JP2002249157A - 容器の中栓取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、中栓と容器口部とのシール部分か
らの内容物の漏れ出しを確実に防止できる容器の中栓取
付構造を提供することにある。 【解決手段】 容器口部２内に樹脂製の中栓３を嵌合し
ている金属容器１の中栓取付構造であって、前記中栓３
が容器口部２上端部の内側全周に亘って密接するよう
に、前記中栓３の外径を上方に向けて拡がるように形成
し、前記上端部が彎曲状またはテーパ状になっているこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、容器の口部内に中
栓を嵌合する容器の中栓取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】マニキュア等に代表される容器の中に
は、例えば図６や図７のように、金属製の容器３１の口
部３２内に樹脂製の中栓３３を嵌合するものがあった
が、この中栓は樹脂成形により形成されるために、該中
栓の真円度については高い精度を得ることは非常に困難
であり、従来のような中栓と容器口部とを、それぞれの
周面同士が接した状態で嵌合するタイプの容器にあって
は、前記中栓の嵌合時に隙間が生じて容器と中栓とのシ
ール部分から中の溶液が漏れ出る問題点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、中栓と容器
口部とのシール部分からの内容物の漏れ出しを確実に防
止できる容器の中栓取付構造を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項１記載の発明は、容器口部内に
樹脂製の中栓を嵌合している金属容器の中栓取付構造で
あって、前記中栓が容器口部上端部の内側全周に亘って
密接するように、前記中栓の外径を上方に向けて拡がる
ように形成し、前記上端部が彎曲状またはテーパ状にな
っていることを特徴とする。

【０００５】ここで中栓は、該中栓の下方側部分が口部
内に嵌入可能なように前記口部の内径よりも細く形成し
てあり、しかも、前記中栓の形状については、口部の下
方から上方に向けて中栓の外径が広径となるように拡が
っていく勾配状をなすように形成してあるものをすべて
含んでいる。

【０００６】このように形成すると、容器の口部内に中
栓を嵌入した際に、この中栓の外径が該容器口部の上方
側に向かって拡がりをもつように形成してあるので、前
記中栓が容器口部内に徐々に圧入されていき、さらに、
前記容器口部の上端部が彎曲状またはテーパ状をなして
いることで、該中栓が前記容器口部の内側全周に亘って
確実に密着する。したがって、この中栓が確実に容器口
部内に保持され、しかも、仮に中栓の周壁に成形時のヒ
ケが生じていても、この中栓と容器口部との隙間が生じ
ることがなく、容器内に収容された内容物が外部に漏れ
出ない水密性の高い構成となっている。

【０００７】また本発明のうち請求項２記載の発明のよ
うに、前記容器口部には、該容器口部上端の内側全周に
亘って突部が設けてあることで、中栓の外周面と容器口
部内周面側とが全周に亘って一層確実に密接する。ここ
で突部の形態は、例えば、口部上端の内側全周に亘って
突出する凸部分を設けているものでもよいし、あるい
は、口部の上端を除いた内周面側の全周に亘って窪み溝
を設け、前記上端を口部内側に突出するように形成した
ものでもよい。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の容器の実施形態を
図面に基づいて説明する。本容器は図１に示すように、
容器口部２の外周壁にネジ部５を備えるアルミニウム合
金製の金属容器１と、この金属容器１に螺合可能であり
且つ蓋部７裏面側にブラシ８を固着する樹脂製のキャッ
プ４と、から構成されたものであり、前記金属容器１の
容器口部２には、前記ブラシ８用の保持孔９を備える中
央が窪んだ樹脂製の中栓３が嵌入してある。

【０００９】本発明の要部である金属容器１の容器口部
２と中栓３との嵌合構造を図２に基づいて以下に説明す
る。まず、前記金属容器１の口部２はネジ切り加工によ
って、該容器口部２の外周面側に螺旋状のネジ部５を形
成している。また、この容器口部２内には中栓３が嵌入
し且つ保持されており、該中栓３上端部の外周縁に沿っ
ては、この中栓３を前記口部２に嵌合した際に、金属容
器１内への抜け落ちを防止するための勾配部１０が中栓
３外周面の全周に亘って設けてある。

【００１０】そして前記中栓３の勾配部１０の形状は図
３に示すように、全周に亘って下方から上方に向けて徐
々に拡がるように形成してあり、さらに、前記勾配部１
０の上端部では、符号２０のように末広がりに且つ大き
な彎曲状をなすように形成してある。これにより、中栓
３を金属容器１の容器口部２内に徐々に圧入した場合
に、前記中栓３の勾配部１０が前記容器口部２の上端縁
に対して徐々に圧接されていき、さらに中栓３を圧入し
ていくことで、前記勾配部１０の彎曲部分のいづれかの
箇所が容器口部２上端縁の全周に亘って強く圧接し、最
終的には前記容器口部２内に中栓３が密接に且つ強固に
嵌合されるので、仮に容器口部２の内周面側にヒケが生
じている場合でも、前記勾配部１０の彎曲部分の上下方
向に広範囲に対応し、金属容器１内を外部と遮断した状
態に保ったまま強く嵌まり込み、前記中栓３と容器口部
２との間に隙間を生じることなく水密性を保って金属容
器１内を外部と遮断できる。

【００１１】一方キャップ４は、その内周面側に前記容
器口部２のネジ部５に螺合する被ネジ１２を備えてお
り、さらに、前記キャップ４蓋部７の中心位置には、金
属容器１の底部に向けて垂下するブラシ８が固着してあ
る。また、このブラシ８にはハケ１４が樹脂製の細い筒
体１３を介して該筒体１３の下端に固着してあり、さら
に、前記筒体１３を支持固定する保持筒部１５が前記中
栓３の中心に設けられた筒体１３の上下方向に貫通する
保持孔９に着脱が可能であり、これにより、キャップ４
がしっかりと金属容器１に位置決め保持される。尚、前
記キャップ４蓋部７の裏面側には、前記容器口部２上端
縁と一致する状態で先端が尖った形状の凸部１７をリン
グ状に配置してあってもよく、この凸部１７と容器口部
２上端縁の先端部分とが弾性をもって当接するととも
に、金属容器１内の密閉性を一層高めることが可能であ
る。

【００１２】また図４のように、前記容器口部２の上端
を除く内周面側の全周に亘って凹状をなす窪み溝１８を
設け、前記容器口部２上端内周面側の全周に亘って突部
１９を設けたものでもよい。これにより中栓３の嵌入の
際に、前記突部１９のみが中栓３の外周面側に、図のよ
うな断面で示す場合においては突部１９の突出した部分
のみで強く圧接し、容器口部２内に該中栓３を保持す
る。

【００１３】さらに図５は、本発明の他の実施形態を示
すものであり、本実施形態の中栓３は、符号２１のよう
に上端部の断面形状が上方に向かって末広がりなテーパ
状に形成してあり、勾配部１０の上端部を彎曲状に形成
してある中栓３と同様に、容器口部２内に次第に強く嵌
まり込んでいき、中栓３と容器口部２とが隙間を生じる
ことなく密接な状態で嵌合する。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、中栓を容器口部内に嵌
合する際に、この中栓が前記容器口部内に次第に強く嵌
まり込んでいくとともに、最終的に、前記中栓上端部の
内側全周によって容器口部内に密着状態で且つ離脱不能
にしっかりと嵌合されるので、容器口部の成形後の状態
に関わらず確実に中栓と容器口部とが完全にシールさ
れ、容器内の内容物が外部に漏れ出すことなく、容器内
の水密性を確実に保つことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した容器の一部を切欠した全体図
である。

【図２】図１中Ａを拡大して示す縦断面図である。

【図３】図２中Ｂを拡大して示す要部拡大縦断面図であ
る。

【図４】本発明の他の実施形態を示す要部拡大縦断面図
である。

【図５】同じく、本発明の他の実施形態を示す要部拡大
縦断面図である。

【図６】本発明の従来例を示す要部を拡大した縦断面図
である。

【図７】図６中Ｃを拡大して示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 金属容器 ２ 容器口部 ３ 中栓 １９ 突部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器口部（２）内に樹脂製の中栓（３）
   を嵌合している金属容器（１）の中栓取付構造であっ
   て、 前記中栓（３）が容器口部（２）上端部の内側全周に亘
   って密接するように、前記中栓（３）の外径を上方に向
   けて拡がるように形成し、前記上端部が彎曲状またはテ
   ーパ状になっていることを特徴とする容器の中栓取付構
   造。
2. 【請求項２】 前記容器口部（２）には、該容器口部
   （２）上端の内側全周に亘って突部（１９）が設けてあ
   ることを特徴とする請求項１記載の容器の中栓取付構
   造。