JP2002178145A - アークスタート制御方法及び溶接電源装置 - Google Patents

アークスタート制御方法及び溶接電源装置

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JP2002178145A
JP2002178145A JP2000372414A JP2000372414A JP2002178145A JP 2002178145 A JP2002178145 A JP 2002178145A JP 2000372414 A JP2000372414 A JP 2000372414A JP 2000372414 A JP2000372414 A JP 2000372414A JP 2002178145 A JP2002178145 A JP 2002178145A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接開始信号Stが入力されると、溶接ワイ
ヤ1を被溶接物2へ前進送給し、溶接ワイヤ1が被溶接
物2に接触した時点で小電流値の初期電流Isを通電す
ると共に溶接ワイヤ1を被溶接物2から後退送給し、こ
の後退送給によって溶接ワイヤ1が被溶接物2と離れる
て初期アーク3aが発生すると溶接ワイヤ1を定常の送
給速度Wfsで再び前進送給すると共に定常の溶接電流I
wを通電するアークスタート制御方法において、初期ア
ーク3aから定常のアーク3bへの移行に時間がかかる
ために、アークスタート部のビード外観が悪くなる。 【解決手段】 本発明は、上記初期アーク3aが発生し
た後も後退送給を継続して、ワイヤ先端・被溶接物間距
離Lwが、定常のアーク3bのアーク長Lwcと略等しく
なるように定めた後退距離設定値Lsに達した時点で、
上記再前進送給を行うアークスタート制御方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正逆回転が可能な
ワイヤ送給モータによって、溶接ワイヤを被溶接物へ前
進送給及び後退送給してアークスタートさせる消耗電極
ガスシールドアーク溶接のアークスタート制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ送給モータを正回転させて溶接ワ
イヤを被溶接物へ前進送給し、続けて溶接ワイヤが被溶
接物に接触したことを判別するとワイヤ送給モータを逆
回転させて溶接ワイヤを後退送給し、同時に小電流値の
初期電流Isを通電し、続けて後退送給によって初期ア
ークが発生すると溶接ワイヤを定常の送給速度Wfsで再
び前進送給し、同時に定常の溶接電流Iwを通電してア
ークスタートさせる消耗電極ガスシールドアーク溶接の
アークスタート制御方法が従来から知られている。以
下、この従来技術のアークスタート制御方法について図
2〜4を参照して説明する。
【0003】図2は、溶接ワイヤの送給系統を示す模式
図である。溶接ワイヤ1は、ワイヤ送給モータWMと直
結した送給ロール5aによって、溶接トーチ4を通って
送給される。ワイヤ送給モータWMが正回転すると溶接
ワイヤ1は被溶接物2へ前進送給し、逆回転すると被溶
接物2から後退送給する。溶接電源装置PSからの溶接
電圧Vwは、溶接トーチ4の先端に取り付けられたコン
タクトチップ4aによって溶接ワイヤに給電する。ま
た、溶接ワイヤ1の先端と被溶接物2との間の最短距離
が、ワイヤ先端・被溶接物間距離Lw[mm]となる。
【0004】図3は、前述した従来技術のアークスター
ト制御方法を実施するための溶接電源装置のブロック図
である。以下、同図を参照して各回路ブロックについて
説明する。
【0005】電圧検出回路VDは、溶接電圧Vwを検出
して、電圧検出信号Vdを出力する。短絡/アーク判別
回路SAは、上記の電圧検出信号Vdを入力として、溶
接ワイヤ1と被溶接物2との間が接触状態のときは短絡
信号を、アーク発生状態のときはアーク発生信号を、短
絡/アーク判別信号Saとして出力する。遅延回路DT
は、上記の短絡/アーク判別信号Saが短絡信号からア
ーク発生信号へ変化したことをトリガとして、予め定め
た遅延時間Tdの間Highレベルとなる遅延信号Dt
を出力する。
【0006】定常の送給速度設定回路WSは、定常の送
給速度設定信号Wsを出力する。送給制御回路FCは、
外部から溶接開始信号Stが入力されると、溶接ワイヤ
1を被溶接物2へ予め定めた初期送給速度設定値Wiに
相当する初期送給速度Wfiで前進送給し、続けて上記の
短絡/アーク判別信号Saが短絡信号になった時点で溶
接ワイヤ1を被溶接物2から予め定めた後退送給速度設
定値Wrに相当する後退送給速度Wfrで後退送給し、続
けて上記の遅延信号Dtの出力が終了した時点で再び溶
接ワイヤ1を被溶接物2へ上記の定常の送給速度設定信
号Wsに相当する定常の送給速度Wfsで前進送給する送
給制御信号Fcを出力する。ワイヤ送給モータWMは、
図2の説明の項で前述したように、上記の送給制御信号
Fcに従って溶接ワイヤ1を前進送給又は後退送給す
る。
【0007】電圧設定回路VSは、溶接電源装置PSの
溶接電圧Vwを設定するための電圧設定信号Vsを出力
する。出力制御回路INVは、商用電源を入力として、
インバータ制御、サイリスタ位相制御等によってアーク
3を安定に維持するために適した溶接電圧Vw及び溶接
電流Iwを出力する。この出力制御回路INVは、外部
からの溶接開始信号Stが入力された時点から上記の遅
延信号Dtの出力が終了する時点まで間は予め定めた小
電流値の初期電流Isを通電する定電流特性又は垂下特
性を形成し、それ以降は上記の定常の送給速度設定信号
Wsの値に対応した定常の溶接電流Iwを通電する上記
の電圧設定信号Vsに対応した定電圧特性を形成する。
【0008】図4は、図3で上述した溶接電源装置PS
の各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶
接開始信号Stの時間変化を示しており、同図(B)は
送給制御信号Fcの時間変化を示しており、同図(C)
は短絡/アーク判別信号Saの時間変化を示しており、
同図(D)は遅延信号Dtの時間変化を示しており、同
図(E)は溶接電流Iwの時間変化を示しており、同図
(F)はワイヤ先端・被溶接物間距離Lwの時間変化を
示しており、同図(G1)〜(G5)は各時刻における
溶接ワイヤ1の送給状態を示している。以下、同図を参
照して説明する。
【0009】 時刻t1〜t2の期間 時刻t1において、同図(A)に示すように、溶接開始
信号Stが外部から入力されると、同図(B)に示すよ
うに、送給制御信号Fcは正の値の初期送給速度設定値
Wiとなり、同図(G1)に示すように、溶接ワイヤ1
は被溶接物2へ初期送給速度Wfiで前進送給される。な
お、送給制御信号Fcが正の値のときは前進送給とな
り、負の値のときは後退送給となる。また、同時に、図
3の説明の項で前述したように、出力制御回路INVは
定電流特性又は垂下特性を形成して、図示していない
が、無負荷電圧が溶接電圧Vwとして印加する。次に、
時刻t1〜t2の期間中は、上記の前進送給によって、
同図(F)に示すように、ワイヤ先端・被溶接物間距離
Lwは徐々に短くなる。
【0010】 時刻t2〜t3の期間 時刻t2において、同図(G2)に示すように、前進送
給によって溶接ワイヤ1が被溶接物2に接触すると、同
図(C)に示すように、短絡/アーク判別信号Saが短
絡信号(Highレベル)に変化する。この短絡/アー
ク判別信号Saが短絡信号に変化すると、同図(B)に
示すように、送給制御信号Fcは負の値の後退送給速度
設定値Wrとなり、溶接ワイヤ1は被溶接物2から後退
送給速度Wfrで後退送給される。同時に、同図(E)に
示すように、項で上述した定電流特性又は垂下特性に
よって小電流値の初期電流Isが通電する。この初期電
流Isの値を50[A]程度の小電流値に設定する理由
は、溶接ワイヤ1が初期電流Isによって溶融して被溶
接物2に溶着しないようにするためである。次に、時刻
t2〜t3の期間中、溶接ワイヤ1は後退送給されてい
るが、図3で前述したワイヤ送給モータWMの正逆反転
の応答遅れ時間及び溶接ワイヤ1の溶接トーチ内での曲
がりによる遊び分の後退送給にかかる時間によって、溶
接ワイヤ1と被溶接物2とは接触状態のままである。し
たがって、同図(F)に示すように、ワイヤ先端・被溶
接物間距離Lwは、この期間中は0[mm]のままであ
る。
【0011】 時刻t3〜t4の期間 時刻t3において、同図(G3)に示すように、後退送
給によって溶接ワイヤ1と被溶接物2とが接触しなくな
ると、上記の初期電流Isが通電する初期アーク3aが
発生する。この初期アーク3aが発生したことを判別し
て、同図(C)に示すように、短絡/アーク判別信号S
aが短絡信号(Highレベル)からアーク発生信号
(Lowレベル)へと変化する。この変化をトリガとし
て、同図(D)に示すように、遅延信号Dtが予め定め
た遅延時間Td(時刻t3〜t4)の間出力(High
レベル)される。上記の遅延信号Dtが出力されている
時刻t3〜t4の後退送給時間Tr中は、同図(G4)
に示すように、上記の初期アーク発生状態3aを維持し
たままで後退送給を継続する。したがって、同図(F)
に示すように、ワイヤ先端・被溶接物間距離Lwは、徐
々に長くなる。
【0012】 時刻t4〜t5の期間 時刻t4において、同図(D)に示すように、遅延信号
Dtの出力が終了すると、同図(B)に示すように、送
給制御信号Fcは正の値の定常の送給速度設定信号Ws
となり、溶接ワイヤ1は定常の送給速度Wfsで被溶接物
2へ再び前進送給される。同時に、図3の説明の項で前
述したように、出力制御回路INVは定電圧特性を形成
して、上記の定常の送給速度Wfsに対応した大電流の定
常の溶接電流Iwを通電する。また、同図(F)に示す
ように、ワイヤ先端・被溶接物間距離Lwは、時刻t4
のときの再前進送給時のワイヤ先端・被溶接物間距離L
wt[mm]から、上記の定常の溶接電流Iwの通電によっ
て収束時間Tc1[s]経過後の時刻t5において定常の
アーク長(定常のワイヤ先端・被溶接物間距離)Lwc
[mm]へと収束する。したがって、この期間中におい
て、同図(G4)に示す初期アーク発生状態3aから同
図(G5)に示す定常のアーク発生状態3bへと移行す
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術のア
ークスタート制御方法には、初期アーク発生状態から定
常のアーク発生状態へと円滑に移行させるための下記の
2つの解決すべき課題がある。 第1の解決しようとする課題 図4で前述したように、後退送給速度Wfrによる後退送
給の期間中(時刻t3〜t4)は、溶接ワイヤと被溶接
物とを再接触させることなく、かつ、アーク切れを発生
させることなく、初期アーク発生状態を安定に維持した
ままで後退送給を継続する必要がある。その理由は、初
期アーク発生後に再接触すると溶接ワイヤと被溶接物と
が溶着する可能性が大きいために、アークスタートをす
ることができない状態となるからである。また、この期
間中にアーク切れが発生すると、再前進送給によって溶
接ワイヤが被溶接物と再び接触するまでの長い時間にわ
たってアークが発生せず、その結果アークスタート部分
のビード外観が不良となるからである。
【0014】上記の再接触を防止するには、初期アーク
発生後のワイヤ先端・被溶接物間距離Lwを速やかに長
くするために後退送給速度Wfrを速くする必要がある。
他方、上記のアーク切れを発生させないためには、シー
ルドガスの種類、溶接ワイヤの直径、被溶接物の板厚等
に応じて上記の後退送給速度Wfrの最大値が制限され
る。したがって、上記の後退送給速度Wfrは、シールド
ガスの種類、溶接ワイヤの直径、被溶接物の板厚等に応
じて再接触もアーク切れも生じない適正値に設定する必
要がある。例えば、シールドガスの種類が炭酸ガス10
0[%]のときは、炭酸ガス20[%]+アルゴンガス
80[%]の混合ガスのときよりもアーク切れが発生し
やすいために、上記の後退送給速度Wfrを遅くする必要
がある。
【0015】しかしながら、図4で前述したように、従
来技術では後退送給を行う遅延時間Tdは一定値である
ために、上述した理由によって後退送給速度Wfrの設定
が変化すると、結果として再前進送給時のワイヤ先端・
被溶接物間距離Lwtが変化することになる。この変化に
よって上記の再前進送給時のワイヤ先端・被溶接物間距
離Lwtと定常のアーク長Lwcとの差が大きくなると、初
期アーク発生状態から定常のアーク発生状態への移行に
かかる収束時間Tc1が長くなるために、アークスタート
部分のビード外観が悪くなるという課題がある。
【0016】 第2の解決しようとする課題 前述した図4(F)に示す定常のアーク長Lwcは、シー
ルドガスの種類、定常の送給速度Wfs、被溶接物の板厚
等に応じて、電圧設定信号Vsによって適正値に設定さ
れる。したがって、初期アーク発生状態から定常のアー
ク発生状態への移行にかかる収束時間Tc1を短くしてア
ークスタート部分のビード外観を良好にするためには、
上記の定常のアーク長Lwcとの差が小さくなるようにシ
ールドガスの種類、定常の送給速度Wfs、被溶接物の板
厚等に応じて再前進送給時のワイヤ先端・被溶接物間距
離Lwtを適正値に制御する必要がある。
【0017】しかしながら、従来技術では、上記項の
理由によって後退送給速度Wfrが適正値に定まると遅延
時間Tdは一定値であるために、結果的に再前進送給時
のワイヤ先端・被溶接物間距離Lwtは一定値となり、任
意の値に制御することはできない。したがって、従来技
術では、定常のアーク長Lwcの設定が変化しても再前進
送給時のワイヤ先端・被溶接物間距離Lwtをそれに応じ
て制御することができないために、両値の差が大きくな
り収束時間Tc1が長くかかりアークスタート部分のビー
ド外観が悪くなることを防止することができないという
課題がある。
【0018】
【課題を解決するための手段】出願時の請求項1の発明
は、図5及び図6に示すように、溶接開始信号Stが入
力されると溶接ワイヤ1を被溶接物2へ前進送給し、上
記溶接ワイヤ1が上記被溶接物2に接触した時点で予め
定めた小電流値の初期電流Isを溶接電源装置PSから
通電すると共に上記溶接ワイヤ1を上記被溶接物2から
後退送給し、上記後退送給によって上記溶接ワイヤ1が
上記被溶接物2と離れると上記初期電流Isが通電する
初期アーク3aが発生してその初期アーク発生状態3a
を維持したままで上記後退送給を継続し、ワイヤ先端・
被溶接物間距離Lwが予め定めた後退距離設定値Lsに
達した時点で上記溶接ワイヤ1を予め定めた定常の送給
速度Wfsで再び上記被溶接物2へ前進送給すると共に上
記定常の送給速度Wfsに対応した定常の溶接電流Iwを
通電することによって上記初期アーク発生状態3aから
定常のアーク発生状態3bへと円滑に移行させる消耗電
極ガスシールドアーク溶接のアークスタート制御方法で
ある。
【0019】出願時の請求項2の発明は、図7に示すよ
うに、出願時の請求項1に記載する後退送給によってワ
イヤ先端・被溶接物間距離Lwが後退距離設定値Lsに
達したことを、初期アーク発生時点からの後退送給の送
給速度Wfrを積分した溶接ワイヤ後退距離Lrが上記後
退距離設定値Lsに達したことによって判別する出願時
の請求項1のアークスタート制御方法である。
【0020】出願時の請求項3の発明は、図8に示すよ
うに、出願時の請求項1に記載する後退送給によってワ
イヤ先端・被溶接物間距離Lwが後退距離設定値Lsに
達したことを、初期アーク発生時点からの後退送給の時
間Trが上記後退距離設定値Ls及び後退送給の送給速
度設定値Wrに対応して定まる後退送給時間設定値Trs
に達したことによって判別する出願時の請求項1のアー
クスタート制御方法である。
【0021】出願時の請求項4の発明は、図9に示すよ
うに、出願時の請求項1に記載する後退送給によってワ
イヤ先端・被溶接物間距離Lwが後退距離設定値Lsに
達したことを、初期アーク発生状態での溶接電圧値Vw
が上記後退距離設定値Ls及び初期電流の設定値Isに
対応して定まる後退距離電圧設定値Vrsに達したことに
よって判別する出願時の請求項1のアークスタート制御
方法である。
【0022】出願時の請求項5の発明は、図5及び図6に
示すように、溶接ワイヤ1を被溶接物2へ前進送給又は
被溶接物2から後退送給するワイヤ送給モータWMと、
上記溶接ワイヤ1と上記被溶接物2との間が接触状態の
ときは短絡信号をアーク発生状態のときはアーク発生信
号を短絡/アーク判別信号Saとして出力する短絡/ア
ーク判別回路SAと、ワイヤ先端・被溶接物間距離Lw
が予め定めた後退距離設定信号Lsの値と等しいときに
距離一致信号Ldを出力する距離判別回路LDと、溶接
開始信号Stが入力されると上記溶接ワイヤ1を上記被
溶接物2へ前進送給し、上記短絡/アーク判別信号Sa
が短絡信号になった時点で上記溶接ワイヤ1を上記被溶
接物2から後退送給し、上記距離一致信号Ldが出力さ
れた時点で上記溶接ワイヤ1を予め定めた定常の送給速
度Wfsで再び上記被溶接物2へ前進送給する後退距離送
給制御回路FCRと、上記溶接開始信号Stが入力され
た時点から上記距離一致信号Ldが出力される時点まで
の間は予め定めた小電流値の初期電流Isを通電する定
電流特性又は垂下特性を形成しそれ以降は上記定常の送
給速度Wfsに対応した定常の溶接電流Iwを通電する定
電圧特性を形成する出力制御回路INVとから構成され
て、上記溶接開始信号Stが入力されると上記溶接ワイ
ヤ1を前進送給し、上記短絡/アーク判別信号Saが短
絡信号になった時点で上記初期電流Isを通電すると共
に上記溶接ワイヤ1を後退送給し、上記後退送給によっ
て上記溶接ワイヤ1が上記被溶接物2と離れると上記初
期電流Isが通電する初期アーク3aが発生してその初
期アーク発生状態3aを維持したままで上記後退送給を
継続し、上記距離一致信号Ldが出力された時点で上記
溶接ワイヤ1を定常の送給速度Wfsで再び前進送給する
と共に上記定常の溶接電流Iwを通電することによって
上記初期アーク発生状態3aから定常のアーク発生状態
3bへと円滑に移行させる消耗電極ガスシールドアーク
溶接用の溶接電源装置PSである。
【0023】出願時の請求項6の発明は、図7に示すよ
うに、出願時の請求項5に記載する距離判別回路LD
が、初期アーク発生時点からの後退送給の送給速度Wfr
を積分した溶接ワイヤ後退距離Lrが後退距離設定信号
Lsの値に達したときに距離一致信号Ldを出力する送
給速度積分回路IWである出願時の請求項5の溶接電源
装置PSである。
【0024】出願時の請求項7の発明は、図8に示すよ
うに、出願時の請求項5に記載する距離判別回路LD
が、初期アーク発生時点からの後退送給の時間Trが後
退距離設定信号Ls及び後退送給の送給速度設定値Wr
に対応して定まる後退送給時間設定信号Trsの値に達し
たときに距離一致信号Ldを出力する後退送給タイマ回
路TRである出願時の請求項5の溶接電源装置PSであ
る。
【0025】出願時の請求項8の発明は、図9に示すよ
うに、出願時の請求項5に記載する距離判別回路LD
が、初期アーク発生状態3aでの溶接電圧値Vwが後退
距離設定信号Ls及び初期電流の設定値Isに対応して
定まる後退距離電圧設定信号Vrsの値に達したときに距
離一致信号Ldを出力する電圧比較回路CMである出願
時の請求項5の溶接電源装置PSである。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例は、図
1(図6と同一の図)に示すように、溶接開始信号St
が入力されると溶接ワイヤ1を被溶接物2へ前進送給
し、上記溶接ワイヤ1が上記被溶接物2に接触した時点
で予め定めた小電流値の初期電流Isを溶接電源装置P
Sから通電すると共に上記溶接ワイヤ1を上記被溶接物
2から後退送給し、上記後退送給によって上記溶接ワイ
ヤ1が上記被溶接物2と離れると上記初期電流Isが通
電する初期アーク3aが発生してその初期アーク発生状
態3aを維持したままで上記後退送給を継続し、ワイヤ
先端・被溶接物間距離Lwが予め定めた後退距離設定値
Lsに達した時点で上記溶接ワイヤ1を予め定めた定常
の送給速度Wfsで再び上記被溶接物2へ前進送給すると
共に上記定常の送給速度Wfsに対応した定常の溶接電流
Iwを通電することによって上記初期アーク発生状態3
aから定常のアーク発生状態3bへと円滑に移行させる
消耗電極ガスシールドアーク溶接のアークスタート制御
方法である。
【0027】
【実施例】[実施例1]以下に説明する実施例1の発明
は、出願時の請求項1及び請求項5の発明に対応してい
る。実施例1の発明は、前述した再前進送給時のワイヤ
先端・被溶接物間距離Lwtを、後述する後退距離設定信
号Lsによって定常のアーク長Lwcに対応した適正値に
設定することができる。以下、実施例1の発明について
説明する。
【0028】図5は、実施例1のアークスタート制御方
法を実施するための溶接電源装置のブロック図である。
同図において、前述した図3と同一の回路ブロックには
同一符号を付しており、それらの説明は省略する。以
下、点線で囲んだ図3とは異なる回路ブロックである後
退距離設定回路LS、距離判別回路LD、後退距離送給
制御回路FCR及び出力制御回路INVについて、同図
を参照して説明する。
【0029】後退距離設定回路LSは、図4で前述した
定常のアーク長Lwcに対応して設定される後退距離設定
信号Lsを出力する。距離判別回路LDは、ワイヤ先端
・被溶接物間距離Lwが上記の後退距離設定信号Lsの
値と等しいときに距離一致信号Ldを出力する。上記の
ワイヤ先端・被溶接物間距離Lwの検出方法としては、
実施例2〜4で後述する方法、前述した出力制御回路I
NVがインバータ制御のときはそのPWM制御のパルス
幅によって、サイリスタ位相制御のときはその点弧位相
角によって行う方法等がある。後退距離送給制御回路F
CRは、図3のときと同様に、外部から溶接開始信号S
tが入力されると、溶接ワイヤ1を被溶接物2へ予め定
めた初期送給速度設定値Wiに相当する初期送給速度W
fiで前進送給し、続けて短絡/アーク判別信号Saが短
絡信号になった時点で溶接ワイヤ1を被溶接物2から予
め定めた後退送給速度設定値Wrに相当する後退送給速
度Wfrで後退送給し、続けて図3のときとは異なり上記
の距離一致信号Ldが出力された時点で再び溶接ワイヤ
1を被溶接物2へ定常の送給速度設定信号Wsに相当す
る定常の送給速度Wfsで前進送給する送給制御信号Fc
を出力する。出力制御回路INVは、外部からの溶接開
始信号Stが入力された時点から上記の距離一致信号L
dが出力される時点までの間は予め定めた小電流値の初
期電流Isを通電する定電流特性又は垂下特性を形成
し、それ以降は上記の定常の送給速度設定信号Wsの値
に対応した定常の溶接電流Iwを通電する電圧設定信号
Vsに対応した定電圧特性を形成する。
【0030】図6は、上述した実施例1の溶接電源装置
PSにおける各信号のタイミングチャートである。同図
(A)は溶接開始信号Stの時間変化を示しており、同
図(B)は送給制御信号Fcの時間変化を示しており、
同図(C)は短絡/アーク判別信号Saの時間変化を示
しており、同図(D)は距離一致信号Ldの時間変化を
示しており、同図(E)は溶接電流Iwの時間変化を示
しており、同図(F)はワイヤ先端・被溶接物間距離L
wの時間変化を示しており、同図(G1)〜(G5)は
各時刻における溶接ワイヤ1の送給状態を示している。
同図における時刻t1〜t3期間の動作は、前述した図
4の同一時刻のときの動作と同様であるので説明は省略
する。以下、図4の時刻t4に相当する同図の時刻t4
1及び図4の時刻t5に相当する同図の時刻t51の動
作について、同図を参照して説明する。
【0031】時刻t41〜t51の期間 時刻t41において、同図(F)に示すように、後退送
給速度Wfrでの後退送給によってワイヤ先端・被溶接物
間距離Lwが前述した後退距離設定信号Lsの値と等し
くなると、同図(D)に示すように、距離一致信号Ld
が出力(Highレベル)される。上記の距離一致信号
Ldが出力されると、同図(B)に示すように、送給制
御信号Fcは定常の送給速度設定信号Wsの値となり、
溶接ワイヤ1は定常の送給速度Wfsで被溶接物2へ再び
前進送給される。同時に、図5で前述した出力制御回路
INVは定電圧特性を形成して、上記の定常の送給速度
Wfsに対応した大電流値の定常の溶接電流Iwを通電す
る。また、同図(F)に示すように、ワイヤ先端・被溶
接物間距離Lwは、時刻t41においては上記の後退距
離設定信号Lsの値に等しい再前進送給時のワイヤ先端
・被溶接物間距離Lwt[mm]となり、時刻t51におい
ては定常のアーク長Lwc[mm]となる。このとき、前述
したように、上記の後退距離設定信号Lsは定常のアー
ク長Lwcと略等しい値に設定されるので、上記の再前進
送給時のワイヤ先端・被溶接物間距離Lwtと上記の定常
のアーク長Lwcとの差は小さくなり収束時間Tc2は図4
の従来技術のときの収束時間Tc1よりも短い時間とな
る。したがって、同図(G4)に示す初期アーク発生状
態3aから同図(G5)に示す定常のアーク発生状態3
bへと短時間で円滑に移行する。
【0032】[実施例2]以下に説明する実施例2の発
明は、出願時の請求項2及び請求項6の発明に対応して
いる。実施例2の発明は、実施例1の説明の項で前述し
た後退送給によってワイヤ先端・被溶接物間距離Lwが
後退距離設定信号Lsの値に達したことを、初期アーク
発生時点からの後退送給の送給速度Wfrを積分した溶接
ワイヤ後退距離Lrが、上記の後退距離設定値Lsに達
したことによって判別する実施例1のアークスタート制
御方法である。以下、実施例2の発明について説明す
る。
【0033】図7は、実施例2のアークスタート制御方
法を実施するための溶接電源装置のブロック図である。
同図において、前述した図5と同一の回路ブロックには
同一符号を付しており、それらの説明は省略する。以
下、点線で囲んだ図5とは異なる回路ブロックである送
給速度検出回路WD及び送給速度積分回路IWについ
て、同図を参照して説明する。
【0034】送給速度検出回路WDは、送給速度Wfを
検出して、送給速度検出信号Wdを出力する。この検出
方法としては、ワイヤ送給モータWMにエンコーダを取
り付けてエンコータの出力信号によって検出する方法、
送給速度Wfに比例するワイヤ送給モータWMの電機子
電圧によって検出する方法等が慣用されている。送給速
度積分回路IWは、図5で前述した距離判別回路LDと
置換する回路であって、短絡/アーク判別信号Saが短
絡信号からアーク発生信号に変化した時点からの後退送
給期間中の上記の送給速度検出信号Wdを積分した溶接
ワイヤ後退距離Lrが、後退距離設定信号Lsの値に達
したときに距離一致信号Ldを出力する。上記の初期ア
ーク発生時点(短絡/アーク判別信号Saが短絡信号か
らアーク発生信号に変化した時点)からの後退送給速度
Wfrの積分値は、後退送給速度Wfrの設定値に関係なく
溶接ワイヤの後退距離であるワイヤ先端・被溶接物間距
離Lwとなる。また、上述した実施例2の溶接電源装置
PSにおける各信号のタイミングチャートは、前述した
図6と同様であるので、説明は省略する。
【0035】[実施例3]以下に説明する実施例3の発
明は、出願時の請求項3及び請求項7の発明に対応して
いる。実施例3の発明は、実施例1の説明の項で前述し
た後退送給によってワイヤ先端・被溶接物間距離Lwが
後退距離設定信号Lsの値に達したことを、初期アーク
発生時点からの後述する後退送給時間Trが上記後退距
離設定信号Ls及び後退送給速度設定値Wrに対応して
定まる後退送給時間設定信号Trsの値に達したことによ
って判別する実施例1のアークスタート制御方法であ
る。以下、実施例3の発明について説明する。
【0036】図8は、実施例3のアークスタート制御方
法を実施するための溶接電源装置のブロック図である。
同図において、前述した図5と同一の回路ブロックには
同一符号を付しており、それらの説明は省略する。以
下、点線で囲んだ図5とは異なる回路ブロックである後
退送給時間設定回路TRS及び後退送給タイマ回路TR
について、同図を参照して説明する。
【0037】後退送給時間設定回路TRSは、後退距離
設定信号Ls及び後退送給速度設定値Wrに対応して定
まる後退送給時間設定信号Trsを出力する。この対応関
係は、Trs[s]=Ls[mm]/Wr[mm/s]となる。
後退送給タイマ回路TRは、図5で前述した距離判別回
路LDと置換する回路であって、短絡/アーク判別信号
Saが短絡信号からアーク発生信号に変化した時点から
の後退送給時間Trが、上記の後退送給時間設定信号T
rsの値に達したときに距離一致信号Ldを出力する。し
たがって、この距離一致信号Ldの出力時点は、再前進
送給時のワイヤ先端・被溶接物間距離Lwtが後退距離設
定信号Lsの値と等しくなった時点である。また、上述
した実施例3の溶接電源装置PSにおける各信号のタイ
ミングチャートは、前述した図6と同様であるので、説
明は省略する。
【0038】[実施例4]以下に説明する実施例4の発
明は、出願時の請求項4及び請求項8の発明に対応して
いる。実施例4の発明は、実施例1の説明の項で前述し
た後退送給によってワイヤ先端・被溶接物間距離Lwが
後退距離設定信号Lsの値に達したことを、初期アーク
発生状態での溶接電圧値Vwが、上記の後退距離設定信
号Ls及び初期電流設定値Isに対応して定まる後述す
る後退距離電圧設定値Vrsに達したことによって判別す
る実施例1のアークスタート制御方法である。以下、実
施例4の発明について説明する。
【0039】図9は、実施例4のアークスタート制御方
法を実施するための溶接電源装置のブロック図である。
同図において、前述した図5と同一の回路ブロックには
同一符号を付しており、それらの説明は省略する。以
下、点線で囲んだ図5とは異なる回路ブロックである後
退距離電圧設定回路VRS及び電圧比較回路CMについ
て、同図を参照して説明する。
【0040】後退距離電圧設定回路VRSは、後退距離
設定信号Ls及び初期電流設定値Isに対応して定まる
後退距離電圧設定信号Vrsを出力する。ここで、アーク
に通電する電流値が一定であれば、アーク長と溶接電圧
値Vwとは比例関係にある。そこで、初期電流Isが通
電する初期アークのアーク長(ワイヤ先端・被溶接物間
距離Lw)が予め定めた後退距離設定信号Lsの値と等
しいときの溶接電圧値Vwを上記の後退距離電圧設定信
号Vrsの値として設定する。電圧比較回路CMは、図5
で前述した距離判別回路LDと置換する回路であって、
短絡/アーク判別信号Saがアーク発生信号であるとき
の溶接電圧値Vwが上記の後退距離電圧設定信号Vrsの
値に達したときに距離一致信号Ldを出力する。したが
って、この距離一致信号Ldの出力時点は、再前進送給
時のワイヤ先端・被溶接物間距離Lwtが後退距離設定信
号Lsの値と等しくなった時点である。また、上述した
実施例4の溶接電源装置PSにおける各信号のタイミン
グチャートは、前述した図6と同様であるので、説明は
省略する。なお、初期電流Isの通電時の電源特性が垂
下特性であるときには、上述した後退送給によってワイ
ヤ先端・被溶接物間距離Lwが後退距離設定信号Lsの
値に達したことを、初期アーク発生状態での溶接電流値
Iwが、上記の後退距離設定信号Lsに対応して定まる
後退距離電流設定値に達したことによって判別すること
もできる。
【0041】
【発明の効果】本発明では、シールドガスの種類、溶接
ワイヤの直径、被溶接物の板厚等に応じて後退送給速度
Wfrが変化しても、再前進送給時のワイヤ先端・被溶接
物間距離Lwtは予め定めた後退距離設定値Lsと等しく
なるように制御されるので、初期アーク発生状態から定
常のアーク発生状態への移行は、上記の後退送給速度W
frが変化しても常に一定の短時間で円滑に行われ、その
結果アークスタート部分のビード外観は常に良好にな
る。さらに、本発明では、再前進送給時のワイヤ先端・
被溶接物間距離Lwtが、定常のアーク長Lwcと略等しい
後退距離設定値Lsと等しくなるように制御されるの
で、シールドガスの種類、定常の送給速度Wfs、被溶接
物の板厚等に応じて電圧設定信号Vsによって適正値に
設定される定常のアーク長Lwcが変化しても、初期アー
ク発生状態から定常のアーク発生状態へと常に短時間で
円滑に移行してアークスタート部分のビード外観は常に
良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を例示する溶接電源装置の
ブロック図
【図2】溶接ワイヤの送給系統を示す模式図
【図3】従来装置のブロック図
【図4】従来装置の各信号のタイミングチャート
【図5】実施例1の溶接電源装置のブロック図
【図6】実施例1のタイミングチャート
【図7】実施例2の溶接電源装置のブロック図
【図8】実施例3の溶接電源装置のブロック図
【図9】実施例4の溶接電源装置のブロック図
【符号の説明】
1 溶接ワイヤ 2 被溶接物 3a 初期アーク(発生状態) 3b 定常のアーク(発生状態) 4 溶接トーチ 4a コンタクトチップ 5a ワイヤ送給装置の送給ロール CM 電圧比較回路 DT 遅延回路 Dt 遅延信号 FC 送給制御回路 Fc 送給制御信号 FCR 後退距離送給制御回路 INV 出力制御回路 Is 初期電流(値/設定値) IW 送給速度積分回路 Ld 距離一致信号 LD 距離判別回路 Lr 溶接ワイヤ後退距離 LS 後退距離設定回路 Ls 後退距離設定値(信号) Lw ワイヤ先端・被溶接物間距離 Lwc 定常のアーク長(定常のワイヤ先端・被溶接物間
距離) Lwt 再前進送給時のワイヤ先端・被溶接物間距離 PS 溶接電源装置 SA 短絡/アーク判別回路 Sa 短絡/アーク判別信号 St 溶接開始信号 Tc 収束時間 Td 遅延時間(設定値) TR 後退送給タイマ回路 Tr 後退送給時間 Trs 後退送給時間設定(値/信号) TRS 後退送給時間設定回路 VD 電圧検出回路 Vd 電圧検出信号 Vrs 後退距離電圧設定(値/信号) VRS 後退距離電圧設定回路 VS 電圧設定回路 Vs 電圧設定信号 Vw 溶接電圧(値) WD 送給速度検出回路 Wd 送給速度検出信号 Wf 送給速度 Wfi 初期送給速度 Wfr 後退送給速度 Wfs 定常の送給速度 Wi 初期送給速度設定値 WM ワイヤ送給モータ Wr 後退送給速度設定値 WS 定常の送給速度設定回路 Ws 定常の送給速度設定信号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接開始信号が入力されると溶接ワイヤ
    を被溶接物へ前進送給し、前記溶接ワイヤが前記被溶接
    物に接触した時点で予め定めた小電流値の初期電流を溶
    接電源装置から通電すると共に前記溶接ワイヤを前記被
    溶接物から後退送給し、前記後退送給によって前記溶接
    ワイヤが前記被溶接物と離れると前記初期電流が通電す
    る初期アークが発生してその初期アーク発生状態を維持
    したままで前記後退送給を継続し、ワイヤ先端・被溶接
    物間距離が予め定めた後退距離設定値に達した時点で前
    記溶接ワイヤを予め定めた定常の送給速度で再び前記被
    溶接物へ前進送給すると共に前記定常の送給速度に対応
    した定常の溶接電流を通電することによって前記初期ア
    ーク発生状態から定常のアーク発生状態へと円滑に移行
    させる消耗電極ガスシールドアーク溶接のアークスター
    ト制御方法。
  2. 【請求項2】 後退送給によってワイヤ先端・被溶接物
    間距離が後退距離設定値に達したことを、初期アーク発
    生時点からの後退送給の送給速度を積分した溶接ワイヤ
    後退距離が前記後退距離設定値に達したことによって判
    別する請求項1のアークスタート制御方法。
  3. 【請求項3】 後退送給によってワイヤ先端・被溶接物
    間距離が後退距離設定値に達したことを、初期アーク発
    生時点からの後退送給の時間が前記後退距離設定値及び
    後退送給の送給速度設定値に対応して定まる後退送給時
    間設定値に達したことによって判別する請求項1のアー
    クスタート制御方法。
  4. 【請求項4】 後退送給によってワイヤ先端・被溶接物
    間距離が後退距離設定値に達したことを、初期アーク発
    生状態での溶接電圧値が前記後退距離設定値及び初期電
    流の設定値に対応して定まる後退距離電圧設定値に達し
    たことによって判別する請求項1のアークスタート制御
    方法。
  5. 【請求項5】 溶接ワイヤを被溶接物へ前進送給又は被
    溶接物から後退送給するワイヤ送給モータと、前記溶接
    ワイヤと前記被溶接物との間が接触状態のときは短絡信
    号をアーク発生状態のときはアーク発生信号を短絡/ア
    ーク判別信号として出力する短絡/アーク判別回路と、
    ワイヤ先端・被溶接物間距離が予め定めた後退距離設定
    信号の値と等しいときに距離一致信号を出力する距離判
    別回路と、溶接開始信号が入力されると前記溶接ワイヤ
    を前記被溶接物へ前進送給し、前記短絡/アーク判別信
    号が短絡信号になった時点で前記溶接ワイヤを前記被溶
    接物から後退送給し、前記距離一致信号が出力された時
    点で前記溶接ワイヤを予め定めた定常の送給速度で再び
    前記被溶接物へ前進送給する後退距離送給制御回路と、
    前記溶接開始信号が入力された時点から前記距離一致信
    号が出力される時点までの間は予め定めた小電流値の初
    期電流を通電する定電流特性又は垂下特性を形成しそれ
    以降は前記定常の送給速度に対応した定常の溶接電流を
    通電する定電圧特性を形成する出力制御回路とから構成
    されて、 前記溶接開始信号が入力されると前記溶接ワイヤを前進
    送給し、前記短絡/アーク判別信号が短絡信号になった
    時点で前記初期電流を通電すると共に前記溶接ワイヤを
    後退送給し、前記後退送給によって前記溶接ワイヤが前
    記被溶接物と離れると前記初期電流が通電する初期アー
    クが発生してその初期アーク発生状態を維持したままで
    前記後退送給を継続し、前記距離一致信号が出力された
    時点で前記溶接ワイヤを定常の送給速度で再び前進送給
    すると共に前記定常の溶接電流を通電することによって
    前記初期アーク発生状態から定常のアーク発生状態へと
    円滑に移行させる消耗電極ガスシールドアーク溶接用の
    溶接電源装置。
  6. 【請求項6】 距離判別回路が、初期アーク発生時点か
    らの後退送給の送給速度を積分した溶接ワイヤ後退距離
    が後退距離設定信号の値に達したときに距離一致信号を
    出力する送給速度積分回路である請求項5の溶接電源装
    置。
  7. 【請求項7】 距離判別回路が、初期アーク発生時点か
    らの後退送給の時間が後退距離設定信号及び後退送給の
    送給速度設定値に対応して定まる後退送給時間設定信号
    の値に達したときに距離一致信号を出力する後退送給タ
    イマ回路である請求項5の溶接電源装置。
  8. 【請求項8】 距離判別回路が、初期アーク発生状態で
    の溶接電圧値が後退距離設定信号及び初期電流の設定値
    に対応して定まる後退距離電圧設定信号の値に達したと
    きに距離一致信号を出力する電圧比較回路である請求項
    5の溶接電源装置。
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