JP2002261614A - 全差動型サンプリング回路及びデルタシグマ型変調器 - Google Patents

全差動型サンプリング回路及びデルタシグマ型変調器

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JP2002261614A
JP2002261614A JP2001052497A JP2001052497A JP2002261614A JP 2002261614 A JP2002261614 A JP 2002261614A JP 2001052497 A JP2001052497 A JP 2001052497A JP 2001052497 A JP2001052497 A JP 2001052497A JP 2002261614 A JP2002261614 A JP 2002261614A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板上に構成されるキャパシタの容量
値の電圧依存性に起因するサンプリング誤差を低減して
2次高調波成分の発生を抑制できるようにした全差動型
サンプリング回路の提供。 【解決手段】 この発明は、第1サンプリングキャパシ
タ27および第2サンプリングキャパシタ28と、第1
サンプリングキャパシタ27の充放電を行う4つのスイ
ッチ31、32、33’、34と、第2サンプリングキ
ャパシタ28の充放電を行う4つのスイッチ41、4
2、43’、44と、第1積分キャパシタ25および第
2積分キャパシタ26を含む全差動オペアンプ20とを
備え、第2サンプリングキャパシタ28の上層電極28
bと下層電極28aの接続の方向(状態)が、第1のサ
ンプリングキャパシタ27の場合とは逆方向になるよう
にしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シングルエンド入
力信号を追加の反転アンプ無しで全差動サンプル/ホー
ルドして全差動サンプリング信号に変換すると同時に、
半導体集積回路上で構成されるキャパシタの容量値の電
圧依存性の一次項を相補的にキャンセルして入力信号サ
ンプリング時に発生するサンプリング誤差を低減するこ
と、即ちそのキャパシタ容量値の電圧依存性の一次項に
よって通常発生していた2次高調波歪みを軽減すること
を特徴とした、シングルエンド入力用の全差動サンプリ
ング回路、およびこれを利用したオーバーサンプリング
デルタシグマ型A/Dコンバータ等に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路にてアナログ信号
を扱う場合には、連続時間系のアナログ信号をそのまま
オペアンプと抵抗とキャパシタで扱う場合と、アナログ
信号を所定のサンプリングレートにてサンプリングして
サンプリング時間系で処理する場合とがある。
【0003】後者の場合には、入力差動対がMOSトラ
ンジスタで構成されている為に入力リーク電流が存在し
ないMOSオペアンプが開発されてから、そのオペアン
プとMOSスイッチ及びキャパシタで構成されるいわゆ
るスイッチトキャパシタ回路が登場し、最近までのアナ
ログ信号処理の中心技術になっている。このスイッチト
キャパシタ回路技術は、単なるスイッチトキャパシタフ
ィルタだけでなく、多段のインテグレータ(積分器)と
少数ビットのA/D変換器を組み合わせ、そのA/D変
換の結果を初段へフィードバックする、いわゆるデルタ
シグマ変調器に適用可能であり、最近のオーディオ帯域
で主流となっているオーバーサンプリング・デルタシグ
マ型A/Dコンバータにも使用されている。
【0004】このようなスイッチトキャパシタ回路は、
当初は信号パスが1系統のみである、いわゆるシングル
エンド型で登場してきた。しかし、近年のファインプロ
セス化の進展による高速デジタル回路との1チップ化と
そのノイズ対策の要請に対して、信号パスを正側と負側
の2系統に分けてこれらの差を信号レベルとすることに
より、高速デジタルノイズを同相ノイズとしてキャンセ
ルさせることが可能な、いわゆる全差動型スイッチトキ
ャパシタ回路が主流になってきた。
【0005】一方、通常の自然界のアナログ信号は、あ
る入力基準電位を中心としたシングルエンド信号のた
め、上記全差動スイッチトキャパシタ回路に取り込む為
には、その入力信号を全差動信号化せねばならない。即
ち、入力シングルエンド信号を正信号とした場合、これ
を反転した負信号を作らねばならない。この為の最も一
般的な手法は、連続時間系のまま反転アンプで反転され
た負信号を作り、正及び負の両信号を全差動スイッチト
キャパシタ回路に供給することであり、図6に示すよう
に、シングルエンド入力信号を正信号として後段の全差
動スイッチトキャパシタ回路2の正信号入力端子3に供
給すると同時に、シングルエンドオペアンプ4と入力抵
抗5とフィードバック抵抗6にて構成される反転アンプ
7にて反転信号を作り、これを全差動スイッチトキャパ
シタ回路2の負信号入力端子9へ供給するものである。
【0006】全差動スイッチトキャパシタ回路2では、
スイッチトキャパシタ動作クロック(CK)に基づき、
いわゆるサンプル/ホールド動作を実施して正信号入力
と負信号入力との差である全差動入力信号をサンプリン
グし、その回路の所定のスイッチトキャパシタ動作を実
施して正信号出力端子11と負信号出力端子12とから
正・負の両出力信号をそれぞれ出力し、これら両出力信
号の差が全差動出力信号となる。
【0007】全差動スイッチトキャパシタ回路の具体例
としては、以下の説明をサンプル/ホールド機能とその
高精度化に焦点を絞ることを目的とするので、スイッチ
トキャパシタ回路の基本要件である、サンプル/ホール
ド機能を有する全差動スイッチトキャパシタ型インテグ
レータ(積分器)を実例として、図7に示す。また、半
導体基板上で構成されるキャパシタ15は、図8(A)
に示す如く、通常はリン等のN型不純物を含んだ2層の
ポリシリコン電極板16、17と、この電極板16、1
7間に配置される酸化膜等の誘電体膜18とにより、シ
リコン基板のような半導体基板19上に構成される。こ
こで、回路図に示す記号としては、下層である第1ポリ
シリコン側と上層である第2ポリシリコン側を区別して
表現する為に、前者を曲線,後者を直線で示したキャパ
シタ記号を採用するものとする(図8(B)参照)。
【0008】図7に示す全差動スイッチトキャパシタ型
インテグレータは、負及び正の入力端子21,22と正
及び負の出力端子23,24を有する全差動オペアンプ
20と、この全差動オペアンプ20の負入力端子と正出
力端子間に配置される容量値Ci なる第1積分キャパシ
タ25と、正入力端子と負出力端子間に配置される容量
値Ciなる第2積分キャパシタ26と、正信号のサンプ
ル/ホールド機能を実施する為に入力端子3と全差動オ
ペアンプ20の負入力端子(いわゆる正側サミングノー
ド)21との間に配置される容量値Cs なる第1サンプ
リングキャパシタ27と、4個のスイッチ31〜34
と、負信号のサンプル/ホールド機能を実施する為に入
力端子9と全差動オペアンプの正入力端子(いわゆる負
側サミングノード)22との間に配置される容量値Cs
なる第2のサンプリングキャパシタ28と、4個のスイ
ッチ41〜44とで構成される。
【0009】次に、このような構成の積分器の動作につ
いて説明する。動作クロックCKが正相(φ=H,φB
=L)の場合には、スイッチ31、32、41、42が
ONに、スイッチ33、34、43、44がOFFにな
る。このため、第1サンプリングキャパシタ27の下層
電極がスイッチ31を介して入力端子3に、その上層電
極がスイッチ32を介して動作コモン電位(アナロググ
ランド)にそれぞれ接続される。また、第2サンプリン
グキャパシタ28の下層電極がスイッチ41を介して入
力端子9に、その上層電極がスイッチ42を介して動作
コモン電位にそれぞれ接続される。
【0010】この結果、入力端子3からの正信号と入力
端子9からの負信号が第1及び第2サンプリングキャパ
シタ27、28にサンプリングされ、入力端子3の電位
をVIN+ 、入力端子9の電位をVIN- とすると、第
1及び第2サンプリングキャパシタ27、28の下層電
極27a、28aには、次式のような電荷Q1、Q2が
それぞれ蓄積される。
【0011】Q1=(VIN+ )・Cs Q2=(VIN- )・Cs また、サンプリングキャパシタ27、28の上層電極2
7b、28bには、次式のような電荷Q1’、Q2’が
それぞれ蓄積される。 Q1’=−Q1=−(VIN+ )・Cs Q2’=−Q2=−(VIN- )・Cs 一方、動作クロックCKが逆相(φ=L,φB=H)の
場合には、スイッチ31、32、41、42がOFF
に、スイッチ33、34、43、44がONになる。こ
のため、第1サンプリングキャパシタ27の下層電極が
スイッチ33を介して動作コモン電位に、その上層電極
がスイッチ34を介して入力端子21に接続される。ま
た、第2サンプリングキャパシタ28の下層電極がスイ
ッチ43を介して動作コモン電位に、その上層電極がス
イッチ44を介して入力端子22に接続される。
【0012】この結果、各サンプリングキャパシタ2
7、28に蓄積されていた電荷Q1’及びQ2’が開放
されて第1及び第2積分キャパシタ25、26の上層電
極に移動する。従って、第1及び第2積分キャパシタ2
5、26の出力端子側の下層電極には、次のような電荷
−Q1’、−Q2’が集められる。
【0013】−Q1’=(VIN+ )・Cs −Q2’=(VIN- )・Cs このため、全差動オペアンプにおける正側出力端子11
の電位VOUT+ と、負側出力端子12の電位VOUT
- とは、以下のようになる。 VOUT+ =−Q1’/Ci =(VIN+ )・Cs /C
i VOUT- =−Q2’/Ci =(VIN- )・Cs /C
i この結果、その全差動出力VOUTdiffは、次のように
なる。
【0014】VOUTdiff=(VOUT+ )−(VOU
- )=〔(VIN+ )−(VIN - )〕・Cs /Ci 即ち、全差動出力VOUTdiffは、全差動入力信号(V
IN+ )−(VIN-)をサンプリングし、Cs /Ci
なる積分ゲインで積分した出力となる。また、反転信号
VIN- が入力信号VIN+ を反転したもの、即ち、V
IN- =−VIN+ =−VINであるので、全差動出力
VOUTdiffは、次のようになる。
【0015】VOUTdiff=2・VIN・(Cs /Ci
) 従って、全差動出力VOUTdiffは、シングルエンド入
力信号VINを動作クロックCKの1サイクル毎にサン
プリングして2・(Cs /Ci )なる積分ゲインにて積
分した出力となる。以上が、一般的な連続時間系で全差
動信号を生成して全差動スイッチトキャパシタ回路に供
給する場合の通常動作説明であるが、ここで注意される
べきことは、追加される反転アンプには十分に高性能の
ものを採用しなければならないことである。
【0016】即ち、後段の全差動回路の入力端子に接続
されるサンプリングスイッチのON/OFF動作に起因
したフィードスルーノイズを十分に吸収できるだけの駆
動力を有することと、フリッカーノイズや熱雑音が十分
に低いことが要求される。その理由は、ここで発生され
たノイズは正信号側とは無相関である為、全差動回路で
もキャンセルできず、そのまま本来の信号に付加されて
S/N比(信号対ノイズ比)を劣化させる要因となるか
らであり、当然の帰結として面積が大きく消費電流も大
きなオペアンプが使用されてきた。
【0017】また、2個の抵抗は熱雑音の原因となるた
め、可能な限り小さくしたいが、小さな抵抗を駆動する
にはそのオペアンプの駆動能力をさらに向上させる必要
があり、さらなる消費電流増加要因となる。さらに、両
抵抗比が正確に実現できない場合には、反転信号のゲイ
ン誤差を発生してしまう為、レイアウトや製造工程には
十分な注意が必要である等の難しさも含んでおり、その
反転アンプそのものを削除する手法がコスト・消費電流
削減とアナログ性能向上の観点から待ち望まれていた。
【0018】このような観点から、連続時間系での反転
信号を生成せず余分な反転アンプを不要とする手法、即
ち、シングルエンド入力信号に対応したいわゆるディフ
ァレンシャル・サンプリング手法が考案されてきたの
で、図9に示す積分器を具体例としてその構成と動作内
容を以下に説明する。図9に示す積分器では、動作クロ
ックCKが逆相(φ=L,φB= H)の場合には、第
1サンプリングキャパシタ27の下層電極27aを放電
する為のスイッチ33’が入力端子9へ接続され、第2
サンプリングキャパシタ28の下層電極28aを放電す
る為のスイッチ 43’が入力端子3へ接続されてお
り、入力端子3からはシングルエンド入力信号がそのま
ま正信号として供給され、入力端子9はその入力信号の
動作基準電位であるアナロググランドに接続されるもの
であり、その他の構成は図7に示した通常の全差動回路
と同一である。
【0019】次に、その動作について説明する。動作ク
ロックCKが正相(φ=H,φB=L)の場合には、ス
イッチ31、32、41、42がONに、スイッチ3
3’、34、43’、44がOFFになる。このため、
第1サンプリングキャパシタ27の下層電極27aが入
力端子3に、その上層電極27aが動作コモン電位に接
続される。また、第2サンプリングキャパシタ28の下
層電極28aが入力端子9に、その上層電極28bが動
作コモン電位に接続される。
【0020】この結果、入力端子3には正信号電位VI
+ が入力され、入力端子9はアナロググランドに接続
されるので、第1及び第2サンプリングキャパシタ2
7、28の下層電極27a、28aには、次のような電
荷Q1、Q2がそれぞれ蓄積される 。Q1=(VIN
+ )・Cs Q2=0 また、サンプリングキャパシタ27、28の上層電極2
7b、28bには、次のような電荷Q1’、Q2’がそ
れぞれ蓄積される。
【0021】Q1’=−(VIN+ )・Cs Q2’=0 即ち、第1サンプリングキャパシタ27は入力信号をサ
ンプリングし、第2サンプリングキャパシタ28は放電
状態となる。一方、動作クロックCKが逆相(φ=L,
φB=H)の場合には、スイッチ31、32、41、4
2がOFFに、スイッチ33’、34、43’、44が
ONになる。このため、第1サンプリングキャパシタ2
7の下層電極27aがスイッチ33’を介してアナログ
グランドに、その上層電極27bが入力端子21に接続
される。また、第2サンプリングキャパシタ28の下層
電極28aがスイッチ43’を介して入力端子3に、上
層電極28bが入力端子22に接続される。
【0022】従って、第1サンプリングキャパシタ27
に蓄積されていた電荷Q1’は開放されて第1積分キャ
パシタ25に移動し、第1積分キャパシタ25の出力端
子側電極には、−Q1’=(VIN+ )・Cs なる電荷
が集められ、正側出力端子11の電位VOUT+ は、次
のようになる。 VOUT+ =−Q1’/Ci=(VIN+ )・(Cs /
Ci ) 一方、動作クロックが正相にて放電されていた第2サン
プリングキャパシタ28では、下層端子28aが入力端
子3に接続されて電位VIN+ になるので、その上層端
子28bにはQ2’=−(VIN+ )・Cs なる電荷が
第2積分キャパシタ26から供給される。その結果とし
て、第2積分キャパシタ26の入力端子22側の電極に
は−Q2’が集まり、出力端子側の電極にはQ2’=−
(VIN + )・Cs なる電荷が集められ、負側出力端子
12の電位VOUT- は、次のようになる。
【0023】VOUT- =Q2’/Ci =−(VI
+ )・(Cs /Ci ) その結果、全差動出力VOUTdiffは、次のようにな
る。 VOUTdiff=(VOUT+ )−(VOUT- )=2・
(VIN+ )・(Cs/Ci ) 上式からわかるように、図6、図7を用いて説明した連
続時間系で反転信号を生成する通常の全差動回路の場合
と同じ結果を、余分な反転アンプ無しで実現可能であ
る。
【0024】以上のように、図9で示したシングルエン
ド入力対応のディファレンシャルサンプリング手法は、
反転信号生成用の反転アンプを必要とせず、コスト,消
費電流、ノイズ等の観点からも優れた手法であるが、最
近の半導体プロセスの微細化と共に、別の問題点が顕在
化してくるようになってきた。即ち、周波数ωなる入力
信号に対して、周波数2ωなる2次高調波歪みが顕著に
観測されるようになってきており、以下に説明するキャ
パシタの電圧依存性が大きくなるにつれて悪影響がでる
ことが観測されてきた。以下では、その原因を簡単に説
明する。
【0025】半導体基板上に形成されるキャパシタの代
表例は、図8を用いて先に示したように、電極となる上
下2層のポリシリコン膜とそれらの間の酸化膜等の層間
膜で形成されるが、プロセスの微細化と共に、当然の要
求として単位面積あたりの容量値が大きなキャパシタ構
造が開発されるようになってきた。単位面積あたり容量
値を増大する為には、上下2層のポリシリコン膜同士を
近づけること、即ち層間膜である酸化膜の膜厚を薄くし
ていくことになる。
【0026】一方、ポリシリコン等は完全な金属ではな
く、N型もしくはP型の不純物を含有することで導体と
なったものであり、これら上下のポリシリコン電極に電
圧を加えた場合には、その電圧の向きに応じた空乏層が
上層ポリシリコン電極の底面と層間膜である酸化膜との
界面、もしくは下層ポリシリコン電極の上面と層間膜で
ある酸化膜との界面にて発達することとなり、電気的に
見た層間膜厚が印加電圧に応じて変動することになる。
【0027】空乏層そのものの厚さは通常十分に薄いも
のである為、旧式のプロセスのように層間膜厚が大きい
場合には影響度も小さかったが、近年の微細化プロセス
のように層間膜が数百Åへと薄くなるにつれてその影響
は顕著になってきている。この影響は、キャパシタに電
圧を印加した場合の容量値変化、即ちキャパシタ容量値
の電圧依存性として表現される。
【0028】具体例として、下層である第1ポリシリコ
ン電極を基準電位とした時に、上層である第2ポリシリ
コン電極の電位を変化させた場合を図10に示す。横軸
は、第2ポリシリコン電極側に第1ポリシリコン電極を
基準とした時に印加される電位である。縦軸は、電圧印
加されている状態での両電極間の容量値C(Vc)を印
加電圧なし(Vc=0V時)での基準容量値C0 に対す
る比率で表現したものである。
【0029】図10では、具体例の一つとして印加電圧
の上昇に応じて緩やかなカーブを描きながら容量値が減
少する場合を紹介しているが、このようなグラフは製造
プロセスの特性により、上昇カーブになる場合もありう
るが、電圧依存性の一次係数をα、二次係数をβとした
一般式では、 C(Vc)=C(1+αVc+βVc2 +・・・) と表現され、α>0の場合が上昇カーブを示し、α<0
の場合が下降カーブを示すことになる。
【0030】最近の微細化プロセスでは、上記の説明か
らも明らかなように、一次係数αが従来プロセスに比べ
て非常に大きくなり、二次係数βの数十倍〜数百倍程度
となり、支配的要因となっている。従って、以下では、
説明の簡略化を目的に一次項までの近似式を用いて説明
するが、これは実用面から考えても十分妥当な近似であ
る。
【0031】まず、図6及び図7にて説明した反転アン
プを使用した通常の全差動回路では、動作クロックCK
の正相と逆相にて成立する1サイクル動作により、第1
及び第2サンプリングキャパシタ27、28にてサンプ
リングされて各インテグレータキャパシタ25、26へ
転送される電荷量Q1、Q2は、次式となる。 Q1=(VIN+ )・Cs =(VIN+ )・Cs 0 (1
+αVc) Q2=(VIN- )・Cs =(VIN- )・Cs 0 (1
+αVc) ここで、Vcの値は入力側の第1ポリシリコン電極を基
準としているので、電荷量Q1、Q2は、次式のように
なる。
【0032】 Q1=(VIN+ )・Cs 0 (1+α(−VIN+ )) Q2=(VIN- )・Cs 0 (1+α(−VIN- )) ここで、VIN- =−VIN+ であるから、電荷量Q2
は、次式となる。 Q2=−(VIN+ )・Cs 0 (1+α(VIN+ )) 従って、全差動信号として寄与する転送電荷量は、次の
ようになる。
【0033】Q1−Q2=(VIN+ )・Cs 0 (1+
α(−VIN+ )+1+α(VIN + ))=2・(VI
+ )・Cs 0 この結果、電圧依存性の一次係数αは完全に削除される
ことになる。しかしながら、図9にて説明したディファ
レンシャルサンプリング方式では、動作クロックの1サ
イクルにて転送される電荷量は、第1サンプリングキャ
パシタ27では上記と同様、以下のようになる。
【0034】 Q1=(VIN+ )・Cs =(VIN+ )・Cs 0 (1+αVc) =(VIN+ )・Cs 0 (1+α(−VIN+ )) 一方、第2サンプリングキャパシタ28からの転送電荷
量は、以下のようになる。 Q2=−(VIN+ )・Cs =−(VIN+ )・Cs 0 (1+αVc) =−(VIN+ )・Cs 0 (1+α(−VIN+ )) 従って、全差動信号として寄与する転送電荷量は、次の
ようになる。
【0035】Q1−Q2=(VIN+ )・Cs 0 (1−
α(VIN+ )+1−α(VIN+))=(VIN+
・Cs 0 ・(2−2α(VIN+ ))=2・(VI
+ )・Cs 0 −2α(VIN+ 2 ・Cs 0 従って、電圧依存性一次係数αの項が第2項として残
り、これがサンプリング誤差成分となる。入力信号とし
て、周波数ωで振幅がA なる正弦波を考えた場合、VI
+ =Asin (ωt)であり、上記の第2項は、次のよ
うになる。
【0036】 2α(VIN+ 2 ・Cs 0 =2α・A2 ・sin 2 (ωt )・Cs 0 =α・Cs 0 ・A2 (1−cos(2ωt )) 上式はcos(2ωt )を含むので、入力信号の2倍の
周波数成分、すなわち2次高調波歪み成分が生成される
ことになる。この2次高調波歪み成分を、入力信号に対
する本来のサンプリング電荷量で正規化すれば、αA/
2となり、A=1Vにてαが100ppm/V以下であ
れば2次高調波歪みは−86dB程度が得られる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の半導体
集積回路の微細化プロセスでは、αが数百ppm/Vか
ら1000ppm/V程度にまで増加している場合が多
く、仮に1000ppm/Vの場合には、2次高調波歪
みは−66dB程度まで増加することになる。オーディ
オに使用されるA/Dコンバータを始めとする各種のア
ナログICでは、入力信号に対する高調波歪み成分の許
容レベルは−80dB以下が最低限のレベルであること
が近年において通常であり、上記の−66dB程度の高
調波歪みは使用に適さないアナログ特性レベルである。
【0038】そこで、本発明の第1の目的は、上記の点
に鑑み、半導体基板上に構成されるキャパシタの容量値
の電圧依存性に起因するサンプリング誤差を低減して2
次高調波成分の発生を抑制できるようにした全差動型サ
ンプリング回路を提供することにある。本発明の第2の
目的は、上記の全差動サンプリング回路を含むことによ
り、低コスト化と高精度化を実現可能できる、デルタシ
グマ型変調器、A/Dコンバータ、およびスイッチトキ
ャパシタフィルタ回路を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、本発
明の第1の目的を達成するために、請求項1から請求項
4に記載の各発明は、以下のように構成した。請求項1
に記載の発明は、半導体基板上に形成される上下2層の
電極とその電極間の誘電体膜とにより構成される第1お
よび第2のサンプリングキャパシタと、前記第1のサン
プリングキャパシタの充放電を行う第1のスイッチ群
と、前記第2のサンプリングキャパシタの充放電を行う
第2のスイッチ群と、負入力端子と正出力端子との間に
第1の積分キャパシタを接続するとともに、正入力端子
と負出力端子との間に第2の積分キャパシタを接続する
全差動オペアンプとを備え、前記第1のスイッチ群は、
前記第1のサンプリングキャパシタを、第1のタイミン
グでは第1の入力端子と接地との間に接続し、第2のタ
イミングでは第2の入力端子と前記全差動オペアンプの
負入力端子との間に接続するようになっており、前記第
2のスイッチ群は、前記第2のサンプリングキャパシタ
を、前記第1のタイミングでは前記第2の入力端子と接
地との間に接続し、前記第2のタイミングでは前記第1
の入力端子と前記全差動オペアンプの正入力端子との間
に接続するようになっており、さらに、前記第1のサン
プリングキャパシタと前記第2のサンプリングキャパシ
タの接続方向を、互いに逆になるようにしたことを特徴
とするものである。
【0040】請求項2に記載の発明は、半導体基板上に
形成される上下2層の電極とその電極間の誘電体膜とに
より構成される第1および第2のサンプリングキャパシ
タと、前記第1のサンプリングキャパシタの充放電を行
う第1から第4の各スイッチと、前記第2のサンプリン
グキャパシタの充放電を行う第5から第8の各スイッチ
と、負入力端子と正出力端子との間に第1の積分キャパ
シタを接続するとともに、正入力端子と負出力端子との
間に第2の積分キャパシタを接続する全差動オペアンプ
とを備え、前記第1のサンプリングキャパシタの一方の
電極を、前記第1のスイッチを介して第1の入力端子に
接続するとともに前記第3のスイッチを介して第2の入
力端子に接続し、かつ、前記第1のサンプリングキャパ
シタの他方の電極を、前記第2のスイッチを介して接地
するとともに前記第4のスイッチを介して前記全差動オ
ペアンプの一方の入力端子に接続し、さらに、前記第2
のサンプリングキャパシタの一方の電極を、前記第5の
スイッチを介して前記第2の入力端子に接続するととも
に前記第7のスイッチを介して第1の入力端子に接続
し、かつ、前記第2のサンプリングキャパシタの他方の
電極を、前記第6のスイッチを介して接地するとともに
前記第8のスイッチを介して前記全差動オペアンプの他
方の入力端子に接続し、かつ、前記第1のサンプリング
キャパシタと前記第2のサンプリングキャパシタにおけ
る前記各接続は、前記両サンプリングキャパシタの接続
方向が互いに逆方向になるようにしたことを特徴とする
ものである。
【0041】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の全差動型サンプリング回路において、
前記第1および第2の積分キャパシタは、半導体基板上
に形成される上下2層の電極とその電極間の誘電体膜と
により構成され、前記第1の積分キャパシタと第2の積
分キャパシタとは、その同一の電極が前記全差動オペア
ンプの対応する入力端子側にそれぞれ接続されているこ
とを特徴とするものである。
【0042】すなわち、第1の積分キャパシタの上側電
極が差動オペアンプの負入力端子に接続される場合に
は、第2の積分キャパシタの上側電極も差動オペアンプ
の正入力端子に接続され、第1の積分キャパシタの下側
電極が差動オペアンプの負入力端子に接続される場合に
は、第2の積分キャパシタの下側電極も差動オペアンプ
の正入力端子に接続される。
【0043】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれかに記載の全差動型サンプリング回路に
おいて、前記全差動オペアンプは、正負のフィードバッ
クパスを含み、前記正負のフィードバックパスは、半導
体基板上に形成される上下2層の電極とその電極間の誘
電体膜とにより構成される第1の帰還キャパシタと第2
の帰還キャパシタとを少なくとも含み、かつ、前記第1
の帰還キャパシタと前記第2の帰還キャパシタの接続方
向が同一であることを特徴とするものである。
【0044】すなわち、第1の帰還キャパシタの上層電
極側が全差動オペアンプの負入力端子に接続される場合
には、第2の帰還キャパシタの上層電極側も全差動オペ
アンプの正入力端子側に接続され、第1の帰還キャパシ
タの下層電極側が全差動オペアンプの負入力端子に接続
される場合には、第2の帰還キャパシタの下層電極側も
全差動オペアンプの正入力端子側に接続される。
【0045】このように、請求項1〜請求項4に記載の
各発明では、第1および第2のサンプリングキャパシタ
とが、半導体基板上に形成される上下2層の電極とその
電極間の誘電体膜とにより構成するとともに、その接続
方向が互いに逆になるようにした。このため、請求項1
〜請求項4に記載の各発明によれば、半導体基板上に形
成されるキャパシタの容量値の電圧係数に依存して発生
していた従来の2次高調波歪みを排除でき、高性能化を
実現できる。
【0046】また、請求項1〜請求項4に記載の各発明
では、反転アンプが不要であっても、シングルエンド入
力信号から全差動のサンプリングができる構成のため、
反転アンプの省略に伴う製作コストの低減化を実現でき
る。本発明の第2の目的を達成するために、請求項5〜
請求項7に記載の各発明は、以下のように構成した。
【0047】請求項5に記載の発明は、デルタシグマ型
変調器において、前記請求項1乃至請求項4のいずれか
に記載の全差動型サンプリング回路を、前記デルタシグ
マ型変調器におけるサンプルホールド機能及び初段の積
分機能として使用するようにしたことを特徴とするもの
である。請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載
の全差動型デルタシグマ型変調器と、デジタルデシメー
ションフィルタと、により構成するようにしたことを特
徴とするものである。
【0048】請求項7に記載の発明は、スイッチトキャ
パシタフィルタ回路において、前記請求項1乃至請求項
4のいずれかに記載の全差動型サンプリング回路を、初
段の回路として配置したことを特徴とするものである。
このように、請求項5〜請求項7に記載の各発明によれ
ば、本発明にかかる全差動型サンプリング回路を含むよ
うにしたので、低コスト化と高精度化を実現できる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、図面を参照しつつ説明する。本発明の第1実施
形態の構成について、図1を参照して説明する。この第
1実施形態は、シングルエンド入力信号を反転アンプを
使用せずに動作クロックの1サイクル毎に差動的なサン
プリングをして全差動積分していくためのシングルエン
ド入力差動型サンプリング方式の全差動型積分器であ
る。
【0050】この第1実施形態に係る全差動型積分器
は、図1に示すように、第1サンプリングキャパシタ2
7および第2サンプリングキャパシタ28と、第1サン
プリングキャパシタ27の充放電を行う4つのスイッチ
31、32、33’、34と、第2サンプリングキャパ
シタ28の充放電を行う4つのスイッチ41、42、4
3’、44と、第1積分キャパシタ25および第2積分
キャパシタ26を含む全差動オペアンプ20とを備え、
第2サンプリングキャパシタ28の上層電極28bと下
層電極28aの接続の方向(状態)が、第1のサンプリ
ングキャパシタ27の場合とは逆方向になるようにした
ことを特徴とするものである。
【0051】このように、この第1実施形態に係る全差
動型積分器は、図9に示す従来回路と共通部分を有し、
その大きな差異は、第2サンプリングキャパシタ28の
上層電極28bと下層電極28aの接続の方向を、第1
のサンプリングキャパシタ27の場合とは逆方向になる
ようにした点などである。従って、以下の構成の説明で
は、従来回路と同一の構成要素には同一符号を付し、そ
の差異について主に説明する。
【0052】すなわち、図1に示すように、第1サンプ
リングキャパシタ27の下層電極27aは、第1のスイ
ッチであるスイッチ31を介して入力端子3に接続され
るとともに、第3のスイッチであるスイッチ33’を介
して入力端子9に接続されている。また、第1サンプリ
ングキャパシタ27の上層電極27bは、第2のスイッ
チであるスイッチ32を介して接地されるとともに、第
4のスイッチであるスイッチ34を介して全差動オペア
ンプ20の負入力端子21に接続されている。
【0053】さらに、第2サンプリングキャパシタ28
の上層電極28bは、第5のスイッチであるスイッチ4
1を介して入力端子9に接続されるとともに、第7のス
イッチであるスイッチ43’を介して入力端子3に接続
されている。また、第2サンプリングキャパシタ28の
下層電極28aは、第6のスイッチであるスイッチ42
を介して接地されるとともに、第8のスイッチであるス
イッチ44を介して全差動オペアンプ20の正入力端子
22に接続されている。
【0054】ここで、スイッチ31、32、33’、3
4と、スイッチ41、42、43’、44とは、動作ク
ロックにより開閉制御が行われるようになっている。例
えば、その動作クロックが正相(φ=H、φB=L)の
ときには、スイッチ31、32、41、42がONにな
るとともに、スイッチ33’、34、43’、44がO
FFになり、その動作クロックが逆相(φ=L、φB=
H)のときにはその逆の動作をするようになっている。
【0055】第1積分キャパシタ25は、その上側電極
25bと下側電極25aとが、全差動オペアンプ20の
負の入力端子21と正の出力端子23とにそれぞれ接続
されている。また、第2積分キャパシタ26は、その上
側電極26bと下側電極26aとが、全差動オペアンプ
20の正の入力端子22と負の出力端子24とにそれぞ
れ接続されている。従って、第1積分キャパシタ25と
第2積分キャパシタ26とは、同一の接続方向になるよ
うに設けられている。
【0056】次に、このような構成からなる第1実施形
態に係る全差動型積分器が、従来の方式で問題となるキ
ャパシタの電圧依存性の一次係数αが全差動サンプリン
グ信号としてキャンセルされ、入力信号に対する2次高
調波歪みを低減可能であることを説明する。いま、動作
クロックが正相(φ=H、φB=L)の場合には、スイ
ッチ31、32、41、42がONになるとともに、ス
イッチ33’、34、43’、44がOFFになる。
【0057】このため、第1サンプリングキャパシタ2
7の下層電極27aが、スイッチ31を介して入力端子
3に接続され、その上層電極27bがスイッチ32を介
して動作コモン電位(アナロググランド)に接続され
る。また、第2サンプリングキャパシタ28の上層電極
28bが、スイッチ41を介して入力端子9に接続さ
れ、その下層電極28aがスイッチ42を介して動作コ
モン電位に接続される。
【0058】なお、入力端子9は、入力信号の動作基準
電圧であるアナロググランドに接続されている。この結
果、入力端子3に入力信号(正信号電位)VIN+ が供
給されている場合には、第1サンプリングキャパシタ2
7の下層電極27aには、次のような電荷Q1が蓄積さ
れる。
【0059】Q1=(VIN+ )・Cs =(VIN+
・Cs0(1+αVc ) また、第1サンプリングキャパシタ27の上層電極27
bには、相対電荷として、Q1’=−Q1が蓄積され
る。一方、第2サンプリングキャパシタ28の上層電極
28bでの蓄積電荷Q2と、その下層電極28aでの蓄
積電荷Q2’とは、共に放電されるので、Q2=Q2’
=0となる。
【0060】従って、第1サンプリングキャパシタ27
は入力信号VIN+ をサンプリングし、第2サンプリン
グキャパシタ28は放電状態となる。なお、キャパシタ
の電圧依存性については、上述のように、一次係数をα
として一次項までの近似式を使用し、Vc を下層電極で
ある第1ポリシリコンを基準に上層電極である第2ポリ
シリコンの電位として定義したものであるので、Vc
−VIN+ を上式に代入すると、次式が得られる。
【0061】 Q1=(VIN+ )・Cs0(1+α(−VIN+ )) 次に、動作クロックが逆相(φ=L、φB=H)の場合
には、スイッチ31、32、41、42がOFFになる
とともに、スイッチ33’、34、43’、44がON
になる。このため、第1サンプリングキャパシタ27の
下層電極27aが、スイッチ33’を介して動作コモン
電位に接続され、その上層電極27bがスイッチ34を
介して全差動オペアンプ20の負の入力端子21に接続
される。また、第2サンプリングキャパシタ28の上層
電極28bが、スイッチ43’を介して入力端子3に接
続され、その下層電極28aがスイッチ44を介して全
差動オペアンプ20の正の入力端子22に接続される。
【0062】この結果、第1サンプリングキャパシタ2
7に蓄積されていた電荷Q1’は、第1積分キャパシタ
25の上側電極25bに移動し、その下側電極25aに
は、−Q1’=Q1なる電荷が集められ、正側の出力端
子11の電位VOUT+ は、次のようになる。 VOUT+ =−Q1’/Ci =Q1/Ci 一方、動作クロックが正相の際に放電されていた第2サ
ンプリングキャパシタ28では、その上層電極28bに
は、次のような電荷Q2が集められる。
【0063】Q2=(VIN+ )・Cs =(VIN+
・Cs0(1+αVc ) このため、第2サンプリングキャパシタ28の下層電極
28aには、相対電荷として、Q2’=−Q2なる電荷
が、第2積分キャパシタ26の上層電極26bから供給
される。その結果、第2積分キャパシタ26では、上層
電極26b側には電荷−Q2’が集まり、その下側電極
26a側にはQ2’=−Q2なる電荷が集められ、負側
の出力端子11の電位VOUT- は、次のようになる。
【0064】VOUT- =Q2’/Ci =−Q2/Ci 従って、その全差動出力VOUTdiffは、次のようにな
る。 VOUTdiff=(VOUT+ )−(VOUT- )=(Q
1+Q2)/Ci 上式からわかるように、1動作サイクル毎の全差動電荷
転送量は、Q1+Q2となる。
【0065】ここで、第2サンプリングキャパシタ28
に加わる電位は、第1サンプリングキャパシタ27とは
逆方向に接続されて上層電極28bがVIN+ となり、
下層電極28aがアナロググランドとなるため、Vc
VIN+ となり、その上層電極28aの電荷Q2は、次
式となる。 Q2=(VIN+ )・Cs0(1+α(VIN+ )) 従って、この第1実施形態における全差動サンプル/ホ
ールド機能としての1サイクル毎の全差動電荷転送量Q
1+Q2は、次式のようになる。
【0066】Q1+Q2=(VIN+ )・Cs0(1+α
(−VIN+ )+1+α(VIN+))=(VIN+
・Cs0・2 上式からわかるように、電圧依存性の一次係数αが、完
全にキャンセルされることになる。従って、第1実施形
態によれば、従来技術で2次高調波発生の主因として問
題となっていたサンプリングキャパシタの電圧依存性に
よるサンプリング誤差が発生しない全差動サンプリング
回路を提供できる。
【0067】次に、第1積分キャパシタ25および第2
積分キャパシタ26における電圧依存性の影響につい
て、以下に説明する。この第1実施形態では、第1積分
キャパシタ25および第2積分キャパシタ26の各電極
が同一方向に接続されているので(図1参照)、第1積
分キャパシタ25と第2積分キャパシタ26の各印加電
極Vc1、Vc2は、次のようになる。
【0068】Vc1=−VOUT+c2=−VOUT- また、印加電圧Vc =0のときの基準容量値をCi0とし
た場合の各容量値Ci1、Ci2は、次のようになる。 Ci1=Ci0(1−α(VOUT+ )) Ci2=Ci0(1−α(VOUT- )) これらCi1、Ci2を、上述の出力端子の各電位VOUT
+ 、VOUT- の式に代入し、α≪1の場合の近似式、
すなわち、 1/(1−αVc )=(1+αVc )/((1−(αV
c 2 )≒1+αVc を用いると、各電位VOUT+ 、VOUT- は次のよう
になる。
【0069】VOUT+ =Q1/Ci0(1−α(VOU
+ )=Q1・(1+α(VOUT + ))/Ci0=(V
IN+ )・Cs0(1−α(VIN+ ))・(1+α(V
OUT+ ))/Ci0 VOUT- =−Q2/Ci0(1−α(VOUT- )=−
Q2・(1+α(VOUT- ))/Ci0=−(VI
+ )・Cs0(1+α(VIN+ ))・(1+α(VO
UT- ))/Ci0 ここで、VOUT- =−VOUT+ であるので、出力端
子12の電位VOUT - は次のようになる。
【0070】VOUT- =−(VIN+ )・Cs0(1+
α(VIN+ ))・(1−α(VOUT+ ))/Ci0 従って、全差動出力VOUTdiffは、次のようになる。 VOUTdiff=(VOUT+ )−(VOUT- )≒(V
IN+ )・Cs0(2−2α2 (VIN+ )(VOU
+ ))/Ci0 上式からわかるように、αの1次項は相互にキャンセル
されて、2次項のみが残る。αは1000ppm/V程
度であるので、α2 は1ppm/V2 程度に十分に小さ
く無視できる値である。従って、全差動出力VOUTdi
ffは、次のようになる。
【0071】 VOUTdiff=2(VIN+ )・Cs0/Ci0 上式からわかるように、この第1実施形態によれば、キ
ャパシタの電圧依存性が十分に無視できるまでキャンセ
ルされ、2次高調波歪みのない高精度なサンプル/ホー
ルド機能と全差動の積分機能が実現できる。なお、以上
説明した第1実施形態では、説明を簡単にするために、
両サンプリングキャパシタ27、28の接続方法および
両入力端子3、9に入力される入力信号を1種類に限定
して説明したが、本発明は上記に限定されない。
【0072】すなわち、第1サンプリングキャパシタ2
7の上層電極27bを入力端子3側に接続し、第2サン
プリングキャパシタ28の下層電極28aを入力端子9
側に接続する場合には、上記の第1実施形態と同じく両
サンプリングキャパシタ27、28の接続方法を相対的
に逆方向に接続したものとなり、上記と同様の結果を得
ることができる。
【0073】また、用途によっては、図1の入力端子9
からシングルエンド入力信号を供給し、入力端子PIN
をアナロググランドに固定することも可能である。さら
に、両積分キャパシタ25、26については、上記のよ
うに両者の相対方向が同一であれば良い。従って、第1
積分キャパシタ25の下側電極25aが全差動オペアン
プ20の負の入力端子21側に接続されるとともにその
上側電極25bがその正の出力端子23側に接続され、
第2積分キャパシタ26の下側電極26aが全差動オペ
アンプ20の正の入力端子22側に接続されるとともに
その上側電極26bがその負の出力端子24側に接続さ
れる場合であっても、上記と同一の効果を得ることがで
きる。
【0074】次に、本発明の第2実施形態として、シン
グルエンド入力用全差動サンプリング方式を初段のサン
プル/ホールド機能として使用する全差動スイッチトキ
ャパシタフィルタ回路について、図面を参照して説明す
る。スイッチトキャパシタフィルタ回路は、一般的に、
1次ないし2次構成のフィルタ段を複数作って縦続接続
して構成し、これらを全差動回路で構成する場合には、
最初の連続時間系信号の取り込み、すなわちサンプル/
ホールド回路以外は全て全差動化されたサンプリング値
として全差動スイッチトキャパシタ回路で扱える。
【0075】従って、最初のフィルタ段におけるシング
ルエンド入力から全差動サンプリング値への変換時に、
本発明にかかる方法を適用して高精度のサンプリングを
するだけで所望の目的を達成できる。すなわち、後段に
関しては、全差動信号化されたサンプリング値をサンプ
リングして処理していくものであり、従来技術での全差
動信号を扱う場合と同様に、キャパシタの電圧依存性の
係数αの影響を相補的にキャンセルした全差動信号処理
が可能である。
【0076】従って、この第2実施形態では、シングル
エンド入力信号を差動サプリングする初段にてスイッチ
トキャパシタ・フィードバックパスが存在する場合の構
成について、図2を参照して説明する。この第2実施形
態は、説明を簡略化するために、図1に示す全差動型積
分器に対して全差動フィードバックパスを追加すること
で1次ローパスフィルタを構成するようにしたものであ
る。従って、以下の構成の説明では、図1の全差動型積
分器と同一の構成要素には同一符号を付し、その追加さ
れた全差動フィードバックパスにかかる部分の構成につ
いて主に説明する。
【0077】すなわち、この第2実施形態では、図2に
示すように、容量値Cfからなる第1帰還キャパシタ5
1および4個のスイッチ52〜55からなる正信号フィ
ードバックパスと、容量値Cfからなる第2の帰還キャ
パシタ61および4個のスイッチ62〜65からなる負
信号フィードバックパスとが追加されている。帰還キャ
パシタ51、61は、その上下層の電極の向きが相対的
に等しく配置されていることを特徴とし、この例では、
全差動オペアンプ20の出力端子23、24側を各下層
電極51a、61aとし、全差動オペアンプ20の入力
端子21、22側を各上層電極51b、61bとしてい
る。
【0078】すなわち、第1帰還キャパシタ51は、そ
の下層電極51aがスイッチ54を介して全差動オペア
ンプ20の正の出力端子23に接続されるとともに、そ
の上層電極51bがスイッチ55を介して全差動オペア
ンプ20の負の入力端子21に接続されている。同様
に、第2帰還キャパシタ61は、その下層電極61aが
スイッチ64を介して全差動オペアンプ20の負の出力
端子24に接続されるとともに、その上層電極61bが
スイッチ65を介して全差動オペアンプ20の正の入力
端子22に接続されている。
【0079】ここで、スイッチ52〜55と、スイッチ
62〜65とは、動作クロックにより開閉制御が行われ
るようになっている。例えば、その動作クロックが正相
(φ=H、φB=L)のときには、スイッチ52、5
3、62、63がONになるとともに、スイッチ54、
55、64、65がOFFになり、その動作クロックが
逆相(φ=L、φB=H)のときにはその逆の動作をす
るようになっている。
【0080】次に、このような構成からなる第2実施形
態に係る全差動スイッチトキャパシタ回路のうち、正信
号フィードバックパスと負信号フィードバックパスの動
作について説明する。いま、動作クロックが正相(φ=
H、φB=L)の場合には、スイッチ52、53、6
2、63がONになるとともに、スイッチ54、55、
64、65がOFFになる。
【0081】このため、第1帰還キャパシタ51の下層
電極51aと上層電極51bは、共にアナロググランド
に接続されて放電状態になるとともに、第2帰還キャパ
シタ61の下層電極61aと上層電極61bは、共にア
ナロググランドに接続されて放電状態になる。一方、動
作クロックが逆相(φ=L、φB=H)の場合には、ス
イッチ52、53、62、63がOFFになるととも
に、スイッチ54、55、64、65がONになる。
【0082】このため、第1帰還キャパシタ51は、そ
の下層電極51aがスイッチ54を介して全差動オペア
ンプ20の正の出力端子23に接続されるとともに、そ
の上層電極51bがスイッチ55を介して全差動オペア
ンプ20の負の入力端子21に接続される。また、第2
帰還キャパシタ61は、その下層電極61aがスイッチ
64を介して全差動オペアンプ20の負の出力端子24
に接続されるとともに、その上層電極61bがスイッチ
65を介して全差動オペアンプ20の正の入力端子22
に接続される。
【0083】従って、第1帰還キャパシタ51の下層電
極51aには、以下のような電荷Q3が吸収される。 Q3=(VOUT+ )・Cf =(VOUT+ )・Cf0・(1−α(VOUT+ )) また、第1帰還キャパシタ51の上層電極51bには、
相対電荷−Q3が全差動オペアンプ20の負の入力端子
21から吸収される。これらの吸収された電荷は、次の
動作クロックの正相のときにアナロググランドに放電さ
れる。
【0084】すなわち、これは、第1積分キャパシタ2
5における蓄積電荷量からQ3なる電荷量を減算するこ
とに相当し、1動作サイクル毎に、以下のような出力電
位変化が実施される。 Δ(VOUT+ )=−Q3/Ci 同様に、第2帰還キャパシタ61の下層電極61aに
は、以下のような電荷Q4が吸収される。
【0085】Q4=(VOUT- )・Cf =(VOUT- )・Cf0・(1−α(VOUT- )) また、第2帰還キャパシタ61の上層電極61bには、
相対電荷−Q4が全差動オペアンプ20の正の入力端子
22から吸収される。これらの吸収された電荷は、次の
動作クロックの正相のときにアナロググランドに放電さ
れる。
【0086】すなわち、これは、第2積分キャパシタ2
6における蓄積電荷量からQ4なる電荷量を減算するこ
とに相当し、1動作サイクル毎に、以下のような出力電
位変化が実施される。 Δ(VOUT- )=−Q4/Ci ここで、VOUT- =−VOUT+ であるので、上記の
電荷Q4は以下のようになる。
【0087】Q4=−(VOUT+ )・Cf0・(1+α
(VOUT+ )) 従って、1動作サイクルにおいて本フィードバックパス
が実施する全差動信号としての減算電荷量Q3−Q4
は、以下のようになる。 Q3−Q4=(VOUT+ )・Cf0・2 このため、全差動出力信号レベル変化は、次のようにな
る。
【0088】Δ(VOUTdiff)=−(Q3−Q4)/
Ci=−2(VOUT+ )・Cf0/Ci 従って、電圧依存性の1次係数αの項は全差動信号とし
て相補的にキャンセルされ、正確なフィードバックパス
が実現可能である。なお、両サンプリングキャパシタ2
7、28に関する動作、および両積分キャパシタ25、
26における電圧依存性に関しては上記の通りであるの
で、その説明は省略する。
【0089】従って、この第2実施形態によれば、シン
グルエンド入力信号に対して反転アンプが不要であり、
しかも2次高調波歪みの原因となるキャパシタの電圧依
存性1次係数の影響が排除された高精度のスイッチトキ
ャパシタフィルタ回路の実現が可能である。次に、本発
明をオーバーサンプリング・デルタシグマ型A/Dコン
バータに適用した場合の第3実施形態について説明す
る。
【0090】オーバーサンプリング・デルタシグマ型A
/Dコンバータとは、高オーバーサンプリング比にて量
子化ノイズを目的帯域外である高周波数域にシフトさせ
る少ビット(bit)数のA/D変換を行うデルタシグ
マ変調器と、その変調器からの出力である高サンプリン
グ周波数、少数ビットデータをデジタルデシメーション
フィルタ(周波数間引きフィルタ)を通して高周波数域
ノイズを削除しながら低サンプリング周波数へデシメー
ション(周波数間引き)して、多ビットのPCMデータ
に変換する方式のA/Dコンバータである。
【0091】変調方式としては、各種のものが提案され
ているが、全ての方式に共通するのは、入力アナログ信
号をサンプリングする初段に対して、上記の少数ビット
出力をD/A変換してフィードバックすることである。
次に、そのデルタシグマ変調器の具体例として、4次1
ビットデルタシグマ変調器の概略を図3に示し、図4は
これを正および負の全差動信号入力を前提とした従来型
の全差動スイッチトキャパシタ回路で表現したものであ
る。
【0092】このデルタシグマ変調器は、図3に示すよ
うに、離散値系の積分器101〜104と、重み係数が
a1〜a4の係数器105〜108と、重み係数がb0
の係数器109と、加算器110〜112と、1ビット
量子化器113とを備えたものである。そして、このデ
ルタシグマ変調器は、4個の積分器101〜104を図
示のように縦続接続し、その各積分器101〜104の
各出力に、係数器105〜108の各重み係数a1〜a
4を乗じて加算器112で加算して出力する構成によ
り、4次ループフィルタを形成している。また、その加
算器112の出力を1ビット量子化器113で1ビット
量子化し、その1ビット出力を正または負のフルスケー
ル値としてD/A変換し、入力Xを取り込む初段の加算
器110へ1動作サイクル遅れでフィードバックするよ
うに構成されている。
【0093】ここで、変調器の出力Yは1ビットである
ので、Y=1の場合には正のフルスケール値出力を意味
し、初段へは負のフルスケール値がフィードバック供給
され、Y=0の場合には負のフルスケール値出力を意味
し、初段へは正のフルスケール値がフィードバック供給
されるものである。図4について説明すると、複数の積
分器101〜104は、図7の積分器の相当するもので
あるので、初段の積分器101のみに符号を付し、2〜
4段目の積分器102〜104は詳細な符号は省略して
いる。また、初段の積分器101は、後述するようなフ
ルスケール値・フィードバックパス114を含んでい
る。
【0094】ところで、図3において、4次ループフィ
ルタの伝達関数をH(z)、1ビット量子化器にて付加
される量子化ノイズQn(z)とすれば、出力Y(z)
は次のようになる。 Y(z)=(X(z)−Y(z-1))・H(z)+Qn
(z) 従って、上式は次のようになる。
【0095】(1+z-1・H(z))・Y(z)=X
(z)・H(z)+Qn(z) ここで、z=1近傍の低周波数域では、H(z)は4次
積分特性であって、H(z)≫1であるので、Y(z)
は次のように近似できる。 Y(z)≒X(z)+Qn(z)/H(z) 従って、量子化ノイズQn(z)は1/H(z)なる特
性でノイズシェーピングされる。
【0096】すなわち、1ビット量子化により加えられ
た量子化ノイズの殆どは高周波数域に分布し、目的の信
号帯域である低周波数域での量子化ノイズ分布が非常に
低いものが構成可能である。しかも、高周波数域に分布
する量子化ノイズは、後段のデジタルデシメーションフ
ィルタによりほぼ完全に削除可能である。従って、オー
バーサンプリング比を例えば64倍程度にとることで、
量子化ノイズに関してはS/N比を100dB以上のA
/Dコンバータが理論上は容易に作れることになる。
【0097】ところが、実際のLSIでは、上記量子化
ノイズ以外に、オペアンプを始めとした各種アナログ素
子に起因するノイズやスイッチトキャパシタ回路のC/
kTノイズや各種デジタルノイズの混入などが発生し、
上記の量子化ノイズに付加されるため、THD(全高調
波歪み)が−80dB以下で、S/N比が90dB以上
のオーディオ用A/Dコンバータを作るのは容易ではな
い。
【0098】しかし、デジタルシグマ方式の特徴として
系全体の閉ループを組む構成であることを考慮すれば、
入力信号を供給するバッファからサンプル/ホールド機
能とフルスケール値フィードバックを実施するための初
段の積分器までの回路が、全体のアナログ特性を支配的
に決定するものであると理解される。従って、本発明に
かかるシングルエンド入力対応の全差動サンプル/ホー
ルド手法を初段の積分器に適用することは、上記の各実
施形態の説明でも明らかのように、余分な反転アンプを
不要として、2次高調波歪みが軽減された高精度のA/
D変換器を低コストで提供できる。
【0099】そこで、本発明を適用したシングルエンド
入力対応の全差動デルタシグマ型変調器の構成例につい
て、図5に示す。この変調器は、図5に示すように、初
段の積分器121の他に2段目から4段目までの積分器
122〜124や1ビット量子化器113を含み、初段
の積分器121は、図1に示す積分器に正および負のフ
ルスケール値を1ビットデータに応じてフィードバック
するための正負のフルスケール値・フィードバックパス
を追加し、2段目〜4段目の積分器122〜124は、
図7に示す通常の全差動スイッチトキャパシタ型積分器
と基本的に同様に構成するものである。
【0100】正のフルスケール値・フィードバックパス
は、容量値がCrからなる第1レファレンス・キャパシ
タ71や、スイッチ72〜75などから構成される。ま
た、負のフルスケール値・フィードバックパスは、容量
値がCrからなる第2レファレンス・キャパシタ81
や、スイッチ82、83、85などから構成される。そ
して、1ビット量子化器113から出力される1ビット
データの値に応じて電荷伝送の経路を切り換えるための
パス選択スイッチP1、P2、N1、N2を含んでい
る。また、スイッチ72の一端とスイッチ82の一端と
には、直流の電源が接続されている。
【0101】ここで、スイッチ72〜75とスイッチ8
2、83、85とは、動作クロックに応じて後述のよう
に開閉するようになっている。また、スイッチP1、P
2、N1、N2は、1ビット量子化器113から出力さ
れる1ビットデータの値に応じて、後述のように開閉す
るようになっている。なお、初段の積分器121の他の
部分の構成は、図1の積分器の構成と同様であるので、
同一の構成要素には同一符号を付してその説明は省略す
る。
【0102】また、スイッチ74は、正負の基準電圧V
REFをサンプリングしたノード76、86を短絡する
ことが目的であるので、両フルスケール値・フィードバ
ックパスに対して1個のみ配置するようにしている。次
に、このような構成からなる全差動デルタシグマ変調器
おけるフルスケール値・フィードバックパスの動作につ
いて、以下に説明する。
【0103】いま、動作クロックが正相の場合には、ス
イッチ72、73、82、83がONになり、スイッチ
74、75、85がOFFになる。このため、正のフル
スケール値・フォードバックパスでは、第1レファレン
ス・キャパシタ71において、QP=(+VREF)・
Crからなる電荷がサンプリングされる。また、負のフ
ルスケール値・フォードバックパスでは、第2レファレ
ンス・キャパシタ81において、QN=(−VREF)
・Crからなる電荷がサンプリングされる。
【0104】一方、動作クロックが逆相の場合には、ス
イッチ72、73、82、83がOFFになり、スイッ
チ74、75、85がONになる。このとき、スイッチ
P1、P2、N1、N2は、1ビット量子化器113か
ら出力される1ビットデータの値に応じて、その開閉が
制御される。このため、上記の電荷QP、QNは、その
1ビットデータの値に応じて、積分キャパシタ25また
は積分キャパシタ26に選択的に転送される。
【0105】すなわち、1ビット量子化器113から出
力される1ビットデータが「1」である場合(Y=H)
には、パス選択スイッチP1、P2がONになる。この
結果、正の電荷QPは負の積分キャパシタ26に転送さ
れ、負の電荷QNは正の積分キャパシタ25に転送され
て、正のフルスケール値減算が実施される。逆に、その
1ビットデータが「0」である場合(Y=L)には、パ
ス選択スイッチN1、N2がONになる。この結果、正
の電荷QPは正の積分キャパシタ25に転送され、負の
電荷QNは負の積分キャパシタ26に転送されて、負の
フルスケール値減算が実施される。
【0106】ところで、図5に示すような構成では、両
レファレンス・キャパシタ71、81の電圧依存性一次
係数の影響については、両キャパシタ71、81の接続
方向だけでなく、基準電位±VREFと内部動作基準電
位であるアナログクランド(通常は電源電圧の1/2を
使用)との相対関係できまる。従って、多種多様な組み
合わせが考えられるが、サンプリングされる基準電位±
VREFが固定値であるため、一動作サイクルでの全差
動信号としての電荷転送量(QP−QN)は一定にな
り、高周波歪みの原因とはならず、A/D変換のフルス
ケール値の微小誤差にしかならない。
【0107】このため、1000ppm/V程度の一次
係数αの項が残ったとしても、それは基準電位±VRE
Fの値そのものに対する1/1000程度の誤差を示す
ことになり、通常の基準電位±VREFの値の製造ばら
つき精度が1%程度であることを考慮すれば、十分に無
視可能なレベルである。従って、レファレンス・キャパ
シタ71、81の接続方向は、特に問題となることはな
い。
【0108】図5では、一例として、両レファレンス・
キャパシタ71、81の接続方向が同じ場合であり、基
準電圧+VREFを与える端子78、88の電位V1、
V2は、内部のアナロググランド(VCOM)を基準と
した正負の電位である場合には、次のようになる。 V1=VCOM+VREF V2=VCOM−VREF この結果、電荷QP、QNは、以下のようになる。
【0109】 QP=+VREF・Cr0 ・(1−α(+VREF)) QN=−VREF・Cr0 ・(1−α(−VREF)) 従って、全差動信号としての転送電荷量(QP−QN)
は、以下のようになり、電圧依存性一次係数αの一次項
がキャンセルされる。 (QP−QN)=VREF・Cr0 ・2 ここで、上式中のCr0 は、レファレンス・キャパシタ
の印加電圧が0の場合の基準容量値である。
【0110】一方、内部アナロググランド(VCOM)
と共通の電位をV1端子に使用し、V2端子を電源グラ
ンドである0Vに使用して回路全体のコストを図る場合
には、VCOM=2・VREFとなり、電荷QP、QN
は、以下のようになる。 QP=+VREF・Cr0 ・(1+α・VREF) QN=−VREF・Cr0 ・(1+3α・VREF) 従って、全差動信号としての転送電荷量(QP−QN)
は、以下に示すようになる。
【0111】 (QP−QN)=VREF・Cr0 ・2(1+2α・VREF) =VCOM・Cr0 (1+α・VCOM) 上式によれば、電圧依存性一次係数αの一次項が残る
が、これは、2VREF=VCOMなるフルスケールレ
ベルを(1+α・VCOM)倍するゲイン誤差になるだ
けで、サンプリングキャパシタの場合にみられるような
高調波歪みを発生するものでないことは、式からも明確
である。
【0112】なお、α=1000ppm/V、VCOM
=2.5Vの場合には、(1+α・VCOM)=1.0
025倍のゲイン誤差、すなわち目標値の0.25%程
度に収まり、VCOMとして通常のバンドギャップ型の
基準電源を使用したときの1%〜2%程度の製造ばらつ
きに比べて、実用上問題のない範囲であることは明らか
である。
【0113】この実施形態に係るデルタシグマ変調器で
は、シングルエンド入力信号に対するサンプルング手法
は上記の通りであり、実際の全差動信号としての信号電
荷の取り込みから積分器までの積分機能等には、電圧依
存性の一次係数αの影響が相補的にキャンセルされてア
ナログ特性に何ら悪影響がないことは上記の通りであ
る。従って、余分な負信号を生成する反転アンプを不要
としつつ、2次高調波歪みが十分に低減された良好な特
性のA/Dコンバータを提供できる。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
4にかかる各発明では、第1および第2のサンプリング
キャパシタとが、半導体基板上に形成される上下2層の
電極とその電極間の誘電体膜とにより構成するととも
に、その接続方向が互いに逆になるようにした。
【0115】このため、請求項1〜請求項4にかかる各
発明によれば、半導体基板上に形成されるキャパシタの
容量値の電圧係数に依存して発生していた従来の2次高
調波歪みを排除でき、高性能化を実現できる。また、請
求項5〜請求項7にかかる各発明によれば、本発明に係
る全差動型サンプリング回路を含むようにしたので、低
コスト化と高精度化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全差動型サンプリング回路を、全差動
型積分器に適用した場合の実施形態の構成を示す回路図
である。
【図2】本発明の全差動型スイッチトキャパシタ回路の
実施形態の構成を示す回路図である。
【図3】本発明にかかるデルタシグマ変調器の構成を説
明するブロック図である。
【図4】そのデルタシグマ変調器を、正および負の全差
動信号入力を前提とした従来型の全差動スイッチトキャ
パシタ回路で表現したものである。
【図5】本発明のデルタシグマ変調器の実施形態の構成
を示す回路図である。
【図6】従来の全差動化インターフェースの構成を示す
図である。
【図7】従来の全差動スイッチトキャパシタ型積分器の
構成を示す図である。
【図8】(A)は半導体基板上に形成されるキャパシタ
の説明図、(B)はその表記記号を示す図である。
【図9】従来の他の全差動スイッチトキャパシタ型積分
器の構成を示す図である。
【図10】キャパシタの印加電圧と容量値との関係の一
例を示す図である。
【符号の説明】
3 正信号入力端子 9 負信号入力端子 11 正信号出力端子 12 負信号出力端子 20 全差動オペアンプ 25 第1積分キャパシタ 26 第2積分キャパシタ 27 第1サンプリングキャパシタ 28 第2サンプリングキャパシタ 31、32、33’、34 スイッチ 41、42、43’、44 スイッチ 51 第1帰還キャパシタ 52〜55 スイッチ 61 第2帰還キャパシタ 62〜65 スイッチ 71 第1レファレンス・キャパシタ 72〜75 スイッチ 81 第2レファレンス・キャパシタ 82、83、85 スイッチ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成される上下2層の電
    極とその電極間の誘電体膜とにより構成される第1およ
    び第2のサンプリングキャパシタと、 前記第1のサンプリングキャパシタの充放電を行う第1
    のスイッチ群と、 前記第2のサンプリングキャパシタの充放電を行う第2
    のスイッチ群と、 負入力端子と正出力端子との間に第1の積分キャパシタ
    を接続するとともに、正入力端子と負出力端子との間に
    第2の積分キャパシタを接続する全差動オペアンプとを
    備え、 前記第1のスイッチ群は、前記第1のサンプリングキャ
    パシタを、第1のタイミングでは第1の入力端子と接地
    との間に接続し、第2のタイミングでは第2の入力端子
    と前記全差動オペアンプの負入力端子との間に接続する
    ようになっており、 前記第2のスイッチ群は、前記第2のサンプリングキャ
    パシタを、前記第1のタイミングでは前記第2の入力端
    子と接地との間に接続し、前記第2のタイミングでは前
    記第1の入力端子と前記全差動オペアンプの正入力端子
    との間に接続するようになっており、 さらに、前記第1のサンプリングキャパシタと前記第2
    のサンプリングキャパシタの接続方向を、互いに逆にな
    るようにしたことを特徴とする全差動型サンプリング回
    路。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に形成される上下2層の電
    極とその電極間の誘電体膜とにより構成される第1およ
    び第2のサンプリングキャパシタと、 前記第1のサンプリングキャパシタの充放電を行う第1
    から第4の各スイッチと、 前記第2のサンプリングキャパシタの充放電を行う第5
    から第8の各スイッチと、 負入力端子と正出力端子との間に第1の積分キャパシタ
    を接続するとともに、正入力端子と負出力端子との間に
    第2の積分キャパシタを接続する全差動オペアンプとを
    備え、 前記第1のサンプリングキャパシタの一方の電極を、前
    記第1のスイッチを介して第1の入力端子に接続すると
    ともに前記第3のスイッチを介して第2の入力端子に接
    続し、かつ、前記第1のサンプリングキャパシタの他方
    の電極を、前記第2のスイッチを介して接地するととも
    に前記第4のスイッチを介して前記全差動オペアンプの
    一方の入力端子に接続し、 さらに、前記第2のサンプリングキャパシタの一方の電
    極を、前記第5のスイッチを介して前記第2の入力端子
    に接続するとともに前記第7のスイッチを介して第1の
    入力端子に接続し、かつ、前記第2のサンプリングキャ
    パシタの他方の電極を、前記第6のスイッチを介して接
    地するとともに前記第8のスイッチを介して前記全差動
    オペアンプの他方の入力端子に接続し、 かつ、前記第1のサンプリングキャパシタと前記第2の
    サンプリングキャパシタにおける前記各接続は、前記両
    サンプリングキャパシタの接続方向が互いに逆方向にな
    るようにしたことを特徴とする全差動型サンプリング回
    路。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の積分キャパシタ
    は、半導体基板上に形成される上下2層の電極とその電
    極間の誘電体膜とにより構成され、 前記第1の積分キャパシタと第2の積分キャパシタと
    は、その同一の電極が前記全差動オペアンプの対応する
    入力端子側にそれぞれ接続されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の全差動型サンプリング
    回路。
  4. 【請求項4】 前記全差動オペアンプは、正負のフィー
    ドバックパスを含み、前記正負のフィードバックパス
    は、半導体基板上に形成される上下2層の電極とその電
    極間の誘電体膜とにより構成される第1の帰還キャパシ
    タと第2の帰還キャパシタとを少なくとも含み、かつ、
    前記第1の帰還キャパシタと前記第2の帰還キャパシタ
    の接続方向が同一であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のいずれかに記載の全差動型サンプリング回
    路。
  5. 【請求項5】 デルタシグマ型変調器において、 前記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の全差動型
    サンプリング回路を、前記デルタシグマ型変調器におけ
    るサンプルホールド機能及び初段の積分機能として使用
    するようにしたことを特徴とする全差動型デルタシグマ
    型変調器。
  6. 【請求項6】 前記請求項5に記載の全差動型デルタシ
    グマ型変調器と、デジタルデシメーションフィルタと、
    により構成するようにしたことを特徴とするオーバーサ
    ンプリングデルタシグマ型A/Dコンバータ。
  7. 【請求項7】 スイッチトキャパシタフィルタ回路にお
    いて、 前記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の全差動型
    サンプリング回路を、初段の回路として配置したことを
    特徴とする全差動型スイッチトキャパシタフィルタ回
    路。
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