JP5644852B2 - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品及びその製造方法に関し、より特定的には、コイルを内蔵している電子部品及びその製造方法に関する。
従来のこの種の電子部品としては、例えば、特許文献1に記載の開磁路型積層コイル部品が知られている。図9は、特許文献1に記載の開磁路型積層コイル部品500の断面構造図である。
開磁路型積層コイル部品500は、図9に示すように、積層体502及びコイルLを備えている。積層体502は、複数の磁性体層が積層されることにより構成されている。コイルLは、螺旋状をなし、複数のコイル導体506が接続されることにより構成されている。更に、開磁路型積層コイル部品500は、非磁性体層504を備えている。非磁性体層504は、コイルLを横切るように積層体502に設けられている。
以上のような開磁路型積層コイル部品500では、複数のコイル導体506の周囲を周回する磁束φ510が、非磁性体層504を通過するようになる。その結果、積層体502内において磁束が集中しすぎて磁気飽和が発生することが抑制されるようになる。その結果、開磁路型積層コイル部品500は、優れた直流重畳特性を有するようになる。
ところで、開磁路型積層コイル部品500では、複数のコイル導体506の周囲を周回する磁束φ510の他に、各コイル導体506の周囲を周回する磁束φ512も存在する。このような磁束φ512も、開磁路型積層コイル部品500において磁気飽和を発生させる原因となっている。
特開2005−259774号公報
そこで、本発明の目的は、各コイル導体の周囲を周回する磁束による磁気飽和の発生を抑制できる電子部品及びその製造方法を提供することである。
上記問題点を解決するために本発明に係る電子部品の製造方法は、複数のコイル導体からなる螺旋状のコイルを内蔵している積層体を形成する工程と、前記積層体を焼成する工程と、を備えた電子部品の製造方法であって、前記積層体を形成する工程は、第1のNi含有率を有する第1の絶縁体層を用意する過程と、前記第1の絶縁体層上に前記螺旋状のコイルを構成するコイル導体を設ける過程と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に、第1のBi含有率を有し前記第1のNi含有率よりも高い第2のNi含有率を有する第2の絶縁体層を設ける過程とでもって、第1の単位層を形成する工程と、前記第1の単位層を積層する工程と、を備え、前記第1の絶縁体層における前記コイル導体に積層方向の両側から挟まれている部分を第1の部分とし、前記第2の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第2の部分とした場合、前記積層体を焼成する工程の後には、前記第1の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第2の部分でのNi含有率は、前記第2の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていること、を特徴とする。
更に、前記積層体を形成する工程は、第1のNi含有率を有する第1の絶縁体層を用意する過程と、前記第1の絶縁体層上に前記螺旋状のコイルを構成するコイル導体を設ける過程と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に、前記第1のBi含有率よりも低い第2のBi含有率を有し前記第1のNi含有率よりも高い第3のNi含有率を有する第3の絶縁体層を設ける過程とでもって、第2の単位層を形成する工程を更に含み、前記第1の単位層と前記第2の単位層とを積層する工程と、を備えることを特徴とする。
あるいは、前記積層体を形成する工程は、第1のNi含有率を有する第1の絶縁体層を用意する過程と、前記第1の絶縁体層上に前記螺旋状のコイルを構成するコイル導体を設ける過程と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に、前記第2の絶縁体層および前記第1のBi含有率よりも低い第2のBi含有率を有し前記第1のNi含有率よりも高い第3のNi含有率を有する第3の絶縁体層を設ける過程とでもって、第3の単位層を形成する工程を更に含み、前記第1の単位層と前記第3の単位層とを積層する工程と、を備えることを特徴とする。
また、前記第1の絶縁体層の厚みは、前記第2の絶縁体層および前記第3の絶縁体層の厚みよりも薄いこと、を特徴とし、前記第1の絶縁体層の厚みは、5μm以上35μm以下であることが好ましい。
更に、前記第1の絶縁体層は、Ni含有率が零の非磁性体層であることが好ましい。
また、前記第1の絶縁体層における前記第3の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第3の部分とした場合、前記積層体を焼成する工程の後には、前記第3の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第3の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていることが好ましい。
本発明に係る電子部品は、シート状の第1の絶縁体層と、前記第1の絶縁体層上に設けられているコイル導体と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に設けられている第2の絶縁体層と、からなる第1の単位層を備えた電子部品であって、前記複数の第1の単位層が積層され複数の前記コイル導体が接続されることにより、螺旋状のコイルが構成されており、前記第1の絶縁体層における前記コイル導体に積層方向の両側から挟まれている部分を第1の部分とし、前記第2の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第2の部分とした場合、前記第1の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第2の部分でのNi含有率は、前記第2の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていること、を特徴とする。
更に、シート状の第1の絶縁体層と、前記第1の絶縁体層上に設けられているコイル導体と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に設けられている第3の絶縁体層と、からなる第2の単位層を更に備えた電子部品であって、前記第1の単位層及び前記第2の単位層が積層され複数の前記コイル導体が接続されることにより、螺旋状のコイルが構成されており、前記第1の絶縁体層における前記第3の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第3の部分とした場合、前記第3の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第3の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていること、を特徴とする。
あるいは、シート状の第1の絶縁体層と、前記第1の絶縁体層上に設けられているコイル導体と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に設けられている前記第2の絶縁体層および第3の絶縁体層と、からなる第3の単位層を更に備えた電子部品であって、前記第1の単位層及び前記第3の単位層が積層され複数の前記コイル導体が接続されることにより、螺旋状のコイルが構成されており、前記第1の絶縁体層における前記第3の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第3の部分とした場合、前記第3の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第3の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていること、を特徴とする。
本発明の電子部品によれば、各コイル導体の周囲を周回する磁束による磁気飽和の発生を抑制でき、電流通電時のインダクタンス値の低下を抑えることができる。
また、本発明の電子部品の製造方法によれば、コイル導体に積層方向の両側から挟まれている非磁性体層を精度よく形成することができる。
本発明に係わる電子部品の実施形態の外観を示す斜視図である。 一実施形態に係る電子部品の積層体の分解斜視図である。 図1のA−Aにおける電子部品の断面構造図である。 第1のモデルと第2のモデルにおけるシミュレーション結果を示したグラフである。 第1の変形例に係る電子部品の断面構造図である。 第3のモデルと第4のモデルにおけるシミュレーション結果を示したグラフである。 第2の変形例に係る電子部品の断面構造図である。 第3の変形例に係る電子部品の断面構造図である。 特許文献1に記載の開磁路型積層コイル部品の断面構造図である。
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品及びその製造方法について説明する。
(電子部品の構成)
以下に、本発明に係る電子部品について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る電子部品10a〜10dの外観を示す斜視図である。図2は、一実施形態に係る電子部品10aの積層体12aの分解斜視図である。図3は、図1のA−Aにおける電子部品10aの断面構造図である。図2に示す積層体12aは、焼成前の状態を示している。一方、図3に示す電子部品10aは、焼成後の状態を示している。以下、電子部品10aの積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10aの長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10aの短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。x軸、y軸及びz軸は互いに直交している。
電子部品10aは、図1に示すように、積層体12a及び外部電極14a,14bを備えている。積層体12aは、直方体状をなしており、コイルLを内蔵している。
外部電極14a,14bはそれぞれ、コイルLに電気的に接続されており、互いに対向している積層体12aの側面に設けられている。本実施形態では、外部電極14a,14bは、x軸方向の両端に位置する2つの側面を覆うように設けられている。
積層体12aは、図2に示すように、外装用絶縁体層15a〜15e,第1の絶縁体層19a〜19f、第2の絶縁体層16a〜16f、コイル導体18a〜18f及びビアホール導体b1〜b5により構成されている。
外装用絶縁体層15a〜15eはそれぞれ、長方形状をなしており、後述の第2の絶縁体層16a〜16fと同じ、第1のBi含有率を有し第1のNi含有率よりも高い第2のNi含有率を有する絶縁体層である。すなわち、Biを含有するNi−Cu−Zn系フェライトからなる1枚のシート状の磁性体層である。外装用絶縁体層15c、15b、15aは、コイル導体18a〜18fが設けられている領域よりもz軸方向の正方向側においてこの順に積層され、外層を構成している。また、外装用絶縁体層15d,15eは、コイル導体18a〜18fが設けられている領域よりもz軸方向の負方向側にこの順に積層され、外層を構成している。
第1の絶縁体層19a〜19fは、図2に示すように、長方形状をなしており、第1のNi含有率を有する絶縁体層である。本実施形態では、第1の絶縁体層19a〜19fは、Ni含有率が零のCu−Zn系フェライトからなる非磁性体層である。ただし、第1の絶縁体層19a〜19fは、焼成前には非磁性体層であるが、焼成後には部分的に磁性体層となっている。この点については、後述する。
コイル導体18a〜18fは、図2に示すように、Agからなる導電性材料からなり、7/8ターンの長さを有しており、ビアホール導体b1〜b5と共にコイルLを構成している。コイル導体18a〜18fはそれぞれ、第1の絶縁体層19a〜19f上に設けられている。また、コイル導体18aの一端は、第1の絶縁体層19a上においてx軸方向の負方向側の辺に引き出されており、引き出し導体を構成している。コイル導体18aの一端は、図1の外部電極14aに接続されている。コイル導体18fの一端は、第1の絶縁体層19f上においてx軸方向の正方向側の辺に引き出されており、引き出し導体を構成している。コイル導体18fの一端は、図1の外部電極14bに接続されている。また、コイル導体18a〜18fは、z軸方向から平面視したときに、互いに重なり合って一つの長方形状の環を形成している。
ビアホール導体b1〜b5は、図2に示すように、第1の絶縁体層19a〜19eをz軸方向に貫通しており、z軸方向に隣り合っているコイル導体18a〜18fを接続している。具体的には、ビアホール導体b1は、コイル導体18aの他端とコイル導体18bの一端とを接続している。ビアホール導体b2は、コイル導体18bの他端とコイル導体18cの一端とを接続している。ビアホール導体b3は、コイル導体18cの他端とコイル導体18dの一端とを接続している。ビアホール導体b4は、コイル導体18dの他端とコイル導体18eの一端とを接続している。ビアホール導体b5は、コイル導体18eの他端とコイル導体18fの他端(なお、前記の通りコイル導体18fの一端は引き出し導体)とを接続している。以上のように、コイル導体18a〜18f及びビアホール導体b1〜b5は、z軸方向に延在するコイル軸を有する螺旋状のコイルLを構成している。
第2の絶縁体層16a〜16fはそれぞれ、図2に示すように、第1の絶縁体層19a〜19f上においてコイル導体18a〜18f以外の部分に設けられている。よって、第1の絶縁体層19a〜19fの主面は、第2の絶縁体層16a〜16f及びコイル導体18a〜18fにより覆い隠されている。更に、第2の絶縁体層16a〜16f及びコイル導体18a〜18fの主面はそれぞれ、一つの平面を構成しており、面一となっている。また、第2の絶縁体層16a〜16fは、第1のBi含有率を有し第1のNi含有率よりも高い第2のNi含有率を有する絶縁体層である。すなわち、本実施形態では、第2の絶縁体層16a〜16fは、Biを含有するNi−Cu−Zn系フェライトからなる磁性体層である。
ここで、第1の絶縁体層19a〜19fの厚みは、第2の絶縁体層16a〜16fの厚みよりも薄い。具体的には、第1の絶縁体層19a〜19fの厚みは、5μm以上35μm以下である。
以上のように構成された第1の絶縁体層19a〜19f、第2の絶縁体層16a〜16f及びコイル導体18a〜18fはそれぞれ、第1の単位層17a〜17fを構成している。そして、第1の単位層17a〜17fは、外装用絶縁体層15a〜15cと外装用絶縁体層15d,15eとの間においてこの順に連続して積層されている。これにより、積層体12aが構成されている。
以上のような積層体12aが焼成され、外部電極14a,14bが形成されると、電子部品10aは、図3に示す断面構造を有するようになる。具体的には、積層体12aの焼成時に、第1の絶縁体層19a〜19fの一部におけるNi含有率が、第1のNi含有率よりも高くなる。すなわち、第1の絶縁体層19a〜19fの一部が、非磁性体層から磁性体層へと変化する。
より詳細には、図3に示すように、電子部品10aでは、第1の絶縁体層19a〜19fは、第1の部分20a〜20e及び第2の部分22a〜22fを含んでいる。第1の部分20a〜20eは、第1の絶縁体層19a〜19eにおいて、コイル導体18a〜18fにz軸方向の両側から挟まれている部分である。具体的には、第1の部分20aは、第1の絶縁体層19aにおいて、コイル導体18aとコイル導体18bとに挟まれた部分である。第1の部分20bは、第1の絶縁体層19bにおいて、コイル導体18bとコイル導体18cとに挟まれた部分である。第1の部分20cは、第1の絶縁体層19cにおいて、コイル導体18cとコイル導体18dとに挟まれた部分である。第1の部分20dは、第1の絶縁体層19dにおいて、コイル導体18dとコイル導体18eとに挟まれた部分である。第1の部分20eは、第1の絶縁体層19eにおいて、コイル導体18eとコイル導体18fとに挟まれた部分である。
また、第2の部分22a〜22fは、第1の絶縁体層19a〜19fにおいて、第1の部分20a〜20e以外の部分である。ただし、第1の絶縁体層19fには、第1の部分20fは存在せず、第2の部分22fのみ存在する。これは、第1の絶縁体層19fは、z軸方向の最も負方向側に位置するコイル導体18fよりもz軸方向の負方向側に位置しているためである。
第1の部分20a〜20eでのNi含有率は、第2の部分22a〜22fでのNi含有率よりも低くなっている。本実施形態では、第1の部分20a〜20eには、Niが含まれていない。よって、第1の部分20a〜20eは、非磁性体層である。一方、第2の部分22a〜22fには、Niが含まれている。よって、第2の部分22a〜22fは磁性体層である。また、第2の部分22a〜22fでのNi含有率は、第2の絶縁体層16a〜16fでのNi含有率よりも低くなっている。
(電子部品の製造方法)
以下に、電子部品10aの製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、以下では、複数の電子部品10aを同時に作成する際の電子部品10aの製造方法について説明する。
まず、図2の第1の絶縁体層19a〜19fとなるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して水系バインダー(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と有機バンダー(ポリビニルブチラールなど)、分散剤、消泡材を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行い、セラミックスラリーを得る。このセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、第1の絶縁体層19a〜19fとなるべきセラミックグリーンシートを作製する。
次に、図2の外装用絶縁体層15a〜15eとなるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)、酸化ビスマス(Bi23)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して水系バインダー(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と有機バンダー(ポリビニルブチラールなど)、分散剤、消泡材を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行い、セラミックスラリーを得る。このセラミックスラリーの酸化ビスマスの割合は、原料比で1.5重量%となるようにした。このセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、外装用絶縁体層15a〜15eとなるべきセラミックグリーンシートを作製する。
次に、図2の第2の絶縁体層16a〜16fとなるべきセラミックペースト層のセラミックペーストを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)、酸化ビスマス(Bi23)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して、バンダー(エチルセルロース、PVB,メチルセルロースやアクリル樹脂等)とテルピネオールと分散剤、可塑剤を混合したものを配合して混練し、第2の絶縁体層16a〜16fとなるべきセラミックペースト層のセラミックペーストを得た。ここで、このセラミックペーストの酸化ビスマスの割合は、原料比で1.5重量%となるようにした。
次に、図2に示すように、第1の絶縁体層19a〜19eとなるべきセラミックグリーンシートのそれぞれに、ビアホール導体b1〜b5を形成する。具体的には、第1の絶縁体層19a〜19eとなるべきセラミックグリーンシートにレーザビームを照射してビアホールを形成する。次に、このビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填する。
次に、図2に示すように、第1の絶縁体層19a〜19fとなるべきセラミックグリーンシート上にコイル導体18a〜18fを形成する。具体的には、第1の絶縁体層19a〜19fとなるべきセラミックグリーンシート上に、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法などの方法で塗布することにより、コイル導体18a〜18fを形成する。なお、コイル導体18a〜18fを形成する工程とビアホールに対して導電性ペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
次に、図2に示すように、第1の絶縁体層19a〜19fとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18a〜18f以外の部分に第2の絶縁体層16a〜16fとなるセラミックペースト層を形成する。具体的には、このセラミックペーストをスクリーン印刷法などの方法で塗布することにより、第2の絶縁体層16a〜16fとなるべきセラミックペースト層を形成する。以上の工程により、図2に示す第1の単位層17a〜17fとなるべきセラミックグリーン層が形成される。
次に、図2に示すように、外装用絶縁体層15a〜15cとなるべきセラミックグリーンシート、第1の単位層17a〜17fとなるべきセラミックグリーン層及び外装用絶縁体層15d,15eとなるべきセラミックグリーンシートをこの順に並ぶように積層・圧着して、未焼成のマザー積層体を得る。外装用絶縁体層15a〜15cとなるべきセラミックグリーンシート、第1の単位層17a〜17fとなるべきセラミックグリーン層及び外装用絶縁体層15d,15eとなるべきセラミックグリーンシートの積層・圧着は、1枚ずつ積層して仮圧着した後、未焼成のマザー積層体を静水圧プレスなどにより加圧して本圧着を行う。
なお、積層の際、第1の単位層17a〜17fとなるべきセラミックグリーン層をz軸方向に連続して積層することにより、コイルLを形成している。これにより、未焼成のマザー積層体では、図2に示すように、コイル導体18a〜18fと第1の絶縁体層19a〜19fが、z軸方向に交互に並ぶようになる。
次に、マザー積層体をカット刃により所定寸法の積層体12aにカットする。これにより未焼成の積層体12aが得られる。この未焼成の積層体12aには、脱バインダー処理及び焼成がなされる。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において500℃で2時間の条件で行われる。焼成は、例えば、870℃〜900℃で2.5時間の条件で行われる。
焼成の際に、外装用絶縁体層15d、第2の絶縁体層16a〜16fから第1の絶縁体層19a〜19fへとNiの拡散が発生する。より詳細には、図3に示すように、第1の絶縁体層19a〜19fの第2の部分22a〜22fが、Niを含有する外装用絶縁体層15d、第2の絶縁体層16a〜16fと接触しているので、第2の部分22a〜22fには、外装用絶縁体層15d、第2の絶縁体層16a〜16fからNiが拡散してくる。そのため、第2の部分22a〜22fは磁性体層となる。ただし、第2の部分22a〜22fでのNi含有率は、外装用絶縁体層15d、第2の絶縁体層16a〜16fでの第2のNi含有率よりも低くなっている。
ここで、Niの拡散に関しては、外装用絶縁体層15dと第2の絶縁体層16a〜16fに含まれるBiの役割が非常に重要となる。
外装用絶縁体層15dおよび第2の絶縁体層16a〜16fに含まれるNiが第1の絶縁体層19a〜19fへ拡散する際、Biの量が多いほど、Ni拡散が促進される。つまり、外装用絶縁体層15dと第2の絶縁体層16a〜16fに含有されているBiがNi拡散を助長する役割を果たす。したがって、本発明においては、外装用絶縁体層15dおよび第2の絶縁体層16a〜16fには必ずBiが含有されている必要がある。
一方、第1の絶縁体層19a〜19eの第1の部分20a〜20eは、外装用絶縁体層15d、第2の絶縁体層16a〜16fと接触していないので、第1の部分20a〜20eには、外装用絶縁体層15d、第2の絶縁体層16a〜16fからNiが拡散してこない。そのため、第1の部分20a〜20eは、Niを含有しない非磁性体層のままである。なお、第1の部分20a〜20eは、原則としてNiを含有していないものとしているが、第2の部分22a〜22eを介して拡散してきたNiを含有しうる。よって、第1の部分20a〜20eは、磁性を帯びない程度の僅かな量のNiを含有していてもよい。この場合でも、第1の部分20a〜20eにNi含有率は、第2の部分のNi含有率よりは低くなっている。
以上の工程により、焼成された積層体12aが得られる。積層体12aにバレル加工を施して、面取りを行う。その後、積層体12aの表面に、例えば、浸漬法等の方法により主成分が銀である電極ペーストを塗布及び焼き付けすることにより、外部電極14a,14bとなるべき銀電極を形成する。銀電極の焼き付けは、800℃で60分間行われる。
最後に、銀電極の表面に、Niめっき/Snめっきを施すことにより、外部電極14a,14bを形成する。以上の工程を経て、図1に示すような電子部品10aが完成する。
(効果)
電子部品10a及びその製造方法では、以下に説明するように、各コイル導体18a〜18fの周囲を周回する磁束による磁気飽和の発生を抑制できる。より詳細には、電子部品10aのコイルLに電流が流れると、図3に示すようなコイル導体18a〜18fの全体の周囲を周回する相対的に長い磁路を有する磁束φ1が発生すると共に、各コイル導体18a〜18fの周囲を周回する相対的に短い磁束を有する磁束φ2(図3では、コイル導体18dの周囲に発生する磁束φ2のみ記載)が発生する。そして、磁束φ2は、磁束φ1と同様に、電子部品10aにおいて磁気飽和を発生させる原因となりうる。
そこで、上記製造方法により作製された電子部品10aでは、第1の絶縁体層19a〜19fにおいて、コイル導体18a〜18fによりz軸方向の両側から挟まれている第1の部分20a〜20eは、非磁性体層となっている。そのため、各コイル導体18a〜18fの周囲を周回する磁束φ2は、非磁性体層である第1の部分20a〜20eを通過するようになる。よって、磁束φ2の磁束密度が高くなりすぎて電子部品10aにおいて磁気飽和が発生することが抑制される。その結果、電子部品10aの直流重畳特性が向上する。
本願発明者は、電子部品10a及びその製造方法が奏する効果をより明確なものとするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。具体的には、電子部品10aに相当する第1のモデルを作製すると共に、電子部品10aの第1の絶縁体層19a〜19fを磁性体層とした第2のモデルを作製した。シミュレーション条件は、以下の通りである。
コイルLのターン数:8.5ターン
電子部品のサイズ:2.5mm×2.0mm×1.0mm
第1の絶縁体層19a〜19fの厚み:10μm
図4は、シミュレーション結果を示したグラフである。横軸はそれぞれのモデルに与える電流値を示している。縦軸は電流値がほぼゼロ(0.001A)の時のインダクタンス値を基準とした場合のインダクタンス変化率を示す。
図4によれば、第1のモデルは、第2のモデルに比べて、電流値が大きくなっても、インダクタンス変化率が少ない。すなわち、第1のモデルは、第2のモデルに比べて優れた直流重畳特性を有していることが分かる。これは、第2のモデルでは、第1のモデルよりも、各コイル導体を周回する磁束によって磁気飽和が発生し易くなっていることを意味している。以上より、電子部品10a及びその製造方法では、各コイル導体18a〜18fの周囲を周回する磁束φ2による磁気飽和の発生を抑制できていることが分かる。
更に、電子部品10a及びその製造方法では、非磁性体層である第1の部分20a〜20eを精度よく形成することができる。より詳細には、一般的な電子部品において、コイル導体に挟まれている部分に非磁性体層を形成する方法としては、例えば、コイル導体に挟まれる部分に非磁性体のペーストを印刷することが考えられる。
しかしながら、非磁性体のペーストを印刷する方法の場合には、印刷ずれや積層ずれによって、非磁性体層がコイル導体に挟まれている部分からはみ出してしまうおそれがある。このように、非磁性体層がコイル導体に挟まれている部分からはみ出すと、コイル導体全体を周回する長い磁路を有する磁束を妨げてしまうおそれがある。すなわち、所望の磁束以外の磁束も非磁性体層を通過するようになってしまう。
一方、上記電子部品10a及びその製造方法では、積層体12aが作製された後、焼成時に非磁性体層である第1の部分20a〜20eが形成される。よって、印刷ずれや積層ずれによって、第1の部分20a〜20eが、コイル導体18a〜18fにより挟まれた部分からはみ出すことがない。その結果、電子部品10a及びその製造方法では、非磁性体層である第1の部分20a〜20eを精度よく形成することができる。その結果、所望の磁束φ2以外の磁束φ1が非磁性体層を通過することが抑制される。
また、電子部品10aでは、第1の単位層17a〜17fは、外装用絶縁体層15a〜15cと外装用絶縁体層15d,15eとの間においてこの順に連続して積層されている。これにより、非磁性体層は、コイル導体18a〜18fに挟まれている第1の部分20a〜20eにのみ設けられるようになる。そして、コイルLを横切るような非磁性体層は存在しなくなる。
また、電子部品10a及びその製造方法では、第1の絶縁体層19a〜19fの厚さは5μm以上35μm以下であることが望ましい。
第1の絶縁体層19a〜19fの厚さが5μmより小さい場合には、第1の絶縁体層19a〜19fとなるべきセラミックグリーンシートの作製が困難となる。一方、第1の絶縁体層19a〜19fの厚さが35μmより大きい場合には、Niが十分に拡散せず、第2の部分22a〜22fを磁性体層とすることが困難となる。
なお、電子部品10aでは、コイルLを横切るような非磁性体層は存在しない。しかしながら、電子部品10aにおいて第1の部分20a〜20e以外の部分にも非磁性体層が存在していていもよい。これによって、電子部品の直流重畳特性を調整したり、インダクタンス値を調整したりできるからである。以下に、第1の部分20a〜20e以外の部分に非磁性体層が設けられた変形例に係る電子部品について説明を行う。
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例に係る電子部品10b及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。図5は、第1の変形例に係る電子部品10bの断面構造図である。図5では、図面が煩雑になることを避けるために、図3と同じ構成の参照符号については一部省略してある。
電子部品10aと電子部品10bとの相違点は、電子部品10bでは、磁性体層である第2の絶縁体層16c、16dの代わりに第1のBi含有率よりも低い第2のBi含有率を有し第1のNi含有率よりも高い第3のNi含有率を有する第3の絶縁体層26c,26dを用いている点である。
ここで、第3の絶縁体層26c,26dはそれぞれ、第1の絶縁体層19c,19d上においてコイル導体18c,18d以外の部分に設けられている。よって、第1の絶縁体層19c,19dの主面は、第3の絶縁体層26c,26d及びコイル導体18c,18dにより覆い隠されている。更に、第3の絶縁体層26c,26d及びコイル導体18c,18dの主面はそれぞれ、一つの平面を構成しており、面一となっている。また、第1の絶縁体層19c,19dの厚みは、第3の絶縁体層26c,26dの厚みよりも薄くなっている。
第1の変形例に係る電子部品10bは、焼成の際に、第3の絶縁体層26c,26dから第1の絶縁体層19cへとNiが拡散してくる。
より詳細には、図6に示すように、第1の絶縁体層19cの第3の部分24c(すなわち、第1の絶縁体層19cにおいて、コイル導体18cとコイル導体18dとに挟まれた部分である第1の部分20c以外の部分)が、第3の絶縁体層26c,26dと接触しているので、第3の部分24cには、第3の絶縁体層26c,26dからNiが拡散してくる。
しかしながら、第2の絶縁体層16a,16b,16e,16fおよび外装用絶縁体層15dから第1の絶縁体層19a,19b,19d,19eへのNiの拡散と比較して拡散量が少なくなる。
これは、前述したように、Niの拡散には、Biの役割が非常に重要であり、BiがNi拡散を助長する役割を果たす。一方で、第3の絶縁体層26c,26dのBi含有率が第2の絶縁体層16a,16b,16e,16fのBi含有率よりも低い。このため、第1の絶縁体層19cの第3の部分24cへのNiの拡散量が少なくなる。
したがって、第3の部分24cは、磁性を帯びない程度の僅かな量のNiを含有する非磁性体層あるいは、第3の絶縁体層26c,26dと接触している極表層部分にのみNiを含有する非磁性体層となる。
ここで、第3の部分24cでのNi含有率は、第2の部分22a,22b,22d,22eのNi含有率よりも低く、第3の絶縁体層26c,26dでのNi含有率よりも低くなっている。
この結果、電子部品10bでは、コイルLの内側および外側に非磁性体層である第3の部分24cが設けられる。これにより、磁束φ1が、非磁性体層である第3の部分24cを通過するようになり、その結果、電子部品10bにおいて、磁束φ1による磁気飽和の発生が抑制されるようになる。
なお、電子部品10bの製造方法としては、まず、第3の絶縁体層26c,26dとなるべきセラミックペースト層のセラミックペーストは以下のように準備した。
具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)、酸化ビスマス(Bi23)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して、バンダー(エチルセルロース、PVB,メチルセルロースやアクリル樹脂等)とテルピネオールと分散剤、可塑剤を混合したものを配合して混練し、第3の絶縁体層26c、26dとなるべきセラミックペースト層のセラミックペーストを得た。ここで、このセラミックペーストの酸化ビスマスの割合は、原料比で0.2重量%となるようにした。
次に、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシートに、ビアホール導体b3,b4を形成する。ビアホール導体b3,b4の形成方法については既に説明を行ったので省略する。
次に、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上にコイル導体18c,18dを形成する。コイル導体18c,18dの形成方法については既に説明を行ったので省略する。
次に、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,18以外の部分に第3の絶縁体層26c,26dとなるセラミックペースト層を形成する。
具体的には、このセラミックペーストをスクリーン印刷法などの方法で塗布することにより、第3の絶縁体層26c,26dとなるべきセラミックペースト層を形成する。
以上の工程により、第2の単位層27c,27dとなるべきセラミックグリーン層が形成される。
次に、外装用絶縁体層15a〜15cとなるべきセラミックグリーンシート、第1の単位層17a〜17b,第2の単位層27c,27d、第1の単位層17e〜17fとなるべきセラミックグリーン層及び外装用絶縁体層15d,15eとなるべきセラミックグリーンシートをこの順に並ぶように積層・圧着して、未焼成のマザー積層体を得る。電子部品10bの製造方法におけるその他の工程は、電子部品10aの製造方法におけるその他の工程と同じであるので説明を省略する。
電子部品10b及びその製造方法が奏する効果をより明確なものとするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。具体的には、電子部品10bに相当する第3のモデルを作製すると共に、電子部品10bの第1の絶縁体層19a、19b、19d、19e、19fを磁性体層とし、第1の絶縁体層19cを非磁性体層とした第4のモデルを作製した。シミュレーション条件は、以下の通りである。
コイルLのターン数:8.5ターン
電子部品のサイズ:2.5mm×2.0mm×1.0mm
第1の絶縁体層19a〜19fの厚み:10μm
図6は、シミュレーション結果を示したグラフである。横軸はそれぞれのモデルに与える電流値を示している。縦軸は電流値がほぼゼロ(0.001A)の時のインダクタンス値を基準とした場合のインダクタンス変化率を示す。
図6によれば、第3のモデルは、第4のモデルに比べて、電流値が大きくなっても、インダクタンス変化率が少ない。すなわち、第3のモデルは、第4のモデルに比べて優れた直流重畳特性を有していることが分かる。これは、第4のモデルでは、第3のモデルよりも、各コイル導体を周回する磁束によって磁気飽和が発生し易くなっていることを意味している。以上より、電子部品10b及びその製造方法では、各コイル導体18a〜18fの周囲を周回する磁束φ2による磁気飽和の発生を抑制できていることが分かる。
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例に係る電子部品10c及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。図7は、第2の変形例に係る電子部品10cの断面構造図である。図7では、図面が煩雑になることを避けるために、図3と同じ構成の参照符号については一部省略してある。
電子部品10aと電子部品10cとの相違点は、電子部品10cでは、磁性体層である第2の絶縁体層16c,16dの代わりに、第2の絶縁体層36c,36dおよび第1のBi含有率よりも低い第2のBi含有率を有し第1のNi含有率よりも高い第3のNi含有率を有する第3の絶縁体層46c,46dを用いている点である。
ここで、第2の絶縁体層36c,36dおよび第3の絶縁体層46c,46dはそれぞれ、第1の絶縁体層19c,19d上においてコイル導体18c,18d以外の部分に設けられている。
具体的には、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,18dよりも外側の部分に、第3の絶縁体層46c,46dが設けられ、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,18dよりも内側の部分に、第2の絶縁体層36c,36dが設けられている。
また、第1の絶縁体層19c,19dの主面は、第2の絶縁体層36c,36dおよび第3の絶縁体層46c,46d及びコイル導体18c,18dにより覆い隠されている。更に、第2の絶縁体層36c,36dおよび第3の絶縁体層46c,46d及びコイル導体18c,18dの主面はそれぞれ、一つの平面を構成しており、面一となっている。また、第1の絶縁体層19c,19dの厚みは、第2の絶縁体層36c,36dおよび第3の絶縁体層46c,46dの厚みよりも薄くなっている。
第2の変形例に係る電子部品10cは、焼成の際に、第3の絶縁体層46c,46dから第1の絶縁体層19cへとNiが拡散してくる。
より詳細には、図7に示すように、第1の絶縁体層19cの第3の部分34c(すなわち、第1の絶縁体層19cにおいて、第3の絶縁体層46cと第3の絶縁体層46dとに挟まれた部分)が、第3の絶縁体層46c,46dと接触しているので、第3の部分34cには、第3の絶縁体層46c,46dからNiが拡散してくる。
しかしながら、第2の絶縁体層36c,36dから第1の絶縁体層19cへのNiの拡散と比較して拡散量が少なくなる。
これは、前述したように、Niの拡散には、Biの役割が非常に重要であり、BiがNi拡散を助長する役割を果たす。一方で、第3の絶縁体層46c,46dのBi含有率が第2の絶縁体層36c,36dのBi含有率よりも低い。このため、第1の絶縁体層19cの第3の部分34cへのNiの拡散量が少なくなる。
したがって、第3の部分34cは、磁性を帯びない程度の僅かな量のNiを含有する非磁性体層あるいは、第3の絶縁体層46c,46dと接触している極表層部分にのみNiを含有する非磁性体層となる。
ここで、第3の部分34cでのNi含有率は、第2の部分22a,22b,22d,22e,22f,32cのNi含有率よりも低く、第3の絶縁体層46c,46dでのNi含有率よりも低くなっている。
この結果、電子部品10cでは、コイルLの外側に非磁性体層である第3の部分34cが設けられる。これにより、磁束φ1が、非磁性体層である第3の部分34cを通過するようになり、その結果、電子部品10cにおいて、磁束φ1による磁気飽和の発生が抑制されるようになる。
なお、電子部品10cの製造方法としては、まず、第2の絶縁体層36c,36dおよび第3の絶縁体層46c,46dとなるべきセラミックペースト層のセラミックペーストを準備する。具体的には、それぞれ第2の絶縁体層16c,16dおよび第3の絶縁体層26c,26dのセラミックペーストと製造方法と同じであるため省略する。
次に、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシートに、ビアホール導体b3,b4を形成する。ビアホール導体b3,b4の形成方法については既に説明を行ったので省略する。
次に、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上にコイル導体18c,18dを形成する。コイル導体18c,18dの形成方法については既に説明を行ったので省略する。
次に、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,1d以外の部分に第2の絶縁体層36c,36dとなるセラミックペースト層と第3の絶縁体層46c,46dとなるセラミックペースト層を形成する。
具体的には、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,18dよりも外側の部分に、第3の絶縁体層46c,46dを形成し、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,18dよりも内側の部分に、第2の絶縁体層36c,36dを形成する。
そして、これらのセラミックペーストをスクリーン印刷法などの方法で塗布することにより、第2の絶縁体層36c,36dと第3の絶縁体層46c,46dとなるべきセラミックペースト層を形成する。
以上の工程により、第3の単位層37c,37dとなるべきセラミックグリーン層が形成される。
次に、外装用絶縁体層15a〜15cとなるべきセラミックグリーンシート、第1の単位層17a〜17b,第3の単位層37c,37d、第1の単位層17e〜17fとなるべきセラミックグリーン層及び外装用絶縁体層15d,15eとなるべきセラミックグリーンシートをこの順に並ぶように積層・圧着して、未焼成のマザー積層体を得る。電子部品10cの製造方法におけるその他の工程は、電子部品10aの製造方法におけるその他の工程と同じであるので説明を省略する。
(第3の変形例)
以下に、第3の変形例に係る電子部品10d及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。図8は、第3の変形例に係る電子部品10dの断面構造図である。図8では、図面が煩雑になることを避けるために、図3と同じ構成の参照符号については一部省略してある。
電子部品10aと電子部品10dとの相違点は、電子部品10dでは、磁性体層である第2の絶縁体層16c,16dの代わりに、第2の絶縁体層56c,56dおよび第1のBi含有率よりも低い第2のBi含有率を有し第1のNi含有率よりも高い第3のNi含有率を有する第3の絶縁体層66c,66dを用いている点である。
ここで、第2の絶縁体層56c,56dおよび第3の絶縁体層66c,66dはそれぞれ、第1の絶縁体層19c,19d上においてコイル導体18c,18d以外の部分に設けられている。
具体的には、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,18dよりも内側の部分に、第3の絶縁体層66c,66dが設けられ、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,18dよりも外側の部分に、第2の絶縁体層56c,56dが設けられている。
また、第1の絶縁体層19c,19dの主面は、第2の絶縁体層56c,56dおよび第3の絶縁体層66c,66d及びコイル導体18c,18dにより覆い隠されている。更に、第2の絶縁体層56c,56dおよび第3の絶縁体層66c,66d及びコイル導体18c,18dの主面はそれぞれ、一つの平面を構成しており、面一となっている。また、第1の絶縁体層19c,19dの厚みは、第2の絶縁体層56c,56dおよび第3の絶縁体層66c,66dの厚みよりも薄くなっている。
第3の変形例に係る電子部品10dは、焼成の際に、第3の絶縁体層66c,66dから第1の絶縁体層19cへとNiが拡散してくる。
より詳細には、図8に示すように、第1の絶縁体層19cの第3の部分44c(すなわち、第1の絶縁体層19cにおいて、第3の絶縁体層66cと第3の絶縁体層66dとに挟まれた部分)が、第3の絶縁体層66c,66dと接触しているので、第3の部分44cには、第3の絶縁体層66c,66dからNiが拡散してくる。
しかしながら、第2の絶縁体層56c,56dから第1の絶縁体層19cへのNiの拡散と比較して拡散量が少なくなる。
これは、前述したように、Niの拡散には、Biの役割が非常に重要であり、BiがNi拡散を助長する役割を果たす。一方で、第3の絶縁体層66c,66dのBi含有率が第2の絶縁体層56c,56dのBi含有率よりも低い。このため、第1の絶縁体層19cの第3の部分44cへのNiの拡散量が少なくなる。
したがって、第3の部分44cは、磁性を帯びない程度の僅かな量のNiを含有する非磁性体層あるいは、第3の絶縁体層66c,66dと接触している極表層部分にのみNiを含有する非磁性体層となる。
ここで、第3の部分434cでのNi含有率は、第2の部分22a,22b,22d,22e,22f,42cのNi含有率よりも低く、第3の絶縁体層66c,66dでのNi含有率よりも低くなっている。
この結果、電子部品10dでは、コイルLの内側に非磁性体層である第3の部分44cが設けられる。これにより、磁束φ1が、非磁性体層である第3の部分44cを通過するようになり、その結果、電子部品10dにおいて、磁束φ1による磁気飽和の発生が抑制されるようになる。
なお、電子部品10dの製造方法としては、まず、第2の絶縁体層56c,56dおよび第3の絶縁体層66c,66dとなるべきセラミックペースト層のセラミックペーストを準備する。具体的には、それぞれ第2の絶縁体層16c,16dおよび第3の絶縁体層26c,26dのセラミックペーストと製造方法と同じであるため省略する。
次に、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシートに、ビアホール導体b3,b4を形成する。ビアホール導体b3,b4の形成方法については既に説明を行ったので省略する。
次に、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上にコイル導体18c,18dを形成する。コイル導体18c,18dの形成方法については既に説明を行ったので省略する。
次に、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,19d以外の部分に第2の絶縁体層56c,56dとなるセラミックペースト層と第3の絶縁体層66c,66dとなるセラミックペースト層を形成する。
具体的には、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,18dよりも内側の部分に、第3の絶縁体層66c,66dを形成し、第1の絶縁体層19c,19dとなるべきセラミックグリーンシート上のコイル導体18c,18dよりも外側の部分に、第2の絶縁体層56c,56dを形成する。
そして、これらのセラミックペーストをスクリーン印刷法などの方法で塗布することにより、第2の絶縁体層56c,56dと第3の絶縁体層66c,66dとなるべきセラミックペースト層を形成する。
以上の工程により、第3の単位層47c,47dとなるべきセラミックグリーン層が形成される。
次に、外装用絶縁体層15a〜15cとなるべきセラミックグリーンシート、第1の単位層17a〜17b,第3の単位層47c,47d,第1の単位層17e〜17fとなるべきセラミックグリーン層及び外装用絶縁体層15d,15eとなるべきセラミックグリーンシートをこの順に並ぶように積層・圧着して、未焼成のマザー積層体を得る。電子部品10dの製造方法におけるその他の工程は、電子部品10の製造方法におけるその他の工程と同じであるので説明を省略する。

なお、電子部品10a〜10dは、逐次圧着工法により作製されているが、例えば、印刷工法によって作製されてもよい。
また、本発明の第1から第3の変形例は、第1の絶縁体層19cの部分に非磁性体層が設けられた変形例を示したものであるが、同様の手段を用いて、第1の絶縁体層19c以外の第1の絶縁体層19a,19b,19d,19e,19fに設けてもよく、更に、第1から第3の変形例を組み合わせ、第1の絶縁体層19a〜19fの複数層に非磁性体層が設けられた電子部品であってもよい。
本発明は、電子部品及びその製造方法に有用であり、特に、各コイル導体の周囲を周回する磁束による磁気飽和の発生を抑制できる点において優れている。
L・・・コイル
b1〜b5・・・ビアホール導体
10a〜10d・・・電子部品
12a〜10d、502・・・積層体
14a,14b・・・外部電極
15a〜15e・・・外装用絶縁体層
18a〜18f、506・・・コイル導体
19a〜19f・・・第1の絶縁体層
16a〜16f,36c,36d,56c,56d・・・第2の絶縁体層
26c,26d,46c,46d,66c,66d・・・第3の絶縁体層
17a〜17f・・・第1の単位層
27c,27d・・・第2の単位層
37c,37d,47c,47d・・・第3の単位層
20a〜20e・・・第1の部分
22a〜22f,32c,42c・・・第2の部分
24c,34c,44c・・・第3の部分
500・・・開磁路型積層コイル部品
504・・・非磁性体層

Claims (10)

  1. 複数のコイル導体からなる螺旋状のコイルを内蔵している積層体を形成する工程と、前記積層体を焼成する工程と、を備えた電子部品の製造方法であって、
    前記積層体を形成する工程は、
    第1のNi含有率を有する第1の絶縁体層を用意する過程と、前記第1の絶縁体層上に前記螺旋状のコイルを構成するコイル導体を設ける過程と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に、第1のBi含有率を有し前記第1のNi含有率よりも高い第2のNi含有率を有する第2の絶縁体層を設ける過程とでもって、第1の単位層を形成する工程と、
    前記第1の単位層を積層する工程と、を備え
    前記第1の絶縁体層における前記コイル導体に積層方向の両側から挟まれている部分を第1の部分とし、前記第2の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第2の部分とした場合、
    前記積層体を焼成する工程の後には、
    前記第1の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第2の部分でのNi含有率は、前記第2の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていること、を特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記積層体を形成する工程は、第1のNi含有率を有する第1の絶縁体層を用意する過程と、前記第1の絶縁体層上に前記螺旋状のコイルを構成するコイル導体を設ける過程と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に、前記第1のBi含有率よりも低い第2のBi含有率を有し前記第1のNi含有率よりも高い第3のNi含有率を有する第3の絶縁体層を設ける過程とでもって、第2の単位層を形成する工程を更に含み、
    前記第1の単位層と前記第2の単位層とを積層する工程と、
    を備えること特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記積層体を形成する工程は、第1のNi含有率を有する第1の絶縁体層を用意する過程と、前記第1の絶縁体層上に前記螺旋状のコイルを構成するコイル導体を設ける過程と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に、前記第2の絶縁体層および前記第1のBi含有率よりも低い第2のBi含有率を有し前記第1のNi含有率よりも高い第3のNi含有率を有する第3の絶縁体層を設ける過程とでもって、第3の単位層を形成する工程を更に含み、
    前記第1の単位層と前記第3の単位層とを積層する工程と、
    を備えること特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記第1の絶縁体層の厚みは、前記第2の絶縁体層および前記第3の絶縁体層の厚みよりも薄いこと、
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記第1の絶縁体層の厚みは、5μm以上35μm以下であること、
    を特徴とする請求項4に記載の電子部品の製造方法。
  6. 記第1の絶縁体層における前記第3の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第3の部分とした場合、
    前記積層体を焼成する工程の後には、前記第3の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第3の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていること、
    を特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  7. 前記第1の絶縁体層は、Ni含有率が零の非磁性体層であること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  8. シート状の第1の絶縁体層と、前記第1の絶縁体層上に設けられているコイル導体と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に設けられている第2の絶縁体層と、からなる第1の単位層を備えた電子部品であって、
    前記複数の第1の単位層が積層され複数の前記コイル導体が接続されることにより、螺旋状のコイルが構成されており、
    前記第1の絶縁体層における前記コイル導体に積層方向の両側から挟まれている部分を第1の部分とし、前記第2の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第2の部分とした場合、
    前記第1の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第2の部分でのNi含有率は、前記第2の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていること、
    を特徴とする電子部品。
  9. シート状の第1の絶縁体層と、前記第1の絶縁体層上に設けられているコイル導体と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に設けられている第3の絶縁体層と、からなる第2の単位層を更に備えた電子部品であって、
    前記第1の単位層及び前記第2の単位層が積層され複数の前記コイル導体が接続されることにより、螺旋状のコイルが構成されており、
    前記第1の絶縁体層における前記第3の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第3の部分とした場合、
    前記第3の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第3の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていること、
    を特徴とする請求項に記載の電子部品。
  10. シート状の第1の絶縁体層と、前記第1の絶縁体層上に設けられているコイル導体と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体以外の部分に設けられている前記第2の絶縁体層および第3の絶縁体層と、からなる第3の単位層を更に備えた電子部品であって、
    前記第1の単位層及び前記第3の単位層が積層され複数の前記コイル導体が接続されることにより、螺旋状のコイルが構成されており、
    前記第1の絶縁体層における前記第3の絶縁体層に積層方向の両側から挟まれている部分を第3の部分とした場合、
    前記第3の部分でのNi含有率は、前記第2の部分でのNi含有率よりも低くなっており、前記第3の絶縁体層でのNi含有率よりも低くなっていること、
    を特徴とする請求項に記載の電子部品。
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