JP2002212687A - 鉄損および打抜き加工性の良好な方向性電磁鋼板とその製造方法 - Google Patents

鉄損および打抜き加工性の良好な方向性電磁鋼板とその製造方法

Info

Publication number
JP2002212687A
JP2002212687A JP2001011409A JP2001011409A JP2002212687A JP 2002212687 A JP2002212687 A JP 2002212687A JP 2001011409 A JP2001011409 A JP 2001011409A JP 2001011409 A JP2001011409 A JP 2001011409A JP 2002212687 A JP2002212687 A JP 2002212687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
grain
less
annealing
oriented electrical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001011409A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3997712B2 (ja
Inventor
Yasuyuki Hayakawa
康之 早川
Takeshi Imamura
今村  猛
Mitsumasa Kurosawa
光正 黒沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2001011409A priority Critical patent/JP3997712B2/ja
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to KR1020027012307A priority patent/KR100837129B1/ko
Priority to EP02715785A priority patent/EP1273673B1/en
Priority to PCT/JP2002/000291 priority patent/WO2002057503A1/ja
Priority to DE60231581T priority patent/DE60231581D1/de
Priority to US10/312,663 priority patent/US6942740B2/en
Priority to CNB028007476A priority patent/CN1196801C/zh
Priority to TW091100786A priority patent/TW589385B/zh
Publication of JP2002212687A publication Critical patent/JP2002212687A/ja
Priority to US11/145,705 priority patent/US7371291B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3997712B2 publication Critical patent/JP3997712B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性および磁気特性に優れ、また経済的に
も有利な方向性電磁鋼板を提供する。 【解決手段】 質量%で、Si:2.0 〜8.0 %およびN:
10〜100 ppm を含有する組成とし、また二次再結晶粒の
内部に粒径が0.15mm以上、0.50mm以下の微細結晶粒を2
個/cm2 以上の頻度で含有させ、しかもフォルステライ
ト(Mg2SiO4) を主体とする下地被膜を生成させない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として小型のモ
ータやトランスおよび発電機等の鉄心材料に用いて好適
な方向性電磁鋼板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁鋼板を積層して使用する小型トラン
スの代表的な形状として、図1に示すような、EI型コ
アが知られている。このEI型コアは、打抜き加工によ
り製造されているが、打ち抜く際に発生するスクラップ
の量が少ない効率的な加工方法が用いられている。
【0003】かようなEI型コア用の鉄心材料として
は、現在、無方向性電磁鋼板と方向性電磁鋼板の両方が
用いられている。無方向性電磁鋼板を使用した場合に
は、方向性電磁鋼板を使用した場合に比較して磁気特性
のレベルが低いために、コアの磁気特性は劣っている。
しかしながら、無方向性電磁鋼板は方向性電磁鋼板に比
較して、製造プロセスが単純なため価格が低いので、経
済的な観点から判断して使用されている。一方、方向性
電磁鋼板は圧延方向の磁気特性は良好であるが、圧延直
角方向の磁気特性は著しく劣っている。しかしながら、
EIコア内での磁束の流れの向きは、圧延直角方向とな
る領域が2割程度あるものの、8割程度の領域は圧延方
向であるため、EI型コアの鉄心材料として方向性電磁
鋼板を使用した場合には、無方向性電磁鋼板よりもはる
かに良好な特性が得られる。そのため、鉄損を重視する
場合の多くは方向性電磁鋼板が用いられている。
【0004】上述したとおり、EI型コアは、鋼板を金
型によって打抜き加工することによって製造されてい
る。方向性電磁鋼板の表面には、通常、フォルステライ
ト(Mg2SiO4) を主体とした下地被膜(グラス被膜)が形
成されているが、このフォルステライト被膜は、無方向
性電磁鋼板に被覆されている有機樹脂系の被膜に比べる
と著しく硬質なため、打抜き金型の磨耗が大きい。その
ため、金型の再研磨または交換が必要となり、需要家に
おける鉄心加工時の作業効率の低下とコストアップをも
たらすことになる。また、スリット性、切断性もフォル
ステライト被膜の存在により、劣化する。
【0005】さらに、方向性電磁鋼板の結晶粒は通常10
〜50mm程度の粗大粒であり、通常0.03〜0.20mmの微細結
晶粒からなる無方向性電磁鋼板に比較して粗大であるた
め、打抜き加工時にダレ等の形状変化が大きいという問
題もある。
【0006】方向性電磁鋼板の打抜き加工性を改善する
方法としては、フォルステライト被膜を酸洗や研削など
の方法で除去することが考えられるが、この方法は、コ
スト高になるだけでなく、表面性状が悪化し、磁気特性
も劣化する等、大きな問題がある。なお、特公平6−49
948 号および特公平6−49949 号公報には、仕上焼鈍時
に適用するMgOを主体とする焼純分離剤中に薬剤を配合
することによって、フォルステライト被膜の形成を抑制
する技術が、また特開平8−134542号公報には、Mnを含
有する素材に対しシリカ、アルミナを主体とする焼鈍分
離剤を適用することによって、フォルステライト被膜の
形成を抑制する技術が、それぞれ提案されている。しか
しながら、これらの方法では、フォルステライト被膜の
悪影響は排除できるものの、結晶粒径が粗大であること
による加工性の劣化については改善は望み得ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、従来
の技術では、EI型コアのような小型トランスの鉄心材
料として理想的な、磁気特性と加工性の両者を兼ね備え
る材料を提供することはできなかった。本発明は、上記
の実状に鑑み開発されたもので、加工性および磁気特性
に優れ、また経済的にも有利な、全く新しい方向性電磁
鋼板をその有利な製造方法と共に提案することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、先に、イン
ヒビタ成分を含有しない素材において、ゴス方位結晶粒
を二次再結晶により発達させる技術を提案した(特開20
00−129356号公報)が、本発明は、上記の技術を、EI
コア等の打抜き加工性を重視する小型電気機器に適用す
べく鋭意研究を重ねた末に、開発されたものである。
【0009】以下、本発明を成功に至らしめた実験につ
いて説明する。質量%で、C:0.0020%、Si:3.5 %お
よびMn:0.04%を含み、かつAlを20 ppm、Nを8ppm 、
その他の成分を 30ppm以下に低減し、しかもインヒビタ
成分を含まない組成になる鋼スラブを、連続鋳造にて製
造した。ついで、1150℃に加熱後、熱間圧延により 3.0
mm厚とした熱延板を、窒素雰囲気中にて 850℃で1分間
均熱したのち、急冷した。ついで、冷間圧延により0.35
mmの最終板厚としたのち、水素:50 vol%、窒素:50 v
ol%、露点:−30℃および水素:50 vol%、窒素:50 v
ol%、露点:50℃の二種類の雰囲気中にて 930℃で均熱
20秒の再結晶焼鈍を施した。その後、最終仕上焼鈍を施
した。この最終仕上焼鈍は、露点:−20℃の窒素雰囲気
中にて、常温から 875℃まで50℃/hの速度で昇温し、50
時間保定したのち、さらに水素雰囲気に切り替えて20℃
/hの速度で種々の温度まで昇温した。ついで、最終仕上
焼鈍終了後、重クロム酸アルミニウム、アクリル樹脂エ
マルジョンおよびほう酸よりなる有機系コーティング
(膜厚:1μm )を施した。かくして得られた製品板を
用いてEI型コアを作製し、その鉄損 (W15/50)を測定
した。また、比較のため、同じ板厚の市販の方向性電磁
鋼板を用いて作製したEI型コアについても、同様の調
査を行った。
【0010】図2に、最終仕上焼鈍到達温度と磁気特性
との関係について調べた結果を示す。なお、市販の方向
性電磁鋼板の最終仕上焼鈍到達温度は不明であるが、比
較のため同図中に併せて示す。同図に示したように、再
結晶焼鈍を露点:−30℃の乾燥雰囲気中で行った場合に
は、最終仕上焼鈍の到達温度が 875〜950 ℃の範囲で特
に良好な鉄損が得られ、1000℃を超えると劣化すること
が判明した。しかしながら、劣化した場合でも市販の方
向性電磁鋼板に比べると良好な鉄損を示していた。これ
に対し、再結晶焼鈍を露点:50℃の湿潤雰囲気中で行っ
た場合には、乾燥雰囲気中で行った場合に比べると鉄損
が劣っており、市販の方向性電磁鋼板に近い鉄損しか得
られなかった。
【0011】次に、再結晶焼鈍を乾燥雰囲気中で行った
場合に良好な鉄損が得られた理由を解明するために、結
晶組織の調査を行った。図3に、最終仕上焼鈍後の結晶
組織を示す。同図によれば、数cmもの粗大な二次再結晶
粒内部に、粒径が0.15〜0.50mm程度の微細結晶粒が散在
していることが分かる。また、断面組織を調べたとこ
ろ、これらの微細結晶粒は板厚を貫通していることが判
った。このように、粒径:0.15〜0.50mmの微細結晶粒の
存在頻度とEIコアの鉄損との間に強い相関があること
が判明した。
【0012】そこで、次に、最終仕上焼鈍の到達温度と
微細粒の存在頻度との関係について調べた結果を図4に
示す。なお、微細粒の存在頻度は鋼板表面の3cm角の領
域内での粒径(円相当径)が0.15〜0.50mmの微細結晶粒
の数を計測して求めた。同図によれば、到達温度が高く
なるほど微細粒が減少することが分かる。
【0013】また、図5に、微細粒の存在頻度とEIコ
アの鉄損との関係について調べた結果を示す。同図に示
されるとおり、微細結晶粒の頻度が2個/cm2 以上、よ
り好ましくは50個/cm2 以上になると、良好な鉄損が得
られることが新たに究明された。
【0014】次に、打抜き性を評価するために、25トン
プレス機にて、17mm角(材質:SKD−11)、打抜き速
度:350 ストローク/分、クリアランス:6%板厚の条
件で、市販の打抜き油を使用し、カエリ高さが50μm に
達するまで連続打抜きを行った。表1に、仕上焼鈍到達
温度と打抜き回数との関係について調べた結果を示す。
【0015】
【表1】
【0016】同表に示したとおり、再結晶焼鈍を乾燥雰
囲気中で行った場合が最も良好な打抜き性を示し、再結
晶焼鈍を湿潤雰囲気中で行った場合はそれよりも劣り、
特にフォルステライト被膜を有する市販の方向性電磁鋼
板では大きく劣っていた。また、再結晶焼鈍を乾燥雰囲
気中で行った場合には、特に到達温度が1000℃以下で良
好な打抜き回数を示し、到達温度が高くなるほど劣化す
る傾向が認められた。
【0017】市販の方向性電磁鋼板にはフォルステライ
トを主体とする下地被膜が存在し、また再結晶焼鈍を湿
潤雰囲気中で行った場合にはシリカを主体とする内部酸
化層が形成さるため、当然打抜き性は劣化するが、再結
晶焼鈍を乾燥雰囲気中で行った場合にも、打抜き回数の
到達温度依存性が認められた。
【0018】そこで、この理由を解明するために検討を
行ったところ、仕上焼鈍後の鋼中窒素量が打抜き性に及
ぼす影響が大きいことが明らかとなった。調査の結果、
鋼中窒素量は 875℃の保定中に増加し、昇温時 950℃以
上では脱窒が進行し窒素量が減少することが判明した。
図6に、鋼中N量と打抜き回数との関係を示すが、鋼中
N量が 10ppm以上になると打抜き性が著しく改善される
ことが注目される。
【0019】以上述べたように、再結晶焼鈍を乾燥雰囲
気中で行うことによって、下地被膜や内部酸化層等の表
面酸化物を排除すると共に、最終仕上焼鈍における到達
温度を1000℃以下に抑えて微細結晶粒を残存させること
によって鉄損を効果的に改善することができ、またフォ
ルステライト(Mg2SiO4)を主体とする下地被膜(グラス
被膜)を形成せず、さらに鋼中にNを 10ppm以上含有さ
せることによって、打抜き性を格段に向上させることが
できたのである。本発明は、上記の知見に立脚するもの
である。
【0020】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.質量%で、Si:2.0 〜8.0 %およびN:10〜100 pp
m を含有する組成になる方向性電磁鋼板であって、二次
再結晶粒の内部に粒径が0.15mm以上、0.50mm以下の微細
結晶粒を2個/cm2 以上の頻度で含み、かつフォルステ
ライト(Mg2SiO4)を主体とする下地被膜を有しないこと
を特徴とする、鉄損および打抜き加工性の良好な方向性
電磁鋼板。
【0021】2.上記1において、鋼板が、質量%で、
さらに、Ni:0.005 〜1.50%、Sn:0.01〜1.50%、Sb:
0.005 〜0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.005 〜0.50
%およびCr:0.01〜1.50%のうちから選んだ少なくとも
1種または2種以上を含有する組成になることを特徴と
する、鉄損および打抜き加工性の良好な方向性電磁鋼
板。
【0022】3.質量%で、C:0.08%以下、Si:2.0
〜8.0 %およびMn:0.005 〜3.0 %を含み、かつAlを 1
00 ppm以下、Nを 50ppm以下に低減した組成になる鋼ス
ラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施した
のち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を
施し、ついで露点:40℃以下の低酸化性または非酸化性
雰囲気中にて再結晶焼鈍を行い、その後必要に応じて焼
純分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を窒素を含有す
る露点:40℃以下の低酸化性または非酸化性雰囲気中に
て1000℃以下の温度で行うことを特徴とする、鉄損およ
び打抜き加工性の良好な方向性電磁鋼板の製造方法。
【0023】4.上記3において、鋼スラブが、質量%
で、さらに、Ni:0.005 〜1.50%、Sn:0.01〜1.50%、
Sb:0.005 〜0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.005 〜
0.50%およびCr:0.01〜1.50%のうちから選んだ少なく
とも1種または2種以上を含有する組成になることを特
徴とする、鉄損および打抜き加工性の良好な方向性電磁
鋼板の製造方法。
【0024】
【作用】本発明に従い、再結晶焼純を露点が40℃以下の
低酸化性または非酸化性雰囲気中で行うことによって、
フォルステライト被膜や下地被膜等の表面酸化物を排除
し、また最終仕上焼鈍における到達温度を1000℃以下に
抑えることによって微細結晶粒を残存させることが、鉄
損の低減に有効に寄与する理由については必ずしも明ら
かではないが、本発明者らは次のように考えている。ま
ず、再結晶焼純および最終仕上焼鈍を低酸化性または非
酸化性雰囲気中で行い、表面酸化物の形成を排除するこ
とは、磁気的に平滑な表面を保ち、磁壁の移動を容易に
して、ヒステリシス損失を低減させるものと考えられ
る。さらに、二次再結晶粒の内部の微細結晶粒の存在
は、磁区を細分化して渦電流損失を低減するものと考え
られる。通常のインヒビタを用いる技術では、1000℃を
超える高温焼鈍でインヒビタ成分(S, Se, N等)を純
化しなければ低鉄損が得られないが、本発明のようにイ
ンヒビタを使用しない方法では、純化を行わなくとも二
次再結晶が完了すれば低鉄損が得られるため、仕上焼鈍
における到達温度を低めに抑え、微細粒を残存させる方
法が有効に作用するものと考えられる。
【0025】また、本発明において、インヒビタ成分を
含まない鋼において二次再結晶が発現する理由は、以下
のように考えている。発明者らは、ゴス方位粒が二次再
結晶する理由について鋭意研究を重ねた結果、一次再結
晶組織における方位差角が20〜45°である粒界が重要な
役割を果たしていることを見出し、Acta Materia1 45巻
(1997)1285ページに報告した。方向性電磁鋼板の二次
再結晶直前の状態である一次再結晶組織を解析し、様々
な結晶方位を持つ各々の結晶粒周囲の粒界について、粒
界方位差角が20〜45°である粒界の全体に対する割合
(%)を調査した結果を図7に示す。図7において、結
晶方位空間はオイラー角(Φ1 、Φ、Φ2 )のΦ2 =45
°断面を用いて表示しており、ゴス方位など主な方位を
模式的に表示してある。
【0026】図7は、方向性電磁鋼板の一次再結晶組織
における方位差角が20〜45°である粒界の存在頻度を示
したものであるが、ゴス方位が最も高い頻度を持つ。方
位差角:20〜45°の粒界は、C.G.Dunnらによる実験デー
タ(AIME Transaction 188巻(1949) P.368 )によれ
ば、高エネルギー粒界である。高エネルギー粒界は、粒
界内の自由空間が大きく乱雑な構造をしている。粒界拡
散は、粒界を通じて原子が移動する過程であるので、粒
界中の自由空間の大きい高エネルギー粒界の方が粒界拡
散が速い。二次再結晶は、インヒビタと呼ばれる析出物
の拡散律速による成長・粗大化に伴って発現することが
知られている。高エネルギー粒界上の析出物は、仕上焼
鈍中に優先的に粗大化が進行するので、ゴス方位となる
粒の粒界が優先的にピン止めがはずれて、粒界移動を開
始しゴス方位粒が成長すると考えられる。
【0027】発明者らは、上記の研究をさらに発展させ
て、二次再結晶におけるゴス方位粒の優先的成長の本質
的要因は、一次再結晶組織中の高エネルギー粒界の分布
状態にあり、インヒビタの役割は、高エネルギー粒界で
あるゴス方位粒の粒界と他の粒界との移動速度差を生じ
させることにあることを突き止めた。従って、この理論
に従えば、インヒビタを用いなくとも、粒界の移動速度
差を生じさせることができれば、ゴス方位に二次再結晶
させることが可能となる。
【0028】鋼中に存在する不純物元素は、粒界とくに
高エネルギー粒界に偏析し易いため、不純物元素を多く
含む場合には、高エネルギー粒界と他の粒界の移動速度
に差がなくなっているものと考えられる。従って、素材
の高純度化によって、上記のような不純物元素の影響を
排除することにより、高エネルギー粒界の構造に依存す
る本来的な移動速度差が顕在化して、ゴス方位に二次再
結晶させることが可能になる。
【0029】また、本発明に従い、鋼中N量を 10ppm以
上とすることによって打抜き性が著しく改善される理由
については、侵入型固溶元素である微量固溶窒素の影響
が考えられる。また、Nの残存により増加すると考えら
れる前述の二次再結晶粒内に散在する微細結晶粒の存在
自体が打抜性の改善に寄与している可能性もある。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の構成用件の限定理
由について述べる。まず、本発明の電磁鋼板の成分とし
ては、質量%でSi:2 %〜8.0 %を含有する必要があ
る。というのは、Siが2%に満たないと十分な鉄損改善
効果が得られず、一方8%を超えると加工性が劣化する
からである。また、加工性を確保するためには、Nを 1
0ppm以上含有させる必要がある。しかしながら、100 pp
m を超えると析出物の影響で鉄損が劣化するので、Nは
10〜100 ppm の範囲に制限する必要がある。
【0031】また、本発明の鋼板では、二次再結晶粒の
内部に粒径が0.15mm以上、0.50mm以下の微細結晶粒を2
個/cm2 以上、好ましくは50個/cm2 以上の頻度で含有
させることが、鉄損低減のために必要である。ここに、
微細粒の粒径が0.15mm未満の場合あるいは0.50mm以上の
場合には、磁区の細分化効果が小さく鉄損低減に寄与し
ないので、粒径が0.15〜0.50mmの範囲の微細結晶粒の存
在頻度に着目するが、かかる微細結晶粒の存在頻度が2
個/cm 2 に満たないと、磁区細分化効果が減少して十分
な鉄損の改善が望めない。なお、かかる微細結晶粒の存
在頻度の上限は特に限定されることはないが、あまりに
多すぎると磁束密度が低下するので、上限は1000個/cm
2 程度とするのが好ましい。
【0032】さらに、良好な打抜き性を確保するために
は、鋼板表面にはフォルステライト(Mg2SiO4) を主体と
した下地被膜を生成させないことが大前提である。
【0033】次に、本発明の電磁鋼板を製造する際の素
材スラブ成分の限定理由をについて説明する。なお、以
下に示す成分組成の%表示は「質量%」である。 C:0.08%以下 素材段階でC量が0.08%を超えていると、脱炭焼鈍を施
してもCを磁気時効が起こらない 50ppm以下まで低減す
ることが困難になるので、C量は0.08%以下に制限して
おく必要がある。特に、素材段階で 60ppm以下に低減し
ておくことが、再結晶焼鈍を乾燥雰囲気中で行い脱炭を
省略して平滑な製品表面を得る上で望ましい。
【0034】Mn:0.005 〜3.0 % Mnは、熱間加工性を良好にするために必要な元素である
が、0.005 %に満たないその添加効果に乏しく、一方
3.0%を超えると磁束密度が低下するので、Mn量は0.005
〜3.0 %とする。なお、Siは、製品板である電磁鋼板
について、上述したところと同じである。
【0035】Al:100 ppm 以下、N:50 ppm以下 Alは 100 ppm以下、またNは 50ppm以下好ましくは 30p
pm以下まで低減することが、良好に二次再結晶を発現さ
せる上で必要である。さらに、インヒビタ形成元素であ
るSやSeについても 50ppm以下、好ましくは30 ppm以下
に低減することが有利である。その他、窒化物形成元素
であるTi, Nb, B, Ta, V等についても、それぞれ50pp
m 以下に低減することが鉄損の劣化を防ぎ、加工性を確
保する上で有効である。
【0036】以上、必須成分および抑制成分について説
明したが、本発明では、その他にも以下に述べる元素を
適宜含有させることができる。すなわち、熱延板組織を
改善して磁気特性を向上させる目的で、Niを添加するこ
とができる。しかしながら、添加量が 0.005%未満では
磁気特性の向上量が小さく、一方1.50%を超えると二次
再結晶が不安定になり磁気特性が劣化するので、Ni添加
量は 0.005〜1.50%とすることが好ましい。また、鉄損
を向上させる目的で、Sn:0.01〜1.50%、Sb:0.005 〜
0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.005 〜0.50%および
Cr:0.01〜1.5 %等を単独または複合して添加すること
ができる。しかしながら、それぞれの添加量が下限に満
たないと鉄損向上効果が小さく、一方上限を超えると二
次再結晶粒の発達が抑制されるので、いずれも上記の範
囲で添加する必要がある。
【0037】次に、本発明の製造方法について説明す
る。上記の好適成分組成に調整した溶鋼から、通常、造
塊法や連続鋳造法を用いてスラブを製造する。また、直
接鋳造法を用いて 100mm以下の厚さの薄鋳片を直接製造
してもよい。スラブは、通常の方法で加熱して熱間圧延
するが、鋳造後、加熱せずに直ちに熱延に供してもよ
い。また、薄鋳片の場合には、熱間圧延を行っても良い
し、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進めても
よい。
【0038】ついで、必要に応じて熱延板焼鈍を施す
が、ゴス組織を製品板において高度に発達させるために
は、熱延板焼鈍温度は 800℃以上,1050℃以下とするの
が好適である。というのは、熱延板焼鈍温度が 800℃未
満では熱延でのバンド組織が残留し、一方1050℃を超え
ると熱延板焼鈍後の粒径が粗大化しすぎて、いずれも製
品板のゴス組織の発達が低下し、ひいては磁束密度の低
下を招くからである。
【0039】熱延板焼鈍後、必要に応じて中間焼鈍を挟
む1回以上の冷延を施したのち、再結晶焼鈍を行い、C
を磁気時効の起こらない 50ppm以下、好ましくは 30ppm
以下に低減する。なお、冷間圧延に際しては、圧延温度
を 100〜250 ℃に上昇させて行うこと、および冷間圧延
途中で 100〜250 ℃の範囲での時効処理を1回または複
数回行うことが、ゴス組織を発達させる点で有効であ
る。
【0040】また、最終冷延後の再結晶焼鈍は 800〜10
00℃の範囲で行うことが好適である。さらに、再結晶焼
鈍の雰囲気は露点:40℃以下好ましくは0℃以下の低酸
化性または非酸化性雰囲気を使用して、表面酸化物の生
成を極力抑制することが平滑な表面を保ち、良好な鉄損
を得る上で最も肝要な点である。なお、上記の最終冷間
圧延後あるいは再結晶焼鈍後に、浸珪法によってにSi量
を増加させる技術を併用してもよい。
【0041】その後、必要に応じて焼純分離剤を適用す
るが、その際にはフォルステライトを形成するMgOは使
用せず、シリカ、アルミナ等を用いる。また、塗布に際
しても、水分を持ち込まず酸化物生成を抑制する目的で
静電塗布を行うことなどが有効である。
【0042】ついで、最終仕上焼鈍を施すことにより二
次再結晶組織を発達させる。この際、最終仕上焼鈍の雰
囲気としては、窒素を含有させることが、二次再結晶を
発現させ、かつ10 ppm以上の固溶窒素を確保する上で有
効である。また、酸化物生成を抑制するために、露点:
40℃以下好ましくは0℃以下の低酸化性または非酸化性
雰囲気を用いる。というのは、露点が40℃を超えると表
面酸化物の生成量が多すぎて鉄損が劣化するだけでな
く、打抜き性も大きく劣化するからである。さらに、最
終仕上焼鈍は二次再結晶発現のために 800℃以上で行う
必要があるが、800 ℃までの加熱速度は、磁気特性に大
きな影響を与えないので任意の条件でよい。最高到達温
度は1000℃以下、好ましくは 950℃以下とすることが、
二次再結晶粒内部に円相当径で粒径が0.15mm以上、0.50
mm以下の微細結晶粒を2個/cm2 以上好ましくは50個/
cm2 以上の頻度で形成させて鉄損を低下させるために必
要である。
【0043】なお、鋼板を積層して使用する場合には、
鉄損を改善するために、鋼板表面に絶縁コーティングを
施すことが有効である。良好な打抜き性を確保するため
に樹脂を含有する有機系コーティングが望ましいが、溶
接性を重視する場合には無機系コーティングを適用す
る。
【0044】
【実施例】実施例1 C:0.002 %, Si:3.4 %, Mn:0.07%およびSb:0.03
%を含み、かつAl:30ppm 、N:9ppm に低減し、その
他の成分も全て 50ppm以下に低減した組成になる鋼スラ
ブを、連続鋳造にて製造した。ついで、1100℃で20分加
熱後、熱間圧延により2.6 mm厚とした熱延板に対し、 8
00℃で60秒均熱する条件で熱延板焼鈍を行った。その
後、150 ℃の温度の冷間圧延にて0.30mmの最終板厚に仕
上げた。ついで、水素:75 vol%、窒素:25 vol%で、
かつ表2に示す種々の露点になる雰囲気中にて 930℃,
均熱10秒の再結晶焼鈍を行った。その後、窒素:50 vol
%、Ar:50 vol%の混合雰囲気中にて 800℃までを50℃
/hの速度で昇温し、800℃以上を10℃/hの速度で 900℃
まで昇温し、この温度に30時間保持する条件で最終仕上
焼鈍を行った。なお、最終仕上焼鈍後の鋼中N量は 33p
pmであった。その後、重クロム酸アルミニウム、エマル
ジョン樹脂およびエチレングリコールを混合したコーテ
ィング液を塗布し 300℃で焼き付けて製品とした。
【0045】かくして得られた製品板を用い、打抜き加
工にてEI型コアを作製し、その鉄損 (W13/50)を測定
した。また、製品板における粒径:0.05〜0.50mmの微細
結晶粒の存在頻度を、鋼板表面の3cm角の領域内での微
細結晶粒の数を計測することにより求めた。さらに、打
抜き性を評価するために、25トンプレス機にて、17mm角
(材質:SKD−11)、打抜き速度:350 ストローク/
分、クリアランス:6%板厚の条件で、市販の打抜き油
を使用し、カエリ高さが50μm に達するまで連続打抜き
を行った。得られた結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示したとおり、再結晶焼鈍雰囲気の
露点が40℃以下、特に0℃以下の場合に、打抜き性およ
び鉄損がともに良好な製品が得られている。
【0048】実施例2 C:0.003 %、Si:3.3 %、Mn:0.52%およびCu:0.08
%を含み、かつAl:50ppm 、N:12 ppmに低減し、その
他の成分も全て 50ppm以下に低減した組成になる鋼スラ
ブを、連続鋳造にて製造した。ついで、1200℃で20分加
熱後、熱間圧延により 2.2mm厚としたのち、 900℃, 20
秒の熱延板焼鈍を施した。その後、常温にて1回目の冷
間圧延を行い 1.5mm厚にとしたのち、 950℃, 30秒の中
間焼鈍後、常温での2回目の冷間圧延により、途中板
厚:0.90mmの時に 200℃, 5時間の時効処理を挟んで0.
27mmの最終板厚に仕上げた。ついで、水素:75 vol%、
窒素:25 vol%、かつ露点:−40℃の雰囲気中にて900
℃, 均熱30秒の再結晶焼鈍を行った。その後、表3に示
す焼鈍雰囲気中にて、常温から 900℃まで30℃/hの速度
で昇温し、この温度に50時間保持する条件で最終仕上焼
鈍を行った。その後、重クロム酸アルミニウム、エマル
ジョン樹脂およびエチレングリコールを混合したコーテ
ィング液を塗布し 300℃で焼き付けて製品とした。
【0049】得られた製品板を用い、打抜き加工にてE
I型コアを作製した時の鉄損(W17 /50)、製品板におけ
る粒径:0.15〜0.50mmの微細結晶粒の存在頻度およびカ
エリ高さが50μm に連するまで連続打抜き回数につい
て、実施例1と同様の方法で調べた結果を、表3に併記
する。
【0050】
【表3】
【0051】同表に示したとおり、雰囲気の露点が40℃
以下で、かつ鋼中Nを 10ppm以上とすることによって、
打抜き性と鉄損がともに良好な製品が得られている。
【0052】実施例3 表4に示す成分組成になる鋼スラブを、1160℃に加熱
後、熱間圧延により 3.2mm厚の熱延板とした。なお、表
4に示されない成分に関しては全て 50ppm以下に低減し
た。ついで、熱延板焼鈍を1000℃, 均熱60秒の条件で行
った。その後、冷間圧延により0.50mmの最終板厚に仕上
げた。ついで、水素:75 vol%、窒素:25 vol%、かつ
露点:−35℃の雰囲気中にて 980℃, 均熱20秒の再結晶
焼鈍を行った。ついで、850 ℃まで10℃/hの速度で昇温
し、この温度に75時間保持する最終仕上焼鈍を、露点:
−40℃の窒素雰囲気中にて行った。その後、重クロム酸
アルミニウム、アクリル樹脂エマルジョンおよびほう酸
を混合したコーティング液を塗布し 300℃で焼き付けて
製品とした。
【0053】得られた製品板を用い、打抜き加工にてE
I型コアを作製した時の鉄損(W15 /50)、製品板におけ
る粒径:0.15〜0.50mmの微細結晶粒の存在頻度およびカ
エリ高さが50μm に連するまで連続打抜き回数につい
て、実施例1と同様の方法で調べた結果を、表4に併記
する。
【0054】
【表4】
【0055】表4によれば、C:0.003 〜0.08%、Si:
2.0 〜8.0 %、Al:100ppm以下、N:50ppm 以下を満足
する成分系のスラブを用いることにより、良好な打抜き
性を有し、かつ鉄損が優れた製品が得られている。な
お、このような製品は、鋼中に 10ppm以上の窒素を含有
し、二次再結晶粒の内部に円相当径で粒径が0.15mm以
上、0.50mm以下の微細結晶粒を2個/cm2 以上含有して
いた。
【0056】以上、実施例では、コアとしてEI型コア
を使用した場合について主に説明したが、本発明鋼板の
用途はEI型コアに限定されるものではなく、加工性を
重視する方向性電磁鋼板の用途すべてに適用できること
はいうまでもない。
【0057】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、インヒビタ
を含有しない高純度成分の素材を用いて、打抜き性に優
れ、かつ鉄損が良好な方向性電磁鋼板を安定して得るこ
とができる。また、この発明では、素材中にインヒビタ
成分を含有しないので、スラブの高温加熱や脱炭焼鈍、
高温純化焼鈍などを施す必要がないので、低コストにて
大量生産可能であるという大きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 小型トランスしとて代表的なEI型コアの形
状を示した図である。
【図2】 最終仕上焼鈍到達温度と磁気特性との関係を
示したグラフである。
【図3】 最終仕上焼鈍後の電磁鋼板の結晶組織を示し
た写真である。
【図4】 最終仕上焼鈍の到達温度と微細粒の存在頻度
との関係を示したグラフである。
【図5】 微細粒の存在頻度とEIコアの鉄損との関係
を示したグラフである。
【図6】 鋼中N量と打抜き回数との関係を示したグラ
フである。
【図7】 方向性電磁鋼板の一次再結晶組織における方
位差角が20〜45°である粒界の存在頻度を示した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/16 H01F 1/16 B (72)発明者 黒沢 光正 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4K033 AA02 CA01 CA02 CA03 CA07 CA08 DA01 FA12 FA13 HA01 HA03 JA04 MA02 MA03 RA04 SA02 SA03 TA01 5E041 AA02 AA19 CA02 CA04 HB11 NN01 NN06 NN18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、Si:2.0 〜8.0 %およびN:
    10〜100 ppm を含有する組成になる方向性電磁鋼板であ
    って、二次再結晶粒の内部に粒径が0.15mm以上、0.50mm
    以下の微細結晶粒を2個/cm2 以上の頻度で含み、かつ
    フォルステライト(Mg2SiO4) を主体とする下地被膜を有
    しないことを特徴とする、鉄損および打抜き加工性の良
    好な方向性電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、鋼板が、質量%で、
    さらに、Ni:0.005 〜1.50%、Sn:0.01〜1.50%、Sb:
    0.005 〜0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.005〜0.50
    %およびCr:0.01〜1.50%のうちから選んだ少なくとも
    1種または2種以上を含有する組成になることを特徴と
    する、鉄損および打抜き加工性の良好な方向性電磁鋼
    板。
  3. 【請求項3】 質量%で、C:0.08%以下、Si:2.0 〜
    8.0 %およびMn:0.005〜3.0 %を含み、かつAlを 100
    ppm以下、Nを 50ppm以下に低減した組成になる鋼スラ
    ブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したの
    ち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施
    し、ついで露点:40℃以下の低酸化性または非酸化性雰
    囲気中にて再結晶焼鈍を行い、その後必要に応じて焼純
    分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を窒素を含有する
    露点:40℃以下の低酸化性または非酸化性雰囲気中にて
    1000℃以下の温度で行うことを特徴とする、鉄損および
    打抜き加工性の良好な方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、鋼スラブが、質量%
    で、さらに、Ni:0.005〜1.50%、Sn:0.01〜1.50%、S
    b:0.005 〜0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.005 〜
    0.50%およびCr:0.01〜1.50%のうちから選んだ少なく
    とも1種または2種以上を含有する組成になることを特
    徴とする、鉄損および打抜き加工性の良好な方向性電磁
    鋼板の製造方法。
JP2001011409A 2001-01-19 2001-01-19 Eiコア用の方向性電磁鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP3997712B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001011409A JP3997712B2 (ja) 2001-01-19 2001-01-19 Eiコア用の方向性電磁鋼板の製造方法
EP02715785A EP1273673B1 (en) 2001-01-19 2002-01-17 Grain oriented electromagnetic steel sheet having excellent magnetic properties without undercoating mainly composed of forsterite and method of producing the steel sheet.
PCT/JP2002/000291 WO2002057503A1 (fr) 2001-01-19 2002-01-17 Feuille d'acier magnetique a grains orientes exempte de couche de fond contenant de la forsterite en tant que constituant primaire et dotee de bonnes caracteristiques magnetiques
DE60231581T DE60231581D1 (de) 2001-01-19 2002-01-17 Korngerichtetes elektomagnetisches stahlblech mit hervorragenden magnetischen eigenschaften ohne untergrundfilm mit forsterit als primärkomponente und herstellungsverfahren dafür.
KR1020027012307A KR100837129B1 (ko) 2001-01-19 2002-01-17 포스테라이트를 주체로 하는 하지피막을 갖지 않는,자기특성이 양호한 방향성 전자강판과 그 제조방법
US10/312,663 US6942740B2 (en) 2001-01-19 2002-01-17 Grain-oriented magnetic steel sheet having no undercoat film comprising forsterite as primary component and having good magnetic characteristics
CNB028007476A CN1196801C (zh) 2001-01-19 2002-01-17 没有以镁橄榄石为主体的底膜而且其磁特性良好的方向性电磁钢板及其制法
TW091100786A TW589385B (en) 2001-01-19 2002-01-18 Grain-oriented electromagnetic steel sheet having excellent magnetic property without forming therein a base coating film mainly comprising forsterite and its manufacturing method
US11/145,705 US7371291B2 (en) 2001-01-19 2005-06-06 Grain-oriented magnetic steel sheet having no undercoat film comprising forsterite as primary component and having good magnetic characteristics

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001011409A JP3997712B2 (ja) 2001-01-19 2001-01-19 Eiコア用の方向性電磁鋼板の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007152071A Division JP4692518B2 (ja) 2007-06-07 2007-06-07 Eiコア用の方向性電磁鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002212687A true JP2002212687A (ja) 2002-07-31
JP3997712B2 JP3997712B2 (ja) 2007-10-24

Family

ID=18878551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001011409A Expired - Fee Related JP3997712B2 (ja) 2001-01-19 2001-01-19 Eiコア用の方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3997712B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004115858A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2004225154A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Jfe Steel Kk 方向性電磁鋼板
JP2004225153A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Jfe Steel Kk 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2004225151A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Jfe Steel Kk 下地被膜を有しない、打ち抜き加工性の良好な方向性電磁鋼板の製造方法
JP2004292833A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Jfe Steel Kk 下地被膜を有しない、打ち抜き加工性の良好な方向性電磁鋼板の製造方法
WO2011105054A1 (ja) * 2010-02-24 2011-09-01 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法
JP5149894B2 (ja) * 2007-03-30 2013-02-20 富士通株式会社 金属間の超音波接合のシミュレーション方法、シミュレーション・プログラム、および、シミュレーション装置
WO2019131974A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板
WO2020158893A1 (ja) * 2019-01-31 2020-08-06 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板およびそれを用いた鉄心

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004115858A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP2004225154A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Jfe Steel Kk 方向性電磁鋼板
JP2004225153A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Jfe Steel Kk 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2004225151A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Jfe Steel Kk 下地被膜を有しない、打ち抜き加工性の良好な方向性電磁鋼板の製造方法
JP4604449B2 (ja) * 2003-01-27 2011-01-05 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板
JP2004292833A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Jfe Steel Kk 下地被膜を有しない、打ち抜き加工性の良好な方向性電磁鋼板の製造方法
JP5149894B2 (ja) * 2007-03-30 2013-02-20 富士通株式会社 金属間の超音波接合のシミュレーション方法、シミュレーション・プログラム、および、シミュレーション装置
JP2011174138A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Jfe Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
WO2011105054A1 (ja) * 2010-02-24 2011-09-01 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法
US9574249B2 (en) 2010-02-24 2017-02-21 Jfe Steel Corporation Method for manufacturing grain oriented electrical steel sheet
WO2019131974A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板
JPWO2019131974A1 (ja) * 2017-12-28 2019-12-26 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板
US11525174B2 (en) 2017-12-28 2022-12-13 Jfe Steel Corporation Grain-oriented electrical steel sheet
WO2020158893A1 (ja) * 2019-01-31 2020-08-06 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板およびそれを用いた鉄心
JPWO2020158893A1 (ja) * 2019-01-31 2021-02-18 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板およびそれを用いた鉄心
CN113366125A (zh) * 2019-01-31 2021-09-07 杰富意钢铁株式会社 方向性电磁钢板和使用该方向性电磁钢板的铁芯
CN113366125B (zh) * 2019-01-31 2023-01-20 杰富意钢铁株式会社 方向性电磁钢板和使用该方向性电磁钢板的铁芯
US11959149B2 (en) 2019-01-31 2024-04-16 Jfe Steel Corporation Grain-oriented electrical steel sheet and iron core using same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3997712B2 (ja) 2007-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100837129B1 (ko) 포스테라이트를 주체로 하는 하지피막을 갖지 않는,자기특성이 양호한 방향성 전자강판과 그 제조방법
WO2014129034A1 (ja) 磁気特性に優れるセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2012046806A (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2022545027A (ja) 600MPa級無方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP2001303214A (ja) 高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP4358550B2 (ja) 圧延方向とその板面内垂直方向磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2001158950A (ja) 小型電気機器用電磁鋼板およびその製造方法
JP3357578B2 (ja) 極めて鉄損の低い方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP2008150697A (ja) 電磁鋼板の製造方法
JP2002212687A (ja) 鉄損および打抜き加工性の良好な方向性電磁鋼板とその製造方法
JP3855554B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2003171718A (ja) 圧延面内での平均磁気特性に優れた電磁鋼板の製造方法
JP3956621B2 (ja) 方向性電磁鋼板
JP3357601B2 (ja) 極めて鉄損の低い方向性電磁鋼板とその製造方法
JP4123629B2 (ja) 電磁鋼板およびその製造方法
JP4692518B2 (ja) Eiコア用の方向性電磁鋼板
JP2004332071A (ja) 高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法
JP4224957B2 (ja) 下地被膜を有しない方向性電磁鋼板の製造方法
JP4810777B2 (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP3994667B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP3928275B2 (ja) 電磁鋼板
JP4123744B2 (ja) 下地被膜を有しない方向性電磁鋼板の製造方法
JP4259002B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2005068525A (ja) 鉄損が低くかつ磁束密度の高い方向性電磁鋼板の製造方法
JP4306259B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070123

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070326

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070326

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070607

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3997712

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100817

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110817

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120817

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120817

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130817

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees