JP2002253380A - シート構造 - Google Patents

シート構造

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JP2002253380A
JP2002253380A JP2001057851A JP2001057851A JP2002253380A JP 2002253380 A JP2002253380 A JP 2002253380A JP 2001057851 A JP2001057851 A JP 2001057851A JP 2001057851 A JP2001057851 A JP 2001057851A JP 2002253380 A JP2002253380 A JP 2002253380A
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JP
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seat cushion
cushion pad
seat
front edge
foam
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Application number
JP2001057851A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kazuno
淳 数野
Masanobu Sakano
雅信 坂野
Takanori Sugie
隆徳 杉江
Katsuya Sato
克也 佐藤
Kikuo Sekida
喜久男 関田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Publication date
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  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い減衰性を有し、同時に着座したときのフ
ィット感が優れたシート構造を提供する。 【解決手段】 支持フレーム部Bが、座面部の前方側下
部に配置され剛性機能を有する前縁部1と、この前縁部
1に接続され前縁部1から後方側に向けて延設・配置さ
れたS字状バネ2とを備えて構成される。シートクッシ
ョンパッドAは、その通気度が0.05〜1.5cfm
[1.41〜42.2L/min.]の範囲にあり、か
つコア層のヒステリシスロスが17%以下である。ポリ
ウレタンフォーム原料は、ポリオール成分として水酸基
価が20〜40mgKOH/g、末端がエチレンオキサ
イド単位であるポリエーテルポリオール30〜80重量
部、水酸基価が15〜30mgKOH/gのポリマーポ
リオール70〜20重量部、シリコン整泡剤、発泡剤、
及びTDI/MDI=70/30〜90/10のポリイ
ソシアネート化合物を構成原料とするものであり、シリ
コン整泡剤は、自由発泡フォーム高さの平均値が225
mm以上となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシート構造に関し、
詳しくは、自動車などの振動を伴う座席に使用されるシ
ート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車シートクッションの乗
り心地性を向上させるためには、JASO B−407
規定の振動伝達率特性に関して、人が不快と感じる振動
数領域(4〜10Hz:評価値としては6Hzの振動伝
達率が通常採用される)を大きく減衰させることが有効
であるといわれている。特に6Hz前後の振動は、車酔
いを起こす原因となる振動数といわれているため、ウレ
タンフォームからなる自動車用シートクッションパッド
と支持フレームとの組み合わせにおいても、前記振動伝
達率を低く抑えるための開発が行われてきた。
【0003】しかし、6Hzでの振動伝達率を低く抑え
た従来のシートクッションパッドは、振動伝達率特性に
おける、2〜4Hzに現れる共振倍率(共振ピーク)が
大きいため、乗員が自動車シートクッションに着座して
走行する際に、車体の振動によって身体の安定感がなく
なり、身体が上下に振れる感覚(いわゆるヒョコヒョコ
感)を十分に防止することができなかった。しかも、た
とえ身体の安定感が改善されるシートクッションパッド
が開発されたとしても、シートクッションパッドとフレ
ームとの組み合わせでは、シートクッションパッドの特
性が十分に発揮されない場合が多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうした事情から、自
動車をはじめとする車両用のシートクッションパッドと
フレームとの組み合わせは、乗員の車酔いや疲労を低減
するために、6Hz付近での振動伝達率を低く抑えるだ
けでなく、運転操作時の安全性向上(座席シートに着座
時の安定性向上)も必要であり、より広い範囲の振動数
においても低い振動伝達率を示すものが好ましいと考え
られる。
【0005】しかし、一般的に、振動工学的には、振動
伝達率特性曲線(縦軸:振動伝達率、横軸:振動数)
は、振動伝達率特性の2〜4Hzでの共振倍率を下げる
と、クッション性に関連する比較的高振動数(たとえ
ば、6Hz)での振動伝達率が上昇して、振動伝達率特
性曲線が全体的にブロードな曲線になる。すなわち、振
動伝達率特性曲線において、振動伝達率の低下と共振倍
率の低下とは二律背反する関係にあった。
【0006】そこで、本発明の目的は、2〜4Hzでの
共振倍率を低下させながら、しかも6Hz付近での振動
伝達率を従来と同等またはそれ以下に低下させうる、高
い減衰性を有し、同時に着座したときのフィット感が優
れた、シートクッションパッドとその下部に配置されて
シートクッションパッドを支持する支持フレーム部とを
有するシート構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は各請求項記載
の発明により達成される。すなわち、本発明に係るシー
ト構造の特徴構成は、金型内部にポリウレタンフォーム
原料を注入して成型されたスキン層とコア層を有するポ
リウレタンフォームからなると共に座面部が1層構造で
あるシートクッションパッドと、このシートクッション
パッドの下部に配置されてシートクッションパッドを支
持する支持フレーム部とを有していて、前記支持フレー
ム部が、前記座面部の前方側下部に配置され剛性機能を
有する前縁部と、この前縁部に接続され前縁部から後方
側に向けて延設・配置された弾性手段とを備えて構成さ
れていると共に、前記シートクッションパッドは、その
通気度が0.05〜1.5cfm[1.41〜42.2
L/min]の範囲にあり、かつ前記コア層のヒステリ
シスロスが17%以下であり、前記ポリウレタンフォー
ム原料は、ポリオール成分として水酸基価が20〜40
mgKOH/g、末端がエチレンオキサイド単位である
ポリエーテルポリオール30〜80重量部、水酸基価が
15〜30mgKOH/gのポリマーポリオール70〜
20重量部、シリコン整泡剤、発泡剤、及びTDI/M
DI=70/30〜90/10のポリイソシアネート化
合物を構成原料とするものであり、前記シリコン整泡剤
は、自由発泡フォーム高さの平均値が225mm以上と
なるものであることにある。
【0008】本発明者らは、ウレタンフォームからなる
シートクッションパッドの振動伝達率特性について鋭意
研究したところ、ウレタンフォームのコア層のヒステリ
シスロスを17%以下とし、かつスキン層を含めた通気
度を特定範囲になるように調整することにより、更には
このようなシートクッションパッドを支持フレーム部で
支持することによって、従来技術のシートクッションパ
ッドと支持フレーム部との組み合わせでは達成できなか
った上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成
したものである。
【0009】この構成によれば、ヒステリシスロスの調
整の自由度が高く、通気度が0.05〜1.5cfmで
かつコア層のヒステリシスロスが17%以下のシートク
ッションパッドが確実に得られるので、2〜4Hzでの
共振倍率を低下させながら、しかも6Hz付近での振動
伝達率を従来と同等またはそれ以下に低下させうる、高
い減衰性を有し、同時に着座したときのフィット感が優
れたシート構造が得られる。しかも、車両走行時のひょ
こひょこ感、腹部への圧迫感を確実に低減できるシート
構造を提供することができた。
【0010】前記末端がエチレンオキサイド単位である
ポリエーテルポリオールの水酸基価は、24〜36mg
KOH/gであることが、通気度、ヒステリシスロスが
目的の範囲であり、しかもシートクッションパッドとし
て要求される他の特性にも優れたものとなる。
【0011】ポリイソシアネート化合物として、トルエ
ンジイソシアネート(TDI)とジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)が当量比にて70/30〜90
/10の範囲にて混合された混合ジイソシアネート化合
物を使用することにより、通気度が0.05〜1.5c
fmの範囲にあり、かつコア層のヒステリシスロスが1
7%以下のシートクッションパッドを確実に製造するこ
とができる。
【0012】シリコン整泡剤として、ポリジメチルシロ
キサン、もしくは(化1)にて表され、該(化1)にお
いて共重合ポリエーテルにおけるエチレンオキサイド単
位mとプロピレンオキサイド単位nの当量比m/nが
0.4/0.6〜0.05/0.95である化合物であ
ることが好ましい。
【0013】
【化1】 (化1)において、Xは炭素数1〜4の有機残基、Rは
アルキル基又はアシル基であり、xは80〜250、y
は0〜50である。) 上述の本発明のシートクッションパッドは、前記通気度
が0.1〜1.5cfm[2.81〜42.2L/mi
n.]の範囲にあり、かつヒステリシスロスが15%以
下であることがより好ましい。通気度は、ASTM D
−1564(DOW法)に準拠して測定される。
【0014】シートクッションパッドにおけるスキン層
とコア部の間は連続的に変化しており、境界が明確に形
成されている訳ではないが、コア部のヒステリシスロス
は明確にコア層である部分を取り出して測定する。
【0015】本発明によると、後述する実施例の結果が
示すように、振動伝達率特性曲線における共振倍率が低
く、しかも6Hz付近での振動伝達率も従来と同等かま
たは従来よりも低いシートクッションパッドとなる。す
なわち、本発明によれば、どのような形状においても、
従来のシートクッションパッドより共振倍率、6Hzに
おける振動伝達率共に従来よりも低いシートクッション
パッドを得ることができる。
【0016】なお、通気度は、最終的に座席とする際に
被覆される布等のカバー部材を含めて測定した値ではな
く、シートクッションパッドのスキン層を含めて測定さ
れる特性である。
【0017】一方、本発明のシート構造に用いるシート
クッションパッドを特定する物理特性として示されたコ
ア層のヒステリシスロスは、通気度とは殆ど無関係であ
り、ポリウレタンフォームを構成するポリマーの種類に
より決まる特性である。またポリウレタンフォーム製の
シートクッションパッドの共振振動数はコア層のヒステ
リシスロスに依存(比例)し、共振振動数は共振倍率と
反比例の関係にあるとの新たな知見が得られた。これら
のことから、共振倍率が低く、しかも6Hzでの振動伝
達率が低いシートクッションパッドを実現するために共
振振動数を低下させるには、コア層のヒステリシスロス
の小さな材料の使用が有効であることが導かれたもので
ある。コア層のヒステリシスロスは、17%以下とする
ことが好ましく、15%以下とするのがより好ましく、
低いほど好ましい。
【0018】上記シートクッションパッドは、ポリウレ
タンフォームのコア密度は、50〜65kg/m3 であ
ることが、通気度が0.05〜1.5cfmでかつコア
層のヒステリシスロスが17%以下であり、自動車用シ
ートクッションパッドに要求される圧縮弾性率を全て充
たすシートクッションパッドが確実に得られ、しかも2
〜4Hzにおける共振倍率の低減と6Hz付近での振動
伝達率の低減に有効であり、好ましい。
【0019】前記弾性手段が、前記前縁部から後方側に
向けて略水平面に沿って延設・配置された、S字状バネ
であることが好ましい。
【0020】この構成によれば、この構成によれば、座
席を構成するシートクッションパッドにかかる押圧力を
略均等に支持可能となり、シートクッションパッドの特
性を忠実に反映できて都合がよく、しかも製造容易で製
造コストの高騰をもたらすことがない。
【0021】この場合、S字状バネは文字通りS字の繰
り返しからなる曲線形状の鋼線から形成されていてもよ
く、直線部と曲線部との組み合わせ形状であってもよ
く、更に比較的角張ったコの字に近似した形状であって
もよい。
【0022】前記S字状バネに補強用バネが接続されて
いてもよい。このようになっていると、乗員が着座した
りして荷重がかけられた場合に、両端部側に位置するS
字状バネの撓み(上下の撓みに加えて、シートの両外側
に向けて広がるように撓もうとする)に抗して均等な弾
性機能を維持できるので都合がよい。
【0023】共振振動数が3.8Hz以下の振動におい
て、共振倍率が4.0を越えないことが好ましい。
【0024】この構成によれば、高い減衰性を有し、同
時に着座したときのフィット感が一層優れたシート構造
を達成できて都合がよい。
【0025】ヒステリシスロスが20%以下であること
が好ましい。
【0026】この構成によれば、一層高い減衰率を実現
できて、振動を伴う場合に着座姿勢が安定しフィット感
が向上して都合がよい。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に係るシート構造の実施形
態を、以下に詳細に説明する。このシート構造は、図
1、2に示すように、金型内部にポリウレタンフォーム
原料を注入して成型されたスキン層とコア層を有するポ
リウレタンフォームからなると共に座面部が1層構造で
あるシートクッションパッドAと、このシートクッショ
ンパッドAの下部に配置されてシートクッションパッド
Aを支持する支持フレーム部Bとを有して構成されてい
る。
【0028】このシート構造に用いるシートクッション
パッドAを構成する軟質ポリウレタンフォームは、ポリ
オール化合物、ポリイソシアネート成分、発泡剤、触媒
および整泡剤を含有するポリウレタンフォーム原料から
成形される。
【0029】軟質ポリウレタンフォームに使用されるポ
リオール化合物は、得られるシートクッションパッドの
ヒステリシスロスの値が前記範囲内に入るものであれ
ば、その種類などは特に制限されないが、ポリオール化
合物としては、ポリオキシアルキレングリコールを用い
ることが、ヒステリシスロスの値を前記値以下に調整し
易く好ましい。
【0030】ポリオキシアルキレングリコールとして
は、通常、多官能性アルコール系化合物を開始剤に、こ
れにアルキレンオキサイドを付加させたいわゆるポリエ
ーテルポリオールが用いられる。
【0031】ポリイソシアネート化合物としては、シー
トクッションパッドの製造に通常使用される、イソシア
ネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族
系の各種のポリイソシアネート化合物、さらにはこれら
ポリイソシアネート化合物を変性して得られる変性ポリ
イソシアネート化合物を使用できる。また、ポリイソシ
アネート化合物は2種以上を併用してもよい。これらの
なかでも、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、クルードMDIが、反応性が高い
こと、シートクッションパッドの特性が良好であるこ
と、低コストであること等の理由で好ましい。トルエン
ジイソシアネートは、2,4−置換体と2,6−置換体
とがあるが、これらの混合物の使用が好ましく、2,4
−置換体/2,6−置換体混合比が90/10〜60/
40の混合物の使用が好適である。さらにトルエンジイ
ソシアネート:クルードMDIを70:30〜90:1
0、特に好ましくは80:20の重量比でブレンドした
ものの使用が、コア層のヒステリシスロスが17%以下
のフォームが確実に得られ、しかも発泡効率と反応硬化
性が良好で全体としての生産効率が高く、より好まし
い。
【0032】発泡剤としては水、HCFC−141b、
HFC−134a、HFC−245fa、HFC−36
5mfc等のハロゲン化炭化水素、シクロペンタンやn
−ペンタン等の低沸点脂肪族あるいは脂環式炭化水素、
液化炭酸ガス等があげられる。これらの発泡剤のなかで
も、液化炭酸ガスと水を併用することが好ましく、水を
単独で使用することが特に好ましい。発泡剤は、コア密
度が50〜65kg/m3 となるように添加される。
【0033】整泡剤としては、表1に記載の発泡原液組
成物により評価した自由発泡フォーム高さの平均値が2
25mm以上となるものを使用する。かかるシリコン系
整泡剤としては、ポリジメチルシロキサンやその誘導体
である公知の整泡剤は限定なく使用可能である。シリコ
ン系整泡剤としては市販品の使用が好適であり、具体的
には、SF2965,SF2962,SF2904,S
F2908,SRX294A,(東レダウコーニングシ
リコン製)、L−5366,L−5309(日本ユニカ
ー製)、B8680(ゴールドシュミット社製)等が市
販されている。
【0034】
【表1】 シートクッションパッドの製造において、必要に応じて
低分子量の多価活性水素化合物を使用することも好適な
態様であり、ヒステリシスロス、通気度、シートクッシ
ョンパッドの剛性を調整することが容易となる。このよ
うな低分子量の多価活性水素化合物としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価
アルコール類並びにこれらの多価アルコール類を開始剤
としてエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを重
合させて得られる水酸基価が300〜1000mgKO
H/gの化合物、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノー
ルアミン等のアルカノールアミン類などが例示される。
これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上
を混合して使用してもよい。これらの化合物を使用した
市販品の使用も好適であり、例えばKL−210(三井
化学社製)、ハードマスター17(第一工業製薬社
製)、EL−980(旭硝子社製)等が例示される。
【0035】前記ポリオール化合物、ポリイソシアネー
ト成分、発泡剤、触媒および整泡剤を含有してなるポリ
ウレタンフォーム原料における各成分の使用量は、通
常、以下の通りであるが、シートクッションパッドの通
気度を調整するため、その使用量を適宜に変更できるこ
とはいうまでもない。
【0036】ポリオール化合物を含むポリオール成分の
水酸基の当量とポリイソシアネート成分のイソシアネー
ト基の当量比(イソシアネートインデックス[NCO
index])は0.85〜1.15(指数表示では8
5〜115)となる範囲であることが好ましく、略等当
量1.0(指数表示では100)であることがより好ま
しい。発泡剤として水を使用する場合、水の使用量は、
通常ポリオール化合物100重量部に対して、0.1〜
8重量部、好ましくは2〜4重量部である。触媒の使用
量は、通常ポリオール化合物100重量部に対して、1
0重量部以下、好ましくは0.05〜1.0重量部であ
る。整泡剤の使用量は、通常ポリオール化合物100重
量部に対して、0.01〜5重量部(可塑剤等で希釈し
た整泡剤の場合には有効成分を基準とする)、好ましく
は0.1〜2重量部である。
【0037】整泡剤を使用した通気度の調整は、ポリウ
レタンフォームの気泡(セル)径を調整することにより
行うことが可能である。セル径を小さくすると通気度を
低下させることができる。
【0038】なお、こうしてシートクッションパッドで
ある所定形状に成形されたポリウレタンフォームが得ら
れるが、シートクッションパッドの裏面には、例えばポ
リウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチ
レンまたはその発泡体からなる樹脂のサポーターやPP
クロス、粗毛布、不織布などのサポーター(補強材)
を、成形時に予め金型にインサートする一体成形法ない
しフォーム成形後の接着により積層することもできる。
【0039】実際に車両に装着される座席シート等は、
上記したシートクッションパッドに本皮、モケット、ト
リコット、ジャージ、織物などの外層を被覆し、さらに
以下に説明する支持フレーム部を取り付けて車両の組み
立てに供される。外層をシートクッションパッドに被覆
する際には、シートクッションパッドに面ファスナーの
1部材を接着などにより取り付けることも好適である。
【0040】次に、シートクッションパッドAを支持す
る支持フレーム部Bを説明する。支持フレーム部Bは、
図2に示すように、シートクッションパッドAの座面部
の前方側下部に配置され剛性機能を有する前縁部1と、
この前縁部1に接続され前縁部1から後方側に向けて延
設・配置された弾性手段である4本のS字状バネ2とを
備えると共に、更にS字状バネ2の延設方向とは略直交
する方向にその長辺が配置され、略長方形をした閉鎖形
状の補強用バネ3がS字状バネ2と接続されている。も
っとも、補強用バネ3は必ずしも必要ではないが、図2
に示すように補強用バネ3を配置すると、乗員が着座し
たりして荷重がかけられた場合に、両端部側に位置する
S字状バネ2の撓み(上下の撓みに加えて、シートの両
外側に向けて広がるように撓もうとする)に抗して均等
な弾性機能を維持できるので都合がよい。S字状バネ2
と補強用バネ3との接続は、溶接・接合してもよいし、
S字状バネ2と補強用バネ3との重なり箇所に鋼板を折
り曲げて被覆しつつクリップ方式で固着してもよく、種
々の接続方法を採用できる。
【0041】S字状バネ2は、直線部2aと曲線部2b
との組み合わせ形状になっていて、長手方向の一端は前
縁部1に接続されていると共に、他端は支持フレーム部
Bを構成する連結ロッド4と接続されている。その接続
方法についても、シート構造として所定強度が確保され
れば、特に限定されるものではない。図2では、S字状
バネ2を4本設けた例を示したが、使用本数はもとより
これに限定されるものではなく、その他、鋼線種、バネ
材としての特性などについても使用目的、例えば車種な
どに応じて適宜選択可能である。
【0042】
【実施例】以下に実施例について説明する。なお、用い
た物性などの評価方法は次の通りである。
【0043】〔シートクッションパッドの物理物性〕 a)25%ILD(Indentation Load
Deflection):シートクッションパッドを
直径200mmの加圧板で25%圧縮したときの荷重で
ある(JIS K6400準拠)。この値は、20kg
f程度とすることが、座り心地の点で好適である。
【0044】b)通気度(cfm):ASTM D−1
564に準拠して測定した。即ち、シートクッションパ
ッドの着座面となる、ヒップポイント下のスキン部を含
めて縦50mm、横50mm、厚さ25mmの測定サン
プルを3箇所から採取して、FLUID DATA社製
の測定器を用いて計測した値である(DOW法)。
【0045】c)ヒステリシスロス(%):シートクッ
ションパッドのコア部(スキン層を除いて)から縦10
0mm、横100mm、厚さ少なくとも30mmの測定
サンプルを採取して、JIS K−6400に準拠して
測定した。取り除いたスキン層は約10mmである。 d)コア密度(kg/m3 ):シートクッションパッド
のコア部について測定した密度である。 e)ヒョコヒョコ感、腹部への圧迫感:シートクッショ
ンを車両に実際に装着し、5人のパネラーが乗車して走
行し、実車による官能評価を行った。厚さ100mmの
サンプルは実型ではないので、実車評価は行わなかっ
た。
【0046】〔シートクッションパッドの振動伝達率特
性〕JASO B−407に準拠して、50kgの鉄研
形加圧板を負荷し振幅±2.5mmで強制振動試験を行
うことにより得られた振動伝達率曲線から、共振振動数
(H z)、共振倍率、振動伝達率(6Hz、10Hz)
を計測した。振動特性の計測には、シートクッション振
動試験機C−1002DL(伊藤精機(株)製)を使用
した。
【0047】〔支持フレーム部にシートクッションパッ
ドを載置したシート構造の振動伝達率特性〕同様に、J
ASO B−407(但し、JM-50 50kg 鉄研形加圧板
使用)に準拠して行った。
【0048】〔自由発泡フォーム高さ〕上述の表1に示
した配合に基づき、イソシアネート成分を除くポリオー
ル成分を全量が約600g(1回の使用量約107gの
5回分相当量)となるように秤量し、容量1リットルの
円筒型容器に入れ、オートホモミキサーAM−M(特殊
機化工業製)を使用し、直径40mm、エッジ高さ5m
mのディスパー羽根を6枚1組で2段、合計12枚を装
着し、3500rpmにて5分撹拌してポリオール成分
を調整した。このポリオール成分を12時間〜20時間
静置し、底部の直径が105mm,開口部の直径が14
0mm,高さが195mmの円錐台状の容器としてデス
ポカップ2リットル(井内盛栄堂社製)を発泡容器と
し、この発泡容器に所定量を秤取し、上記オートホモミ
キサーAM−Mにより3500rpmにて5秒間撹拌
し、直ちにNCO index=1.0(指数表示にて
100)となるようにイソシアネート成分を添加し、3
500rpmにて7秒間撹拌して発泡組成物とし、静置
して発泡させた。発泡組成物は全量が147.3gとな
るように混合し、ポリオール成分、イソシアネート成分
はいずれも25℃に温度調節して使用した。自由発泡フ
ォーム高さは、図4に例示したように、発泡体を含む発
泡容器を水平台の上に載置し、金尺を使用して高さを測
定して求めた。自由発泡フォーム高さの測定状況を図4
に示す。また、自由発泡フォーム高さ(単位mm)の測
定結果は、最大値244mm、最小値233mm、平均
値238.0mmを示した。自由発泡は5回行い、最大
値、最小値、5回の平均値を示した。シリコン整泡剤
は、上記したように、ポリジメチルシロキサン、もしく
は(化1)にて表され、該(化1)において共重合ポリ
エーテルにおけるエチレンオキサイド単位mとプロピレ
ンオキサイド単位nの当量比m/nが0.4/0.6〜
0.05/0.95である化合物であることが好まし
い。
【0049】〔シートクッションパッドの作製〕シート
クッションパッドの製造に使用したポリウレタンフォー
ム原料は表1にまとめて示した。表1において、整泡剤
のx/y比、m/n比は、NMRにより実測した値であ
る。測定は、FT−NMR DPX400S(BURK
ER社製)を使用し、整泡剤を重クロロホルム2重量%
溶液として測定した。x/y,m/nはそれぞれ式 x/y=〔(P3−1.5×P5)/6〕/(P5/
2) m/n=〔(P1−P2−P5)/4〕/(P2/3) にて求めた。ここに、P1,P2,P3,P5は(化
2)における下記のH P1:−OCH2 −基、−OCH−基のH(3.0〜
4.0ppm) P2:C−CH3 基のH(1.1ppm付近) P3:Si−CH3 基のH(0ppm付近) P5:X基におけるSi−CH2 −基のH(0.45p
pm付近) の積分値である。
【0050】(実施例1および比較例1)実施例1およ
び比較例1のシートクッションパッドの製造に使用した
配合を表2に示す。表2に記載の成分を同表に記載の重
量比率で常法にて配合し、均一に混合した後、所定量を
所定形状の金型に注入し、発泡硬化させてシートクッシ
ョンパッドを得た。
【0051】シートクッションパッドは、実車用のシー
トクッションパッドの座部製作金型を使用し、座面部の
厚さが90mmのものを作製した。
【0052】
【表2】 シートクッションパッドの座部形状を図3に示す。図3
は前後方向、即ち人が着座した場合の前後方向の断面形
状を示したものであり、(a)位置が座部であり、厚さ
が90mmである。
【0053】ILD測定位置は、シートクッションパッ
ドの座面部であり、図3に示されている。また通気度を
測定したヒップポイント下位置は、このILD測定位置
近傍である。
【0054】得られたシートクッションパッド及びシー
ト構造の物理特性測定結果およびヒョコヒョコ感の評価
結果を、夫々表3、表4に示した。尚、シートクッショ
ンパッドに関する測定は、定尺サンプル(400×40
0×100t)で行ったが、シート構造の測定は実型で
行った。
【0055】
【表3】 (ヒスロス=ヒステリシスロス)
【表4】 (ヒスロス=ヒステリシスロス) 表3、表4に示すように、本実施例のシート構造は、シ
ートクッションパッドの特性であるヒステリシスロスを
所定の範囲内としているため、実際のシート構造とした
ときのヒョコヒョコ感、腹部への圧迫感は良好なもので
あり、しかも着座時のフィット感も良好であった。
【0056】一方、比較例1では、共振倍率が大きく、
実際のシート構造としたときのヒョコヒョコ感、腹部へ
の圧迫感を満足するものではなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート構造を用いて支持フレーム
部にシートクッションパッドを載置した一実施形態を示
す斜視図
【図2】図1の支持フレーム部を示す要部斜視図
【図3】座面部の厚さが90mmのシートクッションパ
ッドの例の断面図
【図4】自由発泡フォーム高さの測定方法を示した図
【符号の説明】
1 前縁部 2 弾性手段 A シートクッションパッド B 支持フレーム部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 18/63 C08G 18/63 F //(C08G 18/63 (C08G 18/63 F 101:00) 101:00) (72)発明者 杉江 隆徳 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 克也 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 関田 喜久男 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3B084 CA01 CB01 3B096 AB07 4J034 BA07 DA01 DB03 DB07 DG02 DG03 DQ01 HA01 HA07 HA14 HC12 HC61 HC64 HC67 HC71 JA01 NA01 NA08 QA02 QA07 QB14 QB15 QC02 RA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内部にポリウレタンフォーム原料を
    注入して成型されたスキン層とコア層を有するポリウレ
    タンフォームからなると共に座面部が1層構造であるシ
    ートクッションパッドと、このシートクッションパッド
    の下部に配置されてシートクッションパッドを支持する
    支持フレーム部とを有するシート構造において、 前記支持フレーム部が、前記座面部の前方側下部に配置
    され剛性機能を有する前縁部と、この前縁部に接続され
    前縁部から後方側に向けて延設・配置された弾性手段と
    を備えて構成されていると共に、 前記シートクッションパッドは、その通気度が0.05
    〜1.5cfm[1.41〜42.2L/min.]の
    範囲にあり、かつ前記コア層のヒステリシスロスが17
    %以下であり、 前記ポリウレタンフォーム原料は、ポリオール成分とし
    て水酸基価が20〜40mgKOH/g、末端がエチレ
    ンオキサイド単位であるポリエーテルポリオール30〜
    80重量部、水酸基価が15〜30mgKOH/gのポ
    リマーポリオール70〜20重量部、シリコン整泡剤、
    発泡剤、及びTDI/MDI=70/30〜90/10
    のポリイソシアネート化合物を構成原料とするものであ
    り、 前記シリコン整泡剤は、自由発泡フォーム高さの平均値
    が225mm以上となるものであることを特徴とするシ
    ート構造。
  2. 【請求項2】 前記弾性手段が、前記前縁部から後方側
    に向けて略水平面に沿って延設・配置された、S字状バ
    ネである請求項1のシート構造。
  3. 【請求項3】 共振振動数が3.8Hz以下の振動にお
    いて、共振倍率が4.0を越えない請求項1又は2のシ
    ート構造。
  4. 【請求項4】 ヒステリシスロスが20%以下である請
    求項1〜3のいずれか1のシート構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005079631A1 (en) * 2004-02-24 2005-09-01 Imetali, Inc. Flame-retardant seat

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