JP2002192253A - 突起付き中空軸とその製造方法 - Google Patents
突起付き中空軸とその製造方法Info
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Abstract
下である突起部と軸部が一体型の突起付き中空軸とその
製造方法を提供する。 【解決手段】突起部成形用可動型と軸部成形用可動型に
分割され金型内を用い、第1工程のバルジ加工で膨出部
を形成し、この膨出部を第2工程の型寄せバルジ加工で
突起部に成形する方法で、突起部先端の軸方向角部外面
の目標曲率半径をRとした時、式「1.2−0.2(R/t0)≦(d
1/d2)(L1/L2)≦1.4」を満たす条件で第1工程のバルジ
加工と第2工程の型寄せバルジ加工をおこなう。ただ
し、t0は素管肉厚、d1は膨出部の軸方向中央位置におけ
る外周長、L1は同軸方向外面線長、d2は突起部の軸方向
中央位置における外周長、L2は同軸方向外面線長。
Description
製造方法に関し、例えば、4サイクルレシプロエンジン
の吸気弁および排気弁を開閉するためのカム部材が取り
付けられたカムシャフトのような突起付き中空軸とその
製造方法に関する。
ジンの吸気弁および排気弁を駆動させるためのカムを有
する回転軸であるカムシャフトは、中実材料を鋳造や鍛
造にて粗形状に加工した後、機械加工により最終形状に
仕上げられていた。しかし、上記のような加工方法にて
製造されたカムシャフトは、中実材であるために重量が
重いという問題があった。
るカムを焼結合金により中空の部材として製造するとと
もに、回転軸を中空軸として製造し、これらを溶接、ろ
う付けまたは機械的固定により一体化して組み立てカム
シャフトを製造する技術が開発された。しかし、溶接ま
たはろう付けをおこなうには、カム部材および回転軸そ
れぞれの材質が制限され、最適な材料を用いることがで
きない。また、機械的固定は、その固定操作をカム部材
の設置数だけ繰り返しおこなう必要があり、生産性が低
いという問題があった。
カム部をも金属素管より成形するようにした突起付き中
空軸の製造方法および製造装置が、特開昭57−206
530号公報、特開2000−192805号公報およ
び特開2000−210726号公報に提案されてい
る。
報に示される方法は、内面に所望形状の突起部の外形に
対応する凹溝を切設したダイス型内に金属素管を収容
し、この金属素管に液圧と軸圧縮によるバルジ加工を施
すことにより、突起付き中空軸を成形する方法である。
しかし、そこに示される方法は、バルジ加工による膨出
加工のみにて突起部を形成する方法であるため、突起部
の減肉が大きく、十分な製品強度が得難いのに加え、次
の欠点を有している。
先端の軸方向角部外面の曲率半径をR(後述する図4
(c)参照)とした時、Rがt0 (いずれも、単位はm
m)と同等の突起部を成形しようとした場合、Rに対応
する内面角部の曲率半径がゼロとなり、係る形状の突起
部を膨出加工のみで成形するには、理論上、無限大の大
きさの内圧付与が必要になる。このため、R/t0 が1
以下の突起付き中空軸は製造することができない。
いのは次の理由による。すなわち、突起部には、その先
端に所定幅のフラット面を有することが要求されるが、
Rが大きいとフラット面が狭くなるためである。なお、
Rが大きくても、突起部全体の幅を大きくすれば所定幅
のフラット面を確保することは可能である。しかし、こ
のような中空軸は、例えば、エンジンなどの装置全体の
小型化を阻害し、装置の軽量化の障害となる。
れる方法は、金属素管の一部を縮径加工した後に、膨出
成形することにより突起付き中空軸を成形する方法であ
る。しかし、この方法は、金属素管の縮径加工という別
工程が必要である他、金属素管の内面に疵があった場
合、縮径加工により疵が大きくなるおそれがあるので、
素管内面を平滑に仕上げる必要があり、製造コストがか
かるという欠点を有している。
れる方法は、軸方向に複数に分割され、所定の距離だけ
離間させた状態でセットされた分割金型内に収容した金
属素管に膨出加工を施した後、分割型を軸方向に型寄せ
して膨出部に軸圧縮を付加することにより、突起部の減
肉を抑制しながら突起付き中空軸を成形する方法であ
る。しかし、そこには、型寄せによる突起部の減肉抑制
効果については記述されているものの、突起部先端の軸
方向角部外面の曲率半径Rはできるだけ小さい方がよい
ことは勿論、Rを小さくすることは全く考慮されていな
い。
に基づいてなされたもので、その目的とするところは、
突起部先端の軸方向角部外面の曲率半径Rが金属素管の
肉厚以下の突起部と軸部が一体型の突起付き中空軸とこ
の中空軸を小さな成形内圧で内面疵を発生させることな
く高能率に製造することが可能な突起付き中空軸の製造
方法を提供することにある。
を達成するために、金属素管、具体的にはJIS G4
051、同G 4052および同G 4805に規定さ
れる機械構造用炭素鋼とその相当鋼、焼入れ性を保証し
た構造用鋼とその相当鋼、および高炭素クロム軸受鋼と
その相当鋼などからなる鋼管のバルジ加工について鋭意
検討を重ねた。その結果、以下の知見(a)〜(c)を
得た。 (a)小さな付与内圧で先端の軸方向角部外面の曲率半
径Rが小さな突起部を成形するためには、第1工程のバ
ルジ加工後の膨出部の軸方向外面線長をL1 (mm)、
第2工程の型寄せバルジ加工後の突起部の軸方向外面線
長をL2 (mm)とした場合、第1工程のバルジ加工に
おいてL1 がL2 よりも大きい膨出部を形成させるのが
有効である。 (b)また、第1工程のバルジ加工後の膨出部の軸方向
中央位置における外周長をd1 (mm)、第2工程の型
寄せバルジ加工後の突起部の軸方向中央位置における外
周長をd2 (mm)とした場合、両者の比(d1/d2)
と前記L1 とL2との比(L1/L2)が、第2工程の型
寄せバルジ加工時における曲率半径Rの大きさを左右す
る重要なパラメータとなっている。 (c)突起部の減肉は、第2工程の型寄せバルジ加工時
のアプセット効果により抑制される。
L2 )に着目して、数多くの実験をおこなった。その結
果、成形目標とする突起部先端の軸方向角部外面の曲率
半径をR(mm)とした時、下式を満たす条件で第1工
程のバルジ加工と第2工程の型寄せバルジ加工をおこな
うと、小さな付与内圧にて突起部先端の軸方向角部外面
の曲率半径Rが金属素管の肉厚t0 (mm)以下とな
り、しかも内面疵がない突起付き中空軸を製造可能なこ
とが判明した。
2)×(L1/L2)≦1.4 上記の知見に基づいて完成させた本発明の要旨は、下記
(1)の突起付き中空軸と下記(2)の突起付き中空軸
の製造方法にある。 (1)金属素管にバルジ加工を施して成形された突起部
と軸部とが一体型の突起付き中空軸であり、突起部先端
の軸方向角部外面の曲率半径が金属素管の肉厚以下であ
ることを特徴とする突起付き中空軸。 (2)金属素管の外形を所定の形状に成形する突起部成
形用可動型と、この突起部成形用可動型に隣接する軸部
成形用可動型とに分割されるとともに、各型間に所定の
間隔が在するようにセットされた金型内に金属素管を収
容し、この金属素管の内部に液圧を付与して軸部成形用
可動型と突起成形用可動型にて画成される空間部に金属
素管の一部を膨出させる第1工程のバルジ加工、この第
1工程のバルジ加工後、金属素管の内部に液圧を付与し
ながら軸部成形用可動型と突起成形用可動型と間の間隔
を狭めて前記膨出部を所定の突起部形状に成形する第2
工程の型寄せバルジ加工をおこなう突起付き中空軸の製
造方法であって、第2工程の型寄せバルジ加工後におけ
る突起部先端の軸方向角部外面の目標曲率半径をR(m
m)とした時、下式を満たす条件で第1工程のバルジ加
工と第2工程の型寄せバルジ加工をおこなうことを特徴
とする突起付き中空軸の製造方法。
2)×(L1/L2)≦1.4 ただし、 t0 :金属素管の肉厚(mm)、 d1 :第1工程後の膨出部の軸方向中央位置における外
周長(mm)、 d2 :第2工程後の突起部の軸方向中央位置における外
周長(mm)、 L1 :第1工程後の膨出部の軸方向外面線長(mm)、 L2 :第2工程後の突起部の軸方向外面線長(mm)。
1工程のバルジ加工時または/および第1工程の型寄せ
バルジ加工時、金属素管に軸方向の圧縮力を付与するよ
うにしてもよい。
の一実施形態を示す添付図面を参照して詳細に説明す
る。なお、以降の実施形態の説明では、突起付き中空軸
の突起部1個の成形を対象にして説明をおこなう。
バルジ加工型1と、このバルジ加工型1内に収容された
バルジ加工前の金属素管Aを示す模式的縦断面図であ
る。
状態を示す模式的縦断面図であり、図3は第2工程の型
寄せバルジ加工後の状態を示す模式的縦断面図である。
Bおよび突起付き中空軸Cの縦断面と軸方向中央位置に
おける横断面を示す模式図で、同図(a)は金属素管A
の断面図、同図(b)は膨出加工品Bの断面図、同図
(c)は突起付き中空軸Cの断面図である。
IS G 4051、同G 4052および同G 48
05に規定される機械構造用炭素鋼とその相当鋼、焼入
れ性を保証した構造用鋼とその相当鋼、および高炭素ク
ロム軸受鋼とその相当鋼などからなる鋼管に限らず、前
記以外のFe基合金管やNi基合金管、さらにはアルミ
ニウムとその合金に代表される非鉄管や非鉄合金管など
を挙げることができる。
は、上型2と下型3とに分割されたバルジ加工型1を用
いる。このバルジ加工型1を構成する上型2と下型3の
内面には、それぞれ、製造すべき突起付き中空軸Cの目
標外形形状と同じ形状の孔型が刻設されている。
起付き中空軸の軸部を形成する軸部成形用可動型2c、
2eおよび3c、3eと、突起付き中空軸の突起部を所
定の外形形状に成形する突起部成形用可動型2dおよび
3dと、金属素管Aの両端部を所定の形状に成形する軸
部成形用可動型2b、2fおよび3b、3fとに分割さ
れている。
と、軸部成形用可動型2b、2c、2e、2fおよび3
b、3c、3e、3fは、それぞれ、取付け板2a、3
aに対して、例えば、蟻溝機構等の適宜な手段により、
図中の金属素管Aの軸方向に摺動可能なように装着され
ている。
は、いずれも、バルジ加工時の内圧による分割力に耐え
るために、上下から図示を省略したプレス機構により押
さえられており、このプレス機構の上下動によって上型
1と下型2のいずれか一方または両方が上下動し、これ
により、金属素管Aの型内への搬入と、加工終了後の突
起付き中空軸Cの型外への搬出とが行われる。
管Aの両端部を気密保持し、バルジ加工時に図示しない
油圧シリンダ等の適宜な押圧機構に接続されて金属素管
Aの両端部より軸方向圧縮力を加える管端拘束治具7
a、7bが配置されている。
部成形用可動型2dおよび3dと、軸部成形用可動型2
b、2c、2e、2fおよび3b、3c、3e、3fと
を、それぞれ、同時に、軸方向に移動させるとともに、
必要に応じて所定の位置に固定支持する、例えば、油圧
シリンダ等の適宜な押圧機構からなる型移動用治具8
a、8bが配置されている。
成された上型2と下型3とを、プレス機構を作動させて
開き、突起付き中空軸の軸部を形成する軸部成形用可動
型2c、2eおよび3c、3eとが、図1に示すよう
に、それぞれ、突起部成形用可動型2dおよび3dに対
して所定の間隔を隔てて初期セットされる。
1内に装入し、上型2と下型3とを閉じる。
下に述べる第1工程のバルジ加工と第2工程の型寄せバ
ルジ加工をおこなう。
起部成形用可動型2dおよび3dと、軸部成形用可動型
2b、2c、2e、2fおよび3b、3c、3e、3f
の位置を、型移動用治具8a、8bによって図1に示す
状態に固定保持する。
具7a、7bの軸心に設けられた管路7c、7dから高
圧のバルジ加工用液体を注入しつつ管端拘束治具7a、
7bにより両側より軸方向圧縮力を加えて金属素管Aを
拡管膨出変形させ、図2に示すような膨出加工品Bの成
形をおこなう。
にて片側よりの軸方向圧縮力を加えた場合でも金属素管
Aの拡管膨出変形は可能である。また、使用する金属素
管Aの変形能が高い場合や拡管膨出加工量が小さな場合
には、管端拘束治具7a、7bによる軸方向圧縮力はお
こなわず、内圧付与のみにて金属素管Aを膨出加工品B
に加工することも可能である。
は、型移動用治具8a、8bを作動させ、軸部成形用可
動型2b、2c、2e、2fおよび3b、3c、3e、
3fを、それぞれ、突起部成形用可動型2dおよび3d
に向けて両側より移動させながら、管端拘束治具7a、
7bの軸心に設けられた管路7c、7dからの高圧バル
ジ加工用液体の注入および軸方向圧縮力付与を継続して
おこない、膨出加工品Bをさらに拡管膨出変形させ、図
3に示す状態になった時点で、型寄せバルジ加工を終了
する。
び3dに対して軸部成形用可動型2c、2eおよび3
c、3eが当接し、かつこの突起部成形用可動型2dお
よび3dに対して軸部成形用可動型2c、2eおよび3
c、3eが当接して一体となったバルジ加工型1の孔型
内面に、突起付き中空軸Cの突起部が充満した時点でバ
ルジ加工を終了する。
方向圧縮力の付与は、第1工程のバルジ加工の場合と同
様に、いずれか一方のみにて付与するようにしてもよい
し、使用する金属素管Aの変形能が高い場合や拡管膨出
加工量が小さな場合には省略し、単に金型の移動に追従
移動させるようにしてもよい。
たは8bのみを作動させ、軸部成形用可動型2b、2c
および3b、3c、突起部成形用可動型2dおよび3d
を、それぞれ、軸部成形用可動型2e、2fおよび3
e、3fに向けて片側のみより移動させながら型寄せバ
ルジ加工することも可能である。したがって、金型の分
割態様は、図1〜図3に示す分割態様に代えて、例え
ば、突起部成形用可動型2dおよび3dを、軸部成形用
可動型2eおよび3e、または2fおよび3fのいずれ
か一方と一体にした分割金型であってもよい。
加工を2工程に分けておこなう場合には、第1工程のバ
ルジ加工において成形される突起付き中空軸の突起部に
対応する膨出部の金属素管軸方向の拡管膨出領域が、上
下に分割されただけの従来のバルジ加工型を用いる場合
に比べて長くなる。また、金属素管Aに付与する内圧が
同じ場合、その膨出量と材料体積も大きくなる。
と材料体積が大きくなった膨出加工品Bの拡管膨出領域
は、第2工程の型寄せバルジ加工における軸部成形用可
動型2c、3cおよび2e、3eの移動に伴い、その両
側部分に管軸方向の曲げ加工を受けながら拡管膨出変形
し、型相互が接触して一体となったバルジ加工型1の突
起部成形用可動型2dおよび3dの内周面に突起付き中
空軸Cの突起部が充満した時点でバルジ加工を終了す
る。
された膨出加工品Bの膨出部を、第2工程の型寄せバル
ジ加工時により、管軸方向の曲げを付与しながさらに拡
管膨出変形させる場合には、拡管膨出変形が円滑に進行
し、膨出加工品Bに破断が生じることがない。このた
め、偏心量が大きい突起部を有する突起付き中空軸Cで
も成形可能となる。
出加工品Bの内部に付与する内圧は、突起部の外形形状
や第1工程のバルジ加工後の膨出加工品Bの拡管膨出部
の張出し形状等により決定されるが、第2工程の型寄せ
バルジ加工においては付与する内圧が高ければ高いほど
成形後の形状は良好になる。このため、第2工程の型寄
せバルジ加工おいて膨出加工品Bの内部に付与する内圧
はできるだけ高くするのがよい。
スを作動させて上型2と下型3を開き、バルジ加工され
た突起付き中空軸Cをバルジ加工型1外に搬出する。
中空軸Cを成形するのであるが、突起付き中空軸Cの突
起部先端の軸方向角部外面の目標曲率半径R(図4
(c)参照)が、金属素管Aの肉厚t0 (図4(a)参
照)以下のものを成形するには、下式を満たす条件で第
1工程のバルジ加工と第2工程の型寄せバルジ加工をお
こなう必要がある。
Aの肉厚をt0 、外周長をd0 、膨出加工品Bの膨出部
の軸方向中央位置における外周長をd1 、軸方向外面線
長をL1 、および突起付き中空軸Cの突起部の軸方向中
央位置における外周長をd2、軸方向外面線長をL2 と
した場合、実験結果の一例を示す図5、図6および後述
する実施例の結果からも明らかである。
%、換言すれば、比(d0/d2)が0.77で、かつ比
(R/t0 )が0.6の突起付き中空軸Cを成形する
際、前記のd1 、L1 、d2 およびL2 がRに及ぼす影
響を整理して示した図で、縦軸に比(d1/d2)、横軸
に比(L1/L2)を採り、目標通りのRを有する突起部
が成形でき場合を○印、成形できなかった場合を△印、
第2工程の型寄せバルジ加工時に、膨出部の根元部分の
幅が先端部分の幅よりも小さくなったり、先端面が凹ん
だりする挫屈が発生した場合を×印で示した図である。
換言すれば、比(d0/d2)が0.91で、かつ比(R
/t0 )が0.6の突起付き中空軸Cを成形する際にお
ける上記d1 、L1 、d2 およびL2 がRに及ぼす影響
を整理して示した上記の図5と同様の図である。
下限値(d0/d2)、d1=d2の時に最大値1となり、
(d0/d2)≦(d1/d2)≦1となる。
に、「(d1/d2)×(L1/L2)<1.2−(R/t
0 )×0.2」の条件では△印であり、目標とする曲率
半径Rを有する突起部は成形できない。また、「(d1
/d2)×(L1/L2)>1.4」の条件では×印であ
り、第2工程の型寄せバルジ加工時、膨出部に挫屈が発
生する。
0.2≦(d1/d2)×(L1/L2)≦1.4」の範囲
の条件では○印であり、目標とする曲率半径Rを有する
突起部が得られている。よって、本発明では、第1工程
のバルジ加工と第2工程の型寄せバルジ加工を下式を満
たす条件でおこなうことと定めた。
d2)×(L1/L2)≦1.4 なお、以上に説明した本発明の実施形態は、突起付き中
空軸の突起部1個の成形に着目して説明をおこなった
が、突起部が2以上の複数個の場合でも、上記に詳述し
た成形方法を適用することにより、全ての突起部の先端
角部外面の曲率半径Rが金属素管の肉厚t0 以下と小さ
い突起付き中空軸を成形できることはいうまでもない。
す4個の突起部を有する突起付き中空軸を、表1に示す
種々の条件のもとに成形し、目標通りの曲率半径Rを有
する突起部が成形できたか否かを調べ、その結果を、成
形に要した付与内圧とともに、表1に併記して示した。
工と第2の型寄せバルジ加工とを本発明で規定する条件
のもとにおこなった試番1〜6では、低い内圧付与で、
目標通りの曲率半径Rを有する突起部を備えた突起付き
中空軸が得られた。
L2)」値が本発明で規定する下限値「1.2−(R/
t0 )×0.2」未満の条件で第1工程のバルジ加工と
第2の型寄せバルジ加工とをおこなった試番7と8で
は、試番1〜6よりも高い内圧を付与したにもかかわら
ず、いずれも、目標通りの曲率半径Rを有する突起部を
備えた突起付き中空軸は得られなかった。
が本発明で規定する上限値1.4を超える条件で第1工
程のバルジ加工と第2の型寄せバルジ加工とをおこなっ
た試番9と10では、いずれも、第2の型寄せバルジ加
工時、膨出部に挫屈が発生し、所定形状の突起部を備え
た目標通りの突起付き中空軸を成形することができなか
った。
の曲率半径が金属素管の肉厚以下と小さい突起部を有す
る突起部と軸部が同一材料からなる一体型の軽量な突起
付き中空軸を、小さい内圧付与で、内面疵を発生させる
ことなく、確実かつ高能率に製造可能である。また、そ
の製品は、突起部先端の軸方向角部外面の曲率半径が金
属素管の肉厚以下と小さいため、突起部の軸方向幅を可
及的に小さくでき、突起部ピッチの小さいものに適用す
ると好適である。
第1工程のバルジ加工前におけるバルジ加工型の初期セ
ット状態と金属素管との関係を示す図である。
第1工程のバルジ加工後におけるバルジ加工型と膨出部
が成形された金属素管との関係を示す図である。
第2工程の型寄せバルジ加工後におけるバルジ加工型と
所定形状の突起部が成形された突起付き中空軸との関係
を示す図である。
縦断面と軸方向中央位置における横断面を示す模式図
で、同図(a)は金属素管の断面図、同図(b)は膨出
加工品の断面図、同図(c)は突起付き中空軸の断面図
である。
拡管率が30%の時における寸法d1 、L1 、d2 およ
びL2 が突起部先端の軸方向角部外面の曲率半径Rに及
ぼす影響を示す図である。
時における図である。
中空軸の断面図と横断面を示す模式図で、同図(a)は
膨出加工品の断面図、同図(b)は突起付き中空軸の断
面図である。
部成形用可動型、 7a、7b:管端拘束治具、 7c、7d:管路、 8a、8b:型移動用治具。
Claims (3)
- 【請求項1】金属素管にバルジ加工を施して成形された
突起部と軸部とが一体型の突起付き中空軸であり、突起
部先端の軸方向角部外面の曲率半径が金属素管の肉厚以
下であることを特徴とする突起付き中空軸。 - 【請求項2】金属素管の外形を所定の形状に成形する突
起部成形用可動型と、この突起部成形用可動型に隣接す
る軸部成形用可動型とに分割されるとともに、各型間に
所定の間隔が在するようにセットされた金型内に金属素
管を収容し、この金属素管の内部に液圧を付与して軸部
成形用可動型と突起成形用可動型にて画成される空間部
に金属素管の一部を膨出させる第1工程のバルジ加工、
この第1工程のバルジ加工後、金属素管の内部に液圧を
付与しながら軸部成形用可動型と突起成形用可動型と間
の間隔を狭めて前記膨出部を所定の突起部形状に成形す
る第2工程の型寄せバルジ加工をおこなう突起付き中空
軸の製造方法であって、第2工程の型寄せバルジ加工後
における突起部先端の軸方向角部外面の目標曲率半径を
R(mm)とした時、下式を満たす条件で第1工程のバ
ルジ加工と第2工程の型寄せバルジ加工をおこなうこと
を特徴とする突起付き中空軸の製造方法。 1.2−0.2×(R/t0)≦(d1/d2)×(L1/
L2)≦1.4 ただし、 t0 :金属素管の肉厚(mm)、 d1 :第1工程後の膨出部の軸方向中央位置における外
周長(mm)、 d2 :第2工程後の突起部の軸方向中央位置における外
周長(mm)、 L1 :第1工程後の膨出部の軸方向外面線長(mm)、 L2 :第2工程後の突起部の軸方向外面線長(mm)。 - 【請求項3】第1工程のバルジ加工または/および第2
工程の型寄せバルジ加工において、金属素管に軸方向の
圧縮力を付与することを特徴とする請求項2に記載の突
起付き中空軸の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000398734A JP3820882B2 (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 突起付き中空軸の製造方法 |
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