JP2002220019A - エアバッグドアの開放構造 - Google Patents

エアバッグドアの開放構造

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JP2002220019A
JP2002220019A JP2001016372A JP2001016372A JP2002220019A JP 2002220019 A JP2002220019 A JP 2002220019A JP 2001016372 A JP2001016372 A JP 2001016372A JP 2001016372 A JP2001016372 A JP 2001016372A JP 2002220019 A JP2002220019 A JP 2002220019A
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door
airbag
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hinge
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JP2001016372A
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Hiroaki Suzuki
裕明 鈴木
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Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグの押圧力により開放するドアパネ
ル部が、開放途中にヒンジ部で破断分離して飛散するこ
とを防止する。 【解決手段】 支持枠部28におけるヒンジ部32と隣
接する部位に破断予定部38を設け、ドアパネル部2
6,26が開放する過程でヒンジ部32に過大な応力が
加わった際に、この破断予定部38で破断が生じてドア
パネル部26,26と支持枠部28とを分離させる。支
持枠部28から分離したドアパネル部26,26は、支
持枠部28の外縁側に位置する表面カバー部22の外縁
壁24で支持され、該ドアパネル部26,26の飛散が
防止される。なお破断予定部38は、例えば支持枠部2
8に肉薄部として形成される溝部40から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エアバッグドア
の開放構造に関し、更に詳細には、車両内装部材に設け
た装着部に分離困難に係着される表面カバー部と、この
表面カバー部に一体的に形成され、ライン状の開裂予定
部およびヒンジ部により画成されるドアパネル部と、前
記表面カバー部の裏側に一体的に形成されて前記ドアパ
ネル部を囲繞し、エアバッグ装置に固定される支持枠部
とからなるエアバッグドアの開放構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年に至り、殆どの乗用車では、衝突事
故等による衝撃から乗員を保護するために、運転席用の
エアバッグ装置および助手席用のエアバッグ装置が標準
的に装備されている。前記運転席用のエアバッグ装置
は、一般的にステアリング中央のホーンパッド部に装備
されているが、前記助手席用のエアバッグ装置は、例え
ば図15に示す如く、乗員室17前方に組付けた車両内
装部材としてのインストルメントパネル10における助
手席前方の内部に格納した状態で装備されている。この
ため、前記インストルメントパネル10のパネル基材1
1では、前記助手席用のエアバッグ装置14に対応した
部位に乗員室17側へ開放変位するエアバッグドア20
が別体装着または一体形成され、このドア20のドアパ
ネル部26,26が開放することで乗員室17へ開口し
てエアバッグ16の通過を許容する開口部を画成するよ
うになっている。すなわち、衝突による衝撃を感知して
前記エアバッグ装置14が作動すると、膨張したエアバ
ッグ16は、前記ドアパネル部26,26を内側から押
上げて乗員室17側へ開放させ、これにより画成された
開口部を介して乗員室17内へ展開するようになる。
【0003】図15に示すエアバッグドア20は、イン
ストルメントパネル10のパネル基材11とは別体に形
成され、該パネル基材11に後付け装着されるようにな
っている。このエアバッグドア20は、図16に示すよ
うに、前記パネル基材11に設けた装着部としての装着
孔12に分離困難に係着される合成樹脂製の表面カバー
部22と、この表面カバー部22に一体的に形成され、
ライン状の開裂予定部30およびヒンジ部32により画
成される両開き式のドアパネル部26,26と、前記表
面カバー部22の裏側に一体的に形成されて前記ドアパ
ネル部26,26を囲繞し、前記エアバッグ装置14に
係止して固定される支持枠部28とから構成されてい
る。また前記表面カバー部22には、パネル基材11に
係着される爪状の係着フック34が複数個形成されてい
る一方、前記支持枠部28には、エアバッグ装置14の
ケース体15に係止される係止孔36が形成されてい
る。
【0004】このようなエアバッグドア20では、エア
バッグ装置14が作動して膨張を開始したエアバッグ1
6が前記ドアパネル部26,26を内側から押圧する
と、前記開裂予定部30を破断させ、前記ヒンジ部32
を中心として各ドアパネル部26,26が外方へ開放変
位するようになる。このとき、前記ヒンジ部32を中心
として外方へ開放する前記ドアパネル部26,26は、
該ヒンジ部32を介して、エアバッグ装置14に固定さ
れた前記支持枠部28で支持されるようになっている。
なおエアバッグドア20は、低温時や高温時にエアバッ
グ16の押圧力が加わってもドアパネル部26,26が
破損して飛散しないように、例えばポリスチレン系やポ
リプロピレン系のエラストマーで一体成形されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記エアバッ
グドア20は、前記インストルメントパネル10のパネ
ル基材11に装着した状態で、前記表面カバー部22が
乗員室17側へ全体的に露出している。従ってエアバッ
グドア20は、インストルメントパネル10と同等の質
感が要求されると共に、乗員が接触し得る部位に配設さ
れるので適度の剛性を確保する必要もあることから、曲
げ弾性率が600MPa以上とされる高剛性のエラスト
マーで形成することが望ましい(パネル基材11の一般
部は、曲げ弾性率が2000MPa以上とされてい
る)。しかし、エアバッグドア20を高剛性のエラスト
マーから形成した場合には、エアバッグ16の押圧力が
加わって各ドアパネル部26,26が外方へ開放変位す
るに際し、ドアパネル部26,26が殆ど撓曲変形しな
いことに伴って前記ヒンジ部32に応力が集中し易くな
り、図17に示すように、該ヒンジ部32に過大な応力
が加わってしまう。従って場合によっては、図18に示
すように、ドアパネル部26,26と支持枠部28とが
ヒンジ部32で完全に破断・分離してしまい、分離した
該ドアパネル部26,26が乗員側へ飛散して2次災害
を引き起こす畏れがあった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るべく提案されたもので、エアバッグの押圧力により開
放するドアパネル部が、開放途中にヒンジ部で破断分離
して飛散することを防止するよう構成したエアバッグド
アの開放構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決して、所
期の目的を達成するため本発明は、車両内装部材に設け
た装着部に分離困難に係着される表面カバー部と、この
表面カバー部に一体的に形成され、ライン状の開裂予定
部およびヒンジ部により画成されるドアパネル部と、前
記表面カバー部の裏側に一体的に形成されて前記ドアパ
ネル部を囲繞し、エアバッグ装置に固定される支持枠部
とからなり、膨張を開始したエアバッグが前記ドアパネ
ル部を内側から押圧することで前記開裂予定部を破断さ
せ、前記ヒンジ部に沿って開放する前記ドアパネル部
を、該ヒンジ部を介して前記支持枠部で支持し得るよう
構成したエアバッグドアの開放構造において、前記支持
枠部における前記ヒンジ部と隣接する部位に、前記ドア
パネル部が開放する過程で該ヒンジ部に過大な応力が加
わった際に破断して、ドアパネル部と支持枠部とを分離
させる破断予定部を設け、前記支持枠部から分離した前
記ドアパネル部を、前記支持枠部の外縁側に位置する前
記表面カバー部の外縁壁で支持させることで、該ドアパ
ネル部の飛散を防止するよう構成したことを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るエアバッグド
アの開放構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面
を参照しながら以下説明する。なお実施例では、車両内
装部材として図15に示したインストルメントパネル1
0を例示し、また図15〜図18に基づいて説明した従
来技術の項における既出の部材と同一部材に関しては、
同一の符号を付すこととする。
【0009】
【第1実施例】図1は、本発明の第1実施例に係るエア
バッグドアの開放構造に実施されるエアバッグドアを裏
面側から見た概略斜視図、また図2は、図1に示したエ
アバッグドアの側断面図である。第1実施例のエアバッ
グドア20は、図16に示した従来のエアバッグドア2
0を基本としてこれを改良したもので、インストルメン
トパネル10のパネル基材11に設けた装着部としての
装着孔12に分離困難に係着される表面カバー部22
と、この表面カバー部22に一体的に形成され、ライン
状の開裂予定部30およびヒンジ部32により画成され
る両開き式のドアパネル部26,26と、前記表面カバ
ー部22の裏側に一体的に形成されて前記ドアパネル部
26,26を囲繞し、前記エアバッグ装置14に係止し
て固定される支持枠部28から構成されている。また前
記表面カバー部22には、パネル基材11に係着される
爪状の係着フック34が複数個形成されている一方、前
記支持枠部28には、エアバッグ装置14のケース体1
5に係止される係止孔36が形成されている。なお、表
面カバー部22の一部を構成する符号24は、前記支持
枠部28の外側に位置する外縁壁である。このようなエ
アバッグドア20は、曲げ弾性率が600MPa以上と
される高剛性のエラストマーから形成されている。
【0010】前記開裂予定部30は、両ドアパネル部2
6,26の外縁ラインに沿って表面カバー部22の裏側
に形成した溝部により肉薄部として構成され、ドアパネ
ル部26,26にエアバッグ16の押圧力が加わった際
に破断し易くしたもので、両ドアパネル部26,26の
境界部に沿って延在する中央開裂予定ライン30aと、
両ドアパネル部26,26の側縁部に沿って延在する側
縁開裂予定ライン30b,30bとからなり、全体が略
H字形に延在形成されている。また、各ドアパネル部2
6,26の外縁ラインにおいて前記開裂予定部30が形
成されていない外縁は、該ドアパネル部26,26の開
放時における前記ヒンジ部32とされている。従って各
ドアパネル部26,26は、前記開裂予定部30および
ヒンジ部32により横長矩形状とされ、開裂予定部30
で破断が起こることで表面カバー部22からの開放が許
容され、対応のヒンジ部32に沿って両開き式に開放す
るようになる。但し、前記開裂予定部30およびヒンジ
部32は、表面カバー部22の裏側に形成されているか
ら、該表面カバー部22の表側からは認識されない(図
4(b))。
【0011】そして、第1実施例に係るエアバッグドア
の開放構造では、前記エアバッグドア20において、前
記支持枠部28における前記ヒンジ部32と隣接する部
位に、前記ドアパネル部26が開放する過程で該ヒンジ
部32に過大な応力が加わった際に破断する破断予定部
38を設けてある。すなわち、夫々のドアパネル部26
が開放する過程でヒンジ部32に過大な応力が加わる
と、該ヒンジ部32で破断が起こる前に前記破断予定部
38で破断が起こり、該ドアパネル部26と支持枠部2
8とを分離させる構造とされている。従って、ヒンジ部
32で破断することでドアパネル部26,26が表面カ
バー部22から完全に分離してしまうことを、未然に防
止するようになっている。
【0012】前記破断予定部38は、図3に示すように
前記支持枠部28の内壁面28aにおいて、前記ヒンジ
部32に沿うように形成したVノッチ(溝部)40により
肉薄部として構成され、これにより前記ヒンジ部32に
過大な応力が加わった際には、該破断予定部38に応力
が集中して容易な破断を実現するようになっている。す
なわち、エアバッグ16の押圧力がドアパネル部26,
26に加わった際には、図に矢印で示すように、ドアパ
ネル部26は上方へ押圧されて押上げられる一方、エア
バッグ装置14のケース体15に係止固定された支持枠
部28は相対的に下方へ引張られるから、前記Vノッチ
40の最深角部に応力が集中してこの部分を破断開始点
Sとして斜め上方(図示右上方)へ進行するようになる。
このため、破断面の傾斜角度Rは概ね30〜60度とな
るので、破断終了点Eを支持枠部28の外壁面28bに
位置させるためには、最深角部が前記ヒンジ部32から
間隔H程度だけ離間した位置にVノッチ40を沿設する
ことが望ましい。
【0013】また前記破断予定部38での破断強度は、
前記開裂予定部30での破断強度よりも大きく設定して
ある。これにより、エアバッグ16の押圧力がドアパネ
ル部26,26に加わった際には、先ず前記開裂予定部
30で破断が開始し、該開裂予定部30での破断が完了
した適宜後に前記破断予定部38での破断が完了するよ
うになる。換言すると、開裂予定部30での破断が完了
してドアパネル部26,26がヒンジ部32に沿って開
放する途中で、破断予定部38での破断が完了して該ド
アパネル部26,26と支持枠部28とが分離するよう
になる。
【0014】次に、前述のように形成されたエアバッグ
ドア20を採用した第1実施例に係るエアバッグドアの
開放構造を、ドアパネル部26,26が開放変位する過
程に基づいて経時的に説明する。前記エアバッグドア2
0は、図4(a)に示すように、インストルメントパネル
10におけるパネル基材11に対して前記係着フック3
4を利用して分離困難に係着され、またエアバッグ装置
14におけるケース体15に対して前記係止孔36を利
用して固定されている。これにより、前記表面カバー部
22が前記係止孔36を覆蓋してインストルメントパネ
ル10の一部を構成していると共に、前記支持枠部28
がエアバッグ装置14のケース体15の開口部に整合し
ている。なお前記開裂予定部30は、前記表面カバー部
22の裏側に形成されていることにより、該表面カバー
部22の表側からは視認されない(図4(b))。
【0015】そして、エアバッグ装置14が作動して膨
張を開始したエアバッグ16が各ドアパネル部26,2
6を内側から押圧すると、該エアバッグ16が球面状に
膨張することに起因して、図5(a)および図5(b)に示
すように、開裂予定部30における中央開裂ライン30
aの中間部位で先ず破断が始まるようになる。そして中
央開裂ライン30aで始まった破断は、エアバッグ16
の更なる膨張に従い、該中央開裂ライン30aの両側へ
進行した後に両側縁開裂予定ライン30b,30bへ引
き続いて進行する。そして、両方の側縁開裂予定ライン
30b,30bでの破断が完了すると、両ドアパネル部
26,26は前記支持枠部28に片持ち状態に支持さ
れ、ヒンジ部32を中心とした開放が許容されるように
なる。
【0016】従って、徐々に膨張するエアバッグ16の
押圧力を受けている両ドアパネル部26,26は、該エ
アバッグ16の膨張に追従しながら前記ヒンジ部32を
中心として、乗員室17側へ一気に開放変位するように
なる。このとき、エアバッグ16の膨張速度が大きいこ
とに起因して、ドアパネル部26,26には前記ヒンジ
部32の側にもエアバッグ16の押圧力が加わるように
なり、該ヒンジ部32に応力が加わるようになる。そし
て、前記ヒンジ部32に過大な応力が加わった際には、
図6(a)および図6(b)に示すように、該ヒンジ部32
での破断が起きる前に前記破断予定部38で破断が起き
るようになる。
【0017】更に、エアバッグ16の押圧力がドアパネ
ル部26,26に作用すると、遂には前記破断予定部3
8の全域で破断が完了し、図7(a)および図7(b)に示
すように、エアバッグ装置14のケース体15に係止さ
れた支持枠部28とドアパネル部26とが完全に分離す
るようになる。これにより、前記支持枠部28から分離
した前記ドアパネル部26,26は、該支持枠部28の
外縁側に位置する前記表面カバー部22の外縁壁24で
支持され、この状態で更に開放変位するようになる。こ
の時、エアバッグ16の押圧力により、前記側縁開裂予
定ライン30b,30bの端縁での破断が若干延長して
ヒンジポイントが移動することもあり得るが、各ドアパ
ネル部26,26は表面カバー部22の外縁壁24に連
結したままとなる。すなわち各ドアパネル部26,26
は、支持枠部28からは完全に分離するとしても表面カ
バー部22からは分離しないので、エアバッグドア20
から分離して乗員室17内へ飛散することはない。
【0018】このように第1実施例に係るエアバッグド
アの開放構造では、エアバッグ16の押圧力によりドア
パネル部26,26が開放するに際し、前記ヒンジ部3
2に過大な応力が加わった際には、該ドアパネル部26
と支持枠部28とを破断予定部38で破断分離させて該
ヒンジ部32に加わった応力を解除することにより、ド
アパネル部26,26が分離することを防止するように
なっている。これにより、エアバッグドア20を高剛性
のエラストマーで形成したとしても、ドアパネル部2
6,26が分離して飛散する不都合が好適に回避され
る。
【0019】また、破断予定部38での破断強度を開裂
予定部30での破断強度よりも大きく設定してあるか
ら、開裂予定部30での破断が完了してドアパネル部2
6,26が開放する途中で、破断予定部38での破断が
完了して該ドアパネル部26,26と支持枠部28とが
分離するようになり、ドアパネル部26,26が円滑に
開放変位する。
【0020】
【第2実施例】図8は、本発明の第2実施例に係るエア
バッグドアの開放構造に実施されるエアバッグドアを裏
面側から見た概略斜視図、また図9は、図8に示したエ
アバッグドアをインストルメントパネル10のパネル基
材11に係着した実施状態を示す側断面図である。この
第2実施例のエアバッグドア20では、前記第1実施例
に示したエアバッグドア20を基本としてこれに変更を
加えたもので、表面カバー部22、該表面カバー部22
に設けたドアパネル部26,26、支持枠部28、該支
持枠部28に設けた破断予定部38は、前記エアバッグ
ドア20と同一とされている。従ってここでは、第1実
施例のエアバッグドア20と異なる部分についてのみ説
明し、同一部分や部材については同一の符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0021】第2実施例のエアバッグドア20では、各
ドアパネル部26,26に対応して、前記表面カバー部
22における外縁壁24の裏側に、第1ヒンジ部とされ
る前記ヒンジ部32とは別の第2ヒンジ部42を追加し
て設けてある。また、第2ヒンジ部42,42の追加に
基づき、前記開裂予定部30における各側縁開裂予定ラ
イン30b,30bの端末部分30c,30cを、各第2
ヒンジ部42,42の端部近傍まで延長して形成してあ
る。なお支持枠部28と表面カバー部22との連設部位
では、図13に拡大して示すように、側縁開裂予定ライ
ン30b,30bが貫通した状態に延在形成されてい
る。
【0022】前述のように形成されたエアバッグドア2
0を採用した第2実施例に係るエアバッグドアの開放構
造では、エアバッグ装置14が作動して膨張を開始した
エアバッグ16が各ドアパネル部26,26を内側から
押圧すると、開裂予定部30における中央開裂ライン3
0aおよび両方の側縁開裂予定ライン30b,30bで
破断が起こり、破断が完了すると両ドアパネル部26,
26は、前記支持枠部28に片持ち状態に支持されなが
ら開放する(図10)。
【0023】そして、ドアパネル部26,26が開放す
る過程で、前記第1ヒンジ部32に過大な応力が加わっ
た際には、該第1ヒンジ部32での破断が起きる前に前
記破断予定部38で破断が起こるようになる(図11)。
更に、エアバッグ16の押圧力がドアパネル部26,2
6に作用すると、遂には前記破断予定部38の全体で破
断が完了し、ドアパネル部26と支持枠部28とが完全
に分離するようになる。そして、前記支持枠部28から
分離した前記ドアパネル部26,26は、該支持枠部2
8の外縁側に位置する前記表面カバー部22の外縁壁2
4で支持されると共に、各側縁開裂予定ライン30b,
30bの端末部分30c,30cでも破断が起こるか
ら、該外縁壁24に設けた前記第2ヒンジ部42を中心
として更に開放変位するようになる。すなわち各ドアパ
ネル部26,26は、支持枠部28からは完全に分離す
るとしても表面カバー部22からは分離しないので、該
表面カバー部22から分離して乗員室17内へ飛散する
ことはない。
【0024】このように第2実施例に係るエアバッグド
アの開放構造では、エアバッグ16の押圧力によりドア
パネル部26,26が開放するに際し、前記第1ヒンジ
部32に過大な応力が加わった際には、該ドアパネル部
26,26と支持枠部28とを破断予定部38で破断分
離させて該第1ヒンジ部32に加わった応力を解除する
ことにより、この第1ヒンジ部32で破断してドアパネ
ル部26,26が表面カバー部22から分離することを
防止する。そして、支持枠部28から分離したドアパネ
ル部26は、外縁壁24に設けた第2ヒンジ部42を中
心として更にスムーズに開放変位するようになる。これ
により、エアバッグドア20を高剛性のエラストマーで
形成したとしても、ドアパネル部26が分離して飛散す
る不都合が好適に回避される。
【0025】なお、支持枠部28に設けた前記破断予定
部38の設定は、前記各実施例に示したVノッチ40の
形成による肉薄化に限らず、例えば図14に示すよう
に、該支持枠部28に所要間隔毎に形成した複数のスリ
ット44から構成することで強度低下を図るようにして
もよい。破断予定部38をこのようなスリット44から
構成しても、前記ヒンジ部32に過大な応力が加わった
際には、この破断予定部38での容易な破断を実現し得
る。
【0026】そして前記各実施例では、パネル基材11
に設けた装着部としての装着孔12に分離困難に係着さ
れるエアバッグドア20を例示したが、この装着部は該
装着孔12のような「孔」形態に限定されるものではな
い。例えば装着部は、パネル基材11の所要位置に設け
た支持片形態等としてもよい。また、前記表面カバー部
22を更に大きく設定して、該表面カバー部22がイン
ストルメントパネル10の上部半体を構成するようにし
た場合には、該インストルメントパネル10の下部半体
を形成する前記パネル基材11の上部端縁が装着部とさ
れる。
【0027】また前記各実施例では、2枚のドアパネル
部26,26からなるエアバッグドア20を例示した
が、このドアパネル部26の枚数はこれに限定されるも
のではなく、1枚のドアパネル部からなる片開き式のエ
アバッグドアや、4枚のドアパネル部からなるエアバッ
グドア等も対象とされる。
【0028】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るエアバ
ッグドアの開放構造によれば、エアバッグの押圧力によ
りドアパネル部が開放する過程でヒンジ部に過大な応力
が加わった際には、該ドアパネル部と支持枠部とを破断
予定部で破断分離させて該ヒンジ部に加わった応力を解
除させることにより、ドアパネル部がヒンジ部で破断分
離して飛散することを防止し得る有益な効果を奏する。
そして、支持枠部から分離したドアパネルを、表面カバ
ー部の外縁壁に支持させながら更に開放変位させ得る。
これにより、エアバッグドアを高剛性のエラストマーで
形成したとしても、ドアパネル部が分離して飛散する不
都合が好適に回避される利点がある。また、外縁壁に第
2ヒンジ部を設けておけば、支持枠部から分離したドア
パネル部を、この第2ヒンジ部を中心として更にスムー
ズに開放変位させ得る。なお支持枠部に設けた破断予定
部は、該支持枠部に溝部を設けて肉薄部として構成した
り、所要間隔毎に形成した複数のスリットから構成する
ことにより、適切に破断させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るエアバッグドアの開
放構造に実施されるエアバッグドアを、裏面側から見た
概略斜視図である。
【図2】図1に示したエアバッグドアの側断面図であ
る。
【図3】図2のA部を拡大して示す断面図であって、支
持枠部にVノッチを形成して肉薄部として構成した破断
予定部での破断態様を示している。
【図4】第1実施例に係るエアバッグドアの開放構造を
経時的に示す説明図であって、(a)は、エアバッグが膨
張を開始したことを断面状態で示し、(b)は、(a)の状
態におけるエアバッグドアを斜視状態で示している。
【図5】第1実施例に係るエアバッグドアの開放構造を
経時的に示す説明図であって、(a)は、膨張するエアバ
ッグがドアパネル部を押圧することで開裂予定部で破断
が起き始めたことを断面状態で示し、(b)は、(a)の状
態におけるエアバッグドアを斜視状態で示している。
【図6】第1実施例に係るエアバッグドアの開放構造を
経時的に示す説明図であって、(a)は、ドアパネル部が
開放する過程でヒンジ部に過大な応力が加わることで破
断予定部で破断が起き始めたことを断面状態で示し、
(b)は、(a)の状態におけるエアバッグドアを斜視状態
で示している。
【図7】第1実施例に係るエアバッグドアの開放構造を
経時的に示す説明図であって、(a)は、破断予定部で破
断が完了することでドアパネル部が表面カバー部の外縁
壁で支持されながら開放することを断面状態で示し、
(b)は、(a)の状態におけるエアバッグドアを斜視状態
で示している。
【図8】本発明の第2実施例に係るエアバッグドアの開
放構造に実施されるエアバッグドアを、裏面側から見た
概略斜視図である。
【図9】図8に示したエアバッグドアを、インストルメ
ントパネルのパネル基材に係着した実施状態で示す側断
面図である。
【図10】膨張するエアバッグがドアパネル部を押圧す
ることで、開裂予定部で破断が起き始めたことを示す側
断面図である。
【図11】ドアパネル部が開放する過程でヒンジ部に過
大な応力が加わることで、破断予定部で破断が起き始め
たことを示す側断面図である。
【図12】破断予定部で破断が完了することで、ドアパ
ネル部が表面カバー部の外縁壁で支持されると共に第2
ヒンジ部を中心に開放変位することを示す側断面図であ
る。
【図13】図8のB部拡大図である。
【図14】支持枠部に所要間隔毎に形成した複数のスリ
ットにより破断予定部を構成したエアバッグドアを裏面
側から見た斜視図である。
【図15】パネル基材にエアバッグドアを装着したイン
ストルメントパネルの部分斜視図である。
【図16】図15のX−X線断面図である。
【図17】エアバッグに押圧されたドアパネル部が開放
する過程でヒンジ部に過大な応力が加わることで、該ヒ
ンジ部で破断が起き始めたことを示す側断面図である。
【図18】ヒンジ部での破断によりドアパネル部が支持
枠部から完全に分離して飛散する不都合を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル(車両内装部材) 12 装着孔(装着部), 14 エア
バッグ装置 16 エアバッグ, 22 表面
カバー部 24 外縁壁, 26 ドア
パネル部 28 支持枠部, 30 開裂
予定部 32 ヒンジ部(第1ヒンジ部), 38 破断
予定部 40 Vノッチ(溝部), 42 第2
ヒンジ部 44 スリット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両内装部材(10)に設けた装着部(12)に
    分離困難に係着される表面カバー部(22)と、この表面カ
    バー部(22)に一体的に形成され、ライン状の開裂予定部
    (30)およびヒンジ部(32)により画成されるドアパネル部
    (26,26)と、前記表面カバー部(22)の裏側に一体的に形
    成されて前記ドアパネル部(26,26)を囲繞し、エアバッ
    グ装置(14)に固定される支持枠部(28)とからなり、膨張
    を開始したエアバッグ(16)が前記ドアパネル部(26,26)
    を内側から押圧することで前記開裂予定部(30)を破断さ
    せ、前記ヒンジ部(32)に沿って開放する前記ドアパネル
    部(26,26)を、該ヒンジ部(32)を介して前記支持枠部(2
    8)で支持し得るよう構成したエアバッグドアの開放構造
    において、 前記支持枠部(28)における前記ヒンジ部(32)と隣接する
    部位に、前記ドアパネル部(26,26)が開放する過程で該
    ヒンジ部(32)に過大な応力が加わった際に破断して、ド
    アパネル部(26,26)と支持枠部(28)とを分離させる破断
    予定部(38)を設け、 前記支持枠部(28)から分離した前記ドアパネル部(26,2
    6)を、前記支持枠部(28)の外縁側に位置する前記表面カ
    バー部(22)の外縁壁(24)で支持させることで、該ドアパ
    ネル部(26,26)の飛散を防止するよう構成したことを特
    徴とするエアバッグドアの開放構造。
  2. 【請求項2】 前記外縁壁(24)の所要位置に、第1ヒン
    ジ部となる前記ヒンジ部(32)とは別の第2ヒンジ部(42)
    を設け、前記支持枠部(28)から分離した前記ドアパネル
    部(26,26)を、前記第2ヒンジ部(42)に沿って更に開放
    変位させる請求項1記載のエアバッグドアの開放構造。
  3. 【請求項3】 前記破断予定部(38)は、前記支持枠部(2
    8)に肉薄部として形成される溝部(40)から構成され、こ
    れにより前記ヒンジ部(32)に過大な応力が加わった際の
    容易な破断を実現している請求項1または2記載のエア
    バッグドアの開放構造。
  4. 【請求項4】 前記破断予定部(38)は、前記支持枠部(2
    8)に所要間隔毎に形成した複数のスリット(44)から構成
    され、これにより前記ヒンジ部(32)に過大な応力が加わ
    った際の容易な破断を実現している請求項1または2記
    載のエアバッグドアの開放構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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