JP2002256232A - 難燃性粘着シート - Google Patents

難燃性粘着シート

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JP2002256232A JP2001054419A JP2001054419A JP2002256232A JP 2002256232 A JP2002256232 A JP 2002256232A JP 2001054419 A JP2001054419 A JP 2001054419A JP 2001054419 A JP2001054419 A JP 2001054419A JP 2002256232 A JP2002256232 A JP 2002256232A
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Yutaka Ishizuka
豊 石塚
Akira Yamagami
晃 山上
Akihiro Kuwashita
明弘 桑下
Akihiro Yamada
昭洋 山田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶剤性と高度な難燃性を有し、焼却時にハ
ロゲン元素に起因する有毒ガスを発生せず、灰分が残ら
ない柔軟性に富んだ難燃性粘着シートを提供する。 【解決手段】 基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤
層を有し、ハロゲン元素の含有率が1質量%以下であ
り、かつ灰分が1質量%以下である難燃性粘着シートで
あって、基材フィルムがポリアミドエラストマー、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアミド、重合
脂肪酸系ポリアミドの群から選ばれる少なくとも2種の
樹脂と、難燃剤としてチッソ含有化合物および/または
リン含有化合物を含有する難燃性粘着シートを提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐溶剤性と高度な
難燃性を有し、焼却時にハロゲン元素に起因する有毒ガ
スを発生せず、燃焼後灰分を残さない難燃性粘着シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン系難燃剤と三酸化アンチ
モンを併用することにより、ポリオレフィン系樹脂、ア
クリル系樹脂製品に高度の難燃性を付与できることが知
られている。また、難燃剤として水酸化アルミニウム等
の水和金属化合物を多量に添加することで、焼却時の有
害ガス発生を抑制することも知られており、これらの難
燃剤を配合した難燃性粘着シートが、一般に広く使用さ
れている。
【0003】有害物質や汚物を取り扱う場所、あるいは
それらを取り扱う設備の工事を行う場合、床、壁、天
井、間仕切り、什器等を有害物質や火花から保護する目
的で合成樹脂フィルム製の養生シートが使用される。養
生シートは、一定期間経過ごとに新しいシートと交換
し、使用済みのシートは焼却処理されることが多い。一
般に合成樹脂フィルムは易燃性であるため、これら養生
シートには、火災等による重大災害を防止するため、高
い難燃性が付与されていることが要求される。特に養生
シートが使用される場所が、原子力発電所や放射性物質
研究所等、放射性物質を取り扱う場所では、通常養生シ
ートの焼却処分は施設内で行われる。この場合、放射性
物質に汚染された養生シートが放射化されやすい無機元
素を含有していると、焼却後に比較的半減期の長い放射
性灰分を残すこととなる。したがって、上記目的で使用
される養生シートには、焼却時に有毒ガスや、焼却炉を
損傷する腐食性ガスを発生しないことに加えて、灰分が
少ないことも要求される。
【0004】養生シートを床、壁面、天井、あるいは什
器に固定する場合、または養生シート同士を接合する場
合、粘着シートが使用される。これら粘着シートにもま
た、養生シートと同様、高度の難燃性と焼却時に有毒ガ
ス、腐食性ガスを発生しないこと、ならびに焼却後灰分
を残さないことが要求される。
【0005】特開平05−202340号公報には、軟
質プラスチックフィルムと、二軸延伸プラスチックフィ
ルムとが難燃剤を含有する接着剤を介して積層された積
層体に粘着剤層を設けた難燃性テープが開示されてい
る。しかし、この難燃性テープはフィルムの積層という
複雑な製造工程を必要とし、コスト高になるという欠点
がある。また、柔軟性にも欠けることから粘着性養生シ
ートとしては使用しづらいという欠点を有している。さ
らに、使用する難燃剤がハロゲン系難燃剤の場合は焼却
時にダイオキシン等の有毒ガスを発生し、金属水和物等
の場合は灰分が多く残るなど、放射性物質を取り扱う場
所での使用には適していない。
【0006】ポリアミドエラストマーからなる基材フィ
ルムを使用した難燃性粘着シートは、適度な柔軟性を有
しており上記用途に適しているが、ポリアミドエラスト
マーが有機溶剤に溶解しやすいことから、溶剤系粘着剤
を直接基材フィルムに塗工した場合、ポリアミドエラス
トマーが溶剤に侵されて基材フィルムが伸縮するという
欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐溶
剤性と高度な難燃性を有し、焼却時にハロゲン元素に起
因する有毒ガスを発生せず、灰分が残らない柔軟性に富
んだ難燃性粘着シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基材フィ
ルムの少なくとも片面に粘着剤層を有し、ハロゲン元素
の含有率が1質量%以下であり、かつ灰分が1質量%以
下である難燃性粘着シートであって、基材フィルムがポ
リアミドエラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物、ポリアミド、重合脂肪酸系ポリアミドの群か
ら選ばれる少なくとも2種の樹脂と、難燃剤としてチッ
ソ含有化合物および/またはリン含有化合物を含有する
難燃性粘着シートを提供することにより、上記課題を解
決した。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
するが、特に断らない限り例示する素材はすべて、化学
構造中にハロゲン元素を含有しないものであり、触媒、
添加剤あるいは不純物に由来して含有する場合も、その
含有率は1質量%以下のものである。
【0010】1.基材フィルム 本発明の難燃性粘着シートの基材フィルムは、ポリアミ
ドエラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物、ポリアミド、重合脂肪酸系ポリアミドの群から選ば
れる少なくとも2種の樹脂、チッソおよび/またはリン
含有化合物、および必要に応じて添加する添加剤によっ
て構成される。
【0011】ポリアミドエラストマーとしては、たとえ
ば、特開平5−320336号公報、特開平6−122
817号公報、特開平4−337325号公報、あるい
は特公平6−47622号公報等に開示されたものを使
用することができる。代表的な例としては、炭素数が2
0〜48の重合脂肪酸、アゼライン酸および/またはセ
バシン酸、および炭素数が2〜20のジアミンの3成分
からなる数平均分子量が500〜5000のポリアミド
オリゴマーと、数平均分子量が200〜3000のポリ
オキシアルキレングリコール、またはポリオキシアルキ
レングリコールと数平均分子量が200〜3000の
α,ω−ジヒドロキシ炭化水素との混合物と、炭素数6
〜20のジカルボン酸とを重縮合させた、溶融粘度が5
Pa・s以上のポリアミドエラストマーが挙げられる。
本発明の基材フィルムは、ポリアミドエラストマーを必
須成分とはしておらず、これを含有していなくても適度
な柔軟性を有するが、用途によっては、ポリアミドエラ
ストマーを添加することにより、なお一層の柔軟性が得
られる。この場合、ポリアミドエラストマーの添加率
は、全樹脂に対して10〜50質量%の範囲にあるのが
好ましい。10質量%未満では、ポリアミドエラストマ
ーを添加することによる効果の発現が不十分となり、5
0質量%を超えると、難燃性粘着シートの耐溶剤性が低
下する傾向にある。
【0012】エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を公知の方法によっ
てケン化したものである。ケン化前の酢酸ビニル成分含
有率は10〜45質量%が好ましい。共重合体中のエチ
レン成分が多くなるほど燃焼しやすくなるため、ケン化
前の酢酸ビニル成分含有率が10質量%未満では難燃性
が得にくくなる。45質量%を超えるとフィルムが粘着
性を帯びるため、難燃性粘着シートの加工作業性が低下
する。ケン化度は90%以上であることが特に好まし
い。90%未満では難燃粘着シートの耐溶剤性が低下す
る。エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の含有率
は、全樹脂に対して50質量%を超えない範囲で使用す
るのが好ましい。50質量%を超えると、難燃性粘着シ
ートの難燃性が得られにくい。
【0013】ポリアミドとしては12ナイロン、11ナ
イロン、6ナイロン、6/12ナイロン、66ナイロ
ン、6Tナイロン等を使用することができるが、柔軟性
があり、吸湿性が低い12ナイロンが最も好ましい。ポ
リアミドを使用する場合は、その含有率を全樹脂に対し
て20〜90質量%とするのが好ましい。20質量%未
満では耐溶剤性が低下する傾向にあり、90質量%を超
えると十分な柔軟性が得られにくい。
【0014】重合脂肪酸系ポリアミドとしては、たとえ
ば、特開平5−320335号公報に開示されているポ
リアミドを使用することができる。代表的な例として
は、炭素数が20〜48の重合脂肪酸、アゼライン酸お
よび/またはセバシン酸、および炭素数が2〜20のジ
アミンとを重縮合して得られる、250℃での溶融粘度
が5Pa・s以上のポリアミドが挙げられる。重合脂肪
酸系ポリアミドの含有率は、全樹脂に対して40質量%
を超えない範囲で使用するのが好ましい。40質量%を
超えると、フィルムが粘着性を帯びるため、難燃性粘着
シートの加工作業性が低下する。
【0015】本発明の難燃性粘着シートの基材フィルム
として、上記樹脂を単独で使用した場合は、柔軟性、引
張強度等の機械的性質、および耐溶剤性をすべて満足さ
せることは困難である。難燃性粘着シートの用途と使用
条件に応じて、上記樹脂の群から2種以上を適宜組み合
わせて使用することにより、本発明の効果が発揮され
る。
【0016】本発明の難燃性粘着シートの基材フィルム
には、難燃剤としてチッソ含有化合物および/またはリ
ン含有化合物を配合する。難燃剤としては、チッソおよ
び/またはリンを含有する化合物であること以外に特に
限定はないが、なかでもチッソおよび/またはリンの含
有率の高い化合物ほど難燃効果が高い。このようなチッ
ソ含有化合物としてはメラミンシアヌレート、メラミ
ン、メラム、メレム、尿素、グアニジン等が挙げられる
が、本発明においては、難燃性、耐熱性、耐水性等に優
れたメラミンシアヌレートを使用するのが最も好まし
い。
【0017】また、リン含有化合物としては、赤リン、
リン酸エステル、縮合リン酸エステル等が挙げられる
が、本発明においては、難燃性に優れ、ブリードしにく
く、かつ無色である縮合リン酸エステルを使用するのが
最も好ましい。
【0018】チッソおよびリンを含有する化合物として
は、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン
酸メレム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸エステルア
ミド等が挙げられる。本発明においては、耐水性および
難燃性に優れたリン酸エステルアミドを使用するのが最
も好ましい。
【0019】チッソ含有化合物、およびリン含有化合物
は、これらを単独で使用するばかりではなく、混合して
使用することもできる。上記のチッソ含有化合物および
/またはリン含有化合物の含有率は、基材フィルムを構
成する全樹脂と該チッソ含有化合物および/またはリン
含有化合物との合計質量の10〜50%であるのが好ま
しい。10質量%未満では、難燃性粘着シートの難燃性
が不十分となり、50質量%を超えると、基材フィルム
の引張強度が低下する。上記範囲内でチッソ含有化合物
および/またはリン含有化合物の含有率を高くするほ
ど、基材フィルムの厚さが薄くても高い難燃性を有する
難燃性粘着シートが得られる。基材フィルムには、必要
に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、顔
料、分散剤等、公知慣用の各種添加剤を添加することが
できる。
【0020】本発明の基材フィルムは、Tダイ、インフ
レーション、あるいはカレンダー等の加工方法により作
製することができる。フィルムの厚さは、10〜100
0μmであるのが好ましい。難燃性粘着シートに高い難
燃性を付与するためには、100〜1000μmが最も
好ましい。粘着剤との密着性を改善するために、基材フ
ィルム表面にコロナ処理や、公知慣用のプライマー処理
を施してもよい。
【0021】2.剥離剤層 一般に粘着シートは、剥離剤層を有するセパレータと貼
り合わせて保管され、あるいは取り扱われて、被着体へ
貼着する直前に剥離される。しかし、基材フィルムの片
面に粘着剤層を有する粘着シートの場合には、基材フィ
ルムの粘着剤層とは反対側の面に剥離剤層を設けること
により、セパレータを使用せず、ロール状に巻き取って
保管、あるいは取り扱うことができる。この場合はセパ
レータが不要となるので、廃棄物を削減でき、廃棄物処
理コストを低減することができる。本発明の難燃性粘着
シートにおいても、上記と同様に基材フィルムの片面に
剥離剤層を設けた場合は、ロール状に巻き取ることがで
きる。剥離剤としては公知のものを使用することができ
る。具体的には、シリコーン系剥離剤、アルキルペンダ
ント系剥離剤、縮合ワックス系剥離剤等が挙げられる。
なかでも、灰分が少ないことから、アルキルペンダント
系剥離剤および縮合ワックス系剥離剤を使用するのが好
ましい。剥離剤の塗布量は、0.1〜4g/m である
のが好ましい。
【0022】3.粘着剤および粘着剤層 本発明の粘着剤としては公知のものを使用することがで
きる。具体的には、たとえば、アクリル系粘着剤、ゴム
系粘着剤等が挙げられる。
【0023】本発明の難燃性粘着シートは、基材フィル
ムに難燃剤としてチッソ含有化合物やリン含有化合物を
含有させるだけで十分な難燃効果を発揮するが、粘着剤
層にもこれらの化合物を添加することにより、なお一層
難燃性を高めることができる。本発明の粘着剤層に添加
するチッソ含有化合物やリン含有化合物には、基材フィ
ルムに添加するものと同じものを使用することが好まし
い。なかでも、粘着剤溶液中での分散性や耐水性に優れ
たメラミンシアヌレートが最も好ましい。チッソ含有化
合物やリン含有化合物難燃剤の添加量は、該化合物を含
有する粘着剤全体の10〜80質量%が好ましく、さら
に好ましくは、30〜60質量%がよい。10質量%未
満である場合は、粘着剤層に難燃剤を添加したことによ
る難燃性向上の十分な効果が得られず、80質量%を超
えると粘着性が低下する。難燃剤の粒径は、1〜80μ
mが好ましく、更に好ましくは、1〜40μmである。
粒径が80μmを超えると粘着剤の塗工性、接着力が低
下する。
【0024】粘着剤層には、必要に応じて粘着付与樹
脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、増粘剤
等、公知慣用の各種添加剤を、接着力を損なわない範囲
で添加することができる。
【0025】基材フィルム上の粘着剤層は、公知慣用の
方法で形成することができる。本発明においては、粘着
剤層用組成物を基材フィルムに直接塗布し、乾燥しても
よいし、いったんセパレータ上に粘着剤層を形成した
後、基材フィルムと貼り合わせても良い。基材フィルム
の両面に粘着剤層を設けて、難燃性両面粘着シートとし
てもよい。
【0026】粘着剤層の厚さは特に限定されるものでは
ないが、一般の粘着シートと同程度の10〜400μm
が好ましく、さらに好ましくは、30〜100μmであ
る。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
さらに具体的に説明する。特に断らない限り、部および
%は、それぞれ質量部および質量%を表す。
【0028】 <粘着剤層用組成物の調製> 2−エチルヘキシルアクリレート 50部 n−ブチルアクリレート 46部 アクリル酸 3.5部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 0.5部 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 100部 上記混合物を、チッソ気流中、80℃で8時間撹拌し、
固形分50%、質量平均分子量40万のアクリル酸エス
テル共重合体溶液を得た。
【0029】上記アクリル酸エステル共重合体固形分1
00部に対し、表1に示す割合で、粘着付与樹脂、難燃
剤、および架橋剤を配合し、トルエンに溶解して固形分
濃度50%の粘着剤層用組成物A〜Dを調製した。ただ
し、表1中のエポキシ系架橋剤の配合量は、0.5%ト
ルエン溶液の質量部で表した。
【0030】
【表1】
【0031】表1に記載の〜は以下の通りである。 :重合ロジンペンタエリスリトールエステル(理化ハ
ーキュレス(株)製「ペンタリンC−J」) :テルペンフェノール共重合体(ヤスハラケミカル
(株)製「YP−90LL」) :縮合リン酸エステル(旭電化工業(株)製「アデカ
スタブFP−600」) :メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製「M
C−610」) :エポキシ系架橋剤(綜研化学(株)製「E−05
X」(0.5%トルエン溶液))
【0032】<基材フィルムの作成>表2に記載した配
合組成で、30mmφの二軸ベント式押出機を使用し、
200℃で溶融混練後、樹脂をペレット化した。樹脂ペ
レットを200℃でTダイ成形し、厚さ200μmのフ
ィルムを作成し、基材フィルムとした。
【0033】
【表2】
【0034】表2に記載した配合組成の各成分は下記の
通り。 PAE:ポリアミドエラストマー(富士化成工業(株)
製「TPAE−8」) PA:12ナイロン(ダイセル・ヒュルス(株)製「ダ
イアミドL−2140」) EVAOH:エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(田岡化学工業(株)製「テクノリンクK−131」
(ケン化度90%)) MC:メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製
「MC−610」) P:縮合リン酸エステル(旭電化工業(株)製「アデカ
スタブFP−600」)
【0035】<試験用粘着シートの作製>上記基材フィ
ルム1〜3の片面に、表1記載の粘着剤層用組成物を、
乾燥後の厚さが50μmになるよう塗布して、表3に記
載した実施例1〜3、および比較例の試験用粘着シート
を作製した。
【0036】<粘着シートの試験および結果の評価>試
験用粘着シートについて、接着力、耐溶剤性、灰分量、
および難燃性を、下記の方法で試験し、評価した。結果
を表3に記載した。
【0037】〔接着力〕JIS Z 0237に準じ、2
5mm幅×100mm長さの粘着シートを23℃でSU
S板に貼付し、2kgローラーで1往復加圧した。30
分間放置後、23℃で180°方向に剥離速度300m
m/minで剥離し、接着力を測定した。5N/25m
m以上あれば、実用接着力があると評価した。
【0038】〔耐溶剤性〕基材フィルムの片面に粘着剤
層用組成物を塗布し、80℃で2分間乾燥した後、下記
式に従って算出した収縮率で耐溶剤性を評価した。収縮
率が1%未満であれば、耐溶剤性があるとして○、1%
以上の場合は×で表した。式 収縮率=[(粘着剤層形
成前の基材フィルムの幅−粘着シートの幅)/粘着剤層
形成前の基材フィルムの幅]×100
【0039】〔灰 分〕粘着シート試料を、空気中に5
50℃で1時間保持し、残留した灰分の量を、試料に対
する質量%で表した。
【0040】〔難燃性〕UL94「薄物燃焼試験」に準
じて試験した。VTM−0相当に適合するか否かを判定
した。
【0041】
【表3】
【0042】実施例および比較例の難燃性粘着テープ
は、いずれも柔軟性を有していた。しかし、表3の結果
から明らかなように、実施例の難燃性粘着シートはいず
れも灰分が少なく、難燃性に優れており、かつ耐溶剤性
を有しているのに対して、比較例の難燃性粘着シート
は、灰分が少なく、難燃性には優れるものの、耐溶剤性
に劣っている。
【0043】
【発明の効果】本発明の難燃性粘着シートは、良好な連
続生産性を有し、柔軟性に富み、かつ高度な難燃性およ
び接着性を併せ持ち、しかも焼却処理時にハロゲン元素
に由来する有害ガスを発生せず、燃焼後も灰分が残らな
いという顕著な効果を発現する。そのため、種々の難燃
性を要求される工業用粘着シートとして有用であり、な
かでも、原子力発電所等の放射性物質取り扱い場所な
ど、有害物質や汚物を扱う場所における床、壁、天井、
什器等の粘着性養生シートとして、あるいは粘着性をも
たない養生シートの固定用粘着シートとして、特に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 昭洋 埼玉県浦和市上木崎4−2−3−502 Fターム(参考) 4F006 AA13 AA38 AB24 BA13 CA07 DA04 4J002 BB221 BE031 CL001 CL011 CL041 CL071 DA057 ER026 ET016 EU186 EU196 EW047 FD136 FD137 GJ00 4J004 AA05 AA10 CA03 CA06 CC02 DA01 FA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの少なくとも片面に粘着剤
    層を有し、ハロゲン元素の含有率が1質量%以下であ
    り、かつ灰分が1質量%以下である難燃性粘着シートで
    あって、基材フィルムがポリアミドエラストマー、エチ
    レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアミド、重合
    脂肪酸系ポリアミドの群から選ばれる少なくとも2種の
    樹脂と、難燃剤としてチッソ含有化合物および/または
    リン含有化合物を含有することを特徴とする難燃性粘着
    シート。
  2. 【請求項2】 基材フィルム中に、ケン化前の酢酸ビニ
    ル成分含有率が10〜45質量%であり、かつケン化度
    が90%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
    化物を含有することを特徴とする請求項1に記載の難燃
    性粘着シート。
  3. 【請求項3】 基材フィルムが12ナイロンを含有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性粘着
    シート。
  4. 【請求項4】 前記チッソ含有化合物および/またはリ
    ン含有化合物の含有率が前記樹脂と該チッソ含有化合物
    および/またはリン含有化合物との合計質量の10〜5
    0%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の難燃性粘着シート。
  5. 【請求項5】 チッソ含有化合物がメラミンシアヌレー
    トである請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性粘着シ
    ート。
  6. 【請求項6】 リン含有化合物が縮合リン酸エステルで
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性粘着シー
    ト。
  7. 【請求項7】 片面に粘着剤層を有する基材フィルムの
    粘着剤層とは反対側の面に、アルキルペンダント系剥離
    剤または縮合ワックス系剥離剤を含有する剥離剤層を有
    することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    難燃性粘着シート。
  8. 【請求項8】 粘着剤層が、難燃剤としてチッソ含有化
    合物および/またはリン含有化合物を、60質量%を超
    えない範囲で含有することを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の難燃性粘着シート。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009114373A (ja) * 2007-11-08 2009-05-28 Nitto Shinko Kk 粘着テープ
JP2010132820A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Somar Corp 難燃性樹脂組成物及びこれを用いた粘着シート、及びその製造方法
JP2013199651A (ja) * 2013-05-02 2013-10-03 Somar Corp 難燃性樹脂組成物及びこれを用いた粘着シート、及びその製造方法
WO2014118878A1 (ja) * 2013-01-29 2014-08-07 株式会社寺岡製作所 難燃性粘着テープ及びケーブルハーネス結束用粘着テープ
JP2020110342A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 株式会社三共 スロットマシン

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