JP2002227636A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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康彦 大坪
Taro Aoyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NOx触媒に供給される還元剤の供給異常を
判定し、又は、触媒の劣化を判定することができる技術
を提供し、以て、排気エミッションの悪化を抑制する。 【解決手段】希薄燃焼式内燃機関1と、NOx触媒20
と、触媒20前の排気温度を計測する入ガス温度計測手
段37と、触媒20後の排気温度を計測する出ガス温度
計測手段24と、触媒20に還元剤を供給する還元剤供
給手段28と、還元剤供給手段28により触媒に還元剤
が供給された後の触媒20前後の排気温度に基づいて還
元剤供給手段28の異常を判定する異常判定手段35
と、を具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関から排出
される排気中のNOxを浄化する内燃機関の排気浄化装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等に搭載される内燃機関、
特に酸素過剰状態の混合気(所謂、リーン空燃比の混合
気)を燃焼可能とするディーゼル機関やリーンバーン・
ガソリン機関では、該内燃機関の排気中に含まれる窒素
酸化物(NOx)を浄化する技術が望まれている。
【0003】このような要求に対し、内燃機関の排気系
にリーンNOx触媒を配置する技術が提案されている。
リーンNOx触媒の一つとして、流入する排気の酸素濃
度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を吸収
し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在
するときは吸収していた窒素酸化物(NOx)を放出し
つつ窒素(N2)に還元する吸蔵還元型NOx触媒が知ら
れている。
【0004】吸蔵還元型NOx触媒が内燃機関の排気系
に配置されると、内燃機関が希薄燃焼運転されて排気の
空燃比が高くなるときは排気中の窒素酸化物(NOx)
が吸蔵還元型NOx触媒に吸収され、吸蔵還元型NOx触
媒に流入する排気の空燃比が低くなったときは吸蔵還元
型NOx触媒に吸収されていた窒素酸化物(NOx)が放
出されつつ窒素(N2)に還元される。
【0005】ところで、吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸
収能力には限りがあるため、内燃機関が長期にわたって
希薄燃焼運転されると、吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸
収能力が飽和し、排気中の窒素酸化物(NOx)が吸蔵
還元型NOx触媒によって除去されることなく大気中に
放出されることになる。
【0006】従って、吸蔵還元型NOx触媒を希薄燃焼
式内燃機関に適用する場合は、吸蔵還元型NOx触媒の
NOx吸収能力が飽和する前に該吸蔵還元型NOx触媒に
流入する排気の空燃比を低下させる、所謂リッチスパイ
ク制御を実行することにより、吸蔵還元型NOx触媒に
吸収されている窒素酸化物(NOx)を放出及び還元さ
せる必要がある。
【0007】リッチスパイク制御の具体的な方法として
は、吸蔵還元型NOx触媒より上流を流れる排気中に還
元剤たる燃料を添加する方法を例示することができる。
【0008】尚、吸蔵還元型NOx触媒より上流の排気
中に還元剤を添加する場合は、吸蔵還元型NOx触媒に
吸収されている窒素酸化物(NOx)に応じて還元剤の
添加量を正確に制御することが重要である。
【0009】これは、吸蔵還元型NOx触媒に吸収され
ている窒素酸化物(NOx)に対して還元剤の添加量が
過剰に多くされると余剰の還元剤が大気中に放出される
ことになり、吸蔵還元型NOx触媒に吸収されている窒
素酸化物(NOx)に対して還元剤の添加量が不足する
と吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収能力が飽和し、排気
中の窒素酸化物(NOx)が浄化されずに大気中に放出
されることになるからである。
【0010】また、これらリーンNOx触媒を用いた排
気浄化システムにおいては、リーンNOx触媒の触媒床
温の管理も重要である。
【0011】例えば、リーンNOx触媒には活性温度が
あり、触媒床温がこの活性温度範囲から外れると、浄化
能力が極度に低下する。一方、NOx触媒の温度が過剰
に上昇すると、NOx触媒の熱劣化を誘発する虞れがあ
る。
【0012】ここで、吸蔵還元型NOx触媒の熱劣化に
ついて説明すると、NOx 触媒におけるNOxの吸収は
白金Pt(触媒物質)とカリウムK(NOx吸収剤)と
の界面において行われるが、Ptは熱によってシンタリ
ングを起こし、成長して粒径が大きくなることが知られ
ている。車両用内燃機関から排出される排気の浄化にお
いては、NOx 触媒に加わる熱負荷が大きく、白金Pt
のシンタリングを避けることはできない。このように白
金Ptがシンタリングを起こすと、白金Ptとカリウム
Kの接触面積が少なくなり、即ち、白金Ptとカリウム
Kの界面が少なくなる。この結果、NOx 触媒のNOx
吸収能力が低下し、NOx浄化能力が低下する。
【0013】このような問題に対し、従来では、特許第
2845056号公報に記載されたような内燃機関の排
気浄化装置が提案されている。この公報に記載された内
燃機関の排気浄化装置は、吸蔵還元型NOx触媒におい
て排気中の酸素と反応して消費される還元剤の量と吸蔵
還元型NOx触媒に吸収されている窒素酸化物(NOx)
を還元するために必要となる還元剤の量とを考慮して、
還元剤の添加量を決定することにより、還元剤の過剰供
給や供給不足を防止し、以て還元剤や窒素酸化物(NO
x)の大気中への放出による排気エミッションの悪化を
抑制しようとするものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の排気浄
化装置は、吸蔵還元型NOx触媒において排気中の酸素
と反応して消費される還元剤の量及び吸蔵還元型NOx
触媒に吸収されている窒素酸化物(NOx)を還元する
ために必要となる還元剤の量を求める際に、排気中の酸
素量と吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収量とを単に内燃
機関の運転条件をパラメータとして推定しているのみで
あるため、推定された酸素量又は還元剤量と実際の酸素
量又は還元剤量との間にずれが発生する可能性がある。
【0015】また、吸蔵還元型NOx触媒に吸収されて
いる窒素酸化物(NOx)を還元するために必要となる
還元剤の量を正確に求めることができたとしても、還元
剤を供給する機構に経年変化等が生じると、推定された
還元剤量と実際に吸蔵還元型NOx触媒に供給される還
元剤量との間にずれが発生する可能性がある。
【0016】このように推定された還元剤量と実際に添
加される還元剤量との間にずれが発生すると、還元剤の
添加量を正確に制御することが困難となり、還元剤の過
剰供給や供給不足に起因した排気エミッションの悪化が
誘発される場合がある。
【0017】本発明は、上記したような種々の問題に鑑
みてなされたものであり、NOx触媒に供給される還元
剤量及び触媒の異常を判定し、この判定結果に基づいて
還元剤量を補正することができる技術を提供することに
より、以て排気エミッションの悪化を抑制することを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。即ち、第1の発明
に係る内燃機関の排気浄化装置は、酸素過剰状態の混合
気を燃焼可能とする希薄燃焼式の内燃機関と、前記内燃
機関の排気通路に設けられ、還元剤の存在下で排気中の
NOx成分を浄化するNOx触媒と、前記NOx触媒に流
入する排気の温度を計測する入ガス温度計測手段と、前
記NOx触媒から流出する排気の温度を計測する出ガス
温度計測手段と、前記NOx触媒に還元剤を供給する還
元剤供給手段と、前記還元剤供給手段により前記NOx
触媒に還元剤が供給された後の前記入ガス温度計測手段
により計測された排気の温度及び前記出ガス温度計測手
段により計測された排気の温度に基づいて前記還元剤供
給手段の異常を判定する異常判定手段と、を具備した。
【0019】このように構成された内燃機関の排気浄化
装置では、NOx触媒へ還元剤を供給する必要が生じた
ときに、還元剤供給手段はNOx触媒より上流へ還元剤
を供給する。
【0020】NOx触媒より上流に供給された還元剤
は、排気通路の上流から流れてくる排気とともにNOx
触媒へ流入する。そして、NOx触媒は、還元剤を利用
して排気中の有害ガス成分を還元及び浄化することにな
る。
【0021】ここで、NOx触媒に還元剤が供給される
と、NOx触媒において酸化還元反応が起こりNOx触媒
から流出する排気の温度は、該NOx触媒に流入する排
気の温度よりも高くなる。
【0022】このようにNOx触媒前後の温度は還元剤
供給量及びNOx触媒の状態によって変動するので、異
常判定手段は、NOx触媒前後の排気の温度を計測する
ことにより還元剤の過不足等の判定を行う。
【0023】本発明において、前記異常判定手段は、入
ガス温度計測手段により計測された温度が所定温度より
も低く且つ出ガス温度計測手段により計測された温度が
所定温度よりも低い場合には還元剤供給機構が供給する
還元剤の量が不足していると判定し、入ガス温度計測手
段により計測された温度が所定温度よりも低く且つ出ガ
ス温度計測手段により計測された温度が所定温度よりも
高い場合には内燃機関で失火が発生していると判定し、
入ガス温度計測手段により計測された温度が所定温度以
上で且つ出ガス温度計測手段により計測された温度が所
定温度よりも低い場合にはNOx触媒が劣化していると
判定し、入ガス温度計測手段により計測された温度が所
定温度よりも高く且つ出ガス温度計測手段により計測さ
れた温度が所定温度よりも高い場合には還元剤供給機構
が供給する還元剤の量が過剰であると判定することがで
きる。
【0024】また、本発明において、前記異常判定手段
は、出ガス温度計測手段により計測された温度が所定温
度よりも低い場合にはNOx触媒が劣化していると判定
することができる。
【0025】ここで、NOx触媒に流入する排気の温度
が所定温度よりも低いときは、内燃機関から排出される
排気の温度が低い場合である。ところで、排気の温度を
上昇させる手段及び還元剤を供給する手段として、内燃
機関へ機関出力のための燃料を噴射させる主噴射の後の
機関出力とはならない時期に再度燃料を噴射させる副噴
射がある。副噴射を行うと、噴射された燃料は内燃機関
から排出される前に燃焼し、排気の温度を上昇させるこ
とができる。
【0026】この副噴射の量が不足している場合、又
は、副噴射された燃料が内燃機関で十分に燃焼されなか
った場合には、内燃機関内で燃焼により発生する熱量が
少ないために、所定温度まで温度が上昇していない排気
がNOx触媒に流入する。そして、副噴射の量が不足し
ている場合には、NOx触媒における酸化還元反応によ
るNOx触媒の温度上昇も十分ではないため、NOx触媒
から流出する排気の温度は所定温度よりも低くなる。ま
た、副噴射された燃料が内燃機関で十分に燃焼されなか
った場合には、排気中に未燃燃量が含まれているため、
NOx触媒における酸化還元反応によりNOx触媒の温度
が上昇し、NOx触媒から流出する排気の温度は所定温
度よりも高くなる。
【0027】一方、副噴射の量が過剰である場合は、内
燃機関内で燃焼により発生する熱量が多いために所定温
度以上に温度が上昇した排気がNOx触媒に流入する。
そして、この排気中には副噴射で余剰となった未燃燃量
が多く含まれているため、NOx触媒における酸化還元
反応によりNOx触媒の温度が上昇し、NOx触媒から流
出する排気の温度は所定温度よりも高くなる。
【0028】また、NOx触媒が劣化している場合に
は、NOx触媒において酸化還元反応によって発生する
熱量が少なくなるので、NOx触媒に流入する排気の温
度が所定温度若しくはそれ以上であるにもかかわらず、
NOx触媒から流出する排気の温度が所定温度よりも低
くなる。
【0029】本発明においては、内燃機関の吸気系に排
気の一部を再循環させるEGR装置と、前記内燃機関に
吸入される新気の量を調整する吸気絞り弁と、を具備
し、前記異常判定手段が前記NOx触媒又は前記還元剤
供給手段の異常を判定した場合に、還元剤供給手段が供
給する還元剤の量、還元剤供給手段が還元剤を供給する
時期、前記吸気絞り弁の開弁量、EGRガス量のうち少
なくとも1つを変更することができる。
【0030】異常判定手段により還元剤の量が不足して
いると判定された場合には、還元剤の量を増加させるこ
とにより、NOx触媒における排気の空燃比を適正化す
ることができる。一方、異常判定手段により還元剤の量
が過剰であると判定された場合には、吸気絞り弁を開弁
し、又は、EGRガス量を減少させて内燃機関に吸入さ
れる新気の量を増加させて排気の空燃比を大きくする
と、NOx触媒に流入する排気の空燃比を大きくするこ
とができる。また、還元剤の量を減少させると排気の空
燃比を大きくすることができるため、NOx触媒におけ
る排気の空燃比を適正化することができる。
【0031】さらに、NOx触媒が劣化していると判定
された場合には、NOx触媒に流入する排気の温度が高
いほど副噴射の量を減少させることにより、これ以上の
劣化を抑制することができる。
【0032】また、NOx触媒に還元剤を供給するため
の他の手段として、排気通路に設けられた還元剤添加ノ
ズルにより排気中に還元剤を直接添加する方法がある。
この方法により排気通路へ添加された還元剤は、燃焼す
ることなくNOx触媒へ流入するためNOx触媒に流入す
る排気の温度を上昇させることはないが、NOx触媒に
流入した還元剤は酸化還元反応によりNOx触媒の温度
を上昇させ、NOx触媒から流出する排気の温度は所定
温度よりも高くなる。
【0033】そこで、NOx触媒から流出する排気の温
度によって、還元剤添加量の過不足を判定することがで
きる。即ち、NOx触媒から流出する排気の温度が所定
温度よりも低い場合には、還元剤添加量が不足している
と判定し、又、NOx触媒から流出する排気の温度が所
定温度よりも高い場合には、還元剤添加量が過剰である
と判定することができる。
【0034】そして、異常判定手段により還元剤の量が
不足していると判定された場合には、還元剤の量を増加
させることにより、適正な量の還元剤添加を行うことが
できる。一方、異常判定手段により還元剤添加量が過剰
であると判定された場合には、吸気絞り弁を開弁し、又
は、EGRガス量を減少させて内燃機関に吸入される新
気の量を増加させて排気の空燃比を大きくすると、NO
x触媒における還元剤の酸化還元反応による温度上昇を
抑制することができる。また、副噴射を併用している時
には副噴射の量を減少させると排気の空燃比を大きくす
ることができるため、NOx触媒における還元剤の酸化
還元反応による温度上昇を抑制することができる。
【0035】本出願の第2の発明に係る内燃機関の排気
浄化装置は、酸素過剰状態の混合気を燃焼可能とする希
薄燃焼式の内燃機関と、前記内燃機関の排気通路に設け
られ、還元剤の存在下で排気中のNOx成分を浄化する
NOx触媒と、前記NOx触媒に流入する排気の温度を計
測する入ガス温度計測手段と、前記NOx触媒から流出
する排気の空燃比を計測する出ガス空燃比計測手段と、
前記NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段により前記NOx触媒に還元剤が供
給された後の前記入ガス温度計測手段により計測された
排気の温度及び前記出ガス空燃比計測手段により計測さ
れた排気の空燃比に基づいて前記還元剤供給手段の異常
を判定する異常判定手段と、を具備した。
【0036】このように構成された内燃機関の排気浄化
装置では、NOx触媒へ還元剤を供給する必要が生じた
ときに、還元剤供給手段はNOx触媒より上流へ還元剤
を供給する。
【0037】NOx触媒より上流に供給された還元剤
は、排気通路の上流から流れてくる排気とともにNOx
触媒へ流入する。そして、NOx触媒は、還元剤を利用
して排気中の有害ガス成分を還元及び浄化することにな
る。
【0038】ここで、NOx触媒に還元剤が供給される
と、NOx触媒において酸化還元反応が起こりNOx触媒
から流出する排気の空燃比は、該NOx触媒に流入する
排気の空燃比よりも大きくなる。
【0039】このようにNOx触媒から流出する排気の
空燃比は還元剤供給量及びNOx触媒の状態によって変
動するので、異常判定手段は、NOx触媒から流出する
排気の空燃比を計測し所定値と比較することにより還元
剤の過不足及び触媒の劣化を判定することができる。
【0040】第2の発明において前記異常判定手段は、
入ガス温度計測手段により計測された温度が所定温度よ
りも低く且つ出ガス空燃比計測手段により計測された空
燃比が所定空燃比よりも大きい場合には還元剤供給機構
が供給する還元剤の量が不足していると判定し、入ガス
温度計測手段により計測された温度が所定温度よりも低
く且つ出ガス空燃比計測手段により計測された空燃比が
所定空燃比よりも小さい場合には内燃機関で失火が発生
していると判定し、入ガス温度計測手段により計測され
た温度が所定温度以上で且つ出ガス空燃比計測手段によ
り計測された空燃比が所定空燃比よりも大きい場合には
NOx触媒が劣化していると判定し、入ガス温度計測手
段により計測された温度が所定温度よりも高く且つ出ガ
ス空燃比計測手段により計測された空燃比が所定空燃比
よりも小さい場合には還元剤供給機構が供給する還元剤
の量が過剰であると判定することができる。
【0041】また、本発明において前記異常判定手段
は、出ガス空燃比計測手段により計測された空燃比が所
定空燃比よりも小さい場合にはNOx触媒が劣化してい
ると判定することができる。
【0042】ここで、NOx触媒に流入する排気の温度
が所定温度よりも低いときは、内燃機関から排出される
排気の温度が低い場合である。ところで、排気の温度を
上昇させる手段及び還元剤を供給する手段として、前記
副噴射がある。
【0043】この副噴射の量が不足している場合、又
は、副噴射された燃料が内燃機関で十分に燃焼されなか
った場合には、内燃機関内で燃焼により発生する熱量が
少ないために、所定温度まで温度が上昇していない排気
がNOx触媒に流入する。そして、副噴射の量が不足し
ている場合には、NOx触媒に流入する排気の空燃比は
所定値よりも大きいため、NOx触媒から流出する排気
の空燃比は所定値よりも大きくなる。また、副噴射され
た燃料が内燃機関で十分に燃焼されなかった場合には、
排気中に未燃燃量が含まれているため、NOx触媒に流
入する排気の空燃比は所定値よりも小さいので、NOx
触媒から流出する排気の空燃比は所定値よりも小さくな
る。
【0044】一方、副噴射の量が過剰である場合は、内
燃機関内で燃焼により発生する熱量が多いために所定温
度以上に温度が上昇した排気がNOx触媒に流入する。
そして、この排気中には副噴射で余剰となった未燃燃量
が多く含まれているため、NOx触媒に流入する排気の
空燃比は所定値よりも小さいので、NOx触媒から流出
する排気の空燃比も所定値より小さくなる。
【0045】また、NOx触媒が劣化している場合に
は、NOx触媒において酸化還元反応が起こりにくくな
り、よって消費される酸素が少なくなるので、NOx触
媒に流入する排気の温度が所定温度若しくはそれ以上で
あるにもかかわらず、NOx触媒から流出する排気の空
燃比は所定値よりも大きくなる。
【0046】さらに、本発明においては、内燃機関の吸
気系に排気の一部を再循環させるEGR装置と、前記内
燃機関に吸入される新気の量を調整する吸気絞り弁と、
を具備し、前記異常判定手段が前記NOx触媒又は前記
還元剤供給手段の異常を判定した場合に、還元剤供給手
段が供給する還元剤の量、還元剤供給手段が還元剤を供
給する時期、前記吸気絞り弁の開弁量、EGRガス量の
うち少なくとも1つを変更することができる。
【0047】また、NOx触媒に還元剤を供給するため
の他の手段として、排気通路に設けられた還元剤添加ノ
ズルにより排気中に還元剤を直接添加する方法がある。
この方法により排気通路へ添加された還元剤は、燃焼す
ることなくNOx触媒へ流入するためNOx触媒に流入す
る排気の温度を上昇させることはないが、NOx触媒か
ら流出する排気の空燃比は所定値よりも小さくなる。
【0048】そこで、NOx触媒から流出する排気の空
燃比によって、還元剤添加量の過不足を判定することが
できる。即ち、NOx触媒から流出する排気の空燃比が
所定値よりも大きい場合には、還元剤添加量が不足して
いると判定し、又、NOx触媒から流出する排気の空燃
比が所定値よりも小さい場合には、還元剤添加量が過剰
であると判定することができる。
【0049】異常判定手段により還元剤添加量が不足し
ていると判定された場合には、還元剤添加量を増加させ
ることにより、NOx触媒における排気の空燃比を適正
化することができる。一方、異常判定手段により還元剤
添加量が過剰であると判定された場合には、吸気絞り弁
を開弁し、又は、EGRガス量を減少させて内燃機関に
吸入される新気の量を増加させて排気の空燃比を大きく
すると、NOx触媒に流入する排気の空燃比を大きくす
ることができる。また、副噴射の量を減少させると排気
の空燃比を大きくすることができるため、NOx触媒に
おける排気の空燃比を適正化することができる。
【0050】さらに、NOx触媒が劣化していると判定
された場合には、NOx触媒に流入する排気の温度が高
いほど副噴射の量を減少させることにより、これ以上の
劣化を抑制することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】<第1の実施の形態>以下、本発
明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様に
ついて図面に基づいて説明する。ここでは、本発明に係
る排気浄化装置を車両駆動用のディーゼル機関に適用し
た場合を例に挙げて説明する。
【0052】図1は、本発明に係る排気浄化装置を適用
する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図であ
る。
【0053】図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を
有する水冷式の4サイクル・ディーゼル機関である。
【0054】内燃機関1は、各気筒2の燃焼室に直接燃
料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。各燃料噴射弁
3は、燃料を所定圧まで蓄圧する蓄圧室(コモンレー
ル)4と接続されている。このコモンレール4には、該
コモンレール4内の燃料の圧力に対応した電気信号を出
力するコモンレール圧センサ4aが取り付けられてい
る。
【0055】前記コモンレール4は、燃料供給管5を介
して燃料ポンプ6と連通している。この燃料ポンプ6
は、内燃機関1の出力軸(クランクシャフト)の回転ト
ルクを駆動源として作動するポンプであり、該燃料ポン
プ6の入力軸に取り付けられたポンププーリ6aが内燃
機関1の出力軸(クランクシャフト)に取り付けられた
クランクプーリ1aとベルト7を介して連結されてい
る。
【0056】このように構成された燃料噴射系では、ク
ランクシャフトの回転トルクが燃料ポンプ6の入力軸へ
伝達されると、燃料ポンプ6は、クランクシャフトから
該燃料ポンプ6の入力軸へ伝達された回転トルクに応じ
た圧力で燃料を吐出する。
【0057】前記燃料ポンプ6から吐出された燃料は、
燃料供給管5を介してコモンレール4へ供給され、コモ
ンレール4にて所定圧まで蓄圧されて各気筒2の燃料噴
射弁3へ分配される。そして、燃料噴射弁3に駆動電流
が印加されると、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃
料噴射弁3から気筒2内へ燃料が噴射される。
【0058】次に、内燃機関1には、吸気枝管8が接続
されており、吸気枝管8の各枝管は、各気筒2の燃焼室
と図示しない吸気ポートを介して連通している。
【0059】前記吸気枝管8は、吸気管9に接続され、
この吸気管9は、エアクリーナボックス10に接続され
ている。前記エアクリーナボックス10より下流の吸気
管9には、該吸気管9内を流通する吸気の質量に対応し
た電気信号を出力するエアフローメータ11と、該吸気
管9内を流通する吸気の温度に対応した電気信号を出力
する吸気温度センサ12とが取り付けられている。
【0060】前記吸気管9における吸気枝管8の直上流
に位置する部位には、該吸気管9内を流通する吸気の流
量を調節する吸気絞り弁13が設けられている。この吸
気絞り弁13には、ステッパモータ等で構成されて該吸
気絞り弁13を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエータ
14が取り付けられている。
【0061】前記エアフローメータ11と前記吸気絞り
弁13との間に位置する吸気管9には、排気の熱エネル
ギを駆動源として作動する遠心過給機(ターボチャージ
ャ)15のコンプレッサハウジング15aが設けられ、
コンプレッサハウジング15aより下流の吸気管9に
は、前記コンプレッサハウジング15a内で圧縮されて
高温となった吸気を冷却するためのインタークーラ16
が設けられている。
【0062】このように構成された吸気系では、エアク
リーナボックス10に流入した吸気は、該エアクリーナ
ボックス10内の図示しないエアクリーナによって吸気
中の塵や埃等が除去された後、吸気管9を介してコンプ
レッサハウジング15aに流入する。
【0063】コンプレッサハウジング15aに流入した
吸気は、該コンプレッサハウジング15aに内装された
コンプレッサホイールの回転によって圧縮される。前記
コンプレッサハウジング15a内で圧縮されて高温とな
った吸気は、インタークーラ16にて冷却された後、必
要に応じて吸気絞り弁13によって流量を調節されて吸
気枝管8に流入する。吸気枝管8に流入した吸気は、各
枝管を介して各気筒2の燃焼室へ分配され、各気筒2の
燃料噴射弁3から噴射された燃料を着火源として燃焼さ
れる。
【0064】一方、内燃機関1には、排気枝管18が接
続され、排気枝管18の各枝管が図示しない排気ポート
を介して各気筒2の燃焼室と連通している。
【0065】前記排気枝管18は、前記遠心過給機15
のタービンハウジング15bと接続されている。前記タ
ービンハウジング15bは、排気管19と接続され、こ
の排気管19は、下流にて図示しないマフラーに接続さ
れている。
【0066】前記排気管19の途中には、排気中の有害
ガス成分を浄化するための排気浄化触媒20が配置され
ている。排気浄化触媒20より上流の排気管19には、
該排気管19内を流通する排気の温度に対応した電気信
号を出力する入ガス温度センサ37が取り付けられてい
る。排気浄化触媒20より下流の排気管19には、該排
気管19内を流通する排気の空燃比に対応した電気信号
を出力する空燃比センサ23と、該排気管19内を流通
する排気の温度に対応した電気信号を出力する出ガス温
度センサ24とが取り付けられている。
【0067】前記した空燃比センサ23及び出ガス温度
センサ24より下流の排気管19には、該排気管19内
を流通する排気の流量を調節する排気絞り弁21が設け
られている。この排気絞り弁21には、ステッパモータ
等で構成されて該排気絞り弁21を開閉駆動する排気絞
り用アクチュエータ22が取り付けられている。
【0068】このように構成された排気系では、内燃機
関1の各気筒2で燃焼された混合気(既燃ガス)が排気
ポートを介して排気枝管18へ排出され、次いで排気枝
管18から遠心過給機15のタービンハウジング15b
へ流入する。タービンハウジング15bに流入した排気
は、該排気が持つ熱エネルギを利用してタービンハウジ
ング15b内に回転自在に支持されたタービンホイール
を回転させる。その際、タービンホイールの回転トルク
は、前述したコンプレッサハウジング15aのコンプレ
ッサホイールへ伝達される。
【0069】前記タービンハウジング15bから排出さ
れた排気は、排気管19を介して排気浄化触媒20へ流
入し、排気中の有害ガス成分が除去又は浄化される。排
気浄化触媒20にて有害ガス成分を除去又は浄化された
排気は、必要に応じて排気絞り弁21によって流量を調
節された後にマフラーを介して大気中に放出される。
【0070】また、排気枝管18と吸気枝管8とは、排
気枝管18内を流通する排気の一部を吸気枝管8へ再循
環させる排気再循環通路(EGR通路)25を介して連
通されている。このEGR通路25の途中には、電磁弁
などで構成され、印加電力の大きさに応じて前記EGR
通路25内を流通する排気(以下、EGRガスと称す
る)の流量を変更する流量調整弁(EGR弁)26が設
けられている。
【0071】前記EGR通路25においてEGR弁26
より上流の部位には、該EGR通路25内を流通するE
GRガスを冷却するEGRクーラ27が設けられてい
る。
【0072】このように構成された排気再循環機構で
は、EGR弁26が開弁されると、EGR通路25が導
通状態となり、排気枝管18内を流通する排気の一部が
前記EGR通路25へ流入し、EGRクーラ27を経て
吸気枝管8へ導かれる。
【0073】その際、EGRクーラ27では、EGR通
路25内を流通するEGRガスと所定の冷媒との間で熱
交換が行われ、EGRガスが冷却されることになる。
【0074】EGR通路25を介して排気枝管18から
吸気枝管8へ還流されたEGRガスは、吸気枝管8の上
流から流れてきた新気と混ざり合いつつ各気筒2の燃焼
室へ導かれ、燃料噴射弁3から噴射される燃料を着火源
として燃焼される。
【0075】ここで、EGRガスには、水(H2O)や
二酸化炭素(CO2)などのように、自らが燃焼するこ
とがなく、且つ、吸熱性を有する不活性ガス成分が含ま
れているため、EGRガスが混合気中に含有されると、
混合気の燃焼温度が低められ、以て窒素酸化物(NO
x)の発生量が抑制される。
【0076】更に、EGRクーラ27においてEGRガ
スが冷却されると、EGRガス自体の温度が低下すると
ともにEGRガスの体積が縮小されるため、EGRガス
が燃焼室内に供給されたときに該燃焼室内の雰囲気温度
が不要に上昇することがなくなるとともに、燃焼室内に
供給される新気の量(新気の体積)が不要に減少するこ
ともない。
【0077】次に、本実施の形態に係る排気浄化触媒2
0について具体的に説明する。
【0078】排気浄化触媒20は、還元剤の存在下で排
気中の窒素酸化物(NOx)を浄化するNOx触媒であ
る。このようなNOx触媒としては、選択還元型NOx触
媒や吸蔵還元型NOx触媒等を例示することができる
が、ここでは吸蔵還元型NOx触媒を例に挙げて説明す
る。以下、排気浄化触媒20を吸蔵還元型NOx触媒2
0又は単にNOx触媒20と称するものとする。
【0079】吸蔵還元型NOx触媒20は、例えば、ア
ルミナを担体とし、その担体上に、カリウム(K)、ナ
トリウム(Na)、リチウム(Li)、もしくはセシウ
ム(Cs)等のアルカリ金属と、バリウム(Ba)もし
くはカルシウム(Ca)等のアルカリ土類と、ランタン
(La)もしくはイットリウム(Y)等の希土類とから
選択された少なくとも1つと、白金(Pt)等の貴金属
とを担持して構成されている。尚、本実施の形態では、
アルミナからなる担体上にバリウム(Ba)と白金(P
t)とを担持して構成される吸蔵還元型NOx触媒を例
に挙げて説明する。
【0080】このように構成された吸蔵還元型NOx触
媒20は、該吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気
の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)
を吸収する。
【0081】一方、吸蔵還元型NOx触媒20は、該吸
蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の酸素濃度が低
下したときは吸収していた窒素酸化物(NOx)を放出
する。その際、排気中に炭化水素(HC)や一酸化炭素
(CO)等の還元成分が存在していれば、吸蔵還元型N
Ox触媒20は、該吸蔵還元型NOx触媒20から放出さ
れた窒素酸化物(NOx)を窒素(N2)に還元せしめる
ことができる。
【0082】尚、吸蔵還元型NOx触媒20のNOx吸放
出作用については明らかにされていない部分もあるが、
おおよそ以下のようなメカニズムによって行われている
と考えられる。
【0083】先ず、吸蔵還元型NOx触媒20では、該
吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の空燃比がリ
ーン空燃比となって排気中の酸素濃度が高まると、図2
(A)に示されるように、排気中の酸素(O2)がO2 -
またはO2-の形で白金(Pt)の表面上に付着する。排
気中の一酸化窒素(NO)は、白金(Pt)の表面上で
2 -またはO2-と反応して二酸化窒素(NO2)を形成
する(2NO+O2→2NO2)。二酸化窒素(NO2
は、白金(Pt)の表面上で更に酸化され、硝酸イオン
(NO3 -)の形で吸蔵還元型NOx触媒20に吸収され
る。尚、吸蔵還元型NOx触媒20に吸収された硝酸イ
オン(NO3 -)は、酸化バリウム(BaO)と結合して
硝酸バリウム(Ba(NO32)を形成する。
【0084】このように吸蔵還元型NOx触媒20に流
入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときは、排気
中の窒素酸化物(NOx)が硝酸イオン(NO3 -)とし
て吸蔵還元型NOx触媒20に吸収される。
【0085】上記したようなNOx吸収作用は、流入排
気の空燃比がリーン空燃比であり、且つ吸蔵還元型NO
x触媒20のNOx吸収能力が飽和しない限り継続され
る。従って、吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気
の空燃比がリーン空燃比であるときは、吸蔵還元型NO
x触媒20のNOx吸収能力が飽和しない限り、排気中の
窒素酸化物(NOx)が吸蔵還元型NOx触媒20に吸収
され、排気中から窒素酸化物(NOx)が除去されるこ
とになる。
【0086】これに対して、吸蔵還元型NOx触媒20
では、該吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の酸
素濃度が低下すると、白金(Pt)の表面上において二
酸化窒素(NO2)の生成量が減少するため、酸化バリ
ウム(BaO)と結合していた硝酸イオン(NO3 -)が
逆に二酸化窒素(NO2)や一酸化窒素(NO)となっ
て吸蔵還元型NOx触媒20から離脱する。
【0087】その際、排気中に炭化水素(HC)や一酸
化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、それら
の還元成分が白金(Pt)上の酸素(O2 -またはO2-
と部分的に反応して活性種を形成する。この活性種は、
吸蔵還元型NOx触媒20から放出された二酸化窒素
(NO2)や一酸化窒素(NO)を窒素(N2)に還元せ
しめることになる。
【0088】従って、吸蔵還元型NOx触媒20に流入
する排気の空燃比が理論空燃比又はリッチ空燃比となっ
て排気中の酸素濃度が低下するとともに還元剤の濃度が
高まると、吸蔵還元型NOx触媒20に吸収されていた
窒素酸化物(NOx)が放出及び還元され、以て吸蔵還
元型NOx触媒20のNOx吸収能力が再生されることに
なる。
【0089】ところで、内燃機関1が希薄燃焼運転され
ている場合は、内燃機関1から排出される排気の空燃比
がリーン雰囲気となり排気の酸素濃度が高くなるため、
排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)が吸蔵還元型N
Ox触媒20に吸収されることになるが、内燃機関1の
希薄燃焼運転が長期間継続されると、吸蔵還元型NOx
触媒20のNOx吸収能力が飽和し、排気中の窒素酸化
物(NOx)が吸蔵還元型NOx触媒20にて除去されず
に大気中へ放出されてしまう。
【0090】特に、内燃機関1のようなディーゼル機関
では、大部分の運転領域においてリーン空燃比の混合気
が燃焼され、それに応じて大部分の運転領域において排
気の空燃比がリーン空燃比となるため、吸蔵還元型NO
x触媒20のNOx吸収能力が飽和し易い。
【0091】従って、内燃機関1が希薄燃焼運転されて
いる場合は、吸蔵還元型NOx触媒20のNOx吸収能力
が飽和する前に吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排
気中の酸素濃度を低下させるとともに還元剤の濃度を高
め、吸蔵還元型NOx触媒20に吸収された窒素酸化物
(NOx)を放出及び還元させる必要がある。
【0092】これに対し、本実施の形態に係る内燃機関
の排気浄化装置は、吸蔵還元型NOx触媒20より上流
の排気通路を流通する排気中に還元剤たる燃料(軽油)
を添加する還元剤供給機構を備え、この還元剤供給機構
から排気中へ燃料を添加することにより、吸蔵還元型N
Ox触媒20に流入する排気の酸素濃度を低下させると
ともに還元剤の濃度を高めるようにした。
【0093】還元剤供給機構は、図1に示されるよう
に、その噴孔が排気枝管18内に臨むよう内燃機関1の
シリンダヘッドに取り付けられ、所定の開弁圧以上の燃
料が印加されたときに開弁して燃料を噴射する還元剤噴
射弁28と、前述した燃料ポンプ6から吐出された燃料
を前記還元剤噴射弁28へ導く還元剤供給路29と、こ
の還元剤供給路29の途中に設けられ該還元剤供給通路
29内を流通する燃料の流量を調整する流量調整弁30
と、この流量調整弁30より上流の還元剤供給路29に
設けられて該還元剤供給路29内の燃料の流通を遮断す
る遮断弁31と、前記流量調整弁30より上流の還元剤
供給路29に取り付けられ該還元剤供給路29内の圧力
に対応した電気信号を出力する還元剤圧力センサ32
と、を備えている。
【0094】ここで、前記還元剤圧力センサ32は、遮
断弁31の下流側で該遮断弁31と一体に形成されてい
る。このようにすると、還元剤圧力センサ32の取り付
けが容易になり、又、還元剤の漏出を防止することがで
きる。
【0095】尚、還元剤噴射弁28は、該還元剤噴射弁
28の噴孔が排気枝管18におけるEGR通路25との
接続部位より下流であって、排気枝管18における4つ
の枝管の集合部に最も近い気筒2の排気ポートに突出す
るとともに、排気枝管18の集合部へ向くようシリンダ
ヘッドに取り付けられることが好ましい。
【0096】これは、還元剤噴射弁28から噴射された
還元剤(未燃の燃料成分)がEGR通路25へ流入する
のを防止するとともに、還元剤が排気枝管18内に滞る
ことなく遠心過給機のタービンハウジング15bへ到達
するようにするためである。
【0097】尚、図1に示す例では、内燃機関1の4つ
の気筒2のうち4番(#4)気筒2が排気枝管18の集
合部と最も近い位置にあるため、4番(#4)気筒2の
排気ポートに還元剤噴射弁28が取り付けられている
が、4番(#4)気筒2以外の気筒2が排気枝管18の
集合部と最も近い位置にあるときは、その気筒2の排気
ポートに還元剤噴射弁28が取り付けられるようにす
る。
【0098】また、前記還元剤噴射弁28は、シリンダ
ヘッドに形成された図示しないウォータージャケットを
貫通、あるいはウォータージャケットに近接して取り付
けられるようにし、前記ウォータージャケットを流通す
る冷却水を利用して還元剤噴射弁28が冷却されるよう
にしてもよい。
【0099】このような還元剤供給機構では、流量調整
弁30が開弁されると、燃料ポンプ6から吐出された高
圧の燃料が還元剤供給路29を介して還元剤噴射弁28
へ印加される。そして、還元剤噴射弁28に印加される
燃料の圧力が開弁圧以上に達すると、該還元剤噴射弁2
8が開弁して排気枝管18内へ還元剤としての燃料が噴
射される。
【0100】還元剤噴射弁28から排気枝管18内へ噴
射された還元剤は、排気枝管18の上流から流れてきた
排気ととともにタービンハウジング15bへ流入する。
タービンハウジング15b内に流入した排気と還元剤と
は、タービンホイールの回転によって撹拌されて均質に
混合され、リッチ空燃比の排気を形成する。
【0101】このようにして形成されたリッチ空燃比の
排気は、タービンハウジング15bから排気管19を介
して吸蔵還元型NOx触媒20に流入し、吸蔵還元型N
Ox触媒20に吸収されていた窒素酸化物(NOx)を放
出させつつ窒素(N2)に還元することになる。
【0102】その後、流量調整弁30が閉弁されて燃料
ポンプ6から還元剤噴射弁28への還元剤の供給が遮断
されると、還元剤噴射弁28に印加される燃料の圧力が
前記開弁圧未満となり、その結果、還元剤噴射弁28が
閉弁し、排気枝管18内への還元剤の添加が停止される
ことになる。
【0103】以上述べたように構成された内燃機関1に
は、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット
(ECU:Electronic Control Unit)35が併設され
ている。このECU35は、内燃機関1の運転条件や運
転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユ
ニットである。
【0104】ECU35には、コモンレール圧センサ4
a、エアフローメータ11、吸気温度センサ12、吸気
管圧力センサ17、空燃比センサ23、入ガス温度セン
サ37、出ガス温度センサ24、還元剤圧力センサ3
2、クランクポジションセンサ33、水温センサ34、
アクセル開度センサ36等の各種センサが電気配線を介
して接続され、上記した各種センサの出力信号がECU
35に入力されるようになっている。
【0105】一方、ECU35には、燃料噴射弁3、吸
気絞り用アクチュエータ14、排気絞り用アクチュエー
タ22、EGR弁26、流量調整弁30、遮断弁31等
が電気配線を介して接続され、上記した各部をECU3
5が制御することが可能になっている。
【0106】ここで、ECU35は、図3に示すよう
に、双方向性バス350によって相互に接続された、C
PU351と、ROM352と、RAM353と、バッ
クアップRAM354と、入力ポート356と、出力ポ
ート357とを備えるとともに、前記入力ポート356
に接続されたA/Dコンバータ(A/D)355を備え
ている。
【0107】前記入力ポート356は、クランクポジシ
ョンセンサ33のようにデジタル信号形式の信号を出力
するセンサの出力信号を入力し、それらの出力信号をC
PU351やRAM353へ送信する。
【0108】前記入力ポート356は、コモンレール圧
センサ4a、エアフローメータ11、吸気温度センサ1
2、吸気管圧力センサ17、空燃比センサ23、入ガス
温度センサ37、出ガス温度センサ24、還元剤圧力セ
ンサ32、水温センサ34、アクセル開度センサ36、
等のように、アナログ信号形式の信号を出力するセンサ
のA/D355を介して入力し、それらの出力信号をC
PU351やRAM353へ送信する。
【0109】前記出力ポート357は、燃料噴射弁3、
吸気絞り用アクチュエータ14、排気絞り用アクチュエ
ータ22、EGR弁26、流量調整弁30、遮断弁31
等と電気配線を介して接続され、CPU351から出力
される制御信号を、前記した燃料噴射弁3、吸気絞り用
アクチュエータ14、排気絞り用アクチュエータ22、
EGR弁26、流量調整弁30、あるいは遮断弁31へ
送信する。
【0110】前記ROM352は、燃料噴射弁3を制御
するための燃料噴射制御ルーチン、吸気絞り弁13を制
御するための吸気絞り制御ルーチン、排気絞り弁21を
制御するための排気絞り制御ルーチン、EGR弁26を
制御するためのEGR制御ルーチン、吸蔵還元型NOx
触媒20に吸収された窒素酸化物(NOx)を浄化する
ためのNOx浄化制御ルーチン、吸蔵還元型NOx触媒2
0の酸化物による被毒を解消するための被毒解消制御ル
ーチン等のアプリケーションプログラムを記憶してい
る。
【0111】前記ROM352は、上記したアプリケー
ションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶して
いる。前記制御マップは、例えば、内燃機関1の運転状
態と基本燃料噴射量(基本燃料噴射時間)との関係を示
す燃料噴射量制御マップ、内燃機関1の運転状態と基本
燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期制御マップ、
内燃機関1の運転状態と吸気絞り弁13の目標開度との
関係を示す吸気絞り弁開度制御マップ、内燃機関1の運
転状態と排気絞り弁21の目標開度との関係を示す排気
絞り弁開度制御マップ、内燃機関1の運転状態とEGR
弁26の目標開度との関係を示すEGR弁開度制御マッ
プ、内燃機関1の運転状態と還元剤の目標添加量(若し
くは、排気の目標空燃比)との関係を示す還元剤添加量
制御マップ、還元剤の目標添加量と流量調整弁30の開
弁時間との関係を示す流量調整弁制御マップ、還元剤供
給停止後からの経過時間とNOx吸蔵量との関係を示す
NOx吸蔵量算出マップ等である。
【0112】前記RAM353は、各センサからの出力
信号やCPU351の演算結果等を格納する。前記演算
結果は、例えば、クランクポジションセンサ33がパル
ス信号を出力する時間的な間隔に基づいて算出される機
関回転数である。これらのデータは、クランクポジショ
ンセンサ33がパルス信号を出力する都度、最新のデー
タに書き換えられる。
【0113】前記バックアップRAM354は、内燃機
関1の運転停止後もデータを記憶可能な不揮発性のメモ
リである。
【0114】前記CPU351は、前記ROM352に
記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作し
て、燃料噴射弁制御、吸気絞り制御、排気絞り制御、E
GR制御、NOx浄化制御、被毒解消制御等を実行す
る。
【0115】例えば、燃料噴射弁制御では、CPU35
1は、先ず、燃料噴射弁3から噴射される燃料量を決定
し、次いで燃料噴射弁3から燃料を噴射する時期を決定
する。
【0116】燃料噴射量を決定する場合は、CPU35
1は、RAM353に記憶されている機関回転数とアク
セル開度センサ36の出力信号(アクセル開度)とを読
み出す。CPU351は、燃料噴射量制御マップへアク
セスし、前記機関回転数及び前記アクセル開度に対応し
た基本燃料燃料噴射量(基本燃料噴射時間)を算出す
る。CPU351は、エアフローメータ11、吸気温度
センサ12、水温センサ34等の出力信号値等に基づい
て前記基本燃料噴射時間を補正し、最終的な燃料噴射時
間を決定する。
【0117】燃料噴射時期を決定する場合は、CPU3
51は、燃料噴射開始時期制御マップへアクセスし、前
記機関回転数及び前記アクセル開度に対応した基本燃料
噴射時期を算出する。CPU351は、エアフローメー
タ11、吸気温度センサ12、水温センサ34等の出力
信号値をパラメータとして前記基本燃料噴射時期を補正
し、最終的な燃料噴射時期を決定する。
【0118】燃料噴射時間と燃料噴射時期とが決定され
ると、CPU351は、前記燃料噴射時期とクランクポ
ジションセンサ33の出力信号とを比較し、前記クラン
クポジションセンサ33の出力信号が前記燃料噴射開始
時期と一致した時点で燃料噴射弁3に対する駆動電力の
印加を開始する。CPU351は、燃料噴射弁3に対す
る駆動電力の印加を開始した時点からの経過時間が前記
燃料噴射時間に達した時点で燃料噴射弁3に対する駆動
電力の印加を停止する。
【0119】尚、燃料噴射制御において内燃機関1の運
転状態がアイドル運転状態にある場合は、CPU351
は、水温センサ34の出力信号値や、車室内用空調装置
のコンプレッサのようにクランクシャフトの回転力を利
用して作動する補機類の作動状態等をパラメータとして
内燃機関1の目標アイドル回転数を算出する。そして、
CPU351は、実際のアイドル回転数が目標アイドル
回転数と一致するよう燃料噴射量をフィードバック制御
する。
【0120】また、吸気絞り制御では、CPU351
は、例えば、RAM353に記憶されている機関回転数
とアクセル開度とを読み出す。CPU351は、吸気絞
り弁開度制御マップへアクセスし、機関回転数及びアク
セル開度に対応した目標吸気絞り弁開度を算出する。C
PU351は、前記目標吸気絞り弁開度に対応した駆動
電力を吸気絞り用アクチュエータ14に印加する。その
際、CPU351は、吸気絞り弁13の実際の開度を検
出して、実際の吸気絞り弁13の開度と目標吸気絞り弁
開度との差分に基づいて前記吸気絞り用アクチュエータ
14をフィードバック制御するようにしてもよい。
【0121】また、排気絞り制御では、CPU351
は、例えば、内燃機関1が冷間始動後の暖機運転状態に
ある場合や、車室内用ヒータが作動状態にある場合など
に排気絞り弁21を閉弁方向へ駆動すべく排気絞り用ア
クチュエータ22を制御する。
【0122】この場合、内燃機関1の負荷が増大し、そ
れに対応して燃料噴射量が増量されることなる。その結
果、内燃機関1の発熱量が増加し、内燃機関1の暖機が
促進されるとともに、車室内用ヒータの熱源が確保され
る。
【0123】また、EGR制御では、CPU351は、
RAM353に記憶されている機関回転数、水温センサ
34の出力信号(冷却水温度)、アクセル開度センサ3
6の出力信号(アクセル開度)等を読み出し、EGR制
御の実行条件が成立しているか否かを判別する。
【0124】上記したEGR制御実行条件としては、冷
却水温度が所定温度以上にある、内燃機関1が始動時か
ら所定時間以上連続して運転されている、アクセル開度
の変化量が正値である等の条件を例示することができ
る。
【0125】上記したようなEGR制御実行条件が成立
していると判定した場合は、CPU351は、機関回転
数とアクセル開度とをパラメータとしてEGR弁開度制
御マップへアクセスし、前記機関回転数及び前記アクセ
ル開度に対応した目標EGR弁開度を算出する。CPU
351は、前記目標EGR弁開度に対応した駆動電力を
EGR弁26に印加する。一方、上記したようなEGR
制御実行条件が成立していないと判定した場合は、CP
U351は、EGR弁26を全閉状態に保持すべく制御
する。
【0126】更に、EGR制御では、CPU351は、
内燃機関1の吸入空気量をパラメータとしてEGR弁2
6の開度をフィードバック制御する、いわゆるEGR弁
フィードバック制御を行うようにしてもよい。
【0127】EGR弁フィードバック制御では、例え
ば、CPU351は、アクセル開度や機関回転数等をパ
ラメータとして内燃機関1の目標吸入空気量を決定す
る。その際、アクセル開度と機関回転数と目標吸入空気
量との関係を予めマップ化しておき、そのマップとアク
セル開度と機関回転数とから目標吸入空気量が算出され
るようにしてもよい。
【0128】上記した手順により目標吸入空気量が決定
されると、CPU351は、RAM353に記憶された
エアフローメータ11の出力信号値(実際の吸入空気
量)を読み出し、実際の吸入空気量と目標吸入空気量と
を比較する。
【0129】前記した実際の吸入空気量が前記目標吸入
空気量より少ない場合には、CPU351は、EGR弁
26を所定量閉弁させる。この場合、EGR通路25か
ら吸気枝管8へ流入するEGRガス量が減少し、それに
応じて内燃機関1の気筒2内に吸入されるEGRガス量
が減少することになる。その結果、内燃機関1の気筒2
内に吸入される新気の量は、EGRガスが減少した分だ
け増加する。
【0130】一方、実際の吸入空気量が目標吸入空気量
より多い場合には、CPU351は、EGR弁26を所
定量開弁させる。この場合、EGR通路25から吸気枝
管8へ流入するEGRガス量が増加し、それに応じて内
燃機関1の気筒2内に吸入されるEGRガス量が増加す
る。この結果、内燃機関1の気筒2内に吸入される新気
の量は、EGRガスが増加した分だけ減少することにな
る。
【0131】次に、NOx浄化制御では、CPU351
は、吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の空燃比
を比較的に短い周期でスパイク的(短時間)にリッチ空
燃比とする、リッチスパイク制御を実行する。
【0132】リッチスパイク制御では、CPU351
は、所定の周期毎にリッチスパイク制御実行条件が成立
しているか否かを判別する。このリッチスパイク制御実
行条件としては、例えば、吸蔵還元型NOx触媒20が
活性状態にあるか、出ガス温度センサ24の出力信号値
(排気温度)が所定の上限値以下であるか、被毒解消制
御が実行されていないか、等の条件を例示することがで
きる。
【0133】上記したようなリッチスパイク制御実行条
件が成立していると判定された場合は、CPU351
は、還元剤噴射弁28からスパイク的に還元剤たる燃料
を噴射させるべく流量調整弁30を制御することによ
り、吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の空燃比
を一時的に所定の目標リッチ空燃比とする。
【0134】具体的には、CPU351は、RAM35
3に記憶されている機関回転数、アクセル開度センサ3
6の出力信号(アクセル開度)、エアフローメータ11
の出力信号値(吸入空気量)、燃料噴射量等を読み出
す。更に、CPU351は、前記した機関回転数とアク
セル開度と吸入空気量と燃料噴射量とをパラメータとし
てROM352の還元剤添加量制御マップへアクセス
し、排気の空燃比を予め設定された目標リッチ空燃比と
する上で必要となる還元剤の添加量(目標添加量)を算
出する。
【0135】続いて、CPU351は、前記目標添加量
をパラメータとしてROM352の流量調整弁制御マッ
プへアクセスし、還元剤噴射弁28から目標添加量の還
元剤を噴射させる上で必要となる流量調整弁30の開弁
時間(目標開弁時間)を算出する。
【0136】流量調整弁30の目標開弁時間が算出され
ると、CPU351は、流量調整弁30を開弁させる。
この場合、燃料ポンプ6から吐出された高圧の燃料が還
元剤供給路29を介して還元剤噴射弁28へ供給される
ため、還元剤噴射弁28に印加される燃料の圧力が開弁
圧以上に達し、還元剤噴射弁28が開弁する。
【0137】CPU351は、流量調整弁30を開弁さ
せた時点から前記目標開弁時間が経過すると、流量調整
弁30を閉弁させる。この場合、燃料ポンプ6から還元
剤噴射弁28への還元剤の供給が遮断されるため、還元
剤噴射弁28に印加される燃料の圧力が開弁圧未満とな
り、還元剤噴射弁28が閉弁する。
【0138】このように流量調整弁30が目標開弁時間
だけ開弁されると、目標添加量の燃料が還元剤噴射弁2
8から排気枝管18内へ噴射されることになる。そし
て、還元剤噴射弁28から噴射された還元剤は、排気枝
管18の上流から流れてきた排気と混ざり合って目標リ
ッチ空燃比の混合気を形成して吸蔵還元型NOx触媒2
0に流入する。
【0139】この結果、吸蔵還元型NOx触媒20に流
入する排気の空燃比は、比較的に短い周期で「リーン」
と「スパイク的な目標リッチ空燃比」とを交互に繰り返
すことになり、以て、吸蔵還元型NOx触媒20が窒素
酸化物(NOx)の吸収と放出・還元とを交互に短周期
的に繰り返すことになる。
【0140】本実施の形態では、リッチスパイクで添加
される燃料の増量は、流量調整弁30の開弁時間を延長
して実現している。しかし、一回あたりの流量調整弁3
0の開弁時間を変更せずに、流量調整弁30の開弁間隔
を短くすることによっても同様の効果を得ることができ
る。また、流量調整弁30の開弁間隔は予めマップ化し
たものをROM352に記憶させておく。
【0141】本実施の形態においては、前記内燃機関1
の気筒2内へ機関出力のための燃料が主噴射された後の
機関出力とはならない時期に再度燃料を噴射させる副噴
射を行ってもNOx浄化を行うことができる。
【0142】副噴射により噴射された燃料は気筒2内で
燃焼し気筒2内のガス温度を上昇させると共に気筒2内
の酸素濃度を低下させる。気筒2内で燃焼し温度が上昇
したガスは排気となって排気管19を通り吸蔵還元型N
Ox触媒20に到達し、吸蔵還元型NOx触媒20の温度
を上昇させると共に吸蔵還元型NOx触媒に還元剤たる
炭化水素(HC)を供給する。
【0143】このように内燃機関1の気筒2内へ機関出
力のための燃料が主噴射された後の機関出力とはならな
い時期に再度燃料を噴射させるのは、主噴射のみにより
空燃比をリッチ空燃比側へずらそうとするとスモーク等
の問題が発生する虞れがあるからである。また、主噴射
を増量すると燃料の燃焼が機関出力になるのでトルクの
変動が発生し運転状態が悪化する。そこで、主噴射の後
の機関出力に影響しにくい膨張行程等で副噴射を行うこ
ととした。
【0144】このように副噴射を用いるとNOx触媒の
温度を早期に上昇させることができ、又、吸蔵還元型N
Ox触媒20に還元剤を供給することができる。
【0145】副噴射の量及び噴射時期は、アクセル開度
と機関回転数と副噴射量又は副噴射時期との関係を予め
マップ化しておきROM352に記憶させておけば、そ
のマップとRAM353に記憶されているアクセル開度
及び機関回転数とから算出することができる。更に、パ
ラメータとして内燃機関1の冷却水温度を加えてもよ
い。
【0146】このように、副噴射を用いると吸蔵還元型
NOx触媒20の早期温度上昇が可能となるが、内燃機
関1の運転状態によってはスモークやトルク変動等の問
題が発生する虞れがある。また、副噴射は、例えば内燃
機関1の膨張行程等の限られた時期にしか行うことがで
きない。そこで、本実施の形態では、気筒2内の副噴射
と還元剤噴射弁28による燃料添加とを運転状態によっ
て選択、又は、併用することとした。
【0147】次に、本実施の形態における吸蔵還元型N
Ox触媒20の昇温制御について説明する。この昇温制
御は、吸蔵還元型NOx触媒20が活性温度に達してい
ないとき、NOx浄化制御を行うとき、又は、吸蔵還元
型NOx触媒20の被毒解消制御を行うときに実行され
る。
【0148】図4は、本発明に係る吸蔵還元型NOx触
媒20の昇温制御を表すフローチャートである。
【0149】ステップ101では、昇温制御実行の可否
について判定される。この昇温制御実行条件としては、
出ガス温度センサ24の出力信号値が所定値以下である
か、内燃機関1が所定の条件で運転されているか等の条
件を例示することができる。これらの実行条件を満たし
ていると判定された場合は、ステップ102へ進み、実
行条件を満たしていないと判定された場合は、昇温制御
を行わずに本ルーチンを一旦終了する。
【0150】ステップ102では、CPU351は副噴
射を行う。このときの入ガス温度センサ37及び出ガス
温度センサ24の出力信号は、RAM353に記憶され
る。
【0151】ステップ103では、CPU351は副噴
射の異常及び触媒劣化を判定する。吸蔵還元型NOx触
媒20に流入する排気の温度及び吸蔵還元型NOx触媒
20から流出する排気の温度は、機関回転数、機関負
荷、燃料主噴射量及び副噴射量をパラメータとした温度
マップとして表すことができる。このマップを、予めR
OM352に記憶させておく。
【0152】CPU351は、RAM353に記憶され
ている機関回転数、機関負荷、燃料主噴射量及び副噴射
量を読み出す。次に、ROM352に記憶された温度マ
ップにアクセスし、吸蔵還元型NOx触媒20に流入す
る排気の温度を算出する。このようにして求められた温
度を「基本入ガス温度」と称する。同様にして、吸蔵還
元型NOx触媒20から流出する排気の温度を算出す
る。このときに求められた温度を「基本出ガス温度」と
称する。
【0153】次に、CPU351は、RAM353に記
憶されている入ガス温度センサ37及び出ガス温度セン
サ24の出力信号を読み出す。この出力信号より得られ
る吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の温度を
「計測入ガス温度」と称し、吸蔵還元型NOx触媒20
から流出する排気の温度を「計測出ガス温度」と称す
る。
【0154】その後、CPU351は、基本入ガス温度
と計測入ガス温度との偏差を算出し、算出値をRAM3
53に記憶させる。この偏差を「入ガス温度偏差」と称
する。同様にして、基本出ガス温度と計測出ガス温度と
の偏差を算出し、算出値をRAM353に記憶させる。
この偏差を「出ガス温度偏差」と称する。これらの偏差
が所定範囲以内の場合には、副噴射の異常及び触媒劣化
はないと判定してステップ107へ進む。
【0155】一方、偏差が所定範囲を越える場合には、
副噴射の異常又は触媒劣化が発生していると判定してス
テップ104へ進む。
【0156】ステップ104では、ステップ103で算
出された入ガス温度偏差及び出ガス温度偏差に基づいて
副噴射の異常の要因及びNOx触媒20の劣化を特定
し、これらの異常の改善を図る。
【0157】まず、CPU351は、副噴射の異常の要
因及びNOx触媒20の劣化を特定する。
【0158】ここで、計測入ガス温度が基本入ガス温度
よりも低いときは、内燃機関1から排出される排気の温
度が低い場合である。この原因として、副噴射の量が不
足している場合、又は、副噴射された燃料が内燃機関1
で十分に燃焼されなかった(失火した)場合が挙げられ
る。このような場合には、内燃機関1内で燃焼により発
生する熱量が少ないために、温度が上昇していない排気
が吸蔵還元型NOx触媒20に流入する。そして、副噴
射の量が不足している場合には、吸蔵還元型NOx触媒
20における酸化還元反応による温度上昇も十分ではな
いため、吸蔵還元型NOx触媒20から流出する排気の
温度は基本出ガス温度よりも低くなる。即ち、計測入ガ
ス温度が基本入ガス温度よりも低く、且つ、計測出ガス
温度が基本出ガス温度よりも低い場合には、副噴射の量
が不足している場合であると判定することができる。
【0159】また、副噴射された燃料が内燃機関で十分
に燃焼されなかった(失火した)場合には、排気中に未
燃燃量が多く含まれているため、NOx触媒における酸
化還元反応によりNOx触媒の温度が上昇し、NOx触媒
から流出する排気の温度は基本出ガス温度よりも高くな
る。即ち、計測入ガス温度が基本入ガス温度よりも低
く、且つ、計測出ガス温度が基本出ガス温度よりも高い
場合には、副噴射された燃料が内燃機関1で十分に燃焼
されなかった(失火した)場合であると判定することが
できる。
【0160】一方、計測入ガス温度が基本入ガス温度よ
りも高いときは、内燃機関1から排出される排気の温度
が高い場合である。この原因として、副噴射の量が過剰
である場合が挙げられる。この場合には、内燃機関1内
で燃焼により発生する熱量が多いために正常時よりも温
度が上昇した排気が吸蔵還元型NOx触媒20に流入す
る。そして、この排気中には副噴射で余剰となった未燃
燃量が多く含まれているため、吸蔵還元型NOx触媒2
0における酸化還元反応により吸蔵還元型NOx触媒2
0の温度が上昇し、吸蔵還元型NOx触媒20から流出
する排気の温度は基本出ガス温度よりも高くなる。即
ち、計測入ガス温度が基本入ガス温度よりも高く、且
つ、計測出ガス温度が基本出ガス温度よりも高い場合に
は、副噴射の量が過剰となっている場合であると判定す
ることができる。
【0161】また、吸蔵還元型NOx触媒20が劣化し
ている場合には、吸蔵還元型NOx触媒20において酸
化還元反応によって発生する熱量が少なくなる。そこ
で、入ガス温度偏差が所定値以下であるにもかかわら
ず、計測出ガス温度が基本出ガス温度よりも低い場合に
は吸蔵還元型NOx触媒20の劣化が発生していると判
定することができる。
【0162】このようにして、CPU351は、入ガス
温度偏差及び出ガス温度偏差に基づいて、副噴射の異常
の要因及び触媒劣化を特定することができる。
【0163】次に、CPU351は、特定された原因に
基づいて以下の補正を行い、排気エミッションの悪化を
抑制する。
【0164】副噴射の量が不足していると判定された場
合には、CPU351は副噴射量を増加する。副噴射を
増加する量は、アクセル開度と機関回転数と入ガス温度
偏差と副噴射を増加する量との関係を予めマップ化して
おきROM352に記憶させておけば、そのマップとR
AM353に記憶されているアクセル開度、機関回転数
及び入ガス温度偏差から算出することができる。
【0165】このようにして求められた、副噴射の増加
補正量は、バックアップRAM353に記憶される。そ
して、次回からの副噴射では、CPU351はバックア
ップRAM353にアクセスし、副噴射の増加補正量に
基づいて副噴射を行う。この副噴射の増加補正量が所定
量以上となった場合には、CPU351は、図示しない
警告灯を点灯させユーザーに知らせる。
【0166】次に、内燃機関1内で失火が発生している
と判定された場合には、CPU351は吸気絞り弁13
を開弁し、又は、EGRガス量を減少させて内燃機関1
に吸入される新気の量を増加させる。また、副噴射の量
を減少させる。このようにすると、内燃機関1内の空燃
比が適正化され失火を抑制することができる。
【0167】CPU351は、内燃機関1の吸入新気量
をパラメータとしてEGR弁26の開度をフィードバッ
ク制御し、吸入新気量及びEGRガス量を調整する。
【0168】EGR弁フィードバック制御では、例え
ば、CPU351は、アクセル開度や機関回転数及び入
ガス温度偏差等をパラメータとして内燃機関1の目標吸
入新気量を決定する。その際、アクセル開度、機関回転
数、入ガス温度偏差及び目標吸入新気量との関係を予め
マップ化しておき、そのマップとアクセル開度、機関回
転数、及び入ガス温度偏差とから目標吸入新気量が算出
される。
【0169】ここで、EGR弁26及び吸気絞り弁13
の開弁変化量と内燃機関1に吸入されるEGRガス量と
の関係を予め実験により求めてマップ化しROM352
に記憶させておけば、目標EGRガス量に基づいてEG
R弁26及び吸気絞り弁13の開弁量を補正するための
開弁補正量を算出することができる。
【0170】CPU351は、前記算出された開弁補正
量に基づいてEGR弁26及び吸気絞り弁13の開弁量
を変更しEGRガス量及び吸入新気量を調整する。
【0171】上記した手順により目標吸入新気量及び目
標EGRガス量が決定されると、CPU351は、RA
M353に記憶されたエアフローメータ11の出力信号
値(実際の吸入新気量)を読み出し、実際の吸入新気量
と目標吸入新気量とを比較する。
【0172】前記した実際の吸入新気量が目標吸入新気
量より少ない場合には、CPU351は、EGR弁26
を所定量閉弁させ、吸気絞り弁13を所定量開弁させ
る。この場合、EGR通路25から吸気枝管8へ流入す
るEGRガス量が減少し、それに応じて内燃機関1の気
筒2内に吸入されるEGRガス量が減少することにな
る。その結果、内燃機関1の気筒2内に吸入される新気
の量は、EGRガスが減少した分だけ増加する。
【0173】一方、実際の吸入新気量が目標吸入新気量
より多い場合には、CPU351は、EGR弁26を所
定量開弁させ、吸気絞り弁13を所定量閉弁させる。こ
の場合、EGR通路25から吸気枝管8へ流入するEG
Rガス量が増加し、それに応じて内燃機関1の気筒2内
に吸入されるEGRガス量が増加する。この結果、内燃
機関1の気筒2内に吸入される新気の量は、EGRガス
が増加した分だけ減少する。
【0174】以上のようにEGRガス量と吸入新気量を
調整することができる。
【0175】また、副噴射を減少する量は、アクセル開
度と機関回転数と入ガス温度偏差と副噴射を減少する量
との関係を予めマップ化しておきROM352に記憶さ
せておけば、そのマップとRAM353に記憶されてい
るアクセル開度、機関回転数、及び入ガス温度偏差から
算出することができる。
【0176】このようにして求められた、吸気絞り弁1
3の開弁補正量、EGR弁26の閉弁補正量、副噴射の
減少補正量は、バックアップRAM353に記憶され
る。そして、次回からの副噴射では、CPU351はバ
ックアップRAM353にアクセスし、これらの補正量
に基づいて副噴射を行う。
【0177】ここでは、前記した吸気絞り弁13の開閉
弁、EGR弁26の開閉弁、副噴射を減少させる補正を
組み合わせて内燃機関1の失火を抑制しているが、夫々
単独で用いることもできる。
【0178】また、吸気絞り弁13の開弁補正量、EG
R弁26の閉弁補正量、副噴射の減少補正量が所定量以
上となった場合には、CPU351は、図示しない警告
灯を点灯させユーザーに知らせる。
【0179】次に、副噴射の量が過剰であると判定され
た場合には、CPU351は副噴射量を減少させる。副
噴射を減少させる量は、アクセル開度と機関回転数と入
ガス温度偏差と副噴射を減少させる量との関係を予めマ
ップ化しておきROM352に記憶させておけば、その
マップとRAM353に記憶されているアクセル開度、
機関回転数、及び入ガス温度偏差から算出することがで
きる。
【0180】このようにして求められた、副噴射の減少
補正量は、バックアップRAM353に記憶される。そ
して、次回からの副噴射では、CPU351はバックア
ップRAM353にアクセスし、副噴射の減少補正量に
基づいて副噴射を行う。
【0181】この副噴射の減少補正量が所定量以上とな
った場合には、CPU351は、図示しない警告灯を点
灯させユーザーに知らせる。
【0182】さらに、吸蔵還元型NOx触媒20が劣化
していると判定された場合には、出ガス温度偏差が大き
いほど、又、吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気
の温度が高いほど副噴射の量を減少させることにより、
これ以上の吸蔵還元型NOx触媒20の劣化を抑制する
ことができる。
【0183】ここで、吸蔵還元型NOx触媒20が劣化
している場合には、その劣化の度合いが大きいほど吸蔵
還元型NOx触媒20において酸化還元反応によって発
生する熱量が少なくなるため、出ガス温度偏差が大きい
ほど、その劣化の度合いが大きいと判定することができ
る。又、吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の温
度が高いほど、劣化の進行が早まる。
【0184】吸蔵還元型NOx触媒20が劣化している
と判定された場合には、CPU351は副噴射量を減少
させる。副噴射を減少させる量は、アクセル開度、機関
回転数、入ガス温度偏差、出ガス温度偏差、及び副噴射
を減少させる量の関係を予めマップ化しておきROM3
52に記憶させておけば、そのマップとRAM353に
記憶されているアクセル開度、機関回転数、入ガス温度
偏差、及び出ガス温度偏差から算出することができる。
【0185】このようにして求められた、副噴射の減少
補正量は、バックアップRAM353に記憶される。そ
して、次回からの副噴射では、CPU351はバックア
ップRAM353にアクセスし、副噴射の減少補正量に
基づいて副噴射を行う。
【0186】この副噴射の減少補正量が所定量以上とな
った場合には、CPU351は、図示しない警告灯を点
灯させユーザーに知らせる。
【0187】ステップ105では、ステップ104で設
定した補正量が所定量以下であるか否かを判定する。C
PU351により補正量が所定量以下であると判定され
た場合には、ステップ102へ進む。又、否定判定がな
された場合には、ステップ106へ進み、CPU351
は、図示しない警告灯を点灯させユーザーに知らせた後
本ルーチンを終了させる。
【0188】ステップ107では、CPU351は、還
元剤噴射弁28から燃料添加制御を行う。このときの入
ガス温度センサ37及び出ガス温度センサ24の出力信
号は、RAM353に記憶される。
【0189】ステップ108では、CPU351は燃料
添加の異常を判定する。吸蔵還元型NOx触媒20に流
入する排気の温度及び吸蔵還元型NOx触媒20から流
出する排気の温度は、機関回転数、機関負荷、燃料主噴
射量及び燃料添加量をパラメータとした温度マップとし
て表すことができる。このマップは、予めROM352
に記憶させておく。
【0190】CPU351は、RAM353に記憶され
ている機関回転数、機関負荷、燃料主噴射量及び燃料添
加量を読み出す。次に、ROM352に記憶された温度
マップにアクセスし、吸蔵還元型NOx触媒20に流入
する排気の温度を算出する。このようにして求められた
温度を「燃料添加基本入ガス温度」と称する。同様にし
て、吸蔵還元型NOx触媒20から流出する排気の温度
を算出する。このときに求められた温度を「燃料添加基
本出ガス温度」と称する。
【0191】次に、CPU351は、RAM353に記
憶されている入ガス温度センサ37及び出ガス温度セン
サ24の出力信号を読み出す。この出力信号より得られ
る吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の温度を
「燃料添加計測入ガス温度」と称し、吸蔵還元型NOx
触媒20から流出する排気の温度を「燃料添加計測出ガ
ス温度」と称する。
【0192】CPU351は、燃料添加基本入ガス温度
と燃料添加計測入ガス温度との偏差を算出し、算出値を
RAM353に記憶させる。この偏差を「燃料添加入ガ
ス温度偏差」と称する。同様にして、燃料添加基本出ガ
ス温度と燃料添加計測出ガス温度との偏差を算出し、算
出値をRAM353に記憶させる。この偏差を「燃料添
加出ガス温度偏差」と称する。これらの偏差が所定範囲
以内の場合には、燃料添加の異常はないと判定してステ
ップ111へ進み、ステップ104及びステップ109
で算出された各種補正量に基づいて昇温制御が継続され
る。
【0193】一方、偏差が所定範囲を越える場合には、
燃料添加の異常が発生しているとしてステップ109へ
進む。
【0194】ステップ109では、ステップ108で算
出された燃料添加入ガス温度偏差及び燃料添加出ガス温
度偏差に基づいて燃料添加の異常の要因を特定し、この
異常の改善を図る。
【0195】まず、CPU351は、燃料添加の異常の
要因を特定する。
【0196】ここで、燃料添加計測出ガス温度が燃料添
加基本出ガス温度よりも低いときは、燃料添加の量が不
足している場合である。このような場合には、吸蔵還元
型NOx触媒20における酸化還元反応による温度上昇
が十分ではないため、吸蔵還元型NOx触媒20から流
出する排気の温度は燃料添加基本出ガス温度よりも低く
なる。即ち、燃料添加計測出ガス温度が燃料添加基本出
ガス温度よりも低い場合には、燃料添加の量が不足して
いる場合であると判定することができる。
【0197】また、燃料添加量が過剰の場合には、NO
x触媒における酸化還元反応によりNOx触媒の温度が上
昇し、NOx触媒から流出する排気の温度は基本出ガス
温度よりも高くなる。即ち、燃料添加量計測出ガス温度
が燃料添加量基本出ガス温度よりも高い場合には、燃料
添加の量が過剰になっている場合であると判定すること
ができる。
【0198】このようにして、CPU351は、燃料添
加入ガス温度偏差及び燃料添加出ガス温度偏差に基づい
て、燃料添加の異常の要因を特定することができる。
【0199】次に、CPU351は、判定結果に基づい
て以下の補正を行い、排気エミッションの悪化を抑制す
る。
【0200】燃料添加の量が不足していると判定された
場合には、CPU351は燃料添加量を増加する。燃料
添加を増加する量は、アクセル開度と機関回転数と燃料
添加入ガス温度偏差と燃料添加を増加する量との関係を
予めマップ化しておきROM352に記憶させておけ
ば、そのマップとRAM353に記憶されているアクセ
ル開度、機関回転数及び燃料添加入ガス温度偏差から算
出することができる。
【0201】このようにして求められた、燃料添加の増
加補正量は、バックアップRAM353に記憶される。
そして、次回からの燃料添加では、CPU351はバッ
クアップRAM353にアクセスし、燃料添加の増加補
正量に基づいて燃料添加を行う。この燃料添加の増加補
正量が所定量以上となった場合には、CPU351は、
図示しない警告灯を点灯させユーザーに知らせる。
【0202】次に、燃料添加の量が過剰になっていると
判定された場合には、CPU351は吸気絞り弁13を
開弁し、又は、EGRガス量を減少させて内燃機関1に
吸入される新気の量を増加させる。また、副噴射を併用
した場合には副噴射の量を減少させる。このようにする
と、内燃機関1内で発生する熱量を減少させることがで
きるので排気の温度を低下させることができ、又、排気
の空燃比が大きくなるため吸蔵還元型NOx触媒20内
における酸化還元反応により発生する熱量を減少させる
ことができる。
【0203】吸気絞り弁13、EGR弁26、副噴射量
の補正方法は、ステップ104で行われるものと同様で
ある。
【0204】また、燃料添加の増量補正と同様に、燃料
添加の減量補正量を算出し、この燃料添加の減量補正量
に基づいて燃料添加を行ってもよい。
【0205】このようにして算出された、吸気絞り弁1
3の開弁補正量、EGR弁26の閉弁補正量、副噴射の
減少補正量、燃料添加の減量補正量が所定量以上となっ
た場合には、CPU351は、図示しない警告灯を点灯
させユーザーに知らせる。
【0206】ステップ110では、ステップ109で設
定した補正量が所定量以下であるか否かを判定する。C
PU351により補正量が所定量以下であると判定され
た場合には、ステップ107へ進む。又、否定判定がな
された場合には、ステップ106へ進み、CPU351
は、図示しない警告灯を点灯させユーザーに知らせた後
本ルーチンを終了させる。
【0207】本実施の形態では、副噴射量の増加又は減
少は、副噴射を行う噴射時間の延長又は短縮によって実
現することもでき、又、一回あたりの副噴射を行う噴射
時間を変更せずに副噴射を行う間隔を短縮又は延長する
ことによっても同様の効果を得ることができる。また、
副噴射を行う間隔は予めマップ化したものをROM35
2に記憶させておけばよい。
【0208】このようにして、吸蔵還元型NOx触媒2
0に流入する排気の温度及び吸蔵還元型NOx触媒20
から流出する排気の温度に基づいて、還元剤の量を調整
することができる。 <第2の実施の形態>以下、第2の発明に係る内燃機関
の排気浄化装置の具体的な実施態様について説明する。
【0209】第2の実施の形態は、第1の実施の形態と
比較して以下の点で相違する。
【0210】第1の実施の形態では、還元剤量の異常及
びNOx触媒20の劣化を吸蔵還元型NOx触媒20に流
入する排気の温度と吸蔵還元型NOx触媒20から流出
する排気の温度とに基づいて判定している。しかし、本
実施の形態では、吸蔵還元型NOx触媒20に流入する
排気の温度と、吸蔵還元型NOx触媒20から流出する
排気の空燃比と、に基づいて還元剤量の異常及びNOx
触媒20の劣化を判定する。
【0211】その他の構成については、第1の実施の形
態と共通なので説明を割愛する。
【0212】次に、本実施の形態における吸蔵還元型N
Ox触媒20の昇温制御について図4に基づいて説明す
る。
【0213】ステップ101においては、昇温制御実行
の可否について判定される。判定内容は第1の実施の形
態と共通である。
【0214】ステップ102では、CPU351は副噴
射を行う。このときの入ガス温度センサ37及び空燃比
センサ23の出力信号は、RAM353に記憶される。
【0215】ステップ103では、CPU351は副噴
射の異常及び触媒劣化を判定する。吸蔵還元型NOx触
媒20に流入する排気の温度及び吸蔵還元型NOx触媒
20から流出する排気の空燃比は、機関回転数、機関負
荷、燃料主噴射量及び副噴射量をパラメータとした温度
マップ及び空燃比マップとして表すことができる。この
マップを、予めROM352に記憶させておく。
【0216】CPU351は、RAM353に記憶され
ている機関回転数、機関負荷、燃料主噴射量及び副噴射
量を読み出す。次に、ROM352に記憶された温度マ
ップにアクセスし、吸蔵還元型NOx触媒20に流入す
る排気の温度を算出する。このようにして求められた温
度を「基本入ガス温度」と称する。同様にして、吸蔵還
元型NOx触媒20から流出する排気の空燃比を算出す
る。このときに求められた温度を「基本出ガス空燃比」
と称する。
【0217】次に、CPU351は、RAM353に記
憶されている入ガス温度センサ37及び空燃比センサ2
3の出力信号を読み出す。これらの出力信号より得られ
る吸蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の温度を
「計測入ガス温度」と称し、吸蔵還元型NOx触媒20
から流出する排気の空燃比を「計測出ガス空燃比」と称
する。
【0218】CPU351は、基本入ガス温度と計測入
ガス温度との偏差を算出し、算出値をRAM353に記
憶させる。この偏差を「入ガス温度偏差」と称する。同
様にして、基本出ガス空燃比と計測出ガス空燃比との偏
差を算出し、算出値をRAM353に記憶させる。この
偏差を「出ガス空燃比偏差」と称する。これらの偏差が
所定値範囲以内の場合には、副噴射の異常及び触媒劣化
はないと判定してステップ107へ進む。
【0219】一方、偏差が所定範囲を越える場合には、
副噴射の異常又は触媒劣化が発生しているとしてステッ
プ104へ進む。
【0220】ステップ104では、ステップ103で算
出された入ガス温度偏差及び出ガス空燃比偏差に基づい
て副噴射の異常の要因及びNOx触媒20の劣化を特定
し、これらの異常の改善を図る。
【0221】まず、CPU351は、副噴射の異常の要
因及びNOx触媒20の劣化を特定する。
【0222】ここで、計測入ガス温度が基本入ガス温度
よりも低いときは、内燃機関1から排出される排気の温
度が低い場合である。この原因として、副噴射の量が不
足している場合、又は、副噴射された燃料が内燃機関1
で十分に燃焼されなかった(失火した)場合が挙げられ
る。このような場合には、内燃機関1内で燃焼により発
生する熱量が少ないために、温度が上昇していない排気
が吸蔵還元型NOx触媒20に流入する。そして、副噴
射の量が不足している場合には、吸蔵還元型NOx触媒
20から流出する排気の空燃比は、基本出ガス空燃比よ
りも大きくなる。即ち、計測入ガス温度が基本入ガス温
度よりも低く、且つ、計測出ガス空燃比が基本出ガス空
燃比よりも大きい場合には、副噴射の量が不足している
場合であると判定することができる。
【0223】また、副噴射された燃料が内燃機関で十分
に燃焼されなかった場合には、排気中に未燃燃量が多く
含まれているため、吸蔵還元型NOx触媒20から流出
する排気の空燃比は基本出ガス空燃比よりも小さくな
る。即ち、計測入ガス温度が基本入ガス温度よりも低
く、且つ、計測出ガス空燃比が基本出ガス空燃比よりも
小さい場合には、副噴射された燃料が内燃機関1で十分
に燃焼されなかった(失火した)場合であると判定する
ことができる。
【0224】一方、計測入ガス温度が基本入ガス温度よ
りも高いときは、内燃機関1から排出される排気の温度
が高い場合である。この原因として、副噴射の量が過剰
である場合が挙げられる。この場合には、内燃機関1か
らの排気の空燃比は小さくなるため、吸蔵還元型NOx
触媒20から流出する排気の空燃比は基本出ガス空燃比
よりも小さくなる。即ち、計測入ガス温度が基本入ガス
温度よりも高く、且つ、計測出ガス空燃比が基本出ガス
空燃比よりも小さい場合には、副噴射の量が過剰となっ
ている場合であると判定することができる。
【0225】また、吸蔵還元型NOx触媒20が劣化し
ている場合には、吸蔵還元型NOx触媒20において酸
化還元反応によって消費される酸素の量が少なくなる。
そこで、入ガス温度偏差が所定値以下であるにもかかわ
らず、計測出ガス空燃比が基本出ガス空燃比よりも大き
い場合には吸蔵還元型NOx触媒20の劣化が発生して
いると判定することができる。
【0226】このようにして、CPU351は、入ガス
温度偏差及び出ガス空燃比偏差に基づいて、副噴射の異
常の要因及び触媒劣化を特定することができる。
【0227】次に、CPU351は、特定された原因に
基づいて第1の実施の形態におけるステップ104と共
通の補正を行い、排気エミッションの悪化を抑制する。
【0228】ステップ105では、ステップ104で設
定した補正量が所定量以下であるか否かを判定する。こ
こでは、第1の実施の形態におけるステップ105と共
通の判定を行う。
【0229】ステップ107では、CPU351は、還
元剤噴射弁28から燃料添加制御を行う。このときの入
ガス温度センサ37及び空燃比センサ23の出力信号
は、RAM353に記憶される。
【0230】ステップ108においては、CPU351
は燃料添加の異常を判定する。吸蔵還元型NOx触媒2
0に流入する排気の温度及び吸蔵還元型NOx触媒20
から流出する排気の空燃比は、機関回転数、機関負荷、
燃料主噴射量及び燃料添加量をパラメータとした温度マ
ップ及び空燃比マップとして表すことができる。このマ
ップを、予めROM352に記憶させておく。
【0231】CPU351は、RAM353に記憶され
ている機関回転数、機関負荷、燃料主噴射量及び燃料添
加量を読み出す。次に、ROM352に記憶された温度
マップにアクセスし、吸蔵還元型NOx触媒20に流入
する排気の温度を算出する。このようにして求められた
温度を「燃料添加基本入ガス温度」と称する。同様にし
て、吸蔵還元型NOx触媒20から流出する排気の空燃
比を算出する。このときに求められた空燃比を「燃料添
加基本出ガス空燃比」と称する。
【0232】次に、CPU351は、RAM353に記
憶されている入ガス温度センサ37及び空燃比センサ2
3の出力信号を読み出す。この出力信号より得られる吸
蔵還元型NOx触媒20に流入する排気の温度を「燃料
添加計測入ガス温度」と称し、吸蔵還元型NOx触媒2
0から流出する排気の温度を「燃料添加計測出ガス空燃
比」と称する。
【0233】CPU351は、燃料添加基本入ガス温度
と燃料添加計測入ガス温度との偏差を算出し、算出値を
RAM353に記憶させる。この偏差を「燃料添加入ガ
ス温度偏差」と称する。同様にして、燃料添加基本出ガ
ス空燃比と燃料添加計測出ガス空燃比との偏差を算出
し、算出値をRAM353に記憶させる。この偏差を
「燃料添加出ガス空燃比偏差」と称する。これらの偏差
が所定範囲以内の場合には、燃料添加の異常はないと判
定してステップ111へ進み、ステップ104及びステ
ップ109で算出された各種補正量に基づいて昇温制御
が継続される。
【0234】一方、偏差が所定範囲を越える場合には、
燃料添加の異常が発生しているとしてステップ109へ
進む。
【0235】ステップ109では、ステップ108で算
出された燃料添加入ガス温度偏差及び燃料添加出ガス空
燃比偏差に基づいて燃料添加の異常の要因を特定し、こ
の異常の改善を図る。
【0236】まず、CPU351は、燃料添加の異常の
要因を特定する。
【0237】ここで、燃料添加計測出ガス空燃比が燃料
添加基本出ガス空燃比よりも大きいときは、燃料添加の
量が不足している場合である。即ち、燃料添加計測出ガ
ス空燃比が燃料添加基本出ガス空燃比よりも低い場合に
は、燃料添加の量が不足している場合であると判定する
ことができる。
【0238】また、燃料添加量が過剰の場合には、NO
x触媒から流出する排気の空燃比は基本出ガス空燃比よ
りも小さくなる。即ち、燃料添加量計測出ガス空燃比が
燃料添加量基本出ガス空燃比よりも小さい場合には、燃
料添加の量が過剰になっている場合であると判定するこ
とができる。
【0239】このようにして、CPU351は、燃料添
加入ガス温度偏差及び燃料添加出ガス空燃比偏差に基づ
いて、燃料添加の異常の要因を特定することができる。
【0240】次に、CPU351は、特定された原因に
基づいて、第1の実施の形態におけるステップ109と
共通の補正を行い、排気エミッションの悪化を抑制す
る。
【0241】ステップ110では、ステップ109で設
定した補正量が所定量以下であるか否かを判定する。こ
こでは、第1の実施の形態におけるステップ110と共
通の判定が行われる。
【0242】本実施の形態では、副噴射量の増加又は減
少は、副噴射を行う噴射時間の延長又は短縮によって実
現することもでき、又、一回あたりの副噴射を行う噴射
時間を変更せずに副噴射を行う間隔を短縮又は延長する
ことによっても同様の効果を得ることができる。また、
副噴射を行う間隔は予めマップ化したものをROM35
2に記憶させておけばよい。
【0243】このようにして、吸蔵還元型NOx触媒2
0に流入する排気の温度及び吸蔵還元型NOx触媒20
から流出する排気の空燃比に基づいて、還元剤の量を調
整することができる。
【0244】
【発明の効果】本願発明によれば、NOx触媒に流入す
る排気の温度、及びNOx触媒から流出する排気の温度
若しくは空燃比に基づいて、還元剤量の異常又はNOx
触媒の劣化を判定することができる。そして、その判定
結果に基づいて副噴射量、燃料添加量、吸気絞り弁の開
弁量、EGRガス量を補正することができる。以て、経
年変化などに起因した排気エミッションの悪化を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置を適用
する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図であ
る。
【図2】 (A)は、吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収
メカニズムを説明する図である。(B)は、吸蔵還元型
NOx触媒のNOx放出メカニズムを説明する図である。
【図3】 ECUの内部構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明に係る昇温制御を表すフローチャート
図である。
【符号の説明】
1・・・・内燃機関 2・・・・気筒 3・・・・燃料噴射弁 4・・・・コモンレール 5・・・・燃料供給管 6・・・・燃料ポンプ 18・・・排気枝管 19・・・排気管 20・・・吸蔵還元型NOx触媒 21・・・排気絞り弁 23・・・空燃比センサ 24・・・出ガス温度センサ 25・・・EGR通路 26・・・EGR弁 27・・・EGRクーラ 28・・・還元剤噴射弁 29・・・還元剤供給路 30・・・流量調整弁 31・・・遮断弁 32・・・還元剤圧力センサ 33・・・クランクポジションセンサ 34・・・水温センサ 35・・・ECU 37・・・入ガス温度センサ 351・・CPU 352・・ROM 353・・RAM 354・・バックアップRAM
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月9日(2001.2.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 9/02 F02D 9/02 351M 3G301 351 11/10 F 11/10 21/08 301A 21/08 301 301C 41/04 360Z 41/04 360 41/22 360 41/22 360 43/00 301K 43/00 301 301N 301T 45/00 314Z 45/00 314 F02M 25/07 550F F02M 25/07 550 550R B01D 53/36 101A (72)発明者 石山 忍 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 曲田 尚史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小林 正明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 根上 秋彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小田 富久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 原田 泰生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大坪 康彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 青山 太郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G062 AA01 AA03 AA05 AA06 BA02 BA04 BA06 CA06 EA10 ED01 ED04 ED08 FA02 FA05 FA06 FA23 GA00 GA01 GA02 GA04 GA08 GA09 GA12 GA15 GA17 3G065 AA01 AA03 AA04 AA09 AA10 CA12 DA06 EA07 FA12 GA00 GA01 GA05 GA08 GA09 GA27 GA46 HA06 JA04 JA09 JA11 KA02 3G084 AA01 AA03 BA05 BA08 BA09 BA13 BA15 BA19 BA20 BA24 DA10 DA27 EA11 EB01 EB11 FA02 FA07 FA10 FA11 FA12 FA27 FA28 FA29 FA33 FA37 3G091 AA02 AA10 AA11 AA18 AA28 AB05 AB06 BA03 BA11 BA14 BA32 BA33 CA13 CA18 CB02 CB03 CB07 CB08 DA01 DA02 DA04 DB07 DB10 DC01 EA00 EA01 EA05 EA06 EA07 EA13 EA15 EA17 EA23 EA30 EA31 EA34 FA02 FA04 FB02 FB10 FC02 FC04 FC07 GA06 GB01X GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB10X GB16X HA36 HA37 HA42 HB05 HB06 3G092 AA02 AA09 AA17 AA18 BA04 BB01 BB06 DB03 DC03 DC09 DC12 DC15 DE01S DF03 DF08 DG08 EA09 EC01 FA17 FB03 FB06 HA01Z HA04Z HA05Z HA06X HB03Z HD01Z HD05Z HD07X HD09X HE03Z HE08Z HF08Z 3G301 HA02 HA04 HA06 HA11 HA13 HA18 JA15 JA25 JB09 JB10 LA03 LB11 MA01 MA11 MA18 NA06 NA07 NA08 NC02 NC04 ND01 ND07 NE01 NE06 NE13 NE14 NE15 PA01A PA01B PA10A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素過剰状態の混合気を燃焼可能とする希
    薄燃焼式の内燃機関と、 前記内燃機関の排気通路に設けられ、還元剤の存在下で
    排気中のNOx成分を浄化するNOx触媒と、 前記NOx触媒に流入する排気の温度を計測する入ガス
    温度計測手段と、 前記NOx触媒から流出する排気の温度を計測する出ガ
    ス温度計測手段と、 前記NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、 前記還元剤供給手段により前記NOx触媒に還元剤が供
    給された後の前記入ガス温度計測手段により計測された
    排気の温度及び前記出ガス温度計測手段により計測され
    た排気の温度に基づいて前記還元剤供給手段の異常を判
    定する異常判定手段と、 を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】前記異常判定手段は、入ガス温度計測手段
    により計測された温度が所定温度よりも低く且つ出ガス
    温度計測手段により計測された温度が所定温度よりも低
    い場合には還元剤供給機構が供給する還元剤の量が不足
    していると判定し、入ガス温度計測手段により計測され
    た温度が所定温度よりも低く且つ出ガス温度計測手段に
    より計測された温度が所定温度よりも高い場合には内燃
    機関で失火が発生していると判定し、入ガス温度計測手
    段により計測された温度が所定温度以上で且つ出ガス温
    度計測手段により計測された温度が所定温度よりも低い
    場合にはNOx触媒が劣化していると判定し、入ガス温
    度計測手段により計測された温度が所定温度よりも高く
    且つ出ガス温度計測手段により計測された温度が所定温
    度よりも高い場合には還元剤供給機構が供給する還元剤
    の量が過剰であると判定することを特徴とする請求項1
    に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】前記異常判定手段は、出ガス温度計測手段
    により計測された温度が所定温度よりも低い場合にはN
    Ox触媒が劣化していると判定することを特徴とする請
    求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】酸素過剰状態の混合気を燃焼可能とする希
    薄燃焼式の内燃機関と、 前記内燃機関の排気通路に設けられ、還元剤の存在下で
    排気中のNOx成分を浄化するNOx触媒と、 前記NOx触媒に流入する排気の温度を計測する入ガス
    温度計測手段と、 前記NOx触媒から流出する排気の空燃比を計測する出
    ガス空燃比計測手段と、 前記NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、 前記還元剤供給手段により前記NOx触媒に還元剤が供
    給された後の前記入ガス温度計測手段により計測された
    排気の温度及び前記出ガス空燃比計測手段により計測さ
    れた排気の空燃比に基づいて前記還元剤供給手段の異常
    を判定する異常判定手段と、 を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】前記異常判定手段は、入ガス温度計測手段
    により計測された温度が所定温度よりも低く且つ出ガス
    空燃比計測手段により計測された空燃比が所定空燃比よ
    りも大きい場合には還元剤供給機構が供給する還元剤の
    量が不足していると判定し、入ガス温度計測手段により
    計測された温度が所定温度よりも低く且つ出ガス空燃比
    計測手段により計測された空燃比が所定空燃比よりも小
    さい場合には内燃機関で失火が発生していると判定し、
    入ガス温度計測手段により計測された温度が所定温度以
    上で且つ出ガス空燃比計測手段により計測された空燃比
    が所定空燃比よりも大きい場合にはNOx触媒が劣化し
    ていると判定し、入ガス温度計測手段により計測された
    温度が所定温度よりも高く且つ出ガス空燃比計測手段に
    より計測された空燃比が所定空燃比よりも小さい場合に
    は還元剤供給機構が供給する還元剤の量が過剰であると
    判定することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  6. 【請求項6】前記異常判定手段は、出ガス空燃比計測手
    段により計測された空燃比が所定空燃比よりも大きい場
    合にはNOx触媒が劣化していると判定することを特徴
    とする請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】内燃機関の吸気系に排気の一部を再循環さ
    せるEGR装置と、前記内燃機関に吸入される新気の量
    を調整する吸気絞り弁と、を具備し、前記異常判定手段
    が前記NOx触媒又は前記還元剤供給手段の異常を判定
    した場合に、還元剤供給手段が供給する還元剤の量、還
    元剤供給手段が還元剤を供給する時期、前記吸気絞り弁
    の開弁量、EGRガス量のうち少なくとも1つを変更す
    ることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の内
    燃機関の排気浄化装置。
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