JP2003285117A - バルジ加工用素管の製造法、バルジ成形品及びその製造法 - Google Patents

バルジ加工用素管の製造法、バルジ成形品及びその製造法

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JP2003285117A JP2002085818A JP2002085818A JP2003285117A JP 2003285117 A JP2003285117 A JP 2003285117A JP 2002085818 A JP2002085818 A JP 2002085818A JP 2002085818 A JP2002085818 A JP 2002085818A JP 2003285117 A JP2003285117 A JP 2003285117A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば液圧バルジ加工等のバルジ加工におい
てストレート素管のみならずテーパ素管を用いた場合で
あっても、成形不良の発生を抑制できるとともに工程を
簡略化できるバルジ加工用素管の製造法、バルジ成形品
およびその製造法を提供する。 【解決手段】 被成形材1に第1の加工を行ってバルジ
加工用素管を製造するための第1の加工工程と、被成形
材1にバルジ加工を容易化するための第2の加工を行う
ための第2の加工工程とを経てバルジ加工用素管を製造
する際に、第2の加工が、第1の加工工程が完了する前
に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルジ加工用素管
の製造法、バルジ成形品及びその製造法に関し、より具
体的には、例えば液圧バルジ加工等のバルジ加工におけ
る成形不良の発生を抑制できるとともに工程を簡略化で
きるバルジ加工用素管の製造法、バルジ成形品及びその
製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バルジ加工(張出し加工)は、周知のよ
うに、薄肉円筒状のバルジ加工用素管の内部に流体圧ま
たは分割されたパンチによる機械的圧力を作用させるこ
とによってバルジ加工用素管の壁部を張り出させたり、
あるいは拡大する加工法である。このバルジ加工のうち
で液体圧を利用した液圧バルジ加工は、(i) 長手方向の
断面形状が変化する複雑な形状も比較的容易に成形でき
るため、複数部材の溶接組立によらなければならなった
製品を一体成形で提供できること、(ii)製品の全体に亘
って加工硬化が得易いため、成形性が良好な軟質な素管
を用いても高強度の製品を得られること、(iii) スプリ
ングバックが少なく良好な形状凍結性を奏するために製
品の寸法精度が向上し、手直し工程を省略できることと
いう優れた特徴を有する。このため、液圧バルジ加工
は、例えば自動車車体のクロスメンバ、エンジンクレー
ドル等を初めとして、様々な分野の複雑な形状を有する
製品の加工に積極的に適用されるようになってきた。こ
れに伴い、液圧バルジ加工には、成形不良の発生防止に
よる品質の向上と、生産効率の向上とが以前にも増して
求められるようになってきた。
【0003】液圧バルジ加工によると、バルジ成形用の
素管は、一般的に、略長手方向へ均一な円形断面を有す
るストレートな素管 (以下、「ストレート素管」とい
う) を用い、このストレート素管に対して、曲げ加工や
押し潰し加工等のプリフォーム加工を行った後に液圧バ
ルジ加工を行うことによって、所望の断面形状を有する
バルジ成形品が製造される。この液圧バルジ加工におけ
る成形は、液圧バルジ加工機の金型内にセットされたバ
ルジ加工用素管、すなわちストレート素管にプリフォー
ム加工を加えた素管の内部に加工液を注入し、その圧力
(以下「内圧」という) を高めるとともに管端からの軸
押し力を付加することによって行われる。ここで、一般
的なバルジ成形品においては周長増加率である{ (当該
部位の外周長)/(素管の円周長) −1}×100 (%) は0
〜25%程度である。
【0004】しかし、この液圧バルジ加工により外周長
が軸方向に大きく変化するバルジ成形品、すなわち軸方
向の周長増加率が大きいバルジ成形品を製造しようとす
ると、割れやしわ等の成形不良が発生し易く、成形が困
難となる。
【0005】そこで、センターピラ等の、長手方向に断
面形状が大きく変化する製品を製造するために、例えば
特開2001−321842号公報には、ストレート素管に替え
て、長手方向に周長が変化する円錐状のテーパ素管を成
形した後、プリフォームを加えたバルジ加工用素管を液
圧バルジ加工機にセットして液圧バルジ加工を行う発明
が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、プリフォ
ーム加工は、液圧バルジ加工機の金型、すなわち製品形
状と略同一の形状を有する金型に素管をセットする前段
階における加工である。このため、プリフォーム加工が
適切に施されていないと、以下に説明する問題が生じ
る。
【0007】すなわち、プリフォーム加工が不適切であ
ると、液圧バルジ加工工程で内圧を付加する前に上金型
を下降させて下金型と接触させる段階 (以下、「型締
め」という) において、素管の一部が金型からはみ出し
てしまい (以下、「噛み出し」という) 、正常な成形を
行えなくなることがある。また、かかる噛み出しが生じ
ない場合であっても、液圧バルジ加工によって局部的な
割れやしわといった成形不良が発生することがある。
【0008】上述したように、液圧バルジ加工における
これらの成形不良は、本来、素管に対するプリフォーム
加工により、液圧バルジ加工により割れが発生する部分
に対応した素管の適正な位置に凹みを与えるか、あるい
は液圧バルジ加工によりしわが発生する部分に対応した
素管の逆側の適正な位置に凹みを与えるといった、液圧
バルジ加工での塑性流動を適正に見込んだ変形を素管に
与えておけば、防止できるものである。
【0009】しかしながら、プリフォーム加工は、通
常、成形された素管を一旦ライン外へ搬出した後に、こ
の素管をプリフォーム加工機の金型へセットして行われ
るものである。このため、金型への素管のセットの際
に、金型への位置決め精度の不良が発生し易く、かかる
場合には、プリフォーム加工を行われた素管に形状不良
が発生してしまう。特に、長手方向への断面形状 (外周
長) が軸方向に複雑に変化するテーパ素管に対するプリ
フォーム加工では、ストレート素管に対するプリフォー
ム加工に比較して、金型へのテーパ素管の位置決めがよ
り困難であり、形状不良が多発し易い。
【0010】また、このようなバルジ成形品の従来の製
造方法では、素管を成形した後にプリフォーム加工を行
い、その後に液圧バルジ加工を行う必要がある。このた
め、製造工程が煩雑であり、生産性が低下してしまう。
特に、センターピラ等のように断面形状が長手方向に大
きく変化するバルジ成形品を製造するには、ストレート
素管よりも高価なテーパ素管を用いるとともにその製造
工程も煩雑化することから、製造コストの上昇は著し
く、量産性を勘案すると、その実施は容易ではない。
【0011】本発明は、バルジ成形品の従来の製造方法
に起因したかかる課題を解決するためになされたもので
あり、新規かつ有用なバルジ加工用素管の製造法、バル
ジ成形品及びその製造法を提供することであり、より具
体的には、例えば液圧バルジ加工等のバルジ加工におい
てストレート素管のみならずテーパ素管を用いた場合で
あっても、成形不良の発生を抑制できるとともに工程を
簡略化できるバルジ加工用素管の製造法、バルジ成形品
及びその製造法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のように
管状体に成形された後の素管に対してプリフォーム加工
を行い、その後に液圧バルジ加工を行うのではなく、素
管が管状体へ成形される工程を完了するまでにプリフォ
ーム加工を行っておき、得られた素管に引き続いて液圧
バルジ加工を行うこととすれば、上述した課題を解決す
ることができるとの新規かつ重要な知見に基づくもので
ある。
【0013】本発明は、被成形材に第1の加工を行って
バルジ加工用素管を製造するための第1の加工工程と、
被成形材にバルジ加工を容易化するための第2の加工を
行うための第2の加工工程とを経てバルジ加工用素管を
製造する際に、第2の加工が、第1の加工工程が完了す
る前に行われることを特徴とするバルジ加工用素管の製
造法である。
【0014】この本発明にかかるバルジ加工用素管の製
造法では、第1の加工が、被成形材を管状体に成形する
曲げ成形と、この曲げ成形により成形された管状体の溶
接とを含むことが例示される。
【0015】これらの本発明にかかるバルジ加工用素管
の製造法では、曲げ成形がU曲げを有し、さらにC曲げ
およびO曲げのうちの少なくとも一つを有することが例
示される。
【0016】これらの本発明にかかるバルジ加工用素管
の製造法では、第2の加工が、第1の加工におけるC曲
げ、U曲げ、O曲げおよび溶接のうちの少なくとも一つ
と同時に行われることが例示される。
【0017】これらの本発明にかかるバルジ加工用素管
の製造法では、第2の加工が、被成形材の押し潰し成
形、およびこの被成形材の長手方向への曲げ成形のうち
の少なくとも一つであることが例示される。
【0018】これらの本発明にかかるバルジ加工用素管
の製造法では、バルジ加工用素管が、外周長が軸方向に
変化する形状を有することが例示される。別の観点から
は、本発明は、上述したバルジ加工用素管の製造法によ
り製造されたバルジ加工用素管に、バルジ加工を行うこ
とによって得られることを特徴とするバルジ成形品であ
る。
【0019】さらに別の観点からは、本発明は、上述し
たバルジ加工用素管の製造法により製造されたバルジ加
工用素管に、バルジ加工を行うことによりバルジ成形品
を製造することを特徴とするバルジ成形品の製造法であ
る。
【0020】この本発明にかかるバルジ成形品の製造法
では、バルジ成形品が、外周長が軸方向に変化する形状
を有することが例示される。さらに、これらの本発明に
かかるバルジ成形品の製造法では、バルジ加工が液圧バ
ルジ加工であることが例示される。
【0021】これらの本発明において、「第1の加工工
程」には、第1の加工を行っている期間はもちろんのこ
と、第1の加工のための搬送装置により搬送されている
期間も含まれる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるバルジ加工
用素管の製造法、バルジ成形品及びその製造法の実施の
形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、
以降の説明では、バルジ加工が液圧バルジ加工であり、
さらに、バルジ加工用素管がテーパ管である場合を例に
とる。
【0023】本実施の形態では、被成形材に第1の加工
工程と第2の加工工程とを経てバルジ加工用素管を製造
し、得られたバルジ加工用素管にさらに液圧バルジ加工
を行うことにより、バルジ成形品を製造する。そこで、
以下、第1の加工工程および第2の加工工程について順
次説明する。
【0024】[第1の加工工程]本実施の形態のバルジ加
工用素管の製造法は、第1の加工工程を有する。この第
1の加工工程は、被成形材である金属板1に第1の加工
を行ってバルジ加工用素管3を製造するための工程であ
り、本実施の形態では、第1の加工が、金属板1を管状
体に成形する曲げ成形と、この曲げ成形により成形され
た管状体3の溶接とを有することが例示される。さら
に、この曲げ成形は、C曲げ、U曲げおよびO曲げによ
り構成される、いわゆるCUO成形である。
【0025】図1(a) 〜図1(c) は、CUO成形の工程
の一例を示す説明図であり、図1(a) は端部のC曲げ工
程を、図1(b) はU曲げ工程を、図1(c) はO曲げ工程
を、それぞれ示す。
【0026】図1(a) に示すように、略台形に近い形状
に切断された金属板1を素材として、プレス機に取り付
けられたポンチ10およびダイス11によって、金属板1の
両端部に曲げ加工を行う。なお、金属板1の端部のC曲
げの曲率半径は、スプリングバックを考慮し、長手方向
について変化させてある。
【0027】図1(b) に示すように、C曲げ加工された
金属板1は、続いて、シリンダ21に取り付けられたU曲
げ用ポンチ20およびダイス22によりU型に曲げられた
後、金属板2の両端部が左右のサイドシリンダー23、23
にそれぞれ取り付けられたローラ23a 、23a により水平
方向に圧縮加工を受ける。なお、U曲げの曲率半径は、
スプリングバックを考慮し、長手方向に変化させてあ
る。
【0028】そして、図1(c) に示すように、C曲げ加
工およびU曲げ加工を行われた後、金属板2をプレス機
に取り付けられたダイス31、32にセットし、O曲げ加工
を行う。なお、O曲げの曲率半径は、スプリングバック
を考慮し、長手方向に変化させてある。
【0029】そして、O曲げ加工を行われた金属板3
は、その突き合わせ部を図示しない溶接工程によリ、バ
ルジ加工用素管であるテーパ素管が製造される。なお、
本実施の形態における第1の加工、すなわちC曲げ加
工、U曲げ加工またはO曲げ加工を行われている期間の
みならず、これらの加工のための搬送装置により搬送さ
れている期間、すなわち、C曲げ加工の前の期間、C曲
げ加工およびU曲げ加工の間の期間、U曲げ加工および
O曲げ加工の間の期間、O曲げ加工および溶接の間の期
間、さらには溶接加工後における各搬送の期間も、本発
明における第1の加工工程に包含される。
【0030】本実施の形態では、後述する第2の加工に
関する事項を除いて、第1の加工工程は、このようにし
て行われる。 [第2の加工工程]本実施の形態のバルジ加工用素管の製
造法は、第2の加工工程を有する。この第2の加工工程
は、被成形材である金属板1に液圧バルジ加工を容易化
するための第2の加工として、プリフォーム加工を行う
ための工程である。本実施の形態では、第2の加工が、
金属板1の押し潰し成形、およびこの金属板1の長手方
向への曲げ成形のうちの少なくとも一つである。
【0031】本実施の形態では、この第2の加工は、上
述した第1の加工工程が完了する前、すなわち溶接後に
おける搬送工程が完了するまでの間に行われる。すなわ
ち、この第2の加工は、第1の加工工程におけるC曲げ
加工の前における搬送工程から、溶接後における搬送工
程が完了するまでの間に、行われる。具体的には、本実
施の形態では、第2の加工は、C曲げ加工、U曲げ加
工、O曲げ加工および溶接の何れかの際に行う。以下、
これらについて説明する。
【0032】(i)C曲げ加工 図2(a) 〜図2(c) は、C曲げ加工の際に第2の加工を
行う例を模式的に示す説明図である。
【0033】図2(a) において、符号10および11は、そ
れぞれ、金属板1の両端部のC曲げ加工に用いるポンチ
およびダイスである。また、符号12および13は、それぞ
れ、第2の加工であるプリフォーム加工を行うためのポ
ンチおよびダイスである。本実施の形態では、金属板1
の両端部のC曲げ工程において、このポンチ12およびダ
イス13を用いて、第2の加工が行われる。なお、複動プ
レスを用いることによって、ポンチ12およびダイス13に
よる第2の加工を行った後に、ポンチ10およびダイス11
を用いて金属板1の両端部のC曲げ加工を行うことが望
ましい。
【0034】図2(b) および図2(c) は、このようにし
てC曲げ加工時に第2の加工を行った成形品の一例を示
す説明図である。図2(b) には、長手方向の全長に亘っ
て凸加工を施した金属板1’を示し、また図2(c) に
は、長手方向の一部に凸加工を施した金属板1''を示
す。なお、後続する液圧バルジ加工において成形不良を
発生させないように第2の加工による適正な形状を決定
し、ポンチ10およびダイス11の長手方向の形状を決定す
ればよい。
【0035】このように、本実施の形態では、C曲げ加
工において被成形材1が比較的平坦な形状であるうちに
第2の加工 (プリフォーム加工) を行うことができるた
め、第2の加工を所定の位置に正確に行うことができ
る。
【0036】(ii) U曲げ加工 図3(a) 〜図3(c) は、U曲げ加工の際に第2の加工を
行う例を模式的に示す説明図である。
【0037】図3(a) に示すように、符号21、22は、そ
れぞれ、金属板2のU曲げ加工に用いるポンチ、ダイス
であり、ポンチ21の先端20' の形状は異形形状により構
成される。
【0038】また、符号24は、第2の加工 (プリフォー
ム加工) に用いるポンチであり、このポンチ24は、左右
のサイドシリンダ23' に取り付けられる。このポンチ24
により、U曲げ工程で第2の加工 (プリフォーム加工)
が行われる。すなわち、上下方向のプレス機に取り付け
られたポンチ21およびダイス22によってU曲げ成形が行
われ、その後、ポンチ24およびサイドシリンダ23' によ
って、プリフォーム加工が行われる。
【0039】図3(b) および図3(c) は、このようにし
てU曲げ加工時に第2の加工を行った成形品の一例を示
す説明図である。図3(b) には、長手方向の全長に亘り
凸加工を施した金属板2’を示し、図3(c) には、長手
方向の一部に凸加工を施した金属板2''を示す。なお、
後続する液圧バルジ加工において成形不良を発生させな
いように第2の加工による適正な形状を決定し、ポンチ
20’およびダイス24の長手方向の形状を決定すればよ
い。また、第2の加工を施されたU曲げ成形品2の取り
出しは、ダイス22の長手方向ヘスライドさせればよい。
【0040】このように、本実施の形態では、U曲げ加
工において被成形材2が十分に位置決めがなされている
際に第2の加工 (プリフォーム加工) を行うことができ
るため、第2の加工を所定の位置に正確に行うことがで
きる。
【0041】(iii)O曲げ加工 図4(a) 〜図4(c) は、O曲げ加工の際に第2の加工を
行う例を模式的に示す説明図である。
【0042】図4(a) に示すように、符号31、32は、金
属板3のO曲げに用いるダイスであり、符号34は、プリ
フォーム加工に用いるポンチであり、このポンチ34は左
右のサイドシリンダー33に取り付けられる。
【0043】ポンチ34により、O曲げ加工の際に第2の
加工 (プリフォーム加工) が行われる。すなわち、上下
方向のプレス機に取り付けられたダイス31、32により、
O曲げ加工が行われ、その後、ポンチ34によって第2の
加工が行われる。
【0044】図4(b) および図4(c) は、このようにし
てO曲げ加工時に第2の加工を行った成形品の一例を示
す説明図である。図4(b) には、長手方向の全長に亘り
凸加工を施した金属板3' を示し、図4(c) には、長手
方向の一部に凸加工を施した金属板3''を示す。なお、
後続する液圧バルジ加工において成形不良を発生させな
いように第2の加工による適正な形状を決定し、ポンチ
34の長手方向の形状を決定すればよい。
【0045】このように、本実施の形態では、O曲げ加
工において被成形材2が十分に位置決めがなされている
際に第2の加工 (プリフォーム加工) を行うことができ
るため、第2の加工を所定の位置に正確に行うことがで
きる。
【0046】(iv) 溶接 図5は、溶接時に第2の加工を行う例を模式的に示す説
明図である。図5に示すように、O曲げ加工によって得
られた金属板3”は、トーチ40で溶接され、溶接完了後
に孔型ロール43、44によって、第2の加工が行われる。
孔型ロール43、44は、図示されていないシリンダに連結
され、設置位置が制御される。すなわち、テーパ管4の
外径や付与する加工量に応じて、幅方向の位置が制御さ
れる。また、孔型ロール43、44の形状や配置を変更する
ことによって、第2の加工の位置および形状を変更する
ことができる。なお、図5に示す例では、金属板3”を
移動させるとともに溶接トーチ40を静止させている例で
あるが、これとは逆に金属板3”を固定するとともにト
ーチ40を移動させるようにしてもよい。
【0047】このように、本実施の形態では、溶接工程
においてテーパ管4が十分に位置決めされている際に、
第2の加工 (プリフォーム加工) を行うことができるた
め、第2の加工を所定の位置に正確に行うことができ
る。
【0048】このように、本実施の形態では、第2の加
工が、 (i)C曲げ加工、 (ii) U曲げ加工、 (iii)O曲
げ加工および (iv) 溶接のうちの少なくとも一つと同時
に行われる。このため、本実施の形態によれば、プリフ
ォーム加工での位置決め精度を向上させ、さらに部品の
製造工程を大幅に簡略化することができる。
【0049】本実施の形態では、第2の加工工程は、こ
のようにして行われる。 [バルジ加工用素管]本実施の形態では、上述した第1の
加工工程および第2の加工工程を経て、外周長が軸方向
に変化する形状を有するバルジ加工用素管4が製造され
る。
【0050】ここで、本実施の形態では、第2の加工
が、第1の加工工程が完了する前に行われるため、バル
ジ加工用素管3が製造される第1の加工工程の完了時に
は、第2の加工であるプリフォーム加工が既に完了され
ている。
【0051】このため、従来の技術のようにプリフォー
ム加工に伴う形状不良を生じることなく、第2の加工
(プリフォーム加工) が行われた素管が得られる。 [バルジ加工]本実施の形態では、このようにして製造さ
れたバルジ加工用素管4に、慣用される手段、例えば液
圧バルジ加工機の金型にこのバルジ加工用素管4をセッ
トすることにより、液圧バルジ加工を行う。
【0052】この際、本実施の形態によれば、第2の加
工 (プリフォーム加工) が適切に行われているため、プ
リフォーム加工機の型締めの際に噛み出しを生じること
がなくなり、液圧バルジ加工を正常かつ確実に行うこと
ができる。また、第2の加工(プリフォーム加工) が正
常に行われるため、単に噛み出しを生じないばかりでな
く、液圧バルジ加工を行っても、局部的な割れやしわと
いった成形不良も発生しない。
【0053】さらに、本実施の形態によれば、テーパ素
管の製造工程において第2の加工 (プリフォーム加工)
が行われているため、テーパ素管にプリフォーム加工を
行ってからバルジ加工を行う必要がなくなり、テーパ素
管に直ちにバルジ加工を行うことができる。このため、
製造工程が簡略化され、生産性が向上する。したがっ
て、特に、本実施の形態のようにテーパ管を製造する場
合には、従来よりも製造コストを顕著に低減でき、工業
的規模で十分に量産化を図ることができる。
【0054】[バルジ成形品]このようにして、外周長が
軸方向に変化する形状を有するバルジ成形品が、安価か
つ高品質で製造される。
【0055】このように、本実施の形態によれば、被成
形材にバルジ加工を容易化するための第2の加工 (プリ
フォーム加工) を、被成形材に第1の加工工程 (曲げ成
形、溶接およびそれに伴う搬送) が完了する前に行うた
め、被成形材に第2の加工 (プリフォーム加工) を正確
に行いながら、テーパ素管を製造することができる。こ
れにより、成形不良の発生を抑制することができるとと
もに、素管成形後のプリフォーム加工が不要となって工
程を簡略化することができる。
【0056】特に、本実施の形態によれば、外周長が軸
方向に変化するテーパ素管を形成する際の周方向の曲げ
成形や溶接において第2の加工 (プリフォーム加工) を
行うことにより、軸方向の周長増加率が大きいために従
来は局部的な割れやしわといった成形不良が発生し易か
った液圧バルジ成形品を、成形不良がない良好な品質で
製造することができる。
【0057】このように、本実施の形態によれば、液圧
バルジ加工においてテーパ素管を用いた場合であって
も、成形不良の発生を抑制できるとともに工程を簡略化
できるバルジ加工用素管の製造法、バルジ成形品及びそ
の製造法が提供される。
【0058】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながら詳細
に説明する。 (実施例1)降伏点YS:300Mpa、引張強さTS:400Mpaであ
って板厚が2mmの炭素鋼鋼板を素材として、CUO成形
のC曲げ工程において図2(a) および図2(b) に示すよ
うに、図6(a) のA' 面に相当する部分の長手方向全長
に凹みを付与するプリフォーム加工を行いながら、CU
O成形によって小径部:81mmに相当する周長を有すると
ともに大径部:162mm に相当する周長を有するテーパ素
管に成形し、このテーパ素管に表1に示す液圧バルジ加
工条件で液圧バルジ加工を行い、図6(a) 〜図6(c) に
その外形を示すとともに表2に各部の寸法を示す成形品
(本発明例1) を製造した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】一方、比較のため、CUO成形により成形
した小径部:81mm、大径部:162mmのテーパ素管に、プ
リフォーム加工を行わずに、液圧バルジ加工を行ったも
の(従来例1)と、CUO成形により成形した小径部:
81mm、大径部:162mm のテーパ素管に、オフラインのプ
レス機を用いて図7(a) に示すようにテーパ素管の溶接
線と反対側、すなわち図6(a) に示す製品のA' 面に相
当する部分の長手方向の全長について、凹みを付与する
プリフォーム加工を行い、その後に液圧バルジ加工を行
ったもの(従来例2)とを製造した。
【0062】本発明例1、従来例1および従来例2とに
ついて、成形条件および結果を表3にまとめて示す。な
お、液圧バルジ加工は溶接部が図6に示すA面の略中央
に来るように位置決めした。
【0063】
【表3】
【0064】従来例1によれば、その全数に、A面に局
部的なしわと、A' 面に微少な割れとが長手方向の全長
に亘って発生した。また、従来例2によれば、従来例1
に比較して、しわおよび割れの発生は大幅に減少した
が、プリフォーム加工の際の位置決め精度不良に起因し
て、全製品の約2%に軽度な微少しわおよび割れが発生
した。また、オフラインのプレス機を用いてプリフォー
ム加工を行ったため、プリフォーム加工専用の設備およ
びその操業要員が必要となり、さらに製造リードタイム
が長くなるとともに、途中工程の仕掛在庫が増加した。
【0065】これに対し、本発明例1によれば、しわお
よび割れは全く発生せず、全数良好であった。また、C
曲げと同時にプリフォーム加工を行うため、正確な位置
決めが可能であった。さらに、オフラインのプレス機を
用いてプリフォーム加工を行う必要がなく、プリフォー
ム加工専用の設備やその操業要員を配置する必要がな
く、さらに製造リードタイムを短縮するとともに、途中
工程の仕掛在庫を削減することができた。
【0066】(実施例2)降伏点YS:300Mpa、引張強さT
S:400Mpaであって板厚が2mmの炭素鋼鋼板を素材とし
て、CUO成形のC曲げ工程で図2(a) および図2(c)
に示すように、図6(a) のA' 面に相当する部分の大径
部から長手方向の中央部に亘り凹みを付与するプリフォ
ーム加工を行いながら、CUO成形により、小径部の直
径:81mmに相当する周長を有するとともに大径部の直
径:162mm に相当する周長を有するテーパ素管に成形
し、このテーパ素管に上述した表1に示す液圧バルジ加
工条件で液圧バルジ加工を行い、図6および表4に示す
成形品 (本発明例2) を製造した。
【0067】
【表4】
【0068】一方、比較のため、CUO成形により、小
径部の外径:81mm、大径部の外径:162mm のテーパ管を
成形し、プリフォーム加工を行わずに、液圧バルジ加工
を行った成形品 (比較例3) と、CUO成形により、小
径部の外径:81mm、大径部の外径:162mm のテーパ素管
を成形し、オフラインのプレス機を用いて図7(b) に示
すようにテーパ管の溶接線と反対側、すなわち図6(a)
に示す製品のA' 面に相当する部分の大径部から長手方
向の中央部に亘って凹みを付与するプリフォーム加工を
行い、その後に、液圧バルジ加工を行った成形品 (比較
例4) とを製造した。
【0069】本発明例2、従来例3および従来例4とに
ついて、成形条件および結果を表5に示す。なお、液圧
バルジ加工は溶接部が図6に示すA面のほぼ中央に来る
ように位置決めした。
【0070】
【表5】
【0071】従来例3によれば、その全数に、A面に局
部的なしわと、A' 面に微少な割れとが大径部から長手
方向の中央部長手方向の全長に亘って発生した。また、
従来例4によれば、従来例3に比較して、しわおよび割
れの発生は大幅に減少したものの、プリフォーム加工の
際の位置決め精度不良に起因して、全製品の約1%に軽
度な微少しわおよび割れが発生した。また、オフライン
のプレス機でプリフォーム加工を行うため、プリフォー
ム加工専用の設備およびその操業要員が必要となり、さ
らに製造リードタイムも長くなるとともに、途中工程の
仕掛在庫が増加した。
【0072】これに対し、本発明例2によれば、しわお
よび割れが発生せず、全数良好であった。また、C曲げ
と同時にプリフォームを行うことができるため、正確な
位置決めが可能となった。また、オフラインのプレス機
でプリフォームを必要としないため、プリフォーム専用
の設備および操業要員が不要であり、さらに製造リード
タイムも短くなるとともに、途中工程の仕掛在庫を削減
することができた。
【0073】(実施例3)降伏点YS:300Mpa、引張強さT
S:400Mpaであって板厚が2mmの炭素鋼鋼板を素材とし
て、CUO成形のU曲げ工程で図3(a) および図3(c)
に示すように、図8のR2とR4を結ぶ稜線の部分の長手方
向全長に凹みを付与するプリフォーム加工を行いなが
ら、CUO成形により、小径部の直径:81mmに相当する
周長を有するとともに大径部の直径:162mm に相当する
周長を有するテーパ素管に成形し、このテーパ素管に対
して表1に示す液圧バルジ加工条件で液圧バルジ加工を
行い、図8および表6に示す成形品(本発明例3)に加
工した。
【0074】また、上述したCUO成形のO曲げ工程に
おいて、テーパ管に図4(a) および図4(b) に示すよう
に、図8のR2とR4を結ぶ稜線の部分の長手方向全長に凹
みを付与するプリフォーム加工を行って、成形品(本発
明例4)に加工した。
【0075】さらに、上述したCUO成形の溶接工程で
において、テーパ管に図5に示すように、図8のR2とR4
を結ぶ稜線の部分の長手方向全長に凹みを付与するプリ
フォーム加工を行って、成形品(本発明例5)に加工し
た。
【0076】
【表6】
【0077】一方、比較のため、CUO成形により、小
径部の外径:81mm、大径部の外径:162mm のテーパ管を
成形し、プリフォーム加工は実施せずに、液圧バルジ加
工を行った成形品 (従来例5) と、CUO成形により、
小径部の外径:81mm、大径部の外径:162mm のテーパ素
管を成形し、オフラインのプレス機を用いて図8(c)に
示すようにテーパ管の溶接線と反対側の90°ずれた方向
の図8のR2とR4を結ぶ稜線の部分全長に凹みを付与する
プリフォーム加工を行い、その後に、液圧バルジ加工を
行った成形品 (従来例6) とを製造した。
【0078】本発明例3〜本発明例5、従来例5および
従来例6とについて、成形条件および結果を表7に示
す。なお、液圧バルジ加工は、溶接部が図8に示すR1と
R3のほぼ中央に来るように位置決めした。
【0079】
【表7】
【0080】従来例5によれば、その全数に、R2とR4を
結ぶ稜線の部分の長手方向の全長に、微少な割れが発生
した。また、従来例6によれば、しわと割れの発生は大
幅に減少したが、プリフォーム加工の際の位置決め精度
不良に起因して、全製品の約2.5 %に軽度な微少しわと
割れが発生した。また、オフラインのプレス機を用いて
プリフォーム加工を行ったため、専用の設備と操業要員
とが必要であり、さらに製造リードタイムが長くなっ
た。
【0081】これに対し、本発明例3によれば、しわと
割れが発生せず、全数良好であった。また、U曲げと同
時にプリフォーム加工が実施できるため、正確な位置決
めが可能であった。また、オフラインのプレス機でプリ
フォーム加工を必要としないため、プリフォーム加工専
用の設備と操業要員が不要となり、さらに製造リードタ
イムは短くなるとともに、途中工程の仕掛在庫を削減す
ることができた。
【0082】また、本発明例4によれば、しわと割れが
発生せず、全数良好であった。O曲げと同時にプリフォ
ーム加工を行うことができないため、正確な位置決めが
可能であった。また、オフラインのプレス機でプリフォ
ーム加工を必要としないため、プリフォーム加工専用の
設備と操業要員が不要となり、さらに製造リードタイム
が短くなるとともに、途中工程の仕掛在庫を削減するこ
とができた。
【0083】さらに、本発明例5によれば、しわと割れ
が発生せず、全数良好であった。溶接工程でプリフォー
ム加工を行うことができるため、正確な位置決めが可能
であった。また、オフラインのプレス機でプリフォーム
を必要としないため、プリフォーム加工専用の設備と操
業要員が不必要であり、さらに製造リードタイムが短く
なるとともに、途中工程の仕掛在庫を削減することがで
きた。
【0084】(実施例4)降伏点YS:300Mpa、引張強さT
S:400Mpaであって板厚が2mmの炭素鋼鋼板を素材とし
て、図3(a) および図3(c) に示すように、図8のR2と
R4を結ぶ稜線の部分の大径部から中央にかけて凹みをU
曲げ工程で付与するプリフォーム加工を行いながら、C
UO成形を用いて、小径部の直径:81mmに相当する周長
を有するとともに大径部の直径:162mm に相当する周長
を有するテーパ素管に成形し、このテーパ素管に表1に
示す液圧バルジ加工条件で液圧バルジ加工を行い、図8
および表8に示す成形品(本発明例6)に加工した。
【0085】
【表8】
【0086】また、図4(a) および図4(c) に示すよう
に、図8のR2とR4を結ぶ稜線の部分の大径部から中央に
かけて凹みをO曲げ工程で付与するプリフォーム加工を
行って、成形品(本発明例7)に加工した。
【0087】さらに、図5に示すように、板材よりCU
O成形後の溶接の際に、図8のR2とR4を結ぶ稜線の部分
の大径部から中央にかけて凹みを付与するプリフォーム
加工を行ってテーパ素管を成形し、液圧バルジ加工を行
い、図8および表8に示す成形品(本発明例8)に加工
した。
【0088】成形条件と結果を表9に示す。液圧バルジ
加工は、溶接部が図8に示すR1とR3の略中央にくるよう
に位置決めした。
【0089】
【表9】
【0090】従来例7によれば、その全数において、R2
とR4を結ぶ稜線の大径部から中央にかけてのコーナR部
で微少な割れが発生した。また、従来例8によれば、従
来例7に比較して、しわと割れの発生は大幅に減少した
が、プリフォーム加工の際の位置決め精度不良に起因し
て、全製品の約1.7 %に軽度な微少割れが発生した。ま
た、オフラインのプレス機を用いてプリフォーム加工を
行うため、プリフォーム加工専用の設備と操業要員が必
要であり、さらに製造リードタイムが長くなるととも
に、途中工程の仕掛在庫が増加した。
【0091】これに対し、本発明例6によれば、しわと
割れは発生せず、全数良好であった。また、オフライン
のプレス機を用いたプリフォーム加工を必要としないた
め、プリフォーム加工専用の設備と操業要員が不要であ
り、さらに製造リードタイムも短くなるとともに、途中
工程の仕掛在庫を削減することができた。
【0092】また、本発明例7によれば、しわと割れは
発生せず、全数良好であった。O曲げと同時にプリフォ
ーム加工を行うことができるため、正確な位置決めが可
能となった。また、オフラインのプレス機でプリフォー
ム加工を必要としないため、プリフォーム加工専用の設
備と操業要員が不要であり、さらに製造リードタイムも
短くなるとともに、途中工程の仕掛在庫を削減すること
ができた。
【0093】さらに、本発明例8によれば、しわと割れ
は発生せず、全数良好であった。U曲げと同時にプリフ
ォーム加工を行うことができるため、正確な位置決めが
可能となった。また、オフラインのプレス機を用いてプ
リフォーム加工を必要としないため、プリフォーム加工
専用の設備と操業要員が不要であり、さらに製造リード
タイムも短くなるとともに、途中工程の仕掛在庫を削減
することができた。
【0094】(変形形態)以上の実施の形態および実施例
の説明では、第2の加工であるプリフォーム加工が第1
の加工工程における第1の加工であるC曲げ、U曲げ、
O曲げおよび溶接のうちの少なくとも一つと同時に行わ
れる場合を例にとった。しかし、本発明は、この形態に
限定されるものではなく、第2の加工は、第1の加工工
程が完了する前に行われればよい。
【0095】以上の実施の形態および実施例の説明で
は、曲げ成形がC曲げ、U曲げおよびO曲げを有する場
合を例にとった。しかし、本発明は、この形態に限定さ
れるものではなく、曲げ成形がU曲げとO曲げとを有
し、C曲げが省略された場合、あるいは、曲げ成形がC
曲げとU曲げとを有し、O曲げが省略された場合におい
ても、同様に行うことができる。
【0096】以上の実施の形態および実施例の説明で
は、C曲げ工程、U曲げ工程、O曲げ工程および溶接工
程のいずれかの工程と同時に、第2の加工であるプリフ
ォーム加工を行った例を示した。しかし、本発明は、こ
の形態に限定されるものではなく、これらの工程のうち
の2つあるいは3つあるいは全ての工程と同時に、もし
くはC曲げ加工の前の期間、C曲げ加工およびU曲げ加
工の間の期間、U曲げ加工およびO曲げ加工の間の期
間、O曲げ加工および溶接の間の期間、さらには溶接加
工後における各搬送の期間に、第2の加工を行うように
してもよい。
【0097】以上の実施の形態および実施例の説明で
は、第2の加工であるプレフォーム加工により素管に凹
みを付与する場合を例にとった。しかし、本発明はこの
形態には限定されるものではなく、例えばポンチやダイ
ス、さらには孔型ロール等の工具形状を変更することに
よって凸形状を付与することもできる。また、工具形状
を変更することによって長手方向の曲げ変形のプリフォ
ーム加工を与えることもできる。
【0098】以上の実施の形態および実施例の説明で
は、プリフォーム加工により局部的な凹みが付与される
場合を例にとった。しかし、本発明はこの形態には限定
されるものではなく、例えば、軸方向の曲げ変形を付与
する加工も同様にして行うことができる。また、第2の
加工は、管端部あるいは全長における断面の矩形化や製
品形状に近い形状に加工するプリフォーム加工とするこ
ともできる。さらに、実施例では、長手方向に単調に周
長が増加するテーパ素管である場合のみを示したが、長
手方向へ任意に周長が変化する異形管であってもよい。
【0099】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、例えば液圧バルジ加工等のバルジ加工においてスト
レート素管のみならずテーパ素管を用いた場合であって
も、成形不良の発生を抑制できるとともに工程を簡略化
できるバルジ加工用素管の製造法、バルジ成形品及びそ
の製造法を提供することができた。
【0100】すなわち、素管成形時にプリフォーム加工
を行うことができるため、正確な位置決めが可能とな
り、製品品質の向上が可能となる。さらに、素管成形後
の別工程のプリフォーム加工が不要となり、オフライン
でのプリフォーム設備と操業要員が不要となり、さらに
製品の製造リードタイムが短くなり、効率的な生産が可
能となる。もちろん、従来以上に複雑な形状を有する成
形不良のない品質良好な製品を加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) 〜図1(c) は、CUO成形の工程の一
例を示す説明図であり、図1(a) は端部のC曲げ工程
を、図1(b) はU曲げ工程を、図1(c) はO曲げ工程
を、それぞれ示す。
【図2】図2(a) 〜図2(c) は、C曲げ加工の際に第2
の加工を行う例を模式的に示す説明図である。
【図3】図3(a) 〜図3(c) は、U曲げ加工の際に第2
の加工を行う例を模式的に示す説明図である。
【図4】図4(a) 〜図4(c) は、O曲げ加工の際に第2
の加工を行う例を模式的に示す説明図である。
【図5】溶接時に第2の加工を行う例を模式的に示す説
明図である。
【図6】実施例1における成形品の形状を示す説明図で
ある。
【図7】図7(a) 〜図7(d) は、素管の形状を示す説明
図である。
【図8】実施例3における成形品の形状を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
12 プリフォーム加工用ポンチ 13 ダイス 20' U曲げ及びプリフォーム加工用ダイス 23',33 サイドシリンダ 24,34 プリフォーム加工用ポンチ 40 溶接トーチ 41,42 ガイドロール 43,44 プリフォーム用孔型ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21D 26/02 B21D 26/02 C 35/00 35/00 // B21D 53/84 53/84 Z 53/88 53/88 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被成形材に第1の加工を行ってバルジ加
    工用素管を製造するための第1の加工工程と、被成形材
    にバルジ加工を容易化するための第2の加工を行うため
    の第2の加工工程とを経てバルジ加工用素管を製造する
    際に、 前記第2の加工は、前記第1の加工工程が完了する前に
    行われることを特徴とするバルジ加工用素管の製造法。
  2. 【請求項2】 前記第1の加工は、被成形材を管状体に
    成形する曲げ成形と、該曲げ成形により成形された管状
    体の溶接とを含む請求項1に記載されたバルジ加工用素
    管の製造法。
  3. 【請求項3】 前記曲げ成形は、U曲げを有し、さらに
    C曲げおよびO曲げのうちの少なくとも一つを有する請
    求項2に記載されたバルジ加工用素管の製造法。
  4. 【請求項4】 前記第2の加工は、前記C曲げ、前記U
    曲げ、前記O曲げおよび前記溶接のうちの少なくとも一
    つと同時に行われる請求項3に記載されたバルジ加工用
    素管の製造法。
  5. 【請求項5】 前記第2の加工は、前記被成形材の押し
    潰し成形、および該被成形材の長手方向への曲げ成形の
    うちの少なくとも一つである請求項1から請求項4まで
    のいずれか1項に記載されたバルジ加工用素管の製造
    法。
  6. 【請求項6】 前記バルジ加工用素管は、外周長が軸方
    向に変化する形状を有する請求項1から請求項5までの
    いずれか1項に記載されたバルジ加工用素管の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項に記載されたバルジ加工用素管の製造法により製造さ
    れたバルジ加工用素管に、バルジ加工を行うことによっ
    て得られることを特徴とするバルジ成形品。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項に記載されたバルジ加工用素管の製造法により製造さ
    れたバルジ加工用素管に、バルジ加工を行うことにより
    バルジ成形品を製造することを特徴とするバルジ成形品
    の製造法。
  9. 【請求項9】 前記バルジ成形品は、外周長が軸方向に
    変化する形状を有する請求項8に記載されたバルジ成形
    品の製造法。
  10. 【請求項10】 前記バルジ加工は液圧バルジ加工であ
    る請求項8または請求項9に記載されたバルジ成形品の
    製造法。
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