JP2002256124A - ポリ−1−ブテン樹脂組成物、それからなる管材および管 - Google Patents

ポリ−1−ブテン樹脂組成物、それからなる管材および管

Info

Publication number
JP2002256124A
JP2002256124A JP2001385703A JP2001385703A JP2002256124A JP 2002256124 A JP2002256124 A JP 2002256124A JP 2001385703 A JP2001385703 A JP 2001385703A JP 2001385703 A JP2001385703 A JP 2001385703A JP 2002256124 A JP2002256124 A JP 2002256124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
poly
butene resin
pipe
butene
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001385703A
Other languages
English (en)
Inventor
Shin Tokui
伸 得居
Miki Komiya
幹 小宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001385703A priority Critical patent/JP2002256124A/ja
Publication of JP2002256124A publication Critical patent/JP2002256124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリ−1−ブテンの耐圧強度、高温での内圧ク
リープ性、高温および低温特性、耐磨耗性、可撓性を維
持するとともに、カット性に優れた管を成形できるポリ
−1−ブテン樹脂組成物、それからなる冷温水配管用な
どの管材と管の提供。 【解決手段】ポリ−1−ブテン樹脂100重量部に、硫
酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、水酸化アル
ミニウム、リトポン、炭酸マグネシウムおよび鉛白から
なる無機物0.01〜10重量部を配合したポリ−1−
ブテン樹脂組成物、それからなる管材およびそれを成形
してなる管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリ−1−ブテン樹
脂組成物、管材および管に関し、特に、耐圧強度、カッ
ト性に優れた管を提供するポリ−1−ブテン樹脂組成
物、その組成物を用いた管材、およびその管材を成形し
てなる管に関する。
【0002】
【従来の技術】水道管や家庭用温水管には従来より鉄
管、真鍮管等の金属製の管材が使用されてきたが、これ
らの金属製管材の内面は、時間の経過とともに発錆し、
生じた錆が飲み水等に混入することが問題となってい
る。そこで近年は樹脂を内面にコートした金属管が採用
されるようになったが、この場合でも金属管の内面の発
錆の問題を完全に解決することはできない。このため、
最近、給水・給湯用管に発錆の問題がない合成樹脂製の
管を採用する動きが高まっている。樹脂としては、塩化
ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ−1−ブテン樹脂
などが挙げられる。
【0003】塩化ビニル樹脂は樹脂としては可撓性が劣
り、衛生面、環境面にも問題がある。ポリエチレン樹脂
は耐圧性、長期耐久性に劣るという問題がある。ポリ−
1−ブテン樹脂は耐圧強度、高温(40〜120℃) で
の内圧クリープ耐久性、高温および低温特性、耐摩耗性
に優れ、可撓性にも優れることから、給水・給湯管用の
管材に適した樹脂である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリ−1−ブ
テン樹脂は柔軟性に優れる反面、それからなる管を切断
する際に管の変形を防止するため、カッターによる切断
に時間が懸かる、すなわち、カット性については、必ず
しも満足できる状況になかった。
【0005】本発明の目的は、ポリ−1−ブテン樹脂が
有する耐圧強度、高温での内圧クリープ性、高温および
低温特性、耐摩耗性、可撓性を維持するとともに、カッ
ト性の向上した冷温水配管用管材に好適なポリ−1−ブ
テン樹脂組成物、そのポリ−1−ブテン樹脂組成物から
なる冷温水配管用管材、およびその管材から成形してな
る管を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、カット性が
向上し、特に冷温水配管に好適なポリ−1−ブテン組成
物を見いだすべく鋭意研究を行った結果、ポリ−1−ブ
テン樹脂に特定の無機物を配合してなる組成物がカット
性に優れることを見出し、本発明に到達した。
【0007】本発明はポリ−1−ブテン樹脂100重量
部と、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、水
酸化アルミニウム、リトポン、炭酸マグネシウムおよび
鉛白からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を
0.01〜10重量部含むことを特徴とするポリ−1−
ブテン樹脂組成物である。
【0008】ポリ−1−ブテン樹脂100重量部と、前
記特定の無機物0.1〜5重量部を含む前記ポリ−1−
ブテン樹脂組成物が好ましい。
【0009】無機物が硫酸亜鉛および/または酸化亜鉛
である前記ポリ−1−ブテン樹脂組成物が好ましい。
【0010】前記ポリ−1−ブテン樹脂組成物は管材、
特に冷温水配管用管材として好ましい。
【0011】前記ポリ−1−ブテン樹脂組成物からなる
管材、特にカット性に優れる管材として好ましい。
【0012】前記管材からなる管であることが好まし
い。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明はポリ−1−ブテン樹脂
と、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、水酸
化アルミニウム、リトポン、炭酸マグネシウムおよび鉛
白からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を含
む樹脂組成物である。
【0014】本発明の組成物の主成分であるポリ−1−
ブテン樹脂としては、1−ブテンの単独重合体、1−ブ
テンと他のα−オレフィンとの共重合体、あるいはこれ
らの重合体または共重合体と他のα−オレフィン系重合
体との混合物などが挙げられる。他のα−オレフィンと
しては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの低級
α−オレフィンが挙げられる。該共重合体における他の
α−オレフィンの含有量は、通常、10モル%以下であ
る。
【0015】他のα−オレフィン重合体としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル
−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチ
レン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共
重合体などが挙げられる。ポリ−1−ブテン樹脂が、1
−ブテンの単独重合体または1−ブテンと他のα−オレ
フィンとの共重合体と、他のα−オレフィン系重合体と
の混合物である場合、他のα−オレフィン系重合体の含
有量は、通常、50重量%以下である。
【0016】本発明の組成物において、ポリ−1−ブテ
ン樹脂は、前記1−ブテンの単独重合体、1−ブテンと
他のα−オレフィンとの共重合体、あるいはこれらの重
合体または共重合体と他のα−オレフィン系重合体は、
1種単独でも2種以上を組み合わせても用いてよい。
【0017】ポリ−1−ブテン樹脂は、通常、メルトフ
ローレート(以下、「MFR」という)が0.01〜5
0g/10分(ASTM D 1238N,190℃、
2.16kg荷重)の範囲のものであり、冷温水配管用管
材として、0.01〜30g/10分、特に0.01〜
20g/10分の範囲のものが好ましい。また、GPC
法による分子量分布(Mw/Mn)が3以上、特に3〜
30、さらに6〜30のものが好ましい。さらに、NM
R法によるアイソタクチック指数(mmmm%)が90以上、
特に93以上、さらに95以上のものが好ましい。
【0018】ポリ−1−ブテン樹脂は、例えば、チーグ
ラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒の存在下に、1−ブ
テンを重合または共重合して製造される。
【0019】ポリ−1−ブテン樹脂の製造には、具体的
には以下に説明する固体チタン触媒成分を含んだ触媒を
使用することができる。固体チタン触媒成分は、マグネ
シウム化合物(もしくは金属マグネシウム)、およびチ
タン化合物そして好ましくは電子供与体を接触させるこ
とにより製造することができる。固体チタン触媒成分を
製造するには、マグネシウム化合物、チタン化合物、電
子供与体から高活性チタン触媒成分を調製する公知の方
法を採用することができる。なお、上記の成分は、たと
えばケイ素、リン、アルミニウムなどの他の反応試剤の
存在下で接触させてもよい。
【0020】これらの固体チタン触媒成分の製造方法を
数例挙げて以下に簡単に述べる。 (1)マグネシウム化合物、あるいはマグネシウム化合
物および電子供与体からなる錯化合物とチタン化合物と
を液相にて反応させる方法。この反応は、粉砕助剤など
の存在下に行ってもよい。また、上記のように反応させ
る際に、固体状の化合物については、粉砕してもよい。 (2)還元性を有しない液状のマグネシウム化合物と、
液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応させ
て固体状のチタン複合体を析出させる方法。この方法
は、例えば特開昭58−83006号公報に記載されて
いる。 (3)(2)で得られた反応生成物に、チタン化合物を
さらに反応させる方法。 (4)(1)あるいは(2)で得られる反応生成物に電
子供与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。
【0021】(5)マグネシウム化合物あるいはマグネ
シウム化合物と電子供与体とからなる錯化合物を、チタ
ン化合物の存在下に粉砕して得られた固体状物を、ハロ
ゲン、ハロゲン化合物および芳香族炭化水素のいずれか
で処理する方法。なお、この方法においては、マグネシ
ウム化合物あるいはマグネシウム化合物と電子供与体と
からなる錯化合物を、粉砕助剤などの存在下で粉砕して
もよい。また、マグネシウム化合物あるいはマグネシウ
ム化合物と電子供与体とからなる錯化合物を、チタン化
合物の存在下に粉砕した後に、反応助剤で予備処理し、
次いで、ハロゲンなどで処理してもよい。なお、反応助
剤としては、有機アルミニウム化合物あるいはハロゲン
含有ケイ素化合物などが挙げられる。 (6)前記(1)〜(4)で得られる化合物をハロゲン
またはハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する
方法。
【0022】(7)金属化合物、ジヒドロカルビルマグ
ネシウムおよびハロゲン含有アルコールとの接触反応物
を電子供与体およびチタン化合物と接触させる方法。 (8)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウ
ム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合
物を電子供与体、チタン化合物および/またはハロゲン
含有炭化水素と反応させる方法。 (9)シロキサン0.1〜40重量部を含む有機液体媒
体および/または界面活性剤を含む有機液体媒体中に、
ハロゲン化マグネシウムと活性水素化合物との錯体粒子
を溶融状態で含有する懸濁液から、錯体粒子を固化させ
ることにより得られる固体担体に、チタン化合物を担持
させる方法。この担体は、例えば特公昭60−3780
4号公報および特公昭60−37805号公報に記載さ
れている。
【0023】上記固体チタン触媒成分を含む触媒は、通
常有機アルミニウム化合物触媒成分が同時に使用され
る。また、必要に応じて下記式で示される有機ケイ素化
合物触媒成分を同時に使用してもよい。 SiR1 2 m (OR3)3-m 式中、0≦m<3であり、R1 はシクロペンチル基、シ
クロペンテニル基、シクロペンタジエニル基またはこれ
らの誘導基であり、R2 とR3 とはそれぞれ炭化水素基
である。
【0024】ポリ−1−ブテン樹脂は、上記例示した触
媒を用いて、例えば、特開平5−9352号公報に記載
された方法などにより製造される。具体的には、塩化マ
グネシウム、2−エチルヘキシルアルコール、2−イソ
プロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキプロパン
および四塩化チタンを、有機溶媒中で混合して得た固体
チタン触媒成分(1)、トリエチルアルミニウム(2)
とシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(3)とから
なる触媒などを用いて製造される。ポリ−1−ブテン樹
脂と併用される他のα−オレフィン系重合体もチーグラ
ー・ナッタ触媒、メタロセン触媒などを用いて製造され
る。
【0025】本発明の組成物の他方の成分である無機物
は、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、水酸
化アルミニウム、リトポン、炭酸マグネシウムおよび鉛
白である。特に好ましいのは着色力の強い硫酸亜鉛と酸
化亜鉛である。もちろんこれらを2種以上混合して使用
することができ、硫酸亜鉛と酸化亜鉛の併用が好まし
い。混合物の組成は特に限定されない。
【0026】本発明の組成物におけるポリ−1−ブテン
樹脂と無機物の配合割合は、ポリ−1−ブテン樹脂10
0重量部に対して、無機物0.01〜10重量部であ
り、好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.
2〜2重量部の割合である。無機物の配合量が0.01
〜10重量部であると、ポリ−1−ブテン樹脂組成物か
らなる管のカット性の向上の効果が明らかである。
【0027】本発明の組成物には、ポリ−1−ブテン樹
脂および無機物以外に、必要に応じて他の成分を配合し
てもよい。例えば、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、耐熱安定剤、防かび剤、発錆防止剤、滑剤、帯電防
止剤、充填剤、核剤、顔料などを配合してもよい。分散
剤の具体例としては、ポリエチレンワックス、エチレン
ビスステアロアマイド(EBSA)などが挙げられる。
また、酸化防止剤としては、例えば、商標名「イルガノ
ックス1010」、「イルガノックス1076」(いず
れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)で市販さ
れているものなどが挙げられる。
【0028】また本発明は、ポリ−1−ブテン樹脂組成
物のカット性に優れるという特徴を生かした、該樹脂組
成物からなる冷温水配管用などの管材であり、該管材を
成形してなる管である。該管材は管の全体・全面に限ら
ず、管の内面のみの構成にも使用することができる。本
発明の管材は、パイプ、各種パイプ継手の他、ブロー成
形品、射出成形品などに成形される。管の断面形状は円
形、多角形、その他のいかなる形状であってもよい。ま
た、管の太さも特に制限されないが、例えば、円形の水
道配水管の場合には、内径3〜1400mm、外径5〜1
600mm、肉厚1〜100mmである。
【0029】本発明の管の製造は、ポリ−1−ブテン樹
脂、無機物、および必要に応じて配合する他の成分を、
予め混合して混合物を調製し、この混合物を、成形機に
供給して溶融成形してもよいし、ポリ−1−ブテン樹
脂、無機物、および必要に応じて配合する他の成分を、
それぞれ独立に成形機に所定の配合比で投入し、混練し
ながら、溶融成形に供してもよい。
【0030】混合物の調製、すなわち、混練は一軸押出
機、二軸押出機、二軸混練機、バンバリーミキサーなど
を用いて実施される。成形は、押出成形機、射出成形
機、ブロー成形機等のいずれの成形機を用いてもよく、
所望の管の形態に応じて適宜選択される。例えば、パイ
プは押出成形により、パイプ用継手、管端防食継手は射
出成形により、びん、缶などはブロー成形により成形さ
れる。
【0031】
【実施例】
(実施例1〜26、比較例1〜2) [固体チタン触媒成分(1)の調製]無水塩化マグネシ
ウム6.0kg(63mol)、デカン26.6L および2−
エチルヘキシルアルコール29.2L (189mol)を1
40℃で4時間加熱反応させ、均一溶液とした。この溶
液に2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメ
トキシプロパン1.59kg(7. 88mol)を添加し、1
10℃でさらに1時間攪拌混合し、均一溶液とした。
【0032】得られた均一溶液を室温まで冷却した後、
この溶液37.0kgを、−24℃に保持された四塩化チ
タン120L (1080mol)に2.5時間にわたって滴
下した。得られた溶液の温度を6時間かけて昇温し、1
10℃に達した時に、2−イソプロピル−2−イソブチ
ル−1,3−ジメトキシプロパン0.68kg(3. 37
mol)を添加した。
【0033】さらに、溶液を110℃で2時間攪拌し、
反応させた。その後、生成混合物から熱濾過により固体
を採取し、固体を132L の四塩化チタンに入れた。得
られたスラリーを110℃で2時間、加熱反応した。そ
の後、再び生成混合物から熱濾過により固体を採取し、
90℃のデカンおよびヘキサンを用いて洗浄した。洗浄
液にチタンが検出されなくなったら、洗浄を止め、固体
チタン触媒成分(1)を得た。
【0034】固体チタン触媒成分(1)のヘキサンスラ
リーの一部を採取して乾燥させ、乾燥物を分析した。重
量組成はチタン3.0%、塩素57%、マグネシウム1
7%および2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3
−ジメトキシプロパン18%であった。
【0035】[固体チタン触媒成分(2)の調製]無水
塩化マグネシウム4.28kg(45mol)、デカン2
6.6リットルおよび2−エチルヘキシルアルコール2
1.1リットル(135mol)を140℃で5時間加熱反
応させ、均一溶液とした。この溶液に無水フタル酸1k
g(6.78mol)を添加し、130℃でさらに1時間攪
拌混合し、均一溶液とした。
【0036】得られた均一溶液を室温まで冷却した後、
−20℃に保持された四塩化チタン120リットル(1
080mol)を2時間にわたって滴下した。得られた溶液
の温度を4時間かけて昇温し、110℃に達したとき
に、ジイソブチルフタレート3.02リットル(11.
3mol)を添加した。
【0037】さらに、溶液を110℃で2時間攪拌し。
反応させた。その後、反応混合物から熱濾過により固体
を採取し、固体を165リットルの四塩化チタンに入れ
た。得られたスラリーを110℃で2時間加熱反応させ
た。その後、再び反応混合物から熱濾過により固体を採
取し、110℃のデカンおよびヘキサンを用いて洗浄し
た。洗浄液中にチタンが検出されなくなったら、洗浄を
止め、固体チタン触媒成分(2)を得た。
【0038】固体チタン触媒成分(2)のヘキサンスラ
リーの一部を採取して乾燥させ、乾燥物を分析した。重
量組成は、チタン2.5%、塩素58%およびジイソブ
チルフタレート13.8%であった。
【0039】[ポリ−1−ブテン樹脂(1)の製造]内
容積200L の連続式重合器に、ヘキサン73L/h 、水
素10NL/h 、固体チタン触媒成分(1)をチタン原子
に換算して0.38mmol/h、トリエチルアルミニウム
(2)19mmol/h、およびシクロヘキシルメチルジメト
キシシラン(3)0.95mmol/hを供給しながら、1−
ブテンとプロピレンの共重合を、温度60℃、全圧3.
5kg/cm2、滞留時間1時間で行い、4.8kg/hのポリ−
1−ブテン樹脂(1)を得た。ポリ−1−ブテン樹脂
(1)の物性を表1に示す。極限粘度[η]は135
℃、デカリン中で測定した。
【0040】[ポリ−1−ブテン樹脂(2)の製造]ポ
リ−1−ブテン樹脂(1)の製造において、共重合成分
プロピレンを加えずに、固体チタン触媒成分(1)の代
わりに固体チタン触媒成分(2)を用い、有機金属化合
物成分トリエチルアルミニウム(2)の代わりに、トリ
イソブチルアルミニウムを用い、かつシクロヘキシルメ
チルジメトキシシラン(3)の代わりにジシクロペンチ
ルジメトキシシラン(4)を使用する以外は、樹脂
(1)の製造法と同様の方法で重合を行い、ポリ−1−
ブテン樹脂(2)を得た。ポリ−1−ブテン樹脂(2)
の物性を表1に示す。
【0041】[ポリ−1−ブテン樹脂(3)の製造]ポ
リ−1−ブテン樹脂(2)の製造において、水素の供給
量を重合器の気相部における水素/1−ブテンのモル比
が0.5となるように調整する以外は、樹脂(2)の製
造法と同様の方法で重合を行い、ポリ−1−ブテン樹脂
(3)を得た。ポリ−1−ブテン樹脂(3)の物性を表
1に示す。
【0042】
【0043】[ポリ−1−ブテン樹脂組成物の調製]ポ
リ−1−ブテン樹脂(1)または(2)の80重量部、
ポリ−1−ブテン樹脂(3)20重量部、核剤として高
密度ポリエチレン(密度 0.965g/cm3、MFR
13g/10min )0.2重量部、および表2に示す量の無
機物を配合して、ポリ−1−ブテン樹脂組成物を調製
し、この組成物を、40φの一軸押出機によりペレット
化した。なお、密度はASTM D1505により、M
FRはASTM D1238(荷重2.16kg、温度1
90℃)により測定した。
【0044】[パイプの製造]パイプ成形機(池貝
(株)製)を用い、設定温度180℃、冷却水温度11
℃、成形速度10m/minの条件で、前記ポリ−1−ブテ
ン樹脂組成物から、外径17mm、肉厚2mmのパイプを押
出成形した。得られた管を下記の方法に従ってカット性
試験に供した。結果を表2に示す。
【0045】[カット性試験]管をフレキカッター(VI
TOR 社製、VF−28)を用いて、管が潰れないように
しながら、1分間で切断した件数を数えた。これを5回
繰り返して、平均値を求め、カット性を評価した。
【0046】
【発明の効果】本発明のポリ1−ブテン樹脂組成物を成
形してなる管は、耐圧強度、高温での内圧クリープ性、
高温および低温特性、耐摩耗性、可撓性に優れるととも
に、カット性に優れるため、冷温水配管用に好適であ
る。本発明のポリ1−ブテン樹脂組成物は上記特性を活
かして、他の成形品の成形にも好適に使用される。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 9/12 F16L 9/12 Fターム(参考) 3H111 AA01 BA15 CB02 CB14 DA07 DA10 DA11 DA12 DB03 EA04 4F071 AA15 AA15X AA20 AA20X AA21 AA21X AB18 AB21 AB24 AB30 AE17 AH03 BA01 BB05 BB06 BC04 BC05 BC07 4J002 BB171 DE106 DE146 DE236 DE286 DG046 DJ046 FD016 GG01 GL00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ−1−ブテン樹脂100重量部と、硫
    酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク、水酸化アル
    ミニウム、リトポン、炭酸マグネシウムおよび鉛白から
    なる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を0.01
    〜10重量部含むことを特徴とするポリ−1−ブテン樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリ−1−ブテン樹脂100重量部と、無
    機物0.1〜5重量部を含むことを特徴とする請求項1
    に記載のポリ−1−ブテン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】無機物が硫酸亜鉛および/または酸化亜鉛
    であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のポリ−1−ブテン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】管材であることを特徴とする請求項1〜請
    求項3のいずれかに記載のポリ−1−ブテン樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】冷温水配管用管材であることを特徴とする
    請求項4に記載のポリ−1−ブテン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項4または請求項5に記載のポリ−1
    −ブテン樹脂組成物からなることを特徴とする管材。
  7. 【請求項7】請求項4または請求項5に記載のポリ−1
    −ブテン樹脂組成物からなることを特徴とするカット性
    に優れる管材。
  8. 【請求項8】請求項6または請求項7に記載の管材から
    なることを特徴とする管。
JP2001385703A 2000-12-27 2001-12-19 ポリ−1−ブテン樹脂組成物、それからなる管材および管 Pending JP2002256124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001385703A JP2002256124A (ja) 2000-12-27 2001-12-19 ポリ−1−ブテン樹脂組成物、それからなる管材および管

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000397520 2000-12-27
JP2000-397520 2000-12-27
JP2001385703A JP2002256124A (ja) 2000-12-27 2001-12-19 ポリ−1−ブテン樹脂組成物、それからなる管材および管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002256124A true JP2002256124A (ja) 2002-09-11

Family

ID=26606829

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001385703A Pending JP2002256124A (ja) 2000-12-27 2001-12-19 ポリ−1−ブテン樹脂組成物、それからなる管材および管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002256124A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006078078A1 (ja) * 2005-01-24 2006-07-27 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. プロピレン系樹脂製配管部材
JP2007186563A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Mitsui Chemicals Inc ポリブテン樹脂組成物
CN110330710A (zh) * 2019-06-04 2019-10-15 徐海松 一种耐压pe管材及其制备方法
CN110891978A (zh) * 2017-08-04 2020-03-17 巴塞尔聚烯烃意大利有限公司 具有高熔体流动速率的丁烯-1聚合物组合物
US11267912B2 (en) 2017-08-04 2022-03-08 Basell Poliolefine Italia S.R.L. Butene-1 polymer composition having high melt flow rate

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006078078A1 (ja) * 2005-01-24 2006-07-27 Asahi Organic Chemicals Industry Co., Ltd. プロピレン系樹脂製配管部材
JPWO2006078078A1 (ja) * 2005-01-24 2008-08-07 旭有機材工業株式会社 プロピレン系樹脂製配管部材
JP2007186563A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Mitsui Chemicals Inc ポリブテン樹脂組成物
CN110891978A (zh) * 2017-08-04 2020-03-17 巴塞尔聚烯烃意大利有限公司 具有高熔体流动速率的丁烯-1聚合物组合物
US11267912B2 (en) 2017-08-04 2022-03-08 Basell Poliolefine Italia S.R.L. Butene-1 polymer composition having high melt flow rate
CN110330710A (zh) * 2019-06-04 2019-10-15 徐海松 一种耐压pe管材及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU783600B2 (en) Polybutene resin, and pipe material and pipe comprising the same
EP1308466B1 (en) Butene copolymer, resin composition comprising the copolymer and moldings of the composition
KR20190083376A (ko) 마스터배치 조성물
US20130236671A1 (en) Resin and Pipes for Transporting Water Containing Chlorine Dioxide
US20160200909A1 (en) A Composition, Articles Made Therefrom, and Method of Making the Articles
KR100785836B1 (ko) 폴리-1-부텐 수지 조성물 및 그의 용도
US8627840B2 (en) Pipes for transporting water containing chloramine
JP2002256124A (ja) ポリ−1−ブテン樹脂組成物、それからなる管材および管
CN109923170B (zh) 母料组合物和包含该母料组合物的聚丙烯树脂组合物
JP2008208303A (ja) プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および射出成形体
JP6259751B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびその用途
JP2022149485A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及びその製造方法、並びに射出成形体
WO2020255873A1 (ja) 超高分子量プロピレン(共)重合体を含むポリプロピレン系樹脂組成物
JPH0314851A (ja) 軟質ポリプロピレン樹脂組成物
JP2020158652A (ja) プロピレン系重合体組成物およびその成形体
JP3976674B2 (ja) 配管部材用プロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる配管部材
JP2003041076A (ja) ポリ−1−ブテン樹脂組成物、それからなる管材および管
JPH0812827A (ja) ポリプロピレン組成物
JP6836372B2 (ja) ポリエチレン樹脂組成物、パイプ及び継手
JP2001114950A (ja) カレンダー加工用ポリプロピレン系組成物
JP2002265533A (ja) ポリブテン系樹脂およびその用途
JPH10298234A (ja) エチレン系重合体
KR20230052957A (ko) 폴리프로필렌 조성물, 이의 제조방법 및 이로부터 제조된 물품
JP2022095293A (ja) 射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及び射出成形体
JPH08134285A (ja) エチレン系共重合体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060809

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061219