JP2002180968A - ポンプ機構及び該ポンプ機構を用いるインクジェット記録装置 - Google Patents

ポンプ機構及び該ポンプ機構を用いるインクジェット記録装置

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JP2002180968A
JP2002180968A JP2000373939A JP2000373939A JP2002180968A JP 2002180968 A JP2002180968 A JP 2002180968A JP 2000373939 A JP2000373939 A JP 2000373939A JP 2000373939 A JP2000373939 A JP 2000373939A JP 2002180968 A JP2002180968 A JP 2002180968A
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piston
ink
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ink jet
rubber
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JP2000373939A
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Yuichi Takahashi
祐一 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】コンパクトな構成で環境条件等による影響を受
けることなく高いポンプ能力を発揮し、耐久性及び信頼
性に優れたインクジェット記録装置のポンプ機構を提供
する 【構成】ピストンの上下運動に伴うシリンダー室の容積
変化によりインク及び/又はエアーを送るポンプ機構に
おいて、ピストン33の周方向に沿って該ピストンが発
生する圧力によって膨らみを持つ方向の凹形状に形成さ
れた環状凹部38を有するゴム状弾性部材34を該ピス
トンに装着し、該ゴム状弾性部材によりシリンダー室3
5を密閉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】インク及び/又はエアーを送
るポンプ機構、並びに該ポンプ機構を備えたインクジェ
ット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置(プリント
装置)としては、画像情報(記録情報)に基づいて、
紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の被記
録材(記録媒体)に向けてインクを吐出することで記録
を実行するインクジェット記録装置が普及している。ま
た、これら被記録材の材質に対する要求も様々なものが
あり、近年では、これらの要求に対する開発が進み、通
常の被記録材である紙(薄紙や加工紙を含む)や樹脂薄
板(OHPシート等)などの他に、布、皮革、不織布、
更には金属等を被記録材として用いる記録装置も使用さ
れるようになっている。
【0003】前記インクジェット記録装置は、記録手段
(記録ヘッド)から被記録材へインクを吐出して記録を
行うものであり、低騒音、低ランニングコストで、装置
の小型化が容易であり、カラー化も容易であるなどの観
点から、プリンタ、複写機、ファクシミリ等へ広く応用
されている。インクジェット記録装置の記録手段(イン
クジェット記録ヘッド)の前面にはインク滴を吐出する
ための吐出口(通常複数個)が形成されており、この吐
出口の大きさは数十μ程度であるが、最近では高画質化
とともに吐出口の大きさは益々小さくなりつつある。そ
して、ホスト機から送られてくる記録データをもとに記
録装置内で処理された吐出信号に基づいて、前記吐出口
からインク滴が吐出され、記録媒体上に画像(文字や記
号も含む)が記録される。
【0004】上記インクジェット記録装置においては、
微細な吐出口からインクを吐出して記録を行うことか
ら、該吐出口に目詰まりが生じ、吐出不良(不吐出を含
む)に起因して記録画像の品位が低下してしまうという
ことがあり、そのための対策として、記録手段のインク
吐出性能を維持回復するための回復ユニットを用いるこ
とが行なわれている。この回復ユニットとして、通常、
記録ヘッドの吐出口をキャッピングするキャッピング機
構と、キャッピング状態において前記キャッピング機構
に接続されてポンプを作動させて該キャッピング手段内
部に負圧を発生させて吐出口から増粘インクや気泡等の
異物をインクと共に吸引排出することにより該吐出口内
のインクをリフレッシュさせることでインク吐出性能を
維持回復する吸引手段と、記録手段の吐出口面に付着し
たインク等を異物を拭き取り清掃(クリーニング)する
ワイピング手段とを備えたものが使用されている。
【0005】また、前記吸引手段に代えて、あるいは該
吸引手段とともに、加圧ポンプを用いて記録手段内へイ
ンクを加圧供給するとともに吐出口から増粘インクや気
泡等の異物をインクと共に排出することにより該吐出口
内のインクをリフレッシュさせることでインク吐出性能
を維持回復する加圧手段が使用されることもある。さら
に、インク貯留部(インクタンク、インクカートリッジ
等)から記録ヘッド内へインクを供給するためにポンプ
を使用することもあり、この場合のポンプとしては、イ
ンク流路に沿ってインクを圧送する加圧ポンプが使用さ
れる。このインク供給用の加圧ポンプと前記回復用の加
圧ポンプは共用することができる。
【0006】また、記録媒体の幅方向寸法(紙送り方向
に直角な記録可能領域の幅)をカバーする所定長さにわ
たって配列された吐出口列を有する長尺ラインヘッドを
用いたインクジェット記録装置では、記録や回復処理に
おいて単位時間あたりに多量のインクを流通させる必要
があり、そのためには、単位時間あたりの輸送量(流
量)を多く確保できるポンプが必要であり、特に加圧ポ
ンプの場合は、記録ヘッドの流路抵抗が大きいことか
ら、必要な流量を確保するためには高圧力を発生するポ
ンプが必要にある。このように高い能力を発生するため
のポンプとしては従来より主としてチューブ方式のポン
プ(チューブポンプ)が用いられてきた。
【0007】図8〜図10はチューブポンプの代表的な
構成を示す断面図であり、図8は1個のコロがチューブ
を押圧しているときの状態を示し、図9は2個のコロが
チューブを押圧してときの状態を示し、図10はいずれ
のコロもチューブを押圧していないときの状態を示す。
図8〜図10において、回転体101外周にはコロ支持
部材102を介し回転可能にコロ103が取り付けら
れ、該コロ103は圧縮バネ104によって半径方向外
向きにバネ付勢されている。ただし、前記コロ103の
一定以上の外向き移動は、回転体101に形成されたス
トッパー部(段付き部)にコロ支持部材102の先端部
が当接することで阻止され、抜け止めされている。この
ようなコロ103、コロ支持部材102、圧縮バネ10
4から成る押圧コロ手段は回転体101の外周に沿って
等間隔の3箇所に配置されている。また、チューブ10
5の外周には該チューブ105をバックアップして案内
するためのチューブ支持部材106が配置されている。
このチューブ支持部材106は、バネ107によりカム
108の回転に付随して上下動するように取り付けられ
ている。
【0008】図8に示すように、コロ103がチューブ
105上に位置して該チューブを押圧しているときに
は、該コロを支持するコロ支持部材102は逆に圧縮バ
ネ104をその分圧縮して後退した状態になっている。
つまり、コロ支持部材102の先端が回転体101のス
トッパー部(段付き部)に当接した前進位置よりも半径
方向内方へ退避した状態になっている。圧縮バネ104
によりコロ103が一定圧でチューブ105を押圧し
(押しつぶし)た状態で回転体101を不図示の駆動装
置により回転駆動すると、チューブ105内のインクを
回転方向に沿って送る(圧送する)ことができる。な
お、図9に示すように、回転体101に回転に伴いある
コロ103がチューブ支持部材106から離れる瞬間に
は、すでに次のコロ103がチューブ支持部材106上
に進入してチューブ105を押圧(押しつぶし)してお
り、インクを送ることによって発生する正力を常に少な
くとも1個のコロ103で受け止めるように構成されて
いる。
【0009】インクを送らない時には、図10に示すよ
うに、カム108を回転させてカム面を低下させること
で、バネ107の付勢力によりチューブ支持部材106
をチューブ105と共に下方へ退避させる。この状態で
は、コロ103がチューブ105に与える押圧力(押し
つぶし力)も解除されるため、該チューブ105内を通
してのインクの流通性が確保される。さらに、一般的に
インクジェット記録装置で使用されるポンプ機構として
は、ダイアフラム方式のポンプ(ダイアフラムポンプ)
やピストン方式のポンプ(ピストンポンプ)といったも
のがある。
【0010】図11はダイアフラムポンプの代表的な構
成を示す部分断面図である。図11において、ダイアフ
ラムを形成するゴム状弾性部材111にアーム112の
一端が連結され、該アーム112の他端にバネ113が
係止されており、該アーム112は支点114を中心と
して揺動可能に軸支されている。また、前記アーム11
2の前記バネ113寄りの部位にはカム115が当接し
ている。こうして、カム115の回転に伴ってアーム1
12が付随して揺動することで、カム115の回転運動
を該アーム112を介して前記ゴム状弾性部材(ダイア
フラム)111の腹膜運動に変換するように構成されて
いる。前記アーム112の揺動によってゴム状弾性部材
111が矢印P方向(図示の下向き方向)に引っ張られ
ると、シリンダー室116の容積(体積)が増加し、吸
引一方向バルブ117を通してシリンダー室116へ流
体が導入され、逆にゴム状弾性部材111が矢印Q方向
(図示上向き方向)に押されるとシリンダー室116の
容積が減少し、排出一方向バルブ118を通してシリン
ダー室116内の流体が排出される。
【0011】図12はピストンポンプの代表的な構成を
示す部分断面図である。このピストンポンプの動作原理
は前述のダイアフラムポンプの場合と類似している。図
12において、ピストン121は圧縮バネ122により
図示下向きに付勢されており、該ピストン121の下端
面にはカム123が当接しており、カム123の回転に
伴ってピストン121が上下運動するように構成されて
いる。カム123の回転に伴ってピストン121が矢印
X方向(図示の下向き方向)に移動(下降)すると、シ
リンダー室124の容積が増加し、吸引一方向バルブ1
25を通してシリンダー室124内へ流体が導入され、
ピストン121が矢印Y方向(図示の上向き方向)に移
動(上昇)すると、シリンダー室124の容積が減少
し、排出一方向バルブ126を通してシリンダー室12
4内の流体が排出される。ところで、前記ピストン12
1には、シリンダー室124とポンプ機構の外部とを密
閉するためのOリング(ゴム状弾性部材から成る)12
7等が嵌着されている。このOリング等の密閉部材12
7は、ピストン121の上下運動に伴い摺動されるた
め、通常グリースアップ(グリース供給)がなされてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のチューブ方式の
ポンプ(チューブポンプ)にあっては、圧力及び流量を
十分に確保することは可能であるが、周囲温度によりチ
ューブ105の硬度が変化したり、チューブ自体にネジ
レ等が発生することがあり、コロ103によりチューブ
を正常に押しつぶすことができなくなり、圧力漏れによ
りポンプ能力が不足することがあるなどの不都合があっ
た。また、ダイアフラム方式のポンプ(ダイアフラムポ
ンプ)にあっては、必要なポンプ能力を得るためには腹
膜運動量を増加する必要があり、そのためにはゴム状弾
性部材111の変形限界等を考慮してダイアフラム径を
大きくしなければならないという不都合がある。その場
合、単純にダイアフラム径を大きくするだけでは、発生
する圧力によってゴム状弾性部材111が変形してしま
うことから、圧力損失が大きくなるという新たな技術的
課題が発生する。
【0013】さらに、従来のピストン方式のポンプ(ピ
ストンポンプ)にあっては、安定的に高いポンプ能力が
得られる点では上記の他の方式のポンプより優れている
が、しかし前述のようなグリースアップ(グリース使
用)を行うことから、このグリースをインク液等で除去
するクリーニング動作が必要となり、このクリーニング
動作で使用したインクを廃棄するための廃インク吸引処
理機構など余分な機構が必要になるという技術的課題が
ある。このように、従来のチューブポンプでは耐久性及
び信頼性に問題があり、また、ダイアフラムポンプやピ
ストンポンプにおいても、特に長尺のラインヘッドを備
えたインクジェット記録装置で使用する場合には、やは
り同様に耐久性及び信頼性に問題があり、各方式のポン
プともに技術的課題があった。そのため、特に、長尺の
ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置において
は、高いポンプ性能を有する信頼性及び耐久性に優れた
ポンプ機構が所望されていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような技術
的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、
コンパクトな構成で、使用する流路の構造や寸法に関わ
りなく、高いポンプ能力を発揮することができ、また、
環境条件等による影響を受ける度合いが小さく、耐久性
及び信頼性に優れたポンプ機構及び該ポンプ機構を用い
るインクジェット記録装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1のポンプ機構に
係る発明は、上記目的を達成するため、インク及び/又
はエアーを送るポンプ機構において、ピストンの上下運
動に伴うシリンダー室の容積変化を利用してインク及び
/又はエアーを送るように構成されており、前記ピスト
ンには前記シリンダー室を密閉するゴム状弾性部材が装
着され、該ゴム状弾性部材は、前記ピストンの周方向に
沿って該ピストンが発生する圧力によって膨らみを持つ
方向の凹形状に形成された環状凹部を有する部材である
ことを特徴とする。
【0016】請求項8のインクジェット記録装置に係る
発明は、上記目的を達成するため、記録手段から被記録
材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装
置において、インク及び/又はエアーを送るためのポン
プ機構を具備し、該ポンプ機構はピストンの上下運動に
伴うシリンダー室の容積変化を利用してインク及び/又
はエアーを送るように構成されており、前記ピストンに
は前記シリンダー室を密閉するゴム状弾性部材が装着さ
れ、該ゴム状弾性部材は、前記ピストンの周方向に沿っ
て該ピストンが発生する圧力によって膨らみを持つ方向
の凹形状に形成された環状凹部を有する部材であること
を特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明を適用するのに好適
なインクジェット記録装置の要部構成を示す模式的斜視
図である。図1のインクジェット記録装置は、フルカラ
ー記録が可能なライン型のインクジェット記録ヘッドを
複数個(図示の例では4個)備えたインクジェット記録
装置の場合を示す。図1において、1101及び110
2は、用紙やプラスチック薄板等の記録媒体(被記録
材)1103を挟持し、矢印Fで示す副走査方向(搬送
方向)に記録媒体1103を搬送するためのローラ対で
ある。13Bk 、13Y、13M、13Cは、それぞ
れ、記録媒体1103の略全幅にわたって吐出口が配列
されたフルマルチタイプのインクジェット記録ヘッドで
あり、以下、これらの記録ヘッドのうちの任意の一つを
指す場合は、単に記録手段(記録ヘッド)13と称す。
【0018】フルカラー記録の場合は、上記4個の記録
ヘッド13から吐出されるインク色として、例えば、ブ
ラック、イエロー、マゼンタ、シアンが用いられ、図示
の例では、4個のインクジェット記録ヘッド13が被記
録材搬送方向上流側から(図示下から)この順序で配置
されている。1106は回復系であり、吐出回復処理に
当たっては、記録ヘッド13と記録媒体1103との間
に侵入して記録媒体13に代わって前記各記録ヘッド1
3に対面して、後述するような回復処理を行なう。ま
た、前記各インクジェット記録ヘッド13は、ヘッド装
着部1107に、相互位置関係を規制されて装着されて
いる。以上により、本発明を適用するのに好適なインク
ジェット記録装置、すなわち、インクジェット記録ヘッ
ド13を装着するためのヘッド装着部1107と、前記
ヘッド装着部1107に装着された記録ヘッド13の記
録位置へ前記記録媒体1103を搬送するための搬送手
段1101、1102と、を有するインクジェット記録
装置が構成されている。
【0019】前記記録手段(記録ヘッド)13は、熱エ
ネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記
録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱
変換体を備えたものである。また、このインクジェット
記録手段13は、前記電気熱変換体によって印加される
熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収
縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりイン
クを吐出させ、記録を行なうものである。
【0020】図2は、前記記録ヘッド13のインク吐出
部の構造を模式的に示す部分斜視図である。図2におい
て、記録ヘッド13の基板(ベースプレート)81上に
は、薄膜83の層を介在させて、半導体と同様の製造工
程(薄膜成形法等)によって、複数の電気熱変換体82
及びこれらに対応する配線が形成されている。各電気熱
変換体82は、図示のように、それぞれの吐出口89及
び液路86に対応する位置に配列されている。前記基板
(ベースプレート)81上(該基板81上の薄膜83の
上)には、下面に所定間隔で平行に形成された複数の液
路壁84Aを有する液路形成部材84が接合されてい
る。さらに、前記液路形成部材84の上面には、天板8
5が接合されている。
【0021】前記各液路壁84Aの間に液路86が形成
されるが、前記液路形成部材84は、各液路86の内部
の所定位置に前記各電気熱変換体82が配置されるよう
な位置関係で位置決め接合されている。前記各液路壁8
4Aは所定の長さを有し、各液路86の後端は、前記液
路形成部材84と前記基板(ベースプレート)81(ま
たは薄膜83)との間に形成される共通液室87に連通
している。一方、各液路86の他端(先端)は記録ヘッ
ド13の吐出口面(複数の吐出口89が配列された前
面)88にて開口しており、それぞれの開口部によって
吐出口89が形成されている。
【0022】こうして、発熱抵抗体等の電気熱変換体8
2に通電(パルス電圧の印加)してこれを発熱させるこ
とにより、液路86内のインクを膜沸騰させ、その時の
圧力変化により吐出口89からインク滴を吐出させるイ
ンクジェット記録ヘッド13が構成されている。この記
録ヘッド13は、複数の吐出口89の配列方向が記録媒
体(記録用紙等)の搬送方向と交叉(略直交)する姿勢
で取り付けられ、吐出口面88と記録媒体との距離(紙
間距離)は、例えば約0.3〜2.0ミリ程度に設定さ
れる。
【0023】図3は本発明を適用したポンプ機構を備え
たインクジェット記録装置の一実施例のインク供給系の
構成を示すブロック図である。図3に示す構成では、イ
ンクが吸い出されるにしたがって収縮するパック状の容
器(インク貯留部)がインクカートリッジの内部に収容
された構造を有するインクタンクが使用されており、複
数の異なるインクを使用する複数の記録ヘッドを備えた
記録装置の場合には、一般的には、記録ヘッドごとに図
3に示すようなインク供給系が使用されることになる。
なお、図3のインク供給系は、例えば、記録可能幅が約
4インチ程度の長尺のラインヘッド(以下、単に記録手
段もしくは記録ヘッドと称す)を採用したインクジェッ
ト記録装置で使用するのに好適な構成を有するものであ
る。ただし、前述したように、図3はインク供給系の1
ステーションを概略的に示したものであり、複数の記録
ヘッドを備えたインクジェット記録装置の場合には、各
記録ヘッドに対応して同様の構成を有する複数のインク
供給系が並列的に配置される。
【0024】図3に示すインクジェット記録装置におい
ては、インクを送り出す加圧ポンプ11とインクを吸引
する吸引ポンプ12とが設けられ、両ポンプとも矢印C
及び矢印Dで示すような同じ方向にのみインク及び/又
はエアを送ることができるものであり、また、両ポンプ
とも非駆動時にはインクの流通性が保たれるものであ
る。記録手段としての記録ヘッド13は図示の例では記
録媒体の幅方向に延びる長尺のラインヘッドであり、こ
の記録ヘッド13に対しては、記録を行っていく過程で
吐出口部に付着するゴミや増粘インクあるいは吐出口内
の気泡といった記録品位に影響を及ぼす異物を除去する
ための回復処理(クリーニング処理)が行われる。この
回復処理は所定のタイミングで所定の制御シーケンスで
吐出口からインクを排出する操作によって行われる。
【0025】図3において、前記回復処理のためのイン
ク排出は、加圧ポンプで吐出口からインクを排出させる
加圧回復操作の他に、吸引ポンプで吐出口からインクを
吸引(吸い出す)する吸引回復操作によって行うことが
できる。本実施例の回復処理は、前記加圧ポンプ11を
駆動することにより、サブタンク14内のインクを加圧
ポンプ14→チューブ15→記録ヘッド13へと圧送
し、記録ヘッド内のゴミ、気泡、増粘インクを吐出口か
ら押し流すことで実行される。なお、記録ヘッド13内
へ圧送されたインクは、こうして吐出口から排出される
が、一方では該記録ヘッド13からチューブ16を通し
て再びサブタンク14へ戻される。
【0026】また、加圧ポンプ11により記録ヘッド1
3の吐出口から押し出された(吐出された)インクは該
記録ヘッドの前面に対向配置された回復桶17へ向けて
排出される。こうして回復桶17内に捕集(回収)され
たインクは、リサイクル弁18を開放するとともに供給
弁19を密閉した状態にし、吸引ポンプ12を駆動する
ことで、該吸引ポンプの吸引力によりチューブ20→リ
サイクルフィルター21→リサイクル弁18→吸引ポン
プ12→チューブ22を通してサブタンク14へ戻され
る。なお、前記サブタンク14には、大気に連通するチ
ューブ25が接続されている。
【0027】また、インクジェット記録装置には交換可
能なインクタンクとしてのインクカートリッジ23が着
脱可能に装着されており、記録に必要なインクは前記イ
ンクカートリッジ23からサブタンク14へ供給され、
該サブタンク14内に一時的に貯蔵される。インクカー
トリッジ23からサブタンク14へのインク供給は、供
給弁19を開放するとともにリサイクル弁18を密閉し
た状態で吸引ポンプ12を駆動することにより、インク
カートリッジ23→チューブ24→供給弁19→吸引ポ
ンプ12→チューブ22を通して行われる。記録に伴い
サブタンク14内のインクが消費されるので、適時、イ
ンクカートリッジ23からサブタンク14へ新たにイン
クを供給する必要がある。この時も、前述と同様に、リ
サイクル弁18を密閉するとともに供給弁19を開放し
た状態にし、この状態で吸引ポンプ12を駆動すること
により、インクカートリッジ23からチューブ24及び
供給弁19を通して吸引ポンプ12へインクが吸引さ
れ、さらに吸引ポンプ12からチューブ22を通してサ
ブタンク14内へ適量なインクが供給される。
【0028】なお、インクカートリッジ23内のインク
は、インクが吸い出されるにしたがって収縮するパック
状の容器内に収容されている。また、異なるインクで記
録する複数の記録ヘッド13を備えたインクジェット記
録装置においては、インク供給や回復処理が必要な記録
ヘッドに対応するインク供給系(ステーション)のみを
選択的に駆動することで、必要な記録ヘッド13のみに
インクを供給するような構成を備えることが必要であ
る。また、記録ヘッド(記録手段)13として上述した
ような長尺のラインヘッドを用いたインクジェット記録
装置においては、前記加圧ポンプ11及び前記吸引ポン
プ12として、ポンプ能力が高く単位時間あたりの輸送
量(流量)が大きいポンプを用いる必要があり、また、
特に加圧ポンプ11にあっては、記録ヘッド13内の流
路抵抗が大きいことから、必要なインク流量を確保する
ために高い作動圧力を発生させることが要請される。
【0029】図4は本発明によるインクジェット記録装
置で使用されるポンプ機構の一実施例の要部を示す部分
縦断面図であり、図5は図4中のA部を拡大して示す部
分拡大断面図である。図4及び図5に示すポンプは、イ
ンクを送り出す加圧ポンプ(図3中の加圧ポンプ11)
に用いられる構成を有する。図4において、カム31は
カム面を形成する真円部に対して駆動軸(中心軸)32
を偏心させた構造をしており、ピストン33の下部には
該カム31をちょうど挟み込むようなコの字型形状部分
(コの字形状部)34が設けられている。このようなコ
の字型形状部分41を設けることにより、カム31が回
転するときに、そのカム面(摺動面)がピストン33の
摺動面から離れることなく、当該ピストン33を確実に
上下運動させることができる。また、ピストン33の上
端部にはゴム状弾性部材34が係合(装着)されてい
る。このゴム状弾性部材34は、シリンダー室35を密
閉するためのものであり、該シリンダー室35とその外
部との間を密閉状態で遮断している。図示の例では、前
記ゴム状弾性部材34の外周部はシリンダー室35の周
囲壁面部に係合(固定)されている。
【0030】カム31を回転駆動するとピストン33が
上下運動する。該ピストン33が矢印V方向に(図示の
下方へ)移動するとシリンダー室35の容積が増加し、
その時に発生する吸引力によって吸引一方向バルブ36
が開くとともに、該吸引一方向バルブ36を通してシリ
ンダー室35へ流体が導入される。一方、前記ピストン
33が矢印W方向に(図示の上方へ)移動するとシリン
ダー室35の容積が減少し、その時に発生する圧力上昇
(加圧力)によって排出一方向バルブ37が開くととも
に、該排出一方向バルブ37を通してシリンダー室35
の流体が排出される。
【0031】図4及び図5に示すように、前記ゴム状弾
性部材34は、前記シリンダー室35を密閉するように
前記ピストン33の上端部に装着されている。また、前
記ゴム状弾性部材34は、前記ピストン33の周方向に
沿って該ピストン33が発生する圧力によって膨らみを
持つ方向の凹形状に形成された環状凹部38を有する部
材として形成されている。図4及び図5の加圧ポンプ1
1においては、前記環状凹部38は、図5中の矢印で示
すような圧力を受けて下方へ膨らみを持つように変形す
ることから、図示のようにピストン33の上端部の外周
に沿って上面開放で下方へ張り出した凹形状に形成され
ている。このようなゴム状弾性部材34の形状によれ
ば、該ゴム状弾性部材34が上下方向に容易に大きく変
形可能であることから、ピストン33の上下方向ストロ
ークを大幅に増加させることができ、従って、ゴム状弾
性部材34の外径寸法を増やさずに、カム31が1回転
する毎に送り出せる流体(インクもしくはエア)の量を
増大させることができる。
【0032】また、インクを送り出す際にはシリンダー
室35内の圧力上昇により正圧が作用するが、その際に
は図5に示すようにゴム状弾性部材34は矢印方向にふ
くらみ(膨らみ)を生じる傾向になるため、該ゴム状弾
性部材34の部分同士(例えば環状凹部38の内側部分
と外側部分)が接触することはない。また、図示のポン
プ機構(加圧ポンプ11)においては、図5に示すよう
なゴム状弾性部材34の膨らみを考慮して、ピストン3
3の上部側面及びシリンダ側の外周壁面部材39の内面
には、ゴム状弾性部材34に対して逃げ形状を持つ部位
(互いに離隔する方向へ凹んだ部分)が形成されてい
る。さらに、シリンダー室35内の圧力が上昇してより
高圧になるにしたがい、前述のゴム状弾性部材34の膨
らみが増大してシリンダ室35で圧力損失が発生し、該
圧力損失に起因するポンプ能力の低下が無視できないよ
うな場合には、前記ピストン33の上部に図示のような
圧力ガイド部40を設けることが好ましい。
【0033】前記圧力ガイド部40は、前記ゴム状弾性
部材34の膨らみ(ふくらみ)の程度を抑制することに
より、シリンダー室35内のより高い圧力に対応できる
構成を得るためのものである。図示の例では、前記圧力
ガイド部40は、前記ピストン33の外周に沿って設け
られた円盤形状を有する部材で構成され、該ピストン3
3の上部に嵌合掛止で固定されている。また、前記圧力
ガイド40はピストン33の上下運動に付随して上下運
動を行うため、前記ゴム状弾性部材34との間で摺動す
ることはなく、従って、ゴム状弾性部材34の耐久性及
び信頼性に悪影響を及ぼすことはない。
【0034】図6は本発明によるインクジェット記録装
置で使用されるポンプ機構の別の実施例の要部を示す部
分縦断面図であり、図7は図6中のB部を拡大して示す
部分拡大断面図である。図6及び図7に示すポンプは、
インクを吸引する吸引ポンプ(図3中の吸引ポンプ1
2)に用いられる構成を有する。この吸引力を発生する
吸引ポンプにおいても、図4及び図5で説明したものと
類似の構成を採用することができる。図6において、カ
ム51はカム面を形成する真円部に対して駆動軸(中心
軸)52を偏心させた構造をしており、ピストン53の
下部には該カム51をちょうど挟み込むようなコの字型
形状部分(コの字形状部)61が設けられている。この
ようなコの字型形状部分61を設けることにより、カム
51が回転するときに、そのカム面(摺動面)がピスト
ン53の摺動面から離れることなく、当該ピストン53
を確実に上下運動させることができる。また、ピストン
53の上端部にはゴム状弾性部材54が係合(装着)さ
れている。このゴム状弾性部材54は、シリンダー室5
5を密閉するためのものであり、該シリンダー室55と
その外部との間を密閉状態で遮断している。図示の例で
は、前記ゴム状弾性部材54の外周部はシリンダー室5
5の周囲壁面部に係合(固定)されている。
【0035】カム51を回転駆動するとピストン53が
上下運動する。該ピストン53が矢印W方向に(図示の
上方へ)移動するとシリンダー室55の容積が減少し、
その時に発生する圧力上昇(加圧力)によって排出一方
向バルブ57が開くとともに、該排出一方向バルブ57
を通してシリンダー室55内の流体(インク及び/又は
エア)が排出される。一方、前記ピストン53が矢印V
方向に(図示の下方へ)移動するとシリンダー室55の
容積が増大し、その時に発生する負圧(吸引力)によっ
て吸引一方向バルブ56が開くとともに、該吸引一方向
バルブ56を通してシリンダー室55内へ流体(インク
及び/又はエア)が導入される。
【0036】図6及び図7に示すように、前記ゴム状弾
性部材54は、前記シリンダー室55を密閉するように
前記ピストン53の上端部に装着されている。また、前
記ゴム状弾性部材54は、前記ピストン53の周方向に
沿って該ピストン53が発生する吸引力(負圧)によっ
て膨らみを持つ方向の凹形状に形成された環状凹部58
を有する部材として形成されている。図6及び図7の吸
引ポンプ12においては、前記環状凹部58は、図7中
の矢印で示すような負圧(吸引力)を受けて上方へ膨ら
みを持つように変形することから、図示のようにピスト
ン53の上端部の外周に沿って下面開放で上方へ張り出
した凹形状に形成されている。
【0037】つまり、図6及び図7の吸引ポンプ12の
場合は、シリンダー室55内が負圧になるため、ピスト
ン53に係合装着されるゴム状弾性部材54の環状凹部
58の凹方向は図4及び図5の加圧状態(正圧状態)に
なる加圧ポンプ11のゴム状弾性部材34の環状凹部3
8の凹方向とは逆向きになっている。このようなゴム状
弾性部材54の形状によれば、該ゴム状弾性部材54が
上下方向に容易に大きく変形可能であることから、ピス
トン53の上下方向ストロークを大幅に増加させること
ができ、従って、ゴム状弾性部材54の外径寸法を増や
さずに、カム51が1回転する毎に吸引できる流体(イ
ンク及び/又はエア)の量を増大させることができる。
【0038】また、インクを吸引する際にはシリンダー
室55内の圧力減少により負圧が作用するが、その際に
は図7に示すようにゴム状弾性部材54は矢印方向に膨
らみを生じる傾向になるため、該ゴム状弾性部材54の
部分同士(例えば環状凹部58の内側部分と外側部分)
が接触することはない。なお、図6及び図7の吸引力を
発生させる吸引ポンプ12においては、シリンダー構成
部材59にゴム状弾性部材54との接触を避けるための
逃げ部を設けると構造が複雑になる傾向がある。そこ
で、図7中のD部に示すように、ゴム状弾性部材54の
シリンダー側の根元部(掛止部の近傍部位)を厚肉化す
ることで、吸引力による該根元部の変形を抑えるように
構成することが好ましい。さらに、吸引負圧力は物理的
に−1atm(−1気圧)以下の強い負圧になることが
無いため、基本的には、図4及び図5の実施例において
設けたような圧力ガイド部40、つまり膨らみ増大に起
因する圧力損失を軽減するための圧力ガイド40に相当
する部材を設けなくても、十分なポンプ能力を発揮させ
ることができる。
【0039】以上説明した実施例によれば、インク及び
/又はエアーを送るポンプ機構において、ピストン(3
3又は53)の上下運動に伴うシリンダー室(35又は
55)の容積変化を利用してインク及び/又はエアーを
送るように構成されており、前記ピストンには前記シリ
ンダー室を密閉するゴム状弾性部材(34又は54)が
装着され、該ゴム状弾性部材は、前記ピストンの周方向
に沿って該ピストンが発生する圧力によって膨らみを持
つ方向の凹形状に形成された環状凹部(38又は58)
を有する部材であるように構成されたポンプ機構が提供
される。
【0040】また、以上説明した実施例によれば、記録
手段13から被記録材へインクを吐出して記録を行うイ
ンクジェット記録装置において、インク及び/又はエア
ーを送るためのポンプ機構(11又は12)を具備し、
該ポンプ機構はピストン(33又は53)の上下運動に
伴うシリンダー室(35又は55)の容積変化を利用し
てインク及び/又はエアーを送るように構成されてお
り、前記ピストンには前記シリンダー室を密閉するゴム
状弾性部材(34又は54)が装着され、該ゴム状弾性
部材は、前記ピストンの周方向に沿って該ピストンが発
生する圧力によって膨らみを持つ方向の凹形状に形成さ
れた環状凹部(38又は58)を有する部材であるよう
に構成されたインクジェット記録装置が提供される。
【0041】そして、前記ピストン(33又は53)を
上下動させる手段としてはカム手段(31又は51)が
使用され、該カム手段は前記ピストンと一体に形成され
たコの字形状部(41又は61)の内面に偏心カム(3
1又は51)を挟み込む構造を有している。また、前記
ピストン(33)には、前記シリンダー室(35)の圧
力による前記ゴム状弾性部材(34)の膨らみを抑止す
るための圧力ガイド部(40)が設けられており、該圧
力ガイド部40は前記ピストン(33)の外周に沿って
設けられた円盤形状を有している。また、前記ゴム状弾
性部材(34又は54)は前記シリンダー室(35又は
55)をその外部から密閉する密閉手段を兼ねている。
【0042】そして、以上説明した実施例に係るポンプ
機構及び該ポンプ機構を用いるインクジェット記録装置
によれば、ピストン(33又は53)に、該ピストンの
周方向に沿って該ピストンが発生する圧力によって膨ら
みを持つ方向の凹形状に形成された環状凹部(38又は
58)を有するゴム状弾性部材(34又は54)を装着
し、該ゴム状弾性部材によってシリンダー室(35又は
55)を密閉するように構成したので、コンパクトな構
成で、使用する流路の構造や寸法に関わりなく、高いポ
ンプ能力を発揮することができ、また、環境条件等によ
る影響を受ける度合いが小さく、耐久性及び信頼性に優
れたポンプ機構及び該ポンプ機構を用いるインクジェッ
ト記録装置が提供される。
【0043】なお、前述の実施例では、記録媒体の全幅
または一部をカバーする長さを有する長尺のラインタイ
プの記録手段を用いて副走査のみで記録するライン記録
方式(ライン型記録装置)の場合を例に挙げて説明した
が、本発明は、記録手段(記録ヘッド)を主走査方向に
移動させながら記録するシリアル型記録装置の場合に
も、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得
るものである。また、本発明は、記録ヘッド(記録手
段)の数にも関わりなく自由に実施できるものであり、
1個の記録手段で記録する記録装置の他、複数の記録手
段を用いる記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度で
記録する複数の記録手段を用いる階調記録装置、さらに
は、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同様に
適用することができ、同様の効果を達成し得るものであ
る。
【0044】さらに、本発明は、記録手段とインクタン
クを一体化した交換可能なインクジェットカートリッジ
を用いる構成、記録手段とインクタンクを別体にし、そ
の間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、
記録手段(記録ヘッド)とインクタンクの配置構成がど
のような場合にも同様に適用することができ、同様の効
果が得られるものである。なお、本発明は、インクジェ
ット記録装置の場合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械
変換体等を用いる記録手段を使用するものにも適用でき
るが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出す
る方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。かかる方式に
よれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからで
ある。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1のポンプ機構に係る発明によれば、インク及び/又は
エアーを送るポンプ機構において、ピストンの上下運動
に伴うシリンダー室の容積変化を利用してインク及び/
又はエアーを送るように構成されており、前記ピストン
には前記シリンダー室を密閉するゴム状弾性部材が装着
され、該ゴム状弾性部材は、前記ピストンの周方向に沿
って該ピストンが発生する圧力によって膨らみを持つ方
向の凹形状に形成された環状凹部を有する部材である構
成としたので、コンパクトな構成で、使用する流路の構
造や寸法に関わりなく、高いポンプ能力を発揮すること
ができ、また、環境条件等による影響を受ける度合いが
小さく、耐久性及び信頼性に優れたポンプ機構が提供さ
れる。
【0046】請求項2〜5の発明によれば、上記請求項
1の構成に加えて、前記ピストンを上下動させる手段は
カム手段である構成、前記カム手段は前記ピストンと一
体に形成されたコの字形状部の内面に偏心カムを挟み込
む構造を有する構成、前記ピストンに、前記シリンダー
室の圧力による前記ゴム状弾性部材の膨らみを抑止する
ための圧力ガイド部が設けられている構成、あるいは、
前記圧力ガイド部は前記ピストンの外周に沿って設けら
れた円盤形状を有する構成としたので、一層効率よく上
記効果を達成できるポンプ機構が提供される。
【0047】請求項6及び7の発明によれば、上記請求
項1の構成に加えて、前記ゴム状弾性部材は前記シリン
ダー室をその外部から密閉する密閉手段を兼ねている構
成、あるいは、前記記録手段は長尺タイプのラインタイ
プの記録手段である構成としたので、一層効率よく上記
効果を達成できるポンプ機構が提供される。
【0048】請求項8のインクジェット記録装置に係る
発明によれば、記録手段から被記録材へインクを吐出し
て記録を行うインクジェット記録装置において、インク
及び/又はエアーを送るためのポンプ機構を具備し、該
ポンプ機構はピストンの上下運動に伴うシリンダー室の
容積変化を利用してインク及び/又はエアーを送るよう
に構成されており、前記ピストンには前記シリンダー室
を密閉するゴム状弾性部材が装着され、該ゴム状弾性部
材は、前記ピストンの周方向に沿って該ピストンが発生
する圧力によって膨らみを持つ方向の凹形状に形成され
た環状凹部を有する部材である構成としたので、コンパ
クトな構成で、使用する流路の構造や寸法に関わりな
く、高いポンプ能力を発揮することができ、また、環境
条件等による影響を受ける度合いが小さく、耐久性及び
信頼性に優れたポンプ機構を備えたインクジェット記録
装置が提供される。
【0049】請求項9〜12の発明によれば、上記請求
項8の構成に加えて、前記ピストンを上下動させる手段
はカム手段である構成、前記カム手段は前記ピストンと
一体に形成されたコの字形状部の内面に偏心カムを挟み
込む構造を有する構成、前記ピストンに、前記シリンダ
ー室の圧力による前記ゴム状弾性部材の膨らみを抑止す
るための圧力ガイド部が設けられている構成、あるい
は、前記圧力ガイド部は前記ピストンの外周に沿って設
けられた円盤形状を有する構成としたので、一層効率よ
く上記効果を達成できるインクジェット記録装置が提供
される。
【0050】請求項13〜16の発明によれば、上記請
求項8の構成に加えて、前記ゴム状弾性部材は前記シリ
ンダー室をその外部から密閉する密閉手段を兼ねている
構成、前記記録手段は長尺タイプのラインタイプの記録
手段である構成、前記記録手段は、インクを吐出するた
めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
備えているインクジェット記録手段である構成、あるい
は、前記記録手段は前記電気熱変換体が発生する熱エネ
ルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用して吐出口よ
りインクを吐出させる構成としたので、一層効率よく上
記効果を達成できるインクジェット記録装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するのに好適なインクジェット記
録装置の要部構成を示す模式的斜視図である。
【図2】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を模式
的に示す部分斜視図である。
【図3】本発明を適用したポンプ機構を備えたインクジ
ェット記録装置の一実施例のインク供給系の構成を示す
ブロック図である。
【図4】本発明によるインクジェット記録装置で使用さ
れるポンプ機構の一実施例の要部を示す部分縦断面図で
ある。
【図5】図4中のA部を拡大して示す部分拡大断面図で
ある。
【図6】本発明によるインクジェット記録装置で使用さ
れるポンプ機構の別の実施例の要部を示す部分縦断面図
である。
【図7】図6中のB部を拡大して示す部分拡大断面図で
ある。
【図8】チューブポンプで1個のコロがチューブを押圧
しているときの状態を示す模式的断面図である。
【図9】図8のチューブポンプで2個のコロがチューブ
を押圧しているときの状態を示す模式的断面図である。
【図10】図8のチューブポンプでいずれのコロもチュ
ーブを押圧していないときの状態を示す模式的断面図で
ある。
【図11】ダイアフラムポンプの代表的な構成を示す部
分断面図である。
【図12】ピストンポンプの代表的な構成を示す部分断
面図である。
【符号の説明】
11 加圧ポンプ 12 吸引ポンプ 13 記録手段(記録ヘッド) 14 サブタンク 17 回復桶 18 リサイクル弁 19 供給弁 23 インクカートリッジ 31 カム 33 ピストン 34 ゴム状弾性部材 35 シリンダー室 36 吸引一方向バルブ 37 排出一方向バルブ 38 環状凹部 39 外周壁面部材 40 圧力ガイド部 41 コの字型形状部分 51 カム 53 ピストン 54 ゴム状弾性部材 55 シリンダー室 56 吸引一方向バルブ 57 排出一方向バルブ 58 環状凹部 59 シリンダー構成部材 61 コの字型形状部分

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク及び/又はエアーを送るポンプ
    機構において、 ピストンの上下運動に伴うシリンダー室の容積変化を利
    用してインク及び/又はエアーを送るように構成されて
    おり、 前記ピストンには前記シリンダー室を密閉するゴム状弾
    性部材が装着され、 該ゴム状弾性部材は、前記ピストンの周方向に沿って該
    ピストンが発生する圧力によって膨らみを持つ方向の凹
    形状に形成された環状凹部を有する部材であることを特
    徴とするポンプ機構。
  2. 【請求項2】 前記ピストンを上下動させる手段はカ
    ム手段であることを特徴とする請求項1に記載のポンプ
    機構。
  3. 【請求項3】 前記カム手段は前記ピストンと一体に
    形成されたコの字形状部の内面に偏心カムを挟み込む構
    造を有することを特徴とする請求項2に記載のポンプ機
    構。
  4. 【請求項4】 前記ピストンに、前記シリンダー室の
    圧力による前記ゴム状弾性部材の膨らみを抑止するため
    の圧力ガイド部が設けられていることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のポンプ機構。
  5. 【請求項5】 前記圧力ガイド部は前記ピストンの外
    周に沿って設けられた円盤形状を有することを特徴とす
    る請求項4に記載のポンプ機構。
  6. 【請求項6】 前記ゴム状弾性部材は前記シリンダー
    室をその外部から密閉する密閉手段を兼ねていることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポンプ機
    構。
  7. 【請求項7】 前記記録手段は長尺タイプのラインタ
    イプの記録手段であることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載のポンプ機構。
  8. 【請求項8】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行うインクジェット記録装置において、 インク及び/又はエアーを送るためのポンプ機構を具備
    し、 該ポンプ機構はピストンの上下運動に伴うシリンダー室
    の容積変化を利用してインク及び/又はエアーを送るよ
    うに構成されており、 前記ピストンには前記シリンダー室を密閉するゴム状弾
    性部材が装着され、 該ゴム状弾性部材は、前記ピストンの周方向に沿って該
    ピストンが発生する圧力によって膨らみを持つ方向の凹
    形状に形成された環状凹部を有する部材であることを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記ピストンを上下動させる手段はカ
    ム手段であることを特徴とする請求項8に記載のインク
    ジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記カム手段は前記ピストンと一体
    に形成されたコの字形状部の内面に偏心カムを挟み込む
    構造を有することを特徴とする請求項9に記載のインク
    ジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記ピストンに、前記シリンダー室
    の圧力による前記ゴム状弾性部材の膨らみを抑止するた
    めの圧力ガイド部が設けられていることを特徴とする請
    求項8〜10のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  12. 【請求項12】 前記圧力ガイド部は前記ピストンの
    外周に沿って設けられた円盤形状を有することを特徴と
    する請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記ゴム状弾性部材は前記シリンダ
    ー室をその外部から密閉する密閉手段を兼ねていること
    を特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 前記記録手段は長尺タイプのライン
    タイプの記録手段であることを特徴とする請求項8〜1
    3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. 【請求項15】 前記記録手段は、インクを吐出する
    ために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体
    を備えているインクジェット記録手段であることを特徴
    とする請求項8〜14のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  16. 【請求項16】 前記記録手段は前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする
    請求項15に記載のインクジェット記録装置。
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