6(D)に示す状態を経て
図6(E)に示す状態となる。この間、鋼球42〜42
は、凹部41aの傾斜面を転動しながら該凹部41aの
口元付近まで上る。図6(E)に示す状態では、鋼球4
2〜42が凹部41aの口元付近(傾斜面の上端付近)
に至り、係合突部33aの先端が鋼球42に乗り上がる
に至った状態となっている。このため、クラッチリング
41は、キャリア33に対して最も遠ざかった状態すな
わち図1において最も左方(当該スクリュウドライバ1
の前側)に変位した状態となっている。クラッチリング
41が前側に変位すると、作動アーム43aによりスイ
ッチ46のボタン46aが押し込まれ、これにより該ス
イッチ46がオフして、電源回路が遮断され、その結果
電動モータ3への電源供給が停止して、間もなく電動モ
ータが停止する。
【0015】また、各係合突部33aが鋼球42を乗り
越える段階では、図6(D)(E)に示すように鋼球4
2の凹部41aに対する接触点と係合突部33aに対す
る接触点との位置関係より、圧縮ばね45の付勢力が鋼
球42〜42を各凹部41a内に戻すための力として作
用する。このため、各係合突部33aが鋼球42を乗り
越えた段階で、各鋼球42は凹部41aから離脱するこ
となく、その内部に収容される。各鋼球42が凹部41
a内に収容された状態(図6(A)に示す状態)に戻さ
れると、クラッチリング41が圧縮ばね45により再び
キャリア33に最も接近した状態となる。キャリア33
の各係合突部33aが、図6(E)に示す状態を経て鋼
球42を乗り越えると、該キャリア33は約120゜の
範囲で空転を規制されない状態となる。この空転時の様
子が図6(F)に示されている。キャリア33はこの状
態で空転する。しかしながら、上記したようにこの段階
では電動モータ3への電源供給が停止しているため、キ
ャリア33の空転は電動モータ3が電源供給遮断後惰性
により回転し、またキャリア33自身の慣性が作用する
間だけなされる。図6(F)に示すように各係合突部3
3aが鋼球42を乗り越えた後、キャリア33が約12
0゜空転する前(係合突部33aが次の鋼球42に係合
される前)に、空転を停止することによりねじの締め付
けトルクが設定トルクに安定する。これに対して、仮に
キャリア33が約120゜空転して、各係合突部33a
が次の鋼球42に対して係合されると(空転のオーバー
ラン)、瞬間的にキャリア33の回転が停止し、この時
の衝撃によりインターナルギヤ34ひいては出力軸4に
ねじ締め方向の回転力が付加され、その結果ねじが再び
締め付けられて、ねじ締めトルクが設定トルクよりも大
きくなってしまう(ねじ締め付けトルクのバラツキ)。
【0016】本実施形態では、第3段遊星歯車装置30
において、インターナルギヤ34を回転させて動力を出
力するインターナルギヤ出力方式を採用しているので、
出力軸4の回転数を同じ回転数に設定した場合には、従
来のようにキャリアを出力回転として用いるキャリア出
力方式の場合よりもクラッチ作動時におけるキャリア3
3の回転数(空転速度)を従来のインターナルギヤより
も大幅に低くすることができる。ここで、出願人が行っ
た試験によると、従来のキャリア出力方式により、回転
数が14900r.p.mの電動モータを駆動源として出力
軸を毎分300回転させた場合において、クラッチ作動
時のインターナルギヤの回転数は毎分210回転であっ
たのに対して、以上説明したインターナルギヤ出力方式
により、同じく14900r.p.mの電動モータを駆動源
として出力軸を毎分290回転させた場合において、ク
ラッチ作動時のキャリア33の回転数は毎分100回転
であった。この試験によっても、インターナルギヤ出力
方式のクラッチ作動時におけるキャリア33の回転が低
速化され、その結果空転のオーバーランがほとんど発生
しないことが実証されている。
【0017】以上説明したように、本実施形態のスクリ
ュウドライバ1によれば、キャリア33の空転速度が大
幅に低速化されるので、クラッチ作動時(各係合突部3
3aが鋼球42を乗り越えてキャリア33が空転する
時)における該キャリア33の慣性を弱くすることがで
き、これにより該キャリア33の空転角度を小さくする
ことができる。キャリア33の空転角度を従来のキャリ
ア出力方式におけるインターナルギヤよりも小さくする
ことができるので、空転後係合突部33aが次の鋼球4
2に係合される頻度を大幅に低下させることができ、こ
れにより予め設定した締め付けトルク(設定トルク)に
より安定したねじ締め作業を行うことができる。
【0018】以上説明した実施形態には種々変更を加え
ることができる。例えば、減速装置として第1段〜第3
段遊星歯車装置10,20,30を用いる構成を例示し
たが、第3段遊星歯車装置30のみを減速装置として用
いる場合にも、同様に適用することができる。また、電
動工具の一例としてスクリュウドライバ1を例示した
が、例えば、充電式ドライバドリル等の電動工具にも広
く適用することができる。また、例示した実施形態で
は、クラッチ機構40をいわば設定トルク検知機構とし
て用いる構成を例示したが、同様のクラッチ機構をトル
クリミッタとしての機能に注目することにより上記した
電動ドリル等の他、丸鋸盤、レシプロソー等の往復動切
断工具にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図であり、スクリュウ
ドライバの側面図である。本図では、本体ハウジングが
一部破断されて内部構造が示されている。
【図2】図1の(2)−(2)線矢視図であり、キャリ
アの前面図である。
【図3】図2の(3)−(3)線断面矢視図であり、係
合突部の縦断面図である。
【図4】図1の(4)−(4)線矢視図であり、クラッ
チリングの後面図である。
【図5】図4の(5)−(5)線断面矢視図であり、凹
部の縦断面図である。
【図6】係合突部の鋼球に対する係合状態を示すキャリ
アおよびクラッチリングの一部縦断面図である。本図に
おいて、キャリアは図中矢印で示すように係合突起を下
側へ変位させる方向に空転する。図6(A)は係合突部
が鋼球に対して完全に係合した状態を示し、図6(B)
は鋼球が転動を開始して、係合突部が該鋼球を乗り越え
始めた状態を示し、図6(C)は係合突部の鋼球に対す
る乗り越え動作が図6(B)に示す状態よりもさらに進
んだ状態を示している。また、図6(D)は係合突部の
鋼球に対する乗り越え動作が図6(C)に示す状態より
もさらに進んだ状態を示し、図6(E)は係合突部の鋼
球に対する乗り越え動作が最も進んだ状態を示してい
る。キャリアとクラッチリングとの間隔は、図6(E)
に示す段階が最も大きくなる。さらに、図6(F)は、
係合突部が鋼球を乗り越えてキャリアが空転している段
階を示している。
【符号の説明】
1…スクリュウドライバ(電動工具) 3…電動モータ 5…ギヤケース、5b…ねじ軸部 10…第1段遊星歯車装置 20…第2段遊星歯車装置 30…第3段遊星歯車装置 33…キャリア、33a…係合突部 34…インターナルギヤ 40…クラッチ機構 41…クラッチリング、41a…凹部、41b…作動脚
部 42…鋼球 43…作動プレート、43a…作動アーム 44…調整リング 45…圧縮ばね 46…スイッチ、46a…ボタン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 1/28 F16H 1/28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータの出力を遊星歯車装置により
    減速して出力軸に伝達する電動工具であって、 前記遊星歯車装置のキャリアを当該電動工具の本体ハウ
    ジングに空転可能に設ける一方、インターナルギヤに前
    記出力軸を取り付けて前記本体ハウジングに回転可能に
    支持し、前記キャリアに空転を阻止する付勢力を作用さ
    せ、前記出力軸に付加される外部トルクが設定トルクに
    達すると、前記キャリアを前記付勢力に抗して空転させ
    て前記インターナルギヤの回転停止により動力を遮断す
    るとともに、前記電動モータの電源供給を遮断する構成
    とした電動工具。
JP2001058808A 2001-03-02 2001-03-02 電動工具 Pending JP2002264033A (ja)

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