JP2002206605A - 連続可変比変速機 - Google Patents

連続可変比変速機

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JP2002206605A
JP2002206605A JP2001210802A JP2001210802A JP2002206605A JP 2002206605 A JP2002206605 A JP 2002206605A JP 2001210802 A JP2001210802 A JP 2001210802A JP 2001210802 A JP2001210802 A JP 2001210802A JP 2002206605 A JP2002206605 A JP 2002206605A
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belt
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disk
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JP2001210802A
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English (en)
Inventor
Yuji Nagasawa
裕二 長沢
Masataka Osawa
正敬 大澤
Haruhiro Hattori
治博 服部
Hirofumi Tani
裕文 谷
Ichiro Taruya
一郎 樽谷
Toshiki Sugiura
豪軌 杉浦
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 向かい合う面に略円錐面が形成された、対を
なすシーブを含む、入出力プーリの間にベルトを掛け渡
した連続可変比変速機(CVT)において、変速動作の
速度を速くする。 【解決手段】 出力プーリ18の一方のシーブである固
定シーブ28は、ベルト36との略円錐面の係合面28
aを形成するディスク44を含む。ディスク44は、等
速ジョイントによる結合構造を介して出力軸14に結合
されている。ディスク44の背面には、傾動アクチュエ
ータ56が配置され、これのピストン60によりディス
ク44を押すことができる。傾動アクチュエータ56の
進退によりディスク44が傾動し、係合面28aを出力
軸14に対して傾けることができる。これにより、ベル
ト36のプーリに対する巻き掛かり位置の変更速度を高
めることができ、変速動作速度を速くすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力プーリと出力
プーリと、これらに掛け渡されたベルトとを有し、前記
入出力プーリ対するベルトの巻き掛かり半径を変更する
ことにより、入出力の変速比を連続的に変更することが
できる連続可変比変速機(CVT)に関する。
【0002】
【従来の技術】連続的に変速比を変更することのできる
変速機が各種提案されている。例えば、特開昭54−1
57930号公報には、このような連続可変比変速機
(以下CVT)が開示され、入出力プーリのそれぞれ
が、略円錐面を有する対をなすシーブを含み、対をなす
シーブは略円錐面を向かい合わせて配置されている。そ
して、対をなすシーブの略円錐面によりV字形の谷間が
形成され、ここに配置されたベルトは対をなすシーブに
挟持されている。対をなすシーブの間隔は調整可能であ
り、この間隔の調整によってベルトが挟持される位置、
すなわちベルトの巻き掛かり半径が変更制御され、変速
比が変更される。前述のシーブの間隔調整は、一方のシ
ーブを軸方向に移動させることによって実行される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に記載のCV
Tでは、シーブの間隔を調整して変速を行っているが、
この間隔の調整では、ベルトの巻き掛かり半径の変化速
度が制限され、変速動作に遅れが生じるという問題があ
った。また、シーブの略円錐面の傾きを円錐の母線が軸
直交平面となす角により定義すれば、これを大きくした
方が変速動作の速度を高めることができることが知られ
ているが、このようにした場合、ベルトの張力が増加
し、許容伝達トルクが低下するという問題が生じる。
【0004】本発明は、対をなすシーブをそれぞれ含む
入出力プーリと、これらのプーリに掛け渡されシーブに
挟持されるベルトを有するCVTにおいて、変速動作の
速度を高めることを目的とする。また、ベルトにかかる
張力を低減するためにシーブ円錐面の傾きを小さくした
場合においても、必要な変速動作速度を確保することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明にかかるCVTは、シーブの略円錐面を含
む部材を、当該シーブが関連する入力軸または出力軸に
対して傾ける傾動機構を有している。これにより、ベル
トの巻き掛かりの開始位置から終了位置までのベルト接
触位置における略円錐面の間隔を大きく変化させること
ができ、ベルトの巻き掛かり位置の変更、すなわち変速
動作の速度が高められる。
【0006】また、本発明によれば、変速動作速度に対
する能力を高めることができるので、従来十分な変速速
度を達成できないために見送られていた、シーブの円錐
面の傾きを小さくすることができる。この傾きを小さく
することにより、ベルト張力の低下または許容伝達トル
クの増加を達成することができる。
【0007】また、本発明の他の態様によれば、CVT
は、シーブの略円錐面を支持する剛性を変化させる手段
を有している。変速動作時に、適切に略円錐面の支持剛
性を変化させることで、ベルトからの反力により略円錐
面に傾きを与えることができる。これにより変速動作の
速度を高めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1は、
本実施形態の要部の概略構成図であり、CVT10の変
速比の変更にかかる構成を示している。CVT10の入
力軸12および出力軸14には、軸と共に回転する入力
プーリ16および出力プーリ18が設けられている。入
力プーリ16は、入力固定シーブ20と入力可動シーブ
22を含み、これらシーブ20,22は、向かい合う面
が入力軸12の中心軸線を軸とする円錐面の一部である
略円錐台形状を有している。固定シーブ20は、入力軸
12に対し、回転方向のみならず軸方向にも固定されて
いる。可動シーブ22は、入力軸12に対して回転方向
には規制され、軸方向に移動を許容されている。可動シ
ーブ22の背後、すなわち軸方向において固定シーブ2
0と反対側に、流体圧シリンダ24が配置されている。
そして、可動シーブ22自体がピストンとして機能し、
流体圧シリンダ24と共にアクチュエータを形成する。
流体圧シリンダ24およびピストンとしての可動シーブ
22により形成される流体圧室26に、作動流体が流体
圧ライン(不図示)より供給され、また流体圧室26よ
り排出されることにより、可動シーブ22は、入力軸1
2に沿って移動する。
【0009】出力プーリ18に関しても、入力プーリ1
6とほぼ同様の構成を採る。すなわち、出力プーリ18
は、回転方向、軸方向に動きを規制された出力固定シー
ブ28、その動きが回転方向には規制され、軸方向には
許容される出力可動シーブ30を含んでいる。可動シー
ブ30の背後には、流体圧シリンダ32が配置され、こ
れとピストンとしての可動シーブ30により流体圧室3
4を含むアクチュエータが構成される。このアクチュエ
ータにより可動シーブ30の移動が制御される。
【0010】入力プーリの二つのシーブ20,22、出
力プーリの二つのシーブ28,30はそれぞれ、二つの
シーブの向き合う面によりベルト36を挟持し、プーリ
16,18はベルト36と係合する。以下、シーブの、
ベルト36と係合する面を、シーブの符号に添え字aを
付けて説明する。例えば、入力固定シーブ20の係合面
は符号20aで示す。
【0011】ベルト36は、図示される形状を有する薄
板のプレート38を多数配列し、これらを無端で可撓性
のある2本のフープ40で、たがをかけたようにして形
成されている。このベルト36が、入出力プーリ16,
18に掛け渡され、プレート38の側面がシーブの係合
面20a,22a,28a,30aと係合している。ベ
ルト36の幅、すなわちプレート38の側面の幅は一定
であるので、対をなすシーブの間隔が決定すれば、ベル
ト36のプーリ16,18に対する巻き掛かり位置、す
なわち巻き掛かり半径Rin,Routが定まる。入出力の
巻き掛かり半径比によって、変速比が決定される。さら
に可動シーブ22,30を移動させることにより巻き掛
かり半径を変更することができ、これによって変速比の
変更が可能となる。具体的には、入力プーリ16に対す
る巻き掛かり半径Rinを大きくしようとする場合には、
流体圧室26内に作動流体を供給し、可動シーブ22を
進出させる方向にアクチュエータを作用させる。この押
圧力により、プーリ16およびベルト36の回転に伴っ
て、ベルト36は押し出されるようにして巻き掛かり半
径Rinが増加する。巻き掛かり半径Rinを小さくする場
合は、可動シーブ22が逆に動き、ベルト36は、シー
ブ間の谷間に落ち込むように移動して巻き掛かり半径R
inが縮小する。出力プーリ18側もほぼ同様にして巻き
掛かり半径Routの変更が行われるが、入出力プーリ1
6,18において、シーブの動きは反対向きである。す
なわち、一方の軸において、シーブの間隔を狭め、巻き
掛かり半径を増加させようとしているときは、他方の軸
においては、シーブの間隔を拡げ、巻き掛かり半径を増
加するように同期して制御される。これによりベルト3
6にたるみが発生しない。
【0012】対をなすシーブの軸線が一致していれば、
図2に示す、ベルト36の巻き掛かり開始点Sから、終
了点Eの間で、シーブ係合面の間隔は常に一定であり、
巻き掛かり半径も一定となる。変速動作時には、可動シ
ーブに加わる押圧力により、プレート38などの弾性変
形、シーブ係合面とプレート側面の滑りなどが生じて巻
き掛かり半径が変化する。したがって、この変化速度は
比較的遅いものとなり、変速速度を制限するものとなっ
ていた。
【0013】本実施形態では、変速速度を高めるため
に、出力固定シーブ28の係合面28aを傾ける、すな
わち係合面28aの円錐の軸線と出力軸14の軸線を傾
ける機構を設けている。図3は、固定シーブ28の分解
斜視図である。固定シーブ28は、出力軸14に対し固
定されるコア42と、コア42と同軸に配置される環形
状のディスク44を有している。このディスク44に係
合面28aが形成される。コア42とディスク44に
は、それぞれ略軸方向に延びる同数の溝46,48が設
けられている。この溝46と溝48は、一本ずつが向き
合うように配置され、向き合う溝の組のそれぞれにはボ
ール50が納まっている。リテーナ52により、これら
のボール50が溝46,48内に保持される。このコア
42とディスク44の構造は等速ジョイントを構成し、
ディスク44が傾いた場合であっても、ディスク44の
回転速度が一定となる。
【0014】固定シーブ28の背面側のハウジング54
には、固定シーブのディスク44を押圧する傾動アクチ
ュエータ56が配置されている。傾動アクチュエータ5
6は、固定シーブ28または出力軸14の軸線に対し非
対称にディスク44を押圧し、これによりディスク4
4、すなわち係合面28aが傾く。傾動アクチュエータ
56は、流体圧シリンダ58とピストン60を含み、ピ
ストン60の先端には転動体62が配置されており、回
転するディスク44との摩擦の低減が図られている。本
実施形態の傾動アクチュエータ56は、出力軸14に対
して入力軸12の反対側に配置される。この結果、傾動
の軸は、入出力軸に直交する平面内において、この平面
と入出力軸がそれぞれ交差する点を通る直線と直交する
ものとなる。
【0015】傾動アクチュエータ56により、ディスク
44を傾けることによって、係合面28aの同一の半径
上の二つのシーブの係合面28a,30aの間隔が一定
ではなくなる。言い換えれば、ベルト36の巻き掛かり
の開始点Sから終了点Eまでの円弧上において、対をな
すシーブの係合面の間隔が変化するようになる。例え
ば、傾動アクチュエータ56のピストン60を進出させ
た場合、同一半径上において、係合面28a,30aの
間隔は、開始点Sから徐々に狭まり、その後広がるよう
に変化する。言い換えれば、係合面の間隔が一定である
点を結んでいくと、半径は、開始点Sから徐々に大きく
なり、その後小さくなる。したがって、ベルト36は、
出力プーリ18の回転に伴って、これに沿うように移動
しようとする。このディスク44の傾動と共に可動シー
ブ30もシーブ同士の間隔を狭めるように移動させる
と、ベルト36は開始点Sから図2に示すように外側に
膨らむ方向に軌跡を描く。また、ベルト36の後続の部
分の巻き掛かり開始点はより外側となる。この二つの作
用のために、ベルト36の巻き掛かり半径の変化は、シ
ーブの傾動を行わないときに比べ速くなる。
【0016】また、ベルト36の巻き掛かり半径を小さ
くするように制御する場合には、逆に、傾動アクチュエ
ータのピストン60を退避させ、図1において対をなす
シーブ28,30の下端側が広がるようにする。この場
合の入出力軸12,14の速度比の時間変化が図4の実
線で示されている。また、シーブの傾動を行わなかった
場合の、速度比の変化が破線で示されている。制御目標
値γcに到達する時間が数分の1となっていることが分
かる。
【0017】以上述べたように、シーブを傾動させるこ
とは、速度比の変化すなわち変速動作の速度を速める能
力がある。このことは、単に変速に要する時間の短縮の
みならず、以下に説明する点において、有利となる。図
5に示すように、シーブの係合面の円錐の母線と、円錐
軸線と直交する平面のなす角λは、小さい方がフープ4
0に加わる張力を低減できる。これは、シーブがプレー
ト側面を押す力Fの軸直交方向の分力(F sinλ)が、
円錐面の傾き角λが小さくなるほど低下することから理
解される。一方、円錐面の傾き角λを小さくすると、可
動シーブを軸方向に押圧する力が同じであっても、ベル
ト36を半径方向に移動させる力は小さくなる。よっ
て、ベルト36の半径方向の移動速度、すなわち変速速
度が低下する。この変速速度の低下を補うために、前述
のシーブの傾動を採用することができる。
【0018】さらに、可動シーブを軸方向に押圧する力
を低減した場合に生じる変速速度の低下を補うこともで
きる。このように、シーブを傾けることにより変速速度
を速めることができ、また変速速度を速める代わりに、
円錐面の傾き角λを小さくし、フープ40の張力を低減
させることができる。フープ張力の低減は、耐久性の向
上、ベルトの低価格化などの面で有利である。また、変
速機の伝達可能トルクを高めることができる。また、変
速速度を速める代わりに、流体圧室26,34に供給す
る流体圧を低下させることもでき、流体圧ポンプに消費
される駆動力の低減などの面で有利である。
【0019】図6には、等速ジョイントの他の例が示さ
れている。シーブのディスク64の中心部には軸方向に
延びる溝66が設けられ、出力軸14には前記溝66と
係合するローラ68が支持されている。図3に示す等速
ジョイントに代えて、この図6に示すジョイントを用い
ることができるが、この場合、ディスク64は軸方向に
拘束されないので、ディスク64の背後に傾動アクチュ
エータ56を3個以上配置し、移動を規制する必要があ
る。また、傾動アクチュエータ56を1個配置し、2個
をアクチュエータ機能を持たない支持転動体とすること
ができる。
【0020】図7および図8は、傾動機能を有する固定
シーブ70および傾動機構の他の例の概略構成を示す図
である。図7は断面図、図8は固定シーブ70の分解斜
視図である。図1に示す出力固定シーブ28およびこれ
を傾動させるための傾動アクチュエータ56などの機構
を、図7および図8に示すものに置き換えることができ
る。
【0021】出力軸14には、フランジ72が設けられ
ている。固定シーブ70のディスク74には、その中央
に、出力軸14が貫通し、またフランジ72が納まる段
付きの孔が設けられている。またディスク74の、可動
シーブと向き合う面、すなわち係合面70aは、ディス
ク44と同様に、円錐側面の一部となるように形成され
ている。出力軸14とディスク74は、円環板形状の結
合プレート76により結合される。すなわち、結合プレ
ート76は、その内周付近においてボルトによりフラン
ジ72に固定され、外周付近において同様にボルトによ
りディスク74に固定される。結合プレート76は、そ
れ自体に可撓(とう)性があり、ディスク74の傾きを
許容する。また、ディスク74の傾きを許容するよう
に、ディスク74の段付き孔と、出力軸14およびフラ
ンジ72との間には所定の隙間が形成されている。固定
シーブ70の背後のハウジング78には、出力軸14と
同心の円環形状の溝内に納められた支持リング80が配
置されている。支持リング80とディスク74の向き合
う面の間にニードルローラなどの転動体82が位置し、
また前記の向き合う面がこの転動体82が転がる転動面
となっている。
【0022】支持リング80の背後、図1の傾動アクチ
ュエータ56の位置に相当する位置に、この例でも傾動
アクチュエータ84が配置されている。傾動アクチュエ
ータ84は、流体圧シリンダ86とピストン88を含
み、ピストン88の進退によって支持リング80の傾き
が制御される。支持リング80の転動面が傾くのに倣
(なら)ってディスク74が傾動する。
【0023】シーブの、ベルトとの係合面を傾けること
により、図1などに示す装置の場合と同様、CVTの変
速速度に関連する能力を向上することができる。
【0024】図9は、傾動機能を有する固定シーブおよ
び傾動機構のさらに他の例の概略構成を示す図である。
図1などに示す出力固定シーブ28およびこれを傾動さ
せるための機構を、図9に示すものに置き換えることが
できる。また、図1に示す装置と同様の構成要素には同
一符号を付しその説明を省略する。
【0025】出力軸14には、これと一体になって回転
する球面座92が設けられる。固定シーブ90はディス
ク94有し、このディスク94は円錐面の一部である係
合面90a、球面座92と係合する球面受け面96を有
する。ディスク94は、球面座92に沿って摺動し、固
定シーブ90を傾動可能としている。ディスク94は、
出力軸14と一体に回転しなければならないので、これ
に対する回り止めが設けられている(不図示)。回り止
めとして、球面座ではなく、円筒面の座およびこれに係
合する受け面を設け、この円筒面の軸を中心にディスク
が傾くようにしてもよい。この場合、円筒面の座および
受け面によって、回り止めが達成される。
【0026】ディスク94の背面の同一直径上の2点、
特に、入出力軸と通る直径上の2点に対応する位置にピ
ストン98が配置される。ピストン98は、ロッド10
0とシュー102を有し、これらはボールジョイント1
04により結合している。シュー102は、ディスク9
4の背面に対向して位置し、この対向する面には、ロッ
ド100内のオイルラインを介して潤滑油が供給され
る。これにより、回転するディスク94との間に潤滑膜
が形成され焼き付き等が防止される。2本のロッド10
0は、支点106を中心として揺動するレバー108と
連結され、レバー108の揺動によりピストン98が進
退する。2本のピストン98の進退は互いに逆向きとな
るので、このピストン98の押圧によりディスク94が
傾動する。この傾動によって、係合面90aが傾き、前
述の実施形態と同様に、CVTの変速速度に関連する能
力を向上することができる。
【0027】図10および図11は、傾動機能を有する
固定シーブおよび傾動機構のさらに他の例の概略構成を
示す図である。図1などに示す出力固定シーブ28およ
びこれを傾動させるための機構を、図10などに示すも
のに置き換えることができる。また、前述した装置と同
様の構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。
【0028】固定シーブ110はディスク112有し、
このディスク112は円錐面の一部である係合面110
a、球面座92と係合する球面受け面114を有する。
ディスク112は、球面座92に沿って摺動し、固定シ
ーブ110を傾動可能としている。ディスク112は、
出力軸14と一体に回転しなければならないので、これ
に対する回り止めが設けられている(不図示)。回り止
めとして、円筒面の座を設けることができるのは図9に
示す装置の場合と同様である。
【0029】ディスク112の背面には、二つの流体圧
室116,118が設けられ、これらは図において上
下、すなわち入出力軸12,14の配列方向に並べられ
る。ディスク112の背面は、流体圧室116,118
内の圧力を受け、これによりディスク112は圧力によ
り進退するピストンとして機能する。二つの流体圧室1
16,118の圧力の増減を逆にすることにより、ディ
スク112が傾動し、これによって係合面110aが傾
く。これにより、前述の実施形態と同様にCVTの変速
速度に関連する能力を向上することができる。
【0030】図12は、傾動機能を有する固定シーブお
よび傾動機構のさらに他の例の概略構成を示す図であ
る。図1などに示す出力固定シーブ28およびこれを傾
動させるための機構を、図12に示すものに置き換える
ことができる。また、前述した装置と同様の構成要素に
は同一符号を付しその説明を省略する。
【0031】固定シーブ120は、出力軸14に固定さ
れた固定ディスク122と、球面座92に係合する受け
面124を有する傾動ディスク126を含む。傾動ディ
スク126は球面座92に沿って摺動し、これにより傾
動ディスク126に含まれる固定シーブ係合面120a
が傾く。また、傾動ディスク126は、その背面に係合
突起128を有し、これが固定ディスク122に設けら
れた係合穴130と係合する。これにより、傾動ディス
ク126が出力軸14と共に回転する。固定ディスク1
22と傾動ディスク126の外周付近は、半径方向外側
に向けて互いの間隔が広がるような面が形成されてお
り、この結果、固定シーブ120の外周には、周方向に
V字形の溝132が形成される。
【0032】このV字溝132に、はまり合うように、
内周側にくさび形が形成されたくさび状リング134が
配置される。くさび状リング134の外周側には、支持
ローラ136が配置され、さらに支持ローラは軸受13
8に支持されている。支持ローラ136をアクチュエー
タにより固定シーブ120の半径方向に進退させると、
くさび状リング134のくさび部分も進退し、これによ
り傾動ディスク126が傾動する。支持ローラ136が
周方向に複数配置される場合は、これらの支持ローラ1
36は、協調して進退し、常にくさび状リング134の
外周面に接触し、これを支持するように動作する。ま
た、支持ローラ136を周方向に略等間隔に3個以上配
置することにより、傾動ディスク126の傾く方向を任
意に決定することができる。傾動ディスク126の傾動
により係合面120aが傾き、前述の実施形態と同様に
CVTの変速速度に関連する能力を向上することができ
る。
【0033】図13は、傾動機能を有する固定シーブお
よび傾動機構のさらに他の例の概略構成を示す図であ
る。図1などに示す出力固定シーブ28およびこれを傾
動させるための機構を、図13に示すものに置き換える
ことができる。また、前述した装置と同様の構成要素に
は同一符号を付しその説明を省略する。
【0034】固定シーブ140は、出力軸14に固定さ
れた固定ディスク142と、球面座92に係合する受け
面144を有する傾動ディスク146を含む。傾動ディ
スク146は球面座92に沿って摺動し、これにより傾
動ディスク146に含まれる固定シーブ係合面140a
が傾く。また、傾動ディスク146は、その背面に係合
突起148を有し、これが固定ディスク142に設けら
れた係合穴150と係合する。これにより、傾動ディス
ク146が出力軸14と共に回転する。また、固定ディ
スク142と傾動ディスク146の間には、弾性部材1
52が介在し、これの弾性力によって傾動ディスク14
6が中立位置、すなわちディスクの軸線が出力軸14の
軸線に一致する位置に向けて付勢される。
【0035】出力プーリのベルトが巻き掛かっていない
側、すなわち入力軸側の固定シーブ140、可動シーブ
30の間には、転動体、例えばローラ154,156を
保持するホルダ158が位置している。ローラ154,
156は、それぞれ固定シーブ、可動シーブの係合面1
40a,30aに当接して配置されている。また、ロー
ラ154,156は係合面140a,30aの周方向に
沿って、それぞれ複数配置されてもよい。このホルダ1
58は、図中上下方向、すなわち入力軸と出力軸を結ぶ
方向に進退させるための手段によって、その位置が制御
される。この手段は、例えば流体圧のアクチュエータ、
減速機と組み合わされた電動機などとすることができ
る。
【0036】ホルダ158は、ベルト36の位置によっ
て、その位置を変化させる必要がある。すなわち、図中
下側のシーブの間隔はベルト36により規定され、上側
はホルダ158およびローラ154,156により決定
されるからである。したがって、変速比が変化していな
い状態、すなわち定常状態であれば、上下のシーブ間隔
が等しくなるよう、ベルト36の位置に合わせてホルダ
158の位置が決定される。変速動作中、傾動ディスク
146を傾ける際には、ホルダ158の位置をベルトの
動きとは若干ずらして制御する。傾動ディスク146の
傾動により係合面140aが傾き、前述の実施形態と同
様にCVTの変速速度に関連する能力を向上することが
できる。
【0037】図14は、傾動機能を有する固定シーブお
よび傾動機構のさらに他の例の概略構成を示す図であ
る。図1などに示す出力固定シーブ28およびこれを傾
動させるための機構を、図14に示すものに置き換える
ことができる。また、前述した装置と同様の構成要素に
は同一符号を付しその説明を省略する。さらに、固定シ
ーブ140については図13に示したものと全く同様の
構成を有しており、説明は省略する。
【0038】本装置の特徴的な構成は、ローラ160で
ある。ローラ160は、ベルト36がプーリに巻き掛か
っていない部分において、傾動ディスク146の係合面
140aに接し、これを押圧している。ローラ160
は、係合面140aにほぼ鉛直方向に付勢されており、
この付勢力によって押圧力が発生する。また、この付勢
力を発生する手段としては、例えは流体圧シリンダ、減
速機と組み合わされた電動機などとすることができる。
変速比が変化していない状態、すなわち定常状態におい
ては、固定シーブ140がベルト36を挟持することで
受ける反力によるモーメントを打ち消すモーメントを、
ローラ160が押圧する力により発生している。変速動
作中、傾動ディスク146を傾ける際には、ローラ16
0の押圧力を増減させて傾きを制御する。したがって、
ローラ160は常時大きな押圧力を発生しており、この
点で図13の装置とは異なる。図13の装置において
は、ローラ154,156を備えたホルダ158をシー
ブで挟持する構成であり、ホルダ158の位置を保持す
るための力は、それほど大きくない。一方、図14の装
置においては、シーブの間隔が変化してもローラ160
の位置を変化させる必要はない。
【0039】前述のように、ローラ160が傾動ディス
ク146を押圧する力を制御することにより、傾動ディ
スク146が傾く。これにより、変速動作中、係合面1
40aを傾けることができ、前述の実施形態と同様にC
VTの変速速度に関連する能力を向上することができ
る。
【0040】図15は、傾動機能を有する固定シーブお
よび傾動機構のさらに他の例の概略構成を示す図であ
る。図1などに示す出力固定シーブ28およびこれを傾
動させるための機構を、図15に示すものに置き換える
ことができる。また、前述した装置と同様の構成要素に
は同一符号を付しその説明を省略する。さらに、固定シ
ーブ140については図13に示したものと全く同様の
構成を有しており、説明は省略する。
【0041】本装置の特徴的な構成は、ローラ162お
よびそのホルダ164である。ローラ162は、ベルト
36がプーリに巻き掛かっていない側に位置し、略円錐
面を有するディスクを円筒のロッドで背中合わせに結合
したものである。このロッド部分をホルダ164が支持
している。ローラ162は、二つのシーブ140,30
の双方に接し、これらのシーブに挟持される。このホル
ダ164は、図中上下方向、すなわち入力軸と出力軸を
結ぶ方向に進退させるための手段によって、その位置が
制御される。この手段は、例えば流体圧のアクチュエー
タ、減速機と組み合わされた電動機などとすることがで
きる。
【0042】ホルダ164は、図13のホルダ158と
同様、ベルト36の位置によって、その位置を変化させ
る必要がある。図13の装置の場合と同様、変速比が変
化していない状態、すなわち定常状態であれば、上下の
シーブ間隔が等しくなるよう、ベルト36の位置に合わ
せてホルダ164の位置が決定される。変速動作中、傾
動ディスク146を傾ける際には、ホルダ164の位置
をベルトの動きとは若干ずらして制御する。したがっ
て、変速比に応じてホルダ164の位置を変更する必要
が生じるが、一方ホルダ164の位置を保持するための
力はさほど必要としない。傾動ディスク146の傾動に
より係合面140aが傾き、前述の実施形態と同様にC
VTの変速速度に関連する能力を向上することができ
る。
【0043】図16は、固定シーブ28を傾動させる機
構の他の例の概略構成を示す図である。図1などに示す
出力軸14などの出力側の構成を、図16に示す構成に
置き換えることができる。また、前述した装置と同様の
構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0044】出力軸166は、可動シーブ30と固定シ
ーブ28の間に、軸を屈曲可能とする屈曲ジョイント1
68を有している。また、固定シーブ側の軸受170
は、ホルダ172に支持され、ホルダ172は不図示の
アクチュエータにより移動可能となっている。移動方向
は、図17に示すように出力軸166に直交する平面内
の方向である。ホルダ172を移動させることにより、
出力軸166が屈曲ジョイント168で曲げられ、固定
シーブ28が傾く。図17において上下方向にも移動可
能となるようにする場合、ベルト36の張力に抗する力
を常に与えておく必要がある。したがって、移動方向
は、図17において左右方向、すなわち入出力を結ぶ方
向と直交する方向にする方が装置構成が簡略化可能であ
る。
【0045】図18は、ホルダ172周りの概略構成図
である。図18において上方が入力軸側であり、よって
ベルトの張力は図中上方に向けて作用している。この張
力に抗するためにガイド174は、ホルダ172の左右
方向の動きをガイドし、上下方向の動きを規制するよう
になっている。
【0046】ホルダ172の位置を制御することによっ
て、固定シーブ28を傾動させることができ、これの係
合面28aが傾く。そして、前述の実施形態と同様にC
VTの変速速度に関連する能力を向上することができ
る。
【0047】図19は、固定シーブ28を傾動させる機
構の他の例の概略構成を示す図である。図1などに示す
出力軸14などの出力側の構成を、図19に示す構成に
置き換えることができる。また、前述した装置と同様の
構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0048】出力軸166は、可動シーブ30と固定シ
ーブ28の間の位置に屈曲可能で回転は伝達する屈曲ジ
ョイント168を有している。屈曲ジョイント168
は、具体的にはフックジョイントとすることができる。
出力軸166の可動シーブ30側の端には、複数の軸受
176が配置され、これにより可動シーブ側の出力軸1
66に傾きが生じないように、これを強固に保持する。
【0049】固定シーブ28側の軸受170は、ホルダ
172に保持されている。軸受170の、出力軸166
と接する面は、弧を描いており、これにより後述する出
力軸の傾きが吸収される。ホルダ172は、略円板形状
を有し、その外周においてローラ178によりハウジン
グ180に正逆両方向に回転可能に支持されている。ま
た、ホルダ172の回転の中心は、出力軸166から偏
心しており、これによって、固定シーブ28側の出力軸
166を傾けることができる。
【0050】図20は、ホルダ172を回転させ、出力
軸166の支持点を移動させるための構成例を示す図で
ある。ホルダ172は略円板状であり、その回転中心は
点Oである。出力軸166の回転中心、言い換えれば軸
受170の軸線の通る位置は、点Sである。ホルダ17
2には、流体圧アクチュエータ182が結合されてお
り、これの伸縮により所定範囲内でホルダ172を回転
させることができる。ホルダ172を回転させると、出
力軸166の回転中心Sは、ホルダ172の回転中心の
周りに円形の軌跡Tを描く、この軌跡Tのうち範囲Hを
用いて、出力軸166の支持位置の調整を行う。支持位
置の変化に伴って固定シーブ28を傾動させることがで
き、これの係合面28aが傾く。そして、前述の実施形
態と同様にCVTの変速速度に関連する能力を向上する
ことができる。
【0051】図21は、ホルダ172を回転させるため
の構成の他の例を示す図である。ホルダ172の回転中
心、および軸166の回転中心はそれぞれ点O、点Sで
ある。ホルダ172は、電動モータ184に駆動される
ウォームギア186により回転され、出力軸166の中
心Sは、範囲Hで移動する。この移動により出力軸16
6の支持位置が調整され、固定シーブの係合面28aが
傾く。そして、前述の実施形態と同様にCVTの変速速
度に関連する能力を向上することができる。
【0052】図20および図21には、ベルト36によ
る張力の方向が矢印Gで示されている。図20に示す構
成の場合、出力軸166の移動方向が、張力の方向Gと
略直交するので、流体圧シリンダ182は、張力に抗す
る力を発生する必要がない。一方、図21に示す構成の
場合は、出力軸166の移動方向が張力の方向Gと略一
致し、この張力を常に受ける必要があるので、流体圧シ
リンダを用いることは好ましくない。そのため、図21
のような場合には、ウォームギアを用いている。逆に、
図20の構成の場合にウォームギアを用いることに、不
利益はない。
【0053】図22は、固定シーブの係合面を変形させ
て、同一のベルトの巻き掛かり半径の円弧状でシーブ間
の間隔を変える機構の例が示されている。図1などに示
す出力軸14などの出力側の構成を、図22に示す構成
に置き換えることができる。固定シーブ188は、その
内部に、周方向に配列された複数の流体圧室192を有
している。各々の流体圧室192には、出力軸190内
を通る流体圧ライン194により作動流体が供給され
る。流体圧により流体圧室192が膨張し、シーブの係
合面188aが変形する。固定シーブ188の回転に合
わせて、圧力を供給する流体圧室192を変えていく
と、近似的に固定シーブの係合面188aを傾けたと同
様の変形を作り出すことができる。そして、前述の実施
形態と同様にCVTの変速速度に関連する能力を向上す
ることができる。
【0054】前述の各実施形態においては、傾動可能な
シーブ係合面が固定シーブの係合面である場合について
説明したが、可動シーブの係合面を、または可動、固定
の両シーブの係合面を傾動可能とすることも可能であ
る。
【0055】図23は、さらに他の実施形態の要部の概
略構成図であり、CVT200の変速比の変更にかかる
構成を示している。前述の実施形態と同様の構成につい
ては、同一の符号を付し、その説明を省略する。CVT
200の入力軸に係る構成および出力軸の可動シーブに
係る構成、およびベルトの構成については、前述の図1
に係るCVTと同様の構成を有している。
【0056】CVT200において、特徴的な構成は出
力プーリ202に係る構成である。固定シーブ204
は、出力軸14と一体のディスク206と、出力軸14
に対し軸と一体に回転し、軸方向の移動が許容される支
持コア208を含む。ディスク206は、ベルト36が
接触する略円錐面の係合面204aを有している。ディ
スク206と支持コア208は、ゴムやばねなどの弾性
体210を介して結合されている。支持コア208は、
流体圧シリンダ212にて軸方向に移動される支持ピス
トン214で、その背面を支持されている。支持ピスト
ン214が進出し、支持コア208が図中左方向に移動
すると、ディスク206と支持コア208が密着し、一
体となる。このとき弾性体210は、ディスク206と
支持コア208の少なくとも一方に設けられた凹部内に
納まり、ディスク206と支持コア208の密着を阻害
しないようになっている。支持ピストン214が退避す
ると、支持コア208も図中右方向に移動し、これによ
りディスク206と支持コア208が離れ、弾性体21
0を介して結合した状態となる。
【0057】ディスク206と支持コア208が密着し
た状態と離隔した状態では、固定シーブ204全体の剛
性が変化する。すなわち、離隔状態では、ベルト36か
らの反力を受けるのは、主にディスク206となり、密
着状態ではディスク206と支持コア208が一体とな
って反力を担う。つまり、ベルト36の反力について、
離隔状態の方が、固定シーブ204の剛性が低くなる。
固定シーブの剛性が低下するとベルト36からの反力に
よって、ディスク206が変形し、係合面204aが出
力軸14の軸線に対し傾く。これにより、変速速度を速
めることができる。
【0058】シーブの剛性は、通常時、すなわち変速動
作を行っていないときには、ベルト36との接触長さを
十分に確保するために、高いことが望まれる。したがっ
て、この場合には、ディスク206と支持コア208を
密着するように制御する。剛性を低下させるのは、ベル
トの巻き掛かり半径を小さくするときに行うことが好ま
しい。
【0059】図24は、図23の可動シーブ30に替え
る、剛性を低下させる機構を設けた可動シーブ220の
構成を示す図である。この可動シーブ220を採用した
場合、固定シーブは入力側の固定シーブと同様の構成と
することができる。
【0060】可動シーブ220は、ベルト36と係合す
る略円錐面の係合面220aを有するディスク222
と、ディスク222の背面側に配置され、ディスク22
2に対して軸方向に移動可能な支持コア224とを含
む。ディスク222と支持コア224は、ゴムやばねな
どの弾性体226を介して結合されている。流体圧室3
4の圧力により支持コア224は、ディスク222に対
し進退し、進出状態ではディスク222の背面に当接
し、退避状態では、ディスク222との間に間隙が生じ
る。また、弾性体226は、ディスク222と支持コア
224とが密着するときには、少なくとも一方に設けた
凹部に納まり、前記密着を阻害することがないようにな
っている。
【0061】可動シーブ220を移動させる流体圧が所
定値以下となった場合に、ディスク222と支持コア2
24が分離するように弾性体のばね定数等を決定してい
る。可動シーブの剛性を低下させることにより、ベルト
36からの反力によって係合面220aの出力軸軸線に
対する傾きが変化する。これによって、変速動作の速度
を速めることができる。
【0062】図25は、図24と交替可能で、剛性を低
下させる機構を設けた可動シーブ230の概略構成を示
す図である。可動シーブ230は、ベルト36と係合す
る略円錐面の係合面230aを有するディスク232
と、ディスク232の背面側に配置され、ディスク23
2の周辺部分でこれを支持する支持ディスク234とを
含む。流体圧室34内の圧力を変化させることにより、
支持ディスク234の、ディスク232を支持する力を
変化させることができる。これにより、シーブの剛性を
変化させることができる。可動シーブの剛性を低下させ
ることにより、ベルト36からの反力によって係合面2
30aの出力軸軸線に対する傾きが変化する。これによ
って、変速動作の速度を速めることができる。なお、図
24と図25に記載の構成は、固定シーブ側に設けるこ
とも可能である。
【0063】図26は、図23〜図25と同様、受動的
にシーブの係合面を傾ける構成を有する他の実施形態の
概略構成を示す図である。また、本図は出力軸14に関
する構成のみ示しており、入力軸およびベルトに係る構
成については、図1および図23に示す構成と同様の構
成を有している。
【0064】固定シーブ240は、図23の固定シーブ
20と同様の構成を有し、出力軸14に固定されてい
る。可動シーブ242は、ベルトが係合する略円錐面の
係合面242aを有し、背後の流体圧シリンダ32によ
り軸方向に移動される。可動シーブ242の、出力軸1
4に係合するステム部244内には、副流体圧室246
が設けられている。副流体圧室246内の圧力を変化さ
せることにより、ステム部244が膨張または収縮し、
その内径が変化する。これにより、出力軸14とのクリ
アランスが変化する。クリアランスが変化することによ
って、ベルトからの反力による係合面242aの傾きも
変化する。クリアランスが大きい場合、係合面242a
の傾きも大きくなり、逆にクリアランスが小さい場合係
合面の傾きは小さくなる。すなわち、クリアランスの変
化によってベルトからの反力に対する係合面242aの
傾きの程度を変化させることができ、これは、ベルトか
らの反力に対するシーブ全体の剛性が変化していると見
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係るCVTの要部構成図であ
る。
【図2】 入出力プーリにベルトが巻き渡された状態を
示す図である。
【図3】 シーブと軸を結合する構造の一例を示す図で
ある。
【図4】 入出力速度比の変化を示す図である。
【図5】 ベルトとプーリの係合面に作用する力を示す
図である。
【図6】 シーブと軸を結合する構造の一例を示す図で
ある。
【図7】 他の実施形態の要部構成図である。
【図8】 図7に示す実施形態の、シーブと軸を結合す
る構造を示す分解斜視図である。
【図9】 さらに他の実施形態の要部構成図である。
【図10】 さらに他の実施形態の要部構成図である。
【図11】 図10に示す実施形態の流体圧室の構成を
示す図である。
【図12】 さらに他の実施形態の要部構成図である。
【図13】 さらに他の実施形態の要部構成図である。
【図14】 さらに他の実施形態の要部構成図である。
【図15】 さらに他の実施形態の要部構成図である。
【図16】 さらに他の実施形態の要部構成図である。
【図17】 図16に示す実施形態において、出力軸の
端を移動させる方向を示す図である。
【図18】 図16に示す実施形態において、軸受およ
びこれを支持する構造の一例を示す図である。
【図19】 さらに他の実施形態の要部構成図である。
【図20】 図19に示す実施形態において、出力軸の
端を移動させる機構の一例を示す図である。
【図21】 図19に示す実施形態において、出力軸の
端を移動させる機構の一例を示す図である。
【図22】 さらに他の実施形態の要部構成を示す図で
ある。
【図23】 シーブの剛性を変化させて、係合面を受動
的に傾ける実施形態の概略構成を示す図である。
【図24】 シーブの剛性を変化させる他の実施形態の
概略構成図である。
【図25】 シーブの剛性を変化させる他の実施形態の
概略構成図である。
【図26】 シーブの剛性を変化させる他の実施形態の
概略構成図である。
【符号の説明】
10 連続可変比変速機(CVT)、12 入力軸、1
4 出力軸、16 入力プーリ、18 出力プーリ、2
0 固定シーブ、22 可動シーブ、28 固定シー
ブ、28a 係合面、30 可動シーブ、36 ベル
ト、44 ディスク、56 傾動アクチュエータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 治博 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 谷 裕文 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 樽谷 一郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 杉浦 豪軌 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3J050 AA03 BA03 BB13 CB01 CD02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸とともに回転する入力プーリと、
    出力軸と共に回転する出力プーリと、これらに掛け渡さ
    れたベルトとを有し、前記入出力プーリへのベルトの巻
    き掛かり半径を連続的に変更することにより連続的に変
    速比を変更することができる変速機であって、 前記入出力プーリはそれぞれ、互いの向かい合う面が略
    円錐面であり、この略円錐面により略V字形の谷間を形
    成する対をなすシーブを含み、前記ベルトは前記略円錐
    面に挟持され、 前記対をなすシーブの間隔を変更し、ベルト巻き掛かり
    半径を変更するシーブ移動機構を有し、 少なくとも一つの前記シーブの略円錐面を、当該シーブ
    が関連する入力軸または出力軸に対し傾ける傾動機構、
    を有する、連続可変比変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の連続可変比変速機であ
    って、前記シーブの傾動は、前記ベルト巻き掛かり半径
    を変更する際に行われる、連続可変比変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の連続可変比変
    速機であって、 前記傾動機構は、 前記対をなすシーブの一方の、少なくとも略円錐面を含
    む部分を、当該シーブが関連する入力軸または出力軸に
    対して傾動を許容しつつ結合する結合構造と、 前記シーブの略円錐面を含む部分に、前記軸に対し非対
    称な力を加える押圧機構と、を含む、連続可変比変速
    機。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の連続可変比変
    速機において、 前記傾動機構は、 前記入力軸と出力軸の少なくとも一方の、対をなすシー
    ブの間に設けられ、当該軸の屈曲を許容しつつ結合する
    結合構造と、 前記結合構造の一方側の軸の支持位置を、軸直交平面内
    で変更する支持位置変更機構と、を含む、連続可変比変
    速機。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の連続
    可変比変速機であって、 前記対をなすシーブの一方は、当該シーブが関連する入
    力軸または出力軸に対し、前記シーブ移動機構により軸
    方向に移動可能な可動シーブであり、他方は軸方向の移
    動を規制された固定シーブである、連続可変比変速機。
  6. 【請求項6】 入力軸とともに回転する入力プーリと、
    出力軸と共に回転する出力プーリと、これらに掛け渡さ
    れたベルトとを有し、前記入出力プーリへのベルトの巻
    き掛かり半径を連続的に変更することにより連続的に変
    速比を変更することができる変速機であって、 前記入出力プーリはそれぞれ、互いの向かい合う面が略
    円錐面であり、この略円錐面により略V字形の谷間を形
    成する対をなすシーブを含み、前記ベルトは前記略円錐
    面に挟持され、 前記対をなすシーブの間隔を変更し、ベルト巻き掛かり
    半径を変更するシーブ移動機構を有し、 少なくとも一つの前記シーブの略円錐面の支持剛性を変
    化させる、剛性変更手段、を有する、連続可変比変速
    機。
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