JP2002251144A - ディスプレイ用フィルタ、表示装置およびその製造方法 - Google Patents

ディスプレイ用フィルタ、表示装置およびその製造方法

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JP2002251144A JP2001023071A JP2001023071A JP2002251144A JP 2002251144 A JP2002251144 A JP 2002251144A JP 2001023071 A JP2001023071 A JP 2001023071A JP 2001023071 A JP2001023071 A JP 2001023071A JP 2002251144 A JP2002251144 A JP 2002251144A
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Tomoyuki Okamura
友之 岡村
Toshihisa Kitagawa
敏久 北河
Hiroaki Saigo
宏明 西郷
Shin Fukuda
福田  伸
Fumiharu Yamazaki
文晴 山▲崎▼
Taizo Nishimoto
泰三 西本
Tsutayoshi Misawa
伝美 三沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波シールド能や近赤外線カット能、画質
改善能などの所望のフィルタ特性を有し、低コスト、軽
量薄型化、パネル保護性、不具合発生時の作業性、生産
性の向上などの改善を図ることができるディスプレイ用
フィルタ、並びに該フィルタを搭載した表示装置及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 ディスプレイ用フィルタは、色素を含有
する透明粘着層(C)31、高分子フィルム(B)2
0、透明導電層(D)10、透明粘着層(E)40、反
射防止性、ハードコート性、ガスバリア性、静電気防止
性、防汚性を有する機能性透明層(A)60が順次積層
されて構成され、ディスプレイ表示部00の上に接着さ
れ、透明導電層(D)10は電極50、導電性銅箔粘着
テープ80を介してディスプレイのグランド端子に接地
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばプラズマ
ディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶
表示装置(LCD)等のディスプレイの画面上に設置さ
れ、ディスプレイ画面から発生する電磁波のうち可視光
以外の電磁波を遮蔽可能なフィルタ特性、及び/又は可
視光スペクトルを補正可能なフィルタ特性を有するディ
スプレイ用フィルタ、並びに該フィルタを搭載した表示
装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】社会の高度情報化に伴って、光エレクト
ロニクス関連の部品、機器は著しく進歩、普及してい
る。そのなかでも、ディスプレイはテレビジョン用、パ
ーソナルコンピューター用等として著しく普及し、その
薄型化、大型化が要望されている。大型の薄型ディスプ
レイとしてプラズマディスプレイが注目されている。プ
ラズマディスプレイは、その構造や動作原理上、表示画
面から強度の漏洩電磁界、近赤外線を発生する。
【0003】近年、電子機器からの漏洩電磁界が人体や
他の機器に与える影響について取り沙汰されるようにな
っており、例えば、漏洩電磁界を、日本のVCCI(Vo
luntary Control Council for Interference by data p
rocessing equipmentelectronic office machine)によ
る基準値内に抑えることが必要となる。
【0004】また、ディスプレイ画面からの近赤外線
は、コードレスフォン等の周辺電子機器に作用して誤動
作を引き起こす可能性がある。リモコンや伝送系光通信
では波長820nm,880nm,980nm等の近赤
外線が使用されているため、近赤外領域である800〜
1100nmの波長領域の光を実用上問題ないレベルま
で抑圧する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近赤外線のカットに関
して、従来、近赤外線吸収色素を用いて作製された近赤
外吸収フィルターを用いることが知られている。しかし
ながら、近赤外線吸収色素は、湿度、熱、光といった環
境による劣化を受けやすく、色素を用いた近赤外吸収フ
ィルタは経時とともに近赤外線カット能の低下、フィル
タの透過色の変化、等の光学特性の変化を生じる傾向が
ある。
【0006】特にプラズマディスプレイでは、広い波長
領域に渡って強度の近赤外線が発生するため、広い波長
領域に渡って近赤外領域の吸収率の大きい近赤外吸収フ
ィルタを使用する必要がある。従来の近赤外線吸収フィ
ルタでは可視光線透過率が低いものしか実現していな
い。
【0007】一方、漏洩電磁界のカットに関して、ディ
スプレイ画面の表面を導電性の高い導電物で覆う必要が
ある。この方法として透明導電層が用いられるが、この
透明導電層は、導電性メッシュと透明導電性薄膜の2つ
に大別される。導電性メッシュには、アースした金属メ
ッシュ、合成繊維または金属繊維のメッシュに金属被覆
したもの、または、金属膜を形成後に格子パターン状に
エッチング処理したエッチング膜等が用いられるが、こ
れらの導電性メッシュは、導電性が高く電磁波シールド
性能に優れるが、光の干渉による縞の発生、歩留りの悪
さによるコスト高などで難がある。
【0008】導電性メッシュの代わりに、金属薄膜や酸
化物半導体薄膜等から成る透明導電性薄膜を電磁波シー
ルド層として用いる方法がある。金属薄膜は、良好な導
電性は得られるが、広い波長領域にわたる金属の反射及
び吸収により可視光線透過率の高いものは得られない。
酸化物半導体薄膜は、金属薄膜に比べ透明性に優れるも
のの、導電性に劣り、しかも、近赤外線の反射能は乏し
い。上記したように、漏洩電磁界のカットを目的とした
透明導電層には、そのシールド性能を重視する場合には
導電性メッシュが、コスト性を重視する場合には、透明
導電性薄膜をそれぞれ用いる場合が多い。
【0009】また、ディスプレイの色純度を改善する試
みとして色素を用いる方法が、例えば、特開昭58−1
53904号、特開昭60−22102号、特開昭59
−221943号等に記載されている。特開昭58−1
53904号は、プラズマ表示パネル(プラズマディス
プレイパネル)への適用について言及している。
【0010】しかしながら、これらの先行技術には、プ
ラズマディスプレイパネルに用いる際に必須となる電磁
波シールドとしての透明導電層と、色素との組み合わせ
については何ら言及がなく、用いる色素についての具体
的な言及もない。
【0011】プラズマディスプレイ用フィルタは、ディ
スプレイと別体に形成し、ディスプレイの前面板とし
て、近赤外線、電磁波遮蔽、表示画面の保護を目的に設
置することが考えられる。しかしながら、前面板方式
は、その構成部材数・製造工程数が多いためコストが高
くなり、薄型・軽量化が困難になる。
【0012】さらに、プラズマディスプレイ表示部の表
面反射は一般に低減されておらず、ガラス基板の反射率
を有しているので、熱設計等の観点から前面板を表示部
と離して設置する場合には、ディスプレイ表面の外光反
射と前面板の外光反射により、反射映像が二重以上にな
ってしまい、ディスプレイの視認性を低下させることが
ある。また、プラズマディスプレイは、画面表面におけ
るガラスの反射や蛍光体の反射により、明所コントラス
トが低く、加えて発光の色再現範囲が狭いという特性を
有する。
【0013】一方、前面板を除去し、ディスプレイパネ
ル上に光学フィルムを直接貼合わせることが特開平10
−156991、特開平10−188822、2000
−98131などで提案されている。しかしながら、こ
れらの先行技術はいずれも、透明高分子フィルム全体の
合計厚さに対する規定はなく、また耐衝撃性の付与につ
いて具体的な言及はなされていない。
【0014】一方、特開平10−2111688では、
外部からの衝撃を吸収するために、直接貼合わせ用の光
学フィルムを厚さ1mm以上の透明高分子シートに積層
して使用するとの提案がある。しかしながら、厚さ1m
m以上の透明高分子シートは、ロール形態からの連続貼
合わせ工程やディスプレイへの直接貼合わせは実用上困
難であり、実施例でも厚さ3mmのアクリルシートに貼
合わせていることから、枚葉貼合わせ型の従来前面板型
フィルターの改良を意図したものであることは明らかで
ある。
【0015】一般に、本発明の利用分野における各機能
を有した透明高分子フィルムは、ロール形態にて使用さ
れているが、作業効率などの観点から、通常厚さ75〜
100μmのものが使われる。従って、単純に機能を有
する2枚の透明高分子フィルムを貼合わせた場合、その
厚さ合計は0.3mmに満たない。また、反射防止フィ
ルムでは、一部厚さ188μmのものも利用されている
が、ベースフィルムはポリエチレンテレフタレート(P
ET)であり、好適に用いられるベースフィルム厚さ8
0μmのトリアセチルセルロース(TAC)に比べ反射
防止性が劣るため、フィルム同士の貼合わせ用にこれが
積極的に用いられることはない。
【0016】また、ディスプレイパネル本体に直接フィ
ルムを貼合わせる場合には、ディスプレイ自体が高価で
あるため、不具合発生時のフィルム剥離処理が不可欠と
なるが、この作業性については上記先行特許では言及さ
れていない。また、ディスプレイへのフィルム貼合わせ
に関しては、既に液晶ディスプレイやフラットテレビな
どにおいて実施されているが、プラズマディスプレイで
は面積が大幅に大きくなることから、既存のディスプレ
イ以上に、剥離に力を必要とするため手間がかかる、デ
ィスプレイ表面上への糊残りが発生しやすいなど、作業
上の問題がある。
【0017】また、電磁波シールド体においては、電磁
波を電流として外部に取り出す電極を用いて、透明導電
層と外部との導通を得なければならない。その手法とし
ては、透明導電層上に保護などの目的でフィルムを貼合
わせる際に、フィルターの周囲に当該層が一部露出する
ようにして貼合わせ、この部分を電極として外部との導
通を行う部位とすることが挙げられる。従来、前面板へ
のフィルム貼付けによって得られる電磁波シールド体
は、この手法によって外部との導通を得ていた。透明導
電層を露出させるための方法としては、透明導電層上に
貼合わせるフィルムの面積を透明導電層の面積より少し
小さくする等の方法が行われていた。
【0018】この方法を用いると剛性の高い板等に透明
導電層を有するフィルムを枚葉でまず貼付け、さらにそ
れよりも面積が小さい保護フィルムを枚葉で貼合わせる
という2回の枚葉貼合わせ作業が必要であるため、生産
性に問題がある。
【0019】また、従来前面板へのフィルム貼付けによ
って得られる電磁波シールド体においては、全周部分に
電極を設けていた。この方法を用いると電極形成作業を
枚葉で行う必要があり、生産性に問題がある。
【0020】本発明の目的は、上記従来技術に鑑み、電
磁波シールド能や近赤外線カット能、画質改善能などの
所望のフィルタ特性を有し、低コスト、軽量薄型化、パ
ネル保護性、不具合発生時の作業性、生産性の向上など
の改善を図ることができるディスプレイ用フィルタ、並
びに該フィルタを搭載した表示装置及びその製造方法を
提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、1)プラズマ
ディスプレイから発生する非常に強度な電磁波を遮蔽す
るには、面抵抗0.01〜30Ω/□の透明導電層が必
要であること、2)このような透明導電層を備えた電磁波
シールド体をプラズマディスプレイ表面に直接形成する
ことによって、電磁波シールド能、近赤外線カット能、
画像・視認性・コストに優れるプラズマディスプレイを
用いた表示装置が得られること、3)特定の層構成を有
し、色素を含有し、且つ、可視光線透過率が30〜85
%である調光フィルムをディスプレイ表面に直接形成す
ることによって、画像・視認性・コストに優れるディス
プレイを用いた表示装置が得られること、4)光学フィル
ターを構成する透明高分子高分子フィルムの合計厚さを
0.3mm以上とし、それをディスプレイ前面に直接貼
合わせることで、軽量薄型化とパネル保護性を両立した
上に、作業性の向上が得られること、5)電極を形成位置
を制限し、例えば長方形の光学フィルターの場合、一組
の向かい合う2辺のみに電極を形成すること及び電極の
形状を工夫することにより、高い生産効率を有するロー
ルツーロール方式で電極形成を行なうことができるこ
と、等を見出し、本発明に至った。
【0022】本発明は、ディスプレイ画面に接着可能
で、所定のフィルタ特性を有するディスプレイ用フィル
タであって、外気側に設けられ、反射防止性及び/又は
防眩性を有する機能性透明層(A)と、ディスプレイ側
に設けられ、画面に接着するための透明粘着層(C)
と、機能性透明層(A)と透明粘着層(C)との間に基
体として設けられた高分子フィルム(B)とを備えるこ
とを特徴とするディスプレイ用フィルタである。
【0023】また本発明は、機能性透明層(A)と高分
子フィルム(B)との間、及び/又は高分子フィルム
(B)と透明粘着層(C)との間に設けられ、0.01
〜30Ω/□の面抵抗を有する透明導電層(D)を備え
ることが好ましい。
【0024】また本発明は、透明導電層(D)の一部も
しくは全てが、導電性メッシュで構成されることが好ま
しい。
【0025】また本発明は、透明導電層(D)は、高屈
折率透明薄膜層(Dt)及び金属薄膜層(Dm)の組合
せ(Dt)/(Dm)を繰り返し単位として2回〜4回
繰り返して積層され、さらにその上に高屈折率薄膜層
(Dt)が積層されて構成されることが好ましい。
【0026】また本発明は、複数の高屈折率透明薄膜層
(Dt)のうち少なくとも一つの層が、インジウム、ス
ズ及び亜鉛のいずれか1種以上を主成分とする酸化物で
形成されることが好ましい。
【0027】また本発明は、複数の金属薄膜層(Dm)
のうち少なくとも一つの層が、銀又は銀合金で形成され
ることが好ましい。
【0028】また本発明は、機能性透明層(A)は、ハ
ードコート性、静電気防止性、防汚性、ガスバリア性お
よび紫外線カット性のうち少なくとも1つの機能をさら
に有することが好ましい。
【0029】また本発明は、機能性透明層(A)と高分
子フィルム(B)との間に、粘着層(E)が設けられる
ことが好ましい。
【0030】また本発明は、高分子フィルム(B)の両
面または片面に、ハードコート層(F)が形成されるこ
とが好ましい。
【0031】また本発明は、機能性透明層(A)、高分
子フィルム(B)、透明粘着層(C)、透明導電層
(D)、粘着層(E)およびハードコート層(F)のう
ち少なくとも1つの層に、1種以上の色素が含有される
ことが好ましい。
【0032】また本発明は、波長570〜605nmの
範囲に吸収極大を有する色素が含有されることが好まし
い。
【0033】また本発明は、前記色素は、テトラアザポ
ルフィリン化合物であることが好ましい。
【0034】また本発明は、テトラアザポルフィリン化
合物は、下記の化学式(1)で表される化合物であるこ
とが好ましい。
【0035】
【化2】
【0036】(式中、A1〜A8はそれぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ
基、スルホン酸基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロ
ゲノアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル
基、アリールオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアル
キルアミノ基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリ
ール基、アルキルチオ基、又はアリールチオ基を表し、
1とA2、A3とA4、A5とA6、A7とA8はそれぞれ独
立に、連結基を介して芳香族環を除く環を形成しても良
く、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の1置
換金属原子、4価の2置換金属原子、又はオキシ金属原
子を表す。)また本発明は、波長800〜1100nm
の範囲に吸収極大を有する近赤外線吸収色素が含有され
ることが好ましい。
【0037】また本発明は、機能性透明層(A)の表面
において、可視光線反射率が2%以下であることが好ま
しい。
【0038】また本発明は、30〜85%の可視光線透
過率を有することが好ましい。また本発明は、波長80
0〜1100nmにおける透過率極小が20%以下であ
ることが好ましい。
【0039】また本発明は、フィルタ全体における高分
子フィルムの厚さ合計が0.3mm以上であることが好
ましい。
【0040】また本発明は、色素が含有可能な厚さ嵩上
げ用の高分子フィルムを備えることが好ましい。
【0041】また本発明は、透明導電層(D)と電気接
続する電極が形成されることが好ましい。
【0042】また本発明は、フィルタの周縁部に、透明
導電層(D)と電気接続する電極が周方向に沿って連続
的に形成されることが好ましい。
【0043】また本発明は、一部露出した導通部に電極
が形成されることが好ましい。また本発明は、フィルタ
形状が長方形であり、対向した2つの周辺に電極が形成
されることが好ましい。
【0044】また本発明は、フィルタの周縁端面に、透
明導電層(D)と電気接続する電極が形成されることが
好ましい。
【0045】また本発明は、フィルタの厚さ方向に沿っ
て最表面から少なくとも透明導電層(D)に連通する連
通孔が形成され、該連通孔の内部に、透明導電層(D)
と電気接続する電極が形成されることが好ましい。
【0046】また本発明は、透明導電層(D)とこれに
隣接する層との間に導電性テープが介在することが好ま
しい。
【0047】また本発明は、画像を表示するためのディ
スプレイと、ディスプレイ画面に設けられ、上記のディ
スプレイ用フィルタとを備えることを特徴する表示装置
である。
【0048】また本発明は、表示装置のディスプレイ画
面に、上記のディスプレイ用フィルタを透明粘着層
(C)を介して貼合わせる工程と、表示装置のグランド
導体と透明導電層(D)の電極とを電気接続する工程と
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法である。
【0049】また本発明は、表示装置のディスプレイ画
面に、高分子フィルム(B)、透明導電層(D)、およ
び透明粘着層(C)を含む積層フィルタを透明粘着層
(C)を介して貼合わせる工程と、該積層フィルタの上
に、直接又は第2の粘着層を介して、反射防止性及び/
又は防眩性を有する機能性透明層(A)を配置する工程
と、表示装置のグランド導体と透明導電層(D)とを電
気接続する工程とを含むことを特徴とする表示装置の製
造方法である。
【0050】また本発明は、表示装置のディスプレイ画
面に、粘着層を配置する工程と、高分子フィルム
(B)、透明導電層(D)、および反射防止性及び/又
は防眩性を有する機能性透明層(A)を含む積層フィル
タを前記粘着層を介して貼合わせる工程と、表示装置の
グランド導体と透明導電層(D)とを電気接続する工程
とを含むことを特徴とする表示装置の製造方法である。
【0051】また本発明は、表示装置のディスプレイ画
面に、粘着層を配置する工程と、高分子フィルム(B)
および、透明導電層(D)を含む積層フィルタを前記粘
着層を介して貼合わせる工程と、該積層フィルタの上
に、直接又は第2の粘着層を介して、反射防止性及び/
又は防眩性を有する機能性透明層(A)を配置する工程
と、表示装置のグランド導体と透明導電層(D)とを電
気接続する工程とを含むことを特徴とする表示装置の製
造方法である。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明に係るディスプレイ用フィ
ルタは、波長570〜605nmの範囲に吸収極大を有
する色素を含有することによって、ディスプレイ画面の
可視光スペクトルを補正するフィルタ特性を有する調光
フィルムとして機能する。
【0053】また、本発明に係るディスプレイ用フィル
タは、面抵抗0.01〜30Ω/□の透明導電層を備え
ることによって、ディスプレイ画面からの電磁波を遮断
するフィルタ特性を有する電磁波シールド体として機能
する。
【0054】また、本発明に係るディスプレイ用フィル
タは、波長800〜1100nmの範囲に吸収極大を有
する近赤外線吸収色素が含有することによって、ディス
プレイ画面からの近赤外線を遮断するフィルタ特性を有
する近赤外線フィルタとして機能する。
【0055】これらの機能を有するディスプレイ用フィ
ルタをプラズマディスプレイ等のディスプレイ表面に直
接貼付けることによって、低コスト、軽量薄型化、パネ
ル保護性、不具合発生時の作業性、生産性の向上などの
改善を図ることができる。
【0056】本発明に係る電磁波シールド体は、少なく
とも、高分子フィルム(B)の一方の主面上に形成した
少なくとも面抵抗0.01〜30Ω/□の透明導電層
(D)と、高分子フィルム(B)の他方の主面上に形成
される透明粘着層(C)を有し、さらに該透明導電層
(D)上に導通部、及び、直接又は透明粘着層を介して
形成された機能性透明層(A)を有する。
【0057】また、本発明に係る電磁波シールド体は、
少なくとも、高分子フィルム(B)の一方の主面上に形
成された少なくとも面抵抗0.01〜30Ω/□の透明
導電層(D)と、高分子フィルム(B)の他方の主面上
に形成された機能性透明層(A)とを有し、さらに、該
透明導電層(D)上に、導電性粘着層および透明粘着層
(C)を有する。
【0058】また、本発明に係る電磁波シールド体は、
少なくとも、高分子フィルム(B)、該高分子フィルム
(B)の一方の主面上に形成された少なくとも面抵抗
0.01〜30Ω/□の透明導電層(D)、透明粘着層
(C)、高分子フィルム(B)の他方の主面上に形成さ
れた機能性透明層(A)、を有する。
【0059】また、本発明に係る調光フィルムは、少な
くとも、高分子フィルム(B)、該高分子フィルム
(B)の一方の主面上に形成された反射防止性及び/又
は防眩性を有する機能性透明層(A)、該高分子フィル
ム(B)の他方の主面上に形成された透明粘着層(C)
を有し、且つ、色素を含有し、可視光線透過率が55〜
90%である。
【0060】1.高分子フィルム(B) 高分子フィルム(B)は、フィルタの基体として機能
し、例えば透明導電層(B)を形成するための基体であ
り、しかも、本発明のディスプレイ用フィルタはディス
プレイ表面に直接形成されるものであるため、透明な高
分子フィルムが用いられる。
【0061】高分子フィルム(B)としては、可視波長
領域において透明であればよい。具体的には、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリス
チレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリアミ
ド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロー
ス系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン
等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合物、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリ
ロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリ
ル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン
等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフルオ
ロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体等の
ビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリエチ
レンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0062】高分子フィルムは、通常、厚み10〜25
0μmである。薄すぎるとフィルタをディスプレイ表面
に直接形成するのが困難であり、可撓性が制限される。
従って、高分子フィルム(B)の厚さは、50μm以
上、好ましくは75μm以上が好適である。また、厚さ
250μm以上では可撓性が不足しすぎて、フィルムを
ロールで巻きとって利用するのに適さないことがある。
また、本発明分野のように、高い透明性が要求される分
野では、高分子フィルムの厚さ100μm程度のものが
広く用いられている。
【0063】本発明で用いる透明な高分子フィルムは可
撓性を有しており、透明導電膜をロールツーロール法で
連続的に形成することができるため、効率よく、また、
長尺大面積の透明積層体を生産することができる。さら
に、フィルム状のフィルタは、ディスプレイ表面に、ラ
ミネートにより容易に直接形成することができる。さら
に、ディスプレイ表面に直接貼合された高分子フィルム
を基体とするフィルタは、ディスプレイの基板ガラスが
破損したときのガラス飛散を防止することができ、好適
である。
【0064】本発明においては、高分子フィルム(B)
の表面を、スパッタリング処理、コロナ処理、火炎処
理、紫外線照射、電子線照射などのエッチング処理や、
下塗り処理により、その上に形成される透明導電層
(D)の高分子フィルム(B)に対する密着性を予め向
上させてもよい。また、高分子フィルム(B)と透明導
電層(D)の間に任意の金属などの無機物層を形成して
もよく、透明導電膜を成膜する前に、必要に応じて溶剤
洗浄や超音波洗浄などの防塵処理を施してもよい。
【0065】また、透明積層体の耐擦傷性を向上させる
ために、高分子フィルム(B)の少なくとも一方の主面
にハードコート層(F)が形成されていても良い。
【0066】2.ハードコート層(F) ハードコート層(F)となるハードコート膜としては、
アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウ
レタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬
化型又は光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形
成方法も特に限定されない。これら膜の厚さは、1〜1
00μm程度である。また、ハードコート層(F)には
後述の色素を1種以上含有させることが出来る。
【0067】3.透明導電層(D) 本発明の電磁波シールド体では、高分子フィルム(B)
の一方の主面上に透明導電層(D)が形成される。本発
明における透明導電層(D)とは、単層または多層薄膜
からなる透明導電膜である。なお、本発明では、高分子
フィルム(B)の主面上に透明導電層(D)を形成した
ものを透明積層体(H)という。
【0068】単層の透明導電膜としては、前述した金属
メッシュや導電性格子状パターン膜などの導電性メッシ
ュ、金属薄膜や酸化物半導体薄膜などの透明導電性薄膜
がある。
【0069】多層の透明導電膜としては、金属薄膜と高
屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜がある。金属薄膜と
高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜は、銀などの金属
の持つ導電性及びその自由電子による近赤外線反射特性
と、ある波長領域における金属による反射の高屈折率透
明薄膜による防止により、導電性、近赤外線カット能、
可視光線透過率のいずれにおいても好ましい特性を有し
ている。
【0070】電磁波シールド能、近赤外線カット能を有
するディスプレイ用フィルタを得るためには、電磁波吸
収のための高い導電性と電磁波反射のための反射界面を
多く有する金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層
薄膜が好適である。
【0071】ところで、VCCIにおいては、業務用途
の規制値を示すClass A では放射電界強度50dBμV
/m未満であり、民生用途の規制値を示すClass B では
40dBμV/m未満である。しかし、プラズマディス
プレイの放射電界強度は20〜90MHz帯域内で、対
角20インチ型程度で40dBμV/m、対角40イン
チ型程度で50dBμV/mを越えている。このため、
そのままでは家庭用途には使用できない。
【0072】プラズマディスプレイの放射電界強度は、
その画面の大きさ及び消費電力が大きいほど強く、シー
ルド効果の高い電磁波シールド材が必要である。
【0073】本発明者らは、鋭意検討の結果、高い可視
光線透過率と低い可視光線反射率に加え、プラズマディ
スプレイに必要な電磁波シールド能を有するには、透明
導電層(D)が、面抵抗0.01〜30Ω/□、より好
ましくは0.1〜15Ω/□、さらに好ましくは0.1
〜5Ω/□の低抵抗な導電性を有していることが必要な
ことを見出した。本発明における可視光線透過率、可視
光線反射率とは、透過率及び反射率の波長依存性からJ
IS(R−3106)に従って計算される。
【0074】また、本発明者らは、プラズマディスプレ
イの発する強度の近赤外線を実用上問題とならないレベ
ルまで遮断するには、ディスプレイ用フィルターの近赤
外線波長領域800〜1100nmにおける光線透過率
極小を20%以下にすることが必要であること、この要
求を満たすためには、部材数低減の要求や色素を用いた
近赤外線吸収の限界から、透明導電層自体が近赤外線カ
ット性を持つことが必要であること、を見出した。透明
導電層で近赤外線をカットするには、金属の自由電子に
よる反射を利用することができる。
【0075】金属薄膜層は厚くすると可視光線透過率が
低くなり、薄くすると近赤外線の反射が弱くなる。しか
し、ある厚さの金属薄膜層を高屈折率透明薄膜層で挟み
込んだ積層構造を1段以上重ねることにより、可視光線
透過率を高くし、かつ全体的な金属薄膜層の厚さを増や
すことが可能である。また、層数及び/又はそれぞれの
層の厚さを制御することにより可視光線透過率、可視光
線反射率、近赤外線の透過率、透過色、反射色をある範
囲で変化させることも可能である。
【0076】一般に、可視光線反射率が高いと画面への
照明器具等の映り込みが大きくなり、表示部表面の反射
を防止する効果が低下し、視認性とコントラストが低下
するようになる。また、反射色としては、白色、青色、
紫色系の目立たない色が好ましい。これらのことから、
透明導電層は、光学的に設計、制御しやすい多層積層が
好ましくなる。
【0077】本発明の電磁波シールド体においては、高
分子フィルム(B)の一方の主面上に多層薄膜の透明導
電層(D)を形成した透明積層体(H)を用いることが
好ましい。
【0078】本発明において好ましい透明導電層(D)
は、高分子フィルム(B)の一方の主面上に、高屈折率
透明薄膜層(Dt)、金属薄膜層(Dm)の順に、(D
t)/(Dm)を繰り返し単位として2〜4回繰り返し
積層され、さらにその上に少なくとも高屈折率透明薄膜
層(Dt)を積層して形成され、該透明導電層の面抵抗
が0.1〜5Ω/□であることを特徴とし、電磁波シー
ルド能のための低抵抗性、近赤外線カット能、透明性、
可視光線反射率に優れた性能を有する。なお、本発明に
おいて、多層薄膜とは、特に記載がない限り、金属薄膜
層を高屈折率透明薄膜層で挟み込んだ積層構造を1段以
上重ねた多層積層の透明導電膜のことをいう。
【0079】本発明の透明導電層において、繰り返し積
層数は2回〜4回が好適である。つまり、高分子フィル
ム(B)の主面上に透明導電層を積層した本発明の透明
積層体(D)は、(B)/(Dt)/(Dm)/(D
t)/(Dm)/(Dt)、または、(B)/(Dt)
/(Dm)/(Dt)/(Dm)/(Dt)/(Dm)
/(Dt)、または、(B)/(Dt)/(Dm)/
(Dt)/(Dm)/(Dt)/(Dm)/(Dt)/
(Dm)/(Dt)の層構成を有するものである。繰り
返し積層数が5回以上では、生産装置の制限、生産性の
問題が大きくなり、また、可視光線透過率の低下と可視
光線反射率の増加が生じる傾向がある。また、繰り返し
回数が1回であると、低抵抗性、近赤外線カット能と、
可視光線反射率を同時に十分なものとすることが出来難
い。
【0080】なお、繰り返し積層数が2回〜4回の多層
薄膜において、近赤外線カット能、可視光線透過率、可
視光線反射率を同時に、プラズマディスプレイに好適な
特性とするには、その面抵抗が0.1〜5Ω/□である
ことを本発明者らは見出した。
【0081】なお、将来的にはプラズマディスプレイか
ら放出される電磁波強度が低下することも想定される。
その場合は、電磁波シールド体の面抵抗が5〜15Ω/
□でも充分な電磁波遮断特性を得ることができることが
予想される。また、さらにプラズマディスプレイから放
出される電磁波強度が低下することも想定される。その
場合は、電磁波シールド体の面抵抗が15〜30Ω/□
でも充分な電磁波遮断特性を得ることができるようにな
ることが予想される。一方、放出される電磁波強度とは
別の観点として、プラズマディスプレイの更なる大画面
化、薄型化が求められる場合には、電磁波シールド体の
面抵抗0.01〜1Ω/□を求められることも想定され
る。
【0082】金属薄膜層(Dm)の材料としては、銀
が、導電性、赤外線反射性および多層積層したときの可
視光線透過性に優れているため、好適である。しかし、
銀は化学的、物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、
水蒸気、熱、光等によって劣化するため、銀に金、白
金、パラジウム、銅、インジウム、スズ等の環境に安定
な金属を一種以上加えた合金や、これら環境に安定な金
属も好適に使用できる。特に金やパラジウムは耐環境
性、光学特性に優れ好適である。
【0083】銀を含む合金中の銀の含有率は、特に限定
されるものではないが、銀薄膜の導電性、光学特性と大
きく変わらないことが望ましく、50重量%以上、10
0重量%未満程度である。しかしながら、銀に他の金属
を添加すると、その優れた導電性、光学特性が阻害され
るので、複数の金属薄膜層を有する場合は、可能であれ
ば少なくとも1つの層は銀を合金にしないで用いること
や、基体から見て最初の層及び/又は最外層にある金属
薄膜層のみを合金にすることが望ましい。
【0084】金属薄膜層(Dm)の厚さは、導電性、光
学特性等から光学設計的かつ実験的に求められ、透明導
電層が要求特性を持てば特に限定されるものではない
が、導電性等から薄膜が島状構造ではなく、連続状態で
あることが必要であり、4nm以上であることが望まし
い。また、金属薄膜層が厚すぎると透明性が問題になる
ので30nm以下が望ましい。金属薄膜層が複数ある場
合は、各層が全て同じ厚さとは限らず、また、全て銀、
あるいは、同じ銀を含む合金でなくともよい。
【0085】金属薄膜層(Dm)の形成方法には、スパ
ッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、メッキ
等、従来公知の方法のいずれでも採用できる。
【0086】高屈折率透明薄膜層(Dt)を形成する透
明薄膜としては、可視領域において透明性を有し、金属
薄膜層の可視領域における光線反射を防止する効果を有
するものであれば特に限定されるものではないが、可視
光線に対する屈折率が1.6以上、好ましくは1.8以
上、さらに好ましくは2.0以上の屈折率の高い材料が
用いられる。このような透明薄膜を形成する具体的な材
料としては、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビス
マス、スズ、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、
ネオジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリ
ウム等の酸化物、または、これら酸化物の混合物や、硫
化亜鉛などが挙げられる。
【0087】これら酸化物あるいは硫化物は、金属と、
酸素原子あるいは硫黄原子との化学量論的な組成にズレ
があっても、光学特性を大きく変えない範囲であるなら
ば差し支えない。なかでも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸
化インジウムや酸化インジウムと酸化スズの混合物(I
TO)は、透明性、屈折率に加えて、成膜速度が速く、
金属薄膜層との密着性等が良好であることから好適に使
用できる。
【0088】高屈折率透明薄膜層(Dt)の厚さは、高
分子フィルム(B)〔透明基体ともいう〕の光学特性、
金属薄膜層の厚さ、光学特性、および、透明薄膜層の屈
折率等から光学設計的かつ実験的に求められ、特に限定
されるものではないが、5nm以上、200nm以下で
あることが好ましく、より好ましくは10nm以上、1
00nm以下である。また、高屈折率透明薄膜第1層…
第(n+1)層(n≧1)は、同じ厚さとは限らず、同
じ透明薄膜材料でなくともよい。
【0089】高屈折率透明薄膜層(Dt)の形成方法に
は、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビ
ームアシスト、真空蒸着、湿式塗工等、従来公知の方法
のいずれでも採用できる。
【0090】上記の透明導電層(D)の耐環境性を向上
させるために、透明導電層の表面に、導電性、光学特性
を著しく損なわない程度に有機物又は無機物の任意の保
護層を設けてもよい。また、金属薄膜層の耐環境性や金
属薄膜層と高屈折率透明薄膜層との密着性等を向上させ
るため、金属薄膜層と高屈折率透明薄膜層の間に、導電
性、光学特性を損なわない程度に任意の無機物層を形成
してもよい。これらの具体的な材料としては銅、ニッケ
ル、クロム、金、白金、亜鉛、ジルコニウム、チタン、
タングステン、スズ、パラジウム等、あるいはこれらの
材料の2種類以上からなる合金があげられる。その厚さ
は、好ましくは、0.2nm〜2nm程度である。
【0091】所望の光学特性の透明導電層(D)を得る
には、得ようとする電磁波シールド能の為の導電性、つ
まり、金属薄膜材料・厚さを勘案して、透明高分子フィ
ルム(B)および薄膜材料の光学定数(屈折率、消光係
数)を用いたベクトル法、アドミッタンス図を用いる方
法等を使った光学設計を行い、各層の薄膜材料及び、層
数、膜厚等を決定する。この際、透明導電層(D)上に
形成される隣接層を考慮すると良い。このことは透明高
分子フィルム(B)上に形成された透明導電層への光の
入射媒質が、空気または真空等の屈折率1の入射媒質と
違うために透過色(及び透過率、反射色、反射率)が変
化するためである。すなわち、透明導電層(D)上に機
能性透明層(A)を形成する際に透明粘着層(C)を介
する場合は、透明粘着層(C)の光学定数を考慮する設
計を行う。また、透明導電層(D)上に機能性透明層
(A)を直接する場合は、透明導電層(D)と接する材
料の光学定数を考慮する設計を行う。
【0092】上記のように、透明導電層(D)の設計を
行なうことにより、高屈折率透明薄膜層(Dt)では高
分子フィルム(B)から見て最下層と最上層がその間の
層より薄く、金属薄膜層(Dm)では高分子フィルム
(B)から見て最下層がその他の層より薄く、屈折率
1.45〜1.65、消光係数ほぼ0の厚み10〜50
μmの粘着材が隣接層であるとき、透明積層体の反射が
著しく増加しないこと、すなわち、隣接層形成による界
面反射の増加が2%以下であることを見出した。
【0093】特に、繰り返し回数が3回、すなわち、計
7層からなる透明導電層においては、3層の金属薄膜層
(Dm)の真ん中の2番目の層が他の層より厚いと、前
記の粘着材が隣接層であるときに、透明積層体の反射が
著しく増加しないことを見出した。
【0094】なお、光学定数はエリプソメトリー(楕円
偏光解析法)やアッベ屈折計により測定でき、また、光
学特性を観察しながら、層数、膜厚等を制御して成膜を
行うこともできる。
【0095】上記の方法により形成した透明導電層の原
子組成は、オージェ電子分光法(AES)、誘導結合プ
ラズマ法(ICP)、ラザフォード後方散乱法(RB
S)等により測定できる。また、層構成および膜厚は、
オージェ電子分光の深さ方向観察、透過型電子顕微鏡に
よる断面観察等により測定できる。
【0096】なお、膜厚は、成膜条件と成膜速度の関係
を予め明らかにした上で成膜を行うことや、水晶振動子
等を用いた成膜中の膜厚モニタリングにより制御され
る。
【0097】以上述べた透明導電性薄膜を用いる方法の
ほか、導電性メッシュを透明導電層として用いる方法も
ある。導電性メッシュの一例として、以下の単層の金属
メッシュについて述べるが、本発明における導電性メッ
シュはこれに限定されるものではない。
【0098】単層の金属メッシュは、高分子フィルム上
に銅メッシュ層を形成したものが一般的である。通常
は、高分子フィルム上に銅箔を貼合わせ、その後、メッ
シュ状に加工する。
【0099】本発明に用いられる銅箔は、圧延銅、電界
銅とも使い得るが、金属層は多孔性のものが好ましく用
いられ、その孔径は、0.5〜5μmが好ましく、さら
に好ましくは、0.5〜3μmであり、さらに好ましく
は0.5〜1μmである。孔径がこれ以上大きくなると
パターニングの障害になるおそれがあり、また、これ以
上小さな値になると、光線透過率の向上が期待しにく
い。なお、銅箔のポロシティーとしては、0.01〜2
0%の範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.02〜
5%である。本発明でいうポロシティーとは、体積Rと
して、孔容積をPとしたときに、P/Rで定義される値
である。例えば、体積0.1ccに対応する銅箔の孔容
積を、水銀ポロシティーで測定したところ、0.001
ccであったとすると、ポロシティーは1%ということ
ができる。用いられる銅箔は、各種表面処理をされてい
ても構わない。具体的に例示すれば、クロメート処理、
粗面化処理、酸洗、ジンク・クロメート処理等である。
【0100】銅箔の厚さは3〜30μmが好ましく、よ
り好ましくは5〜20μm、さらに好ましくは7〜10
μmである。この厚さより厚いとエッチングに時間を要
するという問題があり、またこの厚さよりも薄いと電磁
波シールド能に劣るという問題が発生する。
【0101】光透過部分の開口率は60%以上、95%
以下が好ましく、より好ましくは65%以上、90%以
下、さらにより好ましくは70%以上、85%以下であ
る。開口部の形状は、特に限定されるものではないが、
正三角形、正四角形、正六角形、円形、長方形、菱形等
に形がそろっており、面内に並んでいることが好まし
い。光透過部分の開口部の代表的な大きさは、1辺もし
くは直径が5〜200μmの範囲であることが好まし
い。さらに好ましくは10〜150μmである。この値
が大きすぎると、電磁波シールド能が低下し、また小さ
すぎるとディスプレイの画像に好ましくない影響を与え
る。また、開口部を形成しない部分の金属の幅は、5〜
50μmが好ましい。すなわち、ピッチが10〜250
μmであることが好ましい。この幅よりも細いと加工が
きわめて困難になる一方、この幅より太いと画像に好ま
しくない影響を与える。
【0102】光透過部分を有する金属層の実質的なシー
ト抵抗とは、上記パターンよりも5倍以上大きな電極を
用いて、上記パターンの繰り返し単位よりも5倍以上の
電極間隔をもつ4端子法より測定したシート抵抗をい
う。例えば、開口部の形状が1辺100μmの正方形で
金属層の幅が20μmをもって規則的に正方形が並べら
れたものであればφ1mmの電極を1mm間隔で並べて
測定することができる。あるいはパターン形成したフィ
ルムを短冊状に加工し、その長手方向の両端に電極を設
けて、その抵抗を測り(R)、長手方向の長さa、短手
方向の長さbとすると、実質的なシート抵抗=R×b/
aで求めることができる。このように測定された値は、
0.01Ω/□以上、0.5Ω/□以下が好ましく、よ
り好ましくは0.05Ω/□以上、0.3Ω/□以下で
ある。この値よりも小さな値を得ようとすると膜が厚く
なりすぎ、かつ開口部が充分取れなくなり、一方、これ
以上大きな値にすると充分な電磁波シールド能を得るこ
とができなくなる。
【0103】銀箔を高分子フィルムにラミネートする方
法としては、透明な接着剤を用いる。接着剤の種類とし
ては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ポリエ
ステル系等があるが、特に接着剤に限定はない。2液系
及び熱硬化タイプが好適に使用される。なお、耐薬品性
に優れた接着剤であることが好ましい。高分子フィルム
に接着剤を塗布した後、銀箔と貼合わせることもできる
し、銀箔に接着剤を貼合わせてもよい。
【0104】光透過部分を形成する方法としては、印刷
法やフォトレジスト法を用いることができる。印刷法で
は、マスク層を印刷レジスト材料を用いてスクリーン印
刷法でパターン形成する方法が一般的である。フォトレ
ジスト材料を用いる方法では、ロールコーティング法、
スピンコーティング法、全面印刷法、転写法などで、金
属箔上にフォトレジスト材料をべた形成し、フォトマス
クを用いて露光現像してレジストのパターニングを行
う。レジストパターニングを完成させた後、開口部とす
る金属部分を湿式エッチングで除去することで、所望の
開口形状と開口率の、光透過部分を有する金属メッシュ
を得ることができる。
【0105】4.透過特性 電磁波シールド体の透光部における可視光線透過率は、
30〜85%が好ましい。更に好ましくは50〜80%
である。30%未満であると輝度が下がりすぎ視認性が
悪くなる。また、コントラストを得るために、85%以
下、好ましくは80%以下であることが必要とされるこ
とがある。
【0106】また、調光フィルムにおいては可視光線透
過率は、55〜90%が好ましい。さらに好ましくは6
0〜85%である。55%未満であると輝度が下がり過
ぎ視認性が悪くなる。また、コントラストを得るために
は85%以下、好ましくは80%以下であることが必要
とされることがある。
【0107】なお、本発明における可視光線透過率(T
vis)、可視光線反射率(Rvis)とは、透過率及
び反射率の波長依存性からJIS(R−3106)に従
って計算される。
【0108】5.色特性、色素 ところで、ディスプレイ用フィルタの透過色において、
黄緑〜緑色味が強いと、ディスプレイのコントラストが
低下し、さらには色純度が低くなり、白色表示も緑色が
かったものになることがある。このことは、黄緑〜緑色
である550nm前後の波長の光が最も視感度が高いこ
とにもよる。
【0109】多層薄膜は、可視光線透過率・可視光線反
射率を重視すると、一般に透過色調に劣る。電磁波シー
ルド能即ち導電性と、近赤外線カット能をあげるほど、
金属薄膜の総膜厚が厚いことが必要となる。しかし、金
属薄膜の総膜厚が大きくなる程、緑色〜黄緑色になる傾
向がある。従って、プラズマディスプレイに用いる電磁
波シールド体はその透過色がニュートラルグレーまたは
ブルーグレーであることが要求される。これは、緑色透
過が強いことによるコントラスト低下や、赤色及び緑色
発光色に比べ青色発光が弱いこと、標準白色より若干高
めの色温度の白色が好まれること、等による。加えて、
電磁波シールド体の透過特性は、プラズマディスプレイ
の白色表示の色度座標が極力、黒体軌跡に近いことが望
ましい。
【0110】多層薄膜を透明導電層(D)に用いた場合
は、多層薄膜の色調を補正して電磁波シールド体の透過
色をニュートラルグレーまたはブルーグレーにすること
が肝要である。色調を補正するには可視波長領域に吸収
のある色素を用いれば良い。例えば、透明導電層(D)
の透過色に緑色味がある場合、赤色の色素を用いてグレ
ーに補正し、透過色に黄色味がある場合は青〜紫の色素
を用いて補正する。
【0111】カラープラズマディスプレイでは、希ガス
の直流または交流放電により発生する真空紫外光で励起
発光する(Y,Gd,Eu)BO3等の赤色(Red)発光蛍光体、(Z
n,Mn) 2SiO4等の緑色(Green)発光蛍光体、(Ba,Eu)MgAl
10O17:Eu 等の青色(Blue)発光蛍光体が、画素を構成
する表示セルに形成されている。蛍光体は、色純度の他
に放電セルへの塗布性、残光時間の短さ、発光効率、耐
熱性等を指標に選定されており、実用化されている蛍光
体はその色純度に改良を要するものが多い。特に赤色発
光蛍光体の発光スペクトルは、波長580nmから70
0nm程度までにわたる数本の発光ピークを示してお
り、比較的強度な短波長側の発光ピークは黄〜オレンジ
色の発光であるので赤色発光がオレンジに近い色純度の
良くないものとなってしまう問題がある。希ガスにXe
とNeの混合ガスを用いた場合、Ne励起状態の発光緩
和によるオレンジ色発光も同様に色純度を落としてしま
う。また、緑色発光、青色発光に関しても、そのピーク
波長の位置、発光のブロードさが色純度を下げる要因と
なっている。
【0112】色純度の高さは、例えば、国際照明委員会
(CIE)が定めた横軸色度x、縦軸色度yで色相と彩
度を表す座標系において、RGB三色を頂点とした三角
形の広さで示す色再現範囲の広さで表すことができる。
色純度の低さからプラズマディスプレイの発光の色再現
範囲は、NTSC(National Television SystemCommit
tee)方式で定めているRGB三色の色度が示す色再現
範囲より通常狭い。
【0113】また、表示セル間での発光の滲み出しに加
えて、各色の発光が広い範囲にわたって不必要な光を含
んでおり、必要な発光が際立たないことは、色純度だけ
ではなくプラズマディスプレイのコントラストを下げる
要因にもなっている。さらに、プラズマディスプレイは
一般に室内照明等による外光が存在する明時においては
暗時に比べコントラストが悪くなる。これは、基板ガラ
ス、蛍光体等が外光を反射し、不必要な光が必要な光を
際立たせなくするために起きる。プラズマディスプレイ
パネルのコントラスト比は、暗示は100〜200、周
囲照度100lx 程度の明時は10〜30であり、その向上
が課題となっている。また、コントラストが低いことも
色再現範囲を狭くしている要因である。
【0114】コントラストを向上させるためにはディス
プレイ前面にニュートラル・デンシティ(ND)フィル
タの如く、可視波長領域全体の透過率を下げ、基板ガラ
ス、蛍光体における外光反射等の透過を少なくする方法
があるが、可視光線透過率が著しく低いと、輝度・画像
の鮮明さが低下することになり、また、色純度の改善は
あまり見られない。
【0115】本発明者らは、カラープラズマディスプレ
イの発光色の色純度及びコントラストを向上させること
は、発光色の色純度及びコントラストを下げる原因とな
る不要発光及び外光反射を低減することによって達成で
きることを見出した。
【0116】また、本発明者らは、色素を用いることに
よって、電磁波シールド体をニュートラルグレーまたは
ニュートラルブルーに調色するだけではなく、発光色の
色純度及びコントラストを下げる原因となる不要発光及
び外光反射を低減できることを見出した。特に、赤色発
光がオレンジに近いものは顕著であり、その原因である
波長580nm〜605nmの発光を低減することによ
って赤色発光の色純度を向上させることができることを
見い出した。
【0117】本発明のディスプレイ用フィルタにおい
て、不要発光及び外光反射の低減は、波長570nm〜
605nmに吸収極大を有する色素をシールド体に含有
させることによって行うことができる。この際、ディス
プレイ用フィルタによって、赤色である発光ピークのあ
る波長615nm〜640nmの光線透過を著しく損な
ってしまわないことが必要である。
【0118】一般に、色素はブロードな吸収範囲を有し
ており、所望の吸収ピークを有するものも、その裾の吸
収により好適な波長の発光まで吸収してしまうことがあ
る。Neによる発光が存在する場合は、オレンジ色発光
の低減を行うこともできるため、RGB表示セルからの
発光の色純度が向上する。
【0119】また、カラープラズマディスプレイの緑発
光はブロードであり、そのピーク位置は、例えば、NT
SC方式で要求される緑色より若干長波長側、すなわち
黄緑側にあることがある。
【0120】本発明者らは、波長570nm〜605n
mに吸収極大を有する色素の短波長側の吸収によって、
緑色発光の長波長側を吸収して削り、さらに不要発光を
削ること、及び/又は、ピークをシフトさせることによ
って色純度を向上できることを見出した。
【0121】赤色発光、更に加えて緑色発光の色純度向
上には、波長570nm〜605nmに吸収極大を有す
る色素を用いることによって、波長570nm〜605
nmにおける電磁波シールド体の最低透過率が、必要な
赤色発光のピーク位置での透過率に対して80%以下で
あることが好適である。
【0122】青色発光の色純度が低い場合は、赤色発
光、緑色発光と同様に、不要発光を低減し、また、その
ピーク波長をシフトさせ、青緑発光を吸収する色素を用
いれば良い。さらに、色素による吸収は、外光の蛍光体
への入射を低減することによって蛍光体での外光反射を
低減させることができる。このことによってもまた色純
度及びコントラストを向上させることができる。
【0123】本発明のディスプレイ用フィルタに色素を
含有させる方法としては、(1)透明な樹脂に少なくと
も1種類以上の色素を混錬させた高分子フィルム、
(2)樹脂または樹脂モノマー/有機系溶媒の樹脂濃厚
液に少なくとも1種類以上の色素を分散・溶解させ、キ
ャスティング法により作製した高分子フィルム、(3)
樹脂バインダーと有機系溶媒に少なくとも1種類以上の
色素を加え、塗料として透明な基体上にコーティングし
たもの、(4)少なくとも1種類以上の色素を含有する
透明な粘着材、のいずれか一つ以上の形態として用いる
方法である。
【0124】本発明でいう含有とは、基材または塗膜等
の層または粘着材の内部に含有されることは勿論、基材
または層の表面に塗布した状態をも意味する。
【0125】色素は、可視領域に所望の吸収波長を有す
る一般の染料または顔料で良く、その種類は特に限定さ
れるものではないが、例えば、アントラキノン系、フタ
ロシアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン
系、アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン
系、ジベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ロ
ーダミン系、キサンテン系、ピロメテン系等の一般に市
販もされている有機色素があげられる。その種類・濃度
は、色素の吸収波長・吸収係数、透明導電層の色調及び
電磁波シールド体に要求される透過特性・透過率、そし
て分散させる媒体または塗膜の種類・厚さから決まり、
特に限定されるものではない。
【0126】透明導電層(D)に多層薄膜を用いる場
合、電磁波シールド能に加え、近赤外線カット能も有し
ているが、より高い近赤外線カット能が必要であった
り、透明導電層が近赤外線カット能を有していない場合
に、近赤外線カット能をディスプレイ用フィルターに付
与するために、前記色素に近赤外線吸収色素を1種類以
上併用しても良い。
【0127】近赤外線吸収色素としては、透明導電層の
近赤外線カット能を補填し、プラズマディスプレイの発
する強度の近赤外線を充分実用的になる程度に吸収する
ものであれば、特に限定されるものではなく、濃度も限
定されるものではない。近赤外線吸収色素としては、例
えば、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合
物、ジチオール系化合物、ジイミニウム系化合物が挙げ
られる。
【0128】プラズマディスプレイパネルはパネル表面
の温度が高く、特に環境の温度が高いときは電磁波シー
ルド体の温度も上がるため、本発明で用いる色素は、耐
熱性、例えば、80℃で分解等によって顕著に劣化しな
い耐熱性を有していることが好適である。
【0129】また、色素によっては、耐熱性に加えて、
耐光性に乏しいものもある。プラズマディスプレイの発
光や外光の紫外線・可視光線による劣化が問題になる場
合は、紫外線吸収剤を含む部材や紫外線を透過しない部
材を用いることによって、色素の紫外線による劣化を低
減すること、紫外線や可視光線による顕著な劣化がない
色素を用いることが肝要である。熱、光に加えて、湿度
や、これらの複合した環境においても同様である。色素
が劣化すると電磁波シールド体の透過特性が変わってし
まう。
【0130】実際に、プラズマディスプレイパネルの表
面温度が70℃から80℃になることは特開平8−22
0303号に明記されている。また、プラズマディスプ
レイパネルより発生する光は、例えば、300cd/m
2と明記されており(富士通株式会社Image Si
te カタログ AD25−000061C Oct.1
997M)、立体角を2πとして、これを2万時間照射
すると、2π×20000×300=3800万(lx
・時間)となることから、実用上数千万(lx・時間)
程度の耐光性が必要になることが分かる。
【0131】さらには、色素を媒体または塗膜中に分散
させるために、適宜の溶媒への溶解性も重要である。異
なる吸収波長を有する色素2種類以上を一つの媒体また
は塗膜に含有させても良い。
【0132】本発明のディスプレイ用フィルタは、カラ
ープラズマディスプレイの輝度・視認性を著しく損なわ
ない優れた透過特性・透過率を有し、カラープラズマデ
ィスプレイの発光色の色純度及びコントラストを向上さ
せることができる。本発明者らは、1種以上含有せしめ
る色素の、少なくとも一つがテトラアザポルフィリン化
合物の場合には、特に低減したい570〜605nmの
不要発光の波長と同じか、または近い波長に主要吸収波
長を有し、且つ、吸収波長巾が比較的狭いので、好適な
発光を吸収してしまうことによる輝度の損失を少なくで
きることを見出し、優れた透過特性・透過率・発光色の
色純度及びコントラストを向上させる能力が優れたディ
スプレイ用フィルタを得ることができた。
【0133】本発明で用いるテトラアザポルフィリン化
合物は、前記式(1)で示すことができる。以下、式
(1)は、下記構造式(2)(化3)の様に略記する。
【0134】
【化3】
【0135】〔式(2)中、Am及びAnは各々独立に、
水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロ
キシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭
素数1〜20のアルキル基、ハロゲノアルキル基、アル
コキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ
基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アラ
ルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルチ
オ基、又は、アリールチオ基を表し、AmとAnは各々独
立に連結基を介して、芳香族環を除く環を形成しても良
く、Mは2個の水素原子、2価の金属原子、3価の1置
換金属原子、4価の2置換金属原子、又は、オキシ金属
原子を表す。〕 式(1)で示されるテトラアザポルフィリン化合物の具
体例を次に述べる。式中、A1〜A8の具体例としては、
各々独立に、水素原子;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等
のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシ基;
アミノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;メチル基、
エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル
基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペン
チル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、neo-ペ
ンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロ
ピル基、cyclo-ペンチル基、n-ヘキシル基、4-メチルペ
ンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、
1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメ
チルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブ
チル基、1,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル
基、3-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-エチルブ
チル基、1,2,2-トリメチルブチル基、1,1,2-トリメチル
ブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、cyclo-ヘキ
シル基、n-へプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチル
ヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル
基、2,4-ジメチルペンチル基、n-オクチル基、2-エチル
ヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,5,5-トリメチ
ルペンチル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,2,4-トリメ
チルペンチル基、n-ノニル基、3,5,5-トリメチルヘキシ
ル基、n-デシル基、4-エチルオクチル基、4-エチル-4,5
-ジメチルヘキシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル
基、1,3,5,7-テトラメチルオクチル基、4-ブチルオクチ
ル基、6,6-ジエチルオクチル基、n-トリデシル基、6-メ
チル-4-ブチルオクチル基、n-テトラデシル基、n-ペン
タデシル基、3,5 -ジメチルヘプチル基、2,6-ジメチル
ヘプチル基、2,4-ジメチルヘプチル基、2,2,5,5-テトラ
メチルヘキシル基、1-cyclo-ペンチル-2,2-ジメチルプ
ロピル基、1-cyclo-ヘキシル-2,2-ジメチルプロピル基
等の炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル
基;クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチ
ル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル
基、ノナフルオロブチル基等の炭素数1〜20のハロゲ
ノアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ
基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、iso-ブトキシ
基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、
iso-ペントキシ基、neo-ペントキシ基、n-ヘキシルオキ
シ基、n-ドデシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコ
キシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、3-
メトキシプロピルオキシ基、3-(iso- プロピルオキシ)
プロピルオキシ基等の炭素数2〜20のアルコキシアル
コキシ基;フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-メ
チルフェノキシ基、4-t-ブチルフェノキシ基、2-メトキ
シフェノキシ基、4-iso-プロピルフェノキシ基等の炭素
数6〜20のアリールオキシ基;メチルアミノ基、エチ
ルアミノ基、n-プロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、
n-ヘキシルアミノ基等の炭素数1〜20のモノアルキル
アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n
- プロピルアミノ基、ジ-n- ブチルアミノ基、N-メチル
-N-シクロヘキシルアミノ基等の炭素数2〜20のジア
ルキルアミノ基;ベンジル基、ニトロベンジル基、シア
ノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル
基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ジク
ロロベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジ
ル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル
基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル
基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチ
ル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基等の炭素数
7〜20のアラルキル基;フェニル基、ニトロフェニル
基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メチル
フェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル
基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキ
シフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N-ジ
メチルアミノフェニル 基、ナフチル基、ニトロナフチ
ル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチ
ルナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等の炭素
数6〜20のアリール基;ピロリル基、チエニル基、フ
ラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキ
サジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾオキサゾイル
基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベン
ゾフラニル基、インドイル基等のヘテロアリール基;メ
チルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、iso-プ
ロピルチオ基、n-ブチルチオ基、iso-ブチルチオ基、se
c-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、
iso-ペンチルチオ基、2-メチルブチルチオ基、1-メチル
ブチルチオ基、neo-ペンチルチオ基、1,2-ジメチルプロ
ピルチオ基、1,1-ジメチルプロピルチオ基等の炭素数1
〜20のアルキルチオ基;フェニルチオ基、4-メチルフ
ェニルチオ基、2-メトキシフェニルチオ基、4-t-ブチル
フェニルチオ基等の炭素数6〜20のアリールチオ基な
どを挙げることができる。
【0136】A1とA2、A3とA4、A5とA6、A7とA8
が連結基を介して環を形成した例としては、−CH2
2CH2CH2−、−CH2CH2CH(NO2 )CH
2−、−CH2 CH(CH3 )CH2CH2−、−CH2
H(Cl)CH2CH2 −等を挙げることができる。
【0137】Mで示される2価金属の例としては、C
u、Zn,Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,P
t,Mn,Sn,Mg,Hg,Cd,Ba,Ti,B
e,Ca等が挙げられる。
【0138】1置換の3価金属の例としては、Al−
F,Al−Cl,Al−Br,Al−I,Ga−F,G
a−Cl,Ga−Br,Ga−I,In−F,InC
l,In−Br,In−I,Tl−F,Tl−Cl,T
l−Br,Tl−I,Al−C6H5 ,Al−C6
4(CH3 ),In−C65 ,In−C64(C
3 ),Mn(OH),Mn(OC65 ),Mn[O
Si(CH33 ],Fe−Cl,Ru−Cl等が挙げ
られる。
【0139】2置換の4価金属の例としては、CrCl
2 ,SiF2 ,SiCl2 ,SiBr2 ,SiI2 ,S
nF2 ,SnCl2 ,SnBr2 ,ZrCl2 ,GeF
2 ,GeCl2 ,GeBr2 ,GeI2 ,TiF2 ,T
iCl2 ,TiBr2 ,Si(OH)2 ,Sn(OH)
2 ,Ge(OH)2 ,Zr(OH)2 ,Mn(O
H) 2 ,TiA2 ,CrA2 ,SiA2 ,SnA2 ,G
eA2 [但し、Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル
基及びその誘導体を表す]、Si(OA)2 ,Sn(O
A)2 、Ge(OA)2 、Ti(OA)2 ,Cr(O
A)2 [但し、Aはアルキル基、フェニル基、ナフチル
基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリ
ル基及びその誘導体を表す]、Si(SA)2 、Sn
(SA)2 ,Ge(SA)2 [但し、Aはアルキル基、
フェニル基、ナフチル基及びその誘導体を表す]等が挙
げられる。
【0140】オキシ金属の例としては、VO,MnO,
TiO等が挙げられる。好ましくは、Pd,Cu,R
u,Pt,Ni,Co,Rh,Zn,VO,TiO,S
i(Y)2 ,Ge(Y)2 (但し、Yはハロゲン原子、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヒ
ドロキシ基、アルキル基、アリール基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、トリアルキルシリルオキシ基、ト
リアルキルスズオキシオ基又はトリアルキルゲルマニウ
ムオキシ基を表す)である。
【0141】さらに好ましくは、Cu、VO、Ni,P
d,Pt,Coである。本発明者らはさらに、式(1)
のアザポルフィリン化合物が、例えば、テトラ−t−ブ
チル−テトラアザポルフィリン錯体やテトラ−neo−
ペンチル−テトラアザポルフィリン錯体であると、製造
が比較的容易であること、溶媒への溶解性、錯体が安定
であること、吸収特性に優れていること、t−ブチル基
やテトラ−neo−ペンチル基を付与した結果、錯体が
立体性を持つことによって溶媒への溶解性が高くなり、
色素を含有させやすくなることを見出し、優れた電磁波
シールド体を得られることができた。
【0142】本発明のディスプレイ用フィルタにおいて
は、前記の色素を含有させる方法(1)〜(4)は、色
素を含有する高分子フィルム(B)、色素を含有する後
述の透明粘着層(C)または第2の透明粘着層、色素を
含有する後述の機能性透明層(A)、色素を含有する前
述のハードコート層(F)のいずれか1つ以上の層にお
いて実施することが出来る。色素を含有する後述の機能
性透明層(A)は、色素を含有し且つ各機能を有する膜
でも、色素を含有し且つ各機能を有する膜が高分子フィ
ルム上に形成されたものでも、各機能を有する膜が色素
を含有する基材に形成されたもの、のいずれでも良い。
【0143】なお、本発明では、異なる吸収波長を有す
る色素2種類以上を一つの媒体または塗膜に含有させて
もよく、また色素層を2つ以上有していても良い。
【0144】まず、樹脂に色素を混練し、加熱成形する
(1)の方法について説明する。樹脂材料としては、プ
ラスチック板または高分子フィルムにした場合にできる
だけ透明性の高いものが好ましく、具体的には、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリ
スチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリア
ミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合
物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタ
クリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリ
デン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフ
ルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体
等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリ
エチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げる
ことが出来るが、これらの樹脂に限定されるものではな
い。
【0145】作製方法としては、用いる色素、ベース高
分子によって、加工温度、フィルム化条件等が多少異な
るが、通常、(i) ベース高分子の粉体或いはペレットに
色素を添加し、150〜350℃で加熱、溶解させた
後、成形してプラスチック板を作製する方法、(ii)押し
出し機によりフィルム化する方法、(iii)押し出し機に
より原反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に、1軸
乃至は2軸に延伸して10〜200μm厚のフィルムに
する方法、等が挙げられる。なお、混練する際に可塑剤
等の通常の樹脂成型に用いる添加剤を加えてもよい。色
素の添加量は、色素の吸収係数、作製する高分子成形体
の厚み、目的の吸収強度、目的の透過特性・透過率等に
よって異なるが、通常、ベース高分子成形体の重量に対
して1ppm〜20%である。
【0146】(2)のキャスティング法では、樹脂また
は樹脂モノマーを有機系溶媒に溶解させた樹脂濃厚液
に、色素を添加・溶解させ、必要であれば可塑剤、重合
開始剤、酸化防止剤を加え、必要とする面状態を有する
金型やドラム上へ流し込み、溶剤揮発・乾燥または重合
・溶剤揮発・乾燥させることにより、プラスチック板、
高分子フィルムを得る。
【0147】通常、脂肪族エステル系樹脂、アクリル系
樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル系
樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹
脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成樹脂(PV
B、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂の樹脂モノマ
ーを用いる。溶媒としては、ハロゲン系、アルコール
系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素系、芳香族
炭化水素系、エーテル系溶媒、あるいはそれらの混合物
系等を用いる。
【0148】色素の濃度は、色素の吸収係数、板または
フィルムの厚み、目的の吸収強度、目的の透過特性・透
過率等によって異なるが、樹脂モノマーの重量に対し
て、通常、1ppm〜20%である。
【0149】また、樹脂濃度は、塗料全体に対して、通
常、1〜90%である。塗料化してコーティングする
(3)の方法としては、色素をバインダー樹脂及び有機
系溶媒に溶解させて塗料化する方法、未着色のアクリル
エマルジョン塗料に色素を微粉砕(50〜500nm)
したものを分散させてアクリルエマルジョン系水性塗料
とする方法、等がある。
【0150】前者の方法では、通常、脂肪族エステル系
樹脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、
芳香族エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族
ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリ
ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル
系変成樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合
樹脂をバインダー樹脂として用いる。溶媒としては、ハ
ロゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪
族炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、あ
るいはそれらの混合物系等を用いる。
【0151】色素の濃度は、色素の吸収係数、コーティ
ングの厚み、目的の吸収強度、目的の可視光透過率等に
よって異なるが、バインダー樹脂の重量に対して、通
常、0.1〜30%である。
【0152】また、バインダー樹脂濃度は、塗料全体に
対して、通常、1〜50%である。後者のアクリルエマ
ルジョン系水系塗料の場合も、前記と同様に、未着色の
アクリルエマルジョン塗料に、色素を微粉砕(50〜5
00nm)したものを分散させて得られる。塗料中に
は、酸化防止剤等の通常塗料に用いるような添加物を加
えてもよい。
【0153】上記の方法で作製した塗料は、透明高分子
フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上にバーコーダ
ー、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコー
ター、ダイコーター、或いはスプレー等の従来公知のコ
ーティングをして、色素を含有する基材を作製する。
【0154】コーティング面を保護するために保護層を
設けたり、コーティング面を保護するようにコーティン
グ面に、電磁波シールド体の他の構成部材を貼合わせて
も良い。
【0155】色素を含有する粘着材として用いる方法
(4)では、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウ
レタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PV
B)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポ
リビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン
樹脂等のシート状または液状の粘着材または接着剤に、
色素を10ppm〜30%添加して用いる。
【0156】なお、これらの方法では、色素含有の電磁
波シールド体の耐光性を上げるために紫外線吸収剤を色
素と共に含有させることもできる。紫外線吸収剤の種
類、濃度は特に限定されない。
【0157】6.透明粘着層、導電性粘着層 本発明において、貼合わせ(ラミネート)は、任意の透
明粘着層を介する。本発明の透明粘着層(C)などは、
任意の透明な接着剤または粘着剤または粘着材からなる
層である。具体的にはアクリル系接着剤、シリコン系接
着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤
(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)
等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メ
ラミン樹脂等が挙げられる。この際肝要なことは、ディ
スプレイからの光線透過部である中心部分に用いられる
粘着材は可視光線に対して充分透明である必要がある。
【0158】導電性粘着層は、透明導電層(D)と表示
装置のアース部(グランド導体)とを電気的に接続させ
るための粘着層であって、導電性が必要だが、透明であ
る必要はない。電磁波シールド体は、透明導電層(D)
と外部との電気的接続が必要であるので、透明粘着層は
導電性粘着層による外部との電気的接続を著しく妨げて
はならない。すなわち、透明導電層(D)上に透明粘着
層が形成されていない導通部が必要である。例えば、透
明粘着層は透明導電層(D)の周縁部を残すように形成
し、導通部を残すことが肝要である。
【0159】導電性粘着層に用いる導電性接着剤、導電
性粘着材は、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウ
レタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PV
B)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポ
リビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン
樹脂等をベース剤として、導電性粒子としてカーボンや
Cu,Ni,Ag,Fe等の金属粒子を分散させたもの
である。分散粒子の導電性を低くて、かつ、粒子径が細
かく且つ粒子数が多くて粒子同士の接触面積が広いと、
導電性接着剤、導電性粘着材の体積固有抵抗が低くなり
好適になる。用いることが出来る導電性接着剤、導電性
粘着材の体積固有抵抗は1×10-4〜1×103 Ω・c
mである。実用上の接着強度があればシート状のもので
も液状のものでもよい。
【0160】粘着材としては感圧型接着剤でシート状の
ものが好適に使用できる。シート状粘着材貼付け後また
は接着材塗布後にラミネートすることによって貼合わせ
を行う。
【0161】液状のものは塗布、貼合わせ後に室温放置
または加熱または紫外線照射により硬化する接着剤であ
る。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコート
法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート
法、ロールコート法等が挙げられるが、接着剤の種類、
粘度、塗布量等から考慮、選定される。層の厚みは、特
に限定されるものではないが、体積固有抵抗と必要な導
電性を勘案して0.5μm〜50μm、好ましくは1μ
m〜30μmである。また、両面ともに導電性を有する
両面接着タイプの市販の導電性テープも好適に使用でき
る。この厚さもまた特に限定されるものではないが、数
μm〜数mm程度である。
【0162】粘着材は、実用上の接着強度があればシー
ト状のものでも液状のものでもよい。粘着材は、感圧型
接着剤でシート状のものが好適に使用できる。シート状
粘着材貼付け後または接着材塗布後に、各部材をラミネ
ートすることによって貼合わせを行う。
【0163】液状のものは、塗布、貼合わせ後に、室温
放置または加熱により硬化する接着剤である。
【0164】塗布方法としては、バーコート法、リバー
スコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロール
コート法等が挙げられるが、接着剤の種類、粘度、塗布
量等から考慮、選定される。
【0165】層の厚みは、特に限定されるものではない
が、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜30μ
mである。透明粘着層を形成される面、貼合わせられる
面は、予め易接着コートまたはコロナ放電処理などの易
接着処理により濡れ性を向上させておくことが好適であ
る。
【0166】さらに、透明粘着層を介して貼合わせた後
は、貼合わせ時に部材間に入り込んだ空気を脱泡、また
は、粘着材に固溶させ、さらには部材間の密着力を向上
させる為に、できれば加圧、加温の条件で養生を行うこ
とが肝要である。このとき、加圧条件としては数気圧〜
20気圧以下程度、加温条件としては各部材の耐熱性に
依るが、室温以上80℃以下程度であるが、これらに特
に制限を受けない。透明粘着層の少なくとも1つの層に
は色素を含有させることができる。
【0167】7.機能性透明層(A) 本発明のディスプレイ用フィルタには、ディスプレイへ
の設置方法や要求される機能に応じて、ハードコート
性、反射防止性、防眩性、静電気防止性、防汚性、ガス
バリア性、紫外線カット性のいずれか一つ以上の機能を
有し、且つ、可視光線を透過する機能性透明層(A)が
直接または第2の透明粘着層を介して、透明導電層
(D)の上に形成される。1つの機能性透明層(A)
が、複数の機能を有していることは好ましいことであ
る。
【0168】本発明における機能性透明層(A)は、上
記各機能を一つ以上有する機能膜そのものでも、機能膜
を塗布または印刷または従来公知の各種成膜法により形
成した透明な基体でも、各機能を有する透明な基体でも
良い。
【0169】機能膜そのものの場合は、機能性透明層
(A)を形成する透明導電層(D)の主面に塗布または
印刷または従来公知の各種成膜法により直接形成する。
【0170】機能膜を形成した透明な基体、各機能を有
する透明な基体の場合は、粘着材または色素を含有する
粘着材を介して透明導電層(D)の主面に貼付けても良
い。これらの作製方法は特に制限を受けない。
【0171】透明な基体は、透明な高分子フィルムであ
り、その種類、厚さも特に制限を受けないし、透明な基
体に色素を含有させることもできる。機能性透明層
(A)が機能膜そのものでも、膜中に色素を含有させる
ことができる。
【0172】電磁波シールド体は、透明導電層(D)と
外部との電気的接続が必要であるので、機能性透明層
(A)はこの電気的接続を妨げてはならない。すなわ
ち、透明導電層(D)上に機能性透明層(A)が形成さ
れていない導通部が必要である。例えば、機能性透明層
(A)を透明導電層の周縁部を残すように形成し、この
周辺部を導通部とすることができる。
【0173】ディスプレイは、照明器具等の映り込みに
よって表示画面が見づらくなってしまうので、機能性透
明層(A)は、外光反射を抑制するための反射防止(A
R:アンチリフレクション)性、防眩(AG:アンチグ
レア)性またはその両特性を備えた反射防止防眩(AR
AG)性のいずれかの機能を有していることが必要であ
る。電磁波シールド体表面の可視光線反射率が低いと、
前述した通り、プラズマディスプレイの蛍光体への外光
入射及び反射が低減し、映り込み防止だけではなく、コ
ントラスト及び色純度向上につながる。
【0174】反射防止(AR)性を有する機能性透明層
(A)は、反射防止膜を形成する基体の光学特性を考慮
し、光学設計によって反射防止膜の構成要素及び各構成
要素の膜厚を決定する。具体的には、可視域において屈
折率が1.5以下、好適には1.4以下と低いフッ素系
透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂
や酸化珪素の薄膜等を例えば1/4波長の光学膜厚で単
層形成したもの、屈折率の異なる金属酸化物、フッ化
物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の
無機化合物またはシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ
素系樹脂等の有機化合物の薄膜を基体から見て高屈折率
層、低屈折率層の順に2層以上積層したものがある。
【0175】単層形成したものは、製造が容易である
が、反射防止性が2層以上積層したものに比べ劣る。4
層積層したものは、広い波長領域にわたって反射防止能
を有し、基体の光学特性による光学設計の制限が少な
い。
【0176】これらの無機化合物薄膜の成膜には、スパ
ッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、湿式塗
工等、従来公知の方法のいずれでも採用できる。有機化
合物薄膜の成膜には、バーコート法、リバースコート
法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法
等の湿式塗工後に乾燥・硬化させる方法等、従来公知の
方法を採用できる。
【0177】反射防止性を有する機能性透明層(A)の
表面の可視光線反射率は2%以下、好ましくは1.3%
以下、さらに好ましくは0.8%以下である。
【0178】防眩(AG)性を有する機能性透明層
(A)は、0.1μm〜10μm程度の微少な凹凸の表
面状態を有する可視光線に対して透明な層を指してい
る。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メ
ラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ
素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂に、シリカ、有
機珪素化合物、メラミン、アクリル等の無機化合物また
は有機化合物の粒子を分散させインキ化したものを、バ
ーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダ
イコート法、ロールコート法等によって基体上に塗布、
硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜40μmである。
または、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系
樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂
等の熱硬化型又は光硬化型樹脂を基体に塗布し、所望の
ヘイズまたは表面状態を有する型を押しつけ硬化するこ
とによっても防眩性を得ることができる。要は適当な凹
凸を有することが重要であり、必ずしも上記方法に限定
されるものではない。
【0179】防眩性のヘイズは0.5%以上、20%以
下であり、好ましくは1%以上、10%以下である。ヘ
イズが小さすぎると防眩性が不十分であり、ヘイズが大
きすぎると平行光線透過率が低くなり、ディスプレイの
視認性が悪くなる。
【0180】反射防止防眩(ARAG)性を有する機能
性透明層(A)は、防眩性を有する膜または基体上に前
述の反射防止膜を形成することによって得られる。この
際、防眩性を有する膜が高屈折率の膜である場合、反射
防止膜が単層でも比較的高い反射防止性を付与すること
ができる。
【0181】ARまたはARAGによる反射防止はディ
スプレイ用フィルタの光線透過率を向上させることがで
きる。
【0182】本発明のディスプレイ用フィルタは、透明
粘着層(C)を介してディスプレイ表示部に貼合わせる
ため、表示部表面の基板ガラス反射が無くなる。従っ
て、さらに加えて、ARまたはARAGの機能を有する
機能性透明層(A)を形成したフィルタは、その表面の
反射も低く、ディスプレイのコントラスト及び色純度を
さらに向上させることが出来る。ARまたはARAGの
機能を有する機能性透明層(A)の表面における可視光
線反射率は2%以下、好ましくは1.3%以下、さらに
好ましくは0.8%以下である。
【0183】ディスプレイ用フィルタに耐擦傷性を付加
させるために、機能性透明層(A)がハードコート性を
有していることも好適である。ハードコート膜としては
アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウ
レタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬
化型又は光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形
成方法も特に限定されない。これら膜の厚さは、1〜1
00μm程度である。ハードコート膜が反射防止性を有
する透明機能層(A)の高屈折率層または低屈折率層に
用いられたり、ハードコート膜上に反射防止膜が形成さ
れて、機能性透明層(A)が反射防止性とハードコート
性の両方を有しても良い。同様に防眩性とハードコート
性の両方を有しても良い。この場合はハードコート膜が
粒子の分散さ等により凹凸を有すれば良いし、その上に
反射防止膜が形成されれば反射防止防眩性とハードコー
ト性を両方有する機能性透明層(A)が得られる。ハー
ドコート性を有する機能性透明層(A)の表面硬度は、
JIS(K―5400)に従った鉛筆硬度が少なくとも
H、好ましくは2H、さらに好ましくは3H以上であ
る。
【0184】さらに、ディスプレイ用フィルタには、静
電気帯電によりホコリが付着しやすく、また、人体が接
触したときに放電して電気ショックを受けることがある
ため、帯電防止処理が必要とされる場合がある。従っ
て、静電気防止能を付与するために、機能性透明層
(A)が導電性を有していても良い。この場合に必要と
される導電性は面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば
良いが、ディスプレイ画面の透明性や解像度を損なうも
のであってはならない。導電層としてはITOをはじめ
とする公知の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超
微粒子をはじめとする導電性超微粒子を分散させた導電
膜が挙げられる。
【0185】また、先述した反射防止性、防眩性、反射
防止防眩性、ハードコート性のいずれか一つ以上の機能
を有した機能性透明層(A)を構成する層が導電性を有
していると好適である。
【0186】また、多層薄膜に銀を用いた場合、銀は化
学的、物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸気
等によって劣化し、凝集、白化現象を起こすため、透明
導電性積層体の薄膜形成面には、薄膜が使用環境中の汚
染物質、水蒸気がさらされないように、ガスバリア性を
有する機能性透明層(A)で被覆することが肝要であ
る。必要とされるガスバリア性は、透湿度で10g/m
2 ・day以下である。ガスバリア性を有する膜の具体
例としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化スズ、
酸化インジウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム
等、またはこれらの混合物、またはこれらに他の元素を
微量に添加した金属酸化物薄膜や、ポリ塩化ビニリデン
ほか、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹
脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられるが、
特にこれらに限定されるものではない。これら膜の厚さ
は、金属酸化物薄膜の場合、10〜200nm、樹脂の
場合1〜100μm程度であり、単層でも多層でも良い
が、これもまた特に制限されるものではない。また、水
蒸気透湿度が低い高分子フィルムとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン
や、塩化ビニリデンと塩化ビニル、塩化ビニリデンとア
クリロニトリルの共重合物、フッ素系樹脂等が挙げられ
るが、透湿度が10g/m2 ・day以下であれば特に
限定されるものではない。透湿度が比較的高い場合で
も、フィルムの厚みが増えることや適当な添加物を加え
ることにより、透湿度は低下する。
【0187】また、先述した反射防止性、防眩性、反射
防止防眩性、帯電防止性、アンチニュートンリング性、
ハードコート性のいずれか一つ以上の機能を有した機能
性透明層(A)を構成する層がガスバリア性を有する膜
であったり、全体または隣接する透明粘着層と併用で上
記のガスバリア性を有していると、好適である。
【0188】例えば、色素を含有する反射防止性、ハー
ドコート性、帯電防止性、および、ガスバリア性を有す
る機能性透明層(A)としては、色素含有のポリエチレ
ンテレフタレートフィルム/ハードコート膜/ITO/
含ケイ素化合物/ITO/含ケイ素化合物、等があげら
れる。
【0189】また、反射防止防眩性、ハードコート性、
帯電防止性、および、ガスバリア性を有する機能性透明
層(A)としては、トリアセチルセルロースフィルム/
ITO微粒子分散ハードコート膜/含ケイ素化合物化合
物、等があげられる。
【0190】さらに、指紋等の汚れ防止や汚れが付いた
ときに簡単に取り除くことができるよう、機能性透明層
(A)表面が防汚性を有していると良い。防汚性を有す
るものとしては、水及び/または油脂に対して非濡性を
有するものであって、例えばフッ素化合物やケイ素化合
物が挙げられる。反射防止性や帯電防止性等の他の機能
と併せる際には、それら機能を妨げるものであってはな
らない。この場合、反射防止膜の構成材料に低屈折率で
あるフッ素化合物を使用することや、1〜数分子のフッ
素系有機分子を最表面にコートすることによって、反射
防止性や帯電防止性を維持しつつ防汚性を付与すること
ができる。
【0191】例えば、防汚性、反射防止性、ハードコー
ト性、帯電防止性、および、ガスバリア性を有する機能
性透明層(A)としては、ハードコート膜/ITO/含
ケイ素化合物/ITO/含ケイ素化合物/フッ素系有機
分子の単分子コート膜、等があげられる。
【0192】さらにまた、電磁波シールド体が含有する
色素が、ディスプレイから放射される、または、外光が
含む紫外線により劣化することを防ぐために、機能性透
明層(A)が、紫外線カット性を有していると良い。例
えば、紫外線を吸収する無機薄膜単層または多層からな
る反射防止膜、または、紫外線吸収剤を含有する機能性
透明膜を形成する基材、ハードコート膜を有している機
能性透明層(A)である。紫外線吸収剤の種類、濃度は
特に限定されない。
【0193】また、透明粘着層のうち少なくとも1つの
層はが紫外線吸収剤を含有していても良い。
【0194】紫外線カットする部材は、紫外線が入射す
る面と色素を含有する層の間に配されることが肝要であ
り、紫外線カット性は、色素の耐久性によって異なり特
に限定されない。
【0195】8.厚さ 「接着・粘着の辞典(朝倉書店)」によると、支持体の
厚みと粘着力の関係について、「一般には、支持体の厚
みが大きくなると曲げエネルギーが大きくなるので粘着
力は大きくなるが、ある点から曲げモーメントなどの影
響により粘着力は低下してくる」との記載がある。本発
明者らは、透明高分子フィルムの全体厚を0.3mm以
上とすることで、光学フィルターフィルムのガラス面か
らの剥離を容易に行うことができることを見出した。光
学フィルターフィルムの剛性は主に透明高分子フィルム
の厚さ合計によって支配されるため、本発明における効
果は、上記曲げモーメントの効果によるものと推察され
る。また、光学フィルターフィルムの剛性が増すことに
より、平均した力による連続的な剥離が可能となり、剥
離中断点を起点とするガラス板への糊残りが生じること
が少なくなる。
【0196】さらには、透明高分子フィルムの厚さ合計
を上げることによって耐衝撃性も向上する。透明高分子
フィルムの厚さ合計が大きいほど、その耐衝撃性は向上
するが、フィルムの積層枚数が多くなると生産効率が低
くなる、その剛性が大幅増加することによりディスプレ
イへの直接貼合わせが困難になる。従って透明高分子フ
ィルムの厚さ合計については特に指定はないが、0.3
〜1.0mmが好ましく、さらに好ましくは、0.4m
m〜0.8mmである。また、透明高分子フィルムの積
層枚数についても特に指定はないが、2〜6枚が好まし
く、さらに好ましくは2枚〜4枚である。
【0197】図12〜図17は、本発明に係るディスプ
レイ用フィルタの構成例を示す断面図である。
【0198】図12において、透明粘着層30、近赤外
遮蔽機能を有する透明高分子フィルム(B)23(15
0μm)、透明粘着層30、反射防止機能を示す機能性
透明層(A)を有する透明高分子フィルム(B)24
(188μm)が順次積層されて、ディスプレイ用フィ
ルタを構成する。
【0199】図13において、透明粘着層30、嵩上げ
用透明高分子フィルム(B)25(200μm)、透明
粘着層30、近赤外遮蔽機能を有する透明高分子フィル
ム(B)23(75μm)、透明粘着層30、反射防止
機能を示す機能性透明層(A)を有する透明高分子フィ
ルム(B)24(80μm)が順次積層されて、ディス
プレイ用フィルタを構成する。
【0200】図14において、透明粘着層30、近赤外
遮蔽機能を有する透明高分子フィルム(B)23(75
μm)、透明粘着層30、嵩上げ用透明高分子フィルム
(B)25(200μm)、透明粘着層30、反射防止
機能を示す機能性透明層(A)を有する透明高分子フィ
ルム(B)24(80μm)が順次積層されて、ディス
プレイ用フィルタを構成する。
【0201】図15において、透明粘着層30、嵩上げ
用透明高分子フィルム(B)25(200μm)、透明
粘着層30、反射防止機能を示す機能性透明層(A)及
び赤外線遮蔽機能を有する透明高分子フィルム(B)2
6(150μm)が順次積層されて、ディスプレイ用フ
ィルタを構成する。
【0202】図16において、透明粘着層30、嵩上げ
用透明高分子フィルム(B)25(200μm)、透明
粘着層30、電磁波遮蔽機能を示す透明導電層(D)を
有する透明高分子フィルム(B)23(75μm)、透
明粘着層30、防眩性機能をを示す機能性透明層(A)
を有する透明高分子フィルム(B)24(150μm)
が順次積層され、透明高分子フィルム23の上に電極5
0が形成されてディスプレイ用フィルタを構成する。
【0203】図17において、透明粘着層30、嵩上げ
用透明高分子フィルム(B)25(200μm)、透明
粘着層30、反射防止機能を示す機能性透明層(A)及
び電磁波遮蔽機能を示す透明導電層(D)を有する透明
高分子フィルム(B)26(188μm)が順次積層さ
れ、透明高分子フィルム25と26の上に電極50が形
成されてディスプレイ用フィルタを構成する。
【0204】図18は、図16に示した電磁波遮蔽機能
を示す透明高分子フィルム(B)23の構成を示す断面
図である。高分子フィルム(B)20の上に、電磁波遮
蔽機能を示す透明導電層(D)10が形成され、透明導
電層(D)10は、高屈折率透明薄膜層(Dt)11と
銀又は銀合金から成る金属薄膜層(Dm)12とがDt
/Dm/Dt/Dm/Dtの順で積層されて構成され
る。フィルタの裏面には透明粘着層30が設けられ、デ
ィスプレイ画面に接着可能になる。
【0205】図19は、図17に示した電磁波遮蔽機能
を示す透明高分子フィルム(B)26の構成を示す断面
図である。高分子フィルム(B)20の上に、電磁波遮
蔽機能を示す透明導電層(D)10が形成され、透明導
電層(D)10は、高屈折率透明薄膜層(Dt)11と
銀又は銀合金から成る金属薄膜層(Dm)12とがDt
/Dm/Dt/Dm/Dt/Dm/Dtの順で積層され
て構成される。高分子フィルム(B)20の反対面には
機能性透明層(A)として反射防止膜61が設けられ
る。フィルタの裏面には透明粘着層30が設けられ、デ
ィスプレイ画面に接着可能になる。
【0206】図20は、図16または図17に示したデ
ィスプレイ用フィルタの平面図である。フィルタの平面
形状は長方形で、ディスプレイで表示された画像はフィ
ルタ中央部を透過して観察される。フィルタの長辺およ
び短辺を含む周辺部には透明導電層と電気接続された電
極50が形成され、電極50はディスプレイのグランド
端子に接続される。
【0207】9.電極 電磁波シールドを必要とする機器には、機器のケース内
部に金属層を設けたり、ケースに導電性材料を使用して
電波を遮断する。ディスプレイ画面の如く透明性が必要
である場合には、透明導電層を形成した窓状の電磁波シ
ールド体を設置する。電磁波は導電層において吸収され
たのち電荷を誘起するため、アースをとることによって
電荷を逃がさないと、再び電磁波シールド体がアンテナ
となって電磁波を発振し電磁波シールド能が低下する。
従って、電磁波シールド体とディスプレイ本体のアース
部が電気的に接続している必要がある。そのため、図3
に示したように透明導電層(D)上に透明粘着層(C)
及び機能性透明層(A)が形成されている場合は、透明
粘着層(C)及び機能性透明層(A)は、導通部を残す
ように透明導電層(D)上に形成されることが好まし
い。
【0208】導通部の形状は特に限定しないが、電磁波
シールド体とディスプレイ本体の間に、電磁波の漏洩す
る隙間が存在しないことが肝要である。
【0209】本発明における電極とは、電磁波シールド
体における外部との電気的導通部をいう。これは、透明
導電層の剥き出し部でもよいし、剥き出し部の上部に、
その保護と良好な電気的接触を目的として、導電性の金
属ペーストを印刷したり、導電性テープ、導電性粘着材
などの導電性材料を貼合わせてもよい。また、機能性透
明層上に透明導電層と電気接続がとれる形で形成しても
よい。以上のように、電極の形状や材料は特に限定しな
いが、透明導電層の剥き出し部を導電性材料で覆うよう
に電極を形成することが好適である。
【0210】但し、本発明における電極は、透明導電層
を含む本発明のフィルムの断面部に導電性材料を接触さ
せて得てもよい。断面部とは、透明導電層を含むフィル
ムの断面部は、少なくとも透明導電性層とそれを保護す
るためのフィルムが層状をなしていることが観察できる
が、適当な導電性材料が透明導電層と断面部において接
触していれば所望の電極を得ることができる。
【0211】この場合に透明導電層上に形成される透明
粘着層の端部が透明導電層の端部よりも内側に入り込ん
でいると、導電ペースト等を用いて電極を形成する場合
にその隙間部分に導電ペーストが入り込み、透明導電層
と電極との接触面積が増加するので好ましい。
【0212】図21〜図25は、本発明に係るディスプ
レイ用フィルタの構成例を示す断面図である。
【0213】図21において、透明粘着層30、透明高
分子フィルム(B)23、透明導電層(D)10、機能
性透明層(A)である防眩性フィルム71が順次積層さ
れ、透明導電層(D)10の上に電極50が形成されて
ディスプレイ用フィルタを構成する。
【0214】図22において、外気側からディスプレイ
側に向かって、機能性透明層(A)である防眩性フィル
ム71、透明高分子フィルム(B)23、透明導電層
(D)10が順次積層され、透明導電層(D)10の周
辺に電極50が形成される。透明導電層(D)10の裏
面で、電極50を除いた中央部には透明粘着層30が設
けられ、ディスプレイ画面に接着可能になる。
【0215】図23において、透明粘着層30、透明高
分子フィルム(B)23、透明導電層(D)10、機能
性透明層(A)である防眩性フィルム71が順次積層さ
れ、積層体の側端面に電極50が形成されてディスプレ
イ用フィルタを構成する。
【0216】図24において、透明粘着層30、透明導
電層(D)10、透明高分子フィルム(B)23、機能
性透明層(A)である防眩性フィルム71が順次積層さ
れ、透明粘着層30と透明導電層(D)10との間に銅
テープ等の導電テープ51がフィルタ周辺部に介在し
て、透明導電層(D)10の電気接続を確保している。
【0217】図25において、透明粘着層30、透明導
電層(D)10、透明高分子フィルム(B)23、機能
性透明層(A)である防眩性フィルム71が順次積層さ
れ、フィルタの厚さ方向に貫通するスルーホール電極5
2が形成され、透明導電層(D)10の電気接続を確保
している。
【0218】図26は、図21〜図25に示したディス
プレイ用フィルタの平面図である。フィルタの平面形状
は長方形で、ディスプレイで表示された画像はフィルタ
中央部を透過して観察される。フィルタの2つの長辺に
は透明導電層と電気接続された電極50、導電テープ5
1又はスルーホール電極52が形成され、これらの電極
はディスプレイのグランド端子に接続される。なお、図
21〜図25に示したディスプレイ用フィルタの電極
は、もちろん図20の平面図に示したように、フィルタ
の全周に配置されていてもよい。
【0219】図24に示したように透明導電層とその上
に貼合わせる透明粘着層との間に銅テープのような導電
テープを挟み込み、その導電テープの一部分を電磁波シ
ールド体外部に引き出すことによって電極を形成しても
良い。この場合、外部に引き出された導電性テープが実
質的に電極となる。
【0220】図25に示したように透明導電層から電磁
波シールド体最表面に通じるような隙間を設け、電極を
形成しても良い。表面から見える隙間の形状には特に指
定はなく、円形でもよいし、角型でも良い。また線状に
形成されていても構わない。表面から見える個々の隙間
の大きさにも特に指定はない。ただし、あまり大きすぎ
ると視認部分にかかってしまうので好ましくない。隙間
の形成位置は、視認部分を避ける位置であれば特に指定
はない。必然的に端部から近い位置となる。形成する隙
間の数にも特に制限はないが、全周に渡ってできるだけ
多く形成されている方が電流の取り出し効率が上昇する
ので好ましい。隙間は透明導電層と電磁波シールド体最
表面の間に設けられていれば良いが、形成する電極との
接触面積を増やす観点から、透明導電層を貫通している
ことが好ましい。
【0221】隙間を埋める部材に関しても特に指定はな
い。金属部材で埋めても良いし、導電性ペーストで埋め
ても良い。この場合、隙間を埋めた部材が実質的に電極
となる。
【0222】導通部は透明導電層(D)の周縁部に、且
つ連続的に設けられていることが好適である。すなわ
ち、ディスプレイの表示部である中心部分を除いて、枠
状に、導通部が設けられていることが好ましい。
【0223】但し、全周に導通部が形成されていなくと
も一定の電磁波遮断能力はあるので、装置からの電磁波
発生量と許容電磁波漏洩量とを総合的に考慮することに
よって、使用可能な場合も多い。
【0224】例えば、長方形の向い合う辺のみに導電材
料を付与し電極を形成する設計にすれば、ロールツーロ
ール方式で電極を形成したり、ロール状態のまま電極を
形成したりすることができるため、非常に生産効率良く
光学フィルターを作製することができるので都合が良
い。また、この手法は先に示した、電極として導電性テ
ープを用いる場合においても利用することができる。
【0225】長方形の向い合う2辺以外の部分に加えて
さらに別の部分に電極が形成されていたり、向い合う2
辺における一部分に電極が形成されていない部分が存在
しても特に問題はない。
【0226】導通部を覆う電極は、耐環境性及び耐擦傷
性に劣る透明導電層(D)の保護にもなる。電極に用い
る材料は、導電性、耐触性および透明導電膜との密着性
等の点から、銀、金、銅、白金、ニッケル、アルミニウ
ム、クロム、鉄、亜鉛、カーボン等の単体もしくは2種
以上からなる合金や、合成樹脂とこれら単体または合金
の混合物、もしくは、ホウケイ酸ガラスとこれら単体ま
たは合金の混合物からなるペーストを使用できる。電極
形成にはメッキ法、真空蒸着法、スパッタ法など、ペー
ストといったものは印刷、塗工する方法など従来公知の
方法を採用できる。
【0227】用いる導電性材料は電気を通導することの
できるものであれば特に指定はない。通常は、銀ペース
トなどの導電性の材料をペースト状にした物が用いられ
る。
【0228】電極の形成方法としては、ペースト状の物
であれば断面部に塗布し乾燥させたりして行う。ロール
状態のフィルムの側面に導電性材料を塗布しても良い
し、ロールツーロールで繰り出しながら側面に塗布して
も構わない。また、テープ状の導電性材料も用いること
ができる。
【0229】また、透明支持基体に透明導電性薄膜層が
形成された透明高分子フィルムを貼合わせた後に、断面
部に塗布することもできる。
【0230】塗布方法としては、効率および精度の観点
から、スクリーン印刷法が用いられる場合が多い。
【0231】また隙間を金属部材で埋めて電極を形成す
る場合は、電磁波シールド体自体には予め加工を施さな
くても構わない。ねじ穴を形成した金属性のアースを予
め表示装置の外周部分に準備しておき、金属性のアース
部分を含めて、表示装置の表示部分に電磁波シールド体
を貼付けた後に電磁波シールド体を貫通するようにして
金属性アースのねじ穴に導電性のねじを埋め込めば良
い。この場合導電性のねじが実質的に電極の役割を果た
す。この手法を用いると電磁波シールド体をロールツー
ロール方式で生産性高く作製できるうえ、電磁波シール
ド体の全周部分に渡って電極を形成することも容易であ
る。
【0232】10.電磁波シールド 電磁波シールド体と表示装置との間からの電磁波の漏れ
を最小限にするためには、電磁波シールド体の導電層と
表示装置との間の絶縁空間をできるだけ減らすことが必
要である。空気やその他絶縁物が隙間に介在していると
そこから電磁波が外部に漏れ出してしまい好ましくな
い。
【0233】従来のように支持基体に透明導電性フィル
ムを貼合わせて電磁波シールド体を作製する場合は、透
明導電層と表示装置との間に主に絶縁物である支持基体
が存在することになり、透明導電層と表示装置との間を
全周に渡って導電性を保つように接触させなければ、十
分な電磁波遮断効果を得ることができなかった。このた
め、電磁波シールド体の製造工程においては、枚葉によ
り透明支持基体に貼付けるという工程および枚葉で全外
週部分に電極を形成するという作業が必要であった。
【0234】本発明において、フィルム状態の電磁波シ
ールド体を表示装置に直接貼付ける場合は、導電層と表
示装置との距離が非常に近いため、絶縁空間を従来の手
法に比較して大幅に狭くすることができるため、電極を
全周部分に渡って形成せずとも十分な電磁波遮断効果を
得ることできるので好ましい。このことは電磁波シール
ド体の透明導電層が表示装置側に形成されている場合に
顕著である。すなわち長方形の2つの長辺のみに電極を
形成することによって十分な電磁波遮断効果を得ること
ができる。その場合、製造手法として非常に生産性の高
い手法であるロールツーロール法を用いることができる
ので非常に好適である。
【0235】11.表示装置及びその製造方法 本発明の表示装置は、装置の表示部に接着された、電磁
波シールド体及び/又は調光フィルムとして機能するデ
ィスプレイ用フィルタを具備する。電磁波シールド体
は、表示装置とを電気的に接触する。
【0236】本発明に係る表示装置の製造方法は、主と
して以下の(1)〜(10)の方法が挙げられるが、こ
れに限定されるものではない。
【0237】方法(1):機能性透明層(A)及び導通
部(及び電極)/透明導電層(D)/高分子フィルム
(B)(及びハードコート層(F))/透明粘着層
(C)、または、機能性透明層(A)及び導通部(及び
電極)/透明粘着層(C)/透明導電層(D)/高分子
フィルム(B)(及びハードコート層(F))/透明粘
着層(C)である本発明の電磁波シールド体を表示装置
の表示部に透明粘着層(C)を貼合わせ面にして、貼合
わせる。
【0238】貼合わせ後、本発明の電磁波シールド体の
導通部または導通部上に形成された電極と表示装置本体
の導通部すなわちアース部を、導電性テープまたは導電
性接着剤または導電性塗料または導電性の成形部品をも
って電気的に接続する。
【0239】方法(2):表示装置の表示部に、透明導
電層(D)/高分子フィルム(B)(及びハードコート
層(F))/透明粘着層(C)の順に構成される積層体
を、透明粘着層(C)を貼合わせ面として、貼合わせた
後、透明導電層(D)上に導通部を残して機能性透明層
(A)を直接または透明粘着層(C)を介して形成し、
且つ、積層体の導通部と表示装置本体の導通部すなわち
アース部を、導電性テープまたは導電性接着剤または導
電性塗料または導電性の成形部品をもって電気的に接続
する。
【0240】方法(3):表示装置の表示部に透明粘着
層(C)を塗工または貼合し、機能性透明層(A)及び
導通部(及び電極)/透明導電層(D)/高分子フィル
ム(B)(及びハードコート層(F))の順に構成され
る積層体を、高分子フィルム(B)を貼合わせ面とし
て、貼合わせた後、積層体の導通部と表示装置本体の導
通部すなわちアース部を、導電性テープまたは導電性接
着剤または導電性塗料または導電性の成形部品をもって
電気的に接続する。
【0241】方法(4):表示装置の表示部に透明粘着
層(C)を塗工または貼合し、透明導電層(D)/高分
子フィルム(B)(及びハードコート層(F))の順に
構成される透明積層体を高分子フィルム(B)を貼合わ
せ面として、貼合わせた後、透明導電層(D)上に導通
部を残して機能性透明層(A)を直接または第2の透明
粘着層を介して形成し、且つ、積層体の導通部と表示装
置本体の導通部すなわちアース部を、導電性テープまた
は導電性接着剤または導電性塗料または導電性の成形部
品をもって電気的に接続する。
【0242】方法(5):機能性透明層(A)/高分子
フィルム(B)/透明導電層(D)/透明粘着層(C)
および導電性粘着層からなる電磁波シールド体を、表示
装置の少なくとも表示部に透明粘着層(C)を貼合わせ
面にし、且つ、表示装置の少なくともアース部に導電性
粘着層を貼合わせ面にして貼合わせる。
【0243】方法(6):表示装置の少なくとも表示
部、または、少なくとも透明導電層(D)/高分子フィ
ルム(B)/機能性透明層(A)の順に構成される積層
体の透明導電層(D)上の透光部に透明粘着層(C)を
形成し、また、表示装置の少なくともアース部、また
は、該積層体の透明導電層(D)上に導電性粘着層を形
成した後、該積層体と表示装置を貼合わせる。
【0244】方法(7):機能性透明層(A)/高分子
フィルム(B)/透明導電層(D)/透明粘着層(C)
および導電性粘着層からなり、端部において透明導電層
(D)と高分子フィルム(B)の間に銅テープ等の導電
性テープの一部分が挟み込まれている電磁波シールド体
を、表示装置の少なくとも表示部に透明粘着層(C)を
貼合わせ面にし、且つ、表示装置の少なくともアース部
に導電性テープの外部露出部分を貼合わせる。
【0245】方法(8):表示装置の少なくとも表示
部、または、少なくとも透明導電層(D)/高分子フィ
ルム(B)/機能性透明層(A)の順に構成され、端部
において透明導電層(D)と高分子フィルム(B)の間
に銅テープ等の導電性テープの一部分が挟み込まれてい
る積層体の透明導電層(D)上の透光部に透明粘着層
(C)を形成し、また、表示装置の少なくともアース
部、または、該積層体の透明導電層(D)上に導電性粘
着層を形成した後、該積層体と表示装置を貼合わせる。
【0246】本発明の電磁波シールド体は、透過特性、
透過率、可視光線反射率が優れているため、プラズマデ
ィスプレイに形成することにより、プラズマディスプレ
イの輝度を著しく損なわずに、その色純度及びコントラ
ストを向上させることができる。さらにまた、プラズマ
ディスプレイから発生する健康に害をなすといわれてい
る電磁波を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、
プラズマディスプレイからでる800〜1100nm付
近の近赤外線を効率よくカットするため、周辺電子機器
のリモコン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を
与えず、それらの誤動作を防ぐことができる。また、耐
候性・耐環境性に優れ、反射防止性及び/または防眩
性、耐擦傷性、防汚性、帯電防止性等を兼ね備えてお
り、低コストに提供できる。本発明の電磁波シールド体
を具備せしめることにより、優れた特性を有するプラズ
マディスプレイを提供できる。
【0247】本発明の電磁波シールド体は、光学特性、
電磁波シールド能、近赤外線カット能に優れているの
で、プラズマディスプレイ以外の電磁波及び/又は近赤
外線を発生するFED(Fi eld Emission Display)、C
RT(Cathode Ray Tube)等の各種ディスプレイに好適
に使用できる。
【0248】調光フィルムを具備した表示装置の製造方
法に関しては、主として以下の2つの方法が挙げられる
が、これに限定されるものではない。
【0249】方法(9):少なくとも機能性透明層
(A)/高分子フィルム(B)/透明粘着層(C)であ
る本発明の調光フィルムを表示装置の少なくとも表示部
に透明粘着層(C)を貼合わせ面として貼合わせる。
【0250】方法(10):表示装置の少なくとも表示
部に透明粘着層(C)を形成し、少なくとも透明導電層
(D)/高分子フィルム(B)の順に構成される積層体
の高分子フィルム(B)面を貼合わせ面として、表示装
置と貼合わせる。
【0251】本発明の調光フィルムは、透過特性、透過
率、反射特性が優れているため、カラープラズマディス
プレイ等のディスプレイの表示部に直接形成することに
より、ディスプレイの輝度を著しく損なうことなく、そ
の色純度及びコントラストを向上させることができる。
また、耐擦傷性、防汚性、静電気防止性等を兼ね備えて
おり、低コストに提供できる。
【0252】また、本発明の調光フィルムを直接ディス
プレイ表面に形成し具備せしめることにより、優れた特
性を有する表示装置を提供できる。
【0253】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。本発明はこれらによりなんら制限されるものではな
い。
【0254】実施例中の透明導電層(D)を構成する薄
膜は、基材の一方の主面にマグネトロンDCスパッタリ
ング法により成膜した。薄膜の厚さは、成膜条件から求
めた値であり、実際に測定した膜厚ではない。
【0255】高屈折率透明薄膜層(Dt)はITO薄膜
で形成され、ターゲットに酸化インジウム・酸化スズ焼
結体(組成比In23:SnO2=90:10wt%)
又は酸化スズ焼結体を、スパッタガスにアルゴン・酸素
混合ガス(全圧266mPa:酸素分圧5mPa)を用
いて成膜した。
【0256】金属薄膜層(Dm)は銀薄膜又は銀−パラ
ジウム合金薄膜で形成され、ターゲットに銀又は銀−パ
ラジウム合金(パラジウム10wt%)を、スパッタガ
スにアルゴンガス(全圧266mPa)を用いて成膜し
た。
【0257】尚、透明導電層の面抵抗は、四探針測定法
(プローブ間隔1mm)により測定した。また、表面の
可視光線反射率(Rvis )は、まず測定対象物の小辺を
切り出し、透明粘着層を取り除いて高分子フィルム
(B)側表面をサンドペーパーで荒らした後、艶消し黒
スプレーしてこの面の反射を無くし、反射積分球(光線
入射角度6゜)を用いた(株)日立製作所製分光光度計
(U−3400)により可視領域の全光線反射率を測定
し、ここで求められた反射率からJISR3106に従
って計算した。
【0258】(実施例1)2軸延伸ポリエチレンテレフ
タレート(以下PET)フィルム(厚さ:188μm)
を高分子フィルム(A)としてその一方の主面に、PE
Tフィルムから順に、ITO薄膜(膜厚:40nm)、
銀薄膜(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:95n
m)、銀薄膜(膜厚:14nm)、ITO薄膜(膜厚:
90nm)、銀薄膜(膜厚:12nm)、ITO薄膜
(膜厚:40nm)の計7層の透明導電層(B)を形成
し、面抵抗2.2Ω/□の透明導電層(B)を有する透
明積層体1を作製した。
【0259】PETフィルム/透明導電層の断面を、本
発明における高分子フィルム(B)/透明導電層(D)
の一例を示す断面図として、(図1)に示した。図1に
おいて、符号10は透明導電層(D)、符号11は高屈
折率透明薄膜層(Dt)、符号12は金属薄膜層(D
m)、符号20は高分子フィルム(B)である。
【0260】酢酸エチル/トルエン(50:50wt
%)溶剤に有機色素を分散・溶解させ、アクリル系粘着
剤の希釈液とした。アクリル系粘着剤/色素入り希釈液
(80:20wt%)を混合し、コンマコーターにより
透明積層体1の高分子フィルム(B)側の面に乾燥膜厚
25μmに塗工の後、乾燥、粘着面に離型フィルムをラ
ミネートして、離型フィルムと透明積層体の高分子フィ
ルム(B)に挟み込まれた透明粘着層(C)(粘着材
1)を形成した。なお、粘着材1の屈折率は1.51、
消光係数は0であった。
【0261】有機色素としては、プラズマディスプレイ
が放射する不要発光を吸収させるための波長595nm
に吸収極大を有する三井化学(株) 製色素PD−31
9、及び白色発光の色度を補正するための三井化学
(株) 製赤色色素PS−Red−Gを用い、それぞれ乾
燥した粘着材1の中に1150(wt)ppm、105
0(wt)ppmで含有されるようにアクリル系粘着剤
/色素入り希釈液を調整した。なお、PD−319は下
記式(3)(化4)で表されるテトラ−t−ブチル−テ
トラアザポルフィリン・バナジル錯体である。
【0262】
【化4】
【0263】トリアセチルセルロース(TAC)フィル
ム(厚さ:80μm)の一方の主面に、多官能メタクリ
レート樹脂に光重合開始剤を加え、さらにITO微粒子
(平均粒径:10nm)を分散させたコート液をグラビ
アコーターにて塗工し、紫外線硬化によって導電性ハー
ドコート膜(膜厚:3μm)を形成し、その上に含フッ
素有機化合物溶液をマイクログラビアコーターにて塗工
・90℃乾燥・熱硬化させ、屈折率1.4の反射防止膜
(膜厚:100nm)を形成し、ハードコート性(JI
SK5400準拠の鉛筆硬度:2H)、ガスバリア性
(ASTM−E96準拠、1.8g/m2・day)、
反射防止性(表面のRvis :1.0%)、帯電防止性
(表面抵抗:7×109 Ω/□)、防汚性を有する機能
性透明層(E)として反射防止フィルム1を得た。反射
防止フィルム1の他方の主面に、粘着材1と同様の素材
で色素を入れない粘着剤/希釈液を塗工・乾燥させ、厚
さ25μmの透明粘着層(粘着材2)を形成し、さらに
離型フィルムをラミネートした。
【0264】ロール状の透明積層体1/粘着材1/離型
フィルムを970mm×570mmの大きさに裁断し、
ガラス製支持板に透明導電層(D)面を上にして固定し
た。さらに、ラミネーターを用いて、透明導電層(D)
の周縁部20mmが剥き出しになるように導通部を残し
て、内側だけに反射防止フィルムをラミネートした。透
明導電層(D)面から見た平面図を、本発明の電磁波シ
ールド体の一例を示す平面図として、(図2)に示し
た。図2において、符号02は電磁波シールド体の透光
部、符号03は電磁波シールド体の導通部である。
【0265】さらに、透明導電層(D)の剥き出しの導
通部を覆うように周縁部の幅22mmの範囲に、銀ペー
スト(三井化学(株)製MSP−600F)をスクリー
ン印刷し、乾燥させ厚さ15μmの電極を形成した。支
持板からはずして、透明粘着層(C)面に離型フィルム
を有する本発明の電磁波シールド体を作製した。
【0266】さらに、該電磁波シールド体の離型フィル
ムを剥離して、プラズマディスプレイパネル前面(表示
部920mm×520mm)に枚葉式ラミネーターを用
いて貼合わせた後、60℃、2×105 Paの加圧加温
条件下でオートクレーブ処理した。電磁波シールド体の
電極部と該プラズマディスプレイパネルのアース部を、
(株)寺岡製作所製・導電性銅箔粘着テープ(510F
R)を用いて接続し、本発明の電磁波シールド体を具備
する表示装置を得た。該電磁波シールド体の断面を、本
発明の電磁波シールド体とその装着状態の一例を示す断
面図として、(図3)に示した。図3において、符号0
0はディスプレイ表示部、符号10は透明導電層
(D)、符号20は高分子フィルム(B)、符号31は
色素を含有する透明粘着層(C)、符号40は透明粘着
層(E)、符号50は電極、符号60は反射防止性、ハ
ードコート性、ガスバリア性、静電気防止性、防汚性を
有する機能性透明層(A)、符号61は防汚性を有する
反射防止膜、符号62は帯電防止性を有するハードコー
ト膜、符号63はハードコート膜62及び反射防止膜6
1が形成される透明な基材、符号80は導電性銅箔粘着
テープである。
【0267】(実施例2)ポリエチレンテレフタレート
ペレット1203(ユニチカ(株)製)に白色発光の色
度を補正するための三井化学(株)製赤色色素PS−R
ed−Gを0.01wt%、同じく紫色色素PS−Vi
olet−RCを0.015wt%混合し、260〜2
80℃で溶融させ、押し出し機により厚み200μmの
フィルムを作製した。その後、このフィルムを2軸延伸
して、厚み100μmの色素を含有した色素入りPET
フィルム〔高分子フィルム(B)〕を作製した。
【0268】該PETフィルムの一方の主面にアルコキ
シシランを氷酢酸で加水分解したものにシリコーン系表
面平滑剤を加えたコート液を、グラビアコーターにて塗
工・120℃の熱硬化によってハードコート膜(膜厚:
10μm、鉛筆硬度:3H)を形成し、ハードコート層
(F)を形成した色素含有のPETフィルムを得た。該
ハードコート層上に、順にSnO2 薄膜(膜厚:40n
m)、銀薄膜(膜厚:9nm)、SnO2 薄膜(膜厚:
80nm)、銀−パラジウム合金薄膜(膜厚:11n
m)、SnO2 薄膜(膜厚:40nm)の計5層の面抵
抗5.3Ω/□の透明導電層(D)を形成し、色素を含
有するPETフィルム/ハードコート層(F)/透明導
電層(D)である透明積層体2を作製した。
【0269】透明積層体2のPETフィルム面に粘着材
1と同様の素材で色素を入れない粘着剤/希釈液を塗工
・乾燥させ、厚さ25μmの透明粘着層(C)(粘着材
3)を形成し、さらに離型フィルムをラミネートした。
【0270】ロール状の透明積層体2/粘着材3/離型
フィルムを970mm×570mmの大きさに裁断し、
ガラス製支持板に透明導電層(D)面を上にして固定し
た。
【0271】多官能メタクリレート樹脂に光重合開始剤
を添加、さらに有機シリカ微粒子(平均粒径:15μ
m)を分散させた塗工液を調製した。
【0272】透明導電層(D)の周縁部20mmが剥き
出しになるように導通部を残して内側だけにフレキソ印
刷した後、紫外線硬化し、防眩性(ヘーズメーター測定
のヘーズ値:5%)、ハードコート性(鉛筆硬度:2
H)を有する機能性透明層(A)として、アンチグレア
層を形成した。支持板からはずして、透明粘着層(C)
面に離型フィルムを有する本発明の電磁波シールド体を
作製した。
【0273】さらに、該電磁波シールド体の離型フィル
ムを剥離して、プラズマディスプレイパネル前面(表示
部920mm×520mm)に枚葉式ラミネーターを用
いて貼合わせた後、60℃、2×105 Paの加圧加温
条件下でオートクレーブ処理した。電磁波シールド体の
導通部と該プラズマディスプレイパネルのアース部を、
(株)寺岡製作所製・導電性銅箔粘着テープ(510F
R)を用いて接続し、本発明の電磁波シールド体を具備
する表示装置を得た。
【0274】該電磁波シールド体の断面を、本発明の電
磁波シールド体とその装着状態の一例を示す断面図とし
て、(図4)に示した。図4において、符号00はディ
スプレイ表示部、符号10は透明導電層(D)、符号2
1は色素を含有する高分子フィルム(B)、符号22は
ハードコート層(F)、符号30は透明粘着層(C)、
符号70はアンチグレア層(防眩性、ハードコート性を
有する機能性透明層(E))、符号80は導電性銅箔粘
着テープである。
【0275】(実施例3)実施例1と同様に高分子フィ
ルム(B)/透明導電層(D)積層体を作製した。さら
にロール状に巻き取られた上記PETフィルム/透明導
電層のPETフィルムの反対側主面に、機能性透明層
(A)として次の機能性透明膜1をロール・ツー・ロー
ルで連続的に形成した。すなわち、多官能メタクリレー
ト樹脂に光重合開始剤を加え、さらにITO微粒子(平
均粒径:10nm)を分散させたコート液をグラビアコ
ーターにて塗工し、紫外線硬化によって導電性ハードコ
ート膜(膜厚:3μm)を形成し、その上に含フッ素有
機化合物溶液をマイクログラビアコーターにて塗工・9
0℃乾燥・熱硬化させ、屈折率1.4の反射防止膜(膜
厚:100nm)を形成し、ハードコート性(JIS
K5400準拠の鉛筆硬度:2H)、反射防止性(表面
のRvis :0.9%)、帯電防止性(表面抵抗:7×1
9 Ω/□)、防汚性を有する機能性透明層(A)を形
成した。上記のロール状の機能性透明層(A)/高分子
フィルム(B)/透明導電層(D)を970mm×57
0mmの大きさに裁断し、ガラス製支持板に透明導電層
(B)面を上にして固定した。酢酸エチル/トルエン
(50:50wt%)溶剤に有機色素を分散・溶解さ
せ、アクリル系粘着剤の希釈液とした。アクリル系粘着
剤/色素入り希釈液(80:20wt%)を混合し、バ
ッチ式ダイコーターにより透明導電層(D)上に、周縁
部22mmを除いて、乾燥膜厚25μmに塗工の後、乾
燥させ、透明粘着層(C)として粘着材1を形成した。
なお、粘着材1の屈折率は1.51、消光係数は0であ
った。
【0276】有機色素はプラズマディスプレイが放射す
る不要発光を吸収させるための波長595nmに吸収極
大を有する三井化学( 株) 製色素PD−319、及び、
白色発光の色度を補正するための三井化学( 株) 製赤色
色素PS−Red−Gが、それぞれ乾燥した粘着材1の
中で1150(wt)ppm、1050(wt)ppm
含有するようにアクリル系粘着剤/色素入り希釈液を調
整した。PD−319は式(3)(化5)で表されるテ
トラ−t−ブチル−テトラアザポルフィリン・バナジル
錯体である。
【0277】
【化5】
【0278】さらに、透明導電層(D)の剥き出しの導
通部を覆うように、周縁部の幅22mmの範囲に、二液
性常温硬化型接着剤((株)スリーボンド製3381)
をメタルマスクを用いて印刷し、乾燥させ厚さ25μm
の導電性粘着層を形成した。
【0279】支持体からはずして、透明粘着層(C)及
び導電性粘着層面に離型フィルムをラミネートして、片
面に離型フィルムを有する本発明の電磁波シールド体を
作製した。
【0280】さらに、該電磁波シールド体の離型フィル
ムを剥離して、プラズマディスプレイパネル前面(表示
部920mm×520mm)に枚葉式ラミネーターを用
いて貼合わせた。この際、少なくとも表示部に透明粘着
層(C)部が、少なくともアース部に導電性粘着層を貼
合わせるように位置合わせを行なった。貼合わせ後、6
0℃、2×105 Paの加圧加温条件下でオートクレー
ブ処理し、本発明の電磁波シールド体を具備する表示装
置を得た。
【0281】該電磁波シールド体の透明粘着層側から見
た平面を、本発明の電磁波シールド体との一例を示す平
面図として、(図5)に示した。図5において、符号3
1は色素を含有する透明粘着層(C)、符号41は導電
性粘着層である。
【0282】該電磁波シールド体の断面を、本発明の電
磁波シールド体とその装着状態の一例を示す断面図とし
て、(図6)に示した。図6において、符号00はディ
スプレイ表示部、符号10は透明導電層(D)、符号2
0は高分子フィルム(B)、符号31は色素を含有する
透明粘着層(C)、符号41導電性粘着層、符号60は
反射防止性、ハードコート性、静電気防止性、防汚性を
有する機能性透明層(A)、符号61は防汚性を有する
反射防止膜、符号62は帯電防止性を有するハードコー
ト膜である。
【0283】(実施例4)実施例3と同様に高分子フィ
ルム(B)を作製した。ポリエチレンテレフタレートペ
レット1203(ユニチカ(株)製)に白色発光の色度
を補正するための三井化学(株)製赤色色素PS−Re
d−Gを0.01wt%、同じく紫色色素PS−Vio
let−RCを0.015wt%混合し、260〜28
0℃で溶融させ、押し出し機により厚み200μmのフ
ィルムを作製した。その後、このフィルムを2軸延伸し
て、厚み100μmの色素を含有した高分子フィルム
(B)である色素入りPETフィルムを作製した。
【0284】該PETフィルムの一方の主面に、順にS
nO2 薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜(膜厚:9n
m)、SnO2 薄膜(膜厚:80nm)、銀−パラジウ
ム合金薄膜(膜厚:11nm)、SnO2 薄膜(膜厚:
40nm)の計5層の面抵抗5.3Ω/□の透明導電層
(D)を形成し、色素を含有するPETフィルム/透明
導電層(D)である透明積層体2をロールツーロールで
作製した。
【0285】さらにロール状に巻き取られた上記PET
フィルム/透明導電層のPETフィルムの反対側主面
に、機能性透明層(A)として次の機能性透明膜2をロ
ールツーロールで連続的に形成した。多官能メタクリレ
ート樹脂に光重合開始剤を添加、さらに有機シリカ微粒
子(平均粒径:15μm)を分散させた塗工液を調製
し、塗工後、紫外線硬化させ、防眩性(ヘーズメーター
測定のヘーズ値:5%)、ハードコート性(鉛筆硬度:
2H)を有する機能性透明層(A)として、アンチグレ
ア層を形成した。
【0286】上記のロール状の機能性透明層(A)/高
分子フィルム(B)/透明導電層(D)を970mm×
570mmの大きさに裁断し、ガラス製支持板に透明導
電層(D)面を上にして固定した。
【0287】実施例1の粘着材1と同様の素材で色素を
入れない粘着材2を離型フィルム上に25μm厚さに形
成した。粘着材2/離型フィルムを、透明導電層上且つ
周縁部20mm残した内側に、粘着材2面を貼合わせ面
として額縁貼りラミネーターを用いてラミネートした。
さらに、透明導電層(D)の剥き出しの導通部を覆うよ
うに、周縁部の幅20mmの範囲に、導電性両面粘着テ
ープ(寺岡製作所製WMFT791)を、片面の離型フ
ィルムを剥離して貼った。
【0288】支持体からはずして、片面に離型フィルム
を有する本発明の電磁波シールド体を作製した。さら
に、該電磁波シールド体の離型フィルムを剥離して、プ
ラズマディスプレイパネル前面(表示部920mm×5
20mm)に枚葉式ラミネーターを用いて貼合わせた。
この際、少なくとも表示部に透明粘着層(C)部が、少
なくともアース部に導電性粘着層を貼合わせるように、
位置合わせを行なった。貼合わせ後、60℃、2×10
5 Paの加圧加温条件下でオートクレーブ処理し、本発
明の電磁波シールド体を具備する表示装置を得た。
【0289】該電磁波シールド体の断面を、本発明の電
磁波シールド体とその装着状態の一例を示す断面図とし
て、(図7)に示した。図7において、符号00はディ
スプレイ表示部、符号10は透明導電層(D)、符号2
1は色素含有の高分子フィルム(B)、符号30は透明
粘着層(C)、符号41は導電性粘着層、符号70はア
ンチグレア層(防眩性、ハードコート性を有する機能性
透明層(E))である。
【0290】(比較例1)PETフィルム(厚さ:18
8μm)を高分子フィルム(B)として、その一方の主
面に、ITO薄膜(膜厚:400nm)からなる面抵抗
15Ω/□の透明導電層を形成し、透明積層体3を作製
した。透明積層体3を用いて、色素を使用しないほか
は、実施例1と同様に、電磁波シールド体を作製し、そ
れを具備した表示装置を得た。
【0291】以上のようにして得られた実施例1〜4の
本発明の電磁波シールド体を有する表示装置であるプラ
ズマディスプレイについて、以下の評価を行った。
【0292】1)電磁波シールド体の透過率 ミノルタ(株)製CRTカラーアナライザ(CA10
0)を用いて、電磁波シールド体を形成する前後でのプ
ラズマディスプレイの分光放射輝度を求め、形成後の輝
度の、形成前の輝度に対する比を百分率で示した。
【0293】2)プラズマディスプレイの明所コントラ
スト比(最高最低輝度比) 電磁波シールド体を形成する前後で評価した。周囲明る
さ100lxの明時において、プラズマディスプレイパ
ネルの白色表示時の最高輝度(cd/m2 )と黒色表示
時の最低輝度(cd/m2 )を、ミノルタ(株)製の輝
度計(LS−110)を用いて測定し、その比(最高輝
度/最低輝度)を求めた。
【0294】3)プラズマディスプレイの発光色の色純
度 電磁波シールド体を形成する前後で評価した。プラズマ
ディスプレイにディスプレイ用フィルターを装着しない
場合と、実施例1及び2のディスプレイ用フィルターを
装着した場合について測定した。白色(W)表示、赤色
(R)表示、緑色(G)表示、青色(B)表示におい
て、ミノルタ(株)製CRTカラーアナライザ(CA1
00)を用いて、RGB色度(x,y)及び白色の色
度、色温度、黒体軌跡からの白色偏差を測定した。PD
P発光の三原色がNTSC方式で定めたRGB色の色再
現範囲に近くなる程好ましい。また、PDP発光の三原
色をx−y色度図上で結んだ三角形の面積の、NTSC
の色再現範囲の面積に対する比の百分率が100%に近
くなると、色再現範囲が広くなることを示す。
【0295】4)電磁波シールド能 電磁波シールド体を形成していないプラズマディスプレ
イと実施例1〜4及び比較例1の電磁波シールド体を設
けたプラズマディスプレイにおいて、以下の測定を行っ
た。ダイポールアンテナを表示部中心位置から面の水洗
芳香10mの位置に設置し、アドバンテスト性スペクト
ラル・アナライザ(TP4172)で30〜230MH
z帯域における放射電界強度を測定した。VCCIの3
m法においては、この領域での許容値は、Class Aで5
0dBμV/m以下、 ClassBで40dBμV/m以下
である。評価は33MHz、90MHzで行った。
【0296】5)電磁波シールド体の近赤外線透過率 実施例1〜4及び比較例1の電磁波シールド体を評価し
た。電磁波シールド体の透光部を小片に切り出し、
(株)日立製作所分光光度計(U−3400)により、
800〜1000nmの平行光線透過率を測定し、82
0nm、850nm、950nmにおける透過率を評価
した。
【0297】6)近赤外線カット能 電磁波シールド体を形成していないプラズマディスプレ
イと実施例1、2及び比較例1の電磁波シールド体を設
けたプラズマディスプレイにおいて、以下の測定を行っ
た。赤外線リモートコントローラーを使用する電子機器
として家庭用VTRを0.2〜5mディスプレイから離
して、その誤動作を確認した。誤動作がある場合は、そ
の限界距離を求めた。実用的には、少なくとも3m以
下、好適には1.5m以下である。
【0298】実施例1の本発明の電磁波シールド体は、
プラズマディスプレイ発光の透過率が可視光線透過率で
50%であり、不要発光がある波長595nmに吸収極
大を有する色素により、必要な発光のある波長610n
mの透過率に対する、595nmの透過率の百分率は3
8%であった。また、これを具備したプラズマディスプ
レイは、反射防止性を有する機能性透明層(A)が形成
されている電磁波シールド体を用いたことにより、ディ
スプレイ表面の反射を抑制されたこと、及び、電磁波シ
ールド体の透過特性により、周囲照度100lxの条件
下における明所コントラスト比が、電磁波シールド体を
形成される前が20であったのに対して45に向上し
た。また、映り込みも少ないので、視認性の良いプラズ
マディスプレイが得られた。
【0299】実施例2の本発明の電磁波シールド体はプ
ラズマディスプレイ発光の透過率が可視光線透過率で5
8%であり、映り込みも少ないので、視認性の良いプラ
ズマディスプレイが得られた。明所コントラスト比は2
0から37に改善された。
【0300】実施例3の本発明の電磁波シールド体はプ
ラズマディスプレイ発光の透過率が可視光線透過率で5
8%であり、映り込みも少ないので、視認性の良いプラ
ズマディスプレイが得られた。明所コントラスト比は2
0から37に改善された。
【0301】実施例4の本発明の電磁波シールド体はプ
ラズマディスプレイ発光の透過率が可視光線透過率で5
9%であり、映り込みも少ないので、視認性の良いプラ
ズマディスプレイが得られた。明所コントラスト比は2
0から37に改善された。
【0302】(図8)に電磁波シールド体形成前後の色
再現範囲を示すx−y色度図を示した。(図8)はPD
P(プラズマディスプレイパネル)に実施例1の電磁波
シールド体を形成する前後の白色(W)、赤色(R)、
緑色(G)、青色(B)発光の色度をx−y色度図にプ
ロットしたものである。さらに目標とされるNTSCの
色度も合わせてプロットした。
【0303】白色は、好適な白色色度の軌跡である黒体
軌跡と比較した位置で評価できる。本発明の電磁波シー
ルド体を用いると、白色の色度偏差が少ないこと、ま
た、実施例1の電磁波シールド体を形成する前より、色
温度が高い位置にあることが判る。色温度はおよそ70
00Kからおよそ10000Kに上昇した。
【0304】また、RGBの点を結んだ三角形を図中に
示した。NTSCに近くなるほど好ましいといえる。実
施例1の電磁波シールド体を用いることにより、赤色、
緑色の色度がNTSCの示す色度に近づき、色再現範囲
を示す三角形が大きくなっていることが判る。三角形の
面積の、NTSCが示す三角形の面積に対する百分率を
求めたところ、実施例1の電磁波シールド体を形成する
前が74%であったのに対し、形成することによって8
5%に改善できた。また、上記の評価4)〜6)の結果
を表1にまとめて示した。
【0305】
【表1】
【0306】表1より、本発明の電磁波シールド体を用
いることにより、VCCI規格の ClassBまたは Class
Aをクリアできることが判る。透明動電送の面抵抗が低
い程電磁波シールド能に優れていた。
【0307】また、本発明の電磁波シールド体を用いる
ことにより、近赤外線カット能に優れていることが判
る。金属薄膜と項屈折率透明薄膜を高後に積層した透明
導電層を用いた本発明の電磁波シールド体は、近赤外線
の透過率が低くて、近赤外線カット能に優れ、その透明
導電層の面抵抗が低い程近赤外線カット能に優れてい
た。さらにまた、本発明の電磁波シールド体は、機能性
透明層(D)に各機能を持たせることによって、耐環境
性及び/または耐擦傷性及び/または防汚性及び/また
は静電気防止性に優れている。
【0308】(実施例5)トリアセチルセルロース(T
AC)フィルム(厚さ:80μm)を高分子フィルム
(B)として用い、その一方の主面に、機能性透明層
(A)として次の機能性透明膜1をロール・ツー・ロー
ルで連続的に形成した。すなわち、多官能メタクリレー
ト樹脂に光重合開始剤を加え、さらにITO微粒子(平
均粒径:10nm)を分散させたコート液をグラビアコ
ーターにて塗工し、紫外線硬化によって導電性ハードコ
ート膜(膜厚:3μm)を形成し、その上に含フッ素有
機化合物溶液をマイクログラビアコーターにて塗工・9
0℃乾燥・熱硬化させ、屈折率1.4の反射防止膜(膜
厚:100nm)を形成し、ハードコート性(JIS
K5400準拠の鉛筆硬度:2H)、反射防止性(表面
のRvis :0.9%)、帯電防止性(表面抵抗:7×1
9 Ω/□)、防汚性を有する機能性透明膜1を形成し
た。
【0309】酢酸エチル/トルエン(50:50wt
%)溶剤に有機色素を分散・溶解させ、アクリル系粘着
剤の希釈液とした。アクリル系粘着剤/色素入り希釈液
(80:20wt%)を混合し、機能性透明膜1/TA
CフィルムのTACフィルム面上に、カンマコーターに
より乾燥膜厚25μmに塗工後、乾燥させ、透明粘着層
(C)として粘着材1を形成した。透明粘着層面に離型
フィルムをラミネートしてロール状に巻き取り、透明粘
着層面に離型フィルムを有するロール状の本発明の調光
フィルムを得た。
【0310】有機色素としては、プラズマディスプレイ
が放射する不要発光を吸収させるための波長595nm
に吸収極大を有する三井化学(株)製色素PD−31
9、及び白色発光の色度を補正するための三井化学
(株)製赤色色素PS−Red−Gを用い、それぞれ乾
燥した粘着材1の中で1650(wt)ppm、450
(wt)ppm含有するように、アクリル系粘着剤/色
素入り希釈液を調整した。PD−319は式(3)(化
6)のテトラ−t−ブチル−テトラアザポルフィリン・
バナジル錯体である。
【0311】
【化6】
【0312】さらに、該調光フィルムをシート状に裁断
し、離型フィルムを剥離して、プラズマディスプレイパ
ネル前面(表示部920mm×520mm)に枚葉式ラ
ミネーターを用いて貼合わせた。この際、少なくとも表
示部全体に透明粘着層(C)部を貼合わせるようにシー
ト裁断、貼り位置合わせを行なった。貼合わせ後、60
℃、2×105 Paの加圧加温条件下でオートクレーブ
処理し、本発明の調光フィルムを具備する表示装置を得
た。
【0313】該調光フィルムの断面を、本発明の調光フ
ィルムとその装着状態の一例を示す断面図として、(図
9)に示した。図9において、符号00はディスプレイ
表示部、符号20は高分子フィルム(B)、符号31は
色素含有の透明粘着層(C)、符号60は反射防止性、
ハードコート性、静電気防止性、防汚性を有する機能性
透明層(A)、符号61は防汚性を有する反射防止膜、
符号62は静電気防止性を有するハードコート膜であ
る。
【0314】(実施例6)ポリエチレンテレフタレート
(PET)ペレット1203(ユニチカ(株)製)に、
前記の式(3)で表わされる三井化学(株)製色素PD
−319を0.018wt%、波長585nmに吸収極
大を有する三井化学(株)製色素PD−311を0.0
18wt%、白色発光の色度を補正するための三井化学
(株)製赤色色素PS−Red−Gを0.004wt%
混合し、260〜280℃で溶融させ、押し出し機によ
り厚み250μmのフィルムを作製した。その後、この
フィルムを2軸延伸して、厚み125μmの色素を含有
した高分子フィルム(B)である色素入りPETフィル
ムを作製した。PD−311は式(4)(化7)のテト
ラ−t−ブチル−テトラアザポルフィリン・銅錯体であ
る。
【0315】
【化7】
【0316】さらにロール状に巻き取られた上記PET
フィルムの一方の主面上に機能性透明層(A)として次
の機能性透明膜2をロールツーロールで連続的に形成し
た。すなわち、多官能メタクリレート樹脂に光重合開始
剤を添加、さらに有機シリカ微粒子(平均粒径:15μ
m)を分散させた塗工液を調製し、塗工後、紫外線硬化
させ、防眩性(ヘーズメーター測定のヘーズ値:5
%)、ハードコート性(鉛筆硬度:2H)を有するアン
チグレア層である機能性透明膜2を形成した。実施例1
の粘着材1と同様の素材で色素を入れない粘着材2を機
能性透明膜2/色素入りPETフィルムのPETフィル
ム面上に形成した。透明粘着層面に離型フィルムをラミ
ネートしてロール状に巻き取り、透明粘着層面に離型フ
ィルムを有するロール状の本発明の調光フィルムを得
た。
【0317】さらに、該調光フィルムをシート状に裁断
し、離型フィルムを剥離して、プラズマディスプレイパ
ネル前面(表示部920mm×520mm)に枚葉式ラ
ミネーターを用いて貼合わせた。この際、少なくとも表
示部全体に透明粘着層(C)部を貼合わせるようにシー
ト裁断、貼り位置合わせを行なった。貼合わせ後、60
℃、2×105 Paの加圧加温条件下でオートクレーブ
処理し、本発明の調光フィルムを具備する表示装置を得
た。
【0318】該調光フィルムの断面を、本発明の調光フ
ィルムとその装着状態の一例を示す断面図として、(図
10)に示した。図10において、符号00はディスプ
レイ表示部、符号21は色素を含有する透明粘着層
(C)、符号30は透明粘着層(C)、符号70はアン
チグレア層(防眩性、ハードコート性を有する機能性透
明層(A)である。
【0319】以上のようにして得られた実施例5及び6
の本発明の調光フィルムを有する表示装置であるプラズ
マディスプレイは、調光フィルム形成前のプラズマディ
スプレイとともに、以下のように評価した。
【0320】1)調光フィルムの透過率 ミノルタ(株)製CRTカラーアナライザ(CA10
0)を用いて、調光フィルムを形成する前後でのプラズ
マディスプレイの分光放射輝度を求め、形成後の輝度
の、形成前の輝度に対する比を百分率で示した。
【0321】2)プラズマディスプレイの明所コントラ
スト比(最高最低輝度比) 調光フィルムを形成する前後で評価した。周囲明るさ1
00lxの明時において、プラズマディスプレイパネル
の白色表示時の最高輝度(cd/m2 )と黒色表示時の
最低輝度(cd/m2 )を、ミノルタ(株)製の輝度計
(LS−110)を用いて測定し、その比(最高輝度/
最低輝度)を求めた。
【0322】3)プラズマディスプレイの発光色の色純
度 調光フィルムを形成する前後で評価した。白色(W)表
示、赤色(R)表示、緑色(G)表示、青色(B)表示
において、ミノルタ(株)製CRTカラーアナライザ
(CA100)を用いて、RGB色度(x,y)及び白
色の色度、色温度、黒体軌跡からの白色偏差を測定し
た。PDP発光の三原色がNTSC方式で定めRGB色
の色再現範囲に近くなる程好ましい。また、PDP発光
の三原色をxy色度図上で結んだ三角形の面積の、NT
SCの色再現範囲の面責に対する比の百分率が100%
に近くなると、色再現範囲が広くなることを示す。
【0323】実施例5の本発明の調光フィルムはプラズ
マディスプレイ発光の透過率が可視光線透過率で69%
であり、不要発光がある波長595nmに吸収極大を有
する色素により、必要な発光のある波長610nmの透
過率に対する595nmの透過率の百分率は21%であ
った。また、これを具備したプラズマディスプレイは、
反射防止性を有する機能性透明層(A)が形成されてい
る調光フィルムを用いたことにより、ディスプレイ表面
の反射を抑制されたこと、及び、調光フィルムの透過特
性により、周囲照度100lxの条件下における明所コ
ントラスト比が、調光フィルムを形成される前が20で
あったのに対して41に向上した。輝度も著しく損なわ
れておらず、映り込みも少ないので、視認性の良いプラ
ズマディスプレイが得られた。さらに加えて赤色、緑色
の発光の色純度が特に著しく改善された。緑色の発光の
色純度改善は、595nm吸収色素の黄緑色発光の低減
による。
【0324】同じく、実施例6の本発明の調光フィルム
は、プラズマディスプレイ発光の透過率が可視光線透過
率で70%であり、不要発光がある波長595nmに吸
収極大を有する色素と同じ波長585nmに吸収極大を
有する色素より、必要な発光のある波長610nmの透
過率に対する595nmの透過率の百分率は30%であ
った。また、これを具備したプラズマディスプレイは、
調光フィルムの透過特性により、周囲照度100lxの
条件下における明所コントラスト比が、調光フィルムを
形成される前が20であったのに対して37に向上し
た。輝度も著しく損なわれておらず、映り込みも少ない
ので、視認性の良いプラズマディスプレイが得られた。
さらに加えて赤色、緑色の発光の色純度が特に著しく改
善された。緑色の発光の色純度改善は、595nm及び
585nm吸収色素の黄緑色発光の低減による。特によ
り短波長を吸収する585nm吸収色素により、その効
果が大きかった。
【0325】(図11)に本発明の調光フィルム形成前
後の色再現範囲を示すx−y色度図を示した。
【0326】(図11)はPDP(プラズマディスプレ
イパネル)に実施例5の調光フィルムを形成する前後の
白色(W)、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)発光
の色度をx−y色度図にプロットしたものである。さら
に目標とされるNTSCの色度も合わせてプロットし
た。
【0327】白色は、好適な白色色度の軌跡である黒体
軌跡と比較した位置で評価できる。本発明の電磁波シー
ルド体を用いると、白色の色度偏差が少ないこと、ま
た、実施例5または実施例6の調光フィルムを形成する
前より、色温度が高い位置にあることが判る。色温度は
およそ7000Kからおよそ9500Kに上昇し、黒体
軌跡からのずれを示す白色偏差もほぼ0であった。
【0328】また、RGBの点を結んだ三角形を図中に
示した。NTSCに近くなるほど好ましいといえる。実
施例5または実施例6の調光フィルムを用いることによ
り、赤色、緑色の色度がNTSCの示す色度に近づき、
色再現範囲を示す三角形が大きくなっていることが判
る。三角形の面積の、NTSCが示す三角形の面積に対
する百分率を求めたところ、実施例5の調光フィルムを
形成する前が74%であったのに対し、形成することに
よって86%に改善できた。また、実施例6の調光フィ
ルムを形成した場合は88%に改善できた。
【0329】さらにまた、本発明の調光フィルムは、機
能性透明層(A)に各機能を持たせることによって、耐
擦傷性及び/または防汚性及び/または静電気防止性に
優れている。
【0330】(実施例7)ポリエチレンテレフタレート
ペレット1203(ユニチカ(株)製)に近赤外吸収色
素である三井化学(株)製SIR−128、SIR−1
30を各0.15wt%混合し約280℃で溶融後、押
出2軸延伸により厚さ150μmの近赤外遮蔽フィルム
を作製した。さらに、酢酸エチル/トルエン(50:5
0wt%)溶剤を希釈液として、アクリル系粘着剤と希
釈液とを80:20の割合で混合し、近赤外遮蔽フィル
ム面上に、カンマコーターにより乾燥膜厚25μmに塗
工後、乾燥させ、粘着材層を形成し離型フィルムをラミ
ネートした。
【0331】上記のように作製した近赤外遮蔽フィルム
(B)の上に、ベースフィルム厚さ188μmの反射防
止フィルム(日本油脂製リアルック1200)をラミネ
ートし、長さ960mm×幅550mmに裁断すること
によって、透明高分子フィルムの厚さ合計が0.338
mmとなる光学フィルターフィルムを得た。
【0332】このフィルムを長さ980×幅580mm
×厚さ2.5mmの半強化ガラス板に貼合わせた。
【0333】(実施例8)ポリエチレンテレフタレート
ペレット1203(ユニチカ(株)製)に近赤外吸収色
素である三井化学(株)製SIR−128、SIR−1
30を各0.3wt%混合し約280℃で溶融後、押出
2軸延伸により厚さ75μmの近赤外遮蔽フィルムを作
製した。さらに、酢酸エチル/トルエン(50:50w
t%)溶剤を希釈液として、アクリル系粘着剤と希釈液
とを80:20の割合で混合し、近赤外遮蔽フィルム面
上に、カンマコーターにより乾燥膜厚25μmに塗工
後、乾燥させ、粘着材層を形成し離型フィルムをラミネ
ートした。
【0334】また、近赤外吸収色素を加えずに、同様の
手法を用いて、厚さ200μmの嵩上げ用透明高分子フ
ィルムを作製した。
【0335】近赤外遮蔽フィルムに、ベースフィルム厚
さ80μmの反射防止フィルム(日本油脂製リアルック
2200)をラミネートし、長さ960mm×幅550
mmに裁断後、フィルム厚み200μmの嵩上げ用透明
高分子フィルムの上に貼合わせた。これにより、透明高
分子フィルムの合計厚さが、0.355mmとなる光学
フィルターフィルムを得た。このフィルムを長さ980
×幅580mm×厚さ2.5mmの半強化ガラス板に貼
合わせた。
【0336】(実施例9)実施例7に示した厚さ150
μmの近赤外線遮蔽フィルムの主面上に機能性透明層
(A)として、次の機能性透明膜をロールツーロールで
連続的に形成した。すなわち、多官能メタクリレート樹
脂に光重合開始剤を添加、さらに有機シリカ微粒子(平
均粒径:15μm)を分散させた塗工液を調製し、塗工
後、紫外線硬化させ、防眩性(ヘーズメーター測定のヘ
ーズ値:5%)、ハードコート性(鉛筆硬度:2H)を
有する防眩性機能をもった機能性透明層を形成した。
【0337】この近赤外遮蔽機能と防眩性機能を有する
透明高分子フィルムに実施例14で示した厚さ200μ
mの嵩上げ用透明高分子フィルムをラミネートし、長さ
960mm×幅550mmに裁断することにより透明高
分子フィルムの合計厚さが、0.350mmとなる光学
フィルターフィルムを得た。このフィルムを長さ980
×幅580mm×厚さ2.5mmの半強化ガラス板に貼
合わせた。
【0338】(実施例10)押出2軸延伸によって厚さ
75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを作製
し、その一方の主面に、フィルムから順に、SnO2
膜(膜厚:40nm)、銀薄膜(膜厚:9nm)、Sn
2 薄膜(膜厚:80nm)、銀−パラジウム合金薄膜
(膜厚:11nm)、SnO2 薄膜(膜厚:40nm)
の計5層を形成し、面抵抗5.3Ω/□の透明導電性薄
膜層(D)を持った電磁波遮蔽機能を有する透明高分子
フィルムを作製した。
【0339】上記の電磁波遮蔽フィルムに対し、以下の
方法で粘着材層を形成した。酢酸エチル/トルエン(5
0:50wt%)溶剤に有機色素を分散・溶解させ、ア
クリル系粘着剤の希釈液とした。有機色素は、プラズマ
ディスプレイが放射する不要発光を吸収させるための波
長595nmに吸収極大を有する三井化学製色素PD−
319、及び、白色発光の色度を補正するための三井化
学製赤色色素PS−Red−Gが、それぞれ乾燥した粘
着材中で1150(wt)ppm、1050(wt)p
pm含有するようにアクリル系粘着剤/色素入り希釈液
を調整した。
【0340】アクリル系粘着剤/色素入り希釈液(8
0:20wt%)を混合し、コンマコーターにより電磁
波遮蔽フィルム側の面に乾燥膜厚25μmに塗工の後、
乾燥、粘着面に離型フィルムをラミネートして、透明粘
着層を形成した。
【0341】このフィルムを実施例8に示した厚さ20
0μmの嵩上げ用透明高分子フィルムの上に透明導電性
薄膜層を上にしてラミネートし、長さ960mm×幅5
50mmに裁断した。
【0342】さらにベースフィルム厚さ188μmの反
射防止フィルム(日本油脂製リアルック1200)を長
さ920mm×幅510mmに裁断し、透明導電性薄膜
層の周縁部20mmが剥き出しになるように反射防止フ
ィルムを内貼りした。さらに、透明導電性薄膜層の剥き
出しの導通部を覆うように周縁部の幅22mmの範囲
に、銀ペースト(三井化学(株)製MSP−600F)
をスクリーン印刷し、乾燥させ厚さ15μmの電極を形
成した。これにより、透明高分子フィルムの合計厚さ
が、0.463mmとなる光学フィルターフィルムを得
た。このフィルムを長さ980×幅580mm×厚さ
2.5mmの半強化ガラス板に貼合わせた。
【0343】(実施例11)押出2軸延伸によって厚さ
200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを作
製し、その一方の主面に、フィルムから順に、ITO薄
膜(膜厚:40nm)、銀薄膜(膜厚:11nm)、I
TO薄膜(膜厚:95nm)、銀薄膜(膜厚:14n
m)、ITO薄膜(膜厚:90nm)、銀薄膜(膜厚:
12nm)、ITO薄膜(膜厚:40nm)の計7層の
透明導電性薄膜層(F)を形成し、面抵抗2.2Ω/□
の透明導電層を有する電磁波遮蔽フィルムを作製した。
【0344】さらに、この電磁波遮蔽フィルムの透明導
電性薄膜層が形成されていない他方の主面に、次の機能
性透明層をロールツーロールで連続的に形成した。すな
わち、多官能メタクリレート樹脂に光重合開始剤を加
え、さらにITO微粒子(平均粒径:10nm)を分散
させたコート液をグラビアコーターにて塗工し、紫外線
硬化によって導電性ハードコート膜(膜厚:3μm)を
形成し、その上に含フッ素有機化合物溶液をマイクログ
ラビアコーターにて塗工・90℃乾燥・熱硬化させ、屈
折率1.4の反射防止膜(膜厚:100nm)を形成
し、ハードコート性(JISK5400準拠の鉛筆硬
度:2H)、反射防止性(表面のRvis :0.9%)、
帯電防止性(表面抵抗:7×109 Ω/□)、防汚性を
有する機能性透明層を形成した。
【0345】さらに、酢酸エチル/トルエン(50:5
0wt%)溶剤を希釈液として、アクリル系粘着剤と希
釈液とを80:20の割合で混合し、透明導電層面上
に、カンマコーターにより乾燥膜厚25μmに塗工後、
乾燥させ、離型フィルムをラミネートし透明粘着材層を
形成した。
【0346】上記機能性透明層付電磁波遮蔽フィルムを
長さ920mm×幅510mmに裁断し、長さ960m
m×幅550mmに裁断した厚さ200μmの嵩上げ用
透明高分子フィルムの上に、周縁部各20mmを残して
内貼りした。
【0347】さらに、透明導電層の厚さ断面導通部を覆
うように周縁部の幅22mmの範囲に、銀ペースト(三
井化学(株)製MSP−600F)をスクリーン印刷
し、乾燥させ厚さ15μmの電極を形成した。これによ
り、透明高分子フィルムの合計厚さが、0.4mmとな
る光学フィルターフィルムを得た。このフィルムを長さ
980×幅580mm×厚さ2.5mmの半強化ガラス
板に貼合わせた。
【0348】(比較例2)実施例9に示した厚さ150
μmの近赤外遮蔽フィルムと、ベースフィルム厚さ80
μmの反射防止フィルムとを貼合わせ、フィルム全体厚
さが、0.230mmとなる光学フィルターフィルムを
得た。このフィルムを長さ980×幅580mm×厚さ
2.5mmの半強化ガラス板に貼合わせた。
【0349】(比較例3)実施例10に示した厚さ75
μmの電磁波遮蔽フィルムと、ベースフィルム厚さ18
8μmの反射防止フィルムとを貼合わせ、フィルム全体
厚さが、263μmとなる光学フィルターフィルムを得
た。このフィルムを長さ980×幅580mm×厚さ
2.5mmの半強化ガラス板に貼合わせた。
【0350】上記のように、各光学フィルターフィルム
をガラス板に貼合わせたサンプルについて、耐衝撃性の
向上と剥離性、ガラス板への接着剤残り状態を調べた。
【0351】耐衝撃試験は、ガラス板に貼合わせたフィ
ルムサンプルを上面にして高さ1.5mから重さ500
gの鋼球を落下させ、基板ガラスの損傷状態を調べた。
試験は各5枚実施した。
【0352】剥離性とガラスへの糊残り試験について
は、光学フィルムをガラス板に貼合わせ後1時間経過の
のち、フィルムをガラス板から剥離し、その状態を調べ
た。以上の結果を表2に掲げた。
【0353】
【表2】
【0354】表2から分かるように、全ての実施例にお
いて耐衝撃性、剥離性、ガラス板への糊残り状態が向上
していることが判る。
【0355】以上のように、本発明によれば、光学フィ
ルターフィルムを構成する透明高分子高分子フィルムの
合計厚さを0.3mm以上とすることで、ディスプレイ
パネルの保護機能及び作業性の向上が図れ、ディスプレ
イ前面に直接貼合わせる光学フィルターフィルムを提供
することができる。
【0356】(実施例14)透明高分子フィルム(B)
としてポリエチレンテレフタレートフィルム[巾558
mm、長さ500m、厚さ75μm]ロールを用意し、
その一方の主面に、ロールコーターを用いて、直流マグ
ネトロンスパッタリング法により、透明導電性薄膜層
(D)を形成した。透明導電性薄膜層は、インジウムと
スズとの酸化物からなる薄膜層(Dt)、銀薄膜層(D
m)をB/Dt[厚さ40nm]/Dm[厚さ15n
m]/Dt[厚さ80nm]/Dm[厚さ20nm]/
Dt[厚さ80nm]/Dm[厚さ15nm]/Dt
[厚さ40nm]/Dm[厚さ15nm]/Dt[厚さ
40nm]なる順に積層してなる。インジウムとスズと
の酸化物からなる薄膜層は、透明高屈折率薄膜層を、銀
薄膜層は、銀または銀合金からなる金属薄膜層を構成す
る。インジウムとスズとの酸化物からなる薄膜層の形成
には、ターゲットとして、酸化インジウム・酸化スズ焼
結体[In23:SnO 2=90:10(重量比)]、
スパッタリングガスとしてアルゴン・酸素混合ガス(全
圧266mPa、酸素分圧5mPa)を用いた。また、
銀薄膜層の形成には、ターゲットとして銀を用い、スパ
ッタガスにはアルゴンガス(全圧266mPa)を用い
た。チタン層の形成には、ターゲットとしてチタンを用
い、スパッタガスにアルゴンガス(全圧266mPa)
を用いた。
【0357】次に防眩性フィルム[巾548mm、長さ
500m、厚さ100μm]ロールを防眩性層と反対側
に透明粘着材[厚さ100μm]が貼付けられている状
態で用意した。
【0358】続いて、透明導電性薄膜フィルムの透明導
電性薄膜層上に上記防眩性フィルムを透明粘着材を介し
てロールツーロール式に貼付け、1本のロールを作製し
た。透明導電性フィルムと防眩性フィルムの幅方向の中
心位置が、一致するように行なった。さらにこの透明導
電性薄膜フィルムと防眩性フィルムの貼合わせ体の防眩
層と反対面にロールツーロール方式で透明粘着材[厚さ
100μm]を貼合わせた。続いてロール両端部の各5
mm幅の透明導電性薄膜層部分にロールコート方式で銀
ペーストを塗布した。ロールを送る速さは0.5m/s
とした。
【0359】上記で得られたフィルムを958mmの長
さに切断し電磁波シールド体を作製した。図12に断面
図を示した。図12において、符号23は電磁波遮蔽機
能を有する透明高分子フィルム(B)、符号30は透明
粘着層(C)、符号24は機能透明層(A)を有する透
明高分子フィルム(B)である。
【0360】その中で、電磁波シールド体1枚当りの、
電極形成に要する時間を調べた。続いてプラズマディス
プレイパネル[NEC製 PX−42VP1]前面へ透
明粘着層を介して、電磁波シールド体を取り付けた。
【0361】視認面側に位置している電極へは、ディス
プレイ外部に電流を取り出すように配線されている、平
板上の金属部材を接しさせた。
【0362】プラズマディスプレイバネルを動作させ
て、外部に放出される電磁波の強度をFCC規格 Pa
rt15Jに基いて測定し、クラスA基準を満たしてい
るかどうか調べた。
【0363】(実施例15)防眩性フィルム[巾554
mm、長さ500m、厚さ100μm]のロールを用意
し、その防眩性層と反対面に実施例14と同様に透明導
電性薄膜層を形成した。続いて透明導電性薄膜層上にロ
ールツーロール方式で透明粘着材[、巾548mm、厚
さ100μm]及び導電性粘着材[巾3mm、厚さ10
0μm]を貼合わせた。導電性粘着材は、ロール両端部
の位置に貼合わせ、それ以外の部分には、透明粘着材を
貼合わせた。上記により、電磁波シールド体を作製し
た。
【0364】プラズマディスプレイパネル[NEC製
PX−42VP1]前面へ電磁波シールド体を取りつけ
た。プラズマディスプレイパネルの2長辺には、予め端
部に沿って6mm幅を銅箔テープを貼付けておいた。導
電性粘着材と銅箔テープを合わせた部分が実質的電極に
なる。視認面側に位置している電極へは、ディスプレイ
外部に電流を取り出すように配線されている、平板上の
金属部材を接しさせた。その他は、実施例14と同様に
実施した。
【0365】(実施例16)実施例14と同様に透明導
電性薄膜フィルムを用意した。
【0366】次に、防眩性フィルム[巾558mm、長
さ500m、厚さ100μm]ロールを用意し、透明導
電性フィルムと防眩性フィルムの幅方向の中心位置が、
一致するように行なった。さらにこの透明導電性薄膜フ
ィルムと防眩性フィルムの貼合わせ体の防眩層と反対面
にロールツーロール方式で透明粘着材[厚さ100μ
m]を貼合わせた。
【0367】ロール端面に銀ペーストを塗布した。上記
により、電磁波シールド体を作製した。断面図を図17
に示した。
【0368】その中で、電磁波シールド体1枚当りの、
電極形成に要する時間を調べた。続いてプラズマディス
プレイパネル[NEC製 PX−42VP1]前面へ電
磁波シールド体を取り付けた。電極へは、ディスプレイ
外部に電流を取り出すように配線されている、平板状の
金属部材を接しさせた。
【0369】プラズマディスプレイバネルを動作させ
て、外部に放出される電磁波の強度をFCC規格 Pa
rt15Jに基いて測定し、クラスA基準を満たしてい
るかどうか調べた。
【0370】(比較例4)実施例14と同様に、透明高
分子フィルム(B)としてポリエチレンテレフタレート
フィルム[巾558mm、長さ500m、厚さ75μ
m]ロールを用意し、その一方の主面に、透明導電性薄
膜層を形成した。
【0371】上記フィルムの透明導電性薄膜形成面と反
対面にロールツーロール方式で透明粘着材[厚さ100
μm]を貼合わせた。
【0372】さらに得られたフィルムを切断しながらガ
ラス基板[大きさ560mm×960mm、厚さ3m
m]に弱粘着材を介して貼合わせた。
【0373】続いて、防眩性フィルム[巾548mm、
長さ500m、厚さ100μm]のロールを防眩性層と
反対側に透明粘着材が貼付けられている状態で用意し、
上記の貼合わせ体の透明導電性薄膜層上に切断しながら
貼合わせた。この時、透明導電性薄膜層の外周部分より
端部が5mm内側に位置するように貼合わせた。
【0374】外周部分の透明導電性薄膜層剥き出し部分
全周が覆われるようにスクリーン印刷法を用いて銀ペー
ストを塗布し、乾燥させた。乾燥後、ガラス基板より剥
がした。上記により、電磁波シールド体を作製した。そ
の他、実施例14と同様に実施した。以上の結果を表3
に掲げた。
【0375】
【表3】
【0376】表3から分かるように、全ての実施例にお
いて、電磁波遮断効果に関しては、比較例4に示した従
来の場合と同様に問題がない。さらに電極形成に要する
時間が大幅に短縮されており、生産するための効率が大
幅に向上していることが分かる。
【0377】(実施例17)透明高分子フィルム(B)
としてポリエチレンテレフタレートフィルム[厚さ75
μm]の巾565mm、長さ500mロールを用意し、
その一方の主面に、ロールコーターを用いて、直流マグ
ネトロンスパッタリング法により、透明導電層(D)を
形成した。透明導電性薄膜層は、インジウムとスズとの
酸化物からなる薄膜層(Dt)、銀薄膜層(Dm)をB
/Dt[厚さ40nm]/Dm[厚さ15nm]/Dt
[厚さ80nm]/Dm[厚さ20nm]/Dt[厚さ
80nm]/Dm[厚さ15nm]/Dt[厚さ40n
m]/Dm[厚さ15nm]/Dt[厚さ40nm]な
る順に積層してなる。インジウムとスズとの酸化物から
なる薄膜層は、透明高屈折率薄膜層を、銀薄膜層は、銀
または銀合金からなる金属薄膜層を構成する。インジウ
ムとスズとの酸化物からなる薄膜層の形成には、ターゲ
ットとして、酸化インジウム・酸化スズ焼結体[In2
3:SnO2=90:10(重量比)]、スパッタリン
グガスとしてアルゴン・酸素混合ガス(全圧266mP
a、酸素分圧5mPa)を用いた。また、銀薄膜層の形
成には、ターゲットとして銀を用い、スパッタガスには
アルゴンガス(全圧266mPa)を用いた。チタン層
の形成には、ターゲットとしてチタンを用い、スパッタ
ガスにアルゴンガス(全圧266mPa)を用いた。
【0378】次に防眩性フィルムの巾565mm、長さ
500mロールを防眩性層と反対側に透明粘着材が貼付
けられている状態で用意した。
【0379】続いて、透明導電性薄膜フィルムの透明導
電性薄膜層上に上記防眩性フィルムを透明粘着材を介し
てロールツーロール式に貼付け、1本のロールを作製し
た。さらにこの透明導電性薄膜フィルムと防眩性フィル
ムの貼合わせ体の防眩層と反対面にロールツーロール方
式で透明粘着材を貼合わせた。
【0380】上記で得られたフィルムを切断しながら透
明支持基板に透明粘着材を介して貼合わせた。
【0381】さらにフィルム側面が覆われるように端部
全周にスクリーン印刷法を用いて銀ペーストを塗布し、
乾燥させた。
【0382】上記により、電磁波シールド体を作製し
た。断面図を図16に示した。電極上お互い最も遠い2
点を選び、その間の抵抗値を調べた。
【0383】また、電磁波シールド体1枚当りに要する
貼合わせ時間を調べた。なお、透明導電性フィルムと防
眩性フィルムとの光学フィルター1枚当りの貼合わせ時
間は、全ロールツーロールでの全貼合わせ時間をそのロ
ールから切り出すことができるフィルムの枚数で割るこ
とによって求めた。
【0384】(実施例18)防眩性フィルムの巾565
mm、長さ500mロールを用意し、その防眩性層と反
対面に実施例17と同様に透明導電性薄膜層を形成し
た。続いて透明導電性薄膜層上にロールツーロール方式
で透明粘着材を貼合わせた。
【0385】上記で得られたフィルムを切断しながら透
明支持基板に透明粘着材を介して貼合わせた。
【0386】さらにフィルム側面が覆われるように端部
全周にスクリーン印刷法を用いて銀ペーストを塗布し、
乾燥させた。上記により、電磁波シールド体を作製し
た。断面図を図17に示した。
【0387】この時、電極上お互い最も遠い2点を選
び、その間の抵抗値を調べた。また、電磁波シールド体
1枚当りに要する貼合わせ時間を調べた。
【0388】(実施例19)防眩性フィルムの巾565
mm、長さ500mロールを用意し、その防眩性層と反
対面に実施例17と同様に透明導電性薄膜層を形成し、
防眩性透明導電性フィルムの長さ500mロールを作製
した。
【0389】銅テープ[巾15mm、厚さ75μm、長
さ500m、片面に導電性粘着材付き]のロールを2本
用意した。
【0390】防眩性透明導電フィルムの両端部に銅テー
プを貼合わせた。防眩性透明導電性に形成されている透
明導電層に銅テープの導電性粘着材が接するように貼合
わせを行った。また、各銅テープと防眩性透明導電性フ
ィルムとの重なり幅は10mmとなるようにした。貼合
わせはロールツーロール方式で行った。
【0391】透明粘着材[巾575mm、厚さ25μ
m、長さ500m]のロールを用意した。銅テープが側
面に貼合わせられている防眩性透明導電性フィルムにこ
の透明粘着材を貼合わせながら、さらに長さ958mm
のシートに裁断した。透明導電層及び銅テープの未粘着
加工面に粘着材を貼合わせるようにした。貼合わせはロ
ールツーロール方式で行った。上記により、電磁波シー
ルド体を作製した。断面図を図24に示した。
【0392】この時、電極上お互い最も遠い2点を選
び、その間の抵抗値を調べた。また、電磁波シールド体
1枚当りに要する貼合わせ時間を調べた。
【0393】(実施例20)防眩性フィルムの巾565
mm、長さ500mロールを用意し、その防眩性層と反
対面に実施例17と同様に透明導電性薄膜層を形成し
た。続いて透明導電性薄膜層上にロールツーロール方式
で透明粘着材を貼合わせながら、さらに長さ958mm
のシートに裁断し電磁波シールド体を作製した。
【0394】ガラス基板[大きさ545mm×960m
m、厚さ3mm]を用意し、その2長辺に銅板[大きさ
10mm×960mm、厚さ3mm]を設置した。その
銅板には、ねじ留め用の穴をあけた。ねじ留め用の穴は
30mm間隔で長手方向の端より端まで形成した。この
ガラス板と銅板を併せた支持基体に電磁波シールド体を
貼合わせた。銅板に形成されているねじ留め用の穴にね
じを装着した。ねじの装着は、電磁波シールド体の最表
面から電磁波シールド体を貫通させて行った。この時、
このねじが実質上のスルーホール電極となる。上記によ
り、電磁波シールド体を作製した。断面図を図25に示
した。
【0395】この時、電極上お互い最も遠い2点を選
び、その間の抵抗値を調べた。また、電磁波シールド体
1枚当りに要する貼合わせ時間を調べた。
【0396】(比較例5)実施例18と同様に 透明高
分子フィルム(B)としてポリエチレンテレフタレート
フィルム( 厚さ75μm)の巾565mm、長さ50
0mロールを用意し、その一方の主面に、透明導電性薄
膜層を形成した。
【0397】上記フィルムの透明導電性薄膜形成面と反
対面にロールツーロール方式で透明粘着材を貼合わせ
た。
【0398】さらに得られたフィルムを切断しながら透
明支持基板に透明粘着材を介して貼合わせた。
【0399】続いて、防眩性フィルムの巾565mm、
長さ500mロールを防眩性層と反対側に透明粘着材が
貼付けられている状態で用意し、上記の貼合わせ体の透
明導電性薄膜層上に切断しながら貼合わせた。この時、
透明導電性薄膜層の外周部分より端部が5mm内側に位
置するように貼合わせた。
【0400】外周部分の透明導電性薄膜層剥き出し部分
全周が覆われるようにスクリーン印刷法を用いて銀ペー
ストを塗布し、乾燥させた。上記により、電磁波シール
ド体を作製した。
【0401】この時、電極上お互い最も遠い2点を選
び、その間の抵抗値を調べた。また、電磁波シールド体
1枚当りに要する貼合わせ時間を調べた。以上の結果を
表4に掲げた。
【0402】
【表4】
【0403】表4から分かるように、全ての実施例にお
いて、電極間の電気抵抗値は、比較例に示した、従来の
電極形状のものに比較してほとんど低下していない。ま
た、全ての実施例において、電磁波シールド体1枚当り
のフィルム貼合わせ時間が大幅に短縮され、電磁波シー
ルド体の生産効率が大幅に上昇していることが分かる。
【0404】(実施例21)以下の点を除いて実施例1
と同様に実施した。
【0405】透明積層体1を以下のとおり作製した。ポ
リエチレンテレフタレートペレット1203(ユニチカ
(株)製)に近赤外線を吸収する色素、三井化学(株)
製SIR128を0.25重量%、SIR130を0.
23重量%を混合し、260〜280℃で溶融させ、2
軸延伸押し出し機により厚み188μmの高分子フィル
ム(B)を作製した。
【0406】上記で作製した高分子フィルム(B)の一
方の主面に、架橋材を含むポリエステル系の接着剤を厚
さ10μmに塗布した。次に厚さ7μm、孔径1μm、
ポロシティー12%の銀箔をラミネートした。なお、こ
の銀箔の両主面には前もってモリブデンを厚み50μm
となるようにスパッタリング法により形成しておいた。
次に熱硬化型のインキを用いて、スクリーン印刷にて金
属層上に格子幅20μm、目の大きさ150μm×15
0μmの格子模様を印刷した。90℃×5分の加熱によ
りインキを硬化させた後、塩化第2鉄水溶液によりイン
キにより保護されていない部分の金属層を除去し、次
に、溶剤でインキを除去した。かくして図27に示す模
様の金属層をもつ、開口率75%の積層体を得ることが
できた。可視光線の平均透過率を測定したところ、67
%であった。シート抵抗を測定したところ、0.11Ω
/□であった。
【0407】(実施例22)以下の点を除いて実施例3
と同様に実施した。
【0408】高分子フィルム(B)/透明導電層(D)
を以下の手法で用意した。ポリエチレンテレフタレート
ペレット1203(ユニチカ(株)製)に近赤外線を吸
収する色素、三井化学(株)製SIR128を0.25
重量%、SIR130を0.23重量%を混合し、26
0〜280℃で溶融させ、2軸延伸押し出し機により厚
み188μmの高分子フィルム(B)を作製した。
【0409】上記で作製した高分子フィルム(B)の上
に、アクリル系の接着剤で、厚さ7μm、孔径1μm、
ポロシティー8%の銀箔をラミネートした。なお、この
銀箔の両面にも前もってクロメート処理を行っておい
た。次にアルカリ現像型のフォトレジストを銅層の上に
コーティングし、プリベーク後にフォトマスクを用いて
露光、現像して格子幅25μm、目の大きさ125μm
×125μmの格子パターンを設けた後、塩化第2鉄水
溶液によりレジストにより保護されていない部分の金属
層をエッチングし、次にアルカリ溶液中でレジストを除
去した。かくして図27に示す模様の金属層をもつ、開
口率69%の積層体を得ることができた。可視光線透過
率を測定したところ65%、シート抵抗は0.07Ω/
□であった。
【0410】表5により、本発明の電磁波シールド体を
用いることにより、VCCI規格のClassBまたはClass
Aをクリアできることが判る。透明導電層の面抵抗が低
いほど電磁波シールド能が優れていた。
【0411】また本発明の電磁波シールド体を用いるこ
とにより、近赤外線カット能に優れることが判る。
【0412】金属メッシュ層を用いた本発明の電磁波シ
ールド体は、可視光透過性に優れ、電磁波シールド性、
近赤外線シールド性に優れる。
【0413】さらに本発明の電磁波シールド体は、機能
性透明層(A)に各機能を持たせることによって、耐環
境性及び/又は耐擦傷性及び/又は防汚性及び/又は静
電気防止性に優れている。
【0414】
【表5】
【0415】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、透
過特性、透過率、反射特性が優れた調光フィルムとして
機能するディスプレイ用フィルタを低コストに実現でき
る。これをプラズマディスプレイ等の表示装置の画面に
直接形成することにより、ディスプレイの輝度を著しく
損なわずに、その色純度及びコントラストを向上させる
ことができ、優れた画質を有する表示装置を実現でき
る。
【0416】また、過特性、透過率、可視光線反射率に
優れ、プラズマディスプレイ等の表示装置から発生する
電磁波を遮断する電磁波シールド体として機能するディ
スプレイ用フィルタを低コストに実現できる。さらに、
ディスプレイからでる800〜1000nm付近の近赤
外線線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリモ
コン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与え
ず、それらの誤動作を防ぐことができる。また、耐候性
・耐環境性に優れ、反射防止性及び/または防眩性、耐
擦傷性、防汚性、帯電防止性等を兼ね備え、優れた画質
を有する表示装置を実現できる。
【0417】また、ディスプレイ用フィルタを構成する
透明高分子高分子フィルムの合計厚さを0.3mm以上
とすることで、ディスプレイパネルの保護機能及び作業
性の向上が図れ、ディスプレイ前面に直接貼合わせる電
磁波シールド体または調光フィルムを提供することがで
きる。
【0418】また、電磁波シールド体の電極形状を工夫
することによって、充分な電磁波遮断効果をもち、しか
も電極形成に要する時間が大幅に短縮されており、生産
効率が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における高分子フィルム(B)/透明導
電層(D)の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の電磁波シールド体の一例を示す平面図
である。
【図3】本発明の電磁波シールド体とその装着状態の一
例(実施例1)を示す断面図である。
【図4】本発明の電磁波シールド体とその装着状態の一
例(実施例2)を示す断面図である。
【図5】本発明の電磁波シールド体の一例を示す平面図
である。
【図6】本発明の電磁波シールド体とその装着状態の一
例(実施例3)を示す断面図である。
【図7】本発明の電磁波シールド体とその装着状態の一
例(実施例4)を示す断面図である。
【図8】電磁波シールド体形成前後の色再現範囲を示す
x−y色度図である。
【図9】本発明の調光フィルムのとその装着状態の一例
(実施例5)を示す断面図である。
【図10】本発明の調光フィルムのとその装着状態の一
例(実施例6)を示す断面図である。
【図11】調光フィルム形成前後の色再現範囲を示すx
−y色度図である。
【図12】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図13】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図14】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図15】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図16】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図17】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図18】図16に示した電磁波遮蔽機能を示す透明高
分子フィルム(B)23の構成を示す断面図である。
【図19】図17に示した電磁波遮蔽機能を示す透明高
分子フィルム(B)26の構成を示す断面図である。
【図20】図16または図17に示したディスプレイ用
フィルタの平面図である。
【図21】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図22】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図23】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図24】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図25】本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成
例を示す断面図である。
【図26】図21〜図25に示したディスプレイ用フィ
ルタの平面図である。
【図27】金属パターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
00 ディスプレイ表示部 01 ディスプレイのアース部 02 電磁波シールド体の透光部 03 電磁波シールド体の導通部 10 透明導電層(D) 11 高屈折率透明薄膜層(Dt) 12 金属薄膜層(Dm) 20 高分子フィルム(B) 21 色素含有の高分子フィルム(B) 22 ハードコート層(F) 23,24,26 透明高分子フィルム(B) 25 嵩上げ用透明高分子フィルム(B) 30 透明粘着層(C) 31 色素含有の透明粘着層(C) 40 透明粘着層(E) 41 導電性粘着層 50 電極 51 導電テープ 52 スルーホール電極 60 機能性透明層(A) 61 反射防止膜 62 ハードコート膜 63 透明な基材 70 アンチグレア層(機能性透明層(A)) 71 防眩性フィルム 80 導電性銅箔粘着テープ 110 パターン化された導箔 120 光透過部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月21日(2001.12.
21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】近年、電子機器からの漏洩電磁波が人体や
他の機器に与える影響について取り沙汰されるようにな
っており、例えば、漏洩電磁波を、日本のVCCI(Vo
luntary Control Council for Interference by data p
rocessing equipmentelectronic office machine)によ
る基準値内に抑えることが必要となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】一方、漏洩電磁波のカットに関して、ディ
スプレイ画面の表面を導電性の高い導電物で覆う必要が
ある。この方法として透明導電層が用いられるが、この
透明導電層は、導電性メッシュと透明導電性薄膜の2つ
に大別される。導電性メッシュには、アースした金属メ
ッシュ、合成繊維または金属繊維のメッシュに金属被覆
したもの、または、金属膜を形成後に格子パターン状に
エッチング処理したエッチング膜等が用いられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0359
【補正方法】変更
【補正内容】
【0359】上記で得られたフィルムを958mmの長
さに切断し電磁波シールド体を作製した。図21に断面
図を示した。図21において、符号23は電磁波遮蔽機
能を有する透明高分子フィルム(B)、符号30は透明
粘着層(C)、符号24は機能透明層(A)を有する透
明高分子フィルム(B)である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0362
【補正方法】変更
【補正内容】
【0362】プラズマディスプレイパネルを動作させ
て、外部に放出される電磁波の強度をFCC規格 Pa
rt15Jに基いて測定し、クラスA基準を満たしてい
るかどうか調べた。図22に断面図を示した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0367
【補正方法】変更
【補正内容】
【0367】ロール端面に銀ペーストを塗布した。上記
により、電磁波シールド体を作製した。断面図を図23
に示した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0382
【補正方法】変更
【補正内容】
【0382】上記により、電磁波シールド体を作製し
た。断面図を図23に示した。電極上お互い最も遠い2
点を選び、その間の抵抗値を調べた。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0386
【補正方法】変更
【補正内容】
【0386】さらにフィルム側面が覆われるように端部
全周にスクリーン印刷法を用いて銀ペーストを塗布し、
乾燥させた。上記により、電磁波シールド体を作製し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/22 G02B 5/28 5/26 H05K 9/00 V 5/28 G02B 1/10 A H05K 9/00 Z (31)優先権主張番号 特願2000−180501(P2000−180501) (32)優先日 平成12年6月15日(2000.6.15) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−213431(P2000−213431) (32)優先日 平成12年7月13日(2000.7.13) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−384101(P2000−384101) (32)優先日 平成12年12月18日(2000.12.18) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 北河 敏久 千葉県袖ケ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 西郷 宏明 千葉県袖ケ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 福田 伸 千葉県袖ケ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 山▲崎▼ 文晴 愛知県名古屋市南区丹後通2−1 三井化 学株式会社内 (72)発明者 西本 泰三 千葉県袖ケ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 三沢 伝美 千葉県袖ケ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA02 BA03 BA15 BA20 2H048 CA04 CA05 CA09 CA12 CA14 CA19 CA29 FA03 FA05 FA07 FA09 FA13 FA24 GA03 GA07 GA09 GA19 GA36 GA60 GA61 2K009 AA04 AA08 AA09 AA12 AA15 BB24 CC03 CC06 CC09 CC14 CC21 CC24 CC26 CC35 CC42 DD02 DD04 DD05 DD06 EE00 EE03 5E321 AA04 AA14 BB25 CC16 GG05 GH01 5G435 AA16 BB02 BB06 BB12 GG11 GG33 GG43 KK05 KK07 KK10 LL08

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスプレイ画面に接着可能で、所定の
    フィルタ特性を有するディスプレイ用フィルタであっ
    て、 外気側に設けられ、反射防止性及び/又は防眩性を有す
    る機能性透明層(A)と、 ディスプレイ側に設けられ、画面に接着するための透明
    粘着層(C)と、 機能性透明層(A)と透明粘着層(C)との間に基体と
    して設けられた高分子フィルム(B)とを備えることを
    特徴とするディスプレイ用フィルタ。
  2. 【請求項2】 機能性透明層(A)と高分子フィルム
    (B)との間、及び/又は高分子フィルム(B)と透明
    粘着層(C)との間に設けられ、0.01〜30Ω/□
    の面抵抗を有する透明導電層(D)を備えることを特徴
    とする請求項1記載のディスプレイ用フィルタ。
  3. 【請求項3】 透明導電層(D)の一部もしくは全て
    が、導電性メッシュで構成されることを特徴とする請求
    項2記載のディスプレイ用フィルタ。
  4. 【請求項4】 透明導電層(D)は、高屈折率透明薄膜
    層(Dt)及び金属薄膜層(Dm)の組合せ(Dt)/
    (Dm)を繰り返し単位として2回〜4回繰り返して積
    層され、さらにその上に高屈折率薄膜層(Dt)が積層
    されて構成されることを特徴とする請求項2記載のディ
    スプレイ用フィルタ。
  5. 【請求項5】 複数の高屈折率透明薄膜層(Dt)のう
    ち少なくとも一つの層が、インジウム、スズ及び亜鉛の
    いずれか1種以上を主成分とする酸化物で形成されるこ
    とを特徴とする請求項4記載のディスプレイ用フィル
    タ。
  6. 【請求項6】 複数の金属薄膜層(Dm)のうち少なく
    とも一つの層が、銀又は銀合金で形成されることを特徴
    とする請求項4記載のディスプレイ用フィルタ。
  7. 【請求項7】 機能性透明層(A)は、ハードコート
    性、静電気防止性、防汚性、ガスバリア性および紫外線
    カット性のうち少なくとも1つの機能をさらに有するこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のディス
    プレイ用フィルタ。
  8. 【請求項8】 機能性透明層(A)と高分子フィルム
    (B)との間に、粘着層(E)が設けられることを特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載のディスプレイ用
    フィルタ。
  9. 【請求項9】 高分子フィルム(B)の両面または片面
    に、ハードコート層(F)が形成されることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載のディスプレイ用フィ
    ルタ。
  10. 【請求項10】 機能性透明層(A)、高分子フィルム
    (B)、透明粘着層(C)、透明導電層(D)、粘着層
    (E)およびハードコート層(F)のうち少なくとも1
    つの層に、1種以上の色素が含有されることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載のディスプレイ用フィ
    ルタ。
  11. 【請求項11】 波長570〜605nmの範囲に吸収
    極大を有する色素が含有されることを特徴とする請求項
    10記載のディスプレイ用フィルタ。
  12. 【請求項12】 前記色素は、テトラアザポルフィリン
    化合物であることを特徴とする請求項11記載のディス
    プレイ用フィルタ。
  13. 【請求項13】 テトラアザポルフィリン化合物は、下
    記の化学式(1)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項12記載のディスプレイ用フィルタ。 【化1】 (式中、A1〜A8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
    ン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホン
    酸基、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲノアルキル
    基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリールオ
    キシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、
    アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキ
    ルチオ基、又はアリールチオ基を表し、A1とA2、A3
    とA4、A5とA6、A7とA8はそれぞれ独立に、連結基
    を介して芳香族環を除く環を形成しても良く、Mは2個
    の水素原子、2価の金属原子、3価の1置換金属原子、
    4価の2置換金属原子、又はオキシ金属原子を表す。)
  14. 【請求項14】 波長800〜1100nmの範囲に吸
    収極大を有する近赤外線吸収色素が含有されることを特
    徴とする請求項10記載のディスプレイ用フィルタ。
  15. 【請求項15】 機能性透明層(A)の表面において、
    可視光線反射率が2%以下であることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載のディスプレイ用フィルタ。
  16. 【請求項16】 30〜85%の可視光線透過率を有す
    ることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の
    ディスプレイ用フィルタ。
  17. 【請求項17】 波長800〜1100nmにおける透
    過率極小が20%以下であることを特徴とする請求項1
    〜16のいずれかに記載のディスプレイ用フィルタ。
  18. 【請求項18】 フィルタ全体における高分子フィルム
    の厚さ合計が0.3mm以上であることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載のディスプレイ用フィル
    タ。
  19. 【請求項19】 色素が含有可能な厚さ嵩上げ用の高分
    子フィルムを備えることを特徴とする請求項1〜18の
    いずれかに記載のディスプレイ用フィルタ。
  20. 【請求項20】 透明導電層(D)と電気接続する電極
    が形成されることを特徴とする請求項2または3記載の
    ディスプレイ用フィルタ。
  21. 【請求項21】 フィルタの周縁部に、透明導電層
    (D)と電気接続する電極が周方向に沿って連続的に形
    成されることを特徴とする請求項20記載のディスプレ
    イ用フィルタ。
  22. 【請求項22】 一部露出した導通部に電極が形成され
    ることを特徴とする請求項20記載のディスプレイ用フ
    ィルタ。
  23. 【請求項23】 フィルタ形状が長方形であり、対向し
    た2つの周辺に電極が形成されることを特徴とする請求
    項21または22記載のディスプレイ用フィルタ。
  24. 【請求項24】 フィルタの周縁端面に、透明導電層
    (D)と電気接続する電極が形成されることを特徴とす
    る請求項21または22記載のディスプレイ用フィル
    タ。
  25. 【請求項25】 フィルタの厚さ方向に沿って最表面か
    ら少なくとも透明導電層(D)に連通する連通孔が形成
    され、 該連通孔の内部に、透明導電層(D)と電気接続する電
    極が形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載のディスプレイ用フィルタ。
  26. 【請求項26】 透明導電層(D)とこれに隣接する層
    との間に導電性テープが介在することを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載のディスプレイ用フィルタ。
  27. 【請求項27】 画像を表示するためのディスプレイ
    と、 ディスプレイ画面に設けられ、請求項1〜26のいずれ
    かに記載のディスプレイ用フィルタとを備えることを特
    徴する表示装置。
  28. 【請求項28】 表示装置のディスプレイ画面に、請求
    項20〜26のいずれかに記載のディスプレイ用フィル
    タを透明粘着層(C)を介して貼合わせる工程と、 表示装置のグランド導体と透明導電層(D)の電極とを
    電気接続する工程とを含むことを特徴とする表示装置の
    製造方法。
  29. 【請求項29】 表示装置のディスプレイ画面に、高分
    子フィルム(B)、透明導電層(D)、および透明粘着
    層(C)を含む積層フィルタを透明粘着層(C)を介し
    て貼合わせる工程と、 該積層フィルタの上に、直接又は第2の粘着層を介し
    て、反射防止性及び/又は防眩性を有する機能性透明層
    (A)を配置する工程と、 表示装置のグランド導体と透明導電層(D)とを電気接
    続する工程とを含むことを特徴とする表示装置の製造方
    法。
  30. 【請求項30】 表示装置のディスプレイ画面に、粘着
    層を配置する工程と、 高分子フィルム(B)、透明導電層(D)、および反射
    防止性及び/又は防眩性を有する機能性透明層(A)を
    含む積層フィルタを前記粘着層を介して貼合わせる工程
    と、 表示装置のグランド導体と透明導電層(D)とを電気接
    続する工程とを含むことを特徴とする表示装置の製造方
    法。
  31. 【請求項31】 表示装置のディスプレイ画面に、粘着
    層を配置する工程と、 高分子フィルム(B)および、透明導電層(D)を含む
    積層フィルタを前記粘着層を介して貼合わせる工程と、 該積層フィルタの上に、直接又は第2の粘着層を介し
    て、反射防止性及び/又は防眩性を有する機能性透明層
    (A)を配置する工程と、 表示装置のグランド導体と透明導電層(D)とを電気接
    続する工程とを含むことを特徴とする表示装置の製造方
    法。
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