JP2005023302A - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、着色された発泡粒子であっても低温のスチームで加熱成形可能な発泡粒子の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法は、引張弾性率が1200MPa以上であるポリプロピレン系樹脂からなる基材樹脂と、熱可塑性重合体と着色剤とからなる着色混合物とを溶融混練して、基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在する発泡用樹脂組成物粒子を造粒する樹脂粒子製造工程と、該発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、発泡用樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された発泡用樹脂組成物粒子を発泡させる発泡工程とを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体(以下、「EPP成形体」ともいう)は、プロピレンの持つ優れた機械強度、耐熱性、耐薬品性、易リサイクル性等の特性を損なうことなく、さらに、緩衝性、断熱性等の発泡体特有の特性を付加できることから、包装材料、建築材料等の幅広い産業分野で利用されている。
特に、ポリプロピレン系樹脂より予備発泡粒子を作製し、これを開閉可能な金型内に充填してスチームにより加熱融着せしめた、いわゆるビーズ法型内発泡成形体は、その優れた緩衝特性、賦型性から、自動車バンパー芯材、ドアパッド等の自動車分野に使用されている。近年、この自動車分野については、衝突安全基準の厳格化や、燃費向上の観点から、より軽量且つ高剛性なEPP成形体が求められている。
ところが、一般的に、ポリプロピレン系樹脂の剛性が高くなると同時に融点も高くなり、成形する際のスチーム圧力が高くなるので、高いスチーム圧力に対応可能な特殊な成形機が必要となり、消費するスチーム量が増大することが知られている。従って、剛性が高いポリプロピレン系樹脂であっても低温のスチームで成形可能なポリプロピレン系樹脂発泡粒子の開発が期待されてきた。
本出願人は、かかる期待に応えて、低温のスチームで融着可能な発泡粒子、その製造方法及び発泡粒子成形体を提案し、低温のスチームで融着可能な発泡粒子を提供することを可能とした(特許文献1参照)。
一方、近年ポリスチレン系樹脂発泡粒子成形体との差別化を図ることが求められ、また自動車バンパー芯材、ドアパッド等については高級感を出すことが求められるようになった。そのためEPP成形体を着色する必要が生じた。
EPP成形体を着色することについては、予め基材樹脂となる樹脂に着色剤であるカーボンブラックを溶融混練した混合物(いわゆるマスターバッチ)を基材樹脂に混ぜてEPP成形体を製造する発明が開示されている(特許文献2参照)。
本発明者等は、これらの知見に基づいて着色剤であるカーボンブラックのマスターバッチを用いて、前記特許文献1に記載されている表面改質された発泡粒子の製造を試みた。しかしながら、得られた発泡粒子は低温のスチームで加熱成形することができなかった。
特開2002−167460号公報 特開平7−300537号公報
本発明は、着色された発泡粒子であっても低温のスチームで加熱成形可能な発泡粒子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、マスターバッチのベースレジンが発泡粒子の基材樹脂と同じであること、着色剤にカーボンブラックを用いたため、カーボンブラックの表面改質が阻害され、その結果、低温のスチームで加熱成形ができなくなっていることが分かった。このため本発明者らは、マスターバッチのベースレジンを発泡粒子の基材樹脂と違うもの、さらに詳しくは特定の熱可塑性重合体とすることでマスターバッチに分散した着色剤であるカーボンブラックを熱可塑性重合体に包み込んだ状態で分散させれば着色剤であるカーボンブラックが表面改質を阻害しないことを突き止め、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示すポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法が提供される。
[1]引張弾性率が1200MPa以上であるポリプロピレン系樹脂からなる基材樹脂と、熱可塑性重合体と着色剤からなる着色混合物とを溶融混練して、基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在する発泡用樹脂組成物粒子を造粒する樹脂粒子製造工程と、該発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、発泡用樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された発泡用樹脂組成物粒子を発泡させる発泡工程とを含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
[2]引張弾性率が1200MPa以上であるポリプロピレン系樹脂からなる基材樹脂と、エチレン系重合体と着色剤を含む着色混合物とを溶融混練して発泡用樹脂組成物粒子を造粒する樹脂粒子製造工程と、該発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、発泡用樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された発泡用樹脂組成物粒子を発泡させる発泡工程とを含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
[3]エチレン系重合体がエチレン−プロピレン系ゴムであることを特徴とする前記[2]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
[4]引張弾性率が1200MPa以上であるポリプロピレン系樹脂からなる基材樹脂と、熱可塑性エラストマーと着色剤とを含む着色混合物とを溶融混練して発泡用樹脂組成物粒子を造粒する樹脂粒子製造工程と、該発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、発泡用樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された発泡用樹脂組成物粒子を発泡させる発泡工程とを含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
[5]引張弾性率が1200MPa以上であるプロピレン単独重合体からなる基材樹脂と、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体と着色剤とを含む着色混合物とを溶融混練して発泡用樹脂組成物粒子を造粒する樹脂粒子製造工程と、該発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、発泡用樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された発泡用樹脂組成物粒子を発泡させる発泡工程とを含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
[6]着色剤がカーボンブラックであることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
[7]カーボンブラックの平均粒径が5nm〜100nmであることを特徴とする前記[6]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
[8]カーボンブラックの含有量が発泡用樹脂組成物粒子を構成する樹脂組成物に対して0.1重量%以上5.0重量%未満であることを特徴とする前記[6]又は[7]に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法は、その樹脂粒子製造工程において基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在する発泡用樹脂組成物粒子を造粒するので、発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程において、有機化酸化物による表面改質が阻されない。従って、低温のスチームで成形できる着色されたポリプロピレン系樹脂発泡粒子が得られる。
また、本発明の製造方法は、該着色剤が特にカーボンブラックであることからマスターバッチベースレジンに取りこまれ易く、それによりカーボンブラックの表面を被覆し、後工程の表面改質に際して表面改質を阻害し難い。それにより、得られた発泡粒子は黒色又は灰色のEPP成形体の製造に好適である。
また、本発明の製造方法は、該カーボンブラックの平均粒径が5nm〜100nmであることから、均一に発色した発泡粒子を得ることができると共に、発泡する際、カーボンブラックの凝集により発泡粒子の気泡壁を破壊せず、連泡化させることが少ないので発泡粒子の二次発泡を低下させない。従って、本発明の方法で得られた発泡粒子を用いれば、良好なEPP成形体を製造することができる
また、本発明の製造方法においては、発泡用樹脂組成物粒子を構成する樹脂組成物に対して0.1重量%以上5.0重量%未満のカーボンブラックを用いた場合、発色がよく、得られる発泡粒子は二次発泡に優れたものである。かかる発泡粒子を用いると、良好な黒色又は灰色のEPP成形体を製造することができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子(以下、単に「本発泡粒子」ともいう)の製造方法は、着色された発泡粒子を得ることを目的とし、引張弾性率が1200MPa以上であるポリプロピレン系樹脂からなる基材樹脂(以下、単に「本基材樹脂」ともいう)と、特定の熱可塑性重合体と着色剤とを含む着色混合物(以下、単に「マスターバッチ」ともいう)とを溶融混練して発泡用樹脂組成物粒子(以下、単に「本樹脂粒子」ともいう)を造粒する樹脂粒子製造工程と、該本樹脂粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、本樹脂粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された本樹脂粒子を発泡させる発泡工程とを含む。
本発明方法の樹脂粒子製造工程において用いる本基材樹脂は、引張弾性率が1200MPa以上のポリプロピレン系樹脂からなる。該ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、またはプロピレン成分を70モル%以上含有する(好ましくはプロピレン成分を80モル%以上含有する)プロピレンと他のコモノマーとの共重合体のいずれか、あるいはこれらの樹脂の中から選ばれる2種以上の混合物が用いられる。
上記プロピレン成分を70モル%以上含有するプロピレンと他のコモノマーとの共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−ブテンランダムコポリマー、プロピレン−エチレン−ブテンランダムコポリマーなどが例示される。
本基材樹脂を構成するポリプロピレン系樹脂は、引張弾性率が1200MPa以上である。本基材樹脂は、自動車分野で要求される高剛性を満足するものである。かかる観点から、本基材樹脂を構成するポリプロピレン系樹脂の引張弾性率は1250MPa以上であることが好ましく、1300MPa以上であることがより好ましく、1360MPa〜2500MPaが更に好ましい。
引張弾性率が1200MPa以上の高剛性のポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体の大半がそのような高剛性を示し、プロピレンと他のコモノマーとの共重合体であってもそのコモノマー成分含有割合が極端に少ないものはそのような高剛性を示す傾向にある。
尚、本明細書における引張弾性率は、JIS K 7161(1994年)に従って以下の条件にて測定して求められた値である。
試験片 JIS K 7162(1994年)記載の試験片1A形(射出成形で直接成形)
引張速度 1mm/分
また、本基材樹脂を構成するポリプロピレン系樹脂は、最終的なEPP成形体の圧縮強度を大きいものとする上で、引張降伏強さが31MPa以上であることが好ましいが、32MPa以上であることがより好ましい。引張降伏強さの上限は特に限定されないが、通常は、45MPaである。
また、該ポリプロピレン系樹脂は、発泡粒子の製造に際しての気泡形成時における気泡の破泡を防止する上で、更には型内成形に際しての加熱時における発泡粒子の気泡の破泡を防止する上で、引張破壊伸びが20%以上であることが好ましいが、100%以上であることがより好ましく、200〜1000%であることが更に好ましい。
上記引張降伏強さ及び引張破壊伸びは、いずれも、JIS K 6758(1981年)記載の測定方法に基づくものである。
また、該ポリプロピレン系樹脂の融点は、最終的なEPP成形体の耐熱性を高いものとする上で、145℃以上であることが好ましく、155℃以上であることがより好ましく、158℃以上であることが更に好ましく、160℃以上であることが最も好ましい。該融点の上限値は、通常、170℃程度である。
また、該ポリプロピレン系樹脂は、MFRと略記されるメルトフローレートが3g/10分以上100g/10分以下であることが好ましい。そのMFRが3g/10分未満であると、型内成形時の成形スチーム温度をより低くする効果が不充分となる虞がある。また、そのMFRが100g/10分を超えると、得られたEPP成形体が脆くなる虞がある。このような観点から、本基材樹脂のMFRは10g/10分以上70g/10分以下であることがより好ましい。
なお、本明細書でいうMFRの測定方法は、マスターバッチのMFR以外はJIS K7210(1976年)試験条件14で行なった値を採用することとする。
本発明方法の樹脂粒子製造工程において、本発明の所期の効果を損なわない範囲内において、本基材樹脂にポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂を添加することができる。ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂の添加量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部当り、多くても35重量部以下であることが好ましく、多くても20重量部以下であることがより好ましく、多くても10重量部以下であることが更に好ましく、多くても5重量部以下であることが特に好ましい。
上記ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂としては、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、或いはポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂等が例示される。
なお、本基材樹脂には、所望に応じて各種添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、たとえば、酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、難燃剤、金属不活性剤、核剤、あるいは気泡調整剤等を挙げることができる。
気泡調整剤としては、たとえばホウ酸亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、ホウ砂、水酸化アルミニウムなどの無機粉体が例示される。これらの添加剤は、合計で基材樹脂100重量部当り20重量部以下で使用されることが好ましく、5重量部以下で使用されることがより好ましい。これらの添加剤は、通常、必要最小限の量で使用される。またこれらの添加剤は例えば、押出機により押出したストランドを切断する等して本発明で使用される本樹脂粒子を製造する際に、押出機内で溶融した本基材樹脂に添加、混練することによって樹脂粒子中に含有させることができる。
尚、本基材樹脂中に、上記したポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂、各種添加剤等が含有された混合樹脂組成物の場合、それら添加物の種類や添加量によっては、混合樹脂組成物の引張弾性率が低下する虞がある。本発明では、本発明の初期の効果を損なわないようにする上で、該混合樹脂組成物の引張弾性率(本基材樹脂の引張弾性率と同じ測定方法)が1200MPaを下回らないように、好ましくは1250MPaを下回らないように、最も好ましくは1300MPaを下回らないように、上記添加物が添加される。
本発明における前記マスターバッチを構成する特定の熱可塑性重合体(以下、単に「マスターバッチベースレジン」ともいう)としては、発泡粒子を構成する基材樹脂とは違うものであって、基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在するものが挙げられ、具体的には、エチレン系重合体、熱可塑性エラストマー、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体(但し、基材樹脂のポリプロピレン系樹脂がプロピレン単独重合体である場合に限る)が挙げられる。前述したマスターバッチベースレジンを使用すれば本樹脂粒子の表面改質工程の際、着色剤が熱可塑性重合体に覆われて基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂に分散するため、表面改質が阻害されないため、得られる発泡粒子が低温のスチームで成形できると考えられる。なお、押出機を用いてマスターバッチを本基材樹脂に溶融混練し、ストランド状に押出して冷却後適宜の長さに切断して発泡用樹脂粒子を製造すると、カット面において着色剤が剥き出しになり表面改質を阻害する場合がある。このような場合であっても、カット面以外の面が表面改質されていれば得られる発泡粒子は低温のスチームで成形できる。
本明細書でいう基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在するとは、本基材樹脂が海状となり、熱可塑性重合体に覆われている着色剤が島状となって分散している状態のことをいう。この場合、熱可塑性重合体と着色剤とからなり島状となって分散しているものの粒径若しくは長さが200μm以下であることが好ましい。かかる構成の本樹脂粒子を用いると、発泡する際に気泡の大きさがばらつかないので、得られるEPP成形体の強度が低下することがない。かかる観点から、上記島状の粒径若しくは長さは150μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。一方、該粒径若しくは長さの下限は、0.05μm以上であることが着色剤が熱可塑性重合体に覆われることができ、表面改質を阻害しないことから好ましく、0.08μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。なお、基材樹脂内部に全ての着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在する必要はなく、本発明の目的である低温のスチームで加熱成形可能な発泡粒子となるものであれば基材樹脂内部に部分的に着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在しないものを含んでも構わない。
前記した粒径若しくは長さは、発泡用樹脂組成物粒子を用いて液体窒素中に入れ、本樹脂粒子を押出方向に対して垂直な面でミクロトームによりスライスし、そのスライス面を透過型電子顕微鏡で撮影した写真より本樹脂粒子の周面近傍における着色剤が熱可塑性重合体に覆われている島状のものの最大粒径若しくは最大長さを無作為に本樹脂粒子1個に対して1箇所測定し、本樹脂粒子100個の平均値を採用することとする。その際、必要に応じて粒径若しくは長さが分かるように基材樹脂または熱可塑性重合体のどちらか一方を着色することができる。
本発明では表面改質工程において本樹脂粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する。これにより低温のスチームで加熱成形可能な発泡粒子となる。即ち、本樹脂粒子の表面近傍(但し、本樹脂粒子がストランド状等にカットされた場合は周面)における着色剤が少なくとも熱可塑性重合体に覆われて存在すれば表面改質を阻害しない。従って、この表面又は周面部分を透過型電子顕微鏡で撮影し、本基材樹脂が海状となり、着色剤が熱可塑性重合体に覆われているものが島状となって分散している状態が確認できれば表面が改質されていることになる。
本発明方法において前記した本基材樹脂が海状となり、着色剤が熱可塑性重合体に覆われて島状となって分散している状態となるマスターバッチベースレジンを選択する方法としては、例えば、従来公知の押出機を用いてマスターバッチベースレジンと着色剤とを溶融混練してマスターバッチを製造し、次に従来公知の押出機を用いて基材樹脂とマスターバッチとを溶融混練して樹脂粒子を製造すればよい。得られた樹脂粒子について前記した島状となって分散しているものの粒径若しくは長さを測定する方法と同様にして写真をとり、その結果、基材樹脂が海状となり、着色剤が熱可塑性重合体に覆われて島状となって分散している状態となるマスターバッチベースレジンであれば、本発明において好適に使用することができる。
前記した本基材樹脂が海状となり、着色剤が熱可塑性重合体に覆われて島状となって分散している状態に調整する方法としては、例えば、着色剤を含有したマスターバッチの粘度を基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂の粘度より大きくすればよい。粘度を調整する方法としては、通常はMFRで調整する方法が挙げられる。逆に、マスターバッチの粘度が基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂の粘度より小さい場合は、マスターバッチの添加量をポリプロピレン系樹脂100重量部に対して30重量部以下とする方法が挙げられる。
本発明においてマスターバッチのMFRは、0.1g/10分以上50g/10分以下であることが本基材樹脂が海状となり、基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在する島状となって分散している状態となることから好ましい。そのMFRが0.1g/10分未満であると、本樹脂粒子を作製する際、押出機の負荷が高くなり、吐出量が低下し、生産性が低下する虞がある。上記観点から0.2g/10分以上がより好ましく、0.3g/10分以上がさらに好ましい。一方、そのMFRが50g/10分を超えると、海状の基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体に覆われた島状となって分散している状態とすることが難しくなる虞がある。このような観点から、本基材樹脂のMFRは30g/10分以下がより好ましく、10g/10分以下がさらに好ましい。
なお、前記したマスターバッチのMFRの測定方法は、JIS K7210(1976年)に準拠して、温度230℃、荷重68.64Nで行なった値を採用することとする。
本発明の方法において、マスターバッチベースレジンとしてエチレン系重合体が用いられる。該エチレン系重合体としては、例えば、直鎖状のエチレン単独重合体、分岐状のエチレン単独重合体、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン成分単位が50モル%を超えるもの等が挙げられる。
前記エチレン系重合体の中でも、得られる発泡用樹脂粒子が、その表面に凹凸が少ない等の表面平滑性に優れた発泡粒子が得られる観点から密度930g/L未満のエチレン系重合体が好ましい。通常、その密度の下限は、850g/L程度である。
前記密度930g/L未満のエチレン系重合体としては、例えば、直鎖状のエチレン単独重合体、分岐状のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン系ゴム等が挙げられる。
前記した直鎖状のエチレン単独重合体としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポチエチレンが例示され、分岐状のエチレン単独重合体としては、低密度ポチエチレンが例示され、通常、その密度の下限は、910g/L程度である。
また、前記したエチレン−プロピレン系ゴムは、発泡粒子を成形する際、二次発泡性に優れ、より低温のスチームで成形可能な発泡粒子、EPP成形体に優れた耐衝撃性を有する発泡粒子を得ることができるので好ましい。該エチレン−プロピレン系ゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレンゴム等の二元系、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの三元系が例示される。これらの中でもエチレン−プロピレンゴムの二元をマスターバッチベースレジンとして用いると、本基材樹脂を海状とし、着色剤を熱可塑性重合体中に存在する状態で島状にして分散させ易いことと、マスターバッチを低コストで製造できることとのバランスに優れていることから好ましい。
前記したエチレン−プロピレンゴムの中でも特に、エチレン成分が70〜95モル%のものがより分散性を有するので好ましい。かかるエチレン−プロピレンゴムは弾性に優れ、しかもポリプロピレン系樹脂からなる本基材樹脂中に、着色剤を覆う島状となって存在し易い。従って、得られる発泡粒子は、着色剤が本基材樹脂に混ざることが妨げられるので、均一に発色し低温のスチームで加熱成形することができ、しかも二次発泡性に優れたものとなる。
前記したエチレン系重合体のMFRは、2〜30g/10分であることが分散性の点から好ましい。そのMFRが2g/10分未満であると、本樹脂粒子を作製する際、押出機の負荷が高くなり、吐出量が低下し、生産性が低下する虞がある。かかる観点から3g/10分以上が好ましく、4g/10分以上がより好ましい。一方、そのMFRが30g/10分を越えると、得られたEPP成形体の圧縮強度等の剛性が低下する虞がある。このような観点から、混合物のMFRは25g/10分以下が好ましく、20g/10分以下がより好ましい。
本発明の方法においては、マスターバッチベースレジンとして熱可塑性エラストマーが用いられる。該熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体エラストマー、スチレン−イソプレン共重合体エラストマー及びそれらの水添物のスチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(SBBSともいう)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(SEBSともいう)等のスチレン系重合体エラストマー、エチレン−オクテン重合体系エラストマー、エチレン−ブチレン重合体系エラストマー等のオレフィン系重合体エラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマーのMFRは、分散性の点から1〜15g/10分が好ましい。
該MFRが1g/10分未満であると、本樹脂粒子を作製する際、押出機の負荷が高くなり、吐出量が低下し、生産性が低下する虞がある。かかる観点から1.5g/10分以上が好ましく、2g/10分以上がより好ましい。一方、そのMFRが15g/10分を越えると、得られたEPP成形体の圧縮強度等の剛性が低下する虞がある。このような観点から、混合物のMFRは10g/10分以下が好ましく、8g/10分以下がより好ましい。
前記した以外に本発明方法において用いられるマスタバッチベースレジンとしては、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。但し、基材樹脂のポリプロピレン系樹脂がプロピレン単独重合体である場合に限る。かかる構成であると基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在する本樹脂粒子となるので表面改質工程の際、表面改質を阻害しないため、得られる発泡粒子を低温のスチームで成形できる。
前記したプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレンランダムコポリマー、プロピレン−エチレンブロックコポリマー、プロピレン−ブテンランダムコポリマー、プロピレン−エチレン−ブテンランダムコポリマー等のプロピレン成分単位を70モル%以上含有するものが挙げられる。
また、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体のMFRは、1〜20g/10分であることが分散性の点から好ましい。
該MFRが1g/10分未満であると、本樹脂粒子を作製する際、押出機の負荷が高くなり、吐出量が低下し、生産性が低下する虞がある。かかる観点から1.5g/10分以上が好ましく、2g/10分以上がより好ましい。一方、該MFRが20g/10分を超えると、得られたEPP成形体の圧縮強度等の剛性が低下する虞がある。このような観点から、混合物のMFRは15g/10分以下が好ましく、10g/10分以下がより好ましい。
本発明において用いられる着色剤は、無機系の顔料であっても、有機系の顔料であっても良く、無機系の顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、バリウム黄等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、カドミウムイエロー、カドミウムレッド等の硫化物、鉄黒、べんがら等の酸化物、群青等のケイ酸塩、酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。又、有機系の顔料としては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾレーキ、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、又はフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の多環式顔料等を挙げることができる。
上記着色剤の中でも、表面に官能基を有するものが着色剤の表面を熱可塑性重合体で被覆し易いことから好ましい。
該官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、エーテル基、キノン基、無水カルボン酸基、ラクトン構造等が挙げられる。
上記着色剤の中でもリサイクルした際に色の調整がし易い点から黒が好ましく、黒の中でも特に、少量で濃い色がでることからカーボンブラックであることが好ましい。さらにカーボンブラックは前記マスターバッチベースレジンに取りこまれ易く、その表面が被覆され易いので、後工程の表面改質に際して表面改質が阻害され難くなるので好ましい。
上記カーボンブラックとしては、例えば、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ローラーブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラックが挙げられる。
これらのカーボンブラックの中でも表面に官能基を有するものが、その表面をマスターバッチベースレジンで被覆し易いことから好ましい。
上記カーボンブラックの平均粒径は、均一に発色した発泡粒子を得ることができると共に、発泡する際、カーボンブラックの凝集により発泡粒子の気泡壁を破壊して、連泡化させることにより発泡粒子の二次発泡を低下させる虞がないことから平均粒径が5〜100nmが好ましい。さらに凝集することがなく分散し易い観点から10nm以上がより好ましく、15nm以上がさらに好ましい。一方、少量で色が濃くなる等の発色性の観点から80nm以下がより好ましく、60nm以下がさらに好ましい。
前記カーボンブラックの平均粒径は、電子顕微鏡にて測定される。
具体的には、視野内に数百個の粒子を含む写真をとり、定方向径(Green径)を代表径として無作為に1000個測定し、得られた値より個数基準の積算分布曲線を作成し、個数基準の積算分布の50%径を平均粒径として採用することとする。
本発明方法においては、カーボンブラックの含有量が本樹脂粒子を構成する樹脂組成物に対して0.1重量%以上であることが色の発色に優れる観点から好ましく、0.2重量%以上がより好ましく、0.3重量%以上がさらに好ましい。一方、得られる発泡粒子が連続気泡化して二次発泡の低下が起こることを防ぐためには、5.0重量%未満が好ましく、4.5重量%以下がより好ましく、4.0重量%以下が更に好ましい。
又、本発明で用いるマスターバッチにおいては、マスターバッチベースレジンとカーボンブラックとの混合重量比(重量%)は40:60〜90:10が好ましい。
カーボンブラックの混合重量比が60重量%を超えると、マスターバッチベースレジンによるカーボンブラックの表面被覆が低下し、本基材樹脂側へカーボンブラックが混ざる量が多くなるので、後述する有機過酸化物による表面改質が阻害される虞がある。一方、該混合重量比が10重量%未満となるとマスターバッチを多量に使用することから相対的にマスターバッチベースレジンの配合比率が高くなり圧縮強度等の物性が低下する虞がある。
本発明の方法におけるマスターバッチの添加量は、マスターバッチベースレジンとカーボンブラックとの混合重量比や最終的なカーボンブラックの含有量にもよるが、基材樹脂100重量部に対して30重量部以下が好ましく、20重量部以下がより好ましく、10重量部以下が更に好ましい。通常その下限は、0.5重量部である。30重量部を超えた場合は、引張弾性率が低下して剛性が低くなる虞れやマスターバッチベースレジンの種類によっては、後述する樹脂粒子製造工程において、混練し難くなる等の加工適性を大きく損なう虞れがある。
尚、本基材樹脂とマスターバッチとを溶融混練して得られた本樹脂粒子における樹脂組成物は、本発明の初期の効果を損なわないようにする上で、該樹脂組成物の引張弾性率(本基材樹脂の引張弾性率と同じ測定方法)が1200MPaを下回らないように、好ましくは1250MPaを下回らないように、最も好ましくは1300MPaを下回らないように、前述したポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂、添加物及びマスターバッチが含有されることが好ましい。
本発明方法の樹脂粒子製造工程においては、本基材樹脂と、マスターバッチと、必要に応じて添加剤とを溶融混練して本樹脂粒子を製造する。該樹脂粒子を製造する方法としては、従来公知の押出機を用いる方法を採用することができる。具体的には、二軸押出機を用いてマスターバッチを本基材樹脂に溶融混練し、ストランド状に押出して冷却後適宜の長さに切断する方法、又はストランドを適宜の長さに切断後または切断と同時に冷却する方法等により、発泡用樹脂粒子を得る方法が挙げられる。
前記した添加剤としては、たとえば、酸化防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、難燃剤、金属不活性剤、核剤、あるいは気泡調整剤等を挙げることができる。気泡調整剤としては、たとえばホウ酸亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、ホウ砂、水酸化アルミニウムなどの無機粉体が例示される。これらの添加剤の含有量は、合計で本基材樹脂100重量部当り20重量部以下で使用されることが好ましく、5重量部以下で使用されることがより好ましい。これらの添加剤の下限の含有量は、概ね、0.01重量部である。またこれらの添加剤は例えば、押出機により押出したストランドを切断する等して本発明方法で使用される本樹脂粒子を製造する際に、押出機内で溶融した本基材樹脂に添加、混練することによって本樹脂粒子中に含有させることができる。
尚、本樹脂粒子としては、本基材樹脂を押出機内で溶融混練して押出したストランドを切断して本樹脂粒子を製造する際に、押出直後のストランドを急冷することによって得られたものが好ましい。そのように急冷された本樹脂粒子であると、後述する表面改質を効率よく行なうことができる。その押出直後のストランドの急冷は、そのストランドを押出し直後に、好ましくは50℃以下に調節された水中に、より好ましくは40℃以下に調節された水中に、最も好ましくは30℃以下に調節された水中に入れることにより行なうことができる。かかる急冷により、後述する表面改質工程で本樹脂粒子の表面改質が効果的に行なわれる。そして充分に冷却されたストランドは水中から引き上げられ、適宜長さに切断することにより、所望の大きさの本樹脂粒子にされる。本樹脂粒子は、通常、長さ/直径比が0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.3となるように調節され、また1個当たりの平均重量(無作為に選んだ200個の重量を同時に測定した1個当たりの平均値)は、0.1〜20mgとなるように、好ましくは0.2〜10mgとなるように調節される。
本発明の方法は、以上説明した樹脂粒子製造工程において製造された本樹脂粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程を含む。
該表面改質工程においては、前記本樹脂粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質されることにより、表面改質が行なわれた発泡粒子は、その表面改質が行なわれていない発泡粒子に比べ、より低温のスチームで型内成形が可能となる。
なお、本明細書における表面改質は、発泡粒子の中心まで進行しないことが好ましい。発泡粒子の中心まで進行したものは、密閉容器内で改質樹脂粒子同士の多数個が融着して大きな塊になり、密閉容器外へ放出することができなくなる虞や、得られたとしても成形する際に二次発泡しない連続気泡化した発泡粒子となる虞がある。
本発明における表面改質工程においては、例えば、有機過酸化物が存在する分散媒体中に本樹脂粒子を分散させるとともに、得られた分散体を本樹脂粒子を構成する基材樹脂の融点よりも低温であって且つ該有機過酸化物が実質的に分解する温度に保持して該有機過酸化物を分解させることによって本樹脂粒子の表面が改質された表面改質粒子(以下「表面改質粒子」ということがある)を得ることができる。
このようにして得られる表面改質された発泡粒子は、熱融着性にすぐれ、低温のスチームであってもその発泡粒子間の融着を行うことができる。
上記表面改質粒子の製造に際して使用される分散媒体は、一般には水性媒体、好ましくは水が使用され、より好ましくはイオン交換水が使用されるが、水に限らず本基材樹脂を溶解せず且つ本樹脂粒子の分散が可能な溶媒又は液体であれば使用することができる。水以外の分散媒体としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げられる。水性媒体には、水と有機溶媒、例えば前記アルコールとの混合液が包含される。
本樹脂粒子の表面改質に用いられる前記有機過酸化物としては、従来公知の各種のもの、例えば、イソブチルパーオキシド、クミルパーオキシネオデカノエート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、サクシニックパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルベンゾイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等が例示される。該有機過酸化物は、単独でまたは2種以上を併用して、本樹脂粒子100重量部当り、通常、0.01〜10重量部添加することが好ましい。0.01重量部未満であると十分に表面改質できない虞れがある。一方、10重量部を超えると基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂が分解し、連続気泡化して成形する際の二次発泡が低下する虞れがある。かかる観点から好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部を分散媒体中に添加する必要がある。
上記有機過酸化物と本樹脂粒子と分散媒体からなる分散体において、本樹脂粒子/分散媒体の重量比が大きくなりすぎると本樹脂粒子に対して均一な表面改質が行なえなくなる虞がある。そうなると、表面改質粒子の中に改質が極度に進みすぎたものが混じり、それが原因で、次の発泡工程において、密閉容器内で改質樹脂粒子同士の多数個が融着して大きな塊になり、密閉容器外へ放出することができなくなる虞がある。そのような観点から、表面改質工程においては上記本樹脂粒子/分散媒体の重量比は1.3以下であることが好ましく、1.2以下がより好ましく、1.1以下が更に好ましく、1.0以下が最も好ましい。ただし、この重量比があまりにも小さくなりすぎると、本樹脂粒子に対する有機過酸化物の使用量を増やさなければ得られる発泡粒子に効果的な低温成形性を付与できない虞がある。有機過酸化物の使用量の増加は、基材樹脂を構成するポリプロピレン系樹脂を分解させてしまい、得られる発泡粒子が連続気泡化して二次発泡の低下が起こる虞がある。有機過酸化物の使用量をより少なくする上で、本樹脂粒子/分散媒体の重量比は0.6以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましい。
有機過酸化物は、本基材樹脂の融点よりも低温で実質的に分解させる。従って、該有機過酸化物の1時間半減期温度(一定温度で有機化酸化物を分解させた際、活性酸素量が1時間で当初の半分になるときのその一定温度)は、本基材樹脂のビカット軟化点(JIS K 6747−1981、以下同じ)以下であることが好ましい。使用する有機過酸化物の1時間半減期温度が本基材樹脂のビカット軟化点を超える場合には、その過酸化物の分解を迅速に行なうには本基材樹脂の融点以上の高温が必要となるので好ましくないし、場合によっては、本基材樹脂の融点よりも低温で実質的に分解させることができないので好ましくない。そして該過酸化物を本基材樹脂の融点以上の高温で実質的に分解させると、該過酸化物が本樹脂粒子の奥深くまで浸透した状態で分解するため、本樹脂粒子を構成
する本基材樹脂が表面、内部を問わず全体的に大きく分解してしまうので、場合によっては、成形に使用できない発泡粒子しか得ることができなくなる虞があり、また成形できたとしても最終的に得られるEPP成形体の機械的物性が大きく低下してしまう虞がある。
以上のことを考慮すると、使用される有機過酸化物は、1時間半減期温度が本基材樹脂のビカット軟化点よりも20℃以上低温であることが好ましく、本基材樹脂のビカット軟化点よりも30℃以上低温であることがより好ましい。尚、該1時間半減期温度は、本基材樹脂のガラス転移温度以上であることが好ましく、取り扱い性等を考慮すると、40〜100℃であることがより好ましく、50〜90℃であることが更に好ましい。
上記ガラス転移温度は、JIS K 7121−1987に従って、熱流束DSCにより求めた中間点ガラス転移温度を意味する(この試験方法における試験片の状態調節については「一定の熱処理を行なった後、ガラス転移温度を測定する場合」を採用する)。
また、該過酸化物は、本樹脂粒子が存在する分散媒体中で、本基材樹脂のビカット軟化点以下で実質的に分解させることが好ましく、本基材樹脂のビカット軟化点よりも20℃以上低温で実質的に分解させることがより好ましく、本基材樹脂のビカット軟化点よりも30℃以上低温で実質的に分解させることが更に好ましい。該有機過酸化物は、該有機過酸化物の1分間半減期温度(一定温度で有機化酸化物を分解させた際、活性酸素量が1分間で当初の半分になるときのその温度)±30℃の温度範囲に10分以上保持して実質的に分解させることが特に好ましい。〔1分間半減期温度−30℃〕よりも低温度で分解させようとする場合、分解させるのに長時間を要してしまうので効率が悪くなってしまう。逆に〔1分間半減期温度+30℃〕よりも高温度で分解させようとする場合、分解が急激
となってしまう虞があり、表面改質の効率を悪くする虞がある。また、1分間半減期温度±30℃の範囲に10分以上保持すれば、有機過酸化物を実質的に分解させることが容易となる。1分間半減期温度±30℃の範囲での保持時間は、長くとるほどより確実に有機過酸化物を分解させることができるが、ある時間以上はもはや必要ない。必要以上の長時間は生産効率の低下をまねく。上記温度範囲での保持時間は通常は長くても60分にとどめるべきである。有機過酸化物を分解させるには、最初に有機過酸化物が分解しにくい温度に調整された上記分散体を用意し、次にその分散体を上記有機過酸化物の分解温度に加熱すればよい。この際、1分間半減期温度±30℃の範囲に10分以上保持されるように昇温速度を選択すればよいが、1分間半減期温度±30℃の範囲内の任意の温度で止めてその温度を5分以上保持することがより好ましい。その際の任意の温度としては、1分間半減期温度±5℃内の温度が最も好ましい。また、実質的に分解させるとは、使用した過酸化物の活性酸素量が当初の50%以下になるまで分解させることを意味するが、その活性酸素量が当初の30%以下になるまで分解させることが好ましく、その活性酸素量が当初の20%以下になるまで分解させることがより好ましく、その活性酸素量が当初の5%以下になるまで分解させることが更に好ましい。
有機過酸化物の上記半減期温度は、ラジカルに対して比較的不活性な溶液(例えばベンゼンやミネラルスピリット等)を使用して、0.1mol/L濃度の有機過酸化物溶液を調整し、窒素置換を行なったガラス管内に密封し、所定温度にセットした恒温槽に浸し、熱分解させて測定される。
尚、本発明における表面改質は、前述したように、本樹脂粒子が存在する分散媒体中で、室温以上且つ本基材樹脂のビカット軟化点以下の比較的狭い温度範囲において過酸化物を分解させることによって行なわれる。但し、該温度範囲内に本基材樹脂の結晶構造がスメチカ構造(低融点結晶)からα晶に変化する温度が存在するので、α晶への変化を抑制し、本樹脂粒子の表面におけるスメチカ構造(低融点結晶)の割合を維持しなければ、得られた発泡粒子を低温のスチームで成形することはできない。
また、前述したように、本発明は着色剤が表面改質を阻害することを防止し、低温のスチームで加熱成形可能な発泡粒子の製造方法を提供することを目的とする。着色剤が表面改質を阻害するメカニズムは、表面改質の際、分散媒体を加熱する際に着色剤が触媒的な作用を起こすことによると考えられる。即ち、カーボンブラック、遷移金属からなる着色顔料等の着色剤は過酸化物の分解をより低い温度で分解させる触媒的な作用を有するため、着色剤が本樹脂粒子の表面に露出していると、着色剤の触媒的な作用により過酸化物が低温で分解してしまい、本来分解を期待する温度範囲(表面改質する温度)の手前でほとんどの過酸化物が分解する結果、十分な表面改質することができないものと考えられる。
本発明の方法においては、本樹脂粒子、表面改質粒子、低温成形可能な改質表面を有する発泡粒子及びそれから得られるEPP成形体は、いずれも、実質的に無架橋であることが好ましい。上記表面改質粒子を製造するに際しては、架橋助剤等を併用しないので実質的に架橋は進行しない。尚、実質的に無架橋であるとは、次のとおり定義される。即ち、基材樹脂、本樹脂粒子、表面改質粒子、本発泡粒子、EPP成形体を問わず、それぞれを試料とし(キシレン100g当たり試料1g使用)、これを沸騰キシレン中に8時間浸漬後、標準網ふるいを規定しているJIS Z 8801(1966年)に定められている網目74μmの金網で速やかに濾過し、該金網上に残った沸騰キシレン不溶分の重量を測定する。この不溶分の割合が試料の10重量%以下の場合を実質的に無架橋というが、その不溶分の割合は、試料の5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることが最も好ましい。その不溶分の割合が少ないほど再利用し易い。不溶分の含有率P(%)を式で表すと下記(1)式の通りである。
P(%)=(M÷L)×100 (1)
ただし、Mは不溶分の重量(g)、Lは試料の重量(g)である。
尚、上記した表面改質粒子から得られた、低温成形可能な改質表面を有する発泡粒子(以下「表面改質発泡粒子」という)は、次のような構造的特異性を有していることが測定結果より判明している。
発泡粒子のDSC測定の結果、表面改質発泡粒子は、従来法により得られた発泡粒子とは異なる傾向を示す。発泡粒子の表層部分と表層部分を含まない内部発泡層に分割して融点を測定したところ、従来の発泡粒子は発泡粒子の表層部分の融点(Tm)の方が内部発泡層の融点(Tm)に比較して必ず高くなる性質があったのに対して、表面改質発泡粒子は表層部分の融点(Tm)の方が内部発泡層の融点(Tm)よりもより低くなっていることが観察された。従って、表面改質発泡粒子としては、TmはTmよりも0.05℃以上低いことが好ましく、0.1℃以上低いことがより好ましく、0.3℃以上低いことが更に好ましい。
発泡粒子の表層部分の融点(Tm)は、発泡粒子の表層部分を切り出し、2〜4mg集めこれを試料とする以外は上記した発泡粒子の高温ピーク熱量の測定と同じ操作を行なって得た第2回目のDSC曲線の固有ピークaの頂点の温度を意味する。また、発泡粒子の内部発泡層の融点(Tm)は、表層部分を含まないように発泡粒子の内部から切り出し、2〜4mg集めこれを試料とする以外は後述する発泡粒子の高温ピーク熱量の測定と同じ操作を行なって得た第2回目のDSC曲線の固有ピークaの頂点の温度を意味する。
また、発泡粒子の表層部分と表層部分を含まない内部発泡層に分割して高温ピーク熱量を測定したところ、従来の発泡粒子は発泡粒子の表層部分の高温ピーク熱量(ΔH)と内部発泡層の高温ピークの熱量(ΔH)との関係が、ΔH≧ΔH×0.87となる性質があったのに対して、表面改質発泡粒子では、ΔH<ΔH×0.86であることが観察された。従って、表面改質発泡粒子としては、ΔH<ΔH×0.86であることが好ましく、ΔH<ΔH×0.83であることがより好ましく、ΔH<ΔH×0.78であることが更に好ましく、ΔH<ΔH×0.75であることが特に好ましく、ΔH<ΔH×0.73であることが最も好ましい。また、ΔHは、ΔH≧ΔH×0.25であることが好ましい。表面改質発泡粒子は、ΔH<ΔH×0.86であることにより、表面改質されていない発泡粒子よりも低温で型内成形が可能となりΔH値が小さくなるほどその効果は大きい。これにより、表面改質発泡粒子からなる単位成形体の部分の剛性を低下させずに低温のスチームで型内成形が可能となる。尚、ΔHは、1.7J/g〜60J/gであることが好ましく、2J/g〜50J/gであることがより好ましく、3J/g〜45J/gであることが更に好ましく、4J/g〜40J/gであることが最も好ましい。
発泡粒子の表層部分の高温ピーク熱量は、発泡粒子の表層部分を切り出し、2〜4mg集めこれを試料とする以外は後述する発泡粒子の高温ピーク熱量の測定と同じ操作を行なって求めることができる。また、発泡粒子の内部発泡層の高温ピーク熱量は、表層部分を含まないように発泡粒子の内部から切り出し、2〜4mg集めこれを試料とする以外は後述する発泡粒子の高温ピーク熱量の測定と同じ操作を行なって求めることができる。
上記の発泡粒子の表層部分と表層部分を含まない内部発泡層に分割して融点及び高温ピーク熱量を測定する方法は次の通りである。
発泡粒子の表層部分は、表層部分をカッターナイフ、ミクロトーム等を用いてスライスして表層部分を集めて測定に供すればよい。但し、スライスされた発泡粒子の表層部分の表面の全面には発泡粒子の表面を必ず存在させるが、スライスされた発泡粒子の表層部分の裏面においては、発泡粒子の表面から発泡粒子の重心に向って200μmを越える部分が含まれないように、発泡粒子表面の無作為に選んだ1箇所又は複数箇所からスライスされる。スライスされた発泡粒子の表層部分の裏面において、発泡粒子の表面から発泡粒子の重心に向って200μmを越える部分が含まれるようになると、内部発泡層を多量に含有することとなり表層部分の融点及び高温ピーク熱量を正確に測定できない虞がある。尚、1個の発泡粒子から得られる表層部分が2〜4mgに満たない場合は複数個の発泡粒子を使用して上記操作を繰り返して必要量の表層部分を集めればよい。
一方、発泡粒子の表層部分を含まない内部発泡層は、発泡粒子の表面と、発泡粒子の表面から発泡粒子の重心部に向かって200μmとの間の部分が含まれないように発泡粒子の全面から表層部分を切除したものを使用して融点及び高温ピーク熱量の測定に供すればよい。ただし、発泡粒子の大きさが小さすぎて上記の表面から200μmの部分を切除すると内部発泡層がなくなってしまう場合には、発泡粒子の表面と、発泡粒子の表面から発泡粒子の重心部に向かって100μmとの間の部分が含まれないように発泡粒子の全面から表層部分を切除したものが内部発泡層として使用され、更にそれでも内部発泡層がなくなってしまう場合には、発泡粒子の表面と、発泡粒子の表面から発泡粒子の重心部に向かって50μmとの間の部分が含まれないように発泡粒子の全面から表層部分を切除したものが内部発泡層として使用される。尚、1個の発泡粒子から得られる内部発泡層が2〜4mgに満たない場合は複数個の発泡粒子を使用して上記操作を繰り返して必要量の内部発泡層を集めればよい。
本発明方法は、本樹脂粒子製造工程と、本樹脂粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、本樹脂粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された本樹脂粒子を発泡させる発泡工程とを含む。
該発泡工程における表面改質粒子の発泡方法は、大きく2通りに分けられる。
ひとつは、高温高圧下で発泡剤を樹脂粒子に含浸させ、温度を室温までさげた後、除圧して発泡性樹脂粒子として取出し、該発泡性樹脂粒子をスチームや熱風等の加熱媒体を用いて発泡させる方法である。もうひとつは、表面改質粒子が発泡可能な温度で、表面改質粒子と分散媒体とを低圧帯域に放出することにより発泡粒子を得る方法(以下、「分散媒放出発泡方法」といい、該方法により表面改質粒子を発泡させる工程を「分散媒放出発泡工程」という)である。本発明方法においては、生産性に優れる分散媒放出発泡方法を採用することが好ましく、該方法によれば発泡粒子を短時間で効率よく生産できる。
発泡工程において上記分散媒放出発泡方法を採用した場合、前記表面改質工程と上記分散媒放出発泡工程を含む発泡工程とは、それぞれ別の装置で別な時期に実施することも可能であるが、同じ容器内で表面改質工程と分散媒放出発泡工程を含む発泡工程を続けて行なうことによって発泡粒子を得ることが、短時間で効率よく発泡粒子を生産できるので好ましい。
分散媒放出発泡工程を含む発泡工程においては、密閉容器内での上記表面改質粒子が融着することを防止するために、表面改質粒子/該分散媒体の重量比を0.5以下、好ましくは0.5〜0.1にすることが好ましい。尚、上記表面改質工程における本樹脂粒子/該分散媒体の重量比が0.6〜1.3であった場合であって且つ表面改質工程と発泡工程とを同じ容器で実施する場合は、発泡工程における表面改質粒子/該分散媒体の重量比を0.5以下にするには、表面改質工程後に分散媒体を容器内に追加すればよい。
上記表面改質粒子、それから得られる低温成形可能な改質表面を有する発泡粒子及びそのEPP成形体中には、前記有機過酸化物の分解に伴なって生成される分子量50以上のアルコールが数百ppm乃至数千ppm程度含有され得る。そのようなアルコールとしては、後述される実施例で示されたビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートが使用された場合には、P−t−ブチルシクロヘキサノールが表面改質粒子中に含有され得る。他の過酸化物が使用された場合には他のアルコールが含有され得る。そのようなアルコールとしては、例えば、イソプロパノール、S−ブタノール、3−メトキシブタノール、2−エチルヘキシルブタノール、t−ブタノールが例示される。
上記分散媒放出発泡方法では、容器内の加熱下の表面改質粒子が容器内で互いに融着しないように、分散媒体中に分散剤を添加することが好ましい。そのような分散剤としては、表面改質粒子の容器内での融着を防止するものであればよく、有機系、無機系を問わず使用可能であるが、取り扱いのし易さから微粒状無機物が好ましい。例えば、アムスナイト、カオリン、マイカ、クレー等の天然又は合成粘土鉱物や、酸化アルミニウム、酸化チタン、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、酸化鉄等を1種または数種の組み合わせで使用する事ができる。
更に、上記分散媒放出発泡方法においては、分散剤の分散力を強化する(分散剤の添加量を少なくしても容器内で表面改質粒子同士の融着を防止する)分散強化剤を分散媒体中に添加してもよい。このような分散強化剤は、40℃の水100ccに対して少なくとも1mg以上溶解し得る無機化合物であって、該化合物の陰イオンまたは陽イオンの少なくとも一方が2価または3価の無機物質である。このような無機物質としては、たとえば、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄等が例示される。
通常、表面改質粒子100重量部当り、分散剤は0.001〜5重量部程度で使用され、分散強化剤は0.0001〜1重量部程度で使用される。
本発泡粒子を製造する際に用いる発泡剤としては、プロパン、ブタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロブタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類、クロロフロロメタン、トリフロロメタン、1,2−ジフロロエタン、1,2,2,2−テトラフロロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素などの有機系物理発泡剤や、窒素、酸素、空気、二酸化炭素、水といったいわゆる無機系物理発泡剤が例示される。有機系物理発泡剤と無機系物理発泡剤を併用することもできる。本発明の方法においては、窒素、酸素、空気、二酸化炭素、水の群から選択される1又は2以上の無機系物理発泡剤を主成分とするものが特に好適に使用される。その中でも発泡粒子の見掛け密度の安定性、環境負荷やコストなどを考慮すると、窒素や空気が好ましい。また発泡剤として水を使用する場合は、表面改質粒子を密閉容器中に分散させるために分散媒体として使用される水(イオン交換水も含む)をそのまま利用すればよい。
上記分散媒放出発泡方法において、物理発泡剤の容器内への充填量は、使用する発泡剤の種類と発泡温度と目的とする本発泡粒子の見掛け密度に応じて適宜選択される。例えば発泡剤として窒素を使用し、分散媒体として水を使用した場合を例にとると、発泡開始直前の安定した状態にある密閉容器内の圧力、すなわち密閉容器内空間部の圧力(ゲージ圧)が、0.6〜6MPaとなるように選定することが好ましい。通常は、目的とする本発泡粒子の見掛け密度が小さいほど前記容器内の空間部の圧力は高くすることが望ましく、目的とする本発泡粒子の見掛け密度が大きいほど空間部の圧力は低くすることが望ましい。
分散媒放出発泡方法における物理発泡剤の容器内への充填は、昇温と同時に充填しても、昇温の途中に充填しても、発泡開始直前の安定した状態に充填しても樹脂粒子に発泡剤が含浸していれば構わない。
本発明方法により得られる低温成形可能な表面が改質された本発泡粒子は、見掛け密度が10g/L〜500g/Lであることが好ましい。該見掛け密度が10g/L未満の場合は、最終的に得られるEPP成形体の機械的強度が弱くなる虞があり、500g/Lを超える場合はEPP成形体が発泡体特有の軽量性を失う虞がある。
該本発泡粒子は、該本発泡粒子についての熱流束示差走査熱量測定、(以下、単に「示差走査熱量測定」ともいう)により得られるDSC曲線において、本基材樹脂の融解熱に由来する吸熱曲線ピーク(固有ピーク)の頂点よりも高温側に吸熱曲線ピーク(高温ピーク)の頂点が存在することが好ましい。かかる本発泡粒子は、独立気泡率が高く、加熱成形に好適である。
上記高温ピークの熱量は、得られるEPP成形体の圧縮強度を高いものとする観点から15J/g以上が好ましく、20J/g以上がより好ましく、25J/g以上がさらに好ましい。一方、成形温度の低減効果を低くする観点から60J/g以下が好ましく、55J/g以上がより好ましく、50J/g以上がさらに好ましい。また、上記高温ピークの熱量は、高温ピークの熱量と固有ピークの熱量の総和に対して15〜60%であることが好ましい。これにより前記した高温ピークの熱量が全ての吸熱曲線ピークの熱量の合計に対して15%未満の場合は、成型する際、低温のスチームで成形できるものの、得られるEPP成形体の圧縮強度、エネルギー吸収量などが低下する虞がある。また、60%を超える場合は、発泡粒子を成形するに先立ち発泡粒子内に付与しなければならない空気圧が高くなりすぎたり、成形サイクルが長くなる虞れがある。かかる観点から20〜50%であることがより好ましい。また、高温ピークの熱量と固有ピークの熱量の総和は40J/g〜150J/gであることが好ましい。尚、本明細書において言う高温ピークの熱量と固有ピークの熱量は、いずれも吸熱量を意味し、その数値は絶対値で表現される。
発泡粒子の高温ピークの熱量は、発泡粒子2〜4mgを、示差走査熱量計によって室温(10〜40℃)から220℃まで10℃/分で昇温した時に得られる図1に示す第1回目のDSC曲線に認められる基材樹脂の融解熱に由来する固有の吸熱曲線ピーク(固有ピーク)aが現れる温度よりも高温側に現れる吸熱曲線ピーク(高温ピーク)bの熱量で、この高温ピークbの面積に相当するものであり、具体的には次のようにして求めることができる。
まずDSC曲線上の80℃に相当する点αと、発泡粒子の融解終了温度Tに相当するDSC曲線上の点βとを結ぶ直線(α−β)を引く。次に上記の固有ピークaと高温ピークbとの間の谷部に当たるDSC曲線上の点γからグラフの縦軸と平行な直線を引き、前記直線(α−β)と交わる点をσとする。高温ピークbの面積は、DSC曲線の高温ピークb部分の曲線と、線分(α−β)と、線分(γ−σ)とによって囲まれる部分(図1において斜線を付した部分)の面積であり、これが高温ピークの熱量に相当する。尚、上記融解終了温度Tとは、高温ピークbの高温側におけるDSC曲線と高温側ベースラインとの交点をいう。
また、高温ピークの熱量と固有ピークの熱量の総和は、前記直線(α−β)とDSC曲線とで囲まれる部分の面積に相当する。
尚、発泡粒子の固有ピークと高温ピークを上記の通り示差走査熱量計によって測定するに際しては、発泡粒子1個当たりの重量が2mg未満の場合は、総重量が2mg〜10mgとなる複数個の発泡粒子をそのまま測定に使用すればよく、また、発泡粒子1個当たりの重量が2mg〜10mgの場合には、発泡粒子1個をそのまま測定に使用すればよく、また、発泡粒子1個当たりの重量が10mg超の場合には、1個の発泡粒子を、複数個に切断して得た重量が2〜10mgとなる切断試料1個を測定に使用すればよい。ただし、この切断試料は、1個の発泡粒子をカッター等を使用して切断されたものであるが、切断に際しては、当初から有する発泡粒子の表面は切除せずにそのまま残すと共に、各切断試料の形状ができる限り同じ形状となるように均等に且つ各切断試料においては切除せずに残された上記発泡粒子表面の面積ができる限り同じ面積となるように切断されることが好ましい。例えば発泡粒子1個当たりの重量が18mgの場合には、任意の方向に向けた発泡粒子を垂直方向の真中より水平に切断すれば2個のほぼ同じ形状の約9mgの切断試料が得られ、各切断試料は、当初から有する発泡粒子の表面はそのまま残されていると共にその表面の面積は各切断試料でほぼ同じ面積となる。このようにして得られた2個の切断試料の内の1個を上記の通り固有ピークと高温ピークの測定に使用すればよい。尚、本明細書では、断り無く単に「発泡粒子の高温ピーク」と表現している場合には、以上の測定で得られた高温ピークの熱量のことを言い、これは前述した発泡粒子の表層部分に関する高温ピークの熱量及び内部発泡層に関する高温ピークの熱量とは異なるものである。
尚、この高温ピークbは、上記のようにして測定した第1回目のDSC曲線には認められるが、第1回目のDSC曲線を得た後、220℃から10℃/分で一旦40℃付近(40〜50℃)まで降温し、再び10℃/分で220℃まで昇温した時に得られる第2回目のDSC曲線には認められず、図2に示されるような基材樹脂の融解時の吸熱に相当する固有ピークaのみが認められる。
尚、発泡粒子の第1回目のDSC曲線に現れる固有ピークaの頂点の温度は、基材樹脂の融点(Tm)を基準とすると、通常、[Tm−5℃]〜[Tm+5℃]の範囲に現れる(最も一般的には[Tm−4℃]〜[Tm+4℃]の範囲に現れる)。また、発泡粒子の第1回目のDSC曲線に現れる高温ピークbの頂点の温度は、基材樹脂の融点(Tm)を基準とすると、通常、[Tm+5℃]〜[Tm+15℃]の範囲に現れる(最も一般的には[Tm+6℃]〜[Tm+14℃]の範囲に現れる)。また、発泡粒子の第2回目のDSC曲線に認められる固有ピークaの頂点の温度(基材樹脂の融点に対応する温度)は、基材樹脂の融点(Tm)を基準とすると、通常、[Tm−2℃]〜[Tm+2℃]の範囲に現れる。
本発明方法で得られる本発泡粒子は、前記の通り、DSC測定において、1回目のDSC曲線に高温ピークが出現する結晶構造を有するものであるが、この高温ピークの熱量は本基材樹脂の融点と発泡温度の差に強く影響される。
また、一般的に発泡粒子の高温ピーク熱量は特に発泡粒子相互の融着に関して最低融着温度を決定する因子として作用する。高温ピーク熱量は、この最低融着温度と密接な関係にあり、全く同一の基材樹脂を用いた場合、高温ピーク熱量値が小さい方が高温ピーク熱量値が大きい場合よりも最低融着温度が低くなる傾向がある。この高温ピーク熱量の値には発泡粒子の製造段階で樹脂粒子を発泡させる発泡温度の高低が強く影響しており、同一の基材樹脂を用いた場合、発泡温度が高い方が低い場合より高温ピーク熱量値が小さくなる傾向がある。
尚、該最低融着温度とは、発泡粒子相互が型内で融着し、EPP成形体として実用可能な状態のものを得るために必要な最低の飽和スチーム圧力を与える温度を意味する。
ところが、一般的に高温ピーク熱量が小さい発泡粒子を用いてEPP成形体を得る場合、最低融着温度は相対的に低い傾向があるものの、EPP成形体の圧縮強度(剛性)等の強度物性等が相対的に低下する傾向がある。一方で、高温ピーク熱量が大きい発泡粒子を用いてEPP成形体を得る場合、EPP成形体の圧縮強度等の強度物性等が相対的に高い傾向があるものの最低融着温度が相対的に高くなり、前述のようにEPP成形体を製造する際に高い圧力のスチームを必要とする場合が生じるといった問題が発生する。即ち、最も好ましい発泡粒子は、一般的に最低融着温度が低く且つEPP成形体の圧縮強度等の強度物性等が相対的に高いという相反する性質を同時に有する発泡粒子である。これらの点は、本発明方法により得られる本発泡粒子についても同様である。
本発明方法で得られる本発泡粒子は、表面が改質されており上記最低融着温度が効果的に低下されたものである。従って、本発明方法で得られた本発泡粒子を用いてEPP成形体を製造すると、低温のスチームで成形した場合であっても圧縮強度等の機械的物性に優れたEPP成形体を得ることができる。
DSC曲線における高温ピークを有する本発泡粒子は、密閉容器内で分散媒体に表面改質粒子を分散させて加熱する際に、本基材樹脂の融解終了温度(Te)以上に昇温することなく、本基材樹脂の融点(Tm)より20℃低い温度以上、融解終了温度(Te)未満の範囲内の任意の温度(Ta)で止めてその温度(Ta)で十分な時間、好ましくは10〜60分程度保持し、その後、融点(Tm)より15℃低い温度から融解終了温度(Te)+10℃の範囲の任意の温度(Tb)に調節し、その温度で止め、必要により当該温度でさらに十分な時間、好ましくは10〜60分程度、保持してから表面改質粒子を密閉容器内から低圧下に放出して発泡させる方法等により得ることができる。
尚、上記融点(Tm)とは、本樹脂粒子2〜4mgを試料として用いて前述の如き発泡粒子のDSC曲線を得るのと同様の方法で本樹脂粒子に対して示差走査熱量測定を行い、これによって得られた2回目のDSC曲線(その一例を図2に示す)に認められる基材樹脂固有の吸熱曲線ピークaの頂点の温度であり、融解終了温度(Te)とは、該固有の吸熱曲線ピークaの高温側におけるDSC曲線と高温側ベースライン(B)との交点(β)を言う。本樹脂粒子に対する2回目のDSC曲線に現れる吸熱曲線ピークは、それがポリプロピレン系樹脂の融解に基づくピークであることを前提として、通常は1つの吸熱曲線ピークとなって現れる。ただし、2以上のポリプロピレン系樹脂の混合物からなる場合等には、まれに2以上の吸熱ピークが認められることがある。その場合には、各ピークの頂点を通ると共にグラフの縦軸と平行な(横軸と直交する)直線をそれぞれ引き、各直線においてピークの頂点からベースラインBまでの長さを測定し、その長さが最も長い直線上のピークの頂点を上記Tmとする。ただし、最も長い直線が2以上存在する場合には、最も高温側のピークの頂点を上記Tmとする。
また、本発泡粒子における上記高温ピークの熱量の大小は、主として、本発泡粒子を製造する際の樹脂粒子(表面改質粒子)に対する上記温度Taと該温度における保持時間および上記温度Tbと該温度における保持時間ならびに昇温速度に依存する。本発泡粒子の上記高温ピークの熱量は、温度TaまたはTbが上記温度範囲内において低い程、保持時間が長い程、大きくなる傾向を示す。通常、加熱時の昇温速度(加熱開始から温度保持を開始するまでの間の平均昇温速度)は0.5〜5℃/分が採用される。これらの点を考慮して予備実験を繰り返すことにより、所望の高温ピーク熱量を示す本発泡粒子の製造条件を容易に知ることができる。
尚、以上で説明した上記温度TaまたはTb範囲は、発泡剤として無機系物理発泡剤を使用した場合の適切な温度範囲である。有機系物理発泡剤が併用された場合には、その種類や使用量に応じてその適切な温度範囲は上記温度範囲よりもそれぞれ低温側にシフトする傾向がある。
前記本発泡粒子の見掛け密度(g/L)は、本発泡粒子の重量(g)を本発泡粒子の見掛け体積(L)で除すことにより算出される。本発泡粒子の見掛け体積は、23℃、大気圧下に48時間以上放置された本発泡粒子約5gを23℃の水100cmが収容されたメスシリンダー内の水に水没させたときの排除体積から、本発泡粒子の見掛け体積(cm)を読み取り、これをリットル単位に換算することにより求まる。この測定には本発泡粒子重量が0.5000〜10.0000g、かつ本発泡粒子の見掛け体積が50〜90cmとなる量の複数個の本発泡粒子が使用される。
本発明方法で得られる本発泡粒子は、大気圧下で熟成した後、必要に応じて気泡内圧を高めてから、水蒸気や熱風を用いて加熱することによって、より高発泡倍率の本発泡粒子とすることが可能である。
本発明方法で得られた本発泡粒子を用いて成形されるEPP成形体は、本発泡粒子を、必要に応じて気泡内圧を高めてから、加熱及び冷却が可能であってかつ開閉及び密閉できる型内に充填し、飽和スチームを供給して型内で本発泡粒子を加熱して膨張させて相互に融着させ、次いで冷却して型内から取り出すバッチ式成形法を採用して製造することができる。当該バッチ式成形法で使用される成形機としては、既に数多くの成形機が世界中に存在し、国によって多少異なるものの、その耐圧は、0.41MPa(G)又は0.45MPa(G)のものが多い。従って、本発泡粒子同士を膨張させて融着させる際の飽和スチームの圧力は、0.45MPa(G)以下であることが好ましく、0.41MPa(G)以下であることがより好ましい。
また、EPP成形体は、連続式成形法(例えば特開平9−104026号、特開平9−104027号及び特開平10−180888号等に記載される成形方法)を採用して製造することもできる。該連続式成形法においては、必要に応じて気泡内圧が高められた本発泡粒子を、通路内の上下に沿って連続的に移動するベルト間に連続的に供給し、飽和スチーム供給領域(加熱領域)を通過する際に本発泡粒子どうしを膨張させて融着させ、その後冷却領域を通過させて冷却し、次いで得られた成形体を通路内から取り出し、適宜の長さに順次切断することによって、EPP成形体が製造される。
尚、本発泡粒子の気泡内圧を高める場合には、密閉容器に本発泡粒子を入れ、該容器内に加圧空気を供給した状態で適当な時間放置して本発泡粒子内に加圧空気を浸透させればよい。加圧供給される気体は必要とされる圧力下で液化、固化しない無機ガスが主成分であれば問題なく使用できるが、さらに窒素、酸素、空気、二酸化炭素、アルゴンの群から選択される1又は2以上の無機ガスを主成分とするものが特に好適に使用され、さらにその中でも環境負荷やコストなどを考慮すると、窒素や空気が好ましい。
内圧が高められた本発泡粒子の内圧P(MPa)は、次の操作により測定される。尚、ここでは、空気を使用して本発泡粒子の内圧を高めた例を示す。
まず、成形に使用される本発泡粒子は、密閉容器に入れられ、該容器内に加圧空気を(通常は容器内の空気圧がゲージ圧で0.98〜9.8MPaの範囲を維持するように)供給した状態で適当な時間放置して本発泡粒子内に空気を透過させることにより本発泡粒子の内圧が高められる。充分に内圧が高められた本発泡粒子は、成形機の金型内に供給される。
本発泡粒子の内圧は型内成形直前の本発泡粒子の一部(以下、本発泡粒子群という。)を使用して、次の操作を行うことによって求められる。
内圧が高められた型内成形直前の本発泡粒子群を加圧タンク内から取り出してから60秒以内に、本発泡粒子は通過させないが空気は自由に通過できるサイズの針穴を多数穿設した70mm×100mm程度のポリエチレン製袋の中に収容して気温23℃、相対湿度50%の大気圧下の恒温室に移動する。続いてその恒温室内の秤に載せて重量を読み取る。その重量の測定は、上記した本発泡粒子群を加圧タンク内から取出してから120秒後とする。このときの重量をQ(g)とする。続いてその袋を同恒温室に48時間放置する。本発泡粒子内の加圧空気は時間の経過と共に気泡膜を透過して外部に抜け出すため本発泡粒子群の重量はそれに伴って減少し、48時間後では平衡に達しているため実質的にその重量は安定する。上記48時間後に再度その袋の重量を測定し、このときの重量をU(g)とする。続いて直ちに同恒温室内にて袋から発泡粒子群の全てを取り出して袋のみの重量を読み取る。その重量をZ(g)とする。上記のいずれの重量も0.0001gまで読み取るものとする。Q(g)とU(g)の差を増加空気量W(g)とし、下記(2)式より本発泡粒子の内圧P(MPa)が計算される。尚、この内圧Pはゲージ圧に相当する。
P=(W÷M)×R×T÷V (2)
ただし、(2)式中、Mは空気の分子量であり、ここでは28.8(g/モル)の定数を採用する。Rは気体定数であり、ここでは0.0083(MPa・L/(K・mol))の定数を採用する。Tは絶対温度を意味し、23℃の雰囲気が採用されているので、ここでは296(K)の定数である。Vは発泡粒子群の見掛け体積から発泡粒子群中に占める基材樹脂の体積を差し引いた体積(L)を意味する。
尚、本発泡粒子群の見掛け体積(L)は、48時間後に袋から取り出された本発泡粒子群の全量を直ちに同恒温室内にて23℃の水100cmが収容されたメスシリンダー内の水に水没させたときの目盛りから、発泡粒子群の体積Y(cm)を算出し、これをリットル(L)単位に換算することによって求められる。また発泡粒子群の見掛け密度(g/cm)は、上記発泡粒子群重量(U(g)とZ(g)との差)を体積Y(cm)で除すことにより求められる。
尚、以上の測定においては、上記発泡粒子群重量(U(g)とZ(g)との差)が0.5000〜10.0000gで、かつ体積Yが50〜90cmとなる量の複数個の発泡粒子群が使用される。
以上説明したように本発明方法において、マスターバッチにおけるマスターバッチベースレジンを特定したことにより、本基材樹脂のポリプロピレン系樹脂が海状、基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体で覆われて存在する島状となって分散している状態であるため、着色剤が後工程の有機過酸化物による本樹脂粒子の表面改質を阻害しないと考えられる。
これにより本発明方法においては、低温のスチームで加熱成形でき、発色性に優れた発泡粒子を得ることができる。
尚、本発明方法により得られた本発泡粒子を用いたEPP成形体の表面の少なくとも一部に、表面装飾材を積層一体化することができる。そのようなラミネート複合タイプの型内発泡成形体の製造方法は、米国特許第5928776号、米国特許第6096417号、米国特許第6033770号、米国特許第5474841号、ヨーロッパ特許477476号、WO98/34770号、WO98/00287号、日本特許第3092227号等の各公報に詳細に記載されている。
また、本発明方法により得られた本発泡粒子EPP成形体の中には、インサート材の全部または一部が埋設されるようにして該インサート材を複合一体化することができる。そのようなインサート複合タイプの型内発泡成形体の製造方法は、米国特許第6033770号、米国特許第5474841号、日本公開特許昭59−127714号、日本特許第3092227号等の各公報に詳細に記載されている。
本発明方法により得られた本発泡粒子を用いたEPP成形体の用途としては、包装材料、建築材料、断熱材、バンパー芯材、ドアパット、ピラー、ツールボックス、フロアI−マット等の自動車用部材が挙げられる。前記した中でも自動車用バンパー芯材、ヘルメット芯材等の衝撃吸収材として用いることが好ましい。
以下に本発明について実施例および比較例を挙げて詳細に説明する。
実施例と比較例において基材樹脂として使用したポリプロピレン系樹脂の種類、ガラス転移温度、ビカット軟化温度、融点、引張弾性率及びメルトフローレート(表中では「MFR」と示す)を表1に示した。
実施例と比較例において使用する着色剤の略称、組成及び平均粒径を表2に示した。
実施例と比較例において使用する着色混合物のベースレジン(表中では「マスターバッチベースレジン」と示す)の略称、マスターバッチベースレジンの種類及びマスターバッチベースレジンのMFRを表3に示した。
Figure 2005023302
Figure 2005023302
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実施例1〜8、比較例1〜3
表4〜6に示した配合のマスターバッチを予め二軸押出機により作製し、表4〜6に示した樹脂組成物中の着色剤の含有量となるようにマスターバッチを配合し、樹脂組成物100重量部に対し、ホウ酸亜鉛粉末(気泡調整剤)0.05重量部を添加して二軸押出機内で溶融混練した後、押出機からストランド状に押出し、そのストランドを直ちに25℃に調節された水中に入れて急冷しながら引き取り、充分に冷却した後、水中から引き上げ、長さ/直径比が略1.0になるようにストランドを切断して、1粒子当りの平均重量が2mgの発泡用樹脂組成物粒子を得た。
得られた発泡用樹脂組成物粒子について、熱可塑性重合体と着色剤とからなる島状の部分の粒径若しくは長さを以下のように測定した。
まず、発泡用樹脂組成物粒子を液体窒素中に入れ、発泡用樹脂組成物粒子を押出方向に対して垂直な面でミクロトームでスライスし、そのスライス面を透過型電子顕微鏡で撮影した。得られた写真より発泡用樹脂組成物粒子の周面近傍における着色剤が熱可塑性重合体に覆われている部分の最大粒径若しくは最大長さを発泡用樹脂組成物粒子1個に対して無作為に1箇所測定し、発泡用樹脂組成物粒子100個の平均値を島状の部分の粒径若しくは長さとした。その際、島状の部分の粒径若しくは長さが分かるようにマスターバッチベースレジンを着色した。
実施例で得られた発泡用樹脂組成物粒子のスライス面を観察したところ、着色剤が熱可塑性重合体に覆われており、本基材樹脂が海状となり、着色剤が熱可塑性重合体に覆われているものが島状となって分散していた。その長さは0.05μm以上200μm以下であった。
表4〜6に本樹脂粒子における樹脂組成物に使用される基材樹脂、マスターバッチの組成、マスターバッチのメルトフローレート(表中ではMFRとした)及び樹脂組成物中の着色剤の含有量を示した。
次いで5リットルのオートクレーブに、上記発泡用樹脂組成物粒子100重量部、イオン交換水300重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)0.01重量部とカオリン(分散剤)0.3重量部、粉末硫酸アルミニウム(分散助剤)0.01重量部を仕込み、次いで、有機過酸化物(ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート)1.0重量部及びドライアイス(表4〜6に示した発泡剤の量)を入れた後、攪拌しながら表4〜6の発泡温度より5℃低い温度まで2℃/分の昇温速度で昇温し、その温度で15分保持し、次いで2℃/分の昇温速度で昇温し、表4〜6の発泡温度で15分保持した後、オートクレーブ内の圧力(P:MPa(G))に対して(P+0.49MPa(G))となるように窒素を圧入し、次いで、オートクレーブの一端を開放してオートクレーブ内容物を大気圧下の空間に放出して発泡粒子を得た。尚、樹脂粒子をオートクレーブから放出する間のオートクレーブ内の圧力が、放出直前のオートクレーブ内圧力に保たれるように、オートクレーブ内に窒素を供給しながら放出を行った。
参考例1
着色剤を添加しない以外は実施例1と同様に行なった。配合及び結果を表4に示す。
実施例1〜8、比較例1〜3、参考例1で得られた発泡粒子を水洗してから、24時間大気圧下に放置して養生した後、発泡粒子の高温ピーク熱量及び発泡粒子の見掛け密度、表層部分の高温ピーク熱量及び内部発泡層の高温ピーク熱量を測定した。
尚、発泡粒子の高温ピーク熱量及び見掛け密度、表層部分の高温ピーク熱量及び内部発泡層の高温ピーク熱量の測定は、前述した方法に従って行なった。測定結果を表4〜6に示した。
得られた発泡粒子を用いて以下に示すようにEPP成形体を成形した。
0.45MPa(G)の飽和スチーム圧力に耐え得る成形機を用いて、長さ400mm×幅200mm×厚み50mmの成形空間を持つ金型内に、金型を完全に閉鎖せずに僅かな隙間(約10mm)を開けた状態(厚さ50mmの方向を60mm)で充填し、次いでスチームで金型内の空気を排気した後に完全に型締めし、表4〜6に示す成形圧力のスチームを金型内に供給することによって加熱成形した。
加熱成形後、金型内のEPP成形体の面圧が0.059MPa(G)となるまで水冷した後、EPP成形体を金型から取り出し、60℃で24時間養生した後、室温まで冷却してEPP成形体を得た。
尚、実施例、比較例で得られた基材樹脂、本樹脂粒子、表面改質粒子、本発泡粒子及びEPP成形体は、いずれも実質的に無架橋で、前記沸騰キシレン不溶分はいずれも0であった。
本実施例における表4〜6の加熱成形時の成形圧力は、0.15MPa(G)〜0.45MPa(G)まで0.01MPa(G)づつ成形圧力を変えて繰り返し成形を実施し、融着率が0.6となる最低の成形圧力を採用した。
前記した融着率の具体的な測定は、次のようにおこなった。
まず、得られたEPP成形体を、カッターナイフで成形体の厚み方向に約10mmの切り込みを入れた後、手で切り込み部から成形体を破断した。次に、破断面に存在する発泡粒子の個数(n)と、材料破壊した発泡粒子の個数(b)を測定し、(n)と(b)の比(b/n)の値を融着率とした。
得られたEPP成形体の見掛け密度、50%圧縮強度を測定し、二次発泡性の評価、L値及び色合いの評価を行った。その結果を表4〜6に示した。
Figure 2005023302
Figure 2005023302
Figure 2005023302
表4〜6のEPP成形体の見掛け密度の測定は前述した方法に従って行なった。
表4〜6のEPP成形体の50%圧縮強度の測定は次のように行った。
まず、得られたEPP成形体から縦50mm、横50mm、厚み25mm、の試験片(全面の表皮がカットされたもの)を切出した。次に、該試験片について、JIS Z 0234−1976 A法に従って試験片温度23℃、荷重速度10mm/分の条件で歪が55%に至るまで圧縮試験を行い、得られた応力−歪線図より50%歪時の応力を読みとり、これを圧縮強度とした。
表4〜6に示した二次発泡性の評価は、以下に示す方法で評価した。
<二次発泡性の評価>
◎・・・EPP成形体の表面において発泡粒子相互に隙間がなく、角の形状が金型の形状と同じ。
○・・・EPP成形体の表面において発泡粒子相互に隙間が少なく、角の形状が金型の形状より若干丸い。
△・・・EPP成形体の表面において発泡粒子相互に隙間が多く、角の形状が金型の形状より丸い。
表4〜6のL値の測定は、以下に示す方法で測定した。X−Rite社製反射型分光色差計商品名「X−Rite948 Spectrocolorimeter」を用いて測定モードをLabとしてL値を測定した。
<色合いの評価>
上記L値の結果より、色合いの評価を以下のようにして行なった。
◎・・・L値が0以上20以下である。
○・・・L値が20を超え60以下である。
△・・・L値が60を超え80以下である。
×・・・L値が80を超え100以下である。
表4に示したように、比較例1の成形圧力が0.44MPa(G)であるのに対し、実施例1〜3の成形圧力は、参考例1と同様に0.41MPa(G)の低温のスチームで成形できた。これはマスターバッチベースレジンの違いによるものである。また、実施例2及び3で得られた発泡粒子は、その表面に凹凸が少ない等の表面平滑性に優れ、特に実施例3の発泡粒子は、二次発泡性に優れ、同じ二次発泡性であれば実施例1及び2の発泡粒子よりも成形圧力が低くできそうであった。
表4において実施例3と実施例4とを比較すると、実施例3の成形圧力が0.41MPa(G)であるのに対し、実施例4の成形圧力が0.43MPa(G)になっている。これは、実施例3では30nmのカーボンブラックを用いたのに対し、実施例4では120nmのカーボンブラックを用いたことによるものである。
表5において実施例5と比較例2とを比較すると、比較例2の成形圧力が0.45MPa(G)であるのに対し、実施例5の成形圧力は、0.43MPa(G)であり、実施例5では低温のスチームで成形できた。これは、マスターバッチベースレジンの違いによるものである。
表6において実施例6〜8と比較例3とを比較すると、比較例3の成形圧力が0.43MPa(G)であるのに対し、実施例6〜8の成形圧力は0.41MPa(G)であり、実施例6〜8では低温のスチームで成形できた。これはマスターバッチベースレジンの違いによるものである。
また、実施例6及び8で得られた発泡粒子は、その表面に凹凸が少ない等の表面平滑性に優れ、特に実施例8の発泡粒子は、二次発泡性に優れ、同じ二次発泡性であれば実施例6及び7の発泡粒子よりも成形圧力が低くできそうであった。
図1は、本基材樹脂の、第1回目のDSC曲線のチャートの一例を示す図である。 図2は、本基材樹脂の第2回目のDSC曲線のチャートの一例を示す図である。

Claims (8)

  1. 引張弾性率が1200MPa以上であるポリプロピレン系樹脂からなる基材樹脂と、熱可塑性重合体と着色剤からなる着色混合物とを溶融混練して、基材樹脂内部に着色剤が熱可塑性重合体に覆われて存在する発泡用樹脂組成物粒子を造粒する樹脂粒子製造工程と、該発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、発泡用樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された発泡用樹脂組成物粒子を発泡させる発泡工程とを含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  2. 引張弾性率が1200MPa以上であるポリプロピレン系樹脂からなる基材樹脂と、エチレン系重合体と着色剤を含む着色混合物とを溶融混練して発泡用樹脂組成物粒子を造粒する樹脂粒子製造工程と、該発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、発泡用樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された発泡用樹脂組成物粒子を発泡させる発泡工程とを含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  3. エチレン系重合体がエチレン−プロピレン系ゴムであることを特徴とする請求項2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  4. 引張弾性率が1200MPa以上であるポリプロピレン系樹脂からなる基材樹脂と、熱可塑性エラストマーと着色剤とを含む着色混合物とを溶融混練して発泡用樹脂組成物粒子を造粒する樹脂粒子製造工程と、該発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、発泡用樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された発泡用樹脂組成物粒子を発泡させる発泡工程とを含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  5. 引張弾性率が1200MPa以上であるプロピレン単独重合体からなる基材樹脂と、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体と着色剤とを含む着色混合物とを溶融混練して発泡用樹脂組成物粒子を造粒する樹脂粒子製造工程と、該発泡用樹脂組成物粒子の表面を分散媒体中で有機過酸化物により改質する表面改質工程と、発泡用樹脂組成物粒子に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、発泡剤を含浸している表面改質された発泡用樹脂組成物粒子を発泡させる発泡工程とを含むことを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  6. 着色剤がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  7. カーボンブラックの平均粒径が5nm〜100nmであることを特徴とする請求項6に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  8. カーボンブラックの含有量が発泡用樹脂組成物粒子を構成する樹脂組成物に対して0.1重量%以上5.0重量%未満であることを特徴とする請求項6又は7に記載のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
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