JP2002221098A - ガスエンジン - Google Patents

ガスエンジン

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JP2002221098A
JP2002221098A JP2001321761A JP2001321761A JP2002221098A JP 2002221098 A JP2002221098 A JP 2002221098A JP 2001321761 A JP2001321761 A JP 2001321761A JP 2001321761 A JP2001321761 A JP 2001321761A JP 2002221098 A JP2002221098 A JP 2002221098A
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fuel
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steam
combustion chamber
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俊雄 松岡
Toru Nakazono
徹 中園
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素系燃料と水蒸気との吸熱反応を比較
的低い温度環境下で行った場合であっても高い転化率が
得られ、これによって、ガスエンジン全体としての熱効
率の向上を図る。 【解決手段】 ガスエンジン1の燃料供給系5に備えら
れた燃料改質器51に水素分離装置56を取り付ける。
燃料改質器51内でのメタンガスと水蒸気との吸熱反応
によって生成された水素ガスを水素分離装置56によっ
て分離抽出して水素タンク54に貯留する。燃料改質器
51からの一酸化炭素と水素タンク54からの水素とを
ミキサ55で混合し、エンジン本体2に供給する。ノッ
キング発生時には、水素タンク54からの水素供給量を
減少させて、メタン価を大きくしてノッキングを回避す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素系燃料を
燃料改質器で改質した後、この改質後の燃料を燃焼室に
向けて供給するガスエンジンに係る。特に、本発明は燃
料転化率の向上を図るための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガスエンジンの一形態とし
て、炭化水素系燃料(Cmn)を燃料改質器で改質する
ことにより、発熱量の大きな燃料を得て、エンジンの熱
効率の向上を図るようにしたものが知られている。
【0003】図6は、この種のガスエンジンによって発
電を行う発電システムの概略構成を示すブロック図であ
る。この図に示すように、本ガスエンジンは、エンジン
本体aから延びる出力軸a1が発電機bに接続されてお
り、この出力軸a1の回転駆動力によって発電機bによ
る発電を行わせるようになっている。
【0004】また、ガスエンジンの吸気系は、空気供給
系と燃料供給系とから成っており、空気供給系から供給
される空気と燃料供給系から供給される燃料との混合気
が燃焼室に供給されてエンジン本体aが駆動するように
なっている。
【0005】空気供給系は、過給機(コンプレッサ)c
及びインタクーラdを備えている。つまり、この過給機
cによって空気を圧縮した後、この空気をインタクーラ
dで冷却することにより、高密度の空気を燃焼室に向け
て供給できるようになっている。尚、上記過給機cは、
排気ガスが流れる排気管eに設けられたタービンfの出
力軸f1に直結されており、タービンfの回転出力を受
けて空気を圧縮する。
【0006】一方、燃料供給系は、燃料改質器g、排熱
ボイラh、脱硫装置i、タンクjを備えている。この燃
料供給系では、炭化水素系燃料(Cmn)と水蒸気(H
2O)とを燃料改質器g内で吸熱反応させることによっ
て燃料組成を変化させ、これによって、元の炭化水素系
燃料よりも発熱量が大きな燃料が得られるようにしてい
る。また、この吸熱反応に必要な熱エネルギは排気管e
を流れる排気ガスから得るようになっている。
【0007】具体的には、先ず、炭化水素系燃料は硫黄
分を含んでいるため、脱硫装置iによってこの硫黄分を
除去し、この硫黄分が除去された後の炭化水素系燃料が
燃料改質器gに供給される。尚、燃料改質器gの触媒
(金属(Rh,Ru,Ni,Ir,Pd,Pt,Re,
Co,Fe)、アルカリ炭酸塩(K2CO3)、塩基性酸
化物(MgO,CaO,K2O)、石炭等の鉱物質(F
eS2)等)は、硫黄(消化ガスやバイオガス中の硫化
水素、都市ガスの付臭剤、石油系燃料の硫黄分など)に
よる被毒の虞があり、これを回避するために上記脱硫装
置i及びこの脱硫装置iに水添脱硫を行わせるための水
素を供給する水素ボンベkが必要である。一方、排熱ボ
イラhでは、排気管eを流れる排気ガスの熱量を利用し
て水蒸気が発生しており、この水蒸気が燃料改質器gに
供給される。また、燃料改質器gには排気ガスの熱エネ
ルギを取得するための図示しない熱交換器が備えられて
いる。これにより、燃料改質器gの内部では以下の吸熱
反応が行われる。
【0008】 Cmn+mH2O→mCO+(n/2+m)H2 …(1) 炭化水素系燃料がメタン(m=1、n=4)である場合
には以下の吸熱反応となる。
【0009】 CH4+H2O→CO+3H2 …(2) このような反応が行われた場合、改質後の燃料の発熱量
は元の炭化水素系燃料よりも大幅に上昇し(例えば25
%程度上昇する)、これによって熱効率(発電機出力/
供給燃料Cmn)の向上を図ることが可能な燃料が得ら
れることになる。
【0010】そして、改質後の燃料は、一旦タンクjに
貯蔵され、このタンクjに内蔵された図示しない除湿器
で余分な残留H2Oが取り除かれた後、上記空気供給系
から供給された空気と混合されて燃焼室に供給される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記排気管
eを流れる排気ガスの温度は、400℃〜500℃程度
であり、燃料改質器gの内部での上記吸熱反応を良好に
行うために必要な熱エネルギを取得できるほどの温度に
は至っていないのが実情である。図3の曲線Bは、この
従来例における排ガス温度とメタン転化率との関係を示
している。この図のように、排ガス温度が500℃程度
である場合、従来の改質方法では、メタン転化率は15
%程度しか得られておらず、改質後の燃料の発熱量を大
幅に増大させるには至っていなかった。つまり、従来の
構成において、メタン転化率を80%程度の高い値にす
るためには排ガス温度としては700℃程度が必要であ
った。
【0012】吸熱反応を高温度の環境下で行わせるため
に、排気ガスや燃料改質器を、新たに設けた加熱源によ
って加熱することも考えられるが、これでは、加熱源に
別途エネルギが必要となってしまい、ガスエンジン全体
としての熱効率の向上を図ることは困難である。
【0013】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、上記吸熱反応を比較
的低い温度環境下で行った場合であっても高い転化率が
得られ、これによって、ガスエンジン全体としての熱効
率の向上を図ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】−発明の概要− 上記の目的を達成するために、本発明は、炭化水素系燃
料を燃料改質器で改質するに際し、生成した水素を順次
燃料改質器から分離抽出することにより、燃料改質器内
での改質反応の促進を図るようにしている。
【0015】−解決手段− 具体的に、第1の解決手段では、炭化水素系燃料を燃料
改質器で改質した後、この改質後の燃料を燃焼室に向け
て供給するガスエンジンを前提とする。このガスエンジ
ンに対し、改質後の燃料から水素を分離抽出する水素分
離手段と、この水素分離手段によって分離抽出された水
素を燃焼室に向けて供給する水素供給経路とを備えさせ
ている。
【0016】この特定事項により、燃料改質器内部での
改質反応によって生成された水素が水素分離手段によっ
て燃料改質器から順次抽出されていく。つまり、燃料改
質器内部の水素濃度を減少させていくことで改質反応の
促進が図れ、比較的低い温度環境下であっても、高い転
化率で改質が行われて、熱効率の大幅な上昇を図ること
が可能な燃料が得られることになる。
【0017】第2の解決手段は、燃料改質器内部での改
質反応の更なる促進を図るための手段に係るものであ
る。つまり、上記第1の解決手段において、燃料改質器
の内部で、分離水素の一部、改質燃料の一部または炭化
水素系燃料の一部を燃焼させることにより、燃料改質器
の内部温度を上昇させる構成としている。
【0018】この特定事項により、改質反応を高い温度
環境下で行わせることができ、上記第1の解決手段によ
る作用と相俟って更なる改質反応の促進が図れ、極めて
高い転化率を実現することができる。
【0019】第3の解決手段は、分離抽出した水素の供
給系の構成を具体化したものである。つまり、上記第1
または第2の解決手段において、水素分離手段によって
分離抽出された水素を貯蔵するタンクと、このタンクか
ら水素供給経路を経て燃焼室に向かって供給される水素
の供給量を調整することによって、燃焼室に供給される
総燃料中の水素混合割合を調整可能とする調整手段とを
備えさせている。
【0020】この構成により、水素分離手段によって分
離抽出された水素は一旦タンクに貯蔵される。その後、
この水素は、ガスエンジン駆動用の燃料として水素供給
経路を経て燃焼室に向かって供給される。この際、調整
手段が総燃料中の水素混合割合を調整することになり、
この水素混合割合を任意の値に設定して、ガスエンジン
の運転状態を制御することが可能となる。
【0021】第4の解決手段は、水素分離手段によって
分離抽出された水素の利用範囲の拡大を図るための構成
に係るものである。つまり、上記第1〜第3のうち何れ
か一つの解決手段において、炭化水素系燃料に含まれる
硫黄分を水添脱硫によって除去する脱硫装置と、水素分
離手段によって分離抽出された水素の一部を脱硫装置に
供給する脱硫用水素供給経路とを備えさせている。
【0022】この特定事項により、水素分離手段によっ
て分離抽出された水素は脱硫装置における水添脱硫用の
ものとしても使用される。従来のものでは、水添脱硫用
の水素を供給するための水素ボンベを備えさせ、この水
素ボンベが空になると、その交換や水素の補充が必要で
あった。本解決手段によれば、この水素ボンベが不要で
あり、その交換や水素補充作業も必要なくなる。
【0023】第5の解決手段は、水素の供給動作を具体
的に特定したものである。つまり、上記第1〜第4のう
ち何れか一つの解決手段において、ノッキングの発生を
検知するノッキングセンサと、このノッキングセンサの
出力を受けてノッキング強度を測定し、ノッキング強度
が所定値を超えたときに、水素供給経路からの水素の供
給量を減少させて、燃焼室に供給される総燃料中の水素
混合割合を低下させる水素供給量制御手段とを備えさせ
ている。
【0024】ノッキングが発生する状況では、供給燃料
中の水素成分の影響でメタン価が小さくなりすぎている
ことが考えられる。このため、このような状況では、水
素の供給量を低下させてメタン価を大きくしてノッキン
グを防止することが有効である。つまり、水素供給量制
御手段が、ノッキングセンサの出力を受けてノッキング
強度を認識し、ノッキングの発生が検知または予知され
る状況であるときには、水素の供給量を低下させて総燃
料中の水素混合割合を低下させる。これにより、供給燃
料のメタン価が大きくなり、ノッキングの発生が回避で
きる。
【0025】第6の解決手段は、燃料と空気との混合割
合を調整する動作を具体的に特定したものである。つま
り、上記第1〜第5のうち何れか一つの解決手段におい
て、総燃料中の水素混合割合に応じて、燃焼室に向かっ
て供給する燃料と空気との混合割合を調整する混合比調
整手段を備えさせている。
【0026】排気ガス中の有害物質であるNOx、C
O、HCをできるだけ少なくするためには希薄燃焼を行
うことが好ましい。このため、混合比調整手段が、総燃
料中の水素混合割合を予め認識しておき、その水素混合
割合において必要最小限の燃料供給量で燃焼室内での燃
焼が良好に行えるように、水素混合割合に応じた希薄可
燃限界値を求め、それに基づいて燃料と空気との混合割
合を調整する。これにより、希薄燃焼によるエンジンの
運転が可能となり、排気ガス中の有害物質を削減でき
る。
【0027】第7の解決手段は、排気ガス中の有害物質
を削減するための他の手段、エンジン本体の熱効率を改
善する手段、バックファイヤーの問題を解決する手段に
係るものである。つまり、上記第1〜第5のうち何れか
一つの解決手段において、燃料改質器を、炭化水素系燃
料と水蒸気とを吸熱反応させることにより、炭化水素系
燃料を改質するよう構成する。そして、上記水蒸気を発
生させる水蒸気発生手段と、この水蒸気発生手段で発生
した水蒸気の一部を燃焼室に向けて供給する水蒸気供給
経路と、この水蒸気供給経路からの水蒸気の供給量を調
整することによって、燃焼室内の燃焼温度を調整する水
蒸気調整手段とを備えさせている。
【0028】排気ガス中の有害物質をできるだけ少なく
するためには燃焼室内の燃焼温度を適切に制御すること
が有効である。このため、燃焼温度が高すぎる場合、水
蒸気調整手段は、水蒸気発生手段で発生した水蒸気の一
部を燃焼室に向かって供給することによって供給燃料中
の水蒸気量を増加させる。これにより、燃焼温度が低下
し、排気ガス中の有害物質を最も削減できる燃焼温度と
なるような制御が可能となる。
【0029】また、ガスエンジン本体の熱効率をできる
だけ大きくするためには熱発生率を適切に制御すること
が有効である。このため、熱発生率が高すぎる場合、水
蒸気発生手段で発生した水蒸気の一部を燃焼室に向かっ
て供給することによって供給燃料中の水蒸気量を増加さ
せる。これにより、熱発生率が低下し、熱損失を小さく
して熱効率を最も大きくできる熱発生率となるような制
御が可能となる。
【0030】更に、エンジン燃焼室から燃料噴射口への
火炎の異常伝播(所謂バックファイヤー)を防止するた
めには燃焼速度を低くすることが有効である。このた
め、燃焼速度が高すぎる場合、水蒸気発生手段で発生し
た水蒸気の一部を燃焼室に向かって供給することによっ
て供給燃料中の水蒸気量を増加させる。これにより、燃
焼速度が低下し、バックファイヤーが防止できる。
【0031】第8の解決手段は、上述した第6及び第7
の解決手段に係る構成を併せ持たせたものである。この
構成によれば、総燃料中の水素混合割合に応じた燃料と
空気との混合割合の調整及び燃焼室に向かって供給する
水蒸気量の調整を行うことで、排気ガスのクリーン化を
図るのに最適な希薄燃焼状態と燃焼温度とを共に得るこ
とができる。
【0032】尚、上記第6〜第8の解決手段において、
総燃料中の水素混合割合や燃焼室内の燃焼温度を検出す
る手法としては、これらを直接的に検出する場合ばかり
でなく、機関回転数・負荷、排気温度、排気の空燃比等
を検出することで推測するようにしてもよい。
【0033】第9の解決手段は、燃料改質器の応答性が
低下した場合の保証機能に係るものである。つまり、上
記第1〜8のうち何れか一つに記載の解決手段におい
て、水素分離手段によって分離抽出された水素の燃焼室
へ向かう流量を調整することによって、燃焼室に供給さ
れる総燃料中の水素混合割合を調整可能とする調整手段
を水素供給経路に設けた構成としている。
【0034】本解決手段によれば、たとえ燃料改質器の
応答性が低下して改質ガスの組成が変動したとしても、
改質ガスの組成変動に合わせて調整手段を調整すること
により水素の供給量を適切に得ることでガスエンジンの
運転を安定して行うことが可能となる。
【0035】第10の解決手段は、上記第9の解決手段
において、水素分離手段によって分離抽出された水素を
吸蔵する吸蔵動作と、この吸蔵した水素を燃焼室に向け
て放出することにより水素供給圧力を昇圧させる放出動
作とが可能な水素ポンプ手段を設ける。また、調整手段
を、この水素ポンプ手段の水素放出側に配設している。
これによれば、水素分離手段による水素分離抽出動作
と、この分離抽出された水素の燃焼室への供給動作とを
円滑に行うことができ、高転化率を維持しながらガスエ
ンジンの連続運転を良好に行うことが可能になる。
【0036】第11の解決手段は、上記第5の解決手段
と同様にエンジンのノッキング対策に係るものである。
つまり、上記第9または10の解決手段において、ノッ
キングの発生を検知または予知するノッキングセンサ
と、このノッキングセンサの出力を受けてノッキング強
度を測定し、ノッキング強度が所定値を超えたときに、
調整手段の調整によって水素供給経路からの水素の供給
量を減少させて、燃焼室に供給される総燃料中の水素混
合割合を低下させる水素供給量制御手段とを備えさせて
いる。この特定事項によってもノッキングの発生が検知
または予知される状況であるときには、水素混合割合を
低下させて供給燃料のメタン価を大きくし、これによっ
てノッキングの発生を回避することができる。
【0037】第12の解決手段は、逆火(上記バックフ
ァイヤー)を防止するための対策に係るものである。つ
まり、上記第9、10または11の解決手段において、
逆火の発生を検知または予知する逆火センサと、この逆
火センサの出力を受け、逆火の発生が検知または予知さ
れたときに、調整手段の調整によって水素供給経路から
の水素の供給量を減少させて、燃焼室に供給される総燃
料中の水素混合割合を低下させる水素供給量制御手段と
を備えさせている。この特定事項により、水素供給量の
減少に伴って燃焼速度を低くすることができ、逆火を防
止することができる。
【0038】第13の解決手段は、排気ガスのクリーン
化対策に係るものである。つまり、上記第1〜12のう
ち何れか一つの解決手段において、機関回転数・負荷、
排気温度、排気の空燃比、総燃料中の水素混合量、水素
分離後の改質燃料供給量、排気の濃度、総燃料中の水素
成分濃度のうち少なくとも一つの検出値を得て、その検
出値に応じて、燃焼室内での希薄燃焼を可能とするよう
に、燃焼室に向かって供給する水素と水素分離後の改質
燃料との混合割合を調整する混合比調整手段を備えさせ
ている。この特定事項により、水素と水素分離後の改質
燃料との混合割合を適切に調整することで、有害物質で
あるNOx、CO、HCを大幅に削減可能な希薄燃焼状
態を得ることができ、これによって排気ガスのクリーン
化を図ることが可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本形態では、メタンガス(C
4)を燃料改質器で改質することにより発熱量の大き
な燃料を得るようにしたガスエンジンに本発明を適用し
た場合について説明する。また、本形態に係るガスエン
ジンは、その出力を発電に利用するものである。
【0040】(第1実施形態)先ず、第1実施形態につ
いて説明する。
【0041】−ガスエンジンの構成説明− 図1は、本形態に係るガスエンジンによって発電を行う
発電システムの概略構成を示す図である。この図に示す
ように、本ガスエンジン1は、エンジン本体2から延び
る出力軸21が発電機3に接続されており、この出力軸
21の回転駆動力によって発電機3による発電を行わせ
る構成となっている。
【0042】また、ガスエンジン1の吸気系は、空気供
給系4と燃料供給系5とから成っており、空気供給系4
から供給される空気と燃料供給系5から供給される燃料
との混合気がエンジン本体2の図示しない燃焼室に供給
されてエンジン本体2が駆動するようになっている。以
下、空気供給系4及び燃料供給系5について説明する。
【0043】空気供給系4は、過給機(コンプレッサ)
41及びインタクーラ42を備えている。つまり、この
過給機41によって空気を圧縮した後、この空気をイン
タクーラ42で冷却することにより、高密度の空気を燃
焼室に向けて供給できるようになっている。尚、上記過
給機41は、排気ガスが流れる排気管6に設けられたタ
ービン61の出力軸62に直結されており、タービン6
1の回転出力を受けて空気を圧縮する。
【0044】一方、燃料供給系5は、燃料改質器51、
水蒸気発生手段としての排熱ボイラ52、脱硫装置5
3、水素タンク54及びミキサ55を備えている。この
燃料供給系5では、炭化水素系燃料であるメタンガス
(CH4)と水蒸気(H2O)とを燃料改質器51内で吸
熱反応させることによって燃料組成を変化させ、これに
よって、元のメタンガスよりも発熱量が大きな燃料が得
られるようにしている。また、この吸熱反応に必要な熱
エネルギは排気管6を流れる排気ガスから得るようにな
っている。以下、この燃料供給系5を構成する各要素に
ついて説明する。
【0045】排熱ボイラ52は、内部に水が貯留されて
おり、この水と排気管6を流れる排気ガスとの間で熱交
換を行うことで、水を蒸発させて水蒸気を発生させるも
のである。この排熱ボイラ52の上部と燃料改質器51
とは水蒸気供給管71によって接続されており、排熱ボ
イラ52内で発生した水蒸気が燃料改質器51内に供給
可能となっている。また、この水蒸気供給管71には開
度調整可能な電動弁71aが設けられている。
【0046】脱硫装置53は、メタンガス中に含まれて
いる硫黄分を除去するためのものである。つまり、燃料
改質器51の触媒(金属(Rh,Ru,Ni,Ir,P
d,Pt,Re,Co,Fe)、アルカリ炭酸塩(K2
CO3)、塩基性酸化物(MgO,CaO,K2O)、石
炭等の鉱物質(FeS2)等)は、硫黄による被毒の虞
があり、これを回避するために、この脱硫装置53が設
置されている。また、この脱硫装置53では水添脱硫に
よる脱硫動作が行われるため、水素を供給するための上
記水素タンク54が備えられている。更に、この脱硫装
置53には、メタンガスを供給するための改質前燃料供
給管72及び脱硫後の燃料を燃料改質器51に供給する
ための脱硫燃料供給管73が接続されている。また、上
記水素タンク54と脱硫装置53とは脱硫用水素供給経
路を構成する水素供給管74によって接続されている。
【0047】燃料改質器51は、その内部で水蒸気とメ
タンガスとを吸熱反応させて燃料改質動作を行わせるも
のである。つまり、上記水蒸気供給管71から供給され
た水蒸気と脱硫燃料供給管73から供給されたメタンガ
スとの間で吸熱反応を行わせるようになっている。ま
た、この燃料改質器51の内部には、排気ガスの熱エネ
ルギを取得するための図示しない熱交換器が備えられて
いる。これにより、燃料改質器51の内部では所定温度
(排気ガスの温度であって例えば600℃程度)の環境
下で以下の吸熱反応が行われるようになっている。
【0048】 CH4+H2O→CO+3H2 …(2) このような反応が行われることで、改質後の燃料の発熱
量は元のメタンガスよりも大幅に上昇し、これによって
熱効率(発電機出力/供給燃料)の向上が図れる燃料を
得ることができるようになっている。
【0049】そして、本形態の特徴は、上記燃料改質器
51に水素分離手段としての水素分離装置56が設けら
れていることにある。この水素分離装置56は、燃料改
質器51内での上記吸熱反応によって発生した水素ガス
を他のガスや水蒸気から分離して抽出するものである。
この水素分離装置56の具体構成としては、分離膜や水
素吸蔵物質を内蔵し、これによって水素のみを分離抽出
するようになっている。分離膜としては、パラジウム合
金、パラジウム基合金、無機分離膜、多孔質ガラス膜、
多孔質中空ガラス繊維膜、多孔質セラミックス膜、ゼオ
ライト膜、酢酸セルロース膜、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリスルホン多孔質膜/シリコーンなどがある。例
えば、上記無機分離膜は水素分子のみが通過可能な細孔
を有する膜として形成されている。特に、無機分離膜、
多孔質ガラス膜、多孔質中空ガラス繊維膜、多孔質セラ
ミックス膜は、耐熱性に優れ且つ機械的強度も高いため
好適である。また、多孔質セラミックス材料として具体
的には、ジルコニア、ゼオライト、シリカ、アルミナ等
が掲げられる。また、水素吸蔵物質としては、水素吸蔵
合金が挙げられる。また、カーボンナノファイバ、フラ
ーレン、多層フラーレン、カーボンナノチューブなどの
炭素分子よりなる物質、金属水素化物、塩型水素化物、
金属結合型水素化物、境界領域水素化物、共有結合型水
素化物、有機系炭化水素、メタルハイドライド、ケミカ
ルハイドライドを水素吸蔵物質として採用することも可
能である。尚、分離膜や水素吸蔵物質としては、これら
に限るものではなく、水素を分離抽出できるものであれ
ば種々の材料を採用することが可能である。この構成に
より、燃料改質器51内での吸熱反応によって生成した
水素を水素分離装置56によって順次分離抽出すること
で、燃料改質器51内での吸熱反応の促進が図れるよう
になっている。
【0050】この水素分離装置56と上記水素タンク5
4とは水素回収管75によって接続されている。つま
り、水素分離装置56によって抽出された水素ガスが水
素回収管75を経て水素タンク54に一時的に貯留され
る構成となっている。尚、上記燃料改質器51とミキサ
55とは、水素ガスが抽出された後の燃料等(CO、C
4、H2O)をミキサ55に向かって供給するための第
1燃料供給管76によって接続されている。この第1燃
料供給管76には開度調整可能な電動弁76aが設けら
れている。
【0051】また、上記水素タンク54とミキサ55と
は、水素タンク54内に貯留されている水素ガスをミキ
サ55に向かって供給するための水素供給経路を構成す
る第2燃料供給管77によって接続されている。この第
2燃料供給管77にも開度調整可能な調整手段としての
電動弁77aが設けられている。
【0052】そして、これら燃料供給管76,77によ
って燃料が供給されるミキサ55は、各燃料を一旦貯蔵
して混合し、このミキサ55に内蔵した図示しない除湿
器で余分な残留H2Oを取り除いた後、改質後の燃料を
改質後燃料供給管78を経て空気と混合して燃焼室に供
給するようになっている。
【0053】また、本ガスエンジン1には、各部の制御
を行うためのコントローラ8が備えられている。このコ
ントローラ8は、複数のセンサ81,82,83が接続
され、これらセンサ81,82,83からの検出信号を
受信すると共に、上記各電動弁71a,76a,77a
の開度制御を行うようになっている。上記センサとして
は、発電機3の負荷を検出する負荷センサ81、エンジ
ン本体2のノッキング強度を測定するためのノッキング
センサ82、ミキサ55からエンジン本体2に供給され
る燃料中の水素成分濃度(改質後燃料供給管78中の水
素成分濃度)を測定する水素濃度センサ83が挙げられ
る。
【0054】また、このコントローラ8には、水素供給
量制御手段85及び混合比調整手段86が備えられてい
る。
【0055】水素供給量制御手段85は、上記ノッキン
グセンサ82の出力を受けてノッキング強度を測定し、
ノッキング強度が所定値を超えたときに、第2燃料供給
管77の電動弁77aの開度を小さくするように制御す
ることで、水素の供給量を低下させて総燃料中の水素混
合割合を低下させる。つまり、ノッキングが発生する状
況(ノッキングの発生が検知または予知される状況)で
は、供給燃料中の水素成分の影響でメタン価が小さくな
りすぎていることが考えられるため、この際に、水素の
供給量を低下させてメタン価を大きくしてノッキングを
防止できるようにしている。
【0056】また、混合比調整手段86は、水素濃度セ
ンサ83の出力を受けて総燃料中の水素混合割合を測定
し、この水素混合割合に応じて、燃焼室に向かって供給
する燃料と空気との混合割合を調整する。つまり、排気
ガス中の有害物質であるNOx、CO、HCをできるだ
け少なくするためには、希薄燃焼を行うことが好まし
い。このため、総燃料中の水素混合割合を予め認識して
おき、その水素混合割合において必要最小限の燃料供給
量で燃焼室内での燃焼が良好に行えるように、つまり、
水素混合割合に応じた希薄可燃限界値を求め、それに基
づいて燃料と空気との混合割合を調整するようにしてい
る。
【0057】以上が、ガスエンジン1の構成説明であ
る。
【0058】−ガスエンジン1の動作説明− 次に、上述の如く構成されたガスエンジン1の動作につ
いて説明する。
【0059】先ず、水蒸気供給管71の電動弁71aが
開放された状態で、排熱ボイラ52内部の水が、排気管
6を流れる排気ガスによって加熱されて水蒸気となる。
そして、この水蒸気は、水蒸気供給管71によって燃料
改質器51に順次供給されていく。
【0060】これと同時に、メタンガスが改質前燃料供
給管72によって脱硫装置53に供給され、ここで水添
脱硫による脱硫動作が行われる。この際、水素タンク5
4内の水素ガスの一部が水素供給管74によって脱硫装
置53に供給される。このようにして脱硫が行われたメ
タンガスは、脱硫燃料供給管73によって燃料改質器5
1に順次供給されていく。
【0061】このようにして、燃料改質器51に水蒸気
及びメタンガスが供給された状態で上記の吸熱反応が行
われる。この反応の際には、排気ガスの熱エネルギが燃
料改質器51内の熱交換器によって取得され、これによ
り、燃料改質器51の内部では所定温度の環境下で吸熱
反応が行われて、一酸化炭素(CO)と水素ガス
(H 2)とが発生する。尚、この際、改質されなかった
水蒸気(H2O)及びメタンガス(CH4)も燃料改質器
51の内部には存在している。
【0062】そして、この燃料改質器51内の水素ガス
は、水素分離装置56によって他のガスや水蒸気から分
離して抽出され、水素回収管75を経て水素タンク54
に回収され、この水素タンク54に一時的に貯留され
る。この燃料改質器51内の水素ガスの分離抽出によ
り、この燃料改質器51内では、吸熱反応が促進され、
高い転化率で燃料の改質が行われる。
【0063】エンジン本体2に燃料を供給する際には、
上記第1燃料供給管76の電動弁76a及び第2燃料供
給管77の電動弁77aが共に開放される。これによ
り、燃料改質器51内のメタンガス、一酸化炭素、水蒸
気は、第1燃料供給管76によってミキサ55に供給さ
れる。一方、水素タンク54内の水素ガスは、第2燃料
供給管77よってミキサ55に供給される。このミキサ
55では、各燃料が一旦貯蔵されて、ここで混合される
と共に、ミキサ55に内蔵した図示しない除湿器で余分
な残留H2Oが取り除かれる。そして、改質後の燃料が
改質後燃料供給管78を経て、空気供給系4から供給さ
れた空気と混合されてエンジン本体2の燃焼室に供給さ
れる。この際、上記電動弁77aの開度を調整すること
により、総燃料中の水素混合割合を任意の値に設定し
て、ガスエンジンの運転状態を制御することが可能であ
る。
【0064】これによってエンジン本体2が駆動し、出
力軸21の回転駆動に伴って発電機3が駆動して発電が
行われる。
【0065】以上が、本ガスエンジン1の基本的な運転
動作である。
【0066】(ノッキング発生時の制御)次に、ガスエ
ンジン1の運転中にノッキングが発生する状況になった
場合の制御について説明する。このノッキングが発生す
る状況とは、上述した如く、供給燃料中の水素成分の影
響でメタン価が小さくなりすぎていることが考えられ
る。このため、このような状況では、水素の供給量を低
下させてメタン価を大きくし、ノッキングを防止する制
御が行われる。具体的には、コントローラ8の水素供給
量制御手段85が、ノッキングセンサ82の出力を受け
てノッキング強度を測定し、ノッキングの発生が検知ま
たは予知される状況であるときには、第2燃料供給管7
7の電動弁77aの開度を小さくするように制御するこ
とで、水素の供給量を低下させて総燃料中の水素混合割
合を低下させる。これにより、供給燃料のメタン価が大
きくなり、ノッキングの発生が回避できる。そして、ノ
ッキング強度が所定値以下まで低下すると、再び、電動
弁77aの開度を大きくして通常運転に戻る。
【0067】(希薄燃焼制御)本ガスエンジン1の排気
ガス中の有害物質であるNOx、CO、HCをできるだ
け少なくするための運転制御を行う場合には、混合比調
整手段86によって以下の制御が行われる。つまり、排
気ガス中の有害物質をできるだけ少なくするためには希
薄燃焼を行うことが好ましい。このため、総燃料中の水
素混合割合を予め認識しておき、その水素混合割合にお
いて必要最小限の燃料供給量で燃焼室内での燃焼が良好
に行えるように、水素混合割合に応じた希薄可燃限界値
を求め、それに基づいて燃料と空気との混合割合を調整
する。図2は、この希薄可燃限界値を求めるためのマッ
プである。このマップに基づき、現在の水素混合割合に
対して、希薄可燃限界値となる希薄可燃限界当量比(空
気量に対する燃料の割合)を安定燃焼領域中で最も燃料
供給量が少なくなるように設定する(図2の曲線上に設
定する)。これにより、運転中の吹消を回避しながら
も、ガスエンジン1の排気ガス中の有害物質を大幅に削
減することができ、排気ガスのクリーン化を図ることが
可能となる。
【0068】−実施形態の効果− 以上説明したように、本形態では、メタンガスを燃料改
質器51で改質するに際し、生成した水素を、水素分離
装置56によって順次燃料改質器51から分離抽出する
ことにより、燃料改質器51内での水素濃度を低下させ
ることで吸熱反応の促進を図るようにしている。このた
め、比較的低い温度環境下(例えば600℃程度)であ
っても、高い転化率で改質が行われ、熱効率の大幅な上
昇を図ることが可能な燃料が得られて、ガスエンジン全
体としての熱効率の向上を図ることができる。その結
果、本形態のガスエンジン1では、従来のものと同一発
電量を得るために必要な燃料の量を削減することがで
き、省エネルギ性の向上を図ることができる。
【0069】図3は、排ガス温度とメタン転化率との関
係を示しており、曲線Aは本形態のガスエンジン1に係
るものであり、曲線Bは上述した如く従来のガスエンジ
ン(図6参照)に係るものである。この図のように、排
ガス温度が600℃の場合、従来のものではメタン転化
率は40%程度しか得られていないのに対し、本形態で
は90%以上の高い転化率が得られ、熱効率の大幅な向
上を図ることができている。
【0070】(第2実施形態)次に、第2実施形態につ
いて説明する。本形態は、エンジン本体2の燃焼室内で
の燃焼温度を制御することによって、排気ガス中の有害
物質の削減を図るようにしたものである。従って、ここ
では、燃焼温度を制御する構成及び動作についてのみ説
明する。また、本形態に係る発電システムの概略構成を
示す図4にあっては、上記図1に示したものと同一の構
成部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】この図4に示すように、本例に係るガスエ
ンジン1は、排熱ボイラ52と燃料改質器51とを接続
する水蒸気供給管71の下流側が分岐されており、一方
の分岐管71Aが燃料改質器51に、他方の分岐管(本
発明でいう水蒸気供給経路を構成する)71Bがミキサ
55にそれぞれ接続されている。そして、各分岐管71
A,71Bには電動弁71b,71cが設けられてい
る。
【0072】また、コントローラ8には水蒸気調整手段
87が備えられている。この水蒸気調整手段87は、水
蒸気供給管71の他方の分岐管71Bからミキサ55へ
の水蒸気の供給量を調整することによって、燃焼室内の
燃焼温度を調整するものである。つまり、燃焼温度が高
すぎる場合に、分岐管71Bの電動弁71cを開放する
ことによって供給燃料中の水蒸気量を増加させ、これに
よって燃焼温度を低下させて、排気ガス中の有害物質を
最も削減できる燃焼温度となるように制御する。
【0073】このように本形態では、排熱ボイラ52で
発生した水蒸気の一部を燃焼室に向けて供給して燃焼温
度を調整できるようにしているため、簡単な制御動作
で、排気ガス中の有害物質を最も削減できる燃焼温度で
ガスエンジンを運転することが可能となる。
【0074】また、このような排熱ボイラ52で発生し
た水蒸気の燃焼室への供給は、ガスエンジン本体2の熱
効率向上や、燃焼室から燃料噴射口へのバックファイヤ
ー防止にも効果がある。
【0075】尚、分岐管71Bの下流端の接続箇所とし
ては、ミキサ55に限らず、改質後燃料供給管78や燃
焼室であってもよい。
【0076】(第3実施形態)次に、第3実施形態につ
いて説明する。本形態は、水素分離装置56における水
素分離抽出動作の促進を図るための構成の変形例であ
る。その他の構成は上述した第1実施形態のものと同様
である。従って、ここでは第1実施形態との相違点につ
いてのみ説明する。また、本形態に係る発電システムの
概略構成を示す図5にあっては、上記図1に示したもの
と同一の構成部材については同一の符号を付して説明を
省略する。
【0077】この図5に示すように、本形態に係るガス
エンジン1は、脱硫装置として高次脱硫装置53が備え
られている。この高次脱硫装置53は炭化水素系燃料中
に含まれる硫黄分(一般にスリップ硫黄と呼ばれる)を
1ppbレベルまで削減することができるものであって、
常温の環境下であっても高性能の脱硫動作を行うことが
できるものである。その脱硫の原理としては、金属酸化
物上の活性金属によってチオフェン等の有機硫黄をも分
解して脱硫を行うことができるようにされている。
【0078】また、上記高次脱硫装置53からの燃料を
燃料改質器51に供給するための脱硫燃料供給管73に
は電動弁73aが設けられており、通常の運転時には、
水蒸気供給管71の電動弁71a及び脱硫燃料供給管7
3の電動弁73aが共に開放されて、燃料改質器51に
対してメタンガス及び水蒸気が供給されて吸熱反応に伴
うガスエンジン1の運転が行われる。一方、燃料改質器
51の触媒が被毒された場合や発電負荷が小さい場合に
は、水蒸気供給管71の電動弁71aが開放され、脱硫
燃料供給管73の電動弁73aが閉鎖される。これによ
り、燃料改質器51に対して水蒸気のみが供給される状
態となる。この水蒸気のみの供給により燃料改質器51
の触媒が被毒される原因となっている硫黄分が分解さ
れ、これによって触媒を再生することができる。
【0079】尚、この高次脱硫装置53の上流側に水添
脱硫装置を備えさせるようにしてもよい。これによれ
ば、高次脱硫装置53に導入される硫黄量を極端に少な
くすることができ、高次脱硫装置53での硫黄除去動作
の高効率化と高次脱硫装置53の長寿命化とを図ること
ができる。
【0080】更に、本ガスエンジン1の燃料供給系5に
は、上記構成に加えて、熱交換器57及び純水装置58
が備えられている。
【0081】上記熱交換器57は、燃料供給管76を流
れる改質後燃料(改質ガス)と、燃料改質器51に供給
されるメタンガス(高次脱硫装置53で脱硫された後の
メタンガス)との間で熱交換を行うようになっている。
これにより燃料改質器51に供給されるメタンガスを予
熱できる構成となっている。また、この熱交換器57
は、燃料供給管76を流れる改質後燃料(改質ガス)
と、後述する純水装置58から排熱ボイラ52に供給さ
れる純水との間でも熱交換が行われるようになってい
る。これにより排熱ボイラ52に供給される純水を予熱
できる構成となっている。このように、本ガスエンジン
1の原料であるメタンガス及び純水を改質後燃料によっ
て予熱しておく構成を採用することによって改質後燃料
中の熱エネルギを回収でき、排熱回収量の増大を図るこ
とができる。
【0082】また、上記純水装置58は水供給管58a
によって排熱ボイラ52に接続されており、熱交換器5
7は水戻し管57aによってこの水供給管58aに接続
されている。つまり、熱交換器57によって改質後燃料
中に含まれる水分が凝縮されて成る水を排熱ボイラ52
で生成される水蒸気の原料とすることができるようにな
っている。このため、改質後燃料中に含まれる水分を廃
棄することなく有効に利用することができ、純水供給設
備のランニングコストの削減を図ることができる。
【0083】一方、上記純水装置58は、例えば水道水
が供給され、この水道水から純水を生成し、この純水を
上記水供給管58aによって排熱ボイラ52に供給する
ものである。つまり、水道水中に含まれるハロゲンや砒
素等の不純物を除去することによって高純度の純水を生
成するようになっている。この純水装置58の具体的な
ものとしては、蒸留式純水装置、カートリッジ式純水装
置、イオン交換式純水装置、電気再生式純水装置、電気
透析原理を応用した連続イオン交換法(EDI)による
装置などが掲げられる。
【0084】特に、ハロゲンを除去するための手法とし
ては、活性炭濾過法、精密濾過法(MF膜(マイクロフ
ィルタ)などによる)、限外濾過法(UF膜(ウルトラ
フィルタ)などによる)、逆浸透膜法(RO膜(リバー
ス・オスモシス)などによる)のうち少なくとも一つが
選択されている。一方、砒素を除去するための手法とし
ては、凝集沈殿法(供沈法)、イオン交換法、活性アル
ミナ法、低圧逆浸透膜法、逆浸透膜法(浸透圧とは逆方
向に圧力をかける手法)、ADI法のうち少なくとも一
つが選択されている。
【0085】例えば、上記供沈法では、原水(水道水)
に酸化剤と凝集剤とが注入され、これをミキサで混合し
てUDフィルタに通過させる。この際、フィルタの濾過
層を原水が通過する際に、砒素を取り込んだ凝集フロッ
クが補足される。この処理水は更に急速で濾過され、残
留している砒素や濁質が除去される。
【0086】活性アルミナ法では、酸化剤と、pH調整
のための酸を注入した原水をミキサで混合し、活性アル
ミナ吸着塔に流入させる。その後、この処理水は浄化池
でpH値を中性付近まで上げるための再調整が行われ
る。更に、濁質、鉄、マンガン等が濾過器によって除去
される。
【0087】ここで純水とは一般にはppm(mg/l)オー
ダの濃度で不純物を含有している水をいう。また、高性
能の純水装置58であれば、超純水を生成することも可
能である。この超純水とは一般にはppb(μg/l)オーダ
の濃度で不純物を含有している水をいう。
【0088】このようにして排熱ボイラ52に供給され
る水を純水とすることによって、燃料改質器51に供給
される水蒸気中にハロゲンや砒素等の不純物が含まれて
しまうことを回避し、これによって上記吸熱反応を効率
良く行うことができるようにしている。これにより、燃
料改質器51、排熱ボイラ52の高寿命化、純水タンク
が不要になることによる低コスト化を図ることができ
る。
【0089】更に、本形態に係るガスエンジン1の水素
分離装置56は、その水素導出側が水素ポンプ手段とし
ての水素ポンプユニット9を介してタンク55に接続さ
れている。以下、この水素ポンプユニット9について説
明する。
【0090】この水素ポンプユニット9は、一方が水素
回収管75によって水素分離装置56の導出側に接続さ
れており、他方が水素供給経路を構成する水素放出管9
1によってタンク55に接続されている。また、この水
素放出管91には開度調整可能な電動弁91aが設けら
れている。
【0091】水素ポンプユニット9は、一対の水素吸蔵
体92a,92b、(93a,93b)が直列に接続さ
れて成る第1及び第2の水素ポンプ92,(93)と、
この水素ポンプ92,(93)に接続された水素貯蔵体
94とを備えている。これら水素吸蔵体92a〜93b
及び水素貯蔵体94はそれぞれ上述した水素吸蔵物質が
内蔵されている。また、これら水素吸蔵体92a〜93
b及び水素貯蔵体94には図示しない温冷熱源が備えら
れており、この温冷熱源によって冷却された際には水素
吸蔵動作を行う一方、加熱された際には水素放出動作を
行うようになっている。この加熱源としてはエンジン本
体2の排熱を利用することも可能である。尚、上記水素
貯蔵体94の構成として、具体的には、水素吸蔵合金タ
ンクの他に、圧縮水素タンク、液体水素タンク、メタル
ハイドライドタンク、ケミカルハイドライドタンク等も
採用可能である。
【0092】このように構成された水素ポンプユニット
9では、個々の水素ポンプ92,93において、上流側
の水素吸蔵体92a,(93a)が冷却され下流側の水
素吸蔵体92b,(93b)が加熱された場合には、こ
の上流側の水素吸蔵体92a,(93a)では水素分離
装置56から水素が取り出されて吸蔵されると共に、下
流側の水素吸蔵体92b,(93b)では予め吸蔵して
いた水素がタンク55に向けて放出されることになる
(以下、水素吸放動作)。逆に、上流側の水素吸蔵体9
2a,(93a)が加熱され下流側の水素吸蔵体92
b,(93b)が冷却された場合には、この上流側の水
素吸蔵体92a,(93a)に吸蔵されていた水素が下
流側の水素吸蔵体92b,(93b)に供給されてこの
下流側の水素吸蔵体92b,(93b)に吸蔵されるこ
とになる(以下、水素吸蔵予備動作)。そして、各水素
ポンプ92,93では、一方が水素吸放動作を行い、他
方が水素吸蔵予備動作を行う状態が所定時間毎に交互に
繰り返される。これにより、水素分離装置56から取り
出した水素を連続的にタンク55に向けて放出すること
ができるようになっている。
【0093】また、負荷遮断時(エンジン本体2への燃
料供給が必要ない時)には、水素貯蔵体94が冷却され
て、水素分離装置56内の水素を取り出して一時的に貯
留する。そして、負荷投入時には、水素貯蔵体94が加
熱され、この貯蔵していた水素がタンク55へ放出され
るようになっている。これにより、エンジン本体2の運
転状態に応じて適切な量の水素ガスを燃料として供給す
ることが可能となり、ガスエンジン1の応答性を良好に
得ることができる。
【0094】尚、タンク55への水素ガス放出量の調整
動作としては、上述した各水素吸蔵体92a〜93b及
び水素貯蔵体94の加熱冷却の制御と、上記電動弁91
aの開度制御によって行われる。この電動弁91aの具
体的な開度制御としては、コントローラ8(図示省略)
によって電動弁91aの開度制御を行い、これによって
燃焼室に供給される総燃料中の水素混合割合(ミキサ5
5内における水素ガスの割合)を調整している。このよ
うに総燃料中の水素混合割合が調整可能であるため、た
とえ燃料改質器51の応答性が低下して改質ガスの組成
が変動したとしても、改質ガスの組成変動に合わせて電
動弁91aの開度を調整することにより水素の供給量を
適切に得ることでガスエンジンの運転を安定して行うこ
とが可能となる。具体的には、燃料改質器51の応答性
の低下割合が大きくなるほど水素の供給量を増加させて
いくことにより、ガスエンジンの安定運転を継続して行
うことが可能となる。
【0095】また、この電動弁91aの開度制御を利用
することにより、ガスエンジンのノッキング発生を回避
することも可能である。つまり、上記水素供給量制御手
段85が、ノッキングセンサ82(図5では何れも図示
省略)の出力を受けてノッキング強度を測定し、ノッキ
ングの発生が検知または予知される状況であるときに
は、電動弁91aの開度を小さくするように制御するこ
とで、水素の供給量を低下させて総燃料中の水素混合割
合を低下させる。これにより、供給燃料のメタン価が大
きくなり、ノッキングの発生が回避できる。そして、ノ
ッキング強度が所定値以下まで低下すると、再び、電動
弁91aの開度を大きくして通常運転に戻る。
【0096】また、逆火(バックファイヤー)の発生を
検知または予知する逆火センサ(燃焼室内温度センサな
ど)を備えさせ、その出力に応じて電動弁91aの開度
を調整するようにすれば逆火を防止することも可能であ
る。つまり、上記水素供給量制御手段85が、逆火セン
サの出力を受け、逆火の発生が検知または予知されたと
きに、電動弁91aの開度を小さくするように制御する
ことで、水素の供給量を低下させる。これにより、燃焼
室内での燃焼速度を低くすることができ、逆火を防止す
ることができる。
【0097】本形態では、上記構成の水素ポンプユニッ
ト9を備えているため、水素分離装置56からの水素の
取り出しと、タンク55に向けての水素の放出とを同時
且つ連続的に行うことができ、ガスエンジン1の実用性
の向上を図ることができる。また、この水素ポンプユニ
ット9の駆動原理として温度によって水素の吸蔵と放出
とを切り換える構成を採用しているので、エンジンの排
熱などを有効に利用することが可能となって水素の放出
を行うための特別な動力源を廃することも可能である。
【0098】尚、本形態では、排気ガス中の有害物質で
あるNOx、CO、HCをできるだけ少なくする希薄燃
焼を実現するために、エンジン回転数・負荷、排気温
度、排気の空燃比、総燃料中の水素混合量、水素分離後
の改質燃料供給量、排気の濃度、総燃料中の水素成分濃
度のうち少なくとも一つをセンサによって検出可能に構
成し、その検出値に応じて、燃焼室内での希薄燃焼を可
能とするように、燃焼室に向かって供給する水素と水素
分離後の改質燃料との混合割合を上記混合比調整手段8
6によって調整するようになっている。つまり、第1燃
料供給管76の電動弁76aの開度と、水素放出管91
の電動弁91aの開度とを調整することによって水素と
水素分離後の改質燃料との混合割合及びその混合した総
燃料の供給量を希薄燃焼を可能とするように調整してい
る。これにより、運転中の吹消を回避しながらも、ガス
エンジン1の排気ガス中の有害物質を大幅に削減するこ
とができ、排気ガスのクリーン化を図ることが可能とな
る。
【0099】−その他の実施形態− 上記実施形態では、炭化水素系燃料としてメタンガスを
燃料改質器51で改質することにより発熱量の大きな燃
料を得るようにしたガスエンジン1に本発明を適用した
場合について説明した。本発明は、これに限らず、炭化
水素系燃料としては、天然ガス、石油系液体燃料、消化
ガス、バイオガス、アルコール燃料等の燃料を適用する
ことも可能である。
【0100】また、ガスエンジンとしては発電用のもの
に限らず、種々の用途に使用されているガスエンジンに
本発明は適用可能である。
【0101】更に、燃料改質器51での吸熱反応を更に
促進させるために、この燃料改質器51の内部で、分離
水素の一部、改質燃料(改質後の燃料であって水素以外
のもの)の一部または炭化水素系燃料(改質前の燃料)
の一部のうち少なくとも一つを燃焼させて、燃料改質器
51の内部温度を上昇させる構成を採用することも可能
である。この構成を採用すれば、燃料改質器51から水
素を抽出することによる吸熱反応の促進効果と相俟っ
て、極めて高い転化率を実現することができる。例え
ば、この分離水素、改質燃料または炭化水素系燃料の燃
焼により燃料改質器51の内部温度を800℃まで上昇
させた場合には、図3に示すように、略100%の転化
率を得ることができる。
【0102】また、上記実施形態では、水蒸気と炭化水
素系燃料とを吸熱反応させて燃料改質を行うものについ
て説明したが、本発明は、二酸化炭素と炭化水素系燃料
とを吸熱反応させて燃料改質を行うものに適用すること
も可能である。
【0103】
【発明の効果】以上のように、本発明では、炭化水素系
燃料を燃料改質器で改質するに際し、生成した水素を順
次燃料改質器から分離抽出することにより、燃料改質器
内での改質反応を促進するようにしている。このため、
比較的低い温度環境下であっても、高い転化率で改質が
行われて、熱効率の大幅な上昇を図ることが可能な燃料
が得られ、ガスエンジン全体としての熱効率の向上を図
ることができる。
【0104】また、燃料改質器の内部で、分離水素、改
質燃料または炭化水素系燃料の一部を燃焼させるように
すれば、改質反応を高い温度環境下で行わせることがで
き、極めて高い転化率を実現することが可能となる。
【0105】また、炭化水素系燃料に含まれる硫黄分を
水添脱硫によって除去する脱硫装置に対して、上記分離
抽出された水素の一部を供給する構成とした場合には、
従来の構成において必要であった水素ボンベを廃するこ
とができ、ボンベの交換や水素の補充作業が不要になっ
て、メンテナンスコストの削減を図ることができる。
【0106】更に、水素の供給量を調整することによっ
てエンジンのノッキングを防止するようにした場合に
は、ノッキングを確実に防止することができ、ガスエン
ジンの長寿命化を図ることが可能になる。同様に、水素
の供給量を調整することによって逆火を防止するように
した場合にも、ガスエンジンの長寿命化を図ることが可
能になる。
【0107】加えて、総燃料中の水素混合割合に応じて
燃焼室に向かって供給する燃料と空気との混合割合を調
整したり、水蒸気発生手段で発生した水蒸気の燃焼室へ
の供給量を調整した場合には、排気ガスのクリーン化を
図るのに最適な希薄燃焼状態や燃焼温度を得ることが可
能になり、排気ガスの清浄化に伴いガスエンジンの実用
性の向上を図ることができる。また、水蒸気発生手段で
発生した水蒸気の燃焼室への供給は、ガスエンジン本体
の熱効率向上や、燃焼室から燃料噴射口へのバックファ
イヤー防止にも効果がある。
【0108】また、分離抽出された水素の燃焼室へ向か
う流量を調整して燃焼室に供給される総燃料中の水素混
合割合を調整可能とすることにより、たとえ燃料改質器
の応答性が低下して改質ガスの組成が変動したとして
も、改質ガスの組成変動に合わせて水素の供給量を適切
に得ることでガスエンジンの安定運転を継続して行うこ
とが可能となり、ガスエンジンの信頼性の向上を図るこ
とができる。
【0109】更に、水素分離手段によって分離抽出され
た水素を吸蔵する吸蔵動作と、この吸蔵した水素を燃焼
室に向けて放出することにより水素供給圧力を昇圧させ
る放出動作とが可能な水素ポンプ手段を設けた場合に
は、高転化率を維持しながらガスエンジンの連続運転を
良好に行うことが可能になる。
【0110】また、機関回転数・負荷、排気温度、排気
の空燃比、総燃料中の水素混合量、水素分離後の改質燃
料供給量、排気の濃度、総燃料中の水素成分濃度のうち
少なくとも一つの検出値に応じて水素と水素分離後の改
質燃料との混合割合を調整してガスエンジンの希薄燃焼
を可能にした場合には、運転中の吹消を回避しながら
も、ガスエンジンの排気ガス中の有害物質を大幅に削減
することができ、例えばNOxを数ppm以下に抑えるこ
とができて排気ガスのクリーン化を図ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るガスエンジンによって発電
を行う発電システムの概略構成を示す図である。
【図2】水素混合割合と希薄可燃限界当量比との関係を
示す図である。
【図3】排ガス温度とメタン転化率との関係を示す図で
ある。
【図4】第2実施形態に係るガスエンジンによって発電
を行う発電システムの概略構成を示す図である。
【図5】第3実施形態に係るガスエンジンによって発電
を行う発電システムの概略構成を示す図である。
【図6】従来例における図1相当図である。
【符号の説明】
1 ガスエンジン 51 燃料改質器 52 排熱ボイラ(水蒸気発生手段) 53 脱硫装置 54 水素タンク 56 水素分離装置(水素分離手段) 71B 分岐管(水蒸気供給経路) 74 水素供給管(脱硫用水素供給経路) 77 第2燃料供給管(水素供給経路) 77a 電動弁(調整手段) 82 ノッキングセンサ 85 水素供給量制御手段 86 混合比調整手段 87 水蒸気調整手段 9 水素ポンプユニット(水素ポンプ手段) 91a 電動弁(調整手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01B 3/56 C01B 3/56 Z F02D 19/02 F02D 19/02 C F 45/00 368 45/00 368D 368Z F02M 25/00 F02M 25/00 H 25/022 27/02 A 25/032 F 27/02 K 25/02 C H K Fターム(参考) 3G084 AA04 AA05 BA11 DA02 DA10 DA19 FA14 FA18 FA25 FA26 FA27 FA28 FA33 3G092 AA09 AA18 AB06 AB15 AC08 BB20 DE17S FA02 FA16 HA11Z HB05X HC05Z HD01Z HD04Z HE01Z 4G040 AA12 EA03 EA06 EB01 EB14 EB33 EB42 EB44 FA02 FC01 FC02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系燃料を燃料改質器で改質した
    後、この改質後の燃料を燃焼室に向けて供給するガスエ
    ンジンにおいて、 上記改質後の燃料から水素を分離抽出する水素分離手段
    と、 この水素分離手段によって分離抽出された水素を燃焼室
    に向けて供給する水素供給経路とを備えていることを特
    徴とするガスエンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガスエンジンにおいて、 燃料改質器の内部で、分離水素の一部、改質燃料の一部
    または炭化水素系燃料の一部を燃焼させることにより、
    燃料改質器の内部温度を上昇させる構成となっているこ
    とを特徴とするガスエンジン。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のガスエンジンに
    おいて、 水素分離手段によって分離抽出された水素を貯蔵するタ
    ンクと、 このタンクから水素供給経路を経て燃焼室に向かって供
    給される水素の供給量を調整することによって、燃焼室
    に供給される総燃料中の水素混合割合を調整可能とする
    調整手段とを備えていることを特徴とするガスエンジ
    ン。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうち何れか一つに記載の
    ガスエンジンにおいて、 炭化水素系燃料に含まれる硫黄分を水添脱硫によって除
    去する脱硫装置と、 水素分離手段によって分離抽出された水素の一部を脱硫
    装置に供給する脱硫用水素供給経路とを備えていること
    を特徴とするガスエンジン。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の
    ガスエンジンにおいて、 ノッキングの発生を検知または予知するノッキングセン
    サと、 このノッキングセンサの出力を受けてノッキング強度を
    測定し、ノッキング強度が所定値を超えたときに、水素
    供給経路からの水素の供給量を減少させて、燃焼室に供
    給される総燃料中の水素混合割合を低下させる水素供給
    量制御手段とを備えていることを特徴とするガスエンジ
    ン。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうち何れか一つに記載の
    ガスエンジンにおいて、 総燃料中の水素混合割合に応じて、燃焼室に向かって供
    給する燃料と空気との混合割合を調整する混合比調整手
    段を備えていることを特徴とするガスエンジン。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のうち何れか一つに記載の
    ガスエンジンにおいて、 燃料改質器は、炭化水素系燃料と水蒸気とを吸熱反応さ
    せることにより、炭化水素系燃料を改質するようになっ
    ており、 上記水蒸気を発生させる水蒸気発生手段と、 この水蒸気発生手段で発生した水蒸気の一部を燃焼室に
    向けて供給する水蒸気供給経路と、 この水蒸気供給経路からの水蒸気の供給量を調整するこ
    とによって、燃焼室内の燃焼温度を調整する水蒸気調整
    手段とを備えていることを特徴とするガスエンジン。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のうち何れか一つに記載の
    ガスエンジンにおいて、 燃料改質器は、炭化水素系燃料と水蒸気とを吸熱反応さ
    せることにより、炭化水素系燃料を改質するようになっ
    ており、 総燃料中の水素混合割合に応じて、燃焼室に向かって供
    給する燃料と空気との混合割合を調整する混合比調整手
    段と、 上記水蒸気を発生させる水蒸気発生手段と、 この水蒸気発生手段で発生した水蒸気の一部を燃焼室に
    向かって供給する水蒸気供給経路と、 この水蒸気供給経路からの水蒸気の供給量を調整するこ
    とによって、燃焼室内の燃焼温度を調整する水蒸気調整
    手段とを備えていることを特徴とするガスエンジン。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のうち何れか一つに記載の
    ガスエンジンにおいて、 水素供給経路には、水素分離手段によって分離抽出され
    た水素の燃焼室へ向かう流量を調整することによって、
    燃焼室に供給される総燃料中の水素混合割合を調整可能
    とする調整手段が設けられていることを特徴とするガス
    エンジン。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のガスエンジンにおい
    て、 水素分離手段によって分離抽出された水素を吸蔵する吸
    蔵動作と、この吸蔵した水素を燃焼室に向けて放出する
    ことにより水素供給圧力を昇圧させる放出動作とが可能
    な水素ポンプ手段が設けられ、 調整手段は、この水素ポンプ手段の水素放出側に配設さ
    れていることを特徴とするガスエンジン。
  11. 【請求項11】 請求項9または10記載のガスエンジ
    ンにおいて、 ノッキングの発生を検知または予知するノッキングセン
    サと、 このノッキングセンサの出力を受けてノッキング強度を
    測定し、ノッキング強度が所定値を超えたときに、調整
    手段の調整によって水素供給経路からの水素の供給量を
    減少させて、燃焼室に供給される総燃料中の水素混合割
    合を低下させる水素供給量制御手段とを備えていること
    を特徴とするガスエンジン。
  12. 【請求項12】 請求項9、10または11記載のガス
    エンジンにおいて、 逆火の発生を検知または予知する逆火センサと、 この逆火センサの出力を受け、逆火の発生が検知または
    予知されたときに、調整手段の調整によって水素供給経
    路からの水素の供給量を減少させて、燃焼室に供給され
    る総燃料中の水素混合割合を低下させる水素供給量制御
    手段とを備えていることを特徴とするガスエンジン。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のうち何れか一つに記
    載のガスエンジンにおいて、 機関回転数・負荷、排気温度、排気の空燃比、総燃料中
    の水素混合量、水素分離後の改質燃料供給量、排気の濃
    度、総燃料中の水素成分濃度のうち少なくとも一つの検
    出値を得て、その検出値に応じて、燃焼室内での希薄燃
    焼を可能とするように、燃焼室に向かって供給する水素
    と水素分離後の改質燃料との混合割合を調整する混合比
    調整手段を備えていることを特徴とするガスエンジン。
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