JP2002212517A - 接着材シート、接着材付き耐熱性フィルム、接着材付き金属箔からなることを特徴とする金属張積層板、プリント配線板 - Google Patents

接着材シート、接着材付き耐熱性フィルム、接着材付き金属箔からなることを特徴とする金属張積層板、プリント配線板

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JP2002212517A
JP2002212517A JP2001005253A JP2001005253A JP2002212517A JP 2002212517 A JP2002212517 A JP 2002212517A JP 2001005253 A JP2001005253 A JP 2001005253A JP 2001005253 A JP2001005253 A JP 2001005253A JP 2002212517 A JP2002212517 A JP 2002212517A
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敏之 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐熱性、低温での接着性、作業性
に優れた接着材シートおよびこれを用いてなるプリント
配線板用材料に関する。 【解決手段】 軟化温度がTa℃であるポリイミド系樹
脂(A)と軟化温度がTb℃である反応性化合物(B)とを
含有し、溶剤を除去した硬化前の組成物の軟化温度をX
℃、組成物中のポリイミド系樹脂(A)の含有率をYa%、反
応性化合物(B)の含有率をYb%としたとき、α=(Ta-X)
*(Ya+Yb)/[(Ta-Tb)*Yb]のαが0.5〜1.6である硬化性組
成物からなる接着材シート及び該シートからなる接着層
からなる耐熱性フィルム、金属箔及び金属張積層板及
び、該金属箔及び金属張積層板を回路加工して得られる
プリント配線板を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、低温での
接着性、作業性に優れた接着材シートおよびこれを用い
てなるプリント配線板用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等はその
耐熱性を活かしてさまざまな用途で使用されているが、
それらの樹脂の接着に際して幾つかの問題がある。その
一つとして、接着性と耐熱性の両立が挙げられる。実際
の接着の方法としては、要求される耐熱温度以上での熱
接着方式と、耐熱性の低い接着材を用いて圧着して接着
方式のいずれかとなる。前者の場合は強力な接着装置が
必要になり、後者の場合では接着材層の耐熱温度が使用
上限温度となるほかに、被接着材料と同等の寸法安定性
や応力緩和性が一致せず、加熱時の膨れ、剥がれ、クラ
ックの原因となり、各種信頼性低下等、耐熱性以外の面
での問題も生じる。これらの点より、接着時には軟化点
が低く、使用時には十分な耐熱性を有する、耐熱性と接
着性が両立された接着材の開発が望まれており、これら
の中で、使用にあたって溶剤を除去する必要の無い、上
記の接着剤をシート状に加工したものの要求が強くなっ
ている。上記の低温接着性と耐熱性の両立に関しての具
体的な方法が幾つか開示されている。例えば、耐熱性エ
ポキシ樹脂、マレイミド樹脂を用いるなどの方法がある
が、これらの樹脂はその硬化密度の高さから脆いため、
用途が限られている。ポリイミド系樹脂の低温接着性を
付与する方法についての検討としては、特開昭63- 9928
0に開示されている。特定の構造を有するポリエーテル
イミドとエポキシを組み合わせることで、ある程度は低
温接着性を付与できるとの記述があるが、明細書による
とエポキシ添加量20%の場合での接着温度は150℃、接着
時間が数分の場合では200℃程度の加熱を必要とし、こ
れらの結果からは十分な低温接着性とは言い難い。ま
た、実施例に示されているビスフェノール型エポキシ樹
脂では、硬化後の耐熱性が低下するため、低温接着性に
ついては改善されているが耐熱性は十分ではなく、逆
に、耐熱性の高さが失われるということになる。また、
特開平11-131041においては、200℃以下の温度で熱圧着
可能な接着材が開示されているが、低温接着性付与の方
法は開示されていない。例えば、そこでのエポキシ樹脂
の要件としては、ポリイミド樹脂の溶剤に対して溶解性
の良いものとしか書かれておらず、また、ポリイミド樹
脂についても実際にはポリジメチルシロキサンを共重合
したTgの低いポリイミドであり、低温接着性の付与と高
耐熱性の両立に関しては何の技術的な開示もなされてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上述の耐熱
性と接着性の両方を兼ね備えた接着材シートを提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、軟化温度
がTa℃であるポリイミド系樹脂(A)と軟化温度がTb
である反応性化合物(B)とを含有し、溶剤を除去した
硬化前の組成物の軟化温度をX℃、組成物中のポリイミ
ド系樹脂(A)の含有率をYa%、反応性化合物(B)の含有
率をYb%としたとき、α=(Ta-X)*(Ya+Yb)/[(Ta-Tb)*Yb]
のαが0.5〜1.6である硬化性組成物からなる、接着材シ
ートである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における接着シートは、耐
熱性樹脂であるポリイミド系樹脂を反応性化合物により
可塑化されて得られるものであり、該樹脂の本来の軟化
点以下の温度での熱接着が可能であることを特徴とす
る。接着後、該組成物を所定の硬化温度に昇温すること
により反応性化合物は高分子量化し、これにより、反応
性化合物のポリイミド系樹脂に対する可塑剤としての効
果は失われ、代わりに組成物全体を硬化する機能を発現
することになる。以上のような機構により使用時の耐熱
性と作業時の接着性の両立が可能になり、かつ、耐溶剤
性や寸法安定性にも優れることを見い出し、本発明に到
達した。以下に各項について説明する。
【0006】(ポリイミド系樹脂)本発明におけるポリ
イミド系樹脂は樹脂骨格に繰り返し単位としてイミド環
を有する樹脂を指し、ポリイミドの他に、ポリアミドイ
ミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド等が例
示できる。
【0007】本発明のポリイミド系樹脂は、イソシアネ
ート法または酸クロライド法等の通常の方法で酸成分と
アミン成分とを反応させて製造することができる。イソ
シアネート法の場合、用いることができる有機溶剤は例
えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセト
アミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメト
キシアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ヘキサメ
チルホスファミド等のアミド系有機溶剤、N-メチルカプ
ロラクタム等のラクタム系有機溶剤、1,3-ジメチル-2-
イミダゾリジノン、テトラメチル尿素等の尿素系有機溶
剤、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ビス(2-メトキシエチ
ル)エタン、ビス[2-(2-メトキシエトキシ)エタン]
等の炭化水素系有機溶剤、ビス(2-メトキシエチル)エ
ーテル、ビス[2-(2-メトキシエトキシ)エチル]エー
テル、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、ジグライム等のエーテル系有機溶剤、γ-ブチ
ロラクトン等のエステル系有機溶剤、ピリジン、ピコリ
ン等のピリジン系有機溶剤、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルスルホン、スルホラン等の硫黄系有機溶剤、ニト
ロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ系
有機溶剤、アセトニトリル等のニトリル系有機溶剤等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない、ま
た、上記有機溶剤は単独でもあるいは2種以上の混合系
でも用いることができる。
【0008】反応温度は通常50〜200℃が好ましい。ま
た、反応は無触媒でも行えるが、イソシアネートと活性
水素化合物の反応に対する触媒、例えば、3級アミン
類、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、あ
るいはコバルト、チタニウム、錫、亜鉛等の金属、半金
属化合物等の存在下に行っても良い。
【0009】ポリイミド系樹脂のうち、ポリアミドイミ
ド、ポリエステルイミドを得るに際しては、酸成分とし
て、無水ピロメリット酸等のテトラカルボン酸とジカル
ボン酸の組み合わせ等においても得ることが可能である
が、溶剤溶解性等の面で、トリメリット酸を用いること
が望ましい。
【0010】本発明で用いることができるカルボン酸成
分としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、ベンゼン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、ビフ
ェニルテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン
酸、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸、エチレング
リコールビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレ
ングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、3,
3',4,4'-オキシジフタル酸、テトラブタンカルボン酸等
のテトラカルボン酸及びこれらの二無水物、トリメリッ
ト酸、トリメシン酸、ブタン-1,2,4-トリカルボン酸、
ナフタレン-1,2-4-トリカルボン酸等のトリカルボン酸
及びこれらの酸無水物、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、
水添ダイマー酸等の脂肪族/脂環族ジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェニルメタン-4,4-ジカルボン酸、ジフェニルエーテ
ル-4,4-ジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビス
[(4-カルボキシ)フタルイミド]-4,4-ジフェニルエ
ーテル、ビス[(4-カルボキシ)フタルイミド]-α,
α'-メタキシレン、5-ヒドロキシイソフタル酸等の芳香
族ジカルボン酸等を上げることができる。これらは単独
あるいは2種以上の混合物としても用いることができ
る。
【0011】本発明において共重合することができるジ
カルボン酸成分は、溶剤溶解性の付与、密着性の改善等
の目的で使用される。好ましいジカルボン酸成分として
は、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマ
ー酸、水添ダイマー酸が挙げられるが、耐熱性の面で、
通常は酸成分中90モル%以下、好ましくは80モル%以下で
あることが好ましい。
【0012】ジアミン成分としては、あるいはこれに対
応するジイソシアネートを単独あるいは2種以上の混合
物として用いることが必須である。
【0013】ジアミン成分としては、例えば、イソホロ
ンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジア
ミン、1,3-ジシクロヘキシレンジアミン、1,4-ジシクロ
ヘキシレンジアミン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)
ベンゼン、ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、o-
トリジン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス
[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロ
プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]
スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]
スルホン、ビス[4-(2-アミノフェノキシ)フェニル]
スルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4'-[1,3-フェニレンビ
ス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'-[1,4
-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリ
ン、3,3'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデ
ン)]ビスアニリン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、オキシ
ジアニリン、メチレンジアニリン、ヘキサフルオロイソ
プロピリデンジアミン、1,4-ナフタレンジアミン、1,5-
ナフタレンジアミン、2,6-ナフタレンジアミン、2,7-ナ
フタレンジアミン、2,2'-ビス(4-アミノフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエー
テル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミ
ノベンゾフェノン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、5-アミノ-1-(4'-アミノフェニル)-
1,3,3'-トリメチルインダン、イソプロピリデンジアニ
リン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノシ
クロヘキシル、2,4-トリレンジアミン、2,6-トリエンジ
アミン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミ
ノジフェニルスルフィド、6-アミノ-1-(4'-アミノフェ
ニル)-1,3,3-トリメチルインダン、あるいはそれに対
応するジイソシアネートを挙げることができる。これら
は単独あるいは2種以上の混合物として重合することが
できる。これらの成分のうちで、イソホロンジアミン、
1,3-ジシクロヘキシレンジアミン、1,4-ジシクロヘキシ
レンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、o-トリジン
及びそれに対応するジイソシアネートが耐熱性、溶剤溶
解性、反応性化合物との相溶性の面で好ましい。
【0014】また、従来の技術では、ジアミノポリシロ
キサン等の原料を共重合することで、ポリイミド系樹脂
のガラス転移温度を低下させて、不足する耐熱性をエポ
キシ樹脂やマレイミド樹脂等の反応性化合物により補う
方法が開示されているが、本発明においては、それらの
原料を使わずとも反応性化合物により十分に可塑化され
るため、本発明のポリイミド系樹脂はTgを低下させるこ
とを必要としない。そのため、ジアミノポリシロキサン
等のシリコーン系原料を含むことは必須ではない。ま
た、これらの化合物は、経時での劣化において発生する
分解物の沸点が低い。溶剤溶解性と耐熱性の面では、イ
ソホロンジアミン及びそれに対応するイソシアネートを
用いることが好ましい。更に、上記の化合物以外にも、
アミノ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、リン原子含有ジ
オール、リン原子含有ジカルボン酸等の二官能性化合物
も使用可能である。これらは反応性や密着性、難燃性を
付与する目的で使用される。共重合してよいジアミン
は、本発明で用いるポリイミド系樹脂の特性を低下させ
ることのない範囲内で使用されるが、通常、全ジアミン
成分中50モル%以下であり、好ましくは30モル%以下であ
る。
【0015】本発明の耐熱性樹脂の分子量最適値は各組
成及び用途によって異なるが、通常は、N-メチル-2-ピ
ロリドン中、30℃での対数粘度の値にして0.1〜2.5(デ
シリットル/グラム)の範囲にあることが好ましい。ま
た、酸価は50〜500当量/106gの範囲にあることが好ま
しい。酸価は、伝導度滴定等の方法により測定すること
が出来る。
【0016】また、上記のポリイミド系樹脂は、溶剤中
での重合のほかに、溶融状態での重合も可能である。特
に、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミドに関して
は、芳香族アミド結合を含まないためアミド結合部の分
岐の可能性が無く、溶融重合に適している。溶融重合法
に関しては、ポリエーテルイミドの場合はエーテル結合
含有ジアミンとテトラカルボン酸類により可能であり、
ポリエステルイミドの場合はジアミンと多価カルボン酸
より得られるイミド環含有化合物をポリエステルに共重
合する方法により得ることができる。ポリエステルへの
共重合化については、イミド環含有ジカルボン酸または
グリコールを通常のカルボン酸成分、グリコール成分の
うちの一成分として用いて、公知の方法を用いて重合を
行うことで共重合化が可能である。用いることのできる
カルボン酸成分、グリコール成分、重合触媒、重合条件
としては公知のものが使用できる。
【0017】本発明において用いられるポリイミド系樹
脂としては、溶剤溶解性、耐熱性、低吸水性、寸法安定
性等のバランスの面で、ポリアミドイミド、ポリエステ
ルイミドが好ましい。
【0018】本発明において用いられるポリイミド系樹
脂は、既にイミド化されているポリイミド及び硬化時に
イミド化するポリアミック酸のいずれでも良いが、配合
時に反応が起こりにくく安定性の高い、既にイミド化さ
れたポリイミドを用いるほうが好ましい。イミド化の評
価方法としては、得られたポリイミド系樹脂の酸価の測
定や赤外分光法によるアミド結合/イミド結合の吸収の
比により可能である。
【0019】本発明において用いられるポリイミド系樹
脂は、後述の反応性化合物と反応性を有する官能基、例
示すると、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、ヒド
ロキシル基、イソシアネート基、不飽和結合等を含有し
てもよい。また、本発明において用いられるポリイミド
系樹脂は、脂環族及び脂肪族成分を含むことが望まし
い。これは、以下に述べる反応性化合物との相溶性を高
めて反応性化合物が可塑剤として機能する効率を高める
ために望ましい。好ましい脂環族及び脂肪族成分として
は、イソホロンジジアミン(またはイソホロンジイソシ
アネート)、水添ジアミノジフェニルメタン(または水
添ジフェニルメタンジイソシアネート)、シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂環族成分、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、水添ダイ
マー酸、ヘキサメチレンジアミン(またはヘキサメチレ
ンジイソシアネート)等の脂肪族成分等が挙げられ、カ
ルボン酸成分またはアミン成分に対して、5〜75モル%
含まれていることが必要である。
【0020】(反応性化合物)本発明において使用され
る反応性化合物は、各種の化合物が使用できるが、エポ
キシ化合物、重合性不飽和結合含有化合物類、イソシア
ネート化合物等が挙げられる。反応性化合物の含有量
は、重量比で、ポリイミド系樹脂/反応性化合物=30/7
0〜95/5、好ましくは40/60〜90/10の範囲であることが
好ましい。30重量%よりも少ない場合は、接着材シート
が脆くなるため、好ましくない。また、5重量%未満の場
合では、低温接着性の効果が小さく、本発明の内容にそ
ぐわない。
【0021】エポキシ化合物としては、分子量300〜500
0のポリグリシジルエーテル類やポリグリシジルエステ
ル類が挙げられるが、主成分は分子量500〜2000のエポ
キシ化合物から構成されていることが必要である。エポ
キシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグ
リシジルエーテルおよびそのオリゴマー、ビスフェノー
ルFのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、ビ
スフェノールSのジグリシジルエーテルおよびそのオリ
ゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ルおよびそのオリゴマー、ビスフェノール化合物のアル
キレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、オル
ソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリ
シジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、
p-オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイド
ロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタ
ル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエス
テル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジ
グリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジル
エーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレング
リコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリ
グリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレー
ト、1,4-ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプ
ロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールトリグリシジルエーテル、ソルビトー
ルテトラグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス
(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロー
ルアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテ
ル、ジアミノジフェニルメタンのポリグリシジルエーテ
ル、N,N-ジグリシジルアミノ-1,3-グリシジルフェニル
エーテル、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ
樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ンフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹
脂、アミン系エポキシ樹脂、アリサイクリックジエポキ
シアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペー
ト、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビ
ニルシクロヘキセンジオキサイド等を挙げることができ
るが、上記のポリイミド樹脂を均一に溶解できることが
望ましい。好ましいエポキシ化合物としては、ビスフェ
ノール類のジグリシジルエーテル、クレゾール叉はフェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニル
メタンのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これ
らは、最終的な接着材の軟化温度を考慮して、単独ある
いは2種以上の混合物として用いることが好ましい。
【0022】重合性不飽和結合含有化合物類としては、
(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン等のビニル化
合物、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルエーテ
ル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物等が挙
げられるが、沸点が低い化合物を用いた場合では、硬化
温度において揮発するため好ましく無く、十分に高い沸
点を有する化合物が好ましい。好ましい重合成不飽和結
合含有化合物としては、(メタ)アクリル酸と沸点が10
0℃以上のアルコール類とのエステル類、(メタ)アク
リルアミド類、ビニル化合物等が挙げられる。これらは
単独あるいは2種以上の混合物として用いることが可能
である。
【0023】イソシアネート化合物としては、芳香族、
脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネ
ートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでも
よい。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化
合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の
過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレング
リコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソル
ビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分
子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール
類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子
活性水素化合物などとを反応させて得られる末端イソシ
アネート基含有化合物が挙げられる。また、各種の化合
物でブロック化されたイソシアネート化合物も使用でき
る。これらは単独あるいは2種以上の混合物として用い
ることが可能である。
【0024】本発明におけるこれらの化合物は、反応前
の状態ではポリイミド系樹脂の可塑剤として機能し、加
熱による反応後には高分子量化することで架橋剤として
機能することが好ましい。
【0025】本発明における反応性化合物(B)は、溶
剤可溶なポリイミド系樹脂(A)に対して溶解性を持つ
ことが必要である。反応性化合物(B)は、本発明にお
いては、硬化後は架橋材として機能するが、硬化前の状
態では、ポリイミド系樹脂(A)の可塑剤として機能す
ることが、本発明での特徴である。従来より知られてい
る可塑剤による可塑化の効果については、例えば、「高
分子と複合材料の力学的性質」(L.E.Nielsen著、小野
木重治訳、化学同人発行)の16ページに記載されている
ように、樹脂Aのガラス転移温度をTgA、可塑剤のそれを
TgB、樹脂Aの体積分率をφA、可塑剤の体積分率をφB
すると、混合物のガラス転移温度Tgは Tg = TgAA + TgBB で推定されることが示されている。ここでの可塑剤は、
樹脂Aに対して完全に均一に相溶している場合であり、
相溶性が悪い場合には、実際に添加したうちの一部が可
塑剤として寄与することになる。すなわち、上記の式に
おいては、φBが見かけ上、小さくなると考えることが
できる。反応性化合物による可塑化の度合いを定量化す
る方法として、ポリイミド系樹脂の軟化温度をTa℃、反
応性化合物の軟化温度をTb℃、硬化前の組成物の軟化温
度をX℃、組成物中のポリイミド系樹脂(A)の含有率をYa
%、反応性化合物(B)の含有率をYb%としたとき、 α=(Ta-X)*(Ya+Yb)/[(Ta-Tb)*Yb] により求められるαを用いる方法が考えられ、αが1.0
の場合においては、上記の式は、前述の式と一致する。
反応性化合物は、本発明においては、その値が0.5〜1.6
の範囲内であり、好ましくは、0.6〜1.5の範囲内であ
る。ここで、αの値が1.0の場合には、反応性化合物
(B)が完全に溶解しポリイミド系樹脂(A)の可塑剤と
して機能することを理論的には示すことになるが、実際
には、反応性化合物(B)はポリイミド系樹脂(A)より
も低分子量であることから、接着材の流動性を改善する
ことになり、αの値は1よりも大きくなることもある。
上記のような効果を差し引いて考えた場合には、ポリイ
ミド系樹脂(A)に対する反応性化合物(B)の相溶性が
低い場合にはαの値は1よりも小さくなり、見かけの可
塑化の効果が小さくなる。αの値については、αが0.5
以下である場合には、可塑化の効果が小さく、本発明の
目的に対して好ましくなく、また、力学特性的に脆くな
る傾向があるため、好ましくない。また、αが1.6以上
の場合には、反応性化合物が接着表面にブリードアウト
することで見かけの接着性が高くなっている場合であ
り、この場合には剥離時に比較的速度が速い剥離がかか
ると、その反応性化合物が破壊され剥離しやすくなるた
め、好ましくない。本発明の硬化性組成物の配合組成
は、上述のように、目的とする軟化温度(接着温度)に
対して、ポリイミド系樹脂や反応性化合物のTgまたは軟
化温度、反応性化合物のポリイミド系樹脂への溶解性及
び添加量及び分子量を勘案して決定されることが出来
る。なお、軟化温度は、動的粘弾性(DMA)、TMA、DS
C、侵入式軟化温度測定等の各種方法を用いて測定する
ことが可能である。DMA、TMA、DSC等による軟化温度の
測定は、ポリイミド系樹脂や硬化後の硬化性組成物に関
しては良く用いられる測定方法であるが、反応性化合物
や硬化前の硬化性組成物に対しては昇温中に硬化反応が
進むため、正確な軟化温度の測定には不向きである。こ
の場合の軟化温度の測定方法としては、所定の温度に調
整した金属板にサンプルを1.0kgf/cm2の点圧で押し付け
て、金属板に粘着する最低温度を測定することで求めら
れる。反応性化合物(B)は、硬化前の硬化性組成物の
軟化温度以上の沸点を持つことが必要であり、100℃以
上であることが好ましい。また、反応性化合物(B)
は、脂環族成分を含むポリイミド系樹脂(A)に対して
の相溶性の面から、芳香環を有する化合物であることが
好ましい。また、溶剤を除いた硬化性組成物の硬化前の
軟化温度は280℃以下、好ましくは250℃以下、より好ま
しくは220℃以下であることが必要である。Tgが280℃以
上では可塑化による接着性の向上の面から見て、本発明
の目的に対して不適当である。なお、接着材シートの硬
化後のTgとしては、80℃以上、好ましくは100℃以上、
より好ましくは150℃以上であることが必要である。後
述のプリント配線板用材料として用いる場合には、半田
耐熱性等の面で少なくとも100℃以上、好ましくは150℃
以上であることが望ましい。また、硬化後のTgを低下さ
せないために用いる反応性化合物としては、エポキシ樹
脂が好ましく、特に、ノボラック型エポキシ樹脂を主成
分とするエポキシ樹脂が好ましい。
【0026】本発明において用いられる反応性化合物と
しては、高沸点であること、耐熱性に優れること、反応
時にガス等が生じないこと等の面で、エポキシ化合物が
好ましい。また、本発明のポリイミド系樹脂(A)は反応
性化合物(B)により架橋されていることが好ましい。な
お、架橋の形態として、ポリイミド系樹脂部分と反応性
化合物(B)の硬化物が相溶した状態であることが好ま
しい。評価方法としては、透過型電子顕微鏡による観察
や、動的粘弾性による評価を用いることができる。透過
型電子顕微鏡での観察の場合には、ポリイミド系樹脂と
反応性化合物の硬化物が相溶した相が観察されることが
必要であり、また、動的粘弾性での評価の場合には、大
幅な反応性化合物由来の弾性率変化が観察されないこと
が必要である。また、架橋後の架橋度に関しては、硬化
性組成物の硬化反応後に硬化性組成物に対して10重量倍
のジメチルホルムアミドで抽出した場合、溶剤中への抽
出量は50%以下、好ましくは、40%以下、より好ましくは
30%以下である。ここで、硬化後の硬化性組成物の溶剤
への抽出量が低くなる原因としては、ポリイミド系樹脂
(A)の分子中または分子末端と反応性化合物(B)の反
応による化学的な結合に由来するものもあるが、ポリイ
ミド系樹脂(A)分子鎖が反応性化合物(B)の硬化物中
に包埋されたようなIPN構造を形成するため、抽出され
なくなることにも起因する。後者に関しては、ポリイミ
ド系樹脂(A)と反応性化合物(B)の相溶性が高いこと
に起因しており、下記の機械特性面での特徴の原因にな
っている。
【0027】ポリイミド系樹脂(A)と反応後の反応性化
合物(B)が相溶することにより、硬化後の樹脂組成物も
柔軟性を持ち、柔軟な基材に対して接着材や塗料、加工
材等として用いても、基材の柔軟性を大幅に損ねること
なく、また、割れや剥離等発生することなく使用するこ
とができる。さらには、その柔軟性より、温度変化や衝
撃等の要因によるひずみによる割れ、剥がれ、等にも高
い抵抗力を示し、高い基材との接着力を維持することが
できる。また、低温でも柔軟性を保つため、様々な用途
として用いることができる。ここで、ポリイミド系樹脂
(A)と反応性化合物(B)の硬化物が相溶することで上記
の特性が発現する理由に関しては、反応性化合物(B)
単独の硬化物は、本来脆いことが多いが、本発明におい
て用いられるポリイミド系樹脂(A)は、上述のよう
に、ゲル状の反応性化合物の硬化物の連結に寄与し、硬
化物全体としての破壊靱性が高められ、特に剥離強度の
改善に寄与する。
【0028】(シート化の方法)本発明における接着材
シートは、フィルム等の基材上に硬化性組成物を積層さ
せることで得ることができる。フィルムとしては、PE
T、PE、PP、PVC、PEN、ポリイミド、ポリスチレン等の
汎用樹脂フィルムのほか、金属箔、金属板、銅張り積層
板、プリント配線板等も用いることができる。これら
は、必要があれば、剥離し、硬化剤組成物単独のシート
とすることもできるが、接着せしめる基材に転写させる
ことも可能であり、被接着体に接着後、剥離させてもか
まわない。積層方法としては、硬化性組成物を溶剤に溶
解させたものをフィルム上にコーティングする他に、溶
剤を除去した硬化性組成物を加熱し、軟化したところで
シート状に加工することもできる。コーティングの際
に、または、硬化性組成物から溶剤を取り除く際に、過
度の加熱を行うと反応性化合物が反応し、十分な低温接
着性を示さない場合があるため、溶剤の除去には注意が
必要である。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、不織
布に含浸させて、寸法安定性や力学強度の面で更に優れ
た接着材シートとすることもできる。本発明の硬化性組
成物のコーティングは、ディップコーター、はけ塗り、
ロールコーター、ドクターブレード、コンマコーター、
マイクログラビアコーター、スプレーコーター等のすべ
てのコーターに適用可能性を有している。 (配合)本発明における硬化性組成物の配合について
は、ポリイミド系樹脂と反応性化合物を混合、加熱し、
溶解させる方法が利用できるが、他に、共通の良溶剤に
溶解させる方法も利用できる。この場合には必要に応じ
て溶剤を除去することが可能である。この方法では比較
的低温でかつ短時間でポリイミド系樹脂を反応性化合物
に溶解させることが可能である。共通の良溶剤として
は、公知のものが使用でき、芳香族炭化水素、ケトン
類、エステル類、エーテル類(環状エーテル類、グリコ
ールエーテル類など)、N−置換アミド類、アルコール
類、カルボン酸類、アミン類、塩素系溶剤などの有機溶
剤や水及びそれらの2種以上の混合物を用いることがで
きるが、反応性化合物との反応が起こりにくい溶剤が好
ましい。また、溶剤を除去する場合、除去のしやすさの
面から、沸点が170℃以下、好ましくは150℃以下の溶剤
を主成分とすることが好ましい。ポリイミド系樹脂
(A)の反応溶媒がジメチルホルムアミドやジメチルア
セトアミド等の沸点が200℃以下の溶剤の場合には、そ
のまま用いることが可能であるが、好ましくは、ケトン
類、エーテル類、アルコール類、塩素系溶剤の溶剤によ
り希釈して用いることが好ましい。
【0029】本発明の硬化性組成物は、ポリイミド系樹
脂(A)と反応性化合物(B)からなる組成物に対して、必要
に応じて反応性化合物の各種の硬化剤や反応触媒を添加
することができる。反応性化合物(B)がエポキシ化合物
の場合は、硬化剤を添加しなくても使用が可能である
が、硬化剤を添加することも可能である。エポキシ化合
物の硬化剤としては、アミン類、メルカプタン類、酸化
合物類、酸無水物類、フェノール類、イソシアネート類
等が例示できる。また、潜在性硬化剤として、ジシアン
ジアミド、各種アミンアダクト、スルホニウム塩、イミ
ダゾール類等も使用でき、これらは単独あるいは2種以
上の混合物として用いることが可能である。本発明の硬
化性組成物は、その利用上の面で、組成物の軟化温度以
上で反応が開始されることが好ましく、また、保存安定
性の面で、80℃以上の温度で反応を開始する潜在性硬化
剤の使用が好ましい。配合量等は公知の処方を元に配合
することができるが、添加量は反応性化合物に対して0.
1〜50phrが適当である。なお、潜在性硬化剤を用いる場
合には、組成物中に溶剤が存在することで、保存安定性
が低下する等の問題が生じるため、潜在性硬化剤を用い
る場合には、本発明の硬化性組成物を無溶剤型とする
か、潜在性硬化剤の貧溶媒を硬化性組成物の溶剤に添加
しておくことが望ましい。
【0030】反応性化合物が重合性不飽和結合含有化合
物の場合には、熱によりラジカルが発生するような重合
開始剤が必要となる。重合開始剤としては、過酸化物
類、アゾ化合物、過硫酸塩類、その他のレドックス系開
始剤等が使用できる。これらは単独あるいは2種以上の
混合物として用いることが可能である。
【0031】反応性化合物がイソシアネート化合物の場
合には、イソシアネート化合物の硬化剤として、アミン
類、ポリオール類等が使用できる。これらは単独あるい
は2種以上の混合物として用いることが可能である。
【0032】本発明において用いられる硬化性組成物に
おいて、好適な組み合わせは、ポリアミドイミドとエポ
キシ化合物、ポリアミドイミドと重合性不飽和結合含有
化合物、ポリエステルイミドとエポキシ化合物、ポリエ
ステルイミドと重合性不飽和結合含有化合物、ポリエー
テルイミドとエポキシ化合物、ポリエーテルイミドと重
合性不飽和結合含有化合物、ポリイミドとイソシアネー
ト化合物の組み合わせであり、特に好ましいのは、ポリ
アミドイミドとエポキシ化合物、ポリエステルイミドと
エポキシ化合物の組み合わせである。
【0033】また、本発明における硬化性組成物はその
ままでも利用できるが、その他の硬化剤、レベリング
剤、流動性改質剤、コロイダルシリカなどの無機粉体、
難燃材、顔料、染料、その他の無機/有機化合物などの
各種添加剤などを配合することが出来る。その他の硬化
剤としては、フェノ−ルホルムアルデヒド樹脂、アミノ
樹脂、多官能アジリジン化合物等を挙げることが出来
る。これらの架橋剤には硬化剤あるいは促進剤を併用す
ることもできる。また、本発明における硬化性組成物
は、難燃材を添加せずとも、ポリイミド系樹脂自身の難
燃性が高く、特に難燃材を添加すること無く難燃性の組
成物として利用することが可能であるが、ポリイミド系
樹脂(A)は脂環族/脂肪族成分を必須としているた
め、難燃性が若干低下しており、また、反応性化合物
(B)は一般には難燃性が低いものが多いため、高度の
難燃性を必要とする場合には、難燃材を添加することが
好ましい。用いる難燃材としては、各種のハロゲン化化
合物、燐化合物、リン酸エステル、シリコーン系難燃
材、窒化塩化燐三量体、塩化ホスホニトリル、ホスファ
ゼン化合物、無機水酸化物、ポリリン酸及びそのアンモ
ニウム塩等の公知の難燃材を用いることが可能である。
その他として、各種の反応性難燃材も使用が可能であ
り、反応性化合物(B)として、エポキシ樹脂を用いる
場合には、例示すれば、ハロゲン化エポキシ樹脂、リン
系ポリオール(例えば、クラリアント製、ExditOP55
0)、リン系エポキシ、トリアジン環やイソシアヌレー
ト環を含有するフェノール樹脂またはエポキシ樹脂等を
用いることが可能である。反応性化合物(B)がエポキ
シ樹脂以外のものに関しては、上記の反応性難燃材の構
造に準じた化合物を使用できる。
【0034】本発明における硬化性組成物からなる接着
材シートは、各種プリント配線板用の接着材として好適
に用いることができる。接着材シートは、樹脂フィル
ム、金属箔、金属板、銅張り積層板、プリント配線板等
の張り合わせに利用できる。例えば、フィルムと金属箔
を接着させる場合の利用の方法としては、接着材シート
をフィルムと金属箔の間に積層し、加熱及び/または加
圧下において接着処理を行うことにより接着が可能であ
る。張り合わせには、プレス機、ラミネータ等の一般的
な方法を用いることが可能である。乾燥後の硬化性組成
物の膜厚は、1〜50μmの範囲にあることが好ましく、複
数回の塗工操作と乾燥操作を繰り返す重ね塗りも可能で
ある。用いる金属箔としては、厚さ5〜100μmの銅箔、
アルミニウム箔、スチール箔、ニッケル箔等があり、こ
れらの複合箔や他の金属で処理されたものも使用可能で
ある。樹脂フィルムとしては、ポリイミド、PET、PEN、
アラミド、オレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリエ
ーテルケトン等からなるフィルムを用いることができる
が、硬化性組成物の持つ耐熱性を活かすために、耐熱性
の高い樹脂フィルムを用いることが望ましい。耐熱性の
高い樹脂フィルムとしてはポリイミドやアラミド、PEN
等が挙げられる。これらの樹脂フィルムと用いること
で、硬化性組成物の高い寸法安定性が活かされる。ま
た、本発明の接着材シートは、上記の単体のフィルムと
して用いる以外にも、予め、接着に用いる金属箔に塗布
し、金属箔付きの接着材シートとし使用することや、接
着せしめるベースフィルムや他のプリント配線板側に塗
布して接着材シートとして使用することも可能である。
乾燥後の硬化性組成物の膜厚は、1〜50μmの範囲にある
ことが好ましく、複数回の塗工操作と乾燥操作を繰り返
す重ね塗りも可能である。
【0035】以下に実施例によって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明する。実
施例中、単に部とあるのは重量部を表し、%とあるのは
重量%を示す。各測定項目は以下の方法に従った。
【0037】(1) 還元粘度 ポリイミド系樹脂0.1gをN-メチル-2-ピロリドン20ccに
溶かし、30℃で測定した。 (2) シート化 支持体としてのPETフィルム上に、乾燥後のシート厚み
が10μmとなるように樹脂組成物の溶液を塗布し、150℃
×10分で乾燥後、PETフィルムを剥離して、接着材シー
トとした。
【0038】(3) ポリイミド系樹脂及び硬化後の硬化性
組成物のガラス転移温度(Tg) TMA引張り測定法による。(2)において作製した接着材シ
ートを用いて、加重1g、サンプルサイズ5×20mm、昇温
速度10℃/分で測定した。硬化後の硬化性組成物の場合
は、各実施例記載の接着条件と同様の温度及び時間で加
熱することで硬化せしめ、サンプルとした。
【0039】(4) 接着強度 実施例1〜4及び比較例1〜3に関しては、ポリイミドフイ
ルム(カプトン100H)上に接着材シート、銅箔の順に積
層し、所定の条件で加熱した。その後、2cm幅に切り出
したものの接着強度を引っ張り試験機により測定した。
(剥離速度5cm/min、90度剥離) その他に関しては、各実施例及び比較例において、後か
ら張り合わせた側の基材を5mm幅で切り出し、その剥離
強度を引っ張り試験機により測定し接着強度とした。
(剥離速度5cm/min、90度剥離)
【0040】(5) ポリイミド系樹脂の抽出率 Tg測定と同様にして得られた硬化後の硬化性組成物の塗
膜10gをジメチルアセトアミド100g中に浸せきし、100
℃、24時間静置した後、濾過し、濾液を200℃、2時間、
減圧下で乾燥させて、重量法により、抽出率を求めた。
【0041】(6) 反応性化合物及び硬化前の硬化性組成
物の軟化温度 所定の温度に調製した金属板に、得られた接着材シート
を1.0kgf/cm2の点圧で1分間押し付けて、金属板に粘着
する最低温度を測定することで求めた。
【0042】実施例1 反応容器に無水トリメリット酸76.8g、イソホロンジイ
ソシアネート88.8g、ナトリウムメトキシド0.44g、γ-
ブチロラクトン140gを仕込み、撹拌しながら約30分の間
で190℃まで昇温した。その後、190℃で5時間撹拌した
後、150℃まで冷却してN-メチル-2-ピロリドン724gを加
え希釈した。更に、50℃以下になるまで冷却した後、メ
タノールで再沈して減圧乾燥を行い、ポリイミド系樹脂
(A-1)を得た。表1に得られた樹脂の組成及び特性を示
す。
【0043】得られたポリアミドイミド30g、液状エポ
キシEP4530(旭電化製)70g、ジシアンジアミド10g、潜
在性硬化剤(味の素製、アミキュアPN23)1g、テトラヒ
ドロフラン100gに溶解し、均一となった後、シート化
し、サンプル(B-1)を得た。この硬化性組成物の硬化
前の軟化温度は150℃であった。表3に硬化性組成物の組
成を、表6に得られた特性を示す。
【0044】実施例2 実施例1で得られたポリアミドイミド(A-1)30g、ジメ
チルアクリルアミド30g、エチレングリコールジメタク
リレート40g、過酸化ラウロイル1gを十分に混合したの
ち、シート化し、サンプル(B-2)を得た。この硬化性
組成物の硬化前の軟化温度は150℃であった。表3に硬化
性組成物の組成を、表6に得られた特性を示す。
【0045】実施例3 反応容器に無水トリメリット酸76.8g、4,4'-ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネート62.9g、イソホロンジイ
ソシアネート35.6g、ナトリウムメトキシド0.44g、γ-
ブチロラクトン140gを仕込み、撹拌しながら約30分の間
で190℃まで昇温した。その後、190℃で5時間撹拌した
後、150℃まで冷却してN-メチル-2-ピロリドン724gを加
え50℃以下になるまで冷却した後、メタノールで再沈し
て減圧乾燥を行い、ポリイミド系樹脂(A-3)を得た。
表1に得られた樹脂の組成及び特性を示す。得られたポ
リアミドイミド70g、液状エポキシEP4530(旭電化製)3
0g、ジシアンジアミド5g、テトラヒドロフラン100gに溶
解し、均一となった後、シート化し、サンプル(B-3)
を得た。この硬化性組成物の硬化前の軟化温度は200℃
であった。表3に硬化性組成物の組成を、表6に得られた
特性を示す。
【0046】実施例4 撹拌機、温度計および部分還流式冷却器を具備したステ
ンレススチール製オートクレーブにトリメリット酸無水
物107g、エチレングリコール200g、エタノールアミン3
4.2gを添加し、トリメリット酸とエタノールアミンを室
温で反応させた。150℃以下でイミド化を行った後、180
℃まで昇温し系内が均一になるまでエステル化反応を行
った。その後、150℃まで冷却し、イソフタル酸38.9g、
ネオペンチルグリコール41.6g、酢酸亜鉛二水和物0.05g
を加え、昇温後、エステル化反応を継続した。エステル
化反応が完了後、リン酸トリメチル0.3gを加え、280℃
まで昇温しながら、反応系を徐々に減圧したのち0.2mmH
gの減圧下で1時間30分反応させ、ポリエステルイミド
(A-4)を得た。表1に得られた樹脂の特性を示す。得ら
れたポリエステルイミド40g、液状エポキシEP4530(旭
電化製)60g、潜在性硬化剤(味の素製、アミキュアPN2
3)20g、クロロホルム100gに溶解し、均一となった後、
シート化し、サンプル(B-4)を得た。この硬化性組成
物の硬化前の軟化温度は80℃であった。表3に硬化性組
成物の組成を、表6に得られた特性を示す。
【0047】実施例5 実施例1で用いたポリイミド系樹脂(A-1)70g、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂YDCN702(東都化成製)3
0g、窒化塩化燐三量体10g、テトラヒドロフラン200g、
シクロペンタノン100gを反応容器に仕込み、室温で攪拌
することで溶解した。これをシート化することで、サン
プル(B-5)を得た。表4に硬化性組成物の組成を示す。
これを銅張積層板(東洋紡(株)製、バイロフレック
ス)の樹脂面に、得られたシート、銅箔の順に積層し、
プレス機を用いて、銅箔への接着が可能な最低温度を評
価したところ、210℃であった。そこで、220℃、5分、2
0kgf/cm2の点圧でプレスを行った。プレス後、加圧下で
220℃で1時間熱処理を行い、最終的な銅張積層板とし
た。表7に得られた特性を示す。このものについて、半
田耐熱性を評価したところ、300℃の半田浴に1分間浸せ
きすることにより外観の変化は見られなかった。また、
銅箔をエッチングし、基板の燃焼性評価を行ったとこ
ろ、V-0を満足させるものであった。なお、この硬化性
組成物を上記の条件において硬化させて得られた硬化物
のポリイミド系樹脂の抽出率は20%であった。
【0048】実施例6 反応容器に無水トリメリット酸51.8g、水添ダイマー酸
(ユニケマ製、プリポール1009)17.3g、ジフェニルメ
タンジイソシアネート77.3g、トリエチレンジアミン1.0
g、ジメチルアセトアミド80gを仕込み、撹拌しながら90
℃で1時間反応させた。その後、約30分の間で170℃まで
昇温し、2.5時間撹拌した後、室温まで冷却して固形分
濃度25%となるように、ジメチルアセトアミドを用いて
希釈しポリアミドイミド溶液(A-6)を得た。表1に得ら
れた樹脂の組成及び特性を示す。得られたポリイミド系
樹脂溶液320g、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂YD
CN702(東都化成製)10g、臭素化エポキシ(BREN-S)10
gテトラヒドロフラン60gを反応容器に仕込み、室温で攪
拌することで溶解し、硬化性組成物を得た。表4に硬化
性組成物の組成を示す。これを銅張積層板(東洋紡
(株)製、バイロフレックス)の樹脂面に乾燥後の接着
材厚みが5μmとなるように塗布し、用いている溶剤の沸
点である165℃で2時間、減圧下で乾燥させ、サンプル
(B-6)とした。この接着材付きの銅張り積層板に圧延
銅箔を重ね、プレス機を用いて、銅箔への接着が可能な
最低温度を評価したところ、210℃であった。そこで、2
10℃、20分、20kgf/cm2の点圧でプレスを行った。プレ
ス後、加圧下で220℃で1時間熱処理を行い、最終的な銅
張積層板とした。表7に得られた特性を示す。このもの
について、半田耐熱性を評価したところ、300℃の半田
浴に1分間浸せきすることにより外観の変化は見られな
かった。また、銅箔をエッチングし、基板の燃焼性評価
を行ったところ、V-0を満足させるものであった。
【0049】実施例7 反応容器に無水トリメリット酸73.0g、水添ダイマー酸1
1.5g、イソホロンジイソシアネート45.3g、ビトリレン
ジイソシアネート52.9g、フッ化カリウム0.46g、γ-ブ
チロラクトン150gを仕込み、撹拌しながら120℃まで30
分で昇温させたのち、120℃で1.5時間反応させた。その
後、180℃に昇温して180℃で3時間反応させた。次い
で、N-メチルピロリドン300gを加え、室温まで冷却して
再沈してポリイミド系樹脂(A-7)を得た。表1に得られ
た樹脂の組成及び特性を示す。得られたポリイミド系樹
脂50g、フェノールノボラック型エポキシ樹脂YDPN638
(東都化成製)50g、シクロペンタノン50g、テトラヒド
ロフラン120g、ジメチルホルミアミド30gを反応容器に
仕込み、室温で攪拌することで溶解し、硬化性組成物を
得た。表4に硬化性組成物の組成を示す。これを銅張積
層板(東洋紡(株)製、バイロフレックス)の樹脂面に
樹脂厚み5μmとなるように塗布し、150℃で2時間乾燥さ
せ、サンプル(B-7)を得た。この接着材付き銅張り積
層板の接着材面に、銅張り積層板(東洋紡(株)製、バ
イロフレックス)の樹脂面を積層し、プレス機を用い
て、接着が可能な最低温度を評価したところ、150℃で
あった。そこで、150℃、1分、20kgf/cm2の点圧でプレ
スを行った。プレス後、加圧下で220℃で1時間熱処理を
行い、最終的な銅張積層板とした。表7に得られた特性
を示す。このものについて、半田耐熱性を評価したとこ
ろ、300℃の半田浴に1分間浸せきすることにより外観の
変化は見られなかった。また、銅箔をエッチングし、基
板の燃焼性評価を行ったところ、V-0を満足させるもの
であった。なお、この硬化性組成物を上記の条件におい
て硬化させて得られた硬化物のポリイミド系樹脂の抽出
率は2%であった。
【0050】実施例8 反応容器に無水トリメリット酸17.3g、水添ダイマー酸5
1.8g、イソホロンジイソシアネート12.0g、ビトリレン
ジイソシアネート33.3g、ジメチルホルムアミド60gを仕
込み、撹拌しながら120℃まで30分で昇温させたのち、1
20℃で1.5時間反応させた。その後、150℃に昇温して3
時間反応させた。次いで、シクロペンタノン170gを加
え、室温まで冷却してポリイミド系樹脂溶液とした。表
1に得られた樹脂の組成及び特性を示す。得られたポリ
イミド系樹脂溶液165g、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂EP154(油化シェル製)50g、シクロペンタノン50
gを反応容器に仕込み、室温で攪拌することで溶解し、
これをポリイミドフィルム(宇部興産製、ユーピレック
スS、25μm)に乾燥後の接着材厚みが10μmとなるよう
に塗布して、サンプル(B-8)を得た。表4に硬化性組成
物の組成を示す。この接着材付きのポリイミドフィルム
に圧延銅箔を重ね、プレス機を用いて、銅箔への接着が
可能な最低温度を評価したところ、60℃であった。そこ
で、140℃のロールラミネータで銅箔をラミネート後、
加圧下で220℃で1時間熱処理を行い、最終的な銅張積層
板とした。表7に得られた特性を示す。このものについ
て、半田耐熱性を評価したところ、300℃の半田浴に1分
間浸せきすることにより外観の変化は見られなかった。
【0051】実施例9 反応容器に無水トリメリット酸49g、1,4-シクロヘキサ
ンジカルボン酸43g、イソホロンジイソシアネート114.3
g、フッ化カリウム0.6g、γ-ブチロラクトン200gを仕込
み、撹拌しながら120℃で1時間反応させた。その後、約
30分の間で210℃まで昇温し、4時間撹拌した後、50℃以
下になるまで冷却した後、メタノールで再沈して減圧乾
燥を行い、ポリイミド系樹脂(A-9)を得た。表1に得ら
れた樹脂の組成及び特性を示す。得られたポリイミド系
樹脂70g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂EP828(油化
シェル製)30g、エタノール150g、トルエン150gを反応
容器に仕込み、室温で攪拌することで溶解した。これを
銅張積層板(東洋紡(株)製、バイロフレックス)の樹
脂面に乾燥後の接着材厚みが5μmとなるように塗布し、
サンプル(B-9)を得た。表4に硬化性組成物の組成を示
す。この接着材付き銅張り積層板の接着材面をプリント
配線板の回路加工面に積層し、接着が可能な最低温度を
評価したところ、160℃であった。そこで、160℃、10
分、20kgf/cm2の点圧でプレスを行った。プレス後、加
圧下で220℃で1時間熱処理を行い、最終的な銅張積層板
とした。表7に得られた特性を示す。このものについ
て、半田耐熱性を評価したところ、300℃の半田浴に1分
間浸せきすることにより外観の変化は見られなかった。
【0052】比較例1 ピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテルから製造
された市販品のポリイミド系樹脂(東レ製、ベスペル)
50g、液状エポキシEP4530(旭電化製)50g、ジメチルホ
ルムアミド100gを加熱下において混合したが、ポリイミ
ド樹脂がDMFに溶解せず、均一な溶液とはならなかっ
た。表3に硬化性組成物の組成を示す。これについては
フィルム化したもののTgを測定したところ、Tgが現れ
ず、エポキシ化合物による可塑化の効果が見られなかっ
た。
【0053】比較例2 実施例1で得られたポリアミドイミド(A-1)100g、液状
エポキシEP4530(旭電化製)5g、テトラヒドロフラン10
0gに溶解し、均一となった後(B-10)、加熱下において溶
剤を除去しシート状サンプルとした。表5に硬化性組成
物の組成を、表6に硬化後の硬化性組成物の特性を示
す。これについてはフィルム化したもののTgを測定した
ところ、Tgの低下量は測定誤差範囲内と極めて小さく、
エポキシ化合物の可塑化の効果はほとんど見られなかっ
た。
【0054】比較例3 実施例1で得られたポリアミドイミド(A-1)10g、液状
エポキシEP4000(旭電化製)90g、テトラヒドロフラン1
00gに溶解し、均一となった後、加熱下において溶剤を
除去した。これに、ジシアンジアミド10g、潜在性硬化
剤(味の素製、アミキュアPN23)1gを加え、十分に混合
した後、シート化したものをサンプル(B-11)とした。
表5に硬化性組成物の組成を、表6に硬化後の硬化性組成
物の特性を示す。得られた硬化後の接着材シートは非常
に脆く、実用に供さないことが分かった。
【0055】比較例4 (特開昭51-73034実施例1記載の方法に準じて)無水ト
リメリット酸19.2部、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト25部、N-メチルピロリドン82.6部をフラスコに仕込
み、攪拌しながら190℃まで昇温した。190℃で4時間反
応を継続し、ポリアミドイミド樹脂(A-12)を得た。還
元粘度は0.60dl/gであった。表2に組成と特性を示す。
そのポリアミドイミド樹脂とエピコート828を83/17の配
合比で混合し、樹脂溶液を得た。表5に組成を示す。こ
れを、圧延銅箔を使用した銅張積層板(東洋紡(株)
製、バイロフレックス)の樹脂面に乾燥後の接着材厚み
が20μmとなるように塗布し、用いている溶剤の沸点で
ある200℃で2時間、減圧下で乾燥させ、接着材付きの銅
張り積層板(B-12)とした。これに圧延銅箔を重ね、プレ
ス機を用いて、銅箔への接着が可能な最低温度を評価し
たところ、300℃であり、エポキシ樹脂を添加すること
による可塑化の効果は全く見られなかった。表8に結果
を示す。300℃、5分、20kgf/cm2の点圧でプレスを行っ
たところ、基材のベースフィルムが冷却時に収縮してし
まい、品位の良い銅張積層板を得ることは出来なかっ
た。
【0056】比較例5 (特開昭55-16054実施例1記載の方法に従い)ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸32部、4,4'-ジ(m-アミノフェ
ノキシ)ジフェニルエーテル38.4部、ジメチルアセトア
ミド280部をフラスコに仕込み、150℃で攪拌しながら、
脱水反応を行うことにより、実施例記載のポリイミドと
同等の組成であり、還元粘度0.25dl/gのポリイミド樹脂
(A-13)を得た。表2に組成と特性を示す。このポリイ
ミド樹脂と実施例記載のエポキシ樹脂の同等品であるエ
ポキシ樹脂YD-017(東都化成製)を実施例記載の配合比
で混合し、樹脂溶液を得た。表5に組成を示す。これ
を、圧延銅箔を使用した銅張積層板(東洋紡(株)製、
バイロフレックス)の樹脂面に乾燥後の接着材厚みが20
μmとなるように塗布し、用いている溶剤の沸点である2
00℃で2時間、減圧下で乾燥させ、接着材付きの銅張り
積層板(B-13)とした。これに圧延銅箔を重ね、プレス機
を用いて、銅箔への接着が可能な最低温度を評価したと
ころ、240℃であり、エポキシ樹脂を用いることによる
可塑化の効果は全く見られなかった。240℃、5分、20kg
f/cm2の点圧でプレスを行った。プレス後、220℃で1時
間、250℃で30分、280℃で10分、段階的に熱処理を行
い、最終的な銅張積層板とした。表8に結果を示す。
【0057】比較例6 (特公平5-75580実施例記載の)ポリエーテルイミド樹
脂の同等品(GE製、ウルテム1000)、実施例に記載のエ
ポキシ樹脂の同等品であるエポキシ樹脂YD-8125(東都
化成製)を用い、フッ素系界面活性剤以外を表5に組成
を示す実施例記載の配合比で配合した溶液を用いて、圧
延銅箔を使用した銅張積層板(東洋紡(株)製、バイロ
フレックス)の樹脂面に乾燥後の接着材厚みが10μmと
なるように塗布し、用いている溶剤の沸点である165℃
で2時間、減圧下で乾燥させ、接着材付きの銅張り積層
板(B-14)とした。これに圧延銅箔を重ね、プレス機を用
いて、銅箔への接着が可能な最低温度を評価したとこ
ろ、190℃であり、そこで、190℃、5分、20kgf/cm2の点
圧でプレスを行った。プレス後、220℃で1時間、250℃
で30分、280℃で10分、段階的に熱処理を行い、最終的
な銅張積層板とした。表8に結果を示す。このものにつ
いて、接着性を評価したが、非常に脆く、実用に供しな
いことが分かった。
【0058】比較例7 (特開平5-179220実施例2記載の方法に従い)無水トリ
メリット酸88.4部、ジアミノポリシロキサン105.6部、
2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン32.8部、ジメチルアセトアミド680部をフラスコに仕
込み、165℃に加熱し、水を留出させ、ポリアミドイミ
ド樹脂(A-15)を得た。還元粘度は0.5dl/gであった。
表2に組成と特性を示す。このポリアミドイミド樹脂と
実施例記載のエポキシ樹脂を混合し、接着材溶液を得
た。表5に組成を示す。これを、圧延銅箔を使用した銅
張積層板(東洋紡(株)製、バイロフレックス)の樹脂
面に乾燥後の接着材厚みが20μmとなるように塗布し、1
50℃で2時間乾燥させ、接着材付きの銅張り積層板(B-1
5)とした。これに圧延銅箔を重ね、プレス機を用いて、
銅箔への接着が可能な最低温度を評価したところ、10℃
であり、そこで、40℃、5分、20kgf/cm2の点圧でプレス
を行った。プレス後、220℃で1時間、250℃で30分、280
℃で10分、段階的に熱処理を行い、最終的な銅張積層板
とした。表8に結果を示す。このものについて、半田耐
熱性を評価したところ、300℃の半田浴に1分間浸せきす
ることにより外観の変化として膨れが観察され、耐熱性
が不足していることが分かった。
【0059】比較例8 (特開昭63-99280実施例11記載の)ポリエーテルイミド
樹脂の同等品(GE製、ウルテム1000)、実施例に記載の
エポキシ樹脂エポキシ樹脂EP828(油化シェル製)を用
い、表5に組成を示す実施例記載の配合比で配合した溶
液を用いて、圧延銅箔を使用した銅張積層板(東洋紡
(株)製、バイロフレックス)の樹脂面に乾燥後の接着
材厚みが20μmとなるように塗布し、用いている溶剤の
沸点である165℃で2時間、減圧下で乾燥させ、接着材付
きの銅張り積層板(B-16)とした。これに圧延銅箔を重
ね、プレス機を用いて、銅箔への接着が可能な最低温度
を評価したところ、200℃であり、そこで、200℃、5
分、20kgf/cm2の点圧でプレスを行った。プレス後、220
℃で1時間、250℃で30分、280℃で10分、段階的に熱処
理を行い、最終的な銅張積層板とした。表8に結果を示
す。このものについて、接着性を評価したが、非常に脆
く、実用に供しないことが分かった。
【0060】比較例9 (特開平11-131041実施例の記載に従い)ビフェニルテ
トラカルボン酸82.4部、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸38.4部、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパン82.1部、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)
ベンゼン38.7部、ビス(3-アミノプロピル)ジメチルジ
シロキサン24.9部、N-メチルピロリドン1400部をフラス
コに20℃を保ちながら仕込み、その後、トルエンを添加
して水を共沸させながら反応を行い、ポリイミド樹脂
(A-17)を得た。還元粘度は0.3dl/gであった。表2に
組成と特性を示す。これに、実施例記載のエポキシ樹脂
を添加し、樹脂溶液を得た。表5に組成を示す。これ
を、圧延銅箔を使用した銅張積層板(東洋紡(株)製、
バイロフレックス)の樹脂面に乾燥後の接着材厚みが10
μmとなるように塗布し、用いている溶剤の沸点である2
00℃で2時間、減圧下で乾燥させ、接着材付きの銅張り
積層板(B-17)とした。これに圧延銅箔を重ね、プレス機
を用いて、銅箔への接着が可能な最低温度を評価したと
ころ、180℃であり、そこで、180℃、5分、20kgf/cm2
点圧でプレスを行った。プレス後、220℃で1時間、250
℃で30分、280℃で10分、段階的に熱処理を行い、最終
的な銅張積層板とした。表8に結果を示す。このものに
ついて、接着性を評価したが、非常に脆く、実用に供し
ないことが分かった。
【0061】上記実施例、比較例の結果を以下に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【発明の効果】以上に示したように、本発明における接
着材シートは、反応性化合物により可塑化されているた
め、ポリイミド系樹脂の本来のTg以下においても熱接着
が可能であり、また接着強度も優れている。また、ポリ
イミド系樹脂の耐熱性を損ねることも無く、優れた耐熱
性接着材シートとして利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01B AB33B AK01B AK49A AK50A AK53A AL05A BA02 CA02A GB43 JA04A JB12A JJ03 JJ03B JJ04 JL11 JL11A JM02B 4J004 AA01 AA11 AA13 AA14 AB05 BA02 CA04 CA05 CA06 CA08 CC02 CC03 FA05 4J040 EC022 EC092 EC192 EF162 EF282 EH031 FA012 FA062 FA102 FA132 HC16 JA09 JB02 KA16 KA31 LA08 MA02 MA10 MB03 NA20 PA23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟化温度がTa℃であるポリイミド系樹脂
    (A)と軟化温度がT b℃である反応性化合物(B)とを含
    有し、溶剤を除去した硬化前の組成物の軟化温度をX
    ℃、組成物中のポリイミド系樹脂(A)の含有率をYa%、反
    応性化合物(B)の含有率をYb%としたとき、α=(Ta-X)
    *(Ya+Yb)/[(Ta-Tb)*Yb]のαが0.5〜1.6である硬化性組
    成物からなることを特徴とする、接着材シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬化性組成物からなる接
    着層を有することを特徴とする、耐熱性フィルム、金属
    箔及び金属張積層板。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至2のいずれかに記載の接着
    材シート、樹脂製フィルム、金属箔、金属張積層板を用
    いてなることを特徴とする金属張積層板。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の金属張積層板の金属箔を
    回路加工して得られることを特徴とするプリント配線
    板。
  5. 【請求項5】 回路上に保護層を有することを特徴とす
    る請求項4記載のプリント配線板。
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