JP2002261334A - 発光素子及び装置 - Google Patents

発光素子及び装置

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JP2002261334A
JP2002261334A JP2001148382A JP2001148382A JP2002261334A JP 2002261334 A JP2002261334 A JP 2002261334A JP 2001148382 A JP2001148382 A JP 2001148382A JP 2001148382 A JP2001148382 A JP 2001148382A JP 2002261334 A JP2002261334 A JP 2002261334A
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宏典 高木
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公二 谷沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の応用製品への適用範囲の拡大を可能と
するために、可視領域での多彩な発光色の発光素子及び
発光装置を得る。 【解決手段】 n型層、p型層が活性層を挟む構造を有
する発光素子は、活性層がInを含む窒化物半導体層を
有し、n型層、p型層の少なくとも一方、好ましくはn
型層内に、Inを含む第1の窒化物半導体層と、その第
1の窒化物半導体層と異なる組成を有する第2の窒化物
半導体層とが積層されてなるフォトルミネセンス層を有
し、このフォトルミネセンス層でもって、活性層からの
発光の一部を吸収して、異なる波長の光を発すること
で、様々な発光色が得られる発光素子となる。またこの
発光素子に蛍光体を付与した発光装置は、さらに多彩な
混合色及び色むらのない白色を発光できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光素子、あるいはそ
れを光源として、ドットマトリックス状に配置したLE
Dディスプレイ、バックライト、交通信号灯、イメージ
スキャナ、に使用されるものであり、主に窒化物半導体
(例えば、InXAlYGa1−X−YN、0≦X、0
≦Y、X+Y≦1)を用いた素子に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化物半導体は高輝度純緑色発光LE
D、青色LEDとして、既にフルカラーLEDディスプ
レイ、交通信号灯、イメージスキャナー光源、バックラ
イト等の各種光源で実用化されている。これらのLED
素子は基本的に、サファイア基板上にGaNよりなるバ
ッファ層と、SiドープGaNよりなるn側コンタクト
層と、単一量子井戸構造、若しくは多重量子井戸構造の
InGaN層を包含する活性層と、MgドープAlGa
Nよりなるp側クラッド層と、MgドープGaNよりな
るp側コンタクト層とが順に積層された構造を有してお
り、20mAにおいて、発光波長450nmの青色LE
Dで5mW、外部量子効率9.1%、520nmの緑色
LEDで3mW、外部量子効率6.3%と非常に優れた
特性を示す。
【0003】また、本出願人は窒化物半導体基板の上
に、活性層を含む窒化物半導体レーザ素子を作製して、
世界で初めて室温での連続発振1万時間以上を達成した
ことを発表した(ICNS'97 予稿集,October 27-31,1997,
P444-446、及びJpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)pp.L156
8-1571、Part2,No.12A,1 December 1997)。
【0004】また、窒化物半導体のバンドギャップは、
上記の組成式において、1.95eV〜6.0eVまで
あり、紫外〜赤色の発光素子の材料として従来より注目
されている。近年、この窒化物半導体を用いた青色LE
D、青緑色LED、緑色LEDが実用化され、さらに、
長波長発光のLEDの研究も試みられている。これら、
窒化物半導体を用いたLEDの多色化は、様々な分野へ
の応用を可能にするものであり、それを開発することは
産業上重要である。また上記単色光に限らず、ブロード
な波長域をもった混合色の発光装置も様々な分野への応
用が期待される。なかでも特に白色の発光装置は液晶の
バックライトなどに利用でき、注目されている。このよ
うな混合色の発光装置は、従来複数の発光素子を組み合
わせてその混色光として得られるものである。このた
め、白色に代表される混合色を発する発光装置は、単色
光を発する発光装置に比べて大きなものとなってしま
い、近年における急激な小型化・軽量化への要求に対
し、弊害となる。またこのように複数の発光素子を用い
ると、発光むらが発生し、発光色を制御することも容易
ではない。
【0005】以上のように、複数の発光素子(光源)を
用いるのではなく、1つの素子から複数の発光色を有す
る、すなわち複数のピーク波長を有する素子、1つの素
子からそれによる混色光を得るものについても、様々な
試みが成されている。例えば図3に示すように、発光素
子の発光層が、異なる波長の光が得られるように、異な
るバンドギャップエネルギーの層を複数設けて、発光素
子から発光を得るものなどがある。このことは、可視域
での極めて広い範囲で発光が可能な窒化物半導体を利用
することで、所望の波長の光を得ようとするものであ
る。
【0006】すなわち図3に示すように、積層構造11
0に、複数の波長(ピーク波長)の光を発する発光層1
04、105を形成することになる。具体的には、この
ような発光層を形成するには、pn接合部に多重量子井
戸構造(障壁層103)などの複数の発光層(井戸層)
104、105を有する活性層110を設けて、これら
複数の発光層から異なる波長の発光を得るものとなる。
しかし、このような発光層を用いるには、In混晶比が
高いと良好な結晶成長が困難になり、電流注入による発
光では、活性層の破壊が発生し易くなり、高い素子信頼
性を得ることが困難になる。
【0007】窒化物半導体発光デバイスにはInGaN
よりなる井戸層を有する単一量子井戸構造、若しくは多
重量子井戸構造の活性層を有するダブルへテロ構造が採
用されている。しかし活性層を多重量子井戸構造とする
と、単一量子井戸構造のものに比較して、活性層全体の
膜厚が厚いため、縦方向の直列抵抗が高くなり、例えば
LED素子ではVf(順方向電圧)が高くなる傾向にあ
る。
【0008】Vfを低下させる技術とほぼ同じ技術内容
として、例えば特開平9−298341号に活性層より
も上にあるp側の光導波層、コンタクト層等をInAl
GaN層を含む超格子層とするレーザ素子が記載されて
いる。この技術はp型の窒化物半導体層をInを含む窒
化物半導体層を含む超格子構造とすることによって、p
層のキャリア濃度を増加させ、レーザ素子の閾値を低減
させようとするものである。しかし、現実にはInAl
GaNのような4元混晶の窒化物半導体は結晶性が悪
く、またInを含む窒化物半導体はp型になりにくいた
め、実際に素子を作製することは難しい傾向にある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は比較的
実用化しやすい構成であり、高い発光信頼性を有し、複
数の発光成分を有する混合色の発光素子及び装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の発光素子及び装
置は、上記事情に鑑みなされたものであり、発光素子構
造中に、活性層からの発光を、一部吸収して、異なる波
長の励起光を発するフォトルミネセンス層を設けること
で様々な混合色を発光する発光素子が得られ、さらに該
発光素子からの発光の一部を吸収し、該発光素子からの
光と異なる波長の光を発光する蛍光体を付与すること
で、さらに多彩な混合色を発光する発光装置が得られる
ことを見いだし、本発明を完成するに至ったものであ
る。本発明の発光素子及び装置は、以下の構成によるこ
とを特徴とするものである。
【0011】(1)活性層が、p型層と、n型層とに挟
まれた構造を有する発光素子において、 前記活性層か
らの光の少なくとも一部を吸収し、該活性層からの光と
異なる波長の光を発するフォトルミネセンス層が、前記
p導電型層、n導電型層の少なくとも一方に設けられて
いることを特徴とする。 (2)前記フォトルミネセンス層が、窒化物半導体を有
することを特徴とする。この構成により、可視光域に広
域なバンドギャップエネルギーを有する窒化物半導体で
あることで、フォトルミネセンス層から可視光域におけ
る様々な波長の光を取り出すことが可能となり、演色性
に優れる発光素子を得られる。 (3)前記フォトルミネセンス層が、前記p型層に設け
られると共に、p型不純物を有することを特徴とする。
この構成により、フォトルミネセンス層において、良好
な光励起、波長変換を実現できる。 (4)前記フォトルミネセンス層が、前記n型層に設け
られると共に、n型不純物を有することを特徴とする。
この構成により、フォトルミネセンス層において、良好
な光励起、波長変換を実現できる。 (5)前記活性層がInを含む窒化物半導体層を有し、
前記フォトルミネセンス層が、Inを含む窒化物半導体
層を有すると共に、該Inを含む窒化物半導体層のIn
混晶比が該活性層中のInを含む窒化物半導体層のIn
混晶比より大きいことを特徴とする。この構成により、
Inを含む窒化物半導体を有する活性層を用いた発光素
子において、活性層からの光を、フォトルミネセンス層
中のInを含む窒化物半導体でもって、異なる波長の光
を取り出すことができ、発光素子から様々な可視光域の
光を得ることができる。具体的には、活性層がIna
1-aN(0≦a<1)層を有し、フォトルミネセンス
層がInbGa1-bN(0≦b<1)層を有する際に、a
<bを満たすように各層を設ける。 (6)前記n型層がn型窒化物半導体層、前記p型層が
p型窒化物半導体層であって、前記活性層がInaGa
1-aN(0≦a<1)層を有し、前記フォトルミネセン
ス層が、第1の窒化物半導体層と、該第1の窒化物半導
体層と異なる組成を有する第2の窒化物半導体層とが積
層されてなるn側多層膜層を有することを特徴とする。 (7)前記フォトルミネセンス層を構成する第1の窒化
物半導体層、又は第2の窒化物半導体層のうち少なくと
も一方の層の膜厚が、100Å以下であることを特徴と
する。 (8)本発明の発光装置は前記発光素子と、該発光素子
からの光の少なくとも一部を吸収し、該発光素子からの
光と異なる波長の光を発する蛍光体とを有することを特
徴とする。 (9)前記蛍光体は、Ceで付活されたY23・5/3
Al23、Eu及び/又はCrで付活された窒素含有C
aO-Al23-SiO2から選ばれた少なくとも一種で
あることを特徴とする。 (10)前記発光装置において、前記発光素子は、光拡
散材及び前記蛍光体を含有した透光性モールド部材によ
って被覆されていることを特徴とする。 (11)前記発光装置において、前記発光素子は、青色
の波長域を含む単色性のピーク波長が発光可能な活性層
と、緑色及び/又は黄色の波長域を含む発光が可能なフ
ォトルミネッセンス層とを有すると共に、前記蛍光体は
黄色及び/又は赤色の波長域を含む光を発することを特
徴とする。この構成により、窒化物半導体でのp−n接
合の素子構造における発光出力を向上させることができ
る。また、活性層よりもIn混晶比の大きいフォトルミ
ネセンス層であっても、良好な結晶性でもって窒化物半
導体の積層構造体内に設けることが可能となり、長波長
域での光励起を可能とする。加えて、フォトルミネセン
ス層をn側多層膜層とすることで、n型層において、様
々な位置にフォトルミネセンス層を設けることが可能と
なり、特に、活性層に近接して、設けることが可能とな
ることから、発光出力が向上する。n側多層膜層の上
に、活性層を設ける場合においては、n側多層膜層がI
nを含む窒化物半導体の形成において、結晶性を良好な
ものとするように作用する。このことで、比較的結晶性
の悪いInを含む窒化物半導体を有する、活性層、及び
フォトルミネセンス層の形成において、有利に働き、発
光素子の特性向上に寄与する。また本発明の発光装置
は、上記発光素子に蛍光体が付与されている。蛍光体か
らは、窒化物半導体では発光が困難な黄色又は赤色の長
波長の光を得ることができる。このため本発明の発光装
置は多彩な混合色を発光することができ、特に光の三原
色である赤、緑、青色成分を有する色むらの少ない白色
の発光も可能となる。 (13)量子井戸構造の活性層が、p型層と、n型層と
に挟まれた構造を有する発光素子において、前記活性層
からの光の少なくとも一部を吸収し、該活性層からの光
と異なる波長の光を発するフォトルミネセンス層が、前
記p導電型層、n導電型層の少なくとも一方に設けら
れ、該フォトルミネセンス層が、Inを含む窒化物半導
体からなる第1の層と、第1の層よりもバンドギャップ
エネルギーの大きい窒化物半導体からなる第2の層とを
少なくとも有する超格子多層膜であり、前記第2の層
が、前記活性層の障壁層よりも膜厚が小さいことを特徴
とする。この構成により、量子井戸構造の活性層内の障
壁層よりも膜厚の小さい第2の層と第1の層とが交互に
積層された超格子多層膜のフォトルミネセンス層を形成
でき、電流が注入された場合に、p−n接合部である活
性層、井戸層に効率的にキャリアが注入され、フォトル
ミネセンス層では、第1の層よりバンドギャップエネル
ギーが大きな第2の層が障壁層よりも薄膜で形成される
ことから、キャリアの活性層への注入を阻害せず、良好
に発光素子の構造内にフォトルミネセンス層を設けるこ
とができる。また、この構成(13)は、他の構成
(1)〜(12)、(14)、(15)と組み合わせる
こともできる。 (14)量子井戸構造の活性層が、p型層と、n型層と
に挟まれた構造を有する発光素子において、前記活性層
からの光の少なくとも一部を吸収し、該活性層からの光
と異なる波長の光を発するフォトルミネセンス層が、前
記p導電型層、n導電型層の少なくとも一方に設けら
れ、該フォトルミネセンス層が、Inを含む窒化物半導
体からなる第1の層と、第1の層よりもバンドギャップ
エネルギーの大きい窒化物半導体からなる第2の層とを
少なくとも有する超格子多層膜であり、前記第1の層の
数が、前記活性層内の井戸層の数よりも多いことを特徴
とする。この構成により、活性層内の井戸層の数よりも
積層数の多い第1の層を有するフォトルミネセンス層を
形成することで、活性層内では発光再結合が積層数の少
ない井戸層で起こり、そこから得られた発光を励起光と
して、積層数の多い第1の層でフォトルミネセンスを引
き起こし、効率的に波長変化される発光装置が得られ
る。これは、井戸層の積層数を多くしても、ある一定以
上では、発光出力が上がらずに、Vfなどが大きくなる
傾向にあるためであり、一方で超格子多層膜のフォトル
ミネセンス層では、主に発光の得られる第1の層の積層
数が多くなることで、光変換効率を高めた構造とでき
る。また、この構成は、他の構成(1)〜(13)、
(15)と組み合わせることができる。 (15)量子井戸構造の活性層が、p型層と、n型層と
に挟まれた構造を有する発光素子において、前記活性層
からの光の少なくとも一部を吸収し、該活性層からの光
と異なる波長の光を発するフォトルミネセンス層が、前
記p導電型層、n導電型層の少なくとも一方に設けら
れ、該フォトルミネセンス層が、Inを含む窒化物半導
体からなる第1の層と、第1の層よりもバンドギャップ
エネルギーの大きい窒化物半導体からなる第2の層とを
少なくとも有する超格子多層膜であり、前記第1の層と
第2の層とのバンドギャップエネルギー差が、前記活性
層における井戸層と障壁層とのバンドギャップエネルギ
ー差よりも大きいことを特徴とする。この構成により、
活性層に比較して大きなバンドギャップエネルギー差を
多層膜のフォトルミネセンス層に設けることで、所望の
発光が得られるようにバンドギャップエネルギーが設け
られた第1の層と、それよりもバンドギャップエネルギ
ーの大きな第2の層との間で、バンドギャップエネルギ
ー差を大きく設けることで、サブバンドの形成を促し、
キャリアを効率的にフォトルミネセンス層を移動させる
ことができ、活性層内への効率的なキャリアの注入を実
現できる素子構造となる。また、この構成(15)は、
他の構成(1)〜(14)と組み合わせることができ
る。以下、本発明の発光素子及び装置における作用・効
果について、説明する。本発明の発光素子は、図2に示
すように、p−n接合部を含む電流注入領域内に、電流
注入により発光する層22と、その光201を吸収して
波長の異なる励起光202を得る層とが設けられたもの
である。このことは、従来の窒化物半導体を用いた発光
素子において、その素子構造内部に、LED光を異なる
波長の光に変換するフォトルミネセンス光を生み出す層
が設けられているものである。すなわち、発光素子中の
p−n接合を構成するp型層、n型層の少なくとも一方
に、フォトルミネセンス層を有するものである。また、
本発明の発光素子を異なる観点からとらえると、p−n
接合を有する積層体の内部に、電流注入による発光の一
部を吸収して、波長変換するフォトルミネセンス層を有
している発光素子である。
【0012】本発明では、電流注入により光を発する活
性層を、p型層と、n型層とで挟む構造を有する発光素
子に、前記フォトルミネセンス層が設けられるものであ
る。この時、フォトルミネセンス層は、n型層に設ける
ことが好ましく、なぜなら、p型層に設けた場合では、
n型層に設ける場合に比べて、励起光が得られる効率に
極めて劣ったものとなるためである。この傾向は、窒化
物半導体を用いたp型層、n型層に観られ、p型層に設
けられたフォトルミネセンス層では、電流注入による発
光の光がほとんど励起されずに、励起光を得ることが困
難となる。このため、素子から得られる光の内、フォト
ルミネセンス層からの光成分(光の強度が全体に占める
割合)は、僅かなものとなり、所望の発光色の光を得る
ことが困難な素子となる。
【0013】本発明における前記p型層、n型層にフォ
トルミネセンス層を設けることの違いは、電流注入によ
り発光する発光素子構造内に、波長変換するフォトルミ
ネセンス層が設けられているためであると考えられる。
すなわち、発光素子の発光効率を最大限のものとし、そ
の上で、フォトルミネセンス層における光の波長変換を
効率的に実現しうる素子となるように、発光素子構造内
部にフォトルミネセンス層を設けることが要求されるか
らである。
【0014】また、本発明のフォトルミネセンス層とし
ては、活性層もしくはそれを構成し電流注入により発光
する層のバンドギャップエネルギーが、フォトルミネセ
ンス層のバンドギャップエネルギーより大きくすること
で、好ましい光の励起が実現される。具体的には、活性
層がInaGa1-aN(0≦a<1)層を有し、前記フォ
トルミネセンス層が、InbGa1-bN(0≦b<1)層
である場合に、b>aとすることである。本発明のフォ
トルミネセンス層の組成としては、特に限定されない
が、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦
1)で表される組成で、活性層もこの組成式で表される
ものとすることで、可視光域において、様々な発光色の
発光素子が得られる。また、別の具体例を挙げると、活
性層から青色の波長の光、フォトルミネセンス層でその
光から青色と補色の関係にある黄色の波長の光、がそれ
ぞれ得られるように、上記Inを含む窒化物半導体の混
晶比を決定することで、白色の発光素子が得られる。そ
れに加えて、窒化物半導体を用いた発光素子では、可視
光域において、青色系(純青色を含む)、緑色系(純緑
色を含む)の光は、高輝度の発光素子が得られているた
め、フォトルミネセンス層で、それよりも長波長の光、
例えば赤色系の光、が得られるような上記窒化物半導体
のIn混晶比とすることで、可視光域において、演色性
に優れる発光素子が得られる。これは、上述した発光素
子とフォトルミネセンス層における発光効率、波長変換
効率(光励起効率)との関係を考慮したものであり、発
光素子として発光効率の良好な波長領域の光を、活性層
から取り出し、フォトルミネセンス層において、その光
を、それよりも長波長の光として取り出すことにある。
従って、窒化物半導体を用いた発光素子において、様々
な発光色の光を、効率よく得ることが可能である。
【0015】本発明において、フォトルミネセンス層に
は、不純物が含まれることが、光の励起において重要な
ものとなる。これは、不純物が含まれないと、フォトル
ミネセンス層における光の励起がほとんど発生しなくな
り、従来のフォトルミネセンス層を有していない窒化物
半導体のLEDに比べて、その光の変化が僅かなものに
とどまる。このため、従来のLEDとほとんど変化のな
い発光色の発光素子では、従来以上の応用を期待するこ
とは難しい。このため、本発明におけるフォトルミネセ
ンス層には、不純物をドープすることが好ましく、その
含有量として具体的には、1×1016〜1×1022/cm
3の範囲である。この時、不純物量を多くすることで、
光の変換効率が良好になる傾向がみられる。
【0016】ここで、フォトルミネセンス層に用いるn
型不純物としては、Si、Ge、Sn、S等のIV族、VI
族元素を好ましく選択し、さらに好ましくはSi、Sn
を用いる。また、これらn型不純物に、Znを加えても
良い。この時、これらn型不純物に加えて、Znを添加
すると、フォトルミネセンス層のバンドギャップエネル
ギーの光とは別に、それより長い波長の光、すなわち長
波長にシフトした光も取り出すことが可能となり、フォ
トルミネセンス層から得られる光の波長域が広がり、結
果として素子から得られる光についても様々な光が取り
出せることとなり、その応用において、有利に働くもの
となる。これは、n型不純物に加えて、Znを含有する
ことで、深い準位が形成され、このことでフォトルミネ
センス層のバンドギャップエネルギーからの光と異な
り、その光よりも波長の長い光を得ることができるもの
と考えられる。このn型不純物を含むフォトルミネセン
ス層は、発光素子のp−n接合の積層体において、n型
層内に、設けることで、フォトルミネセンス層からの発
光が得られる素子となる。
【0017】また、フォトルミネセンス層に用いるp型
不純物としては、Mg、Zn、Ca、Be等の周期律表
第IIA族、IIB族元素を選択し、好ましくはMg、Ca
等をp型不純物とする。このp型不純物を含むフォトル
ミネセンス層は、発光素子のp−n接合の積層体におい
て、p型層内に、設けることで、フォトルミネセンス層
からの発光が得られる素子となる。以上のように、本発
明の発光素子では、フォトルミネセンス層に各導電型の
不純物をドープすることで、良好な光励起、波長変換効
率を得ることができ、また後述するように、フォトルミ
ネセンス層が多層膜層である場合には、多層膜中に含ま
れ、主に光励起、波長変換を担う層に少なくともドープ
することである。この時、上記光励起、波長変換を主に
担う層が複数形成されている場合には、それぞれをほぼ
同様なドープ量としてもよく、各層ごとにドープ量を変
化させても良い。具体的には、第1の窒化物半導体層に
n型不純物がドープし、第2の窒化物半導体層をアンド
ープとするような変調ドープと呼ばれるもので、変調ド
ープすることにより、活性層からの発光出力が向上しや
すい傾向にある。
【0018】また、本発明のフォトルミネセンス層をn
型層に設ける場合において、特に位置は限定されるもの
ではない。具体的には、n型窒化物半導体のクラッド
層、n型窒化物半導体のコンタクト層、の内部、もしく
はフォトルミネセンス層がそれらクラッド層、コンタク
ト層として機能するようにしたものでも良い。好ましく
は、後述する第2多層膜層をフォトルミネセンス層とす
るように、活性層に近いことであり、接して設けられて
いても良い。クラッド層、コンタクト層として、機能す
るフォトルミネセンス層としては、多層膜で構成し、そ
の多層膜の少なくとも1層をフォトルミネセンス層と
し、別の少なくとも1層を、発光層からの光で励起光を
発しない層を設けることで、実現しうる。
【0019】加えて、半導体層の積層方向において、特
に活性層から離れた位置にフォトルミネセンス層を設け
る場合に、図1で示すようなコンタクト層に設けると、
電流注入による発光の位置からフォトルミネセンス層に
至るまでに、各層の界面を伝播することとなるため、そ
の界面での光の反射などによる損失を考慮しなければな
らない。これは、電流注入による発光の位置、活性層、
からフォトルミネセンス層に、光が到達するまでに、そ
れらの間に介在する各層の屈折率差により、光の反射な
どが少なからず起こり、フォトルミネセンス層に到達す
る光の量が減少することにある。結果として、活性層と
フォトルミネセンス層との間に、その他の層が設けられ
ていると、得られる発光素子の発光効率の低下に、重要
な要因となる。
【0020】例えば、窒化物半導体を用いた素子である
実施例1において、n側コンタクト層に設ける場合、さ
らに基板に近い位置のn側コンタクト層の下側、すなわ
ち電流注入領域であるp−n接合の外側に設ける場合、
とを比べると、n側コンタクト層の下側に設けたフォト
ルミネセンス層では、活性層からの光がその途中でほと
んど反射され、フォトルミネセンス層にまで伝播しない
傾向にある。これは、屈折率の高いn側コンタクト層側
に活性層からの光が集まるためであり、可視光域のバン
ドギャップエネルギーを有するAlGaN、InGaN
などを用いたフォトルミネセンス層では、従来結晶性の
良いことからコンタクト層として多用されているGaN
のコンタクト層に光が集まることとなるからである。ま
た、図2に示すように、基板20に対し同一面側に、電
極を設けるような構造では、光が面内方向(p−n接合
面に平行な方向)を光伝播の容易方向となり、例えば、
実施例1において、n側コンタクト層と基板との間にフ
ォトルミネセンス層を設けた場合には、フォトルミネセ
ンス層に到達する光は大きな損失を伴うこととなる。本
発明では、光電変換部であるp−n接合構造内部に、光
変換部であるフォトルミネセンス層を設けてあること
で、上述のような光の損失を低く抑え、好ましくは活性
層に隣接することで、最小限に抑えることができる。
【0021】以上説明したように、本発明において、p
―n接合領域内におけるフォトルミネセンス層の位置
が、得られる素子の発光色に大きく影響を及ぼすことに
なるため、これを十分に考慮して配置することが重要で
ある。実際に、フォトルミネセンス層からの光を調整す
るためには、フォトルミネセンス層の膜厚、不純物の含
有量を変化させることでもって、調整する。このとき、
層の膜厚を考慮するに際し、後述するn側多層膜のよう
に、フォトルミネセンス層が多層膜構造であって、それ
を構成する層の全てが、光変換として機能しない場合に
は、光変換として機能する層の総膜厚を考慮する。この
時、フォトルミネセンス層の膜厚としては、100Å以
上とすることで、発光色を変化させた発光素子が得られ
る。
【0022】本発明のフォトルミネセンス層を多層膜層
として、形成してもよい。この時、具体的には、多層膜
として、Inを含む窒化物半導体層を活性層からの光を
励起する層と、それとは別の層とを有するものとし、多
層膜を構成する少なくとも一層が波長の異なる光を発す
る層として機能する。このような多層膜からなるフォト
ルミネセンス層は、活性層を挟むp型層、n型層のどち
らにも用いることができる。好ましくは、以下の第1の
窒化物半導体層、第2の窒化物半導体層を有するn側多
層膜層とすることで、電流注入による発光に好適に作用
し、活性層からの良好な発光が得られると共に、その光
がフォトルミネセンス層に効率的に到達して、得られる
励起光の強度も向上する。
【0023】本発明の発光素子において、n型層に設け
られるn側多層膜層(フォトルミネセンス層)として
は、Inを含む第1の窒化物半導体層と、その第1の窒
化物半導体層と異なる組成を有する第2の窒化物半導体
層とが積層されたn側多層膜層を有するものである。こ
の時、前記第1の窒化物半導体層、または前記第2の窒
化物半導体層の内の少なくとも一方の膜厚が100Å以
下であると好ましい。好ましくは第1の窒化物半導体層
および第2の窒化物半導体層の両方を100Å以下、さ
らに好ましくは70Å以下、最も好ましくは50Å以下
にする。このように膜厚を薄くすることにより、多層膜
層が超格子構造となって、多層膜層の結晶性が良くなる
ので、出力が向上する傾向にある。なお、活性層は少な
くともInを含む窒化物半導体、好ましくはInGaN
よりなる井戸層を有する単一量子井戸構造、若しくは多
重量子井戸構造とすることが望ましい。この時、第1の
窒化物半導体層は、主にフォトルミネセンス層としての
機能である光励起、波長変換を担い、このため上述した
n型不純物のドープは、少なくともこの第1の窒化物半
導体層に対してなされている。第1の窒化物半導体層は
InXGa1-XN(0<X<1)とし、第2の窒化物半導
体層はInYGa1-YN(0≦Y<1、Y<X)、好ましく
はGaNとすることが最も好ましい。
【0024】さらに、このn側多層膜層は、前記第1の
窒化物半導体層または前記第2の窒化物半導体層の内の
少なくとも一方の膜厚が、近接する第1の窒化物半導体
層または第2の窒化物半導体層同士で互いに異なること
を特徴とする。即ち、第1の窒化物半導体層または第2
の窒化物半導体層を複数層積層した多層膜層を形成した
場合に、第2の窒化物半導体層(第1の窒化物半導体
層)を挟んだ第1の窒化物半導体層(第2の窒化物半導
体層)の膜厚が互いに異なることを意味する。
【0025】n側多層膜層は活性層と離間して形成され
ていても良いが、最も好ましくは活性層に接して形成さ
れているようにする。活性層に接して形成する方がより
活性層からの発光出力が向上しやすい傾向にある。
【0026】また、本発明の第2の窒化物半導体層がア
ンドープであることが好ましい。アンドープとは意図的
に不純物をドープしない状態を指し、例えば隣接する窒
化物半導体層から拡散により混入される不純物も本発明
ではアンドープという。なお拡散により混入される不純
物は層内において不純物濃度に勾配がついていることが
多い。
【0027】さらに本発明の好ましい態様として、前記
p側の窒化物半導体層には、Alを含む第3の窒化物半
導体層と、第3の窒化物半導体と異なる組成を有する第
4の窒化物半導体層とが積層されてなるp側多層膜層を
有し、前記第3の窒化物半導体層、または前記第4の窒
化物半導体の層の内の少なくとも一方の膜厚が100Å
以下であることを特徴とする。好ましくは第3の窒化物
半導体層、および第4の窒化物半導体層の両方を100
Å以下、さらに好ましくは70Å以下、最も好ましくは
50Å以下にする。このように膜厚を薄くすることによ
り、多層膜層が超格子構造となって、多層膜層の結晶性
が良くなるので、活性層からの発光出力が向上する傾向
にある。
【0028】第3の窒化物半導体層はAlaGa1-a
(0<a≦1)とし、前記第4の窒化物半導体層はIn
bGa1-bN(0≦b<1、b<a)、好ましくはGaNと
する。
【0029】さらに好ましくは、前記第3の窒化物半導
体層、または前記第4の窒化物半導体層の内の少なくと
も一方の膜厚が、近接する第3の窒化物半導体層または
第4の窒化物半導体層同士で互いに異なることを特徴と
する。即ち、第3の窒化物半導体層または第2の窒化物
半導体層を複数層積層した多層膜層を形成した場合に、
第3の窒化物半導体層(第4の窒化物半導体層)を挟ん
だ第4の窒化物半導体層(第3の窒化物半導体層)の膜
厚が互いに異なることを意味する。
【0030】さらにまた、前記第3の窒化物半導体層、
または前記第4の窒化物半導体層の内の少なくとも一方
のIII族元素の組成が、近接する第3の窒化物半導体層
または第4の窒化物半導体層の同一III族元素の組成同
士で互いに異なることを特徴とする。即ち、第3の窒化
物半導体層または第4の窒化物半導体層を複数層積層し
た多層膜層を形成した場合に、第3の窒化物半導体層
(第4の窒化物半導体層)を挟んだ第4の窒化物半導体
層(第3の窒化物半導体層)のIII族元素の組成比が互
いに異なることを意味する。
【0031】p側多層膜層は、n側多層膜層と同じく活
性層と離間して形成されていても良いが、最も好ましく
は活性層に接して形成されているようにする。活性層に
接して形成する方がより出力が向上しやすい傾向にあ
る。
【0032】また、本発明の第3の窒化物半導体層およ
び第4の窒化物半導体層がアンドープであることを特徴
とする。p側の多層膜層をアンドープとする場合、その
膜厚は0.1μm以下にすることが望ましい。0.1μ
mよりも厚いと、活性層に正孔が注入されにくくなっ
て、出力が低下しやすい傾向にある。なお、アンドープ
の定義についてはn側多層膜層と同じであるので省略す
る。
【0033】さらに第3の窒化物半導体層または第4の
窒化物半導体層のいずれか一方に、p型不純物がドープ
されていてもよい。変調ドープすることにより、出力が
向上しやすい傾向にある。なおp型不純物としては、M
g、Zn、Cd、Be、Ca等のII族元素を好ましく選
択し、好ましくは、Mg、Beを用いる。
【0034】また第3の窒化物半導体層および第4の窒
化物半導体層の両方にp型不純物がドープされていても
よい。p型不純物をドープする場合、不純物濃度は1×
10 22/cm3以下、好ましくは5×1020/cm3以下に調
整する。1×1022/cm3よりも多いと窒化物半導体層
の結晶性が悪くなって、出力が低下する傾向にある。こ
れは変調ドープの場合も同様である。
【0035】本発明の発光装置は、図2に示すように本
発明の発光素子に蛍光体を付与したものである。この蛍
光体は該発光素子からの光によって励起され、該発光素
子からの光と異なる波長の光を発するものである。すな
わち蛍光体の励起波長において青色光付近にピークがあ
り、発光波長において赤色、黄色付近にピークがあるこ
とが好ましく、特に蛍光体としてはCeで付活された
(Y23・5/3Al23)YAG、Eu及び/又はC
rで付活された窒素含有CaO-Al23-SiO2より
選ばれた一種であることが好ましい。また本発明の発光
装置は、図2に示すように蛍光体を含有する透光性モー
ルド部材が、発光素子表面を被覆する構造をとることが
好ましい。これにより蛍光体は発光素子からの光の一部
を効率よく吸収し、より長波長の光を発光することがで
き、かつ色むらの少ない混合色を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例に係るL
ED素子の構造を示す模式的な断面図である。このLE
D素子はサファイア基板1の上に、GaNよりなる第1
のバッファ層2、アンドープGaNよりなる第2のバッ
ファ層3、SiドープGaNよりなるn側コンタクト層
4、アンドープGaN層よりなる第3のバッファ層5、
InGaN/GaN超格子構造よりなるn側多層膜層
6、InGaN/GaNよりなる多重量子井戸構造の活
性層7、AlGaN/GaN超格子構造よりなるp側多
層膜層8、MgドープGaNよりなるp側コンタクト層
9が順に積層された構造を有する。
【0037】本発明の窒化物半導体を用いた発光素子で
は、図1に示すように、活性層7を挟んで下部にあるn
側窒化物半導体層に、Inを含む第1の窒化物半導体層
と、その第1の窒化物半導体層と異なる組成を有する第
2の窒化物半導体層とが積層されたn側多層膜層6を有
している。n側多層膜層において、第1の窒化物半導体
層、第2の窒化物半導体層はそれぞれ少なくとも一層以
上形成し、合計で3層以上、さらに好ましくはそれぞれ
少なくとも2層以上積層し、合計で4層以上積層するこ
とが望ましい。n側多層膜層が活性層に接して形成され
ている場合、活性層の最初の層(井戸層、若しくは障壁
層)と接する多層膜層は第1の窒化物半導体層でも、第
2の窒化物半導体層いずれでも良く、n側多層膜層の積
層順序は特に問うものではない。なお、図1ではn側多
層膜層6が、活性層7に接して形成されているが、この
多層膜層と活性層との間に、他のn型窒化物半導体より
なる層を有していても良い。このn側多層膜層を構成す
る第1の窒化物半導体層または第2の窒化物半導体層の
少なくとも一方の膜厚を100Å以下、好ましくは70
Å以下、最も好ましくは50Å以下とすることにより、
薄膜層が弾性臨界膜厚以下となって結晶が良くなり、そ
の上に積層する第1、若しくは第2の窒化物半導体層の
結晶性が良くなり、多層膜層全体の結晶性が良くなるた
め、素子の出力が向上する。
【0038】第1の窒化物半導体層はInを含む窒化物
半導体、好ましくは3元混晶のIn Ga1−XN(0
<X<1)とし、好ましくは、n型不純物をドープする
ことである。一方、第2の窒化物半導体層は第1の窒化
物半導体層と組成が異なる窒化物半導体であれば良く、
特に限定しないが、結晶性の良い第2の窒化物半導体を
成長させるためには、第1の窒化物半導体よりもバンド
ギャップエネルギーが大きい2元混晶あるいは3元混晶
の窒化物半導体を成長させ、その中でもGaNとする
と、全体に結晶性の良い多層膜層が成長できる。従って
最も好ましい組み合わせとしては、第1の窒化物半導体
層でn型不純物ドープのInXGa1-XNであり、第2の
窒化物半導体層がGaNとの組み合わせである。
【0039】好ましい態様として、第1および第2の窒
化物半導体層の膜厚を100Å以下、好ましくは70Å
以下、最も好ましくは50Å以下にする。単一窒化物半
導体層の膜厚を100Å以下とすることにより、窒化物
半導体単一層の弾性臨界膜厚以下となり、厚膜で成長さ
せる場合に比較して結晶性の良い窒化物半導体が成長で
きる。また、両方を70Å以下にすることによって、多
層膜層が超格子構造となり、この結晶性の良い超格子構
造の上に活性層を成長させると、多層膜層がバッファ層
のような作用をして、活性層が結晶性よく成長できる。
【0040】さらにまた、第1、または前記第2の窒化
物半導体層の内の少なくとも一方の膜厚を、近接する第
1、または第2の窒化物半導体層同士で互いに異なるよ
うにすることも好ましい。例えば第1の窒化物半導体層
をInGaNとし、第2の窒化物半導体層をGaNとし
た場合、GaN層とGaN層との間のInGaN層の膜
厚を、活性層に接近するに従って次第に厚くしたり、ま
た薄くしたりすることにより、多層膜層内部において屈
折率が変化するため、実質的に屈折率が次第に変化する
層を形成することができる。即ち、実質的に組成傾斜し
た窒化物半導体層を形成するのと同じ効果が得られる。
【0041】また、第1、または前記第2の窒化物半導
体層の内の少なくとも一方のIII族元素の組成を、近接
する第1または第2の窒化物半導体層の同一III族元素
の組成同士で互いに異なるようにすることも望ましい。
例えば、第1の窒化物半導体層をInGaNとし、第2
の窒化物半導体層をGaNとした場合、GaN層とGa
N層との間のInGaN層のIn組成を活性層に接近す
るに従って次第に多くしたり、また少なくしたりするこ
とにより、前述の態様と同じく、多層膜層内部において
屈折率を変化させて、実質的に組成傾斜した窒化物半導
体層を形成することができる。なおIn組成が減少する
に従い、屈折率は小さくなる傾向にある。
【0042】第1および第2の窒化物半導体層は両方と
もアンドープでも良いし、両方にn型不純物がドープさ
れていても良いし、またいずれか一方に不純物がドープ
されていてもよい。結晶性を良くするためには、アンド
ープが最も好ましく、次に変調ドープ、その次に両方ド
ープの順である。なお両方にn型不純物をドープする場
合、第1の窒化物半導体層のn型不純物濃度と、第2の
窒化物半導体層のn型不純物濃度は異なっていても良
い。
【0043】さらに本発明の態様では、p側窒化物半導
体層側に、図1に示すように、活性層7を挟んで上部に
あるp側窒化物半導体層に、Alを含む第3の窒化物半
導体層と、その第3の窒化物半導体層と異なる組成を有
する第4の窒化物半導体層とが積層されたp側多層膜層
8を有している。p側多層膜層8において、n側の多層
膜層6と同様に第3の窒化物半導体層、第4の窒化物半
導体層それぞれ少なくとも一層以上形成し、合計で3層
以上、さらに好ましくはそれぞれ少なくとも2層以上積
層し、合計で4層以上積層することが望ましい。さら
に、p側にも多層膜層を設ける場合、n側の多層膜層よ
りも膜厚を薄くする方が、素子のVf、閾値が低下しや
すくなる傾向にある。p側多層膜層が活性層に接して形
成されている場合、活性層の最終層(井戸層、若しくは
障壁層)と接するp側多層膜層は第3の窒化物半導体層
でも、第4の窒化物半導体層いずれでも良い。なお、図
1ではp側多層膜層8が、活性層7に接して形成されて
いるが、この多層膜層8と活性層7との間に、他の窒化
物半導体よりなる層を有していても良い。
【0044】さらにまた、第3、または第4の窒化物半
導体層の内の少なくとも一方の膜厚を、近接する第3、
または第4の窒化物半導体層同士で互いに異なるように
することも好ましい。例えば第3の窒化物半導体層をA
lGaNとし、第4の窒化物半導体層をGaNとした場
合、GaN層とGaN層との間のAlGaN層の膜厚
を、活性層に接近するに従って次第に厚くしたり、また
薄くしたりすることにより、多層膜層内部において屈折
率を変化させることができるため、実質的に屈折率が次
第に変化する層を形成することができる。即ち、実質的
に組成傾斜した窒化物半導体層を形成するのと同じ効果
が得られる。
【0045】また、第3、または第4の窒化物半導体層
の内の少なくとも一方のIII族元素の組成を、近接する
第3、または第4の窒化物半導体層の同一III族元素の
組成同士で互いに異なるようにすることも望ましい。例
えば、第1の窒化物半導体層をAlGaNとし、第2の
窒化物半導体層をGaNとした場合、GaN層とGaN
層との間のAlGaN層のAl組成を活性層に接近する
に従って次第に多くしたり、また少なくしたりすること
により、前述の態様と同じく、多層膜層内部において屈
折率を変化させて、実質的に組成傾斜した窒化物半導体
層を形成することができる。なおAl組成が増加するに
従い、屈折率は小さくなる。従って目的に応じて、これ
ら組成傾斜した層をp層側に配することができる。
【0046】第3の窒化物半導体層はAlを含む窒化物
半導体、好ましくは3元混晶のAl aGa1-aN(0<X
<1)とし、最も好ましくはa値が0.5以下のAla
Ga1- aNとする。0.5を超えると結晶性が悪くなっ
てクラックが入りやすい傾向にある。一方、第4の窒化
物半導体層は第3の窒化物半導体層と組成が異なる窒化
物半導体であれば良く、特に限定しないが、結晶性の良
い第4の窒化物半導体を成長させるためには、第1の窒
化物半導体よりもバンドギャップエネルギーが小さい2
元混晶あるいは3元混晶の窒化物半導体を成長させ、そ
の中でもGaNとすると、全体に結晶性の良い多層膜層
が成長できる。従って最も好ましい組み合わせとして
は、第3の窒化物半導体層がa値が0.5以下のAla
Ga1-aNであり、第4の窒化物半導体層がGaNとの
組み合わせである。
【0047】さらに、第3の窒化物半導体層の膜厚を1
00Å以下、好ましくは70Å以下、最も好ましくは5
0Å以下にする。同様に第4の窒化物半導体層の膜厚も
100Å以下、好ましくは70Å以下、最も好ましくは
50Å以下とする。このように単一窒化物半導体層の膜
厚を100Å以下とすることにより、窒化物半導体の弾
性臨界膜厚以下となり、厚膜で成長させる場合に比較し
て結晶性の良い窒化物半導体が成長でき、また窒化物半
導体層の結晶性が良くなるので、p型不純物を添加した
場合にキャリア濃度が大きく抵抗率の小さいp層が得ら
れ、素子のVf、閾値等が低下しやすい傾向にある。
【0048】第3の窒化物半導体層および第4の窒化物
半導体層は両方ともアンドープでも良いし、両方にp型
不純物がドープされていても良いし、またいずれか一方
にp型不純物がドープされていてもよい。キャリア濃度
の高いp層を得るには、変調ドープが最も好ましい。な
お、先にも述べたようにアンドープとした場合にはその
膜厚は0.1μm以下、好ましくは700Å以下、さら
に好ましくは500Å以下にする。0.1μmを超える
と、アンドープ層の抵抗値が高くなる傾向にあるからで
ある。両方にp型不純物をドープする場合、第3の窒化
物半導体層のp型不純物濃度と、第4の窒化物半導体層
のp型不純物濃度は異なっていても良い。
【0049】次に本発明の発光装置には、発光素子から
放出された光によって励起され、それよりも長波長の黄
色や赤色系が発光可能な蛍光体を付与する。蛍光体には
無機蛍光体と有機蛍光体がある。有機蛍光体は励起波長
と発光波長とを比較的近づけることができ、且つ効率よ
く発光させることができる。したがって有機蛍光体は、
青色より長波長の緑色の光を吸収して、より長波長の黄
色や赤色光を発光させることもできる。これによって色
味を調整させやすくすることもできる。また無機蛍光体
は、発光素子に近接して設けても長時間にわたって信頼
性よく発光できる特徴をもつ。このような蛍光体とし
て、具体的にはCeで付活されたY23・5/3Al2
3、Eu及び/又はCrで付活された窒素含有CaO
−Al23−SiOが挙げられる。他にもMg5Li6
Sb213:Mn、Mg2TiO4:Mn、Y23:E
u、Y22S:Eu、3.5MgO・MgF2・Ge
2:Mnやペリレン系誘導体などを好適に挙げること
ができる。
【0050】例えばEu及び/又はCrで付活された窒
素含有CaO−Al23−SiO蛍光体はCa−Al
−Si−O−N系オキシナイトライド蛍光硝子とも呼ば
れる。以下に作製例を示す。酸化アルミニウム、酸化イ
ットリウム、窒化珪素及び酸化カルシウムなどの原料に
希土類元素を含む原料を所定比に混合した粉末を窒素雰
囲気下において1300℃以上、1900℃以下、より
好ましくは1500℃以上、1750℃以下の温度にて
溶融する。そして得られた焼成品をボールミルなどによ
り粉砕し、洗浄、分離、乾燥を行い、最後に篩を通す。
このようにして作製された蛍光体は約450nmの青色
光により励起され、赤色の光を発光する。なおこのEu
及び/又はCrで付活された窒素含有CaO−Al23
−SiO 蛍光体は、窒素含有量を増減することによっ
て発光スペクトルのピ−クを575nmから690nm
に連続的にシフトすることができる。同様に励起スペク
トルも連続的にシフトさせることができる。このため本
発明の発光装置において、活性層及びフォトルミネッセ
ンス層から混合色の発光が可能である発光素子と組み合
わせることで、色の三原色である赤色、緑色、青色光を
含んだ極めて演色性に優れた白色光を得ることができ
る。
【0051】また本発明の発光装置に適した蛍光体とし
てY22S:Euも挙げられる。Y 23とEu23を塩
酸で溶解後、しゅう酸塩として共沈させる。この沈殿物
を空気中で800℃以上、1000℃以下の温度にて焼
成し、酸化物とする。さらに硫黄と炭酸ソーダ及びフラ
ックスを混合しアルミナの坩堝に入れ1000℃以上、
1200℃以下の温度にて空気中で2時間から3時間焼
成して焼成品を得る。焼成品を粉砕、洗浄、分離乾燥し
て最後に篩に通すことでY22S:Euの蛍光体を得
る。この蛍光体は、発光素子からの青色光を効率よく吸
収して赤色系の光を発光することができる。蛍光体は1
種類でもよいし、2種類以上を混合させて用いることも
できる。
【0052】このようにして得られた蛍光体は、エポキ
シ樹脂やシリコーン樹脂或いは低融点硝子などのバイン
ダーと混合し樹脂スラリーとする。上述した青色及び緑
色がそれぞれ発光可能な活性層及びフォトルミネッセン
ス層を有する発光素子に、蛍光体含有の樹脂スラリーを
塗布、硬化させて発光装置を形成する。この蛍光体含有
の樹脂スラリーはダイボンド樹脂として併用することも
できる。より具体的には、まず回路基板上に発光素子を
配置させて金線などの導電性ワイヤーやAgペーストな
どの導電性ペーストを利用して電気的に接続させる。次
にこの蛍光体含有の樹脂スラリーを塗布、注入、または
印刷などの方法によって発光素子に被覆させたり、また
は蛍光体含有物質を張り合わせたりすることによって、
発光素子に蛍光体を付与することができる。発光素子か
らの光を吸収してより長波長の光を発光することができ
る限り、発光素子上に被覆するものだけでなく、近接配
置させるだけのものでも良い。
【0053】こうして形成された発光装置の電極に外部
から電流を流すと約460nmにピークがある単色性の
発光と、約500nmから600nmに波長があるブロ
ードな励起光を発光素子が発光する。そして、蛍光体か
らは発光素子からの光によって励起され、それよりも長
波長の赤色系が主として発光することができる。そのた
め発光素子上に1種類の蛍光体を塗布等する極めて簡単
な構成、且つ簡便な方法でRGBの発光色をもち色むら
の少ない白色光を発光させることができる。なお、色む
らや色ズレなどを抑制できる限り、上記蛍光体に加えて
種々の蛍光体や発光素子を利用できることもいうまでも
ない。
【0054】
【他の実施形態】本発明の発光装置において、上述した
発光装置に組み合わせて適応できる変形例として、以下
に示す形態を用いることができる。この実施形態におい
て、活性層は、障壁層と井戸層とを有する量子井戸構造
を有し、フォトルミネセンス層が、Inを含む窒化物半
導体からなる第1の層と、第1の層よりもバンドギャッ
プエネルギーの大きい窒化物半導体からなる第2の層と
を少なくとも有する超格子多層膜で形成され、具体的に
は上記n側多層膜層、p側多層膜層をフォトルミネセン
ス層とできる。また、図6は、この実施形態について説
明するバンド構造を示す模式図であり、n型層305、
p型層308に挟まれた活性層307を有する構造で、
フォトルミネセンス層306が設けられ、このフォトル
ミネセンス層には第1の層401とそれよりもバンドギ
ャップエネルギーの大きな第2の層402を有し、活性
層には井戸層403とそれよりバンドギャップエネルギ
ーの大きな障壁層404が設けられている。
【0055】先ず、第1の実施形成としては、第1の層
よりバンドギャップエネルギーの大きな第2の層の膜厚
を、活性層内の障壁層の膜厚よりも小さくする。これ
は、活性層内において、障壁層は、井戸層内へキャリア
を閉込める働きを担い、一方、素子構造内に設けられた
フォトルミネセンス層は、障壁となる第2の層を活性層
の障壁層と同様な膜厚で形成すると、第1の層にキャリ
アが閉じ込められ、フォトルミネセンス層内で、注入さ
れたキャリアの発光再結合が起こり、光励起によるフォ
トルミネセンスを阻害する。しかしながら、第2の層の
膜厚を障壁層よりも小さくすることで、活性層内では、
膜厚の大きな障壁層により効率的に井戸層内にキャリア
を閉じ込める障壁として機能させ光電変換を実施させ、
フォトルミネセンス層内の第2の層は、障壁層よりも膜
厚が小さくされることで、キャリアを積極的にトンネル
させて、フォトルミネセンス層内で効率的なキャリアの
移動を実現させることができる。ここで、障壁層の膜厚
としては、図6に示すように、井戸層403(多重量子
井戸構造)との間に挟まれた障壁層404の膜厚であ
り、井戸層間に複数の障壁層を有する場合には、それら
の膜厚の総和となり、単一量子井戸構造の場合に井戸層
と、活性層と隣接層との界面、との間に、複数の障壁層
を有する場合にも同様に、その複数の障壁層の膜厚の総
和となる。また、フォトルミネセンス層についても同様
で、図6に示すように、第1の層401と第2の層40
2とが交互に積層された構造においては、第1の層に対
して障壁となる第2の層の膜厚であり、これら第1の
層、第2の層と異なるバンドギャップエネルギーの層を
有する別の層(複数の層)が設けられて、周期的に積層
される構造の場合には、最もバンドギャップエネルギー
の小さい第1の層とそれよりもバンドギャップエネルギ
ーの大きな層が積層された構造において、第1の層と第
1の層との間に挟まれる各層の膜厚の総和となる。
【0056】また、別の実施形態として、超格子多層膜
構造のフォトルミネセンス層においてバンドギャップエ
ネルギーの小さい第1の層の積層数を、活性層内の井戸
層の積層数より多くすることにある。図6に示すよう
に、光の励起により異なる波長の発光がある第1の層の
積層数を多くすることで、超格子多層膜構造内を通る活
性層からの発光を効率的に光変換させることができる。
一方で、活性層内の井戸層は、注入された電子とホール
の再結合により、発光させるが、活性層内においてもそ
の光を吸収して電子を励起する形態が存在し、井戸層の
積層数を多くすると光励起される確率も高まり、発光効
率の低下を招くこととなる。この実施形態では、井戸層
の数をフォトルミネセンス層内の第1の層の数より、少
なくすることで、フォトルミネセンス層において主に光
励起を発生させ、活性層の井戸層において光電変換を実
施する機能分離された素子構造とできる。この時、井戸
層の積層数としては、組成、膜厚などにも依存するが、
20以下とすることで、良好な発光効率が得られる傾向
にある。
【0057】また、別の実施形態としては、第1の層と
第2の層とのバンドギャップエネルギー差が、前記活性
層における井戸層と障壁層とのバンドギャップエネルギ
ー差よりも大きいことを特徴とする。これは、図6に示
すように、超格子多層膜のフォトルミネセンス層におい
て、第1の層と第2の層とのバンドギャップエネルギー
差を大きくすることで、サブバンドの形成を促し、フォ
トルミネセンス層内を効率的にキャリアの移動が実現さ
れ、井戸層内にキャリアを効率的に注入させることがで
きる。フォトルミネセンス層のバンドギャップエネルギ
ー差が大きいことで、キャリアの活性層への注入を促す
一方で、大きなバンドギャップエネルギー差により、い
くらかのキャリアがフォトルミネセンス層内にとどまる
構造とでき、そのことにより、光の励起を促すことがで
きる。
【0058】以上、他の実施形態において、これらの実
施形態を組み合わせて用いることが可能であり、上述し
たフォトルミネセンス層、n側多層膜層、p側多層膜層
を組み合わせて用いることができる。また、フォトルミ
ネセンス層の超格子多層膜構造としては、第1の層がI
nを含む窒化物半導体からなり、第2の層が第1の層よ
りもバンドギャップエネルギーの大きな窒化物半導体を
有するものであり、第1の層、第2の層を交互に積層し
た構造として、超格子多層膜構造とする。この時、第1
の層、第2の層とは異なる層を設けて、周期的に積層し
た超格子多層膜構造としても良い。第1の層の具体的な
組成としては、AlInGa1−x −yN(0≦x
<1、0≦y≦1、0<x+y≦1)で表される窒化物
半導体を用いることである。例えば、紫外域から赤色ま
での発光波長において、InGa1−xN(0<x≦
1)を好ましく用いて、In組成比を変化させることに
より、発光波長を変化させることができる。また第2の
層は、第1の層と異なる組成の窒化物半導体とでき、具
体的には、AlInGa1−x−yN(0≦x≦
1、0≦y≦1、0<x+y≦1)を用いることがで
き、例えば、クラッド層をかねる場合には、y>0のA
lを含む窒化物半導体を用いることができる。このよう
なフォトルミネセンス層は、上述したn側多層膜、p側
多層膜として用いることができる。また、フォトルミネ
センス層と活性層とが図6に示すように、接して形成さ
れる場合には、その接合部において、図6(b)に示す
ように、バンドギャップエネルギーを大きくする構造と
することで、活性層内に注入されるキャリアをフォトル
ミネセンス層内にとどまらせることができ、フォトルミ
ネセンス層内でのキャリアの存在確率を高めて、光の励
起を促すことが可能となる。また超格子多層膜とする条
件は、上述のn側多層膜層、p側多層膜層と同様に、1
00Å以下の膜厚とすること、好ましくは70Å以下と
すること、更に好ましくは50Å以下の膜厚で、第1の
層、第2の層を形成する。またフォトルミネセンス層を
n側多層膜層として形成するには、第1の層を第1の窒
化物半導体層、第2の層を第2の窒化物半導体層とし、
p側多層膜層として形成するには、第1の層を第4の窒
化物半導体層、第2の層を第3の窒化物半導体層とす
る。超格子多層膜構造のフォトルミネセンス層として、
第1の層と第2の層とを、少なくとも1層ずつ積層する
ことであり、好ましくは2層ずつ有することであり、両
者を交互に積層して構成する。
【0059】
【実施例】[実施例1]図1を元に実施例1について説
明する。サファイア(C面)よりなる基板1をMOVP
Eの反応容器内にセットし、水素を流しながら、基板の
温度を1050℃まで上昇させ、基板のクリーニングを
行う。基板1にはサファイアC面の他、R面、A面を主
面とするサファイア、その他、スピネル(MgA1
24)のような絶縁性の基板の他、SiC(6H、4
H、3Cを含む)、Si、ZnO、GaAs、GaN等
の半導体基板を用いることができる。
【0060】(第1のバッファ層2)続いて、温度を5
10℃まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアン
モニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、基板
1上にGaNよりなるバッファ層2を約200Åの膜厚
で成長させる。なおこの低温で成長させる第1のバッフ
ァ層2は基板の種類、成長方法等によっては省略でき
る。
【0061】(第2のバッファ層3)バッファ層2成長
後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させ
る。1050℃になったら、同じく原料ガスにTMG、
アンモニアガスを用い、アンドープGaNよりなる第2
のバッファ層3を1μmの膜厚で成長させる。第2のバ
ッファ層は先に成長させた第1のバッファ層よりも高
温、例えば900℃〜1100℃で成長させ、InX
YGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成で
き、その組成は特に問うものではないが、好ましくはG
aN、X値が0.2以下のAlXGa1-XNとすると結晶
欠陥の少ない窒化物半導体層が得られやすい。また膜厚
は特に問うものではなく、バッファ層よりも厚膜で成長
させ、通常0.1μm以上の膜厚で成長させる。
【0062】(n側コンタクト層4)続いて1050℃
で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物
ガスにシランガスを用い、Siを3×1019/cm3ドー
プしたGaNよりなるn側コンタクト層を3μmの膜厚
で成長させる。このn側コンタクト層4も第2のバッフ
ァ層3と同様に、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦
Y、X+Y≦1)で構成でき、その組成は特に問うもので
はないが、好ましくはGaN、X値が0.2以下のAlX
Ga1-XNとすると結晶欠陥の少ない窒化物半導体層が
得られやすい。膜厚は特に問うものではないが、n電極
を形成する層であるので1μm以上の膜厚で成長させる
ことが望ましい。さらにn型不純物濃度は窒化物半導体
の結晶性を悪くしない程度に高濃度にドープすることが
望ましく、1×1018/cm3以上、5×1021/cm3以下
の範囲でドープすることが望ましい。
【0063】(第3のバッファ層5)次にシランガスの
みを止め、1050℃で同様にしてアンドープGaNよ
りなる第3のバッファ層5を100Åの膜厚で成長させ
る。この第3のバッファ層5もInXAlYGa1-X-Y
(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成でき、その組成は特
に問うものではないが、好ましくはGaN、X値が0.
2以下のAlXGa1-XN、またはY値が0.1以下のI
YGa1-YNとすると結晶欠陥の少ない窒化物半導体層
が得られやすい。このアンドープGaN層を成長させる
ことにより、高濃度で不純物をドープしたn側コンタク
ト層4の上に直接活性層を成長させるのと異なり、下地
の結晶性が良くなるため、次に成長させる窒化物半導体
を成長しやすくする。このように、アンドープの窒化物
半導体層よりなる第2のバッファ層3の上に、高濃度で
n型不純物をドープした窒化物半導体よりなるn側コン
タクト層4、次にアンドープの窒化物半導体(n側多層
膜層も含む。)よりなる第3のバッファ層5を積層した
3層構造とすると、LED素子にした場合にVfが低下
しやすい傾向にある。なおn側多層膜層6をアンドープ
にする場合は第3のバッファ層5を省略することができ
る。
【0064】(n側多層膜層(フォトルミネセンス層)
6)次に、同様の温度で、アンドープGaNよりなる第
2の窒化物半導体層を40Å成長させ、次に温度を80
0℃にして、TMG、TMI、SiH4、アンモニアを
用い、Siを1.25nmolを供給して、Siドープの
In0.3Ga0.7Nよりなる第1の窒化物半導体層を20
Å成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、第2+
第1の順で交互に30層づつ積層させ、最後にGaNよ
りなる第2の窒化物半導体層を40Å成長さた超格子構
造の多層膜よりなるn側第2多層膜層6を1840Åの
膜厚で成長させる。(活性層7)次に、アンドープGa
Nよりなる障壁層を200Åの膜厚で成長させ、続いて
温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを
用いアンドープIn0.3Ga0.7Nよりなる井戸層を30
Åの膜厚で成長させる。そして障壁+井戸+障壁+井戸
・・・・+障壁の順で障壁層を5層、井戸層4層交互に
積層して、総膜厚1120Åの多重量子井戸構造よりな
る活性層7を成長させる。活性層7は障壁層から積層し
たが、積層順は井戸層から積層して、井戸層で終わって
もよく、また井戸層から積層して障壁層で終わる場合、
障壁層から積層して井戸層で終わっても良く積層順は特
に問わない。井戸層の膜厚としては100Å以下、好ま
しくは70Å以下、さらに好ましくは50Å以下に調整
する。100Åよりも厚いと、出力が向上しにくい傾向
にある。一方、障壁層の厚さは300Å以下、好ましく
は250Å以下、最も好ましくは200Å以下に調整す
る。
【0065】(p側多層膜層8)次に、TMG、TM
A、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマ
グネシウム)を用い、Mgを5×1019/cm3ドープし
たp型Al0.05Ga0.95Nよりなる第3の窒化物半導体
層を25Åの膜厚で成長させ、続いてCp2Mg、TM
Aを止めアンドープGaNよりなる第4の窒化物半導体
層を25Åの膜厚で成長させる。そしてこれらの操作を
繰り返し、第3+第4の順で交互に4層ずつ積層した超
格子よりなるp側多層膜層8を200Åの膜厚で成長さ
せる。
【0066】(p側コンタクト層9)続いて1050℃
で、TMG、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1
×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コン
タクト層8を700Åの膜厚で成長させる。p側コンタ
クト層8もInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+
Y≦1)で構成でき、その組成は特に問うものではない
が、好ましくはGaNとすると結晶欠陥の少ない窒化物
半導体層が得られやすく、またp電極材料と好ましいオ
ーミック接触が得られやすい。
【0067】反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに
窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700
℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化す
る。
【0068】アニーリング後、ウェーハを反応容器から
取り出し、最上層のp側コンタクト層9の表面に所定の
形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチン
グ)装置でp側コンタクト層側からエッチングを行い、
図1に示すようにn側コンタクト層4の表面を露出させ
る。
【0069】エッチング後、最上層にあるp側コンタク
ト層のほぼ全面に膜厚200ÅのNiとAuを含む透光
性のp電極10と、そのp電極10の上にボンディング
用のAuよりなるpパッド電極11を0.5μmの膜厚
で形成する。一方、エッチングにより露出させたn側コ
ンタクト層4の表面にはWとAlを含むn電極12を形
成してLED素子とした。
【0070】以上のようにして得られる発光素子は、図
4に示すようなスペクトルの発光が得られる。図4に示
すように、活性層からの発光ピーク波長は、450nm
の純青色の発光であり、フォトルミネセンス層からの発
光は、550nm近傍のブロードなピークを呈してい
る。また、各駆動電流値における発光スペクトルは、活
性層からの発光ピーク強度と、フォトルミネセンス層か
らのピーク強度との比に、変化が現れ、電流注入による
発光である活性層からの光強度が大きくなる傾向が観ら
れる。この時、発光素子から得られる発光色を、色度図
上の変化として図5に示す。ここで、JIS Z 87
01色度図中の各点a〜hは、図5に示す各電流値1,
3,5,7,10mAに対応している。図から明らかな
ように、得られる発光色は、黄色(a)、黄緑色
(b)、白色(c,d,e)、青色(f,g,h)と変
化する。この用に、本実施例で得られる発光素子は、活
性層、フォトルミネセンス層とで、補色関係にある青
色、黄色でもって、白色の発光色が得られるばかりでな
く、電流値により様々な演色性に優れた発光色が得られ
る。
【0071】本実施例において、n側多層膜層を構成す
る第2の窒化物半導体層はGaNで構成したが、他のI
XAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、好
ましくはIn組成が第1の窒化物半導体よりも小さいI
nGaNで構成することもできる。またp側多層膜層を
構成する第4の窒化物半導体層はGaNで構成したが、
他のInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦
1)、好ましくは第3の窒化物半導体よりもAl組成の
小さいAlGaNで構成することもできる。
【0072】[実施例2][実施例1]と同様に発光素
子を作製した。活性層から青色の発光が得られ、フォト
ルミネッセンス層からは緑色の発光が得られるように組
成を調整した。次に以下の方法で蛍光体を作製し、発光
素子に被覆した。酸化アルミニウム、酸化イットリウ
ム、窒化珪素、酸化カルシウム及び酸化ユウロピウムを
所定比に混合した。この混合粉末を窒素雰囲気下におい
て1800℃で8h加熱処理を行った。得られた焼成品
について、ヘキサンを有機溶剤として用いボールミルに
て粉砕し、乾燥乾燥後、篩を通し、蛍光体粉末とした。
このEuで付活された窒素含有CaO−Al23−Si
蛍光体(Ca−Al−Si−O−N系オキシナイト
ライド蛍光硝子)粉末に透光性のエポキシ樹脂を加え混
練した。そして発光素子を配置した回路に注入し、図2
に示したように発光素子表面を蛍光体で被覆した。この
ようにして作製された発光装置からは、演色性に優れた
色むらの少ない白色光が得られた。これは装置を構成す
る発光素子から青色と緑色の光が発光し、蛍光体からは
より長波長の赤色の蛍光が発光したためである。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発光素子
は、n型層とp型層とで、活性層を挟む構造の発光素子
構造中に、その活性層からの発光の少なくとも一部を吸
収して異なる波長の光を発するフォトルミネセンス層を
設けることで、可視光域で、演色性にすぐれ、様々な発
光色を発するものとなる。特に活性層、フォトルミネセ
ンス層に、Inを含む窒化物半導体層を用いた発光素子
では、従来得ることが困難であった赤色系などの長波長
域の光をも、取り出すことが可能となり、窒化物半導体
を用いた発光素子の応用に、多大な寄与をもたらすもの
となる。また本発明の発光装置を構成する蛍光体は、窒
化物半導体では発光が困難な黄色や赤色の長波長の光を
効率よく高輝度で得られる。すなわち本発明の発光装置
は、光の三原色のうち発光素子より2色を発光させると
共に、残りの1色を蛍光体から発光させて、RGB成分
を高輝度に含む白色発光が可能である。特に本発明の発
光装置は、例えば2端子から電流を供給することで1つ
の発光装置を発光させているにすぎない。そのため、極
めて簡単な構造にも係わらず、色ズレや色むらなく高輝
度にRGB成分を含んだ白色発光装置とすることができ
る。このように、RGB成分を高輝度に含んだ発光装置
は、RGBのフィルタ及び液晶を利用することによっ
て、フルカラーやマルチカラーの表示装置を構成させる
ことができる。同様に、演色性の極めて高い照明用など
の発光装置とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る発光素子の構造を示す
模式断面図。
【図2】本発明の発光素子及び発光装置を説明する模式
断面図。
【図3】従来の発光素子を示す模式断面図。
【図4】本発明の一実施例に係る発光素子の発光特性を
示すスペクトル図。
【図5】本発明の一実施例に係る発光素子の発光色を示
す色度図。
【図6】本発明の一実施形態についてバンド構造を説明
する模式図。
【符号の説明】
1、20、101・・・基板 2・・・第1のバッファ層 3・・・第2のバッファ層 4・・・n側コンタクト層 5・・・第3のバッファ層 6、24・・・n側多層膜層(実施例1、2ではフォト
ルミネセンス層) 7、22、110・・・活性層 8・・・p側多層膜層 9・・・p側コンタクト層 10・・・全面電極 102、21・・・n型層 103・・・障壁層 104、105・・・発光層 106、23・・・p型層 11、26、108・・・p電極、 12、25、107・・・n電極。 201、202、203・・・発光素子の各層と蛍光体
からの発光(波長が異なる) 27・・・蛍光体 28・・・透光性モールド部材

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性層が、p型層と、n型層とに挟まれた
    構造を有する発光素子において、前記活性層からの光の
    少なくとも一部を吸収し、該活性層からの光と異なる波
    長の光を発するフォトルミネセンス層が、前記p導電型
    層、n導電型層の少なくとも一方に設けられていること
    を特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】前記フォトルミネセンス層が、窒化物半導
    体を有することを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 【請求項3】前記フォトルミネセンス層が、前記p型層
    に設けられると共に、p型不純物を有することを特徴と
    する請求項1又は2記載の発光素子。
  4. 【請求項4】前記フォトルミネセンス層が、前記n型層
    に設けられると共に、n型不純物を有することを特徴と
    する請求項1又は2記載の発光素子。
  5. 【請求項5】前記活性層がInを含む窒化物半導体層を
    有し、前記フォトルミネセンス層が、Inを含む窒化物
    半導体層である第1の窒化物半導体層を有すると共に、
    該第1の窒化物半導体層のIn混晶比が該活性層中のI
    nを含む窒化物半導体層のIn混晶比より大きいことを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発光素
    子。
  6. 【請求項6】 前記n型層がn型窒化物半導体層、前記
    p型層がp型窒化物半導体層であって、前記活性層がI
    aGa1-aN(0≦a<1)層を有し、前記フォトルミ
    ネセンス層が、前記第1の窒化物半導体層と、該第1の
    窒化物半導体層と異なる組成を有する第2の窒化物半導
    体層とが積層されてなるn側多層膜層を有すること、を
    特徴とする請求項1、2、4、5のいずれかに記載の発
    光素子。
  7. 【請求項7】 前記第1の窒化物半導体層、又は前記第
    2の窒化物半導体層の内の少なくとも一方の層の膜厚
    が、100Å以下であることを特徴とする請求項6記載
    の発光素子。
  8. 【請求項8】 前記第1の窒化物半導体層がInXGa
    1-XN(0<X<1)よりなり、前記第2の窒化物半導体
    層がInYGa1-YN(0≦Y<1、Y<X)よりなること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の発光素子。
  9. 【請求項9】前記請求項1及至8のいずれかに記載の発
    光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収
    し、該発光素子からの光と異なる波長の光を発する蛍光
    体とを有することを特徴とする発光装置。
  10. 【請求項10】前記蛍光体は、Ceで付活されたY23
    ・5/3Al23、Eu及び/又はCrで付活された窒
    素含有CaO-Al23-SiO2から選択される1種で
    あることを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
  11. 【請求項11】前記発光装置において、前記発光素子
    は、光拡散材及び前記蛍光体を含有した透光性モールド
    部材によって被覆されていることを特徴とする請求項9
    及び10に記載の発光装置。
  12. 【請求項12】前記発光素子は、青色の波長域を含む単
    色性のピーク波長が発光可能な活性層及び、緑色及び/
    又は黄色の波長域を含む発光が可能なフォトルミネッセ
    ンス層とを有すると共に、前記蛍光体は黄色及び/又は
    赤色の波長域を含む光を発することにより白色系の発光
    が可能であることを特徴とする請求項9及至11に記載
    の発光装置。
  13. 【請求項13】量子井戸構造の活性層が、p型層と、n
    型層とに挟まれた構造を有する発光素子において、前記
    活性層からの光の少なくとも一部を吸収し、該活性層か
    らの光と異なる波長の光を発するフォトルミネセンス層
    が、前記p導電型層、n導電型層の少なくとも一方に設
    けられ、該フォトルミネセンス層が、Inを含む窒化物
    半導体からなる第1の層と、第1の層よりもバンドギャ
    ップエネルギーの大きい窒化物半導体からなる第2の層
    とを少なくとも有する超格子多層膜であり、前記第2の
    層が、前記活性層の障壁層よりも膜厚が小さいことを特
    徴とする発光素子。
  14. 【請求項14】量子井戸構造の活性層が、p型層と、n
    型層とに挟まれた構造を有する発光素子において、前記
    活性層からの光の少なくとも一部を吸収し、該活性層か
    らの光と異なる波長の光を発するフォトルミネセンス層
    が、前記p導電型層、n導電型層の少なくとも一方に設
    けられ、該フォトルミネセンス層が、Inを含む窒化物
    半導体からなる第1の層と、第1の層よりもバンドギャ
    ップエネルギーの大きい窒化物半導体からなる第2の層
    とを少なくとも有する超格子多層膜であり、前記第1の
    層の数が、前記活性層内の井戸層の数よりも多いことを
    特徴とする発光素子。
  15. 【請求項15】量子井戸構造の活性層が、p型層と、n
    型層とに挟まれた構造を有する発光素子において、前記
    活性層からの光の少なくとも一部を吸収し、該活性層か
    らの光と異なる波長の光を発するフォトルミネセンス層
    が、前記p導電型層、n導電型層の少なくとも一方に設
    けられ、該フォトルミネセンス層が、Inを含む窒化物
    半導体からなる第1の層と、第1の層よりもバンドギャ
    ップエネルギーの大きい窒化物半導体からなる第2の層
    とを少なくとも有する超格子多層膜であり、前記第1の
    層と第2の層とのバンドギャップエネルギー差が、前記
    活性層における井戸層と障壁層とのバンドギャップエネ
    ルギー差よりも大きいことを特徴とする発光素子。
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