JP2002223700A - 焼き菓子及びその製造法 - Google Patents
焼き菓子及びその製造法Info
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Abstract
その装飾がはがれにくく、また、外側はカリカリとした
食感を有し、内部との食感に差のある、チョコレートを
主原料とする焼き菓子及びその製造法を提供する。 【解決手段】 チョコレート生地の成形物の表面の少な
くとも一部に水をかけた後、糖類を付着させ、焼成す
る、又はチョコレート生地の成形物の表面の少なくとも
一部に糖類の水溶液を付着させ、焼成することにより、
表面の少なくとも一部に焼成又は乾燥された糖衣を有す
る焼き菓子を得る。前記水が乳化剤を含むことが好まし
く、前記糖類の水溶液のブリックスが5〜70であるこ
とが好ましい。また、前記焼成を、70〜300℃で、
1〜30分間行なうことが好ましい。
Description
原料とする焼き菓子及びその製造法に関する。
方法として、種類の異なるチョコレート生地を組み合
わせて模様を形成する方法、チョコレートの表面に可
食性のインクで模様を印刷する方法、チョコレートの
表面にココアパウダーや粉糖を付着させる方法等が一般
的に行なわれている。
934号において、チョコレート生地に気泡を含有させ
た後、成形し、この成形物の少なくとも一部に衣材を付
着させ、焼成して固化する焼き菓子の製造法を提案して
いる。この製造法によれば、チョコレートの表面に衣材
の薄皮が形成されて、きんつばのような斬新な外観とな
り、さらに衣材によって内部まで熱が通りにくくなるの
で、表面は焼成によって歯ごたえのあるクリスピーな組
織となり、内部はチョコレート本来の軟らかい組織が残
った製品を得ることができる。
方法では、例えば、雪が積もったような装飾をすること
はできなかった。また、上記の方法では、粉糖をふり
かけることにより雪が積もったような装飾はできるが、
振動や衝撃により粉糖がはがれやすく、また、食べる際
に粉が手に付着して、手が汚れてしまうという問題があ
った。さらに、上記の方法では、チョコレート製品の装
飾と同時にその食感に変化を付与することはできなかっ
た。
においても同様に、雪が積もったような装飾をしようと
した場合、焼成した衣材がはがれやすく、まだらになっ
てしまうという問題があった。
トを主原料とする焼き菓子であって、表面に雪が積もっ
たような外観を有し、かつその装飾がはがれにくく、ま
た、外側はカリカリとした食感を有し、内部との食感に
差のある焼き菓子及びその製造法を提供することにあ
る。
め、本発明の焼き菓子は、チョコレート生地を成形し、
焼成して得られる焼き菓子であって、該焼き菓子の表面
の少なくとも一部に焼成又は乾燥された糖衣を有するこ
とを特徴とする。
うな外観を有し、かつその装飾がはがれにくく、また、
外側の焼成された糖衣がカリカリとした食感を有し、内
部との食感に差のある焼き菓子を提供できる。この焼き
菓子は、焼成によって表面の糖衣がチョコレート生地と
強固に接着するので、振動や衝撃によって糖衣がはがれ
ることがなく、また、食する際に手指を汚さずに食する
ことができる。
コレート生地を成形し、焼成して固化する焼き菓子の製
造法において、該チョコレート生地の成形物の表面の少
なくとも一部に水をかけた後、糖類を付着させ、焼成す
ることを特徴とする。
表面に簡単に糖類を付着できると共に、焼成後の糖衣を
はがれにくくすることができる。
むことが好ましい。この態様によれば、チョコレート成
形品の表面を均一に水で濡らすことができるので、糖類
が均一に付着し、焼成後の外観をよりきれいにできる。
法は、チョコレート生地を成形し、焼成して固化する焼
き菓子の製造法において、該チョコレート生地の成形物
の表面の少なくとも一部に糖類の水溶液を付着させ、焼
成することを特徴とする。
ート成形品の表面に糖類を付着できる。また、焼成によ
り糖衣が飴状になりやすく、外側の食感と中の食感の差
をより明確にできる。
ブリックスが5〜70であることが好ましい。この態様
によれば、糖類の水溶液を噴霧する際に機械の目詰まり
が起きにくく、効率よく糖衣がけすることができる。
は、前記焼成を、70〜300℃で、1〜30分間行な
うことが好ましい。この態様によれば、焼成された糖衣
が適度な硬さとなり、中はチョコレート本来の風味が維
持された焼き菓子を製造できる。
生地としては、例えば、純チョコレート生地、準チョコ
レート生地、その他の一般的に用いられているチョコレ
ート生地を採用することができる。その原料としては、
カカオマス、ココア、糖類、粉乳、ココアバター、ココ
アバター代用脂等が用いられる。また、必要に応じて、
乳化剤、香料等を用いてもよい。
に応じて乳糖等の他の糖類や、糖アルコールなどを配合
したものが好ましく用いられる。また、粉乳としては、
例えば全脂粉乳、脱脂粉乳等を用いることができる。
脂としては、ココアバター等のテンパリング型油脂を用
いることもできるが、本発明においては、チョコレート
を焼成した後、テンパリング操作を行うことができない
ので、ヤシ油、パーム核油を原料としたハードバター、
エライジン酸を構成脂肪酸とするトランス型ハードバタ
ー等のノンテンパリング型の油脂を用いることが好まし
い。
て、例えば、ナッツ類破砕物、膨化型スナック食品、ビ
スケットチップ、キャンディーチップ、チョコレートチ
ップ等を含有させてもよい。ナッツ類の破砕物として
は、アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、ヘーゼ
ルナッツ、マカダミアナッツ、クルミ等を所望の大きさ
に破砕したものが好ましく用いられる。また、膨化型ス
ナック食品としては、例えば、とうもろこし、小麦、米
等の原料をエクストルーダで加圧、加熱して押出して膨
化させたものや、小麦粉、米粉、各種澱粉等の澱粉質原
料に、副原料、調味料、水等を加えて加熱糊化し、膨化
させたもの等が好ましく用いられる。
して製造できる。 1)チョコレート生地の調製及びその成形 例えば、カカオマス及び/又はココア10〜40質量
%、糖類20〜50質量%、粉乳5〜30質量%、ココ
アバター及び/又はココアバター代用脂20〜40質量
%等の配合からなる原料を用いて、常法により微粒化、
精練を行ないチョコレート生地を調製する。
地を、必要に応じて加熱、冷却、加圧、減圧しながら激
しく撹拌して、気泡を含有させてもよい。気泡の含有量
は、チョコレート生地の比重が0.7〜1.1程度にな
るくらいが好ましい。撹拌は、例えばミキサー、含気ミ
キサー装置等を用いて行うことができる。チョコレート
生地に気泡を含有させることにより、焼成後の食感をよ
り軽く歯触りのよいものとすることができる。
地を、必要に応じて加熱し、所望の形状に成形する。チ
ョコレート生地を成形する方法は、特に限定されない
が、例えば、モールド(型)に入れて成形する方法、押
出機のダイから所定形状に押出して切断する方法、コン
ベア等の上にチョコレート生地を直接落として固化させ
るドロップ成形方法等が好ましく採用される。また、気
泡を含有させたチョコレート生地(以下、含気チョコレ
ート生地という)の外周に、気泡を含有しないチョコレ
ート生地をコーティングしたり、気泡を含有しないチョ
コレート生地でシェルを形成した後、このシェルの中に
含気チョコレート生地を充填するなど、気泡を含有しな
いチョコレート生地と、含気チョコレート生地とを組み
合わせて成形してもよい。
り、成形したチョコレート(以下、チョコレート成形物
という)の表面の少なくとも一部に糖類を付着させる。
とも一部に水をかけて濡らした後、糖類をふりかけて付
着させる、又はチョコレート成形物の表面の少なくとも
一部に糖類をふりかけた後、水をかけて濡らして該糖類
を付着させる方法。
糖、他の粉末状の糖類や糖アルコールを用いることがで
きる。例えば、砂糖の中でも粉糖を用いると雪が積もっ
たような白い外観となり、精製度の低いさとうきび糖等
を用いるときつね色の外観となる。なお、上記糖類に着
色料、香料、バニラシード等の副原料を混ぜたものをふ
りかけてもよい。
粉糖等の粒径の小さい粉末を用いた場合、焼成により糖
類が溶けて飴状になりやすく、食感がカリカリとしたも
のになる。
表面を濡らす際に、乳化剤を含む水を用いることが好ま
しい。これにより、チョコレート成形物の表面を均一に
濡らすことができるので、ふりかけた糖類が均一に付着
して、きれいな外観の製品を得ることができる。乳化剤
としては、食品用乳化剤であれば特に制限はないが、例
えばHLB値の高いショ糖脂肪酸エステル等を用いるこ
とができる。また、その濃度は0.5〜2.0質量%が
好ましい。
くとも一部に糖類の水溶液(以下、シラップという)を
付着させる方法。
水あめ等を用いることができる。また、シラップのブリ
ックスは5〜70が好ましい。シラップのブリックスが
5未満であると焼成しても糖衣がカリカリとした食感に
ならず、ブリックスが70超であるとシラップを噴霧す
る場合に機械が目詰まりする可能性があるため好ましく
ない。なお、シラップは、カラメル色素、ココア、カロ
チン、クチナシ、ベニバナ等の着色料、香料、バニラシ
ード等の副原料を含むことができる。
着させる方法としては、シラップを噴霧する方法のほ
か、シラップにチョコレート成形物を漬ける方法等が採
用できる。また、上記のようにしてチョコレート成形物
の表面にシラップを付着させた後、さらに粉末状の糖類
をふりかけてもよい。
の形状に関係なく、その表面に均一に糖衣がけができ
る。
ことができるが、特にオーブンを用いて、70〜300
℃で、1〜30分間行うことが好ましい。このような条
件下で焼成することにより、糖衣がチョコレート生地と
強固に結合し、振動や衝撃によってはがれにくくなる。
また、焼成された糖衣が、適度な硬さの食感を有し、内
部はチョコレート本来の風味が維持された製品を得るこ
とができる。
る強制冷却を行うことにより、本発明の焼き菓子を得る
ことができる。
する。 実施例1 表1に示す割合で各原料を配合し、常法に従って微粒
化、精練を行って、チョコレート生地を調製し、モール
ドに流し込み、チョコレート成形品を得た。
面に、乳化剤(商品名「DKエステル」、第一工業製薬
製)を含む水(1.0質量%水溶液)を均一に噴霧した
後、粉糖又は精製度の低い糖をふりかけ、オーブンに入
れて、200℃で、3分30秒間焼成して、焼き菓子を
得た。
たように白くなり、精製度の低い糖をかけた焼き菓子は
表面がきつね色になり、非常に斬新な外観を呈してい
た。また、焼成された糖衣は、チョコレート生地に強固
に接着していた。そして、外側の焼成された糖衣がカリ
カリとしており、内部はチョコレート本来の軟らかい食
感を有していた。
糖水溶液(ブリックス67)に漬けて表面をコーティン
グした後、オーブンに入れて、200℃で、3分30秒
間焼成して、焼き菓子を得た。
んつばのような外観を有していた。また、飴状になった
糖衣が非常にカリカリとしており、内部の軟らかいチョ
コレートとの食感の差が一段とはっきりとしていた。
に、そのまま粉糖をふりかけ、オーブンに入れて、20
0℃で、3分30秒間焼成して、焼き菓子を得た。
しまい、外観の汚いものとなった。また、その食感も外
部と内部との食感の差がほとんどないものであった。
チョコレート生地の成形物の表面の少なくとも一部に水
をかけた後、糖類を付着させ、焼成する、又はチョコレ
ート生地の成形物の表面の少なくとも一部に糖類の水溶
液を付着させ、焼成することにより、表面に雪が積もっ
たような外観となり、かつその装飾もはがれにくくな
り、また、外側の焼成された糖衣がカリカリとした食感
を有し、内部との食感に差のある焼き菓子を提供でき
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 チョコレート生地を成形し、焼成して得
られる焼き菓子であって、該焼き菓子の表面の少なくと
も一部に焼成又は乾燥された糖衣を有することを特徴と
する焼き菓子。 - 【請求項2】 チョコレート生地を成形し、焼成して固
化する焼き菓子の製造法において、該チョコレート生地
の成形物の表面の少なくとも一部に水をかけた後、糖類
を付着させ、焼成することを特徴とする焼き菓子の製造
法。 - 【請求項3】 前記水が乳化剤を含む請求項2に記載の
焼き菓子の製造法。 - 【請求項4】 チョコレート生地を成形し、焼成して固
化する焼き菓子の製造法において、該チョコレート生地
の成形物の表面の少なくとも一部に糖類の水溶液を付着
させ、焼成することを特徴とする焼き菓子の製造法。 - 【請求項5】 前記糖類の水溶液のブリックスが5〜7
0である請求項4に記載の焼き菓子の製造法。 - 【請求項6】 前記焼成を、70〜300℃で、1〜3
0分間行なう請求項2〜5のいずれか一つに記載の焼き
菓子の製造法。
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