JP2002167460A - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体

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JP2002167460A JP2001285537A JP2001285537A JP2002167460A JP 2002167460 A JP2002167460 A JP 2002167460A JP 2001285537 A JP2001285537 A JP 2001285537A JP 2001285537 A JP2001285537 A JP 2001285537A JP 2002167460 A JP2002167460 A JP 2002167460A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温のスチームで発泡粒子間の融着を達成す
ることができ、且つ剛性にすぐれた発泡粒子成形体を与
える無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を工業的に有
利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 有機過酸化物が存在する分散媒体中にポ
リプロピレン系樹脂粒子を分散させると共に、該分散媒
体を該ポリプロピレン系樹脂粒子の基材樹脂融点よりも
低温であって且つ該有機過酸化物が実質的に分解する温
度に保持して該有機過酸化物を分解させることによって
実質的に無架橋の表面改質粒子を得る表面改質工程と、
該表面改質粒子を発泡剤を用いて発泡させて実質的に無
架橋の発泡粒子を得る発泡工程とを含むことを特徴とす
るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂発泡粒子、その製造方法及びポリプロピレン系樹脂
型内発泡成形体に関し、詳しくは、成形に必要な成形温
度が低下された成形用ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、
その製造方法及びポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチック材料の統合の動きなど
から、特にポリプロピレン系樹脂は、その機械強度、耐
熱性、加工性、価格のバランスに優れていること及び易
焼却性、易リサイクル性等の優れた性質を有することか
ら利用分野を拡大しつつある。同様に、無架橋ポリプロ
ピレン系樹脂型内発泡成形体(以下「EPP成形体」又
は「発泡粒子成形体」又は単に「成形体」と称すること
がある)は、上記ポリプロピレン系樹脂の優れた性質を
失うことなく、更に、緩衝性、断熱性等の特性を付加で
きるため、包装材料、建築材料、断熱材料等として広く
利用されている。
【0003】ところが、最近においてはこれまでより高
機能化を所望される機会が多くなっている。例えば自動
車用途にはこれまでEPP成形体の優れた性質に着目し
て、バンパー芯材、ドアパッド、ピラー、ツールボック
ス、フロア-マットなど幅広く利用されてきた経緯があ
るが、近年の環境及びエネルギー問題から車両の軽量化
が求められてきており、同時に車両を構成する部品の軽
量化が強く求められてきている。EPP成形体といえど
も例外ではなく、これまでの剛性、緩衝性、衝撃エネル
ギー吸収性を維持した上で更に軽量のEPP成形体が求
められてきた。更に、例えば一般的に魚箱等の運搬用通
函箱等としては、剛性が高く且つ安価であることからポ
リスチレン系樹脂型内発泡成形体(以下「EPS成形
体」と称する)が多く利用されていた。しかし、EPS
成形体は、EPP成形体に比べて耐衝撃性、耐熱性が劣
ることから、繰り返し利用がしにくかった。近年、世論
の環境問題等への意識の高まりの中から優れた環境適合
性及び繰り返し利用が可能なEPP成形体を利用したい
とする要望が数多く出されており、EPP成形体の高剛
性化が所望されてきている。
【0004】ところで、高剛性のEPP成形体を得るに
は、これまでもいくつかの改良がなされてきており、た
とえば、高剛性のポリプロピレン系樹脂を原料として使
用することであった。高剛性のポリプロピレン系樹脂と
しては、一般的に、共重合成分であるエチレンやブテン
といったコモノマーの組成比の少ないプロピレン系共重
合体又はプロピレン単独重合体が知られており、これら
原料を用いることで高剛性のEPP成形体を得ることが
可能であった。しかし、一般的に高剛性のポリプロピレ
ン系樹脂は剛性と同時に融点が上昇するものであり、こ
れら高剛性の原料を用いた場合、EPP成形体を得る上
での加工温度の上昇、特に成形温度の上昇を招くもので
あった。従来、EPP成形体を製造するための成形機は
高い成形温度に対応する構造、即ち高圧のスチームに耐
えうる構造となっているが、上記のような高剛性のポリ
プロピレン系樹脂から得られた高剛性の無架橋ポリプロ
ピレン系樹脂発泡粒子(以下「EPP粒子」又は単に
「発泡粒子」と称することがある)を用いて高剛性のE
PP成形体を得ようとする場合、EPP成形体を製造す
るための成形機の耐圧以上の圧力のスチームを必要とす
る場合が多い上に、更に発泡粒子同士の融着率も十分な
値が得られにくいといった問題がある。これらのことか
ら、既存の成形機の耐圧以内で成形が可能なEPP粒子
を得る方法が要望されていた。
【0005】このような要望に応じる方法としては、例
えば、ポリプロピレン樹脂に共重合するエチレンやブテ
ンといったコモノマーの組成比が十分な値である従来使
用されてきたポリプロピレン系樹脂を使用して高剛性の
EPP成形体を得る方法が提案されている。この方法は
発泡粒子の示差走査熱量測定によるDSC曲線における
基材樹脂の融解熱に由来する吸熱曲線ピーク(以下「固
有ピーク」と称することがある)よりも高温側に吸熱曲
線ピーク(以下「高温ピーク」と称することがある)を
形成し、その高温ピークの熱量を従来管理してきた値よ
りも大きく引き上げる方法であった。この方法で得られ
る発泡粒子を用いた場合、上記のような高剛性のポリプ
ロピレン系樹脂から得られた高剛性のEPP粒子を用い
て高剛性のEPP成形体を得ようとする場合と同様に、
成形温度の大幅な上昇を招くものであり、その結果、E
PP成形体を製造するための成形機の耐圧を超える圧力
のスチームを必要とする場合が多く、更に発泡粒子同士
の融着率も十分な値が得られにくいといった問題を生じ
る。従って、より低温のスチームで成形が可能なEPP
粒子を得る方法が強く要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温のスチ
ームで発泡粒子間の融着を達成することができ、且つ高
剛性の(圧縮強度の高い)発泡粒子成形体を与える無架
橋ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、該発泡粒子を工業的
に有利に製造する方法及び該発泡粒子を用いた型内発泡
成形体を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、有機過酸化物が存
在する分散媒体中にポリプロピレン系樹脂粒子を分散さ
せると共に、該分散媒体を該ポリプロピレン系樹脂粒子
の基材樹脂融点よりも低温であって且つ該有機過酸化物
が実質的に分解する温度に保持して該有機過酸化物を分
解させることによって形成した実質的に無架橋の表面処
理粒子から得られた発泡粒子が、低温のスチームで発泡
粒子間の融着を達成することができ且つ剛性にすぐれた
EPP成形体を与えることを見出し、本発明を完成させ
るに至った。即ち、本発明によれば、有機過酸化物が存
在する分散媒体中にポリプロピレン系樹脂粒子を分散さ
せると共に、該分散媒体を該ポリプロピレン系樹脂粒子
の基材樹脂融点よりも低温であって且つ該有機過酸化物
が実質的に分解する温度に保持して該有機過酸化物を分
解させることによって実質的に無架橋の表面改質粒子を
得る表面改質工程と、該表面改質粒子を発泡剤を用いて
発泡させて実質的に無架橋の発泡粒子を得る発泡工程と
を含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子
の製造方法が提供される。また、本発明によれば、ポリ
プロピレン系樹脂を基材樹脂とする実質的に無架橋の発
泡粒子であって、示差走査熱量測定によるDSC曲線に
おける基材樹脂の融解熱に由来する吸熱曲線ピークより
も高温側に吸熱曲線ピークが存在する発泡粒子におい
て、発泡粒子の表層部分の高温側に存在する吸熱曲線ピ
ークの熱量(ΔHs)と該発泡粒子の内部発泡層の高温
側に存在する吸熱曲線ピークの熱量(ΔHi)がΔHs
ΔHi×0.86であることを特徴とするポリプロピレ
ン系樹脂発泡粒子が提供される。本発明によれば、ポリ
プロピレン系樹脂を基材樹脂とする実質的に無架橋の発
泡粒子であって、示差走査熱量測定によるDSC曲線に
おける基材樹脂の融解熱に由来する吸熱曲線ピークより
も高温側に吸熱曲線ピークが存在する発泡粒子におい
て、該発泡粒子の表面におけるマイクロ示差熱分析(2
5℃から200℃まで昇温速度10℃/秒の条件)に基
づく融解開始温度が基材樹脂の融点以下であることを特
徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子が提供される。
更に、また、本発明によれば、上記発泡粒子を型内に充
填した後、発泡粒子を加熱し、冷却して得られたポリプ
ロピレン系樹脂型内発泡成形体が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるポリプロピレ
ン系樹脂粒子の基材樹脂(以下「本基材樹脂」というこ
とがある)であるポリプロピレン系樹脂としては、ポリ
プロピレン単独重合体、またはプロピレン成分を60モ
ル%以上含有する(好ましくはプロピレン成分を80モ
ル%以上含有する)プロピレンと他のコモノマーとの共
重合体のいずれか、あるいはこれらの樹脂の中から選ば
れる2種以上の混合物である。
【0009】プロピレン成分を60モル%以上含有する
プロピレンと他のコモノマーとの共重合体としては、例
えば、エチレン−プロピレンランダムコポリマー、エチ
レン−プロピレンブロックコポリマー、プロピレン−ブ
テンランダムコポリマー、エチレン−プロピレン−ブテ
ンランダムコポリマーなどが例示される。
【0010】本基材樹脂の融点は、最終的なEPP成形
体の圧縮強度等の機械的物性を高いものとする上で、1
30℃以上であることが好ましく、135℃以上である
ことがより好ましく、145℃以上であることが更に好
ましく、158℃以上であるときに最も効果的である。
融点の上限値は、通常、170℃程度である。更に、本
基材樹脂は、発泡成形体の耐熱性及び発泡粒子製造時の
発泡効率を考慮すると、メルトフローレイト(MFR)
が0.3〜100g/10分のものが好ましく、特に1
〜90g/10分のものが好ましい。尚、MFRはJI
S K7210(1976年)の試験条件14で測定さ
れた値である。
【0011】本発明においては、ポリプロピレン系樹脂
粒子中に、本発明の所期の効果を損なわない範囲内にお
いて、ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂又は/
及びエラストマーを添加することができる。ポリプロピ
レン系樹脂以外の他の合成樹脂又は/及びエラストマー
の添加量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部当り、
多くても35重量部であることが好ましい。
【0012】ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂
としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖
状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体等のエチレン系樹脂、或いはポリスチレ
ン、スチレン−無水マレイン酸共重合体等のスチレン系
樹脂等が例示される。
【0013】また上記エラストマーとしては、エチレン
−プロピレンゴム、エチレン−1−ブテンゴム、プロピ
レン−1−ブテンゴム、スチレン−ブタジエンゴムやそ
の水添物、イソプレンゴム、ネオプレンゴム、ニトリル
ゴム、或いはスチレン−ブタジエンブロック共重合体エ
ラストマーやその水添物等のエラストマーが例示され
る。
【0014】なお、本基材樹脂中には、所望に応じて各
種添加剤を含有させることができる。このような添加剤
としては、たとえば、酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電
防止剤、難燃剤、金属不活性剤、顔料、染料、核剤、あ
るいは気泡調整剤等を挙げることができる。気泡調整剤
としては、たとえばホウ酸亜鉛、タルク、炭酸カルシウ
ム、ホウ砂、水酸化アルミニウムなどの無機粉体が例示
される。これらの添加剤は、合計で本基材樹脂100重
量部当り20重量部以下、特に5重量部以下で使用され
るのが好ましい。またこれらの添加剤は例えば、押出機
により押出したストランドを切断する等して本発明で使
用されるポリプロピレン系樹脂粒子(以下「本樹脂粒
子」ということがある)を製造する際に、押出機内で溶
融した本基材樹脂に添加、混練することによって本樹脂
粒子中に含有させることができる。
【0015】本基材樹脂を押出機内で溶融して押出した
ストランドを切断して本樹脂粒子を製造する場合、押出
直後のストランドを急冷することが好ましい。そのよう
に急冷された本樹脂粒子を用いることにより、前記表面
改質を効率よく行なうことができる。その押出直後のス
トランドの急冷は、そのストランドを押出し直後に、好
ましくは50℃以下に調節された水中に、より好ましく
は40℃以下に調節された水中に、最も好ましくは30
℃以下に調節された水中に入れることにより行なうこと
ができる。そして充分に冷却されたストランドは水中か
ら引き上げられ、適宜長さに切断することにより、所望の
大きさの本樹脂粒子になされる。本樹脂粒子は、通常、
長さ/直径比が0.5〜2.0、好ましくは0.8〜
1.3となるように調節され、また1個当たりの平均重
量(無作為に選んだ200個の重量を同時に測定した1
個当たりの平均値)は、0.1〜20mgとなるよう
に、好ましくは0.2〜10mgとなるように調節され
る。
【0016】本発明の方法において使用される分散媒体
は、一般には水性媒体、好ましくは水が使用され、より
好ましくはイオン交換水が使用されるが、水に限らず本
基材樹脂を溶解せず且つ本樹脂粒子の分散が可能な溶媒
又は液体であれば使用することができる。水以外の分散
媒体としては、例えば、エチレングリコール、グリセリ
ン、メタノール、エタノール等が挙げられる。水性媒体
には、水と有機溶媒、例えば前記アルコールとの混合液
が包含される。
【0017】本発明の方法は、表面改質工程と発泡工程
とからなる。表面改質工程では、有機過酸化物が存在す
る分散媒体中に本樹脂粒子を分散させると共に、該分散
媒体を本樹脂粒子の基材樹脂融点よりも低温であって且
つ該有機過酸化物が実質的に分解する温度に保持して該
有機過酸化物を分解させることによって本樹脂粒子の表
面を改質して実質的に無架橋の表面改質粒子を得る。こ
のようにして得られる表面改質粒子は、これを次の発泡
工程において、発泡剤を用いて発泡させて実質的に無架
橋の発泡粒子に変換させる。このようにして得られる発
泡粒子は、熱融着性にすぐれ、低温のスチームでその発
泡粒子間の融着を行うことができる。また、この発泡粒
子は、これを成形型に充填し、スチームで加熱すること
により、剛性にすぐれたEPP成形体を得ることができ
る。
【0018】前記有機過酸化物としては、従来公知の各
種のもの、例えば、イソブチルパーオキシド、クミルパ
ーオキシネオデカノエート、α,α’−ビス(ネオデカ
ノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジ−n−
プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メ
チルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,
3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、
ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカ
ーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカー
ボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカー
ボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、
ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−
メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−
ジクロロベンゾイルパーオキシド、t−ヘキシルパーオ
キシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、オ
クタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ス
テアロイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、サクシ
ニックパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−
シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、m−トルオイルベンゾイルパーオキ
シド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−
ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカ
ン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネ
ート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパ
ーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t
−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネ
ート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン等が例示される。前記有機過酸化物は、単独でまたは
2種以上を併用して、本樹脂粒子100重量部当り、通
常、0.01〜10重量部程度を分散媒体中に添加して
使用される。
【0019】一般に、有機過酸化物が発生するラジカル
には水素の引き抜き、付加、β崩壊の3種の連鎖移動作
用がある。本発明においては、その3つの作用のうち特
に付加の作用が大きいもの、即ち、分解時に酸素ラジカ
ルを発生するものが特に好ましく、その中でもカーボネ
ート構造を有するパーオキシドが最も好ましい。尚、該
有機過酸化物を使用する際、必要に応じて連鎖移動剤等
を併用(予じめ本樹脂粒子中に含有させておくか又は/
及び分散媒体中に添加して併用)することも可能であ
る。なお、前記酸素ラジカルは、酸素単体のラジカルの
他、有機過酸化物の分解により生じた有機基が結合した
酸素ラジカルを意味する。
【0020】従来、ポリプロピレンに対する有機過酸化
物の用途としては、次の(1)〜(4)の利用方法が知
られている。 (1)ポリプロピレン粒子に有機過酸化物と架橋助剤を
均質に含浸させてポリプロピレンの融点を超える温度で
上記有機過酸化物を分解させてポリプロピレンを架橋さ
せる。 (2)ポリプロピレンと有機過酸化物とを含む組成物を
ポリプロピレンの融点を超える温度で押出機内で均一に
溶融混練して上記有機過酸化物を均質に分解させ、それ
によって分子量分布の狭くなったポリプロピレンを得る
(特開平3−152136号)。 (3)ポリプロピレン粒子に有機過酸化物と架橋助剤を
均質に含浸させてポリプロピレンの融点未満の温度で上
記有機過酸化物を分解させることにより、ポリプロピレ
ンに長鎖分岐又は架橋構造を導入してポリプロピレンの
溶融張力を高める(特開平11−80262号)。この
溶融張力が高められたポリプロピレンはその後、押出機
内で発泡剤と共に溶融混練されて押出発泡に使用され
る。 (4)ポリプロピレンと有機過酸化物と無水マレイン酸
を含む組成物をポリプロピレンの融点を超える温度で押
出機内で均一に溶融混練してグラフト重合させる。 有機過酸化物の従来の利用法は、いずれも、熱融着性に
すぐれたEPP粒子を得るために、そのEPP粒子の製
造に先立ち、有機過酸化物が存在する分散媒体中にポリ
プロピレン系樹脂粒子を分散させると共に、該分散液を
該ポリプロピレン系樹脂粒子の基材樹脂融点よりも低温
であって且つ該有機過酸化物が実質的に分解する温度に
保持して該有機過酸化物を分解させることによって該ポ
リプロピレン系樹脂粒子の表面を改質して実質的に無架
橋の表面改質粒子を得る本発明の利用法とは相違する。
【0021】本発明においては、有機過酸化物は、本基
材樹脂の融点よりも低温で実質的に分解させる。従っ
て、該有機過酸化物の1時間半減期温度は、本基材樹脂
のビカット軟化点(JIS K 6747−1981、
以下同じ)以下であることが好ましい。使用する有機過
酸化物の1時間半減期温度が本基材樹脂のビカット軟化
点を超える場合には、その過酸化物の分解を迅速に行な
うには本基材樹脂の融点以上の高温が必要となるので好
ましくないし、場合によっては、本基材樹脂の融点より
も低温で実質的に分解させることができなるので好まし
くない。そして該過酸化物を本基材樹脂の融点以上の高
温で実質的に分解させると、該過酸化物が本樹脂粒子の
奥深くまで浸透した状態で分解するため、本樹脂粒子を
構成する本基材樹脂が表面、内部を問わず全体的に大き
く分解してしまうので、場合によっては、成形に使用で
きないEPP粒子しか得ることができなくなる虞があ
り、また成形できたとしても最終的に得られるEPP成
形体の機械的物性が大きく低下してしまう虞がある。
【0022】以上のことを考慮すると、本発明の方法で
使用される有機過酸化物は、1時間半減期温度が本基材
樹脂のビカット軟化点よりも20℃以上低温であること
が好ましく、本基材樹脂のビカット軟化点よりも30℃
以上低温であることがより好ましい。尚、該1時間半減
期温度は、本基材樹脂のガラス転移温度以上であること
が好ましく、取り扱い性等を考慮すると、40〜100
℃であることがより好ましく、50〜90℃であること
が更に好ましい。また、該過酸化物は、本樹脂粒子が存
在する分散媒体中で、本基材樹脂のビカット軟化点以下
で実質的に分解させることが好ましく、本基材樹脂のビ
カット軟化点よりも20℃以上低温で実質的に分解させ
ることがより好ましく、本基材樹脂のビカット軟化点よ
りも30℃以上低温で実質的に分解させることが更に好
ましい。尚、該過酸化物は、本基材樹脂のガラス転移温
度以上で実質的に分解させることが好ましく、該過酸化
物の取り扱い性等を考慮すると、40〜100℃の範囲
で実質的に分解させることがより好ましく、50〜90
℃の範囲で実質的に分解させることが更に好ましい。実
質的に分解させるとは、使用した過酸化物の50%以上
を分解させることを意味するが、その分解の度合いは7
0%以上であることが好ましく、80%以上であること
がより好ましく、95%以上であることが更に好まし
い。
【0023】本発明において、上記処理粒子は実質的に
無架橋である。本発明では架橋助剤等を併用しないので
実質的に架橋は進行しない。尚、実質的に無架橋である
とは、次のとおり定義される。即ち、基材樹脂、本樹脂
粒子、処理粒子、EPP粒子、EPP成形体を問わず、
それぞれを試料とし(キシレン100g当たり試料1g
使用)、これを沸騰キシレン中に8時間浸漬後、標準網
フルイを規定しているJIS Z 8801(1966
年)に定められている74μmの金網で速やかに濾過
し、該金網上に残った沸騰キシレン不溶分の重量を測定
する。この不溶分の割合が試料の10重量%以下の場合
を実質的に無架橋というが、その不溶分の割合は、試料
の5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下で
あることがより好ましく、1重量%以下であることが最
も好ましい。その不溶分の割合が少ないほど再利用し易
い。不溶分の含有率P(%)を式で表すと下式の通りで
ある。 P(%)=(M÷L)×100 ただし、Mは不溶分の重量(g)、Lは試料の重量
(g)である。
【0024】本樹脂粒子は、上記した通り、有機過酸化
物を分解させて本樹脂粒子表面を処理してから、発泡粒
子の製造に供される。発泡粒子は、該処理粒子を発泡剤
の存在下に密閉容器内で分散媒体に分散させながら加熱
して該表面改質粒子に発泡剤を含浸せしめ、次いで、除
圧した際に発泡粒子を生成する温度で、表面改質粒子と
分散媒体とを低圧下に放出する方法(以下「分散媒放出
発泡方法」という)により製造することが好ましい。本
発明においては、上記表面改質粒子を形成する表面改質
工程と、その表面改質粒子から発泡粒子を得る発泡工程
とは、それぞれ別の装置で別な時期に実施することも可
能であるが、分散媒放出発泡方法を採用すると、適当な
分解温度を持つ上記有機過酸化物を密閉容器内の水性媒
体に所定量添加して通常の分散媒放出発泡方法を行なう
だけで、その加熱の途中で表面改質が完了して上記表面
改質粒子が自動的に得られるので効率的である。
【0025】本発明の表面改質樹脂粒子、ひいてはそれ
から得られるEPP粒子やEPP成形体中には、前記過
酸化物の分解に伴なって生成される分子量50以上のア
ルコールが数百ppm乃至数千ppm程度含有され得
る。そのようなアルコールとしては、後述される実施例
で示されたビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パー
オキシジカーボネートが使用された場合には、P−t−
ブチルシクロヘキサノールが本発明の表面改質樹脂粒子
中に含有され得る。他の過酸化物が使用された場合には
他のアルコールが含有され得る。そのようなアルコール
としては、例えば、イソプロパノール、S−ブタノー
ル、3−メトキシブタノール、2−エチルヘキシルブタ
ノール、t−ブタノールが例示される。
【0026】上記分散媒放出発泡方法では、容器内の加
熱下の該表面改質粒子が容器内で互いに融着しないよう
に、分散媒体中に分散剤を添加することが好ましい。そ
のような分散剤としては、表面改質粒子の容器内での融
着を防止するものであればよく、有機系、無機系を問わ
ず使用可能であるが、取り扱いのし易さから微粒状無機
物が好ましい。例えば、アムスナイト、カオリン、マイ
カ、クレー等の天然又は合成粘土鉱物や、酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭
酸亜鉛、炭酸カルシウム、酸化鉄等を1種または数種の
組み合わせで使用する事ができる。
【0027】更に、上記分散媒放出発泡方法において
は、分散剤の分散力を強化する(分散剤の添加量を少な
くしても容器内で表面改質粒子同士の融着を防止する)
分散強化剤を分散媒体中に添加してもよい。このような
分散強化剤は、40℃の水100ccに対して少なくと
も1mg以上溶解し得る無機化合物であって、該化合物
の陰イオンまたは陽イオンの少なくとも一方が2価また
は3価である無機物質である。このような無機物質とし
ては、たとえば、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウム、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄等
が例示される。見かけ密度が100g/L以上の低発泡
の成形用EPP粒子を製造する場合には、その使用が好
ましい。
【0028】通常、樹脂粒子100重量部当り、分散剤
は0.001〜5重量部程度で使用され、分散強化剤は
0.0001〜1重量部程度で使用される。
【0029】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の
製造方法において用いる発泡剤としては、プロパン、ブ
タン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シク
ロブタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類、
クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,2−ジフ
ロロエタン、1,2,2,2−テトラフロロエタン、メ
チルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライ
ド等のハロゲン化炭化水素などの有機系物理発泡剤や、
窒素、酸素、空気、二酸化炭素、水といったいわゆる無
機系物理発泡剤が例示される。有機系物理発泡剤と無機
系物理発泡剤を併用することもできる。本発明において
は、窒素、酸素、空気、二酸化炭素、水の群から選択さ
れる1又は2以上の無機系物理発泡剤を主成分とするも
のが特に好適に使用される。その中でも発泡粒子の見か
け密度の安定性、環境負荷やコストなどを考慮すると、
窒素や空気が好ましい。また発泡剤として使用される水
は表面改質粒子を密閉容器中に分散させるために分散媒
体として使用される水(イオン交換水も含む)をそのま
ま利用すればよい。
【0030】上記分散媒放出発泡方法において、物理発
泡剤の容器内への充填量は、使用する発泡剤の種類と発
泡温度と目的とする発泡粒子の見かけ密度に応じて適宜
選択されるが、例えば発泡剤として窒素を使用し、分散
媒体として水を使用した場合を例にとると、発泡開始直
前の安定した状態にある密閉容器内の圧力、すなわち密
閉容器内空間部の圧力(ゲージ圧)が、0.6〜6MP
aとなるように選定することが好ましい。通常は、目的
とする発泡粒子の見かけ密度が小さいほど前記容器内の
空間部の圧力は高くすることが望ましく、目的とする発
泡粒子の見かけ密度が大きいほど空間部の圧力は低くす
ることが望ましい傾向にある。
【0031】本発明では、上記分散媒放出発泡方法を採
用して、見かけ密度が10g/L〜500g/Lで且つ
発泡粒子の示差走査熱量測定によるDSC曲線における
基材樹脂の融解熱に由来する吸熱曲線ピーク(固有ピー
ク)よりも高温側に吸熱曲線ピーク(高温ピーク)が存
在する発泡粒子を製造することが好ましい。そのような
発泡粒子は、独立気泡率の高い、成形に適切な発泡粒子
である。本発明の場合、得られる発泡粒子において、そ
の高温ピークの熱量が2J/g〜70J/gであるのが
特に好ましい。高温ピークの熱量が2J/g未満の場合
はEPP成形体の圧縮強度、エネルギー吸収量などが低
下する虞がある。また70J/gを超える場合は、発泡
粒子を成形するに先立ち発泡粒子内の空気圧を高める工
程で必要となる空気圧が高くなりすぎたり、成形サイク
ルが長くなったりする虞れがあるので好ましくない。本
発明において、上記高温ピークの熱量は、特に3J/g
〜65J/gであって、かつ高温ピークの熱量と固有ピ
ークの熱量の総和に対して10〜60%であることが好
ましく、20〜50%であることがより好ましい。ま
た、高温ピークの熱量と固有ピークの熱量の総和は40
J/g〜150J/gであることが好ましい。尚、本発
明及び本明細書における高温ピークの熱量と固有ピーク
の熱量は、いずれも吸熱量を意味し、そしてその数値は
絶対値で表現されたものである。
【0032】発泡粒子の高温ピークの熱量は、発泡粒子
2〜4mgを、示差走査熱量計によって室温(10〜4
0℃)から220℃まで10℃/分で昇温した時に得ら
れる図1に示す第1回目のDSC曲線に認められる基材
樹脂の融解熱に由来する固有の吸熱曲線ピーク(固有ピ
ーク)aが現れる温度よりも高温側に現れる吸熱曲線ピ
ーク(高温ピーク)bの熱量で、この高温ピークbの面
積に相当するものであり、具体的には次のようにして求
めることができる。まずDSC曲線上の80℃に相当す
る点αと、発泡粒子の融解終了温度Tに相当するDSC
曲線上の点βとを結ぶ直線(α−β)を引く。次に上記
の固有ピークaと高温ピークbとの間の谷部に当たるD
SC曲線上の点γからグラフの縦軸と平行な直線を引
き、前記直線(α−β)と交わる点をδとする。高温ピ
ークbの面積は、DSC曲線の高温ピークb部分の曲線
と、線分(δ−β)と、線分(γ−δ)とによって囲ま
れる部分(図1において斜線を付した部分)の面積であ
り、これが高温ピークの熱量に相当する。尚、上記融解
終了温度Tとは、高温ピークbの高温側におけるDSC
曲線と高温側ベースラインとの交点をいう。
【0033】尚、この高温ピークbは、上記のようにし
て測定した第1回目のDSC曲線には認められるが、第
1回目のDSC曲線を得た後、220℃から10℃/分
で一旦40℃付近まで降温し、再び10℃/分で220
℃まで昇温した時に得られる第2回目のDSC曲線には
認められず、図2に示されるような基材樹脂の融解時の
吸熱に相当する固有ピークaのみが認められる。尚、発
泡粒子の第1回目のDSC曲線に現れる固有ピークaの
頂点の温度は、基材樹脂の融点(Tm)を基準とすると、
通常、〔Tm−5℃〕〜〔Tm+5℃〕の範囲に現れる
(最も一般的には〔Tm−4℃〕〜〔Tm+4℃〕の範
囲に現れる)。また、発泡粒子の第1回目のDSC曲線
に現れる高温ピークbの頂点の温度は、基材樹脂の融点
(Tm)を基準とすると、通常、〔Tm+5℃〕〜〔Tm
+15℃〕の範囲に現れる(最も一般的には〔Tm+6
℃〕〜〔Tm+14℃〕の範囲に現れる)。また、発泡
粒子に対する第2回目のDSC曲線に認められる固有ピ
ークaの頂点の温度(基材樹脂の融点に対応する温度)
は、基材樹脂の融点(Tm)を基準とすると、通常、〔T
m−2℃〕〜〔Tm+2℃〕の範囲に現れる。
【0034】EPP粒子は、前記の通り、DSC測定に
おいて、1回目のDSC曲線に高温ピークが出現する結
晶構造を有するものが好ましいが、この高温ピークの熱
量は樹脂の融点と発泡温度の差に強く影響される。EP
P粒子の高温ピーク熱量は特にEPP粒子相互の融着に
関して最低融着温度を決定する因子として作用する。こ
こでいう最低融着温度とは、EPP粒子相互が型内で融
着するために必要な最低の飽和スチーム圧力を与える温
度を意味する。高温ピーク熱量は、この最低融着温度と
密接な関係にあり、全く同一の基材樹脂を用いた場合、
高温ピーク熱量値が小さい方が高温ピーク熱量値が大き
いときよりも最低融着温度が低くなるといった傾向があ
る。この高温ピーク熱量の値にはEPP粒子の製造段階
で樹脂に与える発泡温度の高低が強く影響しており、同
一の基材樹脂を用いた場合、発泡温度が高い方が低い場
合より高温ピーク熱量値が小さくなる傾向がある。
【0035】ところが、高温ピーク熱量が小さいEPP
粒子を用いてEPP成形体を得る場合、最低融着温度は
相対的に低い傾向があるものの、EPP成形体の圧縮強
度(剛性)等の強度物性等が相対的に低下する傾向があ
る。一方で、高温ピーク熱量が大きい発泡粒子を用いて
EPP成形体を得る場合、EPP成形体の圧縮強度等の
強度物性等が相対的に高い傾向があるが最低融着温度が
相対的に高くなり、前述のようにEPP成形体を製造す
る際に高い圧力のスチームを必要とする場合が生じると
いった問題が発生する。即ち、最も好ましい発泡粒子は
最低融着温度が低く且つEPP成形体の圧縮強度等の強
度物性等が相対的に高いといった相反する性質を同時に
有する発泡粒子である。本発明の方法で得られる発泡粒
子は最低融着温度が効果的に低下されたものである。こ
の発泡粒子を用いて発泡粒子成形体を製造する場合に
は、圧縮強度等の機械的物性において実用的強度を有す
る成形体を得ることができる。
【0036】DSC曲線における高温ピークを有する発
泡粒子は、密閉容器内で分散媒体に表面改質粒子を分散
させて加熱する際に、表面改質粒子を構成する基材樹脂
の融解終了温度(Te)以上に昇温することなく、基材
樹脂の融点(Tm)より20℃低い温度以上、融解終了
温度(Te)未満の範囲内の任意の温度(Ta)で止め
てその温度(Ta)で十分な時間、好ましくは10〜6
0分程度保持し、その後、融点(Tm)より15℃低い
温度から融解終了温度(Te)+10℃の範囲の任意の
温度(Tb)に調節し、その温度で止め、必要により当
該温度でさらに十分な時間、好ましくは10〜60分程
度、保持してから表面改質粒子を密閉容器内から低圧下
に放出して発泡させる方法により得ることができる。
尚、上記融点(Tm)とは、本樹脂粒子2〜4mgを試
料として用いて前述の如き発泡粒子のDSC曲線を得る
のと同様の方法で本樹脂粒子に対して示差走査熱量測定
を行い、これによって得られた2回目のDSC曲線(そ
の一例を図2に示す)に認められる基材樹脂固有の吸熱
曲線ピークaの頂点の温度であり、融解終了温度(T
e)とは、該固有の吸熱曲線ピークaの高温側における
DSC曲線と高温側ベースライン(BL)との交点
(β)を言う。本樹脂粒子に対する2回目のDSC曲線
に現れる吸熱曲線ピークは、それがポリプロピレン系樹
脂の融解に基づくピークであることを前提として、通常
は1つの吸熱曲線ピークとなって現れる。ただし、2以
上のポリプロピレン系樹脂の混合物からなる場合等に
は、まれに2以上の吸熱ピークが認められることがあ
る。その場合には、各ピークの頂点を通ると共にグラフ
の縦軸と平行な(横軸と直交する)直線をそれぞれ引
き、各直線においてピークの頂点からベースラインBL
での長さを測定し、その長さが最も長い直線上のピーク
の頂点を上記Tmとする。ただし、最も長い直線が2以
上存在する場合には、最も高温側のピークの頂点を上記
Tmとする。
【0037】また、発泡粒子における上記高温ピークの
熱量の大小は、主として、発泡粒子を製造する際の樹脂
粒子に対する上記温度Taと該温度における保持時間お
よび上記温度Tbと該温度における保持時間ならびに昇
温速度に依存する。発泡粒子の上記高温ピークの熱量
は、温度TaまたはTbが上記温度範囲内において低い
程、保持時間が長い程、大きくなる傾向を示す。通常、
加熱時の昇温速度(加熱開始から温度保持を開始するま
での間の平均昇温速度)は0.5〜5℃/分が採用され
る。これらの点を考慮して予備実験を繰り返すことによ
り、所望の高温ピーク熱量を示す発泡粒子の製造条件を
容易に知ることができる。
【0038】尚、以上で説明した温度範囲は、発泡剤と
して無機系物理発泡剤を使用した場合の適切な温度範囲
である。有機系物理発泡剤が併用された場合には、その
種類や使用量に応じてその適切な温度範囲は上記温度範
囲よりもそれぞれ低温側にシフトする。
【0039】前記発泡粒子の見かけ密度(g/L)は、
発泡粒子の重量(g)を発泡粒子の見かけ体積(L)で
除すことにより算出される。発泡粒子の見かけ体積は、
23℃、大気圧下に48時間以上放置された発泡粒子約
5gを23℃の水100cm 3が収容されたメスシリン
ダー内の水に水没させたときの排除体積から、発泡粒子
の見かけ体積(cm3)を読み取り、これをリットル単
位に換算することにより求まる。この測定には発泡粒子
重量が0.5000〜10.0000g、かつ発泡粒子
の見かけ体積が50〜90cm3となる量の複数個の発
泡粒子が使用される。
【0040】以上のようにして、有機過酸化物を分解さ
せて本樹脂粒子表面を改質した表面改質粒子から得られ
た、低温のスチームで成形可能なEPP粒子は、次のよ
うな構造的特異性を有していることが測定結果より判明
している。
【0041】発泡粒子のDSC測定の結果、本発明の方
法で得られた発泡粒子は、従来法により得られた発泡粒
子とは異なる傾向を示す。発泡粒子の表層部分と表層部
分を含まない内部発泡層に分割して融点を測定したとこ
ろ、従来の発泡粒子は発泡粒子の表層部分の融点(Tm
s)の方が内部発泡層の融点(Tm)に比較して必ず
高くなる性質があったのに対して、本発明の方法で得ら
れた発泡粒子は表層部分の融点(Tms)の方が内部発
泡層の融点(Tm)よりもより低くなっていることが
観察された。本発明では、TmsはTmiよりも0.05
℃以上低いことが好ましく、0.1℃以上低いことがよ
り好ましく、0.3℃以上低いことが更に好ましい。
【0042】発泡粒子の表層部分の融点(Tms)は、
発泡粒子の表層部分を切り出し、2〜4mg集めこれを
試料とする以外は上記した発泡粒子の高温ピーク熱量の
測定と同じ操作を行なって得た第2回目のDSC曲線の
固有ピークaの頂点の温度を意味する。また、発泡粒子
の内部発泡層の融点(Tmi)は、表層部分を含まない
ように発泡粒子の重心部から切り出し、2〜4mg集め
これを試料とする以外上記した発泡粒子の高温ピーク熱
量の測定と同じ操作を行なって得た第2回目のDSC曲
線の固有ピークaの頂点の温度を意味する。
【0043】また、発泡粒子の表層部分と表層部分を含
まない内部発泡層に分割して高温ピーク熱量を測定した
ところ、従来の発泡粒子は発泡粒子の表層部分の高温ピ
ーク熱量(ΔHs)と内部発泡層の高温ピークの熱量
(ΔHi)との関係が、ΔHs≧ΔHi×0.87となる
性質があったのに対して、本発明の方法で得られた発泡
粒子では、ΔHs<ΔHi×0.86であることが観察さ
れた。本発明の発泡粒子では、ΔHs<ΔHi×0.86
であることが好ましく、ΔHs<ΔHi×0.83である
ことがより好ましく、ΔHs<ΔHi×0.80であるこ
とが更に好ましく、ΔHs<ΔHi×0.75であること
が最も好ましい。ΔHs<ΔHi×0.86であることに
より、表面処理されていない発泡粒子よりも低温で型内
成形が可能となる。尚、ΔHsは、1.7J/g〜60J
/gであることが好ましく、2J/g〜50J/gであ
ることがより好ましく、3J/g〜45J/gであるこ
とが更に好ましく、4J/g〜40J/gであることが
最も好ましい。
【0044】発泡粒子の表層部分の高温ピーク熱量は、
発泡粒子の表層部分を切り出し、2〜4mg集めこれを
試料とする以外は上記した発泡粒子の高温ピーク熱量の
測定と同じ操作を行なって求めることができる。また、
発泡粒子の内部発泡層の高温ピーク熱量は、表層部分を
含まないように発泡粒子の重心部から切り出し、2〜4
mg集めこれを試料とする以外は上記した発泡粒子の高
温ピーク熱量の測定と同じ操作を行なって求めることが
できる。
【0045】上記の発泡粒子の表層部分と表層部分を含
まない内部発泡層に分割して融点及び高温ピークを測定
するための表層部分のサンプル調製の方法としては、表
層部分をカッターナイフ、ミクロトーム等を用いて研削
処理を行い表層部分を集めて測定に供すればよい。但
し、この際の留意点としては1個の発泡粒子の表層部分
全面を必ず切除し且つ1個の発泡粒子から切除した表層
部分の重量が元の発泡粒子の粒子重量の5分の1以下、
好ましくは元の発泡粒子の粒子重量の5分の1〜7分の
1とされる。切除した表層部分の重量が元の発泡粒子の
粒子重量の5分の1を超える場合、内部発泡層を多量に
含有することとなり表層部分の融点及び高温ピークを正
確に測定できない虞がある。更に1個の発泡粒子から得
られる表層部分が2〜4mgに満たない場合は上記操作
を繰り返し複数個の発泡粒子に行う必要がある。一方、
内部発泡層のサンプル調製の方法としては、表層部を含
まない内部の発泡層を切り出すことを目的にカッターナ
イフ等で切削処理を行い測定に供する必要がある。内部
発泡層のサンプルを調製する際の留意点としては、1個
の発泡粒子の表層部分全面を必ず切除した上、発泡粒子
の重心とできる限り同じ重心をもつように内部発泡層を
切り出す。この際、切り出された内部発泡層は、元の発
泡粒子の粒子重量の4分の1以下とする必要があり(好
ましくは4分の1〜6分の1)、且つ元の発泡粒子の形
状とできる限り相似の関係にあることが好ましい。更に
1個の発泡粒子から得られる内部発泡層が2〜4mgに
満たない場合は上記操作を繰り返し複数個の発泡粒子に
行う必要がある。
【0046】また、本発明の方法で得た表面改質された
発泡粒子と従来の方法で得た表面改質されていない発泡
粒子の各発泡粒子表面に対し、ティ・エイ・インスツル
メント・ジャパン社のマイクロ熱分析システム「299
0型マイクロサーマルアナライザー」を使用し、25℃
から200℃まで昇温速度10℃/秒の条件にて、マイ
クロ示差熱分析(μDTA)を行なったところ、本発明
の方法で得た表面改質された発泡粒子の表面の融解開始
温度は、基材樹脂の融点以下の温度であるのに対し、従
来の方法で得た表面改質されていない発泡粒子の表面の
融解開始温度は、基材樹脂の融点よりも5℃以上高い温
度であることが判明した。尚、ここでいう融解開始温度
とは、上記μDTAに基づくμDTA曲線におけるベー
スライン(BL)からμDTA曲線が下方に変化し始め
た(時間当たりの比熱が変化し始めた)温度を意味す
る。後述する実施例7で得られた発泡粒子と比較例5で
得られた発泡粒子の夫々に対する上記μDTA曲線を図
3に示す。図3において、曲線Cが実施例7で得られ
た発泡粒子に基づくものであり、曲線C上のP点が
その融解開始温度であり、一方、Cnmが比較例5で得
られた発泡粒子に基づくものであり、曲線Cnm上のP
nm点がその融解開始温度である。以上のμDTAによ
る結果は、発泡粒子表面の融解開始温度の低下が、成形
時に必要な最低融着温度の低下に寄与していることを示
している。このことから、本発明の発泡粒子は、上記測
定に基づく発泡粒子表面の融解開始温度が基材樹脂の融
点(Tm)以下であることが好ましく、〔Tm−5℃〕
以下であることがより好ましく、〔Tm−10℃〕以下
であることが更に好ましく、〔Tm−15℃〕〜〔Tm
−50℃〕であることが最も好ましい。また、このよう
な最低融着温度の低下は、基材樹脂の融点が158℃以
上であり、且つ高温ピークを持つEPP粒子の場合に特
に有効である。発泡粒子の基材樹脂の融点が158℃以
上の場合には、上記測定に基づく発泡粒子表面の融解開
始温度が基材樹脂の融点以下であることが好ましく、1
55℃以下であることがより好ましく、150℃以下で
あることが更に好ましく、110℃〜145℃であるこ
とが最も好ましい。発泡粒子表面の融解開始温度が低い
ほど成形時に必要な最低融着温度の低下への寄与度が大
きくなるが、その融解開始温度があまりにも低くなりす
ぎると、得られる成形体の圧縮強度等の機械的物性等の
低下につながる虞がある。
【0047】また、MFRを測定したところ、本発明の
方法で得られた発泡粒子のMFRの値は表面改質される
前の本樹脂粒子のMFRの値と同じがそれよりも大きな
値を示すことが観察された。本発明では、発泡粒子のM
FRの値は表面改質される前の本樹脂粒子のMFRの値
の1.2倍以上とすることが好ましく、1.5倍以上と
することがより好ましく、1.8〜3.5倍とすること
が最も好ましい。尚、発泡粒子のMFRの値は、EPP
成形体の耐熱性及び発泡粒子製造時の発泡効率を考慮す
ると、0.5〜150g/10分となるようにすること
が好ましく、1〜100g/10分となるようにするこ
とがより好ましく、10〜80g/10分となるように
することが更に好ましい。
【0048】上記発泡粒子のMFRとは、発泡粒子を2
00℃に温度調節した加熱プレス盤で厚さ0.2mmか
ら1mmのプレスシートを調製し、該シートからペレッ
ト状或いは棒状に試料を切り出し、その試料を使って上
記無架橋プロピレン系樹脂のMFRの測定と同様の方法
で測定を行った値である。尚、発泡粒子のMFRを測定
する上で上記試料には気泡等の混入は正確な測定値を得
るために避ける必要がある。気泡の混入がどうしても避
けられない場合には、同一サンプルを繰り返し3回まで
の範囲で加熱プレス盤による脱泡を目的としたプレスシ
ートの調製を行うことができる。
【0049】更に、本発明の方法で得た発泡粒子は、特
に酸素ラジカルを発生する有機過酸化物を用いた場合、
有機過酸化物の付加作用により若干量の酸素を含有する
改質表面を形成する。このことは、本発明の方法で得た
発泡粒子の表面と、それから製造されたEPP成形体の
表面の分析から明らかとなっている。具体的には、本発
明の方法で得た発泡粒子から製造されたEPP成形体の
表面(即ち発泡粒子の表面と実質的に同じ)と、従来の
表面改質されていない発泡粒子から製造されたEPP成
形体の表面のそれぞれをATR測定(全反射吸収測定
法)で比較した結果、本発明の方法で得た発泡粒子から
製造されたEPP成形体の表面には、新たに1033c
-1付近の吸収に差のあることを確認しており、酸素単
体あるいは酸素を含有した官能基の付加あるいは挿入等
の変化があったことが認められた。具体的には、116
6cm-1の吸収における両ピーク高さ(表面改質された
発泡粒子からの成形体に対する吸収ピーク高さと従来の
成形体に対する吸収ピーク高さ)を同じとしたときに、
本発明の成形体表面の1033cm-1付近の吸収ピーク
の高さは、従来の成形体表面の1033cm-1付近の吸
収ピークの高さに比べ高くなっている。更に発泡粒子の
表面観察としてEDS(エネルギー分散形分析装置)に
よる元素分析を行った結果、酸素と炭素の比に関し、本
発明の方法で得た発泡粒子の場合、0.2(mol/m
ol)であったのに対し、従来の発泡粒子の場合、0.
1(mol/mol)であった。この様な観点から、本
発明においては、発泡粒子表面におけるその酸素と炭素
の比は0.15以上であることが好ましい。以上のこと
から、有機過酸化物の付加作用により若干量の酸素を含
有する改質表面を形成しているのは明白である。このよ
うな改質表面の形成は成形の際スチームの透過性を有利
にすると考えられる。本発明の発泡粒子は、上記酸素を
含有する改質表面又は/及び上記融点の逆転現象又は/
及び上記発泡粒子の表層部分の高温ピーク熱量の低下又
は/及び上記発泡粒子表面の融解開始温度の低下によ
り、その最低融着温度は大きく低減されるものと推測さ
れる。
【0050】上記した方法によって得られたEPP粒子
は、大気圧下で熟成した後、必要に応じて気泡内圧を高
めてから、水蒸気や熱風を用いて加熱することによっ
て、より高発泡倍率の発泡粒子とすることが可能であ
る。
【0051】EPP成形体は、EPP粒子を、必要に応
じて気泡内圧を高めてから、加熱及び冷却が可能であっ
てかつ開閉し密閉できる型内に充填し、飽和スチームを
供給して型内でEPP粒子同士を加熱して膨張させて融
着させ、次いで冷却して型内から取り出すバッチ式成形
法を採用して製造することができる。当該バッチ式成形
法で使用される成形機としては、既に数多くの成形機が
世界中に存在し、国によって多少異なるものの、その耐
圧は、0.41MPa(G)又は0.45MPa(G)のも
のが多い。従って、EPP粒子同士を膨張させて融着さ
せる際の飽和スチームの圧力は、0.45MPa(G)以
下又は未満であることが好ましく、0.41MPa(G)
以下又は未満であることがより好ましい。また、EPP
成形体は、EPP粒子を、必要に応じて気泡内圧を高め
てから、通路内の上下に沿って連続的に移動するベルト
間に連続的に供給し、飽和スチーム供給領域(加熱領
域)を通過する際にEPP粒子同士を膨張融着させ、そ
の後冷却領域を通過させて冷却し、次いで得られた成形
体を通路内から取り出し、適宜の長さに順次切断する連
続式成形法(例えば特開平9−104026号、特開平
9−104027号及び特開平10−180888号等
に記載される成形方法)により製造することもできる。
尚、EPP粒子の気泡内圧を高める場合には、密閉容器
に発泡粒子を入れ、該容器内に加圧空気を供給した状態
で適当な時間放置して発泡粒子内に加圧空気を浸透させ
ればよい。上記手法で製造されるEPP成形体の見かけ
密度は目的によって任意に選定できるが、通常は9g/
L〜600g/Lの範囲である。
【0052】また、本発明のEPP成形体にはその表面
の少なくとも一部に、補強材又は/及び表面装飾材を積
層一体化することができる。そのようなラミネート複合
タイプの型内発泡成形体は、米国特許第5928776
号、米国特許第6096417号、米国特許第6033
770号、米国特許第5474841号、ヨーロッパ特
許477476号、WO98/34770号、WO98
/00287号、日本特許第3092227号等の各公
報に詳細に記載されている。また、本発明のEPP成形
体中には、インサート材の全部または一部が埋設される
ようにして該インサート材を複合一体化することができ
る。そのようなインサート複合タイプの型内発泡成形体
は、米国特許第6033770号、米国特許第5474
841号、日本公開特許昭59−1277714号、日
本特許第3092227号等の各公報に詳細に記載され
ている。
【0053】以上のようにして製造されるEPP成形体
は、ASTM−D2856−70の手順Cに基づく連続
気泡率が40%以下であることが好ましく、30%以下
であることがより好ましく、25%以下であることが最
も好ましい。連続気泡率が小さい成形体ほど、機械的強
度に優れる。
【0054】
【実施例】以下に本発明について実施例および比較例を
挙げ説明する。
【0055】実施例1〜7、比較例1〜5 表1から選択されるポリプロピレン系樹脂100重量部
当り、ホウ酸亜鉛粉末(気泡調整剤)0.05重量部を
添加して押出機内で溶融混練した後、押出機からストラ
ンド状に押出し、そのストランドを直ちに18℃に調節
された水中に入れて急冷しながら引き取り、充分に冷却
した後、水中から引き上げ、長さ/直径比が略1.0に
なるようにストランドを切断して、1粒子当りの平均重
量が2mgの樹脂粒子を得た。次いで400リットルの
オートクレーブに、上記樹脂粒子100重量部、イオン
交換水220重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム(界面活性剤)0.05重量部とカオリン(分散
剤)0.3重量部、表2に示す有機過酸化物及び表3に
示す炭酸ガス(発泡剤)を仕込み、攪拌しながら表3に
示す発泡温度よりも5℃低い温度まで昇温して(平均昇
温速度3℃/分)からその温度で15分間保持した。次
いで、発泡温度まで昇温して(平均昇温速度3℃/分)
同温度で15分間保持した。次いで、オートクレーブの
一端を開放してオートクレーブ内容物を大気圧下に放出
して発泡粒子を得た。尚、樹脂粒子をオートクレーブか
ら放出する間のオートクレーブ内圧力が、放出直前のオ
ートクレーブ内圧力に保たれるように、オートクレーブ
内に窒素ガスを供給しながら放出を行った。得られた発
泡粒子を水洗し遠心分離機にかけたのち、24時間大気
圧下に放置して養生した後、発泡粒子の高温ピーク熱
量、表層部分及び内部発泡層の各高温ピーク熱量及び各
融点、発泡粒子のMFR、発泡粒子の見かけ密度等を測
定した。その結果を表3に示した。次いで、この発泡粒
子を、耐圧容器内の加圧空気下に置いて発泡粒子に高め
られた気泡内圧を付与した後、表3に示す気泡内圧の時
に、250mm×200mm×50mmの成形空間を持
つ金型内に、金型を完全に閉鎖せずに僅かな隙間(約1
mm)を開けた状態で充填し、次いでスチームで金型内
の空気を排気した後に完全に型締めし、所定の飽和スチ
ーム圧力によって成形した。成形後金型内の成形体の面
圧が0.059MPa(G)となるまで水冷した後成形
体を型から取り出し、60℃で24時間養生した後、室
温(23℃)まで冷却して成形体を得た。尚、所定の飽
和スチーム圧力とは、0.15MPa(G)〜0.55
MPa(G)まで0.01MPaづつ飽和スチーム圧を
変えて繰り返し成形体を製造し、表3に示す最低融着温
度(最低飽和スチーム圧力)を測定した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】尚、表3中の最低融着温度とは、250m
m×200mm×50mmの金型で成形した成形体の2
50mm×200mm表面の一方の面に、カッターナイ
フで250mm長さを2分するように成形体の厚み方向
に約10mmの切り込みを入れた後、切り込み部から成
形体を折り曲げて破断するテストにより、破断面に存在
する発泡粒子の個数(n)と材料破壊した発泡粒子の個
数(b)の比(b/n)の値が少なくとも0.50とな
る成形に要した飽和スチーム圧力を意味する。ただし、
比較例1、比較例2、比較例3及び比較例5では、本テ
ストで使用された成形機の耐圧である0.55MPa
(G)の飽和スチーム圧力では、(b/n)の値は、そ
れぞれ、0、0.16、0.12及び0.30という結
果であり、0.50には至らなかった。(b/n)の値
が0.50以上のものを得るためには、更に高い圧力の
飽和スチーム圧力が必要になる。尚、上記発泡粒子の個
数(n)は、発泡粒子間で剥離した発泡粒子の個数と、
発泡粒子内で材料破壊した発泡粒子の個数(b)との総
和である。また、表3中の圧縮強度とは、成形体から縦
50mm、横50mm、厚み25mm、となるように切
断して得られた試験片(全面の表皮がカットされたも
の)を使用し、JIS Z 0234(1976年)A法
に従って試験片温度23℃、荷重速度10mm/分の条
件で歪が55%に至るまで圧縮試験を行い、得られた応
力−歪線図より50%歪時の応力を読みとり、これを圧
縮強度とした。
【0060】以上の結果は、有機過酸化物が存在する水
性媒体中にポリプロピレン系樹脂粒子を分散させると共
に、該ポリプロピレン系樹脂粒子の基材樹脂融点よりも
低温であって且つ該有機過酸化物が実質的に分解する温
度下で該有機過酸化物を分解させることによって該ポリ
プロピレン系樹脂粒子の表面を処理して実質的に無架橋
の処理粒子を得る工程を行なうと、それから得られた発
泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂のリサイクル性を維持
しながら成形温度が低減されることを示している。より
具体的には次の通りである。実施例2と比較例1は、発
泡粒子の見かけ密度が同じであり、発泡粒子の全体の高
温ピーク熱量がほぼ同等であり、得られた成形体の見か
け密度と圧縮強度測定用の試料のカットサンプルの見か
け密度が同じであるから対比するのに好都合である。実
施例2と比較例1の対比より、比較例1で必要な最低融
着温度は0.55MPa(G)を超えるのに対し、実施
例2で必要な最低融着温度は0.44MPa(G)とな
っており、実施例2は比較例1に比べ、最低融着温度が
7℃以上も低下されていることが分かる。しかも、実施
例2で得られた成形体の圧縮強度は、発泡粒子の全体の
高温ピーク熱量に見合っており、特段低下しているとい
うことも無い。実施例4と比較例3は、発泡粒子の見か
け密度がほぼ同じであり、発泡粒子の全体の高温ピーク
熱量がほぼ同等であり、得られた成形体の見かけ密度と
圧縮強度測定用の試料のカットサンプルの見かけ密度が
ほぼ同じであるから対比するのに好都合である。実施例
4と比較例3の対比より、比較例3で必要な最低融着温
度は0.55MPa(G)を超えるのに対し、実施例4
で必要な最低融着温度は0.38MPa(G)となって
おり、実施例4は比較例3に比べ、最低融着温度が12
℃以上も低下されていることが分かる。しかも、実施例
4で得られた成形体の圧縮強度は、発泡粒子の全体の高
温ピーク熱量に見合っており、特段低下しているという
ことも無い。
【0061】実施例5と比較例2は、発泡粒子の見かけ
密度がほぼ同じであり、発泡粒子の全体の高温ピーク熱
量がほぼ同等であり、得られた成形体の見かけ密度と圧
縮強度測定用の試料のカットサンプルの見かけ密度が同
じであるから対比するのに好都合である。実施例5と比
較例2の対比より、比較例2で必要な最低融着温度は
0.55MPa(G)を越えるのに対し、実施例5で必
要な最低融着温度は0.39MPa(G)となってお
り、実施例5は比較例2に比べ、最低融着温度が11℃
以上も低下されていることが分かる。しかも、実施例5
で得られた成形体の圧縮強度は、発泡粒子の全体の高温
ピーク熱量に見合っており、特段低下しているというこ
とも無い。実施例6と比較例4は、発泡粒子の見かけ密
度が同じであり、発泡粒子の全体の高温ピーク熱量がほ
ぼ同等であり、得られた成形体の見かけ密度と圧縮強度
測定用の試料のカットサンプルの見かけ密度が同じであ
るから対比するのに好都合である。実施例6と比較例4
の対比より、比較例4で必要な最低融着温度は0.22
MPa(G)であるのに対し、実施例6で必要な最低融
着温度は0.17MPa(G)となっており、実施例6
は比較例4に比べ、最低融着温度が6℃以上も低下され
ていることが分かる。しかも、実施例6で得られた成形
体の圧縮強度は、発泡粒子の全体の高温ピーク熱量に見
合っており、特段低下しているということも無い。
【0062】実施例1と実施例3は、発泡粒子の見かけ
密度がほぼ同じであり、発泡粒子の全体の高温ピーク熱
量がほぼ同等であり、得られた成形体の見かけ密度と圧
縮強度測定用の試料のカットサンプルの見かけ密度がほ
ぼ同じであるから対比するのに好都合である。実施例1
と実施例3の対比より、実施例1で必要な最低融着温度
は0.48MPa(G)であるのに対し、実施例3で必
要な最低融着温度は0.35MPa(G)となってお
り、実施例3は実施例1に比べ、最低融着温度が約9℃
も低下されていることが分かる。実施例3は実施例1で
は使用された有機過酸化物が異なっており、他の条件は
ほぼ同じであるといえるから、この結果は、有機過酸化
物としてカーボネート構造を有するものを使用した方が
最低融着温度の低減効果に優れているということを示し
ている。
【0063】実施例7と比較例5は、発泡粒子の見かけ
密度が近く、発泡粒子全体の高温ピーク熱量がほぼ同等
であるが、得られた成形体の見かけ密度と圧縮強度測定
用の試料のカットサンプルの見かけ密度は多少異なるも
のの対比は可能である。実施例7と比較例5の対比よ
り、実施例7で必要な最低融着温度は0.36MPa
(G)であるのに対し、比較例5で必要な最低融着温度
は0.55MPa(G)を越え、実施例7は比較例5に
比べ、最低融着温度が13℃以上も低下されていること
が分る。しかも実施例7で得られた成形体の圧縮強度
は、発泡粒子全体の高温ピークとカットサンプルの見か
け密度に見合っており、特段低下しているということも
ない。更に、実施例7で得られた発泡粒子と比較例5で
得られた発泡粒子について、各発泡粒子表面に対し、テ
ィ・エイ・インスツルメント・ジャパン社のマイクロ熱
分析システム「2990型マイクロサーマルアナライザ
ー」を使用し、25℃から200℃まで昇温速度10℃
/秒の条件にて、マイクロ示差熱分析(μDTA)を行
なったところ、実施例7で得られた発泡粒子の表面は約
131℃から融解が始まっているのに対し、比較例5で
得られた発泡粒子の表面は約168℃から融解が始まっ
ていることが判明した。以上のμDTAによる結果は、
発泡粒子表面の融解開始温度の低下が、成形時に必要な
最低融着温度の低下に寄与していることを示している。
【0064】尚、実施例1〜7では、成形時の飽和スチ
ーム圧力をより高くした場合には、得られる成形体の融
着度合いはより高まり、上記(b/n)の値はより大き
くなる。具体的には、表4の通りである。上記(b/
n)の値が大きいほど成形体の曲げ強度や引張強度が高
まるので好ましい。本発明の成形体においては、上記
(b/n)の値は、0.4以上であることが好ましく、
0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であ
ることが更に好ましく、0.7以上であることが最も好
ましい。
【0065】
【表4】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、ポリプロピレン樹脂の
環境的適性、リサイクル性を維持しながら成形温度を劇
的に低減させた発泡粒子を提供することができる。この
成形温度の低減は、エネルギーの節減に大きく寄与す
る。また、従来は、EPP成形体の高剛性等の高物性化
のためには融点の高いポリプロピレン系樹脂を使用して
得られた、高温ピーク熱量の高い発泡粒子を使用しなけ
ればならないため必然的に成形温度が汎用の成形機の耐
圧を超えてしまうという問題があったが、本発明の方法
により得られる発泡粒子では、融点の高いポリプロピレ
ン系樹脂を使用して得られた、高温ピーク熱量の高い発
泡粒子であっても、得られるEPP成形体の高剛性を維
持したまま、従来よりも低温度のスチームで成形が可能
となり、表面改質が充分であれば汎用の成形機の耐圧以
内での成形も可能となる。従って、本発明の方法により
得られた発泡粒子を使用すれば、従来よりも安価に高物
性(高剛性)又は/及び軽量のEPP成形体を提供する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の成形用ポリプロピレン系樹脂
発泡粒子の、第1回目のDSC曲線のチャートの一例を
示す図である。
【図2】図2は、ポリプロピレン系樹脂粒子の第2回目
のDSC曲線のチャートの一例を示す図である。
【図3】図3は、実施例7と比較例5に基づく各例で得
られた発泡粒子表面に対するマイクロ熱機械分析に基づ
くμDTA曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 圭一 栃木県鹿沼市さつき町10−3 株式会社ジ ェイエスピー鹿沼研究所内 (72)発明者 所 寿男 栃木県鹿沼市さつき町10−3 株式会社ジ ェイエスピー鹿沼研究所内 Fターム(参考) 4F074 AA24 AB02 AB03 AB04 AB05 BA32 BA33 BC04 BC12 CA52 CB53 CC03X CC04X CC04Y CC05Z DA08 DA15 DA32 DA33 DA59

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機過酸化物が存在する分散媒体中にポ
    リプロピレン系樹脂粒子を分散させると共に、該分散媒
    体を該ポリプロピレン系樹脂粒子の基材樹脂融点よりも
    低温であって且つ該有機過酸化物が実質的に分解する温
    度に保持して該有機過酸化物を分解させることによって
    実質的に無架橋の表面改質粒子を得る表面改質工程と、
    該表面改質粒子を発泡剤を用いて発泡させて実質的に無
    架橋の発泡粒子を得る発泡工程とを含むことを特徴とす
    るポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 該分散媒体を、該発泡粒子の基材樹脂で
    あるポリプロピレン系樹脂のガラス転移温度以上、ビカ
    ット軟化点以下の温度に保持して該有機過酸化物を分解
    させることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレ
    ン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 該発泡剤が物理発泡剤であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂発
    泡粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 該物理発泡剤が、窒素、酸素、二酸化炭
    素及び水の群から選択される1又は2以上の無機系発泡
    剤を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 該発泡工程において、見かけ密度が10
    g/L〜500g/Lで且つ示差走査熱量測定によるD
    SC曲線における基材樹脂の融解熱に由来する吸熱曲線
    ピークよりも高温側に吸熱曲線ピークが存在する発泡粒
    子を得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 該発泡粒子の高温側に存在する吸熱曲線
    ピークの熱量が2〜70J/gであることを特徴とする
    請求項5に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 該発泡粒子のメルトフローレート(MF
    R)の値が表面改質前のポリプロピレン系樹脂粒子のM
    FRの値以上であり且つ該発泡粒子のMFRの値が0.
    5〜150g/10分であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 該発泡粒子の表層部分の融点(Tms
    と内部発泡層(Tmi)の融点がTms<Tmiであるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリプ
    ロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】 該発泡粒子の表層部分の高温側に存在す
    る吸熱曲線ピークの熱量(ΔHs)と該発泡粒子の内部
    発泡層の高温側に存在する吸熱曲線ピークの熱量(ΔH
    i)がΔHs<ΔHi×0.86であることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂
    発泡粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】 該有機過酸化物が分解時に主に酸素ラ
    ジカルを発生するものであることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 該有機過酸化物の1時間半減期温度が
    該発泡粒子の基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂のガ
    ラス転移点以上であり且つビカット軟化点以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のポリ
    プロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】 該有機過酸化物がカーボネート構造を
    有するパーオキシドであることを特徴とする請求項10
    又は11に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とす
    る実質的に無架橋の発泡粒子であって、示差走査熱量測
    定によるDSC曲線における基材樹脂の融解熱に由来す
    る吸熱曲線ピークよりも高温側に吸熱曲線ピークが存在
    する発泡粒子において、該発泡粒子の表層部分の高温側
    に存在する吸熱曲線ピークの熱量(ΔHs)と該発泡粒
    子の内部発泡層の高温側に存在する吸熱曲線ピークの熱
    量(ΔHi)がΔHs<ΔHi×0.86であることを特
    徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  14. 【請求項14】 ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とす
    る実質的に無架橋の発泡粒子であって、示差走査熱量測
    定によるDSC曲線における基材樹脂の融解熱に由来す
    る吸熱曲線ピークよりも高温側に吸熱曲線ピークが存在
    する発泡粒子において、該発泡粒子の表面におけるマイ
    クロ示差熱分析(25℃から200℃まで昇温速度10
    ℃/秒の条件)に基づく融解開始温度が基材樹脂の融点
    以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡
    粒子。
  15. 【請求項15】 該発泡粒子の高温側に存在する吸熱曲
    線ピークの熱量が2〜70J/gであることを特徴とす
    る請求項13又は14に記載のポリプロピレン系樹脂発
    泡粒子。
  16. 【請求項16】 該ポリプロピレン系樹脂の融点が15
    8℃以上であることを特徴とする請求項13又は14に
    記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  17. 【請求項17】 該発泡粒子の表層部分の融点(T
    s)と内部発泡層(Tmi)の融点がTms<Tmiであ
    ることを特徴とする請求項13又は14に記載のポリプ
    ロピレン系樹脂発泡粒子。
  18. 【請求項18】 請求項13又は14に記載の発泡粒子
    を型内に充填した後、発泡粒子を加熱し、冷却して得ら
    れたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
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