JP3642232B2 - 液圧成形方法および液圧成形装置ならびに車体用部材 - Google Patents

液圧成形方法および液圧成形装置ならびに車体用部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、パイプ状をなすワークの中空部に加工液を注入して液圧を加えながら、ダイおよびポンチによって車体用部材を成形するのに利用される液圧成形方法および液圧成形装置に関し、また、この液圧成形方法および液圧成形装置によって成形されるサイドルーフレールなどの車体用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記した液圧成形方法としては、例えば、ハイドロフォームによって成形するためにパイプ状をなすワークに施す曲げ加工に続いて行われる予備加工があり、このハイドロフォーム予備加工では、低液圧をワークの中空部に加えながら型締めを行うことによって、ワークを大まかな部品形状に成形するようにしている。
【0003】
また、他の液圧成形方法としては、バルジ加工方法がある。このバルジ加工方法において、型内にセットしたパイプ状をなすワークを軸方向に押し込みながら、液圧により拡管させて所定形状に成形するようにしており、このバルジ加工方法では、液圧成形中にワークを軸方向に押し込むので、拡管する際の肉厚減少が抑制されて、成形性が良好に保たれることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の液圧成形方法では、ハイドロフォーム予備加工の場合、拡管を前提にした液圧成形方法であるため、肉厚減少が生じて高強度板材やアルミニウム板材では割れが発生しやすいこと、ワークの中心から離れた部位で肉厚減少が生じる肉厚分布になること、といった問題があり、一方、バルジ加工方法の場合、ワークを軸方向に押し込む都合上、ワーク全体の肉厚増加には有効であるものの断面内の特定部位の肉厚を増加させることができないこと、成形品の重量軽減に寄与することができないこと、といった問題を有しており、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上述した従来の課題に着目してなされたもので、高強度板材やアルミニウム板材を用いた場合であったとしても、割れを生じさせることなく成形することができ、加えて、断面内の特定部位の成形品肉厚を増加させることが可能であり、その結果、軽量化を実現したうえで、成形品の曲げ強度を増加させることができる液圧成形方法および液圧成形装置を提供すると共に、軽量でかつ曲げ強度に優れた車体用部材を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係わる発明は、パイプ状をなすワークの中空部に加工液を注入して加圧しつつ、ダイおよびポンチによってワークを所定形状に成形する液圧成形方法において、少なくともワークのポンチ側に丸みを有するコーナー部が成形されるまでの間、拡管が生じない液圧{(ワークの肉厚(mm)×降伏点応力(MPa)×0.6)MPaの圧力}を保ちつつ、断面が四角形以上の多角形状をなしかつ断面周長がワーク初期断面周長を越えない形状に成形して、少なくとも特定した一辺の成形品肉厚をワーク初期肉厚よりも増加させる構成としたことを特徴としており、この液圧成形方法の構成を上記した従来の課題を解決するための手段としている。
【0007】
本発明の請求項2に係わる液圧成形方法は、ポンチによって形成される辺と隣接する辺の肉厚をワーク初期肉厚よりも増加させる構成としている。
【0008】
本発明の請求項3に係わる液圧成形装置は、請求項1および2に記載の液圧成形方法に用いる液圧成形装置であって、ダイと、両端がシールされた状態でダイに固定されるパイプ状をなすワークの中空部に対して加工液の注入排出を行う加工液供給部と、加工液供給部による加工液の注入によって中空部に液圧を加えたワークを押圧するポンチを備え、中空部の内圧が拡管を生じさせない液圧に保たれた状態のワークをポンチで押圧することで、断面が四角形以上の多角形状をなしかつ断面周長がワーク初期断面周長を越えない形状に成形し、少なくとも特定した一辺の成形品肉厚をワーク初期肉厚よりも増加可能とした構成としたことを特徴としており、この液圧成形装置の構成を上記した従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
本発明の請求項4に係わる液圧成形装置において、ポンチはダイのダイキャビティ内を移動してワークを押圧する構成とし、本発明の請求項5に係わる液圧成形装置において、ダイのダイキャビティは凹状をなし、ダイキャビティのポンチが摺接する縦壁と、ダイキャビティの底部との間に、ワークの肉厚よりも小さくかつワークの肉厚の1/10よりも大きな段差を設けた構成としており、この場合、段差の大きさは、ワークの中空部に作用させる液圧の高さ、あるいは、ポンチに押圧されることによって上昇する中空部の内圧の高さと、加工液を排出して中空部の内圧を下げる速度とのバランスとを考慮して設定され、座屈を生じにくくするためにワークの肉厚よりも小さくし、そして、肉厚を効率よく増加させるためにワークの肉厚の1/10よりも大きく設定している。
【0010】
本発明の請求項6に係わる液圧成形装置において、ダイのダイキャビティは凹状をなし、ダイキャビティのポンチが摺接する縦壁と、ポンチの移動方向とがなす角度を0〜45゜の範囲内に設定してある構成とし、本発明の請求項7に係わる液圧成形装置は、ダイのダイキャビティの縦壁と摺接するポンチのワーク押圧面の両端に、ワーク側に突出しかつダイキャビティの縦壁と略直角をなす張り出し部を設けた構成とし、本発明の請求項8に係わる液圧成形装置は、ワークを間にして対向配置した2個のポンチを備え、両ポンチ側に開口するダイのダイキャビティ内にセットしたワークを両側から押圧する構成としている。
【0011】
本発明の請求項9に係わる車体用部材は、請求項3ないし8に記載の液圧成形装置によって成形された車体用部材であって、ポンチによって形成される辺に隣接してワーク初期肉厚よりも1.03倍以上増加させた肉厚の辺を備えている構成としており、本発明の請求項10に係わる車体用部材は、ポンチによって形成される辺の両端にワーク初期肉厚よりも1.1倍以上増加させた肉厚のコーナー部を備えている構成としている。
【0012】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わる液圧成形方法では、上記した構成としたから、ワークの素材に高強度板材やアルミニウム板材を採用した場合であったとしても、割れの発生を阻止し得ることとなり、加えて、断面内の特定した辺の成形品肉厚のみが増加することから、軽量でかつ高い曲げ強度の成形品が成形されることとなる。
【0013】
本発明の請求項2に係わる液圧成形方法において、上記した構成としているので、例えば、サイドルーフレールなどの車体用部材を成形する際には、高い曲げ強度を得るために必要とされる部位の肉厚が確保されることとなる。
【0014】
一方、本発明の請求項3に係わる液圧成形装置では、パイプ状をなすワークの中空部に加工液を注入して加圧しつつ、ダイおよびポンチによってワークを所定形状に成形するに際して、断面が四角形以上の多角形状をなしかつ断面周長がワーク初期断面周長を越えない形状にワークを成形するので、例え、ワークの素材に高強度板材やアルミニウム板材を用いても、割れが生じる恐れがないうえ、断面内の特定した辺の成形品肉厚のみを増加させ得るので、軽量でかつ高い曲げ強度の成形品が得られることとなる。
【0015】
本発明の請求項4に係わる液圧成形装置では、ポンチによる圧縮力がワークに対して有効に働くこととなり、本発明の請求項5に係わる液圧成形装置では、短いポンチストロークで断面内の特定した辺の成形品肉厚が増加することとなる、すなわち、特定した辺の成形品肉厚の増加が効率よくなされることとなる。
【0016】
本発明の請求項6および7に係わる液圧成形装置では、ダイのダイキャビティやポンチの押圧面の設計の自由度が広がることとなり、本発明の請求項8に係わる液圧成形装置では、コーナー部の肉厚減少および割れが生じることなく、断面内の特定した辺の成形品肉厚がより一層増加することとなり、加えて、この液圧成形装置によって、ワークのセット角度を変えて再び成形加工を行えば、断面が略正方形状をなす成形品も成形し得ることとなる。
【0017】
本発明の請求項9および10に係わる車体用部材は、いずれも高い曲げ強度が要求される部位に用い得ることとなる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わる液圧成形方法では、上記した構成としたから、ワークの素材に高強度板材やアルミニウム板材を用いた場合であったとしても、肉厚減少を抑えて割れのない製品を成形することができるのに加えて、断面内の特定した辺の成形品肉厚のみを増加させることが可能であり、その結果、軽量でかつ高い曲げ強度を有する製品を成形することができるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0019】
本発明の請求項2に係わる液圧成形方法では、上記した構成としたため、例えば、サイドルーフレールなどの車体用部材を成形する際には、高い曲げ強度を得るために必要とされる部位の肉厚を確保することが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0020】
本発明の請求項3に係わる液圧成形装置では、上記した構成としているので、ワークの素材に高強度板材やアルミニウム板材を採用したとしても、割れを生じさせることなく成形することができ、加えて、断面内の特定した辺の成形品肉厚のみを増加させ得るので、軽量でかつ高い曲げ強度の製品を成形することが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0021】
本発明の請求項4に係わる液圧成形装置では、上記した構成としたため、ポンチによる圧縮力をワークに対して有効に作用させることができ、本発明の請求項5に係わる液圧成形装置では、上記した構成としていることから、短いポンチストロークで断面内の特定した辺の成形品肉厚を増加させることができ、すなわち、特定した辺の成形品肉厚を効率よく増加させることが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0022】
本発明の請求項6および7に係わる液圧成形装置では、ダイのダイキャビティやポンチの押圧面の設計の自由度を広げることができ、本発明の請求項8に係わる液圧成形装置では、コーナー部の肉厚減少および割れを生じさせることなく、断面内の特定した辺の成形品肉厚をより一層増やすことが可能であり、加えて、この液圧成形装置によって、ワークのセット角度を変えて再び成形加工を行うことで、断面が略正方形状をなす製品をも成形することが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0023】
本発明の請求項9および10に係わる車体用部材は、上記した構成としているので、いずれも軽量でかつ高い曲げ強度が要求される部位に用いることができるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0025】
[第1実施例]
図1〜図6は、本発明の一実施例による液圧成形方法に用いる液圧成形装置、すなわち、本発明の一実施例による液圧成形装置を示しており、この実施例では本発明に係わる液圧成形方法および液圧成形装置により、サイドルーフレール(車体用部材)を成形する場合を示す。
【0026】
図1および図2に示すように、この液圧成形装置1は、凹状をなすダイキャビティ2aを有するダイ2と、パイプ状をなす肉厚2.2mmのワーク(370MPa級の鋼材からなるワーク、本実施例ではJIS G 3445で規定されたSTKM11Aの機械構造用炭素鋼鋼管)Wの両端をシールするシール治具3と、ワークWの両端部をダイ2に挟み込み状態で固定する支持部4と、シール治具3でシールされたワークWの中空部Waに対して加工液の注入排出を行う加工液供給部5と、この加工液供給部5による加工液の注入によって中空部Waに液圧Pを加えたワークWを押圧するポンチ6を備えており、ダイキャビティ2aは、図3にも示すように、互いに対向する縦壁2bと、底壁2cと、両壁2b,2c間に位置する斜壁2dを具備している。
【0027】
この場合、ポンチ6は、ダイ2のダイキャビティ2a内を上下方向に移動してワークWを押圧するようになっており、このポンチ6のダイキャビティ2aの縦壁2bと摺接するワーク押圧面6aの両端には、ワークW側に突出しかつダイキャビティ2aの縦壁2bと略直角をなす張り出し部6bが設けてある。
【0028】
この液圧成形装置1によりワークWに対して液圧成形を施してサイドルーフレール(車体用部材)Sを製作する場合には、まず、ワークWをダイ2のダイキャビティ2a内にセットして、支持部4によりワークWの両端部をダイ2に挟み込み状態で固定する。
【0029】
続いて、ワークWの両端にシール治具3をそれぞれ挿入してシールした後、加工液供給部5からワークWの中空部Waに対して加工液の注入を行う。
【0030】
次いで、ワークWの中空部Waの内圧Pを50MPa(拡管を生じさせない液圧)に保ちつつ、図1(b)に示すように、ポンチ6を下降させてそのワーク押圧面6aでワークWを押圧すると、図4に示すように、断面が変則六角形状をなすサイドルーフレールSが成形されることとなる。
【0031】
このとき、成形品であるサイドルーフレールSの断面周長はワークWの初期断面周長よりも減少している。一方、肉厚は、サイドルーフレールSの底辺Scおよびその両端近傍を除いて増加しており、ポンチ6によって形成される横辺Saと隣接する縦辺Sbの成形品肉厚はワークWの初期肉厚よりも約9%増加し、横辺Saと縦辺Sbとの間のコーナー部Seの成形品肉厚は25%以上増加していると共に、縦辺Sbと斜辺Sdとの間の丸み部Sfにおいても成形品肉厚は僅かながら増加している。
【0032】
そこで、この液圧成形装置1により、肉厚2.0mmの590MPa級の鋼材からなるワークに対しても上記と同じ成形を施したところ、縦辺Sbと斜辺Sdとの間の丸み部Sfには肉厚の減少が発生せず、むしろ増加していたことから、伸びの少ない鋼管に対しても本発明に係わる液圧成形方法が有効であることが実証できた。
【0033】
また、図5のグラフとともに示すように、切り出したサイドルーフレールSの両端をI型鋼7に溶接し、500mmの間隔をおいて配置した支持部8,8間にセットして、中心をR50の押し子9で変形させる静的な3点曲げ実験を行って、荷重とストロークの関係を調べたところ、図5のグラフに示す結果を得た。
【0034】
図5のグラフに示すように、断面周長をワークWの初期断面周長に合わせて成形した肉厚増加のない成形品と比べて、本発明に係わる液圧成形方法および液圧成形装置1により成形したサイドルーフレールSが、最大曲げ荷重値において約64%増加することが判り、この効果は、図6のグラフに示すように、縦辺Sbの成形品肉厚増加が3%以上となったときに顕著である。
【0035】
したがって、高強度板材やアルミニウム板材を用いて、割れのない、しかも、軽量でかつ高い曲げ強度の製品を成形し得ることが立証できた。
【0036】
また、この液圧成形装置1では、ポンチ6がダイ2のダイキャビティ2a内を移動してワークWを押圧するようにしているので、ポンチ6による圧縮力がワークWに対して有効に働くこととなり、さらに、この液圧成形装置1では、ポンチ6のダイキャビティ2aの縦壁2bと摺接するワーク押圧面6aの両端に、ダイキャビティ2aの縦壁2bと略直角をなす張り出し部6bを設けているので、ポンチ6の押圧面6aの設計の自由度が広がることとなる。
【0037】
そして、この液圧成形装置1を用いた液圧成形方法により成形されたサイドルーフレールSは、ワークWの初期肉厚よりも約9%厚みが増した縦辺Sbを備えていると共に、横辺Saと縦辺Sbとの間にワークWの初期肉厚よりも25%以上厚みが増したコーナー部Seを備えていることから、サイドルーフレールSに要求される高い曲げ強度をいずれも満足することとなる。
【0038】
[第2実施例]
図7は本発明に係わる液圧成形装置の他の実施例を示している。
【0039】
図7に部分的に示すように、この液圧成形装置21では、凹状をなすダイキャビティ22aのポンチ6が摺接する縦壁22bと、ダイキャビティ22aの底壁22cとの間に、ワークWの肉厚よりも小さくかつワークWの肉厚の1/10よりも大きな段差22gを設けており、他の構成は先の実施例における液圧成形装置1と同じである。
【0040】
この液圧成形装置21では、段差22bの大きさをワークWの中空部Waに作用させる液圧Pの高さ、あるいは、ポンチ6に押圧されることによって上昇する中空部Waの内圧Pの高さと、加工液を排出して中空部Waの内圧Pを下げる速度とのバランスとを考慮して設定してあるので、、成形時における座屈の発生がより一層少なく抑えれることとなり、加えて、短いポンチストロークで断面内の特定した辺の成形品肉厚が増加することとなる、すなわち、縦辺Sbの肉厚の増加が効率よくなされることとなる。
【0041】
[第3実施例]
図8は本発明に係わる液圧成形装置のさらに他の実施例を示している。
【0042】
図8に部分的に示すように、この液圧成形装置31では、凹状をなすダイキャビティ32aのポンチ6が摺接する縦壁32bと、ポンチ6の移動方向とがなす角度θを0〜45゜の範囲内に設定しており、他の構成は第1実施例における液圧成形装置1と同じである。
【0043】
この液圧成形装置31では、成形時にポンチ6とダイキャビティ32aの縦壁32bとの間に生じる摩擦力が小さく抑えられて、圧縮力が広範囲に有効に作用することとなり、加えて、ダイ32におけるダイキャビティ32aの設計の自由度を広げ得ることとなる。
【0044】
ここで、ポンチ6の移動方向に対するダイキャビティ32aの縦壁32bの角度θを変化させて、ワークWの初期周長を3%縮めて成形した場合におけるサイドルーフレールSの縦辺Sbの肉厚増加比を測定したところ、図9のグラフに示す結果を得た。
【0045】
図9のグラフに示すように、ポンチ6の移動方向に対するダイキャビティ32aの縦壁32bの角度θが約50゜を越えると、縦辺Sbの肉厚増加比が3%を下回ることが実証できた。
【0046】
[第4実施例]
図10および図11は本発明に係わる液圧成形装置のさらに他の実施例を示している。
【0047】
図10に示すように、この液圧成形装置41では、パイプ状をなす肉厚2.2mmのワーク(370MPa級の鋼材からなるワーク、本実施例においてもJIS G 3445で規定されたSTKM11Aの機械構造用炭素鋼鋼管)Wを間にして上下に対向配置した2個のポンチ46,46を備え、両ポンチ46,46側に開口するダイ42のダイキャビティ42a内にセットしたワークWを両側から押圧するようにしており、他の構成は第1実施例における液圧成形装置1と同じである。
【0048】
この液圧成形装置41により、第1実施例と同じようにしてワークWに対して液圧成形を行って、断面が四角形状をなす製品SAを成形したところ、図11に示すように、製品SAの断面周長はワークWの初期断面周長よりも減少している。一方、製品SAの縦辺SAbの成形品肉厚は、第1実施例の液圧成形装置1によって成形したサイドルーフレールSの縦辺Sbの成形品肉厚よりもさらに厚みが増しており、ワークWの初期肉厚に対する増加量は約20%に達している。また、コーナー部SAeの肉厚減少もなく、肉厚2.0mmの590MPa級の鋼材からなるワークの場合も、割れを生じさせることなく成形することができた。
【0049】
加えて、この液圧成形装置41では、上記成形の後、製品SAを90゜回転させてセットし直して再び成形加工を行えば、断面が正方形状ないしは略正方形状をなす製品も成形し得ることとなる。
【0050】
本発明に係わる液圧成形方法および液圧成形装置ならびに車体用部材の詳細な構成は上記した実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる液圧成形方法および液圧成形装置の一実施例を示す断面説明図(a)および成形時における断面説明図(b)である。
【図2】図1に示した液圧成形装置の全体斜視説明図である。
【図3】図1における液圧成形装置のダイおよびポンチの断面説明図である。
【図4】図1に示した液圧成形装置により成形されたサイドルーフレールの断面説明図である。
【図5】サイドルーフレールに対して行った3点曲げ実験により得られた荷重とストロークとの関係を示すグラフである。
【図6】3点曲げ実験における最大曲げ荷重とサイドルーフレールの縦辺の肉厚比との関係を示すグラフである。
【図7】本発明に係わる液圧成形装置の他の実施例を示すダイのダイキャビティの斜視説明図である。
【図8】本発明に係わる液圧成形装置のさらに他の実施例を示すダイのダイキャビティの部分断面説明図である。
【図9】ポンチの移動方向に対するダイキャビティの縦壁の角度とサイドルーフレールの縦辺の肉厚増加比との関係を示すグラフである。
【図10】本発明に係わる液圧成形装置のさらに他の実施例を示す断面説明図(a)および成形時における断面説明図(b)である。
【図11】図10に示した液圧成形装置により成形された製品の断面説明図である。
【符号の説明】
1,21,31,41 液圧成形装置
2,22,32,42 ダイ
2a,22a,32a,42a ダイキャビティ
5 加工液供給部
6,46 ポンチ
6a ポンチのワーク押圧面
6b 張り出し部
22g 段差
32b ダイキャビティの縦壁
P 液圧
S サイドルーフレール(車体用部材)
Sa ポンチによって形成される辺
Sb 縦辺(ポンチによって形成される辺と隣接する辺)
Se コーナー部
W ワーク
Wa 中空部
θ ダイキャビティの縦壁とポンチの移動方向とがなす角度

Claims (10)

  1. パイプ状をなすワークの中空部に加工液を注入して加圧しつつ、ダイおよびポンチによってワークを所定形状に成形する液圧成形方法において、少なくともワークのポンチ側に丸みを有するコーナー部が成形されるまでの間、拡管が生じない液圧を保ちつつ、断面が四角形以上の多角形状をなしかつ断面周長がワーク初期断面周長を越えない形状に成形して、少なくとも特定した一辺の成形品肉厚をワーク初期肉厚よりも増加させることを特徴とする液圧成形方法。
  2. ポンチによって形成される辺と隣接する辺の肉厚をワーク初期肉厚よりも増加させる請求項1に記載の液圧成形方法。
  3. 請求項1および2に記載の液圧成形方法に用いる液圧成形装置であって、ダイと、両端がシールされた状態でダイに固定されるパイプ状をなすワークの中空部に対して加工液の注入排出を行う加工液供給部と、加工液供給部による加工液の注入によって中空部に液圧を加えたワークを押圧するポンチを備え、中空部の内圧が拡管を生じさせない液圧に保たれた状態のワークをポンチで押圧することで、断面が四角形以上の多角形状をなしかつ断面周長がワーク初期断面周長を越えない形状に成形し、少なくとも特定した一辺の成形品肉厚をワーク初期肉厚よりも増加可能としたことを特徴とする液圧成形装置。
  4. ポンチはダイのダイキャビティ内を移動してワークを押圧する請求項3に記載の液圧成形装置。
  5. ダイのダイキャビティは凹状をなし、ダイキャビティのポンチが摺接する縦壁と、ダイキャビティの底部との間に、ワークの肉厚よりも小さくかつワークの肉厚の1/10よりも大きな段差を設けた請求項3または4に記載の液圧成形装置。
  6. ダイのダイキャビティは凹状をなし、ダイキャビティのポンチが摺接する縦壁と、ポンチの移動方向とがなす角度を0〜45゜の範囲内に設定してある請求項3または4に記載の液圧成形装置。
  7. ダイのダイキャビティの縦壁と摺接するポンチのワーク押圧面の両端に、ワーク側に突出しかつダイキャビティの縦壁と略直角をなす張り出し部を設けた請求項3ないし6のいずれかに記載の液圧成形装置。
  8. ワークを間にして対向配置した2個のポンチを備え、両ポンチ側に開口するダイのダイキャビティ内にセットしたワークを両側から押圧する請求項3,4,7のいずれかに記載の液圧成形装置。
  9. 請求項3ないし8に記載の液圧成形装置によって成形された車体用部材であって、ポンチによって形成される辺に隣接してワーク初期肉厚よりも1.03倍以上増加させた肉厚の辺を備えていることを特徴とする車体用部材。
  10. ポンチによって形成される辺の両端にワーク初期肉厚よりも1.1倍以上増加させた肉厚のコーナー部を備えている請求項9に記載の車体用部材。
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