JP2002206542A - 電食防止型軸受およびその外輪製造方法 - Google Patents

電食防止型軸受およびその外輪製造方法

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JP2002206542A JP2001002327A JP2001002327A JP2002206542A JP 2002206542 A JP2002206542 A JP 2002206542A JP 2001002327 A JP2001002327 A JP 2001002327A JP 2001002327 A JP2001002327 A JP 2001002327A JP 2002206542 A JP2002206542 A JP 2002206542A
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明彦 冨谷
Koji Masuoka
晃次 増岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックス溶射絶縁層の膜厚のばらつきや
偏肉がなく、良好な寸法精度、回転精度、および電気絶
縁性能を有する電食防止型軸受およびその外輪製造方法
を提供する。 【解決手段】 外輪2の外周面から幅面にわたってセラ
ミックス溶射絶縁層5を設けた電食防止型軸受に適用す
る。外周面および幅面を研削加工するための基準面2a
を外輪内周面に設ける。基準面2aは、テーパ面からな
る軌道面であっても良く、また軌道面とは別に設けた面
であっても良い。これにより、絶縁層5を溶射後の外輪
2の幅面5Hや外周面5Gを研削する場合に、外輪2を
その内周面に設けた基準面2aで支持して研削加工でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄道車両の主電
動機用、駆動装置用、および車軸用等として用いられる
軸受を始め、軸受の組み込まれる装置の構造上から、軸
受内部に電流が流れることを防止することが必要な用途
に用いられる電食防止型軸受およびその外輪製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図10(A)に示す円すいころ軸
受の外輪22の研削加工では、一般的に先ず幅面B,C
の両面同時研削を行い、次に、幅面B,Cを基準面とし
て、あるいはセンターレス加工により外周面Dを研削
し、最終的に幅面Bおよび外周面Dを基準面として支持
しながら外輪軌道面Eの研削加工を行う。これにより、
良好な寸法精度および回転精度を持つ円すいころ軸受を
製造することができる。
【0003】このような通常の円すいころ軸受に対し
て、軸受内部に電流が流れることを防止することが必要
な用途に用いられる電食防止型の円すいころ軸受では、
電気絶縁性を付加するために、図10(B)に示すよう
に、外輪22の幅面B,Cおよび外周面Dにセラミック
ス材料の単独、またはセラミックス材料および金属材料
を複数層に溶射してなる絶縁層25が被覆形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現在の溶射
技術では、溶射される材料の膜厚寸法のばらつきが大き
く、均一に溶射することが困難であるため、溶射後の外
径・幅の寸法精度および回転精度が著しく悪化し、膜厚
寸法の偏肉も大きくなる。このため、溶射後の外輪22
の幅面B,Cおよび外周面Dの研削加工を、上述した通
常の円すいころ軸受の場合の外輪の研削加工と同様の方
法で行うと、寸法精度および回転精度を確保することは
できるが、電気絶縁性能を左右する絶縁層25の膜厚寸
法のばらつきを抑えながら研削加工を行うことが困難で
ある。このような課題は、自動調心ころ軸受や自動調心
玉軸受についても同様である。
【0005】この発明の目的は、外輪の外周面から幅面
にわたって設けられるセラミックス溶射絶縁層の膜厚の
ばらつきや偏肉を抑えて、良好な寸法精度、回転精度、
および電気絶縁性能を確保できる電食防止型軸受および
その外輪製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の電食防止型軸
受は、軸受箱に嵌着される外輪の外周面から幅面にわた
ってセラミックス溶射絶縁層を設けた電食防止型軸受に
おいて、上記外輪の外周面および幅面を研削加工するた
めの基準面を外輪内周面に設けたことを特徴とする。こ
の構成によると、絶縁層を溶射した後の外輪の幅面や外
周面を研削するときに、外輪を、その内周面に設けた基
準面で支持して研削加工することができる。そのため、
外輪のセラミックス溶射絶縁層を溶射形成した段階でそ
の絶縁層の膜厚寸法にばらつきや偏肉が生じても、外輪
の幅面や外周面における絶縁層の膜厚を所要寸法に研削
加工でき、良好な寸法精度、回転精度、および電気絶縁
性能を持つ電食防止型軸受とすることができる。なお、
この電食防止型軸受は、内輪と外輪との間に転動体を介
在させた転がり軸受である。
【0007】この発明において、上記電食防止型軸受が
円すいころ軸受である場合に、上記基準面が、外輪軌道
面となるテーパ面であっても良い。このように、テーパ
面である外輪軌道面を基準面とすることにより、円すい
ころ軸受において、その外輪に特別な基準面を形成する
ことなく、精度の良い研削加工が行える。例えば、外輪
軌道面に嵌合するテーパ状外周面を有する支持治具で外
輪を支持し、この支持状態で研削加工を行うことによ
り、外輪軌道面を基準面として、セラミックス溶射絶縁
層の膜厚を所要寸法に研削加工できる。
【0008】この発明において、上記基準面が、外輪外
周面と同一の中心軸を有する円筒面であっても良い。こ
の場合に、外輪と軌道面に円筒面の部分を持たないもの
であっても良く、その場合、上記基準面は軌道面とは別
に設ける。このように、外輪外周面と同一の中心軸を有
する円筒面を基準面とすることにより、その円筒面に嵌
合する円筒面状外周面を有する支持治具で外輪を支持し
た状態で研削加工ができる。そのため、上記基準面を利
用した精度の良い研削加工が簡単に行え、セラミックス
溶射絶縁層の膜厚を所要寸法に研削加工できる。
【0009】この発明において、上記のように基準面を
外輪外周面と同一の中心軸を有する円筒面とする場合
に、上記電食防止型軸受が円すいころ軸受であっても良
い。この場合は、外輪のテーパ面からなる軌道面とは別
に、内周面の端部等に、上記円筒面からなる基準面を形
成する。
【0010】この発明において、上記のように基準面を
外輪外周面と同一の中心軸を有する円筒面とする場合
に、上記電食防止型軸受が自動調心軸受であっても良
い。自動調心軸受は、自動調心ころ軸受であっても、自
動調心玉軸受であっても良い。この場合は、外輪の球面
状等の軌道面とは別に、内周面の端部等に、上記円筒面
からなる基準面を形成する。
【0011】この発明における第1の発明方法の軸受外
輪の製造方法は、円すいころ軸受からなる電食防止型軸
受における外輪の製造方法であって、内周面がテーパ面
の軌道面に形成され、外周面から幅面にわたってセラミ
ックス溶射絶縁層が設けられた加工過程中の外輪を製造
する過程と、上記加工過程中の外輪のテーパ面からなる
軌道面に嵌合する治具を用いることにより、上記軌道面
を基準面として、上記加工過程中の外輪の幅面および外
径面の研削加工を行う過程とを含む。この方法による
と、テーパ面である外輪軌道面を基準面とするため、円
すいころ軸受において、その外輪に特別な基準面を形成
することなく、精度の良い研削加工が行える。そのた
め、簡単な方法で、外輪の幅面や外周面におけるセラミ
ックス溶射絶縁層の膜厚を所要寸法に研削加工でき、良
好な寸法精度、回転精度、および電気絶縁性能を有する
電食防止型円すいころ軸受を製造できる。
【0012】この発明における第2の発明方法の軸受外
輪の製造方法は、電食防止型軸受における外輪の製造方
法であって、内周面に軌道面が形成され、かつ外周面と
同一の中心軸を有する円筒面からなる基準面が内周に形
成された加工過程中の外輪を製造する過程と、上記基準
面に係合する治具を用いて、上記加工過程中の外輪の幅
面および外径面の研削加工を行う過程とを含む。この方
法によると、外輪内周に設けた外輪外周面と同一の中心
軸を有する円筒面を基準面として加工過程中の外輪を支
持し、その幅面および外周面を研削加工することができ
る。そのため、外輪の幅面や外周面におけるセラミック
ス溶射絶縁層の膜厚を所要寸法に研削加工でき、良好な
寸法精度、回転精度、および電気絶縁性能を有する電食
防止型軸受を製造できる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図面と共
に説明する。この電食防止型軸受は、図2に示すよう
に、それぞれ軌道輪である内輪1と外輪2との間に転動
体3を介在させたものにおいて、図3に示すように、軸
受箱(図示せず)に嵌着される外輪2の外周面から幅面
にわたってセラミックス溶射絶縁層5を設けたものであ
る。この軸受は、例えば鉄道車両の主電動機におけるロ
ータ支持軸受に用いられる。この軸受は円すいころ軸受
であり、外輪2の軌道面2aはテーパ面とされている。
このテーパ面である軌道面2aは、後述するセラミック
ス溶射絶縁層5の研削加工における基準面とされる。転
動体3は、保持器4のポケットに保持させてある。内外
輪1,2の母材および転動体3は、軸受鋼等の金属材か
らなる。セラミックス溶射絶縁層5は、例えば外輪2の
母材に直接に溶射されるセラミックス層と、このセラミ
ック層を覆って溶射した金属層の2層構造とされる。そ
の外周面5Gおよび幅面5H,5Iは、溶射後に研削さ
れて所定の膜厚に設定される。セラミックス溶射絶縁層
5は、上記2層構造とする代わりに、外輪2の母材側か
ら、金属層、セラミック層、および金属層の3層構造の
溶射層としても良く、また単にセラミックス層の単層で
あっても良い。外層側の金属層は、軸受箱への締まり嵌
め時に剥離を防止するために設けられる層であり、内層
側の金属層は、外輪2の母材に対するセラミック層の密
着性を高めるための層である。
【0014】図1は、上記軸受における外輪2の研削加
工工程を示す。そのうち図1(A)〜(D)は加工過程
中の外輪2にセラミックス溶射絶縁層5を設ける前段階
の工程であり、図1(E)〜(G)はセラミックス溶射
絶縁層5を設けた後段階の工程である。
【0015】前段階の工程では、例えば図1(A)のよ
うに外輪2の小径側幅面2Cを基準盤6の上に当接させ
ることにより、その小径側幅面2Cを基準面として外輪
2を基準盤6に支持させ、この支持状態で外輪2の大径
側幅面2Bを回転砥石7Aで研削する。次に、図1
(B)のように大径側幅面2Bを基準面として外輪2を
基準盤6に支持させ、この支持状態で外輪2の小径側幅
面2Cを回転砥石7Bで研削する。幅面2B,2Cは、
両面同時研削としても良い。このように両幅面2B,2
Cを研削した後に、図1(C)のように外輪2の大径側
幅面2Bをマグネットチャック8に密着させると共に、
外輪2の外径面2Dをシュー9で受け、外径面2Dを回
転砥石7Bで研削する。外径面2Dはセンタレス加工と
しても良い。次に、図1(D)のように幅面2Bおよび
外径面2Dを基準面として支持しながら、マグネットチ
ャック8で外輪2を回転させ、テーパ面である外輪2の
軌道面2aを回転砥石7Cで研削する。
【0016】セラミックス溶射絶縁層5の研削工程であ
る後工程では、図1(E)のように外周面が外輪軌道面
2aと同じ角度のテーパ面となった円すい台形の支持治
具10を基準盤6に設け、この支持治具10の外周面に
外輪2の軌道面2aを嵌合させる。つまり外輪軌道面2
aを基準面として外輪2を支持治具10に支持させる。
この支持状態で、外輪2のセラミックス溶射絶縁層5の
大径側幅面5Hを回転砥石7Aで研削して、その幅面の
セラミックス溶射絶縁層5を所定膜厚に加工する。次
に、このように研削した大径側幅面5Hを、図1(F)
のように基準盤6に密着させることにより、その大径側
幅面5Hを基準面として外輪2を基準盤6に支持させ
る。この支持状態で外輪2のセラミックス溶射絶縁層5
の小径側幅面5Iを回転砥石7で研削して、その幅面の
セラミックス溶射絶縁層5を所定膜厚に加工する。この
ように両幅面5H,5Iを研削した後に、図1(G)の
ようにマグネットチャック8に設けた上記の円すい台形
支持治具10の外周面に外輪2の軌道面2aが嵌合する
ように、外輪軌道面2aを基準面として外輪2を支持治
具10に支持させる。また、セラミックス溶射絶縁層5
の外周面5Gをシュー9で受ける。これにより、外輪軌
道面2aおよび外周面5Gを基準面として、外輪2を支
持しながら、マグネットチャック8で外輪2を回転さ
せ、セラミックス溶射絶縁層5の外周面5Gを回転砥石
7Bで所定膜厚に研削する。なお、このとき、支持治具
10の先端にはボルト11により押圧板12を取付け、
この押圧板12で外輪2を支持治具10の大径側に押し
付けることにより、円すい台形の支持治具10の外周面
に外輪1の軌道面2aを密着させておく。
【0017】このように、この電食防止型軸受では、テ
ーパ面となった外輪軌道面2aを基準面として、外輪2
のセラミックス溶射絶縁層5を研削加工するので、外輪
2の外周面から幅面にわたって設けられるセラミックス
溶射絶縁層5の膜厚のばらつきや偏肉を抑えて、所要の
膜厚に加工できる。これにより、良好な寸法精度、回転
精度、および電気絶縁性能を持つ電食防止型軸受とする
ことができる。
【0018】図4は、この発明の他の実施形態に係る電
食防止型軸受の外輪2を示す断面図である。この電食防
止型軸受も、先の実施形態の場合と同じく円すいころ軸
受である。外輪2の外周面から幅面にわたってセラミッ
クス溶射絶縁層5が設けられること、および内輪、転動
体、保持器の構造は先の実施形態と同様であり、ここで
はこれらの説明は省略する。外輪2の軌道面2aがテー
パ面であることも先の実施形態と同様であるが、この例
では、内周面に、軌道面2aの小径側端部に続き、セラ
ミックス溶射絶縁層5を溶射する前の段階で、外輪外周
面と同一の中心軸Oを有する円筒面2bが形成されてい
る。この円筒面2bは、セラミックス溶射絶縁層5を研
削加工するときの基準面となるものであって、その軸方
向長さは例えば10mm以上に設定される。
【0019】図5は、図4の軸受における外輪2のセラ
ミックス溶射絶縁層5の研削加工工程を示す。この研削
加工では、先ず図5(A)のようにマグネットチャック
8に設置した支持治具10Aに外輪2を支持させて、セ
ラミックス溶射絶縁層5の大径側幅面5Hがマグネット
チャック8に押し当てられる。この場合の支持治具10
Aは、その外周面が外輪2の軌道面2aに形成された円
筒面2bに係合する円筒面を有する円筒形のものであ
る。なお、支持治具10Aは、円周方向に並ぶ複数の部
材であっても良い。セラミックス溶射絶縁層5の大径側
幅面5Hおよび外輪軌道面2aの円筒面2bを基準面と
した上記支持状態で、セラミックス溶射絶縁層5の小径
側幅面5Iを回転砥石7Aで研削して、その幅面のセラ
ミックス溶射絶縁層5を所定膜厚に加工する。次に、こ
のように研削した小径側幅面5Iを、図5(B)のよう
に基準盤6に密着させることにより、その小径側幅面5
Iを基準面として外輪2を基準盤6に支持させる。この
支持状態で外輪2のセラミックス溶射絶縁層5の大径側
幅面5Hを回転砥石7Aで研削して、その幅面のセラミ
ックス溶射絶縁層5を所定膜厚に加工する。このように
両幅面5H,5Iを研削した後に、図5(C)のように
マグネットチャック8に設けた上記の支持治具10Aの
外周面に外輪2の軌道面2aの円筒面2bが嵌合するよ
うに、外輪2を支持治具10Aに支持させると共に、セ
ラミックス溶射絶縁層5の外周面5Gをシュー9で受け
る。これにより、軌道面2aの円筒面2bと、大径側幅
面5Hと外周面5Gとを基準面として、外輪2をマグネ
ットチャック8およびシュー9に支持させ、この支持状
態で、外輪2の軸心Oが回転中心となるようにマグネッ
トチャック8を回転させながら、セラミックス溶射絶縁
層5の外周面5Gを回転砥石7Bで研削する。
【0020】このように、この電食防止型軸受では、テ
ーパ面となった外輪軌道面2aの小径側端部に形成した
円筒面2bを基準面として、外輪2のセラミックス溶射
絶縁層5を研削加工するので、外輪2の外周面から幅面
にわたって設けられるセラミックス溶射絶縁層5を所要
の膜厚寸法に加工でき、良好な寸法精度、回転精度、お
よび電気絶縁性能を有する電食防止型軸受とすることが
できる。
【0021】図6は、この発明のさらに他の実施形態の
電食防止型軸受の外輪2を示す断面図である。この電食
防止型軸受は、図7に示す自動調心ころ軸受や図8に示
す自動調心玉軸受のように、外輪2の軌道面2aに円筒
面の部分を持たない軸受であって、外輪2の外周面から
幅面にわたってセラミックス溶射絶縁層5が設けられる
ことは先の実施形態と同様である。また、外輪2の軌道
面2aの一端部には、図4に示す実施形態の場合と同様
に、セラミックス溶射絶縁層5を溶射する前の段階で、
外輪外周面と同一の中心軸Oを有する円筒面2bが形成
されている。この場合の円筒面2bも、セラミックス溶
射絶縁層5を研削加工するときの基準面となるものであ
って、その軸方向長さは例えば10mm以上に設定され
る。
【0022】この場合も、図5で示した先の実施形態に
おける研削加工と同様にして、外輪2におけるセラミッ
クス溶射絶縁層5の研削が行われる。このように、外輪
軌道面2aの端部に形成した円筒面2bを基準面とし
て、外輪2のセラミックス溶射絶縁層5を研削加工する
ので、外輪1の外周面から幅面にわたって設けられるセ
ラミックス溶射絶縁層5を所要の膜厚寸法に加工でき、
良好な寸法精度、回転精度、および電気絶縁性能を有す
る電食防止型軸受とすることができる。
【0023】図9は、外輪軌道面の一端部に形成する基
準面を、上記実施形態の場合の円筒面2bに替えて、段
差付きの円筒面2cとした実施形態を示す。すなわち、
この段差付き円筒面2cは、外輪幅面側が大径で、幅面
より内側寄りの部分が小径となった円筒面とされてい
る。この電食防止型軸受の外輪2におけるセラミックス
溶射絶縁層5の研削加工では、上記段差付き円筒面2c
に嵌合する段差付き円筒面となった外周面を有する円筒
形の支持治具で外輪2を支持することにより、先の実施
形態の場合と同様にして、セラミックス溶射絶縁層5を
所要の膜厚寸法に研削加工できる。そのため、良好な寸
法精度、回転精度、および電気絶縁性能を有する電食防
止型軸受とすることができる。
【0024】なお、図4〜図9の各実施形態において、
円筒面2bの幅を10mm以上とする理由は、外輪2を治
具10Aに装着したときに、外輪外径面5Gと軸心との
傾きを抑えるためである。
【0025】
【発明の効果】この発明の電食防止型軸受は、外輪の外
周面から幅面にわたってセラミックス溶射絶縁層を設け
た電食防止型軸受において、外輪の外周面および幅面を
研削加工するための基準面を外輪内周面に設けたもので
あるため、絶縁層を溶射後の外輪の幅面や外周面を研削
する場合でも、外輪をその内周面に設けた基準面で支持
して研削加工できる。そのため、外輪のセラミックス溶
射絶縁層を溶射形成した段階でその絶縁層の膜厚寸法に
ばらつきや偏肉が生じても、外輪の幅面や外周面におけ
る絶縁層の膜厚を所要寸法に加工でき、良好な寸法精
度、回転精度、および電気絶縁性能を確保できる。上記
基準面が、外輪軌道面となるテーパ面である場合は、円
すいころ軸受において、その外輪に特別な基準面を形成
することなく、外輪軌道面に嵌合するテーパ面とした外
周面の支持治具で外輪を支持することなどにより、セラ
ミックス溶射絶縁層の膜厚を所要寸法に加工できる。上
記基準面が、外輪外周面と同一の中心軸を有する円筒面
である場合は、その円筒面に嵌合する円筒状外周面の支
持治具等で外輪を支持することにより、セラミックス溶
射絶縁層の膜厚を所要寸法に加工できる。この発明にお
ける第1の発明方法にかかる軸受外輪の製造方法は、円
すいころ軸受からなる電食防止型軸受における外輪の製
造方法であって、内周面がテーパ面の軌道面に形成さ
れ、外周面から幅面にわたってセラミックス溶射絶縁層
が設けられた加工過程中の外輪を製造する過程と、上記
加工過程中の外輪のテーパ面からなる軌道面に嵌合する
治具を用いることにより、上記軌道面を基準面として、
上記加工過程中の外輪の幅面および外径面の研削加工を
行う過程とを含む方法であるため、外輪に特別な基準面
を形成することなく、外輪の幅面や外周面における絶縁
層の膜厚を所要寸法に加工でき、良好な寸法精度、回転
精度、および電気絶縁性能を確保できる。この発明にお
ける第2の発明方法にかかる軸受外輪の製造方法は、内
周面に軌道面が形成され、かつ外周面と同一の中心軸を
有する円筒面からなる基準面が内周に形成された加工過
程中の外輪を製造する過程と、上記基準面に係合する治
具を用いて、上記加工過程中の外輪の幅面および外径面
の研削加工を行う過程とを含む方法であるため、外輪の
幅面や外周面における絶縁層の膜厚を所要寸法に加工で
き、良好な寸法精度、回転精度、および電気絶縁性能を
確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる電食防止型軸受
における外輪の研削加工工程の説明図である。
【図2】同電食防止型軸受の断面図である。
【図3】同電食防止型軸受における外輪の要部拡大断面
図である。
【図4】この発明の他の実施形態にかかる電食防止型軸
受における外輪の断面図である。
【図5】同電食防止型軸受における外輪の研削加工工程
の説明図である。
【図6】この発明のさらに他の実施形態にかかる電食防
止型軸受における外輪の断面図である。
【図7】同電食防止型軸受の一例である自動調心ころ軸
受の断面図である。
【図8】同電食防止型軸受の他の一例である自動調心玉
軸受の断面図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態にかかる電食防
止型軸受における外輪の要部拡大断面図である。
【図10】(A),(B)はそれぞれ従来例の説明図で
ある。
【符号の説明】
2…外輪 2a…軌道面(基準面) 2b…円筒面(基準面) 5…セラミックス溶射絶縁層 5G…外周面 5H,5I…幅面 10,10A…支持治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 友厚 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 Fターム(参考) 3C043 AA01 CC03 3J012 AB20 BB01 BB03 CB02 FB07 FB10 FB11 FB12 HB01 3J101 AA01 AA02 AA13 AA16 AA24 AA25 AA42 AA43 AA52 AA53 AA54 AA62 BA70 DA11 EA41 FA11 GA01 GA02 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受箱に嵌着される外輪の外周面から幅
    面にわたってセラミックス溶射絶縁層を設けた電食防止
    型軸受において、上記外輪の外周面および幅面を研削加
    工するための基準面を外輪内周面に設けたことを特徴と
    する電食防止型軸受。
  2. 【請求項2】 上記電食防止型軸受が円すいころ軸受で
    あり、上記基準面が外輪軌道面となるテーパ面である請
    求項1に記載の電食防止型軸受。
  3. 【請求項3】 上記基準面が外輪外周面と同一の中心軸
    を有する円筒面である請求項1に記載の電食防止型軸
    受。
  4. 【請求項4】 上記電食防止型軸受が円すいころ軸受で
    ある請求項3に記載の電食防止型軸受。
  5. 【請求項5】 上記電食防止型軸受が自動調心軸受であ
    る請求項3に記載の電食防止軸受。
  6. 【請求項6】 円すいころ軸受からなる電食防止型軸受
    における外輪の製造方法であって、内周面がテーパ面の
    軌道面に形成され、外周面から幅面にわたってセラミッ
    クス溶射絶縁層が設けられた加工過程中の外輪を製造す
    る過程と、上記加工過程中の外輪のテーパ面からなる軌
    道面に嵌合する治具を用いることにより、上記軌道面を
    基準面として、上記加工過程中の外輪の幅面および外径
    面の研削加工を行う過程とを含む電食防止型軸受におけ
    る外輪の製造方法。
  7. 【請求項7】 電食防止型軸受における外輪の製造方法
    であって、内周面に軌道面が形成され、かつ外周面と同
    一の中心軸を有する円筒面からなる基準面が内周に形成
    された加工過程中の外輪を製造する過程と、上記基準面
    に係合する治具を用いて、上記加工過程中の外輪の幅面
    および外径面の研削加工を行う過程とを含む電食防止型
    軸受における外輪の製造方法。
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