JP2002175917A - 積層インダクタおよびその製造方法 - Google Patents

積層インダクタおよびその製造方法

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JP2002175917A
JP2002175917A JP2000374386A JP2000374386A JP2002175917A JP 2002175917 A JP2002175917 A JP 2002175917A JP 2000374386 A JP2000374386 A JP 2000374386A JP 2000374386 A JP2000374386 A JP 2000374386A JP 2002175917 A JP2002175917 A JP 2002175917A
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inductor
ferrite
layers
conductive layer
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JP2000374386A
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Yoshitaka Saito
義孝 斎藤
Mitsugi Kawarai
貢 川原井
Hitoshi Sato
斉 佐藤
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな電流値においても高い磁気インダクタ
ンス値を維持でき、渦電流損や異常電流発熱が起こり難
くいので永久磁石が減磁されることがないことに加え、
装置サイズの大型化を伴うことなく、さらなる強い磁気
バイアス効果を得られるインダクタを提供する。 【解決手段】 厚さ方向に分極されたフェライト磁石層
3を、複数の導電層2の積層方向の両外側にそれぞれ、
非導電層としての磁性層1を介して導電層2の環状内部
から導電層2の外周以内にまで拡がって重畳するように
印刷積層してなる。導電層2による磁束Bcは、フェラ
イト磁石層3内を通過することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電源ラインの
ノイズ対策部品およびチョークコイルなどの片側励磁下
で使用されるのに適したインダクタに関し、特に、部分
環状を呈する複数の導電層を、スルーホールを備える非
導電層を介してソレノイド状に印刷積層してなる積層イ
ンダクタに関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の性能向上は、CPUなどの半
導体集積回路の発達に帰される。これらの半導体集積回
路は、外部から侵入するノイズに対し極めて敏感で、そ
のノイズは、回路の誤動作の主因になっている。このた
め、近年、ノイズ規制の強化が益々進んでいる。そのノ
イズ対策部品として、小型で、高周波におけるインピー
ダンスが極めて大きい積層インダクタが一般に使用され
ている。また、近年の高効率化のニーズは、CPU、L
SIの動作電圧の低下傾向を著しくし、これは、使用電
流の上昇を意味している。このため、CPU、LSIの
駆動には大きな電流を必要とし、大電流で動作し得るノ
イズ対策部品としての積層インダクタの必要性が益々増
えてきた。しかし、従来の積層インダクタは、大電流に
対応するためには、形状を大きくする必要があり、機器
の小型化のニーズとは逆行する問題を持っている。これ
は、大電流がコイルに流れた場合に起こる磁性体の磁気
飽和に起因している。
【0003】このため、小型で、かつ大電流でもノイズ
フィルタとして動作する磁性部品が要望されている。つ
まり、同一形状であっても、従来よりも大きな電流を流
すことのできるインダクタの開発が要望されている。
【0004】この要望に対する一策として、インダクタ
を構成するコアの内部に、励磁コイルが発生する磁束を
打ち消す方向の磁束を発生させるための磁石を配置する
こと(磁気バイアス方式とも呼ばれる)が有効である。
例えば、積層インダクタでこの方式の有効性を開示して
いるものに、特開平3−101106号公報がある。こ
の特許で開示されている方法は、NiZnフェライトで
構成される積層インダクタのコイル内部に、印刷積層法
によってBaフェライトを埋め込んだ構成にするもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−10110
6号公報に開示されたものと同様の構成の積層インダク
タを図8(a)〜(c)に示す。図8(a)〜(c)を
参照して、この積層インダクタは、部分環状を呈する複
数の導電層62を、スルーホール(図示せず)を備える
磁性層61を介して複数の導電層62全体として見れば
ソレノイド状の1つのコイル部となるように印刷積層し
てなる。さらに、厚さ方向に分極されたフェライト磁石
層63を、複数の導電層62の積層方向の中心位置に、
導電層62の環状内部に印刷積層している。
【0006】この積層インダクタを実使用した際には、
図8(b)に示すように、実線矢印で示されるコイル部
(導電層62)による磁束Bcと、破線矢印で示される
フェライト磁石層13による磁束Bmとが形成される。
導電層62による磁束Bcは、フェライト磁石層63内
を通過している。ここで、導電層62よる磁束がフェラ
イト磁石層63を通過することで、磁化反転現象が生じ
ることを、発明者等は見出した。磁化反転現象とは、電
源使用時に生ずる突入電流に起因する異常磁界によっ
て、インダクタのコアとしての磁性層61内に配置され
たフェライト磁石層63が逆方向に着磁されてしまう現
象である。この現象が生じると、導電層62により構成
されたコイル部(励磁コイル)が発生する磁束と同じ方
向に磁束を発生させることになり、素子の特性を大幅に
劣化させる。
【0007】それ故、本発明の課題は、半導体集積回路
等のノイズ防止手段として特に比較的大きい電流に耐え
得ることに加え、従来の磁気バイアス方式において生じ
た磁化反転現象を防止でき、優れたインダクタの作用高
価を長期に亘って発揮できる信頼性の高い積層インダク
タを提供することである。
【0008】また、従来、導電層12には、通常Ag1
00%の導体が使用されている。この場合、Agはその
融点が961℃と比較的低いため、Agを導体として使
った積層インダクタは、961℃以下の低温で焼結され
なければならない。このため、通常は、900℃程度で
焼結される。そのため、磁気バイアスを与えるBaフェ
ライトも900℃程度の低温で焼結できるものでなけれ
ばならない。しかし、上述の特開平3−101106号
公報では、Baフェライトを低温で焼結する方法が開示
されていない。
【0009】それ故、本発明の他の課題は、導電層に悪
影響することなくフェライト磁石層を形成できる積層イ
ンダクタの製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、部分環
状を呈する複数の導電層を、スルーホールを備える非導
電層を介してソレノイド状に印刷積層してなる積層イン
ダクタにおいて、さらに、厚さ方向に分極されたフェラ
イト磁石層を、前記複数の導電層の積層方向の両外側に
それぞれ、非導電層を介して該導電層の環状内部から該
導電層の外周以内にまで拡がって重畳するように印刷積
層してなることを特徴とする積層インダクタが得られ
る。
【0011】本発明によればまた、前記フェライト磁石
層は、BaフェライトまたはSrフェライト粉末ならび
に軟化点が900℃以下の低融点ガラス1種類以上を含
み、前記低融点ガラスは、前記フェライト磁石層の5重
量部以上となるように添加されている前記積層インダク
タが得られる。
【0012】本発明によればさらに、前記非導電層は、
磁性体からなる磁性層である前記積層インダクタが得ら
れる。
【0013】本発明によればまた、前記非導電層は、前
記複数の導電層が投影的に重畳されない第1の領域と、
前記複数の導電層間に位置する第2の領域とから成り、
前記第1の領域は、磁性体からなる磁性層であり、前記
第2の領域は、非磁性体からなる非磁性層である前記積
層インダクタが得られる。
【0014】また、本発明によれば、部分環状を呈する
複数の導電層を、スルーホールを備える非導電層を介し
てソレノイド状に印刷積層する工程を有する積層インダ
クタの製造方法において、厚さ方向に分極されたフェラ
イト磁石層を、前記複数の導電層の積層方向の両外側に
それぞれ、非導電層を介して該導電層の環状内部から該
導電層の外周以内にまで拡がって重畳するように印刷積
層する工程をさらに有し、前記フェライト磁石層とし
て、BaフェライトまたはSrフェライト粉末ならびに
軟化点が900℃以下の低融点ガラス1種類以上を含
み、かつ該低融点ガラスが前記フェライト磁石層の5重
量部以上となるように添加されているものを用いること
を特徴とするインダクタの製造方法が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態による積層インダクタおよびその製造方法に
ついて説明する。
【0016】[実施の形態1]図1(a)〜(c)を参
照して、本発明の実施の形態1による積層インダクタ
は、部分環状を呈する複数の導電層2を、スルーホール
(図示せず)を備える非導電層である磁性層1を介して
複数の導電層2全体として見ればソレノイド状の1つの
コイル部となるように印刷積層してなる。尚、積層方向
外側の対の導電層2はそれぞれ、積層インダクタの接続
端子として、側面に露出しているが、図1(b)および
(c)では、説明の便宜上、省略している。
【0017】本積層インダクタはさらに、厚さ方向に分
極されたフェライト磁石層3を、前記複数の導電層2の
積層方向の両外側にそれぞれ、磁性層1を介して導電層
2の環状内部から導電層2の外周以内にまで拡がって重
畳するように印刷積層されている。
【0018】本積層インダクタを実使用した際には、図
1(b)に示すように、実線矢印で示されるコイル部
(導電層2)による磁束Bcと、破線矢印で示されるフ
ェライト磁石層3による磁束Bmとが形成される。導電
層2による磁束Bcは、図8(a)〜(c)に示した従
来例とは異なり、フェライト磁石層3内を通過すること
はない。導電層2よる磁束がフェライト磁石層3を通過
しないため、磁化反転現象は生じない。即ち、電源使用
時に生ずる突入電流に起因する異常磁界によって、イン
ダクタのコアとしての磁性層1内に配置されたフェライ
ト磁石層3が逆方向に着磁されることがない。この結
果、導電層2により構成されたコイル部(励磁コイル)
が発生する磁束と同じ方向に磁束が発生することがな
く、素子の特性に悪影響することがない。
【0019】フェライト磁石層3は、Baフェライトま
たはSrフェライト粉末ならびに軟化点が900℃以下
の低融点ガラス1種類以上を含んでいる。低融点ガラス
は、フェライト磁石層3の5重量部以上となるように添
加されている。
【0020】次に、本積層インダクタの製造方法を説明
する。
【0021】フェライト磁石層3(Baフェライト)
は、通常工業的には1200℃から1250℃の範囲の
温度で焼結される。このため、Baフェライトを積層イ
ンダクタと同時焼結するためには、焼結温度を約300
℃下げなければならない。本発明者等は、Baフェライ
ト粉末に、Bi−SiO−B、Bi
−ZnO−SiO、SiO−B−Zr
、NaO−B−ZnO、PbO−B
−SiO、PbO−BaO−SiOなどの軟化点が
900℃以下のいわゆる低融点ガラスの1種以上を重量
比で5%以上添加することにより、積層インダクタを構
成するNiZnCuフェライトと同時焼結可能な低温焼
結反応を起こすことを、発明者等は見出した。
【0022】添加量の選定理由は。以下のとおりであ
る。重量比で5%以下の添加では、Baフェライトの焼
結温度が必要温度まで下がらないため5%以上とした。
また、重量比で60%以上添加すると、Baフェライト
の残留磁束密度が低下して必要なバイアス磁界が得られ
ないため、60%以下とすることが好ましい。
【0023】また、本発明の積層インダクタは、近年需
要が増している高周波ノイズ対策にも使われる。このた
め、高電気抵抗のNiZnフェライトが磁性体として最
適である。この磁性体の高電気抵抗特性を損なわないた
めに、内臓されるBaフェライトも高電気抵抗特性と有
することが必要になる。そのため、Baフェライトの組
成としては、酸化鉄がmol%で、81.8%〜85.
3%の範囲が好ましい。酸化鉄量が81.8%以下に減
るとモノフェライトが生じ磁気特性を著しく劣化させ
る。また、85.3%以上に増えると電気抵抗が著しく
低下する。このため上述の組成範囲が好ましい。
【0024】以下、本製造方法をより具体的に説明す
る。
【0025】磁性層1(NiCuZnフェライト)とし
て、透磁率が400の組成を用い、比表面積で5.2m
/gとなるように粉砕した。この粉末が100重量部
に対し、結合剤(ポリビニルブチラール)を5重量部、
溶剤(エチルセロソルブ)を70重量部を混ぜ、上記組
成をスパイラルミキサーを用いて混合し、さらにビーズ
ミルにて混練分散し、磁性体形成用フェライトペースト
を得た。
【0026】また、導電層2(導体成形用Ag)のペー
ストの作製のため、結合剤(エチルセルロース)を5重
量部、溶剤(α−テルピネオール)を15重量部、溶剤
(ブチルカルビトールアセテート)を10重量部、それ
に銀微粉末(平均粒径0.5μm)を100重量部を混
ぜ、3本ロールにて混練分散した。
【0027】さらに、フェライト磁石層3(Baフェラ
イト)のペーストを作製するため、組成がmol%で1
4.9%BaO−85.1%FeのBaフェライ
ト粉末に、以下の表1に示すように低融点ガラスを種々
の量で添加し、上述のNiZnCuフェライトペースト
作製工程と同様の工程にてペーストを作製した。
【0028】
【表1】
【0029】作製したフェライトペーストおよびAgペ
ーストを用いて、図2(a)〜(m)導電体の積層巻線
を形成するように、磁性層1aと、スルーホール5a〜
5fを備える磁性層1b〜1gと、導電層2a〜2gと
を印刷積層した。コイル数は7ターンに相当する。
【0030】フェライト磁石層3(Baフェライト層)
は、図3(a)および(b)に示すように、積層体の高
さ方向の下上面におのおのフェライト磁石層3aおよび
3bとして配置し、その厚みは約20μmであった。ま
た、積層上がりの素子全体の厚みは1.5mmであっ
た。
【0031】これを所定の大きさ(4.5mm×3.2
mm)に切断し、これを脱バインダー後、900℃で一
体焼成した。この焼成体の積層巻線のリード(導電層2
aおよび2gの各一部)が、本積層インダクタの側面に
露出している面に、Agを主成分とした導電性ペースト
を塗布し、600℃で焼き付けを行い、外部電極を形成
して積層型インダクタを作製した。その後、フェライト
磁石を着磁するため、電磁石にて10kOeの磁界を印
加した。
【0032】次に、比較のため、積層体の高さ方向の中
央部に、約20μm厚みの、低融点ガラスを含まないB
aフェライトから成る磁石を配置した、図8(a)〜
(c)に示した従来の磁気バイアス方式の構造を有する
積層インダクタも同様に作製した。これを、比較例1と
する。さらに、比較例1の素子と同様の構造で、低融点
ガラスを40wt%含むBaフェライトから成る磁石を
配置した素子も同様に作製し、比較例2とした。また、
磁石の部分を上述のNiZnCuフェライトに置換え
た、磁石を用いていない積層体を同様にして作製し、こ
れを比較例3とした。前述の表1に、比較例1〜3にお
ける低融点ガラスの種々の添加量をも示す。
【0033】作製した積層型インダクタのインダクタン
スを、HP社製LCRメータHP4284Aおよび直流
重畳電源HP42841Aを用いて評価した。
【0034】尚、本実施の形態では、上記組成でペース
トを作製したが、これ以外の成分・配合比でも、印刷可
能なペーストが得られるものであればよい。得られた積
層インダクタのインダクタンスの直流重畳特性を、以下
の表2に示す。記載されている数字は、インダクタンス
値が初期値よりも10%低下した時の通電電流値であ
る。
【0035】
【表2】
【0036】尚、比較例1は、フェライト磁石が全く焼
結していないために、素子の機械的な強度が弱く、作業
中に破損してしまい、測定できなかったので記載してい
ない。これらの比較から、本実施の形態のインダクタ
は、従来のインダクタに比べ、直流重畳特性が約1.5
倍から2倍伸びており、埋め込まれたフェライト磁石が
確かにバイアス磁界を発生していることが確認できた。
【0037】その磁界の大きさは測定できないが、実施
の形態のうちの水準4の場合を例にとると、直流重畳特
性の伸びから推測したバイアス磁界は最大約1.1KG
に相当する。無添加のBaフェライトの焼結体の残留磁
束密度は約1.9kGであるから、低融点ガラス40w
t%の添加で磁束密度は1.4kGまで低下することが
予想されるが、その予想値の約80%の磁束密度が得ら
れていることになり、低融点ガラスの添加で900℃の
低温においても十分に焼結が進んでいることが分かっ
た。
【0038】実施の形態の水準4と比較例2および比較
例3とにおける、インダクタンスの直流重畳特性の比較
を図4に示す。
【0039】また、実施の形態水準4と比較例2とにお
いて、突入電流を模倣したパルス電流を加えた場合の直
流重畳特性の変化を測定してみた。パルス電流印加には
岩崎通信機製のパルスジェネレータSY−922および
パワーアンプ4025Sを用い、電圧200Vを100
ナノ秒加え、これを10回繰返した後に直流重畳特性を
再度測定してみたところ、実施の形態水準4では変化が
なかったのに比べ、比較例2ではインダクタンス値が大
幅に下落した。パルス通電後の実施の形態水準4と比較
例2とにおける、インダクタンスの直流重畳特性の比較
を図5に示す。
【0040】[実施の形態2]図6(a)〜(c)を参
照して、本発明の実施の形態1による積層インダクタ
は、部分環状を呈する複数の導電層2を、スルーホール
(図示せず)を備える非導電層を介して複数の導電層2
2全体として見ればソレノイド状の1つのコイル部とな
るように印刷積層してなる。尚、積層方向外側の対の導
電層22はそれぞれ、積層インダクタの接続端子とし
て、側面に露出しているが、図6(b)および(c)で
は、説明の便宜上、省略している。
【0041】本積層インダクタはさらに、厚さ方向に分
極されたフェライト磁石層23を、複数の導電層22の
積層方向の両外側にそれぞれ、磁性層21を介して導電
層22の環状内部から導電層22の外周以内にまで拡が
って重畳するように印刷積層されている。
【0042】非磁性層は、複数の導電層22が投影的に
重畳されない第1の領域21と、複数の導電層間に位置
する第2の領域24とから成っている。第1の領域21
は、磁性体からなる磁性層であり、一方、第2の領域2
4は、非磁性体からなる非磁性層である。
【0043】本積層インダクタを実使用した際には、図
6(b)に示すように、実線矢印で示されるコイル部
(導電層22)による磁束Bcと、破線矢印で示される
フェライト磁石層23による磁束Bmとが形成される。
導電層22による磁束Bcは、図8(a)〜(c)に示
した従来例とは異なり、フェライト磁石層23内を通過
することがない。
【0044】本積層インダクタの製造方法の要点は、次
の通りである。まず、非磁性体から成る第2の領域24
を形成するために、実施の形態1で述べたNiZnCu
フェライトペースト作製工程と同様の方法にて、非磁性
体であるZnFeの印刷用ペーストを作製する。
そして、実施の形態1の水準4と同じNiCuZnフェ
ライトの印刷用ペーストとZnFeの印刷用ペー
ストとをそれぞれ所定位置に塗布することで、第1の領
域21と第2の領域24とを含む非磁性層を形成する。
この結果、積層方向に隣り合う導電層22間には非磁性
体からなる第2の領域が形成される。
【0045】本積層インダクタについても、インダクタ
ンスの直流重畳特性を同様に測定し、比較例2および比
較例3との特性を比較した結果を図7に示す。
【0046】
【発明の効果】本発明による積層インダクタは、厚さ方
向に分極されたフェライト磁石層を、複数の導電層の積
層方向の両外側にそれぞれ、非導電層を介して導電層の
環状内部から導電層の外周以内にまで拡がって重畳する
ように印刷積層してなるので、導電層による磁束がフェ
ライト磁石層内を通過することがないため、半導体集積
回路等のノイズ防止手段として特に比較的大きい電流に
耐え得ることに加え、従来の磁気バイアス方式において
生じた磁化反転現象を防止でき、優れたインダクタの作
用高価を長期に亘って発揮できる信頼性の高いものであ
る。即ち、本発明による積層インダクタは、仮に従来の
積層インダクタと同一形状であっても、従来のものより
も大きな電流を流すことができる。
【0047】また、本発明による積層インダクタの製造
方法は、導電層に悪影響することなくフェライト磁石層
を形成して、上記積層インダクタを製造できる。より詳
しくは、低融点ガラスの添加により、Baフェライトも
低温焼結NiCuZnフェライトと同時に低温で焼結す
ることが可能となり、その発生磁界による磁気的バイア
ス効果によって、インダクタンスの直流重畳特性を1.
5倍から2倍に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による積層インダクタの
構成を示す図であり、(a)、(b)、および(c)は
それぞれ、積層インダクタの平面図、A−A´断面図、
およびB−B´断面図である。
【図2】(a)〜(m)は、図1に示した積層インダク
タの製造方法を説明するための印刷積層工程図である。
【図3】(a)および(b)は、図1に示した積層イン
ダクタの製造方法を説明するための印刷積層工程図であ
る。
【図4】実施の形態1の水準4と比較例2および3との
直流重畳特性の比較を示すグラフ図である。
【図5】パルス通電後の実施の形態1の水準4と比較例
2との直流重畳特性の比較を示すグラフ図である。
【図6】本発明の実施の形態2による積層インダクタの
構成を示す図であり、(a)、(b)、および(c)は
それぞれ、積層インダクタの平面図、A−A´断面図、
およびB−B´断面図である。
【図7】実施の形態2と比較例2および3との直流重畳
特性の比較を示すグラフ図である。
【図8】従来の積層インダクタの平面図、A−A´断面
図、およびB−B´断面図である。
【符号の説明】
1、1a〜1g、61 磁性層 5a〜5f スルーホール 2、2a〜2g、22、62 導電層 3、3a、3b、23、63 フェライト磁石層 21 第1の領域(磁性層) 24 第2の領域(非磁性層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 斉 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 Fターム(参考) 5E062 FF01 5E070 AA01 AB01 BA12 BB03 BB05 CB03 CB13 CB17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分環状を呈する複数の導電層を、スル
    ーホールを備える非導電層を介してソレノイド状に印刷
    積層してなる積層インダクタにおいて、さらに、厚さ方
    向に分極されたフェライト磁石層を、前記複数の導電層
    の積層方向の両外側にそれぞれ、非導電層を介して該導
    電層の環状内部から該導電層の外周以内にまで拡がって
    重畳するように印刷積層してなることを特徴とする積層
    インダクタ。
  2. 【請求項2】 前記フェライト磁石層は、Baフェライ
    トまたはSrフェライト粉末ならびに軟化点が900℃
    以下の低融点ガラス1種類以上を含み、前記低融点ガラ
    スは、前記フェライト磁石層の5重量部以上となるよう
    に添加されている請求項1に記載の積層インダクタ。
  3. 【請求項3】 前記非導電層は、磁性体からなる磁性層
    である請求項1または2に記載の積層インダクタ。
  4. 【請求項4】 前記非導電層は、前記複数の導電層が投
    影的に重畳されない第1の領域と、前記複数の導電層間
    に位置する第2の領域とから成り、前記第1の領域は、
    磁性体からなる磁性層であり、前記第2の領域は、非磁
    性体からなる非磁性層である請求項1または2に記載の
    積層インダクタ。
  5. 【請求項5】 部分環状を呈する複数の導電層を、スル
    ーホールを備える非導電層を介してソレノイド状に印刷
    積層する工程を有する積層インダクタの製造方法におい
    て、厚さ方向に分極されたフェライト磁石層を、前記複
    数の導電層の積層方向の両外側にそれぞれ、非導電層を
    介して該導電層の環状内部から該導電層の外周以内にま
    で拡がって重畳するように印刷積層する工程をさらに有
    し、前記フェライト磁石層として、Baフェライトまた
    はSrフェライト粉末ならびに軟化点が900℃以下の
    低融点ガラス1種類以上を含み、かつ該低融点ガラスが
    前記フェライト磁石層の5重量部以上となるように添加
    されているものを用いることを特徴とする積層インダク
    タの製造方法。
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