JP2018106054A - ガラス用フィルム、及びガラス - Google Patents

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敦司 小野
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Abstract

【課題】非可視光線を遮断することができると共に、可視光線透過率を十分に高めることができるガラス用フィルム及びガラスを提供する。
【解決手段】一実施形態に係るガラス用フィルムは、ガラスに貼り付けられるガラス用フィルム1である。ガラス用フィルム1は、基材13と、基材13の一方側に位置する低屈折率層11及び高屈折率層12と、基材13から見て低屈折率層11及び高屈折率層12の反対側に位置しており赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層21と、基材13から見て低屈折率層11及び高屈折率層12の反対側に位置しており紫外線を遮蔽する粘着剤層23とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明の一側面は、ガラス用フィルム、及びガラスに関する。
自動車及び建物等において、ガラスに対する熱線の透過を遮断するために、ガラス用フィルムがガラスに貼り付けられることがある。ガラス用フィルムが貼り付けられることにより、太陽光等から発せられる熱線は反射又は吸収される。特許文献1には、熱線を遮蔽する熱線遮蔽フィルムが記載されている。この熱線遮蔽フィルムは、基材と、基材の一主面に位置する熱線遮蔽膜と、熱線遮蔽膜に積層される反射防止層とを備える。
反射防止層は、熱線遮蔽膜の屈折率よりも低い屈折率を有する透明性薄膜から成る。反射防止層の屈折率は1.4以上且つ1.55以下とされており、熱線遮蔽膜の屈折率と反射防止層の屈折率との屈折率差は0.05以上である。また、熱線遮蔽膜は無機粒子を有しており、無機粒子としては、アンチモン添加酸化スズ、スズ添加酸化インジウム、セシウム添加酸化タングステン、アルミニウム添加酸化亜鉛、ガリウム添加酸化亜鉛、及びニオブ添加酸化チタンから選択される1又は複数の金属複合酸化物が用いられる。
特開2015−104865号公報
ところで、前述したガラスでは、可視光を透過させる割合を示す可視光線透過率を高めることが求められる場合がある。例えば、自動車のガラスでは可視光線透過率が70%以上であることが求められている。特に、近年ガラスに様々な機能を付与したりガラスが厚くなっていることにより、フィルムが貼り付けられていないガラスの可視光線透過率が70%台となっていることがあるため、フィルムを貼り付けると可視光線透過率が70%未満となる懸念がある。一方、ガラスにフィルムを貼り付けない場合には、赤外線及び紫外線等の非可視光線を十分に遮断できないことが懸念される。
前述した公報の熱線遮蔽フィルムでは、熱線遮蔽性能を維持しつつ、可視光線透過率を高める試みがなされているが十分ではなかった。
本発明の一形態に係るガラス用フィルムは、ガラスに貼り付けられるガラス用フィルムであって、基材と、基材の一方側に位置する低反射層と、基材から見て低反射層の反対側に位置しており、赤外線及び紫外線の少なくともいずれかを遮蔽する遮蔽層と、を備える。
この形態に係るガラス用フィルムでは、基材の一方側に低反射層が位置する。従って、低反射層により、可視光線は、ガラスの表面において反射されにくくなると共に透過しやすくなる。よって、ガラス用フィルムが貼り付けられていない場合と比較して、可視光を透過しやすくすることができるので、可視光線透過率を高めることができる。また、低反射層は赤外線を遮蔽する機能を有しない態様とすることができ、これにより低反射層に含まれる金属複合酸化物を低減させることができるので、低反射層の透明度を高めることができる。このように低反射層の透明度を高めることができるので、可視光線透過率を十分に高めることができる。また、このガラス用フィルムでは、基材から見て低反射層の反対側に、赤外線及び紫外線の少なくともいずれかを遮蔽する遮蔽層が設けられる。従って、遮蔽層によって非可視光線を十分に遮蔽することができる。
別の形態に係るガラス用フィルムにおいて、低反射層は、ガラス用フィルムの最表面に位置する低屈折率層、及び低屈折率層の基材側に隣接して積層された高屈折率層を含んでもよい。
別の形態に係るガラス用フィルムにおいて、低反射層は、その表面に可視光の波長以下の凹凸パターンが形成されていてもよい。
別の形態に係るガラス用フィルムにおいて、遮蔽層は、赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層を有してもよい。
別の形態に係るガラス用フィルムにおいて、赤外線遮蔽層は、赤外線を反射させる多層光学フィルムを有してもよい。
別の形態に係るガラス用フィルムにおいて、遮蔽層は、紫外線を吸収する紫外線吸収層を有してもよい。
別の形態に係るガラス用フィルムにおいて、ガラスは、自動車用ガラスであってもよい。
本発明の一形態に係るガラスは、前述したガラス用フィルムが貼り付けられている。
本発明の一形態によれば、非可視光線を遮断することができると共に、可視光線透過率を十分に高めることができる。
図1は、第1実施形態に係るガラス用フィルムが貼り付けられる自動車の例を示す平面図である。 図2は、ガラス用フィルムの積層構造を示す図である。 図3(a)及び図3(b)は、ガラス用フィルムの有無に応じた可視光線の透過及び反射を模式的に示す図である。 図4は、第3実施形態に係るガラス用フィルムの積層構造を示す図である。 図5は、第4実施形態に係るガラス用フィルムの積層構造を示す図である。 図6(a)及び図6(b)は、ガラス用フィルムの実施例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。なお、以下の説明において、「可視光線」は波長380nm以上且つ780nm以下の光を示しており、「赤外線」は波長780nm以上且つ2500nm以下の光を示しており、「紫外線」は波長300nm以上且つ380nm以下の光を示しており、「非可視光線」は赤外線及び紫外線の総称として用いるものとする。
(第1実施形態)
図1及び図2に示されるように、第1実施形態に係るガラス用フィルム1は、例えば、自動車Aの窓Wに貼り付けられる。ガラス用フィルム1は、高い透明度(可視光線透過率が70%以上、85%以上、又は89%以上)を有する。また、後述する通り、ガラス用フィルム1は、赤外線を遮蔽する機能を有する。このガラス用フィルム1が自動車Aの窓WのガラスG1(図3(b)参照)に貼られることによって赤外線が遮蔽されるので、自動車Aの内部の温度上昇が抑えられる。また、ガラス用フィルム1は、紫外線を遮蔽する機能を有する。よって、自動車Aの内部への紫外線の透過が抑制されるので、自動車Aの搭乗者等の日焼けが抑制されると共に、自動車Aの内装又は内部の物品が色あせるのを抑制することが可能となる。ガラス用フィルム1は、ガラスG1の表面のみに貼り付けられてもよいし、ガラスG1の裏面のみに貼り付けられてもよいし、ガラスG1の表面及び裏面の両方に貼り付けられてもよい。本実施形態に係るガラス用フィルム1は、サイドウインドウW1、フロントウインドウW2、及びリアウインドウW3の少なくともいずれかに貼り付けられる。
本明細書において「ガラス」とは、シリカ等によって構成された珪酸ガラス、珪酸塩ガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲンガラス、金属ガラス、有機ガラス、及び、ポリカーボネート(PC)又はポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等によって構成された樹脂ガラスを含んでいる。自動車Aの窓WのガラスG1は、例えば、珪酸ガラスである。「ガラス用フィルム」とは、ガラスに貼り付けられるフィルムを示している。
図2は、本実施形態に係るガラス用フィルム1の積層構造を示す図である。ガラス用フィルム1は、表側(ガラスG1に貼付したときにガラスG1側に接する面の反対側の面)から順に、低屈折率層11、高屈折率層12、基材13、接着剤層14、赤外線遮蔽層21、基材22、粘着剤層23及び剥離ライナー24が積層されており、このガラス用フィルム1の最表面に位置する低屈折率層11及び高屈折率層12により低反射層が構成されている。また、粘着剤層23は、紫外線吸収剤を含んでおり、紫外線吸収層として機能し、赤外線遮蔽層21及び粘着剤層23は、非可視光線を遮蔽する遮蔽層を構成している。
低屈折率層11は、その屈折率が高屈折率層12の屈折率よりも小さい。低屈折率層11の屈折率は、例えば、1.20以上且つ1.55以下である。これにより、ウェットコーティング法で十分な反射防止効果が得られると共に、低屈折率層11として十分に硬い層を容易に得ることができる。低屈折率層11の厚さをd1(単位:nm)、低屈折率層11の屈折率をn1、とすると、低屈折率層11の光学膜厚n1×d1は、400≦4n1×d1≦650を満たすように設計される。但し、低屈折率層11の屈折率及び厚さは、上記に限られず適宜変更可能である。
低屈折率層11の材料は、例えば、中空酸化珪素、コロイダル酸化珪素、フッ化ランタン、及びフッ化マグネシウム等の無機微粒子、有機重合体微粒子、並びに、含フッ素有機化合物の単体、混合物又は重合体である。また、低屈折率層11としては、フッ素を含まない有機化合物の単体、混合物又は重合体をバインダー樹脂として用いることが可能である。上記無機微粒子の平均粒子径は、例えば、0.1μm以下である。これにより、光の散乱が抑制され、低屈折率層11の光学性能の低下が抑制される。更に、必要に応じて微粒子表面が各種カップリング剤等によって修飾されてもよい。カップリング剤としては、例えば、有機置換された珪素化合物が挙げられる。表面が(メタ)アクリロイル基等の反応性基で修飾されることにより、硬度の高い膜が形成される。
前述の含フッ素有機化合物は、特に限定されないが、反応性の観点から含フッ素(メタ)アクリレートであることが好ましく、特に、含フッ素多官能(メタ)アクリレートであることが硬度及び屈折率の点から好ましい。これらの含フッ素有機化合物が硬化されることにより、低屈折率であって且つ高硬度の層が形成される。また、含フッ素有機化合物の重合体としては、含フッ素有機化合物の単独重合体若しくは共重合体、非フッ素系有機化合物との共重合体等の直鎖状重合体、鎖中に炭素環若しくは複素環を含む重合体、環状重合体、又は櫛形重合体等が挙げられる。非フッ素系有機化合物としては、例えば、単官能若しくは多官能(メタ)アクリレート、又はテトラエトキシシラン等の珪素化合物等が挙げられる。
高屈折率層12の屈折率は、例えば、1.65以上且つ1.90以下である。これにより、ウェットコーティング法によって十分な反射防止効果を有する高屈折率層12を容易に得ることが可能である。高屈折率層12の厚さをd2(単位:nm)、高屈折率層12の屈折率をn2、とすると、高屈折率層12の光学膜厚n2×d2は、500≦4n2×d2≦750を満たすように設計される。但し、高屈折率層12の屈折率及び厚さは、上記に限られず適宜変更可能である。
低屈折率層11の屈折率と高屈折率層12の屈折率との差は、例えば、0.05以上である。これにより、ガラス用フィルム1の表面で生じる透過光の反射損失を概ね3%程度低減することができる。
高屈折率層12の材料は、特に制限されるものではなく、無機材料又は有機材料を含んでもよい。無機材料は、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム(屈折率2.30)、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化シラン(屈折率1.90)、酸化ジルコニウム、又は酸化インジウム錫(屈折率2.00)等の微粒子である。上記の有機材料は、例えば、屈折率が1.60以上且つ1.80以下であるチオール基若しくはフェニル基を含有する高屈折率の有機単量体、又は重合体である。
前述の無機材料を含む高屈折率層12は、有機単量体又は重合体をウェットコーティング時のバインダーとして用いることができる。無機材料の微粒子の平均粒子径は、例えば、0.1μm以下であることが好ましい。これにより、散乱が抑制され、高屈折率層12の光学性能の低下が抑制される。また、必要に応じて微粒子の表面を各種カップリング剤等によって修飾することができる。カップリング剤としては、例えば、有機置換された珪素化合物、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、又はアンチモン等の金属アルコキシドを含む有機酸塩等が挙げられる。
低屈折率層11の厚さと高屈折率層12の厚さの和は、例えば、可視光線の波長以下であることが好ましい。低屈折率層11及び高屈折率層12は、赤外線を遮蔽する機能、及び紫外線を遮蔽する機能を有しないので、透明度を高めることが可能である。また、本実施形態では、低屈折率層11及び高屈折率層12が低反射層を構成しているが、低反射層が低屈折率層11及び高屈折率層12の二層構造であることにより、反射を効果的に抑えることができる。但し、低反射層は、一層又は三層以上で構成されていてもよい。
基材13は、例えば、透明な樹脂によって構成されている。基材13の厚さは、特に制限されないが、例えば、10μm以上且つ500μm以下、好ましくは12μm以上且つ300μm以下、より好ましくは16μm以上且つ125μ以下である。基材13は、可視光線を透過する樹脂によって構成されたシート状のものであってもよいし、フィルム状のものであってもよい。
基材13は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)によって構成されたPET層である。また、基材13の材料は、ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)若しくはポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明樹脂、又は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)若しくはポリ塩化三フッ化エチレン(PCTFE)等の透明フッ素樹脂であってもよい。なお、基材13がポリエステル製(特にPET製)のフィルムである場合、透明性、安定性及びコストの観点から好ましい。
接着剤層14は、基材13と赤外線遮蔽層21とを互いに接着させる。接着剤層14の厚さは、例えば、1μm以上且つ500μm以下、好ましくは5μm以上且つ50μm以下である。接着剤層14は、透明性を有しており、且つ所定の粘着力を有する。接着剤層14の材料は、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリビニルエーテル、ポリイソブチル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又はポリビニルブチラール等の接着材料である。接着剤層14は、耐候性の観点からは、アクリル樹脂を含むことが好ましい。
赤外線遮蔽層21の厚さは、例えば、1μm以上且つ10μm以下、好ましくは1μm以上且つ5μm以下である。赤外線遮蔽層21は、性能及び作業性等の観点から、活性エネルギー線硬化型化合物を含むハードコート層形成材料を用いて形成されていることが好ましい。赤外線遮蔽層21は、太陽光線中の赤外線(熱線)を遮蔽する機能を有していてもよく、この場合、自動車Aの内部の温度上昇を一層確実に抑制できるので自動車Aの省エネルギー化に寄与する。上記のハードコート層形成材料には、活性エネルギー線硬化型化合物が用いられてもよく、この活性エネルギー線硬化型化合物とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋又は硬化する化合物を示す。
前述の活性エネルギー線硬化型化合物としては、ラジカル重合型又はカチオン重合型が挙げられる。ラジカル重合型としては、エネルギー線重合性プレポリマーとエネルギー線重合性モノマーがあり、エネルギー線重合性プレポリマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系又はポリオールアクリレート系が挙げられる。
また、前述したハードコート層形成材料は、基材22の損傷の抑制、及び生産性等の点から、紫外線により硬化されていることが好ましい。この場合、当該ハードコート層形成材料には、光重合開始剤が添加されている。また、赤外線遮蔽層21に赤外線遮蔽機能を付与するために、当該ハードコート層形成材料に、赤外線吸収材料が含有されていてもよい。この赤外線吸収材料は、有機系赤外線吸収剤、又は無機系赤外線吸収剤に大別される。
前述の有機系赤外線吸収剤は、例えば、チオールニッケル錯塩系化合物又はフタロシアニン系化合物を含むことが好ましい。有機系赤外線吸収剤は、フッ素含有フタロシアニン化合物を含んでいてもよく、このフッ素含有フタロシアニン化合物は、可視光線分光透過率が高く、且つ耐熱性、耐光性及び耐候性等の特性に優れることから好適である。
前述の無機系赤外線吸収剤は、例えば、アンチモン添加酸化スズ、スズ添加酸化インジウム、セシウム添加酸化タングステン、アルミニウム添加酸化亜鉛、ガリウム添加酸化亜鉛、及びニオブ添加酸化チタン等の金属複合酸化物の粒子を含んでいてもよく、この場合、赤外線の吸収率が高く、且つ可視光線の分光透過率が高いという点で好ましい。また、一般的に、有機系赤外線吸収剤と無機系赤外線吸収剤を比較した場合、赤外線の吸収能力は有機系の方が優れているが、耐光性及び耐候性については、無機系の方が優れている。また、有機系のものは着色しやすいという欠点を有しており、実用性の点からは、無機系赤外線吸収剤の方が好ましい。この無機系赤外線吸収剤は、可視光領域において吸収が少なく、且つ透明なコート層を形成するには、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下の粒径を有するものが有利である。
基材22は、基材13と同様、例えば透明な樹脂製フィルムである。基材22の厚さは、特に制限されないが、例えば、10μm以上且つ500μm以下、好ましくは12μm以上且つ300μm以下、より好ましくは16μm以上且つ125μ以下である。基材22は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテンー1、ポリブテン−1等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエチレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースアセテート等のセルロース系樹脂等から成るフィルム、又はこれらを含むフィルムである。
粘着剤層23は、例えば、紫外線吸収機能を有する。粘着剤層23の厚さは、例えば、1μm以上且つ500μm以下、好ましくは5μm以上且つ50μm以下である。これにより、必要な粘着力を確実に得ることができると共に、コストの増加を抑制し、更に、加工中の十分な硬化を行えるので剥がしたときに粘着剤が残ることを抑制できる。
粘着剤層23には、紫外線吸収剤が含有されていてもよい。この紫外線吸収剤は、特に限定されないが、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。なお、紫外線吸収剤は、前述のうち、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好適に使用される。
上記の紫外線吸収剤は、アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.5質量部以上且つ30質量部以下の範囲の量になるように含有されてもよい。より好ましい含有量は、1ないし10質量部の範囲である。紫外線吸収剤の含有量が0.5質量部以上であることにより、紫外線の透過を抑制する効果を高めることができ、30質量部以下であることにより、アクリル系粘着剤中に均一に分散させることができるためガラス用フィルム1の透明性をより高めることができる。
剥離ライナー24は、粘着剤層23から剥離される離型フィルムである。剥離ライナー24は、例えば、ポリマー又は紙を含む。剥離ライナー24は、表面の平滑性という観点からは、ポリマーの剥離ライナーであることが好ましい。剥離ライナー24の厚さは、例えば、20μm以上且つ250μm以下、好ましくは25μm以上且つ50μm以下である。剥離ライナー24の剥離コートの材料は、例えば、フッ素ポリマー、アクリル樹脂又はシリコーンであるが、これらに限定されない。剥離ライナー24が剥がされて粘着剤層23が窓WのガラスG1に貼付されることにより、窓Wにガラス用フィルム1が貼り付けられる。
以上、本実施形態に係るガラス用フィルム1では、基材13の一方側に低反射層(低屈折率層11及び高屈折率層12)が位置する。従って、低反射層により、可視光線は、ガラスG1の表面において反射されにくくなると共に透過しやすくなる。
具体的には、例えば図3(a)に示されるように、ガラス用フィルム1が貼られていないガラスG2では、ガラスG2に入射する可視光L11のうち、ガラスG2の内部を通る透過光L12の割合が96%で反射光L13の割合が4%となる。そして、可視光L11の2%がガラスG2で吸収されると共にガラスG2の出射面で更に4%の反射光L14が反射するので、可視光L11に対するガラスG2からの透過光L15の割合は90%となる。
これに対し、図3(b)に示されるように、ガラス用フィルム1が両面に貼られたガラスG1では、ガラスG1に入射する可視光L1のうち、ガラスG1の内部を通る透過光L2の割合が99%で反射光L3の割合が1%となる。そして、可視光L1の2%がガラスG1で吸収されると共にガラスG1の出射面で更に1%の反射光L4が反射するので、可視光L1に対するガラスG1からの透過光L5の割合は96%となる。以上のように、ガラス用フィルム1が貼り付けられていない場合と比較して、ガラス用フィルム1が貼り付けられている場合には、可視光L1を透過しやすくすることができるので、可視光線透過率を高めることができる。
また、低反射層は、赤外線又は紫外線を遮蔽する機能を有しない態様とすることができ、これにより低反射層に含まれる金属複合酸化物を低減させることができるので、低反射層の透明度を高めることができる。このように低反射層の透明度を高めることができるので、可視光線透過率を十分に高めることができる。
また、ガラス用フィルム1において、低反射層は、基材13の反対側に位置する低屈折率層11と、基材13側に位置する高屈折率層12と、を有する。よって、表面側から、低屈折率層11、高屈折率層12及び基材13が、この順で並ぶように積層されるので、可視光線の反射率を低減させて可視光を透過しやすくすることができる。
また、ガラス用フィルム1は、赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層21を有する。従って、赤外線遮蔽層21によって赤外線の透過が抑制されるので、ガラスG1を介して過剰な熱が伝達されることを抑制することができる。
更に、ガラス用フィルム1は、紫外線を吸収する紫外線吸収層として機能する粘着剤層23を有する。従って、粘着剤層23によって、ガラスG1を介した紫外線の透過を抑制することができる。
また、ガラスG1は、自動車Aに用いられる自動車用ガラスである。従って、ガラスG1を介した非可視光線の透過を抑制することができるので、赤外線の透過による自動車Aの内部の暑さを抑えることができ、また、紫外線の透過を抑えることが可能となる。また、ガラス用フィルム1によってガラスG1に対する可視光線透過率を十分に高めることができる。
そして、本実施形態のガラスG1は、ガラス用フィルム1が貼り付けられている。従って、非可視光線を遮断すると共に、可視光線透過率を十分に高めたガラスG1を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るガラス用フィルムについて説明する。第1実施形態では低反射層として低屈折率層11及び高屈折率層12を備える例について説明したが、低反射層は、低屈折率層11及び高屈折率層12とは異なる構成であってもよい。第2実施形態に係るガラス用フィルムは、低屈折率層11及び高屈折率層12に代えて、モスアイ(蛾の目)構造の原理、すなわち、表面に可視光の波長以下の凹凸パターン(以下「モスアイ構造」とも称する)を備えた低反射層を有する。第2実施形態に係るガラス用フィルムは、第1実施形態と同様、例えば、基材13、接着剤層14、赤外線遮蔽層21、基材22、粘着剤層23及び剥離ライナー24が積層されている。以下では、第1実施形態と重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態に係る低反射層は、ガラス用フィルムの表面に可視光の波長以下の凹凸パターンが形成されており、これにより反射防止を図っている。低反射層のモスアイ構造では、入射した光に対する屈折率が連続的に変化しており、屈折率の不連続界面が消失されていることによって反射を防止している。
以上のように、第2実施形態のガラス用フィルムにおいて、低反射層は、その表面に可視光の波長以下の凹凸パターンが形成されている。従って、表面に形成された凹凸パターン(モスアイ構造)によって可視光線の低反射を実現させることができる。また、モスアイ構造の透明度は高く、モスアイ構造には可視光をより透過させやすくすることができるため、可視光線透過率を十分に高めることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るガラス用フィルム1Aについて図4を参照しながら説明する。図4に示されるように、ガラス用フィルム1Aは、表側から順に、低屈折率層11、高屈折率層12、基材13、接着剤層14、赤外線反射層32、粘着剤層33及び剥離ライナー34を備えている。本実施形態では、赤外線反射層32が赤外線遮蔽機能を有し、粘着剤層33が紫外線吸収機能を有しており、赤外線反射層32及び粘着剤層33が遮蔽層を構成している。
赤外線反射層32は、例えば、200層を超える膜を備えた多層光学フィルム(Multiple Optical Film;MOF)を有しており、多層光学フィルムの膜の一枚一枚が赤外線を反射させる。各膜の光学膜厚(物理的厚みに屈折率を乗じた数値)は、例えば1μm未満であるが、特にこの範囲に限定されない。
多層光学フィルムは、米国特許第3,610,724号(ロジャース)、米国特許第3,711,176号(アルフレーJrら)「赤外光、可視光、又は、紫外光用の高反射型熱可塑性光学体(Highly Reflective Thermoplastic Optical Bodies For Infrared, Visibleor Ultraviolet Light)」、米国特許第4,446,305号(ロジャースら)、米国特許第4,540,623号(イムら)、米国特許第5,448,404号(シュレンクら)、米国特許第5,882,774号(ジョンザら)「光学フィルム(Optical Film)」、米国特許第6,045,894号(ジョンザら)「透明〜着色セキュリティフィルム(Clear to Colored Security Film)」、米国特許第6,531,230号(ウェーバーら)「カラーシフトフィルム(Color Shifting Film)」、PCT公開番号WO 99/39224号(アウダーカーク)ら)「赤外干渉フィルタ(Infrared Interference Filter)」、及び、米国特許公開番号2001/0022982 A1号(ニービンら)「多層光学フィルムを作製するための装置(Apparatus For Making Multilayer Optical Films)」に記載されているものが用いられる。
多層フィルムは、交互性ポリマータイプ層の組み合わせによって形成されてもよい。多くの形態では、交互性高分子層の少なくとも1つが複屈折で配向されている。いくつかの形態では、交互性高分子層の一方が複屈折で配向されており、もう一方が等方性である。ある1つの形態では、多層光学フィルムは、第1のポリマータイプ、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンテレフタレートのコポリマー(coPET)と、第2のポリマータイプ、例えばポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)又はポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のコポリマー(coPMMA)の層を交互にすることによって形成される。
別の形態では、多層光学フィルムは、第1のポリマータイプ、例えばポリエチレンテレフタレートと、第2のポリマータイプ、例えばポリ(メチルメタクリレート及びエチルアクリレート)のコポリマーの層を交互にすることによって形成される。別の形態では、多層光学フィルムは、第1のポリマータイプ、例えばグリコール化ポリエチレンテレフタレート(PETG−コポリマーエチレンテレフタレート及び第2のグリコール部分、例えばシクロヘキサンジメタノール)又はグリコール化ポリエチレンテレフタレートのコポリマー(coPETG)と、第2のポリマータイプ、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)又はポリエチレンナフタレートのコポリマー(coPEN)の層を交互にすることによって形成される。別の形態では、多層光学フィルムは、第1のポリマータイプ、例えばポリエチレンナフタレート又はポリエチレンナフタレートのコポリマーと、第2のポリマータイプ、例えばポリ(メチルメタクリレート)又はポリ(メチルメタクリレート)のコポリマーの層を交互にすることによって形成される。
粘着剤層33は、第1実施形態の粘着剤層23と同様、紫外線吸収機能を有しており、例えば粘着剤層23と同一の構成であってもよい。また、剥離ライナー34は、第1実施形態の剥離ライナー24と同様、粘着剤層33から剥離される離型フィルムである。剥離ライナー34の構成は、剥離ライナー24の構成と同一であってもよい。
以上、第3実施形態に係るガラス用フィルム1Aは、赤外線を反射させる多層光学フィルムを含む赤外線反射層32を備えている。従って、赤外線反射層32の多層光学フィルムによって赤外線が反射されるので、赤外線の透過を十分に抑制することができる。また、赤外線反射層32の多層光学フィルムは、透明度が高いので、可視光を透過しやすくすることができる。従って、高い可視光線透過率を維持しつつ、赤外線を十分に遮蔽することができる。
(第4実施形態)
続いて、図5を参照しながら第4実施形態に係るガラス用フィルム1Bについて説明する。ガラス用フィルム1Bは、表側から順に、低屈折率層41、高屈折率層42、基材43、赤外線遮蔽層51、粘着剤層52及び剥離ライナー53を備えている。赤外線遮蔽層51、粘着剤層52及び剥離ライナー53は、例えば、この順で、低屈折率層41及び高屈折率層42を備えた基材43にコーティング・ラミネートされることにより形成されており、ガラス用フィルム1Bの最表面に位置する低屈折率層41及び高屈折率層42により低反射層が構成されている。低屈折率層41、高屈折率層42及び基材43は、例えば、第1実施形態の低屈折率層11、高屈折率層12及び基材13と同一であってもよい。
赤外線遮蔽層51は、例えば、第1実施形態の赤外線遮蔽層21と同様、赤外線を遮蔽する機能を有し、活性エネルギー線硬化型化合物を含む赤外線遮蔽層形成材料を用いて形成されている。この赤外線遮蔽層形成材料には、活性エネルギー線硬化型化合物が用いられてもよい。粘着剤層52は、第1実施形態の粘着剤層23と同様、紫外線吸収機能を有しており、例えば粘着剤層23と同一の構成であってもよい。また、剥離ライナー53は、第1実施形態の剥離ライナー24と同様、粘着剤層52から剥離される離型フィルムである。剥離ライナー53の構成は、剥離ライナー24の構成と同一であってもよい。
第4実施形態に係るガラス用フィルム1Bは、基材等の樹脂フィルム層を1層のみ有している。よって、ガラス用フィルム1Bは、ガラス用フィルム1,1Aと比較して、余分な層を減らして層の数を少なくすることができるので、薄くすることができると共に構造を簡易にすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
例えば、前述の実施形態では、赤外線遮蔽層21が、紫外線吸収層を成す粘着剤層23よりも表側に位置する例について説明したが、紫外線吸収層を赤外線遮蔽層よりも表側に配置してもよい。このように、紫外線吸収層と赤外線遮蔽層の位置関係は適宜変更可能である。
また、前述の実施形態では、粘着剤層23が紫外線吸収機能を有する例について説明したが、接着剤層14が紫外線吸収機能を有していてもよい。このように、どの層がどの機能を有するかについても適宜変更可能である。
また、前述の実施形態では、紫外線吸収機能と赤外線遮蔽機能の両方を有するガラス用フィルム1について説明したが、紫外線吸収機能及び赤外線遮蔽機能のいずれかのみを有するガラス用フィルムであってもよい。すなわち、ガラス用フィルムは、赤外線及び紫外線の少なくとも一方を遮蔽する遮蔽層を備えていればよい。
また、前述の実施形態では、自動車Aの窓Wのガラスに貼り付けられるガラス用フィルム1について説明したが、本発明に係るガラス用フィルムは、例えば、ショーウインドウ、ショーケース、遮熱板又はパーティション等、窓以外のガラスに貼り付けられてもよい。
(実施例)
続いて、本発明の実施例及び比較例により更にガラス用フィルムについて説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
(実施例1)
厚さが25μmの透明基材(基材22)であるポリエステルフィルムに、後述する赤外線遮蔽塗料をマイヤーバーで塗布し、オーブンで60℃として3分間乾燥させた。そして、強度が300mj/cmである紫外線(UVA)を照射して硬化させ、厚さが2μmの赤外線吸収層(赤外線遮蔽層21)を形成した。透明基材の赤外線吸収層との反対面に、後述する粘着剤層2(粘着剤層23)をラミネート加工した。一方、低屈折率層(低屈折率層11)、高屈折率層(高屈折率層12)、及びPETフィルムである透明基材(基材13)を含む低反射層積層フィルム(日油株式会社 リアルック(商標)TX815/NP−50)の低屈折率層との反対面に、後述する粘着剤層1(接着剤層14)をラミネート加工し、上記赤外線吸収層とラミネート加工することによって実施例1のガラス用フィルム1を形成した。そして、図6に示されるように、厚みが3.0mmであるフロートガラスG3にガラス用フィルム1を貼り付けた。そして、フロートガラスG3の外側から可視光L21を照射して透過光L22の強度を測定し、光学特性を評価した。
(赤外線遮蔽塗料)
赤外線遮蔽塗料としては、赤外線吸収性を有する酸化インジウムスズのナノ粒子を分散させた紫外線硬化性アクリル樹脂溶液(三菱マテリアル電子化成株式会社 PIS−3YB)を用いた。
(粘着剤層1)
粘着剤層1は、アクリル系粘着剤溶液(綜研化学株式会社 SK−1310(固形分35%、酢酸エチル溶液))100重量部に、エポキシ系架橋剤(綜研化学株式会社 E−AX(5%トルエン溶液))1.4重量部を混合し、厚さ38μmのポリエステル剥離ライナー(帝人デュポン株式会社 Purex(商標)A−55)に塗布し、オーブンで90℃として3分間乾燥させて、厚さ20μmの粘着剤層1とした。
(粘着剤層2)
粘着剤層2は、アクリル系粘着剤溶液(綜研化学株式会社 SK−1310(固形分35%、酢酸エチル溶液))100重量部に、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ株式会社 Tinuvin(商標)477)1.75重量部、エポキシ系架橋剤(綜研化学株式会社 E−AX(5%トルエン溶液))1.4重量部を混合し、厚さ38μmのポリエステル剥離ライナー(帝人デュポン株式会社 Purex(商標)A−55)に塗布し、オーブンで90℃として3分間乾燥させて得たものである。
(実施例2)
赤外線反射層(赤外線反射層32)として、ポリエチレンテレフタレートとポリメチルメタクリレートの交互多層(200層)フィルムを準備した。このフィルムの片面に粘着剤層2(粘着剤層33)をラミネート加工し、赤外線反射層を有するフィルムを得た。そして、低反射層積層フィルム(日油株式会社 リアルック(商標)TX815/NP−50)の低屈折率層(低屈折率層11)との反対面に実施例1で用いた粘着剤層1(接着剤層14)をラミネート加工し、上記赤外線反射層をラミネート加工することによって実施例2のガラス用フィルム1Aを形成した。そして、ガラス用フィルム1Aを厚みが3.0mmであるフロートガラスG3に貼り付けて前述と同様に光学特性を評価した。
(実施例3)
低反射層積層フィルム(低屈折率層41、高屈折率層42及び基材43)(日油株式会社 リアルック(商標)TX815/NP−50)の低屈折率層との反対面に実施例1で用いた赤外線遮蔽塗料をマイヤーバーで塗布し、オーブンで60℃として3分間乾燥させた。そして、強度が300mj/cmである紫外線(UVA)を照射して硬化させ、厚さが2μmの赤外線吸収層(赤外線遮蔽層51)を形成した。この赤外線吸収層に実施例1で用いた粘着剤層2(粘着剤層52)をラミネート加工して実施例3のガラス用フィルム1Bを形成し、前述と同様に光学特性を評価した。
(実施例4)
実施例4のガラス用フィルム1Bは、実施例3のガラス用フィルム1Bで用いた粘着剤層2とは異なる後述の粘着剤層3を用いている。具体的には、低反射層積層フィルム(日油株式会社 リアルック(商標)TX815/NP−50)の低屈折率層(低屈折率層41)との反対面に実施例1で用いた赤外線遮蔽塗料をマイヤーバーで塗布し、オーブンで60℃として3分間乾燥させた。そして、強度が300mj/cmである紫外線(UVA)を照射して硬化させ、厚さが2μmの赤外線吸収層(赤外線遮蔽層51)を形成した。この赤外線吸収層に粘着剤層3(粘着剤層52)をラミネート加工して、実施例4のガラス用フィルム1Bを形成し、前述と同様に光学特性を評価した。
(粘着剤層3)
粘着剤層3は、アクリル系粘着剤溶液(綜研化学株式会社 SK−1310(固形分35%、酢酸エチル溶液))100重量部に、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ株式会社 Tinuvin(商標)477)7重量部、エポキシ系架橋剤(綜研化学株式会社 E−AX(5%トルエン溶液))1.4重量部を混合し、厚さ38μmのポリエステル剥離ライナー(帝人デュポン株式会社 Purex(商標)A−55)に塗布し、オーブンで90℃として3分間乾燥させて得たものである。
(比較例1)
ガラス用フィルムが貼り付けられていない厚さ3mmのフロートガラスG3に対し、ガラスG3の外側から可視光L21を照射し、透過光L22の強度を測定して光学特性を評価した。
(比較例2)
実施例1の低反射層積層フィルム(低屈折率層11、高屈折率層12、基材13及び接着剤層14)を省略したガラス用フィルムを用いた。具体的には、厚さが25μmの透明基材(基材22)であるポリエステルフィルム(三菱樹脂株式会社 T600E−25N)に、実施例1で用いた赤外線遮蔽塗料をマイヤーバーで塗布し、オーブンで60℃として3分間乾燥させた。そして、強度が300mj/cmである紫外線(UVA)を照射して硬化させ、厚さが2μmの赤外線吸収層(赤外線遮蔽層21)を形成した。透明基材の赤外線吸収層との反対面に実施例1で用いた粘着剤層2(粘着剤層23)をラミネート加工し、比較例2のガラス用フィルムを形成した。そして、前述と同様、このガラス用フィルムを厚みが3.0mmであるフロートガラスG3に貼り付けて光学特性を評価した。
(比較例3)
実施例2の低反射層積層フィルム(低屈折率層11、高屈折率層12、基材13及び接着剤層14)を省略したガラス用フィルムを用いた。具体的には、赤外線反射層(赤外線反射層32)として、ポリエチレンテレフタレートとポリメチルメタクリレートの交互多層(200層)フィルムを準備した。このフィルムの片面に実施例1で用いた粘着剤層2(粘着剤層33)をラミネート加工し、比較例3のガラス用フィルムを得た。そして、このガラス用フィルムの粘着剤層2の剥離ライナーを剥がし、厚みが3.0mmであるフロートガラスG3に貼り付けて前述と同様に光学特性を評価した。
(比較例4)
比較例4のガラス用フィルムは、比較例2のガラス用フィルムの粘着剤層2を粘着剤層3に変更したものである。具体的には、厚さが25μmの透明基材(基材22)であるポリエステルフィルム(三菱樹脂株式会社 T600E−25N)に、実施例1で用いた赤外線遮蔽塗料をマイヤーバーで塗布し、オーブンで60℃として3分間乾燥させた。そして、強度が300mj/cmである紫外線(UVA)を照射して硬化させ、厚さが2μmの赤外線吸収層(赤外線遮蔽層21)を形成した。透明基材の赤外線吸収層との反対面に実施例4で用いた粘着剤層3(粘着剤層23)をラミネート加工し、比較例4のガラス用フィルムを形成した。そして、前述と同様、厚みが3.0mmであるフロートガラスG3に比較例4のガラス用フィルムを貼り付けて光学特性を評価した。
(光学特性評価)
実施例1〜4及び比較例1〜4のそれぞれにおいて、可視光線透過率、赤外線遮蔽率、及び紫外線遮蔽率を測定した。可視光線透過率及び紫外線遮蔽率の測定は、JIS S 3107:2013に準拠して、また、赤外線遮蔽率の測定は、JIS S 3107:2013に準じて、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジー 分光光度計U−4100)を用いて行った。可視光線透過率としては波長が380nm以上且つ780nm以下の可視光線が透過する割合(%)を測定した。赤外線遮蔽率は、波長が780nm以上且つ2500nm以下の赤外線透過率(%)を測定し、100(%)と当該赤外線透過率との差を算出して得た。紫外線遮蔽率は、紫外線透過率(%)を測定し、100(%)と当該紫外線透過率との差を算出して得た。また、紫外線としては、波長が300nm以上且つ380nm以下であるものと、波長が300nm以上且つ400nm以下であるものの2種類を用いた。以上の評価の結果を表1に示す。
Figure 2018106054
表1に示されるように、ガラス用フィルム1を貼り付けたガラスG3(実施例1)、ガラス用フィルム1Aを貼ったガラスG3(実施例2)、ガラス用フィルム1Bを貼ったガラスG3(実施例3、実施例4)は、ガラス用フィルムを貼っていないガラスG3(比較例1)と比較して、高い赤外線遮蔽性能及び高い紫外線遮蔽性能を実現しつつ、同等又はそれ以上の可視光線透過率を得ることができることを確認できた。
また、低反射層を有さないガラス用フィルム(実施例1,3に対する比較例2、実施例2に対する比較例3、実施例4に対する比較例4)との比較においても、同等の赤外線遮蔽性能及び同等の紫外線遮蔽性能を実現しつつ、高い可視光線透過率を得ることができることを確認できた。
1,1A,1B…ガラス用フィルム、11,41…低屈折率層、12,42…高屈折率層、13,22,43…基材、14…接着剤層、21,51…赤外線遮蔽層、23,33,52…粘着剤層、24,34,53…剥離ライナー、32…赤外線反射層、A…自動車、G1,G2,G3…ガラス、L1,L11,L21…可視光、L2,L5,L12,L15,L22…透過光、L3,L4,L13,L14…反射光、W…窓、W1…サイドウインドウ、W2…フロントウインドウ、W3…リアウインドウ。

Claims (8)

  1. ガラスに貼り付けられるガラス用フィルムであって、
    基材と、
    前記基材の一方側に位置する低反射層と、
    前記基材から見て前記低反射層の反対側に位置しており、赤外線及び紫外線の少なくともいずれかを遮蔽する遮蔽層と、
    を備えたガラス用フィルム。
  2. 前記低反射層は、前記ガラス用フィルムの最表面に位置する低屈折率層、及び前記低屈折率層の前記基材側に隣接して積層された高屈折率層を含む、
    請求項1に記載のガラス用フィルム。
  3. 前記低反射層は、その表面に可視光の波長以下の凹凸パターンが形成されている、
    請求項1に記載のガラス用フィルム。
  4. 前記遮蔽層は、赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層を有する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス用フィルム。
  5. 前記赤外線遮蔽層は、赤外線を反射させる多層光学フィルムを有する、
    請求項4に記載のガラス用フィルム。
  6. 前記遮蔽層は、紫外線を吸収する紫外線吸収層を有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス用フィルム。
  7. 前記ガラスは、自動車用ガラスである、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラス用フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラス用フィルムが貼り付けられたガラス。
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