JP2007155095A - 伝動リング式無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機の軸線方向寸法を短縮可能な新規な伝動リング式無段変速機を提案する。
【解決手段】室13への油圧でピストン11およびローラ9を介し伝動リング8を第1プーリ1のシーブ面1aに押し付け、室14への油圧でピストン12およびローラ10を介し伝動リング8を第2プーリ2のシーブ面2aに押し付けることで、伝動リング8が第1プーリ1および第2プーリ2間で動力の受け渡しを行うことができる。変速に当たっては、シフトフォーク18を介して伝動リング8を図の上下方向へ変位させ、伝動リング8による第1プーリ1および第2プーリ2間の伝動比を無段階に変化させることができる。トラクション発生手段9〜14および変速手段18をプーリ軸線上から外れた位置に配置し得て、無段変速機の軸線方向寸法を短縮することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝動リングを介しプーリ間で動力の受け渡しを行う伝動リング式無段変速機に関するものである。
プーリ間で動力の受け渡しを行う無段変速機としては従来、例えば特許文献1に記載のようなVベルト式無段変速機が代表的なものとして知られている。
このVベルト式無段変速機は、トルクコンバータを介してエンジンの出力軸に駆動結合されたプライマリプーリと、これに整列配置したセカンダリプーリと、これら両プーリ間に掛け渡したVベルトとを具備し、このVベルトを介しプライマリプーリおよびセカンダリプーリ間での回転動力伝達を可能にしたものである。
かかるVベルト式無段変速機を変速可能とするために、プライマリプーリおよびセカンダリプーリのそれぞれのV溝を形成するシーブのうち、一方を固定シーブ、他方を可動シーブとし、可動シーブを固定シーブに対し相対的に接近してV溝幅を狭めたり、離反してV溝幅を広め得るようにする。
そして、セカンダリプーリの可動シーブを、固定シーブから遠い側に同軸に設定したシリンダ室へのライン圧により固定シーブに向け附勢して、これら可動シーブおよび固定シーブ間にVベルトを対応するスラストで挟圧し、プライマリプーリの可動シーブを、固定シーブから遠い側に同軸に設定したシリンダ室への変速制御圧(ライン圧の減圧制御により作り出す)により固定シーブに向け附勢して、これら可動シーブおよび固定シーブ間にVベルトを対応するスラストで挟圧することにより上記の動力伝達を可能にする。
Vベルト式無段変速機の変速制御に当たっては、上記変速制御圧の上昇によりプライマリプーリのVベルト挟圧力を増すことで、プライマリプーリ内においてVベルトを径方向外方へ追い出すと共に、その分セカンダリプーリ内におけるVベルトの接触円弧径を低下させてハイ側変速比へのアップシフトを行う。
逆のダウンシフトに際しては、変速制御圧の低下によりプライマリプーリのVベルト挟圧力を低下させることで、セカンダリプーリ内においてVベルトを径方向外方へ追い出すと共に、その分プライマリプーリ内におけるVベルトの接触円弧径を低下させてロー側変速比へのダウンシフトを行う。
なお、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに同軸に設定したシリンダ室内の作動油には、プーリ回転に伴う遠心力が作用して遠心圧が発生し、これが上記の変速制御に悪影響が及ぼすことから、この遠心圧を打ち消して変速制御への悪影響を回避する遠心圧キャンセル室を、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに更に付加して同軸に設定する。
特開平06−221409号公報
しかしVベルト式無段変速機にあっては、上記したとおりプライマリプーリおよびセカンダリプーリにそれぞれ、同軸に配して変速制御用のシリンダ室および遠心圧キャンセル室を設定する必要があり、変速時における可動シーブの軸線方向ストローク量が大きいこととも相まって、無段変速機の軸線方向寸法が大きくなるという問題を生じていた。
このため、Vベルト式無段変速機を車両などに用いるときの搭載位置が制約を受けてレイアウト自由度が低いという問題や、車両への搭載性が悪いという問題を避けられなかった。
本発明は、伝動要素にVベルトを用いる限り、その変速制御システムの構成上、無段変速機の軸線方向寸法に関する上記の問題を避けられないとの事実認識に基づき、そして、 Vベルトに代え伝動リングを伝動要素として用いれば、トラクション発生部および変速制御部を何れのプーリ軸線上からも外して配置し得るとの観点から、
この着想を具体化して、無段変速機の軸線方向寸法に関する上記の問題を解消した伝動リング式無段変速機を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による伝動リング式無段変速機は、請求項1に記載のごとく、
第1プーリおよび第2プーリを相互に径方向へオフセットして、相互に平行なそれぞれの固定軸線周りに回転自在に設けると共に、これら第1プーリおよび第2プーリ間で摩擦接触により回転動力の受け渡しを行う伝動リングを設け、
上記第1プーリおよび第2プーリの軸線方向に指向したシーブ面にそれぞれ上記伝動リングの一部を押し付けて、該伝動リングの一部と第1プーリおよび第2プーリのシーブ面との間に上記回転動力の受け渡しを可能にするためのトラクションを発生させるトラクション発生手段を設け、
上記伝動リングを上記第1プーリおよび第2プーリに対し相対的に、これら第1プーリおよび第2プーリの径方向へ変位させてプーリ間伝動比を変更する変速手段を設け、
上記トラクション発生手段および変速手段をそれぞれ、第1プーリおよび第2プーリの回転軸線上から外れた位置に配置したものである。
かかる本発明の伝動リング式無段変速機によれば、
第1プーリおよび第2プーリ間で回転動力の受け渡しを行う伝動要素として伝動リングを用いたため、
第1プーリおよび第2プーリの軸線方向に指向したシーブ面に伝動リングの一部を押し付けて上記回転動力の受け渡しを可能にするトラクション発生手段と、
伝動リングを第1プーリおよび第2プーリの径方向へ変位させてプーリ間伝動比を変更する変速手段とを、上記のとおり、
第1プーリおよび第2プーリの回転軸線上から外れた位置に配置し得ることとなり、
これらを第1プーリおよび第2プーリの回転軸線上に配置せざるを得ないためVベルト式無段変速機において生じていた、無段変速機の軸線方向寸法が大きくなるという問題を解消することができる。
よって本発明の伝動リング式無段変速機は、車両などに用いるとき搭載位置に制約されず、そのレイアウト自由度が高いと共に車両などへの搭載性が向上する。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の一実施例になる伝動リング式無段変速機を示し、1は第1プーリ、2は第2プーリ、3は変速機ケースである。
第1プーリ1および第2プーリ2は相互に径方向へオフセットして平行に配置すると共に、それぞれの固定軸線O1,O2の周りで回転自在とする。
このため第1プーリ1は、ベアリング4,5を介して変速機ケース3に回転自在に支持し、第1プーリ2は、ベアリング6,7を介して変速機ケース3に回転自在に支持する。
第1プーリ1および第2プーリ2はそれぞれ、プーリ軸線O1,O2の方向に指向したシーブ面1a,2aを有し、これらシーブ面1a,2aをそれぞれ円錐頂角が同じ凸状円錐面とする。
そして、凸状円錐シーブ面1a,2aを相互に向き合うプーリ軸線方向に指向させると共に、 これら凸状円錐シーブ面1a,2aの一部がプーリ軸線方向に重合するよう第1プーリ1および第2プーリ2を相互に接近させて配置する。
第1プーリ1および第2プーリ2間で、それぞれの凸状円錐シーブ面1a,2aとの摩擦接触により回転動力の受け渡しを行う伝動リング8を設ける。
この伝動リング8は、そのリング状態を不変に保つ剛体とし、第1プーリ1の凸状円錐シーブ面1aに対する接触位置が図1の位置と図2の位置との間で変化するとき、第2プーリ2の凸状円錐シーブ面2aに対する接触位置が図1の位置と図2の位置との間で変化するようなものとする。
プーリ軸線O1,O2を含む面による断面で現れる凸状円錐シーブ面1a,2aの母線、つまり、図1および図2に示された凸状円錐シーブ面1a,2aの母線のうち、第2プーリ2から遠い側における凸状円錐シーブ面1aの母線に対し平行に押圧ローラ9を配置し、第1プーリ1から遠い側における凸状円錐シーブ面2aの母線に対し平行に押圧ローラ10を配置する。
押圧ローラ9,10は個々のピストン11,12に回転自在に支持し、これらピストン11,12を変速機ケース3に対し摺動自在に嵌合してシリンダ室13,14を画成する。
シリンダ室13に油圧を供給し、この油圧によりピストン11をシーブ面1aに向け附勢することで、押圧ローラ9は伝動リング8の対応箇所をシーブ面1aに押し付けることができ、従って、押圧ローラ9、ピストン11およびシリンダ室13により第1押圧手段15を構成する。
第1押圧手段15は、押圧ローラ9を介し伝動リング8の対応箇所をシーブ面1aに押し付けることで、伝動リング8とシーブ面1a(第1プーリ1)との間に、回転動力の受け渡しを可能にするトラクションを発生させることができ、従って第1押圧手段15は、プーリ軸線O1,O2上から外れた位置に配置した、本発明におけるトラクション発生手段に相当する。
シリンダ室14に油圧を供給し、この油圧によりピストン12をシーブ面2aに向け附勢することで、押圧ローラ10は伝動リング8の対応箇所をシーブ面2aに押し付けることができ、従って、押圧ローラ10、ピストン12およびシリンダ室14により第2押圧手段16を構成する。
第2押圧手段16は、押圧ローラ10を介し伝動リング8の対応箇所をシーブ面2aに押し付けることで、伝動リング8とシーブ面2a(第2プーリ2)との間に、回転動力の受け渡しを可能にするトラクションを発生させることができ、従って第2押圧手段16は、プーリ軸線O1,O2上から外れた位置に配置した、本発明におけるトラクション発生手段に相当する。
伝動リング8には、シーブ面1aと接する平坦面8a、シーブ面2aと接する平坦面8b、押圧ローラ9と接する平坦面8c、および押圧ローラ10と接する平坦面8dを設定し、これらに加えて内周面8eおよび外周面8fを有した、図1および図2に示すような六角断面形状となす。
第1押圧手段15および第2押圧手段16よりなるトラクション発生手段とは別に、図3に明示する変速手段17を設け、これをシフトフォーク18およびシフター19の相互結合体により構成する。
シフトフォーク18はC字状とし、その二股先端を、伝動リング8の外周面8fに形成した外周条溝8gに係合させ、シフトフォーク18に一体のシフター19を図3に矢αで示すごとく、第1プーリ1および第2プーリ2の径方向、詳しくは押圧ローラ9,10の軸線方向へ変位させることで、シフトフォーク18を介して伝動リング8を同方向へ、図1および図2の位置間で変位させ得るようになす。
上記実施例の作用を以下に説明する。
シリンダ室13に、伝達トルクに応じた油圧を供給してピストン11および押圧ローラ9を介し伝動リング8の対応箇所を第1プーリ1のシーブ面1aに押し付けることで、伝動リング8とシーブ面1a(第1プーリ1)との間に、シリンダ室13への油圧(伝達トルク)に応じたトラクションを発生させる。
同時にシリンダ室14にも、伝達トルクに応じた油圧を供給してピストン12および押圧ローラ10を介し伝動リング8の対応箇所を第2プーリ2のシーブ面2aに押し付けることで、伝動リング8とシーブ面2a(第2プーリ2)との間にも、シリンダ室14への油圧(伝達トルク)に応じたトラクションを発生させる。
これにより、第1プーリ1(または第2プーリ2)の回転が伝動リング8に伝達され、その後、伝動リング8から第2プーリ2(または第1プーリ1)に伝達され、第1プーリ1および第2プーリ2間で回転動力の受け渡しを行うことができる。
この間、シリンダ室13,14への油圧を伝達トルクに応じたものとするから、第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対する伝動リング8の押し付け力も伝達トルクに対応したものとなり、伝動リング8が第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対しスリップすることがなくて伝動効率を高めることができる。
また同様の理由から、シリンダ室13,14への油圧が伝達トルクに対し高すぎて、第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対する伝動リング8の押し付け力が過剰となり、過剰な油圧発生エネルギーの消費で燃費が悪化するのを回避することができる。
変速に当たっては、シフター19によりシフトフォーク18を介して伝動リング8を図3の矢αで示す方向へ変位させ、押圧ローラ9およびシーブ面1a間に挟圧された伝動リング8の部分と、押圧ローラ10およびシーブ面2a間に挟圧された伝動リング8の部分とを、押圧ローラ9およびシーブ面1a間の同幅空所と、押圧ローラ10およびシーブ面2a間の同幅空所に沿って、図1に示す位置と図2に示す位置との間で移動させる。
かかる伝動リング8の変位に当たって必要な力は、シリンダ室13,14内への油圧による押圧ローラ9,10およびシーブ面1a,2a間の伝動リング8の挟圧力と、動摩擦係数との乗算値で表される動摩擦力よりも大きな力である。
伝動リング8の上記変位により、押圧ローラ9およびシーブ面1a間に挟圧された伝動リング8の部分と、押圧ローラ10およびシーブ面2a間に挟圧された伝動リング8の部分とがそれぞれ、シーブ面1a, 2aとの摩擦係合位置を同期して同方向へ変更され、伝動リング8による第1プーリ1および第2プーリ2間での伝動比(変速比)を無段階に変化させることができる。
ちなみに第1プーリ1が入力側のプライマリプーリであり、第2プーリ2が出力側のセカンダリプーリである場合について付言すると、図1は最ロー変速比選択状態、図2は最ハイ変速比選択状態である。
ところで本実施例においては、第1プーリ1および第2プーリ2間で回転動力の受け渡しを行う伝動要素として伝動リング8を用いるため、
第1プーリ1および第2プーリ2の軸線方向に指向したシーブ面1a,2aに伝動リング8の一部を押し付ける押圧手段15,16で構成したトラクション発生手段と、
伝動リング8を第1プーリ1および第2プーリ2の径方向へ変位させてプーリ間伝動比を変更する変速手段17とを、上記した通り、
第1プーリ1および第2プーリ2の回転軸線O1,O2上から外れた位置に配置し得ることとなり、
これらを第1プーリおよび第2プーリの回転軸線上に配置せざるを得ないためVベルト式無段変速機において生じていた、無段変速機の軸線方向寸法が大きくなるという問題を解消することができる。
よって本実施例の伝動リング式無段変速機は、車両などに用いるとき搭載位置に制約されず、そのレイアウト自由度が高いと共に車両などへの搭載性が向上する。
また、トラクション発生手段(第1および第2押圧手段15,16)と、変速手段17とを、機能上切り離して構成したため、
変速手段17により伝動リング8を変位させて行う変速が、第1および第2押圧手段15,16による伝動リング8のシーブ面押し付け力に関与することがなく、変速中にこの押し付け力が増大してフリクションロスが大きくなるという問題を生ずることがない。
ちなみに従来のVベルト式無段変速機にあっては、前記したとおり変速制御圧の増大により変速を生起させるため、変速中にVベルト挟圧力が増大してフリクションロスが大きくなるという問題を避けられない。
トラクション発生手段(第1および第2押圧手段15,16)と、変速手段17とを、機能上切り離して構成する本実施例の場合、更に加えて、変速手段17により伝動リング8を変位させて行う変速用の力と、第1および第2押圧手段15,16により伝動リング8をシーブ面1a,2aに押し付けてトラクションを発生させるための力とを、個々に最適に制御することができ、変速速度を高めたり、伝動リング8をシーブ面1a,2a上で回転方向へスリップさせながら変速させることさえ可能となり、制御の自由度が高くなる。
ちなみにVベルト式無段変速機にあっては前記した処から明らかなように、変速制御用の油圧がVベルト挟圧力に関与するため、変速速度を高めようとして変速制御圧を高くするとVベルトの張力が増大してその耐久性を損ない、逆に変速制御圧を低下させると所定の変速が行われなくなるという問題を生ずる。
更に、トラクション発生手段を前記したような第1押圧手段15および第2押圧手段16により構成したため、
トラクション発生用に第1押圧手段15および第2押圧手段16が伝動リング8をプーリシーブ面1a,2aへ押し付ける時に、殆どストロークすることなく伝動リング8の押し付けが可能であり、当該ストロークのためのスペースが不要で無段変速機の小型化に寄与すると共に、第1押圧手段15および第2押圧手段16の作動油量がごく僅かでトラクション制御の応答性を向上させることができる。
また、第1押圧手段15および第2押圧手段16が伝動リング8をプーリシーブ面1a,2aに押し付けてこれらとの間にトラクションを発生させる構成のため、伝動リング8に張力を与えることなくトラクションを発生させることができ、伝動リング8の耐久性が向上すると共にその小径化も可能である。
更に、第1押圧手段15および第2押圧手段16が押圧ローラ9,10を介して伝動リング8と接するような構成であるため、
伝動リング8がプーリ1,2間で動力の受け渡しを行うために回転しても、第1押圧手段15および第2押圧手段16と伝動リング8との間におけるフリクションを小さく保って、エネルギーロスの増大を回避することができる。
図4は、本発明の他の実施例になる伝動リング式無段変速機を示し、本実施例においては、伝動リング8を以下のような転がり軸受により構成し、それに合わせて第1および第2押圧手段15,16から図1および図2における押圧ローラ9,10を排除するが、それ以外は図1〜3につき前述したと同様な構成とする。
本実施例における伝動リング8を詳述するに、この伝動リング8は、第1押圧手段15および第2押圧手段16からの前記した押圧力を入力される外輪21と、第1プーリ1および第2プーリ2のシーブ面1a,2aに接する内輪22と、これら内外輪21,22間に介在させたボール等の転がり素子23とよりなる転がり軸受で構成する。
内輪22には、第1プーリ1の凸状円錐シーブ面1aと接する平坦面22a、および、第2プーリ2の凸状円錐シーブ面2aと接する平坦面22bを設定し、外輪21には外周条溝21aを設けて、これにシフトフォーク18の二股先端を係合させる。
内輪22が、第1プーリ1および第2プーリ2の凸状円錐シーブ面1a,2aと接して、第1プーリ1および第2プーリ2により連れ回されても、外輪21が回転しないため、この外輪21に押圧力を付与する押圧手段15,16はそれぞれ、ピストン11,12を直接的外輪21に接触させる。
本実施例の作用を以下に説明する。
シリンダ室13に、伝達トルクに応じた油圧を供給してピストン11を第1プーリ1のシーブ面1aに向け附勢することにより、ピストン11は外輪21の対応箇所を同方向に押して転がり素子23を介し内輪22の対応箇所を第1プーリ1のシーブ面1aに押し付ける。
これにより、内輪22(伝動リング8)とシーブ面1a(第1プーリ1)との間に、シリンダ室13への油圧(伝達トルク)に応じたトラクションを発生させる。
同時にシリンダ室14にも、伝達トルクに応じた油圧を供給してピストン12を第2プーリ2のシーブ面2aに向け附勢することにより、ピストン12は外輪21の対応箇所を同方向に押して転がり素子23を介し内輪22の対応箇所を第2プーリ2のシーブ面2aに押し付ける。
これにより、内輪22(伝動リング8)とシーブ面2a(第2プーリ2)との間に、シリンダ室14への油圧(伝達トルク)に応じたトラクションを発生させる。
これにより、第1プーリ1(または第2プーリ2)の回転が伝動リング8に伝達され、その後、伝動リング8から第2プーリ2(または第1プーリ1)に伝達され、第1プーリ1および第2プーリ2間で回転動力の受け渡しを行うことができる。
この間、シリンダ室13,14への油圧を伝達トルクに応じたものとするから、第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対する伝動リング8の押し付け力も伝達トルクに対応したものとなり、伝動リング8が第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対しスリップすることがなくて伝動効率を高めることができる。
また同様の理由から、シリンダ室13,14への油圧が伝達トルクに対し高すぎて、第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対する伝動リング8の押し付け力が過剰となり、過剰な油圧発生エネルギーの消費で燃費が悪化するのを回避することができる。
変速に当たっては、シフトフォーク18により伝動リング8を図4の上下方向へ変位させ、ピストン11およびシーブ面1a間に挟圧された伝動リング8の部分と、ピストン12およびシーブ面2a間に挟圧された伝動リング8の部分とを、ピストン11およびシーブ面1a間の同幅空所と、ピストン12およびシーブ面2a間の同幅空所に沿って移動させる。
かかる伝動リング8の変位により、ピストン11およびシーブ面1a間に挟圧された伝動リング8の部分と、ピストン12およびシーブ面2a間に挟圧された伝動リング8の部分とがそれぞれ、シーブ面1a, 2aとの摩擦係合位置を同期して同方向へ変更され、伝動リング8による第1プーリ1および第2プーリ2間での伝動比(変速比)を無段階に変化させることができる。
ところで本実施例においても、第1プーリ1および第2プーリ2間で回転動力の受け渡しを行う伝動要素として伝動リング8を用いるため、
押圧手段15,16で構成したトラクション発生手段と、シフトフォーク18を具備した変速手段とを、第1プーリ1および第2プーリ2の回転軸線O1,O2上から外れた位置に配置し得ることとなり、
これらを第1プーリおよび第2プーリの回転軸線上に配置せざるを得ないためVベルト式無段変速機において生じていた、無段変速機の軸線方向寸法が大きくなるという問題を解消することができる。
しかも本実施例の伝動リング式無段変速機によれば、伝動リング8を上記のような外輪21、内輪22および転がり素子23よりなる転がり軸受としたため、外輪21が回転しないこととなって、この外輪21と、これに押し付け力を入力するピストン11,12および変速手段の一部を構成するシフトフォーク18との間に相対変位を生ずることがなく、ここでのフリクションロスを軽減することができる。
図5は、本発明の更に他の実施例になる伝動リング式無段変速機を示し、本実施例においては、伝動リング8の一部を第1プーリ1および第2プーリ2のシーブ面1a,2aに押し付けるに際し、伝動リング8を傾動させることによりこれを実現するようなトラクション発生手段とし、それ以外は図1〜3におけると同様な構成とする。
これがため、シフトフォーク18およびシフター19よりなる変速手段17に、好ましくは、シフトフォーク18およびシフター19の交差部に取り付けて、上記傾動用の回転アクチュエータ24を設ける。
この回転アクチュエータ24は、電動モータや、液圧モータや、空気モータなど、任意のものでよい。
アクチュエータ24の出力軸をシフトフォーク18およびシフター19の交差部に貫通して伝動リング8(図1〜3に示すと同様のもの)の外周8fに指向させ、かように伝動リング8の外周8fに指向させたアクチュエータ(24)出力軸の先端に回動アーム25の中央を固設する。
アクチュエータ(24)出力軸から等距離にある回動アーム25の両端にそれぞれガイドローラ26,27を回転自在に支持し、一方のガイドローラ26は、第2プーリ2に近い側における伝動リング8の側面に当接させ、他方のガイドローラ27は、第1プーリ1に近い側における伝動リング8の側面に当接させる。
本実施例においては、トラクション発生手段が以下のように作用して、第1および第2プーリ1,2間での動力伝達を可能にする。
回転アクチュエータ24を変速機の伝達トルクに応じた力で駆動し、その出力軸を介してアーム25を矢βで示す方向へ回動附勢することにより、ガイドローラ26,27を介して伝動リング8を同方向へ傾動させる。
この間、ガイドローラ26,27は伝動リング8と接触してこれにより連れ回されるため、トラクション発生手段と伝動リング8との間におけるフリクションを低減することができる。
上記した伝動リング8の傾動は、図1〜3の場合と同じ伝動リング8の箇所を第1プーリ1のシーブ面1aに押し付けて、伝動リング8とシーブ面1a(第1プーリ1)との間に、アクチュエータ24の駆動力(変速機伝達トルク)に応じたトラクションを発生させると共に、図1〜3の場合と同じ伝動リング8の箇所を第2プーリ2のシーブ面2aに押し付けて、伝動リング8とシーブ面2a(第2プーリ2)との間に、アクチュエータ24の駆動力(変速機伝達トルク)に応じたトラクションを発生させる。
これにより、第1プーリ1(または第2プーリ2)の回転が伝動リング8に伝達され、その後、伝動リング8から第2プーリ2(または第1プーリ1)に伝達され、第1プーリ1および第2プーリ2間で回転動力の受け渡しを行うことができる。
この間、アクチュエータ24の駆動力を変速機伝達トルクに応じたものとするから、第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対する伝動リング8の押し付け力も変速機伝達トルクに対応したものとなり、伝動リング8が第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対しスリップすることがなくて伝動効率を高めることができる。
また同様の理由から、アクチュエータ24の駆動力が変速機伝達トルクに対し高すぎて、第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対する伝動リング8の押し付け力が過剰となり、過剰なアクチュエータ駆動力の消費で燃費が悪化するのを回避することができる。
変速に当たっては、図1〜3の場合と同様、シフター19によりシフトフォーク18を介して伝動リング8を図5の上下方向へ変位させ、シーブ面1aに押圧された伝動リング8の部分と、シーブ面2aに押圧された伝動リング8の部分とを、シーブ面1aおよびシーブ面2aに沿って移動させる。
かかる伝動リング8の変位により、シーブ面1aに押圧された伝動リング8の部分と、シーブ面2aに押圧された伝動リング8の部分とがそれぞれ、シーブ面1a, 2aとの摩擦係合位置を同期して同方向へ変更され、伝動リング8による第1プーリ1および第2プーリ2間での伝動比(変速比)を無段階に変化させることができる。
本実施例においても、第1プーリ1および第2プーリ2間で回転動力の受け渡しを行う伝動要素として伝動リング8を用いるため、
回転アクチュエータ24、アーム25、およびガイドローラ26,27よりなるトラクション発生手段と、シフトフォーク18およびシフター19よりなる変速手段17とを、
第1プーリ1および第2プーリ2の回転軸線O1,O2上から外れた位置に配置し得ることとなり、
これらを第1プーリおよび第2プーリの回転軸線上に配置せざるを得ないためVベルト式無段変速機において生じていた、無段変速機の軸線方向寸法が大きくなるという問題を解消することができる。
また、回転アクチュエータ24、アーム25、およびガイドローラ26,27よりなるトラクション発生手段と、変速手段17とを、機能上切り離して構成したため、
変速手段17により伝動リング8を変位させて行う変速が、回転アクチュエータ24、アーム25、およびガイドローラ26,27による伝動リング8のシーブ面押し付け力に関与することがなく、変速中にこの押し付け力が増大してフリクションロスが大きくなるという問題を生ずることがない。
更に、トラクション発生手段を回転アクチュエータ24、アーム25、およびガイドローラ26,27により構成したため、
トラクション発生手段を伝動リング8の径方向に並べて配置することとなり、この点においても無段変速機の軸線方向寸法を短縮することができる。
また、トラクション発生手段(回転アクチュエータ24、アーム25、およびガイドローラ26,27)を変速手段17に取着したため、変速手段17と共に変位する伝動リング8と、トラクション発生手段(回転アクチュエータ24、アーム25、およびガイドローラ26,27)との相対位置が変速中も変わらず、変速中も回転アクチュエータ24によるトラクション力が前記の好適値に保たれて、対応する前記の作用効果を変速中も確実に達成することができる。
図6は、本発明の更に別の実施例になる伝動リング式無段変速機を示し、本実施例は、図5の実施例と異なる構成により伝動リング8を傾動させて、伝動リング8の一部を第1プーリ1および第2プーリ2のシーブ面1a,2aに押し付けるようにしたトラクション発生手段を具備するものとし、それ以外は図1〜3におけると同様な構成とする。
つまり、シフトフォーク18およびシフター19よりなる変速手段17に取り付けて、伝動リング8の上記傾動の中心を提供する支点ローラ28を設け、これを、好ましくはプーリシーブ面1a,2aと接する伝動リング8の箇所間の中間位置において伝動リング8に当接させる。
そして、支点ローラ28が接するとは反対の伝動リング8の側に傾動ローラ29を当接させて設け、これをストロークアクチュエータ30のロッド30aに回転自在に取り付ける。
なおストロークアクチュエータ30は、電動式のもの、液圧式のもの、空気式のものなど、任意のものでよい。
本実施例においては、以上の構成になるトラクション発生手段が以下のように作用して、第1および第2プーリ1,2間での動力伝達を可能にする。
ストロークアクチュエータ30を変速機の伝達トルクに応じた力で駆動し、そのロッド30aを介して傾動ローラ29を矢γで示す方向へ変位させることにより、伝動リング8を支点ローラ28の周りで対応方向へ傾動させる。
この間、傾動ローラ29は伝動リング8と接触してこれにより連れ回されるため、トラクション発生手段と伝動リング8との間におけるフリクションを低減することができる。
この意味合いにおいて、支点ローラ28も変速手段17に回転自在に取り付けるのが良い。
上記した伝動リング8の傾動は、図1〜3の場合と同じ伝動リング8の箇所を第1プーリ1のシーブ面1aに押し付けて、伝動リング8とシーブ面1a(第1プーリ1)との間に、アクチュエータ30の駆動力(変速機伝達トルク)に応じたトラクションを発生させると共に、図1〜3の場合と同じ伝動リング8の箇所を第2プーリ2のシーブ面2aに押し付けて、伝動リング8とシーブ面2a(第2プーリ2)との間に、アクチュエータ30の駆動力(変速機伝達トルク)に応じたトラクションを発生させる。
これにより、第1プーリ1(または第2プーリ2)の回転が伝動リング8に伝達され、その後、伝動リング8から第2プーリ2(または第1プーリ1)に伝達され、第1プーリ1および第2プーリ2間で回転動力の受け渡しを行うことができる。
この間、アクチュエータ30の駆動力を変速機伝達トルクに応じたものとするから、第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対する伝動リング8の押し付け力も変速機伝達トルクに対応したものとなり、伝動リング8が第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対しスリップすることがなくて伝動効率を高めることができる。
また同様の理由から、アクチュエータ30の駆動力が変速機伝達トルクに対し高すぎて、第1プーリシーブ面1aおよび第2プーリシーブ面2aに対する伝動リング8の押し付け力が過剰となり、過剰なアクチュエータ駆動力の消費で燃費が悪化するのを回避することができる。
変速に当たっては、図1〜3の場合と同様、シフター19によりシフトフォーク18を介して伝動リング8を図6の上下方向へ変位させ、シーブ面1aに押圧された伝動リング8の部分と、シーブ面2aに押圧された伝動リング8の部分とを、シーブ面1aおよびシーブ面2aに沿って移動させる。
かかる伝動リング8の変位により、シーブ面1aに押圧された伝動リング8の部分と、シーブ面2aに押圧された伝動リング8の部分とがそれぞれ、シーブ面1a, 2aとの摩擦係合位置を同期して同方向へ変更され、伝動リング8による第1プーリ1および第2プーリ2間での伝動比(変速比)を無段階に変化させることができる。
本実施例においても、第1プーリ1および第2プーリ2間で回転動力の受け渡しを行う伝動要素として伝動リング8を用いるため、
支点ローラ28、傾動ローラ29およびストロークアクチュエータ30よりなるトラクション発生手段と、シフトフォーク18およびシフター19よりなる変速手段17とを、
第1プーリ1および第2プーリ2の回転軸線O1,O2上から外れた位置に配置し得ることとなり、
これらを第1プーリおよび第2プーリの回転軸線上に配置せざるを得ないためVベルト式無段変速機において生じていた、無段変速機の軸線方向寸法が大きくなるという問題を解消することができる。
また、支点ローラ28、傾動ローラ29およびストロークアクチュエータ30よりなるトラクション発生手段と、変速手段17とを、機能上切り離して構成したため、
変速手段17により伝動リング8を変位させて行う変速が、支点ローラ28、傾動ローラ29およびストロークアクチュエータ30による伝動リング8のシーブ面押し付け力に関与することがなく、変速中にこの押し付け力が増大してフリクションロスが大きくなるという問題を生ずることがない。
更に、トラクション発生手段を支点ローラ28、傾動ローラ29およびストロークアクチュエータ30により構成したため、
トラクション発生手段を伝動リング8の径方向に並べて配置することとなり、この点においても無段変速機の軸線方向寸法を短縮することができる。
また、トラクション発生手段の一部を構成する支点ローラ28を変速手段17に取着したため、変速手段17と共に変位する伝動リング8と、支点ローラ28との相対位置が変速中も変わらず、変速中もストロークアクチュエータ30によるトラクション力が前記の好適値に保たれて、対応する前記の作用効果を変速中も確実に達成することができる。
なお、この意味合いにおいてはストロークアクチュエータ30も変速手段17に取り付けるのが好ましい。
前記した各実施例においては、第1プーリ1および第2プーリ2のシーブ面1a,2aをそれぞれ凸状円錐面としたが、これらは平坦面であってもよいのは勿論である。
また前記した各実施例においては、第1プーリ1および第2プーリ2のシーブ面1a,2aをそれぞれ凸状円錐面として、これら凸状円錐面を相互に向き合うプーリ軸線方向に指向させたため、
これら凸状円錐シーブ面1a,2aを、一部がプーリ軸線方向に重合するよう配置することができ、この重合量だけ無段変速機の径方向寸法にも小型化することができると共に、図1および図2の対比から明らかなように、変速に際して伝動リング8がほぼ平行移動することとなり、伝動リング8に捻り力が作用せず、その耐久性を向上させることができる。
しかし図7に示すように、凸状円錐シーブ面1a,2aは同じプーリ軸線方向に指向させてもよい。
図7の実施例を詳述するに、この図において、図1におけると同様の部分には同一符号を付して示す。
本実施例においては、上記の通り凸状円錐シーブ面1a,2aが同じプーリ軸線方向に指向するよう第1プーリ1および第2プーリ2を配置するが、これらを同じ軸直角面内に、且つ、相互に平行に配置すると共に、それぞれの固定軸線O1,O2の周りで回転自在とする。
このため第1プーリ1は、ベアリング4,5を介して変速機ケース3に回転自在に支持し、第1プーリ2は、ベアリング6,7を介して変速機ケース3に回転自在に支持する。
第1プーリ1および第2プーリ2間で、それぞれの凸状円錐シーブ面1a,2aとの摩擦接触により回転動力の受け渡しを行う伝動リング8を設ける。
この伝動リング8は、そのリング状態を不変に保つ剛体とし、第1プーリ1の凸状円錐シーブ面1aに対する接触位置が図7の位置と図8の位置との間で変化するとき、第2プーリ2の凸状円錐シーブ面2aに対する接触位置が図7の位置と図8の位置との間で変化するようなものとする。
プーリ軸線O1,O2を含む面による断面で現れる凸状円錐シーブ面1a,2aの母線、つまり、図7および図8に示された凸状円錐シーブ面1a,2aの母線のうち、第2プーリ2から遠い側における凸状円錐シーブ面1aの母線に対し平行に押圧ローラ9を配置し、第1プーリ1から遠い側における凸状円錐シーブ面2aの母線に対し平行に押圧ローラ10を配置する。
押圧ローラ9,10は個々のピストン11,12に回転自在に支持し、これらピストン11,12を変速機ケース3に対し摺動自在に嵌合してシリンダ室13,14を画成する。
シリンダ室13に油圧を供給し、この油圧によりピストン11をシーブ面1aに向け附勢することで、押圧ローラ9は伝動リング8の対応箇所をシーブ面1aに押し付けることができ、従って、押圧ローラ9、ピストン11およびシリンダ室13により第1押圧手段15を構成する。
第1押圧手段15は、押圧ローラ9を介し伝動リング8の対応箇所をシーブ面1aに押し付けることで、伝動リング8とシーブ面1a(第1プーリ1)との間に、回転動力の受け渡しを可能にするトラクションを発生させることができ、従って第1押圧手段15は、プーリ軸線O1,O2上から外れた位置に配置した、本発明におけるトラクション発生手段に相当する。
シリンダ室14に油圧を供給し、この油圧によりピストン12をシーブ面2aに向け附勢することで、押圧ローラ10は伝動リング8の対応箇所をシーブ面2aに押し付けることができ、従って、押圧ローラ10、ピストン12およびシリンダ室14により第2押圧手段16を構成する。
第2押圧手段16は、押圧ローラ10を介し伝動リング8の対応箇所をシーブ面2aに押し付けることで、伝動リング8とシーブ面2a(第2プーリ2)との間に、回転動力の受け渡しを可能にするトラクションを発生させることができ、従って第2押圧手段16は、プーリ軸線O1,O2上から外れた位置に配置した、本発明におけるトラクション発生手段に相当する。
伝動リング8は、図7に示す変速状態と、図8に示す変速状態との間でプーリ1,2の径方向へ変位するが、この変位中に伝動リング8を含む面と、プーリ軸線O1,O2とのなす角度が変化するため、シーブ面1a, 2aに対する伝動リング8の接触位置(リング横断面内の接触位置)が逐一変化する。
これによっても伝動リング8に捻り力が作用することのないよう、伝動リング8の断面形状を本実施例では円形とし、併せて、変速手段を成すシフトフォーク18およびこれが係合する伝動リング8の外周条溝8gも、シフトフォーク18が捻り力を受けることのないよう円形断面形状とする。
上記実施例の伝動リング式無段変速機も、前記した各実施例と同様の作用効果を達成することができる。
ところで本実施例では、第1プーリ1および第2プーリ2を凸状円錐シーブ面1a,2aが同じプーリ軸線方向に指向するよう、そして、同じ軸直角面内において径方向に並置したため、前記した各実施例のように凸状円錐シーブ面1a,2aを一部軸線方向に重合させて配置する場合よりも更に無段変速機の軸線方向寸法を短縮することができる。
本発明の一実施例になる伝動リング式無段変速機を示す縦断側面図である。 図1の伝動リング式無段変速機を、図1とは異なる変速状態で示す縦断側面図である。 図1の伝動リング式無段変速機を変速手段の側から見て示す概略斜視図である。 本発明の他の実施例になる伝動リング式無段変速機を示す、図1と同様な縦断側面図である。 本発明の更に他の実施例になる伝動リング式無段変速機を示す、図3と同様な概略斜視図である。 本発明の更に別の実施例になる伝動リング式無段変速機を示す、図3と同様な概略斜視図である。 本発明の更に他の実施例になる伝動リング式無段変速機を示す、図1と同様な縦断側面図である。 図7の伝動リング式無段変速機を、図7とは異なる変速状態で示す縦断側面図である。
符号の説明
1 第1プーリ
2 第2プーリ
3 変速機ケース
8 伝動リング
9,10 押圧ローラ
11,12 ピストン
13,14 シリンダ室
15 第1押圧手段(トラクション発生手段)
16 第2押圧手段(トラクション発生手段)
17 変速手段
18 シフトフォーク
19 シフター
21 外輪
22 内輪
23 転がり素子
24 回転アクチュエータ(トラクション発生手段)
25 アーム(トラクション発生手段)
26,27 ガイドローラ(トラクション発生手段)
28 支点ローラ(トラクション発生手段)
29 傾動ローラ(トラクション発生手段)
30 ストロークアクチュエータ(トラクション発生手段)

Claims (11)

  1. 第1プーリおよび第2プーリを相互に径方向へオフセットして、相互に平行なそれぞれの固定軸線周りに回転自在に設けると共に、これら第1プーリおよび第2プーリ間で摩擦接触により回転動力の受け渡しを行う伝動リングを設け、
    前記第1プーリおよび第2プーリの軸線方向に指向したシーブ面にそれぞれ前記伝動リングの一部を押し付けて、該伝動リングの一部と第1プーリおよび第2プーリのシーブ面との間に前記回転動力の受け渡しを可能にするためのトラクションを発生させるトラクション発生手段を設け、
    前記伝動リングを前記第1プーリおよび第2プーリに対し相対的に、これら第1プーリおよび第2プーリの径方向へ変位させてプーリ間伝動比を変更する変速手段を設け、
    前記トラクション発生手段および変速手段をそれぞれ、前記第1プーリおよび第2プーリの回転軸線上から外れた位置に配置したことを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  2. 請求項1に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記トラクション発生手段と、前記変速手段とを、機能上切り離して構成したことを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  3. 請求項2に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記トラクション発生手段は、前記伝動リングの一部を第1プーリおよび第2プーリのシーブ面に押し付ける第1押圧手段および第2押圧手段により構成したものであることを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  4. 請求項3に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記伝動リングと接して該伝動リングにより回転されるローラを前記第1押圧手段および第2押圧手段に設け、
    第1押圧手段および第2押圧手段がそれぞれ該ローラを介して前記伝動リングの一部を第1プーリおよび第2プーリのシーブ面に押し付けるよう構成したことを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  5. 請求項3に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記伝動リングは、前記第1押圧手段および第2押圧手段からの押圧力を入力される外輪と、前記第1プーリおよび第2プーリのシーブ面に接する内輪と、これら内外輪間に介在させた転がり素子とよりなる転がり軸受で構成し、
    第1押圧手段および第2押圧手段が前記該外輪および転がり素子を順次介して前記内輪を前記第1プーリおよび第2プーリのシーブ面に押し付けるよう構成したことを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  6. 請求項1または2に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記トラクション発生手段は、前記伝動リングの一部が前記第1プーリおよび第2プーリのシーブ面に押し付けられるよう該伝動リングを傾動させるものであることを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  7. 請求項6に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記トラクション発生手段は、前記伝動リングの傾動を生起させる回転アクチュエータで構成し、このアクチュエータを前記変速手段に取り付けて設けたことを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  8. 請求項6に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記トラクション発生手段は、前記伝動リングの傾動の支点を提供する支点部材と、該支点の周りに伝動リングの前記傾動を生起させるストロークアクチュエータとで構成し、前記支点部材を前記変速手段に取り付けて設けたことを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記第1プーリおよび第2プーリのシーブ面をそれぞれ凸状円錐面として、これら凸状円錐面を相互に向き合うプーリ軸線方向に指向させたことを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  10. 請求項9に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記第1プーリおよび第2プーリの凸状円錐面を、一部がプーリ軸線方向に重合するよう配置したことを特徴とする伝動リング式無段変速機。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の伝動リング式無段変速機において、
    前記第1プーリおよび第2プーリのシーブ面をそれぞれ凸状円錐面として、これら凸状円錐面を相互に同じプーリ軸線方向に指向させたことを特徴とする伝動リング式無段変速機。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011118528A1 (ja) * 2010-03-26 2011-09-29 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 動力伝達装置
JP2017048861A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 ジヤトコ株式会社 無段変速機

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